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令和元年6月30日

 

 第254号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 254号 目次

     蛍の舞う里に

     即実践講座の報告とお知らせ

     ぐんぐん合同保護者勉強会の報告

     木工教室・OHAの会・はやぶさの会 の お知らせ

     18歳の春を目指すクラブ・水泳教室・サッカースポーツクラブ の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「発達障害の子の健康管理サポートブック

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ  

 

雨が、強く弱く窓辺に打ち付けています。
今日は、瀬戸高等支援学校の評議委員会でした。学校を見学させてもらった後、意見交換をさせていただくことになりました。
私は、いろんな場面で、より早く、より効率的に仕事をする・・・、ということに慣れているものですから、上手にできない子がいると、気になってなんとか上手にお仕事できるためには、何をするべきかを考える癖がついています。
それで、いろいろ改善するといいなと思うことを申し上げました。
ところが、私と同じように評議員をしているHさんが、こんな風に言われました。
「失敗させてみるのも勉強だと思う」
「あら〜、そうなのか!」「そういう考え方もあるわな〜」
と合点が行きました。失敗からは学ばないなどと、なまじ学んできた私ですから、なんでも成功体験をすることこそ大切と思ってきました。
いろんな考えがあって、どれがその子にとっていいことなのかは、先生方もよく考えておられるのかもしれないな・・・と思った次第。
なんでも、一面的に見るのではなく、色んな側面からものを考えることを教えていただいたように思った1日でした。
さて、皆さんこんにちわ。お元気でしょうか?
昨年の7月には、集中豪雨で岡山は大災害に見舞われたものでした。まだ記憶に生々しく、はや一年がたつのかと思うと、不思議な感じすらします。いまだに自宅に帰れない方も多数おられると聞きます。
私どもの育てる会の事務局のある土地でも、すぐ近くの用水があふれそうでしたが、幸い何とかギリギリのところで道路冠水もなく、無事でした。
「喉元過ぎれば、熱さを忘れ」という通り、一年間があっという間に過ぎて、何の備えもしていないままの私がいます。
先日テレビで放映されていた災害時の備えについての放送ではこんなことを言っていました。
地震の時と豪雨災害の時とでは、備えるものが違うそうです。
避難時に重い荷物は、道路が冠水しているような状況では、バランスを崩してしまうので危険だそうです。
また、雨が降っているときは、雨靴がいいと思いがちですが、雨靴は水が入ったら、重さで脱げてしまうそうです。水没していて見えないガラスや釘を踏んでしまうことのない厚底スニーカーのひもをしっかり結んで、避難するのがいいそうです。
雨に備えて,上下に分かれた雨合羽も準備した方がいいと言っていました。たとえ100円ショツプのものでも、上下に分かれる雨合羽の用意は、必須だそうです。
傘をさすのは片手がふさがれるので、危険とのことでした。「備えあれば憂いなし」ですから、地震用と、豪雨災害用の二種類の準備をした方がいいですね。
備えがほとんどできていない私ですが、テレビの当時の写真や映像に促されて、今度こそ備えをしたいと思います。
皆様も、気をつけて下さいね。忘れたころに災いは、やってくる・・・といいますからね。
さて、6月です。事務局前のその用水に蛍が、淡い光を点して、ふわーっと飛んでいます。
このあたりに生息する蛍はゲンジボタルです。体長約2センチほどもある大きな蛍です。
最近は数がめっきり少なくなって、寂しい限りです。
事務局周辺の田んぼには、水が張られて田植えが始まりました。
水に早苗が揺れています。すぐ近くの両宮山古墳が、水田に緑の影を落としています。風が水面にさざ波を立てながら近づいてくる様など、田舎に住むことを幸せに感じる瞬間です。

7月6日(土)10時から16時、生涯学習センターにて、大阪から中谷正恵さんをお招きして、「暮らしの中でのPECS実践」という講演会を開催いたします。
まだお席がございますので、どうぞ、多くの方にご案内申し上げます。
今回の講演会は、PECSの実践をご家庭で取り組まれている中谷さんのお話しをじっくりお聴きする会です。
中谷さんは、YouTubeでもたくさんの映像を配信されているので、ご存知の方も多いと思います。
今回は、お嬢さんのあきさんもご一緒してくださるので、実際の親子のやりとりを見せて下さることになるのではないかと、期待しております。
PECSの創設者のアンディ・ボンディ先生に「ここまでやれた人は初めてだ」と言わしめた取り組みの数々を映像を交えてお話していただこうと思っています。
PECSが有効とされる以下のような方々の支援しておられる方はぜひご参加ください。
☆知的障害の重度の方
☆言葉が出ていないお子さん、
☆言葉は出ているけれど、本人からの発信が弱いお子さん
☆活舌が悪く、聞き取りにくいしゃべり方をする人
☆何を思っているのか、本人の想いを知って理解したいのにできない方
問題行動の多くは、伝えたいことが、伝えられず、行動であらわしてしまうところから始まっているのではないでしょうか?
中谷さんのお子さんは、知的障害を伴う自閉症ですが、PECSで、自分の要求をお母さんや支援者に伝えることが出来ます。
日々の暮らしの見通しは、スケジュールでわかるように支援をされています。
家事は、丁寧な手順書やモデルでわかるように手立てを考えるトークンシステムを使って、頑張りを引き出されています。
そして生活全般において、PECSで本人からの発信を受け止めるコミュニケーションができています。
そんな暮らしの様子を、皆で聴かせてもらいましょう。
お子さんとの暮らしがうまくいっていないと思われる方、子どもからの意思表示は受け止められていますか? 

親や支援者の思惑ばかりを一方的に押し付けてはいないでしょうか? 彼らの声をくみ取って、知ったうえで支援をしたいと思いませんか?
想いを引き出す・・・、その極意をお話いただける講演会です。
お誘いあわせのうえお越しください。

さて、まだ先の事ですが、今月号には、今年度3回目(通算103回目)の講演会のチラシを同封しております。
平木真由美先生による「自閉スペクトラム児の性と生」という講演会を行います。
この講演会は、「18歳の春」のお母さんたちとの共同企画です。性についてのお話を丁寧に解りやすくお話くださいます。
時間も短めですので、一日中の講演会はどうもという方にも、参加しやすい講演会になっています。
岡山県人権啓発パートナーシップ推進補助事業という助成金をいただいての企画ですから、参加費も抑えています。広く周知いただいて、多くの方の参加をお待ちいたしております。
尚、正会員の方対象で、午後先生を囲んで座談会を企画しております。講演会では聞きにくい性についての質問も、ここではお話しやすいかもしれません。先生を囲んでお弁当を食べながら、お話しをしたいと思います。

今年は、二つの即実践講座があるので、事務局は大忙しです。
準備と、欠席者への対応で大わらわです。欠席者の方(賛助会員のみ)には、講義のブルーレイをお送りしているので、そのダビング送付が大変です。お休みした方にこんなに丁寧な対応をしている講座が、他にあるでしょうか?
私たちは、支援者の方に自閉症を理解していただきたい・・・ただその一念で、この面倒な作業を14年間続けてまいりました。
講師の先生方の中には、「録画はしないでほしい」と思われている先生もおられます。でも、私どもの熱意に負けて、録画OKをいただいているのです。
赤磐市での諏訪先生、岡山市での梅永先生、ともにお忙しい中、素晴らしい学びを毎回いただいています。
まだ2回が終わったばかりですので、参加したいと思われる方は、今からでも挽回できますので、どうぞ、一緒に学びませんか? 次回の日時は、後のページをご覧ください。
詳しいことは、事務局までお問い合わせください。

さて、次にお話するのは、ぐんぐんグループの勉強会についての報告です。
ぐんぐんグループとは、ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズの3事業所の事です。
他にも最近 “ぐんぐん” という名前が付いた事業所が県内にできたそうですが、私たち育てる会の事業所ではありません。商標登録はしていませんが、育てる会はこの3事業所しか運営していませんので、お間違えのないようによろしくお願いします。
話が少しそれましたね。
そのぐんぐんグループの勉強会は、例年は、3人の児童発達支援責任者と発達支援事業所のスタッフで行っておりました。
今年は、すでに第1回目は「就学について」と題しての勉強会を、ぐんぐんぴっぴのMスタッフにより行いました。
第2回は、自閉症の特性理解の為の勉強会を、6月18日(火)に赤磐市総合福祉センターにて行いました。
今年は、スタッフに話してもらうだけではなく、より専門性の高いお話をと願い、おかやま発達障害者支援センター 所長の河本茂美先生に来ていただくことにいたしました。
1時間という短い時間に、初めて自閉症のお話を聴く人から、7年も8年もぐんぐんに来られている保護者の方まで、みなさんにそれぞれ満足いただけるお話をしていただけました。
解りやすくて丁寧で、大きくなった時のことまでを少し入れてお話くださったので、もっと聞きたいという方が、大勢おられました。
もっと知りたい、もっと学びたいと思ってくださる熱心な保護者が多いことが、私たちにも嬉しく、そんな保護者の方を、頑張って支援したいなと、スタッフもがんばる気持ちを強くした勉強会となりました。
後半は、座談会を行いました。河本先生にも入っていただいて、実りの多い時間となりました。 
後のページに感想を載せていますのでご覧ください。

さて、最後にグループホームについてのお話をしましょう。
私たちのグループホームは、自閉症の人達が、自立を目指して様々な活動を自立的に行えるように支援しているグループホームです。
いつかは、親は子どもたちを残してこの世を去ることになるのは必定です。
その時、子どもたちがどうあってくれたら安心できるでしょう。
「最後まで一緒に暮らして、自分が居なくなったら誰かが何とかしてくれるでしょう」
という考えもあると思います。
たしかに生きていくための最低限の保障は行政の福祉の方が、何とかしてくれるとは思います。でも、それは今までの暮らしと全く違う場所、違う暮らしになることは間違いありません。今、入所施設は、ほぼ空きがない状態ですから、空いているとしたら、生まれた土地を大きく離れたところかもしれません。
子どもたちがそんな不安に耐えられるとは思えません。
私たちは、まだ子どもが若く柔軟性があるうちに、親から離れて色んなことを吸収して、自立できるようなサポートをすることで、彼らが、これから社会の中で生きていく力を培って行きたいと思っています。
それは親が元気なうちに、余力があるうちがいいと思っています。
グループホームの“ほっぷ”で丁寧なサポートをして、次の“すてっぷ”では、自立度を高めて、“じゃんぷ”は、一人で自立して地域のアパートへ出ていける子は出ていく。
もし出ていけないタイプの子がいるとしたら、オーナーさんを募ってアパートを建ててもらい、育てる会が管理する終の棲家へ移る人もいる・・・のが今の構想です。
たしかに重度の知的障害をもつ人や、自閉のきつい人にとっては、地域のアパートに一人で住み、一般の人の中で暮らすまで育つのは、難しいかもしれないと思います。
でも、ほっぷ 1の利用者さんは親元では育たなかった力を、どんどん身につけてきて成長を着実にしている人もいます。大人になっても成長していけるということを実感させていただいている私たちです。
親元で生涯暮らすのが、本当に彼らにとっての幸せでしょうか?
親から離れることで、親から自由になるというのは、私たち自身が経験したことではないでしょうか?
まして親が亡くなった後の暮らしはどうなるのでしょう?・・・グループホームで生活のスキルを身に付けていれば、地域のアパートではなく、親が残してくれた家に帰って生活するという選択もアリかもしれませんね。
彼らの想いに耳を傾けながら、より良い支援をしていきたいと考えている私たちです。
グループホーム ほっぷ 1は、開所して3年と3か月になります。現在、第2棟目のグループホーム すてっぷ 1の設計が、着々と進んでいます。
すてっぷ 1は、個室にトイレとお風呂キッチンも付いたワンルームアパートのような形です。
各室には、ロフトもありますし、ウォークインクローゼットも小さいながらついています。とっても素敵な設計ですので、完成が楽しみです。
現在ほっぷ 1にいる人たちが全員すてっぷ 1に移って、ほっぷ 1には、新しい人が入ってくる予定です。
グループホームは自立への最初の一歩かもしれませんが、やはり複数の大人になった人たちが、管理者や世話人、生活支援員さんの指導を受けながら暮らすというのは、“普通の暮らし”とは、ちょっと違っているのではと思います。
理想を言えば、ほっぷ 1で親から離れて生活スキルを身につけ、すてっぷ 1のワンルームで一人で暮らすノウハウを習得し、少しの支援を受けながらも自分の好きなように自由に暮らせるじゃんぷへ巣立っていく・・・
それぞれが5年周期ぐらいで、会員の子ども達みんなが順番に次々と自立していってほしい、というのが望みです。
梅雨が、ようやく始まるのでしょうか? 雨がふりそうな雲行です。
雨が降ると洗濯物の乾きが悪くなります。それ以外には雨が嫌いという訳ではない私。
雨がふれば、お肌がしっとりするではありませんか。湿度が高いから、日本人のお肌はきれいなのではないかしら・・・。
雨雨フレフレ〜、モット降れ〜♪ 避けて通れない雨なら、雨の日を楽しみましょう。
では、またお会いしましょう、お元気でごきげんよう。
(鳥羽 美千子)

令和元年度 支援者対象 
   現場の先生のための即実践講座

梅永先生の講座もいよいよ3回目です。
前回はTTAPの中でも、主に本人のスキルに着目したフォーマル面からのアセスメントでしたが、今回は現場
でのインフォーマルの視点でのアセスメントになります。
自閉症に特化したTTAPでは、このフォーマルな部分とインフォーマルな部分とが組み合わされて就労移行支援に効果を発揮できるようになるのだと思います。
それを丁寧に学べるのが連続講座ならではの醍醐味ですね。岡山で梅永先生からの講義を連続して学べる機会は、もう無いかもしれませんので、できればみなさま頑張って欠かさずご参加ください。

  【 第3回 即実践講座 】

日 時:令和元年7月12日(金)19:00〜20:55
場 所:岡山県生涯学習センター(岡山市北区伊島町3-1-1)
テーマ:「ASD児者のアセスメントTTAP(インフォーマルアセスメント)」
講 師:梅永 雄二 先生(早稲田大学教授 教育・総合科学学術院 教授)
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 (全10回分) 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748 
第2回の梅永先生の即実践講座に参加された方からのアンケートの一部です。

○ 「教えたら伸びることを見つけ出すのがアセスメント」という言葉が印象的でした。できそうなことを見つけて、できるよう支援を考えることは日々の生活の中でやっているように思いますが、意識をしっかり持って行うことが大切だと思いました。(支援学校)
○ しっかり理解してあげないと、本人が本当につらい思いをしているんだと感じた。質問ひとつでも、落ち着いて考えたり、思い返すとたくさんの具体的な質問が考えられることを学びました。(保育士)
○ TTAPのアセスメントを実際にやってみることができて良かったです。考えるときに、学校での子供たちの様子を思い出したり、それを将来働く場を想像しながらつなげたりして、できてよかったです。(小学校)
○ 「ソフトスキル」という言葉をはじめて知りました。このソフトスキルがどのくらい身に付いているかアセスメントできていることで、就労に向けて取り組む課題であったり、どのような作業であれば継続して取り組めるかなど、支援を考えることができることを学びました。(支援施設)
○ TTAPで質問を考えるときに、その状況を思い起こさせるヒントになる質問にする。単刀直入な質問を考えがちですが、より具体的に対象者の状況を把握するには、様子をイメージしやすい質問にしないと、本当の姿はつかむことが出来ないと思いました。(サポート校)
○ 「アセスメントとは、マイナス面を抽出するのではなく、どのような支援を行えばASDの人たちが様々なスキルを獲得し、成長するかを見つけ出すこと」という言葉に、まさにその通りだと思いました。(支援施設)

令和元年度 支援者向け 
   発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 
        (自閉症支援技術 レベルアップ講座)

諏訪先生の赤磐市での夜間講座の第3回です。
自閉症支援で大切なのは、まずは本人の特性や状態を正しく評価することです。それぞれのライフステージにおける評価のポイントを実際の事例にあわせて学んでいただきたいと思います。
今回はそのスタートにあたる幼児期の評価です。保健師や保育士の方だけでなく、自閉症の支援にあたられる方にはぜひ知っておいていただきたい講座です。

  【 第3回 夜間連続講座 】

日 時:令和元年7月18日(木)19:00〜20:55
場 所:赤磐市立中央公民館 視聴覚室(赤磐市下市337)
テーマ:「評価 @ − 幼児期」
講 師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
参加費:全10回分  赤磐市在住・在勤者 無料(資料代 7000円)
       他市の方 一般 13000円・賛助 10000円(資料代別途7000円)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
諏訪先生の第2回 夜間講座に参加していただいた方からのアンケートです。

○ 自閉症を知るためのエクササイズの@をやった人に感想を聞いてみたところ、「聞こうとは思っているが、別の話も入ってきて集中できない。段々ともういいと投げたくなる」と言われていました。傍で様子を見ていても、途中で諦めた表情になっていたため、ASDの子どもたちであれば、その瞬間に行動化が起きるのではないかと思いました。(福祉施設)
○ 行動特性の書き出しで、数の多さに驚きました。自閉症というひとことでは表せない個人個人の行動としっかり向き合おうと思いました。エクササイズでDの役をしましたが、@の役の方の困った表情、不安な表情を見て、日常生活でしんどい思いをしている自閉症の方にもっと不安が少しでも減る対応ができればと思いました。(小学校)
○ 言葉があるからよい、というわけではなく、非言語的なコミュニケーションが非常に重要であるということを再認識させられました。また、自閉症の理解のために行ったエクササイズで@を体験し、聴覚情報の入りづらさがどのようなものなのかを実感できました。(児童発達支援センター)
(注:上記の@はエクササイズを行った際の自閉症の役の人、Dは情報を伝える役の人です)
○ あらためて、自閉症児・者のが学習タイルから理解するということ、いつも忘れないようにしたいです。自閉症の人が、他の人と同じように出来るようになることがそんなに大切か?という先生の言葉にハッとしました。(子育て支援センター)
○ 自閉症の人の感じている事を体験できて良かったです。何と言っているか聞き取りにくいし、つんつんされたりしてたら、そっちが気になるし…。聞きたくても集中できないなと思いました。聞きたいのに聞けない、聞いてないから怒られる…つらいなと感じました。M−CHATを上手く使って健診に取り入れたいです。(保健師)
○ 自閉症の人の「まさに、そのことがあるから自閉症である。」という行動を改めさせようと頑張ることは、益がない以上に、自閉症の人に対する人権侵害であるということが分かった。(子育て支援課)

ぐんぐん合同保護者勉強会の報告

令和元年6月18日(火)、山陽総合福祉センターにて、赤磐ぐんぐん・ぐんぐんぴっぴ・ぐんぐんキッズ + 卒業生による、合同保護者勉強会を行いました。
前半はおかやま発達障害者支援センター 所長の河本茂美先生にお願いして「発達に偏りのある子どもの理解と支援 〜健やかな育ちのために大切にしたいこと〜」のテーマでお話しをしていただきました。
後半は参加者がグループに分かれて、それぞれの家庭や学校での悩みや課題、そして嬉しかったことなどを話し合いました。
参加者は全部で54名と多くの保護者の方たちが集まっていただき、なによりお母さん達が「一人じゃない」と実感できる有意義な学びの場になったと思います。
それでは参加された方々からのアンケートの一部を紹介します。

○ 基本的な説明も多く分かりやすかったです。母親のフォローなどは今まであまりセミナーや勉強会がなかったので、心が救われた気がしました。「子供が笑顔でいられるために」これが最高に幸せを感じるところなので、改めて心掛けていきたいと思いました。これから就学や思春期、就労まで未知すぎるので、しっかり情報収集して備えていきたいです。
○ 基本的なことをあらためて聞くことが出来てよかったです。先生がお母さんが頑張るばかりでなく、リラックスする時間を大切にしてくださいという言葉や、子どものころ丁寧に接していたら成人期が変わってくるという言葉が心にしみました。
○ 夜に夫と今日の勉強会の話をしたいです。分かってもらえる点と、まだまだな部分が明確になりつつあるので、そこを上手にもって相手にも共有してもらえたらと思います。
○ 発達障害というのをあらためて勉強できました。そろそろ就学を教える時期なので、就学後の状況などが分かり今後の参考にしたいと思います。

木工教室のお知らせ

今年も恒例の、夏休み木工教室を開催します。
講師は、毎年お願いしている高梁の木工作家 川月清志先生です。
今年の作品は、世界に一つの写真立てです。
川月先生が基本のキットを作ってくださるので、子どもたちが自分で作りあげることができます。オリジナル部分は、子どもたちとアイデアを出し合っていっしょに作ってください。
できあがった作品は、とびきりの写真を入れて居間や子ども部屋に飾ってあげて下さい!!
日 時:令和元年 8月3日(土) 10:00〜12:00
場 所:岡山県生涯学習センター 木工教室(岡山市北区伊島町3-1-1)
参加費:1300円(材料費)
申 込:育てる会事務局 Tel.086-955-3158 定員:12名(先着順)

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
いよいよ暑い夏休みが始まります。この長い休みをどのように過ごしたいか、過ごさせたいか、利守先生からのアドバイスをいただきながら、みんなで一緒に考えたいと思います。
スケジュールや資料などは事務局で用意しますので、初めての方も気軽にご参加ください。

  【 7月のOHAの会 】

日 時:令和元年7月19日(金) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194-1)
アドバイザー:利守 愛子 先生(臨床心理士)
持ち物:「子育てプリンシプル」(持っておられる方)
参加費:1000円  
申込:育てる会事務局(Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748)

はやぶさの会のお知らせ

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
次回は、夏休み企画を検討中です。少し遠出して皆で出かけたいなとお話しています。
お母さん同士もLINEを通じて情報共有しながら一緒に検討している楽しい会です。
「お友達がほしい」と思っているASDのお子さん、まずはお母さんだけの見学も受けています。お気軽に事務局へお問い合わせください(^^)
(担当:M)

18歳の春を目指すクラブ

令和元年5月30日に、今年度の活動についての座談会を行いました。
今年度したいことを、実現させよう!と集まってくださった方たちの意見や、育てる会正会員アンケート等を参考にして、活動内容を決めていきました。

  【決まったこと】

・7月2日(火)「先輩お母さんから学ぶ 学校選び」
・成年後見人制度講座+座談会(秋以降)
・支援ツール勉強会(1・2・3月頃)
・8月11日(日)小田桐先生 コミック会話の勉強会
以上のような内容で活動していきたいと思っています。
日程が決まり次第、受付を開始しますので、ご参加ください。
これとは別に、前年度18歳の春を目指すクラブからの意見で、セミナーを開催することとなりました
平木 真由美 先生をお招きして「自閉スペクトラム症児の性と生〜幸せな人生を保障するために〜」のセミナーが行われます。令和元年9月16日(月・祝)(別紙記載) こちらも、是非ご参加ください。

  【 7月度 18歳の春 勉強会 】

日 時:平成元年7月2日(火) 10:00〜12:00
場 所:赤磐市立 高月公民館(赤磐市穂崎848‐1 ナビ用Tel.086-229-9777)
テーマ:「先輩お母さんから学ぶ 学校選び」
           〜5名の先輩お母さん方から、学校選びの体験談をお聞きします〜
参加費:正会員 300円、賛助会員・ぐんぐん保護者 600円
問合せ:育てる会 事務局 Tel.086-955-6758          

水泳教室のお知らせ

日 時:令和元年7月21日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1-50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。
プールは育てる会で貸し切って使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は7月18日(木)までに事務局(Tel.086-955-6758)に連絡してください。
 当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
(担当:S & I)

サッカースポーツクラブの報告

6月9日(日)に岡山大学体育館にて、第1回サッカースポーツクラブが開催されました。
参加者13名、ボランティアさん9名の参加でスタートしました。
新規メンバーにとっては、初めての活動、継続メンバーにとっても、新たな場所での活動で、どうなるだろうと少し心配していましたが、スケジュールをしっかりと見て、ボランティアさんの指示を聞くことができていました。
聞くときには、みんなきちんと座って聞けていたこと、すごいなと感じながら見守っていました。
ボランティアさんも、たくさんの準備をしていただいて、一緒に考えて下さり、より良い新しい活動になっていくことがとてもうれしく感じています。楽しそうに走る子供たちの姿を見ることができてよかったです。
(担当:K )
以下、参加者からの感想が届いていますのでご紹介します。

〇 初めて参加させていただきました。
初めはどんな活動なのか具体的なイメージが持てず、「何をするの?」「次は?次は?」と不安そうでしたが、始まってみると「出来る!」が増えていって、楽しく活動できたようです。
その日の目標やごほうびの設定もあり、自分から頑張ることができていました。
小さいお子さんが多く参加されていて、家の子(小6)でも大丈夫かな?と思いましたが、特に年齢制限もないし、活動の途中でコースに別れるから大丈夫。ということで安心できました。
とても楽しく活動できました。ありがとうございました。次回も楽しみにしています。
〇 子どもはとても楽しかったそうです。スケジュールもわかりやすかったです。
親としては初めてでも流れに乗って参加できていたし、どこに座ればいいかわかりやすくしてあってすごいなと思いました。
〇 先日はサッカークラブに参加させて頂き、ありがとうございました。今回から体育館での開催となり、天候に関係なく参加出来るようになったのは、子供も喜んでおりました。ボラさんもたくさん参加されていたようで、子どもの対人コミュニケーションを伸ばしていきたいと思っており、とても有意義な時間を過ごせたのではないかと親としては思っております。もちろん本人も楽しかったと言っておりますので、次回も参加予定です。
〇 活動が以前よりもテンポ良く進んだのもあって、子供の気持ちも途切れずに行けたように感じました。途中で兄弟のグループ分けもすぐに対応していただいて、助かりました。約1年サッカー教室に通い、流れがわかり、ボラさんと練習することが楽しみになっていました。「野外」から「体育館」への変更も心配でしたが、遊具がない分、練習もボラさんの説明にも集中していて感動しました。新しいメンバー、ボラさんもたくさん参加していただき、活気あるクラブになり次回が楽しみです。
新規メンバーは、随時受け付けています。
興味のおありの方は、まずは体験(1回目500円)に参加してみてください。
次回以降の日程
 9月 8日(日)
11月24日(日)
 1月19日(日)
 3月 8日(日)
申し込みは、育てる会事務局 ?TEL:086-955-6758 MAIL:acz60070@syd.odn.ne.jp まで

お母さんコラム

小3・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、2歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は息子と娘のエピソードをそれぞれ1つずつお話します。
先日、眼科検診に引っかかってしまった息子。
近所の眼科へ行き、先生に「学校で困ること、ありますか?」と尋ねられました。息子は即答で「あります!」。
付き添っていた母は内心「(えー、そうだったんだ。見えにくかったなんて。悪いことしたなぁ)」と驚いていました。
ところが、眼科で検査を続けていっても、色々なメガネを試しても「ない方がいい」「これ邪魔」と言うばかり。
実際の数値も、ない方が良いのです。
再度先生が「学校で困ること、ある?ない?」と尋ねると、また「あるよ!」と。
ふと母が「ちなみにだけどさ。先生が言っているのは、『見えることに関して、困ることある?』ってことなんだけど。
見えにくいとか、ぼやけるとか、そういう見えることに関して困ることあるの?」と尋ねると「それは全然ない!」と答えます。
「・・・ちなみに、学校で何に困っているの?」と尋ねると「休み時間がちょっとしかないんよー。それが困る。業間や昼休みしか遊べないしさ」と。
・・・暗黙の了解というか、眼科の先生が聞く「学校で困ること」は、当然、目に関することなんだということが抜け落ちていた、さすがASD!なエピソードでした。笑
続いては娘のエピソード。
2歳半過ぎの娘は、イヤイヤ期真っ最中です。兄の時は言わなかったようなこと・しなかったようなことが色々あります。同じASDでも男女の違いや個性の違いですね。
妹がイヤイヤ言うのは、最近は着替えの場面が多いです。
「この服はイヤだ」「着替えない!」と頑固にオムツで走り回り、お風呂の際に「入らない!」「パパもママもいや!」と言い、無理やり捕まえて入れようとしても、ギャオギャオ大泣き怪獣になります。
そこで、最近のテクニックは、ほめほめ攻撃&うっかり誘惑攻撃です。
服がイヤだと言っている場面では、「うわ!この服リボンついているの? めちゃ可愛いわー」「いいなー。この服着てみたいわー」など言うと、「だめ!私のなの!」とさっと取りにきてご機嫌で着替えています。
また、お風呂がイヤだと言っている場面では、「ママ、着替え始めちゃおうかな」「あー、でもママよりも〇〇の方が早いわー。追いつかれそうー。どうしようー」など言うと「私が早いよ!」と張り切って脱ぎ始め、さっとお風呂に向かい、ドヤ顏でいます。
真正面からぶつかってもうまくいかない時には、少しだけ目先を変えるというか、ちょっと切り替えやすくしてあげるだけで、親子でのケンカやトラブルが少なくなってきました。
切り替えたくない・こうしたいということがハッキリある時ばかりではないようで、一度言い出すと引けなくなってしまったり、注意がそれなくなっていたりするようで、娘自身その後穏やかにいる様子を見ていると、話す言葉やする行動にあまり大人が引っ張られ過ぎず、同じ土俵で勝負しすぎないようにしなきゃなとしみじみ感じました(もちろん、たまに頭に来ることもありますが。笑)。
「以前はここがすごく困っていたけど、それなりに親子で対応できるようになってきたかも」「特性はそのままだけど、そこまで頭抱えなくなってきたな」ということもあり、笑えるエピソードも多々あって、それを元気に変えてまた子育て頑張れるようにも思えます。
今のこのイヤイヤ期もあと数年すれば、笑えるようになるだろうと思うと、母としてもちょっぴり成長できているのかしらと思い、嬉しい気持ちです。頑張るぞ!
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

一日の気温差が大きく、体調を崩している人も多いのではないでしょうか?
梅雨はいつやってくるのかなぁ・・・と思いつつ、もう7月!!夏がやってきますね。
4月から保育園や幼稚園への入園など、新しい環境でスタートをきった子どもたちが沢山いると思います。大きな環境の変化はなくても、ぴっぴのスタッフやお友達が新しい顔ぶれになるなど、大人も子どもも何かしらの変化がありましたよね。
3か月ほどが過ぎ、どうでしょう?そろそろ日々の生活にも慣れてきて、本来のその子らしさが見えてきていませんか?
ぴっぴでも、緊張感がやわらぎ、伸び伸びと過ごす子どもたちの姿が見られています。
今年も子どもたちの笑顔が溢れる夏になると良いですね!!
ぴっぴの療育では、グループ活動や休憩、勉強、おやつなど、スケジュールに沿って活動しますが、ご家族と面談して決めたIEP(個別支援計画)を基にして、その日 その子に必要な目標を設定しています。
ご家族に療育中の様子を一緒に見ていただきながら、その時々の子どもたちの行動の意味や支援の仕方をお伝えするようにしています。
また、ご家族から家庭や園などでの子ども達の様子もお聞きしながら、日常生活にも取り入れやすい支援の仕方やことばがけなどを一緒に考え、実際に療育の場で実践するようにしています。子ども達を中心に、ご家族とスタッフが特性の理解や支援の方法などを 共有し、共に子どもたちの成長を支える関係性を大切にしたいと思っています。
「切り替えが苦手なんです」ということをご家族から相談を受けることも多いですし、実際に療育中でも目の当たりにする機会が多いです。
子ども達にすれば、今やっている楽しい活動を切り上げて「次に行こう」と言われても、すんなりと受け入れるわけにはいきません。
『今楽しいのに、次って何?』『いやいや、行かない!!』当然の反応だと思います。
次の活動の内容が分からずに不安な子、今やっていることを終わりにするのが嫌な子、場所の変化を嫌がる子・・・。
「切り替えが苦手」といっても子どもによってその理由は様々です。
では、そんな時に子ども達に何をどう伝えたら、スムーズに切り替えができるのでしょうか?
切り替えが苦手なAくん。
プレイでの遊びが楽しくてなかなか切り替えができません。先生に次のスケジュールを示されて「次に行こう」と誘われても「いやいや、行かない」と言って拒否します。
先生は次の活動でAくんと一緒にしようと思っているシャボン玉を見せて、「あっちに行ってシャボン玉をしよう」と具体的に活動内容を伝えてみました。すると「する!」と言って切り替えができました。
また別の機会には、プレイの最初に「ここまで遊んだら次に行くね」と、時計に印をつけて伝えておくことで、すんなりと切り替えて次の活動に移ることができました。
このような支援の方法をご家族にも見ていただいて、活動の内容が分かれば安心して切り替えができること、時間の見通しがもれてば本人なりに切り替えができることを、確認し合い、家庭での生活でも生かせる支援の方法をお伝えしています。
もちろん、このような支援が上手くいく時ばかりではありません。
上手くいかななければ、もう一度支援を見直す必要があります。お子さんに合った支援方法を『保護者の方と一緒に考える』という視点を大切にしたいと思っています。
ぴっぴには、1歳、2歳といった小さな子ども達から小学校入学を目の前にした年長までの幅広い年齢の子ども達が通ってきます。それぞれの年齢で、またその時々に、ご家族も不安な気持ちが大きくなる日もあるかと思います。
周りの大人が気に掛けていなければ見落としてしまうような小さな成長を、それに気づいて喜びあえる子育ては、きっと楽しいです。
これからも保護者の方と子どもたちにとって必要な支援を一緒に考え、子どもたちの成長を共に喜び合える療育をこころがけていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ Y

赤磐ぐんぐん (就学前)

日に日に日差しが強くなり、今年の夏も暑くなりそうですね。
梅雨入りを前に今年もぐんぐんの周りでは綺麗な蛍がたくさん飛んでいたそうです。
ぐんぐんご利用のお母さんとお子さんが夜に見に来られたそうで、私も行こうかなーと思いつつ機会をずるずると逃してしまいました。自然豊かなぐんぐん周辺ならではの景色ですが、これからマムシ等も出るそうなのでお越しの際には十分にご注意くださいね。
さて、新年度がスタートして三か月。
スタッフ間でも今一度確認しよう、と話題になったのが
名前を呼びっぱなしにしない
ということです。何のこっちゃ!?と思われるかもしれませんが、
・注意をひこうとして、子どもの名前を呼んだからには必ず視界に入り、注目させるような関わりをしていますか?(呼びっぱなしになっていませんか?)ということ。
・名前を連呼するのではなく、伝えたいことを確実に子どもに伝わる方法で伝えていますか?ということ。 ・・・こういったことを確認しました。
具体例を挙げると
子どもが遊びの時間が終わっても片付けない
   ↓
大人はやや離れたところから子どもの背中に向かって「みほちゃん!みほちゃん!早く」と子どもの後ろから連呼する
   ↓
子どもはそのまま遊び続ける
   ↓
子どもには何をしたらいいか伝わらない上に、名前を呼ばれても振り返らなくてもいい経験を積んでしまっている
というようなことになります。
子どもの近くに行って「箱に入れる」と声をかける(まさに、すべきこと伝える)方が機能的なコミュニケーションになるハズなのです。
みなさんも、今一度振り返ってみてください。
特に子どもに注意したいときに、そうなってはいませんか?
「もう!〇〇」 「こら!〇〇」 ・・・
何を伝えるかを明確にしたいものです。
名前を呼んでほめる時も同様です。子どもに伝わっているかな?単なる「先生の独り言」なってないかな?振り返りながら療育にあたりたいと思います。
おうちの方も「伝わらんなあ〜」と思ったときに名前連呼になっていないか確認してみてくださいね。
さて、次の話題はコミュニケーションについてです。
4月からぐんぐんに来ている子どもたちとスタッフは、お互いにラクなスタイルで取り交わせるコミュニケーション方法を探ってきました。
突然、スタッフの手を引っ張って、パンパンと両手を合わせてみせるAちゃん。スタッフがその意図をお母さんにお尋ねすると「それはほしいものがある時や、手伝ってほしい時のジェスチャーなのよ」とのことでした。
「なるほどー。これをとって欲しいのかな?それともここが上手くいかないのかな?」と考えながらAちゃんにアプローチしてみますが「いや、そうじゃないし」と言わんばかりに無表情のAちゃん。
結局、Aちゃんから「手を引っ張って両手をパンパン」の発信があってから、スタッフが本当にAちゃんがやってほしいことにたどり着くまでに時間がかかってしまいました。
お母さんや、普段からよく関わっている人ならAちゃんの伝えたいことがすぐに分かるかもしれませんが、これから就学したり、地域の人と関わっていく中で「お母さんかなじみのある人以外には、Aちゃんの伝えたいことが伝わりづらい」というのはお互い不便だろうな〜。
ということで、PECSという絵カード交換式コミュニケーションシステムを活用することにしてみました。
自分のしたいこと、好みがはっきりしているというAちゃんの強みが活きて、『ほしいものがある時は、写真カードを渡す』『手伝ってほしい時は「手伝って」カードを渡す』ということを、どんどん吸収していったAちゃん。
今ではスタッフに「要求」と「援助要求」のどちらなのかを伝えることができるようになりつつあります。
そして先日の「おやつパーティー」では、これまた印象的な出来事がありました。
その日、提供できるお菓子やジュースの写真カードを「ブック」と呼ばれるPECS用のファイルの表紙に貼ってAちゃんに提示すると、いくつかのカードは表紙裏のページに移動させてしまいました。
様子を見ていると表紙に残したカードでの要求が続いたので「ほしいお菓子のカードだけ取りやすい位置において、どうでもいいお菓子は自分で除けたんだな〜」とスタッフとお母さんは判断。
ところが、しばらくすると隣で食べているお友達のポテトチップスをチラ見して、表紙裏に移動させていたポテトチップスの写真カードを選んで、表紙に戻しました。
「これはもしや!」と見守っていると、スタッフにポテトチップスを写真カードで要求してきたのです。
すごい!!この一連の流れを目の当たりにして、Aちゃんの
「食べたいお菓子とジュースはこれとこれとこれだけなのよ」
   ↓
「やっぱり、ほかの子が食べているのをみたら、別のお菓子も食べてみたくなったのよ」
という思いが良く分かりましたよね〜とお母さんと一緒に感動したのでした。
もしPECSを使っていなかったらこういうAちゃんの思いも分からず、数種類のお菓子を前に両手パンパンしているAちゃんに「これ?どれが欲しいのかな?」「あーこれか、はいはい、渡すから待って待って!」と、思いをくみ取るにもかなりのタイムラグが出て、もどかしい思いをさせていたのではないかと思います。
ぜひこの夏、お母さんの故郷へ里帰りした際にも持ち込んで、活用してみていただきたいと思います。
PECSに限らず、ぐんぐんでは、子どもに「機能的なコミュニケーションスキル」を教えるために様々な方法をとりますが、改めてPECSすごいな!と思った出来事でした。
7月には育てる会主催のセミナーで「PECSを日本一活用している」中谷先生をお招きしておりますので、日常生活での活用方法についてどんなお話しが聞けるのかワクワクしています。
ぜひ、皆様のご参加もお待ちしています!(^^)!
赤磐ぐんぐん療育スタッフ O(名前はみほです(#^.^#)

ぐんぐんキッズ (小1〜)

今回は、自閉症の特性を踏まえて、どうやったら子どもたちが“分かって”、“自立的に”活動できるようになるのかを、ぐんぐんキッズの療育でのエピソードを紹介しながら、お伝えできたらと思います。
2年生のMくんはやることをきちんとできるし、投げ出したりしないのですが、自分で判断することが苦手で、分からないと、じーっと固まってしまうことがあります。
そんなMくんに、1人で勉強したあとに、先生に「できました」と伝えることを教えたいと思いました。しゃべるのが苦手なので、「できました」のカードを課題に取り付けていたのですが、席に座ったままで自分から言いに来ることはできませんでした。
そこで、特性についてもう一度考えてみた時に、「暗黙の了解の読み取りにくさ」「状況判断の苦手さ」が、伝えに来られない原因なのではないか?と思いました。
Mくんの来る日のスタッフは4人ですが、その4人の「誰にでも伝えていい」ということが暗黙の了解になっていました。
それならば、4人の誰にでも伝えていいということを彼に分かるように伝えてあげればいいのでは?と考えました。
しかし、「状況判断の苦手さ」がある彼にとって、「誰にでも伝えていい」というのはハードルが高いのでは?という懸念もありました。
他の子どもと勉強している先生、バインダー片手に書きものをしている先生、子どもと一緒に遊んでいる先生・・・。「今声をかけていいのかな?」「この先生で本当にいいのかな?」と迷ってしまっているのではないか?と予想を立てました。
色々思案した結果、「できました」のカードに、先生の写真を添えたのです。そうすることによって、「この先生に渡せばいい」というのが明確になりました。
先生との勉強で、「写真の先生にカードを渡したらいいからね」と説明した上で練習し、その後1人で勉強のスケジュールで「できました」のカードを写真の先生に渡すことができたのです。
Mくんに限らず、「状況判断の苦手さ」がある子どもの中には、「誰にでも」という曖昧なものよりも、「この人」という答えをもらえた方が、自立的に行動できるということが、Mくんの取り組みを通して、私たちスタッフの改めての学習になりました。
4年生3人でグループ活動を行いました。「小学生男子がなりたい職業ランキング」や「都道府県の面積大きさランキング」等のランキングを3人で話し合って予想を立てるという活動です。
リーダーシップを発揮し多数決を取る人もいるし、友だちの意見を聞くことや自分の意見に理由を添えることができる人もいて、「さすが4年生!」と感じる瞬間でした。
しかし程度の差はあれ3人とも自閉症としての特性として「整理統合の難しさ」があります。
どういうプロセスを辿っていけば、1位〜3位までのランキング予想を決めることができるのかをイメージすることが難しいようでした。
まず1位を決めようなどもないまま多数決を取ったり、多数決を取ったあと「じゃあどうする?」となったりと、3人だけで決めることができない様子でした。
そこで、話し合いからランキングの決定のプロセスをこちらで明らかにするという、彼らの苦手をカバーする支援を取り入れました。司会役、記録係と役割も明確にすることで話し合いの参加具合やスムーズさもよりよくなりました。話し合いの道筋や自分の役割を明らかにするだけで、こんなにもきれいに話し合いができるのか!と支援の有無とそれによる結果の差に驚きを感じました。
さらに感動的なのは、スムーズな話し合いができたこともあり、3人で決めたランキングの予想は見事全て的中させることができたのです。
細かいところは見えにくいですが、写真のように提示しました。
上段は話し合いの道筋、下段は意見が分かれた時の決定の仕方です。
まだまだ数多くのエピソードはありますが、この辺りで終わりにさせていただきます。
今後ともぐんぐんキッズをよろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ I

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
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