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令和元年9月30日

 

 第257号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 257号 目次

     曼殊沙華

     自閉症啓発セミナーの 報告

     即実践講座・キッズルーム・はやぶさの会・サッカースポーツクラブ 報告

     おやじの会 山登りの会・支援ツール勉強会 お知らせ(略)

     OHAの会・水泳教室・サッカースポーツクラブ お知らせ(略)

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「「子どもの発達障害」に薬はいらない

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 

     グループホーム寄付 御礼

 

季節はもうすっかり秋です。
事務局の花壇には、ご近所の方から去年いただいたコスモスのこぼれ種から、たくさんの芽が出て、それがどんどん花を咲かせ始めました。
そして今年も彼岸花が田んぼのあぜ道に咲いています。
真っ赤に咲くこの花は、昔は飢饉の時、農民の飢えをしのぐために植えられたそうです。
耕地整理をしていない和田の田んぼには、今でもこの彼岸花が彼岸の時期に咲きます。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)なんて別名もある花です。
どこか怪しげな雰囲気の有るこの花が、田んぼのあぜ道を彩るのは、一週間くらいです。いつの間にか消えて、稲が黄金色に輝きだすとすっかりみんなはヒガンバナのことは忘れてしまいます。
いざというときの備え花・・・。いい仕事するこの花をもう少し、大切にしてもいいように思います。
青い空に白い雲、そして真っ赤な彼岸花の列を見ながら、今月の会報をお届けしましょう。

新しく引っ越した我が家の隣は、小学校の校庭です。
今日も朝から元気な子供たちの声が響いています。もうすぐ運動会があるのでしょう、日ごとに熱を帯びた練習が繰り広げられています。
自閉症の子どもたちは、変化が苦手です。運動会の練習は、子どもたちの日々を困難なものにしているのではないかしら・・・と心配な気持ちになります。
子供たちの元気な声の後ろで、何人も混乱している自閉症の子どもの姿が目に浮かぶ私です。
そもそも何のために運動会はあるのでしょうね。
「皆と一斉に合わせること、協調性を養う」なんていう目的があるのでしょうか?
困難なことを全員で成し遂げる達成感。そんな目的もあるのでしょうか?
皆に合わせることが、苦手で意味もわかり辛い自閉症の子どもたちにとって、これがどんな意味になるのでしょう。
「みんな違ってみんないい。一人ひとりを大切にする教育」と、いうばかりで、ほとんど意味ない言葉のような気がします。心を合わせて、力を合わせて、成し遂げるという号令の前に、みんなと合わせられない彼らは、どれほど心を砕かれ、ダメな自分を思い知ることでしょう。
みんなと同じようにできない自分をダメな奴と思うことでしょう。
クラスメイト達も、自分達が頑張っているのに頑張っていない(ように見える)自閉症の彼らをどう思うでしょう。
協力できないダメな奴。そんな風に思わないでしょうか? 
学校へ行けなくなる子が、増える二学期の原因が、そんなクラスの雰囲気に過剰適応してしまう自閉症の高機能タイプに多いのではないかと思われてならない、私です。
でも、最近の先生方は、子どもを叱咤しなくなったように思います。昔のように怒鳴らなくなったのは、いいことです。
昔は、女の先生でも怖かったですね。
「おまえら〜、何しょんでぇ〜!! ちゃんとやらんヤツは幼稚園へ帰れ〜!!!」
なんて怖かったものでした。
こんなこと言っていたら、今なら保護者各位から厳しく指摘されるところでしょう。
かけっこの遅かった私は、子どものころから運動会が嫌いでした。よーい、ドンの鉄砲の音が、苦手でしたし、本当は負けず嫌いの私は、ビリになるのも辛かった。
大人になれば、足なんか遅くったって、何の問題もない。あんなに辛かった子ども時代に戻らなくてもいいのが、私は嬉しい。
運動会なんか、嫌い!!今から思い出しても嫌な思い出しかないのですもの・・・。
運動会から、色んな辛かった記憶が呼び覚まされて、会報の始まりがしんどいものになってしまいましたね、すみません。

さて、9月16日には、京都から平木真由美先生をお迎えして、「自閉スペクトラム症児の性と生〜幸せな人生を保障するために〜」という講演会を生涯学習センターにて行いました。
当日は、多くの参加者で、会場はいっぱいになりました。県外からの参加者も多く、平木先生の知名度の高さに驚きました。
「性は人権です。」と言われた先生の言葉は、鮮明に参加者の心に残ったと思います。
寝た子を起こさないよう、何も教えず、そっとしときたい・・・。それは障害児の親でなくても思うことではないでしょうか。
でも、先生は言われます。性を教えられないということは、彼らの権利を奪うこと、彼らの人権を侵すことだというのです。
教えられなければ学べない彼らの特性を私が親が阻んでいたんだと気が付いたのでした。
正しい知識を教えなければ、妙なところから、変な形で入ってしまうかもしれません。
私たち自身が、正しい知識に基づいて、毅然と正しいことを教えたいものです。
講演会の後、正会員の方と先生を囲む会を行いました。
性の悩みだけでなく、子育て全般の悩みまで、話は広がって、楽しく明るくお話しできた、とってもいい時間を過ごさせていただきました。
皆悩みが多いけれど、一生懸命子育てに向き合っている育てる会の母たちの集まりでした。
今悩んで、道を模索していくことは、必ず明日につながっていく。そんな風に思える時間でした。

さて、先日岡山で私が頼まれた講演会を直前にして、色んなデータを入れていたハードディスクが壊れました。
これまでの私自身の講演会のパワポから、会報のデータ、色んな情報、写真のデータ、それに哲平の働く様子の録画したものまで、何もかも入っていたものでした。
ショックでしたが、パソコンにわずかに残ったデータや、USBのデータをかき集めて、なんとか講演会に間に合わせました。つくづく機械に頼ってばかりではいけないなと思った次第です。
最近の7〜8年分のデータが、全部記録されていたハードディスクだったので、焦りました。
復旧できるかどうか、今業者に出していますが、どうなりますか・・・。ずいぶんお金がかかるそうです。トホホでございます。
トホホなことが、他にもあります。
人間ドックを受けたところ、骨粗鬆症と言われました。糖尿病も薬は飲むまでではないけれど、そろそろ気をつけるべき数値だそうです。
血管にはプラークがあって、脳にこのプラークが跳べば脳梗塞なんだそうです。目も悪いそうで、黄斑変性と白内障なんて言われてしまいました。
今まで何の薬も飲まないで、健康だと思っていた私でしたが、そろそろ、治療が必要な年齢になったようでした。
健康保険を、ほとんど使うことがなく、内服薬を何も飲んでいないというのが、自慢の私でした。ところがここへきて、急にいろいろ言われてしまいました。
これからは、一つひとつお医者様の言われることを聞いて、まじめに治していかねばなりません。
まずは初めにピロリ菌の除去を始めました。胃がんのほとんどはピロリ菌が原因だそうです。これでもしかしたら、胃がんにはならなくて済むかもしれません。
若いつもりでおりましたが、70歳を2年後に迎える年齢にして、やっぱりそれなりの体ということなんでしょう。
ホントに残念ですが、仕方ありません。もう少し元気でいたいと思うので、お薬はちゃんと飲みます(お薬をうっかり飲み忘れると、ピロリ菌は退治できないそうです)。
最近、お医者さんの勧めもあって、ウォーキングを始めました。
夕方、哲平が走るのと一緒に、同じコースを歩いています。
哲平は、家の周りの一周800メートルのコースを10周、お父さんは7周、私は歩いて4周です。それでも哲平の方がはるかに速いのは、つくづく悔しい気分です。
哲平が走るのとは逆方向に歩くので、何度もなんどもすれ違います。
そのたびごとに、「頑張れ!」と声をかけてすれ違うのも楽しいことです。これも習慣にしていきたいと思っています。
哲平や子どもたちの将来をより安心なものにするために、もう少し長生きがしたいと思います。

ぐんぐんグループをはじめグループホームなどの障害児者向けの事業を運営をしている育てる会は、何年かに一度、備前県民局の実地指導というものを受けなければなりません。
国や県市から報酬をいただいて実施している事業ですので、決められた日に県民局から係の担当者が来られて、適切に運営されているかを見られます。
とても厳しく見られます。少しでも営業時間に変化があっても、ちゃんと届けをしていないといけません。
資格を有する職員が、適切に配置されて、しっかり業務を行っていなければ、厳しく指導されるのです。
先日は、グループホームの実地指導がありました。
「ほっぷ 1」は、利用者に対してはとても丁寧な支援がなされていると、お褒めの言葉をいただきました。
ただ、事務的な不手際や記録の仕方を多少指摘されてしまいました。今後は、それをきちんとすることで、今以上の高評価をいただける事業所を目指したいと思いました。
トイレもお風呂も居室も、とても清潔できれいと褒めていただきました。
利用者が掃除をしているグループホームです。彼らをほめていただけて、私は嬉しくてなりませんでした。
一人ひとりの利用者が自分でできることがどんどん増えて、将来は、地域でみんなの中で普通の暮らしを営んでいけるような、そんな自立した大人を育てていくためのグループホームです。
夢は限りなく広がっていきます。
グループホーム「すてっぷ 1」の設計も出来上がって、県に補助金の申請を行いました。
一年半後の完成を目指しています。皆さん、完成したら、また見学においでくださいね。
「ないものは作っていこう!」は、育てる会のキャッチフレーズです。
グズグズ考えてばかりで、何にも行動を起こさなければ、どんどん年月が経つばかりです。子どもは大きくなっていくばかりです。やれることは、やらなきゃ始まらないでしょ。
「ないなら作っていくだけさ」頑張ります!!ご寄付いただける方は、どうかよろしくお願いいたします。

ところで、おやじの会企画で、熊山に登るという行事があるそうです。お父さんに子供は任せて、お母さんは車で登って頂上で待っていてもいい、という企画です。
もしお子さんがまだ小さくて心配なら、お弁当はお母さんが作っていって頂上で親子で食べるのもいい感じでしょ。
こんな企画をどんどんおやじの会でやってほしいものです。
おやじと子どもでキャンプなんて言うのもいいですね。
私たち母親は、のんびり温泉なんてどうでしょう。時には、父さんにも子育て頼んでのんびり骨休めするなんていいでしょう?
どうか、多くのお父さんをその気にさせて下さい。お母さんの腕の見せ所です。お父さん同士もお友達作りが出来たらいいなと思います。
詳しいことは後のページにありますので、どうぞ、よろしくお願いします。

それからもう一つ、例年好評の支援ツール作りの会が、先輩のおかあさんから学ぶという形で行われます。
これは18歳の春を目指す会の企画です。多くの参加をお待ちしています。
これもチラシが入っていますので、よろしくお願いします。今回は、講義と実習の両方に力入れます。ご期待ください。

まだまだ、暑い日が続いていますが、朝晩の涼しさは、やっぱり秋ですね。
草むらの虫の声や、天高い青空を見上げるとき、そして少し鼻の奥がむず痒いのを感じるとき、秋の深まりを感じる私です。
皆さん、いい季節です。いい学びの時でもあります。育てる会には、図書コーナーが、事務局にあります。いい本がたくさんそろっていますよ。
借りて読むもよいですが、読んでみてよかった本はやっぱり自分で買って手に入れることをお勧めします。
本は、アンダーラインを入れながら読むに限ります。
後から見直すのにも簡単ですし、何年かたって読みなおしたとき、別のところに感銘を受けたりすることもあります。
食欲の秋にだけ誘われていないで、私も昔の本を紐解いてみようかと思っています。
では、皆さんごきげんよう、さようなら。               
(鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

令和元年9月16日(月・祝)、岡山県生涯学習センターにて、「第103回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
京都市立総合支援学校 支援部 医療福祉コーディネーターの平木真由美先生をお呼びして「自閉スペクトラム症児の性と生〜幸せな人生を保障するために〜」というテーマでお話しいただきました。
なお、今回のセミナーは「令和元年度 岡山人権啓発パートナーシップ推進補助事業」として岡山県より助成をいただき開催する運びとなりました。

講演タイトルから『子どもも小さいし、「性について子どもに教える・子どもと語る」ことをまだイメージできないわ』と思い聴講をためらった方もいらっしゃったかもしれませんが、まず聴講者代表の報告としてみなさんにお伝えしたいことは、
子どもの幸せな人生を願うなら必ず性について、そして生きることについて、語れるほどに学んでおいてほしい
・・・ということです。
冒頭、「人間だれしもセクシュアリティー(性と生)から離れられません!中心だと思います」と言われました。
障害の有無にかかわらず、すべての人に関係するし、生きる力に関係すると言われハッとしました。つまり会場にいる人全員に当てはまる話しで、なかには自分のことにも置き換えながら聞かれた方もおられたと思うからです。
性を豊かに生きる権利を自ら訴えることが困難な方の場合は、周囲の人が「あなたはこういう人権があるんですよ。」「こういう人権があるからそこを守るようにしていきましょうね。」と教えていかなければならないと言われたとき、自分はそれは「いつ」「だれから」教わってきただろうという考えが巡りました。
もちろん性と生のことなので、性行為についてのことだけではなく、自分の性認識についても含まれるのですが、「あなたにはこういう人権があるので、そこは守られるのですよ。」と言われたことはなく、暗黙の了解で生まれ持った性を受け入れていくものだと思っていました。
性の多様性(性的マイノリティ)について知ることになるのもある程度大人になってからであったように思います。
LGBTの割合が7.6%(13人に1人)という紹介もあり、割合の多さからいうと、「自閉症でLGBT」というケースもあるんだよな〜と思いながら聞いていました。
つまりは、性についても着目しておかないと、細かな違いを理解して接することができないと思うからです。
LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。
自閉症当事者の声として
・私たちに教えてください。(テンプル・グランディン)
・教えないことは彼らの人間的自立を阻み、歪ませてしまうことがある。(グニラ・ガーランドほか)
という紹介がありました。
もちろん性の事以外のこともさしますが、当然、性についても含まれます。
自閉症についてお勉強されている方は、適切な行動のために適切な学習が必要ということはご存じとは思いますが、こちらが期待する行動に導くためには、「自然にわかるさ」ではなく「教えなきゃ!」ということです。
本当にこれにはピンときました。(ちなみに、性発達については、障害がある子とそうでない子と「差はない」と統計が出ているそうです。)
ただ、教えるという行動に出るにあたっては、『情報として子どもに伝えるか否か』『人に伝えられるほどの正しい知識を持っているか否か』など、大人の性に対する価値観が大きく影響すると思います。
そしてなにより、性情報の発信には世界の60%のシェアを占めるこの日本であっても、性の話題に触れることにはナーバスになる風潮があります。
日本では「寝た子を起こすな」と言われるような、「早期の性教育が若者の性行動を早める」という視点からの度重なる性教育バッシングが行われ、そのたびに教育現場は委縮し、性教育に関する取り組みは後退してしまったそうです。
・・・そんな実情を伺っていると、どんどん不安になりました。
性教育は親では教えられないから、学校で教えてもらってくるのでしょう(自分が学生の頃より進んでいるのでしょう)?と思っていた方!(学校でも性教育の時間はありますが)親が期待する性教育は学校では受けられませんよ。
心身の発達は早くなっているのに、性の情報に蓋をして正しく教わらないでいると、子どもたちがどこで仕入れたか分からない不正確な情報で行動を起こしてしまうリスクが高まることになります。
本当に危機だと感じました。
それではどうすれば良いのか・・・
先生は「寝た子は科学的に起こしましょう!」
体の事を、せめて名称だけでも正しく伝えておけば、体の異変・症状を伝えるときに役立ちます。すごく大事なことと言われました。
もちろん、体のことだけではなく、こころのこと、おつきあい(人との距離の取り方)についても同様です。
未知のことでもあったりするので、図や模型を用いて、具体的にというのは忘れてはなりません。
少し子どもが理解が進んできて、不躾で具体的な質問をしてくることがあったときは(反応を見てからかっているのかわからないような場面でも)、あいまいに答えないで、
・淡々と
・プライベートと (例:プライベートな話だから人には聞かれたくない話だけれど・・・)
・パブリックと (例:セックスをしたからと言って必ず子どもができるとは限らない。稀な確率なんだ。子どもができることは尊いことなんだよ。)
を混ぜながら話ができるようになるといいという話を聞き、以前、服巻智子先生をお呼びして性をテーマに講演をしていただいた時も、淡々と科学的にポジティブに(堂々と)話せるようになっておきましょうと言われたことを、思い出しました。
やはり大人の中に「性の話題に触れて当然」「話してもいい」「相談してもいい」という価値観をもって、正しい知識を勉強し、あの子たちには具体的に・科学的に伝えられるように、身近な人と話して慣れておきたいと思いました。
具体的に・科学的にというところがミソなので、「同性に教わりましょう」ということにもこだわらなくて良いそうなので、私が即実践すれば良いということになります。
「子どもには(触っちゃダメではなく)気持ちのいいふれあいを経験してもらって、気持ちの悪いふれあいにはNO!HELP!と言えるように教えておきましょう。
好きな心地よい感覚を知っていることは、生きていくうえで心の安定につながります。」とも言われました。(ちなみに「知らない人にはついていかないよ」という教え方をしても、性被害にあう場合は身近な人間からというのが70%を占めているという実情からも、あまり意味がないようです。
それよりか、「嫌なものには嫌と言おう」と教えた方がいいのかもしれません。)
これら(感覚探求・拒否・援助要求)については、普段療育の中でも育てていくよう心がけていることですが、性・生のスキルにもつながるんだと再確認できました。
このセミナーを通して、一人一人が自分の問題として受け止め他人任せにしないで意識して教えていきたいと思ったはずです。
ぜひとも、わが子と利用者とともに実践を!
よいきっかけを頂きありがとうございました。
ぐんぐんスタッフK

自分自身、性教育を受けたのか受けてないのかも分からない状態で、どのように我が子に伝えていいのかずっと悩んでいました。今回、お話を聞いて知らず知らずのうちにタブーにしていたなと思いました。そういう話をすることへの恥ずかしさや、マイナスイメージがはじめから身についていました。子どもと一緒に体を知ること、正しい知識を教えることへの大切さを知りました。少しずつ自分の意識を変えていけるよう、家族の中でも話してみようと思います。(保護者)
あまり聞く機会のないテーマで、興味深く聞かせていただきました。誤った情報が多く溢れている今の時代に、全ての子どもたち(大人も含めて)に正しい知識を持って欲しいと思いました。ASDの子どもにとってはなおさらだと感じました。まず、保護者の方とその必要性を共有していきたいと思います。(相談員)
普段なかなか口に出すのもはばかられるようなテーマで、このような勉強会も珍しくありがたかった。でも、本当に大切なことで、自閉症の人たちにこそ正しく伝えなければならないと思う。実際に「知らない」ということが望まない妊娠や出産後すぐ乳児院に預けなければならない事例につながったのを見てきたこともあり、子どもたちにきちんと伝えられる支援者でありたい。(放課後等デイサービス)
セクシャルなことは、口に出すのもタブーのような意識があり、口に出すのにためらいがあったり、自分の知識不足もあり中々子どもに伝えられずにいました。できることなら、学校や主人にお任せ・・・などと先へ先へと延ばしていましたが、意識を変えていこうと思いました。(保護者)
実践に基づいた具体的なお話、理念に基づいた筋道立ったお話でとても勉強になりました。男女交際の指導について困っているのでさらに深く学べたらと思います。性教育の難しさは、暴力のように絶対だめ、タバコのように、20歳になってからと明確に伝えられない点だと思います。人を好きになるのは素晴らしい。でも・・・つまるところ人間関係という曖昧なことの伝えにくさなのかもしれません。難しいですが、少しでもわかりやすく伝え続けていきたいと思いました。(教諭)
実践に基づいた具体的なお話、理念に基づいた筋道立ったお話でとても勉強になりました。男女交際の指導について困っているのでさらに深く学べたらと思います。性教育の難しさは、暴力のように絶対だめ、タバコのように、20歳になってからと明確に伝えられない点だと思います。人を好きになるのは素晴らしい。でも・・・つまるところ人間関係という曖昧なことの伝えにくさなのかもしれません。難しいですが、少しでもわかりやすく伝え続けていきたいと思いました。(家族)


 育てる会 行事の案内について

  行事の「案内」については、ホームページの容量が少なくなってきましたので、最新の行事の
  案内以外の終わった行事のお知らせは「活動報告」に記載させていただき、ホームページでは
  「報告」だけとさせていただきます m(_ _)m

令和元年度 支援者向け 
  
発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 
                        (自閉症支援技術 レベルアップ講座)  
       講師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)

           

9月3日(火) 第4回講座に参加された方からの感想の一部です。
○ アセスメントは指導ではなく、本人の様子を細かく観察・評価しそのアセスメントを通して指導していくということ。本人ができそうなことが何か、興味を示しているものは何かを見つけていくことの重要性を学んだ。(中学校教諭)
○ 「アセスメントから指導へ」目標の立て方にういて、具体的に考え、分かりやすくすることが大切だと知りました。友達との関りでも、どのような関わり方なのか想像(予想)されることを頭に入れて目標をたてることを今後は取り入れていこうと思います。(保育士)
○ 「やりたくなくても やれることを教える」という先生の言葉。どうしても、「やりなさい」となることが多かったので、やれることを教えるというのは、たしかにと思いました。(支援学校教諭)
○ めばえ反応の広さにびっくりしましたが、少しでも興味をしめしている所を気付いて、次へつなげられるといいと思いました。(保育士)
○ 改めて、アセスメントの重要性を学んだ。最初のアセスメントの映像で、色分けの場面で、支援者が一つ一つ手渡しをするとミスなくできて、多くの量を渡すとミスがあったことに気付くことが出来ていなかったので、アセスメントの際の気づきの部分や、細部まで見逃さないと言うことに気をつけていきたい。(施設職員)
○ アセスメントをして、次の時間には、そのアセスメントによってその子が興味をもって、一定の時間取り組むことが出来るもの(少し成長をみこした課題?)を用意する。その繰り返しにより、回数を重ねながらできることを増やしていく。結果、できることが増えていく。ものすごくすばらしいです。(行政)

キッズルーム の 報告

9月22日(日)岡山大学の体育館にて、キッズルームが行われました。
岡山大学児童文化部のみなさんがたくさんの準備をしてくださり、今年度1回目が開催することができました。昨年は、冬にも中止になったり、夏の予定も9月にずれ込んでしまったりしたので、無事に開催できたことに感謝いたします。11名の方がご参加くださいました。
気候も良く、自由に遊ぶこともできました。自由に遊んだあとは、人形劇やリトミックなどもみんなで楽しむことも経験しました。
人形劇では、笑顔が見られたり、笑い声が聞こえてきたり、とても楽しい雰囲気でした。まだまだ遊びたい!という声も聞こえてきました。
次回のクリスマス会、冬のキッズルームでも、お待ちしています。まだ参加したことがないお子さんも、是非、参加してみてくださいね。1回来てみて、遊びに入れなかった方も、是非、会を重ねて経験をさせてあげてほしいなと思います。みなさんにとって、楽しみで、安心して遊べる場にできたらなと思っております。
以下、参加者からの感想です。
5歳の息子と3歳の娘と両親で参加しました。2回目の参加でしたが、1回目は、体育館に入っただけで、あとは体育館の外の石を拾って過ごし、すぐに帰りました。人の集う場所や初めての場所がとても苦手なので、今回も無理せず本人のペースで動こうと思っていました。ところが今回は、体育館の中で好きな遊びを見つけて遊んだり、外で過ごす時間もありましたが再び戻ってきて少しの間いられました。大きな進歩でした。本当に嬉しくて、下の娘と人形劇を見ながら涙が出ました。人形劇にも癒されました。行って良かったです。
いろんな遊びを用意してくださっていて、楽しめました。子どもの特性に応じて、ボランティアの学生さんに個別の配慮をその場で伝えてくださって、とても良い関わりや見守りをしてくださったので、安心して親子で楽しめました。こんな場所は他にはないと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。諦めず、参加してよかったです。季節もとてもよかったです。
今回で3回目の参加でした。我が子がどのくらい参加できるかなと様子を見ていましたが、前回よりも流れに沿って参加できていたので、成長を感じました。ボランティアの学生さんたちが色々と工夫をしてくださり、親としても安心して空間に居ることができました。スケジュール表を示してくれたことで、見通しを持って参加することが出来ました。
 1人につき1人以上の学生ボランティアがついてくれて、子どもをゆっくりとした気持ちで見ることが出来ました。客観的に我が子を見ることによって、新たな発見もありました。

はやぶさの会の 報告とお知らせ

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
先日、「はやぶさの会、興味はあるけど、もうすでにある程度仲間ができあがっているんですよね?」「そういう場には入りづらい気がして・・・」という声がお母さんからありました。
主催している側からすると、「大丈夫!」としか言えないのですが・・・(^▽^)
答えになるかどうかわかりませんが、小学生の子どもたちは、初めての場に行く際、「友達がいるかどうか」「仲間になれるかどうか」は、大人ほどそこまで気にしていないようです。
お母さん自身が人見知りする人は、子どもが新しい場や相手に馴染めるかを心配されるかもしれません。でも、普通の学校や地域での友達作りも同じで、最初からいきなりめちゃくちゃに打ち解けることを求めているとなかなか難しいです。
なんとなくその場にいることから始めて、その場がなんとなく心地よいと感じてもらえることが重要かなと思います。
そのうち、少しずつ意識しあっていくようで、サッカーなどの行事で会った時に「あ!はやぶさ仲間の子!」「久しぶり!」と会話が広がったりもしているようです。
初参加の方も、「参加してみたい」「友達とか興味あるな」という子であれば歓迎です。
本人たちの可能性に期待して、一緒に考えてみませんか? 一度体験してみてください。お待ちしていますよ。

サッカースポーツクラブの報告

「サッカースポーツクラブ」になってから、2回目の練習日が9月8日(日)にありました。
参加した方からの感想が届いています。
我が子にとって2回目のサッカークラブ。まだ見通しが立たないことと、暑さで始めはグズりましたが、活動に入るとしっかり説明を聞いて体を動かすことが出来ました。
今回はは周りのお友だちや、保護者の方、ボラさんとお話をする姿も見ることが出来ました。自分で決めた目標に◎がつくように(ご褒美目当てではありますが(笑))楽しみながら頑張っていました。
次回も親子ともに楽しみです。
暑くて最後までやりきれるか心配でしたが、学校などでも「熱中症」の予防の重要性を話してくれている効果もあり、松田さんやボラさんの声かけで、本人も意識的に水分補給できていました。
子ども、ボラさんペアで見本をしてくれていて、人前にでる練習にもなり、みている子どももボールの受け渡し方がイメージしやすかった。
嬉しいことにメンバーも増え活気がでてきましたが、ゴール練習の待ち時間が短い方がいいのか、待つ練習になるから今の2つゴールがいいのか、、、。
今のメンバー的に試合チームはハードル高いのかなと思うんですが、試合チームの前段階で、ボラさんや親がパスしたボールをシュートみたいなやりとりするチームはあってもいいのかなと思いました。サッカーって個人→少しずつチームプレーだよってのを伝えたいです。
支援学校に通う小2の男の子です。初めての参加でした。
まだ “サッカー” とか “ボールを蹴る” とかも理解していない子でしたが、ボラさん方の丁寧な説明や周りの様子を見ながら?何となくですが、ほとんどの活動に参加出来ていました。表情も良く楽しそうにしていたので、是非次回も参加したいと思います。
スケジュールの中に小まめな水分補給や休憩があったので良かったです。お世話になりました。ありがとうございました。
ボラさんから積極的に話しかけてくれたので、息子も笑顔で楽しめました。毎回同じ流れで進めてくれるので見通しもつき安心して参加できています。

お母さんコラム

小3・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、2歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今月は、息子と娘のエピソードをお話します。
何でも「自分で!」の主張が強くなってきた、もうすぐ3歳になる娘。
以前の6月号でも「ほめほめ」や「目先ちょい切り替え」など、色々な方法で対応していますが、最近うまくいくのは「事前に予告しておくこと」です。
保育園の門を誰が開けるのか、
チャイルドシートのロックを誰が外すのか、
牛乳を注ぐのは誰でコップを選ぶのは誰か、
パジャマを選ぶのは誰か、
ご飯が何かを決めるのは誰か・・・などなど、
そのすべてを自分でやりたがる娘に対して、「保育園の門はママが開けます」と宣言し、そのあとすぐ、「保育園の門を開けるのは〜♪?」と節をつけて尋ねると、「ママ!!」と言ってくれます。
「そう!正解!」と褒められるとニコニコする娘。心の準備ができていれば、ごねずに済むようです。
すべてを自分が決めるのではなく、またすべてを大人が決めて従わされるのではなく、自分が決められるのはどれか(たとえば、コップやおやつやパジャマは本人が選べるなど)が分かっていると、全部を自分でやれなくても、納得できるようです。
たまに忘れていると、やっぱり「〇ちゃんがする!」となってしまうので、そういう時は「ごめん、言ってなかったね。これはママがします」と言うと、多少むむっとしながら「いいよー」「次はちゃんと(事前に)言っとってね」と言ってくれます。
予告って、小さい子にとってもすごく有効なのだと教えてくれるようでした。
続いて、息子の話は2つ。
2学期になり宿題も多くなり勉強も複雑になってきて、さらに運動会練習でへとへとな様子です。
時々、宿題も勉強もない娘を見て、「いいなー、〇ちゃん(妹)は。学校はなかなか大変なんよ」と言います。
そんなある日「なあなあ、ママ。僕、〇ちゃんと入れ替わりたいって思っていると思う?」と唐突に聞いてきました。
「えー。思っているんじゃない?宿題もないしねぇ」というと、「ぶっぶー!僕は小学生のままでいいと思っていまーす」と言います。
「なんで?」と聞くと、「だって、保育園の夏祭りや運動会に行けなくなっちゃうじゃん」と。
よくよく聞いてみると、息子は自分の保育園時代に夏祭りや運動会に行けたこと+兄姉枠で卒園したあとも、園の夏祭りや運動会に行けることが嬉しいようです(在籍児がいないと参加できない園なので)。
「僕は下に〇ちゃんがいるから、小学生になっても園に行けるし遊びにも行けるけど、〇ちゃんはママがもう一人赤ちゃん産まないと無理だもんね」と。
そんなことで・・・? と思いますが、本人なりの価値基準がしっかりあって面白いです。
また、もう一つの息子のエピソードとしては、夏休み明けの二学期から本人用のスケジュールをリニューアルしたことです。
これまでも小さい頃から、即時の実物手渡しでのスケジュール、3つ提示、カード、ハーフデイ、マッチング式、ひっくり返し式、終わり式・・・などなど色々紆余曲折しながらしていきましたが、今回は本人にも色々考えてもらい、一緒に作成しました。
本人と一緒に項目を考え、忘れない工夫を一緒に話し合い、できた時のご褒美も一緒に決めました。
2学期が始まって約1か月、まだ崩れずに続いていて、本人も自分からチェックできているので、このまま行けそうかなと思っています。
小学生ぐらいになると、本人の意見や思いを組み入れた方が何事もうまくいくんだなぁとしみじみ思います。それは、そういう本人にとって便利なものをどれぐらい本人が意識しているかも大切なのかもしれません(便利じゃなかったら「いらない」「なくてもできる」で終了ですもんね)。
行事やすることが多くしんどくなりだすこの季節、本人が自分で自立的に動ける本人に合った構造化は大事なようです。親がイライラガミガミすることがぐっと減りましたし、本人もテキパキ動けることで自信を持てているようです。しっかり褒められますしね!(笑)
そんな兄を見て、なんと妹が「〇ちゃんも、こういうのやりたい。ほしい」と言いだしました。
言いだしたタイミングが始め時? 実物2個提示(最初にこれ、それが終わったら次にこれ)のスケジュールがスタートしています。
さてさて、どうなりますことやら。うまくいかない時には、また再構造化しながら、改めて色々考えていきたいです。
次回もお楽しみに!
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

新年度が始まってから早半年。
あっという間にもう10月ですね。「読書の秋」、「スポーツの秋」、「芸術の秋」・・・。皆様はどんな秋を過ごされていますか?
体調管理にはしっかりと気を付けながら、気持ちのよい季節を楽しんでいきたいですね。
さて、ぐんぐんぴっぴでは、たびたび「社会性を育てるためには?」ということが議題にのぼります。
人間は成長するにしたがって、その時々に人との付き合いや、環境の変化に対応する力を身に着けていきます。ルールを守ること、その場に沿う行動をとること、他の人の立場になって物事を考えること、他の人と一緒に何かをすること…。
自閉症の人たちは、「目に見えないことや状況によって色々変わるようなことが、理解しづらい」ため、社会性の困難さがあります。
目に見える形にしにくい社会性の学びですが、自閉症の人たちは、「見える形になっているものや分かりやすいものは理解しやすい」です。社会性も、ある程度明示化できるルールや、学びやすい環境、理解しやすい提示方法にすることで、意識することや学ぶことは可能です。
そのためには、お子さん一人一人をアセスメントし、無理のない課題設定をして、スモールステップで教える必要があります。
ぐんぐんぴっぴでは、お母さんたちと一緒に実際の療育を見ながら、「社会的相互やりとりのアセスメント」をしています。
お子さん一人一人の社会性のレベルを把握し、我が子がどの社会性段階にあるのかを確認し、家庭や園の様子と合わせて一緒に考えるようにしています。
なんとなく「周りの子とそれなりに遊べていると思う」と言われていたお母さんが「一方的だったかも」「気が付いていないだけかも」と気づかれたり、「ルールや約束があると守れるってことは、ルールや約束は本人に伝えておいた方がいいですよね」と発見されたり、療育の中でお母さんと一緒に確認したことに取り組まれる家庭も出てきました。
あるクラスの「グループ活動」の中でとりくまれたことの一つを紹介します。
この子たちは、ある程度大人の仲介があればお子さん同士のやりとりの発生が期待できる段階でした。
そこで、お子さん2人でのゲームに支援者1人が仲介役(司会や見守り)に入り、「黒ひげ危機一髪」のアンパンマンバージョンのゲームをすることにしました。大勢だとそれぞれの人の言葉や非言語コミュニケーション(「表情」「行動」「声」といった「言語」以外の情報伝達方法)を拾ってそれらを返さなければならないので、難易度があがってしまうため、ここでは対人やりとりや自分以外の人へ注目することを優先に、2人で活動しました。
最初は淡々と剣を刺していく2人でしたが、支援者が「〇くんはどこに刺すのかな〜」「上かな〜下かな〜?」と相手の行動に注目を誘う言葉がけをすることで、相手がどこに刺すのか見る場面が増えました。
ある子は「こっちにしようかな?」「いややっぱりこっちかな?」と相手の反応を見ながらフェイントをかける子もあり(笑)、ゲームを一人でするのではなく、相手と一緒にする楽しさを感じながら取り組むことができた様子でした。
その活動の後の「おやつ」や「遊び」の場面では、お子さん同士の距離がぐっと縮まったのか、お互いにどんなおやつを持ってきたのか見せあったり、一緒に一つの玩具を使って遊んだりする姿がみられました。楽しい経験を一緒にしたことで、「この子ともっと関わってみたい」という意識につながるきっかけになったのかもしれません。
「社会性」に限らずですが、自閉症のお子さんは、本当に皆一人一人個性も特性も違うので、その子一人一人に合わせた必要な支援や学ぶべきスキルも違います。
大事なことは「この年齢だからこれくらいの活動が適切だろう」「もうすぐ小学生なんだから、これぐらいできるようになっていなければいけないだろう」ではなく、「今この子がどういう発達段階でどの学びを必要としているのか」「どんな教え方なら、無理なく楽しく獲得していけるのか」を一人一人に合わせて考えることだと思います。
そしてそれらを考えるのは、保護者との共同作業だと思っています。
園や家庭など普段の話を教えていただき、療育現場から見えた姿と照らし合わせながら、お母さんと一緒に考え、スタッフ間でもミーティングの中で、「この子はグループ活動でお子さん同士でねらった方がいいのかな」「この子は安心できる決まった相手への意識をした方がいいかもしれないな」「この子は部分的な参加の仕方で、楽しい雰囲気を感じてもらうことから始めるといいかもしれない」など、色々な意見を出しながら内容を決めています。
「社会性」は一朝一夕で育つものではありません。特に、社会性は自閉症の診断基準にも関わるものですから、なかなか簡単にはクリアしづらいです。
ですが、私たちは、自閉症の人たちは本人たちに合わせた教え方をしていけば、ゆっくりだけど学べる人たちだと思っています。
小さな一歩は目に見えないかもしれません。でもそれを積み重ねれば大きな成長が見えてくると思っています。
そしてその姿を保護者の方と共に喜びあえるような療育ができたなら、とても幸せです。
今後も「保護者と共に考える」ことを大切に、療育にとりくんでいきたいと思っています。
ぐんぐんぴっぴスタッフ T

赤磐ぐんぐん (就学前)

9月にはいっても暑い日が続きましたね。
新学期になって秋に運動会がある園では、練習が始まっています。親子ともどもお疲れがでていませんか?
今月も汗をかきながらたくさんの親子が通ってくれています。ぐんぐんでは、7月に作ったカレンダーを7月〜8月の間に家庭で使用してもらいました。
9月にはカレンダーをどのように使っていたのか、お互いのアイデアや経過を話し合うプチ保護者座談会を行いました。
今回は座談会でのお話をご紹介します。
日常的にカレンダーを使って、予定を伝えているお母さんのお話です。
スケジュールは1年ぐらい前から家でも使っています。最初はぐんぐんの日や楽しみなこと、園のお休みをイラストと文字でカレンダーに書いていました。
スケジュールを使ってみて、「いつ行くの?」といった質問が減りました。「〜って、ここで行くんよな。」とカレンダーを見て、楽しみにできるようになりました。終わった日は×印を付けて「今日」が分かるようにしています。
最近は嫌な予防接種の予定をスケジュールで伝えてみました。予防接種を頑張って受けたら、ご褒美を子どもと相談して決めています。
前もって伝えることで、気持ちを整理して予防接種を大きな混乱なく受けられたようです。
ご家庭でもお子さんに必要な予定を視覚的に伝えるスケジュールを取り入れ、予定の変更も視覚的に伝えることで、『お子さんが安心できる生活』につなげておられますね。
今回、初めて家庭でもカレンダーを使ってみた保護者の方からも素敵な感想があったのでいくつかご紹介します。
・夏休みに祖父母の家に行く予定をカレンダーに書いて伝えておくと「ここで行くんよな。」と子どもがよく見て楽しみしていた。
・終わった日に〇や×を付ける、白い紙やシールを貼る、スタンプを押すなど、子どもが「今日」を分かるようにした。「子供からこれ×つけてと言ってきた。」
・子どもの目線に(毎日行き来するところに)カレンダーを貼っていたので、注目しやすかったみたい。 トイレに座ったとき見える位置に貼っているという方も・・・
・カレンダーをどんな順番でみるか、曜日などの見方が分かるようになった。
カレンダーを使ったときのお子さんの行動変化を、保護者の方々がしっかり見ていて、座談会でお話してくれたことが、とても嬉しく思いました。
カレンダーを楽しみのカウントダウンに使うと、お子さんがよく注目していたようですが、「楽しみなことが過ぎると見なくなった。」というお話がありました。
実は、カレンダーを継続的に子どもが見て使うためには、コツがあるのです。座談会の中で保護者の方から出てきた、注目して使い続けるアイデアをご紹介します。
・注目しやすい場所や目線の高さに掲示する。
・好きなシールなどを貼って「自分のもの」感をだす。
・楽しみなことをお子さんが分かる形(文字・イラスト・写真・マークなど)で示す。
・何回も質問や確認してくる内容などお子さんの知りたいことを示す。
・楽しみなことが過ぎたら、次の楽しみを示す。
「カレンダーに書く予定がないから書けないわ〜」と言う感想もありました。
実際に、どんなことをカレンダーに書いたのか、保護者の方に聞いてみました。
本人の予定では、お誕生会などの園行事、保育園がお休み、土曜保育、ぐんぐん、友達と遊ぶ、習い事、お祭り、祖父母の家に行く、お出かけなどがありました。
この他にお子さんが知りたいので、ご飯のメニュー、好きなテレビ番組、園に迎えに行く人、父母や家族の予定も書いて知らせている方もいました。
座談会で色々な家庭での取り組みを聞くと、「ポケモンがいつあるかは書けるかも(書いたら自分から見るかも)・・・」など他の保護者のアイデアを参考になったようですね。楽しみな予定を書き込んで、お子さんに伝えてくださいね。
お子さんが「〜っていく?」と何回も聞いてくる時は、視覚的に示して伝えるチャンスです!
「ここで行くよ。」とカレンダーに記入してみませんか? 視覚的に伝えた時のお子さんの行動変化をぜひ体験してくださいね。
赤磐ぐんぐんスタッフ T

ぐんぐんキッズ (小1〜)

ずいぶんと涼しくなり、過ごしやすい気候になりましたね。
夏休みが終わって2学期が始まりました。地域によって違いますが、運動会の練習が始まって、子どもたちも練習を頑張っているようです。
小学校の運動会は初めての子どもたちですが、幼稚園や保育園の運動会を経験しているので、その経験を活かし、保護者の方も練習と本番に向けて学校の先生と対策を練っている方もたくさんいらっしゃるようです。
例えば・・・。保育園の運動会では、はじめてすることに抵抗が強く嫌がっていたけど、先生がはじめは見学することをOKにしてくれたので、それで練習にも安心して参加ができたお子さんは、保育園でうまくいった経験を小学校の先生に伝えて、同じようなやり方での練習参加をOKにしてもらったので、安心して参加ができているようです。
最近は、ダンスの種目は見本のDVDを渡してくれて、家での自主練ができるようにしてくれている学校もあるようです。
みんなと一緒の練習では気になるものがありすぎて集中ができないけど、家で刺激が少ない環境での練習がとてもあっているお子さんもいるようです。
その子に合わせて工夫をしながら、子どもたちが意欲的に参加できる運動会になっていることはとってもいいことだなと思っています。
ぐんぐんキッズは、1週に1回、または2週間に1回の利用です。子どもたちが大半の時間を過ごすのは、家庭、学校です。
保護者の方とは、毎回の療育の時にお会いしますし、連絡帳でのやり取りや相談用紙でのやり取りがあるのでお子さんの情報を共有しながらやり取りができますが、学校での様子の情報交換は、保護者の方を介してのやり取りがほとんどで、直接お会いする機会はなかなかありません。
療育ってどんなことをしているところなんだろう・・・。よくわからない。そんなふうに思っている先生も多いのではないかと思います。
子どもたちが多くの時間過ごしている学校の先生にも療育の事を知ってもらうために、ぐんぐんキッズでは毎年夏休み中に、見学会を開催しています。
今年も多くの先生方が参加して下さいました。
支援級の担任の先生だけではなく、校長先生も一緒に参加してくださっている学校もありましたし、支援級と普通級の先生が2人で来てくださっている学校もありました。
ぐんぐんキッズの療育の説明をスライドでした後に、実際の療育部屋に入っていただき、お子さんが使っている環境や支援グッズも直接見ていただきました。
今回の見学会でとても印象的だったのが、支援級の先生と普通級の先生がペアで来てくださっている学校の先生方が、「支援級でコミュニケーションカードを使って伝える練習をして、その後に、普通級の教室でも使えるようにしてみようか?」「落ち着くためのスペースを作ってはいたけど、そこを使う練習をしていなかった・・・。
支援級で練習してみて、普通級でも本人がしんどくなったらその場所に自分から行けるようになるといいね。」などとお話をされていたことです。
支援級に在籍しているお子さんにとっては、同じ学校の中でも過ごす場所が2つあります。その2つの場所の先生が一緒に見学会に来てくださって、“同じものを見て”、“同じ話を聞き”、その中で、その子に必要だと思う事を一緒に考える時間になったことは、とても意味があることで、これからのその子の支援の方向性も定めやすくなるだろうと思います。
赤磐市では今年から、「赤磐市子どもの情報共有シート」の作成がはじまりました。
保護者・学校・事業所で共有し、子どもの特性を、関わる人たちが共通理解するためのシートです。
このシートが “その子を理解するために” 有効活用できるものになってほしいと思っています。そのためには、私たちが、子どもたちの特性を見る力、アセスメント力をもっともっと高めていく必要があります。
今年度は、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生にぐんぐんキッズのコンサルに入っていただき、スタッフ一同アセスメント力を磨いています!
先日のコンサルでは、若手2人ががんばりました!
療育の中でわかってきた子どもたちの情報は、療育の中で取り扱うものではありません。保護者の方、そして、学校の先生方とも情報を共有し、子どもたちにとって必要な支援をこれからも考えていくようにしたいと思っています。
ぐんぐんキッズ K☆

グループホーム寄付 御礼

いつも温かいご寄付、ありがとうございます。
「グループホーム すてっぷ 1」 の2021年4月の開設を目指し、建設計画も動き始めました。

  【 ご寄附をいただいたみなさま 】

○ Y.Y 様(東京都)様 
令和元年9月25日現在 寄付金合計 27,685,214円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
       岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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