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平成28年2月29日

 

 第214号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 214号 目次

     まもなくやってくる春に

     即実践講座のお知らせ

     18歳の春を目指すクラブ・キッズルーム・OHAの会 お知らせ

      さをり織り教室・ 『俺ノート』の会・つばさの会 報告とお知らせ

     コーラスグループ・水泳教室・サッカークラブ お知らせ

     私のお薦め本コーナー
             「聞く、書く。 第4号」より
         『夕陽のあたる坂道

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     支援センターNEWS

     グループホーム建設寄付 お礼

  

雨の一日、一人外出もせずパソコンに向かっています。
冬の雨は、しょぼしょぼと何だか見ているだけで元気がなくなってしまいます。
そこで、たくさんの服を着込んで暖かくして、自分の部屋に籠って会報を書いています。
今月は、できれば早く出して欲しいといわれているので、いつもぎりぎりにならないと書き始めない私は、少々あせっております。いつの間にか3月に入ってしまいました。
まもなくやってくる春を楽しみにしつつ、今日の寒さをしのぎましょう。
まずは、服巻セミナーについての報告から始めましょう。
2月6日(土)三木記念ホール(岡山市中区古京町)において服巻智子先生をお迎えして、今年度最後の講演会を行いました。
当日は大勢の保護者の方がご参加くださいました。わざわざ北海道からの参加者まであって、驚きました。服巻先生のファンのすごさにびっくりです。
自閉症を持つ子供の親にとって、進路選択は、常に悩みの種です。
二つの道が用意されていたとき、どちらを選ぶかで、幸せになるか、それとも不幸になるかそんな風に、子どもの人生がここで変わってしまうかもしれない・・・そんな思いで親は子供の進路を考えます。
進路は、本人が望むところへとよく言われます。でも私たちの子供たちは自閉スペクトラム症の子供たちです。本人が決めるといっても、適切な進路先が選べるほど、物事の判断ができるとは思われないとき、親の責任は重大となります。
学校を選ぶとき「果たしてここでいいのか?この子にとって、この選択でいいのか?」と悩みは尽きません。そんな悩ましい保護者の思いに応えたいと、服巻先生をお呼びしました。
先生のお話しは、現在悩んでいらっしゃるお母さんたちには、どんな風にとらえられたのでしょう。気になるところですが、その報告は、後のコーナーに譲るとして、私はやっぱり早期発見と早期介入が何より大切という思いをより強くすることになりました。
佐賀では、プライドプログラムというのを現役高校生対象の事業として行われるそうです。土日を利用して年12回のプログラムで無料で参加できるそうです。感情のコントロール、自己認知支援、自閉スペクトラム症について、自己管理、進路選択などというカリキュラムで公立・私立を問わず、全学年の高校生を対象に行われるそうです。
そこへ通うことになるお子さんのうち、3分の1は、早くから服巻先生のセッションを受けた子供たち、3分の2は、どこの支援も受けないで高校生になった人たちだそうです。この事業の結果が早く知りたいと思う私です。
結果は、たぶん早期な介入こそが大切という結論になるに違いないと思います。
そういうことをやろうとする佐賀県というところの先進性に驚きます。
佐賀は、服巻先生がいらっしゃるからこんなことが進んでいきます。
さて、岡山は・・・・??
みんなで力を結集して、服巻先生はいないけれど、懸命に学び少しでも佐賀に追いつくような、そんな岡山県を作りたいものです。
アンケートの中に、岡山で認知療法のセッションを受けられるセラピストがいるところはないでしょうか?との質問が多く出ました。
あるかもしれませんが、たぶんあまりないからみんな知らないのではないでしょうか?
関西から移り住んだ私には、とまどってしまうことがあります。それは岡山県人の秘密主義(?)なところです。自分の子が受けていていいものを、あまり他人には教えたくないというような風潮があるのかもしれません。
昔、私が通っていて良いなと思った塾のようなところを、大勢に紹介していたら、あるお母さんから、「鳥羽さん、みんなに教えないでほしいの」と言われました。「どうして?」と聞くと、「大勢の人が殺到して、ウチの子の時間が減らされたら困るわ」と言われました。なんということでしょう。いいものは、みんなに教えたい私は、ドン引きしたのを思い出しました。
そういうわけで、岡山にもあるかもしれませんが、私には情報は届きません。残念!
たくさんの学びをいただいた今回の講演会の詳しい報告は、後のページにあります。アンケートも併せてごらんください。

さて、新しい年度の講演会は、「自閉症スペクトラム の子らしさを生かす子育て 〜生活を支援する〜」と題して倉敷の健康福祉プラザ(倉敷市笹沖)であります。
日時は、4月3日(日)13時〜17時に、吉田友子先生を横浜からお招きします。
自閉症啓発デーに合わせて、自閉症の基礎理解を大勢の方にわかりやすく伝えていただくことになっております。
先生には、連続セミナーとして、7月31日(日)にも来ていただく予定ですので、4月の講演会を聴いていただいて、次の7月にもいらしていただきたいと思います。
先生の書かれた「その子らしさを生かす子育て」は、育てる会では全員に買っていただきたい本にしております。
先生のASDの子供たちに寄せる思いが、暖かな優しさが、こちらにじわりと伝わるそんな良い本です。小さい頃に読むのは、とてもよいです。
でも、少し大きくなると前に読みながら感じていたものとは、違うよさを感じる・・そんな自閉症の親にとっては、バイブルのような本です。先生の御本は、暖かであの子たちの良さを改めて感じさせてもらえる、そんな本です。
そんな先生の講演会に、全国各地に何度も何度も追っかけのようにして行かせていただいた私ですが、何度聞いても目から鱗がポロぽろりと落ちるようです。ああ〜、そうだった。あんなに純な子に、またうっかり間違った対応をしてしまった私。家へ帰ったらいい母さんになるぞ!と、決心しながら家に帰る、その帰り道が、楽しみになるような・・・そんな先生の話です。
吉田先生と一緒の会場にいるだけで、幸せのオーラに満たされると言った方がおられます。その通りだなぁ〜と思います。そんな講演会になりますから、どうぞ多くの皆様にお誘いをかけてください。

話は変わって、先日から佐藤愛子さんの本を読んでいます。
なかなか面白くて一気に読み終わってしまいました。
「我が老後」そんな書名です。佐藤愛子さんがどんな老後について書かれているのか、いつもは忙しくて自閉症関係の本しか読む暇もないのですが、忙しいとつい違うことがしてみたくなる・・・。そんなことないですか?
テスト前になると本が読みたくなったり、掃除を始めたり・・・現状から逃げ出したくなる習性がある私です。
この本が面白かったんです。犬をついついいじめてしまう佐藤さん。インコに意地悪してしまう佐藤さん。素敵な老後の話かな…と思って読み始めたのに、これが全然違うんです。
痛快で大笑いし通しの佐藤家の悲喜コモゴモがつづられています。
この犬をいじめたくなる気持ち何だかわかる〜。我が家の猫を可愛がってはいるんですが、時に気楽そうにノホホ〜ンとして寝ていたりすると、いじめたくなる私。なんて意地悪なんでしょうね。優しそうなトバさんのイメージが崩れてしまいましたか? 時々ですよ。普段はいじめないですよ。
ちょっと意地悪すると、猫さんは急に扱いづらいネコさんに変わります。
何だか家を出たり入ったり、「出せ」と出入り口にしている戸の前で、鳴くので開けてやると、すぐ窓の外から今度は「入れろ〜」と鳴くんです。そんなことを何度も繰り返します。また入ってきても、何が気に入らないのか「ニャ〜、ニャ〜」とうるさく鳴きます。
あんまりうるさくされると面倒くさいな〜という気になって、意地悪したくなる・・・。そんな私と佐藤さんの暮らしが重なって面白く読みました。
ところでこの猫さんとの攻防はどうなったか知りたいですか?そうですか・・・では話しましょう。
実は、あんまりうるさいので、自分を反省して(佐藤さんの本を読んで自分なりに客観的視点を持てたせいもあるかもしれません)、意地悪をしないで可愛がることにしたのです。
少しくたびれたおじさん猫のキーくん。
「キーくん、まぁ〜なんてかわいいの〜(あんまりかわいくないおっさん猫ですが・・・)」
これぞ猫なで声で言ってみます。すると、なんとおっさんは、目を細めて、ぴたっとその日から、何にも言わなくなりました。
ご主人さまの愛を信じられるようになったのでしょう。ホントびっくりしました。
愛ですかね〜。愛の力ですよ。
その日から猫さんは、落ち着いて、私の方をやさしい目で見るようになりました。すると可愛い。本当にかわいい気持ちになってくる。
なんだ、いい子じゃないの・・・って感じで、今のところ我が家は、愛ある暮らしですかね。
さて、長々猫の話書いてしまいましたが、私が言いたいことは、猫は可愛がりましょうということではなく、自閉症の子どもをついつい邪険にしてしまうお母さん、そうあなたに向けてお話ししたいのです。
「いつもいつも私を困らせて、どうしていうことを聞いてくれないのよ〜。」
「毎日毎日、こんな暮らしが続くなんて、もういや〜!」
「こんな子がどうして生まれてしまったの?私の人生を返して〜!」
そんな気持ちになっていませんか?
でも、猫さんだって愛をかければ、一日でいいネコさんになりました。
愛ですよ愛。すべてを変えるのは、母の愛の力です。
そんなことを佐藤愛子さんの本から学んだトバさんです。たまには自閉症以外の本も読まないといけないな〜。と早く原稿をかけと言われながらも、次の本を物色する私です。

さて、皆さん、ご心配かけたかもしれませんが、グループホームは、無事着々と完成へ向けて進行中です。
2階の部屋にはロフトが出来上がりました。
ロフトへの階段も完成しました。
それぞれの部屋には壁紙が張られました。
お母さんたちが一人ひとりわが子のために選んだ壁紙です。
親たちのセンスが問われるというので、みんな真剣に考え選びました。
これからも入居する人が変わるたびに、壁紙も一新するといいな〜なんて思っています。
3月15日(火)の午後3時に建設会社から正式に引き渡しを受ける予定です。
入居するのは、まだ先ですが、次にはカーテンをそれぞれの部屋に設置することになります。
これも親たちで選んでもらうことになっています。
どんな部屋ができるか、楽しみですね。
・・・と、気楽に考えていましたが、我が家の息子のカーテンや家具電化製品も選ばないといけないことに、はたと気が付き、焦って先日家具の量販店と電化製品の店に行ってきた私です。
パソコン、テレビ、ソファーにマットレス(哲平はロフトがある部屋で、ロフトで寝ようとすると、ここにはベッドが置けないのでマットレスだけです)、デスクなど買ってやりたいものがたくさんあります。
さながらお婿さんに出す親の気分です。できるだけ使いやすいもので、良いものをといろいろ考えていると、お金がたくさんいりました。
「え〜い、お婿にもいかない哲平のためだ!!」なんて思いながらの散財です。お金が飛ぶように消えていったこの数日でした。

さて、我が家の話は、この辺にして、会員の皆さんにお願いです。
4月2日(土)には、このグループホームの、会員の方に向けての内覧会を行います。
出来上がった部屋を見ていただく日にしたいと思いますので、おいでください。
この日は、お子さん連れでも構いませんので、どうぞ、いらしてくださいね。ただし、物を壊したり汚したりされたら、困りますので、親御さんのほうでよくお子さんは見てください。
できればスリッパ持参で、どうぞよろしくお願いします。
いつかグループホームにと望んだ私たち親の願いがついにかなう日です。今回入居予定の6人は、古くからの会員の子供たちです。やっとこの日が来ます。晴れがましくうれしい日です。皆さんにこのホームをお見せできることを誇りに思います。
行政からの補助金などは、1円も貰わず、多くの皆さんの善意と少しの銀行からの融資・・・それで建設します。苦しい経済ですが、本当に作りたい
ものが作れた・・・そういう意味で、誰からも強制されないで自分たちの思いのみを積み込むことができたホームです。
そんなグループホームの初披露です。今回は、正会員の方のみの内覧会になります。
こぞっていらしてください。お待ちしております。
多くのお客様がいらっしゃる正式な開所式は、別に設けます。
はじめは、全部一緒にと考えていましたが、春休みでお子さん連れの会員の方には、ちょっとしんどいのではないかとの配慮です。
お子さん連れでない方は、開所式にも来ていただいて構いませんので、申し込んでくださいね。
また、本番の開所式は、4月5日(火・大安)の10時からを予定しています。
たくさんの方をご招待する予定です。寄付をたくさんいただいたので、そういう皆さんにも招待状を送ります。また、工事関係者の方やお世話になった行政の方などもお呼びしたいと考えています。
当日は、主だった方のご挨拶をいただいた後は、ゴスペルクワイヤGRICEのゴスペルの歌の披露をします。
育てる会の子供たちの歌の披露もあるかもしれません。
さて、そのあとは、会場の中を巡っていただきながら、軽食を召し上がっていただく立食パーティです。
そんな楽しい開所式を予定していますので、どうぞ、よろしくお願いしますよ。

さて、4月2日は、世界自閉症啓発デイです。世界中がこの日自閉症について理解啓発を行う国連が定めた自閉症啓発デイです。
4月2日から1週間は、発達障害啓発週間になります。
東京タワーや横浜マリンタワー、通天閣や大阪城、備中国分寺でもライトアップが行われます。自閉症啓発の色は、きれいなブルーです。世界中がこのブルーにライトアップされる…そんな風になったらいいですね。
育てる会は、DDネット(岡山県発達障害児・者の親の会連携協議会)の自閉症啓発デーのためのチラシ配りを4月2日(土)の朝9時からマルナカ山陽店にて行います。
ご参加いただける方は、ご参加ください。その後、グループホームの内覧会にご参加いただくと、便利がいいですよ。大勢の皆さんで、チラシ配り出来たら素敵ですね。よろしくお願いします。

ところで、今日見た新聞のトップに、大きくこんな記事がありました。

 『認知症事故 家族は免責』

最高裁の判決で、JRの事故において、認知症の家族への賠償責任が問われなかったという記事でした。
その昔、「ぼくはうみをみたくなりました」(この映画は、今年のDDネットの啓発活動で、県内各地で上映します。案内は後の「近隣の講演会等」に載せていますので、お近くの会場にお越しください)の作者の山下久仁明さんのご長男、ヒロキ君が、おさんぽ中に鉄道の事故で亡くなられました。その時刑事責任や賠償を鉄道会社から求められ、山下さんがこれはおかしいのではないかと反論をされたブログが、鉄道ファンからの反発の投稿で炎上したことを思い出しました。
時代は、変わったのでしょうか?
考えてみると、私たち自閉症の子を持つ親は、毎日子どもが周りの方に迷惑をかけないようにと、気を付けて暮らしています。
4歳の頃、ちょっとした隙にいなくなって、赤磐一番の交通量の多い交差点の真ん中で、トラックを止めて立ち往生させたことがありました。交番に保護された哲平を迎えに行ったときに、お巡りさんから、「ちゃんと見てもらわにゃ〜いけんよ」と注意を受けました。情けなくって涙が出ました。
皆さんに迷惑かかったら、こんなに頑張っていても叱られるんだ。そんな現実に、やり場のない悲しみに打ちのめされるようでした。
山下さんのご長男、ヒロキ君は、踏切から迷い込んで列車に接触して15才で命を落とされました。踏切から線路に入り込んでの事故でした。電車を止めて損害を与えたという事での責任は、親にあるという時代でした。
今回の「家族に責任はない」というこの判決は、私たち障がい児を持つ親にとっても大いに励みになる判決でした。子どもの死という大きな大きな悲しみの中、補償までを求められるという理不尽さに、抗議もできないで、もっと非難されるなんて、今から10年前の悲しい事件でした。そもそも踏切って危険すぎませんか?もっと配慮があってもいいと思える踏切は多いように思います。鉄道会社の責任もあるように思います。
皆さんには、関係ないわと思えたかもしれない判決だったかもしれませんが、色んな風につながっているという事を知って欲しくって書いています。

哲平のお話をもう少ししましょう。
新しい家事スキルが、増えました。
靴下のほころびを縫えるようになりました。何度も何度も靴下が破けるので、チョイチョイと糸でほころびを縫ってやっていました。
でも、あまりにたくさん何度も言ってくるので、もうすぐグループホームでの暮らしが始まる哲平に、縫い方を教えておくのもいいかしら・・・と思いました。
2〜3度縫い方を教えると、自分からやり始める哲平でした。見て学ぶ人なので、きっちり上手にできるまでは、手を抜かず、何度も見て「こんな風にやってね」と見本をやって見せながら、教えていきました。すると、段々上手になって、結びこぶも上手にできますし、少しだけ糸をすくって上手な仕上がりです。
今では、一人で裁縫箱から糸を選んでチョイチョイと縫っています。なんでもやれるもんだと感心します。哲平は、何でもやってみようとする人です。そんな哲平に感激しつつ、褒めて褒めて・・・このスキルを定着させたい私です。
思えば、よくぞここまで来たもんだ〜です。自分のことは自分でやる。ついに自立の時が近くなってきた哲平です。
花婿修行??にお裁縫。 お婿さんにはいかないけれど、何でもできるに越したことはないのです。
花婿道具に裁縫箱を考えている私です。
我が家の話をインタビューして書いてくださった方があります。冊子にして出版してくださいました。
私と夫が話をしています。よ〜くしゃべる私と、時々夫が控えめに話しをしていて、私ってこんなにしゃべったかしら〜と思うほどのインタビュー。よかったら読んでくださいな。
後のお薦め本のコーナーにトチタロさんが紹介しています。「聞く、書く。第4号」(吉備路出版)です。何人かの人のうちの一つとしてのお話しで、500円+税です。
皆さん、春が近くなってなんだか、ホッとしている私たちの隙を突くように、インフルエンザが猛威を振るっているとのことです。スタッフや子供たちにもその影響が出ています。ぐんぐんに通ってくれている子どもたちの何人もが、インフルエンザにかかっています。子どものインフルは軽く済むみたいですが、大人には、結構きついらしいので、気を付けてくださいね。我が家は幸いなことに誰もかかっていません。哲平は、これまでインフルエンザに罹ったことがない人です。そんな話を保護者の人たちに話していると、「うちもです」という人が多いのにも驚きました。
自閉症とインフルエンザ、関係ないですかね。偶然だろうとは思いますが、なんだかいいな〜と思えて、書いてみました。
皆さん、ではまた来月号でお会いしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

平成28年2月6日(土)三木記念ホールにて、「平成28年度 第5回(第85回)育てる会自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
佐賀より、大阪大学大学院 連合小児発達学研究科招聘教員で、TEACCHR公認上級コンサルタントの服巻智子先生をお招きして、『自閉症・発達障害児の進路選択 〜進学、就学、就労に向けて 今準備できること〜』のテーマでお話しいただきました。
今回は「平成27年度岡山県人権啓発パートナーシップ推進補助事業」として補助金もいただけることになりましたので、学生の方は無料として、大勢の将来の支援者を目指す若い方々と一緒にお話を聴くことができました。
それでは参加された保護者の方からの報告を頂戴いたしましたので、いただいたアンケートとともに紹介します。

2月6日(土)三木記念ホールでの服巻智子先生の講演会がありました。
一年振りの先生に、たくさんの元気をいただきました。
「大人になってからの進学・就学・就労」が今回の講演会のテーマでした。事例を挙げて時間いっぱいお話いただきました。初めに言われた一言はとても、衝撃的でした。
学齢期で「学校に適応することだけ頑張る」のはダメ。
「学校に何が何でも行かせる」とか「学校に行きさえしてくれれば安心」だと、みんなと一緒を目指すやり方は、大きくなったとき、不適応を起こす大人になってしまいます。
そんな風に言われました。
学校へ行くこと、そしてその学校に適応していくことを目指すというのは、将来苦労をするということなのでしょうか。
お話しの一つ一つに改めて、自閉症の大変さを知らされました。
進路選択は自己選択しないといけません。押し付けず、本人の力を見つけてあげてほしい。
自閉症の人は、秀でた能力がどこかに必ずあります。でも、興味関心がないとやれません。性格は一人一人違いますから、その傾向を自分でよく分かっていることが大事です。
周りに迷惑をかけないような行動をすることも必要。何に価値観を持っているかが、職業態度などにもつながっていきます。
トレーニングが常に必要。謙虚に人の言葉を聞いて頑張ろうとする人は、能力が少し足りなくても、職場で重用されます。
など、今からでもやれそうなこといろいろお話くださいました。
保護者の方から「普通の人の感覚を身に付けさせたい」という要望はよくあります。
でも、実行機能の面から、人より時間がかかります。
「○○ができる」だけではスピードや応用力や同時進行などの点で難しく、それが脆弱に見えたりのろく見えたりしてしまいます。
キビキビとはトレーニングしても続きません。一時(いっとき)できたとしても疲れ果てて続かなくなります。そこからいじめやパワハラになったり、会社に不利益が生じたりしてしまいます。
ですから、離職理由のほとんどが、障害特性に直結しています。
作業系・能力系はハードスキル。一方で人間関係などはソフトスキル(職業適性も含む)。
できることで働き、本人の力量で本人なりの頑張りを見せることで可愛がられる⇒仕事が続く。
本人が謙虚で前向きで一生懸命(ソフトスキル)であれば、多少仕事が遅い、できる仕事が少ない(ハードスキル)などの点があっても、周りがサポートしようと動いてくれます。
「ソフトスキル」は、小さい頃からの積み重ね。急には育たないから地道にしていくしかありません。具体的なセラピーセッション+トレーニングを繰り返すことが必要です。
佐賀では、今年から一般の高校の生徒対象のプログラムとして、土日に「佐賀プライドプログラム」が始まります(全国初の試み。5年前から提案していたもの)。教育委員会主導で障害福祉課が予算を出して校長会で知らせて、各学校の校長に推薦された生徒が来られる内容です予算がついているということは、無料で利用できる形だということです。
生徒たちの3分の1は、今も(服巻先生のところで)定期的にセッションを受けていて、小さい頃からの積み上げがある生徒たち。一方で、残りの3分の2は、今、何も支援とつながっていない生徒たちです。
「小さい時に診断を受けて、学校に行けるようになったから何も療育していません」
「通園に通っていましたが、その後はどこにも通っていません」と言うような人たちで、その人たちが、皆大変になっています。
大人になってから苦労をしないためにも、やはり小さいときが大切という事で、乳幼児期学齢期にそれぞれ何を教えていくべきか、学校や園では教えないことでも、彼らにとっては、必要なことを段階に合わせて教えていくことが大切とお話くださいました。
また、休憩時間前の質問の時間が、とても有意義でした。少しその時の先生と参加者とのやり取りを書いておきます。これだけでも参考にしていただけるところは多いと思います。

  ● 小さい子に、終わりの概念をどう教えたらいいんでしょうか?声かけやテクニックを教えてください。

→「おわり」「おしまい」などの声かけを伝えながら、最初は大人が本人から見えないところにサッと片付ける。徐々に泣かずに大人の手伝いをできるようにしていきます。
そのためにも、最初に出すおもちゃの量やものはよく考えて。

  ● 5歳以下の子に何を教えたらいいでしょう。

→5歳以下でも、1歳なのか5歳なのかでは随分違います。特に乳幼児と幼児は目的もカリキュラムも違ってきます。言葉が出なくても、うなずくなどのジェスチャーやサインは教えていけます。
拒否などは言葉やジェスチャーより、押しやる方がスムーズ。嫌だと思う時に、物を投げるより、押しやる方がすごく適切。

   学校で何を支援していったらいいでしょう。

→学校は「教育をするところ」。あまり学校の先生は「支援」と言いすぎないようにしてください。子どもたちにとって、ソフトスキルを教えてもらうことは有益だと思います。

   保健師の立場として、どんなことをしていったらいいですか。

→まずは具体的なエピソード一つ一つに解説をして、解決方法を提供するところから始めてください。ただ悩みを聞いて愚痴を吐き出させてあげるだけではプロとしては失格です。具体的に悩みを解決してあげないと、問題解決しません。

   中学生の娘に対して、スケジュールなどを書き出した方がいいよとアドバイスしても「しない」と自己選択をしている場合どうしたらいいでしょう。

→本人が「いらない」と言ったとしても、本人のスキルとして必要なことなら、提供する。嫌がるなら母がしてあげたらいい。
また、書き出したらご褒美があるという設定は有効です(プレマックの原理=嫌なことは、好きなことが後にあるとやる気がアップする)。小さい時から支援はしていくといい。中学は決して遅くないです。

   乳児期と幼児期とは、それぞれ大体いつぐらいなのか。

→あくまでも基準としてならば、「乳児期は大体3歳未満」「幼児期は身辺自立を教える時期」というイメージ。ジョイントアテンションなどが1歳半レベルです。それぞれアセスメントによります。また、「すでに4歳だけど、まだ『いや』と表現する力が育っていない」のであれば、そこは乳児期にまだ課題があるということですから、飛ばさずにそこから指導していくことが必要になります。
午後からも問題行動や家庭での支援など、ビデオを見ながら、たくさんの学びをいただきました。
また、佐賀県での就学移行支援についても丁寧にお話してくださいました。
佐賀県では、1歳半でASDを見つけて、その後親カウンセリング・療育指導教室にすぐつなげていく形です。成人期まで移行支援を徹底して行い、それには専門家チームが手助けをします。(フリースクールSAGA・ワークステーションチャイルドなども充実)
4月入学の場合、12月に行く学校が決まって(人員配置の都合があるため)、3月には校長・専門家・担任予定の人・親子で面接があり、3月末ごろに担任が決まり面接があります。4月入ってからは、入学式前に個別支援会議があり、一学期間はフォローアップを行います。
これを佐賀はすべての市町村で無料で行っています。
「移行支援をする義務がある」と定めているからできたことです。
また佐賀では、3年間は「新卒扱い」にしてもらうことができるので、卒業してからも訓練をさせています。
一度に一つのことしかできない(つまり、大学生の場合では、卒論を書きながら就職活動はできない)ためです。
就職をする際には、診断を職場に伝えないといけないと考えています。特別な合理的配慮をしてほしいなら、合理的根拠が必須(なぜその支援が必要なのか)になるからです。
パートタイム・障害者雇用枠・一般就労でもジョブコーチが付く例もあります。
ここからは、午後の質問タイムでの質疑応答です。

   就職できるようにするために、親ができることは何でしょう

→親ができることは、「良いセラピストを見つけて任せること」。
親がでしゃばっているようでは、就職などでは信用されません。子離れできるように(義務教育までは、しっかり親がする)。
中学卒業の進路選択からは自己決定。良い支援者をしっかり探すこと。それをしないでいると、うまくいかないことをすべて親のせいにされてしまいます。
逆に親も、うまくいかないことをセラピストのせいにしないこと。職員を責めてはいけません。また、子どもが親よりもセラピストを信用していることに嫉妬しないこと。感情コントロールを親がするように。親は子どもにかかりきりにならないよう、仕事をしたり趣味を持ってもらわないと、子どもにとって負担になってしまいます。親の期待に応えられないことを責めてしまいます。
「いつも笑顔で待っているよ」「悲しいね」「でも動揺したり相手先にどなりこんだりはしないよ」というスタンスを。
失敗も見守れるようにメンタルヘルスを。気晴らしをしっかりして笑顔でいられるように。

   ソーシャルスキルトレーニングは効果がありますか。

→ソーシャルスキルトレーニングは振る舞いは教えられるけど、社会性は伸びません。
うまくできなくても、同じ空間にいたい・見ていたいと言う人は、「自分がそこにいたい」「仲間と過ごしたい」と思える発達をしている人だけ。

  大人しい20代の子で「嫌」と言えないところがあります。

→成人以上になってくると、親でない人に委ねる必要がある。
感情コントロールは、「負の感情のコントロール」だけではありません。楽しいことを「楽しい」と表現できるように。ネガティブなことだけでなく、喜び合うにも練習がいります。普通ではできないことを安心してできる場所の提供を。

   「早期の告知を」と言われていたけど、何才ぐらいがいいのでしょう。

→その子その子に合わせた適切な時期を見計らって。早い子では4歳とかの子もいるけど、大体は小学校入学前が多いです。

   障害表明はどういう状況の時にしたらいいのか。

→本人が障害を理解していること。本人が「していい」「してほしい」と言った時に限る。
 知的に重たい人の場合は、親が本人の代わりに判断す
る。

   小6まで支援学級在籍していて、親と担任は「中学も支援学級」と思っているけど、本人は「普通級」と言っている場合、自己選択として本人の希望を叶えてやるべきでしょうか。

→本人にも、特別支援会議に参加してもらい、皆の意見やアセスメント結果を見せる(佐賀では普通のこと)。悪い結果だけじゃないけど、(普通級が)適さないことを見せていく。
また、中学卒業までは「どうしたい?」と聞くのではなく、「こう決定しました」と伝え、カレンダーにハッキリ書く。 

   セラピストの重要性は分かる。ただ、岡山でどう探したらいいか。

→有資格者を探すことから。認定資格を持っている人はHPとか見れば載っているもの。
以上とっても有意義なお話でした。学びの大切さをすごく教えられました。
これからも先生がいらっしゃる勉強の機会を逃さず、しっかり学んでいきたいと思います。
保護者 M

  <保護者>

子どもの成長と照らし合わせながら、事例を聞くことができました。佐賀県の切れ目のない継続した支援に驚き、どの地域でも実現されることを切に望みます。
どうしても学校のことばかりに目が行きがちでしたが、就労するために必要なことを知る良い機会になりました。仕事のできる子に育てたい、頑張ろうと元気を貰えました。
講演の中で繰り返し言われた「いい状態の時に」というフレーズが心に残っています。いい状態の時に教えることが身につきやすく、大事なことだと言われていました。先生からのメッセージが心に響きました。
生活するだけで精一杯ですが、子どもの将来を考えて必要な関わり方を考えていかなければと思いました。しかし、良きセラピストを見つけるのは難しいと感じています。迷いや不安の中での毎日なので、セラピストに相談できたら、親も子ももっと助かるだろうと思いました。貴重なお話をありがとうございました。

  <学生>

スケジュールとコミュニケーションの指導は一生根気強くしていく必要があることや、すべて自分でするように促すのではなく大人がしてあげた方がよいことなど事例や写真・動画を用いて説明をしてくださったので、とても分かりやすく想像しやすかったです。また、二者関係の指導をしっかりと徹底することで他の関係にも幅を広げていけることが分かり、乳児期の二者関係の取り組み、伸ばしの重要性を知ることができました。

  <保育士>

学校に行けたら安心ではなく、将来に向けて、その子の思いを受け止めて考えていくことが大切なのだと思いました。早期発見・早期療育の大切さは十分わかっていますが、具体的にどのようにコミュニケーションを教えていけばよいか、特に乳児期はまだまだ勉強不足です。しかし、先生が教えてくださった「声をあげて笑う事・嫌と言えるように」を目標に、子どもたちとこれから接していきたいなと思いました。

  <保健師>

乳児期・幼児期からの支援について、「嫌と言える」「してほしくないことには反応しない(温かい無視をする)」など、具体的な方法と動画を交えて教えていただけたのでよかったです。

  <臨床心理士>

自閉症に特化した様々な取り組みに自身の日常を振り返ることができました。私たち支援者は困ったときから支援をスタートすると思いがちですが、今日のお話から、困らないための育ち・準備のための支援のスタートを切ることの大切さを改めて学びました。

教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

  ☆ 第10回 ☆ 平成28年3月9日(水)19:00〜20:55

テーマ  :薬について
場 所 : 岡山県生涯学習センター  大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)
講 師 : 門 眞一郎 先生(児童精神科医:京都市児童福祉センター)
いよいよ門先生の即実践講座も最終回を迎えます。 
感謝の思いを込めて、先生に全員で御礼の言葉を伝えたいと思いますのでので、 できるだけ多くの受講生の方の参加をお願いします!!

平成28年度 即実践講座の講師の先生が決定!!

これまでも育てる会のセミナーでも大変お世話になっている、香川大学教育学部特別支援教育教授の 坂井 聡 先生 が来年度の講師を引き受けてくださいました。
講座の、詳しい内容や参加申込については同封のチラシをご覧ください。
来年度も年間10回の連続講座でお願いしています。
第1回 日 時:平成28年5月13日 19:00〜20:55
     場 所:岡山県生涯学習センター 大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)
     テーマ:ASDであるということはどういうことなのだろうか

18歳の春を目指すクラブ お知らせ

18歳で花咲く春を迎えたいと願って、活動しています。
今年度最後の定例会になります。来年度に向けての、話し合いをしたいと思います。
聞きたい事、知りたい事、やってみたい事がある方は、チャンスです! 一緒に考えてみませんか?
日時 平成28年3月4日(金) 10:00〜12:00
場所 東山公民館 会議室(岡山市中区平井4-13-33)(正会員 限定)

キッズルーム 報告

2月20日(土)、岡大体育館にてキッズルームを開催しました。初参加2人を含む12人のお子さんが参加しました。
外はあいにくの雨でしたが、お子さんたちは体育館の中を元気に走りまわったり、人形劇を見たりと、岡大児童文化部、教育学部のボランティアさんとともに楽しい時間を過ごしました。
参加者の感想を紹介します。
〇キッズルームには毎回参加しています。3年前に初めて参加した時と比べると明らかに成長しました。人形劇で真っ暗になるのが苦手で、その場にいるのがしんどかった息子が前回から少しずつ参加し、今回は最後までその場にいることができました。
初めて達成感もできたようです。「楽しかった」と言っていました。継続は力なりです。
また、リトミックの時に流れた曲(日本昔話の歌「人間っていいな♪」)を、知っていて、大好きな曲だったので、本人も楽しく取り組めたと思います。
〇今回も大変お世話になりました。兄弟で楽しく参加することができました。
回を重ねるごとに子どもの表情や行動が豊かになっていくのを感じています。
始めのうちは少し人見知りしていても、ボラさんが優しく接してくれるのと、たくさん遊べるものがあるので、すぐに楽しそうに遊びだします。
またスケジュール、リトミック、人形劇、どれも分かりやすいので最後まで楽しく参加できました。本当にありがとうございました。

OHAの会の報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今回の本読みでは、引き続きいじめについての章を読みました。
その後、この1年間を振り返っての感想や来年度に向けての課題などについて、順番に話しました。それぞれにお子さんの学年や性別は違いますが、共感できる話があったり、参考になるお話が聞けました。
  次回の日時
日時:平成28年3月22日(火) 12:30〜14:30
場所:ぐんぐんぴっぴ(赤磐市立川444−1)(正会員 限定)

さをり織り教室のお知らせ

いよいよ今年度のさをり織り教室も最終回となりました。
1年間勉強してきた成果は、これからの子ども達とのさをり織の縦糸、横糸の中に描いていきたいと思っています。
安東英子先生、毅先生、ステキな教室をありがとうございました。
日 時:平成28年3月8日(火) 9:30〜12:00
場 所:おひさまハウス 離れ和室 (赤磐市和田194‐1)

『俺ノートの会』のお知らせ

『俺ノート』の会です。
参加は小学校高学年(四年生)以上の男子です。
3月はお休みします。

つばさの会のお知らせ

つばさの会は、働いていたりして、平日に活動している「18歳の春を目指すクラブ」に参加するのが難しいお母さん達が、土日に集まって勉強している会です。
参加者のニーズに合わせて、何にでも取り組むことができる会です。例えば「支援ツールについて知りたい。」「実際に作ってみたい」などの希望があれば、みんなで取り組むことができます。
今回は茶話会をします。今後の活動についても話し合おうと思いますので、初めての方もお気軽にご参加下さいね。(正会員 限定)
日時  3月19日(土)10時〜12時
場所  おひさまハウス(育てる会事務局)

コーラスグループの報告

おやじの会主催のコーラス活動を開催しました。
6家族、11人のお子さんが参加されました。
初の試みでしたが、元ミュージカル女優でぐんぐんぴっぴの先生でもある古川先生が優しく、分かりやすく教えてくださったので、子どもたちものびのびと楽しく歌うことができました。
最初にスケジュールを提示し、説明してくださったので、終わりまでの見通しも持てて安心して参加できたと思います。曲目は「ふるさと」「ありのままで」の2曲を歌いました。どちらも子どもたちが知っている曲だったのか、最初から上手に元気に歌っていました。途中にはおやつの時間もあり、楽しい一時を過ごせました。

水泳教室のお知らせ

日 時 :平成28年3月20日(日) 15:30〜17:30
場 所 :OSKスポーツクラブ (岡山市北区絵図町1−50)
連絡先 :育てる会事務局(Tel.086−955−6758)
     当日のキャンセルは担当の担当の携帯まで電話、または、SMSにて連絡してください。
2月28日の水泳教室ではいつもの内容とは異なり子どもたちには大変な負担をかけました。
協力してくださった子どもたち、そして、コーチの皆様、保護者の方本当にありがとうございました。
今月はいつもの水泳教室です。安心してください!
また、来年度からの水泳教室参加希望の方は事務局にご連絡ください。
体験してからの参加もできますので、ご連絡ください。(正会員 限定)

サッカークラブのお知らせ

日時:平成28年3月13日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
     今月は雨天の場合は、きらめきプラザにて卒業されるボラさんとのお別れ会をします。雨天の場合もよろしくお願いします。
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで (正会員 限定)

サッカー教室体験無料 随時募集

日  程:月1回 原則日曜日 (雨天中止)10:00〜12:00
場  所:岡山市内グランド
参加費 :月500円(8月はありません)
       雨天の場合→会費不要
       個人的な欠席→会費要
指  導:岡山大学児童文化部の学生ボランティア
メンバー:3才〜中学生 約15人で活動(年齢制限なし)
兄弟児参加可能(参加費は同様)
主な内容:体操・リレー・ダッシュ・ドリブル・パスの練習・ゴールなど
慣れるまでは、保護者と一緒に活動しますが、慣れてきたら、1人に1人学生ボランティアさんが付いて声掛け等を行います。(兄弟児で参加の場合、1人は保護者と行っていただく場合もあります)
出来ることから参加していけたらと思います。その中で、ルールを守ることもしっかりと伝えていきます。ボランティアさんにプロフィールを伝え、特性の理解などもしていただいています。頑張った後に、飴がもらえるのも、子どもたちの楽しみのようです★
出来ていなくても、大丈夫。出来ることから始めよう。 
子どもに体を動かす経験をさせたいと考えられている方、ルールを守って、みんなで活動する楽しさを経験させたいと考えられている方、是非、体験にお越しください。お待ちしています。
希望の方は事務局まで Tel.086-955-6758

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ  

ぐんぐんぴっぴでは、あるクラスで「ぴっぴタイム」という集団活動を始めました。小さいお子さんのクラスなので、ピアノに合わせて歌ったり、リズムに合わせて一緒に歩いたり、お家の方とふれあい遊びをしたりというシンプルな活動です。その活動の始めに歌うテーマソングがあったらいいなぁと話していたら、音楽が大得意なスタッフがたちまち作曲してくれて、ぐんぐんぴっぴの歌ができました♪ 明るくて楽しい歌ですよ。
ただいま、新年度に向けてどんな活動をしようか考え中です。庭が広いので、あたたかくなったら外遊びもしたいなあ。
さて、ぴっぴはお家の方が同室して療育を行っているので、スタッフのしている役割をお家の方に代わってもらって、お子さんへの関わり方を実際にしてもらい、どう関わるとわかりやすいか、伝わりやすいかなどの体験もして頂いています。
療育で過ごす限られた時間の中で少しでも多くのエッセンスを持って帰って、日々の生活の中で活かしていただけたらこの年齢のお子さんたちは1週間でグッと力を付けられるからです。
先日PECSを始めたあるお子さんが、ご家庭で毎日練習して来られ、始めてたった2週目で100%スタッフにも要求を伝えられるようになっていたのには感動しました。家庭での積み重ねは本当に偉大です。
年少のお子さんは3月でぐんぐんぴっぴを卒業し、春からは赤磐ぐんぐんに通うようになります。
お家の方がお子さんと同室で療育できるのもあとわずか。よりよい関わり方を伝えていきたいです。

  ★募集★

ご家庭に、使わなくなったけどボロボロではない屋外用遊具がありませんか?
鉄棒や滑り台など、もしあれば、ぴっぴの庭に置かせていただきたいのでぜひ事務局の方にご連絡ください。よろしくお願いいたします。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ

赤磐ぐんぐん

あっという間に3月・・・。年度末の時期になりました。
赤磐ぐんぐんでも、ぐんぐんを卒業していく年長のお子さんたちへの面談を行う予定にしていますが、それと同時進行で、4月から療育をスタートするお子さんたちの準備に向けて慌ただしい日々を過ごしています。
年長の子どもたちは、4月からは新しい生活が始まります。保育園・幼稚園を卒園して新しい環境での生活がスタートです。
子どもたち以上に家族の方々は不安が強くなっているかもしれませんね。
ぐんぐんに通ってきている子どもたちの家族の方もサポートブックの作成を頑張っています。どんなふうに書いたら新しく関わる先生たちに子どものことが伝わるだろう・・・。とても頭を悩ませながら作っていると思います。
私たちも、できあがったサポートブックを見せてもらって書き方について相談にのったりするのですが、どのサポートブックもお子さんたちのことを一生懸命に考えて作成されているなぁと思いながら読ませていただいています。
そんな、家族の方が一生懸命に作ったサポートブックを私たちが読んでみてどうだったかをコメントしなくてはいけません。家族の方が子どもたちのことを思って一生懸命に作ったものにコメントすることは本当はちょっと心苦しかったりもするのですが、子どもたちのためのサポートブックがより良いものになっていくためにも気がついたことを伝えていくことも大切なことだと思っています。
細かく見ていき、お一人お一人に合わせたコメントをしていくのですが、大きくまとめて言うと私たちが家族の方にするコメントで一番多いのは、『もっと短くまとめられるといいですね。』というコメントだと思います。
子どもたちが困らないようにという思いであふれているサポートブックなのでついつい文章が長くなりがちになってしまいますよね。
でも、文章が長すぎると読むだけで一苦労になってしまいます・・・。
なので、『伝えたいことを短くまとめる』ことは大切なことです。
でも、本当ははじめはそれでもいいんです。
文章が長くなってしまってもいいんです。
「文章でまとめるのが苦手だからサポートブックを書くのが難しいわ・・・」と思ってなかなか書きはじめることができないでいる方はいませんか?そんなふうに思っている方がいたら、ぜひ一歩前へ踏み出して書いてみてください。
はじめは言葉が長くなってしまってもOK。はじめから完璧なサポートブックなんてないですからね。
はじめの一歩を踏み出すことが大切です。
サポートブックを書いたお母さんからの感想で、「言葉を文章にまとめるのは苦手なので文章が長くなっちゃうだろうなと思っていたけどまずは書いてみました。
で、やっぱり長くなっちゃった・・・って思ったけど、そこから、いらないところを省いたりする作業はやりやすくて、何を伝えたいかがまとめられるようになりました。」とおっしゃっていた方がいました。
その方のサポートブックは要点がまとめられたわかりやすいサポートブックになってきています♪ 
書いてみると気がつくこともたくさんあると思います。情報を視覚的に整理する作業は子どもたちにだけでなく大人にも有効ですよ。
でも、その方のサポートブックもまだまだ完成ではありません。
今度あたらしく関わってくださる方に渡してみて改良する必要も出てくるでしょう。その時には、「あー・・・伝わらなかった・・・」と落ち込んでしまわずに、「この人にはこれでは伝わらなかったんだな。じゃぁ、ちょっと工夫を考えてみよう!」と前向きに考えてもらいたいなと思います。
自閉症の子どもたちはひとりひとり違っています。ひとりひとり違っているからこそ、ひとりひとりに合わせたサポートブックが必要です。
受け取る側の人にもいろんな人がいます。
サポートブックが活用される場所も様々でしょう。
受け取る相手や活用される場所に合わせた工夫も必要です。
でも・・・何度も言いますが、はじめから完璧なサポートブックなんてありません。難しそう・・・と思わないでください。
完璧を目指す必要はありませんが、子どもたちにはサポートブックは必要です。まだ一歩が踏み出せていない方がいらっしゃったらぜひ一歩踏み出してください。
今年は暖冬だと思っていましたが急に寒くなる日も続いたためインフルエンザが今もまだ流行しているようです。卒業式、学期末を元気に迎えることができるように、体調管理にも気を付けていきましょう。

最後に、見学会のご案内です。3月は見学会はありません。受け入れ枠は残りわずかです。
対象年齢が前回の見学会の時から変更になっています。
平成23年4月〜平成24年3月生まれまでのお子さんですので、4月から年中の学年になるお子さんが対象です。
見学会への参加には事前の申し込みが必要です。

 赤磐ぐんぐん 見学会のお知らせ

療育希望者を対象に見学会を開催いたします。
募集する対象年齢は、平成23年4月〜平成24年3月生まれまでのお子さんです。
(24年4月以降お生まれのお子さんは「ぐんぐんぴっぴ」にお申し込み下さい)
日時:平成28年4月21日(木) 13時30分〜15時00分
(終了時間は、申し込みをされる方の人数によって多少前後いたします)
場所:岡山県赤磐市和田194−1
    NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会 内
    「児童発達支援事業 赤磐ぐんぐん」
    事務局TEL 086−955−6758.FAX 086−955−6748
★見学会は、保護者の方のみでお越しください。
《当日の流れ》
13:30〜14:15
 療育部屋内部の紹介と療育の流れの説明、説明終了後、質問にお答えします。
 *ここでは、療育部屋の説明で分かりにくかった点など全体的なことについての質問をお願いします。
14:20〜個別面談
*来年度、赤磐ぐんぐんでの療育を希望される方は、おひとりづつ10分程度の面談を行います。
見学会への参加を希望される方は、申し込みが必要です
育てる会事務局TEL086−955−6758までご連絡ください。

 ぐんぐんぴっぴ 見学会のお知らせ

3才までの母子同室での超早期療育の「ぐんぐんぴっぴ」です。
「ぐんぐんぴっぴ」では、見学、説明は、通所を検討されている保護者の方を対象に、個別に行いたいと思っています。
できるだけご希望の日時にそいたいと思いますので、希望される方は、まずはご連絡ください。(見学は平日の午後に行う予定です)

ぐんぐんキッズ

ずいぶんと陽が長くなり、春の訪れを身近に感じられる季節になりましたね。とはいっても朝晩はまだまだ寒く、暖房器具が手放せません。あちこちでインフルエンザが流行しているようです。体調管理に気を引きしめていきましょう。
ぐんぐんキッズでは、「スキルアップ」という活動が始まりました。
「スキルアップ」とは、将来仕事や生活をしていく上で必要な力を想定して、学齢期に練習していく中で豊かな将来に向けてステップアップを目指す活動です。
先日の服巻先生の講演会の中で、「仕事をするには、『ハードスキル』と『ソフトスキル』が必要」とおっしゃられていました。
簡単に言うと
・『ハードスキル』というのは、仕事面の能力のこと。
・『ソフトスキル』というのは、自分のことは自分でする力(身辺自立)、困った時に報告や相談する力、会社のやりかたに従う力、心身の安定を保ちながら仕事をする力などです。発達障害の人たち(特に知的障害を伴わない人)の離職理由は、この『ソフトスキル』のつまずきが原因になることが多いそうです。『ソフトスキル』は、急には身に付かないので地道に育てていくしかない。でも、学齢期ならまだまだ『ソフトスキル』を身につけるチャンスはたくさんあるそうです。
ぐんぐんキッズでも、様々な活動を通して、この『ソフトスキル』を育て、「最後まであきらめずに取り組む力」「指示に従って活動する力」「困った時に相談する力」「人と協力する力」「集中して取り組む力」などが育ってほしいと思います。
子どもたちに「スキルアップ」の活動の目的を伝えたところ、とても前向きに取り組む姿が見られました。
子どもたちの「学びたい」という気持ちの強さに感激しました。
【封入作業を協力して行っています】
もっとできるようになりたい。レベルアップしていきたいと思えることは素敵なことです。
「学びたい」と本人が思った時こそがチャンスだと思います。うまくいくことばかりではありません。時には失敗することもあります。
うまくいかない時はどうすればうまくいくか一緒に考えて解決方法を見つけるチャンスです。援助を求めたりヒントをもらったり、気持ちを切り替えたりする練習の場にもなるチャンスです。
そう考えるとチャンスがいっぱいですね。その積み重ねが大切で、『ソフトスキル』として身についていってくれたらいいなと思います。
活動後のふりかえりでは、「もっと難しいものにチャレンジしたい」「次は○○してみたい」「最後までできてよかった」など、活動を通して達成感や目標を見出だせている姿を嬉しく感じます。作業する中で「こうするときれいにできるのが分かったよ」など、自らうまくいくコツを見つけられるお子さんもいます。
ぐんぐんキッズでは、これからも豊かな将来を意識して子どもたちの「学びたい」を応援していきたいと思います。一歩ずつ確実にステップアップできるように・・・。
ぐんぐんキッズ 療育スタッフ

支援センターNEWS

今年のインフルエンザの流行は少しずつで、だらだらと長くかかっているようですね。
私は手洗いうがいをしたがらない子どもに手を焼いている毎日です。小さいうちにしっかり教えたはずの身辺自立が、細かくチェックするとまだきちんと身についていなかったんだなーと反省しています。
立春を過ぎてからは冷たい空気の中にも時折春のにおいが感じられるようになってきました。
そしていよいよマスクが欠かせない花粉症の時期が始まりましたね。
さて年度末が近づいています。
サポートブックを渡している皆さんはいったん手元に返してもらってくださいね。
この1年の成長を振り返りながらメンテナンスをしてみましょう。次の担任は誰だろうと期待と不安が入り混じるこの時期、入学などの大きな節目を迎えられる方もいると思います。
子ども達は親が見ていないところでもちゃんと成長していきますが、誤解されたり困っていることを見過ごされたりしやすいのが私たちの子どもです。本人の頑張りポイントがちゃんと評価されるように、時には少しゆっくり待ってもらえるようにサポートブックを通じて伝えることができたらいいですね。
支援センターではこれまで保健師さんや、園や学校の先生から相談に行くことを勧められて連絡をくださる方が多かったのですが、今年度は広報を見てとかインターネットで探してというようにご自分で見つけて連絡をくださる方が増えています。
それだけ発達障害支援センターが社会に浸透してきたのかなと嬉しく思っております。
徐々に増えている成人期の相談では職場でうまくいかなくて悩んでいる方、夫婦関係、親子関係で悩んでいる方のお話をお聞きします。
例えば職場でうまくいっていない息子が発達障害かもしれないと心配して、お母さんからの相談があります。診断を受けさせたいと言うお母さんに、診断がついても昨日の状況と今日の状況は何も変わらないのが現実ですとお話ししました。
幼い子どもさんの場合には療育につなぎたくて、お母さんに関わり方をつかんでほしくて早く診断へとアドバイスすることが多いのですが大人は少し違います。本人が知りたくて求めるのではなく周囲が診断を求める場合には、メリットがどのくらいあるのでしょうか。サービスを利用するために必要だから、周囲に説明するために分かりやすいので、理解を深めるために役に立つから診断を受ける。つまり診断は目的ではなく手段の一つであると思うのです。
支援センターとしては、診断の有無にかかわらず周囲の温かい理解が得られる社会になりますよう努力していきたいなと思っております。
そんな思いも含めて、来年度も夜間講座を開催できたらと計画しております。
中学校との連携事業も引き続き行っていく予定です。
また保育園や幼稚園の巡回訪問の体制も見直していきたいと考えています。
やりたいことは山積みですが、目の前の相談者お一人お一人の生き方を大切にしながら相談に乗らせていただきます。
この場を借りて日頃の関係機関の皆様のご協力に感謝申し上げます。
来年度も引き続きよろしくお願いいたします。
(あかいわ発達障害支援センター   相談員:政田 亮子)

グループホーム建設寄付 御礼

今月も温かいご寄付、ありがとうございます。
子ども達の夢を現実の形にするため、大切に使わさせていただきます。

  【 ご寄附をいただいたみなさま 】 (2.1〜2.29)

○ K.A 様(岡山市)    ○ N.C 様(倉敷市)
○ K.H 様(赤磐市)    ○ S.T 様(和気郡)
○ N.K 様(赤磐市)    ○ 鳥羽 代表
平成28年2月29日現在 寄付金合計 25,353,006円となりました。
ありがとうございました。
完成まで、残りわずか、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
             岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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