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平成29年12月31日
第236号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
236号 目次
年の瀬の岡山
即実践講座のお知らせ
支援ツール勉強会・『自閉症 才能きらり展』 の報告とお知らせ
クリスマス会・キッズルーム・OHAの会・CARE研修会 の報告とお知らせ
はやぶさの会・水泳教室・サッカークラブ の報告とお知らせ
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「思いを育てる、自立を助ける」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
グループホーム寄付 御礼
朝日の差し込むのが、一年中で最も遅い12月。
冷たい朝には、空気が凍えて田や畑の上に霧を作りだします。
得も言われぬ幻想的な風景に、思わず見入る今日この頃。
年の瀬を迎えた岡山の赤磐です。
皆さん、お元気ですか?
私は、何とか元気にやっております。
実は昨日から、運動もしないのに体のあちこちが痛く、どうしてなんだろうと、思っておりました。痛くなるようなことをした記憶がないのです。
判らないまま、昨日やり残していた庭の片づけをやり始めて、やっと気が付きました。庭掃除で木の下に入ったり、狭いところでしゃがんだりしたせいらしいのです。ほんのちょっとの庭仕事が、こんなに堪えるなんて・・ああ、運動不足だなぁ〜と思った次第です。
年末で大掃除を頑張っている方もいらっしゃることでしょう。皆さん無理なさらないでくださいね。どうぞ、お大事に。
今回の会報に、2月の吉田友子先生の講演会のチラシを入れています。赤磐市在住の方から申し込みが相次いでいますので、他市の方は、急いで申し込みをされないと、満席になってしまうかもしれません。
できれば、急いで申し込みをいただいた方がいいと思います。
何しろ、いつの講演会のアンケートでも、お聴きしたい先生、人気NO1の吉田友子先生のお話です。吉田先生ファンの皆さんはもちろん、初めて自閉症の講演会を聴く人にも、とても分かり易い心のこもったお話を聞いていただけると思います。
人は、最初に聞く話が、一番心に残るといいます。どんな思想も、どんな宗教も、どんな運動も、初めて接したものに大きな影響を受けると、私は思っています。
私が初めて接した自閉症のお話は、TEACCHでした。だから、いまだにTEACCHにこだわって、支援を組み立てているのです。
途中、色んな療法に出会いながら、いつも帰ってくるのはTEACCHでした。
自閉症について初めて聞く話が吉田友子先生のお話しの方は、幸せです。これほど自閉症の子どもたちのことを愛して、思いをもってお話ししてくださる先生のお話を最初に聞いていただけることを、うらやましく感じます。
どうぞ、大勢の方が、来てくださいますように、お友達をお誘いください。お待ち申しております。
さて私事ですが、12月は、二つの講演会をうっかり引き受けてしまい、ちょっぴり後悔の日々でした。
とにかく日々の仕事が忙しい。それに加えての講演会でしたので、大変でした。
何しろ毎日バタバタと、あちこち飛び歩いていますが、何をしているんだか、仕事ははかどりません。
やらねばならない仕事をリストにして、並べてはいるのですが、ちっともお仕事終わらず、困ったことです。
講演会の一つは、日生中学校での講演会でした。
保護者の方と教員の方にお話しさせていただきました。久しぶりの日生の海に「ほっ」としながら、息子の小さいころの話や、育てる会について、お話しさせていただきました。皆さんどう思われたのでしょうか?
私のように、周りの理解も何にもない、がむしゃらな時代と今は、ちがうよな〜、と思いつつ、お話しできるのは、昔の話です。特別支援教育が始まり、発達障害者支援法があり、障害者差別解消法のある時代です。
療育も選べるくらいたくさんの事業所がある今の皆さんには、古い母親の話で、申し訳なかったかしら・・・なんて思います。
もう一つは、岡山市自立支援協議会の主催で岡山フォーラムに哲平と赤磐市職員Kさんと共に参加させていただきました。
内容としては、合理的配慮についてのお話しでした。
Kさんが、赤磐市の絵カード推進事業についてのお話しをしてくださいました。赤磐市の取り組みは、他市にはないものなので、紹介できてよかったです。
子供たちが絵カードを使って、買い物が出来たり、食事が出来たりする・・・そういう取り組みです。
お店の理解が不可欠の為、赤磐市発達障害支援センターと、赤磐市とが一緒になって取り組んでいる事業です。
ほっかほっか亭山陽下市店では、メニューを絵カードにして、お客さんを待ち受けていてくださいます。ありがたいことですね。
日本中で絵カードでお弁当が買えるようになればいいですね。こういう取り組みが日本中に広がっていくことが、私たちの願いです。
当日の哲平は、かっこよくスーツを着て、壇上に上がりました。
自己紹介だけでほとんど壇上にはいなかったのですが、ご機嫌で謝金を受け取って、こんなことなら何回でも出たいと思ったことでしょう。
バタバタしている母に比べて、哲平は、日々の暮らしを着実に、丁寧に暮らしているようです。
スケジュールに沿って、色んな行事をこなして、毎日の暮らしも決められたとおりにこなしているようです。いつ行っても部屋はきれいに片付いていますので、掃除もきちんとしているようです。
グループホームの暮らしは、毎日が変化なく、急な変更も家ほどはありません。うるさいお母さんはいないので、きっと居心地もいいことでしょう。
ストレッチや筋トレも決めた通りやっているようです。整形外科で新しく追加された内容も次々やっているみたいで、まじめで律儀な哲平に感動します。
山陽新聞の12月12日朝刊の中にこんな記事を見つけました。
通常学級で支援の必要な児童が、小学校で12.4パーセント、中学校で8.2パーセントというのです。
岡山県内の学校での調査です。発達障害の子どもたちへの支援の大切さが、必要性が、具体的に表れた数字と考えることが出来るのではないでしょうか?
個別支援計画の100パーセント達成を目指すと書いてありますが、いまさら、なんじゃそれという気になりました。個別支援計画もなしに支援が語られていることへ驚いております。
発達障害の子供たちが増えているように思う・・と言っても具体的にどれくらい増えているのかという、根拠をもって言える数字ではなかったので、今回通常教室に5人くらいいる、なんていう数字が出ると、それなら支援も考えなきゃねと、学校側が本気で考えるようになるきっかけになってほしいと願います。
その学校の先生をはじめ、支援者のための夜間連続講座、来年度の即実践講座の講師の先生が決まりました。
川崎医療福祉大学の諏訪利明先生です。先生は、長年、海老名市立わかば学園などで自閉症の子どもたちの支援をしてこられて、5年前から倉敷で教鞭をとられています。
実践に基づいた支援を教えていらっしゃる先生です。
学校の先生は、もちろん幼稚園、保育園、児童発達支援事業所のスタッフの方にとっても、基礎的なことからお話し始めていただけるので、初めて丁寧な学びがしたい方にもおすすめです。ぜひおいでください。
第1回目は、平成30年5月6日(日)岡山ふれあいセンター 大ホールです。
この講座は、第96回育てる会自閉症啓発セミナーとも兼ねておりますので、より分かりやすい内容と思います。来年こそ自閉症スペクトラム障害を知りたい、学びたいという方向けの、講座であり講演会ですので、ご期待ください。
さて皆さん、事務局へ来られた方は、きっと驚かれると思いますが、駐車場が、広くなります。ただいま工事中です。1月には、完成してしっかり広くなりますので、よろしくです。
今まで手狭で、理事会や勉強会などで集まると、狭くて駐車が出来ない人も出てくる状態でしたが、今回は、敷地面積が2倍くらいになります。
地主さんが、「皆さんの役に立つ事業をされているので、思い切ってお譲りします」と言ってくださいました。ありがたい申し出に、感謝しながら使わせていただくことになりました。
という訳で、皆さん、これからは広い駐車場で、安心して車を止めて下さい。
それと駐車場拡張に伴い、以前の駐車スペースを子供たちの運動場にしようと考えております。赤磐ぐんぐんやキッズの子どもたちの体を使った遊びのスペースにしたいと考えています。
鬼ごっこや縄跳び、シャボン玉、夏場はプールだって可能です。
夢が大きく膨らんで、もうワクワクです。乞うご期待!!
ところで最近古本屋さんで「暮らしの手帖日記」松浦弥太郎著という本を見つけて、読んでいます。
松浦編集長の書かれたこの本は、素敵な心温まるエピソードが多く、毎日一つずつの項目をゆっくり楽しみながら読ませていただいています。
この本から、私は日々の暮らしの元気をいただいています。
おにぎりの作り方という文章が、なんだかほのぼのして、しかも、人生をどう生きるかにも?がっているように思えて、皆さんにご紹介したいと思いました。
こんなお話しです。
おいしいおにぎりの作り方を教えるからね、と母は言った。そしておいしいおにぎりを作れれば一生困ることはないから、しっかり覚えること。
料理は方法ではなく、いかに心を込めるかが大事なの、と僕の両手をもって、腰を下ろして、自分の目と僕の目を同じ高さにして言った。
料理は絶対ふざけたらだめとも言った。
母は炊き上がったばかりの熱々のご飯を一度お茶わんにとって、それを自分の手の平に移して握るようにと言った。
ごはんは指のところに置いて、指を曲げた手の隙間で、やさしく握ること。早くやろうとしないこと。
その時も、おいしくなりますように、おいしくなりますように、と言いなさいと言った。
僕はあつあつのごはんをお茶わんから手の指の下に移し、身体全体を上下させ、おいしくなりますように、おいしくなりますように、と繰り返し言って、おにぎりを握った。
さらに母は、好きな人の顔を思い浮かべながら握りなさいと言った。
僕は身体を上下させながら、好きな人?と思い、その時にすぐ浮かんだ顔を思いながら握った。
丸くできたら塩を手の平に少し置いて、まんべんなく行き渡るようにまた、おいしくなりますように、おいしくなりますようにと身体を上下させた。最初はうまく握れなかったが、コツを覚えて、ごはんを下に落とすことなくうまくできるようになった。おにぎり作りは楽しくて仕方がなかった。
おにぎりは、次から次へとできあがり、お皿に置かれていった。母も横に立って、いくつも作った。
仕上げにのりを巻いた。
おにぎりを握っているとき、誰のことを思い浮かべたの?と母は訊いた。
僕は照れながら、これはおかあさん、これはおとうさん、これはおねえさん、これはジョン(犬)、これはタロー(犬)と。ひとつひとつを指差し言った。
母も、これはあなた、これはおとうさん、これはお姉さん、これはジョン、これはタロー、と同じように言った。
母は、ハイ、これはあなたを思って握ったのよ、と言って一つを僕に手渡し、おかあさんにもひとつ頂戴と言った。
僕と母はおにぎりをとりかえっこして、いただきますと言ってから、ひとつほおばった。
おいしい、と僕と母は、ほぼ同時に声を上げた。うん、おいしい。おいしくなりますようにって何回も言ったからね、と僕は言った。
母は、ありがとうね、と微笑んで何回もうなずいた。僕もおかあさん、ありがとうと言った。
これが料理なの、忘れないで、と母は言った。そしておいしいおにぎりさえ作れれば、何があっても生きていけるの。
他の料理は出来なくてもいいから、おにぎりの作り方だけは、忘れないこと。仕事も勉強もこれの応用よ、わかった?と母は言った。
暮らしや仕事を考えるとき、僕は必ず、このときに母と一緒に作ったおにぎりを思い出す。
おにぎりの作り方は単なる方法ではなく、楽しさや、やさしさや、愛しさであり、暮らしや仕事への心構えのすべてを表しているのではないかと思っている。
掃除にしても、料理にしても、どんなに小さな仕事にしても、大きな仕事にしても、すべてこのように心を込めて、楽しく、やさしく、人と分かち合い、ありがとう、という感謝の気持ちが支えになっている。
おいしいおにぎりが作れるならば、それを基本にして、どんな仕事も上手にできるはず、今でも僕は、母が言ったこの言葉を心に刻み、日々暮らしながら仕事をしている。
今、世の中には苦難の人がたくさんいる。
人の手で作られたおにぎりが、人を喜ばせている姿を見て、僕は自分の暮らしや働き方を問いたださなければならない気持ちになった。
おいしいおにぎりを作るために、たるんだ心と体を鍛え直したい。
今日、母とのあの時を思い出し、小学5年生の娘とおにぎりを作ろうと思った。
支援ツール勉強会でおにぎりの作り方のツールを作ったこともあり、興味深く読みました。
「おいしくなりますように、おいしくなりますように」と言いながら作ること、そして、好きな人のことを、考えながら作るということ、なんて素敵な教えでしょう。
お母さんの存在の大切さ、子どもを心を込めて育てるということを、学びました。
それが仕事や人生の生き方にも通じていくことを、松浦さんは、心に刻んで生きてこられたのでしょうね。素敵な方だと思いました。
私は、こんな風に会報の原稿を書かせていただいて、みんなに自分の想いを、聞いていただけることを、幸せに思います。つくづく楽しいな〜って思えます。
私は、年を取ったせいか、なんでもいろんなことが、ありがたいと思うようになってきています。
こんな風に言うと、人間出来ているみたいにみられるのは、もちろん違います。いまだにけんかっ早い性格は治りませんし、年を取ったせいで、抑制が効きづらくなっていることもあります。
ですから、決して達観しているような立派な人ではないので、そのつもりで聞いてくださいね。
でも、折に触れ、自分が、いい場所に置いていただいていることを感じます。
いいスタッフいい会員のみなさん、に恵まれ、フォローをしてもらいながら、育てる会の代表をさせていただいています。
ボケボケ頭ですが、皆さんのおかげで、会の運営も出来ています。
「ありがたい、ありがたい」と思わず口に出てきます。こんな幸せな私です。
皆さん、今年はいい年でした。来年もいい年でありますように、どうぞよろしくお願いいたします。
では、皆々様、よいお年をお迎えください。
(鳥羽 美千子)
平成29年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座
【 第8回 即実践講座 】
日 時:平成30年1月15日(月) 19:00〜20:55
注意!! 当初の予定と日程が変更になっています!
テーマ:「ライフスキルトレーニング」
場 所:岡山国際交流センター 国際会議場(岡山市北区奉還町2-2-1)
講 師:中山 清司 先生(NPO法人 自閉症eサービス 代表)
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2017sokujissen.pdf
【第9回 即実践講座 】
日 時:平成30年2月5日(月) 19:00〜20:55
テーマ:「高機能自閉症支援」
場 所:オルガホール(岡山市北区奉還町1-7-7 コープP&S 地下1F)
注意!! いつもの会場とは違う会場です!
支援ツール勉強会の報告とお知らせ
先日、12月8日(金)山陽総合福祉センターにて、香川大学武蔵博文先生をお招きして18歳の春を目指すクラブ「支援ツール勉強会」の第7回を開催しました。
今回も先輩お母さんの支援ツール紹介から始まりました。
小学生の頃に使っていた歯磨きの手順書を紹介してもらいました。家でも学校でも同じものを使っていたそうです。学校ではわが子だけでなく他の子どもたちにも分かりやすくて好評だったようです。
「文字で示すと分かる子なので、するべきことを文字で書いて示すことが多かった。今でも必要なことはメモのように書いて持たせている」と言われていました。
また兄弟児への配慮や支援ツールは認知症のおじいさんなど誰にでも有効であるという話もしてくださりとても参考になりました。
その後、ナンバーぞうきんの作成に入りました。
ナンバーぞうきんとは、ぞうきんに、拭いていく面の番号や絵などの印を書いていったものです。
子どもに拭かせたい場所に、ぞうきんに書いた番号や印を付けることで「ぞうきんのこの面でここを拭く」ということを分かりやすく示すことができます。
武蔵先生の説明を聞いたり、実物の見本を見せていただいた後、各自で「子どもにどこを拭かせるか」「子どもに分かりやすい印は何か」「ぞうきんにどのように印を書くか」を考えて、ナンバーぞうきんにマジックで書きこんでいきました。
出来上がるとグループに分かれて実際に子どもにやり方を教えるように、隣の人に教えて拭いていってもらいました。子どもに分かりやすく作れているか確認ができたり、他の人のアイデアを聞いて参考になったりしました。
持ち帰って早速子どもに使えるツールができて良かったです。
また、武蔵先生から冬休みの取り組みとしてチャレンジ日記の説明がありました。
子どもがチャレンジしたこと、頑張ったことを書き込み、親がご褒美のシールやハンコを押していきます。
書き込み欄がなくなるとファイルに綴じて、ためていきます。用紙がたまっていくと先生や家族から褒めてもらえたり、自分の頑張った成果が量として見ることができて、もっと頑張ろうという意欲につながっていきます。冬休みに取り組んでみての報告や感想などを、次回聞けるといいなと思います。
最後は、今作成中のツール作りを行いました。お母さん同士が顔見知りになってきて、和気あいあいとお喋りしながら楽しく作成することができました。
他の方のツールを見せていただき、ヒントをもらえるのも嬉しいですね。次回もツール作りは続きます。ぜひご参加ください。
感想を一部紹介します。
・支援ツールが高齢者や学校の他のお友達にも有効であること。口頭よりメモに書いて簡単にでも字で提示することが大切なんだと思いました。(小2母)
・兄弟にも同じようにツールを用意してあげるという話が参考になりました。(年長母)
・ナンバーぞうきん、想定するシュチュエーションがそれぞれ違って面白かった。となりの人に説明となると自分でも「ここはどうするの?」という疑問が浮かび、子どもの気持ちに近づけた。(年中母)
・ナンバーぞうきんを実際に作ってみることで、子どもがどう理解してくれるかな?と考えながら作ることができました。今まで家で掃除をするような場面がほとんどなかったので年末の大掃除を手伝ってもらおうと思います。他の方のアイデアも勉強になりました。(年長母)
・「ナンバーぞうきん」ひとつとっても、ふく場所やぞうきんの面の使いかたで、いろんなナンバーぞうきんが出来上がって面白いなと思いました。皆さんのアイデアが参考になりました。早速、食卓ふきに取り組みます。(小4母)
【第8回 支援ツール勉強会】
日 時 平成30年1月12日(金)10:00〜12:00
場 所 山陽総合福祉センター(前回と同じ建物)
内 容 サポートシートについての説明
まとめシートの作成(作成したツールについて用紙にまとめます)
支援ツールの作成
参加費 正会員無料 ・ 一般500円
持参物 支援ツールを作るための材料や道具
(例:厚紙・方眼紙・色紙・マジック・蛍光ペン・ポストイット・クリップ・カードリング・クリアファイル・セロテープ・両面テープ・マグネット・マジックテープ・カッター・はさみ・物差し・ホッチキス・穴あけ・デジカメなど。必要と思うもの色々)
★途中からの参加も大歓迎!お申込みは育てる会事務局(086-955-6758)へ★
正会員・一般で全10回分お申込みいただいた方は、欠席・遅刻・早退した回のDVDを事務局で見ていただくことが可能です(貸出はしていません)。
『自閉症 才能きらり展』のお知らせ
カフェ スプリングカムカムで開催しています「自閉症 才能きらり展」。
1月度は育てる会会員の貞國 敬史さんによる「さをり織り展」です。
才能きらり展では、第1回に津山の安東さんによるさをり織りの作品を展示させていただきましたが、同じような糸を使っていても、織る人の感性によってまた違った魅力に織り上がっていくのがさをりの良さだと思います。
特別支援学校を卒業してからも、コツコツと織りあげられた貞國さんの作品をどうぞご覧ください。
カフェ スプリング カムカム(Tel.086-954-4433)
ランチタイム 平日 11:00〜14:00(オーダーストップ 13:30)
クリスマス会の報告
12月17日(日)に岡山大学の児童文化部さんに招待していただき、クリスマス会を開催しました。
体育館の中は結構冷えていましたが、ボランティアさんの温かい出迎え、温かい声掛けがあり、心温まる楽しい会が出来ました。
最初に工作で「飛び出すクリスマスカード」を作りました。
それぞれ、思い思いに飾り付けをし、かわいいカードが出来上がりました。今回は、比較的簡単な工作だったこともあり、「時間内にできました!」という意見もありました。
集中するのにちょうど良い時間だったのかもしれませんね(^^)
その後は、学生さんによる紙芝居・ビンゴゲーム・ケーキを食べる・お菓子のプレゼントをもらう・写真を撮る、といった流れでした。
紙芝居の時は、真剣な顔で座って静かに見ている後姿、ビンゴの時は輝く笑顔とワクワクした声・ケーキの時は美味しくて幸せそうな顔、たくさんの嬉しい姿を見ることができたなと思います。
ボランティアの学生さん、ありがとうございました。参加してくださった会員の皆様、ありがとうございました。
参加者からの感想を紹介いたします。
○ いつも楽しみに参加させていただいています。
来る前はグズグズしていたので不安でしたが、大学生の皆さんの優しい声掛けや楽しそうな雰囲気で次第にいい顔になってきて、ほっとしました。
いい思い出が今年も一つ増えました。
○ はじめて参加させていただきました。体を動かすことが大好きなので、工作よりキッズハウスで遊びたい思いが強かったようです。
本人の遊びたい思いを受け止め上手に工作に誘ってくださいました。優しいお兄さん・お姉さんに囲まれて楽しく過ごせたようで、キラキラした笑顔でした。ここでなら、母の心も大らかでいられるので、親子でハッピーでした。ありがとうございました。
〇 昨年は走り回っていてほとんど何もできずに終わったのですが、今年は工作もしっかり作れて、ケーキも座って食べることができて、一年間の成長を感じることができました。
また、お兄さん・お姉さんがしっかりサポートしてくれて、安心して過ごすことができました。
○ いつもとても楽しみにしています。中でもボラさんとの会話はいつも楽しそうで、空き時間には、待ちグッズとして持参した折り紙で手裏剣を教えてもらったりしました。
ビンゴの時には興奮して、自分の出てほしい番号や気持ちを大声で発言する姿も見られましたが、「OK!OK」と、受け止めてくれ、楽しい気持ちマックス!で参加することができました。
寒い中、ありがとうございました。来年も楽しみにしています。
キッズルームのお知らせ
キッズルームでは、岡山大学児童文化部の学生さんが子どもたちと一緒に遊んでくださいます。
リトミックやスカイバルーン、人形劇などの楽しいプログラムがありますので、ぜひご参加くださいね。
日 時:2月18日(日)13時〜15時
場 所:岡山大学 第二体育館
詳細は、次号の会報でお知らせします。
質問等ありましたら、育てる会事務局(086−955−6758)まで。(正会員限定)
OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今回は、『あたし研究2』の「感情表現」と「文字と思考」の章を読みました。
小道さんが「疲れた」「頭が痛い」と感じても周りに分かるように表現することができないことや、作文を書くときに、書きたいことはあふれてくるのに書くスピードが追い付かず結局作文が苦手になってしまったエピソードが書かれていました。
私たちが自然にしていること一つ一つを、意識して行わないといけないしんどさがあって、大変だと思いました。
文章を書くことについては、パソコンで文字を書くようになって、思考と文字の表出のスピードが追い付き、文章化することが苦痛でなくなったそうです。子どもが苦手としていることの裏には、いろいろな原因が考えられるということを私たちが知っておく必要があると感じました。
そして、小道さんが気持ちを絵で表現したり、文字をパソコンで打つなど、自分にとってやりやすい方法を使われているように、こうやったらうまくいくという方法を、子どもと一緒に考えていけたらいいなと思いました。
参加者からの感想です。
○ わが子は人に援助要求をすることが苦手で、先生に相談させていただきました。分からない、困った時に「人に助けてもらえたら成功する」という体験をさせてきたのですが、なかなか変わらず、援助要求が出せずにいました。先生は本人が「なぜ、できないのか」本人の気持ち、思いを知ることが大事と教えてくださいました。本人の気持ちをまずは探ってみようと思います。そして、しっかり話を聞いてあげられたらと思います。利守先生、ありがとうございました。
≪ 次回のOHAの会 ≫
日 時:平成30年1月18日(木) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂
参加費:1000円 テキスト:あたし研究2
申込みは事務局(Tel.086-955-6758)まで。(正会員限定)
第3回 CARE研修会のお知らせ
毎回好評で、いつも定員オーバーとなり待機者がでているCAREの研修会、3回目です。
CAREはアメリカのシンシナティこども病院で開発された、子どもと大人の絆を深めて関係をより良いものにしようとする心理療育プログラムです。
赤磐ぐんぐんのCARE-Japan認定トレーナーの資格取得スタッフ3人による、正会員やぐんぐんに通所している保護者の方を対象(ご注意:支援者対象ではありません)にした楽しいワークショップです。
日 時:平成30年2月21日(水) 13:00〜16:30
場 所:山陽総合福祉センター
参加費:育てる会正会員 無料、
ぐんぐん(赤磐ぐんぐん、ぐんぐんぴっぴ、ぐんぐんキッズ)・一般保護者 1500円
定 員:16名
はやぶさの会の報告とお知らせ
自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
12月17日(日)、フェアレーンにて、初参加1人を含む年長〜小2の6人とお母さんが集まって、前回に引き続き、二回目のボーリング大会を行いました。
前回の反省を活かしてのボーリングだったので「やること分かっとるよ!」「ボーリング楽しみ!」と意欲的な発言も多く、和やかな雰囲気。初参加のお子さんも、事前に何があるか・・・どういう流れでするか、を聞いていたことで、落ち着いて参加することができました。
今回のお約束は
1.ボーリングのボールを持ってウロウロしない
2.「下手」「ダメ」など言わないようにしよう
3.「がんばれ」「じょうず」などを言おう
4.お母さんの言うことをよく聞こう でした。
「〇〇くん、上手じゃな!」「惜しい!」「次頑張ろう!」「残念だね」などポジティブで優しい声掛けが多く聞かれました。うまくいかなかったお子さんも、悔しい気持ちをお母さんに伝えられたり、もう一度投げる時には気持ちを持ち直したりすることができていて、成長を感じられました。
前回の反省で出た「余暇グッズを持ってきましょう」も皆さん協力してくださっていたおかげで、早く終わったお子さんたちも適切に待つことができていて素晴らしかったです。
2ゲームを終えて、「今回のお約束は守れましたか?」と1つずつ確認していくと、「ここは難しかった」「これはできたかも」と具体的に確認することでたくさん丸をもらうことができました。
「次回何がしたいかな?」と聞かれると、「サッカー!」「ファミコン!」「カラオケ!」「ドッチボール!」「野球!バッティングセンター!」「ごはん食べに行くとか」「ごはん作る!!」「サッカーサッカー!」「ファミコンファミコン!絶対ファミコン!」とたくさんの意見が出ました。
「何をするかはお母さんたちが決めるよ」と言うと、「えー」「楽しいやつにしてね」と言いながら皆笑顔で帰ることができました。
参加された方からの感想を一部紹介します。
○ ありがとうございました。まだわが子は、他の子どもの名前や顔が一致していないと思いますが、楽しかったようなので、親としても嬉しかったです。次回何をするかを気にしていたので、また参加したいようです。次回もよろしくお願いします。
○ 最近はカレンダーを見て、「はやぶさ」と書いてあると「今回何なん?」と、嬉しそうに聞いてきます。「はやぶさって何だったっけ?」の弟の発言に、すかさず兄「○○君とかと遊ぶやつじゃが!かき氷とかしたやつ!」「あれかー!」と二人で盛り上がっています。
前回のボーリングで待ち時間の過ごし方に課題が残りましたが、待ちグッズを持参し、待ちグッズを出して良い時間やしまうタイミングを約束していたので、待ち時間を上手に過ごすことができました。また、同じチームの友達が失敗してゲームを中断しなければならなくなり落ち込んだ時も、友達に声をかけることはなかったものの、「あ、そっか、お店の人を呼ぼう!」とすぐに気にかけ、状況を理解して待ってあげたことができたことが良かったなと感じました。まだ、友達を応援したり、友達のプレーに見入ることは出来ませんが、一緒に楽しい雰囲気の中に居られることができてよかったです。次回したいことの案もたくさん出て、何になるのか親子ともども楽しみです。
○ 楽しい時間を過ごさせてもらいました。ボーリングの途中でうまく投げられず、ガーターになってしまい、涙が出ました。話をしたら、持ち直して最後まで楽しむことができました。
息子が落ち込んだ時に、同じチームの子が「次の番だよ」と声をかけようと来てくれたのですが、泣いている姿を見て、そっとしておいてくれました。
「すごい!」と思ったと同時にすごく嬉しかったです。関わり合う中で、相手のことを思いやれたり、状況を見て自分がどうしたらいいのかなとちょっとずつ思えたらいいなと思います。
お母さん同士でもつながりあい、お話しあうことを大切にしているはやぶさの会です。お子さんだけでなく、お母さんでもお友達がほしい人、ぜひご参加ください(^^)
日時 平成30年2月12日(月・祝日)
内容 考え中(次回の会報でもう少し詳しい内容をお知らせします)
対象 自閉スペクトラム症のお子さんと親御さん
「お友達がほしい子」「ある程度は会話でやりとりができる子」
※兄弟での参加は、診断名や疑いがついているお子さんのみでお願いします。
参加費 基本的に実費
締切り 2月5日(月)までに育てる会事務局へ(正会員限定)
★事前に保護者同士の打ち合わせを、LINE・メールなどでしています。
(担当:M)
水泳教室のお知らせ
日 時:平成30年1月21日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、1回 1000円です。
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は1月18日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
サッカークラブのお知らせ
日時:平成30年1月14日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで(正会員限定)
お母さんコラム
小1・ASDの息子を持つ母が、普段の息子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
クリスマス、皆さんのおうちではどんな風に過ごされましたか?
我が家はツリーがないのですが、パパが段ボールを緑色に塗って切ってくれたものに、息子が飾りを色々つけて、大きなツリーを作りました。
「じゃーん!!」と見せてくれたのですが、速攻1歳の妹が嬉々として段ボールを剥がしにかかり、「だめだってばー!(>△<)」と大慌て。
妹には手加減しないといけないと分かっているので、周りでオロオロしながら、説得を試みる姿がかわいかったです。
クリスマスケーキは、市販のスポンジに毎年恒例の飾りつけをしてもらいました。
毎年やっているので、一年ごとに成長が見られていいなぁと感じます。美味しくいただきました。
クリスマスプレゼントは、最初は「パパやママや妹が、世界一幸せでありますようにってサンタさんにお願いする★」と言っていましたが、「本当に?おもちゃとかはいらないの?」と聞くと「やっぱりおもちゃもほしい!サンタさーん!今のはナシでお願いしますー!!」と叫んでいました。
結果、本人がサンタさんにリクエストしたのは、ポケモンのロトム図鑑DX。朝一番から大喜びで、ご飯を食べても歯磨きしていても勉強していても、頭から離れません。ちょっとした瞬間にも「あ!」「そうだ!」と思い出して、触ったり見たりしに行ってしまうので、色々なことが中断してしまいます。その都度「スケジュール見てごらん」「今何をする時間だった?」など声をかけますが、繰り返し繰り返し。
そこで、「見えているから気になるんでしょう?」と言って、本人の前で別室の箱の中に持っていき、片づけました。
「見えていなくても気にはなるけど、多少は良いんじゃないかなぁ」と思っていたのですが、効果てきめん!!見えなければ、全く気にならないといっても過言ではありません。本当にすごいなぁと感心します。
「視覚支援」というと、「見て分かるもの」を増やす(足す)ことの方が意識しやすいですが、実は見えなくするなどして隠す(減らす)ことも、とても有効だなぁと息子を見ていると気づかされます。
皆さんの家でも、「勉強中や食事中は、テレビを見ません」と書いて示したり、家でのルールを何度も確認させるより、いっそのこと勉強部屋のテレビは撤去してしまう・向きを変えてしまうなど、「見なくて済む環境設定」をする方がうまくいくかもしれませんよ(^^)
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (1歳台〜年少児)
ぴっぴでは何人かのお子さんと一緒に活動をする「グループ活動」を行っています。
その一つとして、「おやつパーティ」を開催しています。「おやつパーティ」は、先生や他児と一緒に、より自然な場面で、お子さんたちが関われる活動です。
この楽しい「おやつパーティ」には、コミュニケーションの力を育てる、人への意識を高める、様々な感情を知る、などの目的があります。
まずは大人の方から「見て。今日チョコ持ってきたんだ。」とモデルを示します。
「ねぇねぇ、みんなはどんなおやつ持ってきたの?見せて!」「Aちゃんは、グミだね〜。」と、順番におやつを見せて、相手のおやつにも注目する。
すると、『自分の持ってきたおやつをみんなに見せたい。』『あの子はどんなおやつを持ってきたんだろう?』とお友達に意識を向け始めます。
このようなやりとりを通じて、人への意識を高めていきます。
「先生のお菓子おいしー!みんなのは?」「私もおいしいよー。」「私のはゼリー。酸っぱーい!」とみんなの返事を聞くことで、様々な感情表現を知ることができます。
「先生の見て!この形、まんまる!」「私のは、まん丸のお月様!半分こにしたら、船みたい!」「Bくんのは顔みたい!」など、大人からモデルを示すことで、『今のおしゃべり楽しそう!』と、自分から先生に、そして子ども同士へと広がっていきます。
他児に話しかけることが苦手な子も、「こうやって伝えたらいいんだ」とモデルを見て、自分からコミュニケーションをとっていきます。
後ろにサポートの先生がいるので、困った時にも、ヒントを出してくれます。
すると『あ!そう言えばいいんだ。』と、気づくことができ、また、できたことが、自信にもつながります。
「ごちそうさま」も全員が食べ終わってからします。なので、食べ終わった子は、「待つ」ことを、食べ終わってない子は「待ってもらっている」という状況を意識するように声かけをします。
つい黙々と食べてしまいがちな、おやつタイム。ですが、他児と一緒に食べることで、楽しく学んでいくことができます。
また、ぴっぴでは保護者の方も様子をそばで見られているので、実際の場面を見ながら、様々な気づきが生まれます。
「注意喚起するのが苦手だな。家でも気をつけてみよう。」「子ども同士の間に座ると気が散りやすいな。席を端っこにしたらどうかしら?」など、次にお子さんが参加しやすくなるための方法を、保護者の方とスタッフで共有することができます。
なによりも、お子さんの成長を目の前で確認することができます。
緊張が強くて言葉が出にくいCちゃん。先生に「ちょうだい」の絵カードを差し出しました。「『ちょうだい』ね、何がいる?」と聞いてもらえたことで、緊張が和らぎ、そのあとは、カードを使わず「お茶ちょうだい」と伝えることができました。
どういった支援があると、子どもさんがその場に安心して参加できるのか、確認することができます。「おやつパーティ」がより楽しく、子どもさんたちにとって有意義な活動の場となるように、これからも工夫していきたいです。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ
赤磐ぐんぐん (年中・年長児)
2017年が終わりますね。
赤磐ぐんぐんでは、クラスごとにクリスマスパーティーを行いました。パーティーと言っても、ゲームをして、歌を歌って、自分で選んだチョコをプレゼントにもらう、というシンプルな物です。
「来週はクリスマスパーティーをするよ〜」などの予告はあえてしていません。でも、みんな最後まで座って楽しく参加できました。
どうしてうまくいったのでしょうか。たまたまうまくいっただけでしょうか?いいえ、それにはちゃんと理由があります。
@ スケジュールの、いつもの活動の中に組み込んだ
A いつも使っているシステムを使って見通しを伝えた
B こっそり個別練習をしておいた
C 個別にその子ができそうな指示を出した(嫌なら嫌、トークン)
D 楽しくてリラックスできる雰囲気を作った(良い行動を見つけてどんどん褒めた)
E 選択肢を本人がわかる方法で提示した。
などです。
@ スケジュールのいつもの活動の中に組み込んだ
ぐんぐんには「グループ活動」というスケジュールがあります。
お子さんに合わせて、同室メンバー同士で活動するためのスケジュールで、活動内容はゲームをしたり、季節の製作を一緒にしたりと様々です。
クリスマスパーティーはその「グループ活動」として行いました。今日のグループ活動は「クリスマスパーティー」です、という伝え方をしました。
A いつも使っているシステムを使って見通しを伝えた
ぐんぐんでは「みんなの会」といって、みんなで出席確認や絵本を見たり手遊びをしたりする活動を毎回行っています。
その際、会の流れを掲示しておき、終わるごとに「おわり」の箱に入れていくことで、今何が進んでいるのかを見てわかるように伝えています。
そのやり方をクリスマス会の内容に変えて伝えました。
変化が苦手なお子さんがいるクラスでは、@とAの合わせ技として、いつも通りの「みんなの会」のプログラム内にクリスマスソングを組み込んだりもしました。いつもの流れの中にクリスマス要素を入れ込んだのですが、自然に参加することができました。
B こっそり個別練習をしておいた
クリスマスパーティーのゲームは「旗あげゲーム」でした。
サンタクロースとトナカイのペープサートを「サンタ挙げて」「トナカイ挙げて」とクリスマスらしく遊びました。
旗揚げゲームをしたことがあるお子さんばかりではないので、必要なお子さんにはクリスマスパーティーの直前の1対1学習時に練習をしておきました。
パーティーの時にはだれも驚くことなく旗を受け取り、集団でのゲームがスムーズに行えました。
C 個別にその子が参加できるよう配慮した
パーティーには、クリスマスソングの「赤鼻のトナカイ」「あわてんぼうのサンタクロース」をCDをかけて歌う活動が含まれていました。
ぐんぐんで音楽を聞いた時に嫌そうな様子が見られていたお子さんがおられました。そのお子さんは、「いや」な時には「いや」のカードを使えるよう練習しているところなのですが、パーティーの前に、「いや」のカードがあることを再確認させてあげておきました。
音楽がかかり始めてしばらくしてそのお子さんが下を向いて我慢している様子が見られました。スタッフがすぐ「いや」を伝えらえるようサポートし、「いや」のカードを渡せたので、少し離れた所に避難することができました。
また別のお子さんは、普段からトークンを使って何か頑張る時にモチベーションをあげているのですが、今回も「最後まで座っていられたら」トークンがもらえる約束をしておいてパーティーに参加しました。
トークンの効果だけではなく@ABDもあったからか、楽しそうに参加でき、座っていることも自然にできていました。
パーティーの前から警戒して歌を歌いたくない、というお子さんには「聞いていたら〇」とその子の目標を伝えてあげると、安心したのか口ずさむ様子も見られました。
D 楽しくてリラックスできる雰囲気を作った
クリスマスパーティーをすることを通して、お子さんごとに目標は異なりますが、全員に共通している目的は「みんなで一緒にパーティーを楽しむこと」です。
なので、旗揚げゲームでは前のモデルのスタッフが「あら間違えちゃった」と笑って見せたりしながらリラックスムードを作っていきました。お子さんたちが間違えたり、ちょっとしたおふざけをしたりした時はスルーし、少しでもできていること、良い行動を見つけたらどんどん褒めてあげることで、緊張感をなくすことができました。
E 選択肢を本人がわかる方法で提示した。
現在ぐんぐんに来てくれているお子さんたちの認知レベルはそれぞれ違います。
6種類のチョコの実物から2種類のチョコを選ぶお子さん、大きめのおやつを2種類の実物から選ぶお子さん、メニュー表からと空欄二つを示しておいて、選んだものを空欄に貼るお子さん、口頭指示で何個選ぶのかを聞き取るお子さん、たくさんの中から選択が難しそうなお子さんにはお母さんから好きなものを教えてもらい絞り込んだ中から選んでもらったり、みんなそれぞれ、自分がわかる方法で選択してもらいました。
(お母さんに選んでもらったものをクリスマスプレゼントとしてお渡ししたお子さんもいます。)
お子さんに合わせて、みんなでおやつを食べる時に順番待ちに選んでもらったり、帰りに玄関で靴を履いてから選ぶようにしたりとタイミングにも気を付けました。
お子さんたちの楽しみ方はそれぞれでしたが、みんなサンタ帽をかぶってかわいく変身し、ゲームや歌で、クリスマスを楽しんでくれていました。
何か特別なことをしたい時にだけ見通しを伝えたり、新しいシステムを教えたりすることでは臨機応変さや柔軟性は培われません。
常日頃から一人一人が本人の今のレベルで「これならわかる」「できる」という手段をいくつか持っていることで、「いつもと違うこと」に対応でき、慣れないことや初めてのことでも楽しめるのだと思います。
自閉症の特性として、変化が苦手、いつもと同じを好む、というのがありますが、それはイマジネーションの苦手からくる部分でもあります。
「安心できる見通しや使いなれたツールがあれば、楽しいことをしてみたい」という気持ちも持っていると思います。
緊急時にだけ何か支援しようとするのではなく、平常時から備えておく、、、防災の心得みたいですが、今回クリスマスパーティーのイベントをみんなが楽しめた姿を見て、平常時からの備えが、「いつもとは違う楽しいこと」に繋がるのだな、と実感しました。
赤磐ぐんぐんスタッフより
ぐんぐんキッズ (小1〜)
寒い日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
12月のぐんぐんキッズでは、年末ということで年賀状作りに取り組みました。
子どもさんによっては、年賀状の意味の説明を聞いてもらいました。「年」は新しい年のこと、「賀」はお祝いする・慶ぶこと、「状」は手紙・ハガキのこと、と漢字の意味を説明しました。
年賀状作りは、手順書を見て必要な道具を別室に取りに行きながら、イラストやマスキングテープを貼って作るという流れでした。
子どもさんによっては、手順書を見て、その場にセッティングされた道具を使って作りました。
この活動の主な目的は、自分に合った手順書を見て、それに従って自立的に作業することです。ぐんぐんキッズではしばしば手順書を使って作業してもらうことがあります。それは手順書を見る力を養うことで、自分の経験や思い込みで作業をすることがなくなり、書いてあることに注目すればうまくいく成功体験を積むことができるからです。
年賀状作りを通して印象に残ったことをいくつかお話します。
1つ目は、子どもさんによってはイラストを貼る位置が決まっていなくて自由に貼るようになっていると、どこに貼るのか困ってしまうことがありました。
スタッフが作った見本を見せてあげると、それを参考に自分で貼ることができていました。この子にはもう少しレイアウトに困らないように、どこに何を貼るのかが書いてある手順書にするべきだったと思いました。
2つ目は、子どもたちがどうするか困った時に自分から手順書を確認しにいく姿が見られたことです。自分にとって必要な情報が書かれているというのが分かってきたのかなと成長を感じることができました。
だからこそ、本人が理解しやすい手順書を作っていく必要があるとスタッフ一同感じました。
また、12月には「たこやき(風)作り」ということでクッキングをしました。
中身がタコではなく、ウインナーやちくわが入ったたこやきなので「たこやき(風)」という名前にしました。
具材を切るときは、どうのくらいの大きさに切ればいいのかが分かりやすいように、シートを用意して、そのシートの線に沿って切ってもらうようにしました。
子どもさんによってはシートがなくても適切な大きさに切ることができていました。
たこやきの生地を混ぜるのは、「粉のツブがなくなるまで」とビフォーアフターを写真で載せて、それを見てどうくらい混ぜるのかを示しました。
それでは分かりにくい子どもさんには「タイマーがなるまでまぜる」というようにしました。
たこやきをひっくり返すのは、ほとんどの人が初めてのようで、どうやってひっくり返せばいいのか動画を見てもらってから実践しました。
最初は「難しい」という声があがっていましたが、コツをつかんで自分でできるようになった子も多くいました。なにより楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。
最後になりますが、これからもぐんぐんキッズをよろしくお願いいたします。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ★
グループホーム寄付 御礼
いつも温かいご寄付、ありがとうございます。
【 ご寄附をいただいたみなさま 】
○ 鳥羽代表(赤磐市)
平成29年12月25日現在 寄付金合計 27,528,564円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。