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平成30年4月30日

 

 第240号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 240号 目次

     雉の里にて

     即実践講座のお知らせ

     育てる会総会&記念講演会のお知らせ

     AAO活動・18歳の春を目指すクラブ・OHAの会 のお知らせ

     はやぶさの会・水泳教室・サッカークラブ の報告とお知らせ

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「発達障害の女の子のお母さんが 早めにしっておきたい「47のルール」

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 

     新聞記事の紹介

春の明るい太陽が新緑の野山にふりそそぎ、緑は日ごとに色を増していきます。
田んぼにも畑にも小さな我が家の庭の花壇にもいたるところで花が咲いています。 
和田の事務局前の雉(きじ)もぐっと首を上げて周りを見回して時々大きな声で「ぎょえー」と鳴きます。
この声聞くと、ああ岡山の春が来たと思える私です。
冬にも雉はいるはずなのですが、鳴かないのです。
桃太郎に誘われて、鬼退治に行くほどの雉ですから、とても戦闘的なんです。雉のオス同士の喧嘩を見たことがありますが、向かい合って激しく威嚇しあいます。そして突き合いながら高く舞い上がります。縄張り争いか、それともメスを争っての戦いなのか、激しいものでした。
さて、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
新学期、新年度が始まり緊張の毎日ではなかったでしょうか?
子どもたちにとっては、新しいクラスの人との出会い、新しい教室、そして新しい担任の先生。
就職された方は学校とは違った日々に戸惑われることもあったのではないでしょうか。
やっと学校にも慣れ、職場の雰囲気にも慣れてきた頃かと思います。
5月の連休が始まりました。ホッと一息、つかの間の休息が出来るこの連休を心待ちにしておられたことでしょう。
育てる会の子どもたちも年々大きくなって、今年は正会員の方の中でも何人も社会人になられました。18歳の春を目指して様々な活動に取り組んできた育てる会のメンバーです。
「赤磐ぐんぐん」が発足した時には、幼稚園児だった皆でした。ぐんぐんでのかわいらしかったみんなが、段々大きくなって、この日を迎えられたこと、親御さんも感慨ひとしおのことでしょう。これからが、またしばらく大変です。落ち着くまでのサポート、心を込めてお願いしますね。

さて、息子、哲平は、18歳の春を迎えてから12年が経ちました。現在30歳の春となります。
あれから12年。先日会社へ伺って、面談をしていただく機会がありました。夫と共に、M課長さんと支援員のIさんのお2人にお話し伺いました。
冒頭に言われたことが、お仕事は、平準化していて、波がない。出来たりできなかったりがないので、いつも同じ量を淡々とこなしているので、「こういっちゃなんですが、とても安定していてアテになる職員です」そんな風に言われました。
急な変更にとても弱いと言われていた哲平が、最近では急な変更も受け入れるようになってきたそうです。
いつもやるパレットの袋掛けを11パレット、1210個をやっていますが、急に12パレットに増えると、「多い、多いです」と言うらしいのですが、そう言いながらも最後までやるようになったとのことでした。
この話を聞きながら、ある人の言葉を思い出していました。
私たち自閉症の親たちの大先輩、元は自閉症協会岡山県支部の支部長をされていた今田恒子さんの言葉です。
「障害のある子は、ゆっくり成長するんよ。そして、いつまでも成長し続けるんよ」
彼女は、晩年長く闘病されていた癌により、昨年亡くなられました。
私たち親にとっては、たくさんの指針をくださった大先輩のお母さんでした。
いただいた言葉を胸に、また頑張ろうと思います。
そうそう、今ぐんぐんグループに通っているお子さんの中で、多動で落ち着きのないお子さんのお母さんへ、お伝えしたい言葉もあります。
今田さんは、息子さんが小さかった時、家にじっとしていない子の後をついて歩かれたそうです。
どんどん歩いて急に息子さんは、お城の城壁を、登り始めたそうです。その当時、次の子を妊娠されていた今田さんは、ここで息子を見失っては大変と、身重の体で息子さんの後を追いかけて岡山城の城壁を登られたそうです。
そんな今田さんの言葉です。
「多動な子は伸びるんよ。いろんなことに興味があるからどんどん一緒について歩いて、その子の好奇心を押し込めないようにすることが大切なんよ」
そんな風に教えていただきました。
私は素直な性格なので、その日から息子が行きたがるところへ付き添っていったものでした。小走りでトコトコ走っていく息子の小さな背中を追いながら、この子は何を目的に走るんだろう、何が見たいのだろうと思いつつ後ろを早足でついていきました。
意味が見えなくても今田さんの言われるこの子の好奇心を押し込めないことが、この子を伸ばすという言葉が救いでした。
親として、いいことにつながることをしていると思えることが救いでした。
本当に大変な日々でした。夕焼け雲の下を走っている息子の映像が、今でもふと思い出されます。
黄金色の輝く思い出です。いい時空を二人で過ごしたように思えます。
「多動な子は伸びるよ」忘れられない言葉です。
伸びたと思う哲平君は、今30歳。立派な働く大人になりました。

そうそう、もう一つ皆さんにご報告があります。
鳥羽哲平、ついに地方税の納税者になりました。
哲平のお給料は、年間207万円でした。ここからいろいろな控除が引かれて、総収入額は、126万2千円となります。125万円までが非課税ということですので、1万2千円非課税額を超えたことになり、地方税が、給料から引かれるようになりました。
こちらは、障害者とか関係なくて、お給料の総所得が、市民税を払う額に達したということで、天引きされていました。
今までも所得税は、ボーナス時に税金として給料から引かれていたのですが、こちらは障害があるので確定申告すれば返してもらえるということでした。でも、私たち夫婦の子育ての目標は、「税金の払える大人に育てたい」ということでしたから、やっとこの日が来たんだと、非常に嬉しく思い、そのまま納付していました。
でも、今回想定外だったことがありました。
市民税の課税対象者になると、それまで免除されていたグループホームでの給付費も、総額の一割負担となりました。
また、毎月の家賃補助の1万円もなくなりました。喜ぶべきことなのですが、それがとてもたくさんの金額になり、哲平の一年間の出費が、これまでより30万円ほど多くなります。
税金の払える大人を目指し、ついに税金が払えるようになったのですから・・・おおいに喜びたい。でも、ちょっとだけ複雑な思いの私です。

さて、その哲平、今年も西大寺マラソンに参加しました。
久し振りのレースでした。足を痛めてレースを休んでいた哲平です。
やっと復帰してのレースは、10キロを36分53秒で走り抜けました。30歳以上の部で5位、ほっと一安心のレース結果でした。
哲平が、ジョギングを始めたのは、小学6年生の頃でした。
哲平は自閉症で、知的障害も重度の子どもでしたから、一緒に遊ぶ友達はありませんでした。
スポーツだって一緒にやる友人はいませんでした。体が大きくなってきて、エネルギーもいっぱいでした。
何か体を動かさないと、時間が持たないと思いました。それで、一人でできるジョギングはどうだろうかと思った訳です。
ジョギングなら、サッカーや野球と違って誰かと一緒にやらなくてもいいし。ルールが難しいわけでもありません。
ただ走ればいいだけです。それまでも家を飛び出したときの逃げ足の速さには定評があった哲平には、ぴったりではないかと思いました。
場所は、自宅近くのあまり車も通らない農道を繰り返し、くるくる同じところを走るというものでした。
途中逃げ出してしまわないかと心配しましたが、その頃の哲平は、もう逃げたりしませんでした。
小学6年生の時には、多動も落ち着いて、指示に従うことが出来るようになっていました。
はじめは、私も一緒に走りました。でも小学校6年の男子は、とても元気で、到底母親の体力では、ついていけるものではありませんでした。
それで、自転車で伴走することにしました。やがては、電動自転車でないと追いつけないぐらいになりました。
そんな風にして、走ることを生活の中に取り入れていくことが、出来たのは、運動不足を解消するということだけにとどまらず、哲平の思春期の情緒の安定にも、とても有効だったように思います。
走ることは、エネルギーの発散と共に生活のメリハリをつけました。
これをしてこれをしたら、次は走るというように、家事や学習のほかに運動をするというスキルが、暮らしの中に定着したのでした。哲平は、楽しく気楽に走っていました。
それに変化があったのは、就職してからしばらく経った頃でした。
会社の支援員の I さんから、マラソン大会に出てみないかとお誘いを受けたのでした。
哲平を大会に出すなんて、考えたこともなかった私たちでした。でも、一緒に走ろうと強くお誘いくださるので、それなら一度挑戦してみるかと、お誘いを受けることにしました。
職場の指導員の皆さんに加えて、当時の会社の所長さんや部長さんも応援に来られるというのです。えらいことになりました。
それで、誰か伴走をしていただくことが出来ないかと、知り合いの方を通して、足の速いボランティアを探しました。
「山口衛里さんで、どうですか?」 知り合いの方と一緒にお願いに行った先で、言われたのでした。シドニーオリンピック代表の天満屋の山口衛里さんと一緒に走れるなんて・・・、なんということでしよう。
話は、着々と進み何度か一緒に練習もしました。ウェアや靴も山口さんが、一緒に選んでくださって、ありがたいことでした。
いつも色んな方が、応援してくださって、新しい道が拓かれていきます。
ついに蒜山高原マラソン全国大会の当日がやってきました。
お天気は晴れ、天満屋陸上部の武富監督も一緒に走ってくださって、山口さんと哲平の前を先導していってくださったそうです。
「伴走者が来ます。道を開けて下さい」とふたりの前を走ってくださったとか・・・。
4大会連続でオリンピックの日本代表に選手を送りだし、日本陸連の女子マラソン部長になられるような方が、哲平の為に走ってくださったのでした。
当時の記録は、10キロ43分というものでした。
    (当日のスタート前の写真です。一番左が武冨監督、その前が伴走していただいた山口さん、
      右端が誘っていただいた I さん、哲平18歳の初マラソンです)
初めて出たフルマラソンでは、桃太郎夢クラブで一緒に走っているKさんが、伴走を引き受けて下さいました。
いつも初めての経験の時には、どなたかが協力いただけて、無事に走ることが出来ました。その時の記録は、初めてのフルマラソンで2時間50分台でした。
今では、伴走がなくても一人で走れるようになって、岡山マラソンは3年連続で参加しています。
「多動な子は、伸びるよ」
この一言が、私の救いの言葉でした。
いろんなことを見ながら、興味を満たしながら知識をため込んで、哲平は育っていったように思うのです。
今、多動な子をお持ちで困られているお母さんたちに言いたいです。
「あきらめないで!多動な子は伸びるよ!!」
哲平の最近の写真を載せましょう。会社で働ているところです。
これは製品を入れる箱のバーコード貼りをしているところです。
お仕事頑張る哲平は、障害はあってもしっかり働く大人になれるということを、証明してくれます。色々問題はあるけれど、何はともあれ税金を払える大人になった哲平です。
哲平は、私たち夫婦の誇りです。

さて、最後に一つお知らせがあります。嬉しいお知らせです。
岡山で私が尊敬する児童精神科医の本田輝行先生が、このたび新しく開院されることになりました。
これまでは旭川荘療育・医療センターの精神科部長としてご活躍されておられましたが、このたび5月1日より、岡山市北方に「すずらんクリニック」を開かれ、診断・治療を行っていただけます。
本音を申しますと、本田先生には児童精神科医のいない赤磐市で開業していただきたかったのですが、北方でしたら赤磐からも通いやすいですし、なにより信頼する本田先生が開院されたのが嬉しくご報告いたします。
詳しくは下に案内を載せていますのでご覧ください。
それでは今日はこのあたりで、ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)

平成30年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生による、平成30年度の即実践講座が始まりました。
「自閉症支援再考! 今 改めて」として、支援の在り方を振り返って見直す場となり、今日から改めて即実践に生かせる講座となることを願っています。
第1回は公開講座で、保護者や一般の方にもわかりやすいお話しでいたが、第2回よりは、いよいよ支援者対象の専門講座となります。
途中からでも参加できますが(それまでの講座のブルーレイはお貸しします)、やはり、実際に参加されて講義を聴かれた方が、はるかに良いことは間違いありません。
迷われている方、どうぞ躊躇うことなく第2回からの参加を申し込みください。
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2018sokujissen.pdf

  【 第2回 即実践講座 】

日 時:平成30年6月8日(金)19:00〜20:55
場 所:岡山生涯学習センター 大研修室(岡山市北区伊島町3‐1‐1)
テーマ:「視覚支援再考!」
講 師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分) 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
※ 岡山生涯学習センターが6月半ばより、耐震工事で休館となるそうですので第3回以降の会場は、会報のこの欄でその都度お知らせします。
受講生の方は、確認をよろしくお願いします。

平成30年度 育てる会総会&記念講演会

平成30年度の総会および記念講演会のご案内です。

  【総会】

日 時:平成30年5月23日(水) 9:30〜10:00
場 所:山陽ふれあい公園 本部室(赤磐市正崎1368)
正会員の方でまだ返信をいただけていない方、5月18日(金)までに必ず返信をお願いします。
欠席の方は委任状をお願いします!

 【記念講演会】

日 時:平成30年5月23日(水) 10:00〜12:00
場 所:山陽ふれあい公園 フィットネスアリーナ(赤磐市正崎1368)
テーマ:「自閉症児の身体の育ちを考える U 〜発達障害、ずれた歯車の戻し方(実技編)〜」
講 師:藤井 直基 先生(理学療法士)
※ 詳しくは http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/20180523.pdf  をご覧ください。

AAO活動のご案内

今年度もAAO活動を続けていきたいと思っております。
活動に参加してくださるご家族を募集します。

 〜AAO活動とは〜

親が企画した内容に沿って、子ども1人とボランティアさん2人とで活動します。
一年間、同じボランティアさんと活動します。
親が企画するので、わが子に合わせた無理のない活動ができます。
親や親戚ではない人との関わりや、公共の場でのマナーなどを学ぶ良い機会にもなります。親にとっても、わが子の新たな一面を知ることができ、勉強になります。

  ◆参加家族の募集について

対  象:小学2年生以上(兄弟児の参加はできません)
活 動 日:7月〜3月の間で、年3〜4回を予定しています。
      (参加家族数にあわせてボランティアのお願いに回りますので、活動開始時期が遅くなる場合もあります。ご了承ください。)
活動時間:基本としては、10時〜12時
   ※活動日、活動時間は、活動内容や都合により各家庭で決めます。
活 動 例:ボウリング、公園で遊ぶ、電車、バスなどを利用してショッピングに行く、映画に行く、など
活 動 費:ボランティア保険代を最初に集めます。
      活動にかかるお金や、ボランティアさんが活動場所に来られるまでの往復交通費なども、親が負担します。活動内容により、金額は各家庭で異なります。

  ◆AAO活動説明会について

6月22日(金)、きらめきプラザ2階の受付カウンターの奥側にある交流スペースにて、お申し込み下さったご家族に、活動についての説明を行う予定にしています。都合のつかない方には担当より個別にご連絡しますので、事務局までご相談ください。

  ◆参加申し込み期限:6月6日(水)

育てる会事務局へお申し込みください。みなさまの参加をお待ちしております。(正会員 限定)

18歳の春を目指すクラブのお知らせ

18歳の春を目指すクラブの平成30年度 最初の活動のお知らせです。
日 時:平成30年5月11日(金)10:00〜12:00
場 所:東山公民館(岡山市中区平井4‐13‐33)
内容は、お母さん同士の親睦会も兼ねての、今年度の活動を決める座談会です。
代表も参加されます。
小さいお子さんをお持ちのお母様も大歓迎です。
先輩お母さんとの交流を持つとても良い機会です。ご参加お待ちしております。
ご興味がある方は、事務局(086‐955‐6758)までお問い合わせください。(正会員 限定)

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今年度、最初のOHAの会です。
アドバイザーは今年も臨床心理士の利守愛子先生にお願いしました。
日 時:平成30年5月30日(水) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194-1)
参加費:1,000円
申し込みは事務局まで(TEL.086‐955‐6758)(正会員 限定)

はやぶさの会の報告

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
先日4月30日(月・祝)に、玉野市にある渋川動物公園に、初参加の子も迎え5組の親子で参加しました。
渋川動物公園は、見るだけではなく、餌やりをしたり、直接触ることもできる、五感を刺激する園です。
ニホンザル・ウサギ・チャボ・にわとり・七面鳥・クジャク・オウム・馬・羊・ヤギ・うさぎ・犬・猫・亀・・・たくさんの動物たちに最初はおっかなびっくりだったり、果敢に触りに行ったりの子どもたちでした。
最初は怖くて近寄れなかった子も、皆が挑戦しているのを見て「少しだけ触ってみようかな」とチャレンジすることもできました。
園内は広く、それぞれの子どもで興味関心もバラバラ。基本は親子で動きながら、餌やりで合流・馬乗り体験で合流・吊り橋わたり・お弁当などで親同士で連絡取りあいながら、ところどころで出会うことができました。
お弁当を食べる際には「近くに座ろうよ!」と隣同士にシートを広げているのに、てんでバラバラな方向を見ながらそれぞれ食べる姿に「さすがだわ」「でも、近くにはいたいんだね」と親同士で笑いあうこともできました。
羊の毛刈りのところではテレビ局の取材もあり、夕方のニュースに取り上げられ、帰宅後、大騒ぎ&大喜びをして良い思い出にもなりました。
もちろん、いつだってうまくいく訳ではありません。
今回も子ども同士が言い合いになったり、想いをうまく言葉にできずに少し大人の手を借りる必要があったりもしました。
「ごめんね」「いいよ」を言わせることより、お互いの気持ちを話して「分かるけど、でもすぐには仲直りできん」と言える空気が素敵だなと思いました。
周りの子どもたちもそれまでは遊びまわっていたのに、なんとなく黙ったままそわそわと周りで座って様子をうかがっている様子も、「ああ、この関係がどうなるか皆気になっているんだなぁ」「気にしていないようなのに、やっぱり意識はしているよね」と嬉しい気持ちになりました。
しばらくすれば元通り。また一緒に遊んでいました。
強制も指導も焦りすぎもなく、ゆっくりと場所や時間を共有すること。
誰かが我慢しすぎたり、誰かが王様になったりせず、皆が対等で話し合うこと。
学校や地域ではなかなか練習できないことも丁寧に実地で学びあってほしいなと思います。
友達は学校や地域で無理に探さなくてもいい。
自分も相手も無理せずに、喧嘩をしてもまた自然に一緒に遊べるような、そういう存在がいつか「友達」というカテゴリーになってくれたらと母は願っています。
参加された方から感想をいただいているので一部紹介します。
動物大好きな子なので、初参加させていただきました。というより、一年生になり様々な環境の変化やトラブルで、母が心もお肌もボロボロになっており、発達に関して話せる友達がほしいと感じていたのが参加動機です。親子のイベントなど一緒に参加すると、問題行動をするわが子を制止したり「ごめんなさい」と謝る経験が多く、楽しむために参加したはずなのに、「お母さん怒りんぼだから嫌い」と言われる始末。
しかし、はやぶさの会は親子で心地よく楽しく過ごせました。一人別行動していても「あるあるだねー」と問題視されず、子どもたちの行動を分析しながら笑い話にでき、わが子の良いところを褒めてもらえたり・・・。最近他の子と比べてばかりの自分自身に気づかされました。わが子は、マイペースな性格で、社会性は並行〜共有の段階で、相互的なやりとりはまだまだですが「次はケイドロしたい」とお兄ちゃんたちと遊べる日を楽しみにしていて、嬉しい一日でした。ありがとうございました。
今日はありがとうございました!気づけば皆で仲良く遊んでいたり、「どっちの方に行けばトイレに行けるかな」と地図を見て話し合ったり、子どもたちのできる力にちょっとびっくり、そして嬉しかったです。
大人が色々フォローしなくても、できるんだなーと思いました。
お友達と一緒だったので、苦手だった動物もちょっと克服できたかなー?と思います。
「はやぶさの会」と聞いて、「やったー!明日楽しみなことがある!」と本人の中で楽しみになってきているのが嬉しいです。グジグジしたり、行き会いところに行ったり、もめたり。色々あってもOKな雰囲気がありがたいです。
もめられるぐらいに、相手のことを意識してきたんだなとも思います。母たちでもっとおしゃべりできる時間も持ちたいです。
何回か家族で行ったことのある渋川動物公園。「今回が一番楽しかった!」だそうです。
生き物好きのわが子には魅力的なところです。お友達と一緒に活動できるかな?一人で暴走しないかな?と心配していましたが、楽しく一日を過ごせました。
ゆるやかな団体行動、なんとなく輪の中に入る感じで大丈夫。そんな付き合い方が心地よさそうでした。そして、羊の毛刈りの取材に来ていたテレビ局のインタビューにも頑張って答えていたわが子でした。ありがとうございました。
はやぶさの会は、内容が余暇活動のように見えるかもしれませんが、一番の目的は「同じ特性を持つ友達作り」です。初めては緊張するかもしれませんが、一緒に活動をしながら、ゆっくりのんびりペースで関係作りをしています。
また、同じ悩みを持つお母さん同士でもつながりあい、話しあうことを大切にしています。ぜひ一度ご参加ください。お問い合わせは事務局まで。
(担当:M)

水泳教室のお知らせ

日 時:平成30年5月20日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。(正会員 限定)
体験してみたい方は、1回 1000円です。
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は5月17日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。

サッカークラブのお知らせ

5月はお休みです。

  【 次回のサッカークラブ 】

日時:平成30年6月10日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド(正会員 限定)

お母さんコラム

小2・ASDの息子を持つ母が、普段の息子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
息子も小2になり、通っている特別支援学級には新一年生が2人入ってきました。これまでは一番年下だった息子は、昨年度中から「早く一年生来ないかなー?」「色々教えてあげたいなー」とうきうきわくわく。
入学式の日から「ランドセルはここよ」「給食食べるのはこっちだよ」「外に出るなら赤白帽子がいるんだよ」と細かく丁寧に教えて回っていました。
最初は素直に聞いてくれていた一年生たちですが、だんだん「学校楽しい」「自分でやりたい」と思うようになってきたようで、アドバイスや話をしても、聞いてもらえていないことが増えてきた様子です。
以前の息子だったら、親切や優しさでした行動・言動が受け入れてもらえないことに怒ってしまっていましたが、一年生に怒ってはいけないと思っているようで、さらに丁寧に一生懸命ことばで理由などを説明しているそうです。
でも話せば話すほど、まだまだ一年生にはチンプンカンプンなようで。頑張っている息子の姿が目に浮かびます。
さて、そんな我が家は今年、PTA役員を引き受けました。
地区役員とそこから選出された専門部会の部会長です。皆さんに「よく引き受けたね!」と言われますが、特別支援学級にいると、普通クラスの方とは接点があまりないですし、学校全体の活動に携わる機会もあまりありません。
それは楽ちんなようでも、少し寂しい気持ちでいた去年でした。何か学校の役に立てる活動がしたいという思い+「特別支援学級の子ども」には少し距離があるお母さんたちでも、「PTA役員していた〇さんのお子さん」ということであれば、少し親近感を持ってもらえるのでは?という期待も込めて引き受けました。
まだスタートして一か月ほどですが、学校の先生たちの苦労話や学校経営に対する思いなども聞くことができ、とても興味深い時間を過ごしています。
また役員仲間も増えてきて、私自身ママ友的な存在がASD仲間以外にできているのがなんとも不思議で嬉しいです。
「大変」「いやだ」と思うと、気持ちは落ち込みがちですが、「面白い」「楽しい」と思ってすると、同じことでも前向きになるように感じます。今年PTA役員される皆さん、頑張りましょうね!
さてさて、息子の面白話を一つ。
先日ふと「なあなあ、ママや妹のこと、大好き?」と聞いてみました。いつもなら「大好き!」と即答の息子が、「んー、普通」と答えました。
「え?!なんで?こないだまで『大好き』って言ってくれていたのに!どうして変わっちゃったの?」と聞くと、「別に変わってはないよ。もう小2になったから言わないだけ」と。
「・・・それって、本当は『大好き』だけど、口にするのは恥ずかしいから言わないことにしているっていう意味?」と聞くと、にやにやしながら「普通ってことにしといてや」と。
なんだか大きくなっています!男の子はそのうち母親から離れて生意気になっていくと周りの先輩たちから聞いていましたが・・・そんな日も近いようです。
嬉しいけど寂しい!!複雑な親心でした。笑
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ  (就学前)

今年度最初の「ぐんぐんぴっぴだより」は、新年度からの変化について報告します。
まずは、お部屋の構造がガラッと変わりました!
今年度より、ぐんぐんぴっぴの療育は、1才代から年長のお子さんまでが通われるようになりました。
今までよりも、利用されるお子さんの年齢の幅が広がったので、各エリアをどのように配置していくか、スタッフ内で何度も話し合いました。
今回一番大切にしたことは、『お子さん一人一人にとってわかりやすいこと。そして園生活、家庭生活への般化につながるものであること』です。
ぴっぴで過ごす時間は、お子さんにとって生活のごく一部です。けれども、そこでみつけたお子さんにとって暮らしやすくなるアイデアや、お子さんが伝えやすくなる方法は、より多くの時間を過ごす、ご家庭や園で般化されることで、お子さんとご家族の暮らしやすさにつながると思います。
その時に、ご家庭で「これなら準備できそう!」と踏み出せるきっかけになるように、家具の配置を工夫することで、エリアの境目をわかりやすくしたり、ホームセンターや百円ショップで買える物で支援ツールを作りました。
また「あそび」の部屋も一室にまとめ、一人で過ごせる空間も作りました。
園生活では「お友達の使っているものを使いたい」「一緒にしたい」と思う場面がいっぱいあります。
そのトラブルを起こさないよう避けるのではなく、コミュニケーションが起きそうな場面をあえて設定し、そこへ支援を行うようにしています。
また、瀬戸高等支援学校の生徒さんが作られた可愛い机も置かせていただきました。新しい家具って、大人もワクワクしますよね。お子さんたちも喜んで使ってくれています。
さらに大きな変化として、スタッフ全員エプロンを脱ぎました!
療育に来られたお子さんとご家族の方をお出迎えするのにふさわしい服装を意識するために、エプロンを外すことにしました。
「エプロンなくてどうかな、戸惑うかな。」と初日は心配でしたが、お子さんたちはこちらが心配するほど気にならずに、中には「先生と一緒〜♪」と、絵本のみかんとスタッフの服が同じ色だね、と喜んで教えてくれたお子さんもおられました。
名前と顔を確認できるように、顔写真入りの名札をつけたり、「みんなの会」でお子さんたちが名前を呼ばれて返事をするように、先生たちもきちんと顔を出して挨拶をしています。まずは、大人がモデルになることが大事ですね♪
4月18日には、佐賀県から服巻智子先生がコンサルテーションのためにお越しくださいました。
構造化についてご指導いただき、さらに、スタッフの療育の様子を見ていただきながら、その場でお子さんとのより良い関わりを教えていただきました。お子さんにあった関わりをすると、お子さんも活き活きとした姿を見せてくれました。今年度も服巻智子先生にコンサルテーションに入っていただき、より良い療育ができるよう、スタッフ一人一人グレードアップしていきたいです(^ ^)
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ K

赤磐ぐんぐん  (就学前)

赤磐ぐんぐんでは、新年度療育がスタートして一か月がたちました。
毎年4月には部屋の家具の配置を変えたり、メンバーが変わったり、スタッフが変わったり、活動が変化したりするのですが、今年度最も大きい変化は、「保護者同室」スタイルになったことでした。
これまでは、療育の様子を保護者には別室でカメラごしに見ていただき、スタッフが最後に様子をお伝えする形をとっていましたが、固定カメラのアングルによってはお子さんが見えにくかったり、どんなコメントを言っているかが聞こえなかったり、なかなか療育の様子が伝えきれなかったため、今年度は保護者同室で、実際の様子を間近で見ていただけるように変更することにしたのです。
お子さんたちが普段いないお母さんが同室することでどうなるかな?
お母さんたちがどんな反応されるかな?と色々心配していました。
実際に始めてみると・・・。
子どもたちは最初少し戸惑っていましたが、「いつもと同じ」がたくさん用意されていることで、普段通り療育に参加できるようになりました。
また、お母さんたちもこれまでは見えなかった他のお子さんとのやりとり場面やお子さんの発信・表情などをしっかり見ていただくことができ、「何をしているかがよくわかって、とても嬉しい」「こんなに良い表情をしていたんですね」など、喜んでいただけてホッとしています。
「案ずるより産むがやすし」でしょうか。
色々な変化は、自閉症スペクトラムのお子さんも苦手ですが、実は私たち大人も苦手です。
何が起きるのか、どんなリスクがあるのか、もしトラブルになったらどう対応すればいいのかを考え、一つ一つに見通しと準備を用意してから、やってみる。そして成功体験を積み重ねられるからこそ、新しいことにもチャレンジできるんだと思います。
「案ずるより産むがやすし」になるためには、「とりあえずGO!」ではなく、ちゃんと下準備が大事!
今回、私たち自身が大きな変化を体験したことで、子どもの色々な変化への不安感を、そして丁寧にわかる形で見通しを用意する大切さを実感することができたなと感じました(^^)
「自閉症スペクトラムのお子さんは、いつもと同じが好き・パターンが好き」と思われている方も多くいらっしゃるかもしれません。
脳のタイプからくる学習スタイルとしてはそういうところもありますが、「何がどう変化し、何がどう同じなのかをわかるように示せば、理解できる」「むしろ自閉症スペクトラムの人にとって、過ごしやすくなるような発展的変化であれば、喜んでくれることも多い」ということも、お子さんたちが教えてくれます。
今年度の赤磐ぐんぐん療育は「保護者の方と一緒に考えあう」ことを大切に、ともに学びあい、育ちあい、笑いあえる療育にしたいなと考えています。一年間、よろしくお願いします。
赤磐ぐんぐん 療育スタッフM

ぐんぐんキッズ (小1〜)

新年度が始まりました。新1年生もぐんぐんキッズでの活動がスタートしました。
スケジュールを見て自分の予定を確認し、どうなったら終わりかを確認します。
自分のスケジュールはどうなっているんだろう??と、
次のスケジュールに切り替えるタイミングでは、自分でスケジュールを確認に行き、「あそびがおわったらおやつだ!おもちゃ片付けよう!」と切り替えることができるお子さんもいます。新しい場所ですが、スケジュールで予定が分かっているので、混乱してしまうお子さんは誰もいません。
見通しが分かっている事ってとても大事なんだな、と、子どもたちの動きを見ていて感じます。
お子さんによっては、スケジュールの扱い方に少し迷ってしまうお子さんもいましたが、なぜうまくいかないんだどう? と理由を考えているところです。
もしかしたらこれが理由かも?ということを一つずつ試してみて、自立的に扱えるように考えていっています。
ぐんぐんキッズに継続で通って来られるお子さんはそれぞれ1学年大きくなり、「○組になったよ!」「2年生になったら掛け算が始まるんよ!」「○○先生になったよ!」と、いろいろお話をしてくれます。
ぐんぐんキッズに新しく入った1年生に、活動の場所を教えてあげたりする姿も見られました。優しい姿に子どもたちの成長をとても感じました。
保護者の方からも、「担任の先生が変わりました。」「担任の先生はそのまま同じ先生でした!」と報告を受けます。
不安に思われている方も多いように感じますが、担任の先生が変わったとしても、変わらなかったとしても、新しいしスタートです。
メンテナンスをしたサポートブックを新しく子どもたちに関わる先生方に見てもらいましょうね。担任が変わらなかった人は、新しいクラスでの様子を聞き、サポートブックを先生に見てもらって、付け加えた方が良いことなど、聞いてみてもいいですね。
新年度スタートしました!今年度も、子どもたちが楽しく機能的に学べる工夫をスタッフ皆で考えていきたいと思っています!!
ぐんぐんキッズ 療育スタッフ

新聞記事のご紹介

先月の会報には、間に合いませんでしたが、4月2日に行われた世界自閉症啓発デーのチラシ配布の記事です。
岡山シーガルズのみなさん、市職員のみなさん、お世話になりました。
ありがとうございました。

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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