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令和元年10月31日
第258号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
258号 目次
気持ちの良い風の中で
即実践講座・おやじの会 山登りの会 報告
クリスマス会 ・支援ツール勉強会・はやぶさの会 お知らせ(略)
OHAの会・水泳教室・サッカースポーツクラブ お知らせ(略)
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「自閉症という知性」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
グループホーム寄付 お願い
雲が流れています。一年中で空と雲が一番きれいな季節がやってきました。
ここ赤磐市は、岡山市の北東に位置する緑の豊富な田園地域です。そんな赤磐市の気持ちの良い風をこのお便りと共に届けましょう。
今月は、行事も多く勉強会もたくさんありました。
もう私の能力以上の勉強を頭に詰め込んで、いつの間にか・・・忘れていくのです。
でもね、学ばなければ、もっと能力は、落ちていくと思うのです。忘れても忘れても、入力し続けて、今くらいの力を保っていきたいと思う今日この頃です。
まだ若い保護者の皆さん、学びは一生の宝です。若いうちに学んだことは、忘れません。そこが土台になって、その後の学びを支えます。
どうか、若いうちに学んでください。子どもを育てる力は、学びからしか得られません。
園や学校の先生は、何年かしたら、この子からは去っていかれます。療育の先生も同じくです。
この子の前から去っていかないのは、父親であり母親です。一生涯関わり続けることが出来るのは、親だけです。
どうか、子どものことを知って、良き親となる為にも、育てる会のセミナーや勉強会にお越しください。
11月23日には、大阪から高橋亜希子先生に来ていただいて、大学生の支援についてのお話をしていただく予定です。
大学生の支援というと、小さいお子さんをお持ちの方は、まだまだ先だと思っていらっしゃることでしょう。でもね、高機能の方の中には、大学を希望される方も多いと思います。
この子が大きくなると、どんな問題に直面するのか、その時どんな支援が必要になってくるのか、いち早く知っておくことはとても大切なことです。
まだ小さいお子さんをお持ちの方から、大学生の方、そしてまた、支援する側の方にもこの情報をお伝えしたいと思います。
学校の先生方は、これからどんなことに気をつけて、彼らの将来に備えるべきかを学んでいただきたいと思います。
勉強ばかりが、先行してしまうのは、教育要綱があるのですもの、致し方ないことですが、今こそ学校でしか出来ない事ということがきっとある・・・そう思うのです。それを学びにこのセミナーいらしてください。
お席はまだまだたくさんあります。皆さんでお誘いあわせの上、来ていただきたくてご案内いたします。
ところで、お話変わって、皆さん、運動会の季節が過ぎましたね。
やれやれと胸を撫で下ろす間もなく、またしても学習発表会の案内が届きましたよ。
学校は、行事が多いので、勉強が滞るのではないかと、危惧する私です。昔は、土曜日も学校があったので、学習以外にも力を入れる余裕がありましたが、今は、完全週休2日制ですし、祝日も増え、祝日が土日にあったら、月曜日もお休みになるという丁寧な働く人にとってはいい環境が出来てきました。
それに伴い子どもたちの休日が増えに増えています。それなら、行事を減らせばいいものを、昔通りにやろうとしているのは、なんででしょうか?
先月号でも書きましたが、そろそろ運動会や学習発表会は、失くしてもいいのではないでしょうか?
子どもたちの将来にとって、運動会がどんな役に立つというのでしょう?
役にも立たないことは、なくなってしまえばいいと私は思うのです。
過激でしょうか? 多くの辛い思いを抱えて泣いている自閉症の子どもたちの事を考えると、もういい加減にしてほしいと思うのです。もっと彼らにとって、学ぶべきことがあるのではないでしょうか? 教えるべきことがあるのではないでしょうか?
ニュースで定期テストを止めてしまった中学校の話がありました。中間テストや期末テストの代わりに日々の小テストをするというのです。
その方が毎日の勉強をきちんとやるようになるという話でした。
これって発想の転換ですよね。いいなと思いました。
そもそも、学期の間にたくさんの学びをしてきた子どもたちにとって、定期テストに必要な能力は記憶力です。
でも人間の頭の良さは、記憶力だけではないと思います。思考力や、発想力、柔軟性や、センスなんかが、相まって頭の良さをはかっていくのではないかと思うのですよ。
学生時代を終えて、社会人になった時、必要なものは、記憶力よりもいいアイデアを思いついたり、考える力だったり、実行力だったりするのではないでしょうか?
今は、スマホがあるので、何でもすぐその場で調べられますから、記憶力に頼る必要はないのではないでしょうか?何にも知らなくても、忘れていても、大丈夫。
記憶力、それより柔軟な思考力や実行力が求められる時代です。そういったものが、ない社会人が増えているように思うのですが、どうでしょう?
学校教育が、協調性や全体主義に重きを置いてきた弊害が、日本社会を無気力なものにしているのではないでしょうか?
そしてそれから取り残された自閉症の子が泣いている。
勉強は、記憶力だけではないことを、丁寧に取り組んでほしいものです。
昔の事ですが、私の出身地の兵庫県は高校受験に思考力テストというものを導入した時代がありました。私たちの受験は、その最初のものでした。どんなテストがあるのかわからず、悩みました。
そしてこの歳になっても、テストの内容も朧には覚えています。思考力が大切と思った兵庫県の教育委員会は、すごいなと思いました。
なんでも通常の事を打破する、思い込みを打破するということは大変ではないでしょうか?
定期テストをなくする。運動会や学習発表会をなくする。
勉強だけではなく、子どもたちの人生にとって何が大切かを考える・・・、そんな学校が、そんな校長先生が、現れるといいな・・・なんて思います。
そんなことを、つらつら考えている私です。
さて、再びお話変わります。
この夏、引っ越した我が家の近くには、赤磐市の市役所があります。
私はこれまでこんな風に思っていました。
「公務員は、気楽な仕事だな・・・」
「休みも多いし、給料も景気には左右されないし、公務員はなんて恵まれた仕事なんでしょう」
そんなこと思っていましたが、この場所に家を建てて、毎日の市役所の職員の駐車場が、見える場所にいると、夜ずいぶん遅くまで、多くの車が止まっていて、まだ帰っていない人がいると思いながら就寝する毎日です。
朝早く目が覚めると、もう来ている職員が居たりするのです。公務員は実は、厳しい仕事かもしれないなと、思った次第。
今まで、窓口でいやな思いをしたことが何度かあって、「市役所職員って、どうしてこうも融通効かないの???」
なんて、怒っていたもんです。でもね、それって人によるし、そんな職員は、もしかしたら一握りかもしれないな・・・なんて、このごろ思うのです。
一生懸命遅くまで働いている赤磐市の職員の方に、エールを送りたい・・・。そんな私です。
もう一つ、市役所の職員さんだけではなく、隣の小学校の先生の頑張りにも、応援のエールを送りたいです。
私の散歩中、もうずいぶん遅い時間なのに、先生方が、残っておられるのです。残っておられる先生のクラスには、電気がついています。それがいつも同じ教室の電気なのです。
熱心な先生がわかるというものです。こんなクラスの先生の受け持ちの子どもたちは、きっと幸せだろなと思いながら、ウォーキングしている私です。
学校の先生の頑張りも市役所職員の頑張りも、家を引っ越したから知ることが出来ました。
この情報は、一人胸にしまっておくのが、もったいなくてここに書きます。
がんばれ公務員の皆さん!!応援してますよ、わたし。
話は次々変わります。
先日は、おやじの会主催の山登りの会がありました。
お父さんが、子どもを連れて山に登ってくれるという企画です。
日頃は、子どもの世話に明け暮れるお母さんを少しでも楽にしてあげてほしいとの思いからの企画です。
写真は、熊山遺跡での集合写真です。13家族の参加でした。
熊山は簡単に上れる山かと思い参加したお父さんたちでしたが、相当にきつい山登りだったようです。
でも、ぐったりなお父さんに比べて、子どもたちは、お弁当の後は走り回って遊びに夢中でした。
つくづく子どもの元気には、感服です。
中でもまだ年中さんの二人が参加してくださって、最後まで登り切ったのは立派でした。
山登りは、大変だったというお父さんたちでしたが、お母さんをゆっくりさせてあげるために、次の企画に期待したいお母さんたちです。
昔、息子が小さい頃、父親と泊まりがけでキャンプに行くという企画を当時通っていた療育機関でやってくださっていました。
毎日の育児に疲れ果てていた私にとって、一年一度のこの日は、どんなに嬉しい日だったことでしょう。
哲平は、超多動児でしたから、どこへ出かけても、上の子たちには我慢ばかりさせていたモノでした。
その日は、哲平がいないので、思い切って京都の保津川下りに行きました。トロッコ列車に乗ったり、船で川下りしたりと、とっても楽しい時間を過ごすことができました。
哲平がいたら、川下りなんて、とてもできない相談でした。哲平なら、川へ飛び込んだかもしれませんし、船の中でじっとしていられなかったと思えるのでした。京都へ遊びに行くなんて選択肢は当時の我が家にはありませんでした。
上の子どもたちにとっては、哲平のいない初めての旅行でした。
当日、嵯峨野へ向かうトロッコ列車の駅で、同じ療育機関で、同じ父子キャンプにお父さんと息子さんを送りこんでいるお母さんと偶然出会いました。
それにしても岡山の同じ療育機関に通う方と京都で出会うなんて、びっくりしました。
今では、哲平もどこへでも連れていくことが可能になりました。
2020年は、東京の秋葉原のAKBショップとディズニーランドへ行きたいそうです。
2021年は、ドイツへ行きたいそうです。今は頑張ってお金を貯めているところです。
お母さんたちに私が伝えたいことは、「大変な子育てでも、必ずいつかは楽になるときが来る」ということです。それを信じて、頑張って欲しいのです。
多動だった哲平がようやく落ち着いてきたのは、小学校5年の頃でした。
小学校5年は、思春期の始まりの頃で、普通なら子育てどんどん難しくなるという時期ですよね。でも、哲平の場合は、やっと指示が通るようになった時期でした。
家事スキルを教えたのもこの頃からでしたし、記憶力や模倣の力がついてきたのもこの頃からでした。
この頃から、教えたことを確実に学ぶことができるようになりました。
思春期は、混乱の時期ではなく、哲平の場合は、グンと伸びた時期でした。
子どもの障害を受け入れかねて、『障害児ではない』と、障害を否定したがるお母さんがいらっしゃいます。
そんな方は、子どもの為に何にも適切な手を打たないで、時間を過ごしていらっしゃるのではないでしょうか?
むざむざ大切な時間を無為に過ごしているのでは? 今必要な、子どもの特性に応じた支援を忘れているのでは? 心配です。
「勝負は、思春期までの子育てが、決め手となる。」
そんな風にある高名な先生から聴きました。
ちっとも伸びないと思えた幼少期、みんなからどんどん引き離されていくように見える我が子が切なかったあの頃。でも、めげないで良いと信じることを色々取り組んでいくことができたのは、講演会や勉強会で、一生懸命学んで来たからだと思うのです。
それと、良い先生との出会いが次々あったからだと思うのです。
自分にとって、必要と思える情報は、自然に目に入ってきます。良い先生との出会いも同じです。この子にとって必要なことを教えてくださる先生とは、ちゃんと出会えるようになっている気がします。
神様が出会わせてくださると思えるのです。必要なことは、神様が備えを用意してくださる。
そう思います。そんな風に生きてきて 今、私も我が子も幸せです。
まだ小さい子を持つ皆さん、奮闘に期待しますね。がんばれ!!
では、今日はこの辺で、また来月お会いしましょう。さようなら。
(鳥羽 美千子)
育てる会 行事の案内について
行事の「案内」については、ホームページの容量が少なくなってきましたので、最新の行事の
案内以外の終わった行事のお知らせは「活動報告」に記載させていただき、ホームページでは
「報告」だけとさせていただきます m(_ _)m
令和元年度 支援者向け
発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐
(自閉症支援技術 レベルアップ講座)
講師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)
第5回に参加された方からの感想です。
○ できないことに対して、「何で!」と思うのではなく、その子の特性を考えて、こちらが準備・提示しておくことが大切だと改めて思いました。このような支援があるとわかりやすいなと思うことを複数考えていくことも大切だと思いました。(保育園)〇とても難しい内容で、取り残された感じでしたが、グループの中で話し合うと、見方が分かりました。見る視点を養っていきたいと思いました。(保育園)
○ 見ている行動の中から情報をキャッチするには、見る側の見方を磨くしかない。同じ行動を見ていても、情報をキャッチできるようにしていかなければならない。(行政)
令和元年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
〜大人になって幸せになるために〜
講師:梅永 雄二 先生(早稲田大学教授 教育・総合科学学術院 教授)
先月、紹介が間に合わなかった第4回(9/27)と、前回第5回(10/11)のアンケートです。
【第4回】
○ 言葉より先にコミュニケーションを教える方が良い。つい、言葉をまねしてでも表出させることに躍起になってしまうことを、周りでよく目にしています。そして言葉が言えたらもっと・・・もっと・・・という方向に向かいがちです。少しでも伝わる、伝わったという気持ちを持つことができる関わりができるようになりたいです。(支援施設)
○ 改めて、自閉症の方のコミュニケーション、本人の表出コミュニケーション、受容理解コミュニケーションの大切さに気づきました。本人にとって、伝えられないことは、ストレスやパニックになるのでできるだけその方に適切な方法を考えていきたいと感じました。(支援学校)
○ 「コミュニケーションが、言葉や言語より大きな概念である」ということ。教師の立ち居振る舞いもコミュニケーション要因なんだと思いました。自分の行動(言葉がけも含めて)を見直さないと・・・と思いました。(小学校)
○ コミュニケーションは、言葉でのみ行われているものではなく、相手がキャッチングできるようにスローイングすることによってコミュニケーションができる。どういうコミュニケーションならできるかを探ることが大切。何をコミュニケーションと捉えるかで、無理強いをさせないで学ばせることができる。(行政)
【第5回】
○ 何をするのか、いつするのか、どこでするのか、どれだけするのか、当たり前のことだけど、それをご本人にちゃんと分かる方法で伝えることの大切さを改めて確認しました!幼少期からの積み重ねが将来の就労へとつながることを大切にしていきたいです。(支援センター)
○ 2回目参加ですが、とても分かりやすい説明でした。発達障害の支援をしていく上で様々なイメージが湧いてきました。個人にあった構造化をすることにより、成長していってもらいたいと感じました。映像の女の子の成長を見て、とても感動しました。(保育園)
おやじの会 山登りの会 報告
10月22日(火・祝)に、正会員のアンケートで希望が多くあった「山登りの会」を開催いたしました。
心配されていた雨もやみ、晴天に恵まれた良い気候の中開催することができました。
片道大人の足で1時間半の山道をみんなで登り切ることができました。
長い距離で思ったより大変だったとの声も聞こえてきましたが、親子での自然とのふれあいや自分の足で登れた経験は、良い時間となったのではないでしょうか。
また、おやじの会では、BBQやデイキャンプなどを検討していきたいなと思っています。
以下、感想です。
● 仕事の都合でなかなか父と子で過ごすことがなかったこともあり、自閉症について理解してもらう為にも、おやじの会の山登りはありがたかったです。子ども同士の関わりを普段見ることがない父にとって、友だちに杖を譲ったり、昼食を誘い合ったりすることを見ることで、子どもの成長を感じる機会にもなったようです。子どもも、「お父さんと鬼ごっこして楽しかった」と、話していました。(母)
● 母子同士は、はやぶさの会で交流があり、父同士は初めて。どうかなーと思っていましたが、やはり父同士の積極的な交流はなかったようでした。しかし、母同士でどうだった?と話す中で、「〇〇くんのお父さんは叱り方がよかった」「〇〇くんは、面白い子だった」「感じの良いお父さんだった」とお父さんからの情報を交わし合いました。家で伝えると、嬉しそうにしていて、また、行ってくれるのではないかなーと思いました。そんなちょっとした交流が嬉しく感じました。(母)
● 子どもは頂上までのイメージが持てず、とにかく歩く感じで、なかなかハードでした。景色はとても良く、下山中はのんびりとどんぐりや松ぼっくりを拾ったり、蝶やキノコを観察することもできました。親もガッツリ登山にへとへとになりましたが、親子で頑張った1日となりました。今度は、釣りとかの企画があればいいなと思います。(父)
● 子どもとペースが違い、追いつけなくなりましたが、他のお父さんやお母さんが見守ってくださり、本当に助かりました。ありがとうございました。(父)
お母さんコラム
小3・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、3歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、転んで膝をすりむいた娘。
しばらく絆創膏を貼ってやっていたのですが、治ってきたので、「もう絆創膏おしまいよ」と言うと、「いやだ!ペタンってして!」と言います。
「絆創膏するのは、血が出ている人だけだよ」と言うと、「分かった」と引っ込んだあと、ゴソゴソ。
見に行くとカサブタを無理ヤリはがそうとしています。「何しているの?」と聞くと、「血出す」と言います。
どうやら、「絆創膏してほしい」→「血が出ないとしてもらえない」→「血を出そう!」になったようです。
そもそも何のために絆創膏しているのかが分かっていないからだとは思いますが、びっくりすることが多いです。
理由などを話すと、納得できることも多いので、親自身も「それがなぜ必要なのか」「どうしてそうすべきなのか」をじっくり考えることが増えました。
たとえば、横断歩道で左右確認のあとに手を上げる理由。右・左・右と見るのは、渡り始めで一番危ないのは右からくる車だから。
手を上げるのは、背の小さい子どもは車から見えないことがあるから、見えるように手を上げて「ここにいますよ」というアピールをするため・・・。
そういう風に話すと、3歳の娘も、その隣で聞いている小3の息子も「そっかー」「それはする方がいいね」と納得して、次からは口うるさく言わなくても自分からやろうとすることができています。
特に小3の息子の中には、「決まりやルールはきっちり守りたい」特性の強さがあるのと同じぐらい、「面倒なことはしたくない。楽しいことだけしていたい」という小3らしさも共存しています。娘に伝えながら息子にも伝わって、一石二鳥な感じがしています。
そんな息子は、最近、母の服装評価をよくしてくれます。
「今日の服どう?」と聞くと、じっと見たあと「いいじゃん、スカートだし」とか「可愛いね、ネックレス、女の人らしいじゃん」などと褒めてくれます。
「全体としてはどう?」と聞くと、「えー・・・それは分からん。全体を見て考えるのは難しいわー」と悩みます。
ファッションって、全体のバランスが大事なんですよね。でも、そこの苦手さが色濃い息子にとっては、服装全体を見るのは、なかなか難儀なようです。
それでも、息子は「80点かな」「50点満点中なら49点」と結構褒めてくれます。
褒めておいた方が母の機嫌が良いのを知っているのか、他との比較ができていないのか、そのあたりは謎です。
嬉しいのですが、ここのところ、傾向が見えてきました。どうやら「スカート」さえ履いていれば高得点なよう(^^;)
それでも褒められて嬉しい単純な母です。
後ろから娘は「そのスカートはダメ!かわいくないよ!もっとヒラヒラのにして!」とダメ出しをしてきますが。笑
次回もお楽しみに!
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
日中に肌寒さを感じる日も増えてきました。
近年は四季の変化が感じられにくくなっていますが、それでも秋ですね。
どんぐりや松ぼっくり、梨や栗・・・、日本の豊かな実りの季節を、子供たちにも身近な物で感じてほしいな、と思っています。
さて、今年度も後半を向かえました。
ぴっぴの療育は、保護者の方と一緒に子ども達の発達を育んでいきたいという思いから保護者同室で行っています。
保護者の方に、療育の様子を見ていただくだけでなく、グループ活動(小集団活動)に参加してもらったり、あそびやおやつの場面では支援者と交代してコミュニケーションパートナーになって頂くことがあります。
保護者の方にはその活動のねらいや、注目してほしいところなどをお伝えした上で参加してもらいます。
実際に保護者の方が体験することで我が子との関わり方のポイントに気付いたり、家庭で我が子と関わるときのイメージを掴んでもらうことを期待しています。
また、保護者の方に家庭や園での様子をお聞きして、療育でのヒントにすることもあります。
ですが・・・、そんな大人の思いとは関係なく、お母さんやご家族が一緒に活動に参加してくれることが、子ども達はとっても嬉しくて、支援者には見せない表情を見せてくれるのも私達の喜びです!!
『援助要求』は他者に助けを求める力のことで、社会生活を送るためにはとても大切なスキルですが、この『援助要求』が苦手な子ども達が本当に多いなぁと感じています。
それでもぜひ身に付けてほしいスキルなので、「援助要求をする」ということを個別支援計画(IEP)にいれて取り組んでいる子ども達も少なくありません。
その子も『援助要求』がとっても苦手な子で、「てつだって」の一言がなかなか出てきません。
援助要求を伝えるための「てつだってカード」を用意しますが、困った表情を見せながらも、なかなかカードを差し出してきません。
その子が使いやすいように活動場所の目に付きやすい所に置いてみたり、その子のポケットに携帯用のカードをつけてみたり、色々と試行錯誤しますが、なかなかその子の要求には繋がりませんでした。
そこで、お母さんに家での様子を聞いてみることにしました。
お母さんは「家ではあまり困っていないようだけれど、そう言われればあまりはっきりと助けを求めてくることはないかもしれない。」と教えてくださいました。
もう少しお話をしていく中で、「困ったことを伝える前に困っている事を汲み取って助けてあげていた。だからこそ、家では困った状況になっていないと思っていたのかもしれない」ということをお母さんと支援者と互いに確認することができました。
そこでお母さんに、家でもカードを使ってみませんか? とご提案して、家でもその子の目につく場所にカードを用意してもらい、その子から要求が出るまで待ってもらうことにしました。
その後、少しずつ家ではカードを使って要求する姿が見られてきたのですが、やはり療育中には「てつだって」が出てきません。
そこでまた、お母さんに協力のお願いをしました。
いつもは子供たち同士で行うグループ活動(ぴっぴでは様々なゲームをすることが多いのですが)を、その子とお母さんの2人で行ってもらうことにしました。
その子にとって一番「てつだって」が伝えやすい相手であるお母さんと、楽しい活動をしているなかで「てつだって」を伝える経験をしてほしいと考えたのです。
初めてのお母さんとのグループ活動では、少し戸惑って恥ずかしそうでしたが、どうにかお母さんに「てつだって」カードを出すことができました。
その後も数回、お母さんとのグループ活動を繰り返すことで、徐々にスムーズに「てつだって」が出せるようになり、今では支援者にも躊躇せずに「てつだって」と伝えてくれるようになりました。
それと同時に、以前は恥ずかしそうな表情をしていたその子が、とても表情豊かに活発に活動する姿が見られるようになって、ひと回りパワーアップし、たくましく友達に関わる姿を見ながらお母さんと喜び合っています。
子ども達がぴっぴで見せてくれる姿はほんの一部です。
子ども達の本来の生活の場は家庭であり、毎日通う幼稚園や保育園ですよね。その生活の場で「困ったなぁ」と感じていることにアプローチするのが療育ですが、療育の場だけでうまくいっても、生活の場での子供たちの困り感は減りません。
ぴっぴの療育を、保護者の方に実際に見て、参加してもらうことで子供たちへの支援の仕方を、実感をもって理解していただけるのではないかと思っています。それを家庭や園といった生活の場に持ち帰り、ぜひ実践して下さると嬉しいです。
上手くいったことも上手くいかなかったことも報告していただけるような、保護者の方との関係性を大切にしながら、これからも子供たちの発達のサポートをしていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ Y
赤磐ぐんぐん (就学前)
ぐんぐんでは、色々な活動・場面で保護者の方にも療育に参加していただく取り組みを行っています。
例えば、保護者の方からお散歩活動時に予定やルールを指示してもらう・お祭りの各ブースのまわり順を伝えてもらう・遊び時間の終わりを伝えてもらう・グループ活動内のお約束を考えてもらう等などです。
いずれも、わが子に分かる形にするために、様々な手法(挿絵、色分け、文字、→〇×などのマーク、タイマー、カウントダウンなど)を用いて指示を具体化しすることに慣れてもらうようにしています。
今月は、いつもはスタッフと子どもが机を挟んで一対一で課題やゲームをする『先生とお勉強』という活動を保護者の方とバトンタッチして『お家の人とお勉強』に取り組みました。
大人から新しい活動や道具玩具の扱いを(何を、どんな風に操作して、どうなったら終わりかに至るまで)教えてもらえ、それを一緒に経験できる時間、一人でもできる活動をコミュニケーションをしながら大人と一緒にする時間になっている『先生とお勉強』は、普段からも子どもたちが比較的集中しやすく、積極的に参加している活動の一つです。
保護者の方には事前に課題の内容とそのねらい、またそのねらいは個別支援計画の目標に基づいて取り入れていることなどをお伝えさせていただきました。
そして一度はその流れでスタッフが行っているところをみていただき、その中の各課題で予想されるお子さんの姿(反応)を一緒に考えてもらいました。ねらいを引き出すためのポイントや戦略を一緒に考えてから、再度取り組むことにもしました。
子どもたちはお家の方とお勉強というイレギュラーな活動を提案すると普段より嬉しそうな笑顔を見せる子もいましたし、「先生とやりたい(=いつもそうだから…)」と不安になってしまう子もいました。
しかし、ワークシステムといういつもと変わらない仕組みと環境を使うことで、活動への見通しが持ててくると、最後にはしっかりとお家の方と向き合って課題に取り組むことができていました。
活動中はお家の方も皆さん「できたね!」「輝いてるね!」「さすが!」とお子さんのやる気度をアップさせる声かけを積極的にされていました。
普段『先生とお勉強』の参観中は、先生との活動が上手くできたか、指示に正しく応じられたかばかりが気になって、その動向を黙って見ているだけになりがちなお家の方からのも、子どもの小さな反応に対して温かい声かけがあったことで、子どもたちの自信や次への意欲につながっている様子が見られ、これは大成功だなと思いました(^^)
活動後に感想をお聞きすると、
「いつもついついこちらが気になることを、先に声をかけてしまっているな…と。待つって大事ですね」
「物を目の前に出した状態だと話を聞けてなかったけど、打ち合わせで先生と確認したように、目の前からなくすとよく聞けていました」
「目の前に座っているとアイコンタクトがとりやすかったです」
「どんなタイミングで目を合わせてきているか、よくわかりました。OKを出してほしい時は子どもからよく目を合わせてきていました。」
「実際にやってみて先生が言われていることが分かりました。子どもに具体的に指示を出すって難しいですね」
等のご感想をいただきました。
普段の生活の中では、一対一で向き合う時間もとりづらいお家の方に、こうした気づきの時間が提供できてよかったと実感しました。
また子どもと関わる際に、(出たとこ勝負ではなく)少し準備をして臨むことの大切さも感じていただけたと思います。落ち着いた環境の中でのスキルの習得が、子どもにとっていかに重要か、お話しできる機会となりました。
「ぐんぐんでできることを増やすことが目的ではありません。」・・・と普段からよくお伝えしていることではありますが、改めてこうした療育参加の機会に再確認をしておきたいと思います。
支援やサポートのコツは体得していただき「これなら出来る!!」 と思えたことを、生活の中で実践していきましょうね。わが子支援のプロを目指して!!
赤磐ぐんぐんスタッフ G
ぐんぐんキッズ (小1〜)
世の中には、たくさんのおもちゃがあります。
子どもたちが遊んだことのあるおもちゃは、そのたくさんの中のごく一部にすぎないかもしれません。
今回は、ぐんぐんキッズで意外と人気になったおもちゃと、1番人気のおもちゃを紹介して、それを通じてスタッフが思ったことを記していこうと思います。
ぐんぐんキッズで意外なおもちゃがヒットしました。本来おもちゃとして売っているものではありません。
それは「カウンター」です。
カウンターとは、よく観光バス等で乗客の人数が揃っているか確認するために使用されたり、交通量を調べる時等に使われたりするもので、カチカチと数をカウントする道具です。最初は数字が好きな子どもをターゲットに置いていたのですが、たくさんの子どもがはまりました。
カチカチし続けて「300までいったよ!」と嬉しそうに報告してくれる子どももいます。
もちろん1回触ってみて、「面白くない」と違うおもちゃで遊ぶ子どももいます。
ここでスタッフが感じたことは、子どもは何に興味を持つかはやってみないと分からないということです。
「○○くんは、こんなのしないよね」と最初から試さないでいると、その子の遊びや興味の可能性を狭めてしまうことになってしまうと思いました。
1番人気なおもちゃは、アイロンビーズです。もちろんこれも全く興味のない子どももいます。
しかし、多くの子どもがこれに夢中になります。
ぐんぐんキッズで用意した下絵を手がかりに作る子どももいれば、自分なりに発想して作る子どももいます。
大きな下絵を1つの色も間違えずに作り上げる子どもがいます。下絵なしで漢字をビーズで作る子どももいます。
どちらもとても素晴らしいスキルだと思います。どうしてアイロンビーズはこんなにも人気なのでしょうか?
スタッフの一見解ですが、ビーズをあてはめる場所が固定されている明確さと、なにより出来上がった作品を持って帰れるというところが人気の理由なのではないかな?と思います。
話は変わりますが、私たちは何気なく字の丁寧さを使い分けています。
大事な人へ送るお手紙はとても綺麗に書こうと意識します。
逆にメモ書き程度なら、かなり乱雑な字で書くことがあります。
そのようなことは誰かからそうした方がいいと勉強したわけではありませんが、生活していく中で自然と身に付いたスキルだったりします。
ぐんぐんキッズの先生と勉強の場面で、字の丁寧さにはレベルがあるということを教える機会がありました。
レベル3は丁寧な字、レベル2はみんなが読める字、レベル1は自分が分かればOKのチャラ字と字にも段階があると伝えるとS君は「俺はレベル1の人だ」と言っていました。
しかし、このレベル1〜3は場面によって使い分けるんだと言うことを勉強していくとS君は、「初めて知った」と言ってくれました。療育をしていて、子どもが知らなかったことを学べたという実感をスタッフが持てたので、このエピソードを紹介しました。
ASDのお子さんは、生活の中で自然と身に付きにくいスキルもあります。1つ1つ取り出して教えてあげる必要があるなと改めて感じました。
ぐんぐんキッズスタッフ K
グループホーム寄付 御礼
いつも温かいご寄付、ありがとうございます。
いよいよ、これまでの「グループホーム ほっぷ 1」より少し自立度の高い暮らしを行っていくための「グループホーム すてっぷ 1」の開設を目指し、建設計画も動き始めました。2021年4月の開設が目標です。
これまでのほっぷ 1へのご支援と合わせてよろしくお願いします。令和元年10月25日現在 寄付金合計 27,685,214円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。