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平成28年12月31日

第224号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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224号 目次
ホカホカとした正月に
自閉症啓発セミナーの報告
即実践講座のお知らせ
育てる会 クリスマス会・OHAの会 お知らせと報告
18歳の春を目指すクラブ ・サッカークラブ・水泳教室 お知らせ
私のお薦め本コーナー
「発達障害の僕が輝ける場所を見つけられた理由」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
グループホーム寄付 お礼
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あけましておめでとうございます。
暖かいお正月を迎えた赤磐市から、会報224号をお届けいたします。
聞くところによると、北海道は例年にない大雪が降っているとのことです。
それに比べて岡山県南部の平和が、なんとも申し訳ない、そんなホカホカとした幸せなお正月です。
皆さん、お元気ですか?
会報やっと発送できました。
年末は私が風邪をひいて、様々な業務に支障をきたしました。この会報もその一つです。
歳を取ると風邪も治りにくくなるものなのでしょうか、20日あまりも咳に苦しみました。
お正月を過ぎ、やっとよくなった今日この頃。それでも時々咳き込んで・・・、なかなか厄介な病気です。
昨年12月25日、「〜自閉症支援の最前線〜 人は必ず成長する」と題して、服巻智子先生の講演会がありました。
1年に1度岡山でお話をいただくようになって7年が経ちます。
先生のいつにも増して思いのこもった素晴らしいお話をいただきました。まさにクリスマスの日に先生からの素晴らしいクリスマスプレゼントを参加者の皆さんと共有しました。
講演会の詳しい報告や感想は後のページにありますので、そちらに譲るとして、私が一番強く印象として残ったのは、演題にもなっている「人は必ず成長する」という言葉でした。
どんなに大変な子育てであっても、諦めないこと。自閉症について勉強し続けるという事。そして、その子に合わせて教え伝え続ける事。焦らず楽しみながら丁寧に・・・
そうすることで、必ずどんなに困難な状態の子どもでも必ず必ず成長していくという事を、具体的な事例を通してお話してくださいました。
当日は佐賀でのアインシュタインクラブの合宿の日と重なった日程だったそうで、かなり無理をしてくださっての岡山入りだったそうです。申し訳ないことでした。この講演会をきっかけに、より一層元気になって頑張れる支援者、保護者が増えた事でしょう。それだけ、幸せになる子供たちも増えるという事ですね。自閉症児の子育て、諦めず必ず成長するということを信じて、皆さん頑張りましょう、ね。
さて、今年は、岡山県自閉症児を育てる会発足20周年を迎えます。
20年、色々なことがありました。頑張っていろんなことにチャレンジしてきました。
岡山もずいぶん変わりました。少し思い出話におつきあいください。
20年前、自閉症の子どもを持つということは、つらく悲しく、周りに自閉症の人を見つけることも難しい時代でした。なにしろ当時は、自閉症は1000人に1人〜2人ぐらいで発症する、非常にまれな障害と言われていました。
でも、私たちの会発足と同時に、この指とまれと挙げた手に、たくさんの方たちが岡山県内アチコチから、集まってこられました。その頃の岡山県自閉症協会は、小さい子どもを持つ親は対象としていない、大人の自閉症の親の方たちの集まりというような時代でした。私たちは、ないなら作るしかない。そういう切実な思いで、このまだ幼い自閉症の子どもたちを一緒に育てていこうという親たちの会を作りました。
私たちは仲間が欲しかった。
一緒に子どものことを話ししたり、悩みを打ち明けあったり、一緒に子どもの成長を見守りあうような、そんなとにかく仲間が欲しかったのです。
誰か作ってくれたらどんなに良いかと、息子が3歳のころから、心待ちにしましたが、誰も作ってくれないので、それなら、自分たちで作るしかない・・。そう決意したのが、息子が9歳の時でした。
知り合った自閉症の子どもを持つお母さん5人とともに平成9年9月1日この会は、生まれました。あれから20年。「ないなら作るしかない!」この言葉を合言葉のようにして、私たちが必要だと思う事や物を作りだしていきました。
今育てる会は、会員向けの事業としてサッカー教室や水泳教室など自閉症の子に特化したスポーツ教室の他、小さいお子さん向けのキッズルームや木工教室、親たち向けの勉強会、座談会の他、次々お母さんたちが必要だと思う事業に取り組んでいます。
また、平成17年からは、自閉症の特性に配慮した療育の場所が欲しいというお母さんたちの願いに応えて、児童発達支援の事業所を発足しました。現在、1歳半からの「ぐんぐんぴっぴ」、3歳から就学までの「赤磐ぐんぐん」、そして小学生向けの「ぐんぐんキッズ」という3事業所のほか、大人になった子どもたちのための「グループホーム ほっぷ1」も運営開始しました。「ほっぷ1」に併設された「カフェ・スプリングカムカム」は、テレビや新聞等でたくさん報道していただいたおかげで、お客様が増えてきました。
1歳半には、自閉症スペクトラムは、診断ができるという時代にあって、お母さんたちが不安や孤独に陥らなくてもいいように、発達障害支援センターでの支援も市の委託を受けて行っています。
岡山に生まれて良かった。岡山だから安心して自閉症の子が育てられる・・・そんな風に言われる岡山になるために、私たちも頑張ってきました。これからも頑張りたい。
そんな私たちを、今年もよろしくお願いします。
さて、一昨日の新聞にこのような記事が載っていました。
放課後デイ・就労継続A型の厳格化。たくさん増えた放課後デイとどう考えても本来の目的を満たしているとは思えないA型の増加が気になっていただけに、やっと動き出した厚生労働省に拍手を送りたいと思います。
育てる会では、小学校に入っても一貫した療育を続けたいという声に応えて、放課後等デイサービスを始めて今年で4年になります。毎月の会報の「ぐんぐんだより」の中で紹介している通り、どのようにすれば子供達の成長を促すことが出来るか、保護者とも連携して家庭での取り組みを共に進めていく支援計画を作っています。丁寧な支援をするためには、スタッフの研修もたくさん行っています。
服巻智子先生のコンサルも受けながら、丁寧に丁寧に学びつつ、行っている「ぐんぐん」の療育と、テレビやゲーム、学校の宿題のドリルだけで過ごすような事業所との単価が同じなのは、絶対におかしい! 老人介護事業所で5年間お仕事していただけの人が、いきなり障害児療育現場のサビ管になれるというのもおかしいです。
子どもたちの将来の自立に向けて、アセスメントをとりながら一歩ずつ進んでいくのが児童発達支援や放課後等デイサービスの目的だったはずです。
子どもたちのために、これからは適正な事業所だけが残っていく時代になってほしいと願っています。私たちも淘汰されないように、日々勉強を怠らず、自閉症の子どもたちと保護者の方のために邁進する所存ですので、どうぞよろしくお願いします。
続けて昨日の新聞にこのような記事が載りました。
「高齢者75歳以上に」老人の定義が見直しされたというお話です。
わぁ〜い、じゃあまだ私は老人の中に入らないってことか。なんて喜びかけたのですが65歳から74歳は、准高齢者と名付けて社会の支え手と捉え直すというのだそうです。
そうすると年金がもらえるようになるのが、65歳からではなくなって、もしかしたら将来は75歳からになるということ??・・・とついつい浅ましくお金の事を考えてしまう、はしたない私です。
その新聞には、生涯現役なんていう言葉が、踊っていました。生涯現役は無理無理。私は、64歳。年々忘れっぽくなっているのを実感中です。60歳定年は少し早いけれど、やっぱり65歳くらいがいいのではないでしょうか?
私ももうすぐその65歳。気持ちだけは20歳のころと変わらないつもりの私ですが、脳みそがついていかないというのが現状です。
困ったもんだと、年の初めのつぶやきでした。
年賀状をいただいた方の中に、こんな風に書いてくださった方がありました。
「哲平君岡山マラソン頑張っていましたね。テレビを見ていたら、哲平君が先頭集団で走っていて、かっこよかったです」
というのでした。知らなかった!トップ集団にいたなんて、全然知りませんでした。
父さんは、走っているし、私は、テレビを見る余裕もありませんでしたから、年の初めに初めて知ったというところです。
先頭集団にいたということは、頑張って一番になろうと思っていたという証拠です。
思い返せば、高1の頃、障害者陸上競技大会に学校から出場した際には、前を行くゆっくり走る女の子を抜けなくて、その子の後ろをゴールまでゆっくり一緒に走った哲平です。あの頃は、人を抜くということが出来ませんでした。
応援していた先生が「抜け〜! 抜け〜〜!!」と度々大声で怒鳴っても、“我、関せず”と、ただ淡々と女の子の後ろをついていくような子でした。
それが今では、競争心旺盛で、一番を目指して頑張っていたという事、ここまで育ってくれたことが嬉しく、皆さんにご報告します。
人は、時間がかかるけれど、必ず成長するということをつくづく思った出来事です。
グループホームへの見学者が、次々あります。皆さん最初に言われる言葉が、「きれいですね」です。
建物が新しくきれいという意味だけではありません。掃除が行き届いているという意味で言われるのです。廊下と食堂、玄関、階段など共通で使う場所は、生活支援員の方や世話人さんが、掃除してくれますが、各個室は、自分でお掃除しています。トイレとお風呂もそれぞれ彼らがやっています。毎日磨き上げるお風呂屋やトイレが、汚いはずはありません。
また、部屋の掃除も掃除機をきっちりかける人、掃除機が苦手な人やお仕事が忙しい人などは、掃除ロボットのルンバを使ってお掃除します。これがとってもいい仕事をしてくれます。それで、きれいなのです。いつ誰が来られてもあわてる必要もありません。いつだってきれいなのですから。入居して9か月が過ぎようとしていますが、お風呂もトイレもピカピカです。自閉症の彼らだから、こんな風にきっちり律儀にお掃除をし、丁寧に生活を送っていることを見学者に知って欲しいと願います。
「こんな部屋なら私が暮らしたい」そんな風に言われる見学者の皆さんに、障害のある人の暮らしを知って欲しいと思い見学どんどん受けています。
お申し込みは、育てる会事務局までお願いします。
温かい岡山ですが、油断はできません。いつ天気が急変するかわかりません。何しろ異常気象ですから、寒さが急に厳しくなる可能性もないとは言えません。皆さんくれぐれも油断せず、しっかり防寒してお過ごしください。それでは、また次号でお会いしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
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自閉症啓発セミナーの報告
平成28年12月25日(日)、岡山ふれあいセンターにて『 第89回(平成28年度 第4回)育てる会 自閉症啓発セミナー』が、佐賀より服巻 智子 先生(大阪大学大学院連合小児発達学研究科 招聘教員)をお招きして、「〜自閉症支援の最前線〜 人は必ず成長する」と題して開催されました。
当日は、クリスマスセミナーと称して、暮れの押し詰まった時期ではありましたが、県内各地はもとより他府県からも大勢の保護者や支援者の方が集い、寒さを吹き飛ばす熱い会場となりました。
それでは参加した方からのセミナー報告やたくさんのアンケートが届いていますので、紹介させていただきます。
去る12月25日に岡山ふれあいセンターにて服巻智子先生の講演会がありました。
「人は必ず成長する〜自閉症支援 世界の最前線〜」というタイトルで行われました。超早期から成人期の自閉症支援について様々な事例を交えながら話をして頂きました。
最初に成人期にある自閉症の人たちの話がありました。
人付き合いの障害は大人になればなるほど大変になるとのことでした。親も「学校で適応してます」と聞いて安心したりせず、根気強く勉強しつづけたり相談はなくとも相談機関に相談しにいくことをし続けることが大事だということでした。
成人してから相談に来るのは多くは定職を持たない人たちだそうです。
向いている仕事だったとしても、職場の文化というものがあり、人間関係がその職場の適応を決めていくとのことでした。今まで学校という守られてきた環境から、職場に出た途端サポートのはしごをはずされてしまうため、退職したり二次障害に苦しみ入退院を繰り返したり、結果として反社会的行動をしてしまい受刑中の方もいるそうです。そしてほとんどの成人が何らかのトラウマを抱えているそうです。
トラウマを親が作らないことが重要だという話にもなりました。
ある成人の自閉症の方の事例でしたが、短大卒業をしたあと社会に出て自分の出来なさへの気づきやそのことに関して上司に罵倒され二次障害を引き起こしたとのことでした。二次障害が出た時にトラウマが出てきてしまったそうです。
そのトラウマとは中学生のころの話でその時に苦しかったことが大人になってから出てきてしまったということでした。何が辛かったかということが定型発達の人には想定外の理由のことが多いそうです。また自閉症の人は「こんな目にあったという辛さが忘れられない」そうです。そういったことを予防するためには親だけではなく支援者の助けも必要とのことです。また家族のメンバーの中に寄り添ってくれる人がいること、感情的に攻めない人が一人でもいることが大事とのことでした。
また成人になればなるほど、感情コントロールが難しくなるとのことでした。
ストレスが社会に出ることで大きくなり、どんどん追い詰められ白黒思考が強くなり二次障害が進んでしまうという話がありました。子どものいじめよりも職場でのいじめのほうが大変で、学校はお金を払って行っているけれど、職場は自分の行動によって利益をもたらしているため雇いたい人には選ばれにくい。そういったときに理解のある家族がいることが重要とのことでした。
次に社会脳についての話がありました。
定型発達の人でも社会脳(社会性に関する部分)は40代〜に完成するとのことです。自閉症の人たちは社会性に問題があるので、20代で感情コントロールがうまくいかないということは仕方のないことで、私たち支援する側が見守っていくということが重要であるということでした。
また穏やかな成人期を送っている自閉症の人たちの共通点についての話もありました。
「身辺自立(食事マナー、入浴の仕方、荷物の整理の仕方、清掃、ゴミだし…)を10代で獲得していること」が大事だそうです。定型発達の人は社会に出て一人暮らしをしたときに一発でゴミだしの仕方がわかるようになりますが、自閉症の人には難しいそうです。
卒業・就職する前に自分のことが出来ていないといざはじまってから生活が維持できなくなってしまい、学校や仕事が続いていかないこともあるそうです。
次に「相談スキルがある」ということを紹介されました。
相談をするということを習慣づけること、自分ひとりで相談しに行くこと、自分で予約できることが大事だということでした。
そして「自分に何が必要か話ができること(自分が今何ができていないか、この部分をサポートしてほしいということを自分で言える)」、「好きなことがある(気持ちのOn/Offができるから、嫌なことも乗り越えられる)」、「運動する習慣があること」、「スケジュールを使いこなせること」、「支援者を使いこなす(支援者に世話になるのではなく、自分のメンタルヘルスを保つために支援者を使う)」、「自分の自閉症をポジティブに受けとめていること」、「相談しながら生きていくことが不可欠であると肝に銘じている」ことがあげられました。
また支援だけでは発達・学習・生活は難しいこと、指導つまり教えていくことそしてそれを継続的にしていくことの必要性についてのお話がありました。
いつの年齢になっても、大人になっても学べるチャンスはある、それには教える側の技術が必要になっていくとのことでした。
最後に服巻先生の講義の中で印象に残った言葉があります。
「よき社会人になる才能は誰もが持っている」という言葉です。才能を開花させるためには支援だけではなくライフステージに応じた指導が必要なのだと感じました。そして家族が温かく穏やかに見守れる環境にあること、そのためには家族へのサポートも重要なのだと感じました。
(支援スタッフ:Y)
〇学校でもうまく生活できているので親として安心しているところもありました。「今は 良くても成人してからの方が大変。継続しての勉強や支援は必須」すごく心にささりました。成長するにつれて、ここまで出来るだろうと思ってついついレベルを上げていました。それに合わせて感情的になることもありました。この度のセミナーで基本に戻ることができました。これからは、いつでも落ち着いて穏やかな母親になれるよう努力しようと思いました。 (保護者)
〇先生の自閉症の人に対する温かい気持ちが伝わってくるようなお話でした。穏やかな成人期に向けて身辺自立スキルを身につけておくこと、社会性の脳が発達するのには時間がかかるというお話が新たな発見ができたようで目からウロコでした。人は必ず成長するという言葉にも勇気づけられます。また頑張ろうと思いました。 (保護者)
〇支援学級担任です。「支援だけではなく教えていくことも必要」ということが印象的でした。学校に戻って周りの先生にも伝えていきたいと思います。
学校では「TEACCHの考えのもと構造化をしている」と言っていますが「TEACCHの考え」 「構造化」について教員全体が理解しているとは言いきれないと思うので、これからも 自分が学び続けていくことが必要だと感じました。周りの先生にも広めて一緒に勉強していきたいです。 (教諭)
〇大学へ進学されたり、就職した人を多数担当してこられて、いろいろと困難な場面がいつ来るか等を、これまでの経験から教えてもらえるのは非常に貴重です。
佐賀県の高校生プログラムはうらやましい限りです。 (保護者)
〇小学校高学年で落ち着いていたので油断していましたが同じスケジュールで4年間やっているので当たり前のことだと分かりました。中学との違いを認識し、準備を進めようと思いました。
また人間関係がうまくいっているので安心していましたが、お風呂に入ることなど、身辺自立を最優先して生活を見直していきたいと思います。 (保護者)
〇その子の先をみすえて、将来その子が困らないために、より穏やかに生活できるために 今どのようなことを身につけさせればよいのかを考える良い機会になりました。今日の講演を拝聴して挑戦、実践したいことがたくさん出てきたので、今後にいかしたいと思いました。ありがとうございました。 (教諭)
〇支援者1年目です。今は保護者から悩みや日々の喜び、大変さを教えていただく毎日です。「支援者は親より知っていなければならない、そうでなければ安心させてあげられない」というお言葉にハッとさせられました。これからも勉強していきたいと思いました。
「教えること、教えられないこと、社会脳は必ず発達する」心に残ることが多かったです。今、この時期に聴講できて良かったです。 (臨床心理士)
〇服巻先生ならではの豊富な臨床例、確かな理論に基づく、素晴らしい内容で本当に最先端のことをお聞きできて良かったです。
特に「自立活動の指導」にずっと関わってきて支援全盛のムードに違和感を感じていたので、Treatmentのお話は我が意を得たりという 思いでした。きちんと教えることのできる教師になりたいと思います。
また身辺自立、相談スキルが大切とのお話にもとても納得できました。ぜひ学校でも伝えたいと思いました。(支援学校教諭)
(服巻先生を囲んで 当日のスタッフ一同)
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平成28年度 教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ
☆ 第8回 ☆ 平成29年1月20日(金)19:00〜20:55
テーマ :結果を整理して、コミュニケーションの目標を立てよう
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)
講 師 :坂井 聡 先生(香川大学教育学部特別支援教育 教授)
☆ 第9回 〜 第10回 ☆ 今年度は最終回まで予約が取れましたので同じ会場です。
第7回ではみんなが宿題のコミュニケーションサンプルを持ち寄ってのワークショップとなりました。
第8回では、いよいよコミュニケーションの目標を具体的に定めていくことになるのでしょうね。
まさに、実践講座も佳境に入ってきたというところでしょうか。
前回欠席して、まだコミュニケーションサンプルを集計して表やグラフに落とし込む坂井先生が作られたソフトを入手されていない方は、育てる会事務局のアドレスacz60070@syd.odn.ne.jp までお名前を明記してメールして下さい。添付して返信します。
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2016sokujissen.pdf
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育てる会 クリスマス会の報告
12月18日(日)に岡山大学の児童文化部さんに招待していただきクリスマス会を開催しました。
この日は天気も良く体育館の中でもあまり寒さを感じることなく、楽しく活動することができました。最初に工作で「クリスマスツリーの小物入れ」を作りました。
それぞれに可愛らしくデコレーションしたツリーが出来上がり、中にあめを入れて完成しました。
その後は学生さんたちによる紙芝居を見たり、ビンゴゲームをしてプレゼントをもらったり、ケーキを食べたりと盛りだくさんの内容でした。
最後には明治製菓さんよりの、たくさんのお菓子のクリスマスプレゼントもあり、楽しい一日となりました。
参加者からの感想を紹介しますね。
〇初めての参加で、ちゃんと工作や紙芝居など座って参加できるか不安でしたが、楽しく参加できて良かったです。
大学生のお兄さんに手伝ってもらいながらツリーを作り、日頃知らない人と接する機会のない息子に、良い経験をさせていただきありがとうございました。ぜひ来年も参加させていただきたいです。
〇工作は、作ることに興味のない息子は他の事をしていましたが、娘は一生懸命最後まで作っていて感心しました。クリスマスツリーは家にも飾れるのでとても良かったです。紙芝居も親も楽しめる内容でした。ビンゴはなかなか当たらなくて娘は泣きそうになっていましたが、自分が欲しいプレゼントだったので喜んでいました。
長すぎず短すぎず時間も良かったです。岡大の学生さん、みんな良い方ばかりですね!
楽しい時間をありがとうございました(*^^*)
〇学生さんにとても優しく接していただいて楽しそうに過ごしていました。小さな時は 数字のこだわりがありビンゴに参加できそうになかったけれど、今はビンゴにも参加できるようになったんだなぁと嬉しく思いました。
〇手作り紙芝居がとてもきれいで子どもも見入っていました。優しい学生さんたちと一緒に過ごせてとても楽しそうでした。ありがとうございました。
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OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今回は、『あたし研究E ならべる』の項目をみんなで読みました。
探し物が不得手だったり、耳で聴いたスケジュールを理解するのが弱かったりするといった内容でした。全体像が捉えることができなかったり、だからならべると1つ1つを確認しやすくなるのだそうです。料理をするときも、まずならべることからはじめるのだそうです。
頑張れば、ならべなくてもできるけれど、日々の生活の些細なことまで頑張っていたら、疲労困憊してしまう。正しい理解と支援でASDの子どもたちの将来は、光満ち溢れるものになる可能性があると、この『あたし研究』で小道モコさんは言われています。
〇本読みの中で、子供に声をかけるときのポイントを教えていただいたことが頭に残りました。ついついできないことに目が向き、口から出てしまいます。しかし、いい状態の時に、「〇〇があればできるね」と声かけをすることで苦手なことも、嫌な思いをせずに身についていくことができる。これから心掛けていきたいと思いました。
後半では、子どもの成長した部分を話し合いました。改めて、子供の成長を感じることが出来ました。利守先生とお話することで、アドバイスをいただき、すっきりとリフレッシュして、また頑張ることが出来ます。今年一年、本当にありがとうございました。
〇「時系列で教える」言葉で言っても分かりにくいのに、更に「10時に〇〇へ行くから、10分前には片づけといてね。」など理解できなくて当たり前だなということが、腑に落ちたので、特に今後活かしていきたいと思います。子どもも大きくなり、自我が目覚めてなかなか自分を守るためなのか、いうことを聞かないことや、大変なことは多くありますが、今後も自然な支援をできるように勉強していきたいと思います。
〇今日の項目は、娘の特性によくあてはまるものでした。
「頑張ればできる」ので、私も出来るからいいよね!と思っていましたが、それは本人にとって、頑張りすぎている状態なのだと分かりました。本人にとって、負担の少ない日常でいられるために親として工夫できることがあると知ることができて、嬉しく思います。娘にあてはまりすぎて、少し面白くなるほどで、楽しく学べました。
〇今日は、ASDの人たちは、“全体像をつかむのが得意ではない”というお話でした。
確かに我が家は、1つの細かいところにこだわることがあり、次の行動に進めないということがよくあります。周りの雑多な刺激を減らしてあげる工夫が必要だと感じました。
〇“やればできる子”“できたら、当たり前に次を求める”それをやっていました。
知的に遅れがないのだから、ASも軽いはずと思っていたところがあったと思います。「知的に高いか低いか」「ASの困り感が重いか軽いか」は別の問題です。全てを共感することはできない。でも、利守先生が言われるように、共感できない部分は大変なだって助けてあげたいと思いました。スケジュールやリマインダーも使っていきたいです。
《 次回のOHAの会 》
日 時:平成29年1月26日(木) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂
参加費: 1000円
申込み:Tel.086-955-6758(事務局)
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18歳の春を目指すクラブ お知らせ
18歳で花咲く春を迎えたいと願って、活動しています。
12月9日(金)に、ハローワーク岡山より長田豊治さんをお迎えしました。
ハローワークの仕事の内容、学校との連携の仕方、就職までにやっておいた方がよいこと等についてお話をしていただきました。
高校生の保護者の方を中心に、熱心に質問をする姿が多く見られました。
参加者の方からの感想です。
〇岡山県の中には、色々な就職サポートがあり、そしてハローワークでも、多くの取り組みをされていて、コミュニケーションの苦手な人にセミナーなどもされていて、驚きました。望めば、手厚いフォローのもとで就職に向かえると分かり、不安が軽くなりました。
〇障がい者を2%雇わないといけない法律がある事を初めて知りました。A型やB型の違いも知らなかったので、とても勉強になりました。
次回は、NPO法人杜の家より大森浩史さんと、先輩お母さんのMさんをお迎えします。
障害年金について基礎内容からアドバイスまでお話いただける貴重な回になっています。
日時 平成29年1月20日(金) 10時〜12時
場所 東山公民館 美術工芸室(岡山市中区平井4-13-33 TEL.086-276-6202)
※1月は第3金曜日になっております。ご注意ください。
※正会員に限り、500円で参加できます。
連絡先 育てる会事務局 TEL.086-955-6758
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サッカークラブのお知らせ
《1月 活動日》
日時:平成29年1月8日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
《2月 活動日》
日時:平成29年2月12日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで
2月の活動日は12日(第2日曜日)です。見学・体験大歓迎。
寒さに負けずたくさんのみなさまの参加をお待ちしています。
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水泳教室のお知らせ
日 時:平成29年1月15日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、1回 1000円です。
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は1月12日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
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| ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ
新年あけましておめでとうございます。
昨年1月4日に開所したぐんぐんぴっぴですが、おかげさまで1周年を迎えることができました。
まだまだよちよち歩きの私たちスタッフですが、できる限りのサービスを提供していけるよう、本年も頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、誰にとっても毎年のことながら、1、2、3月はあっという間に過ぎてしまうものですよね。ぐんぐんぴっぴを利用できるのは赤ちゃんから年少さんまでなので、今、年少さんのお子さんたちがぴっぴで過ごせるのもあと3か月になってしまいました。
年少さんになってからぴっぴでの療育を始められた方もおられますが、早くに気付かれて1歳の頃からスタートされる方もおられます。そうするとぴっぴで過ごした年月は年少さんといえども3年近くなる方もおられるわけです。
最初親御さんが「この子はしゃべれるようになるんでしょうか」と心配されておられたあの子が、今は相手を意識してコミュニケーションをとれるようになっている。「この子は人がいることに気付いているんだろうか」と不安だった親御さんのお子さんが、お茶目なことをして大人が笑顔になるのをチラリと見るようになっている。
・・・お子さんが小さい時から、不安を抱きながらも親御さんが心を注いで育ててこられたことに対して、お子さんたちはちゃんと応えてそれぞれに小さな花を咲かせておられます。私たちスタッフはそんな姿を見せていただけて幸せです。
ぐんぐんぴっぴの対象年齢である赤ちゃんから年少さんまで、その年代で親御さんが心配されることが多いのは「この子はしゃべれるようになるんだろうか」ということです。
わが子が「しゃべるかしゃべらないか」は、子どもを育てていて一目でわかりやすいところです。同年代のお子さんたちがどんどん話し出す中で、わが子があまり話さないというのは親御さんの目に留まりやすく不安になるのは当然です。
・・・どうしてしゃべらないんだろう。それにはたくさんの理由が絡み合っています。
体の器官をうまく使って思い通りの音をだせるのか、聞いたことを真似することができるのか、言われていることの意味が分かっているのか、、、そもそも、相手がいるのに気付いている?
言葉って相手に届けて、相手が受け取って初めて伝わるということを知っている? 相手に伝えたいという思いがある? 相手に伝えるといいことがあるって知っている? 自分の今言いたいことをどういう言葉に変換したらいいか知っている? どんなタイミングで、どの距離で、どの立ち位置で、どのくらいの大きさの声で伝えたらいいか知っている?・・・まだまだたくさんおしゃべりできるようになるための要素はあると思います。
ぐんぐんぴっぴが目指しているのは、「ペラペラしゃべれるようになること」ではありません。
身近な人を大好きになって、その人たちと過ごすのが心地よくて、楽しく遊ぶことを通して自分の行動で相手が反応してくれることを知り、自分の思いを相手に伝えたいと思えるようになり、伝えあえるようになること。
楽しいことを通して親子で一緒に笑いあえるようになることです。
それを実現させることができるのは、実は「おしゃべり」とは限りません。
口で話すのは道具もいらなくて楽であることは確かですが、気持ちを伝えあう方法は他にいくらでもあるのです。
まず最初に大切なのは「この人といたら楽しい」と相手を意識すること、「相手に伝えたい」と思うことなのです。なので、ぐんぐんぴっぴではお子さんに対して楽しい遊びを通して「人と遊ぶのって楽しい」に気付いてもらい、相手を意識できるようにサポートしたり、どうやったら今の気持ちが相手に伝わるのかを教えてあげたり、親御さんに対してお子さんにどのように接したらお子さんにとって分かりやすいのか、お子さんが楽しめることは何かを一緒に考えたりしています。「相手に伝えたい」というコミュニケーションの土台作りのサポートができたらと思っています。
あっという間に過ぎていきそうな1、2、3月。長くぴっぴに来てくださっているお母さんの中には、まだ卒業したくないと言われる方もおられます。土の中で暖まった種からどんどん芽が出てきて成長がめざましいぴっぴのお子さんたち。
私たちスタッフもずっと見届けたいです。これからどんな風に素敵にかわいく育っていくのでしょう。小さくても一年ごとにどんどん変わっていくぴっぴのお子さんたちが、4月にひとつお兄ちゃんお姉ちゃんになる春までの3か月、よりしっかり着実に支援していきたいです。卒業までに、「こんなことできるようになったよ!」そう胸を張って言える成長をご家族の皆さんと一緒にひとつずつ積み上げていけますように。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ
赤磐ぐんぐん
寒くなり、ノロウイルスが流行ってきましたね。皆さん体調に気を付けて下さい。
療育中の様子をお話します。おやつの時間のときに、手順書を使っているお子さんがいます。
おやつを食べる前に手を拭く、いきただきますをするなどのことを人から言われなくても自立してできるための支援グッズです。声掛けがなくても一人でできるようになるために、手順書をおきました。
しかし、この手順書をおいてもごちそうさまをしたら手がとまり、工程が終わるごとに手順書を見てもらう先生の促しが必要で、1つ1つのことに時間がかかってしまっていました。
そのお子さんは、切り替えの困難さがあります。なので、おわりをわかりやすくするために、1つの工程が終わったら手順書の工程をおわりにするようにしました。
また、この手順書をやりたいと思ってもらえるように、おわりにしていくとそのお子さんの好きなキャラクターが完成するようにしました。
すると、以前とは全く違い、手順書を見て1つの工程が終わるたびに「ぺったん」と言いながらおわりを貼ることができるようになってきました。前の手順書はこちらがさせたいことを書いてある手順書になっていたと痛感しました。特性理解の大切さを改めて実感した出来事でした。
2017年もはじまりましたね。今年もよろしくお願いします!
赤磐ぐんぐん療育スタッフ
ぐんぐんキッズ
ますます寒さが厳しくなってまいりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、12月10日(土)に服巻智子先生をお招きして、子どもの様子を見ていただくという貴重な機会がございました。ぐんぐんキッズからは、2人の子どもを見ていただきました。これからより良い療育をしていくためには、どういうことをしていけばいいのか、アドバイスをいただきました。とても勉強になり、スタッフ一同、身が引き締まりました。
特に、支援だけではなくTreatment(治療教育)が重要であるというお話です。自閉症児は、定型発達の子どものように自然に発達したり、学習したりするのは難しいです。だからこそ、正しいことは指導していく必要であることが改めて分かりました。
ぐんぐんキッズでは、12月16日〜22日にかけて、クリスマスクッキーづくりをしました。
作り方の手順書を見ながらチャレンジしました。
好きな型を選んで、型抜きをしてオーブンで焼きました。型を取るときに崩れてしまうこともありましたが、「やり直す!」と言って投げ出さずに頑張っていました。どうして諦めず頑張れたのでしょうか?それは目的意識があるからだと思っています。完成したら、家に帰って食べられる楽しみがあります。課題を達成したら、そのあとに楽しみがあるのとないのとでは、どちらがいいですか?断然楽しみがあるほうが課題に取り組む姿勢も変わってくると思います。そして、最後まで頑張れたこと子どもを結果的にほめてあげることができました。こういうことが、成功体験を積むということだと思います。
焼きあがったら、アイシングという砂糖のクリームを塗って、チョコレート菓子でデコレーションしました。
楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でしたが、クッキング等をするときに守ってほしいルールがありますよね。
ぐんぐんキッズでは、始める前にあらかじめルールを分かりやすく伝えるようにしています。
そうすれば、うっかりルールを破ってしまいそうになったときも、叱るのではなく「ルールどうだったかな?」と思い出させる声かけができたり、守れた時は褒めてあげることができます。
最後になりましたが、本年もぐんぐんキッズをよろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ 療育スタッフ
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グループホーム寄付 御礼
今月も温かいご寄付、ありがとうございます。
【 ご寄附をいただいたみなさま 】 (12.1〜12.31)
○ M..T 様(津山市) ○ W.K 様(大阪府)
平成28年12月31日現在 寄付金合計 27,365,936円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
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