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令和2年5月31日

 

 第265号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 265号 目次

     コロナに負けず

     即実践講座・保護者のための支援講座 お知らせ

     育てる会総会の報告

     はやぶさの会 報告

     水泳教室・AAO活動・OHAの会 の お知らせ

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「発達障害 &グレーゾーンの小学生の育て方

     近隣の講演会等のご案内

     ぐんぐんだより
        ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ 

 

吹く風が、「さわやかな5月の風だねぇ〜」と言っていたのもつかの間でしたね。
すぐに熱波のごとき暑さが押し寄せてきて、歳のせいか、はたまたいつもつけてるマスクのせいか、熱中症ぽい体のだるさと頭痛に悩まされた何日かでした。
皆さんお元気でしょうか?
新型コロナのせいで、日頃そんなに外出するわけでもないのに、「あそこへ行きたい」「ここへ行きたい」「あの店にもいきたい」「あれも欲しい」「これも食べたい」・・・と、際限もなく色々に思い続ける日々でございます。
さて、新型コロナは、私どものような親の会の活動にも 大きな影響を及ぼしました。
梅永雄二先生による即実践講座の前年度分は、コロナウイルスの収束を待って何度か延期したのですが、今年度の梅永先生の予定もあり、残念ながら遂に10回目を録画していただいた講義内容を送付させていただくことになりました。現在、頑張ってビデオを複製中ですので、受講生の方は今しばらくお待ちください。
今年度の今本繁先生の即実践講座については、募集段階からはじめの間はZOOMで行うことをお伝えして参加者を募ることになりました。
また、理事会や総会すらも集まることはできず、ZOOMで行いました。親の会の行事であるOHAの会をはじめ、小さい男の子たちの会である「はやぶさの会」もZOOMやLINEを使っての開催となりました。
また、色んな活動を中止せざるを得ない状況でした。
まずは、総会記念講演会の藤井先生による「自閉症児の身体の育ちを考える V 〜発達障害、ずれた歯車の戻し方(実技応用編)〜」を、中止にいたしました。
続いて、サッカークラブや水泳教室もコロナが落ち着くまでは、中止にするしかありませんでした。
緊急事態宣言は解除されましたが、これから第二波、第三波がやってくる可能性もあって、どうなりますか・・・。
でも、どうなるかはわかりませんが、育てる会の行事予定は、決めて行かねばなりません。コロナがあろうと、なかろうと、子どもの支援は続きます。
いざとなれば、ZOOMがあると思えば、少し楽な気分になります。
何度かZOOMで前述の会議や勉強会を行いました。
しっかり映像も見えますし、声も聞こえます。ZOOMは、家で参加できるため、会場までの往復時間も必要ないので、これはいいプラスの要素です。これからは、こういった形の会議が増えていくことになるのかもしれないな〜と経験してみて思いました。
時代はどんどん変わっていくのでしょうね。ついて行くのが、やっとの私です。
そういう訳で、前向きにこれからの事を考えていこうと思います。
まず初めに、次の予定であった笹森理絵さんによる講演会「1センチでも前へ! 母として、当事者として 〜私と三人息子は発達障害です。何か?〜」は、7月26日(日) ZOOMで行う予定です。
続いての講演会は、9月26日(土)に会場は予約することが出来ました。講師は、まだ未定ですが、これからお願いしていく予定です。
講師の先生方にとっては、会場で実際の聴衆の反応を見ながら話をするのと、顔も見えず反応もわからないまま、行うZOOMの講演では勝手が違うと思います。
でも、とにかく育てる会はZOOMでやっていこうと思っています。
どうぞみなさん、奮ってご参加くださいね。
ZOOM未経験の方には、事務局のスタッフが、懇切丁寧にお教えいたしますので、大丈夫です。初めてやった私でも出来ましたので、誰でもやれますよ。恐れずトライしてくださいね。
また、保護者対象の勉強会も行います。こちらは、川崎医療福祉大学の重松孝治先生にお願いして、連続講座といたします。こちらもZOOMでの開催です。
以下にこれからの育てる会の勉強会や講演会の開催予定をまとめますのでご覧ください。
5月29日(金):今本繁先生による 第1回 即実践講座
6月 5日(金):小田桐早苗先生による 第1回 即実践講座(赤磐)
6月19日(金):今本繁先生による 第2回 即実践講座
7月 1日(水):重松孝治先生による 第1回 保護者の為の自閉症連続講座
7月 3日(金):今本繁先生による 第3回 即実践講座
7月 7日(火):小田桐早苗先生による 第2回 即実践講座(赤磐)
7月26日(日):笹森理絵先生による 第1回 自閉症支援講演会
9月26日(土):第2回 自閉症支援講演会(講師未定)
以上です。それぞれの案内チラシを入れておりますので、まだ申し込まれていない方、今からでも間に合いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、コロナのせいで学校がお休みになってしまった育てる会のスタッフのお子さんを預かるための託児を行いました。
お休みが急に始まったので、いつものお願いしている託児の先生の確保が大変でしたが、なんとか新しい先生も見つかりこの大変な時期を乗り切ることが出来ました。
実は、育てる会では長期休みの間、育てる会で働いてくれているスタッフの子どもの預かりをしています。小学生から幼児さんまで、学年を超えて一緒に一日過ごします。
時間割を作って、30分ずつ、勉強の時間、レクレーション、読書、ビデオ、そうじ、昼ごはん・・、メリハリつけてしっかり過ごします。
託児のスタッフは保育の経験のある方が引き受けてくださっています。子どもたちは,楽しく楽しくみんなと遊び学び過ごしてくれます。スタッフは安心してお仕事できます。
  
この託児をしようと考えたのは、もちろんお母さんスタッフがお仕事しやすいためです。
良いスタッフの方に長くお仕事していただくためには、長期休みの預かりは絶対必要でした。
昔、私は障害のある子を抱えて、お仕事することが出来ないでおりました。もし育てる会の託児のような場所があったなら、私だって就職できたのではないかと思うのです。
私は、女性に優しい仕事場を作りたいと思ってきました。
育てる会は女性に優しい職場です。働くことが出来なかった私のような人を作りたくない・・・、そんな想いの託児です。

これはグループホームへ岡山市のTさんからご寄贈いただいた運動器具です。
乗馬をしているように、この機械は、ゆ〜っくり〜、そして速く動きます。
乗馬が趣味のMくんは、これに乗るのが楽しいそうです。お仕事終わって帰ってくるとうれしそうに乗っているのをよく見ます。
Tさん、ありがとうございました。
この写真で乗っているのはうちの息子です。

それでは我が家のお話を少しいたしましょうか。
我が家の次男哲平は、自動車部品会社にお勤めしております。
素晴らしい支援をいただいているおかげで、勤続14年になります。
そんな息子の会社もご多分に漏れず、コロナ禍の影響を受けて、お仕事減っているようです。
お休みが週に4日もあります。週休4日制が続いています。
電車やバスでの通勤も危ないとのことで、親が送迎をしていた時期が先日まで続いていました。ようやく緊急事態宣言の解除と共に、電車通勤がOKになりホッとしております。
そんな哲平は、5月の連休には家族で東京ディズニーランドへ行く予定にしていたのが、コロナの為に行けなくなったことが、辛くてなりません。何度も何度もいつ再開されるかを聞いてきます。母には解らないですよね、そんなこと。ディズニーの経営陣ではないのですもん。でも、何度も聞く哲平の為に答えを用意することにしました。
「10月、ディズニーランド開園します」、って書いちゃいました。
いくらなんでも10月には開園しているだろうと思い書きました。
でも、開園しているかどうかなんて、本当のところは、どの道解らないですよね。
東京旅行に行く予定の、11月時点で開園していなくても(まあ、大丈夫だとは思いますが)、その時はその時です。
無責任のようですが、仕方ありません。
哲平は、白か黒なんです。〇か×かどっちかなんです。どっちかにしっかり決めてほしい人です。
以前こんなことがありました。
私の実家の両親が、相次いで亡くなりました。
「おじいちゃん8〇歳」「おばあちゃん7○歳」「鳥羽美千子 何歳?」と聞くのです。
つまりおじいちゃんは、8○歳で死んじゃった。おばあちゃんは7○歳で死んじゃった。
鳥羽美千子は、何歳で死ぬのか?」という訳です。
はじめ私は、「それはわからないわ〜。何歳だろうね」なんて答えていました。でも、そんなあやふやな答えでは、納得してくれない哲平です。
何度も何度も聞かれて、私はエイままよと、「鳥羽美千子は、200歳まで生きます」と答えました。「これでどうだ!」
すると哲平は、納得したのでしょう・・・、2度と「鳥羽美千子 何歳?」を言わなくなりました。
私は、200歳まで生きる自信はないので、私と哲平の約束は、反故になる事は確実でしょう。
その時までは、哲平に安心して暮らしてもらいたいためのウソです。
そういう訳で、いろんな場面でこういうウソを哲平に対してついている私です。
でも、やりたいことが予定より早くなっても、これは嬉しい変化なので、混乱はしません。
ですからできるだけ嬉しいことは先に延ばして教えるというテクニックを身につける私です。
先日この哲平君が、我が家の周りをジョギングしていた時のお話です。
彼がジョギングするのは、いつも6時半ごろです。会社帰ってきてから走ります。
でも、週休4日の今は、4時半ごろ走ることもあります。そういう日の出来事です。
哲平は、大きな声で何やら意味の不明な言葉を言いながら、元気よく小学校の周りを周回コースにして走っています。ずいぶん離れたところからも彼の声が聞こえるので、今どの辺を走っているかがわかりやすいです。
人と出会ったら、挨拶しなさいと教えてきたので、哲平は、大きな声であいさつします。
市役所の駐車場の外を走っているときの事です。
「こんばんわ〜!!」
市役所の職員の方が、思わず立ち止まり「エエ〜??」という表情で哲平を見送られているのでした。
5月の事ですから、太陽はピーカンで照っていて、暑い日の午後です。
冬の6時半は、もう暗くなっていますから「こんばんわ」でOKですが、5月の4時半は、まだ「こんにちわ」ですよね。そんなことお構いなしの哲平君です。
見ている私は、素敵!!と思っているのですから、気楽なもんですね。
そんな哲平との暮らしです。

そうそう、先日参加したOHAの会のお話を少しいたしましょう。
OHAの会は、公認心理士の利守愛子先生をお迎えして、自閉症についてのお話を聴いた後、そのお話をもとに自分の悩みや質問もできるような、アットホームな集まりです。
今年度は、コロナの事があるので、第1回はZOOMで行いました。
利守先生のお話は、自閉症の子どもを持つお母さんにとても解りやすいものでした。
初めて自閉症と告げられて、どうしたらいいのかわからないという状態の方にも暖かく、寄り添うようにお話は進みました。
私が特にいいなと思ったのは、小道モコさんのお話を引用されたところや、ジム=シンクレア氏の「我々の存在を嘆くな」の引用は、これを読んだ当時を思い出し、新鮮な感動を味わいました。
ZOOMの良い所は、顔が見えないところです。どんな人がどんな顔でお話聞いておられるか、解らないのは、不便そうですが、一方で、そんなこと気にかけないで、お話にグングン引き込まれていって、学びが大きいということでしょう。
知的障害のないタイプの自閉症のお母さん、お父さんの勉強の場として、これからも一層充実していって欲しいと思いました。

さて、先々月号でお知らせしたかと思うのですが、グループホームの補助金が、今年はもらえないことになりました。
それで今年度には着工予定だったグループホームの建設計画が、遅れることになります。
来年度に向けて、もう一度補助金申請するつもりです。
ただ、ここへきてコロナ騒ぎのお蔭で、国に財源がなくなるのではと懸念しております。それでも、できたら来年度には、ぜひ着工したいと思います。
皆様、どうかご寄付の方でご協力いただきますようよろしくお願いいたします。
ご寄付受付以下のとおりです。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
             岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
暑い日々が続くようです。クーラーをつけて換気の少ない部屋の中というのは、コロナには危ないらしいので、やっぱり集まりは少なく、まだまだ我慢の日々です。
皆さん、頑張りましょう!! 私もがんばります。お元気で、また逢いましょうね。
(鳥羽 美千子)

令和2年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

いよいよ、令和2年度の即実践講座が始まりました。
応用行動分析(ABA)の専門家であるABC研究所代表の 今本 繁 先生 による、岡山で初めての、ABAの基礎から実践までを本格的に学べる連続講座です。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言は全国で解除されましたが、依然として、大型のイベント、講演会などは自粛が要請されているため、第1回 5月29日(金)の即実践講座はWEB開催(ZOOM)となりました。
当日の詳しい報告は、来月号でお知らせいたします。
第2回の即実践講座、6月19日(金)につきましては、会場としては岡山県生涯学習センターの大研修室を押さえているのですが、それまでに自粛要請が解除になるかどうかは、まだ不透明な状況です。
もしかすると、第1回と同じくZoomを使用してのWEB開催となるかもしれません。
決定次第、受講者の方にはメール等でお知らせするとともに、公式ホームページ(http://sodaterukai.org)にも掲載いたしますので、ご確認ください。
  ※ WEB開催に決定しました
1回目は終わりましたが、講義のビデオはお貸しできますので、今からでもどうぞお申込みをお待ちしています。

  【 令和2年度 第2回 即実践講座 】

日 時:令和2年6月19日(金)19:00〜20:55
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「行動の法則」
講 師:今本 繁 先生(合同会社 ABC研究所 代表)
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円(全10回分) 
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748

令和 2 年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
    (自閉症支援技術 レベルアップ講座)

今年度の赤磐市での夜間連続講座は川崎医療福祉大学講師の小田桐早苗先生にお願いできることになりました。
今年から初めて自閉症児・者の支援を担当されることになった、学校の担任の先生、保育士のみなさん、
施設の支援者の方々から、この機会にもう一度自分の支援を振り返ってみたいと思われるベテランの先生方まで、連続10回の講座ですので、しっかり学び合うことができると思っています。
自閉症の特性の理解の話から始めて、ライフステージごとの具体的な支援の方法まで、系統立てて学べる講座となっています。
なお、今本先生の講座と同じく、多人数での集会には自粛が要請されていますので、第1回の講座はオンライン開催とさせていただきます。
2回目以降は、やはり直にお話をお聞きしたいので、赤磐市立中央公民館を予定していますが、コロナの終息宣言の時期によりZoomによる開催となるかもしれません.
ご了承ください。

  【第1回 夜間連続講座 in 赤磐】

日 時:令和2年6月5日(金) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM使用)
テーマ:「自閉症の理解 @ 〜自閉症って、どのような人たち?
                    違いを知ることから 理解につながる〜」
講 師:小田桐 早苗 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:赤磐市在住・在勤者 7000円(資料代)
      他市の方 一般 20000円・賛助 17000円(資料代含む) 全10回分

保護者のための 自閉症支援連続講座

代表の巻頭文にもありましたが、支援者向けだけでなく、保護者のためにも自閉症の子どもの子育てに役立つ連続講座を開いてほしいという声が寄せられました。
そこで、お忙しい中、川崎医療福祉大学の重松孝治先生に無理をお願いして、自閉症の基礎的理解から、具体的支援までのお話を、年6回の予定で開催していただけることになりました。
まだ告知を受けて間のない保護者の方にも理解していただきやすいように、できるだけ専門用語を使わない、自閉症を基本の“き”から学べる講座にしてほしいとお願いしています。
第1回は、7月1日(水)、まだコロナの完全終息の見通しが立たないため、即実践講座やOHAの会などと同じように、初回はオンライン(Zoom )による開催を予定しています。
詳しくは同封のチラシをご覧ください。

  【第1回 保護者のための 自閉症支援連続講座(全6回)】

日 時:令和2年7月1日(水)10:00〜12:00    
場 所:オンライン(Zoom )開催
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、ぐんぐん保護者 1000円、一般 2000円 (各回)
申 込:育てる会 事務局(Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748)

令和2年度 育てる会総会 の 報告

令和2年5月22日(金)に、令和2年度 育てる会 総会が開催されました。
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡散防止のため、育てる会事務局よりZoomを使用してのオンライン開催といたしました。
議 事:1.令和元年度収支報告
     2.令和元年度事業報告
     3.令和2年度役員選任
     4.令和2年度収支予算
     5.令和2年度事業計画
全ての議事が、議案通りに、滞りなく可決されました。
正会員の方には、当日可決されました総会資料を同封していますのでご確認ください。
また、委任状提出に際しては、ご協力ありがとうございました。

はやぶさの会 の 報告

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
「春ごろには工場見学行きたいね」なんて言っていましたが、コロナウイルスの関連で軒並み中止となり、一気に自粛ムードとなり、はやぶさどころか、家族とでさえ、おでかけすることが厳しくなってしまいました。子どもたちも「友達に会いたい」「はやぶさでどっか行きたい」としょんぼり。
そこで、ネットなどには詳しくない母たちですが、頑張って「リモートはやぶさの会」にチャレンジしてみました。
今回はZOOM組とLINEのグループ通話組に分かれて、それぞれ別日に実施しました(←人数が多いとそれだけ情報処理に時間がかかる子どもたちのため)。
事前に、司会係を決めて、どんな流れでするか、何を話すか、皆が楽しめるのは何か・・・など、具体的に親子で紙に書いて検討し、当日をわくわくしながら迎えました(時間の10分前にはパソコン前にて準備していました)。
ZOOM組の様子を紹介します。
今回は、3人のメンバーで実施しました(うちの息子が司会係でした)。
@ メンバー紹介、
A しりとり(制限時間5分で何個言えるかな?)
B ○×インタビュー
C 今日の感想発表でした。
3人とも穏やかで笑い合いながら実施することができ、とても楽しいひと時だったようです。
特に感心したのは、B○×インタビューでの様子でした。
視覚的に分かりやすいよう、○と×を大きく書いた紙を用意し、それぞれが画面に出します。
質問は簡単なもので、たとえば「外で遊ぶのは好き? ○か×か?」というような内容です。
皆が紙を出したら、司会の子から「外で遊ぶのが好き」と答えた子には「○くんは、何をするのが好き?」と聞いたり、「外で遊ぶのはあまり好きじゃない」と答えた子には「◇くんは、どうして外で遊ぶのが好きじゃないの?」と聞いたりしていました。
その質問に対してもじっくり考えて答えるのを皆がちゃんと待てていて、「そっかー」「分かるわー」「あ、そういうことなら、僕も○かも」と答えるなど、相手とのキャッチボールができていて、驚きでした。
当初、母たちとしては、「全然盛り上がらずシーンとなるかも」「逆に自分の好きな話を延々としてしまうかも」など、心配していましたが、横で見ているだけで充分な様子に成長を感じました。
終わったあとも「次はいつする?明日!?」とニコニコ。
学校が再開する前、ゴールデンウイークなのにどこにも行けず・・・な休日だったので、特に嬉しいようでした。
ASDの子どもたちにとって、こういうネットを通じたやりとりの方が、他に気が散ることもなく、短時間で集中しやすいのかもしれません。
行き来ができなくても、なかなか予定が合わなくても、こんな風に身近に友達を感じられるなんて、なかなか面白い時代になったもんだなと思います。
LINEグループ組も楽しく取り組めたと聞いていますので、次回開催の際は、少しメンバーを変えたり合同でしたりしようかなと話しました。
はやぶさの会は友達作りの会です。
会える日を楽しみにしながら、離れていても、繋がり合ってほしいと思います。
(担当:M)

水泳教室 の お知らせ

新型コロナウイルスの緊急事態宣言もようやく解除になり、外出やスポーツもできるようになりました。
岡山では、新規感染者が出ていないため、6月より水泳教室再開の予定です。
みなさま、お待たせしました。
日 時:令和2年6月21日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★ただし、今後のコロナウイルスの第2波・第3波の状況によりましては、中止の可能性もあります。その際には連絡をいたしますのでご了解ください。
★コロナ警戒のため、必ず事前に体温測定を行ってください。また風邪の症状がある方は、今回は参加をお控えください。
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)
プールは育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は6月18日(木)までに連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
(担当:S & I )

AAO活動 参加者募集 の お知らせ

今年度もAAO活動を続けていきたいと思っております。
活動に参加してくださるご家族、ボランティアさんを募集します。

  〜AAO活動とは〜

親が企画した内容に沿って、子ども1人とボランティアさん2人とで活動します。
一年間、同じボランティアさんと活動します。
親が企画するので、わが子に合わせた無理のない活動ができます。親や親戚ではない人との関わりや、公共の場でのマナーなどを学ぶ良い機会にもなります。親にとっても、わが子の新たな一面を知ることができ、勉強になります。

  ◆参加家族の募集について

対  象: 小学2年生以上、高校生くらいまで(兄弟児の参加はできません)
活 動 日: 9月〜3月の間で、年2〜3回を予定しています。
(参加家族数にあわせてボランティアのお願いに回りますので、活動開始時期が遅くなる場合もあります。ご了承ください。)
活動時間: 10時〜12時くらいまで
             ※活動日・時間は、活動内容や都合により各家庭で決めます
活 動 例:ボウリング・映画・公園で遊ぶ・電車,バスなどを利用して買い物をする 等
活 動 費:●ボランティアさんのボランティア保険代を最初に集めます。
      ●活動にかかるお金や、ボランティアさんが活動場所に来られるまでの往復交通費などは親が負担します。
        そのため活動内容により、金額は各家庭で異なります。

  ◆参加申し込み期限:6月30日(火)

  ◆AAO活動説明会について

お申し込み下さったご家族には、個別に活動についての説明を行う予定にしています。
まずは、育てる会事務局( 086-955-6758)までお申し込みください。
みなさまの参加をお待ちしております。

  ◆ボランティアさんの募集について

一年間を通して、一緒に活動して下さる方を同時に募集しています。
活動に興味を持ってくださった方は、事務局へご連絡ください。よろしくお願い致します。
※新型コロナウィルス感染症が拡大した場合、活動の縮小・中止もあるかもしれませんが、3月まで活動期間がありますので、募集・活動説明は進めていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

OHAの会 の報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。

  【 令和2年度 第2回 OHAの会】

日 時:令和2年6月23日(火) 9:30〜11:30
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「ASDの育て方 〜ASDの子どもとの暮らしを楽しむために〜」
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士)
参加費:残 9回分 3,200円(前納)、1回払い 各500円
申 込:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748(正会員限定)
令和2年5月26日(火)、リニュアルされたOHAの会の第1回 「味わって育てよう 〜“普通”って何だろう〜 」がオンラインにて開催されました。
お話の中で 、利守先生は“普通になる”ことを目標にしてほしくないと話されました。
ありのまま、そのままの我が子を眺めて、話をさえぎらず、まずは全て聞いてみてください。
「へーそうだったんだね」と母がうなずいて聞いてくれると、子供は満足そうな顔をするんだよ。と。子どもの話の途中に「その言い方は…」とか「そーゆーときはこうせんと!」とか、口を挟んでしまいがちですが、聞いてやることを心がけ、話の中にその子らしさを見つけながら頷いてやることをしよう!と私自身も思いました。
その日のうちに、即実践したい!と思えるところがいくつもありました。
コロナウィルスの関係で、みなさんが直接お会いして開催することができず残念でしたが、事前に質問をいただいて、利守先生に丁寧に答えていただく時間も取れて、とてもよかったと思います。
利守先生のお話、次回からでも参加したい!という方も、都度参加可能ですので、お問い合わせくださいね。たくさんの方に聞いていただきたいお話でした。
事務局 K
参加されたみなさんからのアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介します。

○ 子どもがASDと言われて、ASDで調べていたら、私自身も特性に似たものをたくさん持っていました。
でも、それは自分の強みでもある部分だったので、子供を治せるなら治したいとも自分も治りたいとも思いません。
どうか、将来、子供自身が色々なことを理解した上で、自分に自信をもって、「俺は俺だ!」と胸を張っ
てくれたらと願います。そのために私たち家族に何ができるかを考えていきたいと思います。
○ ASDは、普通を超える魅力あるものを持っていることが分かり、良い意味で自分の子供を味わって育てていきたいと思いました。
また、他の人の困っていることや悩んでいることなども聞けて年齢や特性は違っても、将来を見据えた時に我が子にも同じような事が起きるかもしれないため、参考になることがたくさんあり、参加して良かったです。
利守先生が一つ一つの質問に丁寧に答えてくださっている姿、悩んでいる親の気持ちも考えながら発信しておられた姿にとても好感が持てました。
○ 普通を求める定義は診断が出た時の事を思い出しましたが、今は本当に自閉症である子供が可愛くて、なんなら定型発達の子が考えてることより、自閉症の子が考えてる事の方が理解できる気すらするなーっとさえおもったり。自分の考え方は自閉症の子中心。が普通になってるんだなーっと思いました。
こんな風に思えるような親になれたのも、このような機会を作ってくれたり、セミナーや療育を一生懸命開催してくださる育てる会様様だなーっと思いました。
普通と比べる必要はない!この言葉は障害関係なくどの親もしてしまう事だと思うので、改めて心に染みました。

お母さんコラム

小4・ASDの診断のある地域の小学校の特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、3歳・ASDの診断のある地域の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
コロナウイルスも少しずつ落ち着いてきたのか、岡山も緊急事態宣言解除され、徐々に街中にも人が戻ってきた様子です。まだ安心するのは早いでしょうが、早くなじみのお店にご飯を食べに行ったり、大好きな映画やカラオケを楽しんだりする日常が帰ってくることを願っています。
さて、息子と娘の日々です。
ゴールデンウィークは市内の実家以外どこも出かけることなく、しょんぼりしていた子どもたちですが、LAQやレゴや100均のプチブロック、塗り絵、漫画作成など、室内遊びを楽しんでいます。
特に息子の方は、LAQ熱がすごくて、どんどん大作を集中して作れるようになりました。最初のうちはただ作っているだけだったのが、今では「これはダンジョンだよ」「ここが海のステージ!」「ここはユラユラ橋だから気をつけんといけんの」など、独特な世界観で語ってくれます。
漫画も最初はストーリーなどない支離滅裂だったものが、一応4コマ漫画のようにオチがつくようになってきて、無理がないストーリー展開をするようになってきました(大抵「ボケ」「ツッコミ」的な物が多いです)。イメージ力がないことが課題だった昔から考えると、成長してきたなぁとしみじみ感じています。
また、さすが小学生というか、母が人前で本人を褒めたり頭をなでたりすると、「やめて」「人が見ているでしょう」「それは家の中で二人だけの時にしてや」というような、前思春期らしい発言も増えてきています。だけど、二人の時に「ママ、あなたのこと大好きよ」とこっそり言うと、「知っとるよ」「伝わってくるから大丈夫よ」とも言います。
娘(3歳)の方は、まだまだ「ママ大好き!」と抱き着いてきてくれます。
一緒に寝れないとかお風呂に入れないとかで涙ぐむほどべったりですが、私がボーっとしていると「ママ、大丈夫?頭痛いん?」「なでなでしてあげようか?」「むぎゅしてあげるね」と自分がしてもらって嬉しかったことをやってくれます。
こんな息子と娘ですが、二人とも2〜3歳ぐらいまでは、抱き締めても抱き返してくれませんでしたし、特に息子の方は抱き締められることが大嫌いでダッシュで逃げてしまい、よく切ない気持ちになっていました。
「大好きよ」と伝えても知らんぷりだったり、「それよりおやつ」と言われたり、母がいなくても平気な様子だったりして、「あー、やっぱりASDだと愛情とか伝わりにくいんだろうなぁ・・・」と周りのなかよし親子と比べては凹む日々でした。
うちの子は(特に娘は)私の体調や持病の関係で、生まれるかどうか、かなり不安があった時期もありました。
そこから考えると、無事に生まれてきてくれたことはすごい奇跡だなと感じます。
生きてるだけで素晴らしい!歩けるようになってすごい!表情が出てきてすごい!便秘で心配だったけどちゃんと出たのね、良かった!そんな日々の積み重ねも奇跡です。
切なさに負けずに懲りずに諦めずに、毎日毎日愛情を言葉と態度と行動で示し続けていくと、徐々に二人とも私に愛情を返してくれるようになってきました(これは、繰り返しでの暗示だったのかもしれませんし、ちょっとうざかったから面倒だからだったのかもしれません)。
でも、「大好きでかわいい子どもたち!」と毎日毎日言葉と態度と行動で示し続けることに、私自身も助けられたように思います。
腹立つこともイライラすることも落ち込むことも本当に多い日々でした(今もたくさんあります)。
「大好きでかわいい子どもたち!」と毎日必ず言葉と態度と行動で示すことで、「ASDでもいいじゃない!」「可愛いわ!」「面白い!」と自分の気持ちにも余裕が出てきたように思います。
わが子が、可愛いと思えない・良いところなんて見つけられない・苦しいと言われるお母さんに時々お会いします。そんな時は、少し勇気を出して、周りにお話してみてください。
わが子の良さや成長ぶりは、日々一緒にいるとなかなか見つけづらいですが、他の人から、その子の良さや可愛さや面白さを口にしてもらえるだけで、ちょっとホッとしたり元気が出たりの効果があります。
そういうお母さんとお話して、その子の可愛さや面白さや素敵さを見つけるお手伝いができると、周りの人も浄化されるように私は思います。人は一人では生きていないものです。助け合い、支え合い、励まし合いながら、一緒に子育て頑張っていきましょう。
次回もお楽しみに!
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

ぐんぐんぴっぴでも、コロナ対策として「消毒」「換気」「手洗い」「検温」を徹底しながら、元気に療育をしています!
ぐんぐんぴっぴでは、保護者の方と一緒に、一人ひとりに合った支援について考えることを大切にしています。保護者の方に同室してもらい、療育で見えた姿を通して普段の園生活や家庭での支援に繋げたいと考えているからです。
今回はAちゃんのエピソードをご紹介します。
Aちゃんは、以前からおままごと遊びなど夢中になっている活動から次の活動へ行く際に、声かけをしても今の楽しい活動から離れられないことがありました。「プレイ」の時間に大好きなおままごとをしている途中で、次のスケジュール(子どもたちは支援者からアンパンマンやカレーパンマンの人形をもらって、活動場所へと移動します。
移動先にはもらった人形の写真が貼ってあり、それを目印に移動します。)を見せても「やだ〜」と拒否をしたり、「先生と遊び」の活動の際に、帰る時間になっても遊ぶのをやめられないことがあります。
お母さんからご家庭の話をうかがうと「家でもよく、遊びを切り上げてお風呂に入ったり、出かける準備をしてほしいときに声をかけても、なかなか動いてくれないことがあります!」とのことでした。
自閉症の特性として、「次の行動に移りづらい」ということがあります。
興味関心が強くあることや楽しい活動から離れるのがつらかったり、これから何をするのか分からなくて不安だったりするためです。
そういった子どもには、楽しい活動の後にも他の楽しい活動が待っていることを知らせたり、何をするのかを具体的に知らせて不安を解消するといった支援が必要になります。
「今、ここ」の世界から視野を広げてあげる、つまり「見通し」を伝えていくことが重要になるのです。
伝え方にも工夫が必要です。自閉症の子どもは「視覚での情報処理が強い」という特性を持っています。
たとえば「次はお片付けするよ」と声をかけられたとします。
しかし、言葉として「お片付け」を知っている子どもでも、何をするのか具体的イメージがしづらい場合があるのです。その場合、お片付けする箱を見せながら「お片付けするよ」と伝えた方がより具体的に何をすべきかが分かりやすくなると思います。
そういった特性をふまえながら、保護者とその子の様子を観察して相談します。そしてその子にあった方法をいくつか試していきながら、ぴったり合ったものを見つけるようにしています。
Aちゃんの場合も、「アンパンマンのスケジュールの場所に行くことは分かっても、何をして遊ぶのかが具体的に伝わってないのかな?」と考え、アンパンマンのスケジュールと大好きなボールを見せながら、「次はアンパンマンのお部屋に行って、ボールで遊ぼう!」と伝えてみました。
すると、すぐに片付けをすませてスムーズに移動することができました。
その様子を見たお母さんと「すぐに移動しましたね」と微笑みあいました。
「おうちでも、お風呂で遊ぶおもちゃを用意して、見せながら誘うとスムーズかもしれませんね」とお伝えすると、お母さんも「試してみます」とおっしゃられていました。
後日、お話をきくと、Aちゃんがお部屋でおままごとをして遊んでいるときに「おもちゃをこの箱に入れて、お風呂でこのアンパンマン水鉄砲しよう!」とおもちゃを見せながら誘ってみたそうです。
するとAちゃんはスムーズにお片付けをしてお風呂に入ることができたそうです。
このように、ぐんぐんぴっぴでは、子どもの療育で見えた姿から、主だった生活の場であるお家や園での生活に繋げられるように、具体的な支援方法を保護者の方と相談しながらを探していくことを大切にしています。
時にはうまくいかないこともあったり、どんな支援方法が良いか迷うこともあります。一人のスタッフだけではなく、全スタッフがミーティングなどで共有しつつ、意見を出し合ったりしてより良い支援に繋げるようにしています。
これからも「保護者と一緒に考える」ことを大切にしながら、子どもたちの成長を保護者と共に喜び合える療育をしていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ スタッフ:T

赤磐ぐんぐん (就学前)

コロナウイルスの動向が気になりながら毎日を送っていく中、季節は初夏へと進んでますね。
ぐんぐんの窓から見える緑は去年と変わらず活き活きとした鮮やかな緑、賑やかな鳥の鳴き声・・・ふっと外に目を向けたときに癒されています。
世の中は色んな情報が溢れ、見通しも付きそうで付かない落ち着かない日々ですが、ぐんぐんはいつもと同じ場所、ということで安心感を持ってもらえたらと思います。
さて、ぐんぐんでは「療育スタッフ勉強会」を3事業所合同で月数回、定期的に行っています。
テキストの輪読→翌週はスタッフ全員が感想や疑問点をまとめたレポートを提出し、それを基にディスカッションを行っています。
コロナウイルス感染防止の観点から、スタッフが一ヶ所に集まる「三密」を避けるためZOOM(ネットでの会議)を使っていますが、モニター越しだと、発言のタイミングが合わずに苦戦することがあり、私たちは普段、言葉以外の目線やリアクション等もコミュニケーションとして大きな役割を果たしているんだな〜と改めて感じています。
勉強会でのディスカッションを通じて、育てる会が療育で大事にしたいことを共有し、スタッフ同士の日々の意見交換も活発になっています。
ご家族に説明するためにもまずはスタッフがしっかりASD(自閉症)理解を深め、支援できるように・・・、通ってきてくださっている皆さんに還元できるよう、今後も楽しく頑張っていきたいと思います!
手前みそなのですが、私(スタッフO)が勉強会で提出した「日本の歴史とASDの研究史」をリンクさせたレポートが「おもしろい」と評判!?だったので、今回はいつもと毛色を変えてASD研究史を簡単にご紹介しますね(#^^#)。
国内の動き ASDに関すること
1940年代 終戦前 カナー博士が初めて「自閉症」について発表
1950年代 精神薄弱者福祉法が制定
「有楽町で逢いましょう」が流行
ベッテルハイム氏が「自閉症は冷たい母親の養育態度(「冷蔵庫マザー」)のせい」として「親から引き離せば治る」と主張
1970年代 大阪万博
養護学校義務教育化(以前は障害児は入学が認められないこともあった)
「わたしの城下町」が流行
ショプラー先生が「自閉症は家族のせいではなく、脳の障害」として、翌年からTEACCHプログラムをスタートさせる
(ASD独特の情報処理に着目し、構造化などの工夫をしていくプログラム。
現在のASD支援の基本的な観点が凝縮しています)
1980年代 バブル経済
「ギザギザハートの子守歌」「乾杯」が流行
日本では「自閉症はテレビの見せすぎが原因」と主張がありテレビや本で紹介。
他にも有名な作家が著書で「自閉症は親が甘やかしたせいでなる」と発表することもあった。同じころ佐々木正美先生がTEACCHプログラムを日本に紹介するがなかなか受け入れられず。
「自閉」という言葉が誤解を与えやすいのか、2010年代に入っても、条例案で「発達障害は親の愛情不足が関係している」というような書き方をされていて問題になったり・・・。改めて見ていると「自閉症は母親のせい」とされていた時代のお母さんはどれだけのつらい思いをしていたのか・・・と思います。
ご紹介したように、かつての自閉症説やマスコミ・著名人による間違った知識の流布からの誤解は、未だにあるのかもしれません。
身近に誤解している人がいたら、↑を参考に「昔はそう思われていたんだけど・・・」と伝えてみてもいいかもしれませんね。
様々な障害において「障害となるかどうかは、その人と環境(社会)の相互関係の中での適応状態による」という見方が今の主流です。
IQや自閉度などに関わらず、適切な支援や環境設定、周囲の理解などによって、本人がそこで穏やかに生活が送れるならば、それは障害とはならない・・・という考え方です。
「自閉症は親の育て方のせいでなる障害ではない」と知ってくださっている人が周囲にいるのかいないのかも重要な環境要因の一つではないかと思います。
カナーの報告からまだ77年ほど。ASD支援についての研究はどんどん進んでいます。
ぐんぐんも最新のエビデンス(根拠)に基づく支援ができるように、スタッフ勉強会、日々のミーティングだけでなく、川崎医療福祉大学の諏訪先生にコンサルテーションを受けています(詳細は前号)。
また、法人(育てる会)として、一般の方や現場の先生向けに著名な先生方による啓発セミナーや実践的な連続講座も定期的に行っています。これらも子どもたちを取り巻く環境への働きかけの一つだと考えています。
ぐんぐんに来てくれている子どもたちの幸せな未来に繋がるために、私たちスタッフも、療育だけではなく、ご家族や園の先生との連携、社会への啓発活動なども、しっかり頑張っていきたいと思います。
赤磐ぐんぐん スタッフ:O

ぐんぐんキッズ (小1〜)

今回は「スケジュール」について、療育の出来事を交えながらお伝えしたいと思います。
みなさんも、コロナ感染拡大防止策の1つとして、様々なスケジュールの変更を余儀なくされたのではないでしょうか。
自分も普段であれば、一か月程度のカレンダーなどで自分の予定を把握していれば、あまり不自由は感じないのですが、今回ばかりは「今週は中止か。となると、来週も中止かな…?」「半年後に計画していたことはできるのだろうか」と何度も頭をよぎりました。
その時に、はた、と思ったのが「そうか、見通しがたたないということはこんなにも不安や不満があるのか!」ということでした。
先日、スケジュールをみて意気揚々と先生とワークのエリアにはいってきた1年生のK君。
自分の名札を見つけて、席に座ることができています。ですが、座ってすぐに立ち上がってしまいました。
「どうしたの?」と声をかけると「ねえ、今日はゲームするん? なにするん? はやくしようや」とわたしに話しかけながら、近くにあった教材がはいっている棚に手を伸ばしています。
「何を今からやるか、知りたかったんだね」とわたしが教材を机に出そうとすると「いいから、はやくはやく」「今日これだけ?」「おわったらひとりであそびする」と畳み掛けるように喋りながら、自分で判断して作業に取り掛かろうとしていました。
もちろん、その後は、こちらが伝えたいことはうまく伝わらず、K君も、わたしからの言葉での指示が多いことに、やや不満を抱えたまま、先生とワークが終わってしまいました。
次の療育では、先生とワークの時には、この時間にどんなことをするのかを、活動内のスケジュールとして提示することにしました。
K君は、トランジッションエリアで自分のスケジュールを確認した後、前回同様、自分で名札を見つけることができました。
そして、活動内スケジュールをじっと見ています。
しばらくしてから、着席し、目の前に座っているわたしに「きょうはこれやるん?」と活動内スケジュールの2番目に書いてある「ぼうずめくり」の文字を指さしながら聞いてきました。
「そうだよ、だから1からするからね」と伝えると、着席したまま、先生とワークを最後まで活動することができました。
「K君、長いルール説明や、ゲームの時もしっかり座ってできたね」と最後に声をかけると「うん。ゲームは難しかったけど、楽しかった」と、微笑みながら今日の感想を自分から教えてくれました。
その日一日、あるいは、一日のある部分を伝えるスケジュールに書かれていることは、大まかな内容でしかありません。
その子自身が知りたい情報がそこにはあるのか、それがいつどこで提示されることが大切なのかを改めて考えることができました。
ぐんぐんキッズに通うお子さんの大半が、ご家庭でもスケジュールに取り組まれていることかと思います。
そのスケジュールには、「遊ぶ」「宿題」といった活動において、「どれくらい遊べるのか」「遊んでいいものはなにか」「誰と遊べるのか」「宿題をすべてするのか」「どの順番でするのか」「家族の丸付けまで宿題なのか」等といった情報を、お子さんは求めてはいないでしょうか?
お子さんの様子を踏まえながら、より「安心」となる「スケジュール」を目指していただけたらと思います。
ぐんぐんキッズ M
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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