sorry,Japanese only
平成26年2月28日

第190号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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190号 目次
遠い山から
支援者養成セミナー 報告
即実践講座のお知らせ
キッズルームの報告
母の想いを話す会・『俺ノート』の会のお知らせ
18歳の春を目指す親子療育クラブ お知らせ
OHAの会・クローバーの会 お知らせと報告
サッカークラブ・水泳教室 お知らせ
私のお薦め本コーナー
「自閉症スペクトラム」
ぐんぐんだより
赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
支援センターNEWS
新聞記事の紹介
読書三昧 「自閉症スペクトラム」
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遠い山から吹いてくる北風の音が、ゴーッゴーッと鳴っています。
2月の終わりとはいえ、まだまだ吹く風は、冷たい北風です。
風の音は、家の中にいるとそれほど感じないけれど、外で佇んでいると、風をしっかり感じることができます。
遠くの山の木が鳴りだし、近くの竹やぶがゆすれて、そして私の体を通りぬけた風が、山の上にある団地まで噴き上げていく・・・
通り道の真ん中に立って、風にわが身を預けていると、自然と共にあることが実感できます。
みなさん、お元気ですか?
インフルエンザや悪い風邪が流行しているようですが、皆様のご家庭はどうでしょうか?
「手洗いとうがいさえしっかりやれば、インフルエンザなんか、かかりませんよ」
と、先日会った薬剤師の方が言われていました。
そうなんだと信じて、手洗いだけは、しっかり頑張っている私です。
うっかりとウガイの方は忘れてしまうこともありますが、今年も何とか、ひどい風邪はひかないで、過ぎてくれそうです。まだまだ、油断は大敵ですが・・・・。
2月も終わりに近くあっという間に会報の時期が来てしまいました。
1か月が、28日しかないなんて・・・短すぎるよ〜 なんて文句を言いたいところですが、来月の給料日は、その代わり早くやってくるので、いい!! ・・・そんなこと言っているのは、私だけでしょうか?
さて、今月も、いろいろなことがありましたよ。
我が家のなんといってもビッグニュースは、NHKの撮影隊が、哲平の取材に来られたことでした。
哲平は、働き始めて3月で丸8年になります。それを待っていたかのようなNHKさんからの取材の申し出にびっくりしました。
丁度今から8年前、養護学校を卒業して、就職したばかりの哲平を取材してくださったのも、NHKさんでした。とても大きな反響があって、皆さんから励ましのお声をたくさんいただきました。色んな方から「見たよ〜」「がんばっているね〜」「勇気をもらったわ〜」などと、嬉しいお声をかけていただきました。
私も調子に乗って、講演を頼まれると最初にこのビデオを流したりしました。
今回は、8年前と比べて少し成長した哲平の様子を見ていただけるものと思います。
撮影は、会社に2日間、我が家に2日間と結構長い時間撮影がありました。我が家の場合は、台所から哲平の部屋、トイレの中まで写されてしまいました。
私は片づけられない女ですから、それはもう大変!! 撮影隊が来る直前まで片づけていました。でも、でも・・まさか冷蔵庫の中までを映すとは思わなかったな〜(とほほ・・・)。
おかげで、撮影隊が去っても、今のところはきれいな我が家です。片付いていると気持ちいいですね。
テーブルの上には、何も乗っかっていないなんて、本当にすっきりしていていい気持ちです。
しっかり今の状態を続けたいものと思っています。
でも、片付いた我が家にネコさんは居心地悪そうでした。
いつもと同じが好きなのは、自閉症の子供ばかりではないようです。
そういえば、8年前の撮影の時に、いつもと違う我が家に混乱したのかも知れない当時飼っていた猫が、どこかにおしっこをしたらしく、猫のおしっこが強烈に匂う我が家での撮影になったのを思い出しました。恥ずかしがる私に、「臭いはテレビに映らないよ」という夫の一言。ああそうか・・・と納得する私。こんな夫婦です、私たち。
放送があるのは、3月7日(金)20:00〜です。「スリー・ストーリーズ」という題で、NHK岡山の放送です。三人の青年の就労をテーマにしたものだそうです。哲平の出ているのは、14分くらいだそうです。
皆さん、よかったら見てくださいね。中国地方だけの放送だそうです。
哲平の働く様子については、DVDを見ていただいた、吉田友子先生からも、嬉しいお便りをいただきました。
会報で載せてもOKということでしたので、皆さんにも紹介します。
横浜で先生の所に通われていて、“働く”というイメージが、なかなかつかめないとおっしゃっておられたHさんのご家族に、実際の映像として見ていただいた際のものです。
「働いている哲平君の映像をお見せしたいので」と吉田先生から頼まれて、哲平が会社で働いている所を撮ったDVDをお送りしました。
まず2012年の事故後の袋がけをお見せしました。
この映像で、哲平さんが独語もなく安心して熱心に作業に従事している姿を見て頂きました。現在の哲平さんは一日の袋がけが1500個で誰より優秀な作業効率であることを、補助具の説明とともにお伝えしました。
次に2008年の袋がけです。
この時の哲平さんも十分に優秀な労働者で補助具の工夫もなされています。
しかし2012年の映像に比べると動きが大きく、従って効率は2012年ほどではありません。また時折声出しも見られています。
2012年の哲平さんの映像は、自閉症の人たちは安心すれば日を追って適応を向上させられること、その結果として症状を顕在化せずに済むことを実地で示してくださっていると思います。
ここで、実は先ほどの2012年の映像は交通事故後の上肢可動域の制約に合わせて作業手順を変えて頂いたものだということをHくんご両親にお話ししました。
2008年の作業工程は、一般の工員の方の袋がけと同じ動作を、補助具を用意することで哲平さんが確実に行えるように工夫されていると思います。
2012年の作業工程をみると、哲平さんが事故にあったことで、一般の工員さんの手順をなぞるのではなくもっと自由な発想で哲平さんに合った手順が検討されたように思われます。そして結果として空中での作業が一つもない工程が組まれています。これが哲平さんには(多くの自閉症の方にとって)とても合っていたと思います。
この後に2006年のNHK映像を見て頂きました。
Hくんのご両親に、2008年から2012年への変化として私が解説したことを一層明確に実感して頂くためです。
また、この映像で、職場の方たちの哲平さんへの暖かいまなざしや実際の工夫、それを引き出したお母さんのスタッフへのアプローチやアイデアについて確認させて頂きました。
最後に2009年の棒巻きの映像を見て頂きました。
これは哲平さんが袋がけだけをしているのではないことを確認したかったのと、他の利用者さんとの「共同作業」のあり方について医師として感銘を受けたので見て頂きました。
哲平さんは対面している方の進行の状況を気にして作業している訳ではないと思います。相手の方も同様です。でも作業手順が適切に組まれていれば(加えて、相手の方が転がってきたベアリングに手を挟まれないように手順を指導されているので)、何の問題もない「共同作業」が成立しています。素晴らしい指導だと思います。
哲平さんの転がすタイミングが対面する方の手順と少しズレた場面もあるように思いますが、相手の方は哲平さんに「指導」しないで淡々と行っています
(特別支援学校や福祉施設で、知的障害の軽い利用者の方が別の利用者の方に口頭で「指導」してお互いの混乱が引き起こされてしまうエピソードをよく伺います)。
映像に映っている3名の方たちが皆他人の行動に引きずられずに黙々と自分の作業に取り組んでいることが、お互いの安定や作業効率の向上に寄与していると思います。
哲平さんは職場で受入れられていると感じます。自分の作業に怠けず黙々と取り組む哲平さんの姿に彼の誠実さがにじみでていることも、彼が受け入れられている理由のひとつだと思います。
他人の顔色を読もうと様子をうかがって他人の言動に過敏に反応したり、他人にまとわりついたりすることが、周囲の受入れをよくするわけではありません。むしろその逆です。他人へのまとわりつきが目立つ方は、就労が困難なのはもちろんのこと、福祉施設に安定した居場所を見つけることも困難です。私が講演会で「社会性の向上とは人との関わりの総量が増えることではなく、適切な(必要な)行動がとれることと、不適切な行動をしないでいられること」と毎回お伝えする理由です。
でも学校では(そして幼児期・学童期の親御さんの多くが)、人との関わりの総量が少しでも増えるようにと指導します。その結果、相手の言動の意味は正確に受け取れないのに、周囲の動きが気になって過敏に反応し引きずられて混乱する大人になっていきます。残念です。自分の力不足が歯がゆいです。
情報の洪水に気づくだけ気づいて、読み取れない。拠り所にすべき情報も用意されていない。それはどんなに恐ろしい世界でしょう。
哲平さんが会社で受け入れられているもう一つの理由として、彼が社会(集団)を恐れていないということが挙げられると思います。
哲平さんの療育機関の卒業式のエピソードを思い出します。お母さんは泣き叫ぶ哲平さんを力づくで体育館に引きずり込み、押さえ込むことだって出来たと思います。でもお母さんはそれを選ばなかった。哲平さんとお母さんは卒業式に出られなかったのではなく、哲平さんにとって意味の読み取れない恐怖に満ちた空間に身を置くことを選ばなかったのだと思います。
鳥羽さんご夫婦の哲平さんへのご様子を拝見すると、成人期までに同じような選択を数多くされてきたのだろうと思います。もちろん、哲平さんの言いなりになって暮らしてきたのではなく、彼が理解できる事柄に関しては明確に指示して実行させてきたのであろうことも、哲平さんが身につけている多くの技能をみれば容易に推測できます。
集団参加は分量ではなく、参加する以上は安心してそこに居られること・自分のとるべき行動がそこでとれることです。その積み重ねの結果として、集団に怯えない、過剰に反応しない大人になれるのだと思います。
哲平さんの映像に私が勝手につけた解説は、私の思い込みもあるかもしれません(生活のごく一部の映像を見せて頂いただけですから)。勘違いがあれば、どうぞご指摘ください。
診察で親御さんにお伝えしたいことを明確にするうえで哲平さんの映像はとても有効です。映像をご提供頂いたことを感謝いたします。
よこはま発達クリニック 吉田 友子
この映像に関しては、先日もお話ししたように、「2013年 ドコモ市民活動団体への助成」で、プロジェクターと映写用パソコンをいただきましたので、事務局でも映写できます。
興味のある方がおらましたら、またご連絡ください。
我が家の事は、これくらいにして、2月にあったいろいろなことを、順番に報告しましょう。
2月1日には、服巻智子先生をお迎えして、「自閉症スペクトラムの早期発見と療育・親支援のあり方」という演題でお話いただきました。
当日は、同じ日に岡山県の主催で無料の発達障害の講演会があり、参加者が集まるか不安でしたが、会場いっぱいの皆さんにお越しいただくことができて、主催者として、ほっと胸を撫で下ろしました。
保健師の方がちゃんと自閉症スペクトラム障害を見つけてくださるためには、どうすればいいのかというようなことをお聞きしたいと思っておりました。また、支援者は母親へのどのようなサポートをすればいいかという講演会でした。
先生のお話で私が特に感銘を受けたのは、“それぞれの立場”を考えるというところでした。
私たち親は、ともすれば近視眼的になって、早く障害を知りたいと思います。わが子の障害を知り適切な療育機関へつながり適切な支援を受けながら、子育てすることが、親としての使命・権利だと思います。けれど、先生は、親としての想いの部分だけではなく、保健師の方の立場をも尊重しなければならないとお話くださいました。
親にも色んな親がいて、我が子の障害を認められない人もいる。そんな親は、必ずと言っていいほど、保健師個人を攻撃してくるそうです。その時、保健師を守るという体制が必要だというお話をしてくださいました。
私は、息子の障害をいつまでも認めてくださらなかった保健師さんを実は、ずーっと恨んでおりました。「てっちゃんは、絶対自閉症ではありません」そんな風におっしゃる保健師さんは、今の哲平に対してどう責任を取るんだい!!・・・と、まぁ〜過激に恨んでおりましたね。
ですから、この服巻先生のお話は、目から鱗でした。
保健師さんが安心して、「お子さんには、発達に気になるところがありますから、詳しく専門の先生に診てもらわれることをお勧めします」という一言を安心して言えるために、私は何ができるだろうと、考えるようになりました。
それには、保健師さんも、親や子どもと同様に守ってあげなければいけない存在なんだと、思いました。
「それでも発達に気になるところがあります」といえる保健師さんを守る会を作らねばなりませんね!!育てる会は、頑張る保健師さんを守る会にもならねばと思った瞬間でした。
詳しい報告は、後のページをご覧ください。
さて、話は変わって、私は、今年思い切って川崎医療福祉大学TEACCH部の夜間講座を受講しました。
これは一年間、25回の講座があって、お仕事をしながら、TEACCHを学んでいこうという熱心な支援者の為の講座です。自閉症の最前線のお話を伺っていくという講座でした。
講師は、超有名な先生方ばかりでした。夜の講座で、この私が、一度も途中で眠くなることがなかったというのを聴かれたら、どれくらいいいお話ばかりだったか、分かってもらえると思います。久しぶりに大学の教室で勉強をするのは、楽しかったです。
保護者もOKですから、もし夜に家を空けられるような方がおられたら、皆さんもどうぞ、参加されると、いいですよ。
「保護者は、一番の支援者」とTEACCHは位置づけていますから、保護者にも開かれている講座です。
私も長年行きたかったのですが、受講料が高くて、ずーっといけないでおりました。
今年は、清水の舞台から飛び降りる思いで、受講することにいたしました。
参加して良かったです。楽しかった〜♪ 勉強するのは、好きみたいです、私。
でもね、新しい知識を入れても、すぐ忘れてしまうのも、私です。とても残念です。
入れても入れても、漏れていく穴あきバケツのような私の脳みそです。やっぱり60を過ぎてからでは、遅いですねぇ〜、ダメですねぇ〜。
皆さんには、若いうちに勉強されることをお勧めいたしますよ。
先日、最後の修了式と、懇親会がありました。その時の写真がこれです。
佐々木正美先生が来賓として来てくださって、お祝いの言葉をいただきました。
先生は、とてもお元気になられていて、嬉しくてなりませんでした。
佐々木先生と金屏風の前で写真を取らせていただきました。
お雛様みたいでしょ?誰ですか、ちょっと年とったなんていっているのは・・・・。
お料理もおいしく楽しい懇親会でした。寺尾先生、諏訪先生と有岡先生方と一緒の写真です。
たくさんの知り合いが出来て、いい学びもできました。
先生方とも、たくさんお知り合いになれて、とても有意義な勉強会でした。
2月は岡山でも2回も雪が降りましたね。とてもたくさんの雪が降って、8日の雪の日は、ちょうど土曜日だったので、どこへも行かず家で過ごしました。その日はちょうどNHKさんが来られた日でもありました。雪だるまを作らせてみました。
ところが、作り始めるとそれほど楽しそうではなくて、「冷たい!」とか、「濡れる!」とか色々言いました。嫌だったのかと、その時思いました。
親が「雪だるま作りますか?」と尋ねると、思わずつられて、オウム返しで「作ります」と言ってしまう哲平です。
でも、本当は雪は、暖かい家の中から見ているのが好きだったのでしょうねぇ〜。じ〜っと雪が降る様子を見ている哲平を見て、NHKさんも親もいい映像が取れるというように思ったのが、間違いの元でした。
哲平は、断ることができない子です。嫌なことでも思わず「ハイ!」と言ってしまうような気のいい人です。かわいそうなことをしました。
お父さんとNHKさんと哲平が、外で頑張っているのを家の中から、ひとり窓越しに見ながら、「やっぱり雪の日は、家の中にかぎるわ〜♪」とニンマリする私でした。
8日の雪は、土曜日だったこともあって、会社もなくよかったのですが、次に降ったのは14日の金曜日でしたねぇ〜。哲平は、JRが事故で不通になったこともあって、会社までお父さんが送っていきました。私は、この日、京都へ行く予定の日だったので、大変でした。幸い道路は凍結していなかったので、何とか車で、赤磐→備前→赤磐→岡山と廻ってもらいました。
京都も雪が降っていて、とても情緒のある古都の雪でした。高い京都駅の上から東本願寺さんの甍の上に降る雪を眺めながら、学生時代の友人とゆっくりつもる話をしました。
次の日から2日間、京都でTEACCHコラボレーションセミナーというのがありました。
性についてのお話という事で、発達障害支援センターの原さんと一緒に受講してきました。
実に興味深いお話でした。
性の事をこんな風にオープンに照れなくお話聞かせていただけて、素敵だなと思うし、それを自閉症の本人の方の人権という視点で考えているのも、TEACCHらしいなと思いました。
息子の支援は、間違っていなかったことを確信しながら、なんだか気持ちも晴れやかに、帰ってまいりました。
皆さんにも、学んできたことを先輩のお母さんとして、機会があればお伝えしたいと思います。性の本も何冊か買ってきましたので、また事務局へお問い合わせください。
さて、最後に哲平のマラソン情報です。
2月11日にあった「えびす駅伝」と2月23日の「そうじゃ吉備路マラソン」に参加しました。吉備路マラソンは、ハーフマラソンに参加しました。
1時間20分と前よりタイムは、落ちましたが、交通事故後久しぶりのレースとしては上々のタイムだったのではないでしょうか? 全体で41位、種目別31位の成績は、立派でした。20分後に10kmの部でスタートしたお父さんとは、ほぼ同時にゴールしました。
一人でレースに参加して、一人でペース作りしてゴールするという事は、相当大変なことだと思うのですが、途中経過は、情報がないのでさっぱり解りません。ただただ、走り終わって,「千円!!」という哲平にお金を渡すだけの親です。
このたった千円のために、よく21.0975キロもの距離を走れるもんだと、感心するのみの私です。
今月は、頑張った哲平君に敬意を表して、面白話は遠慮することにします。
人権という見地から考えると、こんなに哲平君情報で面白がっていいものか、笑っていいものかとふと思ったからでもあります。
3月は、あっという間に始まって終わる月です。
学校へ行かれているお子さんは、学年が変わる前の準備の時でもあります。
新しい学年になったことをきっかけにして、○○を頑張ろうとか、○年生になったから、できるようになったね。などと、褒めてあげられるような、頑張るきっかけの区切りにもなる時です。
「さすが○年生だね〜」という言葉をよく使って、奮起を促すなんていい支援だと私は思っています。
私くらいの年になっても、「さすが60歳ですね。鳥羽さんは、私たちの先輩ですよね〜、よく何でもご存知でいらっしゃいますね〜」なんて言われると、ちょっと嬉しいのですよ。
そういえば、この間ぐんぐんキッズの療育に入っていたら、私の事を「おばあさん先生!」と呼ぶ子がいました。いくつになってもレディに対しては、おばあさんなどと呼んではいけないことを、厳重に注意をしておきましたよ〜。社会スキルとしてしっかり教えなければと思った次第です。
齢といえば最近足が上がりにくくなって、躓くことが多くなったように思います。
先日なんか、玄関を出てタイルで躓いて、門まで5メートルほどを,オットットしました。(オットットとは:躓いたけれど転ばないで何とか、しのいだという事です)
転んでしまわなかったのは、まだ若いけれど、タイルの目地に躓くのは、情けないですね。
そんなこんなで、色々あった2月も終わりました。
3月末号は、春風と共にお届けしたいと思います。皆さん、それまで、お元気で・・・・・。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
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支援者養成セミナー 報告
先日2月1日(土)岡山ふれあいセンター大ホールにて開催された、大阪大学大学院連合小児発達学研究科 招聘教員の服巻智子先生による「自閉症スペクトラムの早期発見と療育・親支援のあり方 〜自閉症支援、世界の最前線〜」の講演会に参加しました。
その中で、特に印象に残ったことについての感想です。
佐賀県での実践を通して、早期発見、早期養育の重要性について詳しいお話を聞くことができました。
1歳前後でも、定型発達の子どもとASDの子どもの違いはあらわれています。お母さんを見ている時と、おもちゃを見ている時の脳が動いている場所の違いや、視線の動きの違いが分かる映像などを見せてくださり、違いがよくわかりました。
ですが、2才前に療育を開始すると大きく変わるそうです!(やり方があって、誰にでも簡単にできるわけではないようですが…) 早期療育(ESDM)によって、自閉の特性が軽減し、知能も発達する。だからこそ、早期発見がより適切な教育の入口である、と早期発見、早期療育の意義を熱く語っておられました。早期診断・早期療育は子どもの権利だという言葉が強く印象に残りました。
佐賀県は保健師さんたちに上記の考え方を徹底して伝えています。また、教材ビデオを製作し、定型発達の子とASDの子の違いや、問診票の見方、対応法など、最新知見を取り入れた乳幼児健診をするための研修を継続して(常にアップデートして)行っているそうです。チェック項目として、視線が合うか、共同注視があるか、ほほえみ返しがあるか、楽しさを分かち合えるか、7,8か月以降になると視線、声、ジェスチャー同時に使ってのコミュニケーションができるかなど、たくさんの項目を挙げてくださいました。気をつけなくてはいけないのが、「どれかあればOK」ではなく、「どれか1つ欠けてると△」ということです。
子どもが障害を持っている疑いがあるなら、それを伝えなくてはいけません。保健師さんにとってはやりにくい仕事だと思います。そのことに関する質問も出ました。先生はそのお答えの中で、「子どもについての情報を提供することは大事な仕事の一つです。親が拒否をしたり泣いたりするのは当然で、十分想定できることなのだから、市町村単位で対応を考えて、保健師個人の責任にしない体制つくりが必要」と言われていました。
その後の親の心情面のサポートについてもお話しされていました。保護者自身のためでもありますが、子どものためにも少しでも早く受け入れ、前を向いて進んでいかなくてはいけません。子どもの経過を毎月丁寧に見て、親の気持ちにも寄り添いながら、発達の違いに向き合うためにどうするかを伝えるようにしているそうです。
午後は、佐賀県の『発達めばえ外来』での診断や療育についてお話を聞きました。
診断は医師や臨床心理士などチームで行い、丁寧に、慎重に、一人の子に対して1日かけて行うそうです。1歳代なので、言葉がほとんどない状態で発達をチェックしていくのですが、そのポイントは、社会性、人とのやり取り、コミュニケーションだということです。たとえば、楽しい、うれしい、びっくりしたことに対して親と共有しようとしているか、一旦親から離れても3分ほどで親の元に戻ってくるかなどで、単にコミュニケーションがあるかないかとか、量ではなく、質の部分をチェックされているのだなあと感じました。
保護者への説明も、1時間かけて丁寧に行うそうです。祖父母の方にも可能なら説明に同席してもらって、家族全体でサポートできるようにと考えられているとのことで、さすがだなと思いました。
ESDM(Early Start Denver Model)では普通の療育と違って、0歳からの自閉症の脳の情報処理の特性を考慮したカリキュラムが整備されているそうです。まずはマンツーマンで。子ども本人が集団を受け入れていないのに、集団に入れても伸びにくいとおっしゃっていました。実際にESDMを受けているお子さんの映像を見せてくださいました。療育を始めてすぐの頃と、3か月後の様子を比べると、明らかによく笑い、共有できることが増えていたのです!1つのおもちゃで繰り返して遊ぶ力も身についていて、お母さんや療育者とかかわろうとする姿が見られてびっくりしました。脳波の動きの調査結果でもその違いは出ているそうで、療育が脳を変えられる限界は2歳ごろではないかとのことでした。本当に早期療育は大きな効果があるのだとあらためて思いました。大きくなるとその子にあった方法の療育を行い、地域の幼保園への移行支援にも力を入れているそうです。
また、『ほっとカフェ』では家族支援、親へのカウンセリングなどの事業を行っているそうです。そこで、親たちの悲しみや反発を受けとめつつ、自閉症の子どもは必ず発達することを伝えて、親たちが自分でやっていく心構え、覚悟をするためのパワーの源の役割を果たしているようでした。保護者にとって、ここなら話せるという貴重な場所になっているようでした。
佐賀県の実践はASDの子どもたちはもちろん、子どもを取り巻く人たちへのフォローまで考えられていて、本当に素晴らしい、正直に言えばうらやましいものでした。服巻先生がいらっしゃるからこそというのも大きいですが、まねできるところはとり入れて、各県が少しでも、ASDの子どもたちを救える、助けになるシステムを作っていってほしいなと思いました。服巻先生のお話は今までも何回か拝聴していますが、いつも、びっくりするような新しい発見があって、自閉症の子どもたちへの愛情にあふれていて、親・支援者が頑張らなきゃ!って背中を押してくれるような言葉があるように思います。服巻先生、ありがとうございました。
【保育士の方】
・佐賀県での取り組みを聞くのは2回目ですが、服巻先生のお話は分かりやすかったです。実際に自分の市はどうしているのかな?どんなシステムで行われているのか知りたいと思いました。診断を受け入れるまでの親の苦悩に遭遇することはよくあります。その親のフォローはとても大切だと思います。それを保健師の方と手を取り合い、一緒にできたらと思いました。行政、医療、保健師、園の各々が独自でしていたのではいけない。子どもに関わる人達の連携を持って行けるといいなと思いました。
自分の市ではまだ3歳児健診で動き始めることが多く、就学前を目安に進めていることの方が多いように思います。早期発見早期療育がいいことは分かっているのですが、現実はできておらず、現場(園)はどうしたらいいのか困っているという感じです。佐賀の発達めばえ外来のシステムが自分の市でも行われるようになったらいいのになと思いました。
・今日の話を聞いて本当に早期発見・療育が大切だと思った。ビデオの3か月の違いはすごかった。正直、療育でどんなことをしているか分からなかったので、行って変わるのかな?って思っていたけど、成長しているのが目で見て分かり保護者の方も笑顔になっていた。私の仕事では保護者に勧めることしかできないけど、ちょっとでも伝えていけたらいいなと思った。
・療育の実践映像があり、分かりやすかった。保育現場での子ども達との関わり(特に3歳未満児クラスで1対1で関わる時)に実践していこうと思います。早期発見なのですが、私たちの職場では1歳半検診を重要視しています。気になるところがある場合、保健師さんにあらかじめ連絡を入れておき、健診の時に意識して関わっていただくようにし、担当地域の後日連絡もいただいています。療育の方につながっていく場合もあるのですが保護者の方の以降により断念となることもあり… 今後は今日のお話を元に、もう一歩勇気を出して、信頼関係構築ののち保護者と関わっていこうと思います。
・療育ESDMであのような大きな変化が見られることに驚きました。発達障害の疑いがある場合、保護者に子どもの姿を伝えることに勇気が要りますが、今日のセミナーで子どものために伝えていかなければならないということを感じました。
・保育園に勤めています。今日の講演会に参加させていただき、改めて自分の保育のあり方を見つめ直すきっかけになりました。進級に向けての個人懇談が先日終わったのですが、先生が言われていたように、私が、自閉症など発達障害の子をよくみる病院や療育の場があることをもう少し詳しく知らせていくことができたら、何人もの人生を変えていけたのかな?と思いました。また4月に家庭訪問があるので、今日学んだことを生かして話をしたいと思います。
【保健師の方】
・1歳6か月児健診の問診票のポイント(入室してから退室するまでも、もちろんですが)がとてもよく分かり、すぐ明日から実践できそうです。(当市は10か月健診を集団でしているので)1歳未満でも分かるということが再確認でき、乳児健診で実践していきたいと思いました。また、フリーランスの保健師ではなく、行政の一員として支援していかなければならないこと、保健師を守るシステムをかんがえていかなければならないことが、印象に残りました。
・今までは、1.6健診では引っかからなくても、3歳健診があるからいいかな…と思っているところがありました。しかし、今日のお話を聞いて、1歳半(1歳になる前から)違いが分かること、早期療育の重要性を実感しました。ESDMの効果を動画で見ることができて参考になりました。貴重な講演をありがとうございました。
【保護者の方】
・こんなに早く自閉症の診断ができることを知ってびっくりでした。でも、詳しくお話を聞いて、なるほどなあ、専門的な目を持って見てみると見えてくるものがあるなあと思いました。我が子は10歳の自閉症ですが、1歳半を過ぎた頃我が子のことで思い悩み、相談するところもなくて、毎日悲しい思いをしていたことを思い出しました。なので、佐賀で取り組まれていることはすごく素晴らしいなあ、うらやましいなあと思いました。もっと日本全体で自閉症に対する理解が深まって、早期療育が進んでいくといいなと思いました。先生の、自閉症の人は働ける人になる、という言葉に元気をもらいました。社会の構成員の一人になれるように、頑張って育てたいと思います。
・佐賀県の先進的な取り組みは、ぜひ我が県でも進めていただきたいなあと思いました。実際、保育士さんに大丈夫〜と言われても自閉症でしたし、診断がおりるまで半年くらい待たされました。無駄な年を過ごしたのではないかと後悔もありますが、今後もっと子どものためになる支援機関、行政の取り組みへの働きかけが保護者にも必要だなあと、今回のお話を聞かせていただいて思いました。
・佐賀県のモデルを紹介してくださりありがとうございました。保健師さんや子どもに関わる周りの支援者達の養成に、力を注がれている様子がよく分かりました。子どもの幼い頃のことを振り返った時に、あのときこんな保健師さんや、言語の先生、お医者さんとの出会いがあれば、親自身がもっと気持ちを楽に、子どもと関わり合えたのかもしれないなあと思いました。診断を受けて一番辛い時期のフォローがすごく充実しているのもいいなあと思います。親にそれだけのことを受け止められる心の余裕次第で少しでも楽しく、落ち着いて、子どもの将来を開いていけるのかなあと思います。子どもと、周りの方たちと、ゆっくりいい関係を築いていくことができたらと思います。
【その他の方】
・普段2歳代以降の幼児さんにお会いすることが多いですが、1歳代の方の発達の様子、課題を学べて非常に良かったです。
「親御さんの癒しはお子様の成長である」ことを今一度見直し、保護者の方にエネルギーを持っていただけるように働きかけていきたいと思います。服巻先生のお話は私にとってもエネルギーとなりました。ありがとうございました。 (心理職)
・印象に残ったお話がありました。午前の部で、保健師さんの質問「関係を悪くするのではないかと不安」に対して、「不安」は個人の感情、「関係を悪くするのでは」というのは、初めからすんなり受け入れられる家族はいない、反発・反感・苦情などあって当たり前で、それを予想・想定して伝えること、どう伝えたらよいか対策を考えながら対応していかなくてはいけない。そして「情報を提供する」ことが私の仕事で、それを受けて「決める」のは保護者だということ、です。私もその点を日々大切にしてはいるのですが、今日改めてその大切さを実感させていただきました。佐賀県の取り組みを、全都道府県の教育に関連する課やお医者様にも聞いていただきたいな、市長とかトップの方にも知っていただく機会があったらなと思いました。貴重な研修をありがとうございました。 (幼稚園教諭)
・佐賀市の先進的な取り組みに目からウロコでした。正しい指導で本当にのびるのだと実感しました。風船をお母さんのところに持って行ったシーンでは胸が熱くなりました。私も指導に携わる一人として、正しい知識を待たなくてはと思いました。(とはいえ、どこから手をつければいいのか戸惑っています)たとえば、○歳ならこんなことが…という分の小学生バージョンも知りたいです。 (小学校教諭)
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教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ
来年度の即実践講座の講師が決定しました。
門 眞一郎 先生です!!
乞うご期待! 各回の詳しいテーマ等は詳細が決まりしだいお知らせします
☆第1回☆ 平成26年5月21日(水)19:00〜20:55
【 毎月(8月を除く)、第3水曜日の予定です 】
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室
【原則:変更になる場合は会報でお知らせします】
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
【申し訳ありませんが、保護者対象ではありません】
講 師 : 門 眞一郎 先生(児童精神科医:京都市児童福祉センター)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
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キッズルームの報告
2月16日(日)、岡大体育館にてキッズルームを開催しました。3才〜小6の子ども達15人が参加し、優しいボランティアさんとともにしっかり身体を動かして遊びました。
ボランティアの皆さんは、午前中からしっかり準備をして臨んで下さっているそうで、本当にありがたいなあと感じました。
参加者の方からの感想の一部を紹介します!
・今回も楽しく参加させていただきありがとうございました。参加しはじめの頃は、親の私もボラさんと一緒についてあれこれ行動していたのですが、今では親子ともどもすっかりボラさんを信頼して、親子離れて過ごすことがほとんどになりました。(こんなに安心して見ていられることは他にはまずないです)多動であったり、こだわって逆に1つの遊びを長時間していても、すんなり受け入れてれるボラさんの存在は本当にありがたいです。
・広い体育館をのびのび走り回っている我が子の楽しそうな姿にとても嬉しく思っています。普段は知らない人と遊んだりすることはないので、色々な体験を通して人との関わりの喜びを知ってくれたら親としてこれ以上の喜びはありません。知っていることはたくさんあっても、社会性の低さで能力を発揮できないことが多く、親が教えられないことなどを人との関わりから感じてくれたらと思います。周囲に気兼ねなく遊べるこのキッズルームは、我が子にとってきっとパラダイスだと思います。感謝です。
・キッズルーム、とても楽しませていただきました。兄弟2人とも、体育館に入るなり走り回っていました。スカイバルーンも楽しかったようでしたが、一番喜んでいたのは人形劇の「コンピュータ」だったみたいです。目で見て分かりやすく、子どもに伝わりやすい内容で2人とも爆笑していました!またぜひ参加させて下さい。ありがとうございました。
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母の想いを話す会
母の想いを話す会は、お母さんのための座談会です。お母さんの想いを話す場です。
初めての方は、知らない人ばかりのところへは行きにくいと思われるかもしれません。そんな方のために気楽で優しい会を開催します。(詳しくは下の報告をごらん下さい)
日 時 : 3月10日(月)9時半〜12時
場 所 : 育てる会事務局 食堂
参加費:300円
託児:必要な方は手配します (早めに教えて下さい。1時間700円です)
申込先:育てる会事務局(正会員限定)
2月18日、育てる会事務局にて6人の参加者で行いました。
はじめに、阿部真理子さんの「私の『光とともに…』」(「光とともに…」5巻あとがき)を皆で読み、その後それぞれのいまの悩みを相談しあいました。
幼児の保護者、小学校中学校の保護者、成人されている方の保護者と子どもの年齢に幅があったので、お互いへのアドバイスもさまざまでいろんな角度から考えることができました。
参加した方の感想の一部をを紹介いたします。
・あたたかい雰囲気で、ゆっくりと参加できました。皆さんのお話を聞かせていただいて、1人で行き詰まっていたことを聞いていただいて、皆さんそれぞれ頑張っているんだな、私もまた頑張っていこうと思いました。また機会がありましたら参加させていただきます。本当にありがとうございました。
・人数は代表も含めて6人と少なかったのですが、その分一人一人のお子さんの話をみんなでじっくり聞けて、「分かる分かる!」「あるよね!」と共感し合い、涙しあい、「こんな風にしたらうちではうまくいったよ」とアドバイスしあうこともできました。誰か一人に全員が相談を聞いてもらうスタイルではなく、また講演のように聞くだけのスタイルでもなく、また愚痴や文句を言い合うスタイルでもない、母の思いを話す会ならではの自浄作用(?)のような心がスッキリする時間になり、とても良かったです。子どもの年齢も性別も障害の状況も悩みも一人一人違って、ただ一つの共通点「自閉症の親である」ことに、こんなにも何も細かく語らなくてもわかり合えるんだなあと心強く思いました。また次回3月にしようという話も聞けたので、今から楽しみです。ありがとうございました。
★「ちょい支援」募集のお知らせ★
母の思いを話す会の中で、学校、園(普通級、支援級問わず)でのちょっとした支援がたくさんあるといいよね、という話になりました。先生方にとっても難なくできて、それで子ども本人はもちろん、周囲の皆も楽になる…(*^_^*)みたいな。
たとえば
・各時間毎にスケジュールを黒板の隅に書いておく
(例:国語…@教科書P.20〜22を読む A先生が質問する Bノートを書く Cおわり)
・黒板の両サイドの壁面にカーテンをつけておいて、授業中はかくす
・絵の具を使う時間に、パレット、画用紙、水入れを入れる場所を図で表示する
これらは会員さんの実例です!
皆さんにも、助けられた「ちょっとした支援」がひとつやふたつありませんか?(え?もっとある?)
そんな支援を少しずつ集めて、会報やHP上で紹介していきたいと思います。ぜひ皆さんの経験を教えて下さい!(メール、FAXでお願いします)お待ちしています!
その中で、これなら担任の先生もしてくれそう、うちの子にあってそうという支援を伝えてみてはいかがでしょうか?お互い助け合っていきましょう!!
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『俺ノートの会』のお知らせ
小学校4年生以上の男子!対象の『俺ノート』の会です。(正会員限定)
日時:平成26年3月16日(日) 10:00〜12:00
場所:おひさまハウス内 のびのびサロン(赤磐市和田194‐1)
持ち物:のり、はさみ、ノートや画用紙、切り抜き用雑誌など、飲み物
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18歳の春を目指す 親子療育クラブ
今年度最後の活動となります。
1年間を振り返っての反省と、できれば来年度勉強したいことの計画も立てたいと思っています。
ちょっぴりですが、お菓子を用意していますので、みんなで楽しくおしゃべり出来ればと思います。
また、入会を考えられている方も、お気軽にご参加くださいね。(正会員限定)
日 時:平成26年3月7日(金) 10:00〜13:00(受付 9:50〜)
場 所:東山公民館 美術工芸室 (岡山市中区平井4丁目13-33)
TEL 086-276-6202(ナビ用)
持ち物:マイ飲み物
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OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症・アスペルガー症候群の子どもを持つお母さんのための会です。(正会員限定)
知的障害がないからこその悩みや将来への想いなど、同じ立場のお母さん同士で想いを語り合いましょう。
実は、メーリングリストに入られている会員の方や、申し込まれた方にはお知らせしたのですが、当初2月20日に予定していた会が、体調を崩されている方が多く、3月3日に延期になりました。おそらくこの会報がお手元に届くのは、その期日を過ぎていると思います。
申し訳ありません。
まだ、メーリングリストに登録されていない正会員の方、この機会にぜひアドレスを登録しておいていただきたいと思います。
また、現在利用しているYAHOOのメーリングリストが5月で終了するそうなので、みんな揃って引っ越しの予定です。あわせてよろしくお願いします。
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クローバーの会 報告
今月は、おひさまハウスで「ガトーショコラ」を作りました。
Mちゃんが使っている手順書を使って、教え合いながら活動をしました。
その他にも、果物のカットや活動ノート作り、プロフィール帳記入など、今の自分に出来ることを見つけて分担していて、成長を感じられる活動でした!
参加者の感想は次の通りです。
雪のため、一時は参加を見合わせるとしたものの、メンバーから色々気遣ってもらい、やはり参加することにしました。みんなに感謝です。
当日は、材料を計量するところから、実際に作って、使った調理器具の片付けまで行い、どの子もよく頑張ったと思います。その後のガトーショコラはとても美味しいものでした。家でも作ってみます。(O)
ガトーショコラ作り、楽しかったです。
Mちゃんが、家でしているものを教えてもらったので、「メレンゲは、これでいいかなあ?」と尋ねたら、「ボールを反対にして、こうやってみたらいいよ。」と教えてくれたり、最後の仕上げのあたりでも、「Rちゃん、大丈夫?」と声をかけてくれたり、Mちゃん、とっても、たのもしかったです。ありがとう。(N)
次回は3月9日(日) 10時より、おひさまハウスにて ボランティア活動をします。
一年間の活動で使った部屋に 感謝の気持ちを込めて掃除しましょう!
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サッカークラブのお知らせ
日時 : 平成26年3月9日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所 : 岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、
個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。(正会員限定)
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水泳教室のお知らせ
(スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム 第5回)
日 時 : 平成26年3月16日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は、必ず3月12日(水)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。
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| ぐんぐん だより |
赤磐ぐんぐん
寒さもようやく衰えはじめましたがいかがお過ごしでしょうか。療育部屋の暖房を付ける時間も短くなってきました。春がもうすぐそこまで来ているようですね。
今回は、3歳までのお子さんを対象に行っている親子での療育の中でのエピソードを紹介したいと思います。ぐんぐんに通ってきているお子さんより小さいお子さんたちを対象の療育なので、『ぐんぐんぴっぴ』と呼んでいます。週に1回、お母さんと一緒に通ってきます。
おやつの時間でのことです。
ぐんぐんぴっぴでのおやつの時間には、それぞれお子さんの好きなおやつと飲み物を持ってきてもらっているのですが、そのお子さんは、自分で持ってきた水筒でお茶を飲むときに、うまく開けることができなくて困っていました。お母さんに手伝ってもらって開けることもあるのですが、自分でやりたい気持ちが強いので、手伝われることを拒否することも多くて困っているようでした。ここで支援を考えるなら、『てつだって』が言えるようにする。でしょうか?困っている時に、適切に援助を求めることができるようになることも大切ですが、そのお子さんが水筒を開けるところを見ていて、ぜんぜんできそうにないのではなく、あとちょっと頑張ればできそうな様子でした。お母さんも、「ちょっと手伝うね」と声を掛けながら手伝っていました。彼にとって、水筒を開けてお茶を注ぐことは、できそうなことでした。できないことを、できるようにするのではなく、できそうなことをできることにしていくことがスモールステップ。だとしたら、今やるべきことは、水筒の扱い方については、「てつだって」が言えるようになることを目指すのではなく、どうやったら一人でできるようになるかを考えることです。
お母さんと一緒に水筒を開けている様子を見ながら、何が難しそうなのかを一緒に考えました。コップ式の蓋に手をのせてまわすことはわかっています。でも、回す方向がわかっていないのでうまくあけることができていませんでした。次に、コップにお茶を注ぐとき、どこを持って注げばいいのかがわかっていないようでした。蓋を回す方向と、どこを持ってそそぐかを本人にわかりやすく伝える支援を翌週までにお母さんに考えてきてもらうことにしました。
翌週にお母さんが考えてこられた支援を写真で紹介します。
回す方向と、持つところに印をつけています。文字が読めるお子さんなので、字も加えています。水筒に工夫するだけではなく、何に困っていて、それに対する支援をどのように考えたかをお母さんがまとめてきていました。とってもわかりやすい内容でした。
家でもこの支援を取り入れた水筒を使ってみて、うまくいかなかったところがあったので、療育の時間にもう一度様子を見ながらお母さんと考えました。
蓋を開けることは、矢印の支援を取り入れることでスムーズに開けることができるようになっていました。どこを持って注ぐかをわかりやすくする支援は、ここを持つという意味は伝わって持てていたのですが、持ち方がぎこちなくこぼれそうなので、ここはうまくいっていませんでした。
持つところがわからないのではなく、どこからお茶が出るかが分からないから困っている、と考え、どこから出るかを分かりやすくするための支援を考える必要がありました。でる、とシールで示してあるのですが、この位置では注目することができていませんでした。注ぐところがわかりやすくなるためにはどうしたらいいかをお母さんに考えてきてもらうことにしました。そして、お母さんが考えたのが、次の写真です。
これでも、まだうまくいかなかったので、そこでもうひと工夫、シールの位置を上にしてみました。
すると、彼はその印に注目して注ぎ口を下に向けて上手にお茶を入れることができました。
そのお子さんもとってもうれしそうでした!
少しの位置の違いだけで伝わり方がこんなに違うのだということをお母さんと一緒に感じることができました。
水筒からお茶が注げるようになることは、お母さんにとっては、生活全般で考えると、優先順位は低かったかもしれません。でも、子どもにとっては、できるようになりたいことだったと思います。そして、できた!という実感を味わうことができ、まさにスモールステップ、できた!やれた!の経験を積み重ね、できなかったことができるようになった!という経験を積むことで、今度は、ちょっと難しいことにでもチャレンジしてみようという気持ちが芽生えるはずです。
今回のエピソードは、お子さんに必要な支援を、スタッフが全て考えるのではなく、お母さんに考えていただいて、そして、お母さんに成功体験を積んでもらうことを目指しています。これからずーっとその子に寄り添っていかれる家族の方が、お子さんに必要な支援を考えていくことができるようになるために、家族の方も、スモールステップで成功体験を積んでいくことがとっても大切です。そのお手伝いをすることが、私たちの大切な役目だと思っています。お子さんのスモールステップの成長を家族の方と一緒に考えていくことをこれからも大切にしていきたいと思います。
(赤磐ぐんぐん 療育スタッフ:河野 友紀)
ぐんぐんキッズ
暦の上では立春を迎え、寒さも緩んできたかなと思った矢先に、何年ぶり?かの大雪が降ってびっくりしましたね。ぐんぐんキッズに通ってくる子どもたちの中には、「庭で大きな雪だるまを作ったよ」「雪合戦をしたりして楽しんだよ」と教えてくれる子もいました。
小学校では例年のようにインフルエンザが大流行し学級閉鎖する小学校もあったようです。
春はすぐそこ。引き続き、体調に気をつけたいですね。
さて、体は寒さで冷えきっているのに、心がポカポカ暖かくなるような出来事があったので、ここで紹介させていただきますね。
ぐんぐんキッズには『おてつだい』というスケジュールがあります。
食器あらい 食器拭き 玄関はき 掃除機かけ 机拭き・・・子どものスキルに合わせた色々な『おてつだい』があります。
水やりのお手伝いをしてくれたAちゃんに、「ありがとう。Aちゃんのお陰で明日もきれいな花が咲くね!」と話していると、Aちゃんが 「私たちが帰った後、先生どんな仕事がある?」と尋ねてきました。
突然なに???と思いながらも、「みんなの勉強の片付けやごみを集めたり、掃除機をかけたり トイレ掃除もするかな」と答えると、Aちゃんは、「その中で私ができることってある?」と・・・。
前回のお手伝いの時に、「Aちゃんがお手伝いしてくれたおかげで、先生すごく助かったわ」と話したことを覚えていたんでしょうね。Aちゃんはどうやら、先生のお手伝いをして、先生の仕事がちょっとでも楽になればいいな。先生の役に立ちたいな。と思ってくれたようなのです。Aちゃんの言葉に、感激してしまいました。Aちゃんは『お手伝い』を通して、人に感謝され、自信を得て そして人の役に立ちたいという気持ちを持つことができたのでしょう。冷えていた体が、内面から暖かくなる出来事でした。
キッズに通ってくる子どもたちは『おてつだい』のことを『おしごと』と言っている子が多いです。もしかしたら、子どもたちの中で、手伝っている気持ちよりも、自分の仕事だから責任を持ってきっちりしなくちゃ!自信を持ってやりきる活動になっているのかもしれません。
ついつい『おてつだい』というと「役に立ってほしい」「完璧にやってほしい」という気持ちの方が先行して、子どもがしている横からついつい口出し・ダメ出しをしたり、手伝ってしまったりしがちですが、『おてつだい』は、それをすることで、誰かに感謝され、認めてもらうこと=子どもたちの自己肯定感が伸びることも大切なポイントです。
だからこそ、どんなお手伝いをさせるか(子どもの発達レベルに合わせたもの)や、口出ししなくても一人でできるにはどうしたらいいのか(最初に丁寧にモデルを示す・指示書を用意するなど)色々な工夫が必要になります。そして、お手伝いが終わった後が大切!!できて当然ではなく、しっかりと褒めてあげたいですね。
『おてつだい』には、褒めチャンスがいっぱいですよ。失敗したら、次に失敗しなくてすむ方法を考えたらいい。お手伝いにチャレンジしたことをしっかりと褒めてあげたらいいですよね。褒められると、満足感を得ることができます。満足感がたくさんたくさん積み重なって自信がもてるのではないでしょうか。
ぐんぐんキッズでは お手伝いが終わった後、感謝状を渡している子がいます。感謝状には、どこをどのようにがんばっていたかなどを書いたり、感謝の気持ちを書いたりしています。それをはがきフォルダーに綴じています。
感謝状が1枚増えるたび、子どもたちの達成感や自信が積み重なってくれたらなぁと思っています。
家庭で、親子で無理のないお手伝いに取り組んでみませんか?
お手伝いを通して、家庭の中で自分の役割を果たすこと、それはきっと将来社会の中で役割を持つことにつながることでしょう。「家族の役に立てて嬉しい!!」という気持ちを大切にしたいですね。
(ぐんぐんキッズスタッフ 三上 尚子)
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支援センターNEWS
私の周囲では風邪やインフルエンザ、嘔吐下痢など様々な病気が流行りましたが、今休むわけにはいかないと気力で乗り切った2月でした。雪の多かった今月、みなさんは元気に過ごされたでしょうか?いつの間にか日が長くなり昨日の仕事帰りには6時でもまだ明るい空でした。
近くの青空市にはいちごの旗が立ち、春は確実に近づいているなあとなんだか嬉しくなります。
さて、2月7日に発達障害支援センター主催でサポートブックメンテナンス会を開催しました。1年前に作ったサポートブックを、子どもの成長に合わせて、次の年度に向けて書き直そうという会です。昨年2月の作成会(2回シリーズ)を経て、5月の座談会以来なので約9か月ぶりの集まりでした。今回は新たに二人の仲間が加わってくれました。
寒い中お仕事の都合などやりくりして集まってくださった皆様ありがとうございました。翌日が何年振りかのものすごい積雪で身動きとれなくなり、ああこの日でなくてよかったとホッとしたのを覚えています。日頃の行いがいいのでしょうね。(もちろん、我が家でも雪だるまを作りましたよ。)
会の中では、小学校入学当初心配していたことが案外うまくいっていたり、お友達とのコミュニケーションの中に新たな課題を見つけたり、また皆さん共通の宿題への取り組みの悩みなども聞かれました。
ペアレントメンターさんから必要な部分に的を絞って書いてみようとアドバイスをいただいた方もいました。学習面では なぜ? どこに? どうして? つまずいているのかを見つけることで同じ宿題の悩みでも、取り組み方は違ってくるはずといった話が出ました。様々な質問やお話の中から、就学に向けての不安や心配を超えてこの1年お母さん方が成長したなと感じることも多くありました。日々目の前のことに追われる私たちですが時々基本に帰りながら、我が子のことを丁寧に考えてみることは大事だなと感じました。人が集まると一人では思いつかなかった解決策が見つかったりするもの、面と向かって話すことの大切さ、楽しさを実感したのは私だけではなかったと思います。ペアレントメンターさん、体験談やアドバイスを下さってありがとうございました。
私たちが確認し合った内容を少しだけここにご紹介しますね。参考になれば嬉しいです。
皆さんのご家庭でもさまざまな目標を立てて取り組んでおられると思いますが、あれもこれもできていないと心配してつい欲張った目標を設定してしまいがちです。
ぜひ す・ま・あ・と・な目標 を心がけて下さい。
○す すこしずつ (一度に多くを求めない)
○ま まんぞくできる(達成感や満足感が感じられる)
○あ あせらない (時間をかけてゆっくり取り組む
○と 取り組める (無理なくできる範囲で)
○な なんとかなる (できそうなこと)
うまくいっていない時には本当にこの目標でいいのかなと振り返ってみて下さい。今優先的に取り組むべき課題ですか?高すぎる目標ではありませんか?本人が(親も)できた喜びを感じられますか?
時にはできていることに注目してみるのも必要ですよね。赤ちゃんの時を思い出して、どんなにできることが増えているか考えてみるとなんだか誇らしい気持ちになります。前向きに楽しく取り組みたいですね。
サポートブックを一つのきっかけとして新しい学年を迎えても担任の先生方といい関係を築いていってほしいと思います。これから書いてみようかなと考えている皆さん、完璧なものにする必用はありません。是非書き始めてみてください。学校(園)の先生や支援者を巻き込んで一緒に作ていくものという気持ちで取り組めば、自分にも子どもにも支援者にもきっとプラスになるものがあるはずです。
うまく書けないから手伝って欲しい、書いたものを見て欲しいといったご要望にもお答えしますので気軽に声をかけてくださいね。
(あかいわ発達障害支援センター 相談員:政田 亮子)
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新聞記事の紹介
山陽新聞夕刊の記事 3回目、最終回です。
今回載せていただいた「自閉症スペクトラム」は『私のお薦め本コーナー』でも紹介しています。併せてご覧ください。
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
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