Japanese version only
令和元年11月30日

第259号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
![]()
259号 目次
冬の足音
自閉症啓発セミナー 報告
即実践講座・支援ツール勉強会・サポートブック勉強会・はやぶさの会 報告
クリスマス会・支援ツール勉強会 お知らせ(略)
OHAの会・水泳教室・はやぶさの会 お知らせ(略)
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「ビジュアルブック ASDの君へ」
ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ
グループホーム寄付 お礼とお願い
![]()
山の木々が黄色や橙色に色づいた11月の赤磐市。
今年も冬の足音がそこまでやってきているのを感じる・・・。
山から吹き下ろす風に木の葉が黄金色に輝いて、きらきら光りながら舞い落ちる・・。
秋空に輝く黄色い木の葉が、収穫も終えた田んぼにクルクル落ちてくる。
光に満ちた光景は、子どもの頃から見ているにもかかわらず、最近特に美しくいとおしく感じてしまうのは、どうしたことだろう。
季節は日々移り変わる。短い秋が急ぎ足で通り過ぎようとしている。
この会報を書かせていただいているおかげで、昔より季節の移り変わりに敏感になったように思います。
何の気なしに見ている山や田が、この原稿を書くために、じっくりと景色や風や雲、そして人の行き来を見るようになったようにも感じられます。
そしてすべての事は、人の一生にも似て、儚く美しく、この一瞬に輝きそして去っていきます。
今月は、発達障害のテレビ番組が多く放映されて、いつにも増して自閉スペクトラム症の理解が進んでいくように思えて、嬉しく思います。
即実践講座でお世話になっている梅永雄二先生のご出演になった番組もあって、皆さん多くの放送をご覧になったことと思います。
昔、お世話になったNHKのディレクターのIさんが取材されたハリウッドの情報は、梅永先生の紹介でした。ハリウッドでは、たくさんの自閉スペクトラム症の人たちが働いているということでした。
緻密で、正確さを要求されるお仕事が、自閉の人には、ぴったりのお仕事のようでした。
「自閉スペクトラム症を、マイナスと捉えるのではなく、プラスと考え定型発達の人にはない良さを生かしたお仕事を考え出す」ということでした。
お仕事は、色々あって、彼らに向くお仕事が、まだまだたくさんあるように思います。
また、働いている若者の取材では、こんなことを言っている当事者の方の映像があって、それと共にお母さんのコメントもこんな風でした。
母 :子どもが経済的にも精神的にも自立すること、それが親の一番の望みです。
本人:重要な業務を任されて、会社に貢献できて、いい仕事ができていると実感します。
僕が刺激になって、ほかの自閉スペクトラム症の人たちが社会の中で成功できたら嬉しいです。
母 :誇りに思うわ。
私もこのお母さんと同じ思いで見させていただきました。彼の特性を理解することで働きやすい環境を作ってくれる会社に恵まれたからこそのお仕事でした。
同じことが息子の会社にも言えます。丁寧な支援のおかげで息子も働いています。
息子の働く職場は、同じことをずーっと、長時間やり続ける必要があります。前に私も体験させていただきましたが、15分くらいすると、もうくたびれるし、同じことの繰り返しには、嫌気がさしました。
でも、うちの息子たちは、同じ仕事を続けることが、平気でした。一日中でも同じスピードで、お仕事し続けることが出来ました。だから、今でも息子は13年間同じ職場で働き続けています。
そんなことが出来る能力を、定型発達の若者は、持っているでしょうか。貴重な戦力として自閉スペクトラム症の哲平を雇ってくださった会社に感謝しています。
今や15人に1人は、普通学級でも発達障害の子がいる時代です。普通学級ということですからもちろん知的障害のないタイプの子どもたちだということでしょう。
知的には遅れのない発達障害の子の将来のお仕事を考えていかなければ、日本の仕事現場は、破たんしてしまうのではないでしょうか?
我が子は知的障害のあるタイプです。哲平の小さい頃に、支援者の方からこんなことを言われたことがあります。
「自閉症の中でも、知的障害のあるタイプは、安定して仕事をしている例が多いけど、知的障害のないタイプの就労継続が難しいのよ」
知的障害のない人たちは、一般の人と交わって暮らしていくことが多く、周りの人に誇りを傷つけられたり、いじめにあったりして、二次障害を併発しやすいということでした。
そのため、不登校や引きこもりにもなりやすく、より丁寧な対応が必要とのことでした。
おりしも赤磐市では、不登校と引きこもりにさせないためのプロジェクトが始動しようとしています。
注意深く見守りつつ、就労後も継続したサポートをしていこうと思います。
彼らを引きこもりにさせてはならないと思うのです。彼ら自身の苦しみだけではなく、彼らをしっかり働ける大人にしていかないと、日本の将来は、大変なことになります。
障害者の年金を、あの子たちみんながもらうようになったら、どうなりますか??
ただでさえ、老人が多くなって若者人口が減っているというのに、障害者が、働けず、年金ばかりが膨らむことになったら、どうなることでしょう。
学齢期には、あの子たちが働く大人になる為の勉強をしていかないと、将来日本は、あやういということではないでしょうか?
小さい頃から将来を見通した支援が、大切です。
そういう意味で、療育機関や学校の果たすべき役割の大きさを思わずにはいられません。
また、早期発見の大切さは、親の思惑を超えて、早く親御さんに伝えていくべきだと思うのです。親の受け入れが難しい為、一時の親への思いやりが、子どもの人生に拭いようのない汚点を残すことになるような気がしてなりません。
私たちの運営する早期療育機関「ぐんぐんぴっぴ」では、2歳代の関わりが素晴らしい効果をあげているという実績があります。
早ければ早いほど、子どもたちは伸びていきます。その貴重な2歳台を、無為に過ごしてはならないと強く思うのです。
そもそも、子どもに障害があるということで、親が悩み苦しまなければならないなんておかしいのではないでしょうか?
障害があっても大丈夫! と親が思えるように社会が責任もって支援するのでなければなりません。
税金を使って年金を大勢に支給しなければならないことにするのか、子どもの頃に税金を投入して、丁寧に育てて、税金を将来払える人にするか、どっちが生産的でしょう?
一生は長いのです。子供たちの将来は、子どもたちの人生は、子ども時代の関わり方や支援の度合いや、親の育て方で決まると言っても言い過ぎではないと思うのです。
どうか心して行政側の方々は、お金を使っていただきたいと思います。
昨今のニュースで税金の使われ方について、色々言われていますが、私は、一言もふたことも言いたい。
「税金使うなら子どもたちの為に使ってください!!」
「安心して子どもを産み育てられる環境を準備してください」
「産め、産め!言うな!!環境を整えてから、言うてーや」
とまあ思うのです。
さて、今月は、京都から高橋亜希子先生をお迎えして、「高機能な自閉症児への理解と支援 〜発達障害のある大学生への支援〜」と題して講演会を行いました。
お話とっても分かりやすく、大学生の支援についてだけではなく、自閉スペクトラム症について詳しくお話くださいました。
また、先生のお勤めのエンカレッジの就労移行支援について、詳しく丁寧にお話いただきました。
こんな支援が岡山でも実現すればどれだけ多くの子どもたちが助けられるだろうと思いつつ、エンカレッジ岡山が出来たらいいのにと、思いました。育てる会が一肌脱げたらいいのにな・・・なんて思ったりしたものでした。
先生のお話の報告と、アンケートが後のページにありますので、ご覧下さい。
夏真っ盛りの頃に引っ越して、冬を迎えんとしている新居での日々を、少し報告しましょう。
私が、この家に引っ越そうと思ったのは、前にも書きましたが、75歳になった時には、自動車の免許を返納したいと思ったからでした。
老人の起こす交通事故の多さに、自分までそんなことをやらかしてはならないと思い始めたのは、つい一年ぐらい前からでした。
それまでは、住んでいる家の玄関ドアを新しく変えたり、リビングのクーラーを取り替えたり、お風呂も新しくしたばっかりですもの。まだまだ住むつもりの家でした。
それから太陽光発電も、まだまだ耐用年数は、長く使えるはずでした。
でも、一旦75歳での返納を考え始めると、前の家では、暮らしもままならないと思えるのでした。
バス停までも遠く1キロ位は歩かなければならないし、コンビニもスーパーも歩いていける場所にはありません。
そんなところで暮らすには、車は必需品でした。やっぱり便利な場所に引っ越すしか、75歳の免許返納はあり得ませんでした。
岡山市内のマンションか、それとも大阪や京都に引っ越していくのもいいかも・・・なんて夢のようなことを考えていました。
でも、ここの土地に出会ってしまったのでした。
ある日の事、自動車でいつもは通らない道を通っていた時、ふと通り過ぎた道の途中に「売り家」の看板が目に飛び込みました。
大急ぎでバックして見てみると、不動産屋さんの電話番号がありました。そのまま車を道端に停めて電話をして、「中を見せてほしい」と言いました。
その家は、古くて大きな家でした。草や木や庭石に覆われた敷地は、広そうでした。
それからは怒涛のような日々でした。買うことに決めた後は、家も解体、庭の大きな石やたくさんの木もすべて取り払ってもらいました。
まったく何にもない状態にした土地は、想像以上に広くて驚きました。
それから住宅会社を決めて、設計、建設、引っ越しと、自分でも呆れるぐらいの目まぐるしい日々でした。
土地の衝動買いとでもいう感じで進んだこの建設計画に夫もあっさり賛成してくれました。
何事も慎重そうに人からは見える夫は、実は自然に流れるまま、気持ちのままに生きる人です。
少し変わり者でもある人なんですよ。何しろこんな変わった私と結婚して、今年は、45周年です。もう5年したら金婚式の二人です。
夫と住宅展示場を見て回っても、「どこでもいいよ。なんでもいいよ」という人です。
希望も何にもないようでした。私が好きなように設計士さんと相談して、作った家でした。
引っ越して4か月。今年は、なんだか暖かいのです。まだ暖房はつけたことがない毎日です。床暖が入っていて、ゆるくつけているのですが、これが結構暖かなんです。
ネコもご機嫌そうに床に寝転がっています。
私もスリッパをぬいで素足になってテクテク歩いています。
もう一つ気に入っているところは、4畳半ほどのベランダがあり、空の間(そらのま)と言って、天井が少しあいているのですが、そこから雨も降ってくるけれど、空も見えます。
そのベランダにハンモックを吊るして、寝転がって空を見るのが私は好きです。
朝起きてすぐにハンモック。
夜夕食後にもハンモックに乗って揺れています。
ここは、飛行機の飛行ルートにもなっているらしく、空を見上げていると、どこかで飛行機が飛んでいるんです。
飛行機雲が出来てそれがゆっくり風に流されながら、細い線がだんだん太くなって緩く解けるように消えていくさまを見ていると、なんだかゆったりとして、この家が大好きになります。
また、夜リビングの電気を全部消して、星空を眺めるのも素敵です。我が家の天井から見える星の星座はわからないけれど、夜空を眺め揺れながら、「木枯らし途絶えて、流れる銀河〜」なんて歌っていると、しみじみあたたかな幸せな気持ちになるのでした。
暇さえあれば、揺れていたい私です。
そんな私は、外からの視線を気にせず揺れていたのですが、夫に一度見てもらったら、格子の隙間からバッチリハンモックで揺れてる私が見えるそうです。
ちょっと、ちょっとと〜いう感じですが、まあいいか!変わった人だなと思われたって、いいじゃないのと思っている私です。
この歳になって、体裁とか、常識とかにとらわれないで、好きなように生きていこうと思います。楽しければ、それでいいのだ!!
庭が広い我が家です。来年の春には芝生を植えたいと考えています。そのために、今庭を掘り返しています。
哲平がグループホームから帰って来る週末には、少しずつ庭を掘って石を取り出してくれています。
この土に肥料を漉き込んで来年は芝生の庭が出来るはずです。緑の芝生を敷き詰めて、何をしましょうか。
グラウンドゴルフとか、バトミントンとか、何か面白いことやりたいですね。
テントを張って、お泊りなんていいですね。
そういえば昔、子どもたちが前の家の庭のテントでお泊りしたりしたことがありました。長男も長女ももう大人になってしまいましたが、楽しい思い出です。
哲平なら喜んでお泊りしてくれそうですね。
家の前の道は、色んな人が行き交います。みんなびっくりしますね。
そうそう、引っ越したばかりの頃、我が家の庭へ犬の散歩で入ってこられた人がありました。庭のかなり入ったところで、犬にウンチをさせておられたので、びっくりしました。
我が家の敷地だと分からなかったのでしょうか??広い敷地の奥まった部分に家を建てたので、表の方は、まだ売れていない土地とでも思われたのでしょうか?
大急ぎで、花壇を作って、我が家の敷地だというアピールをしました。
その花壇に植えたパンジーがきれいに咲いています。
友人宅からいただいたアジサイが、何とか根付いてくれたようで、来年の花の時期が楽しみです。
花を植えると、水やりや花がら摘みなど時間が取られることも多くなりました。
水やりを夫の仕事に加えて、2人の家事を均等に割り振りすることに成功しました。
ネコの世話に、水やり、洗濯干しと取り入れまでは夫の仕事です。そうそうゴミ出しも彼の仕事です。
どちらも仕事を持っていると、家事の分担は当たり前の事ですもの。もう少し分担増やしたいところですが、哲平の迎えや医者への送迎などは、彼の担当なので、これくらいに今のところはしておこうかな・・・と思っています。
哲平は、週末には家に帰ってきて、掃除機をかけたり風呂掃除をしたり庭の石堀りをしたりして、たくさんお金を稼いでいきます。
楽しそうにお仕事が大好きです。哲平がお仕事好きなのは、なぜだと思いますか?
それはね、お金です。お駄賃がもらえるからなのです。
トイレ掃除をしたら、100円。お風呂掃除をしたら300円。掃除機かけたら50円。石堀りしたら1時間100円。と、たくさんお小遣いが貯まるからなのです。
そうして哲平は、2020年5月には、秋葉原とディズニーランド、2021年には、ドイツへ旅行に行くつもりです。
お金を貯めて楽しいことをやる目的があるから、こんなに楽しそうにお仕事するんです。小さい頃から、月ぎめのお小遣いはあげないで、家事をしてお金を稼ぐというのが我が家の子育てでした。
先日も鳥取から友人が子連れで遊びに来ました。その時のお昼ご飯を哲平が作ってくれました。哲平のチャーハンは、私のよりおいしいそうです。
高橋先生の講演会でも小さい頃にやっておくといいことの一つに家事をしてもらうということがありました。
手先が不器用でも家事を毎日少しずつやることで、手が器用になって働ける手になります。
テーブルを拭くというお手伝い一つでも、指先に力を入れて、手のひら全体を使って拭くのと、指先でふわふわふくのでは、仕事の仕上がりが違います。
小さいことでも子どもの時から、丁寧に教えていくこと・・、これは親にしかできません。
我が家の孫は小学3年生ですが、家の風呂掃除は、今からやっていますよ。
指先の器用さは、18歳までに培わないと、育たないそうです。お風呂の中に入って、スポンジに洗剤をつけて、キュッキュッと磨いていくのには、力の入れ方や、抜き方にコツがいります。
孫は、上手にできているそうですよ。その母である娘も子どもの頃に風呂掃除をしてくれていました。
親から子へ、そして孫へ、いい習慣が伝わっていることを嬉しく思います。
皆さん、学校の先生が、やってくれないとか、教えてくれないとか、文句言っているばかりで家で何にもやらせていない人はいませんか?
今ですよ。やるべきことを考えて出来そうなことをできるやり方で少しずつ教えていきましょう。
哲平の小さい頃から、教えて行ったのは、以下のようなお仕事でした。
新聞や郵便物の取り込みから始めて、お花の水やり。食器洗い。ネコのえさやり。カーテンの開け閉め。階段の雑巾がけ。洗濯干し。洗濯たたみ。お米洗い。トイレそうじ。お風呂そうじ。草取り・・・。
こんな家事を教えていきました。そうして、働くことができる手にしていくことが出来ました。哲平はとても器用に色んなことをやります。
例えば、草取り。
小さい頃は、草も花も関係なく全部引っこ抜いてくれていました。
でも、段々きれいな花をつける植物と、雑草の違いを教えていくと、少しずつですが、区別がつくようになりました。
今は、ほとんど草だけを抜けるようになりました。
長い時間をかけて、分かるようになりました。教え続けていくことで、これからの人生哲平は、草引きを人に教わらなくても一人でできる人になったという訳です。
車輪の付いた小さな椅子に乗って、少しずつ場所を移動しながら、草を抜いてくれています。お蔭で我が家の庭は、草が生える暇もありません。
仕事の出来る人になるには、長い修行の時がいります。親も我慢、子も努力。
でも、その長い年月の後には、自立した楽しみのある彼の人生が広がっているのです。
息子は、家事を丁寧に教えた成果として、現在就労して働き続け、去年の4月から市民税まで払っています。
私は、幸せです。こんな風に教えたことで、手先が器用になって、お仕事がうまくできるようになりました。重度の知的障害を伴う自閉スペクトラム症の息子が、今幸せそうに実りある人生を送っている。私は、息子を誇らしく思うとともに、自分の人生にもこれでよかったと納得ができるのです。だから幸せなんです。
苦労は必ず報われる。そう思います。皆さん、苦労ですけれど、頑張りましょう。
スモールステップで、コツコツと、子どもに会わせて無理はぜず、ゆっくりゆっくりやったらいいのです。大人になるまではまだまだ時間があるのですからね。
でも、あきらめず、投げ出さず、コツコツですよ。
そうそう、その哲平君は、11月10日に開催された岡山マラソンに今年は参加できました。
張り切って3時間切りを目指したのですが、やっぱり難しかったらしく3時間08分という記録でした。
今年初めの吉備路マラソンでは久しぶりに3時間を切れたのですが、岡南大橋の壁が待つ岡山マラソンでは3時間はなかなか厳しいですね。
例年通りお父さんも参加して、こちらは5時間59分35秒という制限時間6時間ギリギリの狙ったようなタイムでしたが、今年は足のケイレンもなくノンビリ楽しく走ってきたようでした。
65歳から69歳男子の年代別順位で305人中、240位という成績だったそうでしたが、あんなに多くの参加者の中で300人ほどしか走っていなかった年代だとすると、結構頑張っているうちに入るのかもしれませんね。
とにかく2人そろって完走することが出来て、よかったよかったです。報告でした。
話は、育てる会の行事に戻ります。
育てる会の今年の秋の保護者向けの勉強会は、2つあります。
1つは、18歳の春主催の、「支援ツール勉強会」、2つ目は、「サポートブック勉強会」です。
支援ツール勉強会は、全6回の予定で2回までが終わりました。これから参加したいと思う方は、どうぞ、おいで下さいね。
サポートブックの方は、来年小学校へ入る方を対象に、主にぐんぐんグループの保護者の方を対象に行いました。
こちらは後ろのページに報告がありますから読んでください。
サポートブックは、来年小学一年生を迎える保護者の方が、我が子の事を学校や担任の先生に、理解していただくためのブックです。
ぐんぐんスタッフの政田先生が、講師を務めてくれて、何年たつでしょう。年々お母さんたち、上手に書ける方が増えてきたように感じます。
特に長く療育に通ってきてくださっている保護者の方は、子どもの見方も特性も理解してくださっているので、分かりやすく書くことも上手なようです。
ただ、お母さんによっては、「しっかり丁寧に言って聞かせると分かります」なんて書いてくださっている方があったりして、スタッフが見ている子どもの姿とは少し違っているのでは・・・と思えるサポートブックの方もいらっしゃったようでした。
丁寧に一人ひとりのお子さんの姿を浮き彫りにしながら、お母さんに子どもの事を先生方にわかる説明の仕方を伝授していってくれているぐんぐんスタッフでした。
ぐんぐんからの卒業生が、一人も苦労することがないように、引継ぎがうまくいきますように、祈りを込めてのサポートブック勉強会でした。
そろそろ冬の季節がやってきますね。
時々ゴーッという音と共に道を挟んだ大きな木から、枯葉が我が家へ降り注いでくることがあります。
風が強くて、我が家に葉っぱが散らかるかと思いきや、そのまま隣のスーパーの敷地の方へ “風と共に去りぬ” の落ち葉たちです。
今年は暖かい冬のように感じるのは、我が家が暖かなのか、それとも今年の岡山が暖かなのか・・・どっちでしょうね。
寒風の中、ハンモックに揺れてるような気楽なおばちゃんの私は、どこか、浮世離れしているので、寒さも感じなくなっているのかもしれません。
皆さん、お元気でお過ごしくださいね。
では来月号でお会いしましよう、ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)
![]()
自閉症啓発セミナー 報告
令和元年11月23日(土・祝)に岡山ふれあいセンター 大ホールにおいて、京都より大学生への就労支援を行っている株式会社 エンカレッジ 取締役の高橋 亜希子 先生をお招きして、「第105回(令和元年度 第4回)育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回のテーマは「高機能な自閉症児への理解と支援〜発達障害のある大学生への支援〜」ということで、実際に支援を行われている大学生への就労支援のお話を中心に講演をいただきました。
それでは、当日参加したスタッフよりの報告や、参加されたみなさまからのアンケートが届いていますので紹介いたします。
11月23日に、高橋亜希子先生をお招きして、青年・成人期の高機能/アスペルガータイプの人への理解と支援をテーマとした講演会が催されました。高橋先生がお話された概要と私が感じたことについて記していこうと思います。
まず前半は、自閉症の特性理解についてお話いただきました。
その中には社会性の特性があります。社会的なルールの学び方は定型発達の方と自閉症の方で異なります。
定型発達の方は、同年代の人や周囲の人の行動から自然に社会的ルールを学んでいきます。
一方で自閉症の方は、周囲の行動から自然には身に付かないので、教材や書籍、DVD、また大人や支援者から教えてもらい学んでいきます。
しかし、社会的ルールについて十分学んできている自閉症の方でも、「こんなどうしたらいいんだろう?」という状況に、大人になっても直面するといいます。
なぜなら、人が変わったり、場面が変わったりすると今までのルールが通用するのか迷いが出てくるからです。
そんな時に周囲に相談するというスキルが大切になってきます。
そのため、高橋先生は当事者の方に、“分からないことを聞くことに価値がある”ということを伝えるように努めているとお話されていました。
自閉症の特性として、こだわりと想像力の特性があります。そのため、臨機応変に対応することや、予定の変更が苦手な方がいます。
そういったことから、自閉症の方には変化は避けた方がいいと、その方が本人のためと思いがちです。
しかし、世の中には変化・変更はたくさんあります。
それに対応していくために、変化は様々なところでありうるということも経験的に伝えていくことの大切さもお話されていました。
後半は、高橋先生がお勤めされているエンカレッジでの取り組みを中心にお話頂きました。
“働くチカラPROJECT”という、発達障害やコミュニケーションが苦手な学生のための就職支援プログラムが行われています。
その内容は、ビジネスマナーや人間関係のルールを学んだり、コミュニケーションの取り方を実践したり、自分に合った仕事を見つけるための「自己理解」と「企業研究」をしたりと様々です。
詳しい内容はホームページにありますので、そちらを閲覧してみてください。
(URL→https://en-c.jp/service/student.html)
どのお話も新鮮で刺激的でしたが、その中でも私スタッフが印象に残った内容について、記していきたいと思います。
それは自閉症の方との関わり方として、【認める】ということです。
自閉症の方はときどき、現実的でなかったり、一般的でなかったり、思わず否定したくなることを言ってくることがあります。
もちろん誤解や勘違いをタイムリーに修正してあげる必要はあります。
しかし、本人なりに真剣に考えて出した結論を一蹴しないことが関わり方として非常に重要です。この話を聞いて自閉症と関わる支援者や保護者は再確認すべき内容だと思いました。
講演内で大学生の自閉症の方のDVDを見させていただきました。
その方は家が安全基地のように感じるくらい外が不安であると話していました。それはコミュニケーションを取らなくてはならなかったり、歩き方など一挙手一投足に不安があったりすると語っていました。
しかし、それでも自分を支えている自信や安心感があると話してしました。
それは、英語やPCの様々な検定で1級を所持していること、そして“理解してくれる家族”だと。
現在、自閉症の方に関わる私たち支援者や保護者は、自閉症の方の考えを認めてあげることができているでしょうか。
ついつい一般的な考えや現実的な考えで、彼ら彼女らの考えを蔑ろにしていないでしょうか。気持ちや考えを認め共感してあげることが、自信や安心感につながっていきます。
「私の支えだ」と思ってもらえる支援者や保護者になりたいですね。
(スタッフ I)
○ 我が子はカナータイプのASDなのですが、今日の高橋先生のお話はとても親切でわかりやすくて我が子の支援や、小さいうちから取り組めるお手伝いなど、イメージしながら聞くことが出来ました。大学支援や就労がどういう感じでサポートされているか勉強になりました。先のことを考えて、今できることをしていきたいと思いました。ありがとうございました。(保護者)
○ 小・中学生の親です。「現在」の我が子の支援に精一杯でした。しかし、「将来」にも不安。私たちの目標は、我が子の自立です。いつか自立していくためにも、約10年後にやってくる道筋を今日の講演で学ばせてもらいました。初めて聞く”就労移行支援”という内容。「現在」の我が子の療育が大人になってやはり役立つ、コツコツしていくことの大切さを改めて感じました。(保護者)
○ いま実際に取り組んでいることの考え方や方向性、大事にしていることが適切な方向に向かっていることの確認が出来て良かった。先生のお話を参考に、新しい支援メニューのアイディアが浮かんだりもしたので有意義な時間になった。(就労移行支援事業所)
○ 就労移行支援を自分から受けに行くタイプはどれくらいいるのかな。ちゃんと自分の特性を受け入れて、家族と頑張ってこれた上での支援なら良い支えになるだろうなと思いました。社会に出てボロボロになって、二次障害になることを考えたら、早期発見、受容、理解、支えがやはり自閉症者にとって大切だなと思います。(保護者)
○ 我が子が将来どのように生きていけるのか、とても不安に思っていたので今回のお話の中で企業に実習に言ったり、自己理解を深めたりして、自分ができる仕事を見つけることができる。支援して下さるひともいる。ということが知れて、心が軽くなりました。幼少期から、お手伝いをとおして、スキルを身につけることも大切だと伺ったので、子どもと前向きに、楽しく取り組んでいこうと思いました。(保護者)
○ とても分かりやすく丁寧に説明してくださり、この会社の支援を受けられる大学生はラッキーだと思う。ここまで丁寧に教えてくれる就労支援はないのではないかと感じた。岡山にもこういう場所が必要ではないかと思った。(保育士)
○ 社会に出てからの方が長い人生。うまく社会への第一歩を踏み出すことができたらと、親の願いです。小さい頃からの丁寧な関わりや、自己理解が、大人になってからも大事なことになるのだと思いました。自分に自信をもっていけるように、自分に合ったことを見つけることができるように、一緒に頑張りたいと思いました。(保護者)
![]()
育てる会 行事の案内について
行事の「案内」については、ホームページの容量が少なくなってきましたので、最新の行事の
案内以外の終わった行事のお知らせは「活動報告」に記載させていただき、ホームページでは
「報告」だけとさせていただきます m(_ _)m
![]()
令和元年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
〜大人になって幸せになるために〜
講師:梅永 雄二 先生(早稲田大学教授 教育・総合科学学術院 教授)
第6回「知的障害を伴わない自閉症成人期」に参加された方からの感想です。
○ 米国の発達障害児教育は、成人して生活する(トラブルに巻き込まれない)という視点から、内容を取り出して、小学生団から胃から教育していること。本当の教育者とは、彼らが大人になって幸せになれるように支援するもので、本人を変えるのではないということ。(支援学校)
○ SLDの人たちの物の見え方について、実際に具体例を体験することで感じ方を知ることが出来た。「いくら教えても、分からないものは分からない」を実感できた。(保育園)
○ 特別支援学校に勤務しているので、知的障害を伴う自閉スペクトラム症の子のイメージはもてるが、ボーダーや知的障害を伴わない方々の課題を聞くと、ハッとさせられることが多くあった。知的に高いからこそ、難しいことがたくさんあることを頭に置きながら、関わらないといけないと思いました。(支援学校)
○ LDの人の見え方について、疑似体験をすることでよく分かりました。読めないものは読めないのであり、読めるように、定型発達に近づけられるように、という考え方ではなく、彼らに合わせた支援は何かを考えていく必要があると改めて学びました。(医院)
![]()
令和元年度 支援者向け
発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐
(自閉症支援技術 レベルアップ講座)
講師:諏訪 利明 先生(川崎医療福祉大学 准教授)

第6回「プログラム立案と実際@ 〜コミュニケーションについて〜」に参加された方からの感想です。
○ 明示的にということが、こちらが期待していることも明らかにして本人に分かりやすく伝えること。そこまで明示的にしてよいのだと思いました。成人の方の支援も同じで、やはりコミュニケーションなのだと思いました。(支援事業所)
○ 全てのお話が納得の連続で、今日の内容全てを、聞いて欲しい、理解してほしい人がたくさん浮かびました。今、成人期の方の相談に関わることが多いのですが、言葉が多いが故に誤解されていることが多く・・・また言葉で伝えさせようとする人があまりにも多く・・・でも、”コミュニケーション=言葉”ではなく、”伝え合うやりとり”であること、”相手を意識したやりとり”というお話を聞いて、大事なことを見失ってしまわぬよう改めて整理できました。(支援事業所)
○ コミュニケーションできていると思っていた子も思い返すと一方的に話していたり、受け手がなんとなく読み取って成り立っていたりしたこともあったのだと改めて振り返ることができました。(支援事業所)
○ 育てたいのは言葉ではなく、相手を意識したやりとりであり、言葉を話す=コミュニケーションとなるわけではない。このことは、自閉症の人だけの問題ではなく、指導する私たちの課題でもある。今回教えて頂いたコミュニケーションの学び方(考え方)は、自閉症の人でなくても本当に分かりやすく、安心なコミュニケーションの考え方・学び方だと思いました。(行政)
![]()
18歳の春 支援ツール勉強会の報告
「18歳の春を目指すクラブ」主催の支援ツール勉強会(連続講座・全6回)が、11月12日(火)からスタートしました。
お子さんの年齢が2歳台から中学生と幅広く、またニーズも「支援ツールを作ったことがないから色々知りたい」「何から手をつけていいか分からないからアドバイスがほしい」「作ったことがあるけどもう少し改良したい」など多様な36人の参加者が集まりました。
初回は、「支援ツールはなぜ必要?誰のため?何のため?」というテーマでの講義とグループワークを行いました。
ついつい子どもの困った行動を何とかするために!親の言うことを聞いてもらうために!が支援ツール作成の動機になりがちですが、支援ツールは「子どもの支援に役立つ道具・手段・方法」であり、ASDのお子さんのためのものです。
お子さんの役に立ち、お子さんの生活をHAPPYにするためのものであるということを確認しました。
その後のワークでは、我が子はどんな子なのか?どんなことで困っているのか?を皆で考えあう時間を作りました。
2回目は、「実際の支援ツールを見てみよう」というテーマでの講義とグループワークを行いました。
実際にASDのお子さんを育てた先輩お母さんが、なぜ支援ツールを作ろうと思ったのかのきっかけや何を大切にしながら支援ツール作りをしたのか、失敗談も交えながらのお話を聞き、たくさんの支援ツールの実物も見せていただきました。
その後のワークでは、我が子の支援ツールについて、いつあることなのか、どんな場面であることなのか、誰としているときにあることなのか、どうしてそうなっているのかなどを皆で整理する時間を作りました。
・・・参加者からの感想・・・
・支援ツールを作らないと!と思うと、なかなか時間がなくて難しいと思っていましたが、簡単なものでも本人が分かれば良いことや、周りが配慮することも支援の一つになるんだということが分かった。
・実際の支援ツールを見ることができ、どう考えて作ったものかも知ることができて、良かったです。
・「誰のために=子どものために」というのが、自分の中で抜けていたなと思いました。
・母が困っているときは、子どもも困っているんだということを忘れてしまっていました。支援ツールを作って、皆でにこにこで過ごしたいと思いました。
・自分の話を聞いてもらうことで、整理され気持ちが楽になるし、相手の悩みに共感したりできて、すごく楽しかったです。
・人に話すことで自分の困っていることが整理できたり、自分では考えつかないアドバイスをもらうことができたり、他の人の話からヒントがもらえたのが良かったです。
今回の支援ツール勉強会は、ペアやグループでの話し合いを大切にしています。
支援ツールは、一つ作ったら完成ということはあまりなく、うまくいかないことや困ったことも色々あります。
そんなとき、一緒に考え合える仲間や「頑張っているよね」と励まし合える仲間がいると、ちょっと折れそうになった心も持ち直すのではと担当で考えています。
毎回積極的な話し合いがもたれ、時間が足りないほど熱心にお互いの子どものことや支援ツールについて語り合う姿を見ていると、今回やって良かったなと嬉しく思っています。
1月まで全6回、ここからさらに楽しくなっていくよう、しっかり準備していきたいと思っています。
(担当:松田)
![]()
サポートブック勉強会の報告
令和元年11月12日(火)、26日(火)13時から15時に、山陽総合福祉センターにおいて、ぐんぐんに通われている年長児の保護者を対象に、サポートブックの勉強会を開催いたしました。
第1回目は、サポートブック作成に当たって大事にしたいこと
・まずは本人の安心安全のために作りましょう
・ポジティブな表現で伝えましょう(〜ができません。〜をお願いします。という表現ばかりにならないように・・・)
・実際にやって有効な方法を伝えましょう
・ピーチファイルやかがやき手帳なども使用して、情報管理(収集)をしていきましょう・・・
をお話し、書き始めてみる練習を少ししました。
第2回目は、保護者のみなさんが下書きしたものに、現場スタッフからアドバイスや激励のコメントを入れて返却しました。
それをグループで読み合いながら、初めてこの子を預かる立場になったとき「分かりにくい部分」や「ここはよく伝わったという部分」をそれぞれチェックして感想を伝えあいました。
・遊びや支援の方法も、種類や声かけの仕方まで具体的に書いている方が分かりやすい
・子どもが分かっている情報ってなんだろう
・親だけが知っている癖とか行動上のサインとか、見極めてもらうヒントになるから入れようか
・こんなことするかもって想像しているだけでも(沢山あって)心配で仕方ないな〜
・・・など、同じ境遇にある保護者同士で会話が盛り上がっていました。
作成したものは誰に渡すか、そして管理や回収の仕方まで決めておきましょうというお話までをして、終了しました。
またアンケートでも、いろいろの意見を寄せていただきました。
・サポートブックを作る過程で、子どもの理解が深まっていくように思いました。
・自分の子どものことを意外とよく分かってない気がします。他の保護者の方が書いたものを参考に、もっと分かりやすく、詳しく書こうと思います。
・アドバイスや他の方のを参考に、分かりやすく支援につながるサポートブックを書きたいです。
・どんなふうに、こうすれば・・・など、例を出して書くと、子どものことを知らない人にも分かりやすいんだなと、とても勉強になりました。自分から発信していくのは正直苦手でしたが、サポートブックを持って我が子のことをいっぱい伝えられるように頑張ろうと思いました。
・小学校という、新しい環境へステップアップする我が子のために、分かりやすく、事例なども盛り込みながら、愛情たっぷりのサポートブックをつくりたいと思いました。
ぴっぴ・ぐんぐん卒業の日が迫りくる皆さんにして差し上げられる最後の支援と思い、心を込めて対応させていただきます。
ぜひ分かりにくいところは相談してみてくださいね。
完成まで、あと一息です!一緒に頑張りましょう(^^♪
![]()
はやぶさの会の報告
自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。メンバーは、
小学生の男の子を中心に活動しています。
先日、11月4日(月・祝日)に、地域の秋祭りに参加しました。
今回はくじ引きでのペアだったので、いつもと違う組み合わせでした。
子どもたち同士で科学実験ショーを見たり、木工作品作りに挑戦したり、一緒にご飯を食べたり、スタンプラリーをしたり、バザーに参加したり、思い思いに楽しんでいました。
ついつい自分の「やりたい!」が先行して単独行動になりがちなので、少し親がアシストし、
「〇くんに、どうしたいか聞いてみたら?」
「今日一緒に回るのは、お母さんじゃないよ?」
と聞いてみると、ペアの相手に
「どうする?」
「こっちからにしようか」
など相談しながら、相手を意識して活動することができていました。
いつもと違う相手とも、楽しそうに活動できていたので、成長を感じました。
参加された方からの感想です。
【子どもたちからの感想】
・鬼ごっこができて楽しかった。
・皆で遊べて楽しかった。山羊を触ったり、木工ができて楽しかった。
・バザーでたくさん売れたのが嬉しかった。友達と相談するのを頑張った。
・はやぶさの会って感じじゃなかったけど、祭りがとにかく楽しかった。
【親からの感想】
・初めて参加する地域のイベントだったので、どんな感じかなーと思っていたのですが、アットホームな雰囲気で、色々な体験あそびができて、良かったです!
今回は、ペアで行動するということで、ペアになった子と「これがしたいねー」と話し合ったり、一緒に協力しながら木工で組み立てている姿を見て、たまにしか会えなくても、会うと自然に話ができ、一緒に協力して一つのことをできるようになったんだなーと嬉しく見ていました。
また次回も楽しみにしています。
・「ペアで祭りを回る」を親が意識しすぎて、相手のペースに合わせるように急かしたり、少し無理をさせてしまいまいた。たくさんのブースがあり、興味のあるなしもそれぞれなので、もし次回ペア行動することがあれば、一つの作業をする・見るとかの方が相手を意識しやすいのかなと感じました。
でも、お互いしたいことが違っても、嫌な顔をせずに「いいよ」と自然に言えていて、成長を感じました。子ども店は出店しませんでしたがお友達と互いの戦利品を見せ合いながら遊び始めていて、はやぶさの仲間と仲も深まって嬉しい一日でした。
・最近、なかなかこういう体験型の催しに親子で参加することが少なくなっていたので、親子で一緒に楽しめて良かったです。自分の好きなことをしていた感じで、友達との交流はほとんどできませんでしたが、本拠地(荷物置き場)を決めていたことで、そこに戻って休憩したり、お昼を食べたり、知っている人がいることで、安心してその場所に帰っていっていました。
他のメンバーも、母がいると話しかけてくれ、「〇〇のところは行ってみた?」など教えてくれたり、安心感だったと思います。
アスレチックで一緒に遊んで帰りたかったようでしたが、おひさまに長時間やられた母が限界で断念しました。残念そうに納得してくれたので、また違う機会にめいっぱい遊ぶ機会を作ってやらないと!と思いました。
次回のはやぶさの会は、12月にクリスマス会を企画しています。
初参加の方も、お気軽にどうぞ!お待ちしていますよ。
![]()
お母さんコラム
小3・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、3歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、新しいパジャマをゲットした妹。
本人の大好きなピンク色で、胸元には「ペネロペ」というキャラクターがついています。
私が「ペネロペだね、可愛いね」と言うとニコニコで嬉しそうです。
次の日の夜、お風呂上がりに一緒にパジャマに着替えていると
「ママ、今日のペネロペ、可愛いね」「〇〇のペネロペはー、今日ピンクじゃないから残念」
・・・ん?
そうです。妹は元々パジャマという名前は知っていましたが、「ペネロペ=パジャマ」と上書き保存されてしまったのです。
慌てて、「〇〇のパジャマ、今日は熊がついているんだね」「パパのパジャマ、黒だねー」など、わざわざ『パジャマ』を連呼して、何とか認識を元に戻すことができました。
あぶねー!!笑
そんな妹は、最近かなりの怖がりです。
先日はトイレのエアータオルにびびっていました。よくある聴覚過敏なのかな?とも思いましたが、私がエアータオルをしているのは平気なようです。
本人に聞くと 「急に大きな音がするからびっくりするんだよ」「ママがここに手を入れたときは、音がするって分かるから大丈夫」とのこと。
こんなところでも見通しですね。
ちなみに、新幹線のトイレの吸い込み音にもかなりビビッていました。あれは確かに衝撃だわ。
小3のお兄ちゃんは、前思春期に突入しました。
何でも素直になれないようで、「ご飯食べなさい」→「今そんな気分じゃない!」→「そんな気分じゃなくてもご飯の時間だよ?」→「食べたくない」→「じゃあ、食べないの?」→「食べない」→「あっそ!」→「ふん!!」というような、絵に書いたような反抗期です。
人前で甘えてこなくなりましたし、褒められるのも嬉しくないし、注意すると反発するし、なかなか大変です。
先日じっくり二人で話をしてみました。
・なぜ、そういう話し方になってしまうのか : 特に何も考えてはいない。周りの子たちの話し方を真似ているだけ。・そういう話し方をされた時、ママがカチンときていることに気づいているのか : え?そうなの?・嫌だと思うことや、やりたいと思うことは普通に話してくれた方が受け入れられるんだけど : えー?そうだったの?・ちなみに、ママがカチンとくるような言い方をしていると、何が何でも受け入れてやりたくない!っていう気持ちになるんですけど : マジか!
それ以来、まだ数日ですが、本人なりに言い方を考えながら話してくれるようになりました。
本人に聞くと、「んー、まあこの言い方の方が、イライラはしないわ」とのこと。
理由もないイライラは、健全な発達の証拠。でも、それをされた時、周りがどう感じるかまでは気づいていないのはさすがASD。
成長を喜びつつ、教えつつ、それでも反抗するのは親の定めと思って乗り越えていかねばですね。
そんな息子は、大根料理が意外と苦手なようです。
「おいしいのに」と言うと、「人はそれぞれ好きなもの・嫌いなものがあります。押し付けたらいけないんだよ?」とのこと。すごいじゃん。その通り。了解しました!笑
次回もお楽しみに!
(cyacya)
![]()
| ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
早いもので今年も残すところあとひと月になりました。
町のいたるところにクリスマスのイルミネーションや、クリスマスソングを耳にする季節ですね。
かわいい子供たちの為に、サンタさんも動き出すころではないでしょうか?
ぴっぴは保護者同室の療育を通して、保護者の方と一緒にお子さんの理解の仕方や特性について考え、お子さんの得意な事や課題を見つけたり、お子さんにとって有効な支援について考えることを大切にしています。
保護者の方と同じポイントでお子さんを観察できるように、活動のねらいや見ていただきたいポイントを活動前にお伝えするようにしています。そうすることで保護者の方と同じポイントでお子さんを見ることができます。
また、活動後に保護者の方と一緒にお子さんについて共通認識を持つことができやすくなります。
ぐんぐんぴっぴだけでうまくいく支援を考えるのではなく、ご家庭や園などのお子さんのすべての生活の場面へ繋がる支援を保護者の方と一緒に考えていくことを大切にしています。
11月のグループ活動で、年長児さんは就学に向け通学を想定した『歩く』活動をしました。
活動のめあては、活動を通して、『わが子について把握し、必要な準備やサポートを考えよう』です。
就学に向けて様々な準備や練習を行う必要があります。通学もその一つです。
ぴっぴの療育の中だけでは、不十分です。なぜなら、一人ひとりのお子さんの通学方法や通学中の交通環境、お子さんの姿は違うのですから。ご家庭で取り組んでいただく必要があります。
決った方法で準備をすれば大丈夫というわけではありません。お子さん一人ひとりに合わせた準備をするからこそ意味があるのだと思います。
ご家庭で取り組む前に、お子さんにどのような課題があるかしっかりと把握し、準備や必要なサポートを考えていくことにしました。
お子さんたちに、『歩く』活動の前に2つだけ約束をしました。
1つは、『車に気を付けて歩くこと。』
2つ目は『一列になって前の人について歩く事。』です。
あるグループでは、歩き始めると、道端の草や石ころが気になり寄り道をしてしまいました。
寄り道した子の後ろの子は、その子を追い越せないで困った様子で待っています。
「ねーねー」と早く歩いてほしそうに言葉をかけますが、寄り道した子を追い越そうとはしませんでした。
また、先頭の先生が細い通りから車道に出るときに、止まって左右の確認をしてから車道に出たことに誰一人気が付いていませんでした。歩くことに必死だったのかもしれません。
活動後、保護者の方と振り返りをしました。
まず保護者の方の率直な感想をお聞きしました。
「道端の草や石ころが気になって、列から外れてしまっていた。」
「車道に出た時に先生が、止まって右左をみていたがそれに気が付かず前の子について車道に出てしまった。」
「一列になって前の人について歩くという約束がきっちり入っていて、何があっても追い越そうとしなかった」
「ちゃんと歩けていたが、先生の後ろだったからかなと思う。並ぶ順番は重要だと思う」
など、お子さんそれぞれの通学の課題が見えた方が大勢おられた様でした。
次にお家でできる準備やサポートは何ですか?とお尋ねしたところ、
「通学のルールを事前に確認する」
「歩く順番に気を付けてもらえるように班の人にお願いしてみる。」
「家から小学校までの実際の通学路を歩く練習をする」
「登校班のメンバーを確認する」
「姉任せにするのではなく、入学してしばらくは私(母)も通学班について歩いて行こうと思います」
などのご意見をお聞きすることが出来ました。
他の保護者のご意見をお聞きし参考にしたり、わが子に取り入れようとされる保護者の方もおられました。
年長さんたちが小学校に入学するまでに、あと約4か月あります。
ぴっぴのグループ活動で、保護者の方と一緒にお子さんの歩く姿を見ての色々な気づきがありました。
もしかしたらこんな問題が起きるかも!と予測を立てることも出来ました。
また、入学までにどんな準備をするか、どんなサポートを用意するかが具体的になった方もおられました。
みんな同じ準備やサポートやこうすればうまくいく必勝法があるわけではありません。実際のお子さんの姿からお子さんに合った準備やサポートを考えることがとても大切だと思います。
そして、この活動の後に、数名の保護者の方がお子さんと一緒に通学路を歩いてみたというご報告を頂きました。
これからも保護者の方と一緒にお子さんについて考えていくことを大切にしていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ スタッフ N
赤磐ぐんぐん (就学前)
10月末に2日間かけて、コミュニケーションや問題行動に対するアプローチ(応用行動分析の概念や、効果的な結果を出している研究によって確証されたプログラム)をスタッフ全員で学びに
行ってきました。
子どもたちにスキルを教えていくためには、人間の発達や行動原理から学んでいく必要があります。
たくさんの刺激を受けて帰り、それをもとに実践をした11月・・・。まずはコミュニケーションについて見直しました。
私たちがコミュニケーションを教える時に意識している重要なスキルが2つあります。
人へ大切なメッセージを伝える“表出のコミュニケーションスキル”と人から伝えられた重要なメッセージを理解する“理解のコミュニケーションスキル”です。
ぐんぐんの利用を開始するころには、何らかの形で要求(表出)することができるようになっているため、「指示に従えるようになって欲しい」「待てるようになってほしい」といった理解コミュニケーションへのニーズを持って来所される方が多い印象です。
そこで、理解コミュニケーションへのアプローチ(「目で見てわかりやすく伝える」「見通しが持てるように伝える」など)を開始してみるのですが、それだけでは、子どもは思ったように変化をしていきません。
それどころか、理解が高まった分、激しく泣いて拒否を訴えてきたり、それを回避したくてその場から離れてみたりと、子どもたちなりの表現で反応を返してきます。
子どもたちの要求は大人の想像以上に緻密であるはずなのに、正しく表出する術がないとしたら、それは上記のような強硬手段に出るでしょう。
圧倒的に表出する方の力が足りないんだ(教えてこなかったんだ)と思いました。
そこで私たちは、個々のケースに当てはめて、子どもたちが日ごろ不適切な形で訴えてきていることはないだろうかと話し合いをしました。
例えば、あそびの終了を伝えると聞こえていないかのように振る舞う子
遊びに加えてもらおうとして近づくと、大きな声を出す子
初めて見る課題に反応して、離席をする子
「いやだ」と言って『さようなら』と書かれたスケジュールを投げたり、ゴミ箱に捨てたりする子・・・などなど
リアクションの大小はありますが、こうした反応への対応は過干渉しないことだけで良いのでしょうか?
表出コミュニケーションを教えよう!!と学んだことは即実践に移しました。
その一例がこちら「えんちょうしてください」カードです。
あそびの終了を伝えると聞こえていないかのように振る舞う子に、「えんちょうしてください」と伝えられたら、時間を伸ばすからねと、カードを見せながらあらかじめ伝えておきました。
ところが、タイマーが鳴っても、すぐにはあそびを辞めようとしません。
カードに対して見向きもしません。
↓
あそびに後ろ髪をひかれている子どもの手をとって、カードに触れさせ、台紙からはがしてスタッフに手渡すことをサポートしました。
↓
受け取ったスタッフは「分かった。延長しましょう。」と、にこやかに答えます。
↓
えっ?いいの!?
あそびの時間が延長されて、子どもはご機嫌です♪
延長分のタイマーが鳴ると今度は、自分からカードに手を伸ばしました。
それをはがして、スタッフに手渡し、延長してもらう、を繰り返します。(しかも、タイマーの音にはしっかりと反応していました(笑))
↓
その日のうちに正しいコミュニケーションスキルの獲得に成功しました。
(以降、タイマー音を無視したり、脈略のない話を一方的に始めて片付けの開始を遅らせたりするような行動は一切しなくなりました。)
このように、子どもにとって便利なコミュニケーションは、本当に短時間で獲得していくことがよく分かりました。
行動上の問題を「理解」だけで補おうとしても、なかなか解決していかないことが、「表出」を教えることで劇的に改善していく様をみて、理解と表出はきちんと両輪で教えていく必要があるのだと再確認することができました。
遊びに加えてもらおうとして近づくと、嫌がって大きな声を出していた子も「やめてください」カードをすぐに扱えるようになり、今では身につけて持ち歩き、穏やかにお断りできるようになりました。
伝えられない、伝わらないイライラが減ってくると、遊びに集中できるようになったと思います。
勉強することは大変なことも多いけれど、そこで得た情報は即支援に活かせる環境があり、それに応えてくれる優秀な子どもたちと、一緒に学んでくださる保護者のみなさんがいるから頑張れます。
さぁ今一度、子どもからの表出コミュニケーションを見直し、人に伝えて価値のあるものへと充実させて教えてみませんか?
ぐんぐんスタッフ K
ぐんぐんキッズ (小1〜)
山も色づき、暖房のいる季節になってきました。
インフルエンザが流行ってきているみたいなので、皆さん気を付けてくださいね。
10月31日はハロウィンだったので、キッズも毎年恒例のハロウィン週間でした。
子どもたちも前の週ぐらいから「いつハロウィンのやつするん?」ときいてきたりと、楽しみにしてるようでした。
今年はラキューでかぼちゃやおばけなどを作る ハロウィンのぬりえをする 体育館で宝さがしをする 箱の中に手をいれて何が入っているか当てるなどのことに取り組んでもらいました。
取り組むことができたら先生からサインやイラストをもらい、サインやイラストがマスの中に全部たまったらお菓子がゲットできるようにしました。
お子さん一人一人目的が違うのですが、箱の中に手を入れたけど何が入っているかわからないとき 宝さがしで見つけることができないとき「ヒントください」などの援助要求の練習、ラキューやぬりえができたとき「できました」などの報告の練習、自分の順番がくるまで待つ練習、あるお子さんは物がないときすぐさがそうとせず「ない。」と言ってしまうので、宝さがしで“探す練習”をしました。
援助要求スキルは、将来職場で働く上で求められるスキルなので大切です。
また、少し探したら見つかるところにあるのに援助要求ができても、それは常に人の手をとらせてしまうことになるので、物をよけたり、机の下をのぞきこんだりして探すスキルも大事です。
どちらのスキルも、「ちゃんとしなさい!」という教え方では具体的にどうすればいいかがわからないので、スキルは身に付きません。
“場面を設定して教える”ことで、子どもたちは成功体験の中からスキルを身に付けていくことができます。
箱の中に何が入っているかわからないときに「ヒントください」と伝えることができたり、皆活動に意欲的に取り組むことができていました。
「どうせお菓子じゃろ。」と言っていたお子さんもお菓子をもらうとすごく嬉しそうでした。
また、一人ひとりに合わせた活動で イベントを考えていきたいです!
ぐんぐんキッズ療育スタッフ D
![]()
グループホーム寄付 御礼
いつも温かいご寄付、ありがとうございます。
いよいよ、これまでの「グループホーム ほっぷ 1」より少し自立度の高い暮らしを行っていくための「グループホーム すてっぷ 1」の開設を目指し、建設計画も動き始めました。
2021年4月の開設が目標です。
【 「すてっぷ 1」へのご寄附をいただいたみなさま 】
○ U.T 様(岡山市)
令和元年11月25日現在:「すてっぷ 1」寄付金 20,000円となりました。
これまでの「ほっぷ 1」へいただいたご支援と同様、よろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。
![]()