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令和 4年 1月31日
第285号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
285号 目次
柔らかな日差しの中で
即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座・支援ツール勉強会 報告とお知らせ
キッズルーム・スポーツデイ・はやぶさの会 の 報告とお知らせ
アイリスの会・水泳教室・OHAの会 の 報告とお知らせ
ちゃーちゃん日記
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「発達障害の子どもの生活の工夫と伸ばす言葉がけ」
ぐんぐんだより
グループホーム寄付のお礼とお願い
粉雪が風に舞う1月の赤磐市から、今年初めての会報をお送りいたします。
今年は格別寒さが厳しいと口々に皆が言うのですが、私は歳取ったせいで鈍感になっているからなのでしょうか、それとも暖房の効いた我が家の部屋から、自動車で来て、これまた暖房の効いた事務局や事業所を行ったり来たりしているだけで、寒い戸外へほとんど出ないせいでしょうか、それほど寒いとは思わない私です。
それよりも、時々の晴れ間の柔らかな日差しが、格別にうれしく春の訪れが近いように思えるのです。一年中で一番寒いはずの1月後半を、こんな風に気楽に過ごす私です。
皆さんはいかがおすごしでしょうか?
さて、新しい年が始まりましたね。
どんな一年にしたいかなどと、毎年思うのですが、年の初めでの抱負とは裏腹に、いつの間にかウカウカと一年を過ごしてしまう私です。今年こそは、新たな思いで出発したいと思っています。
でも毎年今年こそは・・・、と大きな目標を掲げてしまうのですが、達成することが出来ていかないのが、ここ数年の実情です。
そこで今年は、大きな目標はやめて、こつこつスモールステップで行くことにしました。
例えば、自身のことを言えば、
@ 朝食に野菜をしっかり摂ること。
A モノは元あったところへ戻すこと
B 軽い運動を毎日すること
これくらいにしておいて、無理せず毎日、日々できることをするように心がけることにしました。
無理しすぎるのはよくありません。出来そうもないことを、目標に掲げると、結局出来なかったと、自分を否定することになってしまいますから・・・。
私たちはよく子どもに目標を立てます。療育の場やグループホームでは、個別教育プログラムや、個別支援プログラムを作って、それを基に支援を考えていくわけですが、よくあるのは、「元気に明るく働く」とか、「幸せで楽しく地域生活を送る」、「周りとしっかりコミュニケーションをとれるようにする」なんて書いてあるのを見かけることがあります。
でも、これって一生使えますがな〜っ、ていうような代物です。
これを基に支援を組み立てるって、どんな風にすればいいのか、具体的に考えられません。
もっと具体的に、しかもその子やその人が、どのような支援を望み、そしてそれが実現可能であるかを考えたプランでなければならないと思うのです。しかるに上記のようなプランが実に多くの事業所から寄せられてきます。それも毎年全く同じ文面であることも多いです。
とても半年、一年後までには実現しませんよね。
そこで、私たちは、どうすればその“壮大な”目標に近づけるかを考えながら、スモールステップで半年後、どうなっていて欲しいかを考えて、個別支援プログラムを書いていきます。
・・・と、えらそうなことを言ってしまいましたが、振り返って自身の話になると、実は同じではないかと思うのです。
@ 衣類の断捨離を徹底的にする
A 前住んでいた家をすっかり片付ける
C 5キロのダイエットをやり遂げる
などなど、いつも出来ないことを年の初めの目標に掲げて、挫折の連続でした。
今年は身の丈に合った目標に変えて、実現を目指していこうと思っています
皆さんの今年の抱負はどんなモノでしょうか?
今年の終わりには、良い報告が出来るでしょうか? 頑張りすぎず、こつこつを目指したいと思います。
さて、「グループホーム すてっぷ 1」の建設は、大工さんたちの頑張りで急ピッチに進んでいます。大工仕事はほぼ終わって、昨日見てきたら、壁紙が貼られているところでした。一人一人の部屋の壁紙は、みんな違います。
これは「ほっぷ 1」を建てた時も同じでしたが、各部屋それぞれの子どもの好みを考えて、親たちが選んだ壁紙にしました。
今回の「すてっぷ 1」では、一歩進んで、子どもたちにそれぞれ選んでもらおうということになりました。
その為、色々な壁紙で楽しい面白い部屋が出来てきています。
6部屋全部同じにすれば、壁紙を貼る手間も簡単で、無駄も少ないことでしょう。けれど、楽しくお仕着せでない部屋つくりが、私たちの希望です。
親として、子どもたちが自ら選んだ部屋つくり、自分が関わった部屋つくりを大切にしました。
色んな楽しい壁紙の様子を次号では紹介できたらと思っています。
親が選ぶモノは、結局は無難なものになってしまい、違いもそんなに目立たないのですが、子どもたちが選んだ壁紙は、とてもユニークで面白い!!
そこが楽しいとも言えるのです。できあがってのお楽しみです。
自由な空間が広がっている「すてっぷ 1」の完成は、2月末になる予定です。
そして、3月30日には、開所式です。この日に内見会も同時に行う予定ですので、皆さんお越しくださいね。
先日ふと思い出したことがあります。それは、懐かしい佐々木正美先生のことです。
先生が亡くなられて、どれくらいになるでしょうか?
岡山の川崎医療福祉大学の学生のための教育だけでなく、自閉症の理解のための数々の行政への提言や学校教育・保健師への巡回指導、親たちへ勉強の場や相談の場などを数多く作ってくださいました。
佐々木先生が来られる前と、佐々木先生が来られてからとでは、明らかに岡山は変わりました。私たちの活動もとてもスムーズに行えました。
また、川崎医療福祉大学のボランティアサークルの顧問にもなってくださって、育てる会のボランティアサークルをバックアップしてくださいました。
その佐々木先生との懐かしいエピソードです。
ある日のことです。
私と娘が歩いていると、向こうから佐々木先生が歩いてこられて、私たちはご挨拶しました。
「これはこれは鳥羽さん、お元気ですか?」 と、娘の方に向かって挨拶される佐々木先生。
娘と私は、返礼をしました。
続けて先生はこう言われます。
「お母様にもどうぞ、よろしくお伝えください」
私は娘と一緒におりましたのに、そう言われるのです。
娘が、「母ならここにおりますが・・・」
先生はたいそう驚かれたご様子で、こうおっしゃったのです。
「ええ〜!! あなたが鳥羽さんですか?」
「はい、私が鳥羽です」
「鳥羽さんは、違う人だと思っていました」 とおっしゃるのでした。
私は先生とお知り合いになって、それはもう何年も経った頃の話です。
私の“顔”は覚えていただいていたのですが、この顔と “育てる会の鳥羽さん” は別の人だと思われていたのです。
はてさて、先生が思われていた“鳥羽さん”は、どなただったのでしょう・・・??
なんだか、驚きましたが、それ以降は、どこでお会いしても
「鳥羽さん、お元気ですか?」
とお声をかけていただけるようになりました。ありがたいことでした。
あの先生のお優しい「鳥羽さん」というお声が聞けなくなって寂しいですが、今でもカンファレンスなどに行くと、先生の優しい笑顔と共にお声が聞こえてくるように思います。
今の私が元気で活動できているのは、先生の紹介いただいたTEACCHプログラムのお陰です。
一生懸命学びながら、今日まで子育てや会の運営をしてきました。
今の息子が曲がりなりにも就労して、グループホームで暮し、趣味を楽しみながら生きているのは、TEACCHプログラムに学びながら子育てして来れたからだと思います。
さて、そんな佐々木先生の教え子でいらっしゃる川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生のセミナー「ASD(自閉スペクトラム症)児・者の人間関係のつくり方」を、2月26日(土)にオンラインで行います。今回は、昨年12月11日に行ったセミナーの続編です。
コミュニケーションや社会性を苦手とする自閉症児たちですが、友達なんてほしくないと思っている子ども達ばかりではありません。
もし、人と関わりたい、友達と呼べる相手がほしいと思っているなら、自分や相手のことを理解して付き合っていくための準備や支援が必要になってきます。
都合で前編に参加できなかった方のためには、事前に前回の講演の見逃し・振り返り配信も用意していますので、安心してご参加ください。申し込みの方法など、詳しくは同封しているチラシをご覧になってくださいね。
多くの方のご参加をよろしくお願いいたします。
続けてのお話しは、お待ちかね息子の話です。(え〜、待ってないですか?まあそう言わず聞いてくださいな)
お正月明けから、腕の腱鞘炎になってしまい、お仕事しばらくお休みさせてもらいました。右手の甲と肘との間くらいのところが、プクリと腫れて、痛そうです。
息子の会社での息子の仕事は、主に段ボールの組み立てや、製品を入れるトレーの袋掛けです。どの仕事も力一杯やるので、腕の筋を痛めたようです。
お正月休みが終わってすぐのことでした。
近所の整形のお医者さんに診てもらいに夫が連れて行きました。
帰ってきて夫が言うには、「何か気をつけることはありますか?」と尋ねたら、「腱鞘炎だけれど、日常生活は普段通りにしていいですよ」と言われたというのです。
“日常生活を普段通り”とはどういうことか、夫に聞いても解りません。
次の日会社に行った息子は、帰ってきてやはり「痛い、痛いです」と訴えます。
それで、私がお医者に行って、息子の働いている動画を見てもらいました。
すると
「こんな風なお仕事しているなら、無理させたらいけません。しばらく無理させず、休むなり、使わなくていいようにした方がいいでしょう」
と言われました。
日常生活とは、普通の人の日常生活であって、あんなにお仕事している子には、当てはまらないこと常識だと思うのですが、夫は、しれっと普段通り使ってもいいと、受け取ったようでした。
なにしろ元ラグビー部、「少々の風邪なんか、走って汗をかけば治りは早い」「頭をぶつけた時には、ヤカンの魔法の水が一番効く」なんて思っているような人です。
息子を夫にだけ任せることなんて、出来ないな・・・とつくづく思えたエピソードでした。
「痛いですか?」と聞かれると、「イタイデス」と答えますが、「痛くないですか?」と尋ねると、「イタクナイデス」と答える息子です。
それで先生には、触りながら、「ここ痛いですか?」「ここはどうですか?」と聞いてもらいます。すると、「痛いです」が言えました。
私たちは「手はどうです? 痛いですか?」と訊かれたら、使っていないときは痛くなくても、使ったとき痛ければ、「今も痛いです」と答えます。
会社で仕事をしてない休憩中に、「手は痛いですか?」と尋ねられたとしたら、そのとき痛くなければ「イタクナイ」と答えてしまうような息子は、誤解を受けてしまうことでしょう。
つくづく周りの方に息子の答え方についても、よく知っていただくことが大切と思った次第です。
赤磐市のひとつの整形外科の先生の理解は、少し得られたかしら? と思ったお話でした。
でも、次の日、別の整形外科で足のストレッチをしてもらっていて、「どこが痛いですか?(どこの部分に効いていますか?)」と聞かれて、「ココが痛いです」と右手を押さえてみせたのも、息子らしいエピソードでした。
もう一つ息子に関連したお話しです。
トイレ掃除の手順書の話です。
手順書を作る前に一度、私がモデルとなって、トイレ掃除のビデオを作って息子にそれを見せてみようということになりました。
週一で行っているPECS輪読会で思いついたことでした。
前回の会報でも書いたように、トイレ掃除に問題のある息子です。
でも、大半の掃除はちゃんと出来ていて、問題は便座の拭き方の順番だけなので、そこの所をどう教えるか・・・と言うことで、モデルを示そうと言うことになった次第です。
このような教え方を、「ビデオモデルプロンプト」というのだそうです。
これは輪読会に当日ご参加いただいた、門眞一郎先生に教えていただきました。
早速、やってみました。私がやっているところを夫がビデオに撮ってくれました。
そして、そのビデオを見せながら、順番を教えていきました。
ちゃんと理解はしてくれたようで、肝心の便座を拭くところは、学んでくれたようです。
ただ、ここで私が欲をだして、雑巾の使い方まで、教えようとしたために、確認作業が増えてしまい、このビデオによるプロンプトは、多くの課題を感じさせました。もう一度、手順書をつくりたいと思います。
それと、そのビデオを見て思ったことですが、後ろから見た自分が、ずいぶん太ったと言うことです。
やせたいと切実に思ったという、おまけの話でした。
さらにもう一つ、追加のお話です。前の家を片付けていて、こんなスケッチブックを見つけました。
息子が、小さい頃描いた、字のいっぱい描いてある一ページです。
私が、水彩画でもはじめてみようかと思い、奮発して買ったシックでおしゃれな上質紙のスケッチブックでした。
買ってきていきなりの落書きはショックでしたが、息子は、よくこんな風に色んな物に落書きをしていました。
絵も良く描いていましたね。もう30年ほど前の落書きです。残っているのが、不思議でした。
それでは皆さん、コロナがまたまた、はやってきましたね。会員の方のお子さんが、陽性になられたとか、保育園や地元の学校が学級閉鎖になったとか、色々大変です。
なんとか、無事にコロナが収まって、2年前の自由な日々が戻ってくるように、今しばらくのステイホームを頑張って生き抜きましょうね。
ではまた来月号で元気にお会いできますように、ごきげんようさようなら。
(鳥羽美千子)
令和3年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座です。
今年度の講座も終盤に近づき、いよいよ実践の仕上げに突入していくという雰囲気です。
第8回は、受講生のみなさんが、それぞれとってきたコミュニケーションサンプルを分類、分析して、これからの支援にどう繋げていくかについて勉強いたしました。
正月休暇・冬休みを挟んでいたため、サンプルを集めるのに苦労された方もいらっしゃいましたが、・・・なにしろ、サンプルは50個以上集めるのが理想という宿題でしたので・・・。
集まったコミュニケーションサンプルをグラフ化して表してみると、これから支援者として取り組んでいかなければいけない、それぞれのお子さんのコミュニケーションの課題が浮かびあがってきました。
さて、残り2回、即実践講座は終わりますが、その後も対象のお子さんとの関係は続いていきます。しっかり実践を学んでいきたいと思います。次回は“再評価”です。
『 令和3年度 第9回 現場の先生のための 即実践講座 』
日 時:令和4年2月10日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「コミュニケーションの再評価 自分の実践は」
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
それでは、第8回「コミュニケーションの実践結果は? 実践してみてどうだった?」に参加された方からの、アンケートを紹介します。
○ 宿題(コミュニケーションサンプル)をしてみて、課題が色々見えてきました。取り組むことで、本人からの発信を普段くみ取りすぎていたことなどにも気づけたことも多くありました。今回提出する以外のデータも色々取っていったのですが、支援がはじめられたことも多かったです(注意喚起なども気づいて、早速取り組み、できるようになりました)。
自分の中での課題も見つけることができ、明日から早速取り組もうと思います。ありがとうございました。
○ 記録をとるのが難しかったり悩んだりしましたがすごくいい経験になりました。
そして、坂井先生にアドバイスしていただいたので、これからの支援に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。また、他にもたくさんの事例があり、参考になることが多かったです。
○ 皆さんの提出された宿題を見ていろいろなやり方、書き方があってわかりやすかったです。とり方の例がとても参考になりました。
○ 他の方の発表をお聞きすることができ、興味深く見させていただきました。データ化することでコミュニケーションの課題が明確になることを改めて感じる事ができました。保護者と一緒にデータを取ることで、お子さんの困っていることの確認をできている方の発表があり、保護者の方にとっても分かりやすいだろうなと感じました。結果から何が課題か、どのように取り組んでいくか計画することも大切だなと感じました。
令和 3 年度 支援者向け
発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和3年度の赤磐市との共同主催による「発達障害 夜間連続講座」です。
今回も、前回のアンケートに寄せられた余暇についての質問に答えていただくことから入りました。これが連続講座のいいところですね。単発の講演会でしたら聞きたいことがあっても「それでは、これにて終了いたします」になってしまいます。
その後、本日のテーマ「社会性へのアプローチ」が始まりました。コミュニケーションや社会性に躓きをもつ自閉症児たち・・・というよりも、社会性に弱さがあるからこそASDと診断されるわけで、これは避けられない特性の一つですね。
それでも、適切な評価とそれぞれのレベルに応じた支援があれば、社会の中、学校の中で、ずいぶんと生きやすくなるよ、というお話でした。
ともすれば、“特性” という言葉に甘えてしまって、後回しにされがちな社会性へのアプローチですが、発達レベルに合わせて指導していくことの大切さを教えていただきました。
令和3年度 第9回 支援者向け発達障害夜間連続講座in赤磐
日 時:令和4年2月17日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「行動面の問題解決に向けて
〜正しい理解と意味ある生活を考える〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
※ 3月の第10回講座の日程が変更になりました。ご注意ください。
3月10日(木)→ 3月24日(木)
それでは、第8回「社会性へのアプローチ 〜社会の中で生きていくことを支えるために〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。
○ 社会性について丁寧にお話をしてくださって、ありがとうございました。とても分かりやすかったです。共有、協力の段階への支援がとても参考になりました。ありがとうございました。
○ 人とかかわることに課題があり、トラブルが多くなる子どもたちへの対応について相談されることが多いので、今日のお話から、なぜそういうトラブルが起こるか、子どもへの見方を考える参考になりました。
○ 社会性を身につけさせることを漠然としか捕らえられていなかったので、そのプロセスの考え方を教えていただき、大変参考になりました。
具体的な方法をイメージできるようになりました。
○ 今日の社会性の発達段階の内容は、担任している知的小学部の児童に参考になることが特に多く、とても勉強になりました。「並行」の段階は、よく観察するとクリアしていると思っていたけれど実はしていない児童がいそうです・・・
○ ありがとうございました。学校だとルールだらけです。社会性の発達レベルを教えていただいて、日々の子どもたちが今どの段階かを考えることができました。
それぞれの段階に合わせた支援・指導をしていけるように、関わる先生たちと一緒に考えていきたいと思います。
令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座
重松先生の保護者のための自閉症基礎講座「自閉症、基本の“き”」の案内です。
保護者のための講座ですので、日々の子育ての中での不安や悩みについても、とてもわかりやすい言葉で、説明・アドバイスをいただいています。
後半は、毎回テーマを決めて、自閉症の特性を踏まえての日々の生活に活かせる講義をしていただきます。
第5回のテーマは「子どもの発信を育てる」ということで、コミュニケーションの発信力を伸ばしていくことのポイントについてお話いただきました。
次回は、いよいよ今年度の最終回となります。
有料の方へは、最後だけ参加するというお誘いは難しいですが(料金は全6回分です)、正会員の方は無料ですので、まだ参加されたことのない方は、ぜひお申し込みください。
せっかく正会員になられているのに、この基礎講座に参加されないのは、本当に「モッタイナイ」ですよ。
『 令和3年度 第6回 保護者のための自閉症基本講座 』
日 時:令和4年2月24日(木)10:00〜12:00
場 所:オンライン(Zoom)
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者5,000円、一般10,000円(全6回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第5回「基本の“き”」に参加していただいた保護者の方からの感想です。
○ 子供の発信を育てるには、まず「相手に伝わって嬉しい」という経験を積ませるのが大切。最近は子供が色々話すようになってきて、つい言葉遣いなどが気になってしまっていましたが、基本に立ち返ってまずは「伝えてくれてありがとう」と思うようにしたいです。どんなに正確で美しい言葉を話せても、まず本人に「伝えたい」の気持ちが無ければ始まりませんね。今日もありがとうございました。
○ 本人からの発信の伸ばし方について、お話とても良かったです。子供が小さいころ、療育で、コミュニケーションカードで先生に伝えようとするのが芽生え始めた時、タイミングよく受け取ってくださろうとされていたことを思い出しました。不安の中でも伝えようという思いを大切にしてくださっていたのだなと思います。そうやって応えてもらった経験、これからも大事にしていきたいです。
第3回 支援ツール勉強会 2021
澤 月子 先生による、令和3年度支援ツール勉強会も、今年度の最終回を迎えます。
一年間勉強してきて、みなさん子どもたちのために、いろんな支援ツールを作られてきたと思います。うまくいったもの、あまりうまくいかなかったもの、うまくいかなかったので作り直してみたもの・・・
みんな我が子のために作った支援ツールだと思いますが、それだけではもったいないです。
みんなで共有すれば、ヒントやアイデアも、他のお母さんたちも多いに利用できますね。
また澤先生から、更なるアドバイスもいただけるかもしれません。
うまく作れなかった方も、聴くだけでも参考になることもあると思います。
こちらも正会員の方は無料ですので、大勢の方のZoom・インをお待ちしています。
『 令和3年度 第3回 支援ツール勉強会 』
日 時:令和4年2月21日(月)9:30〜11:30
場 所:オンライン(Zoom)
講 師:澤 月子 先生(社福 南山城学園 スーパーバイザー)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者3,000円(全3回)
講義部分のみ、見逃し配信あり
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
キッズルーム 延期のご案内
先月号で “久しぶりの現地開催で” とお知らせしていたキッズルームですが、想定以上の早さでのオミクロン株がまん延してきたため、2月の開催は残念ながら延期とさせていただきます。
オンラインでの開催も検討いたしましたが、準備が間に合わなかったため、とりあえず2月度の開催は見送りさせていただきます。
岡山大学児童文化部の学生さんの方々も、なんとか3月には開催したいと頑張ってくれていますが、なにぶん今後のコロナの感染範囲の予想は難しく、学年末と重なっていることもあり、今は今年度開催できるかどうか、確約できない状況です。
来月号では正式にお知らせできると思いますので、いましばらくお待ちください。
第2回 スポーツわくわくデイ ご案内
サッカークラブから少し形を変えた「スポーツわくわくディ」です。
1月23日(日)に開催予定だった第2回は、オミクロン株の感染拡大のため、中止とさせていただきました。参加申し込みをされていた方には申し訳ありませんでした。
岡山県のまん延防止等重点措置の期間も2月20日(日)までとなりましたので、その後、新型コロナも収束するようでしたら、3月には開催できるのでは・・・と期待しています。
正式決定は来月号でお知らせしますが、開催できることを祈っての今回のご案内です。
予定変更は苦手な子どもたちが多いので、開催が決定するまでは、今はお母さんの予定表だけに書き込んで、申し込んで下さいね。
『 第2回 スポーツわくわくディ 』
日 時:令和4年3月13日(日) 10:00〜12:00
場 所:岡山大学 体育館
参加費:一人 200円(正会員のきょうだい児も参加OK)
申込み:Tel.086-955-6758(事務局) (正会員限定)
はやぶさの会 報告
自閉スペクトラム症の男の子たちの友達作りの会、「はやぶさの会」です。
小学生の男の子たちとその親たちで活動しています。
1月8日(土)、感染対策をした上で、皆でご飯を食べに行ってきました!
最初は9家族が参加予定でしたが、お正月明け、いきなりコロナ感染者が増えてきたので、職場やご家族の方針で無理しない範囲で行おうということになり、少人数での開催となりました。 残念!
でも、少人数だからこそ、メニュー表を見ながら「どれにする?」と相談したり、持ってきていたものを見せあいながら色々コメントをしたりするなど、方向性を持ったやりとりができていたようです。
親同士も、子どもの友達関係の話・塾や宿題や将来の話・家族関係など、なかなかディープな話をじっくりゆっくりできたので良かったかなと思います。
次回はもう少し世の中がまた落ち着いたころに、次は会食ではなく屋外遊びなどで集まりたいねと話していました。
子どもたちは「次はいつ?早くまた集まりたいな」「やっぱり、はやぶさメンバー落ち着くわー」と仲間意識がしっかり伸びてきていてうれしいです。
引き続き新しいメンバー募集中です。参加してみるまでは、子どもよりも親がドキドキだと思いますが、新人さんにも優しいはやぶさメンバーです。
興味ある方は、お母さんだけの見学も大歓迎ですので、是非一度事務局までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)
あゆみをつなぐ アイリスの会
先輩のお母さん、お父さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
1月度のアイリスの会は、支援学校を卒業して、今は家から10kmもの道を、元気で自転車で通勤されている息子さんをお持ちのお母さんのお話でした。
いつも、とても明るく元気な I さんと息子さんですが、やはりここまでの道のりは山有り、谷有り、いろんなことがあったそうです。
今でこそ笑ってお話されていましたが、部屋の中に小麦粉と食用油を捲かれたお話や、交通事故に合っても壊れた自転車を背負って歩いていた話・・・ちなみに、この事故では相手に「大丈夫?」と聞かれて、自閉症児らしく「大丈夫です」と答えて、そのままになっているそうです。・・・しっかり、ひき逃げ、当て逃げですよね。
他にも、学校や世間での無理解や理不尽さ、母子で頑張ってこられた様子に、オンラインの中が共感の輪が広がりました。
中でも、進学や就職、生活の場など、本人にとって大きな選択をするときには、本人の意思を尊重して、お母さん自身は「こちらの方がいいのでは・・・」と思っていても、本人が望む道を選ばせてきた、という親の姿勢に感銘を受けました。
子どもの人生の主人公は、あくまで本人だということを学ばさせていただいた時間でした。
Iさんありがとうございました。
(事務局:T)
次回予告
日時:令和4年2月17日(木)10:00-12:00 (ZOOM) (正会員無料) (正会員限定)
次回は、瀬戸高等支援学校に現在通われているお子さんのお母さん、Yさんのお話です。
現在進行形で子育てをされているYさんに、これまでの子育てのお話や、高等支援学校の生活の様子などお聞きできればと思っています。
お話の後の座談会も、聞きたいことがたくさんあって盛り上がりそうですね。
正会員限定の座談会なので、遠慮なくご参加ください。
水泳教室 の お知らせ
2月の水泳教室はお休みです。
岡山県にも新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が発令され、期間が2月20日(日)までと、水泳教室の開催予定日と重なってしまっているため、2月の水泳教室はお休みさせていただきます。
オミクロン株はピークアウトが早いと言われていますので、3月には再開できることを願っています。 (正会員限定)
(担当: I & S)
OHAの会 の 報告とお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
1月11日(火) OHAの会をZOOMで開催いたしました。
今回のテーマは、『ルールについて』でした。
〜今日のお話ですぐに実践できそうなこと〜 ちょこっとご紹介
☆家でのルールつくりのポイント!
・ルールは守れた時だけ褒める
・とりしまりすぎない
・できていない時は、スルーする
・ルールを守れるようにサポートする
・守れなかった時は、ルールが甘かったんだなと思うようにする
☆ここだけは押さえよう!
・家の中はのんびり過ごせる場所として、とりしまりすぎない
ルールを守れるように、子供と一緒に考えていくことも大事ですよね!
「ルールを押し付けて、できなかったら、指摘する。」この流れだけは、避けたいですよね。とりしまりすぎないことがポイントだなと思いました。できていなかったら、支援が足りなかったと思って、改良していくことと同じだなと思いました。ルール作りも支援の1つですもんね。今日も勉強になりました。
事務局 K
それでは参加された方からの感想が届いていますので紹介します。
○ 子供に家の中でやって欲しいことを、ルール化するかその都度教えていくか、切り分けることの大切さを再確認しました。
また、社会のルール(特に暗黙のルールやマナー)は本当に難しく、いい年した大人の私でもうまくできないことが多くて、子供に教えるのはもっと大変ですが、先生が「見つけたこと気づいたことから一つずつ根気よく教えましょう」と言ってくださったので少しホッとしました。今日もありがとうございました。
○ ルールにすること、目標にすること、スルーしてよいものの見極めのコツがよくわかりました。
また、ルールが守れない時はこちら側が反省し見直すことが、大切だと改めて気付くことができました。
ペナルティを課すのではなく、守ったら得するルール作りを考えていこうと思いました。
切り替えの苦手な子にとって、ルールがあるおかげでやめられるという視点で考えていこうと思いました。
○ 守ってくれず難しいこをルールで教えたいと思ってしまいがちでしたが、できていること、できそうなことをルールにすると、本人をほめることもできるという視点をうかがうことができて良かったです。本人にとって、ルールは守るものという意識を持てるというのが大事なのだと思いました。
次回のご案内
日 時:2月8日(火)9:30-11:30 ZOOMにて開催
テーマ:『告知について 〜自分をポジティブにとらえるために〜』
講 師:利守 愛子 先生(公認心理士) (正会員限定)
※ 寄せられた先生へのご質問のお返事は、個人情報の関係で、後日配信では流すことができません。みんなの困っていることは、我が家でも当てはまることがたくさんあります。先生からのアドバイスをお聞きできるのは、当日参加された方のみです。
当日参加の特典ですので、是非、当日のご参加をお勧めいたします。
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先日のことです。
息子の学校は制服なのですが、毎朝氷点下のこのご時世に、長袖ポロシャツ・半ズボン・ペラペラの黒の上着で、着てもよいのはスクールセーター・手袋・マフラーだけ(ジャケットなどは禁止)です。
あまりの寒さにガチガチに体が固まっていたので、旦那と相談して「これはあまりにも可哀想だ」となり、もともと買っていたスクールセーターなどに加えて、ヒートテック的な下着も買いに行こうという話になりました。
土日が近ければ休みの日に買いに行くのですが、それがまだ月曜の話だったので「よし、明日仕事終わりの夕方に買い物に行こうで」ということになりました。
すると、旦那がおもむろに言うのです。
「仕事終わりの夕方に、ということになると、俺が職場からこっちに戻ってくるのは早くても19時だから、そこから合流して買いに行く?」
私「いやいや、それを待つのもアレだから、私が子どもたちと買いに行くよ」
旦那「そうすると、何時ぐらいになるの?」
私「仕事終わって園に迎えに行って、自宅に戻って息子を迎えに行くから、買い物に行けるのは18時半ぐらいかな」
旦那「そうか。そしたら、晩御飯は外で食べよう」
私「? なんで?」
旦那「仕事終わり → 園に迎えに行く。普段なら、この次は帰宅してご飯を作って子どもたちにご飯を食べさせる、という流れでしょ?」
私「うん」
旦那「でも、明日は仕事終わり → 園に迎えに行く → 自宅によって息子を拾う → 買い物に行く(しかも子連れで)。その状態で帰宅してご飯作る気力ないでしょうが」
私「はっ!」
旦那「買い物終わったあとに、俺が合流するぐらいの時間になるから、晩御飯は外です」
私「なるほど」
旦那「ちなみに、仕事で疲れすぎて、商品探す元気もないようであれば、当然晩御飯作る気力もないと思うので、その場合は、俺が買い物に行って晩御飯も買って帰るのでお知らせください」
私の行動や思考パターン完全に読み込まれております。
イレギュラーなことに弱いAS特性の私が、何とか家事や子育てや仕事ができているのは、確実にこのスパダリのおかげでございます。
ありがたいことだなぁと、改めて感謝。
ちなみに、息子も私の思考パターン読めるようになっているので、帰宅して私の機嫌が悪いと「はい、おやつ。これ食べて、こたつに入ったら大丈夫だよ」と教えてくれます。
「お腹が空いている・寒い」のWがくると機嫌が悪くなるのを、私以上に把握してくれています。ありがたや・・・。笑
(ちゃーちゃん)
お母さんコラム
小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
ここのところ、兄のエピソードが多かったので、今日は妹の話。
去年雪山デビューした娘。去年は雪遊び(穴をひたすら掘る)に終始し、そり滑りさえ「NO!」だったのですが、今年はなだらかなキッズコースで、そりに挑戦です(コロナ感染拡大前の落ち着いたころの話ですのでご安心を)。
「ママと一緒に滑ってみようよ」と誘うと、「いいよ!」と意外と乗り気。
私の前に乗り、足でかなりブレーキをかけながら何回か滑ってやると「次は自分でやってみる!」と言い出しました。
「ほほぅ」と思い見守っていると、キッズコースの一番上から滑ろうとするのですが、次々人が滑りに来るので落ち着かない様子。
しかもなかなか滑り出さないので、兄に
「早くしろ!」
「他の人の邪魔になるだろ!」
と怒られてしまいます。
でも、負けていない妹。
「うるさいな!○○(娘)ちゃんは初めてなんだから、ゆっくりしかできんのよ!!」とキレ返しています。
「こっちが少し空いているから、やりやすいかもよ」とメインコースではない、傾斜と言えないぐらいのところに誘導してやると、そこでひたすら自主練です。
まずは、そりに跨るところから。跨ろうとすると、手がひもから離れてしまうので、そりが自然に流れていってしまいます。
「あー!まだ○○ちゃん乗ってないよ!そり、待ってー!」と追いかけて追いついて、また戻ってきます。
「ひもを離したらダメだよ」と言うと
「いいの」「○○ちゃん一人で頑張ってるんだから、そこで見てて」とアドバイスは拒否。
そしてまた跨ろうとするのですが、またうっかり流れていく・・・。 ひたすらその繰り返しです。
「○○ちゃん、このひもを離すと流れていっちゃうから、ひもを持って跨るといいよ」とアドバイス。
すると、その通りにしてやるのですが、今度は律儀に手加減なしにひもを持っているので、ひもが足にひっかかってこけたり、そりが身体の動きに合わせてひっくり返ったりします。
「ひもをこういう風に持ってみたら?」と言うと「いいの」とまた拒否し、最終的にはそりの前方に立ち、ひもを持ち、バックして跨る形を自力で編み出しました。
そして、また1mぐらいの傾斜を少し滑るところから繰り返し繰り返し練習し・・・、最終的には一番上からそりに自分で跨り、下にいるパパに手を振りながら笑顔で滑れるようにまで成長しました。
ずーっと横で見ていてしみじみ思ったのが、本人がチャレンジしようとするより先に「こうしてみたら?」と言ってみると、本人は「いいの!」「自分でしてみるの!」と拒否するんですよね。
でも、本当に困ったなぁと思うと「どうやってしたらいいの?」
と聞いてきたり、母のアドバイスを真剣に聞いてやってみようと頑張ってみたりするんです。
どうやら、先に言われるのは「指図」であり、あとから言われるのは「アドバイス」だと認識している様子です。
母が発言を無視されたらどんな気持ちになるかなんて、一生懸命やっているときにはもちろん気にしていませんし、そのあとアドバイスしてうまくいったからといって「アドバイスのおかげだよ!」なんてことはもちろん言いません。
そのくせ、そのアドバイスは確実性が高くないと、「もういい!」「聞いて損した!」になっちゃうので、的確にお役に立てるアドバイスをしていかないとダメなようなのです。
なかなかタイミングや言い方って難しいんですけど、本人のチャレンジ意欲をそがずに、本人にとって役立つアドバイスしているコーチ役のようで、面白かったです。
でも、これってASDのことが分かっているから、本人のそういう発言や行動を笑えるようにもなったんだろうなと思うんです。
そう考えると、母としてなかなかに成長したようにも思いました。
何より、自分がやりたいと思うことを30分以上あきらめずに繰り返し練習し続ける娘の根気強さにひそかに感動する母でした。
本当、大きくなったもんだなぁと思います。
あれから大分経ちましたが、その時の奮闘動画を見て、今もニヤニヤする母なのでした。
あー、かわいかった♪♪♪
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
冬本番といわんばかりに寒い日が続いていますね。ぴっぴに通ってきてくださるお子さんも「寒いからぼうしかぶってきた」と言いながらぴっぴの中に入ってきています。
そんな冬らしいやりとりも大切に、春を待ち望む今日この頃です。
Aくんは言葉の遅れをきっかけに療育に繋がったお子さんです。
お母さんは「言葉らしい言葉があまりないので、これから言葉がでてくるかどうか心配」とおっしゃっていました。
言葉でうまく伝えられないことで分かってあげられず、かんしゃくに繋がることが多いことを気にされておられました。そこで、お母さんと一緒に療育でのAくんの様子を観察してみることにしました。
パラバルーンを使って遊んでいた時のことです。大人が上下させようとすると、「ヤ」と声を上げ不機嫌そうな表情を浮かべたAくん。
上下にして欲しくないということが伝わってきます。そして床を指差して、お母さんへ視線を向けると「床に置くのね」というお母さんの言葉にAくんはにっこり微笑んでいます。
次に床に大きく広げたパラバルーンを指差しお母さんに「赤だね」「青だね」と言ってもらうと、何とも言えない満足顔を浮かべるAくん。
確かにAくんは言葉を使って伝えることはありませんでしたが、Aくんは発声や指さし、視線、表情を使って自分の思いを伝え、お母さんもしっかりとAくんの思いをキャッチし、コミュニケーションが成立した瞬間でした。
お母さんにそのことをお伝えすると、お母さんから
「ずっと言葉がないのでコミュニケーションがとれていないと思っていましたが、Aは言葉ではないですが一生懸命伝えようとしていたのですね」という言葉が返ってきました。
そこでお家での生活の中でもAくんがお母さんに向けコミュニケーションしようとしている場面がないか観察してみていただくことにしました。
すると、家庭の中でもAくんがコミュニケーション取ろうとしている場面がたくさんあったと嬉しい報告をしてくださいました。
その後、Aくんと支援者が関わって遊んでいる様子からお母さんと新たな気づきを共有することができました。
Aくんが大人に○○してほしいと伝えたときにちょっぴり面白いリアクションを返すと、Aくんからのコミュニケーションが増えるということです。
パラバルーン遊びで、Aくんが赤の部分を指さしたときに「赤」「あちち」と大げさに熱がってみせると、Aくんは大人から返ってきたリアクションが意外だったのか目をまん丸くしました。
そしてもう一度、赤の部分を指さし、またまた「赤」「あちちちっ」とリアクションすると、Aくんは笑顔になります。
次は青の部分を指さして期待を込めた表情でこちらを見つめています。「青」「つめたーい」とリアクションするとキャキャキャッと笑い声をあげて嬉しそうにしています。
そして、そこから何度も何度も大人のリアクションを期待しては、Aくんがコミュニケーションする姿が見られました。Aくんにとって楽しい人とのやりとりがコミュニケーションしたい気持ちを高めている様でした。
お母さんより「言葉が遅いことばかり心配していました。少しでも言葉に繋がるように物の名前を教えたりしていたのですが、こんな風にやりとりを楽しむ中で、Aのコミュニケーションの機会がたくさん生まれるのがうれしいです。もちろん言葉の心配もありますが、まずはAが伝えてくれた時はしっかり受け取ってあげたいなと思えるようになりました」というお話を聞くことができました。
Aくん親子は、ご家庭で楽しいやりとりの時間をお父さんにも協力してもらいながら楽しんでおられます。療育で会うたびにAくんのコミュニケーションする力が伸びているなと感じます。
言葉の遅れを心配されることは親として当然だと思います。それは親として我が子の将来を思い描く際に、幸せであってほしい、苦労をできるだけしないでほしいという願いからだと思います。
しかしながら、言葉の発達は単に言葉を知っているとか発音ができればいいというわけではなく、人に伝えたい気持ちや人と関わることが楽しいといった経験を積むなど言葉の発達の土台作りが大切だといわれます。
Aくんは言葉の発達において大切な土台作りをしているところです。これからも丁寧に丁寧に土台を作り、言葉の発達につなげていきたいと思います。
また、これからも保護者の方と一緒に、お子さんを通して見られた姿を共有できる親子療育というスタイルをこれからも大切に、お子さんの成長を一緒に喜び合えるよう努力していきたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ M
赤磐ぐんぐん (就学前)
2022年が開けて一か月が経ちました。
でも、このぐんぐんだよりでは「あけましておめでとうございます」ですね。
私は年末年始のお休みモードから脱却できないまま迎えた新年の療育だったのですが、元気いっぱい笑顔いっぱいの子どもたちの姿はとても嬉しく「がんばるぞ!」と気合を入れてもらえました。
今月のテーマは、「『普通』と『普通じゃない』の違いって何だろう」です。
療育は週に1回という限られた時間です。その中で、子どもたちは様々な姿を見せてくれます。
時には予想外のことや少し大人が困ってしまう行動、「なんでこんな風にするのだろう?」と理解しがたいような行動を見せてくれることもあります。でも、何気ない行動にも必ず本人なりの理由・意味が隠れています。
赤磐ぐんぐんでは、療育後の振り返りミーティングやスタッフ勉強会などで、自閉スペクトラム症(ASD)や本人の姿をスタッフ皆で考え合い、俯瞰的に捉える学びの機会が多くあります。
先輩スタッフから
「〇くんからしたら、当たり前のことだったのかもしれないよ」
「こちらが伝えたつもりになっていたけど、もしかしたらうまく伝わっていなくて誤解させてしまったかもしれないね」
「こういうことをお母さんと共有できたのは、良かったよね」
「〇くんのことをよく知るための絶好のチャンスだね」
と気付かせてもらうこともあります。
そんな時にいつも気づかされるのが、「私は、ついつい自分の価値観をものさしにして、子どもの言動をみてしまうことがあるな・・・気を付けなければ・・・」ということです。
ある日のAくんとのエピソードです。
その日のスケジュールの最後は、「先生と勉強 → 遊び → さようなら」でした。
でも、その日Aくんは先生と勉強で取り組んだ課題に興味津々だったので、なかなか切り上げることができませんでした。
終わりの時間は決まっているので、Aくんに「そしたら遊びの時間がかなり短くなくなるけど大丈夫?」と聞くと、「うん、大丈夫」と答えていたので、遊びの時間を削って、先生と勉強での課題を長くすることにしました。すると、遊びの時間がなくなって、療育の終了のタイマーが鳴っても、なかなか帰ることができません。
私からすると
「もう時間になったんだけどな・・・」
「さっきの活動で時間をたっぷり使ったから、遊びの時間がなくなって『帰る』になったんだよ」
「そうなることを予告した時、『うん』って言ったと思うんだけどな・・・」
などと思って困ってしまいました。
そのことを、その日の振り返りミーティングで相談したところ、他のスタッフの先生たちから
「それはどうやって伝えたの?」
「その時の本人の反応は、本当に終わりの時間を意識していたかな?」
「本人はどれぐらい時間の概念が分かっていそう?」
など、意見のやり取りをしていく中で、「ASDのある本人の視点」に立って考えてみることの大切さに改めて気付くことができました。
赤磐ぐんぐんでは、TEACCH自閉症プログラムで使われている「氷山モデル」という思考のプロセスを活用して考えることを大切にしています。
「海に浮かんだ氷山のように、目に見える行動の問題だけを見るのではなく、海面の下にあるASDの行動特徴や学習スタイルに目を向け、特性に合わせた支援をしていこう」という考え方です。
改めてこの視点で考えてみれば、
「時間の流れの理解がまだできていないかも」
「変更や中止の理由がしっかり分からずに『分かった』とオウム返しになっていただけかも」
「変更や中止することの結果(遊びがなくなるということ)まで伝わっていなかったのかも」
「言葉で伝えていたけど、それでどれぐらい本人に伝わっているだろうか」
など、色々と思い当たることは出てきました。
そうなると、「困った行動」に見えた行動は、むしろ「先生が、僕を困らせているんだよ!」の行動だったのかもしれないなと反省しました。
もう一人、Bくんとのエピソードを紹介します。
Bくんは次のスケジュールの具体物を一つ手渡す形のスケジュールを使っています。
ある日、遊びの時間中に突然玩具を持ったままエリアを飛び出していきました。
その日のスケジュールは「遊び → 先生と勉強 → さようなら」でした。
ちょうど切りも良い時間だったので、次のスケジュールに促すことになりました。私はそれとなく先生と勉強エリアに誘導し、先生と勉強の活動を示す課題をみせながら、Bくんに手に持っていた玩具を空のケースに入れるように促しました。
玩具をケースに入れ、先生と勉強の机で課題を始めたBくん。
全ての課題が終わったので、「はい、では次のスケジュール」と帰ることを示す本人のカバンを見えて伝えると、泣いて怒ってその場を動くことができなくなりました。
その日は、何とか気持ちを切り替える試みを繰り返し、ようやく帰宅したBくん。
Bくんのお母さんと一緒に、原因と対応を整理して検討してみました。
・「暗黙的なことは理解しづらい」ならば、いつ終わりが来るかをもっと分かりやすく教えてあげる必要がある→遊びの中に「何を」「どのぐらいやって」「どうやったら終わりで」「次に何があるのか」の見通しを持てるよう「先生と遊び」の中で枠組みを示してみよう
・「時間の経過の感覚や概念の理解はまだ難しい」ならば、いつどうなったら帰る時間なのか伝える必要がある→スケジュールをFirst Then(まずはこれ、その次はこれ)に変更して予定を伝えてみよう
・「見えたものや咄嗟の思い付きで、思わず飛び出してしまう」ならば、目に入る刺激をもう少し減らしたりパーテーションを活用したりして、座る位置や他のお子さんのスケジュールなども調整してみよう
・「気持ちを切り替える苦手さがある」ならば、『さようなら』の時にカバンを見せるだけでなく、車に乗ってその次にどこに行くのかの見通しまで伝えてみよう、
などのアイデアを共有し、実践していくことになりました。
私はこのように整理して考えていくことで、思いつきでの支援や、行き当たりばったりなアドバイスにならずに、お母さんとも考えやすくなっているように思います。
今はまだ再構造化したばかりであり、Bくんの学習スタイルに合わせて考えてみたものの、これでうまくいくとは限りませんが、これまでとは違い、見通しをもって活動を切り替え、自発的に行動するBくんの姿が見られるようになり、お母さんから「本人が安心して過ごすことができていたと思います!」とのコメントをいただけて嬉しく思っています。
自分が「あたりまえ」「これが普通」だと思っていることが必ずしも相手にとってもそうだとは限りません。これはASDの有無に限らず言えることだと思います。
ものの見え方感じ方は人それぞれです。
その「ちがい」に気づき、受け入れ、尊重することが他者理解には欠かせないことを、私は赤磐ぐんぐんのお子さんとの関わりから気づかせてもらっているように思います。
小学校の国語の授業で多くの人が触れる詩 『わたしと小鳥とすずと(金子みすゞ)』 に出てくる「みんなちがって、みんないい」この言葉の意味を大人になった今改めて深く考えさせられます。
私たちはよく「普通、〜だ」と口にしますが、その「普通」は人によってちがうんですよね。
だとすると『普通』と『普通じゃない』の違いって何だろう?面白いな、なんて思ったりします。
お子さんたちは本人なりの思いや考えをしっかり持っています。一見すると大人からは理解しがたいような言葉や行動になっていたり、時にはちょっと大人が困ってしまうようなものになることもあるかもしれません。
そういう言動がある時に、「なんでだろう・・・?」「あ!もしかしてこれか!」と考えることができるようになっていきたいと、私は常々思います。
そしてスタッフとして、ASDならではのお子さんの視点を代弁したり、そのお子さんだからこその素敵な発想をお伝えしたり、特性に合わせた支援のアイディアを提案したりできるよう、もっともっとたくさんの「ナイスパス」をご家族にできるようになりたいと思っています。
これからもよろしくお願いします。
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:F
ぐんぐんキッズ (小1〜)
まだまだ寒さが厳しいですが、このところ日が長くなりましたね。
ぐんぐんキッズには、運動場もあるので(小さめですが^^)外での活動として、「鬼ごっこ」や、「だるまさんがころんだ」をするグループもあるのですが、先月は、できるだけ早めの時間設定で取り組んでいても、外が薄暗くなってきていました。
でも、今は同じ時間設定でもまだ空は明るいです。
寒い寒いと言っていますが、暦の上では春に向かっていることを日々実感しています。
さて、今日はぐんぐんキッズの療育の中でのエピソードを一つ紹介したいと思います。
ぐんぐんキッズでは、子どもたちとのコミュニケーションの方法の1つとして、コミック会話をよく使っています。
コミック会話は、目に見えない会話の流れを視覚化する事で、コミュニケーションをわかりやすくすることに役立ちます。言葉では言っていないけど、思っていることも視覚化して伝えることで、相手の気持ちにも気が付きやすくなったり、自分の気持ちを相手に伝わりやすくするためにも役立ちます。
先日、グループ活動の時間に、割り箸を使ってマジックハンド作りをした時のことです。手順書を見たり、先生に教えてもらいながらマジックハンドを頑張って完成させたAくん。完成出来たことがとてもうれしそうで、いい顔をしていました。
その作ったマジックハンドをロッカーに片付ける、というところまでが活動の流れだったので、Aくんもロッカーにマジックハンドを片付けました。
そこまでは順調だったのですが・・・。
スケジュールに“荷物の整理”の時間が入っていたので、Aくんは、連絡帳などの自分の荷物をカバンにまとめるために、ロッカーに戻ってきました。その時!マジックハンドが目に入り、そのマジックハンドを見て何かをひらめいたAくんは、そのマジックハンドをもって遊びのエリアに行こうとしました。
しかし、それを見ていた先生に「マジックハンドはあそびの場所にはもっていかない。」と言われました・・・。
すると、Aくんは、急に怒りはじめてしまいました。
マジックハンドをお友達に見せたかったのか、それを使って新しい遊びを思いついたのか、なぜそれを持っていこうとしたのかは分からなかったのですが、Aくんには、こうしたい!という強い気持ちがあったんだと思います。
だから、それを止められたことにイライラしてしまったんだと考えました。
Aくんは、日頃の療育の中で、気持ちを落ち着けるための方法を使う練習をしています。
この時も、「ちょっと、のんびりルームに行こうか。」と声をかけて、いつも使っているお気に入りのグッズ、スクイーズを持ってのんびりルームに一緒に行きました。
お気に入りのスクイーズを触っているうちに、Aくんは少しずつ落ち着いてきました。
少し落ち着いていたAくんに、「ねーねー、さっきどうしてイライラしていたのかお話聞かせて?」と言って、Aくんに紙と鉛筆を見せながら声をかけると、「ん?」とこちらに注目してくれました。
そしてAくんの話をコミック会話で整理していきました。
Aくんは、マジックハンドを作るのに使った割りばしを使って鉄砲が作れるということを思いついたんだ、ということを話してくれました。
「そうか、マジックハンドを作っていた割り箸を使って、鉄砲を作りたかったんだね」とAくんの話を聞いていきました。
Aくんの話したことを書きながら聞き取っていくうちにAくんはさらに落ち着いてきました。
Aくんに、「お話してくれてありがとう。」と言ってから、「次のスケジュール、あそびの時間だから〇〇であそぼうか」と、Aくんがいつも遊んでいるお気に入りの物を見せながら誘うと、Aくんは落ち着いて応じてくれました。
のんびりルームに行ってお話をしないままだったら、なぜAくんがマジックハンドをもってあそびのエリアにいこうとしたのかわかりませんでした。
Aくんがどう考えて行動したのか、それが分かったことで私自身も嬉しかったですし、Aくんも、「自分の考えていたことが、先生にちゃんと伝わった!」と思ってくれたのではないかと思います。
これまでも、Aくんとは、先生と勉強の時間に、コミック会話を使っていろんなお話をしてきました。
楽しかったこともいっぱい振り返る時間も持ってきました。
その時間を積み重ねてきたからこそ、気持ちが落ち着かなかったあの状況でも、先生が紙と鉛筆をもってきたときに、話を聞いてもらう方にスイッチがはいったのではないかと思いました。
このように自分の伝えたい事をうまく言葉で説明できにくかったことが、きちんと相手に伝わる体験を積み重ねていくことで、コミュニケーションをとることに自信もついてくるし、自分からコミュニケーションをとりたいというマインドも育てることができるのではないかと思います。
コミック会話、やってみたいけど、難しそうかな・・・と思っている方も多いかもしれませんが、使う側も、経験を積み重ねることが大事かなと思っています。私もまだまだ練習が必要ですが、子どもたちと楽しくコミュニケーションを取れるようになるために!どんどん使っていきたいと思っています^^ これからも子どもと一緒に成長していきたいです。
ぐんぐんキッズ 療育スタッフN
グループホーム寄付のお礼とお願い
将来、街の中での自立を目指しての「グループホーム すてっぷ 1」の建設が進んでいます。
今月も温かいご支援をいただくことができました。本当にありがとうございます。
【 「すてっぷ 1」へのご寄附をいただいたみなさま 】(3.12.26〜4.1.25)
○ O.K 様、O..R 様(真庭市) ○ M.K 様(岡山市東区)
来年、令和4年3月の完成を目標にしています。もう間もなくです。
開所式は3月30日(水・大安)に予定しています。それまでにはコロナも収まっていてほしいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。