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平成28年4月30日

 

 第216号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 216号 目次

     柔らかな日差しの中で

     自閉症啓発セミナーの報告
         「吉田友子先生講演会」

     育てる会総会 お知らせ・「ぼくはうみがみたくなりました」上映会 報告

     即実践講座のお知らせ

     OHAの会・18歳の春を目指すクラブ・AAO活動 お知らせと報告

     水泳教室・『俺ノート』の会・サッカークラブ お知らせ    

     私のお薦め本コーナー
           「「レジリエンス」を育てる本

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

     支援センターNEWS

     グループホーム建設寄付 お礼

柔らかな日差しが暖かい、新緑の赤磐です。
ここは、岡山市の中心部から車で約20分。
山に囲まれたのどかな田園地帯です。岡山へ移り住んで42年、この温暖で比較的便利なこの地が気に入っています。
テレビで流れる熊本での大きな地震のニュースの映像を見ながら、「地震です!壊れちゃった!!」と大騒ぎの息子をなだめながら、熊本の皆さんには、申し訳ないけれど、平和な岡山に感謝している私です。
でも、もしここで地震に見舞われたら、息子はどんなふうにその混乱を抑えていくでしょうか?
見通しの立たない状況をどんなふうに私はサポートできるのでしょうか?
つくづく無力だと感じました。壊れた家や山崩れの映像を見るだけでも混乱する息子です。当事者になれば、避難所では暮らせないことでしょう。本当に何の備えもしていない今の暮らしに対して、不安を感じました。
一方で、心配していた、熊本へ移り住まれた会員のKさん一家の無事がわかり、胸なでおろしました。多くの被災された皆さんのご無事を、そして何より早い復興を祈るばかりです。
遠いところからですが、応援しております。がんばれ熊本!!

さて、年度末から年度のはじめをグループホームの開所という大きな事業の始まりと重なった大忙しの中、何とか送りました。
ご心配いただいたであろうグループホームも、何とか無事に1カ月目を迎えました。
はじめは、戸惑いがちな支援者のほうも、段々に慣れてここでの暮らしを支える準備ができつつある今日この頃です。はじめは、日々の暮らしに慣れてもらおうと、必死でしたが、それほど苦労なく淡々と暮らしてくれる入居者たちに、感動しております。
ただ、家での暮らしとグループホームでの暮らしとの違いに戸惑いがちな人もいて、支援が追い付かない状態の人もおられます。一人ひとり違うので、みなさん慣れて順調ですとは言えないのですが、概ね順調といえるでしょう。
ここでの暮らしに合わせての指示書やスケジュールを支援者や親御さんと相談したり、親御さんが作られたり…、作られたスケジュールにこちらがアドヴァイスしたり・・・、少しずつ暮らしぶりが変わってきて、安定していきます。
通所事業所へ通っている I さんのスケジュールを見て、「僕もおなじのがほしい」といったMさんのために、支援者のNさんが、同じものを作ってくれました。
それを見ながら自信をもって生活するようになったMさんは、グループホームで不安が少なく安定して暮らしています。
「僕も自分用のスケジュールがほしい」
そんな風に言えたのは、すごいことだと思いました。お母さんは、話せば通じるので、特にこういうのがなくてもわかると思っておられました。
でも、分かりやすく見通しが持てることは、どんなに知的に軽い人にも必要です。こちらが言えば分る・・・という人でも、初めての場所、初めての親から離れての暮らしです。
「不安がいっぱいです」とテレビでのインタビューの時には答えていた彼は、今では何の不安もない様子です。
スケジュールがあると、急な変更に応じることができます。
スケジュールを見ながら、「ここのところを変えるよ。」と伝えることができます。見ながら伝えることで、理解もしやすいのです。
「うちの子には、スケジュールはいらない・・・・」。そんな風に思っておられるお母さん、みなさんにも手帳やスケジュールがあるように子供たちには、スケジュールは不可欠のものだと思いますよ。
不安を取り除く一番大切なものだと私たちは思っています。
また、手順書も効果抜群です。
Kさんは、歯磨きの仕上げを家ではいつもお母さんがされていました。
「♪仕上げは、おかあ〜さん♪」です。
そんなKさんでしたが、哲平の歯磨きの手順書を見ながら、磨いてもらうと、なんとパーフェクトの磨き方です。仕上げはいらなくなりました。丁寧に手を掛けて子育てをしてこられたお母さんは、びっくりです。
支援ツールの威力は、絶大です。
いろいろな手順書が、洗面所やトイレの中に次々作られて張り出されていきました。
部屋の掃除も自分の部屋は、一人一人がしています。
我が哲平さんは、・・・・というと、とても面白いことをしてくれました。
写真をご覧ください。
ルンバでお掃除していたのですが、会社へ出かける前にルンバにスイッチオンして出かけた哲平。
いつまでもルンバの音がしているので気になって支援者のNさんが部屋をのぞくと、かわいそうにルンバちゃんは、充電器に戻れずウロウロと さ迷い歩いていたそうです。
哲平には、言葉で言ってもダメなので、それでこんな写真を貼りました。
すると次の日からは、ちゃんと充電器は下におろされて、めでたしめでたしでした。色んな面白いことをしでかす哲平に笑ってしまいます。
洗濯物を夜のうちにタイマーでするように考えました。すると4時くらいからお洗濯が始まってしまい、寝ている人がうるさくて眠れないそうです。
それで、タイマーセットを遅い時間に変えてもらいました。でも、どうも思う時間にセットできないみたいで(一時間ごとの設定のため)やっぱり早い時間になってしまいます。
注意されると、それならいっそ、夜のうちにお洗濯はしてしまおうと思ったらしい哲平は、洗濯機の空いている時を見計らって洗濯をしているようです。
時間に気兼ねなく、いつでも洗濯できた我が家での暮らしでしたが、グループホームでの暮らしはそうはいきません。
共同生活は、みんなとの時間の兼ね合いがあります。みんなの洗濯の時間、みんなのお風呂の時間、みんなとの食事の時間など、いろいろな制約もできてきます。アイロンだって、一人ひとり都合のいい時間があります。時間をずらしながら譲り合っての暮らしです。
食卓には、こんなものを置いています。
お代わりができるようになるためのカードですが、「いただきます」を忘れる哲平のためには、有効な支援ツールになっています。
いただきますやごちそうさまは、家では「まあいいか」という感じになっていて、定着できていませんでした。グループホームでの暮らしは、いろんな人にお世話になる暮らしです。感謝を忘れないようにしてほしいとの願いでこれを作りました。
歯磨きの手順書やお掃除の手順書など、見学の際にご覧ください。
みんな真剣にお仕事してくれています。次々言われなくてもできるようになりつつある6人です。わが子のこと以外は、触れにくいのですが、みんな頑張って自立へ向けて訓練中です。
彼らが、お掃除や洗濯、身辺処理などがきっちりできるようになれば、次の「ステップ1」を作りたいと思います。彼らが次のステップに上がれば、「ほっぷ1」にも新しい人が入居してもらえます。その時を夢見て、私たちも頑張って支援しているところです。

さて、「ほっぷ1」の報告は、これくらいにして次にグループホームの併設カフェについてお知らせします。
グループホームの入居者のみんなは、それぞれ昼間はお仕事に行っています。
昼間は誰もいないグループホームを利用できないかと考えました。幸い「ほっぷ1」の建つこの場所は、とても立地条件のいい場所です。2階にある食堂には、道から直接入れるブリッジを作りました。客席も20席と、とてもたくさんの方が、利用可能です。近くの山陽団地から歩いて5分から10分ほどで来られる場所にあります。お買い物帰りやちょっとした散歩にもぴったりの場所です。おいしいお食事とおいしいコーヒーを出す立ち寄りやすい庶民的でオシャレなお店を目指しています。
県民局の許可と保健所の許可ももらえました。カフェのスタッフも決まりました。
名前も「Cafe Spring ComeCome(カフェ スプリング カムカム)」に決まりました。
そして、このカフェは、地域の多くの方に利用していただくことで、自然な形で自閉症のことを理解していただけるような、そんな場所になればとの思いで作りました。
本当は、それがカフェの大きな目的です。
そしてこのカフェを一年後には、自閉症の人が働ける場所にもしたいと考えている私たちです。夢は次々と大きくなります。
5月17日のカフェオープンへ向けて、準備が急ピッチです。
チラシを一緒にお送りしますので、ご覧くださいね。できたら、お食事に来てください。
ご贔屓にしてくださいな。お車で来られると、駐車スペースが10台くらいと少ないので、申し訳ありませんが、できれば歩いておいでくださいね。
歩いて来られたお客様にはランチ50円引きです!
このカフェを開くにあたり、備前県民局から協働事業として補助金をいただけることになりました。
「全国に発信できるモデルを目指して欲しい」という条件です。
このようなカフェが、県下にたくさんできたら・・・という願いのもとに、活動展開していく予定です。
そういうわけで、いろいろ忙しい毎日にさらに拍車がかかっています。
今日は、カフェの食器の注文と厨房に必要な備品を買ってきました。
カフェについては、我が息子、「メイドカフェにしてください!!」と恥ずかしそうに申しました。でもね、スタッフは全員が主婦です。ミニスカートは履けませんし、メイドさんぽくありません(残念)。哲平さんには、あきらめてもらわなければなりません。
でも、「メイドカフェにしてください」なんて言われるとは思わなかったもので、面食らいました。
去年、秋葉原のメイドカフェに行ったことが、よほどうれしかったのか、何度も「行きたいです!」と言われておりました。
メイドカフェも結構ユニークでいいかもなんて思ってしまう私ですが、いかんせんグループホームの併設カフェですから、そうもいかない事情があります。残念ですが、断念してもらいました。
また、世界自閉症啓発デーの関連では、次に報告のある吉田友子先生の啓発セミナーに引き続き、4月21日には「ぼくはうみがみたくなりました」の上映会を行いました。
DDネット(岡山県発達障害児・者の親の会 連携協議会)主催で、赤磐での開催は育てる会が担当しました。
あかいわ発達障害支援センターや赤磐市のご協力をいただきました。
当日は、20人くらいの方が来られました。保護者の方や、ご家族、自閉症に興味のある方など、雨の中来てくださって、うれしく思いました。
涙で画面が見えないくらいに涙を流された方もあったそうです。
とってもいい映画でした。観た後、さわやかな風に吹かれたようなそんな印象が残ります。まだ観ておられない方があるようでしたら、ぜひご覧いただきたい映画です。
感想は、後のページにございます。
ところで正会員の方にお知らせです。
10月15日(土)には、今年もユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)への一日日帰り旅行がサン基金さんのご支援のもと決まりましたので、予定に入れておいてくださいね。
今年のゴールデンウイークは、カフェの準備などで忙しく、どこへも出かけないで過ぎていきましたが、皆さんはどうですか?
5月はあきらめましたが、9月のシルバーウイークあたりでのんびりどこかへ行きたいものと画策中です。
それまで、もうひと頑張りが続きます。皆さんもお元気で・・・、また来月号でお会いしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

平成28年4月3日(日)くらしき健康福祉プラザプラザホールにて、世界自閉症啓発デーを記念して、「第86回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
よこはま発達クリニックの児童精神科医で、ペック研究所を主宰されておられる吉田友子先生をお招きして『自閉症スペクトラム その子らしさを生かす子育て 〜生活を支援する〜』と題して、啓発デーにふさわしく、自閉症スペクトラムの基礎的なところから解説していただき、特性に応じた支援についてお話しをしていただきました。
なお、本年は吉田先生にご無理をお願いして、7月31日にも連続講座の第2回として〜自己理解を支援する〜のテーマで、本人への診断告知など、実際の事例を交えて具体的な支援方法をお話しいただけることになりました。みなさま、楽しみにお待ちください。
それでは、当日参加された支援者の方からの報告と、アンケートが届いていますので、その一部ですが紹介させていただきます。

平成28年4月3日 「自閉症啓発デー記念講演」として開催された吉田友子先生の講演『自閉症スペクトラム その子らしさを生かす子育て〜自己理解を支援する〜』に参加しました。
吉田先生の自閉症の方々に対する愛に溢れるお話に心が洗われ、今日からの支援のエネルギーを頂けた貴重な時間となりました。講演会での学びをご紹介します。
問題行動を解決する方法はみんな同じ方法があるわけではなく、その子の、その状況にあった方法を見つけていかなければならない。その子が「何につまずいているのか」を観察しなければならない。そのためには、まず本人を知ること。つまり、自閉症スペクトラムの特性についての知識を私たち支援する大人が持っておくことが大切であると言われました。
自閉症スペクトラムの行動特徴である「三つ組」@社会性(人とのかかわりの方)の特徴、Aコミュニケーションの特徴、B想像力(切り替え・応用力)の特徴に加え、感覚のかたよりや体の使い方の苦手さについての説明を丁寧にして頂き、自閉症行動特徴には、育児に活用できる強み(長所)がたくさんあることを再確認することができました。
自閉症スペクトラムの脳タイプは定型発達の人とは違うため、学びの道筋も違い、教え方のコツも違うので、たとえば「パターンになじみやすい」「納得すれば律儀にこなす」などの強みを生かしたおしえ方をすることで、学びやすくなると言われました。
例としてあげられた強みを使ったトイレットトレーニングやコミュニケーションの指導法などは、実際に今日からの支援につながるもので大変参考になりました。
本人に合った方法とは何か。本人の強みを生かしたおしえ方とは何か。という意識をもって支援の方法を考えていかなければと思いました。
「こだわり」行動についても触れられました。
不安・混乱状況や、達成感・楽しみの乏しい状況では「こだわり」が悪化してしまうことがある。こだわりの中身が変わってもこだわりの強さが軽減しない場合は、生活全般を見直す必要がある。
「こだわり=安心を得るための作業」という認識を持ち、その行動の根底にある不安を軽減していくことが最優先である。不安を取り除かず、「こだわり」行動を無理に取り上げたり、無視したりすると、より刺激の強いこだわりに発展してしまう可能性もあるが、一度しっかり安心させてあげると少しの不安があっても新しいことにチャレンジできたり、困難を乗り越えられるとおっしゃられていました。
不安や苦痛を表現できずにこだわりが悪化することもあるので、発語の有無にかかわらず「てつだって」「分かりません」などの援助要請や困難表明を人に伝えることを教えていくことも大切である。
「分かりません」と伝えられるのは「分かる」環境に置かれている人だけ。援助要請や困難表明があった時には、すぐに対応することで伝えることの価値を教えることができ、心の安定につながっていくとおっしゃられていました。
「一生、不安の芽を摘まないといけない子」なのではなく、「安心できる土台があれば新しいことにもチャレンジできる」という発想の転換が必要であり、何より本人が安心できる環境こそが大切であると改めて感じました。
こだわりは、その人の「強み」でもあり、「周りの人に迷惑をかけたり、危険でない」「余暇時間が終わればその行動をやめて次に移れる」ことが大切である。また「こだわり」の行動の一つ「人を巻き込んだこだわり行動」として、友達を遊びに誘う時に相手が嫌がっても抱きついてしまう。
大好きなお友だちと同じものを欲しがったり、常に一緒にいることを相手にも要求してしまうなどの例があげられました。
この行動は社会性が伸びたのではなく、「人を巻き込んだこだわり行動」である。人への興味の向け方、接し方が一方的になっているのであれば、早期に修正していかなければならない。人にむやみに近づきすぎる人は、将来安定した社会参加は難しく居場所がなくなってしまう。
「社会性の伸び」=適切な関わりが増えること。+ 不適切な関わりが増えないこととおっしゃられました。
大人側がいかに「社会性の伸びは総量ではなく、質である」ということを意識して関わっていくかが大切か・・・
肝に銘じるお話でした。
講演を聞き終ったあとは、「やっぱり自閉症スペクトラムの子どもたちはかわいいなぁ。素敵だな。」という気持ちでいっぱいになりました。
子どもたちの良さを生かすためにも、支援する大人が学び、本人の良さを引き出せるような支援をしていかなければいけないなと改めて感じました。今日から生かせる支援のヒントをたくさんいただくことができました。子ども自身ができる!わかる!と感じながら生活できるお手伝いをこれからもしていきたいと思います。 
(M)

○ 適切な行動を増やすだけでなく、不適切な関わりが増えないことは、本当に大切な事だと思いました。より具体的なお話をしていただけて、今後の支援の参考にさせていただこうと思いました。(支援学校教諭)
○ 子どものペース、個性に合わせた療育をしていかなければいけないなと再確認させていただいたように思います。お話を聞いて、これからも保護者と連携して支援していきたいなと思いました。本日のお話を頭においてしっかり療育していきたいです。(指導員)
○ 「こだわりをよいこだわりに」まさに、その子らしさを生かす支援の方法を学ぶことが出来ました。新学期からも、その子に合ったよりよい手立てを探りたいと思います。(幼稚園教諭)
○ 先生が繰り返し言われていた「特徴は強みになる」という言葉は、子どもの姿を見直すきっかけになりました。自分が考えている子育てができなくてイライラすることがあります。でも、子どもの苦手さは何か、自分の伝え方は子どもに合っているのか、先生がおっしゃるように、家庭は変えられると思いました。子どもが安心できるように、自分は何をすべきか、今からできることはまだまだたくさんあるなと思いました。(保護者)
○ 自閉症スペクトラムであると分かったばかりで、どのように関わるのがいいのか、将来どのようになっていくのかという漠然とした不安がある中で、先生のお話をお聞きしました。自分の子の行動も振り返りながら、「こういう風にしてみようかな」という接し方の改善方法も見えてきたように思います。今までうまくいかなかったことも、能力に見合わないことを求めていたのだと反省しました。親が変わることで子供に安心した生活を送らせてやりたいと思いました。(保護者)
○ 講演を聞かせていただいて、恥ずかしながら表面的でしか子供たちのことを見ていなかったなと感じました。問題行動が表れるまでの子どもの気持ちや、これから育てていく部分を知ることができました。(作業療法士)
○ 私は、周りの目を気にしすぎてしまうところがあり、それは、自分の努力不足だと思っていたのですが、それは直感では状況が理解できないためにそうなっているだけで自分のせいではないと分かり、とても気持ちが楽になりました。(自閉症本人)
○ お話をお聞きし、今、私がしている療育の意味を再認識させていただくと共に、内容全体の見直しが必要になるなと前向きに改善していこうという気持ちになりました。こだわり=ネガティブな印象を持ちやすいのですが、それは長所に変わるというのが特に心に残っています。つい、“なくそう・へらそう”と考えていた自分が恥ずかしくなりました。明日から仕事に行くのが少し楽しくなりそうです。(臨床心理士)
○ 基本的なことからもう一度考えることができ、よかったです。最後の「社会に愛されるということは人懐っこいことではなく、まじめに仕事をすることで愛される人になる」と言われたのが印象的でした。(小学校教諭)
○ 先生のお話の中で、障がい名は支援を受けるための切符のようなもので、それが必要ない人、あってもなくなる人もいるということを言われました。その言葉にまず感動しました。そして、まずは安心感を与えることと周囲の理解が必要ということ、私の思っている信念でこれからも作業療法を行っていこうという自信になりました。(作業療法士)

平成28年度育てる会総会のお知らせ

平成28年度 特定非営利活動法人岡山県自閉症児を育てる会の通常総会を下記の通り開催いたします。
正会員の方は、同封の案内状・委任状をご覧ください。
日 時:平成28年5月27日(金)10:00〜10:30
場 所:岡山ふれあいセンター 第1研修室(岡山市中区桑野715‐2)
議 事:1.平成27年度収支報告
     2.平成27年度事業報告
     3.平成28年度役員選任
     4.平成28年度収支予算
     5.平成28年度事業計画
総会終了後、10:30〜12:00の時間で座談会を行う予定です。(正会員限定)
今回はグループホームでの生活の様子なども、いろいろ紹介させていただけると思います。
なお、5月は正会員のみなさんの会費納入月となっていますので、引落し契約がお済の方は5月16日(月)に今年度分の会費をそれぞれの引落し口座に入れておいてください。振込の方は、5月末日までに振り込みをお願いいたします。

『 世界自閉症啓発デー記念 映画上映会 』

 「ぼくはうみがみたくなりました」 感想

4月度は県内各地、岡山、倉敷、津山、赤磐の4市で、世界自閉症啓発デーに合わせて、「ぼくはうみがみたくなりました」の映画の上映会が行われました。
4月21日(木)には、育てる会担当の赤磐市での上映会が、赤磐市立中央公民館2階の視聴覚室で行われました。
平日の午前中の開催でしたが、保護者や支援者の方などが参加してくださり、とてもいい映画で、豊かな時間を共有できたと思いました。
参加されたみなさんからの感想が届いていますので、ご紹介します。

○ 原作が読んで見たくなりました。続きが気になったり、もう少しいろいろ知ろう!と思うきっかけになるような作品に思えました。
○ 自分の日常と重なる部分がたくさんあって感情移入してしまいました。特に兄弟からの視点や、宿で他の人に「病院に入れておけ」というシーンでは胸がしめつけられそうでした。今はまだ大変なことの方が多いですが、子供の成長を信じて今日からまた頑張ろうと思いました
○ 自閉症のまっすぐで素直でとても直感的(周囲には少し誤解を受けやすくて)といった特徴がうまく描かれた作品だと思いました。今までに私が出会った色んな自閉症の人達の顔が浮かびました。何か伝えようとしている、という視点に立って、いつも声なき声でも耳を傾けたいと思います
○ 自閉症児の親として、わかるなぁと思うことがいろいろありました。様々な登場人物が自閉症の青年を通して障害について、生きることについて考え直すところがとてもよかったです。
○ 普段はあまり気にしていませんが、映画を見て、自閉症のことが世間の人に知られていない現状について考えさせられました。理解のない人からの一言に傷つく家族がいたり、偏見の目で見られることがあったり。多くの人に正しく理解してもらいたいと思いました。
○ この映画は以前から興味がありました。見る機会を与えていただいてとても感謝しています。心温まるという言葉がぴったりのいいお話だったなと思いました。あんな風に寄り添ってくれる人が増えるといいなと思います。

平成28年度 教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

☆ 第1回 ☆ 平成28年5月13日(金)19:00〜20:55
テーマ  :ASDであるということはどういうことなのだろうか
場 所 : 岡山県生涯学習センター  大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)
講 師 : 坂井 聡 先生(香川大学教育学部特別支援教育 教授)
お待たせしました。今年度の即実践講座の始まりです。
締め切りは5月9日までとしていましたが、まだ若干の空きがありますので、定員に達するまでは参加OKといたします。
空きが残れば、途中からの参加もお受けして、それまでの講義のブルーレイはお貸しする予定ですが、坂井先生の講義の魅力は何と言っても生(なま)でのお話し・・・
できれば、スタートから満席の会場で、坂井先生をお迎えしたいと思っています。
まだ間に合いますので急いでお申込みください。
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 全10回分 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748 
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2016sokujissen.pdf
【第2回・第3回も会場は生涯学習センター 大研修室です】
☆ 第2回 ☆ 平成28年6月3日(金)19:00〜20:55
テーマ :コミュニケーション@  コミュニケーションを成立させるために
場 所 : 岡山県生涯学習センター  大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)

OHAの会の報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今回は、「青年期のアスペルガー症候群 仲間たちへ、まわりの人へ」の中の、友だちづきあいや男女交際についての章を読みました。
その後、“新学期を迎え、先生にこう伝えたい・1年間こんな風にしていきたい”ということをお題に、話す時間を設け、利守先生からアドバイスもいただきました。

参加者の方からの感想
 今日は「友だちづき合いのこと」についての本読みでした。定型の子ではわかる話でもASの子は教わらないと分からないことがある。話を続けていいタイミングとか相手が話をしたいタイミングとか・・家で話をしている時に少しずつ教える必要があると思いました。
「友だちがいなくてはいけない」という考えだとしんどくなるので「自分にあう人がいたら」くらいに考えて「自分で選ぶ」スタンスの方が本人が楽に生活できていいのかなと思いました。
 本読みは友だちづき合いと男女交際についてでした。我が子はおしゃべりが好きで家でもよく話すのですが、親がわざと割り込んだり自分の話をしたいサインを出したりして相手に合わせるスキルを身に着けさせる方法をやってみたいと思いました。
男女交際のコツは社会人になるためにも必要とのことなので清潔を保ち、自分のことばかり話さない等は今から取り入れていこうと思います。
 人づきあいの本読みの中で一般の人達がしている人生(親友づくり、結婚・・)を無理に追わなくていい。必要ないと思えばしなくてもいい。という言葉がすごく残りました。
自分で選択できる人生を過ごして欲しいと思いました。ポジティブに思えるようになって欲しいです。

次回の日時
日時:平成28年5月26日(木)  9:30〜11:30
場所:おひさまハウス(赤磐市和田194‐1)
お申込み、お問合せは事務局までお願いします。(正会員限定)

18歳の春を目指すクラブ お知らせ

18歳で花咲く春を迎えたいと願って、活動しています。
いよいよ、平成28年度の活動が始まります。

  第1回 定例会

日時 平成28年5月13日(金) 10:00〜12:00(受付9:50〜)
場所 東山公民館 会議室(岡山市中区平井4−13−33) п@086−276−6202
内容 顔合わせ、年間計画(正会員限定)
   今年も武蔵先生をお迎えします。
   その他、ひか☆りんく、職安の方をお迎えしたり、事業所見学、障害年金の勉強会等を計画しています。
尚、見学は正会員限定で無料です。
興味のある方は、気軽にのぞいてみて下さいね。

AAO活動のご案内

今年度もAAO活動を続けたいと思っております。
活動に参加してくださるご家族、ボランティアさんを募集します。

  〜AAO活動とは〜

親が企画した内容に沿って、子ども1人とボランティアさん2人とで活動します。
一年間、同じボランティアさんと活動します。
親が企画するので、わが子に合わせた無理のない活動ができます。
親や親戚でない人との関わりや、公共の場でのマナーなどを学ぶ良い機会にもなります。
親にとっても、わが子の新たな一面を知ることができ、勉強になります。

 ◆参加家族の募集について

対 象:小学2年生以上(兄弟児の参加はできません)
活動日:7〜3月の間で、年3〜4回を予定しています。
      (参加家族数にあわせてボランティアさんのお願いに回りますので、活動の開始時期が遅くなる場合もあります。ご了承ください。)
  活動時間:基本としては、10〜12時
※ 活動日、活動時間は、活動内容やそれぞれのご都合によりボランティアさんと相談して各家庭で決めていただいて結構です。
  活動例:ボウリング、公園で遊ぶ、電車、バスなどを利用してショッピングに行く、映画に行く、などなど
  活動費:ボランティア保険代を最初に集めます。
      活動にかかるお金や、ボランティアさんが活動場所に来られるまでの往復交通費などは、親が負担します。
      したがって、活動内容により、金額は各家庭で異なります。

 ◆ボランティアさんの募集について

一年間を通して、一緒に活動して下さる方を募集しています。
活動に興味を持ってくださった方は、事務局へご連絡ください。どうかよろしくお願いいたします。

 ◆AAO活動説明会について

6月29日(水)、きらめきプラザ2階受付カウンターの奥側にある交流スペースにて、お申込み下さったご家族に、活動についての説明を行う予定にしています。
都合のつかない方には担当より個別にご連絡しますので、事務局までご相談ください。

 ◆参加申し込み期限:6月17日(金)

育てる会事務局へお申し込みください。みなさまの参加をお待ちしております。(正会員限定)

水泳教室のお知らせ

日 時:平成28年5月15日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
     当日のキャンセルは担当の携帯まで電話、またはSMSにてお知らせください。(正会員限定)
                            

『俺ノートの会』よりのお知らせ

俺ノートの会は、好みの漫画や雑誌から、好きなところを切り抜き、新たな作品に仕上げることで、良い余暇活動になればと始めました。
俺ノートの会を始めた頃、小学生や中学生だった子供たちもそれぞれ大きくなり、興味が変わったり、部活やプライベートの予定で、開催が難しくなってきました。
そのような理由から、この会を一旦休止する事に決めました。
機会があれば、また集まれたら良いなと思います。
今までありがとうございました。

俺ノート」の会の、お世話係りさま、ご苦労さまでした。
育てる会は、子どもたちが必要なものなら、なんでもみんなでつくっていこう!という会です。
いま、小学校や中学校に通っている子どもたちにも、こんなサークルがあったらいいな、こんなことをさせたいな、と思われているお母さんがおられましたら、手を挙げていただければ、募集などはいつでも事務局がお手伝いしますので、声をかけてくださいね。 (事務局)

サッカークラブのお知らせ

5月はお休みです。
次回は6月、新しい参加者の方を募集していますので、よろしくお願いします。(正会員限定)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ 

ぐんぐんぴっぴでは、4月25日に赤磐市にある山陽総合福祉センターにて「ぐんぐんぴっぴ保護者勉強会」(託児あり)を開催しました。
日時をお伝えするのが遅かったにもかかわらず、たくさんの保護者の方がご参加くださり、保護者の方たちの熱意を感じました。
お母さんだけでなく、ご両親で、お父さん、おばあさまのご参加もあり、嬉しかったです。
勉強会のテーマは「特性理解」と「親の目標」についてでした。
普通の研修とは違い、話しをする私がお子さんのことを知っていますので、特性理解の説明の際に保護者の方にイメージしやすい具体例をお伝えできたので皆さんわかりやすかったようです。それから、年少さんになるまでのこの時期にどんなことをしておきたいかをお伝えしました。
親の目標として「だいすきで信じられる親になる」をテーマに、そのために具体的にどうしたらいいかをお話ししました。感情コントロールや、自分を大切にすることなど、親御さん自身のメンタルヘルスについても触れました。
診断を受けたり、我が子のこれからについて悩んだりと心が揺れ惑うこの時期は、親子関係をしっかり築くのに最適な時期でもあります。1、2、3〜4歳、かわいさ真っ盛りの今、少しでも保護者の方たちの心配を減らし、これと決めたことにしっかり取り組んでお子さんと楽しい時間を過ごしてもらえたらと思います。
6月にも同じ内容で保護者勉強会を予定していますが、4月に来られなかった保護者の方たちからすでにお申し込みがあり、6月でぴっぴの保護者の方全員が同じ基礎知識を知っているということになります。
保護者の方と療育スタッフが同じことを知っているというのは、お子さんについて話し合う時に話がスムーズで、一緒に考えることができると感じます。
勉強会の翌日から参加されたお母さんたちが「感情コントロールが難しいですね」「子どもへの言葉かけを変えたらわかってくれた」とか仰っていて、勉強会の手応えが伝わってきます。療育的な家庭生活が送れたら、お子さんたちはきっと幸せでぐんぐん伸びると思います。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ

赤磐ぐんぐん

新年度が始まって1カ月がたちました。先月号で予告した通り、リニューアルしたお部屋の様子を紹介しようと思っていたのですが・・・。静止画では何がどう変わったかがいまいち伝わりづらいことに気がつきましたので、一部のエリアを写真で紹介したいと思います。
☆おもちゃの種類によって遊ぶスペースを区切っています。遊びに必要なものだけを出して遊ぶので出す量が多くなりすぎず終わった後の片付けもとてもスムーズです♪
☆自分の読みたい本を選んで、机のところまで持って行って、読書タイムを楽しんでいます♪
写真では伝わりづらいお部屋の大改造ですが、実際には、先生と勉強をしていたエリアが自立学習エリアになり、あそびのエリアが先生と勉強エリアになり、ずいぶん変わっています。
なので、今まで来ていた子どもたちには、まずは部屋の中を案内するところから新年度の初回療育はスタートしました。
探検ボードを使って一つずつのエリアを見に行って、見に行った場所のカードをマッチングしていきます。
全部のエリアを見て終わったら、自分のスケジュールの所へ戻ります。一通り見て回った後はいつも通り、スケジュールで流れを確認しながら行動します。場所がずいぶん変わっているので、前の場所に行ってしまいそうになりますが、「あれ?」と思うと子どもたちは、自分が持っているスケジュールカードを見ます。そして、自分が来た場所が違うと気がつくと、正しい場所を探そうとします。
自分で探して正しい場所まで行けた時には、「探すと見つかったね」とか「間違えそうになったけど、スケジュールを見て自分で確認することができたね」と声をかけます。
自分で探すことはできず、先生に聞いてくる子もいます。「せんせい。どこだったかなぁ。」先生に聞くことができた子には、「わからないことを先生に聞けたね。聞いたら教えてもらえて場所も分かったね!」と声をかけます。(わからないー!!と大騒ぎせずに聞きに来れたことを褒めます^^)「どこいってるの!そっちでないでしょ!」とは声をかけません。自分で探したり人に聞くことができるように促します。
この状況・・・もしもスケジュールのカードを持っていなかったらどうなっていたでしょう。
口頭の指示で次のことを聞いて移動する、でも間違えてしまう・・・。そうなると、「違うよ、そっちじゃないでしょ。○○よ!!」と声をかけられて行動を止められるでしょう。スケジュールカードを持って移動していることで、口頭で注意されなくても、ちょっとの手助けで自分で気がついて行動ができます。叱られずに行動を修正することができます。スケジュールは子どもたちが自分で気がついて行動できるために、とても大切な支援ツールです。
褒めることが難しい・・・と感じている方がいらっしゃったら、褒めるための工夫を考えてみてください。スケジュールがすべてではありません。環境や情報を整理することで、子どもたちが自分で気がついて、正しい行動がとれるようになり、褒めることがで増えてくると思います^^
お部屋の大改造で子どもたちが混乱するかな?と心配もしていましたが、子どもたちはいつもと変わらず、楽しそうに過ごしてくれています。4月から通い始め、お母さんから離れることができるかな??と心配していた子どもも、笑顔で「いってきます!」と言ってお母さんから離れることができています。ぐんぐんが子どもたちにとって、安心して過ごせる場所になっている・・・ということを感じて、私たちもうれしく思っています。子どもたちが分かりやすい環境の中で、新しいことを意欲的に学んでいけるための工夫を、これからも考えていきたいと思っています☆
☆赤磐ぐんぐん療育スタッフ☆

ぐんぐんキッズ

新年度に入り、約一ヶ月が経ちました。
新しい部屋・新しいメンバー・新しい先生での新年度。
特に新小1の子たちは、小学校入学+ぐんぐんキッズへの変化に緊張の面持ちでの来所でした。
でも、さすが!いつもと同じスケジュールや台詞カード、いつもと同じ見て分かる課題、いつもと同じように楽しいおやつや休憩という「いつもと同じ」が分かると、すぐ安心して穏やかに活動することができていました。応用や般化が苦手な子たちですが、頼りにしているグッズがあると安心できる特性は強みにもなりますね♪
また小2以上のお兄さんたちは小さい子たちに「おやつのお皿はここにあるんよ」「このカード渡すと、先生がおもちゃを取ってくれるんで」と教えてくれたり、そっと場を譲ってくれたりと、「さすが!」と思える行動を取ってくれることも多く、この一年での大きな成長を感じ、嬉しく思います。
さて、新しい個別支援プログラムを、保護者の方と一緒に作成させていただき、お渡ししました。
その中に「ポジティブな自己理解」という目標があるお子さんがいらっしゃいます。
「自己理解」ってなんだと思いますか?「告知!?」と思われる方もいらっしゃって、質問されたりもしたのですが、ここでいう「自己理解」は「あなたは脳のタイプが違ってね」「自閉スペクトラム症って言ってね」というような難しいことではありません。
たとえば、
・一度にたくさんのことを聞いて理解するよりも、書いてある方が分かりやすい
・「それしちゃダメよ!」よりも「こうしたらいいよ」の方が分かりやすい
・長時間集中し続けることは苦手だけど、間に少し動きがある活動を挟むと、また集中が戻ってくる
・テレビやおもちゃが見えていると気が散っちゃうけど、片付けてあるとご飯に集中できる
などなど、おうちや学校でも本人が過ごしやすくなる工夫って生活の中にたくさんありますよね。「こういう工夫があればうまくいく」「こういうところがあるけど、やりようがある」という自信を持てるような気づき=「ポジティブな自己理解」だと私たちは考えています。ぐんぐんキッズは、様々な活動の中でこれらの気づきを本人たちにわざわざ声をかけて意識させるようにしています。
うまくいかないこと・できないこと・人と違っていることに、子ども達は就学前から小学校低学年前後ぐらいに気づき始めます。その時に「僕はダメだ」と落ち込んでネガティブにとらえるのではなく、「できないことは、できるように工夫したらいいんだ」「うまくいかない時は、周りの人に相談して解決してみよう」そんな風に思えるように、色々なことにチャレンジしていける気持ちを育てていけるようになってほしいと思います。
可能性にあふれているぐんぐんキッズの子ども達が、前向きに笑顔で「僕は僕でいいんだ」「私って頑張ってるよな」と思えるように、療育の様々な取り組みの中で伝えていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ

支援センターNEWS

新しい年度を迎えて、初めての大型連休をいかがお過ごしですか?
支援センターのある備前国分寺跡周辺は、つばめが飛び交い、ハチ達が新しく巣作りを始めています。
生き物たちが活動的に行き来する様子を目にして、私も動き出さなくては…という気分にさせられます。暖かくなったらと後回しにしていた仕事が列をなして待っているので、一つずつでも片付けていきたいです。
最近、夫婦でパートナーの相談にお見えになる方があります。
大人の発達障害についても知られるようになってきた昨今。就職して、結婚をして、仕事や家庭生活をする上で問題が出てくる背景に発達障害による認知の仕方の違いが絡んでいると分かるケースがあるようです。親子の場合は、子どもに分かるように大人側が工夫するよう助言することが多いのですが、大人同士の場合は一概にそういうことばかりを言っていられません。もちろん周囲に正しく理解していただくことは大切ですが、当事者も(周囲が伝えたいことを正しく理解した上で)できる協力の仕方も考えて実行していくことが求められます。
「他人同士が家族になり、ともに生活をしている中での価値観の相違やすれ違いがあるのは、どの夫婦でも同じことですが、多くのカップルはそこをコミュニケーションで埋めていっていると思うんです。でも私達夫婦はコミュニケーションが思うようにいかない。分かってほしいことを私の伝え方では分かってもらえないし、分かってあげたいけど何を伝えたいのか(コロコロ変わるので)分かりにくい。」
「診断がおりて、今までのトラブルの多くが自分の怠慢のせいではなかったことが分かり、本人はホッとしているようだが、障害だから治らないと開き直っているようにも見えます。私の方が合わすべきだと思われているようで、時々頑張れなくなる時がある。」
「相談といっても、普通は人に相談するほどのことでもないような些細な夫婦げんかだったりするのに、私たち夫婦にはどうしてもそこが解消できない。分かり合えないと一緒に暮らしてはいけないんです。」
というようなたぐいの相談です。
私も家庭を持っているので、共感できるところも多く、それでも二人してこのことに向きあおうとされている様子をみて力になりたいなと思いました。
そこで、「これごときのことが二人で解消できないなんて…と情けなく思う必要はありませんよ。コミュニケーションの特徴を互いにつかむまでは、少し整理して考える部分を相談(機関)でお手伝いすることになると思いますが、少しずつコツを伝授していきます。」と相談の冒頭にお伝えして安心をしていただくようにしました。
そして双方に不消化で心に残っている思いを聞き出して、関係性や家事分担の量を示すために図示しながらお話をすすめさせて頂きました。
整理していくと、結婚という生活(リズム)の変化に対応できず、「パートナーを支える」とか「育児に参加する」とか「パートナーの立場に立って考える」とか「うまくやり過ごす」などと言われても、何をどのようにすればよいかが分かりにくかったということが見えてきました。
本を読んで、発達障害だと変化に混乱しやすいこと、曖昧な表現が分かりにくいことはご存知のようでしたが、自分の言葉と照らしあわせて考えてみるまでは、明確に理解できていなかったようです。
また、育児に参加するよう言われて、「子どもと遊ぶ」と単純に理解してしまったことが、パートナーの思いと異なりすれ違ったということも整理する中でわかってきたことでした。
相談中にも「あった(言った)ほうがいい? ない(言わない)ほうがいい?」とか「これだと分かる?できそう?」とか「気をつけるようにするよ。」などお互いに声をかけあいながら収まるところを探していて、これがいずれ家庭内でできることを目標にサポートしていけたらいいなと思いました。
★ここ(センター)で話すと喧嘩にならず、相手の考えていることに耳を傾けられる。
★思いつきで動いていたわけではなく、この人なりに考えてのことだったと分かって少し安心できた。
★「できないもんは仕方ない」と思っていた。「できるようには…」と考えた(工夫した)ことがない。面倒くさいのが正直なところだが、パートナーとうまくやるために必要なことなら、アドバイスを参考にしてみる。
などの声を耳にすると相談を受けている私も嬉しくなります。
就労というカテゴリー以外でも大人のこうした家庭の相談も受けている当センター。
うまくいくことばかりではないけれど、「ためになった」という声を頼りに、これからも様々な分野の相談に応じていきたいと思います。
(相談員:原 未春)

グループホーム建設寄付 御礼

今月も温かいご寄付、ありがとうございます。
代表の巻頭文にもあるように、「グループホーム ほっぷ 1」での暮らしが始まりました。いろいろ工夫しながら、みんなが住みやすいグループホームにしていきたいと思っています。

 【 ご寄附をいただいたみなさま 】 (4.1〜4.30)

○ T.T 様(北海道)    ○ K.K 様 (高梁市)
○ F.S 様(西脇市)     ○ O.J 様(赤磐市)
○ U.T 様(総社市)    ○ I .T 様
○ K .K 様(赤磐市)    ○ I .R 様(赤磐市)
○ DDネット 有志 様   ○ T.Y 様
○ K 建設 様(赤磐市)  ○ O.S 様(岡山市)
○ H.T 様(玉野市)    ○ I.M 様(赤磐市)
○ O.K 様(赤磐市)    ○ J・K 様(赤磐市)
平成28年4月30日現在 寄付金合計 25,730,006円となりました。
今月は開所式に参列いただいた方や、届けていただいた開所のお祝いも寄付金に入れさせていただいています。
現在の計画では、5年ぐらいで銀行よりの借入は返済して、次のグループホームの建設に向けて考えていきたいと思っています。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。

  寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
               岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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