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令和 3年 7月31日

 

 第279号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 279号 目次

     太陽の季節に

     自閉症啓発セミナーの報告

     即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座・高校選び研修会 報告とお知らせ

      アイリスの会・水泳教室・OHAの会・はやぶさの会 の 報告とお知らせ

     ちゃーちゃん日記

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「 暮らしのルールブック」・「暮らしのルールブックの使い方」

     近隣の講演会等のご案内

      ぐんぐんだより 

      グループホーム寄付のお願いとお礼 

長く続いた雨が止んで、待ちわびた太陽の季節がやってきました。
山も里も深い緑に包まれて、夏の光の中でキラキラと輝いて見えます。
岡山は日本で一番晴れの日が多い県だそうで、年間275日も晴れているそうです。
そういえば、台風や大雨もなぜか岡山を避けて通るような感じです。
そんな岡山ですが、今年の梅雨には雨がよく降ったと思います。
何しろ我が家の芝生にキノコが生えたのです。白くてぷくっとしたキノコは、初めのうち「あらかわいい!」なんて言っていましたが、やがて、点々と緑の芝生の中に、筋状に生えだして、そのうち塊でガンガン生えてきたものだから、大慌てで駆除をはじめました。
夫が早起きして、キノコを取ってくれました。
雨がやんで太陽の季節がきたとたんに、キノコも顔を出さなくなって、ホッとしました。
ところが、今度はびっくりするほどのかんかん照りの毎日です。「少しは雨もいいもんです。」全く降らない空を見上げながら、こんなこといっている私です。人間は贅沢なものですね。雨が降れば、早くやんでくれといい、かんかん照りが続くと雨くらい少しはふれよと、言い出します。つくづく文句ばかり言っているような毎日ですよ。
お年寄りがクーラーをつけないで、熱中症になって亡くなったなんていう話を聞くけれど、暑さに鈍感になってしまって、実際の暑さを感じにくくなるのが原因だとのことです。
実は私もこの何日かの連休に頭痛がして困りました。
原因はわかっています。私はケチです。そのせいで、クーラーはつけているけれど、我慢強く設定温度は29度。そのせいで頭がガンガンしだして、これはきっと熱中症に違いなく、ケチケチせずにクーラーを少し強めにした次第。
皆さんもどうぞお気をつけ遊ばせ。

7月17日(土)に、吉田友子先生による「大学生への療育的助言と親御さんへのアプローチ」という演題で講演会をおこないました。
県内外から多くの参加者がありました。さすがは、吉田先生と主催者として感激しました。先生のお話は、後ろの報告ページに詳しくありますのでそちらもご覧ください。
少し私の感想も書きたいと思います。
先生はいつも講演会の最後には、こんな言葉で想いを伝えてくださいます。
自閉症の子どもが生まれたからと言って、放り出すわけにも行かないから、、自閉症の親に甘んじていると言うのではなく、自閉症の親として前向きにその人生を選び取って生きていってほしい、そんな風に話してくださいました。
私は、本当に選びとっているか? 甘んじているのではないか? そう自身に問い直しました。
自閉症は、素敵!! 私は以前、自分自身のASDとADHDを、先生に気づかされたました。自分は親としても哲平の親として、選び取って生きていきたい。そして私自身の障害ともしっかり向き合い、そういう自分を“是(よし)”として、選び取って生きていきたい。そうつくづく思えた2回目の講演でした。先生ありがとうございました。
吉田先生の次のセミナーは、9月25日(土)に3回目の講演会がありますので、お見逃しなきようお願いしますね。

さて、次の講演会が、決まりましたよ。詳しいお知らせは次の会報あたりになりますが、講師と日時だけお知らせしておきましょうね。
早稲田大学教育・総合科学学術院 教授の梅永雄二先生にお願いしています。
11月6日(土)の予定です。
先生は現在ハワイ大学マノア校で、特別支援教育や職業リハビリテーションの研究をされています。
来年3月までの一年間の留学中で、またパワーアップしたお話しをハワイの現地からしていただけるものと思います。
育てる会では初めての、海外からのZoomによる講演会です。時差の関係で、先生のご負担にならないように、午後からの講演となる予定です。
カレンダーに書いて、楽しみにお待ちくださいね。

連日、テレビで東京オリンピック色んな競技を見ています。
見てたら寝不足になることは分かっていても、目が離せないと言う状態です。
つくづくオリンピックは忙しい。選手でもない私まで、忙しい!見落としたものは、次の日にニュースで見られるのに、ついつい生で見たいと、夜更かししてしまいます。
日本選手の活躍が、見られて、結構活躍していて、うれしくなります。金メダルもたくさんもらえているようで、興奮してしまいます。私も日本人だったんだ。血が騒ぎます。
オリンピック始まるまでは、コロナのことがあったので、今の時期の開催にはあまり賛成できなかったけれど、いざ始まるともうオリンピックに夢中です。
皆さんの中に何人の人が、前の東京オリンピックを憶えているでしょうか?まだ生まれていないと言う方が、ほとんどではないでしょうか?
1964年10月10日、秋の青空の下、東京オリンピックは開催されました。
我が家にその少し前にカラーテレビがやってきたのを憶えています。
あれは今から57年前、私が小学6年生のことでした。
私の記憶が最も鮮明な小学生時代のことでした。開会式の鮮烈な記憶を私の脳はよく憶えています。
ブルーインパルスの描いた五輪のマーク、聖火の最終ランナーは、広島の当時無名の青年 (最終ランナー:坂井義則 氏)でした。
オリンピックの代表選考会には敗退したけれど、広島で原爆投下の日に生まれたという縁で最終ランナーに選ばれたそうです。
オリンピックにアマチュアリズムが生きていた頃の話です。
長い階段を駆け上がっていく彼の姿を、興奮しながら見たあの日、国旗掲揚は音楽にぴたっと合わせてあげられて、すごいな〜と思ったものでした。
今回のオリンピックの中継は、夜も遅くソファーで見ながら、何度もうたた寝してしまいました。目を覚ますと、橋本聖子大臣が挨拶していました。続いてのバッハさんの長ーい演説で・・・とうとう完全に寝落ちしてしまいました。
お陰で、話題になったピクトグラムや、市川海老蔵さんの舞台を見損ないましたし、長島さんや王さんの聖火リレーや大坂なおみさんによる点火の瞬間も見てません。気がつけば朝でした。
でも、次の日ダイジェスト版が、放送されて、こちらの方が良かったです。ピクトグラムが面白かったし、ドローンによる地球も素晴らしかった。
日本の開会式まずまずじゃなかったかしら??? それとも不評だった箇所はダイジェストではカットされてたおかげでしょうか。
連日の観戦で疲れた私ですが、この会報を急ぎ仕上げないと、事務局長にしかられるので、今日は、これを書いています。

さて、皆さんグループホームの第2棟目の建設が始まります。
7月27日(火)、大安吉日、地鎮祭が行われました。いよいよです。
 
ほっぷ1に続き、すてっぷ1が来年の2月末を目指して、建設が始まります。自閉症の子ども達の地域での自立を目指して、建設をはじめたほっぷ1でした。
そしてついに、より自立度の高い、すてっぷの建設が始まります。
思い返せば、2年前、国への建設補助金の申請が通らず(西日本水害復興予算のため、岡山からの申請は、災害関係以外は国で受け付けてもらえなかったそうです)、建設計画断念に至りました。
今回も申請はやはり通りませんでした・・・コロナのせいでしょうか。
また今年も見送って来年、再々申請するか、それとも・・・・と熟慮の結果、やっぱり2年間待ってくれた家族や自閉症のご本人のために、勇気を出して全額育てる会での自己負担での建設計画実施を決心いたしました。
待っていても誰も作ってはくれない親亡き後の暮らしの場です。親が作らなくて、誰が作るのでしょう。
「ないものは作っていこう!」の育てる会です。頑張って作っていくことが理事会で決まりました。
銀行と、ある親御さんの善意でお金を借りられることになりました。
残りは、寄付金と自己資金でまかなわねばなりません。
皆様にどうぞ寄付のお願いをさせてください。よろしくお願いします。
目標は、特にありません。寄付が多くなれば、それだけ銀行からの借金が減って、将来の運営が楽になります。よろしくお願いいたします。

これは、事務局長の70歳、古希のお祝いを事務局と相談支援エール1のみんなと一緒にしたときのものです。
「人生七十、古来稀なり」と言うとか。昔は短命で70まで生きると言うことが稀だったのでしょうね。
事務局長は、まだまだ現役で働いてもらわねばなりません。
使えるところまで使いたいと思います。
古希だからといって、老け込んでもらっては困ります。グループホームもありますから、これから忙しくなります。頑張ってもらいましょう
・・・でもそういえば、今年も哲平と一緒に岡山マラソンに参加するとか・・・年寄りの冷や水も、これまた困りますね。

コロナの予防注射の順番が、哲平にも廻ってきました。7月29日に第一回目を受けます。
本人は注射にも納得しています。何かというと注射の場面がテレビでも出てくるので、分かりやすくていいですね。なぜ注射を打たなければいけないのか、コロナにならないため、早くコロナが終息して、旅行やお食事に行けるようになるために、みんなが注射を受けるのだと、言うことを話して聞かせました。
私「哲平は、コロナで旅行に行けなかったね」
哲「行けない」
私「東京の秋葉原やディズニーランドにいきたかったね」
哲「行きたいです」
私「コロナが、終わったらいけるよ」
哲「・・・・・」
私「みんなが注射を打つと、コロナに罹りにくくなるんだよ」
哲「・・・・・」
私「てっぺいは、注射打ちますか?打ちませんか?」
哲「打ちます!!」
そういう訳で、打つことが決まりました。本人もテレビやネットニュース等でコロナの怖さをよく知っているらしく、コロナにならないために注射を前向きに受けるようです。嫌だと言われたら、困るところでした。

暑い夏もますます本番です。
今年は、海にもプールにも行けず、なかなか厳しい夏休みを過ごされているのではないでしょうか?
今しばらくの辛抱と信じたいものですね。
皆さん、お元気でまた会いましょうね。ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

令和3年7月17日(土)、iPEC(子どもとおとなの心理学的医学教育研究所)所長で、千代田クリニック院長の児童精神科医 吉田 友子 先生を、講師にお迎えして、「第112回(令和3年度 第2回)育てる会 自閉症啓発セミナー」をオンラインにて開催いたしました。
今回は「自閉スペクトラムの大学生活 〜主治医・学内相談医としての実践報告〜」のテーマで発達に偏りの疑いのある学生への支援を3回シリーズでお願いしていますが、好評だった第1回に続き、第2回は「大学生への療育的助言と親御さんへのアプローチ」と題して、実際の大学での相談の例を挙げられ、具体的なアドバイスについてお話いただきました。

当日、セミナーに参加された方からの講演内容の報告とアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介いたします。

7月17日(土)吉田友子先生のZoom講演会に参加しました。
今年度の育てる会自閉症啓発セミナーとして吉田友子先生の講演会は3回シリーズとなっているので、6月の第1回目に続きに、今回はシリーズ2回目の吉田友子先生の講演会です。
今回の内容は前回の参加者の方からのご質問の中から、今回のテーマにもつながるお話と、大学生の学生面談で受けることの多い相談のお話、親御さんと学生支援のお話、でした。
まずはじめに、前回の質問から、“聞き取りの仕方”については、ASDの方への質問の聞き取り方について、具体的な例を出しながらお話をしていただきました。
ASDの方とお話をするとき、「○○はどうだったの?」という、漠然とした質問の仕方ではなかなか会話がつながっていかないということはよくあることです。本人の困りごとにたどり着くように聞き取っていくためには、具体的に聞いていくことが必要です。
例えば、アルバイトでのことを聞き取るためには、
アルバイトをしたことはありますか?
いつから、いつまで? 
あなたの担当はどんな業務? 
うまくいかなかったって、なんて注意されたの? 
注意されてから、それはどうなったの? 
状況理解の難しさのあるASDの方にとっては、このような具体的な聞き取りの仕方をすることが、状況を整理することにも役立ち、困りごとが何なのかを明確にしていくことで、どんな対策が必要かを考えることができるのだと思いました。
ただし、聞き取りをするとき、矢継ぎ早に質問をしてしまうと、不快に思ったりする方もいると思います。詰問されていると誤解されないように、“あなたの役に立ちたいと思っているのよ”ということを本人に伝えることも大切にされている、と吉田先生は教えてくださいました。
情報を聞き取るときに大事なことのお話の中の、どんな情報を必要としているかを明確に伝えることもですが、学生が頭の中で文章を組み立てるスピードを考慮し、学生の反応を待つ、ということも、とても大切なことだと思いました。
それと、“話の脱線を叱らない・乗らない、淡々と軌道修正”というポイントも教えていただきました。話の脱線は、ASDの方と話をしているとよくあることです。それを注意して話をとめるのではなく、聞き取る側が配慮することで、軌道修正することができます。
これもまた支援者としてのスキルが求められることだと思いました。
情報を伝えるときのポイントのお話の中では、“簡潔に、具体的に” とよく言いますが、“具体的に” の注意点として、「詳細に」伝えればいいというものではなく、情報量にも注意が必要、そして、伝えるときにも、相手の理解のスピードを考慮しながら伝えることも大切と教えていただきました。
具体的な支援の方法のお話の中で、不注意に配慮した対応のお話の中では、“何度言っても忘れるのであれば、【何度も言うという方法】ではない別の方法を試してみる”、
その具体的な方法として、たとえば、プリントの整理の仕方や、大学用と外出用のカバンを2つ持つことで、物の入れ替えをしなくても済むようにして忘れ物を無くす工夫や、小学生であれば必要な学用品は2つ準備して、例えば縦笛は学校置きと家庭練習用に、購入時に2個買う!
少々もったいなく思えても、そうすることで、持ち帰りや持って行くことを忘れることを防ぐことができる。
このような具体的な方法も写真を使いながら教えていただきました。忘れないために多大な時間・エネルギーを消費することは、疲弊したり不安を増大させることにもなります。
私が関わっているお子さんの中にも、「忘れ物をしていないかいつも不安に思っている。」と話してくれたお子さんがいました。吉田先生のお話を聞きながら、その子に今すぐ必要なことは、その不安をなくすためできる具体的な工夫を考えることだと思いました。
“最近の無くし物、忘れ物を具体的に聞き取り、再発回避のための具体的アイディアを提案する”、そうすることで、“成功体験を通じて、自己支援技術・相談支援技術が向上する”
それが、自己理解支援についてもつながっていく。忘れ物の工夫の所でもお話があったように、大事なことは、成功体験を通じて自己理解を進めていくことです。
“見て分かるのが得意だね” そう本人に伝えることができるためにも、相談支援技術を向上させて、具体的な困りごとを本人と一緒に考え支援をしていく、そんな支援者でありたいと思いました。
自己理解支援については吉田先生の著書「自閉症・アスペルガー症候群 『自分のこと』のおしえ方」がとても勉強になります。
是非皆さんにも読んでいただきたいと思います。
大学生の学生面談で受けることの多い相談のお話は、授業の出席の困難、授業の理解の困難、提出物の期限が守れない、あるいはぎりぎりになり単位が取れなくなってしまうことについて、また、対人交流の相談が多いとのことでした。
授業の出席については、判明することの多い直接的原因として、@.起床できない、A.集団面での負担、B.感覚刺激での苦痛がある、とのことでした。どの理由についても、本人に努力を求めるだけの関わりでは、ASDの特性を無視した関わり方になります。
起床できない原因は何なのか。その原因には、授業理解の困難や、提出物の未提出などの不安が重なっているかもしれません。不安や不全感がゲームやネットへの執着につながり睡眠のリズムが乱れているのかもしれません。もちろん、睡眠障害やうつ状態など生物的な問題が併存している可能性も検討する必要があります。
集団面での負担では、いつ当られるのかいつも不安に思っていたり、集団なので対人交流場面が増えることでの疎外感を感じることが不安につながることもあるかもしれません。
感覚刺激の苦痛では、ざわめき・他学生の私語・空調の音などが苦痛と思いそれが登校困難につながることもあります。「この大学で学びたい」とその学校を選び取って入学したはずだからこそ、授業に出席できない原因が何なのかを、しっかり考えて対応をしていくことで、困難が無くなっていくのだと思いました。
コロナ禍でオンライン授業が増えたことで出席しやすくなった学生も多くなったようですが、それだけではなく、授業の資料が事前にダウンロードできることで事後にも残り視覚的に確認ができる、板書などが苦手な人にとってはそのわずらわしさが無くなる、また、オンラインのチャット機能を使うことで質問をしやすくなったり、オンデマンド授業の場合は、途中で止めたり繰り返しの再生ができることで自分のペースで学習しやすくなるなどのメリットもあったとのことでした。
ただ、オンライン授業やオンデマンド授業は、授業の受け方の選択肢の広がりにはなりましたが、まだ課題は多くあるとのことでした。(教員の負担の増大、遠隔授業が増えたことで生活リズムが崩れ、見なければいけないオンデマンド授業が溜まってしまい圧迫感を感じて不利益を感じた学生もいたとのことです。)
親御さんとの学生支援のお話では、「大学生になって、親が相談していいのか迷う」ということを聞くことが多いが、迷わず、ぜひ、相談を!とのことでした。親御さんの相談が、本人が相談してくることにつながることもあるというお話でした。親御さんからの情報はとても貴重な情報で、その子の支援のヒントになることもある。大学の相談室でカウンセラーと話をすることが、親御さんがASDを理解することにつながる機会にもなるので、ぜひつながってほしいというお話でした。
それから、親御さんの中には、本人に自己理解を促すのではなく、“こっそり配慮”をし続ける親御さんが稀にいらっしゃるというお話の中で、それは、本人が自己理解をする機会を奪うことになるというお話でした。ここでも、自己理解支援がとても重要な支援になるというお話をしていただき、やはり、自己理解支援を学ぶことはとても重要なことなので、吉田先生の著書をもっともっと読み込もうと思いました。
最後の、“なぜ支援するのか”というお話の中では、自閉症を誤った存在だから矯正するのではない、多数派の感じ方・やり方を学び、バイリンガルのように使い分ける技術を持っているとお互いが暮らしやすくなるから、あの子達に技術を教えるんだというお話をしていただきました。
このお話は、前回の第1回目の講演会でも吉田先生がお話をしてくださったことです。
“胸を張って使い分けて欲しいために、あの子達に技術を教える”
それは、吉田先生が精神科医として彼らが彼らの人生を誇りを持って選びとって生きて欲しいと願っているからなんです、と教えていただきました。
第2回目の吉田先生の講演会もとても学びの多い時間でした。
この報告には書ききれないたくさんの学びもありました。
私は支援者としてはまだまだですが、ASDの人と関わるものの一人として、“ASDを理解することから、本人への支援を考えることができる支援者”として、これから学び続けていきたいと思います。
次回は9月に3回目があります。今から次回がとても楽しみです。
療育スタッフ:K

○ 幼い頃に関わっていたお子さんが成長し、高校生、大学生になるようになりました。自己認知ということを考えたときに、小さい頃からの積み重ねの大切さを感じています。吉田先生のお話のなかで、一番印象に残ったのは、選択肢は一つでも「選び取る人」と「甘んじる人がいる」という部分です。
保護者がその子の親であることを楽しんだり、期待を持ったりできるようにサポートすることは支援者の役割だということを強く感じました。
また、日々の関わりの中で、「困らないように」という名目で、振る舞いを教えすぎて、その子らしさを隠したり、失わせたりする結果になってしまっていないか、ということを考えさせられました。基本を保護者と共有しながら、楽しい育ち、楽しい子育てをサポートできるように考えていきたいと思います。
○ 年長児の親として、また大学教員としても聴講させていただきました。
今回のお話を聞いて、成績不良あるいは欠席回数の多い学生に対してチューターとして指導を行った際に、一般的なアドバイスの効果がなかったことも納得がいきました。プリント整理、出席・課題の自己把握シートなど紹介していただいた具体例を早速活用したいと思います。私自身、「やる気がないのであれば仕方がない」と思いながら接してしまうことが多かったため、今後は「学生は大学での学業を全うしたいと望んでいる」という前提で手助けしなくてはと反省しています。
また、冒頭にお話しいただいた聞き取りについても参考になり、次に面談を行う際には取り組んでみようと思いました。
その一方で、一介の教員がどこまでやるべきか、あるいはどこから専門家の力を借りるべきなのかを悩むことが多いです。また、本人が専門家(あるいはそこにつながり得る支援)に頼ることを拒絶した場合にどうしたら良かったのか、今でも答が出せないでいます。
最終回も楽しみにしています。どうもありがとうございました。
○ 日頃、臨床で大学生の相談でよく聞く相談ばかりを具体的にお話しして下さってとても勉強になりました。
愛情深い事と特性の理解・支援する技術をもつ事は別の事という言葉は、感覚的には感じていましたが、言語化して頂いた事で支援する目的が非常にスッキリした気がします。
また、先生が大切にされている皆が幸せになる為に・・・それが自分の人生を、誇りをもって「選び取る人」という視点の重要性も心に響きました。
毎回吉田先生のお話を聞くことが、私にとって日々の臨床を見つめなおす大切な機会となっています。ありがとうございました。
○ 具体的な支援方法や「手当て言葉」を伺うことが出来て、大変勉強になりました。
我が子にも、自分の人生に誇りを持って選びとる人になってほしいと思います。
本日は、ありがとうございました。

令和3年度 支援者対象 
    現場の先生のための即実践講座

香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座です。
第3回は「ICTの導入 @ オンライン授業のために」のテーマで、実際の学校現場において、ICTを導入するためには、どのような事前準備が必要で、どのように運用していけばいいか、について実践を踏まえてのお話をしていただきました。
子どもたちみんなが、オンライン授業を公平に受け、活用していくためには、先生方の気配りや連携が大切で、授業の後ろにある綿密なフォローを知ることができ、とても参考になりました。
次回は、アシストガイドを使った支援の解説になりますので、参加される方はスマホなどにアプリをダウンロードしておいていただければと思います。

  『 令和3年度 第4回 現場の先生のための 即実践講座 』

日 時:令和3年9月16日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM) 
テーマ:「ICTの導入 A 〜個別支援のために〜 アシストガイドを使ってみよう 」  
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分 
それでは、第3回「ICTの導入 @〜オンライン授業のために〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。

○ 休校中の学習保障や不登校の児童への対応など、オンライン授業がなかなか進まない中で、早くから取り組んでいて、先生たちが同じ意識を持っているのがすごいなと思いました。職員に伝えていくことの難しさを実感することが多いので、この研修会でたくさんのことを学んで、伝えていけたらと思います。
○ 学校に登校できない児童に対してオンライン授業を行うことで教育を受ける権利を保障するという話が印象に残りました。
昨年度、コロナが怖くて学校に登校できにくい自閉症の児童がいて、その子にオンライン授業ができたらいいなとずっと思いながら、学校からストップがかかりできずにいたことを思い出しました。組織として環境が整えられるといいなと思いました。
遠隔授業時に、DVDをセーフティーネット的に用意しておくのは大事だと思いました。「どの子も欠けることなく」という軸をぶれずにもっておきたいと感じました。
○ 実際の遠隔授業の取り組みを聞くことができて、とても参考になりました。段階的に取り組むことや実践しながら環境を整えていくという考え方で実施することで、実現できることは増えるように感じました。

令和 3 年度 支援者向け 
   発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和3年度の赤磐市との共同主催による、重松孝治先生の「発達障害 夜間連続講座」です。
第2回は、自閉症の理解の続編で、第1回の「発達障害の理解と自閉症」で教わった、自閉症の特性の話から、その特性が実際の本人の生活の中で、どのように表われ、それをどのようにサポートしていけばよいかについて学びました。
そしてその場合の支援においても、アセスメントをしっかりとって、本人に分かるように伝えていくことの大切さについて、いつもながらのやさしい語り口で教えていただきました。
第3回は、いよいよ具体的に本人の状態の理解と、それに基づく支援のお話に入っていきます。
まだまだ、途中からでも間に合いますので、一緒に学んでいただける支援者の方をお待ちしています。

  『 令和3年度 第3回 支援者向け発達障害夜間連続講座in赤磐 』

日 時:令和3年8月5日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「個々の理解に基づく支援の実施 〜一人ひとりをよく知ることを目指して〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)
別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
それでは、第2回「自閉症の理解 A 〜自閉症の人の学び方、とらえ方、感じ方を知る〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。

○ 感情表現を感情表現の言葉を使用せず知らせる。という支援方法、大変勉強になりました。保護者の方から感情表現がうまくできないのが心配という声をよく聞くので、この方法は、とても興味深かったです。ありがとうございました。
○ 言葉でやりとりできるからといって視覚支援が必要ないということではないことがよくわかりました。また、抽象的な内容について、伝えたいことが正しく伝わっているとは限らないことがよくわかりました。そのことで間違った注意を与えていたかもしれません。反省です。
○ 視覚支援を自分の保育の中で取り入れていましたが、先生のお話を聞き、自分の支援の仕方はまだまだ自閉症の方にとっては理解しにくいものだったと感じました。
明日の保育からもっと具体的に明確に支援していけるようにしたいと思います。

令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座

重松先生の保護者のための自閉症基礎講座「自閉症、基本の“き”」の案内です。
告知を受けて間もない若いお母さんが、自閉症について正しい知識を知ってほしいとの思いから、できるだけ専門用語を使わないお話をお願いしています。
また、ベテランのお母さんにとっても、コロナ禍の夏休み、これまで経験したことのないような、新たな問題も出てきているかもしれませんね。
自閉症の特性に配慮した対応を一緒に学んでいければと思っています。
正会員の方は無料となっていますので、途中からでもどうぞ参加してくださいね。

  『 令和3年度 第2回 保護者のための自閉症基本講座 』

日 時:令和3年8月23日(月)10:00〜12:00
場 所:オンライン(Zoom)開催ですので、ご自宅から参加できます
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者5,000円、一般10,000円(全6回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748


発達障害児の高校・進路選び研修会のご案内

        育てる会も後援しています!!

特別支援教育のニーズのあるお子さんの進路に関して、学校や機関から実際の学校生活などの説明に来てくれるイベントが、
8月22日(日)に赤磐市立中央公民館で行われます。(高校 9校、支援学校 3校、その他就労移行支援事業所や行政なども参加予定)
当日は、時間帯によって個別ブースで各学校の担当の方に相談もできるそうですよ!
どなたでも参加できるので、市外の方もご興味があればぜひご参加くださいね。
県内のいろんな高校や、中学卒業後の利用できる機関の方が説明に来られます。
お子さんの将来の進路選択、考える手掛かりにしてみませんか?
お申込み・お問合せ先は育てる会ではありませんので、 同封のチラシや下のURL をご覧ください。
https://www.city.akaiwa.lg.jp/material/files/group/15/jouhoukouryukaitirashi.pdf (チラシ)
https://www.city.akaiwa.lg.jp/material/files/group/15/mousikomisyo.pdf (申込書)
なお、コロナ防止のため、公民館内では食事ができません。飲み物はOKです。

あゆみをつなぐ アイリスの会

先輩のお母さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
7月15日(木)は27歳になられた、Tくんのお母さんから「全く発語のない子どもとの我が家流コミュニケーション」のテーマでお話いただきました。
まだ、言葉のない幼い自閉症児のお母さんから、よく「どうすれば言葉が出るようになりますか?」と聞かれることもありますが、Tくんの場合は、無理に言葉を引き出すことを強いるよりも、「どうすれば思いを伝えらるか」ということを大切にされて子育てされたそうです。Tくんの中には、理解できる内言語があることは分かっていたので、発語にこだわることなく、トーキングエイドなどの機器を通して相手に伝えることで、安定した暮らしを手に入れられたそうです。
即実践講座をお願いしている坂井先生からも、「岡山にはAACを使いこなして、実践されている母子がいらっしゃいます」と紹介されたTくんです。発語があるお子さんにとっても、コミュニケーションというものの本質を教えていただいたお話でした。
お話の後は、いつものように質問に答えていただいたり、新たな子育てについてのアドバイスやよもやま話など、あっという間に時間が過ぎていきました。
Zoomで、正会員の方だけですので、どうぞ気楽に参加してください。

  【次回のアイリスの会】

日時:8月26日(木)10:00-12:00(ZOOM)
アイリスの会では、1回目の「成年後見制度について」でお話しいただいた、トチタロこと鳥羽(父)さんの再登場です。
今度は、「おやじの子育て反省記」と題して、会報でもおなじみの33歳になられた鳥羽哲平さんの子育てについて、父親からの目線での体験談をお話いただく予定です。
鳥羽代表の母親からの子育ての体験談と、どこが違って、どこが同じなのか・・・本当はお父さん方にも参加していただきたいのですが、平日の午前中ということでやはり難しいですね。
そこで、本来は「アイリスの会」は後日配信はしないのですが、今回はうまく録画できたら「おやじの会」としての配信も検討中です。
正会員だけの集まりなので、初めての方も入りやすいと思います。遠慮なく参加してくださいね!
皆さんのご参加、お待ちしております!

水泳教室 の お知らせ

8月はお休みです。
★ コロナで非常事態宣言がでていたため、2ヶ月お休みしましたが、久しぶりに7月18日(日)には開催できました。
体験希望の方にも再開を待っていただいていたのですが、待ちかねたように一挙に4人もの方が、新たにプールに入られました。大歓迎です!!
★ 次回は9月19日(日)開催予定です。このまま岡山では、コロナが静かに治まって、無事開催できることを願っています。
(担当: I & S)

OHAの会の報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
7月13日(火)、今年度 第3回OHAの会がZoomで行なわれました。
テーマは「視覚支援の大切さ」で、公認心理士の利守愛子先生に、自閉症児にとって、視覚支援を行なっていくことが、思っている以上に必要で大切である、ということについてお話いただきました。
知的障害を伴わない高機能な自閉症児にとっては、言葉が分かるだけに、ともすれば言葉だけで伝えようとしがちですが、「ほんとに分かってる?」と利守先生に尋ねられると、我が子が失敗した体験の中には、視覚支援がなかったため、「正しく伝わっていなくて、失敗させてしまった」ケースがあったのでは・・・と気づかされました。
8月は、夏休みでお休みのため、次回は9月になります。
またZoomでお会いしましょう。

  『 令和3年度 第4回 OHAの会 』

日 時:令和3年9月14日(火) 9:30〜11:30
場 所 :オンライン(Zoom使用)
テーマ:「親の感情コントロール 〜お母さんお父さんが自己理解をすることから〜」
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士)
参加費:4000円(全10回分) 正会員限定   講義部分のみ後日配信あり
途中参加も可能です。ご興味のある方は、事務局までご連絡ください。
それでは、第3回「視覚支援の大切さ 〜「言えば分かる」って ほんとに分かってる?」に参加されたお母さん方からの感想です。

○ 息子は、学校であったことを家でよく話します。その中で、自分はどう思ってどういう行動をしたのか聞くと、意外と場にあった行動をしていて、まだ人間関係で心配するほどのことは起きていないのかなと、思っています。
でも、後から振り返ってよく考えると相手の気持ちがわかってくるが、直感的に感じたり読み取ったりするのが苦手とのお話を聞いて、もしかしたら後で話すから読み取ったような感じで言えているだけで、その場で不意にしている発言や行動はどうなのかわからないなと、気づくことができたことがよかったです。これからは、もう少し掘り下げて聞いてみて、コミック会話のような目で見て会話や場面が整理できるような方法で話を聞いていってみようと思いました。
話してくれたことを問い詰めるのではなく、どうしたらよかったかなど一緒に考えたり、相談できたこと自体を褒めたり、ほかの人に相談してみようという提案をしたりなど、親としてどう受け答えをすると親に何でも言える子に育てていけるのかのコツを教えていただけたこともよかったです。
○ 視覚支援がいいとよく言われますが、何故か、などとても分かりやすかったです。
うちの息子も視覚優位なので書いて伝えたり、書きながら今日の出来事など話をしたら一番良いのは分かっているのですが…なかなか日々がバタバタ…でもお話を聞いて「いや、少しずつ頑張ろう!」って思えました!

はやぶさの会 の 報告

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
「緊急事態宣言解除されたし、そろそろ対面で集まって何かやりたいねー」との話が出て、親たちで日程調整をし、会報には間に合わなかったので、メーリングリストで正会員の方に案内をさせていただく形で、7月11日(日)に開催しました。
会報でずっと「新規参加も歓迎」とアナウンスしていたのですが、今回はメーリングリストでお知らせしたことで、お問い合わせが多くありました。
今回は直前だったこともあり、日程の都合つかない方もおられましたが、新規の男の子が一人加入!嬉しい!!こういう電子媒体、もっと活用しなきゃですね!
当初は「田井みなと公園で水遊び」と思っていましたが、ちょっと天気が微妙だったことと、夕方ぐらいから雷が多くなっていたこともあり、子どもたちから「え?雨だったらどうするん?」「せっかくのはやぶさの会、中止はイヤだよ」「雷が怖いから、行くのどうしようかなぁ」などの声があり、参加表明してくださった皆で相談して、急遽「渋川マリン水族館」に変更しました。
「ここなら雨でも雷でも大丈夫!」「皆の気分が乗れば、海の水際でちょっと足だけ浸かって涼もうよ!」「親たちも、涼しいエアコンがある水族館とか歓迎!」ということで。
さてさて当日。海水浴場が閉鎖されているためいつも通れる道が通れないとか、駐車場についたは良いけど、どこに水族館があるのか全然分からないとか、色々アクシデントには見舞われつつも・・・、無事現地に到着!!
子どもたちは「おー」「久しぶりじゃん」「俺、着替えも持ってきたよ」と、すっかりいつもの感じです。
初参加で少し緊張していた子にも「こっちに魚いるよ」「見てごらん」「ほら、ここからよく見えるよ」と色々お話しながら、優しく関わろうとしている姿に、皆の成長を感じました。
水族館では、一人でじっくり見る場面と誘いあって面白い発見を伝え合う場面を、自然にやっている姿に、「友達って本来こうあるものなのかもな」と自分自身の価値観を改める気持ちでした。なんとなく「せっかくはやぶさメンバーで来ているんだし」「全員一緒に!仲良く!一人ぼっちにならないように!」というような気持ちで親たちは見がちで。
でも息子に言わせてみれば「いやいや、無理して我慢して付き合うのは、学校のクラスメイトや学校の授業だけで十分でしょ」とのこと。
一人でじっくりウツボの生態を見たい時もあれば、ウミガメの餌やりみたいな面白そうな場面はぜひとも皆で見たいって気持ちになる時もある。無理して我慢しなくても、お互いを尊重しあえる空気感っていうのが、本当の意味での友達なのかもです。
水族館を楽しんだあとは、海での水際遊び・・・だったのですが、ちょこっと足を浸けているところから、一気にジャンプ!水掛け合い!!あっという間に水遊び大会です。
「何があっても良いように、小さい頃のように、服やタオルやあれこれ持ってきておこう」と親たちで話し合っていたのが正解でした。
皆びっしょびしょで、笑顔いっぱいでした。
良い夏休み前の思い出作りになりました。やっぱり対面が一番楽しいですね!
感想が寄せられているので紹介します。
「暑かったけど、楽しかったです!我が家は、海は親子ではよく行くのですが、同世代の子とワイワイできる姿は親子じゃできないなぁと、見ていてすごく嬉しかったです、ありがとうございました!!」
「初参加でしたが、本人は『楽しかった!』『海が気持ち良かった!』と言っていました。ありがとうございました!!
またご一緒させていただけると嬉しいです」
「参加する前には『海には入らないから、運動靴で行くわ』なんて言っていましたが・・・(笑)。
楽しそうに遊んでいる姿を見て、嬉しく思いました。写真もたくさんありがとうございます」
「天気にも恵まれ、さすがでした!お互いを意識して行動したり、かといって常に相手に合わせないといけない訳でもなく、素を出せる仲間になってきているように、我が子を見て思いました。ありがとうございました!」
「最初は皆『足だけ』とか言っていましたが、そんなので済む訳もなく(笑)、しっかり楽しめましたね。マリン水族館も、海事研修で来たことがある子が色々教えてくれたり、アザラシがいないのでがっくりしあいながら『まぁ、しゃーねえよな』と言い合っていったり、貝殻のどれが好きか話し合ったりなど、親とではなかなか見られない姿がたくさん見えて面白かったです。また近々集まりたいですね!!」
新しい仲間も随時募集中です。
小学一年生以上のASD診断のある男の子で、友達がほしいなと思っている子対象です。お気軽にお申込みください♪
(担当:M)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今回の会報は、先日発見した「物事には定石というものがある」ということについて。
前提としての話なんですが、私はマンガや小説やドラマが「好き」だけど、「苦手」です。
一話完結のもの・連載が終了して完結しているもの・原作があるものが好きです。「見通し」がある方が好きなんですよね。
きっかけとしては、すごく昔「ロード・オブ・ザ・リング」を映画で見た時に、「えええ?」「これで終わり?」「どうして? 全然伏線回収されていないじゃん!!」となった時に、一緒に見に行っていた相手に「そりゃ、第一部だもん」と言われ、
「し、知らなかった!!」
「めっちゃ気になるところで終わってる」
「こんなことなら、全部出てから見たかった!!」 と、なったことが始まりだったんですよね。
それ以来、見に行こうかなと思う映画があっても、必ずネットでネタバレを見てから見に行くようになってしまい、マンガや映画では原作があるものは必ずそれも見ないと気がすまない。
うーん、かなりこれって独特だよなぁ?とも思っていたのですが。
もやもやの原因の一つは、「何回も同じような展開になる」こと。
たとえば、バトル系漫画で言えば、主人公が強くなっても、またすごい強敵が出てきて、やっとやっつけたなぁと思って、ちょっと平和な時があっても、またすぐピンチになり、それをくぐり抜けてなんとかまたやっつける。この繰り返し。
また、たとえば、恋愛系のドラマでは、最初からラブラブというわけではなく、「もー、また喧嘩するじゃん」「なんでここですれ違うのよ」「話し合えよ」とか突っ込みたくなるぐらいに恋愛のドロドロヒヤヒヤそわそわがあります。
この繰り返しが「いつまで続くのか・・・」と不安になっていた原因の一つだったのですが、先日、「はっ」とつい最近気付いたことがあります。
それが、「物事には定石というものがある」ということ。
バトル系漫画は、敵が出てこないとピンチにならないとお話は進みませんし盛り上がりません。
恋愛系ドラマは恋敵がいないとドロドロしないと物語が成り立たないし、コメディアニメならドタバタしていないといけないから、必ずトムとジェリーは揉めていないといけないんですよね。
私はここが全然理解できていなかったから、毎回「もっと平和にすれば良いのに」と思って、終わりが分からないから、もやもやしていたんです。
水戸黄門やウルトラマンのように「絶対こうなる」ということが分かっていると安心していられるんです。
一方で「ドラえもん」のように、のび太が良い行動をして報われたり、逆に調子に乗って痛い目を見たりする物を見ることは、「今日はどっちだろう?」と不安でしんどい。
世の中の人は、このドキドキしたり先の展開が読めないのが楽しいんですよね。
でも、ここにはちゃんと定石があるんです。
恋愛系ドラマにはコメディ要素やホラー要素やサスペンス要素は入っていないし、そこが入っているものには「ラブコメディ」とか「ラブサスペンス」とちゃんとジャンルが入っている。
ちなみに「ラブコメディ」となっているものは、大体ハッピーエンド(恋愛系ドラマはたまに主人公が報われないとかアンハッピーエンドがあって「えええ」ってなることもあるので)。
すっきり!
それ以来、ジャンルを見るということを覚えた私は、最近ちょっとだけネタバレ見なくても楽しめるようになってきました。
40歳超えてもまだまだ知らないことばかりで、日々発見!何にでも感動したり感心したりです。多分皆さんの中では「え」「そりゃそうでしょう」だったりするんだと思うんですが、独特さというか不思議さに触れる機会になれば嬉しいです。
(ちゃーちゃん)

お母さんコラム

小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、4歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日はスペシャル反省大会。
やってしまいました・・・。今月は久々に息子と娘がそれぞれギャン泣きする事件がありました。
いやまぁ、私のせいだけじゃないんだけども(言い訳)。

  【息子のギャン泣き事件】

コロナで色々我慢が続いているため、「よーし、久々にキャンプにでも行くか!」と計画してくれた旦那。
息子にも「○月○日〜○日、キャンプに行くぞ!」「ほら、ここのキャンプ場! SUP(スタンドアップパドルボード:ウォータースポーツ)もできるぞ!!」と話しています。
息子はキャンプも海も、以前やったSUPも楽しかったので、とても喜んで、何日も前から準備しています。わざわざ学校からプールサンダルも持ち帰ってきました。
「でも、梅雨時期だし、大丈夫?」「もしかして雨降ったりしたら、海沿いとか無理でしょ」と話すものの、旦那は「大丈夫でしょ」「きっと降らないよ」といつもの超絶楽観主義。
ここで、「まぁ大丈夫かなぁ」と思った私がいけなかった・・・。
前日です。はい、降水確率100%!絶対無理。キャンプとか絶対無理。
旦那と話し合って、「残念だけど、仕方ない。中止にしよう」となったところまでは良かったのですが、それを息子に言う時に、しくじりました。
仕事から帰ってご飯の準備をしながら、「キャンプ中止だって」と言うと、案の定「えー!!なんでー!!?なんでいけないの??」と言う息子。
「仕方ないでしょ」
「雨や雷の時に海には入れない決まりなの」
「無理よ」 と話す母。
「テントだったら雨が降っても泊まれるじゃん」
「朝降っていても夜は雨やむかもしれないよ」
「どうして今から無理って決めちゃうの?」
「大丈夫かもしれんがん」
「なぁなぁなぁなぁ」
とずっとあれこれ言う息子に「無理なものは無理です。天気のことをママに言われても困るよ!」とちょっとイライラして強めに言ってしまったんですよね。
それがもうダメダメスイッチで。
そこから、自室にこもって泣いている息子。
5年生になってきたんだし、説得できると思っていたのですが、やはりすごくすごーーく楽しみにしていた予定がいきなり直前ドタキャンは、本人の納得になかなか至らず。
晩ご飯に呼ぶと、食べながらもまだまだメソメソで、食べ終わらず。
「おにぎりするから、部屋で食べておいで」と伝えると、部屋にこもって布団をかぶってメソメソ。結局「机に置いておくから、食べなさいね」といい、そっと待っていると、1時間ほどで部屋から出て、食器を片付け、お風呂に入って気持ちを切り替えていました。
このことについては、本人があまり触れたがらないので、母からは謝ったものの、なんとなく本人もすっきりしない様子もありながら、第二の娘のギャン泣き事件に続きます。

  【娘のギャン泣き事件】

その事件から数日後のことです。
主人の祖父が老衰で亡くなり、通夜・告別式があるということになりました。
父(旦那)は仕事を休み、兄と一緒に一足先に斎場へ。
母は仕事を早上がりして、急いで娘を保育園に迎えに行き、斎場に到着しました。
前回の息子の教訓を生かし、色々息子や娘に斎場での流れや、どこまで何を頑張ったら良いかなどを予告しておいたおかげで、本人たちに混乱はない様子。
旦那は喪主なので色々バタバタ手続きを進めており、息子は色々感じるところがあるようですが、娘はまだよく分からないこともあり、曾孫世代同士で賑やかにしています。
焼香なども上手にでき、やれやれ何とかなったなぁと思いながら一息ついていました。
娘や従兄弟たちの子守要員を務めながら、相談する私たち夫婦。
「今日、喪主だから泊まるわ」
「あ、そっか。分かったわ」
「子どもたちのこと、よろしくね」
「もちろん。着替えとかはある?」
「持ってきた」
そして、いざ帰る算段になった際のことです。
車の脇で
「じゃあ帰るね」
「おー、明日は13時からだから、そこまで早くなくていいよ」
「はーい」
バタン。
すると、娘が
「えー、パパの車で帰りたかったなー」と言います。
「パパは、今日はここにお泊まりなんよ」
「えええ!!!?」
はい、全然前回の息子の教訓を生かすことができていなかった私です。
本人たちの予定は伝えていたけど、旦那などほかの人がどうするかなどの見通しは伝えきれていませんでした。
案の定、娘は帰りの車でギャン泣き。
「パパと帰りたかった」
「○○ちゃん(私)、パパがお泊まりって知らなかった」
「もっとちゃんと『また明日ね』って話させてほしかった」
「ちゃんと言ってくれていたら、我慢できるけど、急に言われるのは辛い」 などなど・・・。
それを聞いていた息子。
「ママ、これ、こないだの俺と同じじゃわ」
「急に予定変更されるって結構しんどいんよね」
「んー、仕方ないって分かっていることと、納得できることは違うからさ。あと、やっぱ思い込みってあると思うよ。当然帰れると思っていたのに、大人は知っていたのに教えてくれていなかったっていうのがショックなんだと思うわ」
と語ってくれました。
ぐうの音も出ない母。ごめん・・・。
結局、本人の気持ちに丁寧に共感的に寄り添うことで、徐々に落ち着いていきました。
母の悪かったところを再度二人に具体的に伝えて謝ったところ、二人とも許してくれました。
ASD支援は一日にしてならず。
油断大敵というか、「大丈夫だろう」という甘さは全部返ってきちゃうんだった!そうでした!と反省しきりな時間でした。
でも、兄妹がお互い分かりあえているのも見えて、それはそれですごく成長を感じた時間でもありました。
自己&他者理解は、我が子二人ともがASD同士だからこそ理解しあえる面があったり、お互いの様子を見ることで自分のことも少し客観的に分析できる部分もあったりするんだよね、とも思います。
兄弟のありがたさってこういうところなのかもなぁなんて思う今日この頃です。
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

蝉の声が聞かれるようになり、いよいよ夏本番ですね。
ぴっぴの子どもたちから暑さに負けないくらいのパワーをもらいながら、毎日、元気に療育を行っています!!
保護者同室の療育を行っているぐんぐんぴっぴでは、保護者の方と一緒に考える機会を大切にしています。
お子さんの今の姿から保護者の方から気づきや思いをお聞きし、何を課題に取り組んでいけばいいのか整理するようにしています。
ぐんぐんぴっぴに通っているお子さんたちは年齢が小さいため、生活の中心はご家庭です。だからこそ、家庭との連携は必須だと考えています。
今回はお子さんの伝える力を伸ばすことを目標に保護者の方と一緒に考え取り組んだお話です。
4月から通っているAちゃんは初めての場所や慣れていない相手への緊張が強いお子さんです。
通い始めたころは、緊張のためお母さんの側から離れられないほどでした。しかし療育の回数を重ねるたびに緊張が緩み、Aちゃんの笑顔がどんどん増えていきました。
そんなとき、お母さんから
「家ではいっぱいお喋りもするし、結構、活発なんですよ。でも外に出ると大人しくなって私(母)の側から離れられなくなるんです」
「4月から通い始めた園では泣かずに離れられるようになったのですが、先生になかなか伝えられずにいることも多い様です。家だと私や父親に伝えられるのですが・・・」
「家と同じようにAちゃんが園やぴっぴでも欲しい物や、して欲しいことを伝えられたらもっと安心できると思うんです」
とお聞きしました。
ぴっぴに通っているお子さんで、慣れた家庭や相手ならできるけど、他の場面では同じようにはできないということを保護者の方からお聞きすることは少なくありません。
Aちゃんのお母さんの言われるように、家以外の場所でもAちゃんが自信をもって自分から伝えられるようになることは、Aちゃんが安心して生活することに繋がることは間違いありません。そこで、まずはぐんぐんぴっぴの中でAちゃんがどんな風にコミュニケーションをとるのかをお母さんと一緒に確認することにしました。
棚の上のおもちゃが欲しい時に一生懸命棚の方に手を伸ばしてみるものの手が届きません。しばらくして、Aちゃんは棚の上のおもちゃで遊ぶことを諦め、机の上にあるおもちゃで遊び始めました。
そこで、支援者が「Aちゃん、何で遊びたいの?」と声を掛けました。
すると棚の上を指さし、さっき一生懸命手を伸ばして取ろうとしたおもちゃを指さして教えてくれました。
他にも、円柱積み木を高く積んで遊んでいる時に、だんだんと高くなり自分で積めなくなると諦めて円柱積み木を片づける様子が見られました。
これらの様子から、
・自分から伝えるのは難しいが相手から働きかけられると伝えることができる
・自分でできないことは母や支援者に頼めばいいと知らないのでは?思っていないのでは?
ということをお母さんと確認しました。
そして、お母さんご自身も「今まで家ではAちゃんから伝えられると思っていましたが、私がAちゃんが伝えたいことを先回りして汲みとっていたのかもしれない」ということに気が付いたと教えてくださいました。
そこで、Aちゃんがいつでも・どこでも・だれにでも自分から伝えられる力を伸ばすための練習に取りくんでいくことにしました。
お母さんと、どの場面で練習をしていくかの作戦会議をしました。
「楽しい遊びの中の方がリラックスして伝えられるかもしれません」
「自分ではできないことの方が人に頼もうとするかもしれません」
ということで、円柱積み木を積む遊びで、Aちゃんが手が届かなくなり、自分で積めなくなったら抱っこをお願いして積める状況を作ることにしました。
Aちゃんが大人に抱っこしてもらうと、手が届かなくても積むことができるんだということに気が付けるように、最初はAちゃんから要求が出なくても抱っこするようにしました。
2回程抱っこしてもらって積むことができると、なんとAちゃんからお母さんのところへ背中を預けて抱っこしてもらうことを期待する姿が見られました。
今度はAちゃんが抱っこを期待して動き始めたタイミングでお母さんにAちゃんの正面に回り込んでもらい抱っこしてもらうことにしました。繰り返すうちに、お母さんの方へ手を伸ばして抱っこを求めては積み木を積み、その度にとびっきりの笑顔を見せてくれました。
今までは、自分でできなくなったら、終わっていた遊びでしたが、Aちゃんはお母さんに「抱っこしてほしい」と伝える事でさらにその遊びを楽しむことができ、笑顔も増えていきました。
その姿を見たお母さんからも「Aちゃんの嬉しそうな顔がたくさん見えて嬉しいです」「自分から伝えられるって大切ですね」とうれしいご感想を頂きました。
そしてご家庭でもお母さんをはじめご家族がAちゃんからの発信を待ってから要求を叶えるようにしてくださっていると報告も頂いています。
低年齢のお子さんは自分ではできないことがたくさんあります。
今回のAちゃんのように、大人に伝える事で、諦めなくてもいいということに気が付いていないお子さんもいるかもしれません。大人がお子さんの気持ちを察知できる場合であっても、お子さんから伝えてくるまで待ってみたり、伝え方を教えてあげたり、繰り返し練習することで、お子さんの人へ伝える力は伸びていくのではないでしょうか。
今では、Aちゃんはお母さんだけでなく支援者に対しても「抱っこしてほしい」ことを伝えられるようになっています。
これからは、抱っこ以外の要求が伝えられる機会や伝える相手を増やしていくことを目標にし、保護者の方とコミュニケーションを大切にしながら、丁寧に取り組んでいきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ:M

赤磐ぐんぐん (就学前)

梅雨も明け、暑さが日ごとに増してきました。コロナ感染予防対策や水分補給をしっかり行いながら、体調管理には気をつけて過ごしたいですね。
今月の会報のテーマは、前回に引き続き「ご家族の本人理解の深まり」についてです。
赤磐ぐんぐんでは、「親子同室」の療育を行っています。
療育での様子や連絡帳のエピソードなどから保護者の方の思いをお聞きしたり、お子さんの感じ方や捉え方はどうだったか、またどういった関わり方や工夫が合いそうかできそうかなどを一緒に考えていくことを大切にしています。
ご家族と一緒にこのプロセスをゆっくり丁寧に行うことで、ご家族と一緒にお子さんの理解を深めていきたいと思っています。
ご家族とのお話の中で、それぞれのご家庭での普段の生活で、「わが子にあった工夫」を考えられたり、実践されたりしているお話を伺うことが多くあります。今回はその中から、エピソードを2つご紹介します。

  エピソード@(Aちゃん)

ある日、Aちゃんは、お母さんと一緒に、園のお友達の家に遊びに行きました。お友達の家なので、その子の玩具を使って遊ぶことになりました。その日は急に遊ぶことになったので、Aちゃん自身は、自分の「メルちゃん」人形を持ってきていませんでした。
「メルちゃん」は、お友達の持っている一体のみ。
そうなると、お互いに自分の着せたい服を着せようとしたり、動かして遊びたくなったり、お人形の取り合いです。お母さんたちも「順番にしてみたら?」「これも面白いよ?」など色々提案はされたそうですが、最終的には辛くなって涙が出たそうです。
お母さんに「どうして難しかったと思いますか?」と聞くと、
「普段は自分の「メルちゃん」人形で遊んでいるから自分の好きなようにやれるのに、『この「メルちゃん」はお友達のだからね』というのが分からなかったのかも」
「『順番』と言われても好きすぎるから待てないし、他の玩具は「メルちゃん」には勝てなかったのかも」
「自分の気持ちを主張できるようになったから、『私もやりたい!』という気持ちが我慢できなくなったのかも」
など、色々な気づきをしてくださっていました。
お母さんに「次に同じような場面になったら、同じ状況のままだとどうですかね?」
「何を工夫したら、そもそものトラブルにならないと思いますか?」と尋ねると、
「次に遊びに行く時は、お家にある本人の「メルちゃん」やドレスなどを持っていきます!」
「そうしたら交換して着替えさせたりして遊べるかも?」
「なんで気付かなかったんだろう!本人にとって、こういう工夫をしてあげることって、すごく大切なことですよね」
とお話してくださっていました。

  エピソードA(Bくん)

保育園のお迎えの時に、迎え時間が同じになったお友達と一緒に帰りたいBくん。
お母さんと園の先生がお話していても、お友達と先に帰ろうとしたり、お母さんが「お話しているから待ってよ」と伝えても「早く帰ろうよ!」と怒りだす姿があり、どう説明したらいいか悩んでいたお母さん。
療育をする中で、お母さんから「家でも、本人と相談しながら『今日の予定』を確認していくことで誤解せずに取り組めることが増えてきました」「本人が『見て見て!』と言うことが増えて、どうしても忙しくて見に行ってやれない時に『〇〇していて忙しいから終わったら見るね』というように、見通しを伝えることで納得できる姿があったんです」等のお話があり、見通しや納得が本人にとってとても大事であることを確認していました。
ある日、ふとお母さんが思いついて「今日はお友達と帰れるかもしれないし、先生とお母さんがお話していたらお友達とは帰れないよ」と事前に伝えたそうです。
するとその日から、Bくんはお母さんと園の先生がお話しているのを待てるようになったそうで、「心づもりがあることで受け入れやすくなったのだと思います」とお母さんは嬉しそうにお話してくださっていました。
どちらのエピソードも、日々の生活の中でご家族がお子さんの様子を見られて、「今の姿はなぜだろう」「どういう工夫があると うまくいくだろう」と、わが子にあった子育て工夫を考えながらされているのが伝わってきて、素敵だなと思いました。こういうお話を伺うと、「ご家族の力・お子さんの成長のすごさ」を強く感じます。
考えた工夫や関わり方で うまくいく時もあれば、うまくいかないなという時もあるかもしれません。そんな時はぜひスタッフにお話ください。
うまくいった時には喜びあい、難しい時にはどうしたらいいかをご家族と一緒に考え合える、そんな赤磐ぐんぐんでありたいなと思います。
今後ともよろしくお願いします!!
赤磐ぐんぐんスタッフ: G

ぐんぐんキッズ (小1〜)

梅雨明け前は急に雷雨になったり、スッキリしない空模様が続いていましたが、梅雨が明けたらせみの鳴き声とともに本格的な夏の空になってきました。
小学校も修了式を終えて、夏休みが始まりました。ぐんぐんキッズの療育も夏休み時間の療育がスタートしました^^子どもたちと楽しい時間がたくさん過ごせる夏休みにしたいと思っています。
今回は、療育で取り組んだ活動のことをご紹介したいと思います。
“キッズタイム”と呼んでいる、小グループの活動で「大玉転がしボーリング」をしました^^
ルールを明示的にと思い、写真を撮って見せながら説明しました。
緑の線の内側から投げてペットボトルにミニオンの顔のついた11本のピンを倒すゲームです。
説明の後、投げ方はモデルを見せて教えました。説明を聞いた子ども達はやる気満々です。
この時は参加したのは2人だったので、1人が投げている間もう一人の子は待つ時間になります。
ただ待っているだけではなく、役割を持ってもらおうと思い、「ボールを転がしていない人は、ボールを拾って返すお手伝いをしよう」と提案してボール拾いをしてもらうことにしました。
私は、「ボールを拾ったら、Aくんに渡してね。」と口頭で説明したのですが、うまくいきませんでした。
ボーリングのレーン上は避けて、部屋の端の方でボールを転がして渡してほしかったのですが、ボーリングレーンの真ん中でボールを転がして返すので、まだ残っているピンを倒してしまい、その都度ゲームが中断してゲームに集中できなくなってしまいました。
この出来事を通して、次に活動する時には、そのルールをどう教えるかを考えました。
“ボーリングのレーン上は避けて、部屋の端の方でボールを転がして渡す”ということを、口頭で説明しようとしても、子どもたちはボーリングの活動が楽しくなっているので指示がなかなか伝わりません。
拾ったボールをどこから転がして返したらいいのか赤い矢印テープで示しました。
この赤い矢印テープ、視覚的に示してあるのでとても明示的に見えますが、ただこの赤いテープを貼るだけではうまくいきません。
この赤い矢印テープは何のために貼ってあるのかを子どもたちに教える必要があります。
同じ活動を翌週子どもたちとした時、まずはルール確認と、変更点を伝えました。
“ボールを拾って返す人がボールを転がす場所は、この赤い矢印テープの所からです。
ここから転がすと、ピンを倒すことなく、ボールを相手に返すことができます。”
ここに赤い矢印テープを示した意味を伝えることと、そして、事前に練習もしてもらいました。
ルール説明と、事前の練習で、ボールの返し方もバッチリになりました^^
この活動を通して、このくらいは伝わるかな?と思う事でも、伝えてみたけどうまく伝わっていないなと思う時には、伝え方を工夫することの大切さを改めて感じました。
伝え方の工夫を考えるときにはもちろん学習スタイルに立ち返って考えていきます。そして、視覚的な支援の工夫などを取り入れたときには、その使い方を“教える”ということも忘れずに行っていきたいと思いました。
これからも、子どもたちの「できた!」「わかった!」「楽しかった^^」を大切にしながら療育を行っていきたいと思います。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ:N

グループホーム寄付のお願いとお礼

育てる会では、現在の「グループホーム ほっぷ 1」で自立に向けての訓練を経て将来の一人暮らしに向けて、次のステップに向けてのワンルーム型の「グループホーム すてっぷ 1」の建設をめざしています。
本文にもあるように、無事 地鎮祭も終わり、いよいよ来年2月の完成に向けて工事が着工しました。
補助金に頼らず、自力での建設です。資金は、銀行や篤志家の方からの借り入れと、自己資金、それにプラス寄付金が財源となっています。
ご支援、応援、何卒よろしくお願いします。

  【 「すてっぷ 1」建設へのご寄附をいだいたみなさま 】

○ 鳥羽代表
寄付金受入口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
             岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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