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令和2年4月30日

 

 第264号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 264号 目次

     コロナの悶々

     即実践講座の報告とお知らせ

     育てる会総会のお知らせ

     世界自閉症啓発デーの報告

     水泳教室・OHAの会 の お知らせ

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「新版 大人の発達障害に気づいて・向き合う 完全ガイド

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 

 

春です。野も山も緑に包まれて、新緑の季節に輝いています。
それなのにコロナウィルスの影響で、自宅で悶々と暮している人が多いことでしょう。
かくいう私も出来るだけ自宅でお仕事させていただいております。
65歳以上は、“ハイリスク世代”だそうです。出来るだけ買い物にも行かず、友人とも会わず、仕事も自宅にて行うような暮らしです。
おかげで今のところは、コロナ禍にも遭わず元気でおります。
育てる会では、療育事業所を運営しております。
3つある事業所を総称して「ぐんぐんグループ」と呼んでいます。
このぐんぐんグループで行っているコロナ対策は、まずは手洗い消毒、子ども達や指導員の先生が触る場所や教材の消毒、そして来所できないご家庭への電話によるサポートです。
お子さんにとっての日々は、毎日待ったなしです。いつもと同じが大好きな、予定変更の苦手な子どもたちが、今どんな暮らしをしているのか・・・ 私たちは,丁寧に聞き取りながらお母さんの子育てのお手伝いができたらと思っています。具体的なお話しは後のぐんぐんグループの報告をご覧ください。
これはおもちゃの消毒をしているところです。
手すりや子どもが触ったところは,子どもが帰ったらすぐに消毒して次の子どもたちが来る前に整えています。
スタッフには,手作りマスクを配布しました。
これは友人の手作りマスクです。
私が以前やっていたパッチワークの生地を使って、作ってもらいました。
「ゴムのひもがなくて困っている」とネットで話すと、石川県からWさんがゴム紐を送ってくださいました。
いろんな友人知人のおかげで、なんとかかんとか子どもたちの支援が続いています。
頑張ろう!子どもたち、そしてお母さんたち!!ついでにお父さんおじいちゃん、おばあちゃんもね。
ぐんぐんグループの児童発達支援事業所の方は、保護者同室です。お母さんだけでなくお父さんも一緒に来られる方も多いのです。おじいちゃんおばあちゃんも来られますよ。
熱心なご家族が多くてとてもありがたいことです。こんな風に家族に見守られながら育つ子どもは、きっと幸せになれると思う私です。

ところで、皆さんのお子さんは、どんな新学期を迎えられたでしょう。
いつもと違うことが受け入れられない自閉症の彼らが、何とか折り合いつけて、がんばってくれているでしょうか?
我が家の哲平君は、自動車部品会社にお勤めしています。
会社では、コロナの影響のため自動車の生産量が落ちてきていることを受けて、現在は仕事も減っているそうです。
それに加えて会社独自の就業自粛もあって、先々週からしばらくの間は週休4日の勤務になりました。できるだけステイホームに協力されているそうです。
家にいることが多くなった彼の日常について、お話ししましょう。
32歳になる息子哲平の日々の暮らしはどんなだと思いますか?
休みの日でも彼は、とても早起きです。
毎日4時には目覚めて、それでもしばらくはお父さんの部屋でパソコンなどをしているのですが、5時頃からはいよいよ活動開始です。
会社へ行く日も同じころの時間に起きますので、体がそうなっているのでしょう。
私なんかは、休みの日は、できるだけ長く寝ていたいと思う方で、いつまでも布団の中でごろごろしているのですが、息子のいる日は、早くから彼のやる掃除機の音で目が覚めます。
「うるさいな〜」と思いつつ、仕方なくお布団から這い出すというお休みの朝です。
さて、それからが、またいろいろあります。
彼が始める洗濯機が、音を立てて、たくさんの洗濯物を頑張って洗っています。
その後は、モップを持って、家中の掃除機が終わった床面を拭いていきます。
そうこうしていると、洗濯が洗いあがります。すると洗濯干しが始まります。
とても丁寧に風で飛ばないようにピンチをつけて干していってくれます。
息子のいる日は、お父さんも私も家事はお任せです。
私は朝ごはんの用意だけで、後は、お花を眺めたりテレビを見たりして、のんびり過ごします。
その間哲平は、食後の食器洗い、お花の水やり、などをテキパキしてくれます。
そして、スペシャルオリンピックス(SO)陸上の練習予定だった日には、近くのふれあい公園まで父さんと一緒に出掛けて、1時間ほど、しっかり走ります。
SOの練習は、コロナの影響でお休みなので、一人(同じく練習に来ている I 君と出会うことも多いそうです)で自主練習です。
でも、みんな自分のペースで走っているので、哲平、I君、お父さん、それぞれ自然に大きく離れてのランニングだそうです・・・・
お昼前には帰ってきて、昼ごはんの用意を始めます。足りない食材があれば、リストを持って、買い物に行ってくれます。
そしてお昼ご飯作りが11時半ごろから始まります。
彼の得意なランチメニューは、チャーハン・焼きそば・おにぎりと卵のスクランブルとソーセージのゆでたのなどです。
大体、これのローテーションで、休みの日には昼食を繰り返して作ってくれます。
夏になると、ここへ冷やし中華やそうめんが加わったローテ―ションです。
昼ごはんが終わると食器を洗ってくれます。そうして後は本人が好きなことをやる時間です。
テレビを見たりネットサーフィンで好きなアイドルのホームページへ行ったり、ユーチューブを見たり、楽しく時間をつぶしています。
午後遅い時間になると、庭の石堀りを楽しそうにやってくれます。我が家の庭は、まだ石がゴロゴロあって、それを掘り出してくれます。芝生の庭にするか、野菜つくりをするか、まだ迷っている私ですが、どっちにしても石は邪魔です。その石を去年からコツコツ掘ってくれる哲平です。
これが大変骨が折れる仕事です。以前の会報でも紹介したのですが、今までの石がたくさん庭から出てきています。
哲平はこの仕事が大好きなようで、嬉しそうににこにこ顔で掘ってくれています。
一時間掘って100円という労力には見合わないお駄賃ですが、そんなことお構いなしの哲平です。
夕方になると、また夕食準備を手伝ってくれます。
色んなことをやりたがる哲平です。

私は、ここで今こんなことを書いてているのは、皆さんに伝えたいのです。
まだお子さんが小さくて、こんなに大変でこれからどうなるか、心配でならない・・・そんな風に思っておられるお母さんたちに、こんなに安定して楽しそうに暮らしている私の息子の事をお伝えしたい。
それが、皆さんの希望のようなものになればいいなと思うのです。
わが子は、小さい頃大変でした。思うようにならないとパニック、何が原因かわからないけれど、怒って泣きさけぶ・・・そんな暮らしが毎日毎日続きました。
しんどくて疲れ果てて、この子と一緒に死んでしまおうか・・・そんなことを考えたこともありました。
でも、今こんなに活き活き楽しそうな息子がいます。一緒に死ななくて本当によかった。そんな風に思うのです。
こんな風に一日をのんびり楽しそうに過ごしている哲平と私です。
今月は、コロナの影響で外出も研修も講座もキャンセルになりました。
そんなわけで話題も少ないこの会報ですが、小さいお子さんを育てている皆さんに息子の日常をお話することで、元気をお届けできたらと願います。
子どもが小さいと、これから先この子がどんな育ちをしてどんな風に大人になるのか、不安でならないという風に思われている人が多いと思います。私もそうでした。
先輩のお母さんから、「思春期になったら大変よ」とか、「今は小さいからいいけれど、大人になったら、力も強くなって、それはそれは大変なんだから・・・」などといっぱい脅かされてきました。
でもそれは杞憂でした。思春期こそ成長が加速した感がありました。
息子は、思春期に指示が通るようになりました。
それまでは、家から飛び出しても決して帰ってこなかった子が、家から飛び出さなくなったのは、小学校高学年の事でした。
家事を教えたら、しっかり学ぶようになりました。中学部の頃、ローマ字を教えたらすいすい覚えて、パソコンが出来るようになりました。
九九を教え始めたのは、これも中学部の頃でした。哲平に教え時が来たと思ったものでした。計算がいくら教えても出来にくかったのに、足し算・引き算が暗算でできるようになっていきました。
なんでも教えたら覚えるという時期がありました。学校から帰ってくるのを待ちかねるようにして、色んなことを教えていきました。
教え方には、コツがいりました。
自閉症でしかも重度の知的障害を併せ持っている子ですから、普通に教えたのでは解りません。けれど、こうすればできるというやり方がありました。
それを教えてくださったのは、愛媛のトモニ療育センターの河島淳子先生でした。勉強して学んで取り組みました。親がやらないとならないという風に私は思っていました。
無理をさせずに子どもに合わせて,少しずつ・・・丁寧に取り組むことを教えていただいたのは、TEACCHの先生方でした。
焦らず慌てず、諦めず・・・丁寧に取り組むことが大切でした。
出来る事と出来ない事の見極めも大切でした。出来そうもないことをしつこく取り組むような無駄なことはしませんでした。時間は限られていますから。
お手伝いの大切さを教えていただいたのは佐々木正美先生でした。
将来の就労に向けての身につけておくことのアドバイスをいただいたのは上岡一世先生でした。
色んな先生方から学ばせていただいて、今の息子はいます。ありがたいことです。

さて、色んなことを話しました。皆さんこの忙しいいつも子供が家にいるという状況の中で、どう暮らすかは、とても大切なことです。
家で取り組めることが、たくさんありますよ。
家事を教えてみませんか? 
これまでも、何度か会報で紹介させていただいたように、私が息子に家事を教え始めたのは、小学五年の夏休みでした。
長い夏休みを利用して、朝起きてから昼までの家事を二人で取り組みました。
掃除機・モップ・洗濯干し・食器洗い・お米洗いなどたくさんある家事を手取り足取り教えていきました。
夏休みの初めの頃は、とても忙しく、あまりの大変さに「こんなことなら自分でした方がよっぽど楽だ」と投げ出したいくらいでした。
でも、夏休みの半ば過ぎたあたりから、哲平は,家事を習得して殆ど一人でやれることが増えていきました。
教えれば身につく・・・そんな時期は、必ず来ます。一人一人時期は違うと思いますが、我が家の場合は 10歳の夏でした。
早すぎると教える手間が半端ないし、子どももお手伝い嫌いになります。それと教えるコツは、本人がやりたがるように導く必要があります。
我が家の場合は、お手伝いのたびにお金を渡しました。
食器洗いは、一回20円。お米洗い20円、掃除機は20円。モップは10円。水やり10円、洗濯干し20円。買い物は、荷物が多いときは50円、少ないときは20円。そんな調子でお駄賃を払いました。
この金額は、それから20年以上経った今でもおんなじです。
哲平は、お金が欲しいので喜々としてお手伝いをやりました。もらったお金でジュースを買ったり、好きな本を買ったり、お菓子を買ったりしていました。
今はお給料をたくさんいただいているので、家事はしなくても何でも買えます。それでもお手伝いをしてくれます。
お金はあっても、もっと貯めたいらしく、頑張る哲平です。いい子なんです。親は助かってます。

さて、そんな哲平ですが、実は困った癖があります。
私はこの頃、常備菜作りや煮物作りに精を出しています。三度三度の食事を家で摂るので、さっと出せるようなおかずが必要なのです。煮物は少し時間をかけて煮込んだりします。
煮込んでいて、キッチンから少し離れます。他の用事でほんのちょっと目を離すと、てきめんに火が消えているのです。
カレーやシチュー、おでんなんかを煮込んでいる時も同じです。
はじめは、IHが自動で切れたのかしら? と思っていましたが、こんなことがあるのは、必ず哲平が家にいる日です。
さてはと、気をつけて見張っていると、IHにスイッチが入っていると、通りすがりに彼が消しているのです。どうして消すのか聞いてみると、「お母さん焦げる!」と言うのです。
以前何度かうっかり煮詰めて焦がした私のことを信用していないらしいのです。
煮物なんか途中で火を止められると、いつまでたっても出来上がりません。
それで今はこんな張り紙をしています。
消そうと手を伸ばす哲平に,「見て!!」と言いながら火を消さないように教えています。
いろんなことやらかしてくれる哲平が面白いです。
自閉症の息子のいる暮らしが、楽しくて面白くて、幸せな私です。

さて、息子の話はこれくらいにして、コロナの影響で育てる会の事業は軒並み中止や延期に追い込まれています。
そこで考えてみました。水泳教室やサッカークラブのように集まって体を動かすような運動系はコロナが収まるまでは中止せざるを得ませんが、勉強会や講座などはなんとかやれないかしら??と。
先日、今月の理事会をZOOMと言うアプリを使ってやってみました。
これまでいろんな行事を休んでいても、月1回の理事会だけは休まず行っていました。
折しも年度はじめです。来年度からの新理事の候補の方たちもオブザーバーで参加する最初の理事会は、インターネット越しとなりました。
事務局では、各部屋に分かれて4台のパソコンで参加しました。
   
残りの理事さんは、それぞれのご家庭からの参加でしたが、思ったよりスムーズに意見交換ができました。
この経験で分かったことは,相手が何人でも大丈夫ということです。
それならいっそこの時期、研修会や講演会もこれでやってはどうかということになりました。

今本先生にお願いしている今年度の即実践講座が、5月29日から始まろうとしています。
今年はどうなるのかしら??と、不安に思っておられる方もあると思います。コロナが収まっていないので、申込するのもどうしようかと躊躇されている方もいらっしゃると思います。
そこで改めて再募集します。
岡山での今本繁先生の即実践講座も、赤磐での小田桐早苗先生の即実践講座も、予定通りの日程で、コロナが終息するまではZOOMで行います。
申込をしてくださった方には、ZOOMのミーティングIDをお送りいたしますので、別紙のZOOM参加方法をご確認いただき、操作テスト・操作確認を行ってください。パソコンでもスマホでもOKです。
ただスマホよりも操作方法が簡単なので、パソコンの方がお薦めです。ZOOMにどうしても入れない方については、欠席者としてDVDを送らせていただきますのでご心配なく。
毎回出席していただいた方には、今年も先生からの講座の修了証を差し上げます。
会場に行って直にお話は聞けませんが、先生もご自宅からの配信になりますし、参加者も家からお話が聞けて、楽に勉強が出来るというわけです。
ただ、あの会場の一体感がないのはとても寂しいので、コロナの終息が早ければ随時会場にて開催したいと思います。
いかがでしょうか? 参加を迷っていらした皆さん、是非この機会に育てる会の開催する即実践講座に申込をしてください。今回もう一度案内チラシを入れさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
岡山市で開催予定の即実践講座、今年度の講師はABC研究所の今本繁先生です。
ABAは、自閉症支援にとって大切な学びの基本だと思います。私たちは、ABAについての学びがまだまだ足りてはいない状態ではないでしょうか? 
昨年度に講師をお願いした梅永雄二先生からのご紹介を受けて、今本先生にお願いすることが出来たことを大変光栄なことと思っております。
岡山で初めてのABA連続講座です。こんな機会はまたとないと思われますので、どうかふるってご参加いただきたくご案内申し上げます。
赤磐市との共同主催の即実践講座の方は、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生をお願いしております。
昨年の諏訪利明先生に続いての川崎医療福祉大学TEACCH部の先生です。自閉症支援を丁寧に基礎からわかりやすくお話しいただく予定です。
赤磐市より補助をいただきますので、赤磐市在住・在勤者に限り、無料といたします(資料代のみ必要)。岡山、赤磐両方とも、当面はZOOMで行いたいと思います。
なお、5月22日に予定していた藤井直基先生の講演会は、実際に参加者の方に体を動かしながら学んでいただきたい内容ですので、コロナが終息して、もう大丈夫と思える時期まで延期させていただきたいと思います。
また、先日の総会案内(まだ、委任状を送っていただいていない方は、メールでもいいので必ずお願いしますね)と一緒にいただいたアンケートに希望されていた、正会員対象の勉強会やOHAの会についても、コロナが終息するまではZOOMで行いたいと思っています。
正会員の方には、別紙にZOOMの参加方法を紹介していますので、空いた時間に確認をしておいてください。(もし導入手順などで分からないことがありましたら、事務局 Tel.086-955-6758 まで連絡ください 担当:延原)
勉強会ごとに、参加を希望される方に向けてミーティングIDをお送りします。この方法なら、家から気軽に参加できますので、小さいお子さんのおられる方などは、今よりかえって参加しやすくなるかもしれませんね。
色々変更が多く,大変な時期ですが、皆さん心を強く持ってコロナウイルスに打ち勝とうではありませんか。
毎日、免疫力を高めるというR1のヨーグルトと、麹で作った甘酒を飲みながら頑張っている私です。皆さんもお元気で!来月号でお会いしましょうね!!
(鳥羽 美千子)

令和2年度 支援者対象 
     現場の先生のための即実践講座

いよいよ5月から、令和2年度の即実践講座が始まります。
代表の巻頭文にも書かせていただいた通り、令和元年度に講師をお願いした梅永雄二先生のご推薦で、応用行動分析(ABA)の専門家であるABC研究所代表の 今本 繁 先生 による、岡山で初めての、ABAの基礎から実践までを本格的に学べる連続講座です。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、5月6日以降の期限延長も検討されるような状況ですので、第1回はWEB開催(ZOOM)で行う予定です。
申込された方に導入方法、参加手順をお知らせします。当日、開始前に招待メールをお送りしますので、パソコンやスマホの前でご用意をおねがいします。
なお2回目以降の予定については、その都度会報でお知らせしますので、忘れずご確認ください。
会場開催の場合は、原則、岡山県生涯学習センター(岡山市北区伊島町3-1-1)となります。
内容や日程などは、今月もチラシを同封しておりますのでご覧ください。

  【 令和2年度 第1回 即実践講座 】

日 時:令和2年5月29日(金)19:00〜20:55
場 所: WEB開催(ZOOM)
テーマ:「応用行動分析ABAとは?」
講 師:今本 繁 先生(合同会社 ABC研究所 代表)
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円(全10回分) 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2020sokujissennew.pdf

令和 2 年度 支援者向け 
    発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐 
          (自閉症支援技術 レベルアップ講座)

今年度の赤磐市での夜間連続講座は川崎医療福祉大学講師の小田桐早苗先生にお願いできることになりました。
今年から初めて自閉症児・者の支援を担当されることになった、学校の担任の先生、保育士のみなさん、施設の支援者の方々から、この機会にもう一度自分の支援を振り返ってみたいと思われるベテランの先生方まで、連続10回の講座ですので、しっかり学び合うことができると思っています。
自閉症の特性の理解の話から始めて、ライフステージごとの具体的な支援の方法まで、系統立てて学べる講座となっています。
今年度も会場の関係で、定員80名となり、また赤磐市と共同主催のため、赤磐市在住・在勤者の方を優先させていただきますが、定員までは他市の方も参加可能ですので申し込んでください。
詳しくは同封のチラシをご覧ください。
また、講座開始までの6月5日(金)までに、コロナが終息していれば問題ないのですが、今の現状では難しいと考えています。
その際には、岡山の即実践講座と同じく、最初の間はZOOMでの開催を準備しています。
申し込まれた方には、ZOOMの設定を導入方法、参加手順をお知らせしますので、まだZOOMをインストールされていない方は、あらかじめ準備をお願いします。
もしかすると、コロナが終息して、使わなくてもよくなるかもしれませんが、これからは、アチコチでオンライン会議やオンライン飲み会も行われると思いますので、無駄にはならないと思います。

  小田桐先生 夜間連続講座 予定

赤磐市での小田桐先生の「発達障害支援 夜間連続講座」の講義予定です。
本人への支援に加え、保護者に向けての家族支援のお話までお願いしています。
@ 6月5日(金) 自閉症の理解 @ 
           〜自閉症って、どのような人たち? 違いを知ることから 理解につながる〜
A 7月7日(火) 自閉症の理解 A 〜一人ひとりの捉え方をしることが支援につながる〜
B 8月4日(火) 支援の出発点となる本人の行動を把握する
C 9月8日(火) 行動の背景にある本人の視点を探る 
           〜どうしてその行動をするのだろうか?〜
D 10月6日(火) 一人ひとりの学びやすい環境をつくるためには?
E 11月24日(火) 幼児期 〜本人の発達と芽生えに焦点を当てた支援〜
F 12月 8日(火) 学齢期 〜大人への準備期間、何を大切にするか〜
G  1月26日(火) 成人期 〜「自分らしく生きる」を支えるための周囲の役割は何か〜
H  2月16日(火) 最も身近に寄り添う家族を支え、共に本人を支えるために
             私たちは何が出来るか
I  3月16日(火) 本人が自分に自信を持って生きていくための支援について考える
            〜一貫した支援の実現に向けて〜
講 師:小田桐 早苗 先生(川崎医療福祉大学 講師)
会 場:赤磐市立中央公民館 視聴覚室(赤磐市下市337)
    または WEB開催(ZOOM使用)
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料(資料代 7000円)、
      他市の方 一般 13000円・賛助会員 10000円(資料代別途7000円) 全10回分
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2020akaiwasokujissen.pdf
今後の予定は会報で案内いたしますので、確認をお願いします。
詳しくは同封のチラシをご覧ください。

令和元年度 支援者対象 
    現場の先生のための即実践講座

当初、当初3月6日(金)に予定され、コロナウイルスの影響で5月22日(金)に順延されていた、梅永先生による第10回 即実践講座ですが、いまだウイルスの拡散が続き、緊急事態宣言も発令されているため、今回も中止とさせていただきます。
再度の延期も考えましたが、コロナ終息のめどもたたず、梅永先生の今年度の予定もあることから、残念ながら開催は断念させていただきます。
つきましては、最後の第10回の講義は、諏訪先生と同じく、ビデオ講義とさせていただきたいと思います。
受講生のみなさまには、ご迷惑をおかけすることになりますが、何卒ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
講義のブルーレイができあがりしだい、受講生のみなさまにお送りいたしますので、しばらくお待ちください。第9回まで休みなく参加された方には、修了証もあわせてお送りいたしますのでよろしくお願いします。

  【 第10回 即実践講座 】
    テーマ:「大人になって幸せになるために」

令和元年度 支援者向け 
    発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐 感想

諏訪利明先生の令和元年度の連続講座が終了いたしました。
最後の回は、コロナウイルスのためビデオ講義となってしまいましたが、一年を振り返っての感想が、参加者の方から寄せられておますので、一部ですが紹介します。

1年間ありがとうございました。これまで、支援=問題行動の解決 というスタイルがあり、環境の変化(卒業・転校)により支援が終了したことがありました。対象者が代われば、また新たな問題行動が発生し、解決に向けた計画を立てた最中、臨時休校になってしまいました。
今回、学べた問題解決プロセスを実践していけば、今までとは違った支援ができるのではないかと思いました。
(学校教諭)
仕事終わりの2時間、最後まで参加できるか不安でしたが、あっという間の2時間で、毎回はっとさせられることや、なるほどと思うことがたくさんありました。
また、参加するごとに対象の子が浮かび、Aさんにこういうことを実践してみよう、少しねらいを変えてみようかなと考えるきっかけにもなりました。
(放課後デイ)
支援させていただいている子供に、自信と笑顔を取り戻してほしい。素直な心を伸ばし、社会で生活していくには、今自分に何が出来るだろうといつも思っています。
子どもたちの特性の理解がまずは大切と思ってはいても、なかなか継続的に今回のように直接学ぶ機会を持つことが出来ず、これでいいのか、もっと違った方法はないのかと日々仕事をしながら悩んでいました。
今回、講座に参加することが出来、大変有意義でした。数々の自閉症啓発セミナーや講座を開いて下さる育てる会の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
多忙の中、遅くまで講義して下さった、諏訪先生にも本当に感謝しています。
いつもASDの方を一人の大切な人間としてしっかり理解された上で、明るく楽しく、そして気概のある講義を受けさせていただくことが出来、自分もそのようにありたいと切に思いました。
ワークショップで福祉の方から「福祉と教育だと、教育は教えなければならないことがあって大変ですね」と言われました。
教えなければいけないことをどれだけ子どもたちの笑顔を無くさないで教える場をもてるか、自分の仕事についてもう一度見直してみようと思います。
今は職場の理解も深まるよう、学んだことも少しずつ研修や日々の相談で、同僚や保護者にも伝えていっています。貴重な機会をくださりあ、本当にありがとうございました。
1年間ありがとうございました。最終回が中止になったのは残念でしたが、修了証書をいただけて嬉しかったです。
先日、滋賀県で開催されたアメニティフォーラムに参加した同僚が、先生が監修されたTEACCHの本を買って帰ってきました。読ませていただいたのですが、研修で勉強させて頂いていたので、内容がすんなりと入ってきました。1年間の積み重ねを活かして、これから支援していきたいと思います。また、どこかの研修で先生にお会いできたらと思います。最後になりますが、この研修を企画・準備して下さった育てる会の皆様、ありがとうございました。
(生活介護)
学生の頃のボランティアで、自閉症の子と出会ったことがきっかけで、現在の仕事を志しました。初めは分からない事ばかりで、日々の仕事にも追われ、自分の知識のなさに落ち込む毎日でした。
そんな中、この講座で一つ一つ丁寧に教えていただけたことは、とてもありがたいことでした。私は現在就労移行支援に拠点を移し、活動しています。ここには、今の子どもたちのように幼い事から支援を受ける機会に巡り合ってこなかった方が沢山おられます。それ故の苦労も様々経験されているようです。
最後の講座の中の「障害はマイナスではなく、違いである」「社会的な支援が整っていれば、障害受容につながる」という言葉は、非常に印象に残りました。すべての人が当たり前に、自分らしく幸せに暮らせる世の中であるよう、これからも自分にできることに取り組んでいきたいと思います。
(就労移行支援)
すべて参加できず残念でしたが、とてもいい勉強になりました。自閉症について専門的な勉強をしたことがなかったので、初めて聞く専門用語ばかりでとまどいの連続でした。質問時間はあてられたらどうしようとドキドキでした。
私自身、理解できたのは全部ではないですが、できることは現場で実行していきたいと思います。諏訪先生の話し方も、堅苦しくなく聞きやすかったです。
(子育て支援センター)
同じ赤磐市内の、普段なかなか交流することのない方々とも意見交換でき、有意義な時間でした。諏訪先生の優しい語りかけが素敵でした。BDもありがとうございました。(園)
赤磐市は遠かったですが、自分自身のリフレッシュにも少しなっていて良かったです。身辺自立スキル、余暇スキルなど、子どものころに教わる大切さをすごく感じます。利用されている方は成人されているので、変えていくのは難しい方も多いと思われますが、できるところを考えていきたいと思います。
知的障害(自閉症ではない)の方を支援するのにもいいのではと思えたこともたくさんありましたので、行動していきたいと思いました。また、諏訪先生のアンケートの回答や、修了証もありがたかったです。嬉しいです。
(障害者支援施設)

令和2年度 育てる会総会 のお知らせ

令和2年度の育てる会総会のご案内です。
【総会】 日 時:令和2年5月22日(金) 14:00〜14:30
      場 所:おひさまサロン(赤磐市和田194-1 おひさまハウス内)
例年なら正会員の方には、総会への出席をお願いしているのですが、今年はコロナウイルスの感染拡大防止のため、できるだけ少人数で行いたいと思っています。
ただ、そのためには委任状が必要となりますので、まだの方はメールで結構ですのであてに、委任状を送ってください。ご協力、よろしくお願いします。

世界自閉症啓発デーの報告

例年は、世界自閉症啓発デーに合わせて、赤磐市の職員の方や、地元シーガルスの選手のみなさんにも協力をいただいて、マルナカ山陽店前でチラシを配っているのですが、
今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、「さすがに、手渡しはまずいだろう」と、残念ながら中止の運びとなりました。
でも、せっかくの世界自閉症啓発デーで、啓発物品も用意していただいていたので、地元の区長さんの了解をえて、事務局の近辺のお宅にポストインさせていただくことにいたしました。
まずは、地元から自閉症への理解を広げていきたいという思いからです。
ちょうど春休み中で、託児に来ていた子どもたち(育てる会で働いておられる従業員のお子さん、小学生の子どもたちを、長期休み中はお預かりして、一緒に勉強したり、遊んだりしています。学童クラブの育てる会バージョンです)にも協力してもらい、手分けしながら、一軒一軒ポストインして回りました。
子どもたちもボランティアの体験ができてて嬉しそうでした。
ポストインした帰りには、みんなで近所の茶臼山古墳に登って、はしゃいでいる、例年とはちょっと違った「世界自閉症啓発デー」となりました。

水泳教室中止のお知らせ

コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、できるだけ三密を避けなければいけない状態が続いているため、残念ながら5月の水泳教室も中止とさせていただきます。
終息宣言がでて、安心できるような状態になりましたら6月よりは再開できればと思っています。
よろしくお願いします。

  【6月より再開の場合・・・実施の有無については、来月の会報でご連絡いたします】

日 時:令和2年6月21日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)
プールは育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は6月18日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
(担当:S & I )

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
本年度のOHAの会も、第1回はZOOMで開催の予定です。
参加申込をされている方には、開始前に招待メールを送りますので、同封の案内に従ってZOOMをインストールしておいてください。
よろしくお願いします。

「知的障害のないASDの子を持つ親のためのステップアップ講座 〜10の階段〜」

  【 令和2年度 第1回 OHAの会】

日 時:令和2年5月26日(火) 9:30〜11:30
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「第1回 味わって育てよう! 〜“普通”って何だろう〜」
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士)
参加費:全10回分 3,200円(前納)、1回払い 各500円
申 込:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748(正会員限定)

お母さんコラム

小4・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、3歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先月もお話しましたが、新型コロナウイルスの関係で、色々な変化にちょっと納得がいくようになったような、全然納得がいかないような、複雑な息子です。
「学校が始まる!」という前日に「やっぱり休み」ということで、アップダウンの浮き沈みが大きいです。私も仕事をしている関係で、預け先探しにバタバタしています。
息子がイライラすると、私もイライラ。私がイライラしていると、息子もイライラ。
さらに妹が乱入すると、息子がますますイライラ・・・と悪循環です。
そんな中、お願いしている託児先が工夫してくださって、「30分刻みのスケジュール」を組んでくださいました。
「朝の外遊びは9時30分まで」
「朝読書をして、朝の会、掃除」
「1時間目は国語の勉強(ドリルなどは持参)」
「2時間目は理科の勉強(春の花探し)」
「レクリエーションタイム(クイズを家庭で考えてきて順番に皆に出題)」
「11時30分からお弁当」・・・
というように、具体的に何をするかを示してくれました。
すると、本人がその日からピターッと落ち着いたのです。
「なんでそんなに落ち着いたの?」と聞くと「メリハリがあるから」
「なんか、『何してもいいよ』とか『午前中は外遊び』とか言われるだけだと、何していいか分からんから、ふざけすぎたりとか勝手なこととかしちゃうんよ」
「でも、時間がハッキリしてると、何をする時間なのかが分かりやすいし、自分で『ここであれしよう』とかも考えられるから、やりたいことも伝えられるし」 とのこと。
おかげで宿題ややるべきこともテキパキと進み、ストレスもほとんどなく穏やかに過ごせるようになっています。
「好きに過ごしていいけど、適切にね」は分かりにくいし、ASDの息子にとっては楽しくないんだなとしみじみ感じるエピソードでした。
一方、妹の方は、今のところ保育園が受け入れてくれているので、何とかなっています。
「手洗い、うーがい、ヤ〇〇ト!」という歌を工夫して、「手洗い、うーがい、可愛い○○ちゃん♪」と声をかけると、ニコニコで手洗い場に来てくれます。
パパが帰ってくると、「手洗い、うーがい、かっこいいパパ♪」と手洗いをポジティブに促してくれて、ほほえましいです。
新型コロナウイルスの影響で、お出かけや買い物など色々な規制がかかっていますが、家庭でじっくり遊ぶことで、庭先でお花見をしたり、絵を描いたりブロックをしたり、室内で風船バレーしたりダンス動画を見て踊ったり、色々工夫しながら過ごしています。
こういう時間を楽しめるようにするには、親の側の心の余裕も大事だなーとしみじみ思います。
最近はネット会議やネット電話などで、直接出会えなくても人とつながりあえるので、工夫しながら乗り越えたいです。
が!ASD児二人の親の私は、かなりASD特性が濃いので、やっぱり見通しがほしい!笑
やらざるを得ない新しいルーティン(例:忘れがちな手洗いうがい・苦手なマスク・息子の託児用の弁当作り・勉強チェック・買い物の時間や行く店の限定など)を受け容れるためには、いつものルーティンが重要のようです。
ダンス動画での運動、車内カラオケ、スマホアプリゲームを定期的に取り入れながら、毎日ニコニコでいられるよう、平常運転、心がけます。
次回もお楽しみに!
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

今年は暖冬の影響で桜の開花が早かったですね。
ぐんぐんぴっぴは、少しだけお部屋の中をリニューアルし、新しいお子さんも迎えて新年度をスタートしました。
ぐんぐんぴっぴでは、親子同室で療育を行っています。保護者の方と一緒に、療育の中で見えたお子さんの姿から自閉症の特性やお子さんの学習スタイルを確認し、お子さん一人ひとりに合った関わり方や工夫を保護者の方と共有する時間を大切にしたいという思いを持っています。
本人に合った関わりや工夫が家庭や園の生活場面の中でも行えると、お子さんのご誤解や不安が減り、安心して自信を持って生活できることに繋がっていくと考えています。療育の中で、保護者の方とお子さんについてお話しする時間が持てるように心がけています。
先日の療育でのお話です。
Aちゃんには『一緒に遊ぶ支援者とアイコンタクトをとりながら関わってあそぶ』があります。
「せんせいとあそび」の時間に、Aちゃんが興味を持てそうな遊びをいくつか用意し、一緒に遊ぶ中でアイコンタクトが取れるように関わるようにしました。
ピーナツ型のボールがAちゃんは気に入ったようで、ボールに乗って「ピヨピヨピヨ」とひよこの真似を始めました。
そこで、支援者もAちゃんのしている事を真似してみました。すると、自分の真似をされている事に気づいたAちゃんは笑いながら支援者の方へ視線を向け、アイコンタクトがばっちりとれました!!
しかし喜んだのも束の間、Aちゃんの視線は近くにあった別のおもちゃへ・・・。楽しい遊びが終わってしましました。
「せんせいとあそび」の様子を見ていたお母さんに、なぜ遊びが終わってしまったのかお聞きすると、「他の遊びが見えたからだと思います。」と答えが返ってきました。
お家でも、朝の準備の際におもちゃや気になるものが目に入るとストップしてしまう事があることも教えてくださいました。
そこで、お母さんと一緒に活動に集中できるための工夫を一緒に考えることにしました。「気になるものはAちゃんから見えない所に置いておき、使う時にだけ出すようにする」ということにしました。
さっそく、「せんせいとあそび」の際に、お母さんと一緒に考えた工夫をしながらAちゃんと遊んでみました。
その結果、Aちゃんの姿には変化が見られました。楽しい遊びの際に一緒に遊ぶ支援者へのアイコンタクトが増え、遊び自体が長続きするのです。お母さんと一緒に考えた工夫がAちゃんにぴったり合った様です。
後日、ご家庭でもお着換えの時に、おもちゃなど気になるものが見えないように、部屋の家具の位置を工夫したところ、着替えに集中できるようになったとお聞きしました。
このように、保護者の方と一緒に考えることで、家庭や園の生活にも活かせるお子さんに合った関わり方や工夫を見つける事ができると思います。
お子さんあった関わりや工夫が家庭や園生活の中でも活かされたなら、お子さんたちの安心や自信に繋がることでしょう。今後も保護者の方と一緒に考える時間を大切にし、一緒に試行錯誤しながらお子さんのできた!分かった!の経験に繋げていきたいと思います。
今年度も、お子さんの成長を保護者の方と一緒に喜び合える一年にしたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ N

赤磐ぐんぐん (就学前)

2020年度が始まって約一か月が経ちました。
いつもであれば、「クラス替えで先生やメンバーが変わりましたが、お子さんはどうですか?」「入園されてみて、園の様子はいかがですか?」とお伺いする時期ですが、今年度は様子が違います。
新型コロナウイルス感染予防の影響で、登園自粛になったり、お出かけや習い事やお買い物などに思うように行けなかったりと、変化の苦手なASDのお子さんたちにとってはなかなかしんどい状態のようです。
またお子さんたちを見守るご家族は、今の状況に対するストレスと今後に対する不安感をよく口にされています。
赤磐ぐんぐんでは、新型コロナウイルスは「飛沫感染と接触感染が多い」「健康管理と手洗いと換気がポイント」との厚生労働省からの指示を受け、職員の毎日の体温測定と体調チェック、療育以外の時間も含めマスク着用、療育直前までの換気、取っ手や手すりなどの毎時間の消毒、玩具などの除菌消毒などを職員総出で実施しています。
また、ご家族に協力をお願いし、お子さんとご家族の体温測定、入室前の手洗い、お子さんとご家族のマスク着用(感覚過敏などがある場合は無理しないようにしながら)などを行っています。
このような対策をしながら、赤磐ぐんぐんでは、「できるだけ普段通りの楽しい療育」を行うことで、たくさんの変化の中、「ぐんぐんはいつもと同じだ」ということが、お子さんたちにとってもご家族にとっても、安心につながるといいなと考えています。
ご利用を自粛するご家族には、電話やビデオ電話などによるリモート療育を実施することで、自粛中でもご家族へのサポートを続けています。
早く色々なことが収まって、本当の意味で「いつも通り」が戻ってくるといいなと思っています。
最近の赤磐ぐんぐんの様子をお知らせします。
赤磐ぐんぐんでは、保護者同室の療育(お子さんと同じ療育部屋に入っていただき、目の前で支援の様子を直接見ていただく)を行うことで、これまでも、お子さんの課題を確認したり、アドバイスをしたり、関わりのモデルを示すことを行ってきました。
ご家族からはお子さんの成長を感じていただきながらも、「先生と同じようにはできない」「家で何から取り掛かっていいか分からない」など、療育と家庭の連携が課題であることを感じていました。
そこで、今年度の赤磐ぐんぐんは、特に「ご家族と一緒に」を療育の大きな柱にして行っていこうと考えて療育を行っています。
療育の中で見られた様子から、それぞれのご家庭に課題を「宿題」という形で提案するようにしました。
「宿題」と言われると、なんだか小さい頃を思い出して「えー!」と構えてしまう方もいるかもしれませんが、ご家庭でご家族が取り組んでみる最初の一歩として、それぞれのご家庭で取り組めそうなことをお願いしています。
4月の療育では、お子さんの自発のコミュニケーションの評価シートを全員の方につけていただきました。
保護者同室なので、お母さんのご都合が悪い時には、お父さん・おじいちゃん・おばあちゃんなど、色々な立場のご家族が参加されますが、どの方にも!お願いしました。
最初は、支援者が「あ、今お子さんが『ブロックだよ』と見せてくれましたね。自発コミュニケーションです」「△ちゃん、じっとお母さんを見ていますね。これは何を伝えたいと思ってのコミュニケーションだと思われますか?・・・そうです、合っていますよ。いいですね」など、ヒントを出しながら記入していただきました(どの方も協力してくださいました。ありがとうございます!)。
そして、その日の療育中に支援者とご家族が、そのシートを一緒に見て、お子さんにどういうコミュニケーションの特徴があるかを確認し、見えてきた課題に取り組もう、ということが宿題になります。
翌週の療育の際には、取り組んでみてどうだったのか、難しかったか、どんな発見があったかを確認し、そしてまた次の課題につなげていく形にしています。
例としては、「独り言なのか、コミュニケーションなのか分からないものが多かった」と言われたご家族がおられました。
そこで、「今日の療育では、大人が反応しない時、独り言の時はそのまま話し続けていて、伝えたいことがあると再度伝えに来たり『聞いてる?』と確認したりしているようなので、大体ざっくり何割ぐらいが独り言なのか教えて下さい」ということを宿題にしてもらいました。
翌週、ご家族から「ほとんど独り言でした! 頭で思っていることが口から出ているだけだったみたい」というお話がありました。「こういうのは独り言、こういうのはコミュケーション」と気づくことができ、他の方にも説明できそうな様子でした。
また「マイペースに黙々と遊んでいて、周りに関わろうとしていない」と言われるご家族がおられました。
そこで、「本人がしている隣で少しオーバーに楽しそうに遊んでみると、本人がどうなるか、療育でやってみますね」とお伝えし、関わってみました。
すると、本人が良く注目して支援者の取り組む様子を真似ることがあったため、「こういう感じで、おうちでできそうですか?」と尋ね、それを宿題にしてやってみていただきました。
翌週、ご家族から「本人が良くこっちを見て遊ぶようになってきました。今まであまりこっちが意識していなかったけど、私の意識が変わりました。続けていきたいです」とお話があり、「でも、夢中で遊んでいるとやっぱりマイペースになります」と、次の課題までご家族が見つけられる様子もありました。
宿題に取り組んでみて、「ちょっと難しかった」「思うように取り組めなくて、こうなった」などのお話をしてくださる方もおられました。
うまくいかなかったことを教えてくださることで、私たちも一緒に次のステップを再度検討し直すことができます。ご家族にとって、ちょっと言いにくいことも教えてくださる関係性が、とても嬉しいなと感じています。
週一回の療育だけでは、お子さんが何か魔法にかかるように行動が改善するということはありません。
けれど、ご家族が療育のスタッフと一緒に考え、ご家庭でご家族が取り組めそうなことから少しずつチャレンジしていかれることで、必ずお子さんの成長につながっていくと思います。そのお手伝いができることを嬉しく感じながら、毎日の療育を楽しんで取り組んでいきたいと考えています。
さて、今年度も赤磐ぐんぐんでは、川崎医療福祉大学准教授の諏訪利明先生からのコンサルテーションを受けています。
諏訪先生は、「ふしぎだね!?自閉症のおともだち」「こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援」などASDのお子さんについて分かりやすく説明してある本や、「わが子が発達障害と診断されたら」などのASD児を持つ保護者の気持ちに寄り添う本を共著されています。また、全国に6名しかいない「TEACCHR公認上級コンサルタント」という先生です。
そんな諏訪先生に直接のご指導をいただける幸運に感謝しながら、今年度もASDのお子さんたちとご家族と共に成長していけるよう、丁寧な実践を積み重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
赤磐ぐんぐん スタッフM

ぐんぐんキッズ (小1〜)

いつもなら、桜の開花をよろこび花見を楽しむ4月ですが、今年はそうもいきません・・・。
2月末の突然の休校から、春休みが終わってさらに休校が伸びました。
4月に入学式を迎えた新1年生も学校に慣れることもできず、学校に毎日通うことができない日々が続いています。
家で過ごす時間が増え、家族と過ごす時間が増えたからこそできることもたくさんあると思いますが、少しずつお母さん方にも疲れの表情が見え始めているように感じています。
疲れの原因は、“見通しが立たない・・・” ことからなのではないでしょうか。
いつになったら学校が再開されるのか・・・。
これだけ長い休みが続いていると学校が再開されても行き渋るのではないか・・・。
先のことを考えたら不安はいくらでも出てきてしまいますが、気持ちが焦ってばかりではいけません。まずは気持ちを落ち着けることです。
“感情のコントロール”ですね。深呼吸、してみてください。“朝起きてすぐに深呼吸”とか、時間を決めてしてみてもいいと思います。
アロマオイルを買ってきて、お好みの臭いをかいでみてもいいかもしれません。
そして、自分が好きなことをする時間も作ってくださいね。
私の最近のお気に入りの過ごし方は、イヤホンを使ってスマホのYouTubeで音楽を聴きながら洗い物などの家事をすることです。食器洗いをしている時は、好きな音楽と水が流れる音だけが頭の中に響いています。とても集中できて洗い物もいつの間にか終わるし、好きな音楽を集中して聞ける。なかなかいい時間の使い方だなと気に入っています。
良かったら皆さんも試してみてください^^
今回もぐんぐんキッズで取り組んでいることをご紹介します。
ぐんぐんキッズにも新1年生が新しく入ってきました。
ぐんぐんやぐんぐんんぴっぴで使っていたスケジュールを使って、初日から自分で活動を確認して自分で自信をもって移動している姿を見ていると、“何をするかがわかっていること”、“自分でわかってできることがあること”が、子どもたちにとってとてもうれしいことなんだろうなと思います。
療育の中で、手洗いを取り組んでいるお子さんがいます。
手順書を見ながら手洗いをしています。袖をまくって、服が濡れないように気を付けるところから教えています。
教えるときはまずは先生とワークの1:1学習場面で教えます。
練習で手順書を見て正しい手洗いの仕方ができた子は、おやつの時間の前の手洗いの時も同じ手順書を使って手洗いをしてもらいます。教えてもらったことを即実践して上手にできたらソーシャルストーリーを使って、よい行動をほめてあげます。
そして、次は般化です。
できるようになったことをお家でも取り組んでもらいます。同じ手順書と頑張り表も持って帰ってもらいます。ぐんぐんキッズからの宿題です。
手洗いの宿題を持って帰ったお子さんの中には、家に帰って早速お母さんが手洗い場の所に手順書と頑張り表を貼ったそうです。本人の目につきやすいところに貼ったので、お子さんも自分から意欲的に取り組めているようです。“環境の工夫”をまずはじめに取り組んだお母さんはさすがです!!
「シールを子どもが好きなキャラクターの物にしてもらっているので、シールを貼ることも楽しみにしてがんばっています!」
「今までは、手は洗うけど、手のひらしか洗わなかったのに、手順書に手の甲も洗うと書いてあるのを見て、私が言わなくても手の甲もしっかり洗えています!車が好きなので車のシールを用意してもらっていますが、いろんな種類の車のシールなので、今日はどのシールを貼ろうかなと、シールを選ぶことも楽しみになっています。」
こんな感想を保護者の方からいただいています。
子どもたちのよい行動が続くのは、シールだけが理由ではありません。何を褒めたらいいかを具体的にしているので、お母さんからの褒め言葉も子どもたちのモチベーションになり行動が続いているのだと思います。
具体的なご褒美(今回のケースではキャラクターのシール。ここはその子に合わせた工夫が必要ですね^^)+「すごいね!」「上手だね!」など、その子がグッとくる褒め言葉、この2つを組み合わせることがとっても大事だと思います。
そして、ここだけでは終わらず、頑張り表は次の療育の時にぐんぐんキッズに持ってきてもらいます。
自分の頑張りを先生にも報告してもらいます。シールがたくさん貼れた頑張り表を子どもたちが見せてくれます。
「すごいね!!いっぱいシールが貼れたってことは手洗い上手にできたんだね!」先生からも褒められて、子どもたちも満足そうな顔をしてくれます^^
教えることが、あれもこれもとたくさんになってしまうと、褒めることができることもあれば、注意しなくてはいけないこともでてきます。そうなると、子どもたちは、褒められても、何が良かったから褒められたかがモヤッとしてしまいます。教える行動をしぼって、具体的にどこを褒めるかを決めて取り組んでみてください。
ぐんぐんキッズでも、目標を定めて取り組み、子どもたちが自分でできることを一つずつ増やしていけるように、これからも家族の方々と協働して取り組んで行きたいと思っています。
ぐんぐんキッズ スタッフ K
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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