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平成30年2月28日

 

 第238号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 238号 目次

     春よ来い、早く来い〜♪

     自閉症啓発セミナーの報告

     即実践講座のお知らせ

     『自閉症 才能きらり展』・支援ツール勉強会 の報告とお知らせ

     キッズルーム・CARE研修会・OHAの会 の報告とお知らせ

     はやぶさの会・水泳教室・サッカークラブ のお知らせ

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
          「マンガでわかる 発達障害の僕が羽ばたけた理由

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 

     支援センターNEWS

     新聞記事の紹介

     グループホーム寄付 御礼

寒さがこたえた2月がやっと終わりました。今年の寒さは尋常ではなかった気がしました。
インフルエンザも猛威を振るい、A型、B型の両方が流行った厳しい冬でした。
やっとやっと、待ちに待った春が、すぐそこまで来ています。春よ来い、早く来い〜♪
寒さのぶり返しがないとは言えませんが、すぐそこまで来た春の息吹を身近に感じられてうれしい毎日です。

去る2月17日、赤磐市中央公民館大集会室において、吉田友子先生の講演会を行うことが出来ました。『「その子らしさ」を活かす子育て』と題する講演会は、250人の会場を埋め尽くして、立見席まで出るほどの大盛況でした。
参加された皆さんは、自閉スペクトラム症についてどのようなことを、感じてくださったのでしょうか?セミナー報告に詳しく載せていますのでご覧ください。
当日は、息子哲平の働いている様子も映像で紹介してくださって、私は大いに嬉しく、誇らしく感じました。
先生を空港へお迎えに行って、お食事を共にしたり、色んなお話もさせていただきました。
短い時間でしたが、先生と一緒にいると何とも言えない暖かな気持ちになります。先生は、触れ合った人、周りを優しく変えていく力をお持ちのように思えるのです。
先生は、市職員と育てるスタッフを合わせると、約300人の講演会に参加した人たちを優しく変えて、帰って行かれました。
講演会には、200人を超える赤磐市の地域住民の方たちが参加してくださいました。赤磐が変わっていく、優しく変わっていく・・・そんな予感を感じる講演会でした。
この講演会は、赤磐市との共同主催で「赤磐市 子ども障害者相談支援センター 特別講演会」として行いました。その為、赤磐市在住・在勤の皆様には、無料でご参加いただくことが出来ました。いつもは、遠くで行われる講演会に行きたくても参加できなかったと言われる皆さんに、無料で吉田先生のお話を聴いていただけたことを、嬉しく思います。赤磐市の関係者の皆さんに感謝です。
先生は、自閉スペクトラム(AS)と自閉スペクトラム症(ASD)の腦のタイプについての詳しいお話をしてくださいました。自閉スペクトラムを障害という捉え方ではなく、腦のタイプの違いという視点でお話くださる吉田先生のお話は、いつもいつも暖かくて、私は涙が出そうになります。私は、自分もASの脳のタイプだな〜と思いました。そして、息子哲平は、ASDだな〜と改めて実感しました。
「症」がついているのといないのとでは、どんな違いがあるのかというと、先生のレジュメからの抜粋ですが、「(診断名は)明確な困難があり、支援を必要としている場合につけられる、いわば、サービスの入場券である」と書いてあります。
「医療や福祉が必要なくなれば、診断名はなくなる。脳タイプは、変わらなくても、診断名はつかなくなる。」と言われました。一度ついた診断名にこだわる必要はないと思えた私でした。
例えば、乳幼児期には脳のタイプはASで診断名がASDとついていても、療育機関に通って、学齢期には落ち着いて過ごし医療や福祉が必要がなくなったとしたら、その子は、ASだけれど、ASDとしての診断名はつかなくなるということですね。腦のタイプは一生変わらないとしても、三つ組みはあっても、生きづらさに繋がらなくなくなるということですね。解りやすいと思いました。
お母さんたちは、診断名がつくと一生この子は、障害者という烙印を押されたという風に感じ、障害を認めたくないという方がいらっしゃいますが、支援を受けることで二次障害がでなければ、その子の人生にとって大きな収穫ではないでしょうか?
支援をするのは、人生を豊かに幸せに生きていってほしいからに他ならないと思います。親は、子どもの人生の伴走者です。決して邪魔をしてはいけません。子どもの人生は子どものものですものね。
障害と個性にいてのお話も、分かり易くお話ししてくださいました。
コミュニケーションの質と量についてのお話も詳しく後ろのページで報告があります。
読んでくださいね。
講演会に行かれた人も行かれなかった人も、先生のお話をもっと詳しく知りたい方は、先生のご著書『「その子らしさ」生かす子育て』(中央法規)を読んでいただけると、よく知ることが出来ます。たくさんの本を読んできた我が夫の一番のおすすめ本ですので確かです。よい本は、図書館で借りるのではなく買ってください。自分の本ならいつでも開けます。線を引いたりマークしたりできます。皆さんに買ってほしいと思い、事務局にもたくさん仕入れております。

さて、次の講演会は、川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生のお話です。
諏訪先生には、以前2回講演をしていただきました。その頃はお勤めだった神奈川からお迎えしてお話を伺いました。
ありがたいことに、岡山に引っ越してくださいましたので、来年度は、諏訪先生に即実践講座の講師もお願いすることになりました。
今回は、その連続講座の第1回目を兼ねて、公開講座として行います
毎年好評をいただいている育てる会の即実践講座です。
諏訪先生のお勤めの川崎医療福祉大学TEACCH部は、ノースカロライナ大学と提携をしている日本で唯一のTEACCHに特化した大学です。その川崎医療福祉大学TEACCH部トップの諏訪先生から、本物のTEACCHを一年間学べる講座です。
皆さん多くの仲間を誘ってご参加ください。一緒に学ぶことで職場が、学校が変わります。TEACCHプログラムは、ABAやPECSと並んで、最も効果が実証されている自閉症のプログラムだと言われています。どんどん新しく進化していく自閉症の支援を、この岡山に取り入れていこうではありませんか。この講座は、残念ながら、保護者の方はご参加いただけません。支援者の皆様の為の講座です。多くの皆様の参加をお待ちいたしています。

さて、3月の「自閉症才能きらり展」は、またまた息子哲平の作品展です。
昨年4月から一年間いろんな方の作品展をやってきましたが、私の知り合いの自閉症の方の作品の種が尽きかけたということでもあります。
今度は哲平のタイル画や油絵の作品展をすることにしました。
アートリンク(若手の芸術家と障害者がペアを組んで、お互いの感性を生かして作品を共同制作する活動)でご一緒した佐藤朋子さんとのコラボレーション作品です。
つまり二人での合作です。芸術家と障害のある人とのコラボは、お互いが触発しあって作品を作り上げていきます。哲平18歳の時の作品です。見に来てください。
今回は事務局の新職員の延原さんが、展示を手伝ってくれました。延原さんは、学芸員の資格を持っている人です。どんな展示内容になっているか、またどんな作品か、見に来てくださいね。
グループホームの見学が、月に一組くらいは、今でも続いています。先日は、親の会の方と、職員の方合わせて6人の見学でした。
育てる会として、見学を受け入れていくのは、自分たちもいろんなところを見学させていただいたから、その恩返しということもありますが、主には、多くの皆さんに、グループホームの利点や作り方をお伝えしたいと思うからです。
グループホームを育てる会で作りました。はじめは、実現できるだろうかと不安でした。でも、ないものは、自分たちの手で作ってきた育てる会です。子供たちも親から離れる時期が、過ぎつつありました。何とかしなければと思いつつ、色んなところの見学に行かせてもらいました。
はじめに大切なことがありました。世話人さんの確保です。
私は、世話人さんは、グループホームの要だと思っています。お世話をしてくださるグループホームの要の方は、簡単には見つからないと思っていました。
「そろそろ世話人さんを探さなきゃならないね」と話をした3日後に、当時事務局スタッフだったTさんが、「社会的に意味のある仕事がやりたいと夫が言っています。育てる会に夫の仕事はないでしょうか?ないですよね」って言われたのでした。
「あります、あります!」何という偶然でしょう。これが神様のお導きでなくて何でしょう。すごいな〜って思いました。
そうやって決まった世話人さんでした。グループホームの建設への勢いが一気に加速しました。それから、約一年後には、グループホーム「ほっぷ1」が完成していました。
グループホームに入居した息子哲平がいなくなって、私たち夫婦は、はじめは寂しかったけれど、今はこの暮らしが普通の人たちの暮らしなんだと気づきます。
障害のある子どもがいる暮らしは、その子のことがいつも一番なんです。
いつもその子中心に暮らしがあるようなものです。
自分たちの暮らしは、二の次、三の次になる。
それはそれで楽しいのですが、友人との会食や、コンサート、忘年会も自由にはいけません。
夫婦の予定を確認しながら、どちらかは家に残らなければなりません。一人で家に置いておくことが出来ない人ですから・・。
今は、二人で食事にいったり、お酒を飲みにも行きました。夫婦の暮らしとはこんなものなんだと、実感しています。
週末には、帰ってくる息子を楽しみに待っている二人です。
哲平にとっても、親との暮らしよりも、ほっぷ1での暮らしの方が楽しいらしく、「家とほっぷ1は、どっちが好きですか?」という私の問いに、「ほっぷ1」とあっさり応える息子です。
今私たち親子は、いい距離感をもって暮らしている感じです。私たちが年を取っても、彼を託せる場所、安心できる場所があることで、私たちは心配がなくなりました。安心です。
こんな暮らしを多くの方に紹介したくて、見学会を開いています。
見学された方は、「うちの子も入れて下さい」と言われますが、次のホームは、育てる会の子どもたちが、入居を待っています。
育てる会は、3年後には、次のホームを作る予定です。今いる6人は次のもう少し自立度が高い、夜には世話人さんもいないホームへ移って、ほっぷ1には、新しい育てる会の子どもたちが入ってくることでしょう。
ホップ・ステップ・ジャンプの「すてっぷ1」が、出来る予定です。そろそろ設計士さんにも頼まねばなりません。
自閉症の人たちが、自立のために訓練を受けて、次のステップへ行くための訓練ホームが、育てる会のグループホームです。
ホップ、ステップ・ジャンプ。ジャンプは、地域のアパートを目指す人もいるし、ジャンプ1として民間アパートの借り上げをしてもいいと思っています。
障害のある人たちの地域での自立生活のモデル的なホームになればいいなと思います。どうでしょう。
夢は大きく持たなくちゃ〜。親たちで作るホームです。多くの親たちの参考になればと思います。
一歩踏み出せば何でもできる!そう思います。自分たちで作ろうと思えば作れるんだ、と知っていただきたいと思い見学会を行っています。どうぞ、親の会などの団体で見学おいでください。お待ちいたしております。

そうそう、今月の特筆すべきことは、京都のTEACCHコラボレーションセミナーへの参加でした。
TEACCH部のローラ・クリンガー先生がいらっしゃっての2日間の研修に参加してきました。多くの参加者で会場は、満席。日本中から熱心な支援者が集まりました。
「成人期の支援」TEACCHの最新のアプローチというテーマでした。重松加代子さんの通訳だったので、とても分かり易く最新情報満載の素晴らしい学びの時間でした。
TEACCHは、1965年にノースカロライナ大学で創設された長い歴史のあるプログラムです。ここで診断を受けて成人期になった自閉症の親たちへの追跡調査をされたそうです。
回答者は、278人。現在の状況が、示されて興味深く聴かせていただきました。
年齢21歳から58歳。男性が80%でした。IQは、平均63.3(<40〜130)。
生活状況は、独り立ちが 10%、支援付きの居住 9%、グループホーム 14%、介護施設14 %、親との同居は 53%でした。日本との違いはどうなんでしょうね。
アメリカでも高齢の親との同居が多い現状に驚きました。
親が、亡くなった時、彼らがどうなるのか、日本でもアメリカでも同じ問題を抱えていると知りました。
去年ノースカロライナに行かせてもらったとき、素晴らしいグループホームの数々を見せていただきましたが、あれはごく一部の方が入られているにすぎないということを、ここで初めて知りました。
就労状況は、現在就労中42%、以前に就労経験16%、就労未経験42%でした。
不安症状やうつ症状が、就労している人には少なく、就労は生活の質(QOL)にも大きな影響を与えると言われました。自立した日常生活スキルが、就労達成のカギとなるそうです。
日常生活スキルとは、家事全般(ベッドメイキング、掃除、洗濯、料理)、身辺自立(更衣、入浴、歯磨き、髪をとかす)、自立技能(買い物・金銭管理)などのことです。
就労が、いろいろなことを解決するのか、それとも自立した日常生活スキルがあるから就労できたのか、どちらなんでしょう。
何にしても、私たちは、自分の子どもたちの為に、何をこれからするべきかが、はっきりとしたわけです。
中山先生や梅永先生が、彼らの苦手な、ソーシャルスキルトレーニングに力を入れるのではなく、ライフスキルトレーニングに力を入れなければならないと、力説されたことと、同じことをローラ・クリンガー先生もおっしゃいました。
では、ライフスキルを私たちは、どこで教えればいいのでしょう。
学校ですか? 療育機関ですか? 違うと思います。これらは、家庭で親がやれることです。
小さい時からコツコツと親たちが教えていけるスキルです。
丁寧に手取り足取り、わかりにくければ細かく手順書を作って教えていけば、必ず身につくことばかりです。
そういったスキルが身につけば、就労の可能性が高くなるというのなら、子供の将来を握るのは、私たちです。親こそ子供の未来を拓くものだということを、私は改めて強く思って帰ってきました。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)も必要なスキルの一つだとは思いますが、梅永先生が言われるように、本来苦手なことばかりを丁寧に教えるのは、彼らにとっては虐待を受けているのに近いということだそうです。
社会性に弱さを持っているのが障害の特性です。それよりも、ライフスキルのトレーニングをする方が、就労への近道ではないでしょうか?
そして、ローラ・クリンガー先生が、過去のデータをもとに就労へのアプローチをお話しくださいました。多くの知見をもとに、私たちの進むべき道が示されたように感じました。
また、今回特に驚いたことがありました。最新情報です。
パーキンソン病の有病率が、定型発達の方との比較で自閉症の方が200倍も高いというのです。まだ小集団での比較なので、これからの研究にゆだねられるのでしょうが、もしかしたら薬の使用のせいではないかと危惧します。
何でもすぐに薬に頼るのではなく、まずは環境調整から取り組むべきではないでしょうか?
スケジュールは? 手順書は? 視覚的にわかる支援が出来ていますか? 言葉でばかり伝えていませんか? 本人からの発信はできていますか? きちんと受け止められていますか? 頭ごなしに感情に任せて叱ることはありませんか? 
こちらのできることをしたうえで、それでもだめなら、、、薬を考えていくのも仕方ないと思いますが、まずお薬ありきというのは、リスクの大きさを考えると、恐ろしくなります。
他にも就労移行のプログラムとして、TEACCH Project SEARCHや高校最終学年からの取り組みのT‐STEPなど最先端の素晴らしい取り組みについてのお話がありました。
TEACCHの自閉症の人の就労プログラムは、特に就労率が高いそうです。
TEACCHは、魅力的で、柔軟で、そしてそれにかかわる人たちが、みんな優しくっていい人ばっかりのように思うんです。多くの昔からの知り合いに出会えました。ここでまた新たな知り合いも増えました。
岡山でも全国に展開しているTEACCH研究会が出来たらいいのに岡山で仲間がほしいとも思いました。「」そんな思いの人、あつまれ〜」と思うのは、私ばかりではないと思います。
京都では門 眞一郎 先生が、西陣麦酒でビールを注いでいらっしゃいました。
よかったら、一度覗いてみませんか? 
「柚子無碍」というおいしいビールを自閉症の人たちが作っています。いろんな工程があって、自閉症の人が働く場所があることが、素晴らしいですね。
しかもビール好きの門先生の夢も一緒に実現できる場のようでした。
金曜日の夜、毎週ピアカウンセリングならぬ、ビアカウンセリングをしてくださるそうですよ。
さて、会報を書いている間に、今日は春一番が吹き荒れて、一気に春が岡山にはやってきました。
もうダウンのコートは必要ないと、哲平は、いつものコートから軽めのコートを洋服タンスから引っぱり出して、さっそく着込んでおりました。
季節感に敏感になったのも、ありがたいことです。これもライフスキルの一つです。親亡き後に備えて、今少し教えていきましょうかね。
皆さん、一か月もすると新年度が始まります。
また、面白い企画たくさん考えています。育てる会、頑張りますのでよろしくお願いいたします。ではまた、お会いいたしましょうね、ごきげんようさようなら。
                    
(鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

平成30年2月17日(土)、赤磐市立中央公民館大集会室にてよこはま発達クリニック 児童精神科医の吉田友子先生による「『その子らしさ』を生かす子育て 〜発達障害、親ができること、周りができること〜」の講演会が行われました。
今回は、赤磐市と育てる会との共同開催でした。
市役所の方は「この大集会室が講演会でこんなに満席になるのを見たのは初めてです!」「育てる会パワーすごいです!」と何度も感動しておられました。
また、赤磐市在住・在勤の方は無料だったこともあり、保護者の方はもちろんのこと、幼稚園や保育園や小学校の先生方・校長先生、地域の保健師さん、そして地域の方など、とてもたくさんの方が参加されました。

最初に、先生は「うちの子、こういう行動をして困っています。どうしたらいいですか?」という質問をよくされることを挙げられ、「誰にでもうまくいく解決方法はないんです。なぜなら、その子がその行動をしている理由が、行動を聞いただけでは分からないから」「でも、その理由が分かれば、お子さんに合う工夫は色々見つけられます。解決方法を先に知りたいと思われる方にとっては遠回りに思われるかもしれませんが、まず正確な知識を持つことから始めてください」とお話しされました。
私も、わが子の特性からくる困った行動を見たとき、「どうしてこんなことするの?!」と怒ってしまうことがあります。
子どもは説明したくたって説明できるものではありません。時には「だって○○だから」と説明されたら余計腹が立つことだってあります。「どうしてこんなことするんだろう・・・??」と立ち止まって考える視点を持つと、もっと見えてくるものが色々あるのかもしれないと感じました。
次に、自閉スペクトラムについて、丁寧な特徴についてお話しされ、「診断名(障害名)がある人と、ない人たちの療法を含む『脳タイプ』なんですよ」ともお話しされました。「育て方や経験不足が原因ではなくて、元々持って生まれた気質みたいなものだと考えていただければいいと思います」「育て方や教育の仕方によって、まっすぐに育っていくことができます」とお話しされました。
「診断名(障害名)は、明確な困難があり、支援を必要としている場合には必要なもの」とのお話しはとてもしっくりきました。そういう気質があっても、本人なりに色々工夫をしながら、社会の中で笑顔で生きていけている人もたくさんいます。そういう人全員に「あなたは自閉症だよ!」とラベルをつけても仕方ないと思います。私は、自閉スペクトラムの人の実直なところや面白い感性が大好きなので、テレビなどを見ていてもつい「この人も自閉症の人っぽい(^^)」と思うのですが、夫に話すと「それは何か問題があるってこと?」「それが分かると何か良いことになるの?」と聞かれました。普通の人の感覚では、特性云々の前に「○○さん」というその人がそういう性格・気質だというだけなんですよね。何にでもラベルをつけてしまう自分を少し反省しました。
対人交流の質・学び方の違いの部分では、「ただ子ども集団に放り込んでも、その中から何を学びとるかがお子さん任せになってしまいます」
「例えば、公園でおもちゃを他の子から取っちゃって、それで相手が泣いてしまっている状況があるとします。1歳半ぐらいになると『ああ、なんだかまずい状況だ』と気づくようになりますが、自閉スペクトラムの脳タイプのお子さんは、全体を見ずに部分だけを見てしまうので、『ああすれば好きなおもちゃを手に入れられるんだ』と理解するかもしれません。一度入ったものを教え直すのは、時間がかかります」
「だから、整理された情報から学んでもらう方が、お子さんにとっては近道になるんです」とも言われました。
また、社会的コミュニケーションの質・学び方の違いの部分では、「リラックスしていて信頼している相手で興味のある内容の時には普通に言葉でのコミュニケーションができている人でも、不安で初めての相手で予想外のアクシデントにあった時には、単語レベルでしか理解ができなくなってしまう人もいます」「『分かりません』『手伝ってください』などは、状況的に追い詰められている状況で言うことを求められるので、実はとても難しいことなんですよ」ともお話しされました。
社会的想像力の特徴の部分では、柔軟性に乏しい行動パターンになりやすいこと・物事の本質など見えないものを直感的に把握する能力が乏しいことをお話しされ、
「例えば、私たちは『今日のランチは、煮魚定食を食べよう』と思って定食屋さんに行ったけど、売り切れていたとしても、『仕方ないな、他の定食にしよう』と気持ちを切り替えることができます。それは、優先されるべきこと(この場合は、お腹がいっぱいになること・お昼休憩の時間に間に合うこと・金額が同等であることなど)を自然に頭で計算することができます。でも、その想像ができない人にとっては『煮魚定食を食べないと、世界の終り!』ぐらいにショックなことかもしれません」
「そういう人に、常に変化のある生活をさせることも、全く変化のない生活をさせることも、『そんなことぐらいでワーワー言わないの!』と言うことも、よくないことですよね」
「でも、能力障害なんだ、これは本人にとってはとても難しいことなんだと分かると、今この子がどんな苦しみをしていて、毎日どれほどの努力をしているかに気づけるんだと思うんです。それがわかると、得意を生かす子育てができるのではないでしょうか」
とお話しされました。
こだわり・感覚過敏・特定の人への執着など、様々な事例をあげながら、どのように考えたらいいのか、どのように対応するといいのかなどを具体的なお話しもしてくださいました。その中で、「社会的行動の伸びとは、適切な必要な関わりが増えること。そして、不適切な関わりが増えないことが大切です。○○ができるようになった!ということを評価される人が多いかもしれませんが、実はよくない行動が増えないということは、そのお子さんの将来の社会参画にとって、とても大切なことなんですよ」とお話しされました。人との関わりや集団参加は量ではなく、質が重要であり、安心して、理解して、集団にいる経験がとても大切だともお話しされました。
「人生において、不都合の原因をわざわざは作らないようにしてあげてほしい」「そして、長所としていかに強みを使って生きていけるようにしていくかが大切です」ともお話しされました。
脳タイプを生かす、その子らしさを生かす。それは子育ての基本なのかもしれません。
最後に、育てる会の鳥羽代表が、「自閉症の息子が小さかった頃、なかなか療育での活動に参加できずにいて、同じ障害のある子たちの集団の中でも、一番できないのかと感じて辛かったんですよ」と昔話として吉田先生にお話しされたことと合わせて、今現在の鳥羽代表の息子さんの就労の様子のビデオを紹介され、「鳥羽さんがお子さんが小さかった頃、無理やり分からなくても、その集団の場にいさせよう、何とか他の子と同じことをさせようとされなかったことが、今のお子さんの安定した社会参加を実現できているんだと思います」と言われたお話しでは、「ああ、そうか」「結果が出るのは今じゃないんだ」「十何年後、最後に笑いあえる親子でいるために、今安心できるように準備してあげたらいいんだ」と感じることができました。
また、「子どもたちが生きていきやすいように、親ができるだけ躓かないようにするのは親のエゴなのだろうか」という悩みについては、「親が拾える小石なんてそんなにたくさんはないんです。世の中は色々な人がいて、色々な出来事があって、たくさん躓いてしまいます。でも、目の前に今転がっている小石ぐらいは、気づいたなら拾ってあげていいんじゃないですか?」と言っていただけて、「いつまでも親は付き添えないけど、こけるのが分かっている石をわざと見過ごすなんてできないのも親心だもんね」「本人の人生だもん。ずっとは付き添ってあげられないけど、できるだけ笑顔でいられるようにしてあげたい」そう感じました。
今回、赤磐市ということで、私の姑さんも参加してくれました。普段からよく息子のことを可愛がってくれていて、あまり自閉症のことはご存じない(「こんなにかわいいのに」と言ってくれていた)のですが、「○ちゃん(私)が息子くんにいつもしていること・声をかけていることと同じ話が先生からもたくさん出てきて、色々考えて子育てしていたんだなって分かったわ」「息子くんがまっすぐ育っているのは、そういう工夫をたくさんしていたからなのね。○ちゃんがママで、息子くんは良かったわね。いいお母さんね」と言っていただけて、嬉しくて涙が出ました。赤磐市で講演会をしていただけたおかげで、我が家も大きく変わっていきそうです。本当にありがとうございました。
吉田先生のお話しをたくさんの人と一緒に聞くことができ、息子にも優しくなれましたし、私自身も癒され、元気をいただきました。先生の奥ゆかしさ、子どもたちへの優しさ、仕事に対する真っすぐな姿勢、どれも見習っていきたいと強く感じます。どのお話しも本当に参考になることばかりで、ここで紹介しきれないので、今回参加できなかった方は、ぜひ参加された方にお話しを聞いてみてください。きっと感動を分かち合えることと思います。
本当に素晴らしい講演会でした。吉田先生、遠い岡山・赤磐市まで来ていただき、ありがとうございました!!
(cyacya)

(吉田先生を囲んで 当日のスタッフ一同)


参加された方のアンケートの一部です。
生活の中で子供がもっと安心感を持てるように気を配ってあげなければならないとしみじみ思いました。今の状況と似たような事例もあり、とても参考になりました。長い目でチャレンジしていきたいと思います。ありがとうございました。(保護者)
以前もお聴きしたことがあったが、その時とは違う視点で聴くことができて、とても勉強になりました。現在5歳のわが子は嫌なことがあると叫んで怒ることがしばしばあり、家に帰って早速リマインダーを作って対策を取りたいと思います。毎日悩みは尽きませんが、これで良かったんだと思えたこともあったり、今後に活かしたいことなどとても勉強になりました。(保護者)
今回初めて吉田先生の講演会に参加させていただきましたが、先生の物腰柔らかな話し方や、受け持ちのお子さんに対する愛情深さをとても感じることができ、先生に診てもらっている親子はとても幸せだなと感じました。ありがとうございました。(保護者)
すべての子ども達が一人ひとり能力を発揮できる社会育成に先行的に取り組んでおられ、成果を聴かせていただき、今後の社会活動の糧とさせていただきます。子どもはどんな子も本当に可愛いし、素晴らしいと感じ日々接しておりますが、今後も特性に応じて関わっていきたいと思います。(小学校 支援員)
まさに具体的な声かけの練習をしているところだったので、今日のお話が参考になりました。不安や緊張があると言葉が張らない、理解できなくなると聞いて大きな声で怒りながら注意していた自分に反省しています。やめてほしい行動を注意するのではなく、どういう風に行動してほしいかを冷静に声掛けしていこうと思いました。(保護者)
自分の子どもの強いこだわりについて、どうして約束したのにやめられないのか、上手な終わらせ方、親のとるべき行動について、なるほどと思う部分が多く、とても分りやすかったです。すべてを家族全員ができるわけではないと思いますが、私が講演会で学んだことを少しでも実践できれば、他の家族も出来ていくようになるのではないかと思いました。(保護者)
先生の自閉症の子に対しての柔らかい考え方が感じられるセミナーでした。保育経験をつんで年数を重ねるごとに、こうあってほしいという固定観念が強くなっていくように思うので、このようなセミナーに参加することで、自分自身の考えを新たにしていけるように思いました。(保育士)
先生の自閉症に対する熱く優しい思いを感じることができ、何回聞いても先生のお話で自分を見つめなおすことができるなと感じました。分かっているつもりでいても、ついつい私の受け止めかたでわが子に接していることがあるなと反省もしました。もう一度、一つひとつの行動の意味を考え、わかるよ、できたよと自信を持って毎日過ごせるようにしていきたいと思いました。また私も頑張ろうと思いました。ありがとうございました。(保護者)
〇 とても分かりやすかった上に、自閉症スペクトラムの人への愛情ある言葉が温かかったです。最近、未来を明るく感じられなかったのですが、心が軽くなりました。わが子のことを愛しているのに、心配ばかりが頭を支配していたような気がします。子どもの特性を弱みではなく、強みに考え方を変えさせてもらいました。ありがとうございます。吉田先生、とても素敵な先生でした。著書を購入させていただいたので、ゆっくり読んでみます。(保護者)
本当に困っている子どもたちに寄り添って下さる先生のお話はとても分かりやすく、毎回楽しみに拝聴させていただいています。中学進学を控えているわが子には聴覚過敏があり情緒学級に在籍するのですが、学校側からは、「受験を目指すなら交流で受けないと必要な学習が出来ないから全ての授業を交流で受けて欲しい」と言われてしまい、どうお願いしたらいいか悩んでいました。今日のこの講演でお聴きしたことを参考に学校に説明してみたいと思いました。本当に今悩んでいることの答えが得られました。先生の講演は何回お聴きしても新しい発見ばかりです。また是非岡山にいらしてください。ありがとうございました。(保護者)
誰かの利益のために他の人に不利益が生じるのは当たり前のこと。という点で、点字ブロックの例えがすごく分かりやすかったです。数では得になる人<損になる人かもしれないけど、得する人の「得の質」を比べることができないというのに納得しました。あと、息子から頼れる相談相手と思われたいと思いました。すぐに答えが出なくても、一緒に考えていこう!と言っていきたいと思います。(保護者)
吉田先生のお話は何度も拝聴させていただいたので、今回の参加は迷っていたのですが、参加して本当に良かったです。親や姉弟にも来てもらえばよかったと思いました。聴いたことのあるお話でも、何度も聴くことで自分の中に吸収できると思いますし、子供の状況も変わっていくので新たな発見があります。近いうちに早めにまた先生にお会いできるように、再々の講演をお願いします。今日は特に抱きつきについて、もっと真剣に考えなおそうと思いました。安定した生活を送れるように見直すことはとても大切だと思いました。(保護者)
子どもが幼いころに症状がはっきりしていたらわが子に辛い思いをさせないですんだのかと思うと早い段階で知る方法がないのかと残念です。ただ、お話をお聴きしているうちに、たくさんの得意な分野を生かすことができる方法があることを教えられて安心しました。次回は思春期の子の話を聴きたいです。ありがとうございました。(保護者)
「どこまでが個性でどこからが障害か分類すること自体に益がない」と言われてハッとしました。わが子のことで悩んでいたので、自閉症であってもなくても、やることは変わらないと考えなおせました。(保護者・小学校教諭)
4時間という講演の長さに耐えられるだろうかと思っていましたが、本当にあっという間の4時間でした。今まで様々な所で自閉スペクトラムについて学びましたが、今回の講演が最も分りやすく、すっと心に入りました。今関わっている子どものことを思い浮かべる場面が数えきれないほどたくさんあり、実践したいと思うことがたくさんありました。昔の自分を思い出すこともあり、「頑張ってたんだ私」と昔の自分を思い、涙が出そうになることもありました。本当に、ありがとうございました。(児童発達支援)
普通の子と同じように近づけるより、本人の安心できる選択を迷わず続けていくことが大切なんだなと思いました。将来について不安になるけど、大人になった先輩自閉症の方の話も聴けて良かったです。(保護者)
専門性の高い内容でしたが、疑問を感じることはなく、すっと自然に頭に入ってきました。特性の理解や支援方法について、今まで本などで学んできましたが、生活と知識の溝を埋めることが埋めることができたように感じています。支援級の支援員をしているのですが、子供の不適切行動が増えていることが最近気になっていました。学習内容や生活環境が本人にとって無理なレベルになっているのではないか、改めて観察し、見直していく必要があると思いました。(小学校 支援員)

平成29年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

中山清司先生による平成29年度の即実践講座が無事修了しました、
中山先生、一年間ありがとうございました。
今年は例年にも増して、最後まで欠かさず出席された受講生の方が多く、中山先生からの講座修了証も47名に授与されました。みなさんおめでとうございます。

平成30年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

代表の巻頭文にもあるように、平成30年度の即実践講座の講師が決まりました。
川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生です。
「自閉症支援再考! 今 改めて」として、支援の在り方を振り返って見直す場となり、今日から改めて即実践に生かせる講座となることを願っています。
詳しくは http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2018sokujissen.pdf をご覧ください。
第1回  5月 6日(日)今改めて、自閉症って何? 【公開講座】
第2回  6月 8日(金)視覚支援再考!
第3回  7月13日(金)構造化再考!
第4回  9月 7日(金)幼児期支援再考!
第5回 10月12日(金)学童期支援再考!
第6回 11月16日(金)思春期支援再考!
第7回 12月14日(金)成人期支援再考!
第8回  1月25日(金)連携のあり方再考!
第9回  2月22日(金)TEACCH再考!
第10回 3月15日(金)まとめ-まだまだ見直したいものは何?
講 師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分) 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
※ チラシには、会場を原則岡山県生涯学習センターとありますが、6月後半より、耐震工事のため休館との連絡が入りましたので、第3回以降は会場未定です。
決定次第、会報でお知らせしますので、ご注意ください。
決定:第1回 岡山ふれあいセンター  第2回 岡山県生涯学習センター

『自閉症 才能きらり展』のお知らせ

カフェ スプリングカムカムで開催しています「自閉症 才能きらり展」。
2月のきらり展は、会報でもおなじみの鳥羽 哲平 氏のコラージュ・パステル画展を開催しました。
3月は引き続き、鳥羽哲平氏の、今度はタイル画や油絵・パステル画などの展示です。
先月とはまた少し違った作品をご覧ください。
カフェ スプリング カムカム(Tel.086-954-4433)
ランチタイム 平日 11:00〜14:00(オーダーストップ 13:30)

支援ツール勉強会の報告とお知らせ

2月9日(金)に山陽総合福祉センターにて、18歳の春・支援ツール勉強会第9回が開催されました。
今回は、風邪でお休みの方も多く、先輩お母さんのツール発表も中止となりました。しかし、武蔵先生から個々に直接のアドバイスをいただいたり、じっくりとまとめの時間を取ることができたりしたのでよかったと思います。
来月の第10回での発表を前に、今まで参加して作成してきたそれぞれの支援ツールを、まとめシートに記入していったり、サポートシートを記入しながらお子さんのことをまとめたりしました。サポートシートを書いていくと、以前よりこんなことができるようになっている!とか、新たにこんな課題が出てきている!などと我が子を振り返ることができたという意見が多く出てきました。
第10回は、3月9日(金)です。今年度最後の支援ツール勉強会となります。支援ツールを作ってみて、それぞれの工夫や使ってみての感想などが聞くことができ、とても参考になると思います。是非、ご参加ください。
以下、参加者からの感想です。
〇 日常では、なかなか時間が取れないので、サポートシートを書く時間が十分に取れてよかったです。我が子の特性を他者に分かりやすく伝えることは難しいなと感じています。なんとか、最終回までに完成させたいと思っています。
〇 1人だと思いつかない事を、他の参加者のしていることが聞けたり、実物が見れてよかったです。
〇 サポートシートを書くにあたり、本人の成長を感じるとともに、相手にどう伝えていくか考えるとなかなか進みませんでしたが、他の方のサポートシートを見ることができて、分かりやすい表現がされていて参考になりました。
〇 サポートシートの書き込み例を武蔵先生が作ってきてくださって、我が子にも当てはまる!ということも多くあり、とても書きやすかったです。どうしても「あれも!」「これも!」と欲が出てしまうので、ピックアップしていきたいです。新学期までにはサポートブックを完成させたいです。

  【 第10回 支援ツール勉強会 】

日 時:平成30年3月9日(金)10:00〜12:00
場 所:山陽総合福祉センター(赤磐市河本778-1)
参加費:正会員無料・一般500円
持ちもの:支援ツール作成用の材料・道具、サポートシート

世界自閉症啓発デーのお知らせ

毎年4月2日は国連の定めた世界自閉症啓発デーです。
今年も、育てる会では4月2日(月)午前9時30分より、マルナカ山陽店(赤磐市下市)入り口で啓発チラシを配る予定です。
春休み中ですが、参加いただける方はご協力よろしくお願いします

キッズルームの報告

2月18日(日)岡山大学の体育館にてキッズルームを開催しました。初参加6名を含む計13名の参加がありました。年齢も2歳から小学校高学年のお子さんまで幅広く、にぎやかな会となりました。
寒さに負けず、体育館の中を走り回ったり、リトミックで踊ったり、人形劇を見たり、最後はスカイバルーンまで盛りだくさんの内容でとても楽しい時間が過ごせました。
保護者の方々はお子さんの楽しそうな姿を見て喜ばれていました。また、走り回るお子さんをボランティアのお兄さん、お姉さんにお任せして少しホッとできる時間になったのではないかと思います。
参加者からの感想を紹介します。
〇 初めての参加で母子ともに緊張していましたが、とても楽しく過ごすことができました。みんなの輪の中に中々入れず後ろから見ていた息子ですが、後半からは自分から進んで「やりたい!」と言い出し、とても楽しんでいる様子を見て嬉しく思いました。まだ幼稚園に通っていない息子にとって、皆でパラバルーンをしたり、人形劇を見ることは良い経験になりました。
また、人形劇は内容がまだあまり理解できない息子でも、音や目で楽しめる工夫がたくさんされていてとてもよかったです。次回もぜひ参加したいです。
〇 今回も楽しく参加させていただきました。
本人だけが楽しいであろうマイルールの遊びも、ボラさんが付き合って盛り上げてくださったことに感謝です。また、今回は人形劇が復活したことが嬉しかったです。
紙芝居も素晴らしいですが、人形劇ならではのリズミカルな動きや内容が見事に子供の興味を引いてくれました。また、暗転するときも事前に説明やカウントダウンをしてくれたのも良かったです。多動のわが子が座って見ていたことが人形劇の魅力を物語っていました。
〇 初参加でしたが、とても広い体育館の中で思い切り体を動かして遊ばせてあげられて良かったです。学生ボラさんたちが一生懸命工夫を凝らして人形劇などの用意をして下さったのが伝わってきてとても嬉しく感じました。丁度いい時間配分で、スケジュールも詳しく示してあり、長時間座っていられないわが子でも集中して参加できていました。
〇 兄妹三人で参加させていただきました。いつもは「兄妹一緒に行動しようね」と言っていることが多いのですが、ボラさんが一人ひとりに付いてくださったので、それぞれやりたいコーナーに行って遊んだり、並んで人形劇を見たり親子で楽しむことができました。またこのような機会があれば参加したいです。
〇 体育館をあちこち動き回るわが子にボラのお姉さんがずっと付いてまわってくれました。人形劇を座って見ている時に、お姉さんにもたれかかっていたわが子に終始笑顔で対応してくれているのを見て、本当に子どもが好きなんだなと思えてとても嬉しかったです

第3回 CARE研修会のお知らせ

服巻先生のセミナーでも紹介のあった、CAREの研修会、3回目です。
都合で2月の予定が中止になったため、改めて3月に開催します。まだ、若干名の余裕がありますので、ご希望の方は申し込んでください。
CAREはアメリカのシンシナティこども病院で開発された、子どもと大人の絆を深めて関係をより良いものにしようとする心理療育プログラムです。
赤磐ぐんぐんのCARE-Japan認定トレーナーの資格取得スタッフ3人による、保護者の方を対象にした(支援者向けではありませんのでご注意ください)ワークショップです。
日 時:平成30年3月14日(水) 13:00〜16:30
場 所:山陽総合福祉センター(赤磐市河本778-1)
参加費:育てる会正会員 無料、 ぐんぐん保護者、一般の方  1500円
定員:16名

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
2月は都合で中止となったため、次回は3月に開催します。

  ≪次回のOHAの会≫

日 時:平成30年3月16日(金)9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194-1)
参加費:1,000円
テキスト:あたし研究2
申し込みは事務局まで(TEL:086-955-6758 MAIL:acz60070@syd.odn.ne.jp)(正会員限定)

はやぶさの会のお知らせ

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
お母さん同士でもつながりあい、話しあうことを大切にしています。お子さんと一緒に、お友達がほしいお母さんも、ぜひご参加ください(^^)
2月12日(月・祝)に、はやぶさの会がありました。
今回の活動は、「皆でカラオケ&レストランでお昼ご飯」。直前の体調不良などでのお休みもあり、4家族5人の参加でした。
カラオケでは、友達と行くのは初めての人が多く、ちょっと緊張した表情でした。でもすぐに、歌いたい曲メモを見ながら「これ、一緒に歌おうよ」と誘ったり、持ってきたおやつを「交換しよう!」と提案したり、一人一人がお互いに仲良くしようと歩み寄る姿がたくさん見られました。
レストランでは、皆で遊びあったり、「それ貸して」「これ見て!」とお互いに言い合ったり。とても楽しく過ごせました。
「次は何する?」「はやぶさ楽しい」「また皆で集まろうよ」と言う言葉も聞けて、ゆっくりだけど少しずつお友達になっているみたい!ゆっくりゆっくり進んでいこう!(^^)
参加された方の感想をご紹介します。
〇 本人に感想を聞くと「楽しかった。面白かった。ハンバーグがうまかった。また行きたい!」と即答をいただきました。カラオケでは、お菓子交換をしたり、ファミレスでおまけのおもちゃで対決したり、とっても楽しむことができました!親同士も、こんなに仲良くなってるー!なんて会話もしながら過ごすことができ、嬉しく感じました。徐々に距離を縮めていっているように感じます。次回が今から楽しみです。
〇 今回はカラオケとご飯でした。カラオケはたまにしか行ったことがなかったので楽しみに当日を迎えました。家族で行くことがほとんどで、いつもは本人の歌いたい曲を歌いだけ気にせず歌っているんですが、今回「○くんが知っている歌を一緒に歌いたい」と言って、歌いたい曲のことを相手が知っているのかを気にしている様子を見てびっくりしました。まだ参加は2回目ですが、ご飯の時にも一緒に座りたがったり、楽しそうに遊んでいたり。また参加したいなと親も子も思っています。
〇 先日はありがとうございました!3回目参加のはやぶさの会、「今度もこの前のボーリング行った人たち来るの?」と行く前から楽しみにしていました。
今回のカラオケは「聞き役になりたい」とのことで参加をしましたが、それでも知っている曲がかかると、マイクなしですが一緒に歌っていました。おやつを食べたり歌を聞いたり、楽しい時間を過ごしました。
その後のファミレスでは、最後になって「ガチャガチャをしたい」と言って母の財布を勝手に取り出したのには、どうやって諦めさせようか困ってしまいました。皆さん、フォローありがとうございました。
我慢できたことを褒めてもらえて、一つ勉強になった息子でした。会を重ねるごとに、友達との距離が近くなってきました。今後の子ども達の成長が楽しみです。
はやぶさの会は、内容が余暇活動っぽいですが、一番の目的は「お友達作り」です。色々なペアで一緒に活動をしながら、親睦を深めていきます。初めては緊張するかもしれませんが、良かったら皆さんお友達になりましょう。ご参加お待ちしています。
日 時  4月30日(月・休)10:00〜14:00
場 所  渋川動物公園(玉野市渋川3-1077-1 TEL:0863-81-3030)
     ※雨天時は、近隣の水族館に行く予定。参加者に当日お知らせします。
内 容  皆で色々な動物と触れ合ってみよう!触ってみよう!
      ニホンザル・ウサギ・チャボ・馬・羊・ヤギ・うさぎ等色々な動物がいるよ。
      子どももお母さんも、多少汚れてもいい服装で。たくさん笑いましょう。
対 象  自閉スペクトラム症のお子さんと親御さん
      「お友達がほしい子」「ある程度は会話でやりとりができる子」
     ※兄弟での参加は、診断名や疑いがついているお子さんのみです。
参加費 実費…入園料(大人1000円、小学生700円、幼児500円)
           やり体験や犬や馬のお散歩などしたい人は別途。
持ち物 入園料・親子のお弁当・お菓子・飲み物・
      待ち時間などに過ごす余暇グッズ(DSなどゲーム以外)
締切り 4月15日(月)までに育てる会事務局へ(正会員限定)
★事前に保護者同士の打ち合わせを、LINE・メールなどでしています。
(担当:M )

水泳教室のお知らせ

日 時:平成30年3月18日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、1回 1000円です。(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は3月15日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。

サッカークラブのお知らせ

日 時:平成30年3月11日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場 所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで(正会員限定)

お母さんコラム

小1・ASDの息子を持つ母が、普段の息子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子。
自閉症・情緒学級の場合、知的障害がないため、授業の進み方も出される宿題も、通常学級と全く同じです。
放課後は、学童保育に行っていて、そこで宿題をしてくるのですが、学校からは「必ず家で確認をしてやってください」と言われるので、毎日晩ごはんの準備をしながら確認をしてやっています。
家で宿題をやっているのを見ていると、なかなかどうして、「さすが自閉症(^^;)」というような書き方をしたり間違え方をしたりしていることが多いです。
先日は、「学校」という字を習った時のこと。「この字を使って、短い文章を作りましょう」という問題がありました。
本人が「うーんうーん」と悩んでいます。「どうしたの?」と聞くと、「どうやったらこのタヌキを使って言葉を書けるかなぁ」。
小1ならではなのか、興味を引くためなのか、そこにあったタヌキがランドセルを背負って学校に行っているイラストを見て、「ぽんぽこたぬきが」とまで文章が書いてありました。
「・・・ぽんぽこたぬきは関係ないよ。ここは『学校』という字を使って何か文章を書くんだよ」と伝えると、「ええ?じゃあ、なんでたぬきの絵がついているの?」と。・・・うん。不必要な絵はない方がいいよね・・・。笑
また別の日。
「入る」という字を習った息子。「ぼく、『人』って字も習ったよ!」と自慢げに教えてくれました。
「どっちもよく似てるよね」と言うと、「うん!だから今日は、『人』って字と『入』って字とを交換したよ。『人』の字の方が『はいる』って感じが出てるじゃろ?」と。
「・・・漢字はその日の気分では変わらないよ?」と伝えると、「えー?先生が、『人が入ってるように見える漢字だから、‘はいる’と読むんだよ』って言ってたよ。だから、こっちでもいいじゃろ」と。
・・・理屈より、記号として覚える方が自閉症の人には向いているのかもね・・・。
本当に日々着眼点が独特で「さすが!」「おもろい!」の連続です。笑ってなきゃやってられないことも多いのですが、笑える方が人生ハッピー。
今日も「お!これもお母さんコラムのネタになるな」と思いながら息子の行動や言動を大いに笑っている私です。(^^)
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ  (1歳台〜年少児)

 ぴっぴのある朝の場面です。ロッカーで自分の荷物を片づけしているAくん。リュックサックにジャンパーに帽子に・・・と荷物がたくさん!一人で片付けていたAくんでしたが、「ああ?(ママ?)」とお母さんを呼びました。
お母さんは『脱げなくて困ってるのね?』と、すかさずジャンパーを脱がしてあげて、お子さんのロッカーに入れてあげました。
 お子さんの表情や声色で「ピーン!」とくる「お母さんアンテナ」ってすごいですね。「お母さんは僕の一番の理解者!」とお子さんが安心できることってとても大事です。
けれども、「ママ」という言葉が「なんでも叶う便利な言葉」とお子さんが思ってしまうかもしれません。この時Aくんは「ママ」と呼びましたが、「何をして欲しいのか」は伝えていませんでした。お母さん以外の人には、何を伝えたいのかを汲んでもらえない可能性もあります。
 そこで、Aくんの療育で、援助を求める際に、「てつだって」カードを使って、コミュニケーションの練習をしていきました。
 取り組みの紹介をします。まず「てつだって」カードの意味を伝えるために、Aくんが困っている場面で、先生が背後について、Aくんに「てつだって」カードを持たせてお母さんに渡すように促します。「てつだって」カードを受け取ったお母さんは、すぐにAくんの困っている状況を解決してあげます。
先生との活動の場面では、お母さんに背後についていただき、同様にカードを渡すように促します。Aくんに『困っている状況を解決してくれる便利なカードだよ』と様々な場面で紹介していくように取り組んでいきました。そうやって取り組みを続けていくことで、Aくんが困っている場面で、「てつだって」カードを自分で持って、大人へ渡せるようになってきました。
 Aくんは思うようにならなかったり、上手くできないと、癇癪を起こすことがありました。
しかし、「てつだって」カードがあれば、Aくんが言葉で伝えなくても、誰にでも「Aくんは困っているんだ。」と理解してもらえます。
Aくんは、「誰にでも伝わるコミュニケーション」を使うことで、癇癪が起きる場面も減り、安心して過ごせる時間が増えています。
 ぴっぴでは、ご家族の方も療育に参加していただくので、コミュニケーションの練習をどうやって進めていけばいいのかをその場でお伝えし、方法も見て確認していただくことができます。
Aくんのように、言葉だけでない「誰にでも伝わるコミュニケーション」を使うことで、園生活や他の場面でも、お子さんたちが安心して過ごせる場面が増えるようにと、ご家族の方と一歩一歩を丁寧に取り組んでいきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ

赤磐ぐんぐん  (年中・年長児)

1月2月と本当にあっという間に過ぎていきましたね。
年長さんの卒業ももうすぐかと思うと、最後まで少しでも私たちにできることをしたくて、少し欲張りになってソワソワする気持ちを抑える日々です。
先日、赤磐市 子ども・障がい者相談支援センター特別講演として、児童精神科医師の吉田友子先生が来てくださり「その子らしさ」をいかす子育て〜発達障害、親ができること、周りができること〜と題してお話をしていただきました。
ぐんぐんを利用している保護者の方たちとも会場でお会いすることができ、保護者と療育者が一緒に学び、お子さんを育てていく共通理解の土台ができることを嬉しく思いました。
先生の愛情と正確な情報にあふれたお話に感動しながら、ぐんぐんに来てくださっているいろいろなお子さんのお顔が思い浮かびました。講演の詳しい内容は、この会報の前の方のページに載っていると思います。
今回、吉田友子先生のお話を聞くことができた親御さんは、きっと、どの内容も自分のお子さんに照らし合わせていろいろ感じられたと思います。
親御さんの中には、翌日ぐんぐんに電話して来られて、昨日のお話を聞いていたら、自分の子どものしていることが「人を巻き込んだこだわり行動」だったと気づき、もうどうしたらいいかわからなくなってしまった、とお話になられた方もおられました。
吉田先生の例え話と同じようにわが子がいろんな人に抱きついていることに対して、どうしよう!と慌ててしまい、昨日までほほえましく思っていたお子さんの行動を、とにかくやめさせなくてはと焦り、「『やめなさい!』と今日は止めたけど、何か違う気がして・・・どうすればいいですか?」というご相談でした。
お母さんはとても焦り、戸惑っておられたので、話を聞かせて頂きながら一緒に現状を整理していきました。
話し始めた最初は「誰にでも抱きつくんです!」と言っておられたお母さんでしたが、聞いていくうちに、相手がある程度限定されていて、誰にでも、ではないことがわかりました。
全く知らない人には抱きついたりせず、どうやら相手は「小さい子(がかわいくて?)」「他の子のお母さんたち(が抱きつくと「かわい〜」と言ってくれるから?)」の2パターンだということだったことがわかるとお母さんはだんだん落ち着いてこられました。
この調子で、お子さんはどんな時に抱きつきやすいか、抱きつくとお子さんにとってどんないいことがありそうか、などをお母さんに聞きとりながら、何か傾向や理由が掴めそうだから、園の先生と一緒にまず今の状態をきちんと調べるところから始めていきませんか? それがわかってから、代わりの適切な行動を考え、教えていけば、まだ間に合いますよね? とお伺いしました。
今のところかわい〜って思ってもらえているのだから、今のうちに色々と確かめて対策を講じればきっと大丈夫ですよ、今、お母さんが「これは人を巻き込んだこだわり行動だ」と気付けたからこそ、素早く取りかかることができて、お子さんの将来にとって本当に良かったです。今、吉田先生のお話を聞けて、本当にちょうどよかったですね。とお話ししていくうちにお母さんはすっかり落ち着かれて、「明日また園の先生にも様子を聞いてみます!」と元気になって電話を終えることができました。
このことから、このお母さんが今の時期に吉田先生の講演を聞くことができて、本当に良かったと感じました。
わが子が自閉症だと診断されたからといって、保護者の方がすぐに「自閉症ね。わかった、自閉症の子に良い関わり方をやってみる!」となれるわけはありません。
もともと講演を聞いたりお勉強をすることが好きだったりする親御さんもいれば、本を読むのが好きじゃない親御さん、診断だけ聞いて立ち止まってしまう親御さんもおられて当然だと思います。だけど、やはり、お子さんの発達特性について学ぶこと、これは他の子にはない素晴らしいところだ、これは放っておいてはよくないことだ、ときちんと知ることは、結果として親子の幸せにつながるのだと改めて実感しました。
ぐんぐんでは利用している全ての親御さんに対して、お子さんの特性や具体的な関わり方、小学校入学に向けての準備などについて学ぶ機会を保護者勉強会として提供しています。療育者として、親御さんが抵抗をあまり感じないよう配慮しながら、お子さんについて学ぶことをお勧めし、手ごたえを感じられるようサポートし、学ぶことが好きになってもらえたら、と思います。
そして、親御さんが学んだことと、今お子さんが見せている状態とをリンクさせるお手伝いをすることで、学びをわが子に活かせると感じてもらえるのではないかと思います。
お母さんが自分のお子さんのひとつの行動を「個性」として味わったり、「発達特性」として捉えて原因を考え対応したりする、両方を大切にしながら子育てしていけるように支援していきたいです。
赤磐ぐんぐんスタッフより

ぐんぐんキッズ (小1〜)

 今日一日,朝からどんな気持ちで過ごしてこられたでしょうか?
日々の仕事や家事,やらなければいけないことに追われて,その時々の感情を振り返る間もなかった…という方もおられるかもしれませんね。
 ぐんぐんキッズでは今,子どもたちと「自分の感情に気づく」取り組みをしています。先月号でもCAT-KITの感情のめもりを使ってゲームの感想を表現する様子をお伝えしました。
 CAT-KITの感情(表情)のリストは本来90種類ありますが,キッズの子どもたちにはその半分:45種類の表情リストを使って,自分の気持ちを選んでもらっています。
 その表情を手がかりに,「これはどんな気持ち?」と自分の気持ちを振り返ってもらい,「ドキドキしてちょっとやだなぁというきもち…」などと言葉に出してもらい,さらにそれを0〜10のめもりに貼ることで,どれくらい強い気持ちなのか?・・・気持ちの程度やその変化も目で見てわかる形にしていきます。
 しかし中には,表情が多すぎて迷ってしまったり,何を聞いても「ふつー」と同じ言葉しか出てこなかったり…感情を表現するのが苦手な子どもたちもいます。
 そこで,一人一人に合わせて「表情リストの数を5〜10に減らす」「たのしかったこわかったなど気持ちを表す言葉のリストを合わせて提示する」「表情リストではなくシールを使う」などの工夫を試みています。
 中でも効果的だったのは,一日の流れにそって,その時々の気持ちを思いだしてもらう・・・というやり方です。
朝起きて学校へ行き,ぐんぐんキッズに来るまで・・・1時間ごとに何があったか?を聞き,そのときどう思ったかを聞いていきます。
いきなり気持ちを聞かれるよりも,たとえば「今日の昼休みは何したの?」と聞くと「ターザンロープした!すごくたのしかった!」「ひなんくんれんでやすみじかんなかった。むかつく・・・」など,今までなかなか気持ちを言えなかった子どもたちも,出来事の想起がきっかけとなって,自然に言葉が出てくるようでした。
 こうした活動を重ねるなかで,子どもたちの気持ちの表現も日々進化しています。以前は「わからんー」としか言わなかったAさんが,「たのしかったんだけど,さいごまでいけなかったからちょっとヤだった…それにかたもいたいー」など複合的な気持ちを言い表せるようになり,表情も複数組み合わせて選ぶなど,自分なりの工夫をして伝えてくれるようになりました。
 またグループで友達の気持ちを聞くことも,よい刺激になっているようです。
友達がさまざまなやり方で表現する姿を見て,「わたしもそう思った…」「ぼくはちょっとちがう…」と自分の気持ちを振り返るきっかけとなっています。
 こうした「感情」の取り組みにあたって大事なことは,周りにいる私たち大人も,自分の感情について知り,ふだんからそれを表現していくことだなと感じています。
「いやだ〜」「きんちょうする〜」「いらいらする〜」といったネガティブな感情も含めて上手につきあっていけるよう,子どもたちと取り組んでいきます。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ★

☆支援センターNEWS☆

厳しい冬の寒さも少し和らいだ気がします。
日中の日差しの温かさにほっと体が緩むこの頃、春がそこまで来ていますね。
私事ですが身近に死を意識することが多かったこの冬、朝の校庭で白い息を吐きながらにぎやかに遊ぶ小学校の子どもたちを見ていると涙が出てきます。いまここに『生きて在ること』はただそれだけでどんなに有り難いことかと思うのです。
今学校に行けなくて悩んでいる人も、生きる希望が見えなくなっている人も、自分が一番不幸だと感じて苦しんでいる人も、みんな生きていてくれてありがとう。どうぞ誰とも比べないでください。あなたの人生の主役はあなたなのです。
支援センターで当事者の方とお話していると、周囲からはわがままや怠けや生意気に見えてしまうけれど、どんなに一生懸命生きているか、ただ当たり前のことを当たり前に行うことがどんなにエネルギーの要ることかが伝わってきます。ある女性は「もっと頑張らないとダメって言わないで、本当によく頑張っているんだねと認めてほしい」と語られました。もっと理解して接することができたなら、周囲の人がそんなに腹を立てないでも済むのになと思う場面に出会います。
やっぱり、理解ですよね。先日のセミナーで吉田友子先生も愛情深いことと子どもを理解する事とは違うと話されました。まず知識を持ちそれを正しく伝える力をつけたいと改めて思いました。どんな立場にあろうとも支援者として、届く支援がしたいと強く思います。
さて、この時期は来年度に向けて準備を意識されている方が多いかと思います。
サポートブックのメンテナンスをしたり、就学や進学に向けて登校練習をしたり、この時期の頑張りが新学期につながっていきます。今少しでも不安がある方は動き出しましょう。心配だけど何とかなるだろうとそのままにしないでくださいね。新しい場所に出かけて行って、新しい人と話をして本人と一緒に丁寧に準備をしていきましょう。
例えば自転車で遠くの中学校に登校する方は実際に自転車に荷物をくくって、雨の日は合羽を着て、その道を走って見ましょう。
途中で落ちないように荷物をくくるにはどうしたらよいでしょうか。濡れた合羽の扱いはどうしたらよいでしょうか。一番安全な道はどのルートでしょうか。動いてみると困りそうな場面が見えてくるので、余裕をもって解決策を考えておけますよね。
何事も予防の視点が大切です。脅すわけではありませんが、1学期の小さな友だちトラブルが3学期には高校中退にまでつながるようなことがあります。
大したことではないからそのうちと思って先延ばしにすると、良いことは何もありません。私たちに理解できていることはほんのわずかであり、今できることはもっと限られているでしょう。だから後は行動するだけですね。
花がいっぱい咲く春を目指して!!
あかいわ発達障害支援センター 相談員:政田 亮子

グループホーム寄付 御礼

いつも温かいご寄付、ありがとうございます。

  【 ご寄附をいただいたみなさま 】

○ S.T 様(和気町)   ○ F.H 様(岡山市)
○ 鳥羽代表(赤磐市)
平成30年2月28日現在 寄付金合計 27,552,964円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
             岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

新聞記事の紹介

備前県民局「地域づくり推進賞」を受賞しました。

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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