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平成27年2月28日

 

 第202号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 202号 目次

     三寒四温

     支援者養成セミナー報告

     即実践講座のお知らせ

     キッズルームの報告

     18歳の春を目指すクラブ お知らせ

      つばさの会・『俺ノート』の会・クローバーの会・OHAの会 お知らせ

      サッカークラブ・水泳教室 お知らせ

     私のお薦め本コーナー
          「あらあら

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     支援センターNEWS

     グループホーム建設寄付 お礼

 

三寒四温、日いちにちと温かくなって、春が近くなってくるのを感じる今日この頃です。
春は、3日続いて晴れの日がない・・そんなことをテレビが言っています。
そうなのか・・・と知らなかった事を覚えました。そういえば、春雨は、良く降りますよね。雨が苦手な人も多いと思いますが、一雨ごとに春が近づくように感じます。
早く温かくならないかなぁと、寒がりの私は、春の到来を今か今かと待ちわびております。
皆さん、お元気でしょうか? 202号をお届けしましょう。
2月22日には、坂井聡先生をお迎えして、「発達障害の人とスムーズにコミュニケーションするために」と題する講演会を行いました。
岡山ふれあいセンターの大ホールは、先生の楽しいお話に、笑い声が、くすくす笑いから爆笑へとつながり、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。自閉症は、大変な障害じゃないよね、やりようがあるよね・・・。そんな風に気持ち新たに力をいただいて、帰られた先生方や保護者の姿が、印象に残りました。
先生は、奈良県出身だとか・・道理で関西風のトークだなぁ〜と思いました。先生の講演会の報告は、後ろの報告に譲って、私は皆さんの知らない控室での先生とのやりとりを、お話しましょう。

講演会が始まる直前、先生は会場入り口に立ってなぜか落ち着かれない様子です。
ウロウロ(?)しながら徐々に入口から会場へ出て行かれます。
普段、講師の先生方は、お呼びしてから控え室を出られ、司会者の「先生が入ってこられます」の声がかかってから、会場に入って行かれるのに、こんなに落ち着きのない講師は、坂井先生だけです。
「先生って、やっぱり多動ですね。」そう、言ってしまった私でした。
先生は、講演中もジッと椅子に座ってはおられません。参加者の中に入って次々質問をしていかれます。面白く楽しい賑やかな先生に、参加者は全員、坂井先生の大ファンになられたようでした。アンケートをご覧ください。
そんな先生の講演のなかにも時には、しんみりと涙する場面もありました。
見せていただいたビデオが、とてもステキで泣いてしまいました。
講演会をきっかけにして、いろんな方が、自分自身を振り返って、「もう一度やり直してみます」と言われました。自分自身が、子どもたちの環境要因だった事に気付かれたからに他ならないと思います。
私たちは、子どもたちにとって一番身近な環境です。
私が変わらなければ、子どもは幸せになれないことに、気づかせていただいた、とてもいい講演会でした。坂井先生素敵でした。ありがとうございました(会報を通してもう一度お礼を申し上げます)。

次に、「世界自閉症啓発デー」の関連行事のお知らせです。
毎年4月2日は国連の定めた「世界自閉症啓発デー」です。
この機会にできるだけ多くの方に、自閉症について正しく知っていただきたいと思っています。
まず、4月2日(木)朝 10時から、例年通り赤磐市下市の「マルナカ 山陽店」の入り口周りで、啓発チラシの配布を行います。買い物に来られた方にチラシをお渡しするのですが、岡山県の障害福祉課で粗品も用意していただけるので、みなさんスンナリ受け取ってくださいます。ぜひ、多くの会員の方にもボランティアとして協力していただきたいと思います。
春休み中ですので、ちびっこボランティアも歓迎です。普段はボランティアをお願いすることの多い子ども達ですが。この機会に「ボクもワタシもボランティア」、なによりいっぱい褒めてあげられるのが嬉しいです。
チラシを配り終わったら、おひさまハウスに帰っての懇親会です。簡単な食事をとりながらの座談会にしたいと思います。
今年は、昨年の会場は「ぐんぐんぴっぴ」で療育に使っておますので、会場を離れの和室に移しての懇親会です。
懇親会の方の会費は、実費分で大人 300円、子ども150円でお願いします。
申し込みは、事務局(Tel.086‐955‐6758)まで。みんなで楽しい懇親会にしましょう。
次の4月4日(土)には、育てる会で「世界自閉症啓発デー記念セミナー」として、川崎医療短期大学の重松孝治先生にお願いして「今さら聞けない自閉症 基本の「き」」と題するセミナーを開催します。詳しくは、同封のチラシにある通りですが、今回は特に啓発のために、子ども達の周りに一人でも理解者、支援者を増やしたいとの思いから、正会員の方には無料招待券を1枚 同封しています。
おじいちゃんやおばあちゃん、親戚のおばさん、いつも世話になっている近所の方や、学校や習い事の先生、どなたでも構いませんから、これからも周りで支えていただきたい方を招待してあげてください。
また翌週の4月12日(日)にはDDネット主催で「世界自閉症啓発デー記念上映会」を天神山文化ホールで開催します。
映画は山下久仁明監督の「ぼくはうみがみたくなりました」で、とても暖かく自閉症の青年を描いた映画ですので、まだご覧になっていない方は、ぜひこの機会においでください。詳細は後ろの「近隣の講演会等」のページに記載しています。入場無料です。

次に、来年度の即実践講座のお知らせです。
来年度も門 眞一郎 先生が引き受けてくださいました。
今年度は150名を超える支援者の方が受講されましたが、そのみなさんにお伺いしたところ、「ぜひ、来年もお願いしたい」「来年は同僚の方にも勧めて、一緒に支援にあたりたい」「復習のため、もう一度受講したい」など、全員の方が熱く先生にお願いされました。
先生も、その思いに応えていただき、今年と同じ、全10回コースで京都から、ほぼ毎月岡山まで来ていただけることになりました。
詳しくは別紙のチラシをご覧いただきたいのですが、5月から来年3月まで、8月をのぞき、
今年は第2水曜日の予定です。毎回19:00〜21:00、場所は原則として岡山生涯学習センターの予約をとっていく予定です。( 第1回は、予約がとれなかったので別会場です。決定しだい会報でお知らせします) 長丁場ですが、実践力アップ間違い無しの講座ですので、来年度も多くの方の参加をお待ちしています。

さて、話は変わって、哲平の話です。
哲平は、はじめて食べるものには抵抗があります。昔は、偏食がひどくて、小さい頃には、ご飯にふりかけをかけたものしか食べないような子でした。あの手この手を使って食べさせるのに苦労をしたものでした。
今では大概のものは食べられるようになりました。
でも、今でも嫌いなものはあります。例えばトマトは、大嫌いです。でも、頑張って食べる努力が出来るようになりました。
前にグループホームのお泊り練習というのをやっていた時期がありました。皆と一緒に食べるサラダには、家のサラダには乗っかっていないトマトが乗っかっていました。多分残すだろうと私は思っていましたが、ここで哲平は、頑張って食べたのでした。
あれほど嫌いだったトマトを皆と一緒の場では、頑張って食べることが出来ました。
皆と一緒なら、かっこいいとこ見せたかったのでしょうか??? 
でも、家ではやっぱり食べたくはないようです。嫌いなものの一つや二つあっていいと私は思っているので、無理強いはしません。
先日こんなことがありました。孫を預かった日の夕食の事です。
ラッキョウを食べていた私を見て、孫のコタローが、「食べたい!」と言いました。
おいしそうに見えたのでしょう。
「おいしくないよ〜。無理だよ〜」という私に、「でも食べる〜」と言って聞かないので、それなら経験したらいいと思いお皿に入れてやりました。
すぐ隣にいた哲平に「哲平も食べますか?」と聞くと、いつもは「食べません!」ときっぱり言い張る哲平が、なんと「食べます!」と言うではありませんか。
コタロー君に対抗意識を燃やしての事だろうと思えておかしくてなりませんでしたが、同じようにお皿に入れてやりました。二人は、一斉にお口の中に入れました。
コタローは、すぐに吐き出すかと思いきや、哲平おじちゃんに負けまいと、目を白黒させながら、頑張って食べ切りました。
おじちゃんの方は、嫌いなものを食べる時の前歯でのチョビチョビ食べをしながら、少しずつ少しずつ食べて一個のラッキョウに悪戦苦闘でした。
でも食べ切った哲平おじちゃんでした。4歳の甥と張り合って面白いったらないのです。孫を預かった日は、哲平おじちゃんにとっては、頑張る日になるようです。おもしろい!!

次のお話も哲平のエピソードです。
後ろの「支援センターNEWS」でも紹介しているように、今、赤磐市では、あかいわ発達障害支援センターと協働で、「絵カード推進事業」というのを始めようとしています。
これは、障害のある人が、この赤磐市の中で、いろんなお店で一人で自立して買い物が出来るようにする為の取り組みです。
あかいわ発達障害支援センターと赤磐市との協働事業です。これにぐんぐんキッズも協力して、絵カードを使って、買い物に行ったり、バーガーを食べに行ったり、またカードやお金の支払い方も勉強中の子どもたちです。
お店に見て貰う為のビデオを撮影して、それを持って各お店に説明をしに行く必要があります。また、お店にお願いする為の時の説明の文書を作ったりもしています。
赤磐市の福祉の担当の方や、あかいわ発達障害支援センターのスタッフとの細かな打ち合わせにも、私たち育てる会として参加させていただき、保護者としての視点から意見を述べさせていただいています。
赤磐市は小さな人口4万5千人ほどの市ですが、熱心な市職員の方が多く、新しい事にどんどんチャレンジして取り組んでくださいます。
赤磐市になって10年。これから一気に福祉は変わっていく・・・、そんなはじめの一歩をみんなで取り組んでいこうとされています。
育てる会も、その一翼を担っていると思うとワクワクします。
ところで、私は、この事業に先駆けて、個人的な取り組みを始めることにしました。
この事業は、とても時間がかかるお話なので、我が家はその前にどんどこ絵カード使って買い物させちゃおうと考えました。
買い物によく来て、そのたびにPECS使っていたら、「ああ〜あれか!」と納得してもらいやすいと思うからです。
こんなPECSボードを作って、哲平と共にお買い物に早速出かけてみました。

実際に使ってみると、色んな事に気付かされました。
お寿司の持ち帰りのお店での事です。
下の写真のカードを買い物の前に見せたところで、まず、つまづきました。

その日のレジの人は、この字が小さすぎて読めませんでした。
ガクッと来ましたね〜。そのレジの方は、歳の頃60過ぎに見える方でした。
私より、もしかしたら上かもしれません。その方は、残念ながら結構大きく作ったつもりのこの文字が見えず、結局ことばで説明をしなければなりませんでした。
これが読めないなんて、想定外でしたね。
もっとフォントを大きくするべきでした。
でも面白い。
その後も初めてのカードに戸惑われた様子で、お寿司の注文をしているのに、「本当に作っていいのですか?」と本人に訊ねられたりしました。
なぜそんなことを聞かれたかというと、その店で一番高いお寿司を哲平が選んでいたからでした。
カードから選ばせると、誰でも一番おいしそうに、豪華に見えるものを選んでしまいますね。
予算オーバーに注意です。

そんなこんなで色々あったけれど、とにかく絵カードを使って買い物が出来ました。
帰りしなに、この店員さんが笑顔で、「いつでも来て下さいね。待ってます」そう言ってくださいました。
一つ目のお店ゲットって感じです。
その次に行ったのは、お弁当屋さん。
行く前からどれにしようかと、目を皿のようにしてみている哲平でした。
たくさんのカードの中から、買いたいものを選んで、こんな風にそのカードだけをくっつけて買いに行くことにしました。その場で選ばせない方が、混乱も少ないと思ったからでした。

このやり方は、良かったですね。指示は、簡単明瞭に限ります。
ところが、今度の店員さんは、“マニュアル通り”に「「とんかつスペシャル」と「すき焼き弁当」(哲平と私の2人分の注文)でよろしいですか?」と聞かれたのですが、全く無言でスル―の哲平に、店員さんは、助けを求めて私を目で追います。
私は、仕方なく「うんうん」というように頷いてしまいました。
でも多分一人で行ったら、何とかなると思えました。
だって、PECSボードには「とんかつスペシャル」と「すき焼き弁当」の絵カードが貼りつけてあって、くださいカードもあるのですから。
何とかなりそうという感触を得ました。
これからも何度も何度も通い、常連さんになればいいと考えている私です。
ただ問題は、鳥羽父はお弁当やお寿司が嫌いです。家では、家庭料理がいいらしく、鳥羽父のいない日だけしか、取り組みが出来ないのが、残念なことです。次にいない日はいつだろうと、楽しみにしている私です。

さて、先日テレビを見ていたら、「サワコの朝」という番組で、ゲストの美輪明宏さんが、こんなことを言っていました。
幸せになるには、何でもいいから感謝を探す事なんです。
腹六分なんですよ人生は、なんでもね。住む家があって、着るものがあって、食べるものがあって、何とか仕事があって、お友達なり家族なりそういう人たちがいて、まあ〜それで良しとする・・・って言うのが一番幸せなんですよ。
幸せって言うのは何かというと、満足感でしょ。
充足感。もうこれ以上何にも要らない。
いつでもどこでも幸せになるにはどうしたらいいかというと、感謝することを何でもいいから探せばいいの。
お話、面白いですね〜。美輪さんは、もうすぐ80歳なんだそうです。達観されている感があって、面白い方です。
奇人変人、珍種変種と言われた時代もあるようですが、そんなことへっちゃらだと言われていました。
世の中みんなが、薔薇の花である必要はない。バラもあればユリもあっていいといわれました。どの花が一番だなんて言えないですよね〜。皆それぞれの場所でそれぞれの良さを生かして生きていけばいい。そんな風に私は受け取りました。
私は、小さい頃は随分変わった子どもでした。今も相当変わったおばちゃんです。でも、今のこの場所で精いっぱい生きていこう・・、咲いていこう・・って思っています。
それでいい!!
住む家があって、着る服があって、食べるものにも不自由はありません。この年でこんなに素敵なお仕事もさせていただけて、友達や家族にも恵まれています。何一つ不幸せの理由がありません。満足です。幸せです。感謝です。
本当にそうだな〜と思います。
このお話の前に、老後の心配や貯金がないことに不安を感じるというようなアンケートの結果をみての美輪さんのお話でした。
幸せを求めるあまり、私たちは、感謝したり「足るを知ること」を忘れてしまっているのかもしれません。
そりゃ〜私だって、もっとお金があればいいのに・・・とか、もっとスタイル良くなりたいとか、もう少し背が高ければいいのにとか、家事手伝いをしてくれるお手伝いさんがいるような暮らしがいいなとか、家がもっと温かければいいのにとか・・・、色々思いますよ。
でも、わたしの望みは、本当に贅沢ですよね・・・。充分足りているのですよ。食べるのにも困っている貧困にあえぐ人たちがいます。世界中にも、日本の中にもいますよね。最近の子どもの貧困問題、深刻です。
でも私には、たくさんの事は出来ません。ここで懸命に自閉症の子どもたちの為に、出来ることをしていくだけ・・そう思っています。
そしてそれをさせていただけるということに、感謝をしながらやって行こうと思います。
我が家は、シクラメンの鉢を毎年3鉢買います。
窓辺に今年も綺麗に咲いてくれています。
毎年、ゴールデンウィークの頃まで綺麗に咲き続けてくれるこの花が、以前は、すぐに枯れていました。
前は、玄関に鉢を置いていました。我が家の玄関は、東向きで、朝に少しだけ日が差だけで、日中は暖房もなく寒くて、シクラメンの花には、適切な環境ではなかったようでした。
今は、食堂に作った出窓に3つ並べて置いています。
食堂は南向きです。一日中おひさまの光が当たるこの環境が、シクラメンには、ピッタリなのでしょう。綺麗に咲いてくれます。
いつものスーパーで一鉢480円の鉢ですが、なんと11月〜5月まで咲き続けてくれるのです。どんなものでも環境って大切ですよね。
環境が良ければ、いい花を咲かせるけれど、環境が悪ければ、すぐに枯れてしまう・・・
シクラメンも私たちの子どもたちも同じではないでしょうか。
環境次第で育ちも違います。できるだけ大きく、長く咲いてくれると嬉しいですね。
自閉症の子どもたちにいい環境を用意できるのは、支援者である保護者ではないでしょうか?
学校が悪い、担任がこんな風にやってくれない・・・、夫が理解してくれない。
そんなこと言っても、何にも変わってはいきません。私たちに変えることが出来るのは、「わたし」だけですよ。
坂井先生も言われていましたよね。私が変われば、子どもが変わる。
子どもを変えたいと思ったら、私が、子どもの為の環境を変えていけばいいんです。そうして、うまくいかなければ工夫をするのも私です。うまくいくまでやり続けていけばいいのです。
人に頼らず、親である私が、やればいい!そうしているうちに子どもは変わっていきます。いい環境さえ用意すれば、子どもは伸びて行くからです。シクラメンと同じです。
玄関のような陽の当らないところに置いていては、せっかくのお花もしぼんでしまいます。
暖かい絶好の環境の中で子どももシクラメンも育てたいものです。
皆さん、春が近い3月の2日にこれを書いています。
そうそう、明日は私たち夫婦の41回目の結婚記念日です。41年前の可愛いお雛様のようだった初々しい花嫁さんは、今やこんなにいい環境を与えてくださった旦那さんのお蔭で、元気で明るいおばあちゃんになりました。幸せな人生です。ありがとう旦那さま(なんちゃって〜)
皆さん、次の号は、春爛漫の4月発行ですね。桜のお便りと共にお届けすることになるでしょう。
では、それまでお元気で・・・、ごきげんよう、さようなら。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

支援者養成セミナー 報告

平成27年2月22日(日)岡山ふれあいセンター大ホールにて、香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による支援者養成セミナー「発達障害の人とスムーズにコミュニケーションするために〜具体的な工夫のアレコレ〜」と題して講演会が開催されました。
参加した支援者の方からの報告と、たくさんのアンケートが寄せられましたので、その一部ですが紹介します。

2月22日(日)坂井聡先生の講演会に参加しました。
最初に、ミス・アメリカ2013コンテストの出場者の方々の写真を見せくださりながら、「身体障害や自閉症の診断を持つ人が、ミスコンの州代表になる!そんな時代が来ていますよ!」とお話されました。
コミュニケーションや社会性に困難さを持つ自閉症の人がミスコンに出て、その人が選ばれる。それがどれだけすごいことか、自閉症支援に携わっている私たちだからこそ、分かりますよね。アメリカは、今確かにそういう時代になっているんですね。ただただ、びっくりしました。
身体障害の方が、義足を使うことで陸上競技に挑戦するなど、障害による苦手なことへもチャレンジできる幅が広がっている様子を紹介され、「同じように自閉症の人にも、障害の苦手さをどう工夫していくか」「自閉症の人たちには、社会性の障害がある。それならば社会性に障害のない私たちが、いかにスモールステップで社会性への課題に取り組んでいくか。
コミュニケーションに苦手さがあるならば、コミュニケーションに障害のない私たちが、いかに子どものコミュニケーションを引き出せるか。子どもの社会性やコミュニケーションの伸びは私たちの支援にかかっています。
伸びていかないなら、私たち支援者側が下手なんだと反省しなくてはね」ともお話されました。
いかにその人の特性を理解して、地域で生きて行ける社会を作れるか。
いきなりアメリカのようにはいかなくても、私たちの頑張り次第で、自閉症の人にとって生きていきやすい社会は作って行けるのだと思うと、可能性の広がりを感じさせていただけるイントロダクションでした。
目標はあくまでも「社会的な自立」です。定型の人であっても、すべてのことをたった一人で自給自足しているような人はいません。
私たちも、必要なことは周りの人や便利なグッズに助けてもらっています。「今日もよく頑張ったね」「もっと一人でやれるようにもっと頑張ろう」よりも、本来の力に援助をプラスしてもらい「人に上手に助けを頼めたから、うまくやれたね」の方が、本当の意味での自立になり、幸せな人生になるのではないでしょうか。
親自身が「あなたはあなたでいいのよ」と言い続けていきながら、本人が「助けてもらってもいいんだ」と思えるようになるためには、周りを信頼し、相談していくお母さん自身がモデルとしてその姿を見せていくことも必要なのだと感じました。
一人でできるということは、全てをたった一人で完結することではなく、自律性・自発性を持ち、何ができて何ができないのかを知り、ジグを使いながらできることは一人でしていき、様々なことを選択しながら、自信や自尊心を育てていくことが大切だと思いました。
「障害があるから、多めに見てもらう」ではなく、「障害があっても、人と何でも同じようにする」でもありません。
得意なことを伸ばしながら、苦手なところを補ってもらいながら、世の中でその人にしかできない役割を持って、生きていける人が理想なのでしょう。それは、自閉症に限らず、私たちも同じですよね。
そのためには、愛情とやる気だけでなく、適切な支援も大切です。
「肯定的に」「共感的に」「そして視覚的に」。
この3点をおさえられているかを常に関わる人として、考えていくという視点は、すぐに実施できることであり、それでいて一番大切な視点だなと思いました。
坂井先生は、キッズデザイン賞や国際ユニバーサルデザインアワード金賞など、様々な最先端ツールやアプリを共同開発してこられた先生でありながら、ハイテクだからこそできること、ローテクだからこそできること、どちらであっても、「肯定的に」「共感的に」「視覚的に」関わっていく大切さは、変わらないということを、お話の中で何度も強調されました。
ついつい、目新しいもの・すぐに使えそうなものに飛びついてしまいがちですが、日々の自分の支援を自問自答しながら、「ちゃんと肯定的に伝えられたかな?」「子どもの気持ちに寄り添って共感的に関われたかな?」「今の支援は、本当に子どもに分かる視覚的な支援だったかな?」と考えながら接していくことは、人間だからこそできることだとも思います。ハイテクだからこそできることをうまく使いながら、マンパワーの充実もしっかり図っていけるようにしていきたいですね。
最初から、完璧な支援を用意することは、どんなプロでも難しいことでしょう。
でも、困っていることに気づいたならば、支援工夫を増やしていくことはできます。
そこに気が付ける力をいかに私たちがつけておくかが大切だなと感じました。
たくさんのスライド・動画を使ってのハイテクなお話の中に、坂井先生の熱い思い・マンパワーがみなぎる、本当にあっという間の4時間弱の講演会でした。
「あなたがいてくれて良かった」を伝えていく支援・「伝わって良かった」と感じてもらえる工夫を、これからも日々の実践で大切にしていきたいと思いました。坂井先生、本当にありがとうございました!!
(療育スタッフ:松田紗代)

  【保護者の方からのアンケート】

坂井先生の話を初めて聞いたのは、自閉症の我が子が2歳くらいの時で、すごく悩んで毎日悲しい思いをしていた時でした。そんな私が先生の話を聞いて、がんばっていこうと思ったことを今でも思い出します。だから今日坂井先生のお話が聞けることをとても楽しみにしていました。とても分かりやすく、おもしろく、それでなるほどなぁと思える先生のお話にとても元気をもらえました。障害を持った人にとても優しい考えで、こんな考えがたくさんの人に伝えたいな、伝わるといいなと思いました。こちら側の視点を変えて、子どもとの暮らしが楽しくなるようにしていきたいなと思いました。言葉の少ない我が子がカードを使って相手に伝え始めているので、私ももっと勉強して、本人が伝えること、分かる楽しさを教えていきたいなと思いました。
子どもとの接し方で理解できるように伝えてなかったことが多くあること気づいた。何でできない、分かってくれないのかなと考える前に、分かるように伝える工夫をしないといけないと思った。コミュニケーションをすることは、まず相手に分かりやすいように伝えるように自分が変わることから始まると思った。
最近、子どもに「何でそんなことしたの!」ということが多くなっていました。坂井先生の講演を聞いて、帰ってからは「何が言いたかったの?」「何がしたかったの?」と聞いていこうと思います。
「お母さんは怒ってばっかり」という子ども。私は「言ってるのに!」という自分の気持ちを押し付けてばかりだったと反省。分かるように 伝えられなくてごめんねと気持ちを改め、@肯定的にA共感してB視覚的に伝えていこうと思いました。
具体的に実戦形式でお話下さり大変分かりやすかったです。子どもの生きにくさを実感しました。コミュニケーション能力を持っている私たちの方から近づいて行ってあげることが大切だと改めて思いました。

  【学校の先生方からのアンケート】

具体的な話が多く分かりやすいお話をありがとうございました。明日からの子どもたちとの関わりが楽しみとなります。どんな場面でどんなやり取りをしようかなと、思っています。(小学校教諭)
発達障害の特性、援助(ツール)の必要性等、分かっているつもりでしたが、日々子どもと接する中で、その子の困り感に寄り添えず、一方的に指導しているつもりになっていたなと改めて考えさせられました。“人にできない部分を機械に”ということが印象的で、漢字ドリルなど市販されているソフトをまず使ってみようと思えるようになりました。つい、「何でできんの」「何で分からんの」と子どもに聞いてしまいますが、「何でできんのだろう?」とまず自分に問いかけないといけないのだなと思いました。卒業して2年、改めて坂井先生のお話を聞いて、大学の時にもっとまじめに聞いておけばよかったと思いましたが、現場を知ってからこそ、今日の話をこれからに生かせるのでは、生かそう!と思いました。ありがとうございました。(小学校教諭)
できないことをできるようにすることが重要ではなく、どのような支援を受ければ自立に向かっていけるのか。学校の中にいると固い考えで通されようとする先生方もまだまだ多いのも現実です。将来の自立に向けて、少しでも力になれるよう、技術をどう使っていくかを身につけたいと考えます。お話はとても楽しく、日々支援する視点を改めて教わった気がします。(小学校教諭)
支援については、その子ができるようにコミュニケーション能力のある支援者が伝え方を工夫するということが心に残りました。
なぜできないの?ではなく、もっと課題を細かく分けて考える、困っていることを見つける必要を感じました。
携帯電話で使えるアプリはすごいです。 
学校現場で学習の時にもっと使いたいと思いました。もっと視点を変えて考えなくては!と思います。(小学校教諭)
自分の思いや考えは間違っていない!と思える内容で、また自分が“ここはどうなんだろう”と思っているところを答えていただける部分が多々あり、とても勉強になりました。一方、あまりにも遅れた職場でどう実践していくかが、これからの自分の課題であると思いました。(支援学校教諭)

  【その他の方からのアンケート】

障害をもたれる方の仕事の支援に関わっています。本人・家族・社会との連携を大切に私たちが理解できるように変わる。声掛けひとつ、対応ひとつで困っている子ども(利用者さん)が変わることができるかも!?希望を持ってやり続けたいと思いました。カレンダーにシールを貼って自分にもご褒美を与えつつ。(ケアワーカー)
助けてもらえるものが多ければ多いほど、自立につながるということ。助けてほしいとサインを出せるように支援すること、表出できないのは自分たちの関わりの方のせいだと分かること、忘れないようにしたいと思った。
学校の先生全員に聞いてもらいたいお話だった。(社会福祉士)
事例・具体的なツールの紹介が多く、分かりやすかったです。実践的だと感じました。コミュニケーションの楽しみ、成功した時の喜びを子どもたちと共感したいと強く感じました。(生活指導員)
子どもの実際どのような状態におかれているか、少し分かったような気がしました。しんどいだろうなぁと思います。
このような研修を、学校の先生全員・保護者の方にも聞いてほしいと思いました。
また、寛容な社会を作るため、いろんな人にも知ってほしいと思います。理解してもらって、その子の力のレベルを上げる必要性も感じました。ありがとうございました。(市議会議員)

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

☆第10回☆ 平成27年3月18日(水)19:00〜20:55
  テーマ : 薬について
場 所 :岡山県生涯学習センター 大研修室(岡山市北区伊島町3‐1‐1)
対 象 : 教職員・保育士やそれを志す方、施設・福祉関係職員の方 対象。
         (申し訳ありませんが、保護者対象ではありません)
講 師 : 門 眞一郎 先生(児童精神科医:京都市児童福祉センター)
参加費 : 全10回分 賛助会員17,000円 ・ 一般20,000円(賛助会費含む)
         欠席された回の講義については、BDをお貸しします。
いよいよ今年度の即実践講座も最終回となりました。皆様、お疲れ様でした。
講座で学ばれたことが、明日からの即実践に繋がっていくことを願っています。
来年度も門先生にお願いできました!! お楽しみに
詳しくはコチラをご覧ください!

キッズルームの報告

2月15日(日) 岡大体育館でキッズルームを行いました。
インフルエンザによる体調不良で欠席が相次ぎましたが、岡大児童文化部のボランティアさんたちが楽しく盛り上げてくださり、人数の少なさを感じさせないとても楽しい時間でした。
参加者の方からの感想を一部ご紹介します。

・人と関わる力が弱いため、人と関わる楽しさ、喜びを感じてほしい想いで参加させてもらっています。
学校では、集団でする行事にはなかなか入る事が出来ずにいますが、キッズルームに来るとボランティアの学生さんのおかげで安心してリトミックに参加できています。学生さんの動きを見て真似て踊ったりしている姿を見ると嬉しくなります。人と関わる楽しさ、喜びを身と心で感じ取って本人の世界観を広げていくためのチャンスの場だと思っています。これからも都合のつく限り参加させていただきたいと思っています。
・いつも楽しく参加させていただいています。今回もとっても楽しかったようで、帰りに「次はいつあるん?」ともう次回を楽しみにしていました。2歳の妹も、家では母親べったりなので、参加は出来ないかな〜と思っていましたが、楽しそうな様子にどんどん大学生のお兄さんお姉さんに近づいていき、とても楽しそうに遊んでいました。楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました!
・ボランティアの皆さんはいつも子どもたちが無理なく楽しめるように配慮してくださっていて、本当に頭が下がります。そして、ボランティアさん自身が楽しんで子どもたちと関わっているところがとっても素敵です。
・今回も、キッズルームに、参加させて頂きありがとうございました。
3才10ヶ月の時に、旭川児童院で診断がおり、育てる会に入ろうかなと思ったきっかけの一つがキッズルームでした。私自身も大学生の頃、サークルで障害のある子や健常の子と一緒にキャンプなどで遊んだ経験から、我が子にも親とは違うお兄さんお姉さんと楽しい時間を過ごして欲しいという気持ちで、参加させて頂いています。
リトミックや、影絵など、とっても良い表情で楽しんでいる息子の様子を後ろから、ホッと一息つきながら温かい気持ちで見学させて頂いています。
リトミックは、体の使い方も不器用な子ですので、動きの一つ一つを見本を見せてして下さっているのが、とても良いと思います。
毎回、たくさんの準備をして下さっている岡大の学生さんやスタッフの皆さんにとても感謝しています。あと何年、来させてもらっても良いのかなあ…と思いつつ、親子で楽しい時間を過ごさて頂いております。
・自由に遊ぶトライアルでは、遊び始めに、どうしたら???と少しとまどってましたが、良いタイミングでボランティアさんが、まず〇〇からしようかと声かけしてくださり、 始められました。
うまくできた時には、ほめてくださって、子供はとても嬉しそうな笑顔をみせていました。
初めての方と遊んで、良い笑顔をみせるのは普段あまりないので、見ていて私も嬉しかったです。
リトミックについては、普段は身体全体を動かすダンスなどは、とても苦手で、かたまっていることが多いのですが、珍しく昨日は一部でもやってました!
おそらく、「次は右にいくよ」など、ワンクッション予告があってからなので、(しかも指さしもありで、見てわかりやすくでいいようです)怖くないし、安心できて動けたのかなと思います。
これからも、子供が見てわかりやすい工夫を引き続きやっていただくと嬉しいです。開催の準備をありがとうございました。次回も楽しみにしています。 

18歳の春を目指すクラブ お知らせ

今回が今年度最後となります。
1年間を振り返っての反省と、来年度勉強したいことの計画を立てたいと思っています。
お菓子を食べながら、楽しく話しましょう。
“18歳の春”へ入会を考えている方なども、お気軽にご参加ください。
日 時:平成27年3月13日(金)  10:00〜13:00(受付9:45〜)
場 所:東山公民館 会議室(岡山市中区平井4丁目13-33)
持ち物:マイ飲み物、来年度やりたいことがある方は、それに関する資料(あれば)(正会員限定)

つばさの会の報告とお知らせ

つばさの会は平日に活動している「18歳の春を目指すクラブ」に参加するのが難しいお母さん達が、土日に集まって勉強している会です。 

2月14日(土)に、つばさの会を行いました。
今回は、つばさの会としてやってみたいことを話し合ってみました。日常的にいるものに取り組んでいきたいという意見が多かったので、とりあえず、@サポートブックA手順書Bコミック会話の順番でやってみることになりました。
自分的には、なかなか、仕事に追われ、家で、何かをするという余裕が全くなく、つばさの会に参加するだけでやっとの生活をしていますが、月に1回でも、みんなに会って話をするのは、やはり楽しいですし、教えてもらえることも多いです。
自分自身、活動を、なかなかできない時期だからこそ、私にとっては、大切な時間でもあります。家でツールを作って実践して持っていくまでには、なかなかできませんが、来月集まった時に、みんなと、ワイワイおしゃべりしながら、少しずつ取り組んでいきたいと思います。
新規の方もおおいに歓迎です。子供の年齢関係なく、自分たちがやりやいことを話し合って、少しずつ、一緒にやっていきましょう。新規の方、お待ちしてま〜す。
次回開催は
日時:3月15日(日)10時〜12時
場所:おひさまハウス(育てる会事務局)
やってみること:サポートファイルやサポートブック
  (自分のやりたと思っている物を、ご持参ください。ない人は、手ぶらでもOKです。)
参加希望の方は、事務局(Tel.086‐955‐6758)にご連絡ください。(正会員限定)

『俺ノートの会』のお知らせ

参加は小学校高学年(四年生)以上の男子です。
来年度四年生になるお子さんや、興味のある方など、ぜひ見学にいらしてください。
親子でのんびり活動してます。
日時:3月14日(土曜日) 14:00〜16:00
場所:おひさまハウス
持ち物:のり、はさみ、ノートや画用紙、切り抜き用雑誌など、休憩用のお菓子や飲み物
参加希望の方は、事務局(Tel.086‐955‐6758)にご連絡下さい。(正会員限定)

クローバーの会 お知らせ

子ども達も、中学生以上が多くなると、なかなか、時間をあわせることが、難しくなってきました。そのような中でも、集まれる人が集まって、細く長く活動を続けてきました。これからも、続けて行けたらいいなと思います。
次回の活動ですが、毎年恒例のおやつ作りをしたいと思います。
☆次回活動のお知らせ
1 日時     平成27年3月8日(日) 10:00〜14:00
2 場所     おひさまハウスキッチン
3 活動内容  @おやつづくり
          Aお昼を一緒に食べる。
4 持ち物    エプロン・三角巾・ケーキ型・ゴムべら・ボール3個・泡立てき・計量器・布巾・昼ごはん・飲み物
※随時、クローバーの会への新規加入歓迎です。
  女の子をお持ちの方で、興味のある方は、事務局にお申し込みください。(正会員限定)

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
参加されているお母さんたちからの感想が寄せられています。

○ 本読みは、感覚についてでしたが、特異性についてこちらも、つい忘れてしまうことが多く、考え直す良い機会となりました。気分を変えるグッズ(照明やおもちゃなど)も利用してみたいです。社会に出るまでに見た目をつくろえる術を身につけるだけではなく、理解してくれる人には説明しておくという方法は良いと思いました。
○ 教材として使っている本で知らない単語が出てくると、先生が分かりやすく教えてくださるので、とても勉強になります。個人的には中学入学にあたりサポートブックの作り方の小学校の担任の先生と一緒に作るのがベストとアドバイスをいただきました。早速、先生に相談しようと思います。
○ 前回1月の時に“3月までに子どもができるようにしたいこと”を決めました。今日はその目標のために今取り組んでいることを話しました。日頃、生活している中で目標を立てて取り組むことが最近なかったので改めて生活を見直すことができてよかったです。我が子は、目標に向けて少しずつ取り組めていることを話しました。先生に聞いていただいたり、アドバイスしていただけることが励みになります。「また1ヶ月頑張ろう」という気持ちになりました。ありがとうございました。
○ 今日は感覚の話でした。多少当てはまることもあるかなーというくらいでした。うちの子は、音に敏感な方かな?という感じです。ここに書かれていることがほとんどある子は本当に大変だろうと思います。個別の話も、具体的にアドバイスをいただけるので本当に助かります。
○ 前半の本読みでは、感覚の内容で、我が子も幼い頃顕著に出ているものもあり、聴覚やにおいなどそういう風に感じているんだ、と改めて思いました。
後半の話では、失敗に過敏で口がたつ娘についつい気持ちが穏やかではいられない相談をさせていただきました。娘を手のひらで転がすように上手な声掛けができるように私も練習をしてみようと思います。また、声に出して伝えないと感じ取れない子どもなので、「愛している」と言ってあげることの大切さを教えていただきました。今日から毎日「大好き」の言葉とハグで、大好きな存在であることを伝えていきたいです。利守先生、本当にありがとうございました。

【次回の OHAの会】
日時:平成27年3月16日(月) 10:00〜12:00
場所:北ふれあいセンター 第3研修室 (岡山市北区谷万成2‐6‐33)
アドバイザー:利守 愛子 先生 (臨床心理士)
持ち物:「青年期のアスペルガー症候群 仲間たちへ まわりの人へ」
      ルーク・ジャクソン:著(スペクトラム出版社)
  今年度の参考書籍です。お持ちでない方は事務局で手配します。
参加費:1000円(書籍購入希望の方は、別途1900円・・書店よりお買い得です)
申込み:育てる会 事務局 (п@086−955-6758) (正会員限定)

水泳教室のお知らせ

日 時 : 平成27年3月15日(日)15:30〜17:30
場 所 : OSKスポーツクラブ岡山 3階ロビー(岡山市北区絵図町1-50)
          ※プールは育てる会水泳教室 貸切で行っています。
連絡先 :育てる会事務局(Tel.086‐955‐6758)
        当日のキャンセルは担当まで連絡してください
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。(正会員限定)
★欠席される方は必ず3月12日(木)までに連絡してください。                          

サッカークラブのお知らせ

日時:平成27年3月22日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート  
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、サッカークラブ担当までご連絡ください。(正会員限定)

 ぐんぐん だより 

赤磐ぐんぐん  

2月も終わり、いよいよ今年度も残りわずかとなりました。
今回も、療育中の出来事を紹介しながらお話したいと思います。
Aくんは休憩中ブロックを組み立てていろいろなものを作ったり、ボタンを押したら乗り物の音が鳴る絵本で遊ぶことが大好きです。
遊ぶことが好きだからこそ、遊びをやめて次の活動に気持ちを切り替えることはとっても辛いですよね。
Aくんはおやつを食べることも好きだったので、遊びを止めて次の活動に行きたいと思えるように次の活動をおやつの時間にしてみました。
しかし、【遊ぶ>おやつ】 だったので、おやつに行こうとしませんでした。
お母さんにAくんの好きなものを聞いてみると、英語が好きと言っていたので次の週は、次の活動を先生と勉強にして最初の課題を英語のパズルにしました。
その課題を見せながら次の活動に誘うと、遊んでいた遊びを終えて英語のパズルに手をのばし、とてもスムーズに次の活動に移動することができました。
もう一人のお子さんのお話を紹介します。
Bさんは、ぬりえで遊ぶことが大好きです。
ぬりえをしている途中で、次の活動にいくのに時間がかかってしまいます。
Bさんはひらがなが読めるので付箋に 『つぎのきゅうけいのときにします』 と書いて、そのぬり絵に貼り、次の休憩のときに続きができるようにとっといてあげると、スムーズに次の活動に移動することができました。
切り替えが難しいときには、好きな活動を次にもってきたり、『次に、いつできるか』という見通しを本人に理解できる方法で伝える工夫をしてみると活動への切り替えがうまくいくことが増えてくるのではないかと思います。
活動を切り替えるためには、『終わり』を理解するスキルが必要です。『終わり』を理解するスキルを身に付けることは幼児期にとても大切なことです。
今回は2つのエピソードを紹介しましたが、この方法がすべてのお子さんにうまくいくわけではないと思います。
それぞれのお子さんに合った、『終わり』を理解して、活動を切り替えるスキルを身に付けていくために、必要な工夫をいろいろ考えてみてくださいね。
赤磐ぐんぐん 療育スタッフ 題府美衣

ぐんぐんキッズ

寒さが少しひと段落したような気がします。朝の布団から出るのはまだまだ苦労しますが、近所の白梅も綺麗に咲いていて、「ああ、もうすぐ春がくるなぁ」と感じます。
子どもたちもあと一ヶ月すれば、新しい学年へステップアップ。
ぐんぐんキッズでもできるようになったことが色々増えてきていて、一年前のキッズレポートを読み返しながら、「子どもたちの成長する力はすごいなぁ」と感心しています。
ぐんぐんキッズでは、前回の会報でもお知らせしたように、外出チャレンジを色々実施しています。自閉症の子どもたちは、机上で学んだことや特定の場所でできるようになったことを、家庭や学校や地域など、相手が違ったり場所が違ったり場面が違ったりしたことで、実施することが苦手な特性(般化の苦手さ)があります。
「○○がないです」ということを、療育の場では、目の前や近くに先生がいて、困ったらすぐに来てくれるという状況であれば言える子がいるとします。でも、学校で大勢の子どもがいて、先生が授業をしている時、手を挙げて伝えることが難しかったり、スーパーで、探している物が見当たらない時に、店員さんを探して、言いに行くのは緊張しすぎてしまったりすることがあります。
自閉症の人たちは「般化」が苦手です。だからこそ、般化のための練習が必要です。
ぐんぐんキッズで、子どもたちには「こういう風にしておくとできたね!」と伝え、お母さんたちに「こういう支援があればできましたよ」と伝えることで、家庭や地域や学校でも取り組んでいただけるヒントになっていくように思います。
私たちは、「療育でできた!」だけでは、意味がないと思っています。療育は週に一度の短い時間。家庭や学校・地域で過ごす時間の方がずっと長いですし、また学校や療育を卒業した後の人生の方がはるかに長いのです。
周りの人を見て自然に学んだり、空気を読んで行動したりすることは、自閉症の人たちにとって難しいことです。ですが、自閉症の人たちは学ぶ力をしっかり持っています。
学ぶスピードはゆっくりですし、学び方もその人その人のスタイルがあります。
でも、学んだことを確実に丁寧に忘れずにすることは、私たち以上の力を持っていると思います。配慮や支援さえあればできる力があるのに、その配慮をしないのは、大人側の無責任・心理的虐待にもつながる危険性だってあると思います。
近所のハンバーガー屋さんに行く際、お母さんにお願いして支援グッズを用意してもらいました。
それを見て、何を注文すればいいか聞いたところ、「んー、よく分からん」と言った子がいました。
支援はないよりはある方が絶対いい。でもそれが使えるものでないと、下手すると「こんなん、別にいらない」に繋がってしまう
のではないでしょうか。
先日、県障害福祉課主催で開催された「発達障害児支援フォーラム」の際、記念講演された先生が「早い時期に診断・支援を受け、幼児期・学齢期に安定し、思春期に非行(触法行為)をしない人こそが、健全に社会に出て行ける人になる」「社会参加は、その子本人に合わせた支援を受けながら、ライフサイクルの中で必要なことを、大人が必要な支援をしていくことでこそ、なされる」とお話されていました。
子どもの人生はその子自身のものです。
その子が「自分はこういう支援があるとうまくいく」「こういう工夫をした方がいい」と実感をともなった体験をいかに多く積んでいるかが鍵となるのだと思います。
「学校の先生がなかなか視覚支援をしてくれない」「子どもが分かるような授業をしてくれない」という話をお母さんから相談された時に、「普段おうちでは、どんな支援をしていますか?」「どんな支援があると便利だねとお話されていますか?」とお伺いしています。まずはお母さんが子どもの理解の仕方・特性を理解していること、子どもとそれを共感し合っていることが大事だと思います。家庭で自分に合う視覚支援をしていない子・その便利さに気づいていない子は、学校で視覚支援を先生が取り入れようとしても抵抗することでしょう。「僕、こんなのなくても分かるから、いらん!」と言うでしょう。
普段の生活のなかで、「こういう見て分かるもの(視覚支援)があると便利だね」とたくさんの成功体験をさせてあげてください。ぐんぐんキッズは、子ども本人や保護者が、子どもの特性を知り、「こういうのがあるといい」と自覚するための経験をたくさんしていく場、成功体験をたくさん積み重ねていく場だと、私は思います。
ハンバーガー屋さんでは、色々な視覚支援を使うことで、店員さんに注文したいものがうまく伝わり、子どもへのサポートも上手になってこられたように感じます。地域で自閉症の人が暮らしやすくなるためにも、支援を実際の場で使い続けていくことは、本人たちにもお店側にも、お互いにとって有効な手段だと思います。
ぐんぐんキッズに通ってこられるお子さんたちの学齢期は、彼らの人生にとってほんの短い期間です。
その期間中、いかに失敗せず、自己否定的にならず、前向きに生きていけるか。支援を上手に活用していける、上手な生き方をできるか。それが、その子の一生を左右すると思います。
来年度も、自閉症の人たちが元気にいきいき自信を持って暮らしていける明日のために、持てる力を最大限に、子どもたちに誠実な支援を、お母さんたちにたくさんのアドバイスをしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ   松田 紗代

支援センターNEWS

今冬はインフルエンザが大流行し、あちこちで学級閉鎖の声を聞きました。
何度か雨が降ってもなかなか流行が治まらないようですね。先日もある園にお邪魔したら「今日は〇〇君はインフルエンザでお休みです」と告げられ、すぐに帰ることになりました。
様々な予定がキャンセルになったり変更になったりして、新しいことや急な変更が苦手な私にはなかなかしんどい時期でした。
まだまだ油断しないで手洗いうがい、マスクの使用などの予防に努めましょうね。
さてこの時期4月からの新しい生活に向けての準備を始めている方もいらっしゃるかと思います。
そんな皆さんを応援するために今年も赤磐市の方に限ってでしたが、2月26日(木)9:30〜12:00、おひさまハウス1階食堂で「サポートブック作成&メンテナンス会」を開催しました。
今回はペアレントメンターさん(先輩お母さん)に来ていただいて、園や学校とこんなやりとりをしたよという、実践例をお話しいただきました。
作ったけれどメンテナンスを忘れていたわという方、一人では書けないわという方、また初めて書いてみようという方、どんな物か知りたいわという方など、参考にしていただけたことも多かったと思います。
また現在あかいわ発達障害支援センターでは、赤磐市社会福祉課・放課後等デイサービス事業所などのご協力の下『絵カード推進事業』を進めています。
地域で自立して買い物ができることを目指して、店舗や施設にご協力をお願いする予定です。
療育などで買い物の仕方を練習している子どもたちが、地域で実際に買い物を経験できるように、また将来一人で行けるお店が増えるように、知恵を出し合っているところです。
絵カードの使用にご協力いただける店舗にステッカーを貼ってもらおうと考えたりしています。
実践練習をしているか、したことがある方はご意見をお寄せいただければありがたいです。
保護者の皆さんが事前にしっかり準備することで買い物の成功体験が積めると考えています。わが子だったらどんな支援グッズを準備して、どんな練習をして行けばひとりで買い物ができるかな?と想像しながら楽しみにお待ちいただけたらと思います。
今後の活動予定を中心にお伝えしましたが、皆様のもとに支援センターの活動がしっかりと届いているのか、必要な方に必要な支援を届けるためにはどのような仕組みがあれば良いのか、これまでの取組みを丁寧に見直しながら来年度の準備をしていきたいと思っています。
 
(あかいわ発達障害支援センター   相談員:政田 亮子)

グループホーム建設寄付 御礼

今月も温かいご寄付、ありがとうございます。
子ども達の夢を現実の形にするため、大切に使わさせていただきます。
【 ご寄附をいただいたみなさま 】 (2.1〜3.3)
○ F.H 様(赤磐市)        ○ K.T 様(岡山市) 
○ H.K 様(岡山市)        ○ 鳥羽 代表 
○ 瑠璃 真依子 様(K市)    ○ 鳥羽 哲平 様(赤磐市)
○ K.M 様(岡山市)       ○ 匿名希望 F様(岡山市)
○ 匿名希望 N様(岡山市)
平成27年3月3日現在 寄付金合計 9,341,000円となりました。
ありがとうございました。 今後とも、応援よろしくお願いいたします。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
           岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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