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令和2年10月31日
第270号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
270号 目次
秋の夕暮れ
即実践講座 報告とお知らせ
支援ツール勉強会のご案内
キッズルーム・山登りの会・アイリスの会・Zoom講座 報告とお知らせ
木工教室・水泳教室・OHAの会 報告とお知らせ
ちゃーちゃん日記
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「できる!をめざして 発達障害をもつ子の身辺自立の指導と援助」
ぐんぐんだより
秋は、夕暮れ・・・と清少納言さんも言われておりますように、秋は特に夕暮れが素晴らしい時間です。
山の端に夕日が落ちる前の低い位置からの光に照り映える草木の様は、いとおかし・・・。
秋の陽はつるべ落としと言います。
本当に見ているウチに光の届く位置が変わっていく様は、人生のはかなさにも似て、センチメンタルな気持ちになったりする私です。人生の夏は過ぎ、そろそろ晩秋に近づきつつある自身を振り返ったりなんかしながら、夕日に照らされた市役所や小学校の校舎を眺めております。
秋の夕暮れで思い出すのは、こんな話です。(昔の文集より)
「このお気楽もん!」
最近、我が家では、哲平のことをこう呼びます。
親の苦労を知らぬ気に楽しそうな彼に、おもわずこちらもつられて 笑ってしまう、そんな毎日です。
哲平を連れての外出は、気を許せない緊張感があります。
どこへ行ってしまうかわからないので,手をしっかり握ってないといけません。
スーパーなんかでは、欲しい物がいっぱいあって、それを我慢させるのに苦労します。
なだめすかして、やっと家に帰りついた・・ホッとした途端、ニッコリ笑いながら、
「お出かけ、お出かけして!」・・と、私に向かって言います。
「何考えとんのジャー、このお気楽もんが・・・」
・・・秋の夕暮れ時、ふと気がついてみると、哲平の姿がみえません。
塀を乗り越えて、どこへ行ったのか、かいもく見当がつきません。
あっちこっち捜し回りますが、見つかりません。
「秋の陽は つるべ落とし」と言います。あたりは、段々暗くなってきます。
そんな時、畑で仕事をされていた方が、小さな男の子を見かけたと言われました。
声をかけたけれど ドンドン山の方へ行ってしまった・・・と、言われるのです。
哲平に間違いありません。山の奥の天神の滝のほうへ向かって行ったらしいのです。
さあ、大変です。途中には、池もあるし....。悪い事ばかりが、頭をよぎります。
人を呼びに行っている暇は、ありません。時間は、どんどん過ぎて行きます。
胸の動悸は、早鐘のようです。登り坂で思うように足は、進みません。
あたりは、すっかり暮れてきて、何やら恐ろしい気配がします。
「哲ちゃーん、哲ちゃーん」
いくら呼んでもあたりは、シーンとして、何の答えも返ってきません。
哲平にもしもの事があったらと思うと.....どうしよう。
目を離した私が悪いんです。
「神さま、私に てっぺいをかえして」口の中で懸命にとなえながら、必死で登っていきました。
すると、向こうのほうにボーッと淡く白い服らしいものが見えるではありませんか。
「神さま、本当にありがとうございました!!」・・・私の気持ちをよそに哲平はいつものポーカーフェイス。
「まったく本当に、このお気楽もん!」 我が家はこのように緊張と安堵の連続です。
つらいことも悲しい事も、いっぱい いっぱいあります。
けれど哲平の屈託のない笑顔とお気楽さが、どんなに私たちを和ませてくれていることでしょう。
これからの長い人生の道のりを気負うことなく、めげることなく、しっかり歩んでいくために、私も哲平からこのお気楽さを学びたいと思っています。
「本当に鳥羽さんて大変ね」と言われるより 「鳥羽さんてお気楽ね」と言われるぐらい明るく楽しく生きていきたいと思っています。
平成6年3月16日
これは、今から20年以上も前の哲平の通う幼稚園の文集に載せた私の文章です。
遠い記憶が、蘇ってきます。
あの頃は、本当に大変でした。ちょっと目を離すと家から脱出していなくなる哲平でした。
しんどいしんどい子育てでした。いっそこの子さえいなければどんなに楽になれるだろうか、と思わず声に出そうになることもたびたびありました。そんなある日の出来事でした。
あの日、もしかしたら神様は私のこんな気持ちに罰をお与えになったのかもしれません。
そして、改めて、私のいい加減な気持ちに喝を入れてくださったのかもしれないのです。
「神様お願い、哲平を返してください。返してくださるなら、もう決して哲平がいなくなったら楽になる・・なんて言いませんから」
心と言葉との両方で祈り叫びながら、あの山道を必死で登りながら、私は哲平のことをこんなに思っていた自分に気がついたのでした。あの子がいない人生はもう考えられない自分がいました。
そのことに気づかせていただいた、あの日の出来事でした。あの日以来二度と哲平がいなくなれば楽になると言わなくなったし、思わなくなった私です。
そんな秋の陽の夕暮れの出来事を、時々「秋の夕暮れ」、「つるべ落とし」の言葉で連想してしまう私です。
さて、思い出話が長くなりました。
育てる会の行事は、目白押しです。
10月最初の行事は「あゆみをつなぐアイリスの会」の勉強会でした。
会員へのアンケートでも多く希望が寄せられていた、成年後見制度についての勉強会を、鳥羽俊郎さんがしてくれました。
後ろのページに報告がありますのでご覧ください。
次に行なったのは、第二回おやじの会主催の山登りの会でした。
雨のために一週間延期になった山登りでしたが、多くの会員の方に参加をいただいて、無事に全員登り切ることが出来たそうです。
こちらも後ろのページに報告がありますので、ご覧くださいね。
途中で疲れて上れなくなったお子さんを抱っこして、最後まで登り切ったと言うお母さんまであったそうです。母は強しですよね。みんなで拍手を送りましょう。
昔はね、育てる会ではよく山登りをしたものでした。
みんなでお弁当のおかずを一品ずつ、みんなの分まで作って、それを頂上で食べ合うのです。
お弁当のバイキングです。大勢の参加家族でしたから、色んなおかずが並んでとても豪華でした。
最近は、代表の私が山に登りたくないもので、こういう行事は減っていたのですが、おやじの会さんがやっていただけて、本当に感謝です。これからもよろしくお願いいたします。
続いての行事は、11月1日の藤井直基先生による「自閉症児の身体の育ちを考える V 〜発達障害、ずれた歯車の戻し方(応用技術編)〜」です。
この会報が届く頃には行われている予定です。その後、インターネットでも配信されますので、当日お話聴けなかった方も、どうぞ、事務局までお申込ください。
たくさんの事例を、映像を見せながら講義してくださいますので、とても解りやすいですよ。Zoomでの講義になります。
これからの育てる会の講演会は、コロナかの為、しばらくはZoomでの開催となりますので、Zoomには慣れておいてくださいね。是非とも必要ですのでよろしくお願いいたします。
続いての11月からの行事の数々は、会報の最後のページをご覧くださいね。続々と続きますよ。
コロナのせいで自粛し続けたせいもあって、色んなことをやりたくてたまらないスタッフ一人ひとりが考えてくれた企画の数々です。
皆さんもお忙しいとは思いますが、すべて子どもたちのための企画です。
しかもその殆どが、自宅で学べるものですから移動時間は必要ありません。とても便利です。小さい赤ちゃんがいても、参加できます。親の介護のある人でもお話聞けます。皆さんも色々大変な中でしょうが、どうか多くの方のご参加をお待ちいたしております。
お忙しい中こんなに勉強、勉強というのは、あの子たちの子育ては、自分のこれまでの経験が活かせないからです。私たちは、自分が育てられたように子どもを育てていこうとします。
それが経験したことだからです。でもね、あの子たちは、感じ方や考え方が、私たちとはずいぶん違うのです。脳の働き方が違うとしたら、到底今までの私たちの経験してきた子育てでは間に合いません。
「どうして解らないの?」→「あの子たちには、理解できないやり方だからです」
「どうしていうこときいてくれないの?」→「その言い方が本当にわかっているのでしょうか?」
あの子たちの子育ては、一から学ばなければ、理解できません。
だって、私たちとは脳のタイプが違うのですもの・・・。焦らず、じっくりこつこつ学んで、こつこつ教えていきましょう。
そうすることで、ゆっくりゆっくりですが、私たちもあの子たちを理解して行くことが出来るのです。
愛すべき我が子を理解したい。一緒に学んでいきませんか?
育てる会は、そんな一生懸命なお父さんお母さんを支えたいと思っています。
さて、来月が過ぎれば、いよいよ師走を迎えます。一年があっという間に過ぎてゆきます。
来月号でまたお目にかかりましょうね。では、ごきげんようさようなら。
(鳥羽 美千子)
保護者のための 自閉症支援連続講座
初めて自閉症の告知を受けたばかりの保護者の方にも分かりやすいようにと、できるだけ専門用語を使わない「自閉症、基本の“き”」講座も、折り返しを過ぎて第4回です。
今回の感想でも「すごく分かりやすかった」「来月の講演も楽しみにしています」という声がたくさん寄せられています。
各回ごとの参加もOKで、しかも正会員の方は無料ですので、まだ参加されていない方はもったいないですよ。
残り3回限りです。ぜひご参加ください。
【第4回 保護者のための 自閉症支援基本講座(全6回)】
日 時:令和2年11月17日(火)10:00〜12:00
場 所:WEB開催(ZOOM使用)
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、ぐんぐん保護者 1000円、一般 2000円
申 込:育てる会 事務局(Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748)
10月6日(火)の第3回に参加された保護者の方からの感想です。
○ 今日もたくさん例をあげながらお話してくださって、想像しながらお話が聞けたので、とてもよくわかりました。
最初に話をされた、理解しようとするのところで、理解できないこともあると言ってくださり、私はもう17 年間もこの子と毎日付き合ってきているのに、わかってやれないこともたくさんあるなぁと思っていたので、とても気持ちが軽くなりました。全部はわかってやれないかもしれないけど、改めて 我が子の一番理解者になってやりたいなと思いました。
我が子は話し言葉がないので、話す内容からは察することができないのですが、一つのことでもできる時と、できない時があるので、その差に注目して、もう一度観察してみたいなと思いました。
また、どのくらいできているかも大切にして、ついつい欲張ってたくさんのことを要求してしまいますが、スモールステップで、少しずつ取り組んでいくことを大切にしたいなと思いました。
一つひとつ、丁寧にお話してくださるので、もう一度学び直しができて、また頑張ろうという気持ちになります。いつもありがとうございます。
○ 今回もすごくわかりやすくて、良かったです。
先生の優しい言葉が身に染みました。
理解しようとする姿勢で関わること、でも全て理解できるわけではないかもしれないということを自分の中に刻んでやっていきたいです。
親が追い詰められたり、自分を責めたりしないで自閉症の子どもと暮らしていくことは簡単ではないと今は思うので救われました。
実際の事例のお話は、本人の事実と周りとのズレがすごくわかりやすくイメージできて、その子の疑問や苦しさやしんどさ、周りの戸惑いとがよくわかりました。2時間とても楽しく勉強することができました。次回も楽しみです。
○ 日々の生活の中で理解に苦しむ毎日をすごしていますが、今日の講義を聞いて、子供のことを全て理解するのが親の役目だと思っていましたが、全てを理解するのは困難で、そこまでしなくても理解しようという姿勢で良いことが分かり、少し気持ち的に楽になりました。また事象の結果だけに目が行きがちなので行動や様子など子供の活動している状況を見てあげることが大切だと学べました。
さらにできるとできないに分類するのではなく、芽生えというカテゴリーをもうけることで達成感を持たせることも大事であることも分かりました。どうしてもできないことをできるにしたがって結果がついてこないことにイライラしていましたが、親が苦しい思いをしてるのではなく、それ以上に子供が苦しい思いをし、できないことを無理矢理させることで強い拒否を示す可能性があることもよく分かりました。これからは芽生えを探してできることはどんどん増やしてあげていきたいと思いました。
講義の最後の方の話はもう少し我が子が話せるようになれば実践できればと思い参考にさせて頂きます。
また来月の講演も楽しみにしております。
令和2年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座
応用行動分析(ABA)の専門家であるABC研究所代表の今本繁先生 による、ABAの基礎から実践までを本格的に学べる連続講座です。
行動の支援においても、前回の「先行子操作」や次回の「課題分析とプロンプト法」のように、ABA基にした具体的な支援の話に入ってきました。
現場での実践が難しいと言われる応用行動分析ですが、寄せられるアンケートを見ているとみなさん、ABAの理論、考え方を身につけておられるようですね。
この「令和2年度 岡山ABA講座」により、今本先生の即実践講座修了後には岡山の地にもABAがしっかりと根付くよう願っています。
【 令和2年度 第6回 即実践講座 】
日 時:令和2年11月6日(金)19:00〜20:55
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「行動の支援 − 課題分析とプロンプト法」
講 師:今本 繁 先生(合同会社 ABC研究所 代表)
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
第5回「行動の支援 −先行子操作」に参加された方からのアンケートの感想です。
○ 自閉症の人の不安や混乱に対応した7つの合理的配慮の表が対応を考える上で役立ちそうだと思いました。ABAと自閉症の特性への配慮を合わせて説明されているので、ABAを知った上で活用の仕方が分かりました。スケジュールの問題で乗ってくれない時の指針として日課援助法をご紹介頂いたので、保護者の方と話すときに活用しようと思いました。
○ スケジュールを決めるのに、支援者のしてほしいスケジュールになっているのでは・・・との話にハッとしました。一緒に決めているつもりでしたが、再度見直していきたいと思いました。
○ 「7つの合理的配慮」を支援者(関係者)が皆、理解・実施できるよう、進めていきたいと思います。成人期の支援に関しては、中々理解してもらえないことが多いのですが、先行事象を工夫しながら、頑張りたいです。
○ 視覚的な支援が大切。でも、その子の理解にあった支援をしていけるように私たちが適切な実態把握をしていかないといけないということ。
やはり環境面を整えることが大切なんだと思いました。どんな視点をもてばよいか、今回の講座で改めて考えることができました。
令和 2 年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
川崎医療福祉大学講師の小田桐早苗先生にお願いしている、今年度の赤磐市での夜間連続講座です。
小田桐先生の連続講座も半ばを過ぎて、いよいよ幼児期、学齢期、成人期などの各ライフステージごとの、具体的な支援のお話に入っていきます。
自閉症を持ったままでも、成人して充実した人生を歩むためにそれぞれの年代でどのように支援していけばよいか、まずは幼児期からのお話です。
依然として岡山でもコロナが終息せず、クラスターも発生している状況ですので、当面オンラインでの講演を続けさせていただきます。
【第6回 夜間連続講座 in 赤磐】
日 時:令和2年11月24日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM使用)
テーマ:「幼児期 〜本人の発達と芽生えに焦点を当てた支援〜」
講 師:小田桐 早苗 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:赤磐市在住・在勤者 7000円(資料代のみ)
他市の方 一般 20000円・賛助 17000円(資料代含む) 全10回分
第5回「一人ひとりの学びやすい環境をつくるためには?」に参加された方からのアンケートです。
○ 高機能の人が大学生になった場合の支援の必要、ということは考えたことがなかったし、思いついたこともなかったです。終了後の先生の「地域での過ごし方」ということで、学校内での過ごし方だけでなく、生活の面でも配慮が必要なのだということに思い至り、さらに目からうろこでした。自分の子どもの同級生などを思い浮かべて講義を聴いていますが、その子たちが大きくなった時のことは考えてみたことがなかったです。他人事ではなく、そうした配慮が必要な人たちがいるということが知れてよかったです。
○ 休憩時間の校庭の様子、Aくんの大学生活初日の例。以前は知識がなかったので、なぜそんな行動になるのかが全く分からなかったことを思い出した。今日は、「そりゃそうなるわぁ」と納得し、そこにできることも考えられる自分がいた。その変化がとても嬉しかった。
○ 日々、幼児〜高校生の支援をしていますが、確かに、大学生の支援については、こんなに深く考えることはありませんでした。先のことを考えることは、今の支援も考えることなんだなぁと、改めて感じました。また明日、お子さんと関わるのが楽しみになりました。
○ 高機能の方の大学生活での困難さを、少し具体的にイメージすることができました。大学に限らず、特に高機能の方については、なんとなくしんどいだろうなーと想像できても、じゃあ具体的にどのような支援が必要か、どのような準備が必要かをうまく説明できないもどかしさを感じています。
支援ツール勉強会 の ご案内
今年度の支援ツール勉強会がいよいよ始まります。
今年は、全3回の予定ですので、密度の濃いものになるかもしれませんね。
・・・と言っても、気軽に初心者の方も参加できるよう、今年も「まずは作ってみよう!」と楽しい会にしたいと思っています。
初めての方も、前に参加された方も、自分の子どもたちが「今」使えって役に立つグッズを作ってみましょう。正会員の方は無料で参加できます!
オンラインですので、画面を見ながら直に澤先生に質問もしやすいように、カメラ付きで参加されるのがお勧めです。
【令和2年度 支援ツール勉強会】
日 時:【第1回】令和2年11月16日(月)9:30〜11:30
【第2回】令和3年 1月18日(月) 9:30〜11:30
【第3回】令和3年 3月15日(月) 9:30〜11:30
場 所:WEB開催(ZOOM使用)(後日の配信はなし)
講 師:澤 月子 先生(南山城学園 スーパーバイザー)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん保護者 3000円(全3回分)
オンライン キッズルーム・クリスマス会
コロナウイルスの感染拡大防止のため、今年度はみんなが楽しみにしていたキッズルームが開けていません。岡山大学の体育館もイベント関係では使用できないそうです。
そ・こ・で・・・思い切って、オンライン(Zoom)を使ってキッズルームを開催してみよう、ということになりました。
岡山大学児童文化部さんの全面協力をいただき、内容的には例年行っているクリスマス会と合体させてのキッズルームです。
正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください。
今年はオンライン開催ですので、定員なしです!! 大勢のご参加お待ちしています。
日 時:平成2年12月13日(日) 13:00〜14:30(頃)
場 所:オンライン(Zoom)開催
参加費:無料(正会員限定:きょうだい児も一緒に視聴OK)
申込締切:12月4日(金)
山登りの会 の 報告
当初の予定、10月17日があいにくの雨となったため、1週間遅れの10月24日(土)に、おやじの会主催で第2回山登りの会を行いました。
当日は、1週間前とはうってかわって秋晴れのハイキング日和、10家族24名でグリーンシャワーの森に集まって、龍ノ口山頂上を目指しました。
子ども達は、下は3歳から上は32歳まで、バラエティーに富んでいるのでペースもそれぞれです。
みんな自分のペースで山頂に向かいます。
後ろの方が道に迷わないようにと、また後どれくらいか目安がつくようにと、「育てる会」の小さな旗を1番から10番まで作って、先頭が道しるべに刺して行きました。
・・・でもそれも途中まで、元気な子どもたちは、走るように登って・・・「ちょっと待って・・」と息がはずみます。
第1回の熊山登山とは違って、気軽に登れる山なので先頭を走った子どもたちは30分ぐらいで頂上広場到着です。
ゆっくり登ってきた人たちも1時間はかからずに、無事全員登りきりました。中には、ちょっとグズったお子さんを抱っこしながら登ったお母さんも・・・母は強しですね。
頂上で記念写真を撮ったあとは、みんなお待ちかねのお弁当タイム、気持ちよい秋風の中、さわやかな龍ノ口登山でした。
登られた保護者の方からの感想も届いていますので、紹介します。
○ 息子と参加しました。前回登った山より体力的に優しく、山々の景色まで楽しめて登れました。
全く運動してない私みたいな人や小さな子供さんには丁度良かったと思います。
このようなゆるい感じの山登りであればまた参加したいと思います。ありがとうございました。
○ 家族4人で参加しましたが、楽しめました。ありがとうございました。
良い運動にもなり、定期的山登りする!?って感じになりました。
○ 上りはしんどいかなと思いましたが、終わってみると、ちょうど良く疲れた感じで、また行きたいと思いました。ありがとうございました。子供も皆満足できました。
○ 山登りは、普段使わない筋肉を使ったためか、少々きつかったですが、気温も風もちょうどいい感じでした。
同年齢の子供とご家族には声をかけて自己紹介をしましたが、出発前に簡単な自己紹介が欲しかったですね。息子も「えらかったけど楽しかった」と言っていました。
お世話になりありがとうございました。また宜しくお願いいたします。
あゆみをつなぐ アイリスの会
「18歳の春を目指すクラブ」による、Zoomによる座談会&勉強会です。
先輩のお母さん、お父さん方から、「あゆみをつなぐ」ため、子育ての体験や学んでこられた話を、毎月違う先輩方とオンラインで結んで、都合のつく方で気軽に集まって続けていこうと思います。
第1回は社会福祉士で成年後見研修を修了された鳥羽俊郎さんによる「自閉症を持つ我が子たちのための 成年後見制度について」というタイトルで話をしてもらいました。
成年後見制度については、ある程度は知っていても、実際に自閉症の我が子に使うとなると・・・という視点から、メリット・デメリットについての話でした。
第1回にZoomで参加していただいた方たちからの感想です。
○ 成年後見人制度は名前だけしっていて、漠然と我が子も将来はこの制度を利用すればいいのかなぁと思っていました。でも、鳥羽父さんの解説を聞いていると、どうやらこの制度は障害者が利用するには、今のところデメリットの方が大きいのかなと思いました。
本人の財産を守るため、本人も自由にはお金を使えないような側面があることや、後見人も誰がなるのかわからず、価値観が合わない人でも解任することも難しいということ等を全く知らなかったので、少し勉強できてよかったです。
また、先輩の保護者の方から子どもの保険の話から株の話まで(^ ^) 雑談形式でいろいろとお話をきかせていただいてとても楽しかったです。先輩保護者の方とお話できるありがたい会だなぁと思いました。
○ 成年後見制度については、一度講演会で聴いたことがあったのですが、どこに重点を置いて聴けば良いのか分からず、結果、『難しい制度』ということしか残りませんでした。今回は、必要な部分をピンポイントで教えていただけて、自分なりに納得できました。
話が進むなかで、利用しやすい制度にするためには、どのように働きかければ良いか?などの課題も出てきて、チャット形式にするとこんなメリットがあるんだなぁ。と1人で感動してました。
ちょっとした疑問が出ると、参加されてる方からのアドバイスが返ってきて、たくさんの情報を得ることもできました。
これからも続けて参加したくなるような会だと思います。ありがとうございました。
第2回は、先輩のお母さんとして、まもなく成人式を迎えるお子さんをお持ちの“くま さん”にお話をお願いしています。
なお、最初のチラシでは「参加申込不要」としていましたが、やはりどのくらいの方が参加いただけるのか、心づもりもありますので、よかったら参加希望の方はお知らせください。
もちろん、当日「時間がとれたので急遽参加します」もOKです。
【 第2回 あゆみをつなぐ アイリスの会】
日 時:令和2年11月26日(木) 10:00〜12:00
場 所:WEB開催(ZOOM使用)
テーマ:「子育ての中で、してよかったこと、しておけばよかったこと」
先 輩:くま さん(19歳になった青年のお母さん)
参加費:無料 (正会員限定)
のぶくんの Zoom講座 報告
10月19日(月)・20日(火)と、のぶくんのインターネットZOOM講座を開催しました。
これからウィズコロナの中でZOOMでの活動も続いていくことを見越して、実際に使用できるようにと、アドバイスをさせていただきました。
また、今後も必要なお声があれば、都度、開催したいと思います。
積極的にご参加いただいた方、ありがとうございました!以下、感想です。
○ 夫のノートパソコンを事務局に持ち込んで、設定を教えてもらいました。パソコンを使うことが無く、ダウンロードするとか不安だらけでしたが、今後のことを考えて、今回参加してみました。
講師ののぶくんがスルスルと準備して下さり、言われるまま進めると、あっという間にZOOMがインストールされました。
画面上の表示の説明や使い方、どんな時に画面表示が変わるとか丁寧に教えてもらいました。
実際には、まだ一人でZOOMを使っていませんが、今後、オンライン講座でZOOMで参加する場合も、安心して臨めそうです。ありがとうございました。
○ 小さな疑問点まで一緒に考えて下さり良かったです。
私の場合、インターネット環境を整える段階の相談だったので、整ってからはまた沢山教えて頂きたい事が出来ると思うので、またお願いしたいです。
木工教室 の お知らせ
今年度の木工教室は、コロナ対策のため、屋外、育てる会事務局の中庭にて行います。
今年の制作は「飾り棚」です。いつものように、キットは高梁の木工作家 川月 清志先生が用意してくださいます。
先月案内したのですが、まだ若干キットに余裕がありますので、追加募集させていただきます。残り3名です。お急ぎください。
日 時:令和2年11月7日(土) 10:00〜12:00
場 所:育てる会 事務局 中庭(赤磐市和田194−1)
講 師:川月 清志 先生(工房川月:木工作家)
参加費:一人 1500円(材料費) (正会員・本人ときょうだい限定) 定員:12名
申込先:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748、acz60070@syd.odn.ne.jp(事務局)
OHAの会の報告とお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
10月13日(火)9:30〜11:30 ZOOMにて、第5回OHAの会を開催しました。
今回のテーマは、『子どものコミュニケーション@〜話の交わし方・子どもに伝わる教え方〜』でした。
子供の話を聞くコツは“分かってもらえたと思える関わり”だといいます。
”分かってもらえたと思える関わり“とは、当たり前のことでも本人ができていることを褒めること、認めることです。結果ではなく、挑戦したこと・やろうとしたこと・一歩前に出た、そのことを褒めていく。
「怒ることは無意識にでもできるけど、褒めることは褒めようとしないとできない」
うんうん、分かる!と、頷きながらお聞きしました。
子供への伝え方のコツのお話では、佐々木正美先生の『発達障害の子に「ちゃんと伝わる」言葉がけ』や、大場美鈴さんの『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』などの書籍の内容も交えて、大切なコツを教えていただきました。
今日から、すぐにでも言葉かけを変えられるものがたくさんありました。
次回の内容も引き続き子供とのコミュニケーションです。より深い内容が聞けるのかと、とても楽しみです。
次回までに、今日教わった基礎的な声掛けが、少しでもうまく使えるようになっていけるよう、心掛けて生活したいですね。
次回は、11月24日(火)9:30〜11:30 ZOOMで開催
テーマは、今回の第二弾 『子供とのコミュニケーションA〜話の交わし方・子供に伝わる教え方〜』です。大事なところですよね!お聞き逃しのないようにしてくださいね!
次回は、実際に参加者のみなさんから困っていることをお寄せいただき、その内容についても一緒に考えていけたらと思っております。新規で都度参加も可能ですので、興味がある方は、事務局までお問い合わせください。
第5回に参加された保護者の方からの感想の一部です。
○ ASDの子供の特徴が分かった上で親である私自身の聞き方や子供への伝え方、関わり方がどうなっているのか、子供にとって辛い思いをさせていないかなど自問自答しながら聴講させて頂きました。
我が子(4歳)はまだ単語レベルの言葉も発することができませんが、話せる子と同様に何か困っていることがあれば、とにかく最後まで訴えていること(行動をみる)を聞いてあげて、推測上の理解にはなりますが絵カードや簡単な言葉でこういうことだったかな?というやりとりをし、その後の子供の行動を見て合ってたのか間違えていたのか確認しています。
今回の講義を振り返ると自分にできていないことが、@注意する時にどうしても否定する言葉が多いこと、A抽象的な言葉を使うことが多いこと、そしてB関わり方としてもう少し生活の中で当たり前のことを褒めてあげることが足りてないと感じたのですぐに自分自身を変え、実践していこうと感じました。
○ 声掛け変換表、久しぶりに見ました。変換できていないものが多くあることに気づきました。小さい頃には、伝わらなかったことも、今なら、この声掛けなら、すぐ動きそう!と、思えるものがたくさんありました。
○ 佐々木正美先生の「できないことがあれば、そこはあえてそのままにして、できることを生かして補うように」の言葉を聞けて気持ちが楽になりました。
着替えて、お友達が待っているよ、が何故分かりにくいのかを説明してくださり、なるほど!と納得できました。具体的な絵で表せる言葉を見つけていきたいと思います。結果は本人で気づける!と言われ、本当だ!と気づけました。本人が気づいてない頑張っているところを見つけ褒めていきたいです。ありがとうございました。
○ 話し言葉は消えるという発想がなかったので、視覚支援がなぜ大切かという事が改めて感じられた。なるべく感情的にならずに、冷静に具体的な言葉で話をしないといけないと思いつつ、なかなか出来ない事が多いが、先生が出来た時に自分を誉めてあげるくらいのスタンスで良いと言われたので、安心しました。
○ 最初に私だけじゃなく、他の方もイライラしてしまうんだなと同じ気持ちの方がいるんだと思えて良かったです。そして、間間に親に余裕がある時は出来るけど、怒ってしまったりと実際の話や具体例を聞けて、共感しながら話を聞くことが出来ました。
水泳教室 の お知らせ
日 時:令和2年11月15日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)
プールは育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は11月12日(木)までに事務局に連絡してください。
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
(担当:S & I )
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、良ければ「大変ね…」「苦労してきたのね…」というより、「おもろいな!」「不思議!」と感じていただいて、笑っていただきながら、皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は、私が「女の子らしさ」について考えることになったきっかけについてお話します。
年長か小学1年生ぐらいの頃のことです。私が住んでいた地域は、同級生は男の子一人・別の学年でも地区の中に女子が5名前後という子どもが少ないところでした。
夏などにはザリガニ釣り(えびせんをひもの先にくっつけて釣る)をしたり、田んぼのカブトエビを捕まえようとして田んぼのおじさんに怒られたり、なかなかアクティブな小学生生活を送らされていたのですが(決してやりたかった訳ではなく、やらないといけないと感じながら暮らしていました)、その際にこんなことがありました。
「おーい、トノサマガエルだぞー!」「こっちにはアマガエルもおるでー」と男の子たちがカエルをつかんで、こっちにやってきたのです。
それに対して、女の子は「きゃー!!」と言いながら逃げていきます。
男の子たちは面白がって、「ほらほら、触ってみぃ」「なんも悪いことせんのんで」と無理やり手を引っ張ってきて触らせようとします。女の子たちがきゃーきゃー言う中、私はそのままブニッとカエルを人差し指で触りました。
気持ち悪い触感です。べたべたします。
すると男の子たちが「げー!〇〇、女子なのにカエル触ったー。ありえんー!!」と言い、女の子たちは「〇〇ちゃん、こっち来ないで!カエル触った手で触らんで!!」と逃げていきます。
「触れって言ったから触ったのになぁ」と思っていると、男の子たちに小さなアマガエルを渡されたので、両手でそのアマガエルを包みながら、近所の祖父母の家に行き、祖母にそれを見せました。
祖母は「ちゃーちゃん、アマガエル触れるなんて度胸があるなぁ」とびっくりした顔で言います。
「え?でも、男子たちは皆触ってたよ」と言うと、
「そりゃ男の子じゃからじゃろう。女の子は普通は触れないし、きゃーきゃーって逃げるんよ」と教えてくれました。
「ふーん…。そしたら、他には女の子って何が嫌いなん?」と聞くと
「そうじゃなー。カエルとかゴキブリとか蛇とか、そういう気持ち悪いものは嫌いなんよ。女の子は、もっとかわいいもの、例えばぬいぐるみとか人形とか花とか、そういうのが好きって子が多いんよ」と教えてくれました。
・・・それ以来、私はカエルやゴキブリや蛇などは苦手です。
何がきっかけで苦手になりましたか?と言われれば、この色々がきっかけです。
「怖がらねば」「苦手って言わないと、変って思われるかも」という、ある意味刷り込みというか、「こうでなければならない」というAS特性が強く影響しすぎたというか…。笑
今でも見たら「ぎゃー!!!」となります。
もうここまでくると、たとえ「いやいや、別にカエルとか好きな女子がいてもいいんじゃないの?」と言われても、反射で拒否が出ているので、治らないかな?
そこまで大げさにビビらなくてもいいのになぁと自分でも思うんですけどね。笑
どうぞ気楽に笑ってください。笑ってほしくて書いています。
私は今日も笑っています。今後とも、よろしくお願いします。
お母さんコラム
小4・ASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、4歳・ASDの診断の保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今月号は、娘のエピソードです。
先日、誕生日を迎えた娘。前々からずっとワクワクしていて「もうすぐ、○○ちゃん(自分のこと)4歳になるんよ!そしたら次は5歳になって、その次は6歳になって、そうしたらもう小学生なんだからね!」とニコニコ。「そうだねー」「待ち遠しいねー」とほほ笑ましく話をしていました。
玩具屋さんに誕生日プレゼント探しに行くと、かたっぱしから、「これがいい!」「あ、これもいいかも!」「あー、でもこっちもいいな」とアンパンマンからシルバニア、プリキュア、アナと雪の女王、リカちゃん、レミンちゃんソランちゃん、レゴブロック、LAQなどなど、もうずっとうろうろしています。
たくさん魅力あふれるものからたった一つを選ぶことって、大人でもなかなか難しい。服屋で迷いに迷って結局買わない、優柔不断な私には、何となく娘の気持ちが分かります。
しかもASDならではの注意の向け方があるので、「あれと、これと、それで比較する」みたいな考え方はできないようで、目の前に見えたものにとりあえず飛びつく。で、また次のに飛びつく・・・を延々繰り返していました。
そして一言「もう、○○ちゃん、いっぱいありすぎて選べないよー!!」と。パニックにはなっていませんが、笑いながら困っています。
そういえば、コンビニのおやつコーナーとかでも「えー、決めれないよー」「ママ決めてー」と言ってくるので、「じゃあこれは?」と聞くと「それはちょっと」と断ってきます。最終的に、おやつを5種類ぐらい娘が好きそうなものを私が選んで、そこからじっくり悩んで決めることが多いです。
結局誕生日プレゼントは、「(上記のものから)とりあえず何でもいいんじゃね?」という旦那の一声で、シルバニアファミリーの遊園地セットに決定(娘には当日まで内緒ということで、別でわざわざ買いに行きました)。
そして、本人が以前ほしがっていたレミンちゃんソランちゃんのおんぶひもが「現品限り」で激安だったので、それも一緒に買いました。
さて、いよいよ誕生日当日。
ご飯を食べ、ケーキを食べ、いつもよりずっとテキパキしている娘。
さぁ、ついに誕生日プレゼントの開封!大きな包みに全身でワクワクしています。
そして、「じゃーん!」と上に乗っていたおんぶひもを見せると、ちらっと見て「いらん!」と一言。
ガーン…。
シルバニアファミリーの分は「わー!これほしかったやつよー!!」と大喜びで組み立て始めました。
ちょっとだけ「あー、シルバニアだけで良かったのかー。もう少し喜んでほしかったなぁ」と残念な気持ちで組み立てを手伝いながら、「こういう時に、『とりあえず喜んでおいた方が無難かな』とかは思考が回らないよねー。さすがです」と考えていたのですが・・・実は、話はそれで終わらず。
シルバニアでハイテンションで遊んだあと、お風呂に入って上がってきた娘。
台所にお茶を飲みに来た際、机に放置されているおんぶひもを発見。
すると 「うわー!何これ!どうしたの?誰の分?誰が買ってくれたの!?これ、○○ちゃんがめちゃめちゃほしかったやつじゃん!!」と。
「いやいや、さっきシルバニアと一緒にあげたやつよ。『いらん』って言ってたじゃん」と言うと、「見えてなかった!」とのこと。つまり、目先の大きな包みに集中していたから、小さなおんぶひもが何かさえキャッチしていなかったそうで。
なるほど、こういう風に見えていないことって、すごく多いんだろうなぁと感じました。
ちなみに、その次の日。
「ママ、起きて!」とハイテンションで起こしてくれた娘。
「今日は何の日でしょう!?」と聞くので
「えー?今日は絵本袋返す日ぐらいかなあ」と言うと
「ぶぶー!今日は、○○ちゃんの5歳の誕生日でーす!」。
・・・。
「3歳の次は、4歳。4歳の次は、5歳」と言われていた言葉や、「誕生日」の意味が、伝わっていなかったようでした。笑
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
一気に涼しくなりました。爽やかに晴れた日にはどこからか金木犀の香りがして心を和ませてくれます。
ぐんぐんぴっぴに通ってくるお子さんたちもひろってきたドングリを見せてくれて、体全体で秋を楽しんでいるようです。
ぐんぐんぴっぴは保護者同室で療育を行っており、保護者の方と一緒にコミュニケーションを取ることを大切にしています。以前はお母さんが療育に参加されることが多かったのですが、最近ではお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんと色々なご家族の方が療育に参加してくださるようになっています。
色々なご家族からご家庭でのお子さんの様子をお聞きできることは、そのお子さんの新たな一面を発見する機会になりとてもありがたいです。また、ぴっぴでの取り組みについて説明させて頂いたりする貴重な時間であったりもします。
今月はAくんとお父さんのお話です。
Aくんは普段の療育はお母さんと一緒に通って来られていますが、お母さんが出産の為、入院することが決まり、入院中と産後の数週間はお父さんと一緒にぴっぴに通ってくることになりました。
初めてAくんとお父さんがぴっぴ来られた時、お父さんは少し緊張されている様でした。
それとは対照的にA君は大好きなお父さんと一緒なことが嬉しくてたまらない!!といった感じで、「お父さん?」と嬉しそうにお父さんを何度も呼んでいました。
お父さんもすぐにAくんの呼びかけに応えて側に来てくれるので、ますますAくんは嬉しそうです(#^^#)
お父さんに「お母さんがおられない生活はどうですか?」とお聞きすると、A君がお母さんに会えなくて寂しがっていたこと、お風呂タイムや寝る前の絵本タイムを楽しんでいることなどを話してくださいました。
お父さんから大変さより一緒に過ごす楽しさを感じておられるようなエピソードをたくさんお聞きすることができました。
そして、お父さんとの「絵本タイム」を楽しんでいるというのはとても興味深いお話の一つでした。
それは、Aくんはぴっぴで何度か絵本を読んだ時にあまり興味を示さなかったからです。
お父さんによくよくお聞きすると「だるまさんシリーズ」の絵本が大好きで、お父さんに読んでほしくて何度もお願いするとのことでした。
早速、療育でも「だるまさんシリーズ」の絵本を読んでみました。
すると、支援者が「だるまさんの」と言いながら体を左右に揺らすと、支援者にしっかりと注目し、支援者の真似をして「だるまさんの」と言いながら体を揺らしてくれます。お父さんのおかげで絵本を通してAくんとの楽しい時間を過ごすことができました(#^.^#)
また、お父さんにAくんの現在の目標や関わり方で意識している事についてお話しました。
Aくんと支援者が実際遊んでいる姿も見てもらった後、お父さんにも関わってもらう機会を作りました。
Aくんのアイコンタクトが取れたらシャボン玉を吹いてあげてくださいねとお願いしていると、お父さんはAくんの正面にまわって目線をAくんの高さまで下げるために姿勢を低くしアイコンタクトが取れた瞬間にシャボン玉をふいてくださいました。
きっとご家庭でのAくんとの楽しい関わりタイムの際にもアイコンタクトを意識しながら関わってくださると思います。
後日談ですが、Aちゃんのお母さんは退院されて、またもとの生活に戻られたようです。
お母さんに「お父さんはお元気ですか?」とお尋ねしたところ「最近療育にはまっています!」という答えが返ってきました。
なんでもお父さんは、Aくんが生活しやすい様にお部屋のレイアウトを替え、それぞれの場所に意味を持たせるようにされたそうです。それだけではなく、おもちゃを整理して箱の前に写真を貼り、どこに何が入っているかが見て分かるようにされたそうです。本当に感激です!!Aちゃんのお父さんはただのイクメンだけではなく、療育メンでもあったのです。お話してくださったお母さんも嬉しそうでした。
お父さんも協力してくださるとお母さんも心強いですね。
ぴっぴはお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどご家族ならどなたでも療育に入っていただけます。むしろ大歓迎です。
お子さんにぴったり合う関わり方や支援をご家族みんなで共有できたらお子さんの安心が増え、成長もひとしおだと思います。
これからもご家族の方と一緒にお子さんの豊かな将来に向けて手を取り合って療育していきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ スタッフ:N
赤磐ぐんぐん (就学前)
日中にも肌寒さを感じる季節になりました。
今年はコロナの影響で、色々な行事やイベントが中止になったり縮小したりしています。
幼稚園や保育園の運動会・遠足などの行事も、「いつも通り」「毎年恒例」が難しく、園の先生方も、ASDの子どもたちにどう伝えるか、どう安心して過ごせるようにしていくか、試行錯誤しながら対応してくださっていることを、赤磐ぐんぐん利用のご家族からお伺いして、先生方に頭の下がる思いです。
赤磐ぐんぐんでは、今年度「将来の自立を目指す」を柱の一つとして大切にしながら、療育をしています。
「将来の自立」のためには、「療育でやれた・できた」ことを、「家庭や園で『できる』ことにつなげ、『できた!』とお子さん自身が感じられる」ことが必要だと思います。
そのためにはご家族との連携、お子さんが日々過ごす幼稚園・保育園との連携、そして他の療育先との連携が重要だと思います。
ご家族との連携については、これまでの赤磐ぐんぐんだよりでも紹介してきたので、今回は「園や療育機関との連携」について書いていきたいと思います。
赤磐ぐんぐんでは、一昨年から赤磐市が導入している「子どもの情報共有シート」を、連携のために活用しています。
この「子どもの情報共有シート」は、お子さんが地域の中で切れ目ない支援が受けられるよう、療育や家庭や園、そして行政の間で相互に情報共有し活用することを促すものです。赤磐市では、療育開始6か月以内のお子さん対象に提出が義務づけられています。
赤磐ぐんぐんでは、赤磐市に限定せず連携を希望されたお子さん全ての園を対象に、情報共有シートに合わせて、現在の個別支援計画の写し・個別支援計画の前期まとめレポートの写し・赤磐ぐんぐんでアセスメントしたもの(例:PEP-3レポート)の写しをつけて郵送し、各園の先生と電話でのケース会議を行いました(本来であれば対面で行いたいところでしたが、コロナ禍ということで)。
そんな園との連携で、今回はAちゃんの園との連携についてのエピソードを紹介させていただきます。
Aちゃんは不安や緊張の強いASDのお子さんです。
いつもと違うこと・知らない人がいるような場面・何が始まるか見通しが持てない状況ではドキドキして動けなくなることが、園でも家庭でも療育でも課題でした。療育では、同室してくださっているお母さんと一緒に気持ちを整理して、何が不安か・どうしていきたいかを伝えることを練習しています。
赤磐ぐんぐんの療育では、本人用の個別スケジュールをご家庭でしているものと同じスタイルで提示し、課題もAちゃんの好きなキャラクターを使って用意するなど、モチベーションを持って安心して楽しく過ごせるように配慮しながら取り組むことで、声を上げて笑う姿も見られるようになっていました。
ある日の療育のことです。
それまで楽しく過ごしていたのに、次のおやつの活動になった途端に、スケジュール前で動きを止めてしまうことがありました。
スタッフやお母さんが聞いてみる・紙に『食べる?食べない?』選択肢を書いて尋ねる・ジェスチャー(指さし)で尋ねる・具体物で尋ねるなど、色々と本人の思いを聞くために普段うまくいっている方法を試してみましたが、うまく表出できない様子でした。
その日は、結局「何が嫌か分からないけど、おやつの活動が嫌なのかな?」とお母さんと話し合い、おやつを中止して次の活動に移ったのですが、Aちゃんはすっきりしない表情でした。
その後、お母さんから、「よく考えてみると・・・いつもは手で持っても手が汚れないお菓子なのに、今日のお菓子は手が汚れるかもしれないお菓子だったから、『汚れたらどうしよう』と心配になって、その心配な気持ちをどう表現したらいいか分からなかったのかもしれません。
「『食べる?食べない?』みたいな選択肢だけだと、そういう気持ちはうまく表現できないから」「次回は手の汚れないお菓子を持たせてみて様子を見てみます」とお話してくださいました。
翌週の療育の際には、持ってきたおやつ(手の汚れないおやつ)を確認し、すんなりとおやつエリアに移動して食べ始めたAちゃんの姿を見てお母さんとスタッフで微笑み合いながら、「お母さんの見立て通りだったね!」「Aちゃんのすることや考えていることを、お母さんがよく理解しておられてすごいですね!」とお話しました。
幼稚園の先生と情報共有シートを送ったあとのケース会議(電話)の中で、園の先生から「不安が強いと涙が出ることがあります。いつもはお話できていても、そういう時は言葉でなかなか言ってくれなくなって、何が原因で涙が出るのか分かってあげられなくて・・・。ぐんぐんではどう対応していますか?」とお話がありました。
そこで、療育で見られる姿や本人の特性として、
・不安感が強くなると、いつもは言葉でやりとりしているものも言えなくなる
・少し気持ちが落ち着くと、何が嫌だったのかなどを教えてくれる
(その場で色々聞いても応えられない)
・いつもと違うことなどがある時、キーパーソンがいると少し安心
(療育では、お母さんやAちゃんとよく遊ぶスタッフなど)
・「部分参加でもOK(例えば、見ているだけとか)」を保障してあげると、部分的に参加しているうちに「やってみる」と参加しようとすることも増えている
(無理に誘うと活動の場に行くことも不安がる)
・大人がやっているだけでなく、同世代の子どもが楽しそうにしている姿を見ていると、「やろうかな」という気持ちになることが増えている
などについて、具体的な事例を通してお話していきました。
すると、園の先生の方から
「確かに、いつもの先生に『手つないでいてほしい』と伝え、手をつないでいる時は『落ち着く』と言い、ホールでの活動にも参加できています」
「もしかしたら、運動会練習が始まったりしていて、それも不安なのかもしれません」
「提示はしていて、去年は『運動会練習』というようなことでも大丈夫だったのですが、それだけよりも『リレーの練習』というように内容も具体的にあると安心ってことですか?」
など、園での様子から先生自身が支援方法を考えてくださり、前向きに対応を検討してくださいました。
その後、お母さんからは「園でも、給食や運動会練習の際に、二者択一では伝えられない、これは得意だけどこれは苦手といった細かなAちゃんの気持ちを、先生が丁寧に確認してくれて、安心して幼稚園に通えています」と嬉しそうに報告してくださいました。
また、今年度は感染対策として、赤磐ぐんぐんの療育で大切にしていることや部屋の様子をまとめた「園の先生向けのぐんぐん見学動画」をYouTubeにアップして、全ての園の先生が見られるようにご案内をしました。
その動画を、Aちゃんのお母さんは、普段療育に付き添えないお父さんにも見てもらったそうです。「赤磐ぐんぐんの療育が、何を大切にしているところなのかとか、様子を伝えるのが難しいと思っていたので、お父さんにもどんな場所に通っているかが伝わって良かったです」と報告してくださいました。
お母さんと一緒に共有している療育を通して見られたAちゃんの特性や支援の方法を、お母さんが色々な方にうまく繋いでお伝えしておられることに率直にすごいなと感じると共に、そうした連携がAちゃんの生活の安定にも繋がっていくんだなと感じています。
子どもたちが安心・安定して日々の生活を送り成長していくためには、ご家族が我が子のことを知り理解し、様々な機関と連携して、お子さんについての情報を共有することが求められます。
ご家族がうまく連携していけるようにサポートすることは、赤磐ぐんぐんの大きな役割です。
毎回の療育の中で、お子さんの特性についてご家族と一緒に見つけていきながら、どんなことが得意で、うまくいかないことにはどうやって支援していくと良いかをご家族と一緒に悩みながら考えあい、園や他の療育機関の担当者同士でも情報共有し、お子さんとご家族を中心とした連携の形を意識しながら、ASDのお子さんたちの発達を支援していきたいです。
それが、きっとお子さんとご家族の笑顔に繋がると信じて。
赤磐ぐんぐん スタッフ:Y
ぐんぐんキッズ (小1〜)
ぐんぐんキッズでは、友達や先生と遊ぶ時間もありますが、1人で遊ばないといけない時間もあります。
中には、1人で遊ぶのが苦手な子もいます。ぐんぐんキッズのH君も1人で遊ぶことがあまり得意ではありませんでした。
「することなーい」と言って、ふらっと遊びのエリアから出ていくこともありました。しかし、ここ最近は20分も1人で遊ぶことができています。どうして1人で遊ぶことができるようになったのでしょうか?
H君は、全部のおもちゃを遊んでみたうえで「することなーい」と言っていたわけではないのです。
まだ遊んだことがないおもちゃがあるのですが、「することなーい」と言っていたのです。
人によっては、知らないおもちゃがあるからやってみようという人もいると思います。しかしH君は、慣れているものや知っているものはよく遊びますが、はじめてのものは苦手です。
これはおもちゃに限らずH君の自閉症の特性です。でも知っている物で遊び続けても飽きがきます。
ですので、遊んだことのないおもちゃの遊び方や楽しみ方をレクチャーすることが彼には必要でした。1度遊び方を経験して、楽しいと思えたらとても長い時間1人で遊ぶようになりました。
自分から初めてのことに手を出すことや、楽しそうな遊び方を想像して模索していくことは自閉症の子にとって苦手な部分だと思います。ですから、遊び方をおしえることは、そういった苦手さを助けることになります。
自閉症の子はコミュニケーションや社会性が苦手な面があります。しかしそれと友達と遊びたい、仲良くしたいという気持ちは別です。
ぐんぐんキッズにはとても仲良しな2人がいます。
“友達と仲良くしたい”“一緒にいたい”という気持ちは、当然ですがとても大切にしたいと思います。
それは、苦手なコミュニケーションや社会性について学習していく時の意味付け・モチベーションになるからです。
ただ「こういう振る舞いがいいよ」と教わるより、「こういう振る舞いをした方がもっと仲良くなれるよ」と教わる方が、聞きたいと思う子が多数だと思います。本人にとって学ぶ意味は何なのかを伝えてあげられるようにスタッフ一同取り組んでいきたいと思います。
ぐんぐんキッズ スタッフ:I
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。