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令和元年7月31日
第255号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
255号 目次
梅雨が明けました
自閉症啓発セミナーの報告
即実践講座 報告とお知らせ
18歳の春を目指すクラブ 報告とお知らせ
はやぶさの会・OHAの会・水泳教室のお知らせ
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「Q&Aで考える 保護者支援 〜発達障害の子どもの育ちを応援したいすべての人に〜」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
梅雨が明けました。明るい太陽は、雨を吹き飛ばしてくれてありがたいですね。
カンカン照りで湿度も高い岡山の夏、熱い暑いと文句を言うのではなく、雨が降らないことを喜びたいです。
今年は梅雨がやけに長く感じられたのは、きっと雨の降り方が激しかったからではないでしょうか?
昔、と言っても私の子どもの頃のことですが、梅雨の雨は、ジトジトと降りました。
最近の雨は、ゲリラ豪雨という名の通り、急に降ってしかも激しい。いつ止むともしれないしつこさで降り続けます。地盤が緩んで、あちこちで土砂崩れが起こりました。
日本中が雨まみれで地面は雨を含み切れなくなったのでしょう・・・、あちこちで土砂災害のニュースが流れました。
梅雨明け宣言は、待ちに待ったことでした。皆さん、カンカン照りの日々を喜びましょう。
地面にたっぷりと含まれた水分を、この太陽でしっかりと蒸発させましょう。
これで今年の土砂災害も大丈夫…??なんて思う私です。
最近の気象は、私の子どもの頃とはだいぶ変化しましたね。
私の子どもの頃というと、かれこれ60年も前の話ですが・・・、私の子どもの頃は、30度を超えるような日は夏でもまれでした。
雨で思い出すのは、夏の夕方の雨。夕方の雨は、夕立といってさっと降ってさっと止みました。遊んでいても、夏の夕立があると、大急ぎで家に走って帰ったものでした。
家に帰るとお風呂が沸いていて、これまた大急ぎで入るように促されます。
薪で炊いたお風呂は、熱くて嫌だったのを記憶しています。
当時のお風呂は、鉄でできた大きな鍋のようなお風呂・・・つまり五右衛門ぶろというタイプのお風呂でした。ゲス板(兵庫県西脇地方ではそう呼んでいました)というまあるい板を上から沈めて入ったものでした。
小さいころはこの板を上手に踏めなくて、熱いなべ底に直接足を乗っけてしまうこともありました。
上手にゲス板が踏めない私は、いつも父や祖父と一緒に入ったものでした。小学生くらいになって、やっと自分でゲス板が踏めるようになってからは、一人で入れるようになりました。
ゲス板が踏めるようになったということが、少しお姉ちゃんになった印のようで、誇らしく思ったものでした。
ふとそんなことを思い出した夏の雨のお話しでした。昭和のお話しです。
最近の雨は、ゲリラ豪雨とかいう土砂降りが多くて、いつも警戒している私です。
去年は、倉敷・岡山が大変でした。今年は今のところ大丈夫のようです。
今まで災害とは無縁と固く信じていた岡山県民の私でした。
正会員の方以外にも賛助会員の方が、何人か被災されました。何が起こるかわかりませんね。
皆さんも、避難準備をおさおさ怠られませんように。
さて、7月6日(土)、岡山生涯学習センターにて、「暮らしの中でのPECS実践」と題して、中谷正恵さんの講演会を行いました。当日は、お嬢さんのあきさんもご一緒にいらしていただいて、とっても刺激的ないい学びの時間になりました。
この写真をご覧ください。
お母さんにあきさんがipadで、折り紙の色を指定しながら、要求を出しておられるところです。
願いが伝わってにっこりの笑顔です。
何度もなんどもいろんな場面での要求をされるあきさんと、それにすぐ対応される中谷さん、
「ちょっと待ってね、今は公演中だからね・・」、なんてないのです。
すぐに応えることが出来る中谷さんも素敵だし、何度でも納得いくまで要求が出せる、あきさんの可愛さと言ったらないのです。
お母さんを信頼しているからこそ、どんどん出てくる要求場面でした。
あれほど多くの表出場面を見せていただけるとは、正直予想もしていませんでした。
でも、すごいんです。あきさんは、どんどんどんどん、お母さんにお願いをしていかれます。
お母さんは、「ちょっと待て」なんて、私のようなことは言われないで、すぐやるすぐ応えるの連続でした。
そして、あきさんが要求叶って遊び始めたら、さっき話していたところへすぐに戻っていかれるのでした。あの能力ってすごいです。
私なんか、話の腰が折られたら、二度と同じところへは戻れなくなって久しいですから・・・うらやましい能力です。
午前中頑張ったあきさんは、ご褒美のコーヒー缶を携えて、お父さんと一緒に大阪へ帰っていかれました。
午後からは、じっくり中谷さんのお話しでした。
報告が、後のページにありますから、ご覧くださいね。
私と中谷さんは、その日の夜は、前からのお約束通り、海の見える宿をとって、のんびりゆっくり楽しい時間を過ごしました。
アワビの踊り食いなんて、残酷な食べ物もおいしく食べちゃいました。
夕日の沈んでいくのを、感慨深く二人並んで見送りました。
瀬戸内海が、あまりに素敵で、こんないいところに住んでいることに感動しちゃいましたよ。もっと岡山を知ろうと思います。岡山いいとこですよ〜。
次の日は、倉敷で一日遊びました。
いつも行く大原美術館に行かなくて、良かったのかしら、悪かったのかしら??
いろんなお店を覗いて歩いて、おいしそうなものがあったら、パクパク食べて、私は前から欲しかったいろんなマスキングテープを買いました。倉敷には、いいテープがたくさん売っているのです。それを見つけるのも楽しいことでした。
今度は大阪を案内してくださるそうなので、楽しみにしています。
中谷さん、ありがとうございました。また、会う日を楽しみにしています。
中谷さんといると、同じ苦労をしてきた同志のような思いがして、何にも言わなくても分かり合えるような、そんな気持ちがするのです。
育てる会のお母さんたちも一緒ですよね。子どもの障害は様々ですが、同じ自閉症の子を育てているという共通点だけで、話していると「なんだか解る〜」という部分がありますよね。
私たちは、子育ての仲間です。一人じゃないよ、私も同じよ〜。
そう言える人が近くにいるからこそ、しんどい子育ても、頑張れるんですよね。育てる会のおかあさんたち、スクラム組んで頑張ろうね。
さて、夏になると例年早稲田大学である自閉症カンファレンス日本に参加するのを楽しみにしている私ですが、今年は、なんとなんと岡山県自閉症児を育てる会が、親の会として発表することになりました。
5人の発表者の一人に選ばれて、育てる会のことをお話しすることになりました。
いつにもまして、熱い夏になりそうです。
いつも緊張して訳の分からん話を話ししてしまう私です。どうなりますことやら、今から楽しみ(?)です。
思い返してみると哲平が4歳の頃にTEACCHプログラムに出会ったことが、育てる会設立につながり、今のぐんぐんグループの療育や、グループホームにもつながったように思います。
何もかも、初めて目に飛び込んできた朝日新聞厚生文化事業団のお母さんの為の自閉症勉強会の募集記事が始まりでした。
「いったいこの子をどう育てて行ったらいいの?」
「誰か教えて、何をすればいいの?」
そんな疑問を胸に、藁にも縋る様な想いで通ったあの学びの日々・・・。
真っ暗闇だった子育ての指針をいただいたあの勉強会があったから、今の自分があるように思います。
すべてに意味がある。朝日新聞のあの広告文が目に留まったのは、不思議なご縁でした。
大阪まで、出かけて行った毎月が懐かしく、心置きなく話が出来る仲間を見つけた喜びは、何物にも代えられないものでした。
学んだことを、家に持ち帰り、すぐやったものでした。でもね、うまくいかないのです。
スケジュールもワークシステムも何でもすぐやるんです、わたし。でも、うまくいかない。
だって、親が見様見真似でやるんですもの、アセスメントも何にもない状態で、写真提示をドーンと貼ったりしたものでした。出来る訳がない!
出来なかった理由が、今ならよくわかります。
でも、当時の私は
「なんでやねん??」
「何でできへんねん??」
そんな時代があったからこそ、今ぐんぐんを作って、今のお母さんたちが子育てを楽にできるようにと、考えてやっているのです。
大阪へ通っていたころ、朝日新聞厚生文化事業団の職員だったWさんが、言われました。
「ここでしっかり学んだ事を、それぞれの地域で活かしていただきたい・・・。それが私たちの希望です」
当時の私を支えて下さった、朝日新聞厚生文化事業団は、私たち受講生の為に、たくさんの学びの機会を作ってくださいました。費用もとてもお安くて、ありがたい、ありがたいと思いながら当時の有名な先生方の講義を聴かせていただきました。
今、Wさんから聞いたことを、周りの方たちに還元していくことが、今の私にできるご恩返しと思っています。
岡山を少しでも変えていきたい。あの子たちにとって理解のある街にしていくこと、それがNPO法人としての育てる会の役目かなと思っているのです
つづいて、7月2日(火)には、先輩のお母さんから、中学・高校の進学について学ぶという勉強会を行いました。
当日の様子やアンケートが後のページにありますので、ご覧ください。
司会進行をしながら、お母さんたちのお話しを聴かせていただきました。
以下私の感想です。
5人のお母さんたちにお話しいただきました。
Tさんは、特別支援学校へ通われたお子さんのお母さん
Sさんは、高等支援学校 〃
Kさんは、通信の高校 〃
Sさんは、一般高校〜専門学校 〃
Tさんは、一般高校〜大学 〃
知的障害のあるお子さんから、知的障害はないお子さんまで、自閉症としての障害の重い方から、比較的軽い方まで、色んな方のお話しを一度に聴かせていただきました。
おかあさんたちが頑張って子育てしてこられたんだと、一人一人の頑張りと、その成果に驚きました。
このおかあさんたちだからこそ、ここまでのことが出来たんだな〜と思いました。
苦しく、辛かったことも赤裸々に語ってくださいました。まだ小さい子を持つお母さんから、間もなく高校進学の時を迎えるお子さんのお母さんまで、熱心にお話しを聞いてくださいました。
お昼を挟んで、午後は座談会を行いました。
一人ひとりの自己紹介の後は、それぞれのお話しを聴きたい人が、先輩のお母さんたちを取り囲んで、色んな質問をしておられました。
もっともっとお話し聴きたいと言われる方もありました。
そこで、母の想いを聴く会を何回かに分けて、一人ずつのお母さんを囲みお話ししていただけないかなと思っています。
色んなタイプのお子さんのお話しです。小さい子どもを抱えていらっしゃる方にとって、子どもの未来は、漠然としていて見えません。
いったいどんな大人になるのやら、どんな備えをしていけばいいのやら、将来への不安は、並大抵のものではないことでしょう。
色々なタイプのお子さんがおられて、お母さんも色々です。
5人のお母さんたちは、どんな子育てをして、今のこの場におられるのか、それをお話いただくことで、皆さんの子育ての指針にしていただきたく思いました。
そういう意味で、とてもいい勉強会ができたと思います。
18歳の春の次の企画は、今回チラシに入れている川崎医療福祉大学 講師の 小田桐 早苗 先生の、「本人と出来事を振りかえるアプローチ」というテーマで、コミック会話を使って本人の気持ちを整理させ、自己理解を深める研修会です。
みなさん、夏休み中でお忙しいとは思いますが、ふるってご参加願います。
正会員の方は無料です。
育てる会に体育館が出来ましたとお知らせしたのは、いつの号だったでしょうか?
去年の4月か5月のことではなかったでしょうか?
前は、事務局若手のNさんが、一人でコツコツ床にじゅうたんを貼ってくれました。
今回、そこに天然木ひのきの床材を貼りました。
ついでのことに断熱材を入れて、天井も壁面も張りました。
大工さんにお願いしての大工事でした。
エアコンも赤い羽根の助成をいただいて、つけることが出来ました。
カーテンは、古いものをリフォームして私が縫いました。
ここを体操教室に使うだけでなく、お母さんたちの座談会や育てる会の支援ツール、勉強会などのイベントに使おうと考えています。
また、おかあさんたちに勉強会のDVDを大きな画面で見てもらう場にもなっています。
それに、現在は夏休みですので、ぐんぐんキッズや赤磐ぐんぐんの子どもたちが、運動をする場になったり、夏祭りのような行事に活用する予定だそうです。
また、夏休みはスタッフのお子さんの託児をしていますので、その子たちの遊びの場にもなるようです。
色んな事に使えるので、体育館という呼び名はやめて、ぐんぐんサロンという名前に変更することになりました。
外からは、ただの倉庫としか見えませんが、中へ入ってびっくりな空間です。
皆さん、事務局をお訪ねの折には、どうぞ、見にいらしてくださいね。
さて、この会報は、7月の末に出る予定です。子どもたちは夏休みが始まって、それぞれのおうちは、暑いし、子どもは家にいるし・・・大変なことでしょう。
私は哲平の子育てが、大変だったので、お仕事は持てませんでした。つまり専業主婦でした。
今から25年ほど前は、子どもを預けるところなんてありませんでした。
だから、障害のある子のお母さんで、お仕事を持てる人は、ほとんどありませんでした。
学童保育なんて、重い知的障害もある自閉症の子は入れてはもらえませんでした。長期の休みがネックとなって、お仕事もてないお母さんは多かった時代でした。
今は、放課後等デイサービスや日中一時預かりのおかげで、皆さんお仕事出来ていて、いい時代になりました。
でも、考えてみると、私の場合じっくり長い夏休みに親子で向き合ったことが、今では宝物のように思えるのです。
生活リズムを整えて、息子の出来ないところを出来るようにしていく過程は、面白く楽しくやりがいのあった時間でした。学んだことを試してみて、うまくいったときは、夫と共に喜び合ったものでした。
スケジュールや、環境の構造化など、いろいろやって、やっとうまくいった時があるから、自閉症支援は面白い。
何度もなんどでも試行錯誤してたどり着くゴールがあるから、また次を目指せるのです。
今思い返してみても、とっても面白くて、自閉症の支援に、はまり込んでいったという感じでした。
懐かしくも遠い日の思い出です。今でも、そんな暮らしは続いていて、工夫する楽しさは、子育ての醍醐味です。
しんどい、しんどい子育てにも、探せば喜びはありますよ。
喜びや幸せは、探し出せば見つかります。
自閉症の子の健気さや、優しさや、正直さや、素直さ・・・・いいとこ探しが出来るようになれば、子育て楽しさ倍増です。
あそこが出来ない、ここがダメと、出来ないことを見つけては悲しくなる暮らしでは、辛いばかりです。
他の子どもと比較するのではなく、去年の我が子と比べてみましょう。
どんなにかできることが増えたことでしょう。それを喜びましょう。
幸せになるのも不幸せになるのも、自分の感じ方、考え方次第ではないでしょうか?
私は、息子の良さを見つけることが出来てから、子育てがやりやすくなりました。少しだけ幸せな母になれたように思うのです。
母が幸せでないと、子も幸せにはなれません。幸せで能天気な母になれたのは、考え方を変えたおかげです。
そうそう、最近思い出したお話しをついでにしておきましょうかね。
最近色んなことを思い出します。忘れそうなので、こんなところに書いている私です。
主人の母が、亡くなる前にこんなことを言いました。それは亡くなる前の日でした。
「美千子さん、あんたは上手に子どもたちを育てたね。Sちゃん(姉)もUちゃん(兄)も素直でいい子たちに育ったし、てっちゃんも就職していい会社に入れてもらって、もう何の心配もないわ〜。
ホントにあんたは、上手に育てたね〜。もう安心したわ〜」
そんなことを言われたのです。
何だか、嬉しかったですね。母が、私の子育てを評価してくれているというのが、嬉しくて、泣きそうでした。
母とは、嫁と姑の関係ですから、決してすべてがいいとは言えませんでした。私はこんな変な変わり者の嫁ですから、気に入られていないように思っていました。
でも、哲平の障害がわかってからの嫁姑関係は、一気に好転しました。
哲平を育てていくための協力体制を母も父も全面協力してくれて、子育ての同志になれたように思いました。
哲平のおかげでした。
そして亡くなる前の日にこんなことを言ってくれた母でした。
色々あったけれど、最高の言葉を残してくれた母でした。
いつまでも忘れられない言葉です。
大変な子育てのご褒美をいただいたような、そんな思いでいます。
苦あれば楽あり、不幸の裏側には、しっかり幸せが隠れています。探さなきゃ見つからないですよ。幸せ探しです。
夏は暑くて大変ですが、作物がこの暑さのおかげでよく育つんです。
夏が暑いから、秋の到来を喜べます。
不幸ばかりを嘆かずに、少しの成長をいつまでも楽しめる子育てを喜びましょう。
さて、建設中だった我が家が完成いたしました。
高齢者の起こす交通事故が頻繁に聞こえてくる今日この頃です。私たちも加害者にはなりたくないので、そろそろ車の免許証の返納を話し合っているところです。
お仕事している間は、どうしても自動車は、必要ですが、あと何年かしたら、お仕事リタイヤして、75歳には自動車の免許を返納しようと思っています。
でも、そうなると、今の住所では、暮らすのは大変です。買い物に行くスーパーまでは、3キロ以上あります。
免許を返納する頃には、足腰弱っているはず、歩いていくのは無理でしょう。
バス停までだって1キロ近くはあるのです。
これまでの家で暮らし続けるのであれば、やはりまだまだ自動車は手放せないでしょう。
加害者になりたくないという自分たちの願いを実現するためには、ここでは暮らせないと、引っ越しを決めた私たちです。
去年市役所の裏の道を走っていて、偶然売り家の看板を見つけて、すぐにその場で携帯で不動産屋さんへ電話を掛けました。
まさに衝動買いみたいなことで買った土地でした。
ここは、バス停も近く、スーパーマーケットは、すぐそばにあります。市役所や図書館、TSUTAYAも歩いていける距離にあります。
いい物件を手に入れたと思いましたが、なんと、大水の時には、水没危険地域になるそうです。そこまで考えてはいませんでした。
少し土地をかさ上げして、老後に夫婦で住むだけの小さな家を建設したのですが、たぶん運のいい私たちですもの、水に浸かるわけがないと思っています。ほらね、楽天的でしょ。
引っ越しは倹約して業者を頼まず、少しずつ自分たちで荷物を運んでいます。
冷蔵庫と洗濯機は新しく買ったので、重たい荷物はあまりありません。
タンスは、もう持っていかないつもりです。40数年前に親が持たせてくれた婚礼家具ですが、この機会に三面鏡も合わせて断捨離です。本当にいるものだけを厳選して、新しい家に持ち込みます。
使わなくても愛着があるから、高かったから・・・などと捨てることが出来なかった品々に囲まれた暮らしからの脱却です。
一気に自分の暮らしを変えるチャンスです。
いつだって人は、変わりたいと思っているんだけれど、変われないのが現実です。
でも、鳥羽さんは、変わりますよ〜♪ 一か月ほどかけて、ゆっくりゆっくり、引っ越します。
残ったものは、全部処分処分。スリムに暮らしたいとの願いが叶います。
しっかり家が落ち着いたら、家でお披露目のパーティをしたいと思っています。
お仕事をしながらの引っ越しですから、大変です。頑張らねば・・・。
来月号では、無事引っ越せていたらお知らせいたしましょうね。
ではまた、お元気で〜♪ごきげんよう、さようなら〜。
(鳥羽 美千子)
自閉症啓発セミナーの報告
令和元年7月6日(土)岡山県生涯学習センターにて、「第102回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
大阪より、PECSの実践では日本で一番と言われている中谷正恵さんと、お嬢さんの“あきちゃん”におこしいただき「暮らしの中でのPECS実践 〜自閉症児・者が自分で生活スタイルを選ぶために〜」というテーマでお話しいただきました。
それでは、当日の参加スタッフよりの報告と、参加者の方からのアンケートが届いていますので、その一部を紹介いたします。
前半は娘の亜希さんも中谷さんの横に同席されて始まりました。
講演の途中でもスケジュールに沿って落ち着いて自分の課題をされ、時折PECSを実際に使用して、中谷さんへ折り紙やトークンを要求する姿も見る事が出来ました。
その亜希さんですが、最重度の知的障害を併せ持つ自閉症ということで幼少期は、コミュニケーション、睡眠、偏食、排泄、異食の問題等々、相当なご苦労をされたとのことです。
只、現在はPECS、トークン、視覚化、構造化の支援を駆使し、以前よりもずっと落ち着いた生活が出来ているとのことでした。
PECSについて言えば今では世界で一番PECSを活用されている人だと言われているそうです。
生活の様子を見せて頂いた動画では、様々な運動やストレッチのプログラムを生活の中に取入れられ、それらのスケジュールをIPADのアプリを活用して亜希さんが自分で操作をし、自発的に動かれていました。
将来はグループホームなどで暮らしていく事も見据えて、一人で出来る事を増やし、良い習慣を身に付ける事を意識してやっていますとのことでした。
また日頃、親子だと阿吽(あうん)の呼吸で亜希さんがやりたいことが分かってしまうことでも中谷さんはあえてわからないふりをして、全て亜希さんのPECSでの要求を待ち、自発を育てるのだと言われました。
時にはわざと困るような事も用意しておき、それに対してPECSで要求、ヘルプを出してもらい、色々な事象への対応を学ばせているとも言われていました。
また、親や支援者の声掛けで行動する習慣がついていると、社会に出た時に関わってくれる大人の数が減り、声掛けをしてくれる事も少なくなるので本人がしんどくなる。
だから学齢期までには、場面毎での適切な行動をスケジュールや手順書を見て、自分で考えて動けるようになっておくこともとても重要とのことでした。
PECSに関してはフェイズ1〜フェイズ6まで学びの段階があり、その段階毎に学習してもらいたい事がある。
PECSを当事者が学習していくには、その段階に応じた教え方があるので、まず教える側がPECSの研修やセミナーを受け、きちんとした教え方を学んでおくことが大事であるとのことでした。
また、PECSにはPECSブック(アナログ)とアプリを使用したIPECS(デジタル)があって、最初、中谷さんはPECSブックから始められ、徐々にブックを使いこなせるようになってきたのでIPECSに移行したとのことでした。
そのIPECSにしてからは使えるカードの多さや利便性が大幅にUPし、今まで以上に幅広く活用出来るようになってとても良かったとのことでした。
現在は亜希さん自身が必要だと思う写真を撮って端末に取込み、それを利用出来るようになっており、IPECSには1000以上のカードが入っているそうです。
あと、中谷さんは自立に大切なものとして自己選択、自己決定、自己責任を挙げられていましたが、亜希さんは重度知的障害ということもあり、PECSでそれが出来るようになっても本人に好き勝手をさせていると社会に出たら上手くいかなくなる為、亜希さんに全ての主導権は渡さないようにしているとのことでした。
只、中谷さんは亜希さんの代わりに出来る限り有益で有意義な情報をたくさん集めて持ち帰り、亜希さんに見せたり、相談した上で選択、決定をしてもらっているということでした。
人として生きていくために一番大切なのはコミュニケーションであり、そのコミュニケーションの問題を抱える亜希さんにとって、言いたいことを具体的に表現でき、自分の意志を発信できるようになる支援は、今のところ自発と表出を教えられるPECSだけだと言われていました。
亜希さんはそのPECSを使うことによって、表出が増えたり、自立的に行動が出来たり、好まない事でも受け入れる事が出来たり、感情が豊かになったりと様々な良い変化がみられるようになっていったそうです。
それは、幼少期から「亜希さんの幸せを考え、時間もお金もかけて、とにかく頑張った!」と自負される中谷さんの努力の賜物であることが伝わってくる講演でした。
スタッフ T.M
○ 通所事業所内でPECSを実践していますが、中にはPECSが保護者の理解を得られない場合もあります。私どもの力不足でもありますが、本日の中谷さんのご講演と亜希さんのとても素敵な表情で生活されていることをご紹介させて頂いて、PECSがもっともっと拡がり、利用児の方と保護者の方の生活がもっと豊かになっていける頑張りたいと思います。中谷さん、これまでご苦労も私には計り知れないものがあったと思いますが、素晴らしいお話をありがとうございました。(児童発達支援事業所)
○ 実際のPECSを使用している生活を動画で見て、またお話をして頂いて、具体的なPECS使用例を知れてとても勉強になりました。今日の講義を受けて、自閉症児・者が暮らしやすい、楽しめる生活だけを目指すのではなく、保護者の方や、家族、周りの人も一緒に暮らしやすい生活もとても大切で、目指していかないといけないと思いました。(言語聴覚士)
○ 自分自身、発達障害の当事者で、息子も発達障害なのですが、自分への理解がとても深まり、また息子への支援のあり方、育て方の考え方もなんとなく分かったような気がします。まずは、親が諦めないで腹をくくる。そのことの大切さも学べました。これからも色々なことがあると思いますが、たくさんの方法や知識を吸収しながら、息子と一緒に成長していきたいと思いました。(保護者・当事者)
○ 実際にお子さんと接する時に、私自身悩むことが多くあります。今回、講演を聞かせていただいて、まずはしっかりと観察し、お子さんの行動を理解することが大切であると改めて感じることができました。私が関わることで、お子さんがしたいことや必要なことを支援できるように今後も勉強していきたいと思います。中谷さんのお話を聞いて、私が中谷さんの立場であったら…と深く考えました。数えきれないほど大変な事があったと思いますが、中谷さんと亜希さんの様子を見て、正直本当に驚きました。適切な支援・評価を行えるように今回の講演を参考にさせて頂きます。素晴らしい話をありがとうございました。(言語聴覚士)
令和元年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
〜大人になって幸せになるために〜
8月は夏休みでお休みです。
次回の第4回は9月になります。
【 第4回 即実践講座 】
日 時:令和元年9月27日(金)19:00〜20:55
場 所:岡山県生涯学習センター(岡山市北区伊島町3-1-1)
テーマ:「アセスメントに基づいたコミュニケーション支援」
講 師:梅永 雄二 先生(早稲田大学教授 教育・総合科学学術院 教授)
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 (全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
7月12日(金) 第3回「ASD児者のアセスメント TTAP(インフォーマルアセスメント)に参加された方からのアンケートの一部です。
○ 課題分析について、つい言葉での指示や、大きく分けた指示でしか援助できていなかったので、当事者が分かるように細かく分け、興味のもてるような指差しやモデルなどの援助方法を取り組んでいきたい。(保育士)
○ これまで、ある程度細かくスケジュールを示すようにしていますが、まだまだ不足していたと思いました。また、「手伝って」という声掛けでは、何をどうしたらよいか分からない状態のため、それぞれに応じた指示が必要だと痛感しました。(サポート校)
○ 実際の企業実習や、そのためのスキルの整理など、今小学生を見ていると中々結びつかない内容でしたが、知れてよかったです。声掛けだけでは伝わりにくい、ということを改めて感じました。「逆行連鎖で教える」は、私の勤める学校で行っている登下校トレーニングの流れと似ていて、よくイメージできました。(小学校)
○ 課題分析中級での実演は分かりやすかった。ジェスチャーなのか、介助なのか、その人にどうやったら伝わるのか一番有効な方法を考えていかなければと思った。支援者ありきではなく、どれだけ自立して行えるかが大切だと思った。(支援施設)
○ 重度の知的障害では、ボールペンを組み立てることは、ネジを締めることから丁寧に伝えなければならない。当然のことではあるが、気付かなければ、させてあげられない。できるように気付き、示すことが大切だと気付かされた。一人ひとりを本当に丁寧に細かく見て私が気付いていけるように、自分のスキルをあげなければいけないと思った。(保育士)
令和元年度 支援者向け
発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐
(自閉症支援技術 レベルアップ講座)
諏訪先生の赤磐市での講座も8月はお休みです。
次回の講座は同じく9月開催となります。
【 第4回 発達障害支援夜間連続講座 】
日 時:令和元年9月3日(火)19:00〜20:55
場 所:赤磐市立中央公民館 視聴覚室(赤磐市下市337)
テーマ:「アセスメントについて A」
(当初の講義内容の案内では、評価について幼児期・学齢期・青年期等と年代別にお話しいただく予定でしたが、アセスメント @、A、Bというように全体を通して一括して講義していただくようになりました)
講 師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料(資料代 7000円)
他市の方 一般 13000円・賛助 10000円(資料代別途7000円)
各 全10回分
7月18日に開催された 第3回「アセスメントについて @」のアンケートの一部です。
○ アセスメントをする際にはしっかりと場面を設定すること、綿密に計画を立てておくことが大切なのだと分かりました。日々の療育の中で見ることができる姿からだけではなく、場面設定を行ったうえですることも必要なのだと分かりました。(支援施設)
○ 保護者の方に「どうなってほしいか」は聞かないようにする。今、学校では保護者に望む姿をまず書いてもらっていて、これを聞くからアセスメントとのすり合わせが上手くいかず、スタートが中々できないということに繋がっているのではと思った。アセスメント、指導、目標、希望、色んなことをごちゃごちゃにしてはいけないと分かった。(行政相談員)
○ アセスメントをする時に、指示の階層を意識して、正確な芽生えを見極めること。今まで漠然とまたザックリ子どもを見ていたように思います。大きな反省です。(児童発達支援センター)
18歳の春を目指すクラブ
先輩お母さんから学ぶ 学校選び勉強会
7月2日(火)赤磐市にあります高月公民館にて、育てる会の先輩お母さんから学ぶ“学校選び勉強会”を開催いたしました。25名の方にご参加いただきました。
5月に行いました18歳の春を目指すクラブの座談会で出た意見から、
進路をどのように決めっていったのか知りたい!
あの学校ってどうなんだろう?
など学校を選ぶ上で疑問や不安を抱えておられるお母さんがたくさんおられることが分かりました。
そこで、育てる会の先輩お母さんが、どのようにして学校を選ばれたのか、実際に通ってみて、悩んでいたこととの違いなど、お話いただこうと、このような会を開催することとなりました。
5名の先輩お母さんからお話をしていただきました。実体験から分かる貴重なお話をしてくださいました。
育てる会だからこそできる、このような形の勉強会が開催できたこと、たくさんの方が参加してくださったことを嬉しく感じました。みなさんのお子さんの進路撰びの参考になっていくことと思います。
また、午後からは、正会員を対象にお弁当を食べながら、座談会を行いました。きれいになったサロンで行いました。
同じ悩みを抱えたお母さん同士で話したり、少し先を行くお母さんから、同じような経験をして乗り越えてきたお話を聞けたり、楽しい雰囲気でみなさんお話ができたようで、とてもよかったと思いました。
また、このような会を設けて情報交換していけたらと思います。
参加された方からの感想です。
○ 小中高大、進路先を選ぶポイントなど具体的な話を聞けてとても勉強になりました。これから様々な場面で選択する必要がありますが、本人とよく話し、そして子供の特性にあった判断をしていきたいと思います
○ 進学先の選び方やポイント、実際に入学してどうだったか、どういう学校がどんなサポートをしてもらえるか(お願いできるか)など参考になりました。早めに情報収集して、練習もいるけど、わが子に合った進路をじっくり考えていきたいと思いました。少しずつ成長できるように日ごろから親子で頑張っていきたいと思います。
○ お母さん方が実際に足を運んで、目で見て聞いたお話だったので、具体的な内容でとても分かりやすく参考になりました。皆さんの貴重なお話を伺えて、とても勉強になりました。また同じようなお話を聞かせていただけたら嬉しいです。
○ とてもよい勉強会でした。具体的で参考になりました。なんとかなる、学校にお任せではなく、わが子のためにできることを丁寧にされてきたお母さん方にお会いできて、とても嬉しかったです。私も子供のためにもっともっと頑張って、成長を楽しみにしたいと思います。
○ 保護者の方がひと言で話されていることも、とてもとても苦労されて、悩まれたことも多くあったことでしょう…常にお子さんの事を一番に考えられていることをとても実感しました。まだまだ自分にもできることはたくさんあると思いました。
18歳の春を目指すクラブ企画の次回研修会のお知らせです。
『本人と出来事を振りかえるアプローチ』
〜どうしてそう思ったの? を書きながら整理する〜
日 時:令和元年8月11日(日) 13:00〜16:00
場 所:赤磐市立高月公民館 講座室(赤磐市穂崎848-1)
講 師:小田桐 早苗 先生(川崎医療福祉大学 講師)
対 象:正会員 および ぐんぐん通所児童保護者
参加費:正会員 無料、正会員以外 1500円
コミック会話の技法を使い、視覚的に子どもの気持ちや相手の思いを整理して、お互いを理解する方法を教えていただきます。
詳しくは正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください。
はやぶさの会のお知らせ
自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
先月の会報でお知らせした通り、夏休みにもはやぶさの会は元気に活動します。
当初は少し遠出したり遊園地に行ったりしようか・・・と話していたのですが、暑さに弱いお子さんや、人の多さがしんどくなるお子さんもいたため、今回は交流メインの活動に切り替えました。
初参加の方も、「参加してみたい」「友達とか興味あるな」という子であれば歓迎です。一度体験してみてください。お待ちしていますよ。
日時 2019年8月17日(土)17時半集合
場所 岡山市内のバイキング会場
※会場はお申込みいただいた方に個別でお知らせしています
内容 バイキングでお食事・夏休みについてのおしゃべり
対象 お友達がほしいと思う小学生以上のお子さんと保護者
兄弟は、診断が出ている兄弟であれば参加可能
持ち物 バイキング利用料金(自分たちの食べる分
※はやぶさ参加費は不要)
暇な時間を過ごすグッズ
(携帯ゲームなどは持参しないようにしてください)
夏休みの話をするための写真・思い出など(各自管理をお願いします)
申込み 育てる会事務局へ8月8日(木)まで
★事前に必ず保護者同士の打ち合わせを、LINEやメールでしています。
(担当:M)
OHAの会のお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
【 9月のOHAの会 】
日 時:令和元年9月11日(水) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194−1)
アドバイザー:利守 愛子 先生(臨床心理士)
参加費:1000円
申 込:育てる会事務局(TEL.086-955-6758、FAX086-955-6748)
水泳教室のお知らせ
8月の水泳教室はお休みです。
【 次回の水泳教室 】
日 時:令和元年9月15日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。プールは育てる会で貸し切って使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は9月12日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
(担当:S & I )
お母さんコラム
小3・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、2歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は息子と娘のエピソードをそれぞれ1つずつお話します。
まずは息子のお話。
夏休みに入ってすぐ、我が家が一番に取り組んだのは、宿題の確認でした。小3にもなると、宿題がかなり多くなります。
・計算ドリル(復習問題)
・漢字ドリル(復習問題)
・夏休みの友(理科や社会を含んだ問題集)
・日記
・自主勉強
・作文(読書感想文もしくは明るい家庭作文)
・ポスター(複数あるものから自分の興味のあるものを選ぶ)
・科学研究もしくは工作もしくは習字(複数あるものから自分のやりたいものを選ぶ)
・リコーダー練習
・自主勉強
特別支援学級在籍のため、担任の先生が分かりやすいよう工夫してくださっていますが、それでもかなり整理が必要です。
休み期間が長い分、宿題の量が多く、やることが明確でもないため、なかなか取り組む気持ちになりません。そもそも何をどれぐらいやったらいいかも分からないのです。
そこで、取り組むところに付箋をつけて、無理ない量を一緒に確認しながら次の日に取り組むようにしてみました。
すると、たくさんの物の中でもそのページだけを見ればいいので、普段の宿題の取り組み方とあまり大きく変えずにすることができました。
中でも、漢字ドリルは、ドリルのページにある文字をノートに写して取り組んでいくのが難しいようです。
本人と相談して、母がノートに問題を写すところだけはしておくことで合意しました。
最初は「全部写すところからしないといけないのではないか」と言っていましたが、「そもそもこのドリルの目的は復習だから、写すスキルを伸ばすことは求められていない」ということを一緒に確認しました。
宿題をする意味を一緒に考えて、どうしても難しいところは援助を求めたらいいということを再確認することができました。
定型発達の子どもたちであれば、特に何もなく取り組めるところでしょうが、そこが困るのも息子の特性。
相談したり一緒に考えたりすることができるようになったことも成長に感じています。
それにしても、学校の先生が指示したことは絶対!なんですよね。面白いです。
続いては娘のエピソードです。
先日「蚊」に刺されたところが腫れてとびひになってしまったので、治療のためガーゼを当てていました。
すると、出会ったAさんに 「どうしたのここ?」 と聞かれました。
娘 「カニが、ちくっとしてきたんよ」
Aさん 「カニ?」
娘 「そう」
Aさん 「カニにどうやってされたん?」
娘 「(両手でハサミをチョキチョキするジェスチャーをしながら)こうやって、ちくーって痛くしてきたんよ」
Aさん 「へー・・・(ほんとに?)」
私 「カニに、じゃなくて、蚊に、でしょう?」
娘 「そう。カニ。チョキチョキでカニに」
私 「だから。カニじゃなくて、蚊」
娘 「???」
そこで、百聞は一見にしかず。実際の蚊の画像をスマホで検索して娘に見せて、「これが蚊。これがカニ。あなたが刺されたのは蚊だから、こっち」と言うと、「!!・・・虫なの?!」とショックを受けた表情をしていました。
こういう言い間違い・聞き間違いはかなり多い娘です。
先日は、「トムとジェリー」を「トマトゼリー」と言っていました(笑)
その際にも、「こっち(猫)の名前がトム。こっち(ネズミ)の名前がジェリー。だから、トム と ジェリー っていうお話なんよ」と言うと「そうなんだ!!」と理解することができていました。
明示的にはっきり分かりやすく教えられたことはよく理解できる子どもたち。
本人任せでフォローしなかったり、何となく分かるかなと口だけで言って聞かせたりすると、やっぱり誤解してしまうことも多いです。
でも、本人たちにあわせて、少し丁寧に教えていくことで、「なんだ、そういうことか」「そうすればいいんだ」と理解できさえすれば、伸び伸びと生活していくこともできるようになってきました。本当にASDって面白い!です。
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
今年も夏がやってきました。ぴっぴに通ってくるお子さんたちのキラキラの笑顔のおかげでスタッフ一同、夏バテにもならず、毎日元気に過ごすことができています!(^^)!
年長のお子さんたちは、この時期に小学校の就学先の決定をします。
保護者の多くの方が、就学について不安や心配の気持ちを持たれていたり、就学先をどうしようか悩まれている様でした。
そこで、5月に、前向きな気持ちでお子さんの就学について考え、準備を始めるきっかけを作ることを目的に、年長保護者対象の「就学に向けての勉強会」を行いました。
勉強会の中で、就学先を決定するまでに「就学予定の学校・学級へ見学に行きこと」、「園の先生に園での様子を確認すること」、「就学相談を受けること」をお勧めしました。
そして、『お子さんが、自分らしく・安心して学校生活を送ることができる』という視点で就学先を決定してくださいとお伝えしました。
さっそく、保護者の方は、学校に見学に行かれたり、園の先生に園での様子を尋ねたり、就学相談を受けてくださり、
「見学してみると、ずいぶんイメージと違った」
「就学先を○○が良いかなと思っていたけど、実際に見学すると△△の方が安心して小学校生活が送れそう」
「思っている以上に園の先生がうちの子のために支援をしてくださっていることを知りました」
「園での様子を聞いて、課題が見つかったので就学までに取り組んでいきたい」
「就学相談で心配事を相談することができ良かった」
「学校や学級のイメージが少し持て良かった」
などの声が聞かれ、どの保護者の方も『お子さんが、自分らしく・安心して学校生活を送ることができる』という視点を大切にされながら、就学先検討をされ、ほとんどの保護者から、お子さんの就学先決定の報告を受けました。
しかし、就学先が決まったら終わりではなく、むしろスタートです。どの就学先を選択しても、就学に向けての準備は必須です。
残念ながら、誰かが就学に向けての準備をしてくれるわけではありません。
誰かが就学してからのことを考えて対応してくくれるわけでもないのです。
お子さん・保護者の方それぞれが主体となって就学に向けた準備をしていく必要があります。
ぐんぐんぴっぴでは、保護者の方と一緒に一人ひとりのお子さんが、小学校でどんな支援や支援ツールが必要かを考える時間を持つようにしています。
また、小学校生活を想定して必要な支援や支援ツールを使うことに今から慣れていけるように取り組んでいます。取り組みの場を療育場面だけに限定せず、家庭や園での生活場面でも取り組み、小学校生活に備えるようにしています。
困った時に援助を求めることが難しいお子さんの何人かは、小学校で援助要求が伝えられるようにと、療育で使っている「てつだってカード(援助要求のためのカード)」を家庭や園でも使い始めたお子さんがおられます。
手洗いや着替え、身だしなみを整える練習を始めたお子さんもおられます。
小学校の時間割の練習のために、園へ持っていく物の用意を始められたお子さんもおられます。
できることを少しずつ、無理なく親子で楽しみながら、そしてお子さん一人ひとりに合わせた工夫をしながら就学の準備を始めて下さっておられることがとても素敵だなと感じます。
また、療育の中でも保護者の方と小学校生活を想定した話をする機会が増えています。
11月には年長の保護者対象勉強会「サポートブックつくり」を開催する予定です。
お子さんについて、小学校の先生や学童保育の先生などに伝えていくことも大事な準備の一つです。こちらも保護者の方と一緒に前向きにしっかりと就学に向けた準備をしていきたいと思います。
すべてのお子さんが「自分らしく・安心した学校生活」を送るための就学準備に取り組めるように、療育を通じてしっかりとサポートしていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ M
赤磐ぐんぐん (就学前)
幼稚園に通う子どもたちは夏休みが始まって2週間。いつもと違うリズムになれた頃でしょうか?
雨も多いようですが、この夏はどんな計画を立てていますか?
ぐんぐんでは7月末、カレンダーづくりに取り組んでいます。
見通しが欲しい子どもたちに、予定を分かるように伝えるにはどうしたらよいのか。保護者と一緒に考える機会にしたいと思い、普段の様子をお聞きしました。
・まだ文字が読めないので予定を色分けして記入している。
・月曜始まりの方がしっくりくるようだ。あまり早く予定を伝えると今すぐ行こうと動き出してしまうので、直前に伝えるようにしている。
・1か月の流れは情報量が多すぎるので1週間程度がよい。
・次にぐんぐんに行く日が知りたいので2週間分がいい。
など様々な意見が出てきました。
皆さん本当に我が子のことをよく見ていらっしゃいますね。
・平仮名に加え漢字の形を覚え始めている。
・次にいつ幼稚園に行くのか知りたがっている。
なんていう子どもさんもいるようです。
スケジュールもそうですが、保護者が伝えたいことを示すのではなく、子どもが欲しい情報を分かる形で示すことが大切ですね。
特に変更したときは、いつできるのかも加えて知りたい情報だと思います。
好きなテレビ番組の予定を入れよう!
楽しみにしているお祭りまでをカウントダウンできるように毎日シールを貼っていこう!・・・などのアイデアも出てきていますよ。
絵で判断しているのか、文字で理解しているのか、言葉でわかっているのかよく観察し、伝えたつもりやわかっているはずにならないように改良を重ねていきたいですね。
特別な予定があるときだけ伝えるのではなく、普段から使っている形だからこそ特別な予定やいつもと違うことが伝わるのだと思います。
これまでカレンダーを作っていなかったけれどこの機会にさっそく取り組もうとすぐに行動に移してくださった保護者の方もいて、報告が上がってきています。本当に素晴らしいなあと、感動しています♪
さて、4月から新しいメンバーと小グループで活動してきた子どもたちに、少しずつ変化がみられています。
初めの頃は必ず、お母さんか先生が一緒に入って双六をしていたA君とB君は、大人が入らなくてもいつも2人で一緒に遊ぼうとするようになり、双六に限らず様々な遊びに広がってきています。
これまでC君のことを少し警戒していたD君は、誘い方はまだ練習中ですが、自分から関わっていこうと同じテーブルに寄っていくようになりました。
声の大きなE君を怖がっていたF君は、1週目E君が広げている道路シートに一瞬ミニカーを走らせて、いつもの自分の席に戻ります。(スタッフがそういう時は「入れて」と言うんだよと仲介する隙も無いくらいの早業でした(笑))
2週目、もう少しだけ近づいてE君の上にまたがるようにしてミニカーを触り、またいつもの席で自分の遊びに戻ります。
そしてついに3週目、(安全だ、この相手は怒らないぞと判断したのでしょうか)なんと自分の持っていた恐竜フィギュアでE君の道路シートとミニカーのワールドに入っていきました。
人に関心がないように見えてもこんなふうに子どもたちはみんな、人と関わることを求めているのだなと感じます。
彼らのペースで、距離を縮めていけるように、うまく関わりが成立するように少しだけ手助けしながら、見守っていきたいなと思う出来事でした。
赤磐ぐんぐんスタッフ M
ぐんぐんキッズ (小1〜)
夏休みに入り、ぐんぐんキッズも子どもたちが朝から通って来ています。
朝から来る子どもたちは、入室の時の挨拶もいつもと違います。
普段、子どもたちは午後から来るので、挨拶は「こんにちは」です。
でも、朝なので挨拶は、「おはようございます」です。「こんにちは」の挨拶だと思い込んでいた子どもたちの中には、「おはようございます」とスタッフが言うと、「えーっ!」と驚く子もいました。場面に合わせて挨拶を変えるって結構難しいことです・・・。
ただ、、、今回の場合、子どもたちが挨拶を間違ってしまったのは、入口に貼ってある挨拶のリマインダーを変えることを忘れていたという理由が大きいと思います^^;
子どもたちにとって便利であるはずの視覚的な手がかりが子どもたちの行動を混乱させてしまうこともあります・・・。
すぐに変更しました!なぜいつもと挨拶が違うのか疑問を持った子には、個別で理由をしっかり教えてあげたいと思っています。
夏休み始まって第一週目。
まずは、学校の宿題を持ってきて、15分間、もしくは決めてきた量が終わるまで机に向かいます。宿題をする時の約束事として、「ていねいな字で書くこと」「できたら見直しをすること」「わからないことは先生に聞く(日ごろ使っている援助カードやリマインダーをこの場面でも使って相手に伝える事を教えます)」を入れ、宿題の時間がスタートする前に、事前に確認します。
もちろん終わった後のご褒美もこの時に伝えます。事前に伝える事で、後から注意をされることが少なくなるのでイライラせずに取り組むことができます。そして、ご褒美があるからこそ、がんばろう!!と思えます^^
終わった人からご褒美のかき氷タイムです。
夏の暑い日はつめたいかき氷が最高の強化子です^^
強化子があるからこそ、ちょっとしんどいことも頑張れることもたちでした。シロップを自分で選んで、おいしそうに、嬉しそうに食べていました。
また、毎年恒例の暑中見舞いのハガキ作りをしました。
今年は、パステルチョークを使ったパステルアートに挑戦。パステルチョークの使い方は、ものさしを使ってチョークを削ったり、指を使って描いたり、チョークで汚れた指をティッシュで拭くなどの工程があり、手順書では伝わりきらない工程もあったので、モデルで教えました。
@ やり方を見る、A自分でやってみる。
前もって、先生がするモデルを見ることを伝えていたので、みんな先生のモデルをよく見て取り組むことができていました。
パステルチョークの使い方が分かってからは、それぞれが工夫をし、集中して作っていました。素敵なハガキが出来上がりました。
おひるごはんは持ってきたお弁当を食べます。
食べ終わった後はお弁当箱を洗います。
ぐんぐんキッズの夏休みを初めて経験する1年生からは、「できない!」とか、「なんで!!」という声も。
でも、先生と一緒にするよと伝えると、安心して挑戦することができていました。お弁当箱洗いも夏休み中に何回か経験する予定です。夏休みが終わるころにはどれくらい上手になっているかたのしみです。
夏休みはいつもよりゆっくり活動できる時間があるので、社会資源を使った活動(毎年恒例お弁当を買いに行く!山陽町のほっかほっか亭はPECSが使えます)を行ったり、上靴洗いやトイレ掃除、家庭でも活かせるお手伝いスキルを練習したり、楽しい夏まつり企画の中で、日頃練習している待つスキルを他の場面でもできるように活動を組み立てています。
今年も暑い夏になりそうですが、子どもたちと一緒に、楽しい活動の中で学びを深めていきたいと思っています。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ K☆
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
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申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。