sorry,Japanese only
平成29年5月31日

第229号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
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229号 目次
夏、到来
自閉症啓発セミナーの報告
即実践講座のお知らせ
平成29年度育てる会総会報告
はやぶさの会・18歳の春を目指すクラブ ・キッズルームの報告とお知らせ
AAO活動・OHAの会・『自閉症 才能きらり展』 お知らせ
水泳教室・サッカークラブ お知らせ
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「発達障害の子のための すごい道具」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
支援センターNEWS
新聞記事のご紹介
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6月が、来ましたね。暑い日が早く来た今年の夏。
暑かったとはいえ、時々は、涼しい風も吹き渡る5月は、あっという間に通り過ぎていった感があります。
今年の5月はのんびりとした幕開けでした。
たくさんの用事は、こっちに置いといて、連休中は、哲平と近場をウロウロしました。
倉敷や岡山、それにいろんなお店で外食したりして、家事をさぼり、ゆっくりしました。時にはこんな風にのんびりするのもいいなぁ〜なんて思います。遠くへ行くとお金もかかるしホテルの予約も連休中はなかなか取れません。岡山だって、いいところいっぱいあるわけですもの・・・。久しぶりに観光客でにぎやかな倉敷を、旅行客の気分で見て歩きました。
また、ディズニーの映画で言葉を取り戻した自閉症のオーウェン・サスカインド君の「ぼくと魔法の言葉たち」という映画を、哲平とお父さんの三人で観てきました。
これがなかなか良かったですよ。岡山市のシネマクレールという映画館は、とてもいい映画をやってくれます。商業的な映画ではない真面目ないい映画をここでは見られます。以前ここで「自転車で行こう」や、「海洋天堂」という映画も見ました。どちらも自閉症の青年の出てくる映画でした。とてもいい映画でした。詳しいこと知りたかったら、インターネットで検索してみてくださいね。
さて、「ぼくと魔法の言葉たち」は、よかったですよ。
暖かで切なくて、胸を打ちました。言葉をなくしたオーウェンが、お父さんと初めて言葉を交わすシーンが秀逸でした。オーウェンは、2歳の時、それまで話していた言葉をなくして、それ以降、6歳まで一言もしゃべりませんでした。
ところが、お父さんが、オーウェンの大好きなディズニーのキャラクターのぬいぐるみを使って話しかけてみると、言葉をすらすらと語り始めたのでした。お父さんにとっては、衝撃的だったことでしょう。奇跡のような素敵なお話でした。
見終わって、ほっこりした暖かさと、しみじみとした切なさを感じる・・・そんなまれにみる秀逸な映画作品でした。
ご覧になれなかった皆さんは、そのうち出るDVDをご覧くださいね。
さて、のんびりしたGWを過ごしたおかげで、連休明けの山積みのお仕事に忙殺される中、今度は夫が同窓会の帰りに酔っぱらって転倒、はずみで後頭部を打って脳震盪のめまいが、もう10日も止まりません。色々ありますね。
病院には行って念のためCTを取りましたから、大丈夫とは思いますが、今後何事もないといいなと思っています。歳です。もうお酒の飲みすぎには気をつけないといけないのに、若い気分で飲みすぎたのでしょう。困ったもんです。
去年のお盆にも原因不明の胸部の異常で入院をした夫です。私たちもそろそろそんな年齢なのだな・・・と、つくづく体のことを考えなければと思った次第です。
それでという訳ではないのですが、私は、ある方からの勧めで、一念発起。一日ドックを申し込みました。前に行っていたところに予約を取ると、ナント8年間も間が空いているとのことでした。7月には8年ぶりのドックです。吉と出るか、それとも何か見つかるか、興味津々です(笑)。
色んなことのあった28年度も無事終わり、粛々と平成29年度の総会を終えることが出来ましたこと、ここに報告いたします。
総会の後、総会記念講演会としてさくら整形クリニックの理学療法士藤井直基先生による「自閉症児の身体の育ちを考える 〜発達障害、ずれた歯車の戻し方〜」と題する講演会を、岡山ふれあいセンタ―(岡山市桑野)で行いました。
当日は、新聞などで紹介くださったおかげで、たくさんの一般の方の参加もあり、平日にも関わらず、120名を超える大盛況となりました。
先生の時には実演を交えながらのお話は、とても解りやすく自閉症の彼らの身体面からのアプローチの仕方を丁寧にお話いただきました。とても不思議なそして面白い独特な切り口からの発達障害へのアプローチに、目からうろこの落ちる思いがいたしました。詳しい報告が、後のページにありますので、ご覧下さい。
さて、29年度は、育てる会発足20周年の年になります。
平成9年9月1日に育てる会が発足して、満20年になります。はじめは、子どもたちのレクレーションやクッキング、山登りや水遊びの会などを月に一度くらい開催する、自閉症を育てる保護者たちの集まりでした。当時息子は、小学4年生。大変な子育てが、一段落して、やっと少し自由に動けるような感じになった頃でした。
実は当時から、岡山には日本自閉症協会岡山県支部というのがあって、子どもが3歳の頃からこの会に入りたいと希望しましたが、その頃は同じ養護学校を卒業したお母さん達で、すでに20歳以上の子どもを持つ方ばかりの内輪の集まりだったようで、「小さい方が入られても何もしてあげられないので、入らないほうがいいよ」と丁寧に断られてしまいました。
私は、仲間が欲しかった。一緒に子育ての情報を交換したり、時には愚痴の言い合えるような、そんな仲間が欲しくて、4人の知り合いの若いお母さんに声かけて、この会は始まりました。代表は一番年長で言い出しっぺの私がさせていただくことになりました。
そんな風に始まったこの会は、瞬く間に新聞や口コミで広がって、いったい岡山のどこにこんなにいたのというくらいの自閉症を抱えた母親たちが、集まってきました。座談会や自閉症の勉強会など開催するたびに会員が増えて行きました。
お母さんの悩みやニーズは多様でした。当たり前なことだけれど、愚痴も悩みもいっぱいあって、それをみんなで話をし、慰め合い、そして、「このままじゃ子どもたちは救われないよね〜」と次々考えるようになりました。
お母さんたちの想いを聞いていると、私たちの子どものために「こんなものがあったら助かるのにね〜」というものがどんどん出てきます。
たとえば、水泳教室。昔は、まだ少子化が問題となるよりちょっと前で、子どもも大勢いて水泳教室は盛況でした。
でも、私たちの子を入れてくれる水泳教室はありませんでした。おとなしい子はまだいいのですが、多動で言うことをきかない子は、入れていただいても、すぐに周りの迷惑ということで、辞めざるを得ない状況でした。
岡山は、ため池も多くて水場で遊んでいて、水の事故にあうことが大変多い土地柄です。自閉症でも水泳は、できた方がいいに決まっています。
自閉症の子を民間の水泳教室が入れてくれないなら、自分たちで作るしかないか・・・、とそんな風に思うようになったのは、自然な流れでした。そうやって津山の水泳のインストラクターをやっていらしたMさんと、コーチのSさんにお願いして、始まったのが育てる会の水泳教室でした。
サッカーのスポーツ少年団に入れてもらえなかった子がいたので作ったサッカー教室、子どもたちの為のキッズルームは岡大の児童文化部さんと川崎医療福祉大のボランティアサークルの協力でできました。
書きだすと止まらない20年の歴史ですが、そんなこんなでないものを次々作っていくうちに、いつの間にか、こんな風に療育事業所やグループホームまで作ってしまう会になりました。
私たちは、今も思っています。ないものがあったら、自分たちで作ればいいだけ・・。
誰かを当てにして待っていては、間に合わないのですもの・・・。すぐに取り掛かっていけば、困っているあの人、途方に暮れているこの人を助けることが出来ます。
きめ細かく全体の為に、“公平”に動かなければいけないという行政をあてにしていたら、我が子たちの順番は、当分回って来そうにありません。
そのうちに、何もないまま大人になってしまうでしょう。今私たちの子に必要なものは、私たちで作っていかなければ間に合わないと思っています。
育てる会は、小回りと俊敏性と機動力のある会です。
この会は、自閉症の子を持つお母さんたちの想いで作られています。自閉症のこの子たちの事を幸せにしたい。地域の中で安定して人生を送ってもらいたい。そういう母の願いで作られています。皆さん、改めてこれからもどうかよろしくお願いいたします。
(読売新聞で会の紹介もしていただいたので、巻末の記事もご覧ください)
さて、なんだか20周年の話を始めると長くなってしまって、大切なお話をし忘れるところでした。
6月17日(土)に、ニキ・リンコさん、藤家寛子さん、それに花風社の浅見淳子社長の三人をお招きして、第92回自閉症支援セミナーを山陽新聞 さん太ホールにて行います。
ニキさん、藤家さんは言わずと知れた自閉症スペクトラム当事者のお二人です。自閉症は、そのままでもしっかり生きていけるという希望を与えてくださるお二人のお話をぜひ多くの方に聴いていただきたいと願います。
自閉症は脳のタイプと言えるのですから、“治る”というのは、少し違うかもしれませんね。
でも、これほどに以前とは別人のごとく変わられた藤家さんの事を、“治る”という以外に、どのように説明すれば解って頂けるでしょう。説明の言葉を私は持ちません。
4年前の講演会の折にご参加くださった皆さんは、覚えてらっしゃいますよね。以前の著書の中の彼女とは、別人のような本当に素敵で上品なお嬢さんになられた藤家さんでした。
・・・一方のニキさんは、本のとおりユニークでチャーミングな楽しい方でした。
印象に残っているのは、「小さい頃どんな風に親から声をかけてほしかったですか」という質問に対しての答えは、「タクマラカン・タクマラカン・・・・って言って欲しかった。」
耳触りがいい言葉だったそうです。冗談かなと思ったら、そうでもないみたいで、かわいい人だな〜というのが印象でした。
この二人の話を上手に引き出してくださる浅見淳子さんがいてくださったからこそこの講演会は、大成功したと思えるものでした。
素晴らしく頭のいい方でした。教育についてのお話は、世の教育に携わる皆さんにもぜひ聞いていただきたいと願います。
皆さん、6月17日、大勢の方で3人をお迎えしたいと思います。申し込みは、事務局まで、お早めにどうぞ、お待ちいたしております。
さて、グループホームについてのお話を、頼まれると出かけていってお話しています。
まず、私がどんなふうにして作ったかという話をします。補足として運営や経営的なことを事務長の鳥羽父がお話しして、親の想いを入居者の一人Mさんのお母さんが話すという形です。三人でチームを組んで出かけるので、私たちは、グループホームのキャラバン隊と称しています。
育てる会のグループホームは、子どもたちを丁寧に育てて行って、やがては自立させるという訓練ホームと考えています。
これまでは、障害のある子の住むグループホームは、終の住処と考える方が多かったと思いますが、育てる会のホームは少し違います。
もし終の住処だとしたら、希望者の数だけ、たくさんたくさんホームを作らないとなりません。お金はいくらあっても足りません。
だから、私たちは、丁寧に支援して、彼らに自立に向けてのスキルを身に付け、やがては地域のアパートへ出て行けるように育てていこうと考えています。
地域のアパートを借り上げて、彼らの為の住処にできたら・・・、もっと理想を言えばオーナーさんを募って、彼らの特性にぴったりのアパートを作ってもらいたい。そんな風に思っています。夢はあつかましくも、壮大です。
4年後に建設予定の、少し自立度の高い「すてっぷ1」の設計を考え始めているところです。
これはとっても楽しい作業です。会員の皆さん、将来は、何とかなりますよ。だから今は、しっかり親子で向き合って出来る事をコツコツ積み上げて行ってください。これも楽しい作業ではありませんか。
さて、私は5月に入ってから、総会の講演会のほかに勉強会に4つ参加しました。
一つは、PECSのベーシックを二日間にわたり学びました。
二つ目は、川崎医療福祉大のレベルアップセミナー。
三つ目・四つ目は、育てる会の支援ツール勉強会と即実践講座です。
勉強は、楽しいですね。学生時代あんなに勉強しなかった私ですのに、今は学ぶことが楽しくてしかたがないのです。
学ぶ喜び、学べる幸せ・・・。そんな感じです。
でもね〜、学んでも学んでも、底に穴が開いたバケツに知識を流し込んでいるのか?? と思えるほどに、すぐに忘れていく近年の私の頭です。そんなこと勉強したっけか・・・・なんて一緒に行った人に教えてもらったりします。
私は、育てる会の代表として、学び続けなければなりません。
そして、これはと思う学びに遭遇したら、それをお母さんや療育スタッフと共有したいと思っています。いい先生と巡り合ったら、講演会にお呼びしたい。お呼びできなければスタッフを派遣することも出来ます。
学びは、大切です。たくさん学んで自閉症の事をもっともっと理解して欲しい。学ぶ中から、彼らの支援は始まるのではないでしょうか?
十人十色、百人百色の自閉症の人たちへの対応は、前に担当した子は、こうだったなんていう事だけで乗り切れるものではありません。一人ひとり違う人たちです。彼らに合わせた支援を私たちが考えていかなければなりません。
それには、知識が必要です。勉強あるのみです。
少し・・いいえ、だいぶ老化した私の脳みそは、もうキャパが少なく知識を留めてはおけません。
若い人たちに、しっかり学んでいただいて、自閉症の支援をよろしくお願いします。
カフェスプリングカムカムでの月に一度の企画展は、5月の西崎亮さんの書画展が、好評のうちに終わりました。
西崎さんの筆使いは、時に大胆に時に繊細に、筆も色々なものを使っていらっしゃるからでしょうとても素敵な書です。それに添えられたお母さんの詩がとても素晴らしいものでした。お母さんの詩のファンが、できるほどでしたよ。また次々書いていかれるのをこれからも見ていきたいと思う私でした。
さて、6月は、伊丹宏太郎さんのイラスト展です。
伊丹さんの作品はアートリンクという企画や海外の展覧会にて紹介されたりして、有名です。
皆さん、6月の企画展にも、ぜひいらしてください。お待ちいたしております。
最後に、グループホームの話をひとつしましょう。
5月20日は、今年一番の暑い日でした。そんな暑い中で、バーベキューをすることになるなんで思ってもいませんでした。
なにしろ、暑くなる前に利用者の楽しめることをやりたい・・と考えたバーベキューの企画でした。
したがって、心配は五月雨が降って中止になること、天気予報ばかり気にしていました。
ところがところが、当日は快晴、しかもかんかん照りのいいお天気で、こんな日は、涼しい室内にいてのんびりしたいというような日でした。
温度計もどんどん上がってきます。
それでも、暑くても決行です。多少の暑さは、最初から覚悟しました。予定変更は、ありません!
ところが、なにしろバーベキューです。暑いのなんのって・・・、炭火からの熱と、真夏を思わせる天からの太陽で炙られて、親たちはぐったりしました。
でも、でも、グループホームの入居者のみんなは、そんなこと平気みたいでしたね。
ぼりぼり肉を喰らい、おむすびをむしゃぶり、飲み物をごくごく・・・。お肉を焼くのが追いつかないくらいよく食べてくれました。お肉焼くのは、普段調理とは縁のないI父と鳥羽父が担当して、たくさんたくさん暑い中焼いてくれました。
ご苦労様でしたね。
ご近所の方もお招きして、一緒にバーベキューを楽しみました。バーベキューと言えばビールでしょう。でも、私たちのバーベキューは、麦茶です。利用者は、お酒を飲む人がいませんから親たちが飲むわけにもいきません。
おわりに、Iさんのピアノと、Nさんのギターそして、世話人の田口さんのウクレレを加えて演奏会をしました。
この日の為に、3人は、練習を頑張ってきました。
夕食後のひと時、カフェで演奏の成果を合わせる3人を支援員の梶原さんが、声掛けしてくださって、少しずつ上手になっていきました。
皆に褒められて、これからもレパートリーを増やしたいと頑張ることでしょう。
皆で、「ビリーブ」と「大きな古時計」を演奏に合わせて歌いました。
暑かったけれど、何年かたったら、いい思い出だったということになるのでしょうね。
次回には、ターフを頑張って買いましょうね。日影があれば、よかった初めてのバーベキューでした。
グループホームでは、月に一度、入居者の彼らの為に、色々な企画を親たちが担当して行うことになりました。5月は、バーベキュー。6月は、室内でのカラオケ大会。7月には、食べ放題の店へみんなで繰り出す予定です。
彼らの楽しめることを、いろいろ考えて行いたいと思っています。
入居者の中には楽しめる趣味をいっぱい持っている人、あまり持っていない人、様々です。趣味をそんなに持っていない人にも、楽しい予定をたくさん入れてあげたいと思うのです。
彼らは、イベントが大好きです。年に6回ある自分たちのお誕生日を楽しみにしています。大人になっても、ケーキが食べられる日は、嬉しいのです。
グループホームも開設して一年が経ちます。落ち着いて取り組みを増やしていく時期でもあると思います。すべては、生活している彼らの為に、彼らの笑顔を見たいから・・・、
こんな風にお母さんもお父さんもがんばるのです。
皆さんもうすぐ本格的な夏が、やってきます・・・っていうか、もう来てるかな?
暑さに負けずに乗り切ってくださいね。頑張る人には、きっといいことがあると信じて、暑さにも、周りの無理解にも、そして、自分自身のくじけそうになる心にも負けるな!と檄を飛ばして、頑張ろう!!幸せな明日を信じて、生きていきましょう。
では、また来月の会報でお会いいたしましょう。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)
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自閉症啓発セミナーの報告
平成29年5月24日(水) 岡山ふれあいセンター 第2〜4研修室にて、『第91回(平成29年度 第1回) 育てる会総会記念 自閉症啓発セミナー」を理学療法士の藤井直基先生をお招きして、「自閉症児の身体の育ちを考える 〜発達障害、ずれた歯車の戻し方〜」と題して開催いたしました。
日は、用意した90席は早々と満席となり、立見でもいいですから、ぜひにと言う方もいて120名までは受けたのですが、さすがに会場の安全上それ以上の方はお断りさせていただきました。
せっかくの貴重なお話しでしたが、参加いただけなかったみなさまには、改めてお詫びいたします。
それでは参加したスタッフより報告と、いただいたアンケートの一部を紹介させていただきます。
先日、5月24日(水)に開催された育てる会総会:記念講演会 理学療法士 藤井直基先生による「身体の育ちを考える 〜ずれた歯車の戻し方〜」に参加してきました。
これまでのアンケートで「平日の昼間の講演会もしてほしい」というニーズにこたえての開催でした。
園や学校にお子さんが通っている保護者の方が参加しやすかったようで、会場は超満員!熱気に包まれていました。
藤井先生は、自閉スペクトラム症や発達障害の専門家ではなく、あくまでも「理学療法士」として、日々子どもたちの身体の育ちについて、保護者と一緒に考えてこられた中で感じてこらえたことのお話しでした。理論に裏打ちされたお話しの数々・具体的な取り組みのアイディアに、会場からは、納得と共感と驚きの頷きと、熱心にメモをする姿が多く見られました。
人間は教え込まれることなく、自然に「座る」「立つ」「歩く」などを獲得していきます。
赤ちゃんの発達を見てみると、身体の中(胴体)から外(手足)へ、上(頭側)から下(足)へと発達していきます。
その育ちの過程の中で、まだ発達していないのに、外を使うことをしてしまい、遠くが器用になった結果として歯車のずれが生まれることがあるそうです。
人は、自然と疲れないように、楽に身体を動かそうとするものだそうです。でも、歯車がずれた状態でのそれは、逆に本来の身体の使い方と違うしんどい不自然な動きなので、楽な、正しい動かし方を身体に覚えさせることで、解消される問題も多いとお話しされました。
また、「近位の固定なくして、遠位のコントロールはできない」というお話しでは、鉛筆で字を書いたり、お箸を使ったり、紐を結んだりというような指先の苦手さがあるお子さんに対しては、指先へのアプローチだけでなく、そのもっと身体の中心部分に近い部分(肘・肩)の動かし方にも課題があるケースも多いため、そこの筋肉や身体の動かし方にも取り組む必要があると言われました。
そして、「現象には原因があり、その原因を解明しないと進まない」というお話しでは、根性論で「頑張って!」「ちゃんと○○してごらん!」では、子ども自身がどうしたらいいか分かりづらく、またどのようにしたらうまくできるかが分からないからできていないのだから、そのような励ましや言葉がけでは、状況は変わりづらいということ。また、「やらせる」「この課題をさせる」ということではなく、「やらざるを得ない状況を、楽しい活動の中で設定する」ことが大切で、できたことを本人も楽しめるようなスモールステップでの設定をし、保護者にフィードバックして、家庭でも簡単に取り組めて、すぐに効果が出るものを宿題として出していくことが必要とお話しされました。
そして、実際に具体的な事例を通して、どのような取り組みを普段しておられるかもたくさんご紹介いただきました。
私事ですが、うちの息子(小1・ASD)は、去年から藤井先生の勤務されているクリニックでお世話になっています。
以前はしゃがもうとすると後ろに倒れてしまい、少し歩いただけで「疲れた」「しんどい」「足が痛い」と言い、色々なところにもたれたがり、常にゴロゴロ。ジャンプをするとドシンドシン、鉄棒や跳び箱や雲梯やマット運動はほぼ全滅、バランスボール(ピーナッツ型)を両足で挟むこともできず、ボール投げは相手の方に飛ぶことは奇跡的・キャッチは全くできず、変な走り方で、何もないところでしょっちゅうこけたりぶつかったり…。
本人も運動や体操面の自信はなく、「ぼくは何でこんなに下手なんだろう」としょげてしまうことが多かったです。
他のクリニックでは、「骨や筋肉に異常はありません」「精神的に満たされていなくて不安感から痛みを訴えたりするのでは?」と言われていました。
「自閉スペクトラム症や発達障害は、運動機能に苦手さがある人も多いというし・・・。これも障害特性の一つで、治らないんだろうな」と諦めかけていたころに、藤井先生との出会いがありました。
藤井先生のクリニックで、理学療法士の先生たちに熱心に見ていただき、アドバイスを受けながら家庭で色々取り組んだ結果、今では驚くほどの成長が見られました。
ピーナッツボールに寝そべったり、しゃがんだまま前に進んだりバックができたり、サッカードリブルや大きめのボールでのキャッチボールを楽しんだり、鉄棒やマット運動や跳び箱や大縄跳びなども、チャレンジしてできることが増えてきました。
そして、今は毎朝3キロ以上の道のりを、歩いて学校に通うことができるようになっています。
効果は絶大!でした。また、クリニックで先生に見るポイントを教えていただけたおかげで、本人がどこでつまずきがちなのかが分かり、本人自身がすごく自信を持つこともできています。私自身も、先生方からのアドバイスを聞いていることで、「膝をもう少し高くあげると早く走れるかも」「腕を振ってみると歩くのが楽になるよ」「キャッチボールをするときは、ボールを目で追いかける練習からしよう」など、本人に分かりやすくどこの歯車がずれていてできていないのかを説明できるようになりました。
ASDは運動面の苦手さを持つお子さんが多いです。どうしても無理なものも、もちろんあるかと思いますが、一つ一つ身体の動かし方を具体的に教えていき、楽しく練習をしていくことで、苦手意識や思い込みなどの部分を解消し、できるようになる可能性もあるのではないでしょうか。
藤井先生は「自閉症や発達障害の専門家ではないから」と何度もお話しされましたが、具体的で的確な指示の出し方・肯定的な話しかけ方・クリアできるスモールステップでの課題設定の仕方・保護者へのフィードバック・・・聞けば聞くほど、自閉症や発達障害と関わる人が気を付けている部分とリンクしているなと面白く聞いていました。
先生のような理解して教えてくれる理学療法士さんがたくさんになってくれると良いですね。
今回大勢の方と先生のお話しを聞くことができ、本当に良かったです。
2時間の講演会でしたが、具体的な身体のずれの確認の仕方や子どもの行動から見える課題、そしてそれらへの取り組みのアイディアなど、たくさんのことを教えてもらえた濃密な時間でした。
参加者からのアンケートでも、「2時間じゃ足りない!もっともっとお話しを聞いてみたい!」「バランスボールを早速買ってみたいです!」など、「今日から、今すぐやってみたい!」という熱意をたくさん感じることができました。
藤井先生、お忙しい中、本当に楽しい講演会をありがとうございました。
(スタッフ:M)
○ 体の筋肉の使い方などの話を聞くのは初めてだったので、とても新鮮でした。子どもがすぐごろっと横になったり、椅子に座ってガタガタするのは何でだろうと思いながら、筋肉に関係しているなんて考えてもいませんでした。これから生活の中で筋肉を鍛える練習を少しずつでも取り入れていこうと思いました。 (保護者)
○ 自閉症児の身体のサインについて初心者にも分かりやすく教えていただき、またアプローチについても知ることができて良かったです。
まずは背もたれのない椅子に座らせて、バランスボールも購入して、少ししたら体操もやっていきたいと思います。特別なことは必要ないという点を教えてもらい、役立ちました。 (保護者)
○ 根拠を状況、要因、改善の流れで具体的に伝えて下さったことで分かりやすかったです。
リハビリの見学やリハビリ評価の書類で学んだ情報とリンクして点と点が繋がることも多くありました。同時に子どもへのアプローチ方法や保護者への伝え方も、支援者として共通すると感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。 (児童発達支援員)
○ とても詳しい説明で分かりやすかったです。お尻をきたえる、というのは目からウロコでした。座っておくことが筋トレと言われたので、これからは座れたこと、座っておけたことを評価してほめてみたいと思いました。 (福祉事業所職員)
○ 時間の制限もあったと思いますが、理論から実践までまとめてお聞きできて勉強になりました。ありがとうございました。岡山でこういった活動をされている先生がいらっしゃることにとても心強く感じました。 (医師)
○ 大人の自閉症や知的障害を持っている方と関わっています。子どもに比べると改善スピード等、違いはあるとは思いますが、今日学んだ事を持ち帰り継続していけるようにしたいと思いました。ありがとうございました。 (福祉事業所職員)
○ 常に発達障害の不器用さは感じており、指先を使う練習などをしていましたが、違う原因だということがわかり早速職員会議で伝えたいと思いました。 (保育士)
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平成29年度支援者対象 即実践講座 始まりました!!
【 第2回 即実践講座 】
日 時:平成29年6月26日(月) 19:00〜20:55
場 所:岡山国際交流センター 国際会議場(岡山市北区奉還町2-2-1)
(施設に駐車場はないので近隣のパーキングか 公共交通機関をご利用下さい)
テーマ:「評価から支援へ」
講 師:中山 清司 先生(NPO法人 自閉症eサービス 代表)
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2017sokujissen.pdf
今年は、会場を岡山国際交流センターの国際会議場に変更したため、まだ席に余裕があります(2階席もあります)。
途中参加もOKですので(それまでの講義はBDでお送りします)、お誘いあっての参加をお待ちしています。
(第1回 即実践講座の様子です)
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平成29年度 育てる会総会 報告
平成29年度の育てる会総会の報告です。
平成29年5月24日(水)、岡山ふれあいセンター 第4研修室(岡山市中区桑野715-2)にて、平成29年度 特定非営利活動法人岡山県自閉症児を育てる会の通常総会が開催されました。
全ての議案は、提案通り可決・承認されました。
正会員の方には、承認された総会資料を同封していますので、ご確認ください。
みなさま、ご協力、ありがとうございました。
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はやぶさの会(新)の ご案内
皆さん、はやぶさの会に早速のお申込みありがとうございます!
この会を立ち上げたきっかけを聞かれたので、今月は少し書いてみます。
息子(小1・ASD・支援学級在籍)が「友達がほしい」と言いだしたのは、年中の頃でした。
園で一緒に遊ぶ子はいたので「○くんや△ちゃんは友達でしょう?」と聞くと、「○くんや△ちゃんは、遊ぶこともあるけど、毎日は遊んではくれない。時々『今日はダメ』とか言ってきたり、『今日はその遊びだったらしたくない』とか言ってくるから友達じゃない」「いつだって僕と、僕の好きな遊びで遊んでくれる人がほしい」と言うのです。
他人には自分とは違う感情があること自体は分かっていたのですが、その理解とは別で「自分の思い通りに動いてくれる人がほしい」と希望するのは、ASDあるあるかもしれませんね。
そして年長の頃。色々なことが周囲より幼い息子は、同じ年長さんがはまっているようなカルタ遊び・神経衰弱・大縄跳び・サッカーやドッジボールに参加しづらく、なかなか一緒に遊ぶことができなくなっていました。
少し小さい年齢の子たちと戦隊ものごっこをしたりままごとをしたりする姿からは、ほんの少し諦めてしまったようにも見え、母として切ない気持ちでした。
そして、小1になった現在。本人に「友達ってどういう存在だと思う?」と聞いてみました。すると、「名前をお互いにちゃんと覚えて、顔を見て挨拶ができること。一緒に楽しいと思えることができること。もし喧嘩をしたり嫌なことがあっても、ちゃんと謝って仲直りができること。これが大切よ」と言うのです。
私、素敵だなって思うんです。楽しいことを共有するだけでなく、ぶつかりあうこともありながら、それでも喧嘩別れせずに仲直りができる。思い通りになる存在じゃなく、お互いに個性があって、折り合いをつけあいながら認め合う。
そんな友達に出会えることってなかなかないかもしれません。でも、もしたった一人でも、親や兄弟以外にそんな存在がいてくれたら、子ども達の人生はどんなに幸せなことでしょう。
はやぶさの会で見つかるかどうかは分かりません。でも、練習の場にはきっとなります。大人が見守りながら、応援したりアドバイスしたりしながら、一緒に考えてみませんか?お母さん同士の仲間作りの場にもなったら素敵ですね。
お子さんが参加できるかな?どんな場所かな?と心配な方。今回は、お母さんだけの参加もOKです。ご連絡お待ちしています。
日 時 平成29年6月18日(日)11:00〜13:00ぐらい
場 所 岡山市内 ファミリーレストラン
内 容 親子で一緒に食事をしながら、隣の席の他の親子とも気軽にお話ししましょう。
好きなもの・興味のあるものを持ってきて、お話しするのも良いですね。
対 象 自閉スペクトラム症のお子さんと親御さん
参加費 無料(食事代はご家族でお願いします)
締 切 6月9日(金)までに育てる会事務局へ (正会員限定)
(担当:松田 紗代)
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18歳の春を目指すクラブ お知らせ
18歳で花咲く春を迎えたいと願って、活動しています。
『 18歳の春を目指すクラブA 職場見学会 』
“大人になって 働く”とは、実際にはどんな感じなのか、自閉症を持つ人たちが 働いている職場を見ていただいて、イメージを持ってもらいたいと企画しました
日 時:平成29年6月30日(金) 10:00〜12:00(予定)
場 所:NTNテクニカルサービス 夢工房岡山(備前市畠田500-1)
(鳥羽哲平さんや、ほっぷ1のMさんの働いている職場です)(正会員限定)
詳しいことは正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください。
『 18歳の春を目指すクラブB 支援ツール勉強会 』
先日、5月26日(金)山陽総合福祉センターにて、香川大学武蔵博文先生をお招きして18歳の春を目指すクラブ「支援ツール勉強会」を開催しました。
山陽新聞でも「支援ツール勉強会」を紹介していただきました。
当日は会員・一般合わせて30名を超す参加者が集い、支援ツールとは何なのか、何のために作り活用していくのかというお話を、具体的なエピソードや実際に支援ツールを活用しているお子さんの動画を見たりしながら、たっぷりと伺いました。
「支援ツール」と聞くと、少し難しそうと感じられる方もおられるかもしれませんが、「子どもたちの生活を楽にしてくれる便利なもの」「今できていることを、もう少し自立的に一人でできるように」という視点で考えてみると、毎日の暮らしの中で、お母さん自身も生活が子育てが楽になるかも!?
皆、最初は初心者です。一緒に色々考えながら作ってみましょう。
参加者の方からは、色々な感想が寄せられました。一部紹介します。
「支援ツールを作ったら、何でもできるようになる、という訳ではないこと」「できないことは頑張ってもすぐにはできるようにはならない。子どものできることを伸ばすために使おう」ということが分かりました。できたことは報告してもらい、認めて、褒めるところまですることが大切なのだと分かりました。 (小1母)
これまでできないことに注目して支援ツールを作っていましたが、できること・得意なことにも注目して作っていきたいです。
評価も褒めるだけだったので、チャレンジ日記はとても良いと思いました。自分で振り返ってどれぐらいできたかよく分かると思うので。他にも色々実際の支援ツールも見れてとても参考になりました。 (小5母)
「できたら『じゃあ次はこれ』『その次はこれ』と、親がどんどん求めて増やしていくことは、本人の自信につながらないんだよ」と先生がおっしゃった言葉にハッとしました。立ち止まって、できているけど、まだ本人が一人で完全にはできていないと思うところを、もっときっちりできるようにしてやりたいと思いました。 (小4母)
しっかりと定着するまでが支援なのだなぁと改めて感じました。支援ツールは必要な時に必要なだけ使って良いこと。支援ツールを使ってやったことでも、自分でやったということに変わりはないんだということを聞けて安心できました。 (小4母)
何でもすれば良い訳ではない、ということを学べました。何でもとにかく作ってやっているところでしたが、報告させることや何よりも褒めることが足りていないなと感じました。ビデオを見せていただけたことが、ものすごく分かりやすかったです。「うちの子一番アンケートシート」を使い、理解や必要なことを整理したいです。 (年中・2歳母)
人それぞれ必要な支援ツールは違うんだ、ということが分かっていたようで分かっていなかったような気がします。これから自分の子に合った支援ツールを探して、楽しみながら生活がスムーズに送れるようになったらいいなと思います。 (5歳母)
支援ツールを使うことで子どものできるところを伸ばすことができるようになるということに興味を持ちました。また今までできないことばかりに目が向いて、落ち込んでいましたが、これからは少しでもできることを探してあげたいと思いました。自分の子に合った支援ツールをどのように作ったらいいのか、これからしっかり学んでいきたいです。 (小2母)
終了後は、有志のメンバーで武蔵先生と一緒にグループホームのカフェでランチを取りながら、色々な質問を聞いていただき、保護者同士で体験談を話す時間も持つことができ、充実した時間でした。
武蔵先生、ありがとうございました。
次回6月9日(金)は、実際の支援ツールを触ってみたり、説明をうかがったりしながら、実際に家庭でも活用できるものを一つ作るワークを行う予定です。楽しみですね!
2回目からの参加も可能です!皆さん、ぜひお申込みください。
【 第2回 支援ツール勉強会 】
日 時 平成29年6月9日(金)10:00〜12:00
場 所 山陽総合福祉センター(前回と同じ会場)
参加費 正会員無料 ・ 一般500円(全10回申し込みの方は3500円)
持参物 お子さんの好き・憧れているキャラクターや動物・人物・物の写真
例:仮面ライダー・野球選手・新幹線・学校の先生・お菓子など何でもOK(※第3回までにご準備ください)
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キッズルームのお知らせ
キッズルームでは、岡山大学児童文化部のお兄さん、お姉さんが子ども一人ひとりについて一緒に遊んでくれます。
体育館の中なので気兼ねなく走り回れますよ。
兄弟児も参加できますし、小さいお子さんでも参加しやすいイベントなので、ご家族で楽しめると思います。
おもちゃで遊んだり、リトミックやスカイバルーンなど、内容も盛りだくさんです。
多くの方のご参加をお待ちしています。
日 時:平成29年6月25日(日)13時〜15時
場 所:岡山大学 清水記念体育館
持ち物 :うわぐつ、お茶、汗を拭くタオルなど
申込締切:6月14日(水)(正会員限定)
質問等ありましたら、育てる会事務局(086−955−6758)まで。
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AAO活動のお知らせ
今年度もAAO活動を続けたいと思っております。
AAO活動説明会の日取りが近づいてきました。活動の詳しい内容については先月号の記事をご覧下さい。
AAO活動に参加してくださるご家族、ボランティアさんを募集していますので、ご興味のある方はぜひご一報ください。
お待ちしています。
◆AAO活動説明会◆
日 時:平成29年6月21日(水) 14:00〜15:00(予定)
場 所:きらめきプラザ 2F 受付カウンターの奥側にある交流スペース(岡山市北区南方2‐13‐1)
申 込:6月16日(金)までに、育てる会事務局(Tel.086‐955‐6758)へ(正会員限定)
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OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今回は、『あたし研究K いじめって何?』の項目を読みました。
通常学級で過ごすASDのお子さんは何らかの形でいじめに遭った経験があるかもしれません。
小道モコさんは「無視された」ことをいじめとは思わず、「何か、私には分からない法則や、イベントのひとつで『話しかけられても誰も答えてくれない』というルールがいつの間にか成立していて、私だけがその成り立ちをわかっていないだけだ、と思われていたそうです。つまり相手が嫌がらせでしていると意図や悪意に気づけない場合もあるということです。
今回、利守先生から『いじめに立ち向かうワークブック』を紹介していただき、子どもにいじめられた時の対処法などについて教えていただきました。
参加者からの感想を紹介します。
○ 今回の本読みのテーマ「いじめ」について利守先生に教えていただきました。
まずは、いじめとはどのような事かを子どもに教えていくこと。わが子は「痛い思いをした」「嫌な事を言われた、された」はいじめと理解していますが、「無視」はいじめのカテゴリーに入っていないと思います。いじめとはどういうものかを、しっかりと教えていかないといけないと感じました。
あと、いじめを報告すること。「いじめをされる方は悪くなく、する方が悪い。いじめをする人は心のとても弱い人。いじめを報告することは、いじめっこを助ける事(人助け)にもなるから報告は大切な事だ」ということをしっかり伝えようと思います。報告できる環境づくりも大切だと教えていただきました。
わが子は、なかなか「やめて。」と言えません。いじめにあった時どのように対処するのか(具体的なセリフなど)を日頃から練習していこうと思います。利守先生、ありがとうございました。
○ OHAの会に初めて参加させてもらいました。
「いじめって何」というテーマでしたが上の子が小学校に入学したばかりのところなので、まだまだこれからだと思っていましたが、問題が出てくる前に事前に準備しておくことが大切だということが分かりました。
まだ本人がいじめの定義(どんなものがいじめになるのか)もよく分かっていないので調子のよい時に一緒に確認してみようと思います。
また先輩お母さんの話がとても心強かったです。なかなか笑顔で学校に行くことが難しいですが、皆さんの経験や担任の先生との関わり方、一緒に協力しながらやっていくコツなど、とても参考になりました。もうすぐ先生との話の場が持てそうなのでやってみようと思います。ありがとうございました。
≪ 次回のOHAの会 ≫
日 時:平成29年6月20日(火)9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂
参加費:1000円
申込みは事務局まで。(正会員限定)
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『自閉症 才能きらり展』 の お知らせ
カフェ スプリングカムカムとグループホーム ほっぷ 1をギャラリーにした「自閉症 才能きらり展」が開かれています。
4月は安東毅さんのさをり織り展、5月は西崎亮さんの書画展を開催いたしました。
6月は第3弾として、岡山市在住の伊丹宏太郎さんのイラストなどを中心としたアート展を6月5日(月)より開催予定です。
ランチタイム 平日 11:00〜14:00ですので、グループホームの見学も兼ねて、ぜひ多くのみなさまのお越しをお待ちしています。
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水泳教室のお知らせ
日 時:平成29年6月18日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、1回 1000円です。
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は6月15日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
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サッカークラブのお知らせ
日時:平成29年6月11日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで(正会員限定)
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お母さんコラム
先月から不定期で書かせていただいているお母さんコラム。
小1・ASDの息子を持つ母が肩の力を抜いて書いています。
我が家の息子は、1歳代で診断が出たという割と特性の濃いタイプです。
多動や注意のそれやすさもありました(今でもあります^^;)が、それ以上に「こう!」と決めたことに対してかなり頑固で、こだわりも強く、またプライドも高く、できないことを見られたくない・教えられるのも嫌!というかたくなさがあり、大変な日々でした。
そんな彼が、今では「まあいいか」「そういうこともあるよね」と納得できることが増えてきています。
先日、「どうやったらそういう気持ちが育つの?」とママ友に聞かれて考えてみたのですが・・・。
我が家でやっていることは、ずばり、「完璧な母親を演じない」ことです。
私が「ダメな私」を隠さないようになったんです。
私は主婦としても妻としても母としても、かなり適当です。
ご飯を作るのも苦手だし、片付けや掃除は「せーの!」と勢いつけないとしづらいし、忘れん坊でうっかり屋で、怒りっぽいし泣き虫です。
以前は、そういう自分が情けないなーとかダメだなーとか思って落ち込んでいたり、息子のことでうまく対応できない自分を責めたりしていました。周りのお母さんたちが立派なので、余計に落ち込んでいました。
でも、できないものはできないんです。
努力したらできることもあるけど、苦手なものは苦手なんです。
苦手なりに頑張っているのは、偉い!って褒めてほしい。
失敗したってうっかりしたって死ぬ訳じゃないんだし。
笑ったり泣いたりしたって誰に迷惑かけるでもなし。
これが私。
そんな風に思うように変わって、そしてそれをハッキリ息子の前でも口にするようにしたんです。
大人だって、ママだって、苦手なこともあるし、失敗することもある。
知らないことだってあるのが当然、当たり前。
しんどかったり余裕がなかったら、イライラしちゃうし泣いちゃうこともある。
言いすぎたり怒りすぎたりしちゃったら教えて。ごめん!ってすぐ謝るね。
苦手なことがあるなら、それをどうやって工夫したり人に助けてもらったらいいんだよ。
ほらほら、ママは忘れないようにレンタルDVDはここに置いているんだ。分かりやすいでしょ?
そんな風に開き直って息子に伝えるようになったら、不思議と息子自身も「そうよな」「できないことは、手伝ってもらってもいいよね」「ママの工夫、いいね!僕も真似してみる」そんな風に言ってくれるようになりました。周りを頼れるようになって、少し余力が出てきたからか、やれるようになりたい!と思うことは挑戦しようとするチャレンジ精神も伸びてきたように感じます。
「できない」「知らない」「分からない」ことは恥ずかしいことではない。
それを隠してごまかしてやり過ごして生きていく方が、あとから大変になる。
「手伝って」「教えて」「助けて」もらって生きていく方が、人生楽ちんだとは思いませんか?(^^)
頑張って踏ん張っていた時より、楽ちんでマイペースにいる方が、私がにこにこしていられるし、旦那も子ども達ものびのびしている気がします。ママは家の中の太陽でいなきゃ!!なんてね。笑
(cyacya)
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| ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (1歳台〜年少児)
日中は初夏を思わせるような日が続きますね。お子さんたちも私たちスタッフも、汗だくになって遊んでいる今日この頃です(^^)
さて、ぐんぐんぴっぴでは、遊びを通して、人とのやりとり力を伸ばすことを目標としています。 ・・・といっても、ぴっぴに通って来られるお子さんたちは1〜4歳とまだ小さいので、やりとりのはじめの一歩でもある、「人と関わるといいことがある」、「人と関わると楽しいことがある」と感じる経験を、まずはたくさん積んでほしいと思っています。
さらにそのはじめの一歩として、「人を意識する」「人に注目する」ことを大切にしています。「楽しそうなことをやっているな〜」とお子さんたちが思わず注目するような関わり方ができるように、私たちは心がけています。
お子さんに注目してもらうこと。これがケッコウ難しい!
Aくんはまわる物が大好きです。
数ヶ月前のこと、車のおもちゃのタイヤを手でまわして眺めていました。私は、車を走らせて遊ぶ楽しみも知ってほしい、一緒に走らせて遊びたいな〜と思い、彼の前で車を走らせてみました。ですが、気に留めてくれません。「ブッブー いってきまーす」「ぶ〜〜ん」などと声を出して気を引こうとしましたがあっさり振られました・・・。まあ、こんなことはよくあることなので気にしません!
Aくんにとって魅力的な「まわるタイヤ」が目の前にあるのです。今の私ではそれにかなう訳がありません笑
そこで、私も一緒になって、タイヤをまわしてみました。「くるくる〜 くるくる〜」
すると、さっきまで自分が持っている車のタイヤだけ見ていたAくんが、私が持っている車と、私を見て、同じように「くるくる〜 くるくる〜」と言いながらタイヤをまわしました。はじめて私を「意識」してくれました。ほかの遊びの場面でも、Aくんが楽しんでいることをまねしてみたり、Aくんがしていることにフィットするような言葉掛けをしたり、お母さんに教えてもらった好きな歌を歌ったりしました。
今では、Aくんからいろんな人に向かって「まわってる」と声をかけて、かざぐるまなどのおもちゃをみせてくれるようになりました。まだまだはじめの一歩を歩み出したところですが、彼の成長の追い風になれるように、日々どんな遊びをしようか思案しています。
大人はついつい、このおもちゃではこう遊んでほしい、こう遊ぶべきだと、よかれと思って押しつけてしまいがちです。でも、お子さんにとって楽しい遊び方はそうとは限らないので、まずはお子さんの世界に入って一緒に楽しむ方が、お互い楽しいです!
一緒に楽しむ経験を重ねて、「この人楽しいことするかも」とお子さんの期待がふくらむと、こちらへ「注目する力」や「意識する力」がぐんぐん伸びていくことでしょう!私たち大人も楽しみながら、お子さんと一緒に関わっていきたいと思います♪
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ
赤磐ぐんぐん (年中・年長児)
5月になり、朝と夜はまだ肌寒いですが、昼間は暑いですね。今年の夏も、暑くなりそうですね。
ぐんぐんで、最近増えた遊びのおもちゃを紹介します。
家に人形や家具などをおいて遊ぶ『シルバニアファミリー』。
うさぎにピアノを弾かせたり着せ替えたりして、遊んでいます。男の子にも女の子にも人気なおもちゃなので、貸し借りの練習にもなっています。
ミニカーとパーツをつなげて道をつくる、『くねっとロード』。
『くねっとロード』は、坂道にもできます。道をつくるのが難しいお子さんがいて、援助要求の練習にもなっています。
プラスチックの魚の形の中に紙を入れてつくる、『たい焼き作り』。
あんこの色紙やクリームの色紙を入れたりして、「どれ欲しい?」と、たい焼き屋さんが始まるクラスもありました。
5月13日14日と岡山で、PECSのワークショップがあり、受講してきました。そこで「強化子が大きいほど学習が行われるとお話しされていて、子ども一人一人の好きなことものを見つけていくことの大切さを、改めて実感しました。強力な強化子を見つけていくために、日々アセスメントしていきます。6月も、暑さに負けず頑張ります。
赤磐ぐんぐん療育スタッフ
ぐんぐんキッズ (小1〜)
ゴールデンウィーク中に、ぐんぐんキッズの入口の所の工事が行われました。
子どもたちが休みの間に合わせて工事をしてくださった大工さんのおかげで、ゴールデンウィーク明けには新しい入口で子どもたちを迎えることができました。はじめて新しくなった入口を見た子どもたちの反応も様々でした。
ぐんぐんキッズの入口は、今までは靴箱スペースしかなかったのですが、新しく、流し台が設置されました。
この流し台で、手洗いうがいを済ませてから部屋に入ります。
今までと違う流れが追加されたので、はじめのうちは、保護者の方に子どもたちの様子の見守りをお願いしています。
新しい流れを作ることになるので、子どもたちにも何をしたらいいかがわかるように、入室前にやることの部分スケジュールを提示したり、手洗いやうがいの手順書も提示しています。
お子さんに一人一人に合わせた個別な対応まではまだできていませんが、お子さんの様子も様々です。手洗いは、学校でもする機会が多いのでしょう、何も言われなくても、何も見なくても、一連の動きをスムーズに行えているお子さんもいます。
うがいは、手洗いに比べると、できていないお子さんが多いようです。ブクブクうがい、なかなか難しいですよね。
手洗い、うがいという行動でも、お子さんそれぞれで課題になる部分は違います。
水の量の調整が難しい子、泡を付けるとずっと洗い続けて声掛けをされないと泡を流せない子、うがいをするときにコップに水の量を適量注ぐことが難しい子、ひとりひとり目標にするポイントは違います。
保護者の方の関わり方も様々です。子どもたちが行動をしようとする前に声掛けをしている方。声掛けでできているお子さんは、ぜひ次の機会では声掛けを少なくしてみてください。必要な声掛けと不必要な声掛けに気が付くこともとても大切です。
子どもが行動をしてしまった後に、子どもの行動を止める声掛けをしている方。否定的な声掛けは子どもが何をしたらいいかが分からなくなってしまいます。ついつい否定的な声掛けが多くなってしまう方は、子どもたちが行動する前に、どうすればいいか具体的な声掛けをしてみてお子さんの様子を見てください。お子さんはいつもと違う様子を見せてくれると思います。
貼ってある手順書を指さして、子どもに手順書への注目を促している方もいらっしゃいます。
保護者の方も自閉症の勉強をされていて、視覚的な手がかりが有効だということを知っているので、手順書を見るように促している方はたくさんいらっしゃるようです。
ただ、手順書が個別に対応したものになっていないでの、せっかく手順書に注目を促しても子どもがそれをみても理解ができず正しい行動ができずに困っている様子も見受けられます。
準備不足で申し訳ないのですが、ぐんぐんキッズで準備している手順書に注目を促してみたけどよくわかっていないようで、、、と気が付かれている方はぜひスタッフに声を掛けてください。
どこがお子さんに分かりにくいかを一緒に考えることができたら、家での視覚支援の導入にも役立つのではないかと思っています。学びのチャンスです♪
もうひとつ、気になるポイントとして、手順書に注目を向けることを促している方の中に、同時に声掛けをしている方がいます。これでは、子どもがどちらの指示で正しい行動ができたのかがわかりません。
「あっ!同時に指示を出していたかも!?」と思い当たる方は、次回は、どちらかの指示だけを出してお子さんの様子を見ていただけたらと思います。子どもが何で理解しているかに気が付けると、それは新しい行動を教える時の手立てになりますよね。これもまた学びのチャンスです♪
新しくなったぐんぐんキッズの入口スペースは、流し台が設置されただけでなく、スペースも広くなっています。このスペースを使って、靴洗いや洗濯物干しなどの新しい活動もできるのではないかと考えています。新しくなったスペースを有効活用し、子どもたちと一緒に活動していきたいです。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ
☆支援センターNEWS☆
さわやかな緑の山々、葉を茂らせる木々に元気をもらう季節です。
あかいわ発達障害支援センターの窓の外には燕たちが巣作りの場所を求めてやってきます。
本格的な暑さに向けて、日焼け対策、熱中症対策をしっかりしたいですね。
さて6月は運動会、海事研修、修学旅行、参観日など様々な学校行事の声が聞こえてきます。それぞれの行事を子どもたちが楽しめるように、保護者と学校、本人が一緒になって準備をして行きましょうね。うまくいった方は何が良かったのか、しんどかった方は何が工夫できるのかをしっかり記録に残して、来年度や次の行事につなげていきましょう!
就学相談の案内をもらって、「支援クラスや、通級指導教室の仕組みについて知りたい」、「放課後の過ごし方を考えたい」といった声も聞かれます。
1年前に自分で荷物を持つことから練習し、歩ける距離を少しずつ伸ばしてきたお子さんは今1年生。長い道のりを歩いて登校することができていると聞きます。丁寧に練習することが実を結んだのですね。早くから準備する大切さ、困難を予想し予防に努める支援の有効性を実感します。
支援センターに寄せられる相談の中には学校や園にもっと支援してほしい、何かが足りないと思っている方が多いように感じます。
具体的にこうして欲しいと伝えることができていますか?
私ならこうするというアイデアを持っていますか?
子どもたちに実際の支援を届けるためには、伝え上手にならなければと思うことがよくあります。
もちろん誰かにお願いしなければならないこともありますが、まずは、自分に何ができるのかということから考えていきたいですね。
育てる会では会員以外の方も参加できる「支援ツール教室」が開催されています。
ご家庭での支援をした方がよいのは分かっているけど、どこから始めていいかわからない方、ちょっとやってみたけどうまくいかなくてそのままになっている方、チャンスですよ!
「支援ツール教室」を上手にご利用くださいね。
支援センターでは、今年も支援者向けの夜間講座を企画しています。
第1回 7月14日(金) (仮)保育実践からわかる子どもの発達について
小合幾子先生(中国短大・川崎医療短大非常勤講師)のお話し
第2回 8月24日(木) 伝わる見せ方の工夫
第3回 9月21日(木) 伝わる言葉かけの工夫
第4回 10月19日(木) 保護者とのかかわり方
時間 18:30〜20:00
場所 中央公民館 視聴覚室
より良い支援を届けるためのヒントを現場に持ち帰っていただきたい。そんな思いで内容を練っているところです。支援者の皆様の声もお聞かせいただければありがたいと思っています。4回シリーズですが、ご都合のつく回だけ参加していただいても大丈夫です。どうぞお誘い合わせてご参加ください。
あかいわ発達障害支援センター 相談員:政田 亮子
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新聞記事のご紹介
読売新聞で、これまでの育てる会の20年の歩みを紹介していただきました。
会員募集や電話相談の案内も載せていただいています。
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以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
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