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令和 4年 2月28日
第286号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
286号 目次
グループホーム すてっぷ 1 完成間近
自閉症啓発セミナー:小田桐早苗先生講演会 の ご報告
即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座・支援ツール勉強会 報告とお知らせ
フリーマーケット・グループホーム開所式・おやじの会 山のぼり の お知らせ
キッズルーム・スポーツデイ・はやぶさの会 の お知らせ
アイリスの会・水泳教室・OHAの会 の 報告とお知らせ
オミクロン奮闘記
ちゃーちゃん日記
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「ボクの彼女は発達障害」「ボクの彼女は発達障害 2」
ぐんぐんだより
グループホーム寄付のお礼とお願い
厳しい寒さが続く2月の日本列島。
暦の上では春を迎えたものの、北国では観測史上初と言うくらいの雪が降り続いているそうです。
暖かい岡山ですが、さすがにここのところの寒さは厳しいモノがあります。植物に水をあげるために用意している水瓶にも厚い氷が張っています。
人間も花も木もじっと春の訪れを待ちわびているそんな感じがいたします。
寒さこらえて、セーターを編んでます〜♪ ではなく、寒さこらえて会報書いている私です。
皆さん、お変わりないですか?
最初のお話しは、まずは2月の大きな行事、今年度最後の「第116回 自閉症啓発セミナー」についてです。
川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生をお迎えして、講演会を行いました。
「ASD児・者の人間関係のつくり方(後編)」という演題でZoomによるお話しでした。
参加された方は、保護者とご家族が3分の1、学校の先生方や園の先生、そして施設関係が3分の2というところでした。
参加者も150人以上という関心の高さが感じられる講演となりました。
ご家族も先生方も、彼らへの支援に難しさを感じられていることがひしひし伝わってくる、そんな参加者の顔ぶれでした。
先生のお話の中に、ASDの子どもたちは、教えられなければ学べないというお話しがありました。
私たちが、何でもなく出来ている人の顔の表情や、ちょっとした動作で、相手の心持ちを判断できるのに対して、そういう細かな所はあらかじめ教えていかなければ、解らないというのです。
もしかしたら、重度の知的障害を抱える息子を育ててきた私の、無理かと思えて放棄してきた部分だったかもしれないな、と感じました。
息子の出来ることと、出来ないことを、親の勝手な判断できっちり仕分けし過ぎてきたようにも思えて、反省しきりの私です。
例えば挨拶のことを言えば、息子は、小さい頃から挨拶をあまりしません。挨拶をすることの意味が、理解できていないようです。
挨拶しても何にも返ってくるモノ(ご褒美)はないからです。
挨拶したからといって、相手が挨拶を返してくれるだけで、いわば人的な強化子しか返ってこないわけです。
重度の知的障害を持つ息子は、人的な強化子に興味はありません。でもこれではいけないと思います。
挨拶は人と人との関係を円滑にするためのものです。
挨拶の仕方を教えなければ、と、一度は諦めていた挨拶に、もう一度取り組もうと思いました。
「人間関係の作り方」、まさにこのことがスタートだと感じました。
以前に、梅永雄二先生が、お仕事されている成人の方への支援として、“どこに立って”、“どこへ向かって”、“どれくらいの声で”挨拶をするのか、を教えた、というお話をしてくださったことがありました。
“入り口に立って”、“向こうに見える非常灯の緑の電気を見ながら”、“大きな声で一度だけ” 挨拶をする・・・というお話しでした。
重度の人にはこれぐらいが、わかりやすくて、いいアドバイスですね。
入社後、最初に「鳥羽君は挨拶しないんですよ」と言われて、挨拶をするよう教えると、今度は誰でも彼でも挨拶しまくる息子になってしまい、それはそれで迷惑なようでした。
会社は、1000人も従業員がおられるところです。一度挨拶していても、その後も会うたびに、何度でも挨拶するらしい息子です。
会社から帰って、家の周りを何周もマラソン練習する息子、すれ違うたびに・・・親に向かってまでも・・・「こんばんは!」と大きな声で挨拶する哲平なのです (^_^;)
どう教えたらいいのか・・・、挨拶を大声でするのではなく、目礼を教えたらどうかしら? ・・・などと考えている私です。
重度な子を持つ私にとっても刺激的な内容でした。
後のページに、小田桐先生のセミナーの感想や内容が載っていますのでご覧ください。
昨日の土曜日、息子の哲平の3回目のコロナワクチン接種に行ってきました。
「服はすぐ脱げるモノにしてください」と書かれていましたが、この時期すぐに脱げる服なんてあるモノか・・・、というわけで、いつも通りの服装で参加しました。
接種会場では、スタッフの方が優しくて、下着一枚になるまでゆっくり待ってくださって、ほとんどの服を脱いで注射することになりました。
今日は翌日の日曜日、副反応の熱が出ることもなく、元気そうです。
コロナの接種後は、会社では公休が取れるのですが、何でもない様子なので、明日の月曜日にはいつも通り出勤できそうです。
元気が取り柄の哲平です。
彼は今までインフルエンザにかかったこともありません。風邪は引いても熱が出るほどにはならず、せいぜい「喉が痛いです」と訴える程度で元気な人です。
(注射を我慢したご褒美の千円で、ご機嫌の哲平です (^^)/)
もしかしたら、コロナにもかからないですむかもしれないと、気楽なことを思う私です。
ところが、先日話をした横浜のある施設の方から聞いた話によると、今までインフルエンザにも、風邪にも強かった自閉症の人たちが、軒並み感染されて、その事業所はクラスターとなったそうです。
油断はいけませんね。
3回目の接種が終わったとは言え、感染力の強いオミクロン、そしてもっと感染力の強いステルスオミクロン(BA.2株)とやらが流行の兆しだとか・・・。手洗いうがい、そしてマスクの着用を忘れないようにしたいものです。
後ろのページに、コロナを身近に経験されたお母さんが、体験談を寄稿してくださっています。貴重なお話なので、ぜひお読みください。
ところで、そんな哲平、会社の歯科健診で、「虫歯があります」と言われました。今まで一本も虫歯に冒されることなく育ててきた私です。
「虫歯になるのは、母親のせい」そんな話を聞いていたせいか、私は人一倍虫歯にさせないように気を配ってきました。
すごくショックでしたが、仕方ありません歯医者さんを予約して、行くことになりました。
当日は私の都合が悪く夫に付き添いを頼みました。結果は、虫歯ではなくて、奥歯に欠けたところがあったということでした。
グッとかみしめる癖があるからでしょうか、前にも歯の欠けたところを治療していただいたことがあります。
マウスピースを作り直していただくために、また少しの間歯科には通うことになりました。
口の中のような見えないところで起こることは、大人になった息子に聞いても分かりません。時々こんな形で、健診があるのはありがたいことです。
大人になると、健康診断などあまり行かない人もおられるようですが、行った方がいいなとつくづく思います。
どんな病があるか、成人病のこともありますから、一年に一度くらいは、お医者様に診てもらった方がいいと、思います。
あの子達は、どこがどんな風に痛いとか、倦怠感とか、寒気がするとか口に出して言ってくれません。
例えば「胃がしくしく痛い」とか、「腸が刺すように痛い」とか、症状について詳しく言えるでしょうか? 我が子は、言えません。つくづく難儀な障害です。
予防することだけが防衛手段です。ちなみに一年に一度の健診で、息子はどこも悪いところはなく、コレステロール値なども家にいた頃より低くなっていて、グループホームの食事のお陰だと思っています。
ところで、最近思うことがありますので・・・自閉症とは関係ありませんが、少しここで書かせていただきますね。
自動車を運転していてよく思うことです。
お年寄りの運転が、怖いと言うことです。
県道を走っていると、脇道からこちらを一切見ないで出て来られる方があります。急ブレーキを踏んで事なきを得たことが何度もあります。
それがことごとく、白髪の男性ドライバーさんです。こちらを見ていらっしゃらないので、もし事故になっても私の方が悪いと言われるかもしれません。
そこで、10年以上乗っている我が愛車に、ドライブレコーダーをつけました。
事故の時の証拠になればと思うからです。
でも・・・、もしかしたら、自分の運転のミスの記録にもなるやもしれないなとも思います (^_^;)
かくいう私も、古希を目前にした、しっかりお年寄りの部類に入る、白髪の女性ドライバーでございます。
我が赤磐市には、県下有数のマンモス団地があります。先日テレビで高齢化の問題で紹介されたことでも有名です。
私がこちらへ嫁してきて48年になりますが、ちょうどその頃は団塊世代の入居があいついで、子どもたちの声や若い人たちでいっぱいでニュータウンと呼ばれていた団地でした。
あれから48年。当時若かった方たちは、70〜80代くらいになられて、今の呼び名は “オールドタウン” だとか・・・。時は流れます。
団地の周りで車に乗っていて、すれ違う方を見ていて思うのは、ほとんど白髪のご老人です。
相手の方を信頼して運転していないと怖くてたまりません。対向車が、急にこちらへハンドルを切ったらと思うと、怖くて運転できません。
先日もノーベル賞を取られた本庶 佑さんが、事故を起こしてバスと衝突されたと聞きました。つくづく怖いと思いました。
出来るなら、自分が加害者にはならないようにしたいものと思います。
75歳を過ぎて、うっかりと一旦停止を怠った友人のご主人は、認知機能の衰えがないかを調べるため、免許センターまで講習を受けに行かされたそうです。
気をつけなければなりません。75歳では免許返納したいと、今から思っている私です。
みなさんも、車の運転、くれぐれもお気をつけくださいね。
さて、グループホーム「すてっぷ 1」完成間近です。
写真をご覧ください。威風堂々という感じがぴったりの外観でしょう?
外観は威風堂々、中に入ると暖かな木のぬくもりの感じられる素敵なつくりになっています。
3月30日(水)に開所式並びに見学会を開催いたします。興味のある方は、後の紹介ページをご覧になって、ご参加ください。
○ 申し込みをお願いします。
○ 当日は混雑いたしますので、お子さんはお連れにならないでください。
○ 履き物(スリッパ)を各自ご用意ください
息子は、早くから引っ越しを楽しみにしております。
各部屋にキッチンもついているので、お料理を作りたいと思っているらしいです。それぞれIHヒーターなどミニキッチンは付いていますが、基本的に食事は支援員さんが作ってくれます。
でもそのうち、自分で作るための訓練も随時、順番にやっていこうと考えています。
自立を目指すグループホームですから、お料理くらいみんな作れるようにならないといけませんね。
哲平は、コーヒーメーカーが欲しいとか、コーヒーミルもいるとか・・・炊飯器が欲しいとか、食器も色々欲しがっています。
楽しい楽しい暮らしがまもなく始まります。いいことです。
夢と希望を積み込んで、いよいよ「すてっぷ 1」の出発の日を迎えます。準備に大忙しの、グループホームのサービス管理責任者も兼ねている鳥羽でございます。
皆さん、開所式どうぞおいでください、お待ちいたしております。
次の号は、開所式の様子をお伝えしたいと思います。
それでは皆さんごきげんようさようなら
(鳥羽美千子)
自閉症啓発セミナーの報告
令和4年2月26日(土)、川崎医療福祉大学 講師の小田桐 早苗 先生を、オンラインにお迎えして「ASD児・者の人間関係のつくり方 【後編】」のテーマで「第116回 (令和3年度 第6回) 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
参加したスタッフからの報告と、視聴された参加者の方からのアンケートが届いていますので、一部ですが紹介します。
2022年2月26日にZoom上で開催された、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生によるセミナー「ASD児・者の人間関係のつくり方(後編)」に参加しました。
今回は、二部構成の後編ということで、知的障害のないASD児・者の人間関係の作り方、についてのお話です。
1回目では、「学習スタイル」と、ASDの人の「人間関係」がどう影響していくかが大きなテーマでしたが、今回のお話もそこがテーマになっていることには変わりはありません。
自閉症の学習スタイル「暗黙的学習」「聴覚処理」「注意」「実行機能」「社会的認知」これらが人間関係においてどのような影響をもたらすかについての解説もありました。自閉症の学習スタイルから考える、これはどんな時にでも忘れてはいけない視点です。
人との関わりは、社会的認知が関係することでもあるので、自閉スペクトラム症の人にとってはとても難しいことでもあります。
苦手にアプローチすることだけではなく、できることを増やしていくということも大切ということで、生活スキル、ライフスキルを身につけていくという視点についてもお話がありました。
WHOが定めるライフスキルがあるのですが、それはとても難しい項目になっています。
それをもっと具体的にして、発達障害の子のライフスキルとして紹介されている梅永雄二先生の著書がありますが、小田桐先生がお話の中で紹介をしてくださっています。
その著書で紹介されているライフスキルは、とても具体的な項目になっていて、チェックリストもあります。
できていること、できていないことを確認し、何から取り組んでいくかを考えるのに役に立ちます。その時に大事にすることが、めばえのスキル(できかけていること)を選んで目標にすることです。
できることが増えていくということは、本人にとってもとてもうれしいことです。達成感を持つこともできます。
できるようになる!ということは、一人で!とは限りません。
ここは、こんな援助をしてもらいながらできるよね、と、自分にとって必要なサポートに気づいていくことも大事な視点です。
ライフスキルの中にはもちろん人間関係に関わることもあります。
対人関係をサポートすることとして、5つの点についてのお話がありました。
まず一つ目は
●療育場面などを通して教える−自然に学ぶではなく、教える
自然には学ぶことは難しいから、教える、療育が担う所はまさにここだというお話でした。
ライフスキルの項目にもある、“身だしなみを整える”は、身だしなみが整っていることで、友だちからのからかいを避けることにもつながります。
療育では場面を作って教えることができる、刺激が少ない環境だから教えることができる。そこで学んだ事を家庭に般化できるように取り組んでいく。
般化まで考えていくことが大事だということも改めて感じました。
また、あいさつを教えることについてもお話がありました。はじめにルーティンで学んで、それから柔軟性を教える。
同時に教えることは難しいかもしれませんが、1個ずつ教えることが大事。
ルーティンで学ぶことは自閉スペクトラム症の人にとって強みです。強みをまず活かして教えます。
でも、柔軟性は絶対に教えなくてはいけない。
挨拶をしても返してくれない人もいるかもしれない。
あいさつだけで終わらなくて簡単な会話のやりとりもあるかもしれない。
知らないことを知っていく、学んでいくことはやはり大切な事で、でも、それを学ぶためには集中できる環境と、その子に合わせてどう教えるかの準備がとても大事だということは、日々の療育の中でも実感しています。
教える方略として、ソーシャルストーリーの話もありました。キャロルグレイさんが考えられた方法で、著書も出ています。日本でもワークショップが開催されています。
暗黙的な了解や、他者視点など、自閉スペクトラム症の人がわかりにくいことを、何故そうするのか、何故そうしたほうがいいのか、それを本人がわかるように、意味を教える、視覚的に整理して教える方法が、ソーシャルストーリーです。
前編でも紹介された、グニラ・ガーランドさんの著書でもソーシャルストーリーについて触れられています。
2つ目は
●ピアグループの中で学ぶ ―同じ特性をもつ他者の視点
同じ様な体験をしている他者の存在を知ること、一緒に活動する中で、自分と異なる視点を知ることができたり、自分一人ではないんだ、、、ということを知る機会にもなる。
療育の中でも、ピアグループでの関わりの中で学ぶことができるということを実感することがありました。1:1の学習の中で、感情のコントロールについての学びをやってきた子たちと、グループでその学習をやった時、他の人も私と同じことを勉強していたんだと気づき、うれしそうにしていました。
そして、「私は、嫌なことあった時、○○の方法をしているよ」と一人が話すと、「それよさそうだね。わたしもやってみようかな」という会話が。教え込まれるのではなく、気づきの中からうまれる学びがあることを実感する時間でした。
3つ目は
●プログラムを通して学び、実践する−般化と振り返り
2つ目の視点にもつながるプログラムを2つ紹介していただきました。
PEERSという、アメリカのUCLAで開発された友達作りのプログラムの紹介がありました。思春期のお子さんを対象にしたプログラムで、日本でも、指導者養成のワークショップが開催されていて、本も出ています。友達作りについて、しっかりとパッケージされたプログラムになっています。
このプログラムの特徴は、本人が参加するだけではなく、保護者の方もこのプログラムに参加します。ただ見るだけではありません。毎回出る宿題にどうサポートするかまでこのプログラムには組み込まれています。般化を大事にしているプログラムです。
小田桐先生が実際に訪れたノースカロライナでの実践されていた、TEACCHのガールズグループの取り組みのお話もありました。
こちらもPEERSと同じく保護者の方も参加するプログラムです。同じようなテーマを持つ仲間と取り組むことで、自分だけではないという経験ができます。親子で、家庭で使用するツールを作る時間もプログラムに組み込まれていて、こちらも般化を大事にしているプログラムになっています。
4つ目は
●ソーシャルグループを通して居場所をもつ-仲間づくり、余暇
仲間に“なっていく”プロセスは、
1.内容への興味関心からスタート、
2.枠組みや見通しがあることで安心して参加できる、
3.繰り返されることでメンバーへの意識がでてくる、
4.“一緒に” している活動へ。
そういうグループが周りに無い、と思われている方もいると思いますが、興味を持てる場所を考えるときに、“本人の興味関心は何よりも強みになる”ということを考えると、部活動の選択、地域の囲碁教室など社会資源などは探してみるとあるものです。
探すことは本人だけでは難しいのでここは家族のサポートが必要になるかもしれません。“似た興味を持つ相手は友達関係に最適”これは、本人の強みを活かす視点になります。
5つ目は
●周囲の人に相談し、共に考える−苦手は人と一緒に対処する
自閉スペクトラム症の人は、人間関係の開始と維持が難しい。その苦手に気が付いていて誰かに相談できることはとても大事なことです。
グニラ・ガーランドさんの言葉にも、「自閉症の人の多くは、援助がない限り、誰かと一緒に何かを行うという考えを思いつくことはないかと思われる。瞬時に判断することが難しい。」
とあるように、ここは一人でできるようになることを目指すことはとても難しいことなので、自分のことを理解し、周囲にいる人に相談し、共に考えていけばいいんだと思えるようになっていくことがとても大事なことです。
思春期に取り組みたいことは、トラブルを解説してくれる人を身近にいる状況を作っていくことです。
トラブルが起こった時、そのトラブルがなぜ起こっているか、なぜ相手が怒っているのかなど分からずにいることもあります。
全くわかっていないわけではないけど、本人が気が付いている部分は一部分である場合もあります。そんな時に、本人にわかる方法を使って、その意味を教えてくれる人が身近にいることはとても大事なことです。
身近にいる人それはまずは家族になります。
“一緒に考える関係性を小さい時から作っておけるといい。”、家庭は本人の一番の居場所であり 本人の育ちを実感したり共に考える場になる。家が、本人にとって安心して過ごせる場所になるようにする、これは家族の方が大事にしておく視点なのだと思います。
そしてセルフアドボカシー(自己権利擁護)についてもお話がありました。
自分を擁護する、権利擁護してもよいということを知らない人もいる。
自分で「権利を擁護」するには、自分を知ることが必要です。
自分の気持ち、得意、不得意、必要な支援を知る。そして、必要な援助を求める。拒否ができる。これらが大事になってきます。
まとめのお話としてありましたが、人との関りの要素には、人との関りへの興味や意識はもちろんのこと、コミュニケーションスキル、レジャースキル(余暇スキル)、自己制御やコーピングスキルも人との関りにつながっていくことになるので、それぞれの要素の中で、今、何を教えるかを考えていきたいと思いました。
最後に。これは、セミナーで一番はじめに小田桐先生がお話してくださったことになるのですが、“自閉スペクトラム症の子との関わりで大切にしたいこと” として、「自閉スペクトラム症のお子さんを育てていて、いつも誰かと比較しているとそれはとても苦しいことです」。「一般論で育てるのではなく、理解に沿った関わり方がとても大事になってくる」。「その子が得意とすることを生活に生かすこと。苦手なこと、できないことは、頑張って克服ではなくサポーしていく」。
得意を使ってサポートとはどういうことかというと、“視覚的な方がわかりやすい・・・絵や写真を使ってみる、はっきり明確な方がわかりやすい・・・何をすべきかを具体的にして視覚的に伝える”
人間関係をにおいてもここを強みとして活かして苦手をサポートするということです。
今回の小田桐先生のお話の中でも、やはり、自閉症の学習スタイルから考えることの大切さを教えていただいたと思います。自閉症の学習スタイルを知っていないと、教えるすべを間違えてしまう。一人ひとりを捉えていくことの大事さを再確認いたしました。
これからも“自閉症を理解することから、本人への支援を考えることができる支援者”として、学び続けていきたいと思います。
小田桐先生。今回も貴重な学びの時間をありがとうございました。
療育スタッフK
○ コミュニケーションに特化した支援をと考えたとしてもその周辺にあるライフスキルのアセスメントが重要であることを改めて教えていただきました。
どうしても表面にあるやりとりに目がいってしまいがちですがその背景を考えるための材料にもっと目を向けていこうと思います。
「成人期になっても成長している」という先生の実践に伴ったお話に元気が出ました。
○ とても濃い内容のお話でした。自閉症の方の学習スタイルから説明して頂いて、わかりやすかったです。ライフスキルの視点の所で、できるところから取り組めば良い、ピアグループから学べる事が何なのか・・・と言うお話を詳しく伺えて、勉強になりました。息子への理解に繋がったかなぁと思います。ありがとうございました。
○ 小田桐先生のやさしい口調での丁寧で具体的なお話でわかりやすく理解ができました。
人間関係を他者と作るためには前回の講演の復習で紹介されていた認知特性を尊重し大事にしていく事、また、今回の講演で紹介された、方略的にソーシャルグループに参加し経験していく中で人間関係を築く方法や手段を学習して、安心した仲間作りや居場所ができ、自己効力感につながるんだと学びました。
高機能の思春期の事例だったので、現在幼児、小学生と関わる中で、一緒に考える関係性、困ったら助けてもらう、ヘルプを求めていいんだという存在になれるように努力していきたいと感じました。ありがとうございました。
○ 人間関係のスキルを知ることは大切です。が「この人といて楽しい。」と思える出会い出会いを得ることがあることにより、人生を楽しめる。 そうだなあと思いました。
令和3年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座です。
いよいよ坂井先生の即実践講座も来月で最終回です。
今年度は、コミュニケーションの大切さ、双方向でのやりとりについて学んできました。
表出性のコミュニケーションではICTの活用でアシストガイドを実際にダウンロードして使ってみたり、コミュニケーションサンプルをとっての評価や目標設定など、本当にすぐに現場で活かせる実践講座でした。
第10回のテーマは「新たな時代に向けて」です。
最後にどんなお話が聴けるのか・・・ワクワクしながら、お待ちしています。
『 令和3年度 第10回 現場の先生のための 即実践講座 』
日 時:令和4年3月17日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「まとめと今後に向けて 〜新たな時代に向けて〜」
講 師:坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
それでは、第9回「コミュニケーションの再評価 自分の実践は」に参加された方からの、アンケートを紹介します。
○ チェック項目を通して、自分の関りどうだったかな? しっかりと子どもの立場に立てていたかな? と振り返ることができました。他者を変えようとするのではなく、まずは自分自身の行動や見方を変えていかなければならないと感じました。坂井先生の経験談を通して、関わり方の多くのヒントをいただけたように思います。
○ 『幼児期に大切なのは、「コミュニケーションの楽しさ・便利さ」「大人は味方であること」を子どもたちが感じられること』ということを大切に考えていきたいと思いました。いろいろなことを身につけたいと思ってしまいますが、長い人生の始まりの時期に、コミュニケーションのベースとなる部分を整えていくことの大切さを改めて感じました。
○ スケジュール内で本人が嫌なスケジュール内容があった時、そのスケジュールを嫌だと示している時に最後まで聞かずについ途中で口を挟んだりぐちゃぐちゃにしてしまったらその場で待たずに元に戻したりしてしまっていたなぁと反省しました。
令和 3 年度 支援者向け
発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和3年度の赤磐市と共同主催による、重松孝治先生による「発達障害 夜間連続講座」です。
事務局のある赤磐市を起点として、少しずつでも自閉症の理解の輪を拡げていきたいとの思いで開催してきた夜間連続講座も、令和3年度の最終回を迎えます。
今年は、重松孝治先生に無理をお願いして、保護者向けの基礎講座との2本立てで講座をお願いしてきました。
発達障害・自閉症児たちが、落ち着いて成長して、引きこもりや強度行動障害などの二次障害を起こすことなく、社会に出て行くためには、家庭での保護者の子育てと、学校・施設での支援者の教育・療育が、車の両輪のように必要であると思ったからです。
この支援者向け講座の方では、はじめて自閉症児のクラスを受け持った先生から、ベテランの支援者の方まで役立つよう、自閉症の基礎的な特性の理解から始めて、具体的な支援方略まで重松先生に丁寧に講義していただきました。
最終回は「豊かな育ちと一貫性を持った支援のために」というテーマで、明日からの支援に向けてお話いただきます。
これからも、保護者と支援者、共に子どもたちの豊かな育ちに向けて協力していけることを願っています。
『 令和3年度 第10回 支援者向け発達障害夜間連続講座 in 赤磐 』
日 時:令和4年3月24日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(ZOOM)
テーマ:「育ちに応じた支援の展開 〜豊かな育ちと一貫性を持った支援のために〜」
講 師:重松 孝治 先生(川崎医療福祉大学 講師)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
それでは、第9回「行動面の問題解決に向けて 〜正しい理解と意味ある生活を考える〜」に参加された方からの、アンケートの一部を紹介します。
○ ”支援者に合わせた支援をしないこと” この言葉が改めて響きました。日々、様々なことが起こりますが、支援をすることの大本を今一度考え直そうと感じました。
まだまだ勉強不足で、知識も少ないですが、これまでの研修内容や今日新たに学んだことを生かして保育の中に取り入れていこうと思います。
○ 今回のお話、とても気持ちがすっきりしました。今までの講座の内容が全て関わっているということとても納得しました。
よく子どもと先生がトラブルになり、ヘルプで呼ばれていました。問題解決のプロセスを知り,なんとなく自分が思っていたことの後ろ盾を得たような気がしました。先生方にどのように伝え分かってもらうかが大切だと思いました。
○ 問題が起きたときに対応ができず悩んでいました。どうして癇癪が起きて手がつけられなくなるのかが分からず、これを言うと癇癪スイッチに触れてしまうかもと、ヒヤヒヤしていました。一つ一つ冷静に、問題解決のプロセスに沿って考えて実行していくことで、子どもに合った支援ができることを学びました。
○ 今までは問題行動について大きく捉えることがあり、どこから始めればよいのか分からなくなることが多々ありました。今回の講義を聞いて、具体的な行動をあげて、そこからアセスメントしていくことを学び、早速実践していきたいと思いました。
令和3年度 保護者のための 自閉症基本講座
重松先生の保護者のための自閉症基礎講座「自閉症、基本の“き”」です。
今年度、6回お願いしていた保護者講座の最終回が2月24日(木)に行なわれました。
自閉症の告知を受けたばかりのお母さんたちにも分かりやすいようにと、できるだけ専門用語を使わずに、それでいて正しく自閉症の特性についてお話いただきたい、と、かなり無理難題でお願いして始まった講座でした。
毎回、テーマを決めてお話しいただき、それについての質問や、子育ての悩みなど、かなり個人的な問いについても、次回の前半に丁寧にお答えいただいたので、救いとなったお母さんたちも多かったのではと思います。
正会員の方は無料だったこともあり、60名以上の方が登録して、リアルタイムや見逃し配信で参加されました。
また、来年度も重松先生に「基本の“き”」の保護者講座をお願いしているところですが、毎回、自閉症児の子育ての悩み、質問が多いので、来年度はフォームを作って先生にも答えやすくいただけるように検討中です。
来年度もたくさんの方の参加をお待ちしています。
それでは、第6回「基本の“き”」に参加していただいた保護者の方からの感想です。
○ ペットボトルを媒介にお話をされるなど、例えがとても理解しやすかったです。防火と消化では更に納得しました。自分の要望が相手に伝わることは生活しやすいし本人にとっても親も安心できます。何でもやってあげる事が良い支援者、良い保護者ではなく、どうしたらいいのかを教えてあげられる支援をもっと学習したくなりました。
○ トラブルをなくすだけでは解決にならず、そのトラブルの根本的原因を考えて対処していかなければならないということを、具体的な事例を挙げながら解説していただきました。良かれと思ってやっていたことで、何年も後にじわじわ悪影響が現れてくるのは怖いし悲しいことです。家族としては、まず子供をしっかり観察しようと思います。
第3回 支援ツール勉強会 2021
今回のテーマ「行動の記録(客観的データ)の作成」
2月21日(月)本年度、第3回目の支援ツール勉強会をZOOMで開催しました。
アセスメントの大切さ、問題行動の原因について具体的な例を交えてのお話でした。
問題行動では、“その行動によって、その子は何を得たのだろう!?”と、いう視点を持つことが大事!と言われとても納得しました。
その行動によって『したくないことから離れられた』とか『物を投げることで身体がすっきりした』とかいうことです。その視点って、とっても大切だと思うけど、持ててなかったなーと、反省させられます。
新しい視点を持つだけで、支援者側のイライラやモヤモヤも少し軽くなるのではないでしょうか。常に持っていたい感覚だと思います。
そして、ダメなことを伝えるのではなく、適切な行動に注目して褒めていくこと。どうしている時がよい時なのか、伝えていくこと。澤先生のお話を聞きながら、再確認することができました。
支援ツール勉強会では、LINEでも近況を報告し合ったり、作った支援ツールを見せ合ったりもしています。
澤先生にその都度ご意見をちょうだいし、みなさんの励みになっています。
来年度も引き続き澤先生に支援ツールの勉強会をZOOMにてしていただけることが決定しました。
明日から使えるヒントがたくさん詰まった会です!!今年度参加された方も、できなかった方も、是非繋がり合って勉強していきましょう! それでは、また。
事務局 K
第3回の支援ツール勉強会に参加していただいた方からの感想です。
○ “こちら側が、「出来て当たり前」「普通のこと」と思っていることを、子どもがしているときに褒めることで、良い行動 「○」ということを教えることが出来る”というお話がとても良かったです。
どうしても、何か出来たら褒めるということが習慣化していたので、その場にふさしい行動がとれている時にはしっかり褒めてあげようと思いました。
あと、「ありがとう」の言葉をもっと使いたいと思いました。
○ 支援ツールというと、「何を作るか」のようなイメージを持たれることが多いですが、「なぜ」「誰のために」が大切なことは意外に伝わっていなくて、そのために失敗している例を散見します。客観的データーを取ることは本当に大切ですね。
3回の講座を通して、大切なことを確認させていただき、自身の支援や地域での活動に今後とも活かしていきたいと思いました。
おかげさまで私たちの地域でも、遅ればせながら「する人」が少しずつ増えてきました。賛助会員として参加させていただき、本当にありがとうございました。
世界自閉症啓発デー記念 フリーマーケット
ふろしき市 出品者大募集!
毎年、4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。
例年、育てる会でも啓発チラシ配布の街頭活動を行なっていますが、今年はそれに加えて、気候も暖かくなってくる頃で、コロナのステイホームもそろそろ解消になるだろうし、子どもたちは春休みで、しかも今年は土曜日だし・・・みんなで楽しいことをしよう!!
ということで、午前中のチラシ配りのあと、事務局の中庭でフリーマーケットをしてみよう、ということになりました。
一人分のスペースは、だいたい風呂敷1枚分くらい、子どもたちが使わなくなったオモチャを出品してもいいですし、お母さん達がもらい物の不用品や、もう卒業した支援ツールなど出されてもOKです。せっかく作った支援ツールが無駄にならずに、次の方に使っていただけると嬉しいですね。
支援学校では模擬店の実習などもあると思いますが、今度は本当のお店ですので、値段交渉なども楽しんでくださいね。出品者とお客さんを大募集です!
出品される方は、申し込んでください。お客さんはドンドン来て下さい。
日 時:令和4年4月2日(土・世界自閉症啓発デー) 12:00〜15:00
※ 雨天の場合、またはコロナによる延期の場合、予備日 4月29日(金・祝)
場 所:おひさまハウス・事務局 中庭(赤磐市和田194-1)
出品申込:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
※ コロナは収束していると期待していますが、念のため食品はご遠慮ください
すてっぷ 1 開所式 の ご案内
みなさん、お待たせしました。将来の社会での自立、一人暮らしを目指しての、育てる会2棟目のグループホーム「すてっぷ 1」が完成間近です。
正式な開所は、4月1日ですが、そのお披露目と内覧を兼ねた開所式を執り行います。
自分たちが住みたくなるグループホームを目指して、みんなで設計を考えました。各部屋に、バス・トイレ・ミニキッチンを付けて、ロフトやウォークインクローゼットまで用意したワンルームグループホームです。
ここで、またもう一段上のライフスキルを身につけて、今度は一人立ちの「じゃんぷ」で町の中のアパート暮らしが待っています。
開所式は、駐車場では手狭なので、近くの丘の上の山陽総合福祉センターをお借りして、式の後は歩いて「すてっぷ 1」の内見の予定です。どうぞ、みなさんお越しください。
日 時:令和4年3月30日(水・大安) 10:00〜
場所:【開所式】赤磐市山陽総合福祉センター
(赤磐市河本778-1:赤磐市社会福祉協議会のある建物)
【グループホーム 「すてっぷ 1」】 (赤磐市熊崎193-1)
参加申込:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
おやじの会 山のぼり 予告
育てる会のLINEではお知らせしましたが、オミクロン株もピークを過ぎたように思いますので、好評(?)だった、おやじの会の山のぼりを再開したいと思います。
・・・と言っても、好評なのは主に子どもたちで、熊山登山では、普段運動不足のお父さん・お母さんたちからは「勘弁して〜〜!」という声も聞こえてきました (^_^;)
そこで今回は、事務局の裏山、高倉山登山を企画しました。
ここは途中の桜並木や、頂上からの展望が見事なのですが、実は頂上広場まで車で登れます。事務局から徒歩だと2時間、途中の少し広い道路脇に車を停めると、そこから頂上までは歩いて1時間、一気に車で頂上まで行くと車で20分・・・と、ご自分の体力に合わせて、選べます。
出発時間や、どのコースで登るかは、参加希望の方で決めたいと思いますので(途中で車に追い抜かれると、子どもたちから「ズルい!」と言われそうなので・・・)、とりあえず参加希望者を募集します。
登山コースの下見の動画は、おやじの会のLINEやYouTubeに載せています(頂上まで車での動画です)。 https://youtu.be/58Jvz7TinM4
日 時:令和4年4月9日(土) (全部歩きグループは9:00頃出発?) 雨天中止
集合場所:事務局駐車場(赤磐市和田194−1)
参加費:無料
持ちもの:弁当・水筒・雨具・あとお菓子など適当に
申込み:事務局 Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748(正会員:限定)
キッズルーム の ご案内
オミクロン株に振り回されていた、キッズルームの開催予定ですが、岡山県のまん延防止等重点措置が3月6日(日)となりましたので、なんとか3月終わりには開催できるのでは・・・と計画いたしました。
春休みに入り、子どもたちも思いっきり身体を動かしたいな、と思っている頃ではないでしょうか。
マスクや消毒など、感染防止に配慮しながら、今年度最後のキッズルームを楽しみたいと思います。
日 時:令和4年3月26日(土)12:45〜15:00(頃)
場 所:岡山大学 体育館
参加費:一人 400円(正会員のきょうだい児も参加OK)
申込み: Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748 (正会員:限定)
※ 今後の感染状況により中止となった場合は、参加申込者の方に連絡します。
スポーツわくわくデイ 中止のご報告
3月に開催を予定していた、親子で楽しむスポーツわくわくデイですが、岡山県のまん延防止等重点措置が延長されたため、残念ながら3月度は中止させていただきます。
来年度に入り、コロナが収束いたしましたら、ボランティアをお願いしている岡山大学児童文化部の学生の方とも相談して、改めて開催日時を決めさせていただきます。
新しい新入部員の方も迎えて、フレッシュな「スポーツわくわくデイ」が開催できると思いますので、もうしばらくお待ちください。
はやぶさの会 ご案内
自閉スペクトラム症の男の子たちの友達作りの会、「はやぶさの会」です。
小学生の男の子たちとその親たちで活動しています。
3月6日(日)まで岡山の蔓延防止等重点措置も延期されましたね。
この期間中に集まるのはなぁ・・・でも、たぶん3月末〜4月頃には行けるんじゃないかなぁ・・・ということで、今回は春休み前後に屋外遊びを、と思い計画しました。
日 時 令和4年4月3日(日)
場 所 岡山市近郊の公園(詳細や集合時間については、参加者にお知らせします)
参加費 はやぶさの会としては無料(ジュース代など自分で使う分は家庭持ち)
対 象 育てる会正会員・小学生以上の男の子とその保護者
(申し訳ないですが、女の子は参加できません。また、診断が出ていない兄弟も参加できません)(正会員:限定)
引き続き新しいメンバー募集中です。参加してみるまでは、子どもよりも親がドキドキだと思いますが、新人さんにも優しいはやぶさメンバーの子どもたちです。興味ある方は、お母さんだけの見学も大歓迎ですので、是非一度事務局までお問合せください♪
(担当:M)
あゆみをつなぐ アイリスの会
先輩のお母さん、お父さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
2月17日(木)にアイリスの会をZOOM開催しました。
今回は、現在、瀬戸高等支援学校に通われている高校1男子のお子さんをお持ちの先輩お母さんにお話しいただきました。
小さい頃から丁寧に支援されていて、特に印象に残ったのは、“毎晩、今日の良かったところを伝える”ということを毎日されていたということです。そうやって、毎日の積み重ねが自己肯定感を上げ、安定して成長されたのだなと思いました。
また、使用していた支援ツールも見せていただきました。育てる会の支援ツール勉強会にも熱心に参加されていて、そこでたくさんのことを参考にして作ってこられたそうです。
お手伝いも小さいころからされていて、今では、お母さんが仕事の時には、最初から最後まで一人でご飯を作ってくれることもあるそうです。小学校高学年くらいから、手順書を使って一緒に作ってきたことが身についていて、凄いなぁと思いました!!
段階的に教えていくと、色々なことができるようになるんだなと、子育て中のお母さんにとても参考になるようなお話でした。ありがとうございました。
事務局:K
3月のアイリスのご案内
3月のアイリスの会は、おやじの会とコラボします!!
知的障害の成人された男のお子さんと、高機能自閉症の男の中学生の2人のお子さんをお持ちの先輩お父さんのお話です。
お仕事の関係で、平日の昼間にリアルタイムでお話しいただくことが難しいため、このような企画となりました!!
3月19日(土)の夜におやじの会とのコラボ企画で、リアルタイムでお話ししていただきます。後日、通常通りの時間帯に、お話部分の録画を放映いたします。
座談会は録画なしで、両日ともに行います(19日の夜の座談会は、アルコールOKです (^o^))。
平日の参加が難しいお母さん方もどうぞ参加してください。
両日とも参加していただいてOKですし、どちらかの参加でももちろんOKです!!
是非、おやじ達にも聞いていただきたいので、お母さん方からお薦めしてください!
申し込みは不要ですので、当日のご参加お待ちしております。(ID、パスワードはいつもと同じです。不明の方は事務局まで問い合わせてください。(Tel.086-955-6758:正会員限定)
● 1回目は、3月19日(土)19:00‐21:00
こちらは、リアルタイムで行います。● 2回目は、3月24日(木)10:00‐12:00
1回目の録画部分を放映します!放映後、座談会をいつものように行う予定です。※ 正会員無料。当日参加OK。後日配信なしです。(正会員:限定)
水泳教室 の お知らせ
日 時:令和4年3月20日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
☆2月は中止になった水泳教室ですが、3月6日(日)には岡山県でもまん延防止が解除となる予定ですので、感染防止に配慮しながら3月は開催したいと思っています。
(まん延防止措置が延長となり、まだ期間中となった場合は中止といたしますので、ご了承ください)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。(正会員:限定)
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は3月17日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当: T & S)
OHAの会 の 報告とお知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
2月8日(火)に、第9回目 OHAの会をZoomで開催しました。
テーマは、『告知について@ 〜自分をポジティブにとらえるために〜 』
知的障害を伴わないASDを持つ子に告知を行う前に行う準備段階のお話を主にしていただきました。
“特性があってもやりようはある!”とか、“特性は長所でもあるんだ!”と、親も子も思えていることが、告知のタイミングの目安となります。
告知には、準備が必要だということがよくわかりました。
いいところ、長所を伝えることから。伝える前には、それを集めることから始められたらよいかなと思います。
吉田友子先生の『「自分のこと」の教え方―診断説明・告知マニュアル―』を参考にお話しいただきましたので、気になれられる方は、参考に読んでみてはいかがでしょうか。
次回は、告知がもたらす効果や副作用についてお話しいただく予定にしております。また、今年度勉強したことの総まとめの会となりそうです。お楽しみに!
事務局:K
次回のご案内
令和4年3月8日(火)9:30-11:30
第10回 テーマは、
『告知についてA 〜告知によっておきる効果と副作用〜と、今年度の総まとめ 』
それでは参加された方からの感想が届いていますので紹介します。
○ 息子たちへの告知を先延ばしにしてしまっていて、以前から、時期や方法についてなど学びたいと思っていました。人との違いに気付いていて、でもやりようはあると思える支援を受けてきていること、生活が落ち着いていることなど、告知に向けての時期について、とてもよくわかりました。
また、告知の方法についても、先生から教えていただいたポイントと、吉田友子先生の本を参考にし、具体的な内容がなんとなく浮かんできています。
来月の告知についての続きのお話しを聞いた後、作っていこうと思っています。
○ 早めに診断を伝えてしまわずに、子供が知りたくなった時に、時間をとってゆっくり伝える事。子供の得意な事とかを理解させた上で困った事などを親身になって一緒に考える。両親の意見が一致していて、伝える事。親も子供も信頼できる人がいて相談にのってもらえる人がいる事・・・などなど、告知について大切なことがわかりました。
オミクロン奮闘記
オミクロンが猛威を振るった1月、その波は我が家へもやってきました。
「陽性」の2文字・・・。家族5人全員が濃厚接触者となり、自宅待機10日間生活が始まりました。
陽性者となった息子(小学生)と母は、別棟に隔離生活をしました。
姉・兄の食事は父親が作り、その3人も念のため別々に離れて食事をとりました。
お風呂は、3人が先に入り、母、陽性の息子の順に入り、換気をしました。
ゲームは1日おきに兄弟で交代にしよう!と、決め、交代するときは、念入りに消毒していました(笑)
1日の生活スタイルが崩れていったので、朝昼晩と自分の担当のお手伝いを決めて生活するようにしました。“何時からは運動”、“何時からは勉強”、“読書は一日何冊”、と決め、しなければならないことだけはして、あとは自由にしよう!と、話し合いました。
それでもなお、暇な時間は長かったですよ(笑)暇な時間を過ごすことって大変で、余暇活動って大事だなと身をもって感じました。
日中は人目が気になるので、外出できません。なので、母と中学生の姉は、夜になると運動不足を解消するために、1時間以上のウォーキングを毎日しました。
隔離生活の母と娘が会えるのはこの時間だけ。
中学生の姉は、休んでいる間の学校生活がとても心配になっていました。コロナの噂をされているんじゃないのか、久々に行ったら浦島太郎状態にならないだろうか、居場所はあるだろうか、など。誰とも話ができない環境で、悶々としていた娘にとって、母とのその時間がとても大切な時間になっていたように思います。
外だからたくさん話せるし、たくさん話を聞いてやりました。(笑)
隔離生活は終わっても、なお岡山県でも蔓延防止措置は続いており、土日の習い事がないので、暇な時間が続いています。
それでも兄弟で将棋をしたり、父親も加わりベイブレードをしたり、暇な時間を上手に過ごすことができるようになっているなと感じています。
コロナ以外でも、いつもとは違う日常に、突然なってしまうこともあります。
たとえば、停電になってゲームができなくなったら・・・とか。停電でもできることも含めて、自分で過ごせることをたくさん身につけさせておきたいなと思いました。
隔離生活・・・・思ったより長いです、みなさんも、感染予防に気を付けてくださいね。
(匿名希望)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先日はバレンタインデーでしたね。
私がバレンタインの存在を知ったのは、中学の頃でした(遅い)。
それまでは、「なんかチョコレートがあちこちで売り出す時期」と思っていて、ウハウハだぜと思っていたのですが、クラスの男子が「この時期って、チョコを男子がなかなか買えない」という話を聞いて、なぜかを確認して、そうなのか!と知り、流行りに乗りたくて好きな相手もいないのにチョコを買い、買ったからには誰かに渡したくて、適当な人に渡すというよく分からないことをしていました。
今から考えてみると、幼いころから人と自分は何か違うということは強く感じていたので、人と違うことをすることへの怖さがあって、だからこういう「皆やっている」ということをやりたくなるというのは、結構大人になってからもあったなぁと思います。
合コンとかバイトとか彼氏を作るとかも、自分がしたくてやっていたというよりは、「皆がやっているから自分も『やっておかねば』」というような「べき・ねば」論が自分の中には強くあったなぁとしみじみ思います。
そういえば、先日ASD女子あるあるで「面白くない時に、周りに合わせて笑うことがある」という話を聞いた時に、「あるある」と思ったのですが、テレビを見たりしていても、何が面白くてどこで皆が笑うのか分からないし、日常会話なんかその最たるもの。吉本新喜劇みたいに、皆がひっくり返ってくれたり、「ここ、笑うところやで」と話し手が言ってくれると分かりやすいんですが・・・(笑)。
そういえば、大学生ぐらい(20年ぐらい前かな)の時から、電波少年とかナイナイの番組とかで「字幕風」に笑いどころを大きく書いてくれるバラエティー番組が増えてきて、ありがたいなぁと思ったことを、よく覚えています。
「人と違ってもいいじゃないか」「人が面白いと思わないところで笑うのも、それはそれであり」
そう思えるためには、たぶん自己肯定感とか普段の「そのままで確かに大丈夫」経験が大事なのかもな、なんて思ったりもします。
そういう人に出会えるかどうかが、ASD当事者にとっては生命線かも!?と思う今日この頃です。
(ちゃーちゃん)
お母さんコラム
小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今月も、妹の話。
ますますASDとおませな5歳児のあわせ技に磨きがかかっているのですが、そんな娘も、「バレンタインデー」なるものの存在にときめきを感じるようになったようです。
去年は「パパとにぃにばっかりずるい!!娘ちゃんだってチョコほしいのに!!」と言っていたのが、今年は「パパとお兄ちゃん用に買ってあげなきゃだね」と言うようになりました。進歩!
あ、もちろん、自分用のチョコは、最初にちゃっかり母のカゴには入れておりましたが。
保育園ではコロナ禍ということもあり、「チョコレートは手作りも市販品も持ってきてはいけません」と言われたそうです。
事前にルールが決まっていることは律儀に守れるのも良い特性だなぁと思います。
そんな娘、隣の年長クラスに「保育園の中で一番かっこよくて、一番優しいから、一番好き!」な男の子Aくんがいるそうです。
「チョコレートは禁止されているけど、手紙とかは良いらしいよ」と言うと、「そうなん!?」と言って「うーん、でもなぁ・・・どうしようかなぁ・・・」と悩んでいます。
理由を聞くと、「今、コロナウイルスが流行っているから、他のクラスとか赤ちゃん組さんとかに遊びに行くのはダメだよって先生が言ってたんよ」「Aくんが同じクラスだったらよかったんだけど、隣のクラスだもん。無理だよ」と言います。
「朝の登園の時にあげたら?」と言うと「ダメ。娘ちゃんとAくんの登園時間が違うから」と言います。
「じゃあ、夕方の帰りにあげたら?」と言うと「無理。Aくんいつも早くお迎えくるから」と言います。
「それなら、先生に預けておいたら?」と言うと「恥ずかしいじゃん」「何書いたの?って絶対聞かれる」と恥じらいを見せます。
どうするんかなぁと思っていると、
「Bくんに渡すわ」と言い出しました。「え?なんで急にBくん?」と聞くと
「Bくんは、同じクラスだから渡しやすいし、BくんのこともAくんほどじゃないけど、まあまあ好きじゃから」「あと、いつもお手紙渡すと、鬼滅とかの紙でお返事くれるし♪」とのこと。
5歳にして打算と妥協と女っぽさを兼ね備えていることにびっくりしました。
そして、ルールに厳密だなところは、さすがASDだなぁとも思います。
このままだと、きっと「学校にお菓子を持ってくるのは禁止だから、一度帰宅してから、改めて自宅に届けに行ってきます」とか中高生になって言っていそうです。笑
先日、祖母がコロナウイルス予防接種3回目をしたことを、電話で母と祖母が話していて、私が「身体、お大事に」と言って電話を切ると、「ママ、『お大事に』って、なんで言ったの?」と尋ねてきました。
「ん?注射の後に熱が出たって話してたから、『身体、お大事に』って言ったのよ」と言うと、「なんで『お大事に』なの?」と聞いてきます。
「んー?『お大事に』って、どんな時に使う言葉だと思ってる?」と聞くと「○(娘)ちゃんは、あまり使わないんだけど、よく保育園では言われる」とのこと。
「どんな時に『お大事に』って言われるの?」と聞くと「おもちゃを片付けてるときとかに」。
「???どういうこと???」と確認すると、「おもちゃを『大事に』しないといけないから、投げて片付けたらダメとかって言われる」と答えています。
「おもちゃを、大事に」と「身体(を)、お大事に」どちらも「お・だ・い・じ・に」。
日本語って難しい!笑
書いて説明したところ「○(娘)ちゃんにも『お大事に』って言って!」と言います。
「なんで?」と聞くと「ママに『身体を大事にしてね』って○(娘)ちゃんも、いつも言ってもらいたいの!」とのこと。
体調が悪い相手限定のあいさつ文ってことは説明しましたが、日常なんとなく使っている言葉を説明するのってなかなか難しい!ですね。
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
1年の中で寒さが一番厳しいといわれる2月ですが、ぐんぐんぴっぴに通ってくる子どもたちはみんな元気いっぱいです。
冬の間は夏の雑草が嘘のようにすっきりしているぴっぴの庭で、子どもたちがかけっこをしたり、お絵かきをしたりする姿を見て、何だかこちらもにっこり笑顔にさせてもらっています。
1年があっという間に過ぎていくのを感じながら、今年度の療育も残り1ヶ月。休むことなく元気に通って来て欲しいと願うばかりです。
ぐんぐんぴっぴの療育は保護者同室の療育のため、保護者と一緒にお子さんの姿を観察し、ご家庭や園での様子など情報交換しながら、特性を踏まえてお子さんに合う関わり方や支援を考えることができます。
お子さんの得意なことや強み、苦手なことについて共有し、苦手なことにはどんな工夫や支援があるといいのかなどを、療育中のスタッフの関わり方を見てもらいながら、ご家庭でも実践できるように保護者と一緒に取り組んでいます。
子どもたちの成長は著しく、1年前はどうだったかなと振り返ると、取り組んだことは確実に伸びていると感じられると思います。
そんな中から、エピソードを1つ紹介します。
Aちゃんは、上手くいかないことがあると、大きな声で泣いたり、自分の頭をたたいたり、机をたたいたりと癇癪を起こしていました。
そんなときお母さんはAちゃんに「泣いたらダメよ!」「おこらない!」など声をかけますが、Aちゃんはなかなか落ち着くことができません。
癇癪の原因が推測できる時は、泣いているAちゃんの代わりにお母さんが手伝ってあげることでAちゃんは少しずつ落ち着いてきて、泣きながら「泣いたらダメよ!おこらない!」と繰り返していました。
療育でも、物が落ちた時や思うようにいかなかった時などに癇癪を起し、お母さんが拾ってあげたり、Aちゃんに確認しながらしてあげることで落ち着いていました。
ご家庭でも同じ様子が度々見られるそうで、お母さんもどうしてあげたら良いかわからず困っておられました。
療育の様子やご家庭での話から、Aちゃんは困った時に癇癪を起こすことで、結果的に大人に助けてもらって要求が叶ったり、嫌なことをしなくて済んだりした経験になっており、お母さんにとっては癇癪をやめさせようとしてとった行動が、Aちゃんにとっては"癇癪を起したら問題を解決できた"となってしまっていること、Aちゃんにとっての癇癪は、嫌なことがあったり、困っている時のサインであることをお母さんと確認しました。
そこでAちゃんの得意なことや有効な関わりをもとに、困った時にどのようにふるまえばいいのかをAちゃんに教えていくことにしました。
Aちゃんは、視覚的に示してあげると理解しやすく、体験したことやパターン的な学習からよく学ぶことができるお子さんです。
感覚的な過敏があるため、癇癪を起こした時は特に周りからの声かけが刺激になるため、声かけは極力少なく必要最小限にする方が良いことから、物を落とした時には、「泣いたら駄目よ、怒らない 」ではなく、「落ちたら、拾う」と落ち着いた声で教え、大人が拾うのではなくAちゃん本人に拾わせるように始めは大人が手を添えながら教えていきました。
次第に「落ちたら・・・..」と聞くだけで自分で拾うようになり、今では物が落ちても癇癪を起こすことはなく、落ちた物を探して自分で拾う姿が見られるようになってきました。
また、同時に援助要請を伝える練習も行い、上手くいかない時には、手伝ってカードを大人に差し出し「てつだって」と言うことを教えました。
こちらも、始めは机をたたき始めたら後ろからAちゃんの手を取り、「てつだって」と手伝ってカードを対面にいる大人に手渡すと手伝ってもらえ、うまくいったという経験を重ねました。療育だけでなくご家庭でも取り組まれ、癇癪を起こさず伝えてくる場面が増えてきたという嬉しい報告を受けることができました。
Aちゃんにとって「できない時は、てつだって」というフレーズがわかりやすく、療育でも「できない時は・・・」と聞くとカードを手渡したり、自発的に「てつだって」と言ってカードを手渡すことができるようになってきました。Aちゃんの得意な学習の仕方や有効な関わりもAちゃんの学びに繋がったことをお母さんとも確認しました。
時に癇癪を起こすこともありますが、困った時はどうしたらいいかを適切な手段を教えたことで、お母さんもどのように対応したらいいかわかり、ご家庭でも以前よりイライラが減ったということをお聞きし、一緒に取り組んできて良かったなと感じた瞬間でした。
これからもご家族の価値観や思いを大切にしながら保護者と一緒に考え、お子さん一人ひとりが、その子らしく輝けるようにお手伝いしていきたいなと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ:A
赤磐ぐんぐん (就学前)
今年度も 残すところ あと1ヶ月と少しとなりました。
今回のテーマは『サポートブックづくり』についてです。
赤磐ぐんぐんでは、年長のお子さんがいるご家庭を対象に、小学校入学にむけたサポートブック作りを提案しています。
まず保護者に向けた「小学校に向けての勉強会 サポートブックについて」の動画を見ていただき、サポートブックについての理解をしていただきます。
私も、赤磐ぐんぐんで仕事をするようになった最初にこの動画を見る機会をいただきました。
「サポートブック」という名前は前職でも耳にしたことはありましたが、実際に学んで目にしたのは初めてでした。サポートブックとは、小学校など新しい環境で過ごすにあって、新しい支援者に知っておいてほしい本人に関する様々な情報(特性や接し方、支援の方法など)を家族がまとめた手作りの冊子です。
サポートブックをお渡しすることによって、初めての場所や初対面の人とでもお子さんが安心して楽しく過ごすための助けになってもらえたらという親の願いを込めたものです。
つまり、「支援してもらう本人の安心」「新しい支援者(担任の先生など)が関わり方を知れて安心」そして「お願いする立場の家族が安心」するためのものだそうです。
動画を見て感じた感想としては、「サポートブックを書くことで、子ども自身のことが整理でき、どんな支援が本人にとって有効であるかをつかむことができるのか」「それを人に伝えることで、支援が広がり、子どもたちの成長にも繋がるんだ!」と感じました。サポートブックってすごい!と感じました。
次に、その学びを元に、サポートブックの記入例を実際に手にとっていくつか見ていただき、お母さんが書きたいと思うものを選んでもらっています。
サポートブックの形も内容も様々です。一枚に集約したもの・取り扱い説明のように冊子風になっているもの・該当する項目にチェックしていくもの・具体的な写真などを入れて、イメージがわきやすいようにしている支援アイディアブックなど様々なものがあります。
「先生が手に取ってくれそうなものはどれかな?」
「自分が無理なく取り組めて書きやすそうなのはどれかな?」
「あ、ここの項目はヒントとして使えそう」など、色々ご家族と一緒に相談しながら考えていきます。
その次は、選んだものの中から記入例を参考に、お子さんについてご家族が具体的に記入してくださいます。
「〇〇の時には〇〇になる」など、ご家族が気付かれているお子さんの特性について、「そうなる原因はどんなことですか?」「そういう時はそっとしておく方がいいですか? それとも共感的に関わって話を聞く方が早く落ち着きますか?」など、質問を投げかけ、それについてご家族の考えや「いつもこういうパターンの時にそうなるかも」など気づきがあれば、それをまた付け加えていただき、どんどん改良を重ねていきます。
療育の中で起きた出来事や連絡帳からのお話などからも、「このエピソードは、サポートブックに入れるといいかもね」「今の支援は、とても本人に合っているから、これをサポートブックに入れておくと担任の先生も取り入れやすいかもですね」など、ご家族と一緒に振り返りながら、作成していきます。
2月の保護者座談会は「家庭での取り組み」がテーマでしたので、サポートブックを作ってみた感想をご家族から聞く機会がありました。
「0から1を生み出すのがこんなに大変だなんて、最初は思わなかった」
「自分の子どものことなのに、人に説明するために書くというのはとても難しかった」
「上の子がいないから、なかなか学校生活でのことをイメージしづらかった」
「わが子に必要な支援を整理できた」
「家でも、改めて色々取り組んでみようかなという気持ちになれた」
「親の想いを書くことで、本人なりに精一杯頑張っていることを伝えていきたい」
「先生たちが『なんでこの子こんなことするの?』と思いそうなことを事前にお伝えしておくことで、誤解されずに過ごせたらいいな」
など、たくさんのご意見がありました。
また、同じ年長のご家族同士、サポートブックを見せあうこともでき、「ここがいいね」「なるほど、こういう表現の仕方にしたらいいのか」「写真やっぱり入れようかな」など、また刺激をもらいあえた様子もうかがえました。
サポートブック作成は、決して簡単なことではありません。
作成を通して、お子さんのこれまでの成長や伸びてきていること・そしてサポートが必要なのはどんなことでどんな支援があれば安心なのかなど、改めて整理するきっかけになれば嬉しいなと思います。
私は前職で保育園やこども園の現場で働いてきた経験があります。
園では幼少期から一緒に過ごしてくる中で、自分なりにその子のことを知り、自分なりにこの子はこういうタイプの子で、こう関わればいいよなと解釈して過ごしてくることがほとんどでした。
しかし、ASDの学習スタイルや一人一人に合わせた支援の大切さ・サポートブックというご家族の愛情いっぱいのものを知った今・・・。
園で働いていたあの頃、もっとご家族と一緒に本人理解を深めていたら、もっともっと一人一人合わせた関わりができたのではないかな・・・。
あの頃、こういう話を聞けていたらなぁ…と、今感じています。
ご家族方が一生懸命愛情をこめて仕上げたサポートブックやサポートシート。
これを仕上げるのにどれくらいお子さんのことを見つめ、考え、悩んでこられたことでしょう。
改めて仕上げに向かってご持参いただくサポートブックを見せていただきながら、その並大抵ではない努力の数々とお子さんの成長している姿に胸が熱くなる想いがします。
そんなご家族の想いのつまったサポートブックを、小学校の先生にも手にとっていただき、4月には、良いスタートがきれるといいなと願っています。
今年度ももう少しです。療育でも、後期の個別支援計画まとめの時期となりました。
私たちなりに、精一杯の愛情をこめて、お子さん一人一人のまとめレポート作成中です。
どうぞお楽しみに!
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:Y
ぐんぐんキッズ (小1〜)
年が明けて、あっという間に2月になりました。そしてもう2月も終わり3月になります。
毎年思いますが、1月2月は本当にあっという間に過ぎていきます・・・。
3月は学年が終わるとき、そして4月に向けての準備も必要になってくる時期ですね。忙しい日々は続きます。
これはいつも思ってることですが。体調が整ってることは、よいパフォーマンスを出すためにはとても大事なことです!体調管理をしっかりして過ごしていきましょう!
今回は、コミュニケーションの取り組み、PECSのその後についてご紹介したいと思います^^
(PECSとは、絵カード交換式コミュニケーションシステムのことです。詳しく知りたい方は、ピラミッド教育アプローチのホームページをご覧ください。定期的にオンラインのワークショップも開催されています!)
6月の会報で、先生と勉強の場面以外でのコメント練習についてご紹介しました。
壁に貼ってあるアンパンマンのイラストを指さして「何が見える?」と聞いて、キョトンとして少し戸惑っている様子だったので、PECSブックを指差しプロンプトすると、ブックからカードをはがして、“アンパンマン みえる”と文章を構成し、センテンスバーを先生に渡しながら「アンパンマン、みえます!」と伝えることができました^^
そんな様子をご報告した6月号の会報でした。
PECSのレッスンは、はじめから般化を意識して取り組むことが大事ですよ、と、ワークショップの中でも講師の先生から説明がありますが、マニュアルにももちろんそのことは書かれています。
先生とワークの場面だけの取り組みだと、パターン的になってしまうということを実感しています。
次はこれを聞いてくるんじゃないの?と、判断して、まだイラストを見せてもいないのに文章を構成したり。1回聞いたものを、もう1回聞いてみると、“それは1回やったでしょ!”と言わんばかりに、その絵を手で払いのけてこようとする様子が見られたり・・・。
これはコミュニケーションスキルを伸ばす取り組みであって、課題ではありません。だからこそ、般化の要素を意識して、計画的に取り組むことがとても大事なことだなと思っています。
机上の学習だけでは難しいことです。
機能的な活動の中でコミュニケーションのレッスンが組み込めるようにと考え、活動の中に“さんぽ ”を取り入れてみました。
まずは、このスケジュールカードが意味する活動が何かを理解してもらうために、短いコースからの“さんぽ”をはじめました。
“さんぽ”をしながら、手をつないで歩く、車が来たら、「とまって」の声掛けで止まることができる、いろんなスキルを教えることを組み込むこともできます。
“さんぽ”もスムーズに行けるようになってからコメントの練習を始めました。
コミュニケーションブックはコメント用に別のものを用意していきました。
ぐんぐんキッズの周りの“さんぽコース”にはどんなものがあるのかな?
“さんぽ”をしながらまずは情報収集。お花、車、畑に大根が植えられているのも発見しました。小さな池があるのですが、そこにお魚がいたらと思いましたが残念、魚はいませんでした、、、。
さんぽしながら、立ち止まり、指さして、「何が見える?」と聞くと、“花・みえる” “くるま・見える” “だいこん・みえる”と、文構成をして伝えてくれます。
ここでもやはりパターンにはならないように、コメントに使えそうな要素をたくさん見つけていきたいなと思っています。
“だいこん、みえる”、と、上手にコメントをしてくれたお子さんでしたが、そのあとすぐ、大根に近寄っていくということがありました。
大根を抜こうとしたのかな?と思ったので、「ダメだよ」、と伝えて、次のスケジュールを見せて、さんぽが終わってお部屋に帰ることを伝えました。
そうするとそのお子さんは、大根に近づくことをやめて、また歩きはじめ、ぐんぐんキッズの部屋まで帰ることができました。
後でお母さんにお話を聞いてみると、家の畑で大根を抜いた経験があったとのことでした。
コメント用のブックを持って行ったので、“みえる”の動詞カードしか貼っていませんでした。もし、“ください”の動詞カードも貼ってたら?違う表出コミュニケーションをとったかもしれません。
そして、それはだめだよ、という指示の理解と、次にどうするかを伝えるすべがなかったら、こちらが伝えたいことを理解してもらうことが難しかったかもしれません。
コミュニケーションは表出と理解、どちらともがとても大事だということを実感する出来事でした。コミュニケーションは、表出と理解、どちらか一方にかたよっていてはいけません。
機能的な活動のなかで、今後もコミュニケーションスキルを伸ばす取り組みをしていきたいと思います。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ:K
グループホーム寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、無事「すてっぷ 1」が完成間近となりました。
ご支援、本当にありがとうございます。
【 「すてっぷ 1」へのご寄附をいただいたみなさま 】 (4.1.26〜4.2.25)
○ U.T 様(岡山市)
○ Y.T 様(千葉県)
○ M.T 様(赤磐市)
4月から、入居者の方の新しい暮らしがいよいよ始まります。
会報でもご報告していきますが、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。