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平成30年11月30日
第247号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
247号 目次
秋の朝湯
自閉症啓発セミナーの報告
即実践講座のお知らせ
支援ツール勉強会、GHほっぷ1・ぐんぐん見学会の報告
はやぶさの会・水泳教室・サッカークラブ・OHAの会 のお知らせ
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「支援・指導のむずかしい子を支える魔法の言葉」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
寄付の御礼
岡山市の東、ここ赤磐市は、山間にあるため、11月も終わりのこの時期には、朝は特に冷え込みます。ここで暮らし始めて45年になります。
今年は柿の実りが少ないと義理の兄が、ぼやいています。熟したころを見計らって柿泥棒にカラスがやってくるらしい・・・。
はなみずきに続いて藤の枯葉が散り始めて、掃けども掃けども木の葉で庭がいっぱいになります。家の裏山が黄色や橙に鮮やかに染まって、短い秋が足早に去ろうとしているよう・・・。
今月は、重松先生による講演会から始まりました。
久しぶりの先生の講演会でした。先生の講演会は、明るく楽しく分かりやすくて、会場中を重松ワールドへ引き込んでいかれました。
11月3日の文化の日に、自閉症の文化を理解するという講演内容でしたので、自閉症の基礎的な理解と、具体的な支援をかみ砕いて、分かりやすくお話くださいました。
初めての講演会参加の方にも、分かりやすく、また、何度も何度も話を聞いたはずの私にも、改めて、「そうそうそうだった」と気付かせてくださることが、多くありました。
講演会は、数ありますが、こういう丁寧さで、初心者から支援者までを網羅する形で納得させてくださる先生は、そうはいないと思うのです。
後のページに報告を載せていますので、ご覧ください。
11月11日には、岡山マラソンが行われました。3年連続出場していた哲平でしたが、今年は抽選に外れてしまいました。
今年連続4回目の出場権を得た鳥羽父を応援するために、哲平と二人でイオン岡山の前で待ち受けました。
哲平も「お父さん、頑張れ〜」と応援しました。
その鳥羽父、残念ながら両足に痙攣がきたそうで39キロ地点で関門に引っかかり、リタイヤとなったそうです。
やっぱり哲平と一緒でないと気持ちが乗らないのか、練習もあまりせずに臨んだ今回のマラソンでした。「やっぱりな〜」と思う私でした。
応援してくださった皆さん、残念です「ふがいない鳥羽父をお許しくださいませ」。
でも、67歳で挑戦しようと思うところは、すごいな〜と、改めて思う私でした。
頑張る人が好きですから♪
鳥羽父が本来ゴールするであろうと思った約6時間、待っている間に哲平と二人、イオンシネマで「日日是好日」を観ました。
樹木希林さん主演の映画です。全身がんに侵されながらも、映画を愛し、最後まで生き抜いていかれた彼女の魂のこもった足跡の一つの映画です。
自分の将来が見えず、思い悩む一人の大学生(黒田華)が、茶道を教えてくれる武田先生(樹木希林)との日々の中で、生きていくことの意味、自分の生き方を模索し、それを見つけていくまでの物語です。
哲平がこれを見たいと言うので見ましたが、私にはとてもいい映画でしたが、哲平にとってはどうだったのでしょう。
「映画面白かった?」と聞けば、いつものように「面白かったです」ときっぱり答える哲平です。
居眠りもせず、一生懸命見ていたので、まあ〜これも良しとするか・・・ですね。
哲平は映画を見に行くのが好きです。いつも映画のコマ−シャルがあると、私にこれを見に行きたいと、お願いにやってきます。
そして、行けばまず最初にポップコーンを買って、ドリンクはオレンジジュースです。そして私にコーラを買ってくれます。
2人で並んで、ポップコーンをほおばりながら映画を見るというのが、いつもの私たち。
そして、最後に映画のパンフレットを買うのが、哲平の楽しみのようです。
パンフレットのコレクター哲平です。その為の映画鑑賞か?とも思えるのですが・・・。
何にしても楽しみがあることは大切な事です。映画を見にいって、ポップコーンを母におごって、パンフレットを買う。
これは彼の楽しみです。これでいいのか? いいんじゃん!なんてね。
11月17日には、千葉のフォレストサウンドさんが見学に来られました。
従業員の内、総勢20人もの方が、はるばる岡山へきてくださいました。
理事長の山中さんとは、昨年の夏の国治研のTEACCH研修でノースカロライナまでご一緒した仲です。
育てる会の事業所を見学したいと皆さんを連れてわざわざ来てくださったのです。
フォレストサウンドさんは、児童発達支援、放課後等デイサービスのほか、生活介護の事業所も運営されています。
育てる会では児童発達支援と放課後等デイサービスは運営していますが、生活介護や就労継続B型はやっていないので、赤磐市のワークス太陽の家をご紹介しました。
岡山空港からバスで赤磐市へ、ワークス太陽の家、グループホームほっぷ1、赤磐ぐんぐん、ぐんぐんキッズ、ぐんぐんぴっぴと見学されて、大忙しの一日でした。
事前にどんな順番で見学していただいたらいいだろうと、いろいろと検討しました。
何しろ育てる会の事業所は、近いとはいえ赤磐市内に3つの地域に分散しています。
それを、昼食を含めて3時間半で効率よく回っていただく為には、相当考えなければなりません。
しかも赤磐ぐんぐんとぐんぐんキッズのある赤磐市和田の細い道には、大型のバスが入れないということでした。下見にいらっしゃったバス会社さんが、道幅は大丈夫だけれど、途中の生け垣が張り出しているお宅があって、バスはそれに当たってしまうというのです。それは大変、大急ぎでワゴン車と私の車でピストン輸送することになりました。
それにしてもこの道幅、消防自動車でも大きいのは、入ってこれないということですよね。
もし火事になったら、どうするのでしょうか? 安全対策を大急ぎで消防署にお尋ねしなければと思いました。
それはさておき、フォレストサウンドさんの皆さんは、熱心な方たちでした。
色々な質問が飛び出して、こちらのスタッフも同じ仕事に携わる者として、応えるのもうれしい時間でした。
夜は、合同研修ということでこちらのスタッフ3名と私も一緒に下津井のホテルでお泊り勉強会に参加させていただきました。
温泉に入って、研修してと、楽しい一泊でした。
皆さんの感想が、後ろのページにありますので、ご覧ください。
(翌日 瀬戸内海をバックにみんなで記念撮影です)
私たちは、一生懸命療育を頑張っているのですが、外部の方のこういった評価は、励みにもなります。
これでいいのか、もう少しこうしたいというようなことが、他の方の視点で見てもらえることで、「うん、これでいいのだ!」と思えるし、励みにもなります。
見学へ向けて、それぞれの事業所スタッフも、改めて自分たちの療育を考えるいい機会となりました。
話は変わって、岡山県立瀬戸高等支援学校が、10周年を迎えました。
この学校は、岡山県で初めての知的障害が比較的軽い子供たちの為の就労を目指す支援学校です。
開校前の立ち上げ支援室の時代から、何度か親の会としての意見を聞かれました。
どんな学校にするのか、どんな学校が必要とされる学校なのか、当時の支援室のO先生とS先生が、私たちの意見を聞いてくださいました。
嬉しかったですね。
子どもたちの願い、親の想いに寄り添う形の学校設立でした。
こういう考え方で運営をしていかれるような学校が、かってあったでしょうか?
私は知りません。
初めからよそとは違う学校でした。
10年前、開校当時は、体育館はまだ改装前で使えませんでした。
そこで、校舎と校舎の間にあるそんなに広くもない中庭での入学式。
その日はお天気が良くて、4月にしては、太陽がぎらぎらと照りつけましたっけ・・・。暑くて大変な入学式でした。
今となっては懐かしい、いい思い出です。
先生方も県下から集められた精鋭ぞろいで、熱い想いの先生方が、何とかこの学校を運営していきたい、より良い学校にしていきたいという、そんな意気込みを感じる学校でした。
先日は、10周年の記念式にも呼んでいただいて、感謝状をいただいたような次第です。
この学校は、私たち自閉症児を育てる会の子どもたちにとっては、岡山白陵級の学校です。
ここへ入るために、頑張って勉強している子どももいます。
そうして運よく入学出来たら、一生懸命学び、そして就職していった子供たちが今も頑張って、続けてお仕事しています。
入学式に、卒業式に参加させていただくたびに、小さかったあの頃のことが、目に浮かび、涙が思わず流れます。
いい学校を作ってくださって、ありがとうと、私はいつも感謝しています。
そして次は、知的障害のない子どもたちでも通える自閉症学校を作ってほしいと思います。
今や、67人に一人の自閉症の子どもたちがいます。その中の多くが知的障害を伴わない子どもたちなのです。
彼らはこれから、どのような道をたどって大人になっていくのでしょう?
お仕事につくにはどのようにしていけばいいのでしょう。
親は、本当に必死でこの子たちの将来を模索しています。
ぜひとも岡山に自閉症の子どもの為の学校を、全国で一番最初に作っていただきたいと思うのです。瀬戸高等支援学校を作ってくださった岡山県です。
その気になれば出来るに違いない! それを信じて、ここに書きます。
少子化の社会で子どもの数はどんどん減少しています。
けれど普通学校でも支援級に入りたい子供の数はどんどん増えているそうです。
昔、子どもを支援学級に入れたがらない親が多く、校長先生は毎年支援級への入級を打診するという状況でした。
ところが今は違うのだそうです。
親が、自閉症・情緒のクラスに子どもを入れたいという人が多く、どこの学校も学級数が足りなくて大変というのです。
昔と大違いの状況になっているらしいのです。
本当は、情緒クラスで丁寧な支援が必要なお子さんでも、もっと大変な人がおられるので、普通級へ転籍を進められる現状だというのです。
もちろん普通級で、特別支援がちゃんと機能するのならいいのですが、そうでもない現状では、いったいどうすればいいのでしょう。
少ししか生まれてこない子供たちのうち、多くの子どもに発達障害がみられるようになった今の状況を、しっかり認識して、教育に予算をしっかり投入しなければ、日本の将来は危ういのではないでしょうか? 大局を誰が見ているのでしょうか?
20年後30年後を考える教育を、本気で取り組まなければ、多くの不登校や引きこもりの大人を作り出すだけになると思えます。
日本の将来が危うい! 心配でならない私です。
しっかり育てて、働く大人になってもらうには、どうすればいいのか。障害者雇用を水増ししても、おとがめなしの行政ですが、ここでは本気で考えていただきたいと思います。
折しも入管難民法改正案という法律が衆議院を通過しました。
日本人の労働人口が少なくなってきたので、外国人労働者の受け入れを拡大して乗り切ろうということだと思いますが、障害のある人たちをしっかり教育することで、労働人口を増やすという方向性も考えていただきたいなと切に思う私です。
さて、再びお話は変わって、支援ツールの勉強会の全4回が、無事終わりました。
京都から遠いところを毎回お越しいただいた澤月子先生は、元気で前向きで明るくって、みんなに元気を与えて下さったと思います。
スケジュール作り一つをとっても、大切な事は分かっていても、なくても暮らしは成り立っていきます。
子どもは、言えば何とか動いてくれますから、その必要性をそれほど感じない親御さんは多いのではないでしょうか?
でも、言われて動くのと、自分から自立的に動くのとでは、動いている子どもの心が違います。一人で動ける。言われる前に自分からできた。その積み重ねが、自立心を養い自己肯定感を育むのではないでしょうか?
たった一つのスケジュールで、子どもが変わるのなら、ピッタリのものを考えてやらなければなりません。
それは親としての責務ではないでしょうか?
中に、まだ実物提示で動いているお子さんに対して、写真や絵カードを使おうとされるお母さんもおられました。
「この提示では分からないのではないかしら?」と申し上げましたが、「とにかくやってみます」と言われました。
やられてみた結果は、言われなかったので分かりませんが、親が作る支援ツールです。分からなければ何度でも作り直すことができます。
それもすぐやる、すぐ作る。それができるのが、親の特権です。誰にも許可はいりません。子どもの様子を見て、分かるまで根気強く作り替えていけばいいだけですもの。
我が子に“ぴったり”を親は、何度でも作っていけばいい。そして、毎日作り替えていける機会があるということです。
ただ親は、専門家ではないので、ともすれば行き詰ります。そういう時にアドバイスを下さる先生がいらっしゃったことで、元気に拍車がかかりました。
「勉強会のある日までにこの支援ツールを完成させて、先生に見てもらいたい・・・。その思いで作るから作れた」そんな風に言われたお母さんがありました。
支援ツールの勉強会は、楽しくて、やったことを先生が、一つひとつ褒めて下さるし、そして、みんなにも認められる。そんな時間でした。
支援ツールの勉強会は、終わりましたが、参加して下さった皆さん、この調子でどんどん我が子のために、いろんなツールを作っていきましょう。
私は、グループホームの利用者の為に、今日の天気の提示の表と、ルンバのゴミ捨ての手順書を作ってみました。
哲平の為には、朝出かける前のチェックリストを作りました。
やってみよう!そんな気持ちがムクムク湧いてくる最近の私です。これも澤先生のおかげに違いありません。
先生には、本当にお世話になりました。この場を借りて、お礼を言います。
みんなの心に、やる気のスイッチを押してくださった。作るきっかけを作ってくださいました。本当にありがとうございました。
さて最後に、私が一日の中で一番幸せを感じる時間は、いつかということを話しましょう。
それはね、お風呂の中で湯船につかって手足をギューッと伸ばした時間です。
暖かさが、体中にじゅわーと広がっていくその時、「ああ〜、幸せ〜」「極楽ゴクラク」って、思わずつぶやいてしまいます。
特に朝風呂は、格別な感があります。
朝、昨日のお湯を追い炊きして入る時、なんとも言えず贅沢な感じがして、やっぱりゴクラクが出てきてしまいます。
それとね、朝のお風呂にこんな風にはいれる今の自分の贅沢な時間を、ありがたいなーって思うんです。
これまで、ずーっと走り続けてきて、そんなゆっくりする時間なんて取れない毎日でした。今はこの余裕ですよ。
なんて贅沢な時間だろう、これもご褒美かしらなんてね、思う訳ですよ。
幸せだなーと、朝の光の中で見る風呂場の光景は、また夜とは違うのです。自分の足と湯船のちゃぷちゃぷという音、そして動くたびに揺れるさざ波のような湯の動き。
朝お風呂に入ると、冷え性の私は、温かさが一日中保つように思えます。
ぽかぽか身体から湯気を出しながら、朝の仕事をしていると、つくづくぜいたくな暮らしだなと思えるのです。
これも哲平が、グループホームで暮らすようになってからの習慣です。
のんびりゆったりの日々を感謝しつつ、今日は、ペンを置きましょう。皆さん、お元気で。
次の号は、年内にできれば発行したいと思います。お待ちくださいね。
ではまた、ごきげんよう。
(鳥羽 美千子)
自閉症啓発セミナーの報告
平成30年11月3日(土・祝)、岡山ふれあいセンターにて、川崎医療短期大学講師の重松孝治先生をお招きして、「第99回 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
「自閉症の理解と具体的支援 〜“文化の日”に、自閉症の文化について考えよう〜」というテーマでお話しいただきました。
参加されたみなさんから、報告やアンケートをいただきましたので、その一部ですが紹介します。
アンケートでは重松先生の具体的で軽妙な講演に、自閉症の人のもつ文化や特性に、とても分かりやすかった、理解しやすかったという声が多数寄せられています。
11月3日(土)文化の日に「自閉症の理解と具体的支援〜文化の日に自閉症の文化を学ぼう〜」と題して川崎医療短期大学の重松孝治先生による講演会が開催されました。
「自閉症の人は劣っているのではなく、ただ違っているだけ」と言われますが、彼らが現代社会で生きづらいのも事実です。それは彼らが社会の中でマイノリティだからかもしれません。彼らが生まれ育った地域で、生涯にわたり自分らしく暮らしていくためには“彼らとは違っている”多数派の私たち側から(彼らの理解や思考に合わせた)コミュニケーションや支援が欠かせません。相互理解のかけ橋になることを願って、この講演会は企画されました。
重松先生は、大阪から岡山に来た時文化の違いを感じた等…自閉症の有無に限らず文化の違いを受け入れたり、受け入れられたりしながら人は生きているんだということをエピソードトークを交えながらお話してくださいました。
よく学生にする話ということで出てきたのは 『家に土足で入ろうとする人が欧米人なら…日本人なら…あなたは同じ反応をするか?』 というもの。
日本では家には土足で入らないのが当たり前、ということは欧米の方には分からないこと。
受け止め方が異なる欧米の方を、いきなり叱り飛ばすようなことはしません。その人に分かる形で、具体的に私たちのやり方を説明します。欧米の方は、理解力が劣っているわけでは決してありません。ただ、我々と「文化が違っただけ…」
自閉症の人が相手でも同じようなことが言えるのだ!と単純に分かりやすく、応対の基礎として「批難、叱責の必要なし。やり方を丁寧に伝えるだけでいい。」というのがスーッと頭に入ってくるお話をしてくださいました。
どうして多数派思考の我々から見て、自閉症の人は不可解な行動をとってしまうのかということも、改めて整理しながら聞くことができました。
・自然な会話の中からの学び落としがあり、潜在的な学習(自動的に学習する)が苦手であるということ
・言葉を絵や画像に置き換えて考えるため、抽象的な表現の理解が曖昧であるということ
(それよりは経験によるものや視覚的な情報による学習効果が高いということ)
・注意の向け方に違いがあるということ(細部に注目しやすいということ)
・物事を実施する際に順序立てたり段取りすることが苦手であるということ
・独特な感覚入力、感覚処理をしているということ
セミナー参加者の中にも「そうだった、そうだった」と、これらの情報を反芻しながら理解を深めていっている方が多いのではないでしょうか。
自閉症を認めるというのは諦めるというのとは違う “潜在的な学習”(自動的に学習する)の苦手さは、“ 顕在的な学習 ”(意図的に学習する)で補えばよいというお話も印象に残り、『(普通に)育つことを諦めるような気になるから自閉症であるこの子を認められません…』といって苦しんでいる人に対しても、文化の違いを学んだ私たちが、その魅力や学習するための工夫について丁寧に伝えていけたらいいなと感じました。
重松先生のお話は、何度聞いても自閉症の人の立場に立ったお話で、彼らは「そういうことなら(期待することは何かを)ちゃんと教えておいてほしいと思っているよ」「曖昧すぎるとどうすべきか(何に焦点を当てて理解していいのか)分からなくなるって困っているよ」ということを、我々に向けメッセージとして伝えてくださいます。
社会に共存している仲間として、普段から対等にお付き合いをされているんだろうなというのも、話の節々から伝わってきます。
今回も愛のあるお話をありがとうございました!
重ねて「文化の日に自閉症の文化を学ぶ」というセンスある副題と素敵な講演企画をしてくださった育てる会の皆さん・・・ありがとうございました。
(K・M)
○ 二歳半の長男が春に診断を受け、自閉症について学び始めたところです。本を読んだり、支援スタッフの方に少しずつ支援の方法を聞いてはきましたが、その「意味」について今回詳しく、具体的に聞くことができ、とても分かりやすかったです。(保護者)
○ とても理解しやすく、興味を持てる内容でした。先生のノウハウを吸いつくしたいと思うほどでした。
自分の子が進学していくであろう学区の全ての教育現場の方々に一度聞いてもらう機会を設けてもらいたいと切に思いました。市に掛け合おうか、自費負担してでも、とか・・・今日の会に感謝します。(保護者)
○ 「自閉症は脳機能の違いから、『違う』文化にあり、潜在的な学習が困難なため、顕在的な学習(暗黙の了解を顕在化して教える)を”叱る”ことなく行っていく」ことの重要性を理解できました。分かりやすい話で、おもしろく聞けました。また、本人を否定することなく、本人の行動を認めたうえで、次にとるべき行動を具体的に教えることなど、参考になりました。(医師)
○ とても分かりやすかったです。普段、本をあたってみても専門用語の難しさにくじけることが多かったのですが、分かりやすくかみ砕いた言葉で説明していただけたので、今まで分からなかったことも、分かった部分が増えました。
技術のみを知っていくのではなく、なぜその技術を使っていくのか、その人はどのような見方をするのかを知る、その背景があってこその技術だと、それが大切だと感じました。(支援員)
○ すごく分かりやすかった。自分がアスペルガーの傾向があるのではと親に言われており、障害があると診断を受けているわけではないが、自分への支援にもつながりそうなお話を聞けたなと感じた。
よく、そのやり方は段取りが悪い、ペースが見ててイライラさせると親に言われていましたが、自分はこの段取りが正しいと思っているのになぜ否定されるのか、つらいと感じることが多くありました。ASDの人もこのような困難さを抱えているのではと共感できました。(学生)
○ 「〜はだめ、前にも言ったでしょ」などは、私が普段からよく使っている言葉だったのでとても心に刺さった。どんな時にどんな行動をとればよいか丁寧に説明する、前のことはここでも使えるよと経験を広げていくことなど、来週から子どもと接する時に心掛けていきたいと思います。自閉症の人たちの行動の背景にあることを理解することの大切さを、身をもって感じることができました。(教諭)
(控室で重松先生を囲んで、当日のスタッフ一同)
平成30年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生による、平成30年度即実践講座です。
幼児期、学童期、思春期を経て、いよいよこれから長く続く成人期の支援再考です。
ここまではせいぜい20年、人生100歳時代だとするとこれまでの4倍もの人生が待っています。
自閉症を持っていても、安定して、充実した暮らしをずっと続けていくためには、今のままの支援で本当にいいのでしょうか?
それぞれのライフステージにおける支援について、改めて“再考”していただきたいと思っています。
【 第7回 即実践講座 】
日 時:平成30年12月14日(金)19:00〜20:55
場 所:岡山国際交流センター 2F 国際会議場(岡山市北区奉還町2-2-1)
テーマ:「成人期支援再考!」
講 師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 (全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
【会場予告】 第8回 平成31年1月25日(金) 岡山ふれあいセンター 大ホール
第9回 平成31年2月22日(金) 岡山国際交流センター 8F イベントホール
「第6回 思春期支援再考!」に参加された方から届いたアンケートの一部です。
みなさん、ご自分の関わり方を再考されて、より良い支援を目指していらっしゃいます。
○ 思春期を過ごしている発達の障がいのある子と、ない子のつまづき部分がよくわかった。また、どうして困ってしまうかが自閉症の特性と照らし合わせることでとても分かりやすかった。支援する部分と、見守る部分のバランスが難しいと感じていたが、自分の感情を伝えられるように、支援することが大切だと分かった。
○ 「家族と一緒に」支援を考えていくことが大切だと思った。家族が理解して、家庭でもやっていかなければ、子どもたちの学びは限定的で、浅いものになってしまうと思う。関心の薄い家族の巻き込み方や、頑張っている家族への寄り添い方を知りたいと思った。
○ 相談事例の中から文章で見ると思春期のせいにして矛盾に気づくことができましたが、実際の相談場面では特性を忘れて聞いてしまう場面があるように気づきました。記録を書くことで振り返り、矛盾に気づいて整理したいと思います。
○ 思春期と自閉症の特性を一緒に捉えていたなと気づきました。「思春期だから」で済ませることなく、ベースにある困り感は何か、思春期ゆえに生じることと、ASD特性ゆえに持っていることは何か、整理するポイントも知ることができました。
○ 思春期という言葉でざっくりと済ませてしまっていることの多さ、曖昧さに自分自身とても驚きました。私自身、聞いてもらいたい、ただ聞いてもらえたらすっきりするということも多いので、この伝えるということに難しさのある人が多いというお話に目からうろこでした。
○ 思春期を科学的に捉えなおして、自閉症に人にとっては…と考え直すことができてよかった。思春期=変化の時期だということを忘れず、私たちも支援の手立てを変えていくことも大切なのかなと思いました。
支援ツール勉強会の報告
平成30年11月12日(月)澤 月子先生の指導による支援ツール勉強会が、山陽総合福祉センターにて開催されました。
全4回の開催でしたが、いよいよ最終回、みんな自分の子どもに一番合ったツールを考え、お互い見せ合いました。
これまでは、お互い披露する際には「見栄えのいいもの」を作りたいな、と構えることも多かったのですが、澤先生の指導では、すぐに作れるもの、子どもに合わせてすぐに作り変えられるもの、ということで、牛乳パックを使ったり、100円ショップのホワイトボードを使ったりといろいろなアイデアをいただきました。
要は“見テクレ”よりも、“使えるモノ”ということですね。今後のツール作りに活かしていきたいと思います。
なお、今回の支援ツール勉強会は、7月の澤先生のセミナーと合わせて、「平成30年度岡山県人権啓発パートナーシップ推進事業」として補助金をいただき実施することができました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
それでは、第4回の参加者の方からアンケートが届いていますのでご紹介します。
○ 4回講座はあっという間に終わってしまい、まだ学びたいという気持ちでいっぱいです。これまでは色々なツールを作ろうとしても途中で挫折したり…今回の勉強会でようやく楽しんで作ることができました。澤先生をはじめ、代表や色々なアドバイス、ヒントを下さった参加者の方々に感謝です。またこのような機会があれば参加したいです。これからも本人に合ったツールを作っていきたいと思います。
○ みなさんの作ったツールを見て、ひとりでは思いつかないようなアイデアもたくさん知れてよかったです。今家で使っているツールも作り直してみようかと思いました。まだ年齢が小さいお子さんを持つお母さんが頑張っているのを見て、また頑張らないとと力を貰えました。何かやってみようというきっかけが持てた勉強会でした。参加できてよかったです。
○ 作ったツールを先生がちゃんと評価してくださって、やる気につながったり元気をもらえました。子どもにマッチしたツールを作って、本人が「できた」と思えるようにしていきたいです。先生がとても熱く個別にアドバイスをくださって、とても有難かったです。また参加したいです。
○ 色々な方の作った、様々な年齢に向けたツールを見ると、アイデア満載で良い刺激になりました。撮った画像を娘に見せてどんなものが良いか相談して作るのも楽しかったです。
○ 作品説明の中で、散髪を怖がる理由の一つに「髪が落ちていくこと」「髪型が変わってしまうこと」への不安があると知って、「なるほどなぁ」とすごく納得しました。今回で勉強会が終わってしまうのが残念です。とても楽しい時間でしたし、勉強になりました。
GHほっぷ 1・ぐんぐん見学会の報告
11月17日(土)に千葉県の特定非営利活動法人フォレストサウンドの皆様に育てる会の事業所見学へお越しいただきました。
20名という多くの参加者の方にお越しいただき、グループホームの中は超満員となりました。
事業所見学の前に、育てる会については鳥羽代表が、各事業所については各事業所の管理者がパワーポイントや映像を交え事前説明を行い、どういったことを目標に日々取り組んでいるかをお伝えしました。
育てる会の事業所に続く道は少々狭いそうで、大型バスが乗り入れることが出来ません。そのため、事業所見学に向かう際は、鳥羽代表と事務局スタッフが見学者の方を乗せ、何度か往復することになりました。
各事業所では、実際の療育の現場を見ていただきながら、どんなことに取り組んでいるのか、療育の環境づくりにどんな工夫がされているのかなどを説明し、見学者の方からはたくさんのご質問をいただきました。
タイトなスケジュールの中で、出来るかぎり育てる会のことを知っていただくことが出来たかなと思います。
見学に参加された方から感想をいただきましたので、紹介させていただきます。
グループホーム ほっぷ 1の感想
● どの部屋もとにかく綺麗で、清潔感が保たれており、さらに各部屋の様々な個性あるレイアウトなどから、利用者・スタッフ間での努力が見て取れました。
● 聴覚過敏の入居者には防音設備の整った部屋が用意されているなど、入居者それぞれに合った環境や支援が用意されていることに驚いた。
● 重度の判定を受けている方が様々なジグを用いて、一人で身の回りのことを行い、自立した生活をしている点が印象的だった。特に歯磨きの仕上げを他の人がしなくてもきちんと磨くことができるようになったという事例があることを聞いて驚いた。
ぐんぐんぴっぴの感想
● 靴を脱いでから鞄を置くなど、事業所内の導線がはっきりしていて分かりやすくしてあっていいと思った。
● 超早期の療育はとても効果があることが分かった。お子さんだけではなく、親御さんが早くから障害と向き合えるように、スタッフの方がよく関わって支援していて感動した。
● 三項関係の躓き、眼差し、模倣の獲得など、私たちの事業所でも支援課題にあがっていた課題についてアプローチされていたので非常に興味深かった。ASDを抱えるお子さんにとって、社会生活を営む上で、社会性やコミュニケーションスキルを高めていくことは非常に重要なことでもあるので、こうしたプログラムが大切だと思いました。
● 保護者が療育の場に入ることによって、家庭での関わり方のヒントや相談が身近に出来、より良い子どもへの関わり方ができるのではないかと思った。
赤磐ぐんぐんの感想
● 支援員と利用児、支援員と保護者のコミュニケーションがしっかり取れていて、支援しやすい環境が整っていると感じました。また、そこまでの信頼関係を築くのには大変だったのではないかと思いました。
● 複数の親御さんが一緒に活動に参加することによって、悩みや意見を共有しやすく、相談し合える関係に発展しやすいのは素敵だと感じた。また、親御さんへのアドバイスも、親御さんが実際に療育を見学しているため、場面を共有して伝えやすいと感じた。
● あえて送迎などは行わずに療育に注力されている点が非常に印象的でした。特にPECSの導入については一律に行うのではなく、本人の状況や保護者の状況など、個別的な能力や背後にある環境に合わせて導入しているところが印象的でした。
ぐんぐんキッズの感想
● 児童発達支援で獲得したスケジュールやシステムを、その後の事業所やグループホームへ引き継ぐことで、場所が変わっても混乱せずに見通しを持って過ごせるようにされている点が印象的でした。利用者の特性に応じて個別の対応をすることを考えれば確かにそうですが、どの事業所にも多数の教材があったにもかかわらず、まだ教材が足りないとおっしゃっていたところが非常に印象的でした。
● なかなか自分の気持ちを言い表せない子用の「もう限界ですカード」がとてもいいなと感じた。ぜひ参考にさせてもらいたいです。
全体をとおしての感想
● TEACCHの考え方が全体で徹底的に取り入れられており、その中でも個々に応じた掲示の仕方や課題の内容などを設定していてすごいなと感じた。
● ぴっぴやぐんぐん、キッズなどの事業所で獲得したコミュニケーションスキルを、家庭や地域でも継続して利用できるように、地元の企業、お店などと協力し、活動中に保護者の方にもジグの作成を実践しているところなど、日常生活に活用できるように努力されている点が印象的でした。
子どもたちの支援だけでなく、親御さんの理解を深め、地域社会にも働きかけていく活動をされているスタッフや、法人のスタッフの方の努力を考えるとなかなかマネのできないことだと圧倒されました。
今回の見学を通して、すぐに同じようにとはいきませんが、私たちも事業所に通うお子さんの将来の生活を見据えて自立度を上げていくための支援を行っていきたいと強く思いました。
はやぶさの会のお知らせ
自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
12月のはやぶさの会では、クリスマスパーティーをします。
今回はプレゼント交換をしよう!ということで、プレゼント交換用のプレゼント(500円以内)を各家庭で用意することになりました。
よく子どもたちの行事で行われるプレゼント交換ですが、実はこれ、ASDの子どもたちにとってはなかなか難しいです。
相手の性別や年齢・相手の趣味や興味のあるもの・相手の好きなものや苦手なもの・・・
そういう相手の見えない背景を予想してプレゼントを選ぶのが一般的だと思いますが、そこが一番難しいのがASDの子どもたち。まして誕生日プレゼントであれば、相手一人のことを考えれば済みますが、プレゼント交換となると、誰が受け取るか分からないので、全員の「性別や年齢」「趣味や興味のあるもの」「好きなものや苦手なもの」を想定しなくてはいけません。
昔関わったASDのお子さんに「渡す相手を事前に決めて、その人にほしいものを聞いて、その人が一番喜ぶものをあげるべきだ」「商品券を500円分渡してあげるのが一番嬉しいと思う」と提案されたことがあります。
私たちが結婚式の引き出物でカタログギフトが一番楽で助かるのと似ているのかもしれません。事前に決められたものを用意する方が、ASDの子どもたちにとっては楽だと思います。
でも、今回のはやぶさの会では、あえてこれにチャレンジしています。
これまで1年以上関わってきたメンバーの子たちが相手です。年齢や性別は知っていますし、どんな性格なのか、何が好きなのか、お互いに何となく意識しあえるようになってきました。
そんなメンバーに何を選んだら喜んでもらえるか。皆がそれぞれの家でお母さんと一緒に考えてみる機会を作ってみるのもいいかなと思っています。
事前のお母さんたちLINEでは、どんなものがいいか、どんなキャラクターがいいか、色々な話が出ています。
「女の子っぽいキャラクターのものは嫌がるかも」「うちの子、『水色は女子の色』って言っています」「食べ物は好みがあるよねー」などなど、色々な話が出ました。
NGだけは避けるアドバイスをするけれど、あとは子どもたちに任せて決めてもらおうと思っています。
うちの息子に「500円以内でプレゼント交換するなら、何がいいかな?」と聞くと、「折り紙の手裏剣かな!」
「学童の先生が折ったやつ、この前くれたから、これがええわ!これ、きれいだから」と。
私が「・・・せめて自分が折ったやつにしたらどうでしょう」と聞くと「なんで?僕が折ったらきれいじゃないからなー。学童の先生は大人じゃから、上手なんよ。ほら。僕ももらった時嬉しかったから、絶対喜ぶわー」と。
「500円余るけど、それはどうするん?」と聞くと、「え?0円でもいいじゃろ。足りないなら、500円分の折り紙入れる?」と答えていました。
斬新なアイディアに苦笑いでしたが、「この手裏剣の折り紙は、学童の先生が息子くんにくれたやつでしょう?プレゼントもらったやつを他の子にプレゼントされたら、学童の先生が悲しいんじゃないの?」と話したところ、結局もう少し悩んでみる様子。
ASDの認知の仕方は本当に面白い。
さてさて、当日どうなりますやら。来月の会報をお楽しみに!
(担当:M)
水泳教室のお知らせ
日 時:平成30年12月16日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、1回 1000円です。(体験は2回までOKです)(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切って使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は12月13日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで、電話またはSMSにて連絡してください。
サッカークラブのお知らせ
日時:平成31年12月9日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
体験、見学の申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで(正会員限定)
OHAの会の報告とお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
次回以降開催予定:12月5日(水)9:30〜11:30
1月15日(火)9:30〜11:30
≪11月7日(水)に開催されたOHAの会の報告≫
今回の本の内容は、『親と子の立場と役割』『目指すべき家族のあり方』でした。
『親と子の立場と役割』では、お父さん・お母さんは凄いと思わせることが大事で、大人に成長するまで主導権は親が持つことが大切だといった内容でした。“うちの子にはこの言い方が合う”と、夫婦で分かち合うことも大事だということです。
『目指すべき家族のあり方』では、煉瓦塀家族・クラゲ家族・土台家族に例えて分類し、目指すのは、土台家族だと書かれていました。
煉瓦塀家族は、言いなり・押さえつけで従わせる家族です。
そのようにして育てると、のちに同じ手段で自分の要求を社会の中でかなえようとし、いじめっ子になったり、いじめの傍観者を生み出すことになってしまうのです。
クラゲ家族は、ルールがなく、罰と褒美に一貫性がなく、あと1回と言いながら2回目のチャンスがやってくるような、ふわふわと浮いた感じです。子どもにとって何が正解か分からない状態です。
目指したい土台家族は、“○○をしたら△△してあげるよ”と、目先のことだけでなく、先を見通して考えさせてチャンスを与える。やったことには責任を持たせる。このことが自己肯定感を育てるのだそうです。
そうして育てた子どもは、うまくいかないことがあっても自分で考える力を持てるようになるのです。
土台家族はしんどいです。「ママだって貸してあげたいよ、でも約束を守ることを教えるためだから、守ってほしいから」そう言って曲げない努力を親がしなくてはいけないからです。
そう、利守先生から補足をいただきました。
とても奥の深い内容を、段落ごとに利守先生の解説をいただきながら、読むことができて、理解を深めることができました。
また、後半は『発表会について、近況』と題して、1人1人話す時間を持ちました。
それぞれの近況について、先生からアドバイスをいただくことが出来ました。状況にあった子どもへの声掛けの仕方など、リアルに今日から試せるアドバイスをいただけるので、とてもありがたいです。保護者同士の意見交換もできました。
初めての参加の方も、気軽にご参加くださいね。初回無料です。
<参加者からの感想>
先生がいつも旬な話題を提供してくれます。
今回は発表会の季節が近づいているので、どんな様子かを聞いてもらえ、アドバイスをいただきました。
毎回大変参考になっています。読書している本も、親近感が持て、受け入れやすい内容です。
【12月のOHAの会】
日 時:平成30年12月5日(水) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194‐1)
アドバイザー:利守 愛子 先生(臨床心理士)
持ち物:『子育てプリンシプル』(お持ちでない方は事務局にあります 1000円+税)
参加費:1000円(正会員限定)
お母さんコラム
小2・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、2歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、支援学級のお友達3人が、我が家に遊びに来ることになりました。これまで家に子どもが来たことはありますが、親戚(いとこ)や、私たち親の友達親子などが多く、息子本人の友達を招くのは初めてです。
私自身あまり人付き合いが得意ではないのもあり、どうお招きして遊んでもらうか・・・事前に色々リサーチしてみました。
ところが、ASDではないお母さんたちって「え?ほっとけば適当に遊ぶでしょう」「時間とかも適当よ。飽きたら帰るから、事前に時間とか決めたりしないわ。仕事じゃないんだし」。
見通しが持てないことは、息子もだけど、私も苦手!なので、親子ともに事前準備とイメージトレーニングは必須です(笑)。
まず、誰を呼ぶかを息子と確認。そして、相手のお母さんにその日遊んでもいいか確認です。
学習発表会が午前で終わるので、その日の午後に決定です。
メンバーは、以前から我が家に遊びに行きたいと言ってくれていた子どもたち。
することは、息子のリクエストは「レゴで皆で遊ぶ」。ママのリクエストは「ゲームやYoutubeはしない」です。それ以外にも色々決めましたが、大筋の約束はこれだけです。
ところが、相手の一人の子が来るのか来ないのか確定しません。
よくある「行きたいけど、他の遊びの予定が入ったら行けないかも。どうなるかなあ」です。
2週間前に「どっちにするか決めて!」と息子が話したところ「行かないことにする」となり、息子もメンバ―を確定させ、当日の時間調整をし、招待状を出し(息子のメッセージと持ち物など)ました。
すると、3日前ぐらいに「やっぱり行こうかな。どうしようかな」と言われた息子。
普通のお子さんなら「いいよ」となるでしょうが、「えええええ」と固まってしまい、帰宅後ママにヘルプが出ました。
「来てほしい気持ちはあるけど、また当日とかに『やっぱり無理になった』とか言われたら嫌だし・・・。
病気ならお休みになったりするの分かるけど、『行けたら行く』だとどうしたらいいか分からない」と悩んでいます。
口出しすぎかなと思いながらも「あなたは、その子に来てほしいの?来てほしくないの?」と聞くと、「前は来てほしかったけど、ちょっと急すぎるから、困る」と言うので、「じゃあ、『今回はごめんね。また次遊ぶ時には声かけるね』でいいんじゃない?
今回はあなたのおうちで遊ぶんだから、あなたが困るなってことは断っていいんだよ」と言うと、ほっとした様子でした。
奥が深いな、友達関係。
息子も部屋の掃除をし、いざ当日です。
レゴをしたり、クッキングをしたり、仮面ライダーごっこで遊んだり、持ってきたカードゲームをしたりしながら、3時間、和気あいあいと遊ぶことができました。
ルールや決まりがない場面では全員が思いついた自分の好きな行動をするので、時々私が整理したり順番を決めたり問題の解決をしてあげることが必要でしたが、おおむね平和に皆「楽しかった!」「また遊ぼうね」とニコニコ帰っていきました。
面白かったのは、「じゃあ次はフルーチェを皆で作ろう」と言った瞬間の箱の取り合いっぷり。「皆で」と言っていても、誰が何をするか、順番はどうか、など決めておかないと「僕がするのを皆は見ていて!」となるんですよね。それのどこが「皆で」なのか(笑)。
係や順番を決めてあげると、とたんに落ち着いて、お互い応援したり励まし合いながら、「皆で」取り組むことができました。暗黙じゃうまくいかないからこそ、明確にしてあげるとASDの子たちって、律儀に守る可愛さがあるんだよな、としみじみ思いました。
皆が帰ったあとは、息子と一緒に振り返り。
何が楽しかったか・何がちょっと困ったことだったか・次に遊ぶときにどうしたらいいか・もしきみが誰かのおうちに行くときに気を付けた方がいいことは何か・持っていくといいものや持っていかない方がいいものは何かなど、実体験を通じて色々話し合うことができました。
「機会があれば、また遊びに来てもらうもよし、遊びにいくもよし」「でも、どっちにしてもまたしっかり事前準備はしようね」と話して、笑顔で終わることができました。
いつまでも親はついてはいられません。だからこそ、どういう風に物事を準備し、どういう風に行動し、どういう風に振り返って次に活かすか、そういう下地を小さい今のうちから一緒にしていき、大人になった息子が自分でできるようになってくれたらなと願っています。
ちなみに個人的に一番面白かったのは、レゴで遊ぶことに即効で飽きた(10分未満)息子たちと違い、しっかりレゴを使いながら、母と一緒にやりとりして30分ほど遊べる2歳の娘の成長が見れたことでした(笑)。
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
ぐんぐんぴっぴは、「保護者の方と一緒に考える療育」を日々意識して療育を行っています。
保護者同室で療育をしているので、お子さんの行動から、特性や支援について一緒に考えやすくなります。
「どうしてうまくできたのか?」「どうしたらうまくいくのか?」などを保護者の方にお聞きすると、色々な意見を出して頂けます。
療育の回数を重ねるごとに、保護者の方の観察力がアップしていることに気づかされ、嬉しく感じます。
また、保護者の方から、最近、家庭で行っている支援についてお聞きする機会が増えてきていることを、とても嬉しく思います。
子どもたちへの支援が療育の中だけはなく、家庭生活の場へと広がっていっていくことは、子どもたちの安心感や達成感の積み上げにもつながっているのではないでしょうか。
2名の保護者の方が、お子さんのために作られた支援グッツを紹介させて頂きます♪
★英語教室での発表の順番待ちの時に、声の大きさや姿勢を意識できるように・・・
英語教室に行く前に、どうやって使うか?を確認し、家庭場面で実際に使う練習もされたそうです。
英語教室には、ズボンのポケットにつけていつでも確認できるようにされているそうです。
★朝の準備をお子さんが自立して行うために・・・
全部準備できると、お母さんからの「よくできました」のメッセージが現れてきます(#^.^#) メッセージは時々変える予定だそうで、どんなメッセージが出てくるか、楽しみながら朝の準備が出来そうですね!
お母さんがわが子のためを思い、わが子のために必要な支援を考えて、作る。とても素敵なことです。
そして、その支援グッズを受け取った子どもからも「お母さんありがとう」「すごく使いやすい」「あると助かる」などの嬉しい言葉を頂けたとのこと。
お母さんの頑張りで、お子さんの生活が変わり、お子さんの嬉しい誉め言葉で、お母さんの頑張りスイッチがさらに押される。
とてもいいサイクルだなと思います。
これからも、「保護者の方と一緒に考える療育」の中で、保護者の方が、お子さんを理解し、お子さんに必要な支援について考えられるお手伝いをしていけるようにしたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ スタッフ M
赤磐ぐんぐん (就学前)
イルミネーションが町を飾る季節になりましたね。
心が弾む子も多いのではないでしょうか。
ぐんぐんでは11月半ばにお散歩に出かけました。年長さんグループは小学校の登下校をイメージして横断歩道を渡って高月公民館へ、年少さん・年中さんグループは約1キロの道のりを歩いて足王神社へ。
子ども達にはお散歩へ出かける前に以下の約束を伝えました。
@ (年長さん) 押しボタンは班長が押します。(今回の班長は先生がしました)
(年少・年中さん) 旗を持った先生の後ろを歩きます。
A お家の人と手をつないで歩きます。
B 草や虫はとりません。
保護者の方にも同じ用紙とペンをお渡しして、「約束が守れた時はしっかり褒めてあげてくださいね。」
「また、約束を再度伝える時や次の活動を伝える時にこれを使ってみてくださいね、」「使い方と伝えるタイミングは自由ですよ。」とお話させていただきました。
さあ、出発です!周りの自然や景色に目を向けながら歩く子やもくもくと歩く子、歌を口ずさみながら歩く子など様々な姿が見られました(^^)/
足王神社への道のりはちょっぴり長く、あるグループで途中から早く行きたくて先生の前を歩こうとしたり、保護者の方と手を放して歩こうとする姿があったのですが、そんな時に保護者の方がさっとお約束の用紙を提示して、上手にお子さんと約束を再確認しておられました。
視覚的に示されることで、はっと気づいてお約束を意識して歩きだせていました。すばらしいです!
また、疲れて抱っこを求めるお子さんに、保護者の方がスケジュールを提示して、「神社まで歩く→足をなでたら→ご褒美があるよ、がんばろう!」と励ますと再び歩き出せたり、歩くスピードが落ちてきた時に職員が「この先、こんなキャラクタ―(職員が描いた線画を提示)が二つあるから見つけてみよう」と声をかけると、歩くスピードが上がり表情も明るくなるお子さんもおられました。
活動の見通しを持てることや、頑張ったらいいことがあるということ、ご褒美を目指して頑張ろうとモチベーションをあげられること、また活動の中に楽しみを見つけられることって大切だなと改めて感じました。
頑張って歩いて神社に到着。足の石碑の大きさに驚きながらも、石碑をなでながら「足が速くなりますように」「縄跳びが上手になりますように」などと可愛らしいお願いをしていましたね。願いが叶いますように…。
年長さんグループは横断歩道が見えてくると「ボタン押したいなー」「ねこじゃらし取りたいな〜」とつぶやく子もいましたが、しっかりと約束を守って歩くことができていました。
事前に約束を伝えていたことで、その場面に直面した時に自分の気持ちをコントロール出来たのだと思います。かっこいい姿でした!
公民館まで約束を守って歩けたご褒美は「ボール遊び(を追加すること)」。
物以外にも好きな活動ができることはご褒美になります。投げる相手の名前を呼んで、ボールを投げたりキャッチしたりを楽しんでいましたよ。
年長さんは小学校に向けて、登下校のルートをご家族で歩かれることもあると思います。危険な場所や途中困ったことがあった時にはどうしたらよいのかなど、お子さんと一緒に事前に確認していけたらいいですね。
今回お散歩中のスケジュールは保護者の方からお子さんに伝えていただきました。
スケジュールを提示して、「約束を守って歩けたね」と、できた姿をしっかり褒めておられる姿や今どこまで終わっているのかを分かりやすく伝えるために、チェックを丸や花丸で記されている姿を見て素敵だなぁと思いました。
花丸を書いてもらった時の子どもたちのにんまりした笑顔がとても印象的でした(^^)
ぐんぐんではスケジュールをイラストや写真を取り入れて製作していますが、スケジュールは立派に作り上げた物でなくても大丈夫なんです。紙とペンがあれば、子どもの理解の仕方に合わせて文字や線画でお手軽に即席スケジュールが作れますよ。
お家でお出かけの際など、手作りスケジュールを使ってみてくださいね!(^^)!
赤磐ぐんぐん スタッフ G
ぐんぐんキッズ (小1〜)
多くの小学校で発表会があったことと思います。子どもたちはいつもの学習プラス発表会の練習などで、いつもの倍以上の力をつかって学校生活を送っていたのではないでしょうか?
そう思うと、あの発表会での姿は「いつもの自然な」姿ではなくて、「ものすごく頑張った」姿なのかもしれませんね。
さて、支援計画の目標で、「身辺自立」つまりライフスキルを取り上げている家庭もいらっしゃいます。ここでは「靴箱そうじ」を題材に、どうやってスタッフが子どもたちに教えているのか、お知らせしたいと思います。
この写真は、机ふきの仕方を手順書で示したものです。
これを、子どもたちに手渡して「はい、やってみて」というのは、支援ではありませんね。
実際、キッズに通う子に、この手順書を渡すと、この絵がかいてある部分や、枠の大きいところだけをひろって、作業してしまう子もいました。
まさにASDの特性ですよね。
そんな子にはこんなふうに手順書をかえてみました。
しかし、手順書通りにできるようになっても、手順書に書かれていない、「靴箱に靴がないときはどうしたらいいのか?」「一番下の棚をそうじするときは、どんな姿勢をとったらいいのか」といった細かい部分が伝わりきれません。
そこで、スタッフが実際に靴箱そうじをしている動画を、必要な子(そうです、この方法が適切でない子もいるのです)には見せて、ポイントを伝えることにしました。
そのポイントの伝え方も、
このように、チェックリストでチェックしながら見る子、めくり式手順書を用いて項目を1つずつ示す子と様々です。
そして、子どもたちが実際にやっている様子を、これまた動画で撮影し、フィードバックするやり方をとった子もいます。
さて、ここまで、何通りのやり方がありましたでしょうか?
おなじ「靴箱そうじ」でも、手順書や教え方はこんなにも様々なんですね。
この他にも「ほうきとちりとりの使い方」だけに焦点を絞って、教える子もいました。
このような手順をふむことで「わたしたちが知っておいてほしい、靴箱そうじの仕方」を知らせることができました。
しかし、実際のライフスキルで大切なのは1回でおわらせないこと。
「継続」するコツは、以前、会報でお知らせした「ご褒美設定」ですね。
「え…ここまでしなきゃいけないの?」「子どもがはなしをきいてくれるかわからない」といった家庭も多いかもしれません。
そこで、わたしたち療育スタッフの出番です。
キッズで身に着けたスキルを、ぜひ、おうちでも取り組んでみませんか?
もしくは、おうちで取り組みたいスキルを、キッズと一緒に、取り組みませんか?
「○○ができるようになりたいんです!」はもちろん、
「○○の手順書をつくってみたんですが、ちょっと伝わらなくて」
「○○はできるようになったんですけど、いまいちなんです…」 といったところをもう少しお手伝いできたらと思っています。
ライフスキル、一生の宝物ですよ!
ぐんぐんキッズ 療育スタッフ M☆
グループホーム寄付 御礼
いつも温かいご寄付、ありがとうございます。
【 ご寄附をいただいたみなさま 】
○ 岡大附属特別支援学校有志 様(岡山市)
○ U.T 様(岡山市) ○ 鳥羽代表
平成30年11月25日現在 寄付金合計 27,657,964円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。