Japanese version only

令和 3年 8月31日

 

 第280号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 280号 目次

     朝露の日に

     即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座 報告とお知らせ

      木工教室・GHもちなげ大会・アイリスの会 の 報告とお知らせ

      水泳教室・OHAの会・はやぶさの会 の 報告とお知らせ

     ちゃーちゃん日記

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「友だち作りのSST

     近隣の講演会等のご案内

      ぐんぐんだより 

毎日の暑さはあいかわらずだけれど、ふと見上げる空は、青い空・・・・、すっかり秋色の空。
炎天下でも、吹く風は湿気の少ない秋の風だったりします。
なにより、朝のつゆが草花に秋を告げているようです。
いつの間にか、気づかない間に季節が移りはじめているのを感じます。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
コロナの第5次の大波がここ岡山にもやってきて、岡山県全域が非常事態宣言発令中と相成りました。小さな県に感染者が毎日200人以上を数えています。
そんな中、学校は2学期が始まりました。ワクチンを打っていない子どもたちです。
ここから感染が始まらないことを祈るばかりです。
授業をオンラインで行うには、学校側も家庭側にも準備が整わず、さりとて学業の遅れは、ままならない状況なのでしょうか。コロナはいつ収まるのでしょう。もしかしたらこのまま、アルファ株→・・→デルタ株・・→・・とウィルスは変異を続けていくのでしょうか? 空恐ろしいことです。
私たちに出来ることは、できる限り早くワクチンを接種して、三密を避け、手洗いとマスクを厳密に守っての暮らししかないのでしょうか?
マスクも人によっては、鼻が出てしまうような付け方をしている人があります。
そして、そのマスクがずれるたびに、鼻のあたりの部分を持ってあげている人がいます。
私は、ずれない人なのでそういう人を見ると不思議でなりません。
この人のマスクがずれるのはどうしてか・・・をじーっと見て研究中です。
・マスクのゴムが緩い
・鼻が大きい(鼻の裾野が広い人は、ずれやすいように思う・・夫を観察していて)
・口を大きく開けてしゃべる人
そういう人が、マスクずれる人ではないかと・・、あくまで私の研究報告です。
マスクのずれを直すたびに、マスクの外側の鼻の部分を触るので、その手は汚いのではないの?と思います。その手であちこち触るのはやめていただきたいものです。
アゴマスクは意図的に思えるので注意もできますが、マスクがずれるのは本人も無意識のようで、しかもすぐに直すので、こちらも注意しそびれてしまいがちです。しっかり自覚を持って、自分で気をつけてくださいね・・・特に身近の誰かさん・・。
少し前まで不織布が手に入らず、たくさんの布マスクをいただきました。
知り合いの方からいただいたもの、買ったものも、ありました。
最近は、不織布が出回り始めて、もう心配は無いような感じですが、なぜか、また品不足になるのでは、と安心できずにいる私です。
今でもほとんどのマスクが輸入品だとのことですが、私は日本製のマスク製造拠点を守るために、少々高くても日本製マスクを買うようにしています。
いざというときのために、少し備蓄もしています。

さて、9月25日(土)には、第3回の吉田先生による連続講座の最終回があります。
「精神科医が就労支援で担う役割」という演題で行われますので、皆さん、うっかり忘れないようにしてくださいね。
今年は、3回も吉田先生のお話を聴くことができると大喜びしていた私ですが、気がつけばあっという間にもう最終回です。私にとっては一日中でも聴いていたい吉田先生の講演会ですが、オンラインでは集中力が続かない方がいるのでは、と配慮していただいての3回分割のセミナーでした。
コロナが収まれば、やはり直接お顔を見ながらの講演会もお願いしたいのですが、今年の3回シリーズのZoomを使っての講演では半分以上の方が県外からの参加でした。
多くの方にも、吉田先生のお話を聴いていただくには、かえってオンラインの方がいいのか、悩ましいところです。
どちらにしろ、また吉田先生には講演をお願いしたいので、よろしくお願いします。
というところでで、3回目の講演会の話に戻って、今回はいよいよ大学生の就労支援のお話です。大学とは、入るのが目的ではなく、そこで何を学んで、それからどう社会で生きていくのか、ということが大切ですので、就労は避けて通れない最後の課題です。
そして、自閉スペクトラムを持つ学生にとって、就活における面接は乗り越えなければならない大きな壁となることが多いと聞きます。
また、障害に無自覚のまま就職すると、会社の人間関係で躓くことも多いそうです。最終回の3回目、彼らが無事就労できて、豊かな社会生活を送るためには、どんな支援が必要なのか、一緒に学び合いたいと思います。
18歳の春までは、まだ時間のある若い保護者の方にも、参考までに、是非聴いておいていただきたいお話です。申込みのまだの方は、お急ぎください。
さて、2学期は、勉強会も研修会も目白押しの育てる会です。
巻末の予定表をしっかりご覧いただいて、参加申し込みしてくださいね。
11月6日(土)には、早稲田大学教授の梅永雄二先生の講演会をハワイからZoomで生中継の予定です。
色々な学びを提供している育てる会ですが、参加される方が、近年少ないように思う活動があります。やはりまだZoomに慣れていない方が多いのでしょうか。
例えば、アイリスの会は、先輩のお母さん、お父さんからのお話を聴かせていただける貴重な場です。その参加者が少ないのは、もったいないと思います。
8月26日には、事務局の鳥羽父(私の夫)が、子育てのお話をしてくれました。
とても面白く聞かせてもらいましたが、参加者が少なく残念でした。
皆さんお仕事されていたり、まだ夏休みでお子さんが家にいて忙しかったりして、聞く余裕はないかもしれませんが、これまでの父親としての体験談でしたので、少々もったいないと思いました。
おやじの会や希望者には、聞けるようにしてもいいかなと思っていますので、事務局までお問い合わせください(正会員限定です)。
子育てへの父親としての協力の仕方や、その時々の父親としての想いを聞かせてもらいました。改めて、母親との子育ての見方の違いや、同時に父親の大切さを感じた私でした。どうぞ、ご夫婦で子育てを考えるきっかけにしていただけたらと願います。

ところで、近頃は哲平がいない夫婦ふたりだけの夕食を楽しんでいる私です。
そんな夜、ベランダに出て、バーベキューとしゃれ込みました。
昔家族が多かったときには、ドラム缶を切ったコンロを作って、炭もたくさんいこしてのバーベキューでしたが、今はふたりだけなので、小さなコンロでのバーベキューです。少し良いお肉(我が家にしては)を買ってきて、ゆっくりゆったりの夕食です。
哲平が一緒だと、肉が焼けるはしから食べられるので、食べた気がしない私たちです。
ビール片手にジュージュー焼きつつ食べる快適さ、「ふたりって、いいね」などといいながら、哲平には申し訳ないけれど、新婚さん以来の静かな夜を過ごしいます。
ひどい親と思いますか?子どもは子どもでグループホームを楽しんでいます。
障害のある親は、いつまで頑張ればいいのでしょうか?息子33歳。しっかり親離れしてくれて、今は土曜の朝家に帰ってきて、日曜の夕方グループホームへ行きます。孫と一緒で、哲平が帰ってきてくれてうれしくて、行ってくれてうれしい。
そんな平和な日常が我が家にも来たことが、ありがたく幸せです。
支援してくださる方のお陰です。ああ〜、私今はとても幸せです。

そうそう、思い出したことがあります。昔々の哲平君とお兄ちゃんの話です。
哲平は、幼稚園の頃はお母さんとお風呂に入っていましたが、小学校になって3つ上のお兄ちゃんと一緒にはいるようになりました。横でお母さんがサポートしながら、体や顔の洗い方やシャンプーの仕方を教えました。
やがて、二人きりでも入れるようになり、小学校の高学年になる頃には、ひとりで入るようになりました。お兄ちゃんのサポートがあったお陰で、決められた手順でしっかりお風呂入りが自立しました。
ところが、何年も後になって気づいたことがありました。
ある日のこと、哲平がお風呂に入っているとき、洗面所に用事があって、私が洗面所へ入ると、風呂場から何か声がします。
そっと耳を澄ませて聞いてみると、「67、68、69、・・・・・・100」と数を数える哲平の声がするではありませんか。
なんと小学校高学年からずっとお兄ちゃんに教えられたとおり、100まで数えてからお風呂を上がる、もう高校を卒業して就職している哲平の姿がそこにありました。
なんという律儀なことでしょう。その日は暑い夏のこと、100なんか数えたらのぼせちゃうような日のことでした。今までどれほど多くの日を、100まで数えてきたんだろうと思うと、いじらしくて泣きそうになりました。
その日のうちに「100数えなくてもいいよ」と伝えたことは言うまでもありません。
もう一つ律儀だと思うお話しを思い出したので書きましょう。
旅行に行くときの荷造りは、いつも自分でやる哲平です。旅先であまりの荷物の重さに驚きつつ、中を見てびっくりしました。
竹踏みと鉄アレイが入っているのでした。彼は毎日走っているのですが、鉄アレイで腕も鍛えているのです。竹踏みで足も鍛えているのです。
旅行中だってそれはおんなじなんでしょう。びっくりしたというお話しでした。

お盆を挟んで9日間、哲平の会社はお休みでした。
コロナを警戒してどこへも出かけないで、ずーっと家にいた私たちは、食事も全部家で食べました。お休みの日の昼食は、哲平が作りたがるので、教えがてら色んなものを作ってもらっていました。
休みのはじめの頃は、「お昼ご飯作る!」と言いながら、メニューを決めてもらいたがった哲平です。
初日から何度も聞いてくる哲平でしたので、9日間のメニューをホワイトボードに書いて示しました。毎日うるさく聞かれるのが面倒だったからでしたが、これで毎日何を作ればいいか、よくわかったのでしょう。
お昼のご飯用の買い物を、冷蔵庫の中身を見ながら、「卵買う。もやし買う。豚肉買う」などというので、一緒にメモを書き出して、買い物にも一人で行ってもらうようにしました。
このホワイトボードの書き出しだけで、9日間とても安定して、静かに暮らせたので報告したいと思います。
そしてお金がもらえるので、お手伝いが大好きです。見通しがないと何を作るのか、何を買い物するのか、すべてを見通したい哲平の要求をこのボードが叶えてくれました。いいお休みを過ごせたと言うお話しでした。

話変わって、自分の話を二つほど・・・、
私は、先日ワンピースを買いました、、、。と言っても、上等なものではなくて、家で着るための安いものです。
昔、戦後すぐの頃に女性たちが着ていたワンピースを兵庫県の田舎では、「あっぱっぱ」と呼びました。
綿で汗を吸う、ズドーンとしたシルエットのワンピース。こんな形の服は、妊娠中を除いて久しく着たことがない私でした。
でも、今年の夏の暑さにたまりかねて、ついにこんなのを着るようになりました。
歯科に行った帰り道の商店街でセールと書いた札がかかったお店でした。
4400円と書いた値札を確かめてから、お店の中へ。
20パーセント割引の3520円。安い!!家に帰ってすぐに着替えてその快適さに、有頂天です。
夫に、「ねぇ〜、似合う?」と聞くと、「似合うとは言えないなぁ」とのことでした。似合おうが似合わなかろうが、この暑さを乗り越えるためなら何でもするで〜、って感じの私です。
二つ目のお話しです。
マスクの話は冒頭にいたしましたが、そんなマスクをする日々の中、お化粧をしなくなっている私です。眉毛だけ描いて、後は手抜きです。
でも、あるときしみじみ自分の顔を見ることがありました。
普段私が鏡を見るのは、お風呂上がりに化粧水をつけたりクリームを塗ったりするときと、朝顔を洗った後の同じく化粧水とクリームの時だけです。
だいたい鏡を見ながら、仏頂面はしないので、ニコニコした顔で洗面所の鏡に向かいます。
その時の顔はとってもいいお顔です。でも、それは私にとって、一番いいお顔と言うことです。
自分の顔はこんな顔と、勝手に思っているけれど、実は鏡を見ていない普段の顔は仏頂面なんです。だから、鏡に急に自分が映ると、その仏頂面に驚いてしまうというわけです。
特に最近は、お化粧もしないわけですから、もっとひどい顔です。
ここでは、顔の話でしたが、ふと自分自身についても考えて見ました。
私は、自分のいいところだけを見るという性格の人です。自己肯定感が高いというと聞こえはいいんですが、うまくいかないことがあっても、そのうちなんとかなると思ったり、前向きにこの経験を活かせばいいと考える方です。
でも、もう少し慎重に、失敗しない方法を考えて前を向いて行くことも大切なのではないだろうか?? と最近思うようになりつつある私です。
いいところだけを見ているのではなく、また、うまくいくことだけを考えるのでなく、慎重に思い巡らす人となりたいと思うようになりました。
それは臆病になったのではなく、年とるにつれ、己を知ることが大切と思うにいたったからです。
残された日々はそんなに長くはないかもしれませんが、これからは少しずつ変化して、よりよくなりたいと思います。こんな育てる会の代表として、多くの従業員の人のことも考えながら、失敗は最小限にしていかねばなりません。
この歳になって、責任感というものを感じる今日この頃です。・・・「いまさらかい・・!」とかは言わないでくださいね。

今年の夏はとても長く感じます。暑さのせいもあるかなと思います。前の会報でクーラーをつけないでいて、熱中症になりかけた話をしましたね。あれからというもの、私も常にクーラーをつけるようになりました。
今年の夏は、まだまだ夜も昼も、暑さは少しも緩みません。ずーっとつけっぱなしというような有様です。
クーラーで快適なのはいいのですが、今度は外へ出るのがおっくうになって、庭仕事は出来ないまま、夏が過ぎていこうとしております。
一方で雑草だけは、夏の暑さに負けず、元気いっぱいです。あっという間に伸びて、いつの間にか種をつけているではありませんか。
ああ〜この種がまた来年の庭の雑草に育つのかと思うと、そろそろ頑張って草取りもしなければなりません。
皆様、どうぞ暑さに負けないで、草取り頑張ろうと言う私に声援ください。
次の会報は、きっと夏も終わって、涼しくなっているはずの9月の終わり頃にお届けいたしましょう。では、今しばらく我慢の日々を、さようなら。
(鳥羽 美千子)

令和3年度 支援者対象 
    現場の先生のための即実践講座

香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座です。
夏休みで一ヶ月空きました。その間にまた岡山でも緊急事態宣言が発令され、現場では対策で大忙しのところもあると思います。
そんな中でも、支援を必要とする自閉症児・者は変わらずいます。むしろコロナ禍以前よりもその必要度合いは高まっているのではないでしょうか。
即実践講座でも、7月の「オンライン授業のために」に続いて、「個別支援のために、アシストガイドを使ってみよう」のお話です。現場にICTを導入するための、まさに実践的お話ですので、しっかり学び合いたいと思います。

  『 令和3年度 第4回 現場の先生のための 即実践講座 』

日 時:令和3年9月16日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM) 
テーマ:「ICTの導入 A 〜個別支援のために〜 アシストガイドを使ってみよう 」
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
          E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp

令和 3 年度 支援者向け 
   発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和3年度の赤磐市との共同主催による「発達障害 夜間連続講座」です。
自閉症の特性理解のあと、第3回から一人ひとりに合わせた具体的な支援の話に入ってきました。
支援にとって、インフォーラムなアセスメントの大切さ、を具体的な例を挙げて教えていただき、実践に役立つ講義になったと思います。
次回からは現場における環境づくりの話になりますので、職場で役立てていただきたいと思います。

  『 令和3年度 第4回 支援者向け発達障害夜間連続講座 in 赤磐 』

日 時:令和3年9月9日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「学びやすい環境づくり @ 〜見通しを持って取り組むことへの支援〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)
別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
それでは、第3回「個々の理解に基づく支援の実施 〜一人ひとりをよく知ることを目指して〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。

○ 教室の中ではどうしても、障がいのない子どもに近い活動ができるようにしたいという願いを持ってしまいますが、今日のお話で、できること、できないこと、できそうなことをきちんと分け、できそうなことを取り上げて、できることを段階的に増やす。というやり方が良いということが分かりました。また、すぐには十分に使いこなせないと思いますが、具体的な支援方法も参考になりました。興味を取り入れた支援が有効であるという知識はなんとなく感じていましたが、言い切っていただいて自分の中で納得できました。
○ 自閉症の方の支援にはアセスメントなしには始まらない!ということを再確認することができました。アセスメントすることで、一人ひとりに合った支援目標や支援方法を見つけていけるようにしていきたいと思います。家庭や園へ般化していくことが大切と分かっていますがなかなか上手く般化を実現できていない現状です。家庭や園での生活に繋げられるようにしっかりと検討していきたいと思います
○ 決して療育現場が子供達の最終的な生活場所ではない為、療育現場でできるようになったからクリアではなく、療育現場から学校や家庭に般化されていく支援でなければならないという事を重く受け止めました。
○ インフォーマルな評価は行っていますが、しているつもりになっていないか、細分化して細かいところまで分析できているかどうか、また、自立と芽生え、芽生えと難しいことの区別が明確にできているか考えなおして、実態把握をやり直そうと思います。
また、同僚たちにも細分化して「どこでつまづいているのか」「そのために必要な支援は」という明確な評価の仕方、優先順位をつけること、「何をどのように教えるか」「介入のタイミングについて」など共有したいと思います。
○ 対象者が不調だったり混乱している時に支援者の自分が輪をかけるように沢山言わないこと。むしろ、対象者が落ち着けるようにするためにいつも以上に情報を少なくしてあげること。自分の日々の態度に反省しました。
芽生えが沢山あっても実際に指導としてする際は、「やるのは対象者本人である」ことを支援者のこちらがちゃんと自覚して、本人が辛くならなくてやる気が出る分量・本人の関心があるものであること、何より本人の気持ちに寄り添うことを大切にしたいです。

令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座

重松先生の保護者のための自閉症基礎講座「自閉症、基本の“き”」の案内です。
告知を受けて間もない若いお母さんが、自閉症について正しい知識を知ってほしいとの思いから、できるだけ専門用語を使わないお話をお願いしています。
第2回では、参加者の方から前回寄せられた質問にお答えいただいた後、今回は主に自閉症児の学習スタイルについて、やさしく教えていただきました。
次回は11月の開催になりますが、正会員の方は無料で参加できますので、事務局にご連絡ください。
ZoomのミーティングIDとパスワードをお知らせします(全回共通です)。
当日都合がつかない時も、見逃し配信がありますので、この機会を逃したらもったいないですよ。ぜひご参加ください。

  『 令和3年度 第3回 保護者のための自閉症基本講座 』

日 時:令和3年11月2日(火)10:00〜12:00
場 所:オンライン(Zoom)開催ですので、ご自宅から参加できます
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者5,000円、一般10,000円(全6回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
それでは、8月23日の「基本の“き”」に参加された方々からの感想が届いていますので、抜粋になりますが一部を紹介します。

○ 暗黙的に学ぶことが苦手だという事を始めて知りました。具体的に、どういう風にしたら良いかを伝えた方が良いという事を今日知る事が出来て良かったです。暗黙的に学んで欲しいという期待も知らず知らずの内に持ってしまっていたと思うので。
お片付けも何をどうすれば良いか、何からすれば良いかが分かりにくいものなのですね。手順を明示化すると良いとの事で、実践していきたいと思います。
○ 重松先生は、語り掛けるようにお話をしていただけるので、教室で受講しているようです。私は、リモートで色々な障害の研修を受けていますが、こんなに楽しく障害の勉強ができるのは正直岡山県が断トツです。色々と受講していると、最終的に辿り着くところは同じですが、読み解き方が色々なのでとても勉強になります。学校・家庭・療育の場とをうまく結びつけて共通理解が大切であることをわかりやすく具体例を持って伝えていただけるので、スっーーーと頭に入ります。重要なところなどを繰り返してくれたり、かみ砕いていただけるので本当に楽しい二時間です。先生から学ぶ生徒さんたちが羨ましいです。
ルールブックは、他の講義の時に紹介されたので読みましたが、こんなことまで、こんなに詳しく教えることが面白いです。
○ ASDの人がなぜ定型発達の人向けの伝え方をされても理解できないのか、理由をわかりやすく説明していただきました。子供との生活の中で視覚情報を使うと伝わりやすいのは実感していましたが、更に「明示的に」「まずはテーマから」「要点をまとめて」「具体的に」伝えることでもっと理解しやすくなるのですね。頭の体操になりそうです。今回も、実際のお子さんたちのエピソードを交えながらわかりやすくお話しいただき、どうもありがとうございました。
それから、「●●ちゃんはゴミ捨てて偉いね」は「私に褒められたければ、あなたもゴミを捨てなさい」という意味だと思っていましたが、本当は「あなたもゴミを捨ててね」というメッセ―ジだったのですね。子供の頃の私は、別に褒められたくもないので気にしていませんでした。
先生から見ると、私は先生の指示を無視する生徒だったのですね。

木工教室 開催決定のお知らせ

毎年恒例の木工教室、今年も開催が決定しました!!
高梁市の木工作家、川月清志先生の指導で、今年は部屋に置く可愛い「ゴミ箱」を作ります。
詳しくは、同封の案内チラシをご覧ください。
日 時:令和3年11月13日(土) 10:00〜12:00
場 所:育てる会 中庭(赤磐市和田194-1)
参加費:一人 1500円(きょうだい児の参加もOK)
申込先:育てる会HPの申込ページ、LINE、チラシのQRコードより(正会員限定)

GH すてっぷ1 もちなげ大会 開催

いよいよ、育てる会では2棟目、より自立度の高い「グループホーム すてっぷ1」の建設が始まりました。
先月号で、地鎮祭の報告はしましたが、上棟式の日取りが決まりました。
その棟上げ(むねあげ)に合わせて、「もちなげ大会」を開催いたします。無事の完成を願って、おもちと一緒にお菓子なんかも、たくさん投げる予定ですので、どうぞお集りください。
当日、午前中は吉田友子先生のセミナーもありますので、こちらもまだ申し込まれていない方はお忘れなく、Zoomでお話を聴いたあとお越しください。
なお駐車場はありませんので(もち投げ会場になります)、近隣のスーパーなどに車を置いて徒歩でお願いします・・・帰りには、駐車のお礼にスーパーでお買い物もしてあげてくださいね。
日 時:令和3年9月25日(土:友引) 16:00〜
場 所:赤磐市熊崎193-1(「グループホーム ほっぷ 1」の同じ敷地内です)

あゆみをつなぐ アイリスの会

先輩のお母さん、お父さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
8月26日(木)、ZOOMにて、アイリスの会を開催いたしました。
今回は、育てる会の会報で ”トチタロ” の愛称で登場されている鳥羽父さんです。
「親爺の子育て反省記」と題して、父親目線での子育てのお話をしていただきました。
長期目標と短期目標を決めて、それに向けて今できることを考える。それを一つ一つ克服していくことで目標を達成していくことを夫婦で大切にしてこられたそうで、すぐにでも我が家でも考えたいことだなと思いながら聞きました。
そして、おやじからおやじへのメッセージをいただきました。とっても、心打つ内容でしたので、是非ここで、みなさんと共有させてください。
『子育ての中心は母親、おやじは縁の下の力持ちとなり、手伝わないのならジャマだけはしないで。妻の味方になってあげてほしい。』
『おやじは、社会に出ることで、離れられるが、母親は子どもとずっと一緒にいないといけない、愚痴だけでも聞いてあげてください。』
『自閉症の子どもを育てることは大変だけど、それを苦労と思うかどうかは考え方次第、私は苦労だとは思わなかった。今は自閉症の息子のおかげで平凡な人生よりも生き甲斐のある充実した人生になっている。』
たくさんのおやじさんたちに、聞いてもらいたいな、と思いました。母の私も、うるっとしました。
アイリスの会は通常は後日配信しませんが、今回は特別に ”おやじの会” のLINEにて後日配信をさせていただく予定です。
興味のある方は、おやじの会LINEにご招待しますので、事務局までご一報くださいね!
( 事務局 K)

  次回以降 アイリスの会 (正会員限定)

9月のアイリスの会   日時:9月30日(木)10:00-12:00(ZOOM)
ADHDが強めの高機能自閉症の小学校6年男子・4年男子の母です。今回は、多動・衝動性が強かった6年生の兄の子育てについて、大変だった幼少期からのこと、感情コントロールや自己理解、また兄弟児(定型発達の姉)のことについても少し触れて話をしようと思っています。
最後に本人からのメッセージも受けっとっていますのでお楽しみに!!
事務局Kとして会報に登場している私です。(笑)
10月のアイリスの会   日時:10月28日(木)10:00-12:00(ZOOM)
とっても勉強熱心な方で、ぐんぐんの先生としても3年間勉強をされながら勤務されました。その後、県北で児童発達支援事業所を発足されたパワーみなぎるお母さんです。
お子さんは、重度知的障害と自閉症をお持ちの20歳の青年で、現在は生活介護の事業所でお仕事もしながら、安定して暮らされているそうです。お楽しみに!!
11月のアイリスの会   日時:11月25日(木)10:00-12:00(ZOOM)
内容未定
12月のアイリスの会   日時:12月23日(木)10:00-12:00(ZOOM)
6月に登場していただいたMさんが再登場です!!高機能自閉症小5の男の子のお母さんです。
今回は、“告知や学校でのからかい” などを中心にお話をいただく予定です。
正会員だけの集まりなので、初めての方も入りやすいと思います。
遠慮なく参加してくださいね!皆さんのご参加、お待ちしております!

水泳教室からの お知らせ

9月も、コロナの感染防止のため残念ながらお休みします。
★ 9月12日付けで、岡山の緊急事態宣言が解除され、そのまま、まん延防止措置も出されることなく、コロナが無事治まってくれるようでしたら、10月からは再開するつもりですので、よろしくお願いします。
★ 今後の経過や予定は、来月の会報でもお知らせいたしますので、ご確認ください。
(担当:I & S)

OHAの会 の お知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
8月はお休みでしたので、次は9月の開催です。子ども達の夏休みの様子なども、情報交換できたらいいですね。

  【令和3年度 第4回 OHAの会】

日 時:令和3年9月14日(火) 9:30〜11:30
場 所 :オンライン(Zoom使用)
テーマ:「親の感情コントロール 〜お母さんお父さんが自己理解をすることから〜」
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士)
参加費:4000円(全10回分) (正会員限定)   講義部分のみ後日配信あり
途中参加も可能です。ご興味のある方は、事務局までご連絡ください。

はやぶさの会 の 報告

自閉スペクトラム症のお友達作りの会、「はやぶさの会」です。
メンバーは、小学生の男の子を中心に活動しています。
先日の7月11日(日)の久々の「はやぶさの会」が楽しすぎた子どもたち。
今年も去年に引き続き、なかなか外出や帰省がしづらいので、「皆に会いたい熱」が止まらない子どもたち。なんと、子どもたちから「オンラインでもいいから集まりたい」という声があがり、急遽8月にオンラインはやぶさの会を開催しました。
とはいえ、平日も土日もなかなか忙しく、予定が合いづらく…。
「そうだ!オンライン飲み会ならぬ、オンライン晩御飯会にしたらどう?」
ということで、8月16日(月)19時〜、オンラインはやぶさ:晩御飯会を開催しました。
うちの子は、「司会させてもらっていいかなぁ? 他にやりたいって人がいたら譲ってもいいけど・・・」などと言いながら、何を話すか・どんなことを聞くか・クイズは何にするかを日中ずっと考えていたようです。
さっさと晩御飯を食べ終えて、パソコン前に18時45分から原稿を持ってスタンバイ!
無事司会をさせてもらうことができ、「夏休みの楽しかったこと」「夏休みの宿題のこと」「最近あった面白かったことや作ったもの」「プチゲーム大会」などを皆で盛り上がっていました。
様子をこっそり伺っていると・・・。
「チャットっていうのがあるから、そこで会話できるよ。ちょっとやってみようよ」と言い、無言で集中してポチポチキーボードをたたき、時差ありまくりなチャット会話を楽しんだり。
「Aくんの背景、めっちゃ面白いな!」「あ、これ?背景が変えれるの。ビデオのところのボタンを押してみて」と言い、「うわー、俺の顔んとこ宇宙になった!!すごくない?」と大笑いしたり。
「Bくんの漫画とか書いたの、めちゃ上手じゃん!!」「もうちょとカメラの丸いところに近づけて見せて!」「うわー、すごいなー。俺、写し絵だったらできるけど見ながらでもそんなに上手には書けれんから尊敬するわ」と褒めあうなど・・・。
対面じゃなくても、しっかり交流しあうことができていて、アッという間の一時間でした。
息子は「Zoomでやるの面白いな」
「もっと色々見せてもらったり一緒に話したりしたかったな」
「チャット打つのに時間がかかったから、ちょっと練習したいな」
など、オンラインの可能性を感じる時間だったようです。
「オンラインでビデオ通話だから、どんなゲームだったら盛り上がるかな?」「皆が順番に話しやすいようなテーマってどんなのがあるかな?」と自分のことだけでなく、相手のことも意識しながら準備して内容を考えていた息子の成長を感じる時間でした。
ほっこりのんびり暖かいはやぶさの会。
まだまだお仲間募集中です♪
9月、10月あたりにもオンラインで開催してみたいなぁと思っています。
興味ある方はお問合せください♪
(担当:M)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今回の会報は、「これ・それ・あれ・どれ」についての話です。
会話の中でよく出てくる「こそあど言葉」。
これ、皆さん大体何歳ぐらいで分かるようになりましたか?
私は小学校中学年頃の国語の授業で教わって、「あ!!!そういうことか!!!」と雷が落ちるかのように衝撃的だったことをよく覚えています。
私はそれまで「ちょっとそこのティッシュ取って」など言われる言葉の意味が分かりませんでした。
「こそあど言葉」が分からないことに合わせて、物の名前や意味を色々考えてしまいすぎて動けないからです。
「そこ」って?
「ティッシュ」ってそもそもなんだろう? 鼻かむときによく使う紙のこと? でも、箱には「ティシュー」って書いてあるから違うかも。
そういえばおばあちゃん家では「トイレの紙がない時には白い薄い紙使ったらよいよ」って言ってたな。それのことかもな。
ここまでを、ほんの一呼吸で考えきって 「おばあちゃんちに行ってくる」とか言うので、「はぁ??話聞いてた??」となることがよくありました。
「こそあど」言葉って、小学校中学年の頃に正式に習うけれど、日常の中で使うので、定型発達の人たちはなんとなーく分かっているそうです。
じゃあ、具体的に言われると分かるかと言われると
「応接間にある〇〇取ってきて」「広縁から座布団出してきて」と言われても
「応接間・・・?」「広縁・・・?」となってしまうので逆に時間がかかってしまう。
で、「もういいわ」と頼んだ相手が自分で行ったりしたときに「最初から自分で分かっているんだったら、自分で探したらいいじゃん」とか言っちゃうので火に油!です。笑
だから、定義を(この場合だと「『それ』『そこ』は私の近くを示すから、頼んでいるんだなぁ」とか)はっきり教えられると分かりやすいんですよね。
それ以降は言い間違いや聴き間違いもすっかりなくなったようです。
その頃からの習慣でしょうか。私の説明はとても詳しくて長いそうです。
「ご飯を食べる部屋の大きい机の上に、ティッシュペーパーの箱があるから、そこから一枚抜き取って持ってきて。○○ちゃん(娘)が鼻水出しているから取ってあげたいの」
「もしなければ、テレビの部屋の低いちゃぶ台の上にあるかもしれないから、その低いちゃぶ台の上を探してみて。ティッシュペーパーがあったら、ティッシュペーパーの箱から一枚持ってくるんだよ」みたいな。
ここまで具体的に伝えることで、子どもたちは誤解なく取り組むことができ、こちらも褒めやすくなるんです。
でもネックなのは、AS仲間以外の人にも詳しく説明しすぎること。
旦那は「そこまで詳しく言わなくても大丈夫。俺に言うなら『そこのティッシュ取って』でいいから」など、人によって説明の度合いを変えることを提案してくれています。
未だに毎日が日々発見で、わがことながら、ASってとても面白いです。
(ちゃーちゃん)

お母さんコラム

小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、4歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今年の夏は、前半暑さがひどく、お盆休み前後からは 涼しい日が続きました。
我が家は近所にコンビニができたこともあり、休みの日の休日には父・兄・妹でよく散歩に出かけます(母は大体仕事でいない・・・笑)。
コンビニまで行くと大体アイスを買って帰ってくることが多いです。母の分もたいていは買ってきてくれます。
そんな先日の出来事。
娘たちが「ただいまー!」と帰ってきました。
「おかえり」「あ!ママ、帰ってたんだね」
「うん。どこ行ってたの?」
「コンビニだよ!」
「コンビニかー、いいねぇ。コンビニで何を買ってきたの?」
「アイスよ!」
「アイスいいねぇ。ママのアイスは何?」
「ん?ママのアイスはないよ!」
「え・・・?」
「だって、ママまだ帰ってないかもしれんなぁって話だったから」
「え・・・???」
ちょっと大げさにショックな表情をして肩を落として見せると・・・、相手の反応を見る練習をしている娘は、はっとした表情をして
「もしかして、ママ今悲しい気持ちになっちゃった?」と聞いてくれました!
「うん・・・。ママのも買ってきてほしかったなって思って、悲しくてしょんぼりな気持ちよ・・・」と言うと、母の頭をなでなでしながら
「また次行く時は、ちゃんと買ってきてあげるから」「次まで我慢してごらん」「そしたら次のアイスはめちゃくちゃ、めーっちゃくちゃ美味しく感じれると思うよ?」とフォローをしてくれました。
「うん!分かった!」と母がご機嫌そうな顔をしてみせると
「嬉しい気持ちになった?大丈夫になった?」と聞いてくれます。
「うん!次買ってきてくれるって約束してくれたから、元気出たよ!!」と言うと
「良かったわ」とにっこり。
「娘ちゃんは、ママが嬉しいって気持ちになってどんな気持ちなの?」と尋ねると
「んー・・・」と少し考えて
「どうでもいいかな」と答えました。びっくり!!
まぁ確かに落ち着いたならどうでもいいだろうけどー。言い方がー。
やっぱり「他者視点に立つ」とか「ここではこういう風に空気を読んだ方が」みたいなことってASDには難しい!笑
でも、相手の表情を見て相手の感情を感じ取ろうとするところとか、アイコンタクトを合わせてやりとりするとかの力は、本当にすごく伸びてきました。小さい頃から療育に通ってきて、家でも繰り返し練習してきた成果だなぁと思います♪
ちなみに「ねぇねぇ。娘ちゃんはアイス買ってきたんだよね?」
「うん」「娘ちゃんのアイス、半分こってしてもいいんじゃないの?」と尋ねると
「ママ。人のをほしがったりしたらダメなんだよ。次買ってきてあげるから。これは娘ちゃんが時間をかけてじっくり選んだ大事なアイスだから、分けっ子はしません」とハッキリNOを言われました。ぎゃふん!
兄妹についてはネタがあふれすぎていて、毎月このコラム書くのに全く困りません。笑
毎日本当に面白くて 可愛いです♪
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)

暑い日は汗をかきながら走り回り、雨の日はカタツムリを見つけて大はしゃぎ!どんな天候でも元気いっぱいの子どもたちに、スタッフ一同毎日元気をもらっています。
その一方で元気なお子さんたちとコロナ禍の日々を過ごしている保護者の皆さんには頭が下がります。そろそろ夏休みも終わる頃でしょうか…本当にお疲れ様でした。
「自由に遊んでいいよ」「好きなように遊んでいいよ」と言われると、皆さんはどのように受け取りますか?
ラッキーと思って好きなことに向かって一直線に楽しめる人もいれば、何をしてどうやって遊んだら良いのか戸惑う人もいるかもしれません。
ASDの特性を持つ人は、「自由に」「好きなように」と言われても何をしたらいいのか、どこまでがOKの範囲なのかが曖昧な状況より、何をどのようにするかが明示的な状況の方が安心できるという方が多いと思います。ぐんぐんぴっぴでも明示的に伝えられることで自信を持って活動に参加できたり、何を期待されているのかが分かり適切に参加できるといったお子さんの姿をたくさん見る事ができます。
あるグループ活動でスライム遊びをしました。この活動のねらいは、『他のお子さんがしていることに興味を持って注目する』です。
スライムを配り、いざ遊びを始めてみると、お子さんは伸ばしたり長さを比べたりとさっそく遊び始めました。
ふとAちゃんを見ると、周囲の子どもたちが遊んでいる様子を見ているものの、遊び始めることはありませんでした。
色々な遊び方ができるスライムだと、他の子はどんなことをしているかな? と意識が向きやすいのではないかと考えて選んだのですが、Aちゃんはなんだか不安そうです。Aちゃんの様子をお母さんと一緒に観察し、なぜAちゃんが不安そうなのかを考えてみました。
「他のお子さんを見ているけど、興味を持って見ているというより、何をすればいいのか分からず不安だから見ているといった感じ」であることをお母さんと確認しました。
そこで、療育の中でAちゃんが安心し自信を持って活動している場面を考えみると、「何をするのか」「どうやってするのか」が明確な活動であるということが分かりました。
色々な遊び方ができ、自由な部分があるばかりにスタートを切りにくかったことに気が付きました。
そこで、翌週は活動内容がAちゃんに「何をするのか」「どうやってするのか」が分かりやすい活動として、色を塗り、シールを貼って飾りつけをする工作をすることにしました。
活動前に、支援者が完成例を見せながら作り方を伝え、いざ活動をスタートしました。
何をしたらいいのかが明確な活動ということもあって、Aちゃんは笑顔を浮かべながらすぐに取りかかり始めました。
それだけではありません!Aちゃんは作りながら他の子の作っている様子を、興味をもって見たり、「見て−」と自分からお友達に作品を見せたりする姿も見られました。
お母さんからも「何をしたらいいのか分かると、こんなに見られる姿が変わるんですね」「お友達がしていることに興味を持ったり、自分から「見て」と言ったりできるとは思わなかったから嬉しかったです」「本人がわかる活動って大切なんですね」などと嬉しい感想をお聞きすることができました。
それ以降も活動内容が明確な活動を続けていくと、活動中に他の子の発言を受けて「わたしも〇〇!」「おもしろい!」とコメントしたり、見せてもらう場面で自分から近づいて見に行ったりする姿が度々見られるようになりました。
Aちゃんにとって安心できる状況をつくることで、本来のAちゃんの姿が見られるようになり、活動のねらいである『他のお子さんがしていることに興味を持って注目する』ということにも取り組めたのだと思います。
ASDの特性を持つ人たちが安心や自信を持って活動するために「明示的に伝える」ことがいかに大切かを実感し、安心して活動できる活動だからこそ、色々なことを学んでいけるということをAちゃんから教えてもらいました。
これからも、お子さん一人ひとりの安心につながるように、「明示的に伝える」ことを意識していき、お子さんの「わかる」「できた」の経験の場が増えるように丁寧に支援していきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ:K

赤磐ぐんぐん (就学前)

今年の夏休みも、「コロナ感染予防!」「ステイホーム!」が叫ばれる夏休みでした。
これまでと違う夏とはいえ、「去年もこんなんだったよなー」と、一度経験していることもあり、それぞれのご家庭でそれぞれの夏を過ごされたお話を聞きました。
「長い夏休みで、親も子もずっと一緒にいるとしんどいです」
「遊びに連れていけないので、家で余暇って言っても限界があるし」
「早く園が始まってほしいけど、またコロナでどうなるか分からんし・・・」などの悩ましいお話も多く聞きました。
今月の赤磐ぐんぐんだよりのテーマは、「ぐんぐんからの宿題」についてのお話です。
赤磐ぐんぐんでは、昨年度から家庭で取り組んでいただく「宿題」を毎回ご家族に提示するようにしています。
宿題というと「げっ」と思う方もおられると思いますが、赤磐ぐんぐんで出す宿題は「家庭でちょっと取り組んでみたら、うまくいくかもしれないことの実践の提案」です。
たとえば、「ちょうだい」の練習を療育の中でしているお子さんには、「おうちでも『ちょうだい』と呼ぶ練習をしてみてください」「本人が好きなものがいつでも手元にあると『ちょうだい』と言う機会がないので、ちょっと高い手の届かないところに置いておくとかして、お子さんが『ちょうだい』って言いたくなるような設定を作って様子を教えてください」とお伝えし、どうだったかの報告を翌週受けて、「ここがこういう風に難しかったということでしたので、ではここを工夫してみましょう」というように、どんどん家庭での実践につなげていくためのものにしています。
「難しかったら、いつでもLINEとか電話とかで相談くださいね」とお伝えしておくことで、家庭での本人の混乱が減ったり、ご家族が「ここを工夫したらうまくいくのか」に気づかれたりする家庭も多くありました。
この「宿題」がうまくいく理由、私は「家族同室型の療育だからこそだな」と感じています。
日々の療育で、スタッフがその課題のねらいや目的をタイムリーにその瞬間にお伝えできること・スタッフの声掛けの仕方やタイミングを目の前で確認できること・それに対するお子さんの反応(良い場合もいまいちの場合も)を観察できること・ご家族が療育を見てどう思ったかを直接その場で語り合える時間が持てること…こういう積み重ねが普段からできているからこそ、「家庭で、コレやってみてください」と言われた時に「あー、これぐらいならやれるかもな」「先生でもうまくいかないこともあったよな」と感じていただけるのではと感じています。
療育の様子を見ていただく中で、直接こちらから宿題として出していないことでも、
「時間を持て余すと良くないことが分かったので、『お手伝い』を始めてみました」
「ぐんぐんでスケジュールを見ながら動けているので、ご飯から寝るまでの流れに『お楽しみ』も入れる形にし直してみました」
「カレンダーに予定を書いていたけど、これまでは文字だけだったのは分かりにくいんだということが分かったので、イラストも一緒に書くのを始めてみました」
など、療育を参考にしてくださりながら、「レッツトライの夏」にしたご家庭も多く、毎回たくさんの実践の報告に、ただただびっくりするスタッフたちです。
とはいえ、こういうものが一発でバチっとはまりきらないことも当然あります。(スタッフの支援でもご存知の通り、よくあります。汗)
ご家族からすれば、苦労して作ったものがわが子にはまらないと「いやいや、なんとかこれでやってちょうだいよ」と無理強いになったり、それだけならまだしも、「やっぱり、こんなのあってもダメなんだ。言い聞かせた方が早いわ」と、なくす方向になったりも・・・。
そうなると「もったいない!」と思うんですよね。
先日、ある先生の講演会を聞いていた時に、分かりやすい例え話がありました。
それは、「ASDのある人に、その人に合わせた分かりやすい構造化や支援を用意するのは、目の悪い人にとっての眼鏡と似ているかもしれない」「特別扱いや贔屓ではなく、それがあるから、学べるし暮らしていけるし生きていける。皆と同じ世界が見えるようになる」ということです。
私は眼鏡をかけています。
眼鏡をかけていないと、本は読めない・壁の時計も見えない・料理もできない・車の運転もできない・仕事もできません。
「無人島に不時着する時に眼鏡がなくなるかもしれないから、眼鏡なしで生活できるようになろう!!はい、眼鏡外して!!」と言われたとしたら、「はぁ?何その謎理論。マジでナンセンス」となります。
でも、ASDのお子さんの周りの人から時々聞くんです。
「視覚的に示されなくても耳で聞いて理解できるようにならないと将来困るから、頑張ろう」とか、「リレーのピストルの音が大きすぎて耳ふさぎをするのは〇くんだけ。他の皆は平気なんだから、慣れるまで練習しましょう」とか。
眼鏡とある意味同じなんですよね。
視覚的に示してあるものを見て確認できるから、忘れ物が減って、学習の機会を得られる。
音に驚いて固まらなくて良いもの(旗とか)があるから、皆と同じタイミングでスタートが切れて、一緒に競争ができる。
学びや暮らしや生活のスタートに立てるんです。
そう考えると、ASDのその子にあった支援を他の人がやっていないとしても、お子さんの幸せのためにはぜひやってみてほしいと思うんです。実際、ご家族からは「これしてすごく生活が楽になったし、私のストレスが減りました」という声多く届いています。
かといって、「分かった!眼鏡があればいいんだね!!」と視力検査もせずに、度が合わない・ピントもあっていない老眼鏡渡されても困るように、一発で支援がはまるということは、なかなかないんです。
どういうことが得意で苦手なのかをちゃんと根拠を持って確認して、その子にあった支援を考えて、やってみて、うまくいかない時には眼鏡と同じように再度フィッティングし直していくことを繰り返していくことで、いつかピタッとはまる眼鏡のような支援が見つかるのではと思います。
ASDのお子さんへの支援は、いかに私たちスタッフが柔軟に考えられるかが鍵だよなと、いつも教えてもらっているように思います。
そしてご家族のわが子にジャストフィットの眼鏡選びを、丁寧にサポートしていきたいと思います。9月からもどうぞよろしくお願いします♪
赤磐ぐんぐんスタッフ: M

ぐんぐんキッズ (小1〜)

今年の夏は暑くて、いつまでこんなに暑い日が続くのだろうと思っていたら、中旬からお天気は一変。梅雨に逆戻り、じめじめと蒸し暑い日が続きましたね。
ぐんぐんキッズは小学校1年生から3年生のお子さんが療育に通ってきています。
お子さんたちは夏休み。なので、キッズの療育も夏休み企画で時間を延長して工作や水遊び、夏祭り、草抜きの活動にとりくみました。
今回は、夏祭りでの出来事をご紹介したいと思います。
キッズの夏祭りは体育館で行いました。
お店は、「おもしろすくい」(水に浮かんでいるスーパーボールや、金魚、小判、ピカピカ光るおもちゃなどをポイですくいます。)「ヨーヨー釣り」「輪投げ」「くじ引き」の4つ用意しました。
夏祭りをとても楽しみにしてくれていたAくん。中でも「ヨーヨー釣り」をとても楽しみにしてくれていました。
夏祭りの手順として、@先生の話を聞くA先生のやり方を見る。 とはじめに伝えていたので、この説明の時も、はやる気持ちを抑えて先生がヨーヨー釣りのお手本を見せてくれているのを、しっかりと見る事ができていました。
説明も終わり、チケットを渡してもらって、お祭りが始まりました。意気揚々とヨーヨー釣りにきたAくん。“こより”の先についた針金にヨーヨーのゴムの先についた輪っかにをひっかけようと真剣な面持ちで取り組みました。 ・・・しかし・・・。
一個目を吊り上げた時、悲しいかなこよりが切れてしまいました。(ちょっと勢いよく引き揚げすぎてしまったようです^^;)
「えー。きれた」と残念そうなAくんでしたが、他にも「輪投げ」や「おもしろすくい」や「くじびき」があるので、気を取り直して次のお店に行きました。
ヨーヨー釣りの結果は残念だったけど、他にも楽しみなことがある!ということで、気持ちの切り替えができたこともすごいなと思いました^^
みんながお祭りで何を取ったか話している時、Bくんがヨーヨーを6個取っている事が分かりました。(ヨーヨーつりは1回に何個とっても3個までしか持って帰れないルールがあります。Bくんはヨーヨー釣りを2回やって2回とも3個釣り上げたので6個持っていたのです!)
それを知ったAくん。「えーすごい!!」とBくんを見つめています。
まだお祭りの時間も残っていたので、スタッフがAくんに、「Bくんにどうやったらそんなにたくさん釣れたか聞いてみたら?」と声をかけてみました。すると、Aくんは「ねーねーどうやったらそんなにとれたん?」と質問しました。
Aくんに質問されたBくんは、「こうやってそーっといれてそーっとやるんよ」とジャスチャー付きで教えてくれたのです。それを聞いて「そっかー」とAくん。質問されたBくんもとても得意そうでした。
いつもの療育の中で、“教えてもらう時間”と、”取り組む時間”をわかりやすくするために、“おしえてもらうタイム”というカードを使って、まずはやり方の説明を聞く(やり方のモデルを見せたり、ビデオでやり方を見せたり、教え方はその子によっていろいろです)、そして実施する!
ということを練習しているので、はじめの夏祭りの説明の時もですが、お友達がやり方を教えてくれている時に、それに注目することができていたり、分かりやすく教えるために、ジェスチャーをいれてみるということが、子どもたち同士でのやり取りの中でも見られたのかなと思いました^^
普段は好きな遊びが違うのであまり接点のないAくんとBくんでしたが、夏祭りを通して相手のやっていることに興味を持つことができた場面でもありました^^
今年もコロナ禍での夏休み。いつもやっている、クッキングや、お弁当を買いに行ったりの活動はできませんでしたが、距離をとって、工作したり、シャボン玉遊びや水鉄砲遊びをする楽しい時間が持てました。「たのしかったー!!」と笑顔で言ってくれる子どもたちにキッズスタッフもたくさんの元気をもらった夏休みでした^^
まだまだ暑い日続きます。感染対策、熱中症対策をしっかりして暑さを乗り切りましょう。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ: N

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

   会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ