sorry,Japanese only
平成26年8月31日
第196号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
196号 目次
夏の終わりに
即実践講座のお知らせ
18歳の春を目指すクラブ お知らせと報告
つばさの会 のお知らせ
木工教室の報告
OHAの会・水泳教室・サッカークラブ ・『俺ノート』の会のお知らせ
お知らせ
私のお薦め本コーナー
「家族が作る 自閉症サポートブック 」
ぐんぐんだより
赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
支援センターNEWS
発達障害のある人への施策に対する要望書
広報誌(赤磐市)のご紹介
夏の終わりですね。今年は、雨の多い夏でしたね。
お隣の広島県では、土砂災害に見舞われて、大変なことでしたが、幸いなことに岡山では、大きな被害もなかったようでした。
雨も降りましたが、それほど大量に降るという訳でもなく、夕立などあると、かえって程よいお湿りで、涼しい夏の後半でした。
私の子どもの頃には、夕立がしょっちゅうあって、夕立の後、床几を出して、外で大人たちが涼んでいたものでした。
最近は、あの激しい夕立がないなぁ〜と思っていたものですから、妙に懐かしく嬉しい気持ちにさせられたものでした。
さて、皆さんお元気ですか? 今日で夏休みも終わりです。
育てる会では、夏休みをどう過ごすかということを色々な勉強会で行いました。
ぐんぐんの勉強会や、OHAの会のお母さん達や18歳の春のお母さん達も熱心に取り組まれたようでした。
今は、大人になったので哲平には、子どもの頃のような長い夏休みはありませんが、それでもお盆をはさんで10日ほど、夏休みをいただきました。今の哲平の夏の過ごし方は、家事をしっかりやることと、残りの時間は、テレビやパソコンで好きな歌手の映像を見たり、歌を聴いたりすることで過ごしています。雨が多かったけれど、雨の合間にランニングもしっかりやりました。親が介入する必要は、何もないので、私も好きなことが出来ます。完全に自立出来ているという生活です。
思い返してみると、小さい頃の哲平と共に過ごす夏休みの長かったことと言ったら・・・、暑さが余計に厳しさを持って、押し寄せるような毎日でした。
水遊びが好きだった哲平でした。昔から一人で水を流しながら、洗面所・台所、庭でのホースで水撒きや、お風呂での水浴びなど、本人は楽しいでしょうけれど、水道代は相当高かったように記憶しています。
でも、考えてみると、これがもしかしたら良かったのかしら・・・と今は思えるのです。
トコトン極めるということが、後々の一人遊びが上手な哲平を育んだのかもしれないというように今では思えるのです。
お母さん達は、子どもがひとりで遊んでいる時に、何かしら関わろうとされるのではないでしょうか?
でも、せっかく一人で遊んでいるのです。一人で遊ぶのが本当は、好きな自閉症の子どもたちを、大人が介入して一緒に遊ぶことで、一人では遊べない子どもに仕立ててしまっているのではないかと、講演会でお話して下さった先生がありました。
人を巻き込んでしか遊べないというのは、不幸なことだということを、早めに知っておくことが大切ですね。
絵本を読んであげようとすると、ページをどんどん勝手にめくっていって、ただめくるだけという哲平でした。
極端に人とのかかわりを、いやがる哲平でした。「一緒にしっかり遊んでやってください」といわれるお医者さんや保健士の方からのアドバイスで、それを実行しようとする私でしたが,ことごとく拒否にあいました。
でも、今それがかえってよかったのかもしれないと、ココへきての大発見です。
一人で遊びを考えて、一人で過ごす事が出来るようになっているのは、私がそう育てた訳ではなく、哲平自身が自分で身に付けたスキルです。本当にありがたいことです。
小さかった哲平は、絵本は見なかったくせに、電話帳は、何が面白いのかジーッと一人で眺めている子でした。文字の中に何かが見えているのかしら??と当時の私は、本当に不思議でした。今では1000ピースのパズルを1週間くらいで仕上げてしまうのですが、
小さい頃、パズルは裏向きでも出来た子でした。3歳か4歳の頃ですよ。自閉症の子って、すごいなあ〜、天才かしら…な〜んて、思いましたよ。その能力は今では、もう失くしてしまったみたいですが、今でも絵より形を見てパズルをしているように思えます。自閉症って、すごい能力を秘めている人たちです。
皆さんのお子さんにも、素晴らしい能力が、眠っているのではないでしょうか?
良いところを伸ばして、自閉症から来る苦手な部分を、その良い部分で補うことが出来れば、本人の暮らしがもっと豊かなものになるのではないでしょうか?
この写真は、なんだと思いますか?
これは我が家の庭に咲いた日日草(ニチニチソウ)です。
哲平は庭の草取りをお休みの日には、頑張ってやってくれます。
もっとも今年の夏は、後半の雨で、あまり草取りが出来ていなかったようです。
でもそんな中に、哲平の成長を感じる出来事がありました。
この花は、花壇に咲いているのではありません。去年のこぼれ種から芽吹いた苗です。
草だらけだった時には気付かなかったのですが、哲平が綺麗に草抜きをしてくれた後、そっと片隅に咲いている一輪の日日草を見た時、びっくりすると同時に、哲平の優しさ、成長を見ました。
これまでの哲平は、花でも草でも、それこそ根こそぎになんでもかんでも抜いておりました。最近になって花を大切にする気持ちが、育ってきたんだと思うと嬉しくて、、、皆さんへご報告です。
『あの子たちは、ゆっくり成長するんよ。そして、一生成長し続けるんよ』
そんな風に教えてくださったのは、元自閉症協会岡山支部長だった今田恒子さんでした。
本当にそうだなぁ〜と思います。これからの成長が益々楽しみに思える26歳の哲平です。
さて、次は、8月9日(土)に生涯学習センタ―であった木工教室です。
写真はHPでは控えますが、一人ひとりが、工夫を凝らして作り上げたティッシュケースを作りました。
この木工教室は毎年楽しみにしてくれている人が多く、参加する人は、毎年必ず参加されるようになってきました。
毎年毎年お子さんを同じ場所で見ていると、一人ひとりの成長が、手に取るように見えてきます。
本当に子どもたちの成長が、感じられて、嬉しくなります。
いつものように木工作家の川月清志先生が、キットを作ってくださるので、今年も簡単に組み立てが出来ました。ティッシュケースの顔の表情は、子どもたちがそれぞれ工夫出来るので、同じものは二つとないのが、この木工教室の特徴です。
夏休み明けに学校へ持って行って自慢している子どもたちの顔が浮かぶようです。
川月先生も子どもたちの創意工夫に感動されていました。ここでも子どもたちの可能性を大いに感じることが、出来ました。
特に木工教室では、お父さんたちが大活躍です。糸のこぎりを上手に駆使して子どもたちのデザインしたものを作り上げていくお父さんに子どもたちは、心の中で、「かっこいいなぁ〜」なんて、思ったに違いありません。
日頃お父さんのお仕事ぶりを見ることがあまりない子どもたちに、かっこいいおとうさん像を植え付けるのには、ちょうどいい機会ではないでしょうか?
世界にたった一つのオリジナルです。大切におうちで使われていくことでしょう。
ちなみに我が家は、居間の一番目立つ所に鎮座しています。
さて、木工教室の次の日に、哲平が卒業した岡山県立東備支援学校の同窓会がありました。
その時のこれは写真です。同窓会は、初めに総会があって、その後会食があるという流れです。
総会資料を一応渡されて、哲平も見ているようでした。みんなと同じようにページをめくっているように見えたので、見てみると、なんと説明をされているページを熱心に見ているではありませんか。
解って見ているのかそれとも偶然かそれは、解りませんが、この熱心そうな顔ですよ。
本当に、哲平君は不思議な人です。
同窓会では、子どもたちが自己紹介でお話を希望者がするのですが、彼等は必ず現在働いている会社名を言います。
「株式会社○○でこんな仕事をしています」
それはそれは、誇らしげです。働くということが、彼らに自信と社会の中で必要とされているんだという自分自身への自己肯定感、自信となっているんだろうと感じるのです。
どんな仕事でもいい、誇りを持って生きて行って欲しいと願います。
後に続く育てる会の子どもたちにも、お仕事が、補償されると、いいのになぁと思いました。でもね、お仕事無いんなら、育てる会のモットーである
「ないものは、作っていこう!!」で行けばいいだけですよね。
無いものを作るという意味では、今ないものとしては、まずはグループホームと超早期の療育の場を作っていきたいと考えています。子どもたちの将来の働く場も考えています。
詳しい事が、決まったら、ご報告させていただきたいと思います。
それと共に、皆さまにご寄付のお願いをさせていただく予定です。
とてもたくさんのお金がいります。ご存じのとおり、育てる会はお金持ちではありませんので、多くの皆さまの力をお貸しいただきながら、運営していきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。寄付のお願いは、来月号でお願い文書をつけますので、どうかご協力お願いいたします。
さて、続いての写真は、岡山県発達障害児・者親の会連携協議会で作ったアンケートに基づいた要望書を岡山県庁の各部署へ、提出した時の写真です。
自閉症協会の石原理事長が、連携協議会を代表して要望書を手渡ししている様子です。
親の会10団体が一緒になって、県や市町村に発達障害の子どもたちへの理解と支援についてお願いする為の行動です。
提出した要望書については、後のページに載せていますのでご覧ください。
アンケートにご協力いただいた皆様には、熱くお礼申しあげるとともに、一年以上もかかって取りまとめにご協力いただいた、おかやま発達障害支援センターの新谷所長と今出さんにこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
岡山県と岡山市あてには提出済みですが、それ以外に正会員の方で、自分の市町村へこの要望書を提出したいと思われる方は、どうぞ、おっしゃってください。
ご用意させていただきます。
次に講演会についてのお願いです。
佐々木正美先生をお迎えして、9月13日(土)に「自閉症の支援40年、私が大切にしてきたこと」と題して、岡山ふれあいセンターにて、講演会を行います。
申し込んでくださって、お金の入金確認の出来ている方(参加証をお持ちの方)から、入場していただきますので、まだの方は、大急ぎでお振込みをお願いします。入金確認後に、はじめて受付完了となりますので、未入金の場合にはキャンセル扱いとなるかもしれないことをご了承ください。入金確認が取れた方には、参加証を発送しております。これをお忘れにならないようにして、お越しください。入場がスムーズです。
事務かたからの、お願いでした。
今回、はじめて佐々木先生を育てる会でお迎えします。
先生が、こころをこめてお話して下さいます。
先生の熱烈なファンの方も多いと思います。どうぞ、共に先生のお話を聞けることを、大きな喜びとしたいと思っております。皆さまお気をつけてお越しくださいませ。
この写真は、事務局の前から撮った写真です。
こんな風にのんびりとした田んぼと山の中に事務局はあります。
夕焼け空がきれいだったので、撮ってみました。
こんなに空が広いんだと、感動しながら撮りました。
空を眺めることも最近は少なくなってしまったように思います。
子どもが小さかった頃は、夕方になると、外へ行きたがった哲平に付き添って、あぜ道や田圃の道を良くあるいたものでした。そんな時は、「めんどくさいなぁ」とか、「忙しいのに大変だぁ〜」なんて、思ったものでした。でも、空を見上げて「あら〜、綺麗!!」なんて思うことが、多かったようにも思うのです。今、子どもと一緒に散歩しているお母さん、いいですねぇ〜。
幸せって、その時は、気づかないものです。ずーっと後になって、あの頃はよかったなぁ〜って思うものです。
「私は、幸せだなぁ〜」と自分に言い聞かせると、幸せな気持ちが湧いてきます。
幸せも不幸せも、考え方しだいかもしれませんよ。
自分に暗示をかけて、こんな不思議な面白い子と暮らせる私は、幸せ者だなぁ〜と、暗示をかけ続けてきた私です。
しんどいからこそ、そう思わないと、やってられなかった私でした。
暗示の効果は、少しずつ現れて、だんだん幸せ者になった私です。
皆さんも、大変な子育てまだしばらくは、続くと思いますが、大丈夫ですよ、何とかなります。経験者は語るです。
本当に、今は、幸せな毎日を送っている鳥羽さんが言うんです。間違い無いですからね!
それでは、皆さん、今月はこの辺で失礼します。ごきげんよう、さようなら・・。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ
門 眞一郎 先生 による夜間連続講座です!!
☆第4回☆ 平成26年9月17日(水)19:00〜20:55
【 毎月、第3水曜日の予定です 】
テーマ : 表出コミュニケーションの支援(2)
補助代替コミュニケーション(PECSを中心にA)
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室
(岡山市北区伊島町3‐1‐1)
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
(申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 門 眞一郎 先生(児童精神科医:京都市児童福祉センター)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
欠席された回の講義については、DVDをお貸しします。
18歳の春を目指すクラブ
今回は、長年地域で子どもたちを見守って下さっている公民館の方と、今やご結婚され素晴らしいパートナーと幸せに暮らされている自閉症の娘さんと就労されている息子さんをお持ちのお母様(5人の自閉症のお子さんのお母様です)の二名をお迎えします。
『就労・自立にむけて』をテーマに、体験されたこと、小さい頃からの丁寧な子育てのお話などをしていただきます。
子育てを頑張っているお母さん方にピンポイントのお話を聞かせていただけると思います。
またとない機会です。楽しみにしておいてくださいね。
日 時:平成26年9月12日(金) 10:00〜13:00
◎高田 あいさん(岡山市立東山公民館 社会教育主事)
◎伊藤 家生さん(ほのぼの子育て ほっとはあと代表)
場 所:東山公民館 第1.2講座室 (正会員限定)
TEL 086-276-6202(ナビ用)
【7月度 報告】
7月11日(金)、東山公民館にて定例会を行いました。
まずは、武藏先生の講義で作成した白玉だんご作りのツールを元に課題分析表を作成しました。料理をする前には、石鹸で手を洗う、など細かい手順まで考えてみました。
夏休みに、親子で白玉だんごを作ってみるのもいいと思います。
取り組んでみて、うまくいかなかったら、手直ししてまた取り組んでみる。
長いお休みを有効に使いたいですね。
次に、IEPの振り返りをグループで行いました。
短期目標などの見直しをして、取り組みのアイデアを出し合いました。
今回はグループで色々な意見を出して、有意義な時間を過ごすことが出来ました。
参加者から感想が届いておりますので、ご覧下さい。
課題分析では、グループで話し合ったことで、事前の準備や手伝うポイントが分かりやすくなりました。
後半のIEP作成では、これもお互いにツールなどの案を出し合い、一人で考えるより良いものができたと思います。
夏休み前に気を引きしめるための良い時間となりました。
つばさの会のお知らせ
18歳の春の休日版です
日 時:平成26年9月6日(土) 10:00〜12:00
場 所:おひさまハウス 食堂((赤磐市和田194-1、事務局や赤磐ぐんぐんのある家です)
申 込:育てる会 事務局 (п@086−955-6758) (正会員限定)
木工教室の報告
8月9日(土)に、代表の巻頭文にもあった通り、岡山県生涯学習センターで毎年恒例の夏休み木工教室が開かれました。
成羽の木工作家、川月清志先生の指導により、可愛いティッシュケースが10個も出来上がりました。
それでは、はじめて参加されたお母さんから、当日の感想が寄せられましたので紹介します。
木工教室に、初めて参加させていただき、ありがとうございました。
私も学生時代以来、何十年ぶりに木工作を経験させていただきました。
子供たちと夏休みの時間を共有することができて大変貴重な体験でした。
息子は音に反応するか、じっと座っていられるか未知数だったのですが、なんとか座って一緒に時間を共有することができました。機械をじっと身を乗り出して見ていたのには驚きでしたが、やすりで磨く姿も真剣で、私と姉と三人で作ったティッシュケースをしっかりもって写真撮影に望んでいたこともあり、成長の一端を垣間見れることができ本当に良かったです。
先生に御手伝いをしていただいたおかげで何とかつくることができました。繰り返しになりますが、本当に貴重な経験をさせていただいたことに感謝です。
又、このような機会があればぜひ、参加したいです。ありがとうございました。
(Hの母)
OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
【次回の OHAの会】
日 時 : 平成26年9月26日(金) 10:00〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 中会議室 (岡山市北区南方2‐13‐1)
アドバイザー:利守 愛子 先生 (臨床心理士)
持ち物 : 「青年期のアスペルガー症候群 仲間たちへ まわりの人へ」
ルーク・ジャクソン:著(スペクトラム出版社)
今年度の参考書籍です。お持ちでない方は事務局で手配します。
参加費:1000円(書籍購入希望の方は、別途1900円・・書店よりお買い得です)
申込み:育てる会 事務局 (п@086−955-6758) (正会員限定)
水泳教室のお知らせ
(スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム 第10回)
日 時 : 平成26年9月21日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 : 育てる会事務局(Tel.086‐955‐6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は、必ず9月17日(水)までに事務局に連絡してください。
サッカークラブのお知らせ
日 時 : 平成26年9月14日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 岡山市内グラウンド
持ち物 : マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。 (正会員限定)
『俺ノートの会』のお知らせ
『俺ノート』の会です。
参加は小学校高学年(四年生)以上の男子です。
今回は日程がいつもと違い土曜日の午後なので、見学や体験など、気になっていた方、どうぞおいでください。
日 時 : 平成26年9月20日(土) 14:00〜16:00
場 所 : おひさまハウス
持ち物 : のり、はさみ、ノートや画用紙、切り抜き用雑誌など、休憩用のお菓子や飲み物
参加希望の方は、事務局(Tel.086-955-6758)にご連絡下さい。 (正会員限定)
ぐんぐん だより |
赤磐ぐんぐん
今回は、家族の方からの相談の中からのお話を紹介したいと思います。
『日常生活の中で取り組めることについて整理をして考えていきましょう』 ということで、お母さんとお話をしました。
お話をするにあたって、お母さんに、1日の流れ、1週間の流れ、今困っていることについて書いてきてもらいました。家の中での生活の流れを本人にとって分かりやすくするために家の間取り図やお部屋の写真も準備してきていただきました。
相談にのるためには、たくさんの情報が必要です。お母さんはとても細かくたくさんのことを書いてきて下さいました。それはお子さんの家庭での様子がとてもよくわかるものでした。
家庭での困っていることはたくさんあります。しかし、あれもこれもと一度には取り組むことができません。なので、取り組むことの優先順位を決めていく必要があります。
お話をする中で、着替えなどの身辺自立が進んでいない様子がうかがえました。そこで、まずは、お部屋の中の環境整理から始めることにしました
幼児期、身辺自立はとても大切な目標になってきます。身辺自立!と聞くと、ズボンをあげる、服の前後ろを自分で確認して正しい向きで服を着る、など、スキル的なところに注目してしまいがちになります。
確かに、ひとつひとつのスキルを教えていくことはとても大切です。しかし、その前にもっと大切なことが、環境設定です。
着替える場所は決まっていますか?
今回の相談のお母さんは、「着替える場所は決めていません。」ということでした。
お家の中では、リビングで何事も済ませるという家庭も多いかもしれません。
しかし、自閉症スペクトラムのお子さんは、活動ごとにエリアが分かれている方が、その場所で何をするかが分かりやすく、活動に集中して取り組むことができます。
ぐんぐんの療育エリアも活動ごとに場所を変えて、切り替えがしやすいように設定されています。
お母さんには、まずは、着替える場所を決めることと、もうひとつの環境設定として、おもちゃの整理をすること(遊ぶ場所は他の生活の場所と区切って設定されていました)、まずはこの2点にしぼって取り組んでもらいました。
遊びのエリアは、お子さんにとってはとても魅力的に見えるスペースで、おもちゃがたくさん置いてあるお部屋だったのですが少し量が多すぎて何が置いてあるかが分かりにくい感じがしたので、遊びのエリアの環境設定にも取り組んでみてもらいました。
約2週間後、お子さんの療育の日だったので、取り組みの様子をお母さんが報告して下さいました。
お母さんの表情がとても柔らかくなっていると感じました。様子を聞いたところ、「着替える場所を決めたことで、行動の流れがスムーズになりました」ということでした。
お部屋の写真も撮ってきてくださっていました。
着替えるところは服を置く棚と鏡が設置され、着替えのエリアができていました。着替えるエリア、といっても、一つの部屋を準備したわけではありません。台所とお風呂場との間のスペースに、棚と鏡を置いて、そこで着替えをするようにしたのです。
今までは、遊びのエリアやリビングなどで着替えをしていたので着替えることに集中することも難しかったのだと思います。着替えのエリアを作ったことで、その場所でするべきことが明確になり、着替える、という行動もとてもスムーズになってきているとのことでした。
遊びのスペースも見違えるほどに整理されていました。
おもちゃの数も減らし、おもちゃの種類ごとに遊ぶエリアを区切る工夫がされていました。お子さんが好きな遊びのことをよくわかっているお母さんだからこそ考えることができた工夫だと思います。すごく頑張られたのだと思います。頑張られたかいがあって、お子さんが遊ぶ様子が変わったとのことです。
今までは、おもちゃがたくさんあるのに、「何して遊ぶ?」とよく言っていたそうです。しかし、お部屋を整理したことで、自分でおもちゃを選んで、机にもっていっていすに座り遊ぶようになったとのことです。お部屋が整理されたことで、遊びたいと思う物がみつけやすくなったのでしょうね!
お母さんがとても嬉しそうにお子さんの様子をお話ししてくださる様子を見て、私もとてもうれしい気持ちになりました。お子さんの生活が落ち着いてくることも大切ですが、何よりもお母さんが元気でなくっちゃ!!
何かしなければいけないと思っているけど、何から始めていいか迷っている方がいらしたら、まずは、環境を整えることからはじめてみませんか?
きっと、お子さんにとっても家族の方にとってもたくさんのメリットが出てくると思いますよ!
(赤磐ぐんぐん 河野友紀)
ぐんぐんキッズ
2学期が始まりました。ぐんぐんキッズでは夏休み中、療育開始時間を早めて取り組ませていただきました。
9月から通常時間に戻ります。
さて、今月はぐんぐんキッズで夏休みにチャレンジしたことをお伝えしようと思います。
夏休みのチャレンジも、ただ楽しめるだけではなく、ひとりひとり目的があります。日頃療育で行なっていることをキッズ以外の場所でやってみたり、先生相手ではなく同年代の友達と一緒に小集団でやってみたり、夏休みでもいつも通りのペースを崩さずに過ごすことが目標のお子さんもいます。目標を達成するために、子ども達が興味を持って取り組めることはどんなことかなとスタッフで考えました。
夏休みは療育の開始時間が揃うので、日頃できない友達と一緒にゲームをしたり、集団で行動することも多かったのですが、友達を待ったり気にかけたりと子ども達の新たな一面も見ることができました。
また、学校終了後に来る時よりも時間に余裕を持って取り組むことができ、何より、子ども自身に体力や心の余裕が感じられました。
いろいろなことにチャレンジする良い機会だったと思います。
今回は、歩いて自動販売機にジュースを買いに行ったり、コンビニやファーストフード店で買い物、暑中お見舞いのハガキ作り、宝探し、手芸、ゲーム、シャボン玉遊び、草取りなどにチャレンジしました。
新しいことにチャレンジする時は、不安を持ち混乱してしまう子もいますが、いつ、どこで、どんな手順で行なうかを、あらかじめ示します。
イメージしやすいように、図や写真を使うなど、その子に合った情報の伝え方をし、使用する道具や準備も工夫します。また、集中する時間を設定することもあります。
例えば、暑中お見舞いのハガキ作りでは、こんなのを作るよ!と見本を見せることでどんな物を作るかがわかります。
かくことが苦手な子には文字や絵を貼るようにしたり、余白の飾りに数種類のシールやマスキングテープを使用しました。
一言添えたいけれどどれくらいの大きさで文字を書けばいいかわからない子には、自分の顔写真を貼り吹き出しの中に文字を書きました。これらは、短時間で集中してできる工夫でもあります。使用する道具や材料は、見やすさや使いやすさを考え分割箱などを使って整理します。
また、お子さんによっては誰に送るかを決めておくことで、使用する絵やテープの柄なども相手のことを思いながら選ぶことができました。年賀状も同じく作成できると思うので、冬休みにご家庭でも作成してみてくださいね。
コンビニで買い物も1q弱の道のりを歩いて往復しました。
暑い中交通ルールを守って安全に行くことができました。あらかじめ気を付けることを確認したり、買う物を決めてから行く子もいました。
キッズで支払い練習をしている子は実際の場面での支払いです。
練習時持参してもらった財布には、幼児期に使用していたキャラクターの財布などで手を入れると金種が見にくくなるものもあります。支払いは確実にできるのにお金を机上に全て出してしまったり、時間がかかりすぎたりします。
そんな時は、中が見えやすいものや仕切りがあるものに替えてもらうことで改善します。実際の場面でうまくいくよう工夫し成功することで、自信が持て“やってみよう!”という意欲が出ます。次のステップへつながりやすいですよね。
テキパキと買い物を終える子もいれば、時間がかかる子もいます。
最近のコンビニは隅にカウンターやイスが設置してあるところがあって、今回も早く買い物が済んだ子はそこで待つようにしました。買い物練習にあたり、快くご協力いただいたコンビニの皆さまありがとうございました。
どのチャレンジでも子ども達の成長を感じることができました。
目的地まで何人かで歩いて行く時遅れる子を待ってあげたり、自分の順番がくるまで我慢して待てたり、交代でやれたり、興味を持って話が聞けたり、困った時には助けを求めたり、「みんなで一緒に行きたかったな。」「次は○○してほしいな」「やりたかったけど、次にいかなきゃ。」など自分の思いを言葉にできたり…
などなど、1年前と比べて子ども達の成長を感じることができ嬉しく思いました。また、これから取り組む課題が見えてきた子もいます。
おうちの方々には準備やお子さんへの上手くいくアドバイスや声かけをしていただき、ありがとうございました。
2学期はいろいろな学校行事がありますが、やる気を引き出す事前の準備や工夫を一緒に考えていけたらいいなと思っています。
(ぐんぐんキッズ療育スタッフ 秋山 慶子)
支援センターNEWS☆
週末ごとに降る雨が嫌だな〜と思いながら過ごしていた…この8月。
広島で大きな土砂災害が起こってしまいました。まだ行方不明者がおられ、事態は予想以上に深刻です。
天気は予報が出るので、警戒・備えができると安心していましたが、それではいけないと思い、私も改めて居住地域の防災ハザードマップを確認しました。
緊急避難場所や、地盤が緩みやすい地域などを色別で示してあったり、見やすく工夫されたものがインターネットでも簡単に検索できますので、一度のぞいて見られるとよいと思います。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
支援センターでは、この8月も例年のごとく、学齢児の保護者による個別相談が多く入っていました。担任との個別懇談で専門相談をすすめられたことで夏休み期間中の駆け込み需要が一気に高まることから、この時期新規のご相談が増えるのです。
ただ、今年が去年までと違ったのは、「担任からうちの子がおかしいといわれました。相談に行った方がいいといわれました。困っていることはありません。」といわれる方がいなかったことです。
☆お見えになった方のほとんどが、園・学校生活のレポート(支援センター相談時には作成・提出を依頼している)などを用いて生活の様子が知らされており、保護者とも相談に向けた意思確認がなされている状態でした。
☆また、担任が同席のもと保護者と一緒に相談される方もおられて、この子に関わるものみんなで、大事なことは共有しておきましょうという雰囲気が感じられました。
☆担任が同行されない場合であっても、保護者に了解を得て、どのような経緯で相談をすすめたかを事前に連絡していただける機関が増えました。
今までは、せっかくご相談に繋がっても、学校や担任の対応に対する不満が不信感に変わり、本来、子どものためにはより良い協力関係が必要なところに亀裂が入っているケースもあったので、コーディネート役としては何とか策を講じたい部分でした。
そこで昨年度は、園や学校への巡回訪問や保育・教育関係者の研修に呼ばれるたびに、「保護者にはこんなふうに伝わっていますよ」「センターでこんなふうに語られる方がいますよ」「こんな配慮を求めておられますよ」と我々によせられる生の声を意図的にお伝えしてきました。また、園や学校生活のレポートを作成する際、保護者とその内容について共有することや、具体的な活用例を呼びかけてきました。それらの活動が、少しずつ実を結んできたのかなと実感でき、この変化はとても嬉しいものでした。
私たちは、相談をただこなしていくことではなく、相談機関として子どもたちを取り巻く環境が、スムーズに連携していくことにも力を注いでいきたいと思っています。
皆さん(保護者も支援者も)が信用をもってお話し下さる意見や思いも大切に取り扱われていることを知っていただきたく今月のNEWSにいたしました。
この調子で行けば、きっと2学期も変化や気づきを情報共有しながら、相談し合いながら、協力し合いながらすすめていけることでしょう!
(あかいわ発達障害支援センター 原 未春)
発達障害のある人への施策に対する要望書
岡山県発達障害児・者の親の会連携協議会
代表の巻頭文にあった、岡山県発達障害児・者の親の会連携協議会(通称:DDネット)が8月25日に岡山県と岡山市あてに提出した要望書の内容です。
要望の基礎となっているのは、2013年に育てる会でも会員の方にお願いしたアンケートの集計結果で、集計表やグラフは育てる会事務局にもありますので、もし在住の市町村への要望に、この要望書を使いたいと思われている方はご連絡ください。要望書を提出する際に、根拠について質問された時には元データが必要となると思います。ご連絡ください。
1. はじめに
日頃より、自閉症をはじめとする発達障害のある人への教育・福祉の向上について、格別のご尽力をいただき、感謝申し上げます。
私達「岡山県発達障害児・者の親の会連携協議会」は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害のある人およびその家族に対する支援を行うとともに、社会一般の理解の向上を図り、発達障害のある人の福祉の増進に寄与することを目指し、岡山県下の発達障害児・者の親の会が集まり、平成19年11月に設立され、現在10団体で活動をしています。
当会ではこれまで参加団体が発達障害児・者の支援の充実に向けて話し合い、社会に向けての啓発活動等を行ってきました。このたび、行政機関へ発達障害のある人とその家族の切実な要望をお届けしたいと参加団体会員へのアンケート調査を行ない、その結果を基に要望書を作成させていただきました。
つきましては今後の施策におきまして、関係機関と有機的な連携のもと、発達障害に対する支援体制の構築が図られるよう以下の項目について要望いたします。ご検討いただき、
ご回答賜りますようよろしくお願いいたします。
2. 調査の概要
(1)実施の時期 2013年7月〜8月
(2)調査の対象 岡山県発達障害児・者親の会連携協議会 参加団体の会員
*別添の参加団体一覧(2013年7月現在)をご参照ください
岡山県自閉症協会・岡山県自閉症児を育てる会
アリスの会・このゆびとーまれ・対話フレンズ
まざあず・ラヴミントの会・てぃーたいむ
ビリーブの会・ほっとほっと・あるいていこう
3.調査の結果
(1)回収率 276名/703名(39.26 %)
(2)回答者の概要
@発達障害のある子どもの保護者が多い(97.4%)
A保護者の年齢は、30代〜50代が多い(93.5%)
B発達障害のある子どもは、多様な年齢層である
(幼児期8.0%、小学生32.6%、中学生15.9%、高校生年代17.0%、18歳以上26.4%)
C発達障害のある子どもの診断の多くは、自閉症圏の診断である(77.5%)
D手帳取得者は、療育手帳取得者(42.0%)、精神保健福祉手帳(5.5%)であり、手帳を取得していない人(52.5%)であった
E障害福祉サービスの受給は、受けている人(58.2%)、受けていない人(41.8%)であった
4.要望項目
(1)福祉施策に関すること
@ 利用できる障害福祉サービスを周知して下さい
現在、障害者福祉サービス受給者証を持っていない人が多く(Q12:41.8%)、知らなかったサービスも多くあります(Q25-1)。
特に、18歳以上の方の多くは家族と同居(Q8:83.6%)し、休日を自宅で過ごしている方(Q68:38.3%)の中には、活用できる福祉サービスを知らないがために、やむを得ず余暇活動が制限されている場合があります。
そこで、発達障害がある人が、その人なりの「生活の場所」や「休日の居場所を含め余暇活動の内容」を選択できるように、在学中は『学校教員』、学籍を離れた後は『市町村の相談窓口担当者』といった身近な相談者へ、どんな障害福祉サービスが利用できるのか周知されることを望みます。
A成人期の相談窓口の周知と発達障害のある人に対応できる人材を育成・配置して下さい
学籍を離れた後は、障害の有無に関わらず、就職先や住居の選択など、これまで以上に主体的に生活することが求められます。そのため、発達障害のある人が、自分らしく、より主体的に就職先や住居を選択できるための相談支援が必須です。
しかし、現状は、相談支援を利用している人は少なく(Q25-2:5.4%)、今後は、成人期の発達障害のある人の相談支援に対応できる相談窓口が増え、周知されることを望みます(Q26:41.3%)。また、そのためには、発達障害のある人の相談支援を担う人材が増えることが必須であり、人材の育成を望みます。
B発達障害手帳の創出や、発達障害のある人が活用できる障害基礎年金制度を創出して下さい
発達障害のある人に限らず就労している障害のある人の多くは、障害者手帳を取得して一般企業に障害者雇用されており、それで得た給与の他に障害者基礎年金を受給して生活されているようです。
発達障害は、現在精神障害のひとつに位置づけられていますが、うつ病や統合失調症と異なり、生来の障害であり、生涯続きます。発達障害のある人は、障害者手帳を取得しない人も多く(Q11:52.6%)いますが、就労先でのサポートや社会保障制度が必要ない訳ではありません。
また、保護者は親亡き後の子どもの将来を不安に感じており(Q22:51.8%)、発達障害のある人の生活を保障するために、発達障害の固有の特徴が認定に的確に反映され障害者基礎年金を受給できる制度の創出を望みます。
発達障害のある人が就労先で必要なサポートを受けることができる『発達障害に着目した手帳制度の創出』と、発達障害のある人の親亡き後の生活が保障されるための『障害基礎年金を受給できる制度の創出』を望みます。
(2)教育施策について
@義務教育後も継続して、社会生活を見通した教育が保障される進路先の充実を望みます。
義務教育期に、特別支援学級や支援学校に在籍している児童・生徒は多いですが(Q9-2:小学61.4%、中学68.1%)、義務教育終了後は支援学校高等部もしくは高等支援学校に進学する生徒は多くなく(Q9-2:41.6%)、一般高校や定時制高校、一部の私立高校に進学しているという現状があります。この中には、支援学校高等部や高等支援学校への入学が叶わなかったために、一般高校や定時制高校、私立高校を選択せざるを得なかった人たちも多く含まれており、必ずしも学籍を離れた後の生活を見通して、進路を選択している訳ではありません。
また、高等学校を卒業後に就職を希望する発達障害のある人は進学を希望する人と比して多く(Q44:33.8%)います。しかし、その多くが、就労先があるかどうかを不安に感じています(Q45:52.9%)。
そこで、義務教育を終了した後も継続して、発達障害のある1人ひとりに応じた教育(特にキャリア教育)が保障されるために、『自閉症をはじめとした発達障害のある人に特化した支援学校高等部や高等支援学校の創出』や、『一般の高等学校、定時制高校においても、特別支援教育が保障されるクラス編成やカリキュラムの創出』がなされ、進路の選択肢が広がることを望みます。
A学校教育における特別支援教育の周知と教員研修の内容を改編・強化して下さい
発達障害のある児童・生徒1人ひとりが理解され、教育が保障されるためには、学年間の引き継ぎ(Q42-1:48.2%)、各自の能力を伸ばす教育的支援(Q42-2:35.1%)や、個別教育計画の充実(Q42-2:30.1%)を望みます。
また、学校生活(小学校、中学校、高等学校)で満足できた要因の最も多かった項目は、良い先生に巡り合えたこと(Q53:20.1%、Q57:20.0%、Q59:17.8%)でした。
一方で、義務教育期(小学校・中学校)に不満に感じたことは、いじめ被害(Q54:20.7%、Q58:14.0%)であり、高校で不満に感じたことは、能力特性に応じた教育を受けられなかったこと(Q60:15.4%)が挙げられています。
これらの結果から、いじめ被害への対応や能力特性に応じた教育が可能な教員に巡り合えた児童・生徒は、結果的に学校生活に満足していることが明らかになりました。
そこで、担当する教員によって、いじめ被害への対応や教育に大きな差が生じないように、学校単位で特別支援教育をおこなっていくための教員研修の充実を望みます。
例えば、学校内での特別支援教育の体制を構築していくためには、各学校から管理職と実務者のペア等の複数の教員が参加すること、方法論やスキル研修よりも個別の評価の視点を明確にした特別支援教育をおこなっている先進学校の公開授業へ参加する
こと、初任研などの教員の義務研修の講座に保護者支援を位置づけること等を提案します。
また、(県・市町村の管轄外ですが)大学等の教員養成課程における特別支援教育カリキュラムを充実して下さい。
B市町村が採用する学校教育における支援員の研修の義務化を通達して下さい
発達障害のある児童・生徒の一定数は、小学校と中学校の普通学級に在籍しており(Q9-2:小学校37.5%、中学校29.8%)、支援員を配置されている場合も多いようです。保護者の多くが、学校の中で児童・生徒1人ひとりの能力を伸ばすことを望んでおり(Q42-2:35.1%)、集団の中での個別対応を担う支援員が、発達障害のある児童・生徒を理解し、支援するための研修は必須です。
そこで、支援員を配置する市町村は、支援員を配置する予算と共に、特別支援教育の研修(例えば2時間の研修を受講するための給与保障など)の予算も確保し、特別支援教育に関する研修を受けることが義務化されることを望みます。
(3)雇用施策について
@ 達障害のある人の雇用先を拡充して下さい
幼児期(就学前)の比較的早期に発達障害の診断を受け(Q16:74.5%)、健康に成長している人が、学校卒業後に不安に感じることは就労先を確保することです(Q45:52.9%)。
その人たちの多くは障害者手帳を取得していませんが(Q11:52.6%)、職場での支援を必要としています。現在、発達障害者雇用開発助成金により、発達障害の診断によって職場で必要な支援を受けることができる制度が設けられていますが、岡山県内では周知や活用が少ないとお聞きします。
早期に診断を受け、一人ひとりに応じた必要な支援を受けながら健康的に成長してきた人たちが、職場でも継続して必要な支援を受けて働くことができる雇用先が拡充されることを望みます。
A 政機関内での発達障害のある人の雇用モデルを創出して下さい
発達障害のある人の雇用を促進するためには、職場で発達障害のある人一人ひとりへの理解が促進されること(Q28:60.5%)を望みます。
そのためには、まずは行政機関内での雇用モデルを示して下さい。
例えば、既に複数の大学で取り組まれている発達障害のある人の図書館での継続雇用を、岡山県内の公的な図書館での雇用に取り入れて図書館での雇用モデルを創出して下さい。雇用モデルを示すことで、県内の行政機関での雇用が促進されることを望みます。
(4)その他
医療機関の受診待機の解消と、健診等での気づきから医療機関を受診するまでの期間に、親子を対象とした子育て支援を充実してください
保護者がわが子の発達の道筋が定型でないことに気がつくのは、幼児期であることが多い(Q13:78.9%)ですが、実際に診断を受けるまでに1年から2年の期間(Q13とQ16の比較)があり、この間、保護者は大きな不安を抱きながら子育てをしています。(必ずしも医療機関の受診待機が影響しているとは言い切れませんが)、この期間に、1人ひとりの子どもと家族に応じた子育て支援の機会を確保されることを望みます。そのためには、子育て支援センター、地域の保健センター、児童発達支援事業所、親の会等での子育て支援(例えば、ペアレント・トレーニングの実施、ペアレント・メンターの派遣相談など)の充実を望みます。
5.さいごに
ご存知のように自閉症をはじめとした発達障害は、目に見えない障害です。それゆえに彼らの生きづらさや、抱えている困難さは、なかなか周囲にはわかりません。しかし彼らの障害の特性を理解し、彼らがそのような状態にあるのではなかろうかと考えを巡らし、彼らの障害の特性に応じた対応を考え実行することは可能なことです。彼らを取り巻く環境を整え、障害のあるなしに関わらず、互いに受け入れあいともに育ちあい、たとえ障害を持っていても社会の一員となって楽しく自立した生活がおくれるような社会、自分の特性を活かし生き生きと暮らせるそんな岡山県となる事を望んでいます。
広報誌のご紹介
今月号の赤磐市の広報誌「広報あかいわ」の裏表紙の「人いきいき まちきらり」のコーナーに、スペシャルオリンピックス・南カリフォルニア2014年夏季招待大会での哲平の金メダルの報告が紹介されました。
市内全戸に配布される広報誌ですので、アチコチから「見たよ」「がんばってるね」「スゴイね」と声をかけられ嬉しかったです。(トチタロ)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。