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平成26年9月30日

 

 第197号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 197号 目次

     彼岸花 

     支援者養成セミナー 報告
          「佐々木正美先生 セミナー」

     即実践講座のお知らせ

     18歳の春を目指すクラブ  報告とお知らせ

     つばさの会・OHAの会 お知らせ

      クローバーの会・『俺ノート』の会 お知らせ

     サッカークラブ・水泳教室 お知らせ

     私のお薦め本コーナー
          「あるがままに自閉症です

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     新聞記事の紹介 

田んぼのあぜ道に、今年も彼岸花が真っ赤な花を咲かせています。
遠く幼い頃、綺麗な花を大量に摘んで家に持ち帰ったところ、祖母に叱られたのを覚えています。
炎のように見えるので、この花を家に持ち帰るとその家が火事になると言われました。そして、大急ぎでせっかく摘んだ花を捨てに出たのを覚えています。
遠い昔と同じように、今年も彼岸花が咲いています。
このあたりは、耕地整理がされていないので、昔ながらの彼岸花が見られますが、大抵の地域では、彼岸花を見ることは無くなったようです。
田んぼの畔に沿って植えられていて、その昔、この花の球根は、食用になったそうです。
飢饉の年にご先祖の飢えを満たした名残りか、「今もここにいるよ」と教えてくれているように赤くあかく咲き誇っています。
季節の移り変わる様は、見事なくらい・・、気付けば、もうすっかり秋です。
陽が落ちるのが早くなりました。夜の帳が下りると、一斉に休耕田から虫の大合唱が聞こえます。
どこからともなく金木犀の甘い香りが漂ってきて、「ああ〜、いい香り・・・やっぱり秋なんだ」と思わせてくれます。
秋になるといいことがあります。それはね、先月号にも書きましたが、ご近所や会員の方そしてスタッフから、たくさんのいただきものが届くのです。
ブドウ、ナシ、クリ・・・、私は、季節の中で特に秋が大好き(春が好きといったことがあった気もしますが・・・)。
田舎暮らしってステキ!!特に岡山は、果物がおいしくて、最高です。

ところで、急に話変わってしまうのですが、皆さんは、今の自分の暮らしや状態が好きですか?
何を唐突にと思われるでしょうね。
私は、兵庫県からお嫁にきました。生まれたところは、兵庫県の西脇というところでした。西脇も岡山以上の田舎でした。
つまりは、田舎から田舎へお嫁に来たのですが、若き田舎者だった私は、ご多分に漏れず都会に憧れていたものでした。
「都会に出たい!」と高校卒業後、阪神間の短大へ進みました。田舎へなんか帰るものか・・と当時の私は思っておりました。
街の暮らしは刺激的で、映画館もデパートもすぐ近くにありました。買い物も便利だったし、何より家族や近所のうるさい干渉がありませんでした。
若かった私は、便利な街の暮らしと親から解放された自由さとで、本当に楽しい数年を過ごしました。
このまま街で暮らしたい・・・。
若い私はそう思っておりました。
ところが、どう言う訳か好きになった人は、岡山の田舎で暮らしたいというのです。
「嫌や〜!!」
そういう私に、岡山の良さを説く彼は、言わずと知れた若きトチタロさんでした。
好きになった人が望むのならと、しぶしぶ従った田舎での新婚生活でした。
はじめは、岡山へ出るのもバス停まで歩いて10分。そしてバスで30分もかかる不便なところでした。買い物も遠いので、軽トラで売りに来る魚屋さんと、何でも屋さんが、週一回くらい来るだけという、極端に不便な暮らしが始まりました。
でも、不便だったけれど、好きな人と一緒に暮らせるので、そんな不便さもそれほど苦にはならなくなりました。
今は、車があるから、近くの(4キロほども離れていますが・・・)スーパーへ買い物に行くのも楽になりました。高速道路が出来て、40年の間に、このあたりもすっかり便利になりました。
私は、いつもこんな風に思うようにしています。
「今の暮らしが、一番幸せ」
幸せは、意識してそう思うと、向こうからやってくると思うようになりました。
昔、不幸な方がおられました。もう亡くなられた方です。いつも、自分の現状に不満を持っておられるようでした。
そして、私の事を「幸せな人だ」「羨ましい」と言われました。
母が生きていた頃でした。
それをきいて、母は驚いたように
「美千子は、哲平を苦労しながら育てている。どこが幸せなもんか、なぁ」
と、私にそう言いました。
ところが私、その頃とても大変でしたが、自分の事を不幸だとは思わなかったのです。
哲平との暮らしが、面白くて楽しくて、確かに私は幸せ者だ〜と、思いました。
哲平がいなかったら、こんなに大変な思いはしないですんだかもしれなかったけれど、何かを乗り越えるエネルギーを哲平との暮らしで、楽しみに変える術を私は、すでに学んでいたのでしょうねぇ〜。
その方には、障害児を育てる私が、不幸な人と見えるのではなく、幸せそうな人に見えるというのです。
なんだかとっても嬉しくて、そんな自分を誇らしく感じました。
世の中の人は、とかく障害を持った母は、不幸に違いないと思っているでしょう。
でもね、それは違いますよ。
確かに私も哲平の障害が解った頃は、辛くって悲しくって、障害児の母になった自分が哀れでなりませんでした。
でも、それは全てはじめのうちだけでした。哲平のお蔭で、小さな事を喜べるという事を学びました。コツコツ積み上げてやっと出来るようになったことを喜ぶ・・・、そんな幸せを知りました。
やっとやっと出来るようになった事の方が、簡単に出来るようになったことより喜びが大きいのです。
小さな進歩を積み上げて、やがて大きな進歩へ繋がっていく・・、その喜びは、何物にも代えられない大きな喜びでした。
哲平のお蔭で、そんな幸せを見つけることが出来ました。哲平に感謝ですね。
初めに、皆さんにお聞きした「今の自分の暮らしや、状態が好きですか?」とお聞きしたのは、そんな訳です。
幸せの極意は(ちょっとオーバーですが)、幸せだと思うことです。
いいとこ捜しをすることが、幸せを見つけるコツです。
子どもが言うことを聞かない。思うように育たない・・・。そんな時、子どもの健康を喜ぶ事は、出来ますよね。
病気だったら大変ですよ。何とか元気に歩いてくれている。それがたとえ走り回っているにしろ、どこかへ行ってしまうので目が離せないとしても、その子のその底なしエネルギーを喜んで見ていく事。
そんな風に見てみると、ああ〜なんて私は恵まれているんだろう〜って思えるのではないでしょうか?
幸せは、自分で掴み取るものです。向こうから自然にやってくるものではないのです。
つまり、幸せだと思っていれば、幸せは、向こうからネギしょって、自然とやってくるという事です。不幸もおんなじではないかと思うのですよ。
「私は不幸だ〜、運が悪い、不幸せな人間だ〜!!」
そんな風に思っていると、不幸はどんどん積もりつもって、抜き差しならない泥沼になっていくような気がします。
“ニコニコ無理してでも笑って口角を上げていると、脳が勘違いして、幸せのホルモンを出す”なんて聞いたような・・
まあ〜話長くなりましたが、幸せも不幸せも考え方次第という事です。
子どもも同じで、いい子に育つのもお母さんの関わり次第ではないでしょうか?
「いい子だ、いい子だ〜」とほめて育てれば、いい子に育つ・・・。
反対に「いけない子、悪い子だ〜」と叱りながら育ててしまうと、困ったチャンに育ってしまうって言いますよね。
岡山いいところです。田舎暮らし不便だけれど、自然いっぱいで、おいしい果物どっさり食べられて、とっても快適ですよね。
障害児の親、苦労は定型発達の子を持つ親だってするのです。不幸と考えたらそうなるし、面白いこんな子との暮らしを楽しみたいと思い暮らしていると、本当に幸せはやってくるのです。
それを信じて、障害児の親を前向きにやっていきませんか?
心の持ちようで、すべてを変えられるわ・・という私の暮らしの極意(オーバーですねぇ)というお話でした。

さて、今月号も自分自身の話からのスタートになってしまいましたね。
先日、9月13日の講演会がありました。「自閉症の支援40年、私が大切にしてきたこと」と題して、佐々木正美先生が、支援者へ向けての講演をしてくださいました。
多くの参加者の皆さんで会場は、溢れる熱気でいっぱいになりました。学生の皆さんもたくさんご参加いただけて、将来の支援者として多くの学びの場にもなりました。
先生は、私たちに優しく語りかけるようにお話して下さいます。
たくさんのアンケートからも解るように、とても温かで心にしみ入るようなお話でした。
佐々木先生のお声が聞こえてくるだけでただただ嬉しい・・・。そんな風に思えるような私には、本当に幸せな時間でした。
先生がTEACCHを日本に紹介してくださっていなかったら、哲平の今は違ったものになっていたことでしょう。育てる会も今のような形では、なかったと思います。
今があるのは、先生のお蔭といっても決してオーバーではありません。
講演会前日に、佐々木先生ご夫妻とお食事を共にさせていただきました。副代表のKさんとふたり、感激のお食事会となりました。
その時に先生がおっしゃったお言葉が、とても印象的だったので、ここで紹介させていただきたいと思います。
私はその時、先生に育てる会の会報に原稿をいただけないかとお願いをしました。
会報を通して、子育て中のお母さんへ先生の温かい言葉を届けることが出来たらと思ってのことでした。
本当に図々しい私だから、こんな暴挙に打って出るのでしょうねぇ。我ながら実に図々しいと思います。でも、思い切って頼んでみたのです。
すると先生はこんなふうにおっしゃいました。
「私は、自分に出来ることを何でもしたいと思っています。お願いされるということは、私を今その方たちが必要としてくださっているということだから、それには応えて行きたいと思うのです。」
以前海外でお仕事をされていた時に、ある先生からこういうように考えるべきだよ・・・と、教えを受けられたそうです。
先生は、この事を誠実に、生涯を通して守っていらっしゃるんだと思います。
「原稿を書くというと大変だけれど、インタビュー形式でならやりますよ」
そんな風に引き受けてくださいました。
すごい事になりました。皆さんと相談しながら、先生にお聞きしたいことを集めて、東京へ出かけていきたいと思います。インタビューも良く考えて企画したいと思います。
皆さん楽しみにしていてくださいね。
講演会の報告は、後のページをご覧ください。感想も合わせてあります。講演会に参加できなかった正会員の方には、講演の録画したものを貸し出しますので、お問い合わせください。
さて、次の講演会は、12月23日の服巻智子先生の「思春期・青年期に向けて 今準備しておくこと」と題しての講演会です。
またまた、先生の明るい楽しいお話が聴けますよ。
皆さんお誘いあわせておいでください。詳しくは、チラシを同封しましたのでご覧ください。早めに申し込みをお願いいたします。年末の慌ただしい時ですが、何とかやりくりして、どうぞいらしてください。

ところで、お話はここで突然変わりますが、前にお話しておりましたグループホームの事ですが、いよいよ土地が手に入りました。
大きくなってきた、育てる会の子どもたちが暮らしていくグループホームを作ります。
土地は、161坪と比較的大きな土地です。いよいよ設計に入ろうと思っています。
どんな建物がいいだろう・・・夢は大きく膨らむだけ膨らみますが、建設資金を聞いてシュワーッと膨らみすぎた夢は、萎まざるを得ません。
でも、身の丈にあった、子どもたちが落ち着いて暮らせるグループホームにするつもりです。
6人もの人たちが暮らす少し大きめの家です。お金もたくさんかかります。
そこで、皆さんからの寄付を募らせてください。
土地と建物総工費 5400万円の大プロジェクトです。みなさんのお力をお貸しいただいて、夢を実現させてください。
グループホームには、自閉症児を育てる会の中から、青年になったメンバーが入ります。
大人になった時の暮らしが、一年半後に実現します。
どうか皆様の温かいご支援をお願いいたします。
今後も、会員のお子さんが大きくなられるのに合わせて、建てていく予定です。
親にとっての子育ての目標は、子どもの自立です。
子どもが、地域の中で幸せにその子なりの自立を果たして行く事、それが私たちの希望です。育てる会の親の目標です。それを具体的に見える形にしていく初めの一歩です。
その、はじめてのグループホームの建設予定地は、赤磐市の中心地にあります。
スーパーマーケットにも近く、図書館や市役所もすぐ近くにあります。
このグループホームは、入居する子どもの親たちの寄付を中心に建設予定です。でもまだまだ足りません。
土地は、次にもう一軒建てられるだけの余裕を持って購入しましたので、余計お金がかかりました。どうか、皆さんのお力をお貸しください。
会報に同封しました寄付のお願いをご覧ください。
そして、少しでも結構ですので、子どもたちの為の浄財を募らせていただきたいと思っております。尚、さしつかえなければ、ご寄付いただいた皆様のお名前を、感謝の思いを込めて会報に掲載させていただきたいと思います。
では、皆さん今日は、この辺で失礼させていただきましょう。ごきげんよう、さようなら。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

支援者養成セミナーの報告

平成26年9月13日(土)、岡山ふれあいセンターにおいて、「第78回 自閉症児の自立を果たす為の支援者養成セミナー」が開かれました。
今回は、今年3月まで川崎医療福祉大学で教授を務められた佐々木正美先生をお招きして、「自閉症の支援40年、私が大切にしてきたこと 〜今、後を継ぐ支援者に伝えておきたいこと〜」
のテーマで講演をお願いしました。
平成26年度岡山県人権啓発パートナーシップ推進補助事業として、岡山県より助成金をいただけることになったため、後を継いでほしい学生の方は参加費無料として募集させていただくことができました。
当日は、そんな若い学生さん以外にも、17年にわたって佐々木先生に支えられた岡山の保護者や支援者の方が集まり、暖かい雰囲気の中で先生のお話を聴くことができました。
それでは当日参加された保護者の方からのセミナーの報告が届いていますので、参加者のみなさんからのアンケートの抜粋とともにご紹介します。
また当日、取材に来ていただいた山陽新聞の記者の方の新聞記事も巻末に載せていますので、合わせてご覧ください。

先日、9月13日(土)岡山ふれあいセンターで開催された佐々木正美先生の講演会に参加させていただきました。
佐々木先生のお話は、川崎医療福祉大学の5デイズトレーニングセミナー・夜間の自閉症講座・東京の自閉症カンファレンスなど、様々な場所でお聞きしてきましたが、育てる会主催で開催することは初めてで、また、丸一日佐々木先生お一人での講演会というものをお聞きすることが私自身は初めてだったため、とても楽しみに当日を迎えました。
なんと現在79歳(!)というご高齢にも関わらず、自閉症への温かい眼差し・保護者への励まし・支援者への優しいアドバイスの数々に、感銘を受けました。
今回、参加できなかった方のために、少しでも講演の様子をお伝えできたらと思います。

佐々木先生は、多くの世界の著名な方々の言葉を引用されながら、自閉症の人たちの感じ方・私たちが大切にしなければいけないポイントをお話くださいました。
英国のパトリシア・ハウリンさんの
「自分の周囲の世界で起きていることの意味が理解できず、自分の意思や要求の伝え方が分からず、時々刻々と起こる環境(状況)の変化への見通しも立てることができず、その上苦悩や問題を解決するための想像力もはたらかなかったとしたら、あなたは一体どのような反応や行動を示すと思いますか」
という言葉を引用されながら、
「自閉症の人はこういう困難の中にいます。私たちは周りの人と、今ここにいる意味を共有しあうことができます。でも、自閉症の人たちは、周りに求められることに答えられないし、困っていることさえ伝えられないのです。
目の見えない人が点字ブロックなどで周りの状況を理解できるように。耳の聞こえない人が手話や筆談で周りの状況を理解できるように。
自閉症の人にとってそれは、視覚的であったり、一度に一つであったり、予告であったり、肯定的な伝え方だったりするのだと思います」
とお話されました。
私たちはそんなに苦労しなくても、今ここで何が起きていて、何をすればいいかを想像することができます。初めての体験だったとしても、今まであったことと照らし合わせ、最良だと思うものをほぼ無意識のうちに選び取ることができています。ですが、自閉症の人たちは、無意識では周りの状況を正しく理解することは困難です。ならば、自閉症の人たちに伝わる伝え方に置き換えて伝えていけば良い。ある意味とてもシンプルなんだと思います。
日本語が全く理解できない人と意思を伝え合わせようとする時、きっと私たちはジェスチャーや絵や写真を使いながら説明することでしょう。伝わっているか、相手の反応を確かめながらやりとりをするでしょう。必要なら、その人の使える言語を辞書やスマホを使い翻訳しようとするでしょう。それでも伝わらないなら、モデルを示したり一緒にやってみたり、手を貸しながら、その人に求められている正しい方法に導いていくと思うのです。
また、米国のエリック・ショプラー教授の
「あの人たち知覚、認知、理解の仕方と、私たちの文化や世界(環境)の持つ意味、刺激、情報との間にあるギャップを丁寧に埋めていくことをしながらでなければ、彼らへの教育や支援はできない。TEACCHはそういう方法で、彼らと生涯の共生を目指す実践のプログラムである。『あなたの周囲の世界には、こんなに美しい意味がある』ということを伝えたい」
という言葉を佐々木先生が紹介してくださっているのを聞きながら、私は以前インターネットの動画サイトYouTubeで見た、生まれつき耳に重たい障害がある赤ちゃんが、生後7か月で生まれて初めて補聴器をつけて、お母さんの肉声を初めて聞いた時の映像を思い出しました。
その赤ちゃんにとって、これまで周りの音や声は何も意味をなしていなかったのだと思います。けれど、「補聴器」というその子にとって周りの意味を正しく伝えるものを手に入れた時、「お母さんの声」という生身の愛情を感じることができるものを手にしたのではないでしょうか。
その時の赤ちゃんの驚きと輝く笑顔を、自閉症の人たちにも私たちの方から近づいていくことで、「そういうことだったのか!」という驚きと「分かるよ!分かったよ!」という笑顔にしていくことができたら。それは、本当に親や支援者にとって、何にも代えがたい喜びになるのではないかと思います。
佐々木先生は、午後からも丁寧に自閉症の人たちへの接し方についてお話をしてくださり、
・なぜ視覚的情報の方が伝わりやすいのか
・なぜ同時に二つのことができないのか
・予期せぬことへの恐れがなぜ大きく影響するのかなど、具体的なエピソードを交えながらお話くださいました。
「視覚的に・前もって伝える・肯定的に関わることは、最初は難しく感じるかもしれないけれど、『そんなことしたらダメよ』ではなく、『こういう風にしたらうまくいくよ』と伝えていくように心がけて、繰り返し繰り返し関わっていけば、そういう声掛けをすることは習慣になるし、肯定的で分かりやすい声かけをすることで、親子の関係も円満になりますよ」
と笑顔で言われたお話を聞きながら、きっと佐々木先生のこういう優しいお人路柄や穏やかなお話の仕方も、これまで様々な親子と肯定的で分かりやすいお話をしてこられたからこそ、自然にできるようになってこられたんだなぁと思え、私も今日から取り組んでいこうと感じました。
優しい言葉は、不思議なもので表情も声も優しくなりますものね。
質疑応答では、事前に出していたもの以外にも会場から出された様々な質問にとても的確に分かりやすくお話してくださり、直接聞いていない私たちでも「なるほど」「そういう考え方ですればいいのか」「じゃあ、きっとあの子にはこういう工夫がいるかも」とアイディアのきっかけをたくさん提供してくれました。
佐々木先生は、講演会の中で、何度も丁寧に、繰り返しお話くださいました。
「自閉症の人たちの中に、私たちの方から入っていくことが大切なんです」
「自閉症の人たちは、元々とても素直で真っ直ぐでうそをつかない人たちです」
「うそをついたり暴力をふるってしまうのは、周囲から無理解やひどい仕打ちを受けてきた結果なんです」
「なんでそんなことするんだ、ではなく、どうしてかなーって考えてあげてください」
「親が投げ出さないでください。見ていますよ・あなたが大切ですよというサインを送り続けてあげてください」
どのお話も温かく、先生の愛を感じられるお話でした。そして、きっと何度も何度も繰り返されることは、それだけとても大切なことなんだとも思いました。
佐々木先生は、自閉症や発達障害などが直接関係ない子育ての本も多く書いておられます。専門分野外になることでしょうに、すごいなぁとどの本を読ませていただいても感動し、そしてどの本も参考になるなぁと感じていたのですが、今回の講演会をお聞きして、その理由が分かったような気がします。
それはきっと、「自閉症だから」「発達障害だから」ということのもっと前にある、「親子とは」「子育てとは」「夫婦とは」「愛とは」といった人間の本質的な生き方や考え方を丁寧にしていくことが、結果として自閉症や発達障害の子どもへの子育てにも活かされるからなのではないかと私は思いました(主観ですみません)。
「自閉症は、親の育て方が原因でなるものではない」
「テレビを見せすぎたから、愛情が不足していたからなるものではない」
今やどの本を読んでもそれは一般常識として書いてあり、20年ほど昔あった悲しい誤解は解かれつつあります。
けれど、私は思うのです。
「自閉症は、確かに育て方が原因でなるものではない。
でも、その自閉症の子どもがどんな大人になっていくのかは、親の育て方が大きく影響するのではないか」と。
「育てたように子は育つ」と言います。
私も佐々木先生には遠く及びもしませんが、我が子を、自閉症の特性はしっかり持ちながら、その持ち味を活かした「元気に働ける自閉症の青年」に育てていけるよう、子育ての仕方を間違えないよう、頑張りたいと思います。
佐々木先生そして奥様、遠方から講演会にお越しいただき、素晴らしいお話をしていただき、本当にありがとうございました。
どうかこれからもお元気で、自閉症を持つ親や支援者の私たちの前を明るく照らしてください。先生の灯された自閉症支援のランプを目指して、これからもしっかり元気に一歩ずつ親子で歩いていきたいと思います。
ありがとうございました。
(保護者 M)

「専門家は時として支援する時、保護者を傷つけることがある」ということ、改めて考えさせられました。私も常々支援を考えるときに、本当にそれでいいのか、相手にとって最善が何か、たいへん悩みながら仕事をしています。今後も、保護者や本人の気持ちを大切にしていきたいと思っています。
育て方では自閉症にはならない。でも、親の育て方が悪ければ、大変な自閉症者に育つ。強度行動障害にもなりかねない。心して育てていきたいです。親の責任は重大なのだと思いました。幼児期に診断が出て、早期に支援を始められて本当に幸運だなと思いました。
医療の根底には福祉の精神があるというところに感銘しました。たくさんの経験を積まれたことを具体的に分かりやすく話されていて、レジメの行間の深みが感じとれました。理解されている親の元でいる子と、理解されない親の元での子とは幸福感が違うなと思いました。静かな語り口調で心にしみる内容で感謝です。
弱点をなくそうとするのではなく、長所を生かそうとする。そうすれば、弱点が目立たなくなる。そういう視点で改めて子どもを見ていこうと感じました。また、地域でのつながり、地域で社会性を育てることの大切さを感じながら、地域で幸せに暮らせるように、昔からある地域社会での子育て、意識してやっていこうと思います。
子どもの思い、目線に立ったお言葉がここにしみました。弱点・欠点を直そうとしても絶対にうまくいかない・消えることはない、強みを生かすことで目立たなくなるという話が大変感動しました。
温かな眼差しで接することができる、温かな気持ちになりました。変わるのは本人ではなく、私たち周囲・環境だということを改めて心に留めておきたいと思います。
本で知識を得ても、毎日の生活に追われ、余裕がなくなると感情的になり、適した対応ができなくなりますが、先生の言葉を思い出しながら、また本を繰り返し読み、気持ちを切り替えて子どもに対し、取り組む力をいただきました。
支援者として何を大切にして関わるかをおさえておくべきこと、私たちが努力していくべきことを改めて学ぶことができました。保護者の方々にも今後どのように関わっていくことがよいのか先生の言葉をおかりして伝えていきたいと思います。そして協同しながら子どもたちに合わせた関わりを心がけていきたいと思います。
自閉症児に限らず参考になることがたくさんありました。弱点・欠点を治そうとするのではなく、長所を伸ばしてあげること。否定的な言い方ではなく、肯定的な言い方をすること。口うるさい人が周囲にいると落着けないことなど。これからの保育でしっかりと頭に入れていきたいと思いました。
息子より1日でも長生きしなくちゃと、考えていましたが、18才で離れるという話が衝撃的でした。親としてできない所に目が行きがちでしたが、弱点はそのままで得意なことを伸ばす方がいいと言われ、息子の得意なことは何か考えました。少しは将来の心配も軽くなった気がします。先生の温かい人柄、本で想像した以上で素敵でした。
佐々木先生のお声を聞かせていただいて、気持ちが落ち着き、もう少し仕事を頑張ろうという思いを持つことができました。20数年、先生のお話を聞き、我が子の子育てをし、保育者としてたくさんの子どもたちに接してきました。叱らない子育てを実践していく中で、「先生はどうして怒らんの?」と聞いてきました。「怒られると思ってしているの?そうじゃないよね」と笑いあったことがありました。どの子も叱られることを望んでいませんよね。
現在、特別支援学級を担当しているのですが、一緒に過ごしている子どもの顔がたくさん浮かんできました。目の不自由な方への点字ブロックと同じように、それぞれに応じた支援をしていくことは、とても自然なことなんだと改めて感じました。ともすれば、甘やかしている・手をかけすぎている…など思われることもあるのですが、それはそれで一意見として受け止め、その子の今に合った支援を今後も考えていきたいと思いました。
発達障害の我が子に、お母さんは叱ってばかりとよく言われます。注意をすると、「注意されると余計したくなるんよ」といつも言われます。感情的ではない注意、うまく伝えられるようにこれからも先生のような口調で伝えられたらと改めて勉強させていただきました。
なぜ、TEACCHを行うのか、意味を理解することができました。現場で働く自信になります。子どもたちに耳を傾かること、伝える・伝えてもらえるように努力をすることを忘れないようにしたいです。
ご自分の子育てのお話も入れながらの支援の仕方を聞くのはとても勉強になり、「自閉症の子どもを持つことを引け目に感じないで」という言葉は胸にしみました。本当にこういう講演会に参加することで励みになります。ありがとうございました。

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

   門 眞一郎 先生 による夜間連続講座です!!

☆第5回☆  
日 時 : 平成26年10月15日(水)19:00〜20:55
テーマ : 理解コミュニケーションの支援(1)
                 補助代替コミュニケーション(構造化を中心に@)
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室 
           (岡山市北区伊島町3‐1‐1)
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 門 眞一郎 先生
         (児童精神科医:京都市児童福祉センター)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         欠席された回の講義については、BDをお貸しします。

18歳の春を目指すクラブ

9月12日、東山公民館にて定例会を行いました。
今回はお二人の方にお話をして頂けるという充実の内容でした。
まずは、公民館で社会教育主事の高田あいさんにお話をして頂きました。
今までに色々な子どもたちに関わり、その関わりで地域の方々も変化していったなど、色々な経験をされ、時には涙を浮かべるような感動もされたそうです。
次に、自閉症のお子さんを5人もお持ちのお母さんで、ほのぼの子育て ほっとはあとの代表もされている伊藤 家生さんに、子育てのお話などをして頂きました。
とても感情豊かで学べるお話ばかり、こちらも泣いたり笑ったりのノンストップトークでした!
参加者から感想が届いておりますので、ご覧下さい。

高田さん

・ 『自立』っていうのは、どれだけ周りの人に「助けて」と言えるかと、周りに頼れる人を作れるかという言葉が印象的でした。
・ 人と何かをしたいという思いが、人を変えていくという言葉も心に残りました。
・ 公民館が地域の中で子供と活動をする機会を提供してくれていたり、サポートしてくださっていることを改めて知りました。地元の公民館を上手に使って、地域の中で活動してみたいと思いました。

伊藤さん

・ 『できるかできないかじゃない、やれるかやらないかだ!』と言われた言葉が印象的でした。
・ 横のつながり、病院・専門家との関係を大切にしていこうと思いました。
・ お友達がいなくなるというお話はショックでしたが、『いなくてもOK』という考え方は大事だと思いました 。

【次回の予定】

10月はお休みです。

次回は、11月 再び香川大学の武藏博文先生にお話をして頂く予定になっております。
ぜひ、今から予定をあけておいてくださいね。

日 時:平成26年11月13日(木) 10:00〜15:00 (受付9:45〜)  
       いつもと曜日が違います。 
場 所:きらめきプラザ 研修室 1・2 (岡山市北区南方2-13-1)
       いつもと場所が違います。 
持ち物:筆記用具、デジカメ、昼食、飲み物
参加費:正会員に限り、1000円で参加可能です。(18春会員は無料)
締 切:定員(40名)になり次第締め切りますので、お早い申し込みをお願いいたします。
申込先:育てる会事務局 Tel:086-955-6758 (正会員限定)

つばさの会のお知らせ

今回は、夏休みに子どもに取り組ませた事についての報告を行いました。
うまくいったという人やうまくいかず課題が残ったという人もいましたが、話を聞いていると、我が子にも試してみようと思えるアイデアがあって参考になりました。

つばさの会は、始まったばかりで手探りの状態ですが、今の生活で必要なことに取り組んだり、将来のことを見据えた活動を行っていく予定です。
「こんなことがしたい」という案があれば出し合って、いろいろな取り組みをしていきたいと考えています。新しい方にも参加していただき、意見を聞かせてもらえたら嬉しいです。
見学でもいいので、ぜひ一度のぞいてみて下さいね。

次回は、作業所に見学に行かれた方が見学の報告をして下さったり、いつものように情報交換を行う予定です。

【次回の予定】

日 時 : 10月11日(土)10:00〜12:00
場 所 : おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194-1、事務局や赤磐ぐんぐんのある家です)
申 込 : 育てる会 事務局 (п@086−955-6758) (正会員限定)

OHAの会のお知らせ 

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。

【次回の予定】

日 時 : 平成26年10月17日(金) 10:00〜12:00
場 所 : きらめきプラザ 中会議室 (岡山市北区南方2‐13‐1)
アドバイザー:利守 愛子 先生 (臨床心理士)
持ち物 :「青年期のアスペルガー症候群 仲間たちへ まわりの人へ」
                       ルーク・ジャクソン:著(スペクトラム出版社)
          ※ 今年度の参考書籍です。お持ちでない方は事務局でも手配します。
参加費 : 1000円 (書籍購入希望の方は、別途1900円・・書店よりお買い得です)
申 込 : 育てる会 事務局 (п@086−955-6758)(正会員限定)

クローバーの会 お知らせ

クローバーの会は、正会員の女の子の会です。

今年度の活動を遅くなりましたが、本格的にスタートします。
これまでも、6月、7月に保護者での年間活動計画会議、事務局の花植え草抜きのボランティア活動や旅行計画会議(子供達始動)を実施し、秋からの活動にそなえていました。

クローバーの会も今年で発足から8年目を迎えました。当初幼く保護者中心だった活動も子供主導へと移行期間になりそうです。よろしくお願いします。(正会員限定)

【今後の活動予定】

10月13日(月・祝) バーベキュー
11月15日(土)   一日旅行(神戸)
12月          クリスマスランチ
 2月          お菓子作りパーティー
 3月          お掃除ボランティア

『俺ノートの会』のお知らせ

『俺ノート』の会です。
参加は小学校高学年(四年生)以上の男子です。

日 時 : 10月26日(日曜日) 14:00〜16:00  今回も午後に開催します。
場 所 : おひさまハウス
持ち物 : のり、はさみ、ノートや画用紙、切り抜き用雑誌など、休憩用のお菓子や飲み物
参加希望の方は、事務局(Tel.086‐955‐6758)にご連絡下さい。(正会員限定)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成26年10月19日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
            ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 :育てる会事務局(Tel.086‐955‐6758)
        当日の欠席は水泳担当者携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は必ず10月15日(水)までに連絡してください。

サッカークラブのお知らせ

日 時 : 平成26年10月12日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所 : 岡山市内グラウンド
持ち物 : マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、
       個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。

 ぐんぐん だより 

赤磐ぐんぐん

10月になり、涼しく過ごしやすくなってきましたね。
ぐんぐんの窓から眺める空も秋らしくなってきました。
赤磐ぐんぐんは、小学生未満のお子さんの療育を行っているのですが、今回は、小学生の男の子のお話を紹介したいと思います。
小学校5年生の男の子Aくんです。ふとした時に、こんなことを言ってきました・・・。
Aくん「今日学校でハンカチを使ったんだけど、ハンカチって便利なんだなってはじめてわかったよ!!」
「え?どういうこと?」と聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
Aくん「今までは、手を洗ってもズボンで拭いていたけど、今日は習字の時間にものすごく手が汚れたから、一生懸命洗ったら手がビショビショになって、その時、いつもみたいにズボンで拭こうと思ったけど、この手をズボンで拭いたらズボンがビショビショになる!と思って、その時に、ハンカチがあることを思いだして、ハンカチを出して手を拭いてみたら、手が濡れてたのがすぐにきれいになったんよ!その時に、ハンカチって便利ってことが、わかったってこと^0^」
今まで、お母さんから、「ハンカチとティッシュは持った?」と声を掛けられて持って行っていたり、学校の先生からも、「ハンカチを忘れずに持っていきましょう」と言われるので、『ハンカチとティッシュは持っていかなくてはいけない物なんだ』ということは知っていていましたが、『何のために持っていくのか』という意味理解まで正しくできていなかったようで、ハンカチを使わずにズボンで手を拭いて済ませていてみたいです。
お母さんや学校の先生も、ハンカチを何のために使うかを教えていなかったわけではないと思います。
でも、Aくんにとって納得いく説明ではなかったのでしょう。実体験を通して、ハンカチの使い方の意味が理解できたAくんは、自分から気が付いてハンカチを持っていくようになり、時には忘れていくこともあるようですが、忘れてしまった時には学校で手を洗った後にとても困るので、次の日には忘れないように!と気を付けるようになっているようです。まさに、成功体験から学ぶ!ということではないでしょうか。
“伝え方”って、難しいですよね。
子どもに何か指示を出すとき、ついつい、「○○しなさい!」と、してほしいことだけを言ってしまいがちになっていませんか?「早く着替えなさい!」「早くご飯を食べなさい!」・・・してほしいことを伝える時、手順書やスケジュールで、やるべきことを視覚的に伝えるということも大切ですが、それだけではなく、なぜ、そうしなければいけないか、なぜそうした方がよいのか、を子どもの理解に合わせた伝え方で伝えることも大切です。子ども自身が納得できれば、自分から行動ができることが増えてくると思います。
暗黙の了解ごとや社会のルールを教え、主体的に自ら進んで正しい行動を取ることができるように支援する方法として、『ソーシャルストーリーズ』という支援方法があります。Aくんのエピソードは、ソーシャルストーリーとして書いて伝えるべきエピソードだと思います。
ソーシャルストーリーズはガイドラインの本が出ています。
『お母さんと先生が書くソーシャルストーリーTM〜新しい判定基準とガイドライン・著者 キャロル・グレイ ・翻訳 服巻智子』
興味がある方はぜひ読んでみてください。
11月22日(土)には大阪でソーシャルストーリーズ入門ワークショップもあるみたいですよ。
また、この本の翻訳者であり、ソーシャルストーリーズ日本語圏公認指導者の服巻智子先生は、12月23日に育てる会主催の講演会に来てくださることになっています。
どんなお話をしてくださるのでしょう。とても楽しみです。
ハンカチの使い道が分かったAくん。その後、もう一つ気が付いたことがあります。
それは、「タオル地のハンカチの方が水をよく吸収するから手を拭くときに便利!」ということです。学校に行くときには、タオル地のハンカチを好んで持っていくようになったようです♪
物事の意味を伝える、ということはとても大切なことです。それぞれのお子さんにわかる方法で、物事の意味の伝え方を考えてみてください。自分から行動できることが増えてくると思いますよ☆
(赤磐ぐんぐん 療育スタッフ:河野 友紀)

ぐんぐんキッズ

暑い夏がやっと終わり、秋らしくなってきました。
一日の気温の差が激しく、風邪をひきやすい気候ですよね。皆さん体調管理には十分お気を付けください。
よく「○○の秋」と言いますが、皆さんは 何の秋を満喫されていますか? 
食欲?スポーツ? 読書? 芸術? 色々ありますが、熱中できたり楽しめるものがあると、人はエネルギーが出ます。エネルギーがあれば、挑戦する力が湧いてくるし、生活が楽しくなります。ストレスが多い日常とうまく付き合うには、自分自身が楽しめる何かを見つけておくことは大切ですよね。 
どうか皆さんそれぞれの秋を楽しんでください。
先日、ぐんぐんキッズ座談会が開催されました。
今回のテーマは「余暇」。
夏休みなどの長期休みは普段よりも家庭で過ごす時間が長く、「余暇」の悩みに直面する方も多かったのではないでしょうか。
実際に保護者の方から、「うちの子一人で過ごせないんです・・・」「バリエーションがあまりなくって・・・」「楽しめるのですが切り上げられなくって・・・」など「余暇」に対する悩みを相談されることがあります。
自由な時間がたくさんあって嬉しく感じられるのは、自分自身に「余暇」がある人だけだと思います。特にすることもなければ、自由な時間はただの退屈で苦痛な時間といえるでしょう。
将来は『働ける大人に。』と目標を持っておられる方がほとんどだと思います。では、働くために大切なものは何でしょうか?
働くためのスキルが十分にあったとしても、それだけでは心から安定した生活を送っているとは言えないと思います。自分にとって楽しみな「余暇」があるからこそ、仕事をがんばろうという意欲が生まれ、仕事をがんばれるのだと思います。リラックスする時間がなければ、誰しも体も心も疲れてしまいます。「余暇」の充実は、生活全般の充実なのだと思います。学齢期のうちから、本人にとっての「余暇」をいろいろ試しておくのは とっても大切だと思います。
座談会当日は、「余暇」についての資料を参加者全員で順番に読みすすめ、「余暇」のあり方、余暇支援の評価ポイント、計画の立て方、実施後の再評価の大切さなどについて勉強しました。演習では、実際に家庭でお子さんと取り組む「余暇」の計画を立てました。
保護者の方と一緒に「余暇」に対する理解を深め、学齢期の今、取り組めることを確認できた貴重な時間となりました。
参加して下さった保護者の方のわが子の今と向き合い、今できることを真剣に見つけよう!という熱い思いが部屋中に満ち溢れていました。参加して下さった方からの感想を一部ご紹介しますね。
☆資料を使いながら余暇について分かりやすく考えることができ、自分一人だけで読んだ時よりもすっと頭に入ってきました。再認識できたこともあり、また自分でもしっかり読み返して確認しています。
時間の都合で演習が一つその場でできなかったのが残念でしたが、「自分でまだまだできることがある」と分かりました。
☆先日は座談会ありがとうございました。レジメを読み進めながら、余暇活動の支援の在り方がよく分かりました。
スキルの評価から「できること」に着目し、得意な面や理解の度合い、社会性の発達段階をチェックしながらやっていくことが必要だと分かりました。そのために普段の様子を観察することが大事だと感じました。計画したプログラムも、本人に分かりやすく伝えながら楽しみたいと思います。ありがとうございました。
☆先日は座談会、お世話になりました。毎回参考になる資料を用意してくださり、ありがとうございます。一人で読むのと違って、皆で交代しながら読み、先生が解説や確認を挟んでくださることで、より頭に入って、良いなぁといつも思っています。
余暇について勉強して、余暇は本当に大事なものなんだと改めて感じました。子どもの生活を見返しても、結構空白になる時間(何をしても良い自由な時間)があります。そこをどんな風に過ごさせるのか・・・。ただこちらの考えでやらせるだけでなく、本人をよく観察して、何が好きなのか・どうやったらうまくいくか、プランを立てて考えないといけないなと思いました。
☆余暇が生活していく上で将来にとって大切なものであること、子ども本人の現在の能力をしっかり分かった上で見つけることが大切だということが分かりました(ついつい親がこういう余暇をしてほしいと思ってしまいそうですが)。また、何かチャレンジしてみた時は、やはり振り返りがとても大事なんだなぁと思いました。
資料も分かりやすくて、とても参考になりました。他のお母さん方のお話も色々聞けて良かったです。「余暇支援実施計画」、家庭で頑張って作ってみます。
☆先日は余暇についての座談会をありがとうございました。本人のレベルをちゃんと見極めることが必要なことが分かり、「もっとこうしてほしい」とか「他の子どもはこんなことをしているから、うちの子もこうあるべき!」という考えを捨てなければなぁと思いました。親もダラダラしている時間が多くて、短くても隙間時間をうまく利用して、コツコツ続けることが大切なんだと思いました。
ある本に「生まれ方でなく育ち方」つまり、どのようにして生まれたかが問題ではなく、どのような体験を重ねて豊かに育ったかが将来の人生を左右させるものであると書いてありました。 
学齢期に踏み出す一歩は小さな一歩かもしれません。しかし、将来を見据えて目標に向かって踏み出すことで、確かな一歩になるのではないでしょうか。
ぐんぐんキッズ座談会は 学びの場であり、保護者の方に踏み出す勇気を与えられる場になるといいなと思います。そして一歩踏み出して、うまくいかなかったら どうしたらうまくいくかを私たちスタッフも一緒に考えていけたらいいなと思います。
座談会の中で保護者の方の余暇をお尋ねしました。おいしいコーヒーを飲む、読書、ネットショッピング、カラオケ♪、晩酌など・・・ みなさんたくさんの「余暇」をお持ちでした。
子育てをしながら、自分の「余暇」を楽しむのが難しいと言われる方も多いと思います。早起きしたり、家族に協力してもらって「余暇」の時間を確保されていたり、カラオケ屋さんには行けないので、ドライブがてら車内カラオケを楽しんでいます!と工夫されている方もおられました。「余暇」について話されている時の皆さんの顔はとっても晴れやかで素敵でした(*^_^*)忙しい毎日を豊かに過ごすには、やはり「余暇」が大切ですよね。
皆さん時には自分の時間を大切にしながら頑張っていきましょうね!!
(ぐんぐんキッズ療育スタッフ   三上 尚子)

新聞記事の紹介

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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