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平成26年4月30日

 

 第192号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 192号 目次

     はなみずき   

     支援者養成セミナーの報告

     即実践講座のお知らせ

     育てる会 総会&体験発表会のお知らせ

     『俺ノート』の会のお知らせ

     18歳の春を目指すクラブ  お知らせ

     OHAの会・クローバーの会 お知らせと報告

      サッカークラブ・水泳教室 お知らせ

     私のお薦め本コーナー
          「子育てプリンシプル

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     支援センターNEWS

     新聞記事の紹介 

我が家の庭の はなみずきが満開です。
昔、子どもたちが小さい頃に、苗木を買ってきて植えたものです。
子どもたちの成長と共に大きく育って、いつの間にか4メートルもの大木に育っています。
はなみずきは、剪定をしなくても自分で樹形を整えていく木だそうです。込み合ったところは、勝手に木が枯れてより勢いのある枝だけが、伸びていくようです。
剪定を一度もしたことがない我が家のはなみずきですが、威風堂々と我が家の門に華やぎを与えてくれています。
サクラと同じようにすぐに散ってしまうのですが、秋には、葉が紅葉して、赤い小さな実もつけてくれます。うす紅いろが、優しくてはかなげで、はなみずきは私のお気に入りの樹木です。
余談ですが、孫のコタロウは、この木の事を「はなみず」と呼びます。「おばあちゃん、はなみず(鼻水)綺麗だね〜」と少し本人も鼻水をたらしながら言うのが、おもしろい!!
さて、皆さんお元気でしょうか?
新しい年度が始まりました。学校へ行かれているお子さんは、新しい環境に慣れてこられましたか?
新しいことは、誰でも苦手ですが、必ずやってくる新しい年度。その度に私たちは子どもの為に、新しい準備が毎年いりますよね。
新しい担任の先生に我が子を知ってもらうために、毎年工夫をしたことを今でも思い出します。皆さん、新しいサポートブックは、できましたか?
去年のまんまではないはずの子どもたちですよ。
去年のより今年のサポートブックは、お母さんたちの伝える能力も上がっているはずですから、より良いものになるはずでよね。
そうやって毎年毎年作っていけば、いつの日か我が子の支援のエキスパートになれるはず・・・・。
今年もあかいわ発達障害支援センターでは、赤磐市の発達が気になる子を持つ保護者の方を対象にサポートブック作成のお手伝いをする為の研修会を行います。
こんなサポートがあればありがたいというお母さんたちの要望に沿っての活動です。
赤磐市の方は、どうぞ、お問い合わせください。
岡山県には、それぞれの市町村に発達障害支援コーディネーターさんが、配置されているので、市役所にお尋ねください。あまりご存じではない方が多いようですが、必ず力になってもらえるはずですから・・・。
赤磐市の発達支援コーディネーターは、今年から一人スタッフが増えました。小さい市ではありますが、3人体制での新年度スタートです。これまでの支援コーディネーターの原さんや政田さんが、頑張ってくださったお蔭で、市が新たに予算を付けてくださいました。ありがたいことです。
成人や就労関係の担当をお願いしたのは、一昨年まで岡山瀬戸高等支援学校の校長先生だった岡本啓さんです。
一番大変なところをお願いしております。小さい赤磐市ですが、スタッフ3人になると、お互いに補い合い助け合って行けるので、とってもいい感じです。みんなで赤磐市をよくしたいと張り切ってくださっています。
あかいわ発達障害支援センターは、育てる会が赤磐市から委託を受けて運営しております。学校や園、事業所などの支援だけでなく、主な支援先は、保護者と発達障害を持っているお子さんや大人の方です。
どうぞ、赤磐市の皆さん、ご利用くださいね。

さて、前回の会報で簡単に報告させていただきました4月に行われました世界自閉症啓発デー記念講演会です。
新学期始まったばかりということもあって、学校の先生方や、保護者の方が、もう少し多いと良かったのになぁ〜と悔やまれました。
詳しい報告と、アンケートの感想が、後のページにありますので、ご覧ください。小道モコさんのお話は、とても彼女のご苦労が偲ばれる・・・解りやすいお話でした。
イラストがすばらしいので、皆さん、「あたし研究 2」をぜひお買い求めください。
スライドにある、女の子が、まさに飛びこもうとしている沼なのか、プールなのか、解らないその水を移している絵が、綺麗で解りやすくて、いろんな人にこのお話を聞いて欲しいと思いました。
自閉症スペクトラムを持って暮らすということの大変さが良く判るお話でした。
また、「私たち研究」と銘打った門先生と小道さんとの対談は、おふたりの独特の間が何とも楽しくて、私は笑いっぱなしでした。
門先生は、“自閉症スペクトラム”と“自閉スペクトラム”という二つのスペクトラムの違いについてお話してくださいました。これもなかなか興味深く、おもしろかったです。
講師のお二人に許可をいただけたので、正会員に限りですがですが、当日のDVDの貸し出しもできることになりました。正会員で当日参加できなかった方は、ぜひお話を聴いてください。お二人のファンにきっとなられると思いますよ。

また、門先生は、今年は即実践講座もお引き受け下さいました。
毎月京都から岡山までお仕事が終わってから駆け付けてくださいます。
19時〜21時まで講義をしていただいて、当日は岡山でホテルにお泊まりいただき、翌朝早く京都の仕事場に向かわれると言うハードな暮らしが、今月からほぼ1年間続く次第です。
申し訳なくて、ただ感謝です。
それにしても、門先生に毎月お話していただけるなんて、なんという幸運なことでしょう。しかも年間10回の講座です。どうか、皆さんお仕事をやりくりしていらっしゃいませんか?
遠くからの方でも、大丈夫ですよ。何しろ講師の先生が毎回、京都からですもの・・・。
ただし、この講座は、自閉症の支援をしている方対象の特別講座です。申し訳ありませんが、保護者の方は参加できません。
学校の先生、幼稚園・保育園の先生、施設関係の方、医療関係者、発達支援のコーディネーターの方や、相談支援の従事者、学校の支援員の方、児童発達支援の事業所や放課後等デイサービスの従事者など・・・・、多くの方のご参加をお待ちいたしております。
日時、場所など詳しくは、今回もチラシを同封しますのでご覧ください。

さて、今年度、2回目の支援者の為の講座は、6月28日に岡山市ふれあいセンターにて、中山清司先生をお迎えして「不登校への支援」についてお話いただきます。
岡山県は、全国的に不登校の率が高い県です。
4〜50年前には、“教育県”と言われていたらしいのですが、それも今では遠い昔です。
学力も芳しくなく、残念なことに、小中学生の非行・暴力行為も大変多いらしいのです。
今回、あかいわ発達障害支援センターに就任された岡本さんと共に、市内の中学校に着任のご挨拶がてらお伺いしました。
その際に、ある校長先生がおっしゃっていたのですが、不登校にも暴力行為にも発達障害の子どもたちがとても多くからんでいるんだそうです。被害者になる場合も、加害者になる場合もあるそうです。
また、学年によって発達障害の子どもの率は違うのですが、その学校では、発達障害の子どもさんが多い学年の学力の方が低いそうです。それは発達障害の子どもたちが平均点の足を引っ張っているということではなく、発達障害の子ども達にも分かる形での授業が行われていないことの証かもしれませんね。
と言うことは、つまり早急に発達障害の子どもへの支援を考えなければ、不登校も暴力行為も、そして学力の低下も改善は見込めないということでしょう。
お話が少し横道それましたが、今回は全国一不登校の多い岡山県で、中山清司先生にお話聴かせていただけるということは、なんというタイムリーな企画でしょうか。
私は、昨年度、川崎医療福祉大学の夜間講座を受講させていただいたのですが、その中で聞いた中山先生の不登校についてのお話が、特別に良かったものですから、講義のあと、是非にとお願いして来ていただけることになりました。
皆さん、どうか日時を調整して、ぜひお越しください。
学校に行けなくなっている方だけでなく、発達障害の子どもを持つ保護者の方には、ぜひ聞いておいて欲しいお話です。
発達障害を持つ子どもに「行きしぶり」は、必ずあると言っても過言ではないでしょう。今から、学んでおくことは、保護者にとっては、大切なことでしょう。また、学校の先生方にとっては、どう支援すれば、子どもたちが学校へ来てくれるのか、学んでいただきたいところです。
学校へ来れない・・・というより、学校が、発達障害のある子どもにとっては、行けない所になっていないでしょうか?
10人に1人以上も自閉症の子どもたちはいると言われて久しいのに、学校現場は、それに追いついていません。特別支援教育とは名ばかりで、まだまだ学校としての取り組みは遅れているところが多いのが、現状ではないでしょうか?
頑張ってくださっている学校や先生がおられる半面、全く解られていない先生のなんと多いことでしょう。そんなまだら模様が、岡山の現状ではないでしょうか?
こんな厳しいこと書くと、先生方からの反発必至でしょうね。
でもね、この会報を読んでくださっている先生方の多くは、賛助会員の方たちですから、何とか彼らの事を理解したい、そして、もっと学びたいと思ってくださっている先生方だろうと思います。
また育てる会の即実践講座にも、1回だけでなく、毎年のように通って自閉症の特性について学んでいただいている先生も、賛助会員の中にはたくさんいらっしゃいます。
ただ、そういう先生方も、同僚の先生の無理解に悩まれているのではないでしょうか? 
申し訳ありませんが、今回の中山先生のセミナーに一緒にそういう先生をお誘いください。
夜間講座はハードルも高いと思いますので、せめて一日だけの昼間のセミナーで結構です。そして学校の中に、一緒に取り組んでいただける理解者を増やして言っていただきたいと願わずにはいられません。
ちなみに、今年の門先生の即実践講座に10人を超える先生方が参加していただける支援学校もあります。一方で一人の参加者もない支援学校もあります。これが岡山の現実でしょう。
こんな偉そうなことを言う私も、昔学校へは行きたくなかった子どもでした。私は親が厳しくて、不登校には、なれませんでした。でも、もしかしたらそれが良かったのかも・・・なんて今では思っています。お蔭で高校や短大に進む頃には、学校が楽しくなって、現在に至る・・・です。どうか、よろしくお願いいたします。

さて、4月2日は、国連が定めた世界自閉症啓発デーです。
世界中がこぞってこの4月2日に、自閉症の啓発を行っています。
私たちも昨年からあかいわ発達障害支援センターと、岡山県自閉症児を育てる会が中心になって、山陽マルナカの山陽店で、
チラシの配布を行いました。
折しも消費税値上がりしたばかりとあって、少し客足が少ない感じで、去年よりも時間はかかりましたが、頑張って500部を20人の参加者で配り終えました。
参加いただいたのは、春休みでもあったので、会員のお子さんの高校生の女子一人と、中学生女子と小学生男子の3人を含めて、ぐんぐんとキッズのスタッフや支援センタースタッフ、赤磐市の職員2名を含めて、お母さん達の多くの参加がありました。
みんな元気よく自閉症の啓発チラシを配ることが出来ました。
県から啓発用のボールペンをいただいて、それを一緒に配れたので、皆さんきちんと受け取ってくださいました。
こういうチラシは、いつも結構ですと、断っていた私でしたが、これからは、断れないなぁ〜と思えるほど、「いらん!」といわれると寂しいもんだと解りましたね。
この啓発活動は、岡山県発達障害児・者親の会連絡協議会(通称DDネット)の主催で行いました。育てる会は、今年は事務局のある赤磐市を中心に参加させていただきました。
同時に津山市、岡山駅、倉敷駅でもそれぞれの団体が、同じように啓発活動を行いました。
県下に3000部の啓発チラシを配ることが出来ました。
赤磐市は、DDネットのチラシと共にもう一部あかいわ発達障害支援センターが作ったチラシも合わせて、配りました。赤磐市にある支援センターや育てる会の事も知っていただく為にも、毎年この啓発活動に参加していこうと考えています。
全国では、東京タワーのライトアップや、それぞれの地域での啓発行事が取り組まれています詳しくは、ホームページを・・・・・・
さて、その啓発活動の後、事務局に帰ってみんなで、大懇親会を行いました。
理事のお母さん達が用意して下さった炊き込みご飯とおいしい豚汁のお昼ご飯をいただきました。その後、皆で困っておられる若いお母さんの相談に乗ったり、和気あいあいの会員交流となりました。
好評につき、来年もやりたいと思います。お料理担当のT理事や、お手伝いくださったお母さん達、御苦労をかけますが、どうぞ、よろしくお願いします。

ではきこで、哲平君の話題を少しだけしましょう。
先日の西大寺マラソンでは、頑張って10キロに出場して、37分43秒でゴールしました。
全体28位、部門別(男子 高校生〜29歳)では9位になりました。
いつもいつも頑張ってトレーニングにいそしんでいる哲平は、今年は、絶好調です。5月の障害者スポーツ大会では、きっと「金メダルです」と珍しく闘志を見せる哲平です。
2年前は、交通事故後、まだ万全ではない身体ながら、ライバルのK君とデットヒートを繰り広げて、抜きつ抜かれつを演じました。結果2位でとても残念な結果でした。去年は、風邪をひいて熱の為に欠場しました。今年こそはとの思いがあるみたいで、今のところ元気いっぱいです。
先月号でお知らせしたとおり、6月には、スペシャルオリンピックスの世界大会のプレ大会に岡山陸上チームが参加出来ることになりました。
そのメンバーの一人として、参加する哲平君です。
チームジャパンの陸上メンバーは、山陽陸上から哲平、岡山陸上から4人の合計5人のいずれも自閉症の青年たちが参加します。皆さん応援してやってくださいね。
結果は、またお知らせします。プレ大会とは言え、国際大会に初参加ですから、親も力が入ります。
はじめての外国旅行です。「飛行機乗ります?」「ジェット機です?」と少し不安そうな哲平ですが、お父さんがついていくので、多分何とかなるとは思うのですが・・・・、とにかくスケジュールが良く判らないので、教えてやることもまだできません。
不安もありながら、このせっかくの機会を大切にまた一段と成長につなげることが出来ればと、もくろむ母でございます。

さて、続いては、免許証の更新に行ったという私のお話です。
軽い違反をしたばかりに、しかも3回も・・・・、お蔭でゴールドカードから転落です。
次回の更新は3年後、というブルーの免許証を貰う羽目になった私です。
更新時の講習も、違反なしの人とは、格段の違いで、2時間も講習を受けると言う情けなさです。どんな違反かというと、一旦停止でピタッと止まらず、ゆっくりとそろそろ進んでしまったのと、朝9時までは進入禁止のところを知らずに(・・・だって普段は昼間しか通っていなかったんですもの)進入してしまった違反でした。
一度違反をして、罰金を払うと、しばらくは真面目に一旦停止もきちんと守れます。ありがたいことでございます。
さて、免許センターの視覚支援の丁寧な事には、驚きます。
表示があるだけではなく、「次は○番の窓口へ行ってください」指さしして教えてくださいます。
その窓口の手前には、スタッフがおられて、「こちらです」と丁寧な対応です。
こんなに丁寧な対応を公の施設でしてもらったことが無いので、改めて驚きました。世の中は、親切になったものですね。
でも私にとって、一番解りやすいのは、やっぱりこんな風に書いた表示でした。

丁寧な視覚支援です。大きく判り易くて、初めて来た人でも、お年寄りでも、少々あほなおばちゃんでも解るように出来ていました。
お蔭で迷うことなく免許の更新が出来ました。
免許証の返納まで、今しばらくは、こうして免許の更新に来ることになるでしょう。次回こそは、気を引き締めて、ゴールドカードを目指します。

今年は、梅雨が早くなるなんて言ってますが、どうでしょう。沖縄は梅雨に入ったそうですが、岡山は、春を爛漫という感じです。野も山も緑にあふれ、たんぽぽスミレ、花壇には、パンジーやフリージャー、ポピーに芝桜が、綺麗です。
それと共に雑草も元気です。そろそろ、また花壇の応援隊を再募集したしましょうか。
日時を下に書きますので、どうかよろしくお願いいたします。お子さんと一緒にボランティア体験をしませんか?
ご褒美は、いつものように持ちよりのお菓子のバイキングです。
どうぞ、大勢でご参加ください。障害のある人として、ボランティアをしていただくばかりでなく、自分でも出来ることをして、周りの人に喜んでもらう経験は、子どもの育ちには、大切なことではないでしょうか? 皆さん奮ってご参加ください。
日時:5月17日(土) 10:00〜12:00
   10時〜11時 おひさまハウスの花壇の草取り
   11時〜12時 おひさまハウスの中でお菓子バイキング
以上です。先月号の草取り応援隊のお願いにこたえて、会員のSさんが、たくさん草を抜きに来て下さいました。ありがとうございました。また、花の館さんの沼本さんもお手伝いくださいました。
お二人のお蔭で、しばらく綺麗でしたが、春の暖かさに雑草は頑張っています。皆さまのなお一層のご協力をよろしくお願いいたします。
そういう訳で、今月も支離滅裂、奇妙奇天烈な会報の巻頭文と相成りましたが、ごめんなさい。
5月の連休に長男が帰省して、テレビのスリーストーリーに出た哲平を見てくれました。
感想は、何にも言わないけれど、「がはは・・・」と笑っておりました。好印象だったのでしょう。多くの皆さんから、感想をいただきました。嬉しくて、感謝です。
いつも利用させていただいている赤磐市山陽公民館の利用者の方が、この哲平の映像を編集して哲平の部分だけをDVDに焼いてくださいました。
「とても頑張っている哲平君の事応援したくて・・・」と言ってくださって、とっても嬉しくて、皆さんにもお伝えしたくなりました。
こんな風に今まで知らなかった方とも繋がれること・・・、テレビのお蔭だなとつくづく思いました。
哲平の事、知ってくださる方がまた増えたと思えることがありがたいです。私たちの夫婦の願いは、一人でも多くの方に自閉症や哲平のことを知っていただきたい事です。そして、どこかで哲平を見かけたら、そっと「哲平くん、こんにちは」なんて声かけていただけたり、見守っていただけたらなぁ〜と思うのです。地域で生まれ、これからも地域で暮らしていく予定の哲平君です。知り合いや理解者を増やしていく事が、親の務めかな?なんて思う私です。
今日は、これでお別れです。皆さん、今月も幸せな一カ月でありますように・・・・。そして、来月も元気にお会いしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

支援者養成セミナー 報告

平成26年4月12日(土)岡山ふれあいセンター大ホールにて「世界自閉症啓発デー 記念セミナー」として、平成26年度第1回(第76回)自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナーを開催しました。
「あたし研究」や「あたし研究2」を書かれた、自閉症スペクトラム当事者の小道 モコ さんと、前の京都市発達障害者支援センター“かがやき”センター長で、現在は京都市児童福祉センター副院長の児童精神科医、門 眞一郎先生をお招きしてのセミナーです。
午前の部では、小道モコさんが「学校はジャングルのようでした 〜自閉症スペクトラム 意味の迷子の冒険談〜」と題して、主に学校時代の話など、周りをどのように感じ、どのように考えて暮らしてきたか、ということを語っていただきました。
自作のイラストを見ながら、言葉をえらんで丁寧に解説していただいたおかげで、これまで分かった“つもり”でいた私たち親や支援者にとって、欠けていたものが多かったと、改めて反省させられました。
あっと言う間に過ぎた時間でした。
午後からの門眞一郎先生のお話しのテーマは「自閉症スペクトラムから自己主義スペクトラムへ」というものでしたが、あまり耳慣れない言葉だと思います。
小道さんの「あたし研究 2」の「はじめに」の中で、門先生自身が紹介され、以前鳥羽代表も会報184号で引用されていますが、障害のレベル、日常生活に支障きたすまでは行っていない状態を自己主義スペクトラムと呼ばれているわけです。このレベルだと日本人、10人に1人ぐらい(日本人には限りませんが)は、いるそうです。要は、このスペクトラムを障害、マイナスと捉えるのではなく、右利き・左利き、多数派と少数派、メリとハリ、というぐらいに考えれば、楽に暮らせそうですね。
門先生のお話は、それにとどまらずスペクトラムの発見基準やPECSの紹介など、とても短時間では聞ききれないお話しでした。小道さんも門先生も、今度は1日たっぷりとって講演をお願したい、そんな中身の濃いセミナーでした。
最後は、「あたしたち研究」 舞台を少し動かしての、小道さんの門先生の対談でした。
はじめに、参加された方から前もっていただいていた質問に小道さんが答えるというスタイルで始まりましたが、それぞれの質問に、一つひとつ誠実に答えていただける姿勢は、本当に“律義さ”そのままでした。
その後の門先生とのかけあいの中でもそれは強く感じられました。スペクトラムの発見基準や特徴に、小道さんがあてはまっているかどうか、という話題の中でも「これは違います」「それはないです」・・“空気を読んで”適当に相槌を打つのではなく、それぞれの問いをしっかりとらえて、自分の中で検証し、答えを導き出します。
答えがでるまでの、微妙な間、そんなゆったりとした対談でした。もともと何か結論を出す為の“シンポジウム”ではなかったのですから、お互いのプロセスが理解できた、いい講演会になったと思います・
それでは、参加された方からのアンケートがたくさん届いていますので、その一部を紹介します。

  【保護者の方】

・講演会で当事者の方の体験談をお聞きする機会が多くなってきましたね。うれしいです。
今日の小道モコさんのイラストを交えた体験談はとても分かりやすかったです。小道さんのお話を聞いて「あ〜そんな風に感じていたんだな」と改めてハッとさせられることもいっぱいありました。また、門先生のお話をお聞きして、自発的コミュニケーションすることと、コミュニケーションの内容がきちんと相手に伝わることが大切だと分かりました。これからも息子がきちんとコミュニケーションができるように手助けしていきたいです。
・門先生・小道さんの対談がほのぼのしていて心地よく聞かせていただきました。ありがとうございました。
門先生のお話がとても分かりやすくてよかったです。もっと詳しいお話が聞きたいです。また岡山での講演、よろしくお願いします!
・小道さんの丁寧な話しぶりがとても心に残りました。当事者にしかわからない世界観を、1つ1つ言葉を選んで、分かりやすく説明して下り、もっと話が聞きたいと思いました。門先生のお話もよかったです。マイナスなイメージの言葉は使わない話し方。『メリハリ』 私もいろんな場面で使える!と思いました。対談では、お二人の「あたしたち研究」というより、『定型発達の研究』という感じがして面白かったです。
・小道さんがイラストを用いて世界観をお話してくださったので、どんな風に感じているかが改めてよくわかったような気がしましたイラストが分かりやすくて、なるほどなあと思うことがたくさんありました。門先生のお話で、自閉症を障害ととらえるのではない考え方がとてもいいなあと思いました。特性をメリとハリで考えているのが前向きですごくいいです。本人だけでなく、周りの環境も大切だということも感じました。PECSのお話も聞いて、わが子にももっと本人から伝える方法を教えたいなと思いました。小道さんと門先生の二人の対談も楽しかったです。ありがとうございました。

  【教諭・支援員の方】

・小道さんのお話を伺い、当人の本当に苦しいところはどこにあるのか、しっかり見つけてあげる必要があるなあと切に感じました。
門先生のお話で、右利き・左利きくらいのこと…とあり、そうだよな!と感じました。そこのところを深く心にとめて付き合い、支援していきたいと思います。
日常の中で支援していると、皆と同じような状態に近づけることが正しいことと、あやまった思考になってしまうこともあります。今日のような講演会でお話を伺うことで、気づきをいただけ感謝いたします。私も「バス停のおじさん」の一人になれたらいいなと思います。
・門先生はいつも自閉スペクトラムの人たちの立場で話をされ、それがベースにあるのでとても共感できます。聞きたいポイント満載の素晴らしいお話でした。即実践講座も楽しみにしています。小道モコさんのお話もとても分かりやすく、存在感そのものから自閉スペクトラムを持つ方のメリハリを感じることができました。ありがとうございました。ついつい当事者の方ではなく支援者の立場で考えて動いてしまっていることに改めて気が付きました。針をふりもどします。

  【保育士の方】

・小道さんのお話は「あたし研究」同様、とても分かりやすく、ゆったりとした語り方が真実味を感じさせてくれました。1人1人、それぞれの違いがあると思いますが、特性をしっかり知っておくことが大切であることが、ご本人の体験談からリアルに伝わってきました。門先生の講演は、障がいと個性が支援の質と量によって変わってくるもの、ということが印象に残りました。
・小道さんのお話を聞いていると、自分のことかなーと思えるところがすごく多くてドキドキしました。自分のメリ、ハリ、をしっかりと理解して、ハリには自信をもって、メリにはHelpを出しつつ、生きていきたいです!

  【臨床心理士の方】

・小道さんの講演は私の知るASDの子どもたちとオーバーラップして聴くことができ、納得、共感できました。門先生のお話の中のアスピーの発見基準がとてもよくまとまっていて参考になりました。お二人の対談がとても面白く、エピソードが明確で理解しやすかったです。自分も何となく似ているところがあると感じました。
・ゆったりとした時間が流れているような落ち着いたお二人でとても楽しく学べました。ほかの勉強会にはない色々な情報を知ることができました。ありがとうございました。自分にも思い当るところが多く、自分も自己主義スペクトラムだと思いました。

  【その他の方】

・小道さんの講演はずっと聞いてみたかったので今日聞けて本当に良かったです。小道さんの思考が絵に描いてあったので大変分かりやすく、私にとって、小道さんの思考に近づくための視覚支援となりました。小道さんが今考えている「空気を読むということ」。これは定型の人の考えている空気を読むことについての理解とすり合わせをしてみると、色々発見があるのでは?と思いながら聞きました。
門先生との対談も面白かったです。そう思っていたのか!という発見もあり、聞いていて興味深かったです。ありがとうございました。 (元 療育スタッフ)

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

    門 眞一郎 先生 による夜間連続講座 いよいよ開講です!!
☆第1回☆ 平成26年5月21日(水)19:00〜20:55
             【 毎月(8月を除く)、第3水曜日の予定です 】
テーマ : 自閉症スペクトラムとは(1)
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室 (岡山市北区伊島町3‐1‐1)   
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 門 眞一郎 先生(児童精神科医:京都市児童福祉センター)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         欠席された回の講義については、DVDをお貸しします。

育てる会 総会&体験発表会のお知らせ 

日 時 : 平成26年5月15日(木) 10:00〜10:30
場 所 : 岡山ふれあいセンター 第1研修室(岡山市中区桑野715‐2)
議 案:別紙案内の通り
体験発表会&座談会:10:30〜12:00
今回の体験発表は、今春、支援学校から一般企業(ベネッセビジネスメイト)に就職された自閉症の青年のお父さんのお話しです。
母親とは少し違った視点から、これまでの子育てから就労までの体験談です。
体験発表会のあとは、会員同士の座談会も予定していますので、すでに総会の委任状を出された方でも、時間があればどうぞご参加ください。
申込み:育てる会事務局 Tel.086‐955‐6758、Fax.086‐955‐6748(正会員 限定)

『俺ノートの会』のお知らせ

『俺ノート』の会です。
参加は小学校高学年(四年生)以上の男子です。
日 時 : 平成26年5月25日(日) 10:00〜12:00
場 所 : おひさまハウス(赤磐市和田194‐1育てる会事務局)
持ち物 : 休憩の飲み物
参加希望は、事務局(Tel.086‐955‐6758)にご連絡お願いします。(正会員 限定)

18歳の春を目指すクラブ 

5月より今年度の活動が始まります。ぜひご参加ください。
日 時 : 平成26年5月9日(金)  10:00〜13:00(受付 9:50〜)
場 所 : 東山公民館  第1・2講座室 (岡山市中区平井4丁目13−33)
            TEL  086-276-6202 (ナビ用)
内 容 : 顔合わせ、IEPの作成
持ち物 : IEP作成用の資料「指導目標サンプル一覧」(継続会員の方)
         資料がない方はこちらで用意します。
13:00以降も会場が使えます(〜15:00)ので、時間のある方は昼食をお持ちください。
新学期の様子や子どもの成長などの情報交換をしながら、楽しい時間にしましょう。

  【 6月度 18歳の春を目指すクラブ 】

日 時 : 平成26年6月5日(木) 10:00〜  *いつもと曜日が違います。
場 所 : きらめきプラザ 研修室 1.2
香川大学の武藏博文先生をお迎えして、ツール作成の基本などをお話して頂く予定です。
ぜひ、今から予定をあけておいてくださいね。
なお、今回は正会員に限り、1000円で参加可能です。(18春会員は参加無料)
定員(40名)になり次第締め切りますので、お早い申し込みをお願いします。
申込は、育てる会事務局まで Tel.086−955−6758(正会員 限定)

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
日 時 : 平成26年5月30日(金) 10:00〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 2F 小会議室3 (岡山市北区南方2−13−1)
アドバイザー:利守 愛子 先生 (臨床心理士)
参加費 : 800円
持ち物 : 『「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版』(吉田 友子:著)お持ちの方
申込み : 育てる会 事務局 (п@086−955-6758) (正会員 限定)

クローバーの会 お知らせ

平成26年度 クローバーの会のご案内
            
〜高機能自閉症・アスペルガー症候群の女の子の会〜

育てる会の26年度の活動が、スタートしました。
クローバーの会も、そろそろ活動を始めたいなあと思っています。
正会員の皆さんの中で、クローバーの会に参加してみようかなあと思われている方や、参加はまだ決めていないけど、どんなことをしているのかもっと詳しく聞いてみたいなあと思われている方が、おられましたら、今、活動している7人の子ども達の母親と一緒に集まってお話をする会を、下記の様に計画致しましたので、事務局にご連絡ください。
クローバーの会は、どんな思いで発足したのか。今まで、どんな活動をしてきたのか。活動をしてきてどんな良いことがあったのか。反面、どんな問題点もあるのか。
会報に載せている報告内容だけではわからないことについて、活動中のメンバーから話しを聞き、または、自分も、参加したいとは思っているけれど、こんなことを不安に思っている。とか、なんでもいいので、お互いに雑談をしあいましょう。クローバーの会に興味をお持ちの保護者の方のご参加をお待ちしています。
ちなみに、今、現在活動しているのは、高校3年生、高校1年生(2人)、中学3年生、中学2年生、中学1年生(2人)の高機能自閉症・アスペルガー症候群の女の子達7人です。

1 日時  平成26年6月14日(土) 15:00〜17:00
        ※6月の活動ですが、早めに5月の会報にのせました。
          予定をしておいていただけたらと思います。 
2 場所  きらめきプラザ2階 受付カウンターの奥側にある交流スペース (岡山市南方2丁目13-1)
3 対象  ・正会員の方
       ・クローバーの会に参加したい、または、詳しい話を聞いてみて考えてみようと
        思われている保護者の方 
        (高機能自閉症・アスペルガー症候群の女の子対象です)
4 申込先  育てる会事務局(086-955-6758) 6月12日までに必ずお申込みください(正会員 限定)
以上

サッカークラブのお知らせ

サッカークラブ 5月はお休みです。

  【 次回の予定 】

日 時 : 平成26年6月8日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 岡山市内グラウンド
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。(正会員 限定)

水泳教室のお知らせ

(スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム 第7回)
日 時 : 平成26年5月18日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は、必ず5月14日(水)までに事務局に連絡してください。
★当日の急なキャンセルなどは 水泳教室担当に直接連絡ください。

 ぐんぐん だより 

赤磐ぐんぐん

新しい年度が始まり、1か月が経ちました。朝はまだ少し肌寒いですが、昼は暖かくなりましたね。
今回は、療育で使っている支援グッズを紹介します。療育の中のおやつの時間に使っている支援グッズです。この支援グッズを取り入れる前は、食べ終わってからお菓子を入れていたお皿をゴミ箱の中に入れていました。お皿を流しに持っていくことができるように・・・
こんな支援グッズを用意しました。
洗面器の底に、お皿の写真を貼っています。
こんなふうに置いています。
食べ終わったら、洗面器の写真にお皿を重ねて置きます。
流しまでは少し距離があるので、机上において、歩かなくてもすむ距離から始めました。
はじめは食べ終わったら、お子さんの後ろからお子さんの手を持ってお皿を持ってもらい、洗面器の中に入れることを促しました。それ以降は促されなくても、自分で洗面器の中に入れることができています。
ひらがなやカタカナが読めるお子さんには 『 つかった おさら コップいれ 』 のように・・・
目の前にある洗面器に一人で入れることができたら、少しずつ洗面器を流しに近づけていきます。そして、最終的には流し台にお皿の写真や文字を貼って、流しに食器を持っていくことができるということを目指しています。
言ってできたら、それでいいと思ってしまいがちですが、それでは声を掛けられないと、一人ではできないことになります。自立してできるようになるために、そのお子さんのわかる方法で伝えることが大切です。スモールステップで取り組んでいきましょう。
(赤磐ぐんぐんスタッフ 題府美衣)

ぐんぐんキッズ

ぐんぐんキッズでは、年度末に1日、療育をお休みさせていただき、部屋の構造や使い方を大きく変えました。
子どもたちの集中しやすい勉強スペース・子どもたちが遊びやすい休憩スペース・自然に会話が盛り上がるおやつスペース・楽しく遊びながらルールや振る舞い方を知るゲームスペース。
「分かりやすく使いやすくなる変化は、変化が苦手な子どもたちでも受け入れやすい」と聞きますが、本当にその通り。
皆最初は「ん?」といった様子でしたが、場所や空間にもすぐ慣れてくれ、上手に過ごすことができています。
継続のお子さんには、年度末に「4月から部屋の使い方がこんな風に変わるよ」 「メンバーはこういう子だよ」と一人一人に写真を使いながら説明しておいたので、その安心感もあるようでした。
新しいメンバーや先生にわくわくしながら新年度を迎えることができたようです。
見通しを持ち「いつもとどこが同じで、どこが違うのか」と知っておくことは、安心感をくれます。
私たちにとってもそれは同じで、例えば仕事での異動がある時に
「次の職場は誰がいてどんな職場なのかは行ってみてから言います」
「そこでどんな仕事をしてもらうかも、その時になってから言います」
「いちいち気にしない!マニュアルがあるかどうか?それもその時に言うから。あなたは自分の仕事をしっかりしてもらえばいいから」
なんて言われて、4月を安定して迎えられるでしょうか?
きっとドキドキするし、自分にできるか不安だし、「大体どんな人たちとの仕事なのか、どんなことをするかだけでも、事前に知らせておいてくれたら、心の準備ができるのに」と思うのではないでしょうか。
自閉症スペクトラムの子どもたちは、私たち以上にいつも不安で、見通しがほしいと思って暮らしています。
先日育てる会のセミナーで講演してくださった当事者の小道モコさんは、講演と本の中で
「見通しがたたないことに 取り組むということは、温かいのか 冷たいのか 深いのか 浅いのか、プールなのか 沼なのか、温泉なのか 河なのか、全然わからないトコロに飛び込むくらい エネルギーを消耗する」
と言われていました。
「浅いならそっと入るし、深いならドボンと入る。『大体深さ1メートルで、温度25度のプールですよ』と言われていれば、そこにエネルギーを使う必要がない。予告や見通しがないと、ありとあらゆることを予測して心配して、それだけでとても疲れてしまうんです」
と言われていました。
私たちは想像するしかできませんが、それでも子どもたちにとって、とてもとてもしんどいことだと思うからこそ、少しでもその負担を軽減できるよう、見通しを持たせた支援を今後もしていきたいと思います。
ぐんぐんキッズでの日々の療育で感じることは、社会性の伸び方の面白さです。
面談期間中に、保護者の方から「それぞれの場面での取るべき行動のマナーやルールを机上で教えてほしい」とよく依頼されます。年齢相応に学校や地域での他の子たちと仲良く過ごしてほしいというのは親心ですよね。
自閉症スペクトラムの子どもたちに、机上でそれを教えることはとても難しいです。「こういう時はこうした方がいい」と伝えても、なぜそうした方がいいのか必要性を子どもたちが感じていないと、なかなか伝わりません。
ゲームのルールも同じで、ルール・やり方を守ってほしいと大人が思ってもどんなに伝えても、「勝ちたい!」「一番になりたい!」という思いが強いと、なかなかルール通りには分かっていても実施できにくくなります。(特に高学年になってくると)
ぐんぐんキッズの中で、子ども同士がお互いを意識しだし、「こいつは敵じゃないようだ」と認識され、少しずつ休憩でも距離が近づいてくると、不思議と「ルールを守ること」を声高に言わなくても、示されたルール・やり方を守り、物の貸し借りをし、順番を守り、相手を傷つける物言いをしなくなってきます。
「社会性の伸びは、自分が好きだ・好ましいと思っている相手と、より仲良く過ごしたいと思う気持ちが前提にあってこそ、ルールやマナーを守ろうと思える気持ちになっていく」というお話を以前聞いたことがあります。まさしくその通りだなということを、ぐんぐんキッズの子ども同士の関わりを見て思います。
自閉症スペクトラムの子どもたちにとって「こうしないといけません」「こういう行動をするのは×です」と言われるより、「こうした方が自分にとって得」「自分にとって役に立つ情報だ」と自ら思う方が、学んでいこうという気持ちにも直結しやすいのではないでしょうか。
抽象的な情報より具体的な情報の方が理解しやすい、合理主義的な自閉症スペクトラムならではの学習の仕方を見た気がして、とても面白いなぁと感じる一年でした。
これからも、子どもたち同士がお互いを良い形で意識しあえる療育の場となり、また子どもたちにとって「ぐんぐんキッズに行くと色々な自分にとって役に立つことを教えてくれる便利な場所」になっていきたいと思います。皆さんの応援と支えをいただきながら、今年一年も頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします!
(ぐんぐんキッズ スタッフ:松田紗代)

支援センターNEWS 

 みなさん、こんにちは。今年4月からセンター長になりました岡本です。
 「センター長」と言うのは、この春からできた職です。何のために、何をするのか?
 もちろん、あかいわ発達障害支援センターの業務を一層充実したものにするためです。具体的に何をするのか? ただいま関係の皆様のところを訪ねたり、地域支援の事業や各種会議に参加したりしながら、勉強中といったところです。
 フルタイムの勤務ではないのですが、原さん、政田さんに加えて、3人目の職員として、主として就労と成人を担当することになりました。
もとは「役人」をしていて、一昨年の春までの4年間、岡山瀬戸高等支援学校に勤めていました。卒業後の生徒が、社会生活、就業生活の中で実際に出会うさまざまな課題を自分らしく解決していけるように見守り、必要な学習や仲間づくりを支援していく仕組みができたらと願っていました。
経験は多くはありませんが、少しでもみなさまのお役に立てるように、勉強もしながら頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
あかいわ発達障害支援センター センター長 岡本 啓

  <蛇足>

 趣味は、ほとんどありません。
「カンスタ」に近いところに住んでいて、ファジアーノの試合をスタンドの高いところから見ています。
タオルを回すくらいの応援はします。
和金3匹とメダカ数匹を飼っています。
もう「さなぎ」になっているようですが、カブトムシの幼虫も飼っています。
誕生寺支援学校の農場からたくさんもらってきました。成虫になる日を楽しみにしています。

「経験は多くはありませんが」と、岡本先生は、そのお人柄そのままにご謙遜されていますが、私たちに言わせると、とんでもありません。
岡山で初めての高等支援学校を、岡山県庁内の準備室長として0から立ち上げられ、また初代の校長先生となられてからは、最初の卒業生を、全員就職をするまでに奮闘され、高等支援学校としての運営を軌道に乗せられたあと勇退された、すばらしい先生です。
次第に大きくなっていく育てる会の子どもたちにとっても、就労や成人後の生活など相談に乗っていただける、岡山でこれ以上はない方だと思います。
今後ともよろしくお願いします。

そういえば、今は開店休業状態のようですが、育てる会のおやじの会の中にも「ファジアーノの応援にみんなで行こう会」なんてのがありましたね。
また、子ども達を連れて、一緒にタオルを回しにでかけましょうか!!

新聞記事の紹介

4月2日、赤磐市下市のスーパーマルナカ前で、みんなで自閉症啓発のチラシ配りをしました。
参加者は、育てる会のメンバー 大人が10人、子どもたちが3人、あかいわ発達障害支援センターのスタッフ 2人、赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ スタッフ 3人、それに赤磐市役所社会福祉課の職員の方が 2名、総勢20名でした。
同じ日、岡山県内各地で岡山県発達障害児・者の親の会連携協議会(DDネット)のみなさんもチラシ配りをされました。

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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