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令和 3年12月31日

 

 第284号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 284号 目次

     戦争を知らない子どもたち

     自閉症啓発セミナー「小田桐早苗先生 講演会」の報告

      即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座 報告とお知らせ

      クリスマス会・キッズルーム・スポーツデイ・はやぶさの会 の 報告とお知らせ

     アイリスの会・水泳教室・OHAの会 の 報告とお知らせ

     ちゃーちゃん日記

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「構造化のための支援ツール 個別編」「構造化のための支援ツール 集団編

     近隣の講演会等のご案内

      ぐんぐんだより 

     グループホーム寄付のお礼とお願い

山の上から吹き下ろす風に乗って、葉っぱがたくさんたくさん降り注いでいます。
刈り入れの終わった田圃やキャベツ畑に舞い降りて、きらきらキラキラ輝いて見えます。
地球の温暖化で、気候変動が激しく感じますが、それでも秋が来て、やがて冬がやってきてくれます。
つくづくありがたく思えるのです。
テレビで日本沈没というのをやっていましたが、日本が沈んでしまうという奇想天外なお話です。昔、小松左京原作を読んだときには、あまりの衝撃に心寒くなったものでしたが、今では長い長い地球の歴史を考えると、突然そんなことが起こってもなんとなく不思議ではないような気もします。
何はともかく、今の無事を、なんでもない毎日の繰り返しを、心底感謝したいと思う私です。
先日も夫と話しましたが、私たち昭和の20年代生まれは、ぜいたく品こそありませんでしたが、戦後に生まれた、ある意味、恵まれた世代です。
戦争の悲惨さを知らず、「戦争を知らない子どもたち」などという歌を歌いながら、平和に酔いしれ、高度経済成長に乗っかって・・・、苦労しないで育った若者たちでした。
テレビが初めて我が家にやってきたのは、昭和34年、現上皇様(当時は皇太子殿下)と美智子様のご成婚の時でした。力道山に月光仮面、なんてのは楽しい子ども時代の象徴でした。
毎日野山で遊びほうけて、勉強なんかそっちのけでもなんという事もなく生きてこれました。今の今まで幸せが続く、のんきなのんきな世代です。その代表が、今も気楽なウチの旦那様です・・・。
翻って今の子どもたちはどうでしょう。
勉強は難しくなり、英語やプログラミングが小学校で必修化され、みんな習い事や塾に行っていて遊び相手もなかなか見つかりません。一方で、いじめや不登校、発達障害児の増加も大きな問題です。
これからどうなるのか・・どんなことが起こるのか・・、子や孫の世代の事が心配ですが、まもなく死んでしまうであろう私たちには、どうすることもできないことです。
ただただこれからの子どもたちの幸せを祈るしかないふがいない自分です。毎日を元気に、健康に気をつけて、せめて若い人のジャマや迷惑にならないように、生きていくことしかできません。頑張れ若い人たち!

さて、先日12月11日(土)には、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生による講演会「ASD児・者の人間関係のつくり方」という演題で講演をいただきました。県内外から、大勢の参加者がありました。
自閉症の学習スタイルから考える、人との関係つくりの独特さや個人によって違うものの捉え方について、まずは丁寧な説明をいただきました。
改めて、学習スタイルから考えるTEACCHの真髄に迫るお話で、解りやすく話してくださったので、理解がよりできたように思います。
講演会でお聴きした先生の詳しいお話は、後ページにありますのでご覧下さい。
ところで、Zoomでの講義は、音がとてもよく聞こえます。スライドも会場と違って目の前で観れます。家の中でパソコンの前に座るだけで参加できるので、便利この上なしです。
そういう訳で、これからもこういう講義の形態は続いていくようにも思います。
育てる会にとっても、毎回の講演会の会場押さえには、苦労が付きものでした。
会場が大きくて、駐車場があって、交通の便利が良くて、しかも安い会場というのは、人気も高く、抽選になるので、いつも運次第でした。
講師の先生のご都合と、会場の空き具合が必ずしも一致しないということで苦労していました。
コロナ騒ぎ以降、すべての講演会がZoomになったので、育てる会としては、実はとても助かっています。会場の確保だけではなく、機材の搬入や準備など大変な会場設営が必要ないので、楽ちんなんです。
来年コロナ騒ぎが終息しても、ずーっとZoomでの講演会でもいいかな〜なんて思う私です。ただ、ちょっと残念なのは、講師の先生と色んな個人的なお話もできる控室が楽しみだった私には、それができなくなったことでしょうか。
それと、自閉症の新刊本を並べて販売していた本コーナーがなくなったのもちょっぴり寂しいですね。
皆さんはどうでしょうか?
先生の顔を直接拝見できる会場がいいですか? それともZoomの方がいいですか?
ご意見お聞かせくださいね。

昨年の11月からPECSの輪読会をやっています。
PECSのマニュアルを読破して、今は門 眞一郎先生が翻訳されたリンダ・ホジダン女史の「自閉症とコミュニケーション」という本を読んでいます。
PECS実践の先輩である中谷正恵さんや上村和子さんが、参加してくださって、参加者の疑問点にも答えていただいています。
なんとそれに加えて、12月からは、門先生にも輪読会に参加いただいて、教えを請うております。
この本を読み終わった後は、もう一度PECSに戻り、「自閉症児と絵カードでコミュニケーション」をみんなで読もうかと思っています。
こんなに長く自閉症に関わってきていても、まだまだ知らないことばかりの私です。
ずーっと前から知っていたつもりでしたが、改めて思うのはPECSは、すごく効果のあるプログラムだということです。
言葉のない子だけで無く、言葉があっても不明瞭で、人に伝えるのには、適切ではなかったり、単語のみで伝え方が、稚拙な子にも有効です。そもそも本人が今伝えたいと言うことを、苦も無く伝えることが出来るのですから、これほど素晴らしいシステムが、広がらないことを不思議に思います。
たぶん私が思うには、PECSの有効性が、学校現場や支援の事業所で知られていないからではないか、と思うのです。
その一因には、PECSのレベル1の費用が少し高いことも広がらない要因ではないでしょうか。
まだよく知らなくて、良いか悪いか分からないPECSなるものの勉強会に、最初から何万円(一般で39,000円、保護者でも29,000円)ものお金を出す踏ん切りがつかないのかもしれません。
どうしたらこれを克服できるでしょうか? 私が「絶対良い!」と言ってもダメでしょうか。考えてみたいと思っています。
何しろ効果的なことは、我が家で、グループホームで、そして色んな方の事例から、実証済みなのですから・・・。なんとか広めていきたいと思う私です。
そう言えば、無料の「PECSの概要」のオンラインセミナーが1月6日にあります。後ろの「近隣の講演会」で紹介されているので、迷われている方は、ぜひ受けてみてくださいね。

さて、育てる会のクリスマス会が、12月12日(日)にありました。
キッズルームとクリスマス会は、内容はほぼ同じですが、クリスマス会にはサンタさんからのプレゼントと、ケーキを食べるということが今まではセットになっていましたが、こんな時期ですので、ケーキはやめて、今年はサンタさんからのプレゼントだけになりました。
このプレゼントは、ビンゴゲームをしながらビンゴになった人からもらえます。
プレゼントは、あらかじめ保護者の方が、我が子のためにこっそり用意したものを渡すことになっています。
「どうして僕の好きなおもちゃをサンタさんはわかったんじゃろ〜??」と不思議そうにしている子どもたちです。いつもながらかわいいですね。
人形劇を見たり、スカイバルーンをしたり、ボランティアさんと一緒に楽しむことが出来ました。
最後にサンタさんからお菓子投げのプレゼントをもらって、大喜びの子どもたちでした。
お菓子投げは、グループホームの「建て前」の時、餅投げと合わせてお菓子を投げたのが好評だったので、クリスマス会でもやってみようと言うことになりました。
最後に盛り上がって終わりというのがいいですね。みんな喜んでお菓子をいっぱいもらって帰りました。
そうそう、明治製菓の株主さんからのお菓子のプレゼントをいただきましたので、それをみんなにお土産として配ったことも、申し伝えておきますね。
みんな一度に食べないで、じっくり味わって食べてくれたでしょうか?
楽しいたのしい、クリスマス会の思い出が、みんなの心に残ってくれたらいいなと祈りつつ、私たちはこの行事を続けています。
岡山大学で行っている育てる会のクリスマス会は、岡大の学生さんと一緒に長年取り組んでいる行事です。思い返すと、会ができてから間もなく、23年も続いている活動の一つです。
今の学生さんたちが生まれるよりも前から、先輩から続く長〜〜いおつきあいです。
本当に岡大児童文化部さんのお陰で今年も楽しい時間を子どもたちに提供することが出来ました。
感謝でいっぱいですこの場を借りて、感謝の言葉を申し上げます。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

ここでひとつ、我が家の息子の話をしましょう。
息子は、グループホームに入っているので、帰ってくるのは、土曜と日曜の週末だけです。
帰ってくるのは、土曜日の早朝6時台。グループホームからの我が家との距離は、引っ越したおかげで、今はとっても近くなり、こんなに早くに歩いて帰ってきます。
日頃は、お仕事しているので親はゆっくり眠りたい土曜日の朝、帰ってきた息子の掃除機をかける音で、目を覚まされます。
張り切って早くから掃除をはじめる息子に、やめてくれとは言えず、嫌々おこされる私たちです。
息子は、お手伝いをしてお金をもらうのが大好きです。
それで帰ってきた日には、朝から頑張って、お掃除やモップ掛け、食器洗いや、お風呂掃除にトイレ掃除と大活躍です。
我が家では、これまでトイレ掃除の手順書は、最初に教えてからしばらく使っていませんでした。
もう少しで、グループホーム「すてっぷ1」に引っ越して、今度は一人で自分の部屋のトイレを掃除することになる息子に、ちゃんとできているか、今どんな風にお掃除しているのかを、ビデオに撮って確認してみました。
抜けているところがあれば、改めてきちんと教えるためでした。
・・・すると衝撃の事実が、判明しました。
お風呂掃除は、まずまず良くやっていました。ところが、トイレ掃除は、びっくりするような衝撃映像が撮れました。
雑巾で、まずトイレの壁や床をきれいに拭いて、次に便器の中を棒ズリで洗った後のことです。
紙のクリーナーに換えて、まずフタを拭き、便座の座る上の面を拭き、便座の裏を拭き、そして便座をあげて便器の縁をきれいに拭きました。
・・・・ここで終われば上出来でしたが、なんと息子は、次に便座を下ろしながら “もう一度” 丁寧に便座の上を同じクリーナーで拭き上げて、フタも丁寧に何度も拭いておりました。
ショックでした。息子にとって、汚れは見えなければ、ないのも同じ・・・。
ばい菌なんて見えないので、便器を拭いたクリーナーで、そのまま便座もフタももう一度、しかも丁寧に拭いていたのでした。
撮影したのは、主人と息子が使う男トイレなので、小の時は便座を上げて、立ったまま使用しています。
当然、便器の周りには・・・と思うと、ゾッとさせられましたね。
これは、すぐにでも手順書作って教えねばと思った次第でございます。
時々こんな風に自分流になって行く息子のお手伝いです。
まだまだ教えること多い33歳です。

そんな息子も、もうすぐ34歳になります。時々思うのですが、普通なら誰かと結婚して、子どもの何人か持って、自立している歳でしょう。
他の子達は、みんな独立して、我が家を巣立っていきました。
哲平は、グループホームに入ったとはいえ、まだまだ、私たちの子育ての対象なんです。
いつまでも子どもがいる幸せを味わわせてもらえる私たち夫婦は、幸せ者だなと、夫ともよく話します。
そう思えるのは、哲平がお仕事を持っていて、お給料もいただいて、グループホームで安定して暮しているから・・・、だからこんな風に素直に幸せだな〜って言えるのだと思います。
グループホーム作って本当に良かったと思いますし、お仕事も丁寧なサポートをいただける職場に恵まれてほんとに幸せです。
こんなに幸せな暮らしが送れるときが来るなんて、つくづく私は果報者だと思います。
育てる会を作ってもうすぐ25年が来ます。最初は5人の母親で始まった会ですが、一緒に立ち上げた人たちは、それぞれ事情があって、今は違う道を歩まれています。
それからも、新しく会に入ってこられる人、もう子どもが大きくなったからと去っていかれる人、入れ替わりで、もう25年が経とうとしています。
私は、会を去って行く方を引き留めないようにしています。寂しいですが、その方にはその方なりの事情や生き方があるから、と思うからです。
一方で、子どもの障害を告知され、仲間がほしいと思われた方には、入ってこられる仲間の会が必要だと思っています。
そのために、会をなくさないようにと、一人残って精一杯にこの会を支えてきました。
そして、今幸せなのは、この会で支え合える会員の方や、働いてくれるスタッフと共に頑張ってきたご褒美だと思います。
さて、今年ももうあとわずかとなりました。
来年は、なんと育てる会が出来て25周年の年となります。
四半世紀ですよ。小学4年生だった息子も33歳です。月日の経つのは早いものです。
まだまだ若いつもりでいた私も来年は、いよいよ古希を迎えます。
「人生古希稀なり」というくらい昔は古希を迎えるまで生きることは稀だったのでしょうね。
今は、人生100年とも言われる時代です。私もひとつがんばって100歳を目指してみましょうか。
そんなこんなで今年もお世話になりました。
どうか、みなさま良いお年をお迎えください。
(鳥羽美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和3年12月11日(土)、川崎医療福祉大学 講師の小田桐 早苗 先生を、オンラインにお迎えして「ASD児・者の人間関係のつくり方 【前編】」のテーマで「第115回(令和3年度 第5回)育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回もZoomでの講演会でしたが、オンラインの場合対面でのセミナーに比べて、長時間の講義は集中力が続きにくいのではと考え、前編・後編に分けて6時間の講演をお願いしました。
前編では、ASD児の学習スタイルの視点から、人間関係を作っていくことの苦手さについてお話いただきました。以前、小田桐先生が関わられていた、自閉スペクトラムの女の子のグループ「ジェンヌの会」の実例、発足から経緯・・・そして現在なども紹介していただき、とても参考になりました。
前編に参加できなかった方も、後編に申し込んでいただければ、後編の開始直前の期間に前編の「振り返り・見逃し配信」をご覧いただけますので、安心してご参加ください(参加費は2回分のセット料金となりますが、ご了承ください)。
それでは、当日セミナーに参加された方からの講演報告とアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介いたします。

2021年12月11日にZoom上で開催された、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生によるセミナー「ASD児・者の人間関係のつくり方(前編)」に参加してきました。
当事者コラムを書いている「ちゃーちゃん」が今回はまとめを書かせていただきます。
自分の感じた感想などは、後半のコラムに書いているので、ここでは皆さまとのシェアのために、講演の内容を中心に書いていきたいと思います。
今回は、二部構成の前編ということで、知的障害のないASDの人の「学習スタイル」と、ASDの人の「人間関係」がどう影響していくかを考えることが大きなテーマでした。
以前はASDの診断のある人と言えば、知的障害が重たいタイプの人の方が主であるイメージがありましたが、最近のアメリカなどの調査によると、むしろ知的障害を伴わないASDの人の方が増えています。
そうなるとパッと見や言動からでは「障害がないように見える」が、「実はASDを持っている」人たちが園や学校や会社や地域の中で、一般の人達と関わりあいながら生活していることが多いということになります。
「障害がないように見える」というのは、時に周りからの無理解にさらされるということになります。
ASDの人の場合、学習の仕方の違いがあり、「暗黙的な学習」「聴覚処理」「注意の向け方」「実行機能」「社会的認識」などに、周りの人達と大きな違いがあります。
それはASDの人の脳の構造と機能が生まれつき違うことからきており、それは決してASDの人がわざとしていたり、我儘でしていたりではないのですが、「障害がないように見える」=「周りがASDの人に合う関わり方をせずに理解なく関わる」と、「なんでそんなことするの?」「常識でしょう」「ちょっと考えればわかるでしょう」と本人を責めてしまうような関わりになるかもしれない危うさがあるのではないでしょうか。
まず、ASDの人の学習スタイルの違いが人間関係の築き方にどう影響するかについての説明がありました。
★「暗黙的な学習の苦手で、明示的な学習が得意=ハッキリ伝えてもらえばわかる」。
(たとえば、「秘密の話なんだけど」だけでは分からないけれど、「絶対誰にも言わないでね。これを他の人に言ったら、あなたのことを今後信じられなくなるから」まで言われれば分かる)
★「聴覚処理の仕方の違いがあり、視覚情報処理が得意」。
(たとえば、複数の人とどんどん展開するような話し合いや井戸端会議などは難しいけれど、テーマがはっきりしている議論や講演会のスライドを用いながらのお話を聞くセミナーなどは理解することができる)
★「注意の向け方が違うので、興味関心の強いものへは注目しすぎてしまったり、全体像を見ていなかったりする」。
(たとえば、相手の話のちょっとした言い間違いや状況説明の違いなどが気になると、本筋とは関係ないことでも「それは違うよ」と言い直させてしまう)
★「実行機能の難しさがあり、段取りよく何かに取り組んだり計画したり終わったりが難しいことがある」。
(たとえば、相手と映画に行く約束をしたとして、準備にどれぐらい時間がかかって、どうやってそこまで移動して、終わった後どのように過ごすかなどをその場で何となくでは組み立てられない)
★「社会的認知の難しさがあり、相手の心境や考えの違いなどが瞬時には理解しづらい」。
(たとえば、何となく会話していて相手が何を言いたいのかなどをパッと考えてそれに合う答えを導きづらいため、ただの愚痴に対して説得しようと頑張ってしまったりする)
これら、「たとえば」と書いている括弧の中は、全て私の失敗談です。
自分の特性を知るまでは「なんでいつも人間関係が難しいんだろう」と思っていましたが、今回の小田桐先生のお話を聞いて「それだ!!!!!!!」の連続でした。
そりゃ相手を怒らせる名人だわね。でも、誰もこういうことって教えてくれないんですもん。難しい!
次に、ASDの学習スタイルと人間関係についてのお話がありました。
「共通の興味を見つけることが難しい」。
定型発達の人が興味を持つことが、同世代であってもASDの人の興味とは一致しづらいことが往々にしてあります。
たとえば、私が小学5年生の時、クラスメイトたちはジャニーズやアイドルに夢中でした。光GENJIが好きでローラースケートを家族にねだった子・工藤静香のセクシーな歌い方を真似する子。ゲーム好きな子はドラクエやメガドライブにはまり、ねるとんやおニャン子クラブの話も盛り上がっていました。
私はその頃、歴史漫画で「同じ人物(たとえば織田信長)が良いやつなのか悪いやつなのかは、その本の主人公によって描かれ方がまるで違う」ことを発見して、他の本はどうだろうと読み漁っていました。
ほら、全く違う。共通の話題になりえない・・・。笑
「社会的動機づけの弱さ」「社会的認知の弱さ」。
過去の経験から参加することに躊躇したり、やったことのない活動や相手への躊躇があったりします。
また、相手や自分の感情を瞬時に理解して対応することができないので、理解できれば相手に共感できますが、理解できない(分からない)と共感したくても共感できない。
たとえば、「彼氏と別れようか迷っている」という相談があった際、相手の言葉を字義通り受け取って「別れたいなら別れれば」となってしまうけれど、相手から「もし別れたら新しい人と出会えるか不安」「ちょっと喧嘩しただけで、本当は仲直りしたい気持ちもある」と言われると「そういう気持ちになることってあるよね」と共感できる面もあるんですよね。
ニュアンスで分かるでしょ?は全く分からなかったなぁとしみじみ思いだします。
最後に、小田桐先生がこれまで出会ってこられたASDの人達の人間関係での悩みを具体的な例を示しながら紹介してくださいました。
ASDの人たちだって一人よりは、自分のことを大切にしてくれる人とは繋がり合いたいと思います。人間だもの。
けれど、そういう存在を自分が求めているのだという気づきや相手と繋がり合いたいという気持ちの成長がゆっくりであったり、どのようにしたら相手と繋がり合えるのかということを気付いたり習得した利するスキルが生得的に備わっていないのもASDの人達です。
だからこそ、幼児期から楽しい経験や人と関わることは悪いものではないということを、まずは幼児期に両親や園・学校の先生とたくさん経験し、大人の見守りを受けながら、同世代の子どもたちとも楽しい経験をしていくことで、「人間関係を作りたいな」と思えるような育ちをしていくことが大事なのではないかなと感じました。
本人視点を大切にしながら、本人の成長を見つめつつ、そのゆっくりな人間関係作りを応援してもらいたい。
心からそう感じるASの私でした。
次回は、2月26日(土)に後半の部が行われるそうです。次回も楽しみですし、今回見逃したという方も、2月分に申し込まれれば12月の前半の部を見逃し配信で視聴できるそうです。
たくさんの人にASDの人の人間関係について、知ってもらいたい。不思議さを感じて楽しんでもらいたいです。
小田桐先生、ありがとうございました。
(当事者コラム作者:ちゃーちゃん)
ここからは参加された方からの感想です。

○ 自閉症の人の学習スタイルと人間関係は、本当に深く切実なテーマだと日々感じています。実行機能や他者視点の難しい当事者にとって、人と関わりを持つことがどれだけ不安で、悩ましい事かを彼らの視点に立って、考えていかなければならないと改めて思いました。
人とより良い関わりを持つためには、楽しめる経験を何度も何度もたくさん繰り返しながら成功体験へと導く手立てを 幼少期から経験する事が大切なのですね。何事も、一人ひとりにハマる方法を色々と探りながら、何度も繰り返し、ゆっくりでも1つずつ習得しながら、少しでも将来の人間関係形成につながるよう、支援していけたらいいなぁと思いました。本日も貴重なお話をありがとうございました。
○ 当事者の親です。小学校3年と5年の息子たちがピア的存在を必要としているだろうとにおわせる言動が多くあり、丁度、ピア的な活動の参加が必要な段階にきていると思います。
大切なことは、ASDの特性についての基本的な事と、我が子の捉え方を知っている親同士が、黒子になって、まずはバッググラウンドで準備し、当事者である息子たち同士が交わりを楽しいと思える事、そして最終的には親がフェードアウトしてもその関係性を保てるようにしていくことだと分かりました。まずは親子で仲間探しから始めます。貴重なご講演をありがとうございます。次回も楽しみです。
○ 人間関係の話だけど、ひとりで過ごすのが良ければそれでも良いというところが一番ヒットしました。本人の満足点と他者の存在を意識できているか、友達の必要性を説くよりも本人の学習スタイルと感覚、価値観、考えを受けて止めていくことだなと感じました。
幼児期、学童期の対象者に関わることがあるのでその人達が成人するまでに人と接して思いや考えを伝える経験(仲間の入り方、誘いの断り方)。
困ったら相談して受け止めてもらえる経験が積める相手として大切な時期に関わらせてもらっているので、将来の蓄積のひとつとして関わり方を見直してみたいと思いました。

令和3年度 支援者対象 
    現場の先生のための即実践講座

香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座です。
第7回ではコミュニケーションの評価のとり方についての、大切にするべきお話を聴いたあと、受講者のみんなで、それぞれ関わる子どものコミュニケーションサンプルを取ってみようという宿題がでました。
50個のサンプルをとってみるのが理想とのことでしたが、次回のセミナーまでには、お正月休みや冬休みが入るので、特に学校の先生方には短期間で集中して取り組んでいただくことになってしまいました。
子ども達とは実際に触れ合わなければいけませんので、正月休みを返上しても意味はありませんが、3学期が始まったら頑張って集めてください! ね!!

  『 令和3年度 第8回 現場の先生のための 即実践講座 』

日 時:令和4年1月13日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM) 
テーマ:「コミュニケーションの実践結果は?
実践してみてどうだった?」  
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
それでは、第7回「コミュニケーションの評価と目標 〜評価し目標を立ててみよう〜」に参加された方からの、アンケートを紹介します。

○ 坂井先生のお話を聞きながら、子どもたちのことを考えると、本当にコミュニケーションが大切であることを実感しています。
コミュニケーションサンプルのとることで現状の確認が出来たり、保護者と共有しやすくなるだろうと思います。次回の、活用の方法などが楽しみです。
○ コミュニケーションサンプルは保護者の方と一緒に取ってみることがあります。
「お茶って言えばお茶がもらえると思ってるよね」とか「『なんで○○なんだよ!?』が困ってる表現になってるね」とか、高機能のお子さんにはあるあるで、方向性も曖昧になっていることが多いです。意識することで、コミュニケーションは教えていける。サンプルを取ることで「芽生え」に気づくことができ、そこからやっていける。まさにTEACCHだなと思います。頑張って宿題やってみたいと思います。
○ 私が携わっているASDの方の中にもコミュニケーションに苦手さが問題行動に繋がっていることがあるなと感じる事があります。問題行動だけに目を向けてしまうとその人に問題があるかのように感じられることも少なくないのかなと思います。坂井先生のおっしゃられた“頑張らないといけないのは、ASDの人ではなく支援者たちだ”という言葉に背筋が伸びる思いがしました。ASDの方のコミュニケーションの指導(支援)をするにあたり、まずはしっかりとアセスメントをしようと思います。次回までのしっかりと宿題にとりくもうと思います。

令和 3 年度 支援者向け 
   発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和3年度の赤磐市との共同主催による「発達障害 夜間連続講座」です。
第7回では、ASD児・者の人生を豊かなものにし、日々の暮らしを安定させるためには、普段の余暇(イベント的なものではなく)を充実させていくことが、どんなに大切かということを、具体的な例を交えて教えていただきました。
次回は、これも特性の中で苦手としている「社会性」についてのお話です。残り3回になりますが、しっかり学んでいきたいと思います。

  『 令和3年度 第8回 支援者向け発達障害夜間連続講座in赤磐 』

日 時:令和4年1月20日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「社会性へのアプローチ 〜社会の中で生きていくことを支えるために〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
それでは、第7回「あそび・余暇の支援 〜意味ある楽しい時間を過ごすために〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。

○ 経験したことのないことは余暇として成立しないため、まずは教える体験させること、それをするかどうかは本人が選択する、ということを大切に明日からも取り組みたいと思います。
○ 余暇のスキルの必要性は,以前から思っていましたがそれにも,このように細やかな手立てが必要でることが分かりました。そのためのアセスメントの仕方がとても参考になりました。余暇場面でも構造化が有効なんですね。
あと3回になってしまって,さびしいです。ありがとうございました。
○ 余暇は、小さいうちに色々な事を経験させてあげることの意味を知りました。そのスキルを次の支援者等につなげていくことは将来自分のためになること。しかし、他の人と一緒に手伝ってもらわなければできないのでは困るので、ある程度一人でできる事を生活の中に取り入れていくこと。余暇は支援者側から見て、できるできないではなく、その子にとって興味関心があるかないかが大切であるのでアセスメンは学習ばかりでないことを学習しました。

令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座

重松先生の保護者のための自閉症基礎講座「自閉症、基本の“き”」の案内です。
重松先生による赤磐市の夜間講座の方は支援者対象なのですが、こちらの講座では保護者向けに、やさしい言葉でお話いただいています。
最初に、前回のアンケートの中から、日々の暮らしで困っていることの質問に答えていただいた後、各回ごとにテーマを決めて、自閉症の特性について教えていただきます。
前回は「分かりやすい伝え方」として、ASD児に伝わりやすい、いろんな工夫についてのお話でした。
どれも、ご家庭ですぐに取りかかれる工夫ばかりで参考になることばかりでした。
正会員の方は無料の講座となっています。見逃し配信もありますので、今年度も残り3回となりましたが、ぜひ参加してくださいね。

  『 令和3年度 第5回 保護者のための自閉症基本講座 』

日 時:令和4年1月17日(月)10:00〜12:00
場 所:オンライン(Zoom)
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者5,000円、一般10,000円(全6回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第4回「基本の“き”」に参加していただいた保護者の方からの感想です。

○ 私が息子に「今から○○してから△△してね」と伝え、「分かった〜」と返事したにも関わらず、順番を逆に捉えていることがあり、理解していなかったんだな〜と後で思うことがあるのですが、それは伝え方が分かりにくかったのかもしれない、と今日の講義を聞いて思いました。
これからは、1番、○○をする 2番、△△をする と簡潔に伝えてみようと思います。
○ 毎回具体例を出していただくことで、とても分かりやすいです。ありがとうございます。
『見せて伝える』ことを優先しすぎて、その前に行うことを少しおろそかにしていました。今後の課題にしたいと思います。

育てる会 クリスマス会 報告

12月12日(日)に岡大の体育館で、クリスマス会を行いました。
キッズルームも含め、コロナで長い間 現地開催できていなかったので、現場を経験していない児童文化部の学生さんも多く、念入りに打ち合わせを行って開催しました。
コロナ禍のため、以前よりの変更事項もたくさんありましたが、みんなが楽しめるように、学生ボランティアさんが考えてくれました。その甲斐もあり、盛大に盛り上がったクリスマス会になりました。
参加者は2歳〜成人まで幅広くいましたが、みんな嬉しそうに楽しそうにしている顔を見ることができて、うれしい気持ちでいっぱいになりました。
こういう活動を、23年間続けてこられたことを大切に、これからも続けていきたいと思います。コロナ禍で空いてしまった穴をしっかり繋げられたと思いました。
みんな、めいっぱい、遊べて、よかったです。
人形劇やスカイバルーン、ビンゴ大会などの後は、これから恒例にしたいお菓子投げを行ないました。
コロナの感染防止のため、今年は工作やケーキはなかったのですが、それ以上にお菓子投げで大はしゃぎでした。
最後に、今年は明治製菓さんよりたくさんのお菓子をいただきましたので、サンタさんから一人ずつにクリスマスプレゼントとして手渡しさせていただきました。
もう一度、大きな歓声が湧き上がりました。

キッズルーム ご案内

コロナのため、しばらくオンラインで開催していたキッズルームが、久しぶりに現地、岡山大学体育館で、ボランティアの岡大児童文化部の協力をいただいて開催されます。
クリスマス会での体験から、コロナ対策をしっかり実施すれば大丈夫!・・・ということで、
令和3年度の「第1回 キッズルーム」を開催します。(今年度は1回限りです m(_ _)m )
新しい方もどうぞご参加ください。
詳しくは、正会員の方に同封のチラシをご覧ください。
日 時:令和4年2月19日(土) 12:45〜15:00(頃)
場 所:岡山大学 体育館
参加費:一人 400円(正会員のきょうだい児も参加OK)
申込み:チラシのQRコードから(正会員 限定)

スポーツわくわくデイ ご案内

サッカークラブから少し形を変えた「スポーツわくわくディ」です。
意外と(?)ドッジボールも好評だったので、同じ形式で「スポーツわくわくディ」を企画しました。こちらも詳しくは、キッズルームと同じチラシに掲載しています。

  『 第2回 スポーツわくわくディ 』

日 時:令和4年1月23日(日) 9:30〜11:30
場 所:ジップアリーナ 体育館
        ※ご連絡  岡山でもオミクロン株の流行が危惧されるようになったため
        
3月13日(日) 10:00〜12:00 岡山大学体育館 に変更・延期させていただきます。
参加費:一人 200円(正会員のきょうだい児も参加OK)
申込み:チラシのQRコードから(正会員 限定)

はやぶさの会 ご案内

自閉スペクトラム症の男の子たちの友達作りの会、「はやぶさの会」です。
小学生の男の子たちとその親たちで活動しています。
9月末に、岡山の蔓延防止等重点措置が解除された途端、子ども達の学校では行事ごとが目白押し!運動会やら参観日やら遠足やら学習発表会が年末までびっしりでした。親たちも大忙し。なかなかゆっくり集まる暇もない中、あっという間に年末です。
子どもたちが育てる会のクリスマス会で再会したこと、12月の小田桐先生の「人間関係」のセミナ―に影響を受けた親たちで「そろそろ集まろう」と声をかけあい、企画しました。
2022年1月8日(土)、感染対策をした上で、皆でご飯を食べに行こうということになりました。
「はやぶさの会に興味あります」と言ってくださった初参加の方も来れることとなり、年齢層も幅広くなってきました。嬉しい!!
少しずつ親ががっつりじゃなくても、子どもたち同士で楽しめるようになってきました。
参加してみるまでは、子どもよりも親がドキドキだと思いますが、新人さんにも優しいはやぶさメンバーです。
興味ある方は、お母さんだけの見学も大歓迎ですので、是非一度事務局までお問合せください♪ (正会員 限定)
(担当:M)

あゆみをつなぐ アイリスの会

先輩のお母さん、お父さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
12月23日(木)には、アイリスの会、2回目の登場、会報でも「お母さんコラム」を書かれているMさんに、今回は主に本人への告知などについてお話いただきました。
今は小5になられている長男の方へ、初めて告知を行なった際の準備やタイミング、告知のやり方、その後のフォローなどについて具体的な経験のお話でした。
お話を聞いて感じたのは、障害をマイナスとして捉えるのではなく、むしろその特性を肯定的に伝えることの大切さでした。
お話の中で、本人へのインタビューの紹介として、生の声を聞けたのが特に印象的でした。
「こだわるって、(ある意味)いいことじゃろう」そんな風に自分の特性を理解していることは、親として救いでした。
参加していた鳥羽代表の「うまく育てているね」というように、これからも真っ直ぐ育ててあげてほしいと願う子育て体験談でした。
もちろんその背景にある、裏ではイジメや無理解には憤然と立ち向かう(吉田友子先生の「道ばたのつまずきやすい小石は、あらかじめ拾っておく」というような)母の姿も、おおいに参考にしたいものでした。
  次回予告
日時:令和4年1月27日(木)10:00-12:00 (ZOOM)(正会員 限定) (正会員無料)
次回は、特別支援学校を卒業された後、福祉就労され、毎日元気に働いておられる24歳の青年のお母さんのお話です。
いまさらですが、ASD児といっても高機能なお子さんから、グレーゾーンの方、知的障害を伴う方まで、知的な分野では幅広いですね。
「ウンウン、ソウソウ」と涙で共感するお話から、「ヘェー、そうなんだ、知らなかった」という違った悩みのお話まで、いろんな先輩お母さんの体験談を聞けるのが、アイリスの会です。
そして、知的なレベルは違っても、みんな自閉症の特性というところでは、共通の悩み、つまずき、そして強みを持っています。「アイリスの会」参加されるお母さん方、子どもの状態はそれぞれ違いますが、いつも共通しているのは「参加して、お話を聴けて良かったです!」という言葉です。一人でも多くの会員の方の参加をお待ちしています。

水泳教室 の お知らせ

日 時:令和4年1月16日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員 限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は1月13日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

OHAの会 の 報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
12月14日(火)は、利守愛子先生による「ほめ方と叱り方」のお話でした。
褒め方や叱り方は、普通の(定型発達児の)子育てにおいても大切なのですが、自閉症児の子育てにおいては、その特性により配慮しておかないと、理解されないどころか、かえってマイナスになってしまうことがあるのですね。
たとえ知的に遅れがない子であっても、子どもがASD児であることを意識して、本人に分かるようなやり方で褒め、怒るのではなく、本人に伝わるように叱るということが、大切だということを教えていただきました。
それでは参加された方からの感想が届いていますので紹介します。

○ 叱るのも褒めるのも子供と暮らす中で欠かせないことだから、うまくいくコツを教えていただけると本当に助かります。子供は大人に見てもらえると嬉しいんですね。子供に「悪いことをして怒られるのは辛いけど、放っておかれるよりは寂しくない」なんて思わせないように、しっかり見て褒めたいです。
○ 怒ることと叱ることの違いなど、わかりやすくうかがえてよかったです。
日常では、どうしても、子供の行動についイラっとしてしまうこともあります。でも、OHAの会で勉強させていただいてると、その時に感情で怒ってしまわずに、一息おけるような工夫を意識できる気がしてきました。

  次回のご案内

1月11日(火)9:30-11:30 ZOOMにて開催
テーマ:『ルールについて』 講師:利守 愛子 先生(公認心理士)(正会員 限定)
※ 個人情報の関係で、後日配信には、寄せられた先生への質問のお返事は流すことができません。みんなの困っていることは、我が家でも当てはまることがたくさんあります。
先生からのアドバイスをお聞きできるのは、当日参加された方のみです。
参加特典ですので、是非、当日のご参加をお勧めいたします。

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先日の小田桐先生の講演会「自閉症の方々の人間関係その@」に参加してきました。
お話を聞きながら、しみじみ思ったことを、今日は書いていきたいと思います。
私は診断はついていませんが、このコラムを読んでいただいている方はご理解いただける通り、かなりAS特性が濃いです。
40年ほど昔だったから診断が出なかっただけで、今の時代なら100%診断が出ると、自信を持って言えます。わが子は二人とも診断が出ていますが、子どもたちよりも確実に私の子ども時代の方が濃かった・・・。それは私の両親も自信を持っていることでしょう(笑)
小田桐先生のお話を聞きながら「そうなんよ!」と思うことばかりでした。
「一人が好きなんでしょう?」「マイペースだよね」「自分のしたいことの時は積極的だけど、そうでない時には全然連絡もしてこないじゃん」と言われてしまうことが多くありました。
どうしてそう思われるんだろう。
人と仲良くしたいと思っているし、人から好いてもらいたいと思います。好きなことや興味のあることがあれば共有したいと思っているし、自分のしたことで相手を怒らせてしまったなら謝りたいし、許してもらえるよう努力もしたいと思います。
でも、根本的な違いがあるんですよね。
私は、そもそも人の顔や名前も一致しづらいです。それは子どもの頃からで、今仕事をしていても難しいところです。
以前「興味がないからだよね」「どうでもいいからでしょう」と言われ、強くショックを感じたことを覚えています。
違うんです。出会って話をしていても、その人と名前とエピソードを紐づけられないんです。
でも、定型発達の人は、それを脳でちゃんと記憶できるんですよね。
私が助けられているのは、名刺についている相手の方の写真・裏に自分で記載する相手の人の風貌やエピソードメモ・そしてFacebookやInstagramなどの写真です。
それでも、相手の人と話をするのはとても難しい。
興味があることを話していると相手がどう思っているかまで気持ちを配れないことがあるし、相手の話をしっかり聞こうとすると真剣になりすぎて無表情になるし、表情豊かに相槌を打とうとすると話の流れを追いかけられなくなります。
友だち関係・恋愛関係・職場での人間関係・親戚づきあいや近所づきあい・・・。
こんなに人間関係って複雑なのに、学校では教えてくれませんし、家族も当たり前にやっていることばかりなので、わざわざ教えたりはしませんよね。
では、どうやって人間関係をそれなりに構築しているのか。
改めて考えてみました。
友だち関係では、LINEやFacebookやInstagramなどの電子機器が助けられています。そこには表情も即座の反応も求められません。ただ相手のことを思って丁寧に返せば、真意が伝わります。
恋愛関係では、そういう私を分かってくれる相手と付き合えば、そこも含めてのあなただと思ってくれるような相手でなくては、続かないのだと割り切ってしまえば楽になりました。
職場での人間関係では、メモをしてから話す・書きながら整理して相手の話の流れを汲み取り、適宜相手の意見や想いをしっかり聞く(ニュアンスでは気づけないので)ようにすることで、真摯に対応する人だと評価されるようになりました。
親戚づきあいや近所づきあいでは、「ここは私が受け持ちます!」という得意分野をしっかり生かして自分なりにやれることをしながら、旦那に「未だに親戚づきあいや近所づきあいは苦手なのです」と伝え、サポートしてもらっています。
私はこういう人間です。相手に迷惑をかけないよう、失礼にならないようやれることを精一杯努力もしています。
それでも分かってもらえない相手は、きっと定型発達の人同士でもあることでしょう。
人間関係はどちらかが誰かが我慢しているようでは、健全とは言えません。
丁寧に実直に生きているつもりです。そうこうしていると、こんな私のままでも「大丈夫」と思ってくれる人がいるんですよね。それは、今私の周りにいてくれる人たちがとても優しいからだと思いますし、そんな優しい人たちが信じてくれている私のことを、私自身が裏切らないでいたいと思えているからなのかもしれません。
結局のところ、自分だけの力では、どうにもならんのです。
今の自分って結構いいじゃん♪と再確認できた小田桐先生のお話に大感謝の3時間でした。ありがとうございました!
(ちゃーちゃん)

お母さんコラム

小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、12月23日(木)のアイリスの会で、息子との日々パート2として、「ASDについて本人に障害告知をした話」などをお話させていただきました。
久々にオンラインだからこそお会いできた方もおられて、とても嬉しい時間でした。
今回のアイリスの会では、息子にもインタビューをして、
「自分の得意なことや好きなことは?」
「苦手なことや嫌なことは?」
「障害告知をされた時どう思った?」
「どんな風に接してもらいたい?」
「あなたにとって『自閉症』とは?」など、色々聞いてみました。
事前に、何のためのインタビューかを説明し、何を聞くつもりなのかのリストを渡しておいたところ、本人なりに色々自分で考えてメモをしていたようで、実際にはそれにプラスαの質問もしたのですが、それも本人なりに回答してくれました。
母として驚いたことは、照れたりふざけたりせず、真面目に一問ずつ丁寧に回答したこと。
インタビュアーが母なので、何かやりたがらないのではと勝手に思っていたのですが、普通のインタビューが成り立っていてビックリしました。練習ナシの一本撮りとは思えない仕上がり!母の方が戸惑うほどでした。
もう一つ驚いたことは、本人の障害観。
「あなたにとって『自閉症』とは?」と聞くと「普通のこと」と答えていました。
インタビューが終わったあと、「緊張したわー」と言っていた息子にもう少し詳しく教えてよ、と言うと。
「別にどうってことない」「自閉症は障害だよ」「でも、それがあるからって何か損したり困ったりはしていないし、自閉症を理由に、何かいじめとか差別とかされたり変に贔屓とかされたくない」「俺は、自閉症があるなしに関係なく、俺だからさ」と話していました。
今回のアイリスの会では、息子の学校や地域でのいじめやからかい問題についても少し触れました。
話しているうちに、ちょっぴり涙ぐんだりもしましたが(画面越しに涙してくださった方もおられました)、案外息子の方が、母より冷静というか大人だなぁということも多くあることが、本当に普段の本人の様子から感じられます。
息子自身が自分のことを肯定的に捉えていて、また自閉症のこともネガティブに取らずに、自分自身の一部であることを正しく受け止めていることが、今回のアイリスの会での話をきっかけに再確認でき、息子自身の成長を強く感じました。
この年の瀬に、子育てをしてきた母としても何かご褒美をもらった気持ちがしています。
まだまだ母として未熟な私です。「先輩お母さん」と言えるほど、先輩感なさすぎなのですが、このような貴重な場で語る機会をいただき、ありがとうございました。
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)  

一雨ごとに気温が下がり、先日は初雪が降り、本格的な冬がやってきました。
そんな寒さに負けず、元気に療育に通ってきてくれるお子さんと保護者の方にパワーを頂いている毎日です!
今回は2歳児のAくんに、本人にとって分かりやすい視覚支援を用いて、見通しを伝えることで安定して過ごせたり活動に楽しく参加したりすることにつながったエピソードについてお伝えしたいと思います。
Aくんは今年度から療育に通われています。
お母さんは愛情たっぷりに日々Aくんのためにと頑張っておられます。
しかしAくんの突発的な行動や急に怒り始めた時には理由が分からず、Aくんの行動に対し「お母さんが悪かったかな、ごめんね」と謝ってその場をなんとか収めようする等、困っておられる様子もありました。
始まりの会で電車やロケット、カエル等をイメージした支援者の動きを模倣をすることを楽しみにしていたAくんでしたが、いざその活動が始まると、ご機嫌ななめになってしまいました。あんなに楽しみにしていたのに。
お母さんとなぜAくんがご機嫌ななめになったのか考えてみました。
するとお母さんから「先週やったカエルの動きがすごくお気に入りで、家を出る時から『カエルする!』と張りきっていたんです」とお聞きしてハッと気が付きました。
先週は カエル→ロケット→電車 の順でやっていたのに、今日はロケットから始まりました。カエルするぞと期待していた分、ショックが大きかったのかもしれません。カエルはロケットの次にする予定でした。
予定を知っているのは私たち支援者だけで、Aくんにはお伝えできていませんでした。反省です。
そこで翌週はAくんの楽しみにしているカエルジャンプが3つの模倣遊びの中で何番目にできるのかを、イラストで示し子ども達に伝えるようにしました。
するとAくんは入室するなりイラストに注目し、「あ!カエルある!」とコメントして2番目にでてくるカエルの動きを待ち、楽しく模倣遊びにも参加することができました。
この様子を通してお母さんと、彼にとって “いつ” 楽しみにしていることが出来るのかを本人にとって分かりやすい視覚支援を用いて伝えることで適切な行動につながり、しっかりと相手を意識した模倣がねらえる、ということを共有しました。
Aくんは家庭でも急な変更や急に片づけを伝えられた時に大声をあげたり、周りの家族に当たってしまうことがあると聞き今回のエピソードをもとに、お母さんと、Aくんの行動背景を一緒に考えて行きました。
Aくんがそのような行動をとるのには必ず理由があること。
その理由の多くは見通しのもてなさであり、その部分をAくんにとって分かりやすい方法で示していってあげることが大切であること。
その方法とはイラストだったり、時にはおやつ等の具体物であること等です。
今回のことを通しお母さんは、家での遊びの場面からの切り替えの時に 「Aくん、これから〇〇するから、片づけよう!」等と次の動機が持てる予定を具体物を用いて伝え、本人が見通しをもてるようにしながら関わることができるようになってきています。
今後もお母さんと試行錯誤しながらも、Aくんの実際の生活場面につなげていけるよう、Aくんの過ごしやすさ・安定した生活のために、お母さんと一緒にAくんがどのように理解しているのかの行動の背景をしっかりと考えるようにしながら頑張っていきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴ療育スタッフ:T

赤磐ぐんぐん (就学前)

早いもので2021年も終わろうとしています。
マスクや消毒、手洗いうがい等の感染対策も新しい生活様式としてルーティーン化しつつあります。風邪やインフルエンザの予防にもなっているので、年末年始も気を抜かず、感染対策と免疫力アップの基本である規則正しい生活を心がけたいものです。
私は今年9月から赤磐ぐんぐんで働き始めました。全くの異業種からきたので、これまで『療育』という言葉すら知りませんでした。
当然ASDについての知識もなく、まさにゼロからのスタートでした。
今回の会報では、私がASDや療育を学んでいるうえで面白いなぁと思ったこと・びっくりしたことについて、書いてみたいと思います。
採用試験の面接で、iPEC(子どもとおとなの心理学的医学教育研究所)のホームページにて公開してある吉田友子先生が自閉スペクトラムについて概説しておられる文章を読んで感想を書くという課題があり、ここで初めて『三つ組』という言葉に触れました。
三つ組とは、ローナ・ウイング先生が自閉スペクトラムの脳タイプについて説明したもので、@人とのかかわりの質 A社会的コミュニケーションの質 B社会的イマジネーションの質・柔軟性の発達の苦手のことだそうです。
 文章のトピックとして『三つ組は長所でもある』と太字で書いてありました。
『「空気が読めない」「一方的」といえば弱点ですが、裏を返せば「常識にとらわれない」「人の思惑で右往左往しない信念の人」ということです』
『「興味が偏る」といえば弱点ですが、「自分の好きなことへの集中力・知識欲・向上心は人一倍で、そのことについては知識や技術が高い」かもしれないし、「融通が利かない」といえば弱点ですが「パタン的/具体的な記憶は得意」「納得すれば真面目、努力家」ということでもあります』
これを読んで私は、「履歴書を書く時と一緒だなー」と思いました。
皆さんも就活対策などで「短所は短所として答えないように!見方を変えると長所にもなる短所を答えましょう!」と教えられたことがあると思います。
このように、表現の仕方によって受ける印象は全く違うものになります。
私はこの文章を読んで、「良い表現だな〜」と純粋に感動しました。
漠然と「療育ってきっとマイナスをプラスに変えてくものなんだな、素敵だなぁ」と思っていました。
ですが、最初に感じたこの考えは、実際に療育を学んでいく中で、変わってきました。
マイナスをプラスに『変える』のではなく もともと持っている本人の能力を『引き出す』ことが大事であり、直すのではなく『生かす』ために 本人の特性や学習スタイルを理解して、本人の弱みを強みによって補っていく。その方法をご家族と一緒に探していくものであると今は感じています。

もう一つ驚いたことは、お子さんへの寄り添い方です。
「子どもの思いやその子なりの考え方に共感することが大事」「分かってもらえていると感じることで、信頼関係が作っていける」と教えてもらった際、「なるほど」「共感してもらえる方が安心できるよね」と思いました。
ですが、これもそんな簡単な話じゃないんだなと感じました。
「お母さんおそい」「もう!何やっているんだよ」とつぶやいている子に対して、先生が「『お母さんおそいな』って思ってるんだね」と返しているのを聞いてびっくりしました。私の頭の中の選択肢には「そうだね、おそいね」というそのままの共感の返答しかなかったからです。なんでわざわざ繰り返すんだろう?と思いました。
怒って「バカ!」と言っている子に「『やめて』って言っていいよ」と声をかけたり、「(パズルのピースが)ないない!」と叫んでいる子に「『パズルください』だね」など、先生たちの声かけが独特だなぁと思いました。
先生たちにあとから質問すると
「お子さんが発言している言葉の真意というか、本当に言いたいことが何かを推測しているんです」
「コミュニケーションの独特さがあるから、暗黙的にはどう言えば相手に伝わるかがまだ難しいことがあるので」
「でも私たちも、毎回ヒットする訳じゃないから、そこはお母さんたちと一緒に考えながら手探りで代弁してりヒントを伝えたりしているんですよ」
と答えてくださいました。
これは、関わり方にコツがいる・・・知識を持って接する必要がある・・・!ということにそこで気づきました。
最初は本当に何と声をかければいいのかわからず、手も足も出ない・・・という状態でした。勉強していく中で、『言葉はたくさん知っていてもそれを言語スキルとして活用する能力にギャップがあり、不安や緊張などでコミュニケーション能力が大きく変動すること』を知りました。「お母さんおそーい」という発言に対して、本人の気持ちにただ共感するのではなく、本人の本当に言いたいことがうまく言葉にならないところに焦点を当てて「共感」する、それによって自分の気持ちを理解して正しく伝えられるようになる。

また、「方向性がある、方向性がない」というのも最初理解ができませんでした。
毎日の振り返りミーティング「○○ちゃんが『みてー』と言っていました」と報告すると「方向性はあった?」と聞かれて「???」。
「△△ちゃんが玩具しか見ていない状態で話かけてきていたので、こちらの顔の前におもちゃを持ってきて話をしていくことで、やっと私の存在に気づいてくれました」と他の先生が報告されていて、『人を意識する』ということも、ASDのお子さんたちは工夫して教えていかないと身につかないのか!とびっくりしました。
自分が普段、「方向性をもってコミュニケーションしている」ことを人生で初めて意識しました。
ASDの人は、いわゆる定型発達と呼ばれる人とは、情報のキャッチの仕方・理解の仕方に違いがあるそうです。
だから、どれからやったらいいか・どういう手順でどう優先順位を決めながらやったらいいかなどがパッと分かりづらいという実行機能の面で課題があったり、相手の気持ちに自然には気づかないなど社会性(対人やりとり)の面で課題があったりします。
そういう脳の特性・脳のタイプを持っている人たちなんだということを、赤磐ぐんぐんで働きだして、現場で先生たちやお子さんたちから教えてもらっている毎日です。
ASDのお子さんたちが、経験から自然に学ぶのは難しいのであれば、本人の学習スタイルや特性に合った教え方をしていく必要があります。
相手がどう感じているか、どのように振る舞えばよいか、何から始めていけば良いかなど、具体的にひとつひとつの場面について丁寧に学ぶ必要があります。
「子どもって大体そういうもんだよね」「成長するにつれて自然にできるようになるはず」とASDのその子に合った支援・教え方をされないままでいると、周りの期待が高くなってくる時期に「なんで何回も言ってるのにいつまで経ってもできないの!!」と怒られてばかりになってしまうかもしれません。
また、その子自身が見えていないとたとえ手法ややり方だけ知っていても使えません。「ASDのその人」に合わせて支援するには、本人に対する理解・本人の考え方や感じ方・本人の学習スタイルをしっかりアセスメントすることが必須になります。
どの方法がその子にとって理解しやすいか、正解はわかりません。まさに手さぐり。試行錯誤しながらご家族と一緒に探していくのが療育だと感じています。

先月の会報でも I 先生が書いておられたように、ご家族は普段のお子さんの言動をよく知っていて、療育の先生たちは専門的な知識や支援のアイディアや引き出しを持っています。
両者が共同治療者となることで、より本人に合った支援ができるのだと思います。アセスメントに基づいて色んな方法を試してみて、お子さんが確実に理解できる方法を見つけていく。そうやって見つけたコツをご家族と一緒に確認し、繰り返し練習していくために、ご家庭でも取り組んでいただき、少しずつ定着していけるように同じ方法を試していく・・・。
そうしてご家庭の中でご家族がわが子への子育てのコツをつかむことが、とても大事なんだと感じています。
その子らしく、その子らしい方法でその子らしさを生かして生き生きと生きていけるような支援をご家族と一緒に見つけていきたいと思い、療育現場に入らせていただいたり、お子さんと関わったり、ご家族とお話させていただいたり、DVDを見てレポートを書いたり、他の先生たちの意見を伺ったりしながら毎日勉強しています。
9月の最初に見えていた景色と今とではずいぶん違ってきています。「難しい」「わからない」にやっと気づいてきたところです。
まだまだ勉強が追いついていないとも思いますが、日々スモールステップで、お子さんやご家族に教わりながら成長していきたいと思っています。これからもよろしくお願いします!!
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:U

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

暖かい日が続くと思っていましたが、ここ最近グッと冷え込みが強くなってきましたね。
赤磐でも先日、この冬はじめての雪が降りました。
ほんの少しの間でしたが、雪が降っているのを見るだけで寒さが増したように感じます。これから先はこの冬の気温はどうなるのでしょうか?
寒いのは苦手なので、寒さ対策そして感染対策もしっかりしながらこの冬を乗り切りたいと思っています。
今回は、座談会で話題になっていた事について紹介したいと思います。
ぐんぐんキッズでは、お子さんの療育時間中に、保護者の方には別のお部屋に集まっていただいて、ミニ勉強会・座談会を定期的に行っています。
12月は、今年一年の振り返りの意味も込めて、特に、1年生の保護者の方には、“小学校生活はじまってみていかがでしたか?”と投げかけてお話をお1人ずつ聞かせていただきました。
ぐんぐんキッズに来ているお子さんはみなさん育てる会の児童発達支援事業の「ぐんぐんぴっぴ」と「赤磐ぐんぐん」の卒業生です。
児童発達事業での療育は保護者同室で行っており、保護者の方とお子さんの支援を一緒に考えていくことを大事にしています。入学に向けての準備ももちろん行っています。
その準備の1つとして、“サポートブック”を作っていくこともあるのですが、今回の座談会の中で多くの方から出た声が、“サポートブックを作っておいてとてもよかったです^^”ということでした。
その中の一つのエピソードです。
「ぐんぐんぴっぴの療育で練習した“手伝ってカード”を、学校でも使えているんです^^ 学校でも使えることを想定して、筆箱の中にそのカードを入れて、筆箱から出して先生に渡す練習をしていたんですけど、そのことをサポートブックにも書いてお伝えしていたら、本人がそのカードを使った時に先生がちゃんと受け取ってくださって話を聞いてくれたので、とても安心したようで、2学期の後半は、カードを使う時もあれば、言葉で伝えることができる場面も増えたようです^^」
練習したことを他の場面で般化できたのは、サポートブックを使った情報共有をしていたからこそ、本人にとって必要な支援が、本人にとって、“これって本当に私にとって役に立つ!”と思え、そして、先生にコミュニケーションすることで、先生がちゃんとキャッチしてくれたという安心感が、言葉でも伝えてみようという行動にもつながったのかなと思います。
サポートブック作ってよかったですね!とみなさんとお話をしました^^ が、、、ここで安心していてはいけません!3学期は、2年生に向けての準備を是非していきたいですねとお話をしました^^ サポートブックの見直しですね。
1年生の担任の先生がしてくださっていた支援のどんなことがよかったのか、その支援があるからこそ子どもたちが安心して登校できていたのであれば、それはぜひ2年生になっても引き続きやってもらいたいことだと思います。
その情報を、上手にサポートブックに付け加えて、次の担任の先生に伝えることができたら、、、2年生はまた様々な変化もあると思いますが、子どもたちの安心が広がるのではないかと思います。
もうひとつ出たエピソードを紹介したいと思います。
「運動会がとても不安で学校に行き渋ることがはじまったんですけど、先生が練習を個別にしてくれたんです。一人で練習する時間を作ってくれたので、踊りも覚えていくことができて安心したみたいです。同じ方法を発表会の鍵盤の練習の時にもやってくれたので、発表会は運動会よりもスムーズでした^^」
これもぜひ来年に引き継いでいきたい情報かなと思います^^
ただ、、、伝え方には気を付けたいなと思いました。“みんなと練習をするのが恥ずかしいからできなかったけど、、、ひとりで練習する時間を作ってもらうことでうまくいきました”
そう伝えると、、、“はずかしがらなくても大丈夫^^ 、がんばろう^^ ” と言われてしまう可能性があるかなと思うんです・・・。
でも、これはきっと、、、。
集団の全体の指示では今自分がどうしたらいいかがわからなくて困っていたのかなと思うんです。(たくさんの情報の中から自分にとって必要な情報を選び取ることの難しさ)
でも、個別に教えてもらうことで、誰に注目したらいいのか、どういう動きでダンスは進んでいくのか、そういう流れもとても分かりやすくなったからこそ、練習ができて、そして確実にできることが増えていって、”そういうことか!これならやれそう!”と思えたのかなと思います。個別の練習がなぜその子にとって必要だったのか、そこを、ASDの学習スタイルから考えて、分かりやすい言葉で伝えていくということはとても大事なことかなと思います^^
サポートブックの見直しは、1年生のお子さんだけに必要な事ではありません。その他の学年の方もぜひ3学期にサポートブックの見直しを行ってみていただけたらと思います^^
冬休みが始まることを楽しみにしているお子さんもいれば、「始まるのはうれしいけど短いのが嫌なんだよね」、と話してくれるお子さんもいました。
スケジュールを使って見通しを持っているからこそよくわかっていて、「短いのは残念なんだけど、こんな予定があるからね、とっても楽しみなんだ」と話してくれるお子さんの話を聞いていると、スケジュールも自分にとってとっても大事なツールなんだと実感しながら使っているんだろうなと思いました^^
保護者の方のがんばりが、確実に、お子さんたちの安心につながっています。
今年1年の保護者の皆さんの頑張りにもエールを送りつつ、また来年も、お子さんたちの笑顔が一つでも増えるように、大きなステップアップではなくても、小さなステップアップの積み重ねで、これからも私たち療育スタッフはサポートすることができたらと思っています^^
また来年もよろしくお願いいたします!
ぐんぐんキッズ療育スタッフ:K

グループホーム寄付のお礼とお願い

将来、街の中での自立を目指しての「グループホーム すてっぷ 1」の建設が進んでいます。
今月もたくさんのみなさまから、温かいご支援をいただくことができました。
本当にありがとうございます。

  【 「すてっぷ 1」へのご寄附をいただいたみなさま 】(3.11.26〜3.12.25)

○ I. S 様 (北九州市)
○ T.C 様 (瀬戸内市)
○ K.M 様 (岡山市東区)
○ T.R 様 (矢掛町)
○ K.T 様 (岡山市北区)
○ K.A 様 (赤磐市)

○ T.K 様 (枚方市)
○ U.H 様 (赤磐市)
○ F.S 様 (西脇市)
○ S.K 様 (総社市)
来年、令和4年3月の完成を目標にしています。
今後ともよろしくお願いいたします。
寄付金振込口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
            岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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