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令和3年5月31日
第277号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
277号 目次
聖火リレー
即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座・支援ツール勉強会 報告とお知らせ
育てる会総会・AAO活動 の 報告とお知らせ
アイリスの会・OHAの会・水泳教室・はやぶさの会 の 報告とお知らせ
ちゃーちゃん日記
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「 発達障害だって大丈夫 」
ぐんぐんだより
今年は、5月中旬には早々と梅雨入りしてしまった岡山県赤磐市。例年だと梅雨入りと相前後して田植えが始まるのだけれど、今年は、田植えが追いつかないようです。
わが家では、よく降る雨に、洗濯物が乾かない毎日ですが、皆さんの所は、どうでしょう。
異常気象とはいえ、ゆっくりと でも確実に季節は春から夏へと移っていきます。
庭の花たちは、季節の変化に遅れまいと 急ぐように次々と花をつけて輝いています。
季節の移り変わりを庭仕事をしながら感じられるのは、幸せなことですね。
我が家もこの地に引っ越して2年目の夏をまもなく迎えます。
自動車の免許証を75歳で返納するための引っ越しでした。前の住まいは山の麓にあり、スーパーやバス停も遠く不便なところでした。自動車を手放したら買い物難民になりそうな所です・・・と言っても、事務所は今もそこにありますし、自然も豊かで、と〜ってもいいところですが。
それはさておき、今の家に引っ越して、とても暮しやすくなりました。
何か買い忘れても、すぐ近くにスーパーがあります。歩いて1〜2分で買ってこれる便利さは、もう手放せません。
また、ここへ引っ越して良かったことのひとつが、庭の花壇です。
色んな花を植えて、楽しんでいます。
今咲いているのは、紫陽花、カンパニュラ、鬼百合、撫子・・・。
最近暇さえあれば、庭仕事に精を出す毎日です。
草を抜いたり、芝生の肥料をまいたり、プランターの土を入れ替えて、種から育てた花を植えています。楽しくて色々やっています。
こんなに庭仕事好きだったとは、自分でも意外で驚いています。
すっかり農家のおばちゃんの手になって、草の色素で手が黒いのも、爪の間に土が入り込んでいる様も、いとおかし・・・。案外気に入っている私です。
庭で咲いた花たちを家中の花瓶を総動員し飾っています。
学生の頃、一時期都会で暮したこともあるけれど、田舎で育ったせいか、田舎暮らしが性に合っているのでしょうね。土をいじっていると時間を忘れるくらいです。
芝生の雑草を見つけて抜くのが好きです。
芝生の中は、うんと顔を近づけないと、見えません。それで勢い腰を折っておばあさんのようにゆっくり歩を進めながら草を探します。腰を折るとバランスのために、手は後ろに組む形になるわけです。こんなおばあさんいたなぁ〜なんて思いながら、草取りをしています。
我が家の前の道は市役所の裏道なんですが、交通量が意外と多いのです。
歩いてくる人も多い。人の足音が近づくと、しゃんと腰を伸ばして、かっこつけて草さがし・・・・。
人が去ったら、おばあさん・・・、また車の音がしたら、シャン・・を繰り返しています。
そのうちシャンが出来なくなって、ずーっとおばあさんの姿勢になるのでしょうか・・・。
さて、総会も無事に終わりました。今年度も代表をさせていただくことが決まりました鳥羽です。改めまして、一年間どうぞよろしくお願いします。総会資料は正会員の方に同封していますのでご覧ください。
悲しいこともありました。昨年の春まで育てる会の児童発達支援事業所でスタッフをしてくれていた、Oさんが、亡くなられたとの知らせが届きました。くも膜下出血だったそうです。
まだ若く50代前半だった彼女は、スタッフでの仕事のかたわら、音楽のお仕事でピアノや鍵盤ハーモニカを教えていらっしゃいました。
たくさんのお弟子さんを持たれていて、急逝されたため、生徒さんやその保護者の皆さんの嘆き悲しまれる様子が、余計に涙を誘いました。
人は、どんな人生を送ればいいのでしょうか?
いつ何が起こるか誰にも判りません。
私はいつ死ぬのでしょう。どんな病を患うのでしょう。
神ならぬ身の私たちには、知るよしもありません。
ただ、彼女の死で想ったことは、どう生きたかが大事だということです。
彼女は、面倒見のいい豪快な雰囲気の人でした。でも、それだけではなくとても気遣いのある人でした。哲平のことを気にかけてくださる暖かい人でした。
お仕事を手伝ってくださっていた頃、人手不足のぐんぐん職場にとって、無くてはならない方でした。
お世話になった子ども達が、大勢います。
また、ゴスペルの会のピアノを担当してくださっていたこともありました。
お仕事忙しくなって、ピアノを弾いてはもらえなくなりましたが、彼女と一緒に参加したコンサートやミュージカル仕立ての音楽会も楽しかったものでした。懐かしく鮮明に憶えています。
物覚えが悪い私のために、何度もアルトの部分を弾いてくださったものでした。
どう生きたか。そう彼女は、全力で多くの人の為に生きて、色んな人の心にいい思い出を残して、そして逝ってしまわれました。
寂しく悲しいです。ありがとうOさん。
たくさんの思い出もありがとう。お世話になりました。ご冥福をお祈りします。
さて、お話しを変えましょう。育てる会のことに戻ります。
即実践講座が、始まりました。
今年は、香川大学から坂井聡先生をお迎えしての講座の開催です。
今回特に先生にお願いしていたのは、ICTについて丁寧にお話しして欲しいということです。一年間素敵な充実した講座が始まりました。
コロナ下にあって、学校の授業も対面ではないことが多くなりました。
支援学校でもオンライン授業を余儀なくされることもあると思います。
坂井先生が校長を兼任されている、香川大学附属坂出小学校では、既に授業の中にICTを組み入れていらっしゃいます。
今年度は、そんな最先端の授業についての学びと共に、コミュニケーション支援についてのお話しを、たっぷりお聴きかせいただきたいと思います。
是非是非、皆さんもご参加ください。ただし、保護者は、入れませんので、担任の先生方にお伝えくださいね。
さて、もう一つもう一度お知らせしましょう。
今回チラシが入っていると思いますが、吉田友子先生の「自閉スペクトラムの大学生活」のシリーズの講演会、申し込まれていますか?お見逃し無く、お忘れ無くですよ。支援者も保護者も、是非是非、ご参加ください。第1回の期日迫っています。よろしくお願いいたします。
重松先生の二つの講座や、澤先生の支援ツールの講座、OHAの会にアイリスの会・・・。色々あって忙しいですね。
でも全部、自閉症児の子育てにとって意味ある勉強会ばかりです。子ども達のことよく知り、支援に活かすためには、学ばなければ始まりません。
今は、全部の講演会がZoomでの開催になっていますので、お子さんが家にいても、気兼ねなく自宅から参加できるようになっています。
都合が悪くなっても、見逃し配信のある講演会・勉強会も多いので、安心して申し込んでください。
支援ツール勉強会や重松先生の保護者向け連続講座、アイリスの会などは、正会員の方は無料としていますので、見逃したらもったいないですよ!
皆さん一緒に学びましょう。よろしくお願いいたします。
さて、息子がオリンピックの聖火リレーに参加しました。
事前にテレビ局が、取材に来られニュースで映像が流れました。
メディアの影響力って大きいですね。多くの方にお声かけいただきました。
予定では、赤磐市内の熊山の川沿いを走る予定だったのですが、残念なことに岡山県に緊急事態宣言が発令されたことを受けて、リレーは取りやめになり、津山のイベント会場での開催となりました。
当日は大雨警報が出るというくらいの日で、あいにくの雨の中、濡れ鼠のようになりながらのトーチキスというトーチからトーチに火を移していくという形で行われました。
なんだか一生懸命練習したのに、無駄に終わった気がして、ちょっぴり残念でした。
雨は降るし、寒いし、足下は泥水のジュクジュクだし、思わず「なんて日だ〜」という言葉が口から出てしまう私でした。
係のみなさん精一杯頑張っていらっしゃるし、東京オリンピックにケチをつけてもいけないので、運営の不手際ぶりなど、今は黙っていましょう。
それにしても、なんてこった!!
そんな中での収穫は、スケジュールによる見通しも示されず、家族も何時から何が始まるのかも判らないような状況の中、文句も言わず怒ることもなく、よく我慢し続けた哲平の姿でした。
我が息子ながら、よく育ってくれたもんだと、改めて驚かされたと言うのが、感想です。
参加者の中には高齢者の方もいらっしゃいましたが、風邪を引かれていないか、心配してしまいます。
コロナへの対策は十分過ぎるほどありましたが、この雨に濡れ、びしょびしょのまま、長く待たされた写真撮影とインタビューのせいで、コロナとは別の肺炎になってしまった人もいるのでは? と他人事ながら心配した次第です。
哲平は・・・、翌日何事もなく元気に会社へ出かけて行きました (^_^)
さて、次も哲平のお話です。
ゴールデンウィーク中にカップ麺を食べようと、好きなものを選ばせていると、3人分のカップ麺を出してきました。
本人曰く「日付、古い!!」とのことでした。見ると、すでに賞味期限の切れているものもありました。
我が家の防災グッズの一つにでもなれば、との思いもあり、保存していたカップ麺です。
日付の古い分から食べていくのは、大切ですね。哲平のお陰で、期限切れも発見できて ああ〜、良かったよかった。
そういえば、ハムやベーコンなど、少しでも賞味期限を過ぎてしまうと、すぐ捨ててしまう哲平です。
そんな哲平に、火を通せば食べられることを教えている私です。ケチでうっかりミスも多い母です。
哲平のように、きっちりタイプの自閉症の子がいるお陰で、冷蔵庫の中は、整理できるというものです、ありがたやありがたや〜。
床を水拭きしてくれています。哲平は、こんな風に丁寧に床を拭いてくれます。
まずはじめに、20枚のぞうきんを用意します。
水をバケツに2リットル入れて、そこへキャップ1杯のマイ○ットを入れます。
そして、20枚のぞうきんを浸し、きっちり絞っておきます。
この用意をすると哲平は丁寧に家中の床を拭いていってくれます。汚れたぞうきんは、決めた容器に入れていきます。
新しいのと汚れたのを区別しながら1階から2階へと拭き上げていってくれます。
ジーパンの膝が破れるといけないので、膝サポーターをはめてから掃除をします。これは100円ショップで買いました。
ぴかぴかに・・・完璧、とはいきませんが、定期的に拭いてくれるので、まずまず床も階段もきれいなままです。
ええ子です。助かっています。
さて、こんなお知らせが来ました。
厚労省予防接種室からの事務連絡です。
新型コロナウイルスワクチンの接種順位の優先順位に位置づける、「基礎疾患を有するもの」の範囲に「知的障害(療育手帳を所持している場合)」が、追加になったそうです。
皆さん、お子さんが療育手帳を持っておられる方は、どうぞ、6月半ばぐらいから始まるであろう、「基礎疾患を持っている方」の際の申込を忘れないようにしてくださいね。
そういえば友人から聞いた重度知的障害のある方の話です。
お母さんがコロナに罹られたのですが、母子家庭ということもあり、重度知的障害をもつお子さんは、お母さんの支援なしに暮らせないので、どうしてもお世話はお母さんがすることになり感染してしまったそうです。
また、マスクをつけるのも難しい方も多いと思います。
でも、追加された中に「自閉症」は入りませんでしたね。
療育手帳を持っていない、高機能の方は入らないようです。
考えて見ると56〜7人に一人の割合もいる自閉症を基礎疾患に入れると、人数が増えすぎて大変難しいのでしょうね。
それとも、他の障害も全部入れなきゃならなくなるのでしょうか?
それに、自己申告とはいえ、手帳がないと判別も難しいですものね。
発達障害者手帳がやっぱり必要ですね。こんな時こそ、役に立つことになる手帳でしょう。
早く感染が治まるか、ワクチン接種が進みますように、祈っています。
ちなみに私は、高齢者枠で、6月1日と22日にワクチン接種の予約がとれました。
65歳以上だから良かったと言う初めてのことでした。
皆さん、どうかご無事で、次の278号でもお会いしましょうね。では、またごきげんよう。
(鳥羽 美千子)
令和3年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座がいよいよ始まりました。
いつもながらの、坂井先生の楽しい、それでいて考えさせられる講義に、あっという間に初回の時間は過ぎました。
たくさんの映像を見せていただき、具体的にイメージすることができ、これからの一年間がとても楽しみになるスタートでした。
コロナ禍のため、オンラインの講義となり、いつもの笑いに包まれた会場とは少し雰囲気が違いましたが、その分、職場やご自宅から参加しやすくなっていると思います。
途中参加の方には、見逃し配信が提供できますので、いまからでも間に合います。
一年間、一緒に学びあえる仲間の方を募集していますので、どうぞ申し込んでください。
『 令和3年度 第2回 現場の先生のための 即実践講座 』
日 時:令和3年6月17日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「支援技術とは ATとAAC」
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
それでは、第1回「障害があるとはどういうことだろうか? あなたに障害はありますか?」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。
○ 障がいのある人とは?自立とは?という質問に、普段意識している様で、あまり考えれていなかった自分に気づきました。改めて考えなおすいい機会となりました。また、職場の人たちともディスカッションしたいと思いました。学校の先生が何気なく使っている「よく頑張ったね」という言葉の危うさについてもよくわかりました。
○ 動画を見て、子育て中を思い返しました。今は支援する側に立ち、何か忘れそうになっていたことを思い出し、再確認できました。出来ない事を出来るようにするために支援するのではなく、出来る事をもっと伸ばす支援をしたり、助けてを素直に言えるような人になれるように支援していきたいと思いました。
○ 相談や療育で出会ってきた一般の方(特に日本文化の中で生活してきた人)にとって、障害という言葉から受ける印象が、また人と違うということが、悪すぎると感じてきました。マイノリティーを受け入れる社会に少しずつ変化してきているとはいえども、目立ってほしくないという声はいまだによく耳にするからです。
自閉症の方が、どれほど社会参加し、活動できているか知っていただきたいなと思うと同時に、より社会参加し活動できるできる環境を作っていくのも私たちの役目だなと感じました。これから一年間、一緒に学ばせていただきます。よろしくお願いいたします。
○ たくさんの動画を見せてくださって、また先生のお話も深く考えさせられる内容でした。障害って本当になんだろう・・・
画一的や平均や平等など、そういうことがしんどいことも多いと思います。以前のその子と比較して、少しずつ成長していく。当たり前を見つけて褒めていく。すごくなくても、そこにいるだけで良いはず。
社会全体が変わっていくために、今何ができるかをしっかり考えていきたいと思います。
令和 3 年度 支援者向け
発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和3年度の赤磐市との共同主催による「発達障害 夜間連続講座」がまもなく始まります。
コロナ禍で、オンライン開催となりましたが、従来の公民館の視聴覚室での講演に比べ、定員の枠がなくなったため、赤磐市の方をはじめ、多くの方の参加をお受けできることになりました。
講師は、わかりやすいお話と優しい語り口で人気の川崎医療福祉大学講師の重松孝治先生です。
5月から、一足先に始まった坂井先生の即実践講座が、現場ですぐに役立つICTを活用したコミュニケーションと支援技術の実践のお話などに対して、重松先生の講座は、自閉症への理解からの全般的な支援のお話になります。
できれば、両方の講座に参加していただければ、自閉症を持つ子どもたちへの支援の質が、より一層進むと思いますので、よろしくお願いします。
『 令和3年度 第1回 支援者向け 発達障害支援夜間連続講座 』』
日 時:令和3年6月3日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「自閉症の理解@ 〜発達障害の理解と自閉症〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)
別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:http://sodaterukai.org/policy1.html
全回無欠席の方には重松先生からの修了証の授与もあります。
支援者対象で、保護者対象ではないので、よろしくお願いします。
保護者の方に向けては、次の「保護者のための自閉症基本講座」を、同じく重松先生により開催いたしますので、こちらにご参加ください。
令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座
保護者のみなさん、お待たせしました。
できるだけ専門用語を使わないで、自閉症について初めて学ばれる若いお母さんにも分かるようにとお願いしている、重松孝治先生による保護者対象の「自閉症、基本の“き”」講座が始まります。
昨年に続き、今年も全6回の予定でお願いしています。
また、参加者の方からの悩みや相談に丁寧に答えていただけますので、自閉症児の子育てに悩みや不安をもたれている年長の保護者の方にも好評をいただいている講座です。
オンライン(Zoom)開催となっていますので、ご家庭にお子さんがいらっしゃっても安心して参加できます。・・・ただし、質問される時以外には、音声はミュートにしておいてくださいネ。
次の「支援ツール勉強会」と同じく、正会員の方は無料となっていますので、今年もみなさん、どうぞ参加してください。
『 令和3年度 第1回 保護者のための自閉症基本講座 』
日 時:令和3年6月7日(月)10:00〜12:00
場 所:オンライン(Zoom)開催ですので、ご自宅から参加できます
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者5,000円、一般10,000円(全6回分)
申込・問合せ:http://sodaterukai.org/policy1.html
令和3年度 支援ツール勉強会のお知らせ
澤 月子 先生を講師にお願いしての、令和3年度支援ツール勉強会の第1回の案内です。
今年度からは講義部分については、見逃し配信を行ないますので、お役に立ててください。
またグループチャットで参加者の作った支援ツールを見せあうこともできますので、先輩のお母さんのツールも参考にしていただけると思います。
正会員の方は無料ですので、ぜひ日頃の子育てに役立てていただきたいと思います。
『 令和3年度 第1回 支援ツール勉強会 』
日 時:令和3年 6月21日(月)9:30〜11:30
場 所:オンライン(Zoom)開催
講 師:澤 月子 先生(社福 南山城学園 スーパーバイザー)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者 3,000円(全 3回分)
申込先:http://sodaterukai.org/policy1.html
令和3年度 育てる会総会 の 報告
令和3年5月25日(火)、令和3年度 育てる会総会が、オンライン(Zoom使用)にて開催されました。
令和2年度事業報告・活動決算報告、令和3年度役員選出・事業計画・活動予算について、全て原案通りに承認されました。みなさま、ご協力ありがとうございました。
正会員の方には、承認を受けた総会資料を同封しておりますのでご確認ください。
AAO活動 参加者募集のお知らせ
AAО活動は、親が企画した内容に沿って、1年間にわたり子ども1人に対してボランティアさん2人で街の中へ出掛け、いろいろなことを体験する活動です。
活動内容は親が企画するので、映画・カラオケ・ボーリング・公園・電車・レストラン・お買いもの 等。子どもの喜びそうな楽しい計画を無理のない範囲で立てることができます。
もし、どのように計画を立てればよいか悩まれたときは相談にのりますので、少しでも興味を持たれた方は、参加してみてください。
お申し込みくださった方には、個別に活動についての詳しい説明を行います。
新型コロナウイルス感染症の様子を見ながらとなりますので、活動の縮小・中止もあるかもしれませんが、参加者募集はこの時期しかないこと、活動期間が来年3月末までであることから、募集・活動説明は予定通り進めていきたいと思っております。
子どもも大きくなってきたので「チャレンジさせてみようかな。」と思われた方は、6月30日(水)までに 育てる会事務局( 086-955-6758)へお申し込みください。
みなさまの参加をお待ちしております。
AAО活動についての詳しい内容は同封のチラシをご覧ください。
(担当 M)
山陽新聞に、AAO活動のボランティア募集の案内を載せていただきました。
あゆみをつなぐ アイリスの会
「18歳の春を目指すクラブ」による、Zoomでの座談会&勉強会です。
5月27日(木)、ZOOMでアイリスの会を開催いたしました。
小・中と支援級で過ごし、東備支援学校へ進学され、サピックス(株)でお仕事を頑張っておられるお子さんをお持ちのMさんにご出演いただきました。
『子育て25年』の内容がぎっしり詰まったお話でした。偏食やこだわりのとても強かった幼少期に辛かった時のことや、地域の学校へ行かせたことで地域の人から温かい目で見守ってもらえるようになったことなど、頑張られてきたことが伝わり、今頑張られているお母さんたちの励みになるお話でした。
今は、好きなことがあって、欲しいものがあることで、仕事を頑張っておられるそうです。
参加してくださった方も、気になることを質問したり、意見交換したりでき、有意義な時間でした。Mさん、貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。
次回以降の予告
6月のアイリスの会
日時:6月24日(木)10:00-12:00(ZOOM)
育てる会会報で「お母さんコラム」を連載中のお母さん、cyacyaさんが初登場!!
今回は、知的障害のないタイプの小学5年生(自閉症情緒学級在籍)のお兄ちゃんの子育てについて語ってくださいます。
テーマは、「園(学校)とのやり取り・就学について」です。
7月のアイリスの会
日時:7月15日(木)10:00-12:00(ZOOM)
(第4木曜日が祝日となったので、第3木曜日に変更しています。ご注意ください。)
27歳の重度の知的障害を伴う自閉症のお子さんをお持ちの先輩お母さんのお話です。
テーマは、「全く発語のない子どもとの、我が家流コミュニケーション」を中心にお話していただく予定にしています。
アイリスの会は、先輩お母さんのお話が前半1時間ほどあり、後半は、座談会・交流会形式で行なっています。
ご参加、初めての方も入りやすいですので、遠慮なく参加してくださいね!
今後のアイリスの予定も、分かり次第早めにお知らせしていきます!皆さんのご参加、お待ちしております!
OHAの会の報告とお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今年度も公認心理士の利守愛子先生によるテーマ別のお話と、参加者の方からの質問、相談に答える形で進めていっています。
【令和3年度 第2回 OHAの会】
日 時:令和3年6月8日(火) 9:30〜11:30
場 所 :オンライン(Zoom使用)
テーマ:「ASDの育て方 〜ASDの子どもの暮らしを楽しむために〜」
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士)
参加費:4000円(全10回分) 正会員限定
http://sodaterukai.org/policy1.html
※ 講義部分のみ後日配信あり
それでは、第1回「味わって育てよう! “普通”って何だろう」に参加されたお母さん方からの感想です。
○ いつも思っている子育てのもやもや(わがままと見られやすい等)を、まさに先生が表現してくださったので、そうそう!とすっきりした思いでした。例えば、算数など勉強そのものはできると、状況のわかりにくさについて、こんなこともわからないのかと思われてしまいがちなことなど。参加させていただいて良かったなと思います。
○ 当事者の気持ちを改めて読み聞かせてもらう事で心に沁みました。
子育ての大変さにいつも穏やかな心を忘れがちになります。それをリセットしてくれる様な気持ちになりました。
○ とても久しぶりに利守先生のお話を聞かせていただき、自分の気持ちが穏やかになっていくのを感じました。利守先生の優しい言葉に、自閉症とわかった頃のしんどかった気持ちを思い出し、涙が出ました。
そして、親の気持ちを理解してくださり、がんばりを褒めてくださる先生がいることがとてもありがたくて、嬉しかったです。「普通」についてのお話し、なるほど!そうだよね!と思うことだらけでした。改めて、自閉症の特性を持った子どもたちの親で良かったなあ、彩りのある生活ができているのはこの子たちのおかげだなあと思えました^^
ここ何年も、子育てについて学ぶことをやめていて、しようしようと思いながらも先延ばしにしていることだらけで、日々が過ぎていました。
久しぶりにお話を聞かせていただき、人の話を聞くことや知りたいと思い学ぶことの楽しさを思い出し、やる気が出てきました!改めて、子どもたちと向き合い、今何が必要で、どういうタイミングなのかをしっかり観察し、丁寧に子育てをしていきたいと思っています。
これからのOHAの会のお話、とても楽しみです♪どうぞよろしくお願いいたします。
水泳教室 の お知らせ
日 時:令和3年6月20日(日)【予定】15:30〜17:30(6月20日まで延長されている岡山県の緊急事態宣言が解除されない場合、また、まん延防止等重点措置が発令されている場合は、水泳教室は中止とさせていただきます)
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
(担当: I & S)
はやぶさの会 の お知らせ
自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子たちを中心に活動しています。
岡山も緊急事態宣言が発令し、なかなか落ち着かない状況が続いています。
『コロナが落ち着いたらまた集まりたいね』と話しています。
仲間になりたい方、またご連絡くださいね。
(担当:M)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
ここのところ、学校の話などをよく紹介していたので、今日はちょっと違う視点の話を。
私は運動が本っっっ当に苦手です。
小・中・高校と、体育で5段階評価で2以上を取ることがなかなかできず、体育の時間は苦痛でしかありませんでした。受験の時にも、この体育がめちゃくちゃ足を引っ張るのです。
授業態度も悪くなく、さぼったり休んだりもしていないのにかわいそうに思ったのでしょう。
高2の体育の担当の先生が、授業終わりに声をかけてくれました。
「〇〇の努力はよく知っている」
「それでも苦手なものは仕方ない」
「走ったりバスケをしたりは『参加している』で評定をつけてやれるが、器械運動はできていないものを『できた』とはつけられん」
「跳び箱で3段を飛ぶか、縄跳びで2重跳びが1回でもできたら、『3』にしてやれる」
「頑張れ!」
・・・と、つきっきりでご指導いただき、何とか何とかできたとき、先生と手を取り合って喜んだことを覚えています(笑)。
そんな私は、もちろん自転車に乗るのも大苦労でした。
やっと乗れるようになったのは一年生の時。ちなみに、小学校ではなく、中学校一年生の時です。
私が通っていた中学校は片道3キロ以上あり、自転車通学が可能でした。
それまでコマつきにしか乗れておらず、どんなに頑張っても練習してもコケてコケて、ひざやひじにサポーターをつけていても痛いし、全く上達しないまま小学六年生になっていたので、「もう歩いて行くわ・・・」と完全に諦めていました。
ですが、ちょうど年の離れた弟(就学前)が自転車練習をするということになったため、「弟は乗れて姉が乗れないってどうなん?」となり、一念発起で練習です。
弟が乗る練習をしているのをじーっと観察し、「なるほど、ああやって乗るのか」「ああ、ここで手を離されるとこけるんだ」「後ろを持ってもらっていても、自分で漕がないと倒れるわけね」などなど確認。
イメージをしっかり膨らませていきます。
そして、いざチャレンジ!!
すると前に練習していた時とは段違い。
もちろん苦労はしましたが、一日で乗れるようになりました。
大人になってASDのことを知ってから思うのは、「同時に二つ以上のことをすることの苦手さ」「目と手の協応の苦手さ」などが影響していたのかなと思います。
「失敗を忘れることができない」もあったかも。
縄跳びなどのように手をまわしながら飛ぶことも、自転車のようにハンドル操作しながらペダルを漕ぐことも、バドミントンのように羽根を追いながら動いてラケットを動かすことも、どれもこれも難しい!
そう考えると、この自転車で経験した「しっかり予習をして自分の中で動きのイメージをして、どうやったらできるかを分析してからチャレンジする」は、今でも様々な新しいスキル取得の際に活用しています(おかげで運転免許も取得できましたし。笑)。
また、先日、育てる会のYouTubeチャンネルの自転車動画を見させてもらい、「これや!」ともなりました。
あの頃、こういう風に事前に何度も見ることができるものがあればよかったのになぁ。
ASDで運動系苦手なお子さんには、きっと参考になると思います。
良い時代になりましたね♪
(ちゃーちゃん)
お母さんコラム
小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、4歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日のテーマは「いじめや不登校」などについて。
先日、子ども達とご飯を食べている時の息子との対話の様子を紹介します。
兄「なぁママ。5月病っていうのがあるの、知ってる?」
母「知ってるよ」
兄「それってなんなん?」
母「何だと思う?」
妹「今5月よ」
母「そうじゃな」
兄「んー…5月病っていうんだから、5月にしかないことじゃろー? ゴールデンウィークがあるよなー。ゴールデンウィーク病みたいな?」
母「正解。大体4月って色んなことが新しくなるじゃん? 最初は『よーし、今年もがんばるぞー!』みたいに気合で頑張れるんだけど、ゴールデンウィークでちょっと長めに休みになると、なんとなくだるくなったり無理していたのがしんどくなったり色々調子崩すんだわ」
「そこで、『でもやるぞ!』てスイッチが変わればいいんだけど、そうじゃなかったらズルズル行きたくない気持ちのままでしんどくなって、たとえば学校やら仕事やらに行きたくなくなっちゃう人もいるんだよね」
息子「なるほどな。俺もゴールデンウィーク明けは、なんかだるい感じしてたけど、もう慣れたわ」
母「それは良かったです」
兄「学校とか仕事とか行かなかったらどうなるん?」
母「どうしても体調が悪い時とかはお休みすること自体は悪くないんだけどね。そのままズルズル休むと、仕事は溜まるわけよ。その日やらんといけんかったことがそのまま次の日の自分の仕事にプラスされて倍になっちゃうもん」
妹「倍って何?」
母「増えちゃうってこと」
妹「バイバーイの『倍』?」
母「違うけど、おもろいな」
兄「あー、俺も前風邪で休んだ時、宿題が次の日倍になるし、テスト問題習ってないところが出て困ったわ。休まん方がええってことじゃな」
母「学校行かずに遊んでいたいから、とかなら行かんとじゃな。でも体調が悪い時は休まないといけんよ?コロナ感染予防って意味でも、最近厳しいから」
兄「あー、それはそうだわな」
母「勉強ができんとか難しいとかは、ママも教えてあげられるから、それで『分からんから休む』っていうことになるんはどうかと思うよ」
兄「確かに。まぁ、今のところは大丈夫」
妹「娘ちゃん、硬筆やっとるんよ。勉強よ! 頑張ってるんよ」
母「そうだね。頑張ってるね。新しいことにチャレンジしてるのが素敵だわ。すごい」
兄「それ以外は休むってことはなし?」
母「いや。たとえば、誰かにいじわるされたりいじめられたり、学校で辛いことがある時は休むって選択も悪くない」
兄「なんで?」
母「だって、勉強とかは困っていなくても、子ども同士のトラブルとか学校の先生とのトラブルとかは、ママがその場で助けてあげられないから。
休んでいる間に、学校の先生とかと話をして、絶対解決して安全確保されたら、行くって形にするんよ。息子くんを守らんとじゃからな。そういう場合は休んでもよしだとママは思う」
兄「でもなー、そういうのを言うと『チクった』とか言われるんよ」
母「それは、『チクった』ではなく『報告や相談をした』という方で、するべきことです。学校の先生は、子ども達が健康に元気に学校に来るために、そういういじめ的なことがあったら速攻解決しないといけない決まりになってるの。それしないと、先生たちはもっとえらい先生たちからめちゃくちゃ怒られたりマスコミに怒られたりするんだわ。でも、先生たちもずーっと皆の側にいるわけじゃないから、報告や相談してもらわんと困るんだわ」
兄「知らんかった」
母「そう。だから、いじわるされたりいじめられたり、学校で辛いことがちょっとでもある時には、『学校を休む』までに行く前に、超小さいことから報告や相談をしておいて、そのいじめ的なことの芽を摘んでおくことが大事なんだ」
妹「芽を摘んだらだめよ。畑のは草と違うんだよ?」
母「そうじゃな。ここで話している芽は『いじわるの芽』。それは摘んだ方がいいじゃろ?」
妹「娘ちゃんはいじわるせんよ!」
母「えらい!!」
兄「なるほど。早めに言った方が解決が早いってこと?」
母「そういうこと。話がよく分かっているね」
兄「知らんかったことばっかりじゃわ」
母「あまり説教じゃない場面でこういう話はされんからかもな。前に外国でのいじめ対策の話を聞いたことあるんじゃけど、外国では『いじめられた子が休んだり保健室登校したりするんじゃなくて、いじめた方を休ませる』んだってよ。いじめられた方が、いじめが辛くて学校に行けなくて友達にも会えないなんておかしいからね」
兄「それってめちゃ良い方法に聞こえる。でもなんでいじめた側をそうするん?」
母「いじめている側の子って、誰かをいじめることで精神的に落ち着いたりすっきりしたりしようとするんよね。それって、健康な気持ちの状態じゃないじゃん?たとえば蝶々の羽根をちぎってすっきりするとか、物を壊してすっきりするとか、誰かの悪口を言い続けて相手を泣かしてすっきりするとか、そういうことでしか発散できない状態なんよ。それってさ、すげぇ病んでる状態なんだ」
兄「やべぇやつらじゃな」
母「そう。やべぇ状態なんだわ。でも、いじめている側の子どもはそういうやべぇ状態なことに気づいていないことが多いし、いじめが表面化してなかったら、学校の先生たちも気づいてあげられんじゃろ?」
兄「うん」
母「そうすると、いじめられている子が辛くて学校に来なくなっても、ターゲットが変わるだけでそのクラスからいじめはなくならんのよ」
兄「あー、違う人がいじめられるわけだ」
母「そう。だから、そのいじめている子にアプローチしていく必要があるんだよね」
兄「そういうやり方が、その外国だけでなく日本とかいろんなところでできたら、いじめはなくなるしめちゃくちゃ平和な世の中になりそうじゃな!」
妹「平和を守るのは、プリキュアの仕事でもあるのよ!」
母「そうだね!平和な世の中を作るのに、娘ちゃんも頑張らんとな」
妹「プリキュアの話していい? あのね〜〜〜」
ほんの10分ほどの晩御飯食べながらのやりとりでしたが、息子の中で、色々な気づきや学びがあったようです。丁寧に分かりやすくイメージしやすいように事例を出しながら話すことで整理して考えることができるようになってきました。すごいぞ!
そんな息子との小さい頃からの話を、6月の「アイリスの会」でお話する機会をいただきました。良かったらご参加くださいね♪
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
新しい年度に入って2か月が経過しようとしています。
初めて療育に通い始めたお子さんやクラス替えで一緒に通うお友達や馴染みの先生が変更したお子さんも、ぴっぴでの活動に慣れてきた頃です。
ぴっぴは親子で通う療育機関なので、その分安心感があり、入室を嫌がる子どもは少ないのですが、『はじまりの会』のように、何をするかが分からない活動場面では緊張が高まり、保護者のそばを離れられなかったり、涙が出たりするお子さんも見られました。
そこで、お子さんたちが安心して『はじまりの会』に参加できるように、
・子どもたちの興味関心に合わせた内容にする
・活動内の流れを一定にし、予測可能にする
・「何を」「どれだけ(して)」「どのようになったら終わるのか」「終わったら次に何をするのか」のように見通しを伝える
以上3つのことを工夫するようにしました。
子どもたちの興味関心はそれぞれのため、ペープサートやスキンシップあそび、絵本や紙芝居、お絵かきクイズ・・・などなど、クラスごとに変えています。
ちなみに低年齢のクラスに今一番人気なのが「ポケットシリーズ」です。
赤いポケットからは、赤い物が出てくるので、それが何かを当てていきます。
働く車が好きな子どもがいるクラスでは消防車を、果物が好きな子どもがいるクラスではリンゴやイチゴを忍ばせておきます。
それらがポケットからチラリと見えた時に、子どもたちがワクワクっとするのが表情を見て分かります。
そしてこのペープサートの分かりやすい所が、空っぽな状態を見せて『終わり』が伝えられるから・・・。子どもたちは「楽しかったけれど、なくなった・終わった」と納得し終わりを受け入れる事ができます。
また、活動の見通しをイラストや具体物を使って伝えるようにし、上から順にこなし、終えると「おわり」と言って箱に収めていくようにしています。一つずつ減っていくことで(終わって)次が始まることを見て理解することができるため、子どもたちが見通しを持ちながら『はじまりの会』に参加することができます。
子どもの興味を取り入れること、活動の流れが予測可能で見通しが持てる事で子どもたちの不安感は薄れ、笑顔で会に参加できる子が増えいきました!(^^)!
初めて療育開始をした低年齢のお子さんは特に、安心できる大人(両親)の膝に座った状態でも、前で展開されている活動にまずは興味が向くようにしていきました。
はじめは、椅子に座れないことを気にする保護者の方もおられましたが、経験を重ねていくことで体の力が抜け、自分から前を見る時間が増え、好きなペープサートが出てくると笑ったり、歌に合わせて手を叩いたりする変化を目の当たりにすると、椅子に座れることよりもその変化の方が大事だと感じていただけるようになりました。
好きな活動のためならそのうち座るようになるかな〜?と、今は温かい目で見て下さっています。
安心できる状況の中で、子どもたちがたくさんのことを学ぶ姿を見させていただき、『安心できる』状況を用意する大切さを教えていただきました。
これからもお子さんが安心して活動に参加できるための工夫を保護者の方と共有しながら、楽しく安心できる環境の中でお子さんのたくさんの成長を保護者と共に喜び合えるようにしていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ:K
赤磐ぐんぐん (就学前)
新年度になり約2か月が経ちました。
新しい時間帯やメンバーにもずいぶん慣れてきて、お子さんたちが少しずつ周りを見たり感じたりすることができています。
色々チャレンジしようとした矢先、岡山県にも新型コロナウイルス緊急事態宣言が出て、なかなか「いつも通り」が難しい日が続いています。
赤磐ぐんぐんでは、スタッフ一同で感染拡大防止を徹底し、皆様に安心して療育をご利用いただけるよう最善を尽くしています。よろしくお願いします。
さて、今月の会報では赤磐ぐんぐんで考える「ASDのお子さんの他者への興味関心の伸ばし方」についてのお話です。
赤磐ぐんぐんでは、グループ分けをする際、年齢や性別よりも、コミュニケーションや社会性の発達の段階などが近いお子さん同士でグループ分けをさせていただいています。
5月の頭に行った第一回保護者座談会では、ご家族に「うちの子紹介」の時間を設定し、お子さんの好きなものや興味があること、どういうところが親としてかわいいと思っているか、同室のご家族に知っておいてもらいたいことなどをお互いに話す時間を持ちました。
どのご家族もお子さんへの愛情が溢れつつ、お子さんのキャラクターをよく捉えられており和やかな雰囲気となりました。その中でも「え!〇〇?!うちの子も好きです」「へー、〇〇をそんな風にして使うんですね。面白い!」など、お互いの興味関心を知れたことも大きな成果だったと思います。
その中で、偶然「海の生き物が好き」なお子さんたちが同じグループ内にいることが、遊び場面での様子や座談会でのお話の中で見えてきました。
お子さん同士のコアな海の生き物についての会話や関わりを見ていて、しみじみ実感したのは「好きなものや興味が共通していることの力ってすごい!」です。
お互いに好きなものが同じであることは、単純に会話が盛り上がるだけでなく、「この海の生き物についてよく分かってくれる子は、一体誰なのだろう?」「あの子、また今度のぐんぐんでも話ができるかな?」と相手への興味が湧いてきている様子が見られました。
昨年度、保護者向け連続勉強会「自閉症支援 基本のき」の講義の中で、川崎医療福祉大学の重松孝治先生が「ASDのお子さんは『人への興味→活動や課題への興味』という形より、『活動や課題への興味→人への興味』という流れで社会性が伸びていく」とお話されていました。
定型発達の人は「仲良くなった人と一緒にいたいから活動をしていく」という形が多いけれど、ASDのお子さんはむしろ逆の流れで、「まずは楽しい活動や本人の興味関心の強い活動の場面を共有して、そこから徐々に相手への意識を伸ばしていく」という形で、社会性や他者への興味関心が広がっていくんだとのことです。
今回の様子は「まさにそれだなあ」と感じる一コマでした。
昨年度から、赤磐ぐんぐんでは「表出(自発)コミュニケーション」や「遊び」や「社会性」について、ご家族と一緒に、今のお子さんの現状と課題をアセスメントしています。
ただ見るだけでなく、ご家族にもアセスメント用紙をお渡しして、記録していただいています(お父さんやおじいちゃんやおばあちゃんにも協力していただいています)。
その中で、「グループでの社会性アセスメント」も行い、お子さん同士での相手への注目具合や共有の仕方を見たり、どんな玩具を使うと相手への興味の仕方が変わっていくのかを見たり、どういうアプローチをしていくと相手への興味関心を伸ばしていけるかなどを、ご家族と一緒に考える時間を持ちました。
お子さんの社会性を伸ばしていくために効果的なグループ活動の内容や設定の参考にしていきます。
ご家族と一緒に記録をつけていくことで、療育の中だけ・スタッフだけでは分からなかったお子さんの言動の背景を教えていただくことも多く、スタッフにとって、療育のヒントとなるお子さんへの理解が深まる学びの時間ともなっています。ありがとうございます。
赤磐ぐんぐんは、保護者同室での療育です。
お子さんの反応を直接見ていただけること、それに合わせてご家族がどう感じておられるかを直接その場で聞けるという大きなメリットがあります。「毎日が参観日」だけでなく、「毎日参加型」療育です。
お子さんの興味関心や好きなものはディープに深堀りしていくお子さんもおられますし、その月やその週やその日によってもどんどん幅広く移り変わるお子さんもおられます。
「ぴえん」も「マイクラ」も「パウパトロール」も「ゼンカイジャー」も「すみっこぐらし」も「呪術回線」も、お子さんやご家族から色々教えてもらうスタッフたちです。
本当に皆好きなものいっぱい!私たちスタッフは色々もっとアンテナ張っていかなきゃ!ですね!
前述した重松先生のお話にもあったように、「好きなもの」→「相手への興味」に広げていけるよう、お子さん同士が少しずつ相手への興味に繋がっていけるよう、うまく繋ぎ役になっていきながら、楽しくてワクワクするハートフル療育を目指していきたいと思います。
今後とも、色々教えてください!よろしくお願いいたします。
赤磐ぐんぐんスタッフ:O
ぐんぐんキッズ (小1〜)
今年は梅雨入りも早くキッズの建物の近くではカエルの合唱が聞こえてきます。
育てる会には未就学のお子さんの保護者同室の療育をしている児童発達支援事業の「ぐんぐんぴっぴ」と「赤磐ぐんぐん」があります。
私はこの春「ぐんぐんぴっぴ」から放課後等デイサービスの「ぐんぐんキッズ」へ移動となりました。
ぐんぐんキッズには、去年までにぐんぐんぴっぴを卒業してたお子さんたちも何人か通ってきていますが、卒業後小学生になってからは初めて出会うお子さんがほとんどです。短い人は1年ぶりですが、長い人は3年ぶりにお会いしました。今日は、久しぶりにお会いして、その成長ぶりに驚きと嬉しさを感じたお話をご紹介します。
Aくんは「ぴっぴ」に通っているころに出会った男の子で、私が出会った頃は幼稚園の年中さんでした。ぴっぴにいる頃はトランポリンが好きで、遊びと言えばトランポリンをしていました。
トランポリンをしながら「おーい、先生―!見てー^^」と声をかけてくれていたことを思い出します。
活動の時には、見えた物に引っ張られやすいので衝立を使って環境調整をして先生の話に注目できるようにしていました。
グループ活動の時は、先生がモデルを見せて説明しました。
でも活動途中にお母さんの姿がみえるとそっちに引っ張られて行ってしまい、なかなか戻ってくることができなかったことを覚えています。
そんなA君ですが、今では小学校2年生になっています。ご褒美システム(目当てを守ったらご褒美シールをもらうことができます)を使って、めあてを守って活動に参加することに意欲を持って取り組めるようにしています。
今は、ご褒美シールとしてもらう赤〇シールが10個たまったら銀色のシールと交換してもらえることを楽しみにしていて、10個赤〇シールをためることを目指して頑張っています。
先日、グループ活動で、体育館でサーキット遊びをした時のお話です。
活動の始めに、「今日のめあては、先生の話は椅子に座って聞く」です、とホワイトボードにかいて伝えました。
体育館にはつい触りたくなるような道具もいろいろありました。つい、道具が触りたくなって離席してしまったA君ですが、先生が「今日の目当ては何だったかな?」と声をかけると戻って椅子に座ることができていました。
その後は、活動に参加する方に注目を向けることができたので、活動に関係ないものを触りに行くことはありませんでした。
必要がないものをすべて隠してしまわなくても活動に参加することができていました。
また、自分がサーキットをした後も自分の席に着席してお友達がサーキットをしている姿を見て待つ事ができました。
活動の終わりには今日のめあてを振り返って、守れた事を先生に褒めてもらい、赤〇シールをもらいました。誇らしげに、もらった赤〇シールを自分のボードに貼りに行くA君をみてA君の成長を感じて嬉しくなりました。
そして、環境調整だけではなく、活動の目的を明確にすることや、活動に参加する意欲を引き出すための工夫を取り入れていくことの大切さを改めて感じる出来事でした。
療育後には、久しぶりにお会いする保護者の方とお話をし、私が感じたことをお伝えして一緒にお子さんの成長を喜び合う事ができました。
4月からぐんぐんキッズに移動になりまだ2か月です。まだまだ分からないことも多く戸惑う毎日ですが、子どもたちの笑顔に元気をもらっています^^これからも、子どもたちの、「できた!」「わかった!」をたくさん引き出していける療育を行っていきたいと思っています。
ぐんぐんキッズ スタッフ:N
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。