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令和 4年 3月31日
第287号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
287号 目次
「すてっぷ 1」開所式
即実践講座・夜間連続講座・自閉症基礎講座・支援ツール勉強会 報告とお知らせ
フリーマーケット・グループホーム開所式・おやじの会 山のぼり の お知らせ
キッズルーム・スポーツデイ・はやぶさの会 の お知らせ
アイリスの会・水泳教室・OHAの会 の 報告とお知らせ
ちゃーちゃん日記
お母さんコラム
私のお薦め本コーナー
「僕が手に入れた 発達障害という止まり木」
ぐんぐんだより
グループホーム寄付のお礼とお願い
柔らかな日差しに包まれた赤磐市の春、桜も満開の刻を迎えました。
周囲を山に囲まれた赤磐市は、岡山市よりも3〜4日、桜の開花が遅れます。
桜は淡いピンク色、赤磐市の特産である桃が、桜よりも濃いピンクの花を咲かせています。優しい色の花たちが競って咲いているようです。
そんな春を迎えた赤磐市熊崎の育てる会のグループホームでは、3月30日に、新しいグループホーム「すてっぷ 1」の開所式を行いました。
新しいグループホームは、「ほっぷ 1」と同じ敷地内に建てました。駐車場が手狭になった為、開所式はすぐ近くの赤磐市山陽総合福祉センターの研修室をお借りしておこないました。当日は赤磐市保健福祉部のT部長様をはじめ赤磐市内の事業所から来賓の方のご参加をいただき、アットホームな開所式を執り行うことが出来ました。
私たちは、県内初の自閉症の人に特化したグループホームとして6年前に「ほっぷ 1」を開所しました。
ホップ・ステップ・ジャンプという風に自立度を高めるための取り組みをして、グループホームから地域の民間アパートへ移行していこうという形の自立訓練タイプのグループホームです。今回は、自立度の2段階目の「すてっぷ 1」への移行です。
当日は、お天気も良くて、まるで6人の入居者達の門出を祝福してくれているようでした。
お仕事のために欠席した2人を除いて、スーツで正装して、式に臨んだ彼らでした。
当日は、地元のテレビ局RSK放送も取材に来てくださって、夕方のニュースで私たちの取り組みの紹介をしてくださいました。
RSKさんは、6年前、「ほっぷ 1」が開所した頃にも何度も取材してくださって、多くの方に知っていただくきっかけを作ってくださいました。
開所式の様子は、正会員限定のユーチューブで配信していますのでご覧ください。
6年という歳月は、彼らをここまで成長させたんだと思うと、感慨深いモノがあります。
昔の映像と並べてみると、なおさらそれを感じます。
親から離れることの不安と、親も子を手放すことに不安に感じたあの6年前ですが、やっぱり私たちの選択は間違っていなかったなと、二つの映像を見比べて感じさせられました。
開所式では、私たちが普段どんな支援をしているかを、映像を通して参加いただいた皆様に見ていただきました。
一人ひとりの成長は著しく、親元で暮していては身につかなかったであろうコミュニケーションの力もたくさん身につけました。身辺自立や生活スキルも格段にアップしています。
親は障害を持つ子と暮らしていると、知らず知らずのうちに世話を焼いてしまいますね。
そういう暮らしを長く送っていくと、本来なら自立に向けて育っていくはずの子ども本来の伸びていく力を伸ばせないまま、彼らの力をそいでしまっているかもしれません。
障害があっても、出来るだけ子どもは親元を早く離れて、独立していくべきと思うのですが、どうでしょう?
でも、行く先がなければそうも行きません。それで作った育てる会のグループホーム「ほっぷ 1」と「すてっぷ 1」です。
親から離れるときの不安より、親から離れる開放感を、子どもたちに味合わせてあげたい・・・。
そんな風に思う私は、若い頃18歳で実家を出て、下宿生活を始めたのを懐かしく思い出しました。親からの束縛からの開放感は、最高でした。
子は、遅れに遅れて、28歳でグループホームに入りました。
入って一週間ほど経って聞いてみました。
私「哲平、家とほっぷ1とどっちが好きですか?」
哲「ほっぷ1!」
と間髪をいれず即答されてしまいました。
それで他の子にも聞いてみたところ、6人中5人が、「ほっぷ1!」と答えてくれました。やっぱり息子にとっても、親からの開放感が一番だったと思うのですよ。
そんな息子たちも、6年が過ぎて「ほっぷ 1」を卒業しました。
彼らの後を受けて、「ほっぷ 1」には早速4月1日から入居している人たちがいます。
現在合わせて10人の人が、利用中です。「ほっぷ 1」では、支援を再び一から考えて頑張ってやっていかねばなりません。楽しくもあり、大変でもありますが、スタッフと一緒に知恵出し合って頑張りましょう。
すてっぷ1の開所式に続いて、国連の定めた「世界自閉症啓発デー」のイベントがありました。4月2日には、自閉症の人たちのことを知って欲しいと言うことで、世界中で同時に自閉症の啓発を行います。備中国分寺のライトアップが、岡山では有名ですね。また日本では、4月2日から8日までが「発達障害啓発週間」となっています。
私たち自閉症児を育てる会でも今年は大きな企画を考えました。
一つはいつも通り、自閉症の啓発のため、地元のスーパーでチラシ配りをしています。
ちょうど春休みで、会員のお子さんが、3人参加してくれました。啓発活動では、「開所式の映像を見ましたよ」と言ってくださった方もいて、テレビの影響力の大きさに驚きました。
やっぱり、啓発は大切ですね。色んな人たちにあの子達のこと知って欲しいと思います。
もう一つの企画は、地域への啓発をかねて、フリーマーケットを開催することでした。
育てる会の中庭を使って、出展者は、応募を募ってやりました。
コロナが一段落している間に、何か楽しい行事が出来ないかと、色々考えてくれる事務局の若いメンバーたちが頑張って企画してくれた行事です。
たくさんの子どもたちが通ってくれている「ぐんぐんグループ」のお子さんたちにも、フリーマーケットのお知らせを渡していたので、来場者は、100人以上・・・。多くの地域の方も来てくださったようで、楽しい会になりました。
それぞれ、「我が家ではいらないけれど、必要な人がいたら買って欲しい」、と思うおもちゃや日用品・本など、たくさんの商品を並べて、買い手を待ちました。我が家も断捨離した食器や日用品、哲平のさおり織りなど、たくさん用意して、思った以上に売れました。
必要な人に、お安くおわけして、喜んでもらえて最高な日でした。また来年もしたいですね。
間に行ったビンゴゲームでは、アイロンやバスマット、などたくさんの商品が育てる会からプレゼントされました。
また、最後には、お菓子投げをIPUの学生さんに協力いただいて行いました。大勢の参加者で賑やかな会になりました。
前日は雨が降っていて心配だったのですが、当日はお天気もよくて、あたたかで、風もない春の一日でした。
色んな楽しい企画満載の育てる会って、最高でしょう?
事務局の若手たちが色々考えてくれるので、私も楽できるようになり、出品者として参加しました。しかも売上金4000円もありました。これは、グループホームに寄付しておきましょうね。
さて、今回の会報は、前述した通りの色んな行事のために遅れてしまいました。
申し訳ありません。今年度は、またまた、楽しい企画が山盛りの育てる会です。
まず講演会は、以下の通り予定しています。
5月21日、寺尾孝士先生による、知的障害の重い自閉症の人たちへの支援
7月 9日、門眞一郎先生による、学校でやるべきコミュニケーション支援
9月17日、浮貝明典氏による、グループホームからひとり暮らしへのお話
1月14日、中谷正恵氏・上村和子氏による、自閉症児者の余暇支援について
3月18日、小田桐早苗先生による、ASD児の友達づくりについて
いずれも、土曜日にZoomにて開催の予定です。
続いて、即実践講座を二つ
○ 梅永雄二先生プロデュースによる、「大人になって幸せになるために」(岡山)
○ 村松陽子先生による、「発達障害支援 知っておきたい基礎知識」(赤磐)
いずれも、連続10回の夜間講座でZoom開催です。
続いては、会員対象に
○ 澤月子先生による、「支援ツール勉強会」
○ 重松孝治先生による、「自閉症、基本の“き”」
○ 高橋和子先生による、「OHAの会」
「勉強するなら育てる会」のキャッチフレーズで、会員を募集中です。
どうぞ、よろしくお願いしますね。
これらすべて事務局案です。総会を経て正式決定しますので、ご意見のある方はお寄せくださいね。
総会日程は、正会員の方には案内を同封しています。
今年も忙しい育てる会ですが、事務局の元気な若手が頑張ってくれているので、少しゆっくり出来るようになりました。
今年もよろしくお願いしますね。頑張っていきたいと思います。
(鳥羽美千子)
令和3年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
香川大学教育学部 教授の坂井聡先生による「現場でのコミュニケーションと支援技術」の即実践講座が終了しました。
坂井先生、1年間ありがとうございました。
この1年間、自閉症児とのコミュニケーションの必要性、大切さを改めて学ばさせていただきました。
コミュニケーションサンプルをとることにより、言葉に出せなくても子ども達は多くのことを伝えようとしていること、またそれをうまく発信させるためのアシストガイドやAACの使い方など、自閉症児・者が“楽に”くらしていくために支援者が実践できること・・・楽しい講義の中で、身につけさせていただきました。
令和3年度の講座は終了しましたが、最後の講義「新たな時代」の中での最新の支援技術についてのお話を、また数年後にはお願いしたいと思っております。その節にはよろしくお願いいたします。
それでは、第10回「まとめと今後に向けて 〜新たな時代に向けて〜」に参加された方からの、1年間を振り返ってのアンケートを紹介します。
○ 講義を受けてもう1年が経とうとしていることに非常に驚きを感じます。この1年間の講義を通して、非常に視点が広がったと感じます。特に、子どもたちの行動に対して共感すること、問題行動と捉えられていた行動もコミュニケーションの一つだということ、そして有効的な環境設定や声掛けの仕方に関して、行動が変わった・学びが深まったと感じます。できて当たり前という固定観念に囚われず、まずは自分たち周囲が変わること、ここを強く意識して、今後の支援に当たってまいりたいと思います。
1年間お忙しい中本当にありがとうございました。
○ 毎回、坂井先生のお話を聞いていると、「しょうがいとは?」という視点から「自分がしょうがいになっていないだろうか?」という振りかえりの機会をいただいているような気持ちになります。子どもたちに無理をさせるのでなく、周囲の理解や支援を考えながら日々を重ねることの大切さを感じています。1年間、貴重なお話をありがとうございました。毎回、あっという間に時間が過ぎていき、たくさんのことを学ばせていただいたり、自分の支援について考えさせられたりしました。 坂井先生のお話を聴いていると、毎回、前向きな気持ちになり、「よし、明日やってみよう!」と思えました。うまくないこともありましたが、いろいろな経験をすることができてよかったです。
また、コミュニケーションの記録をとって、アドバイスをしていただきました。あれから、絵カードを使ったり、紙に絵を描いてお話したりしています。 まだまだ十分ではないのですが、これからも、児童とのコミュニケーションを楽しんでいきたいと思います。たくさんの学びをありがとうございました。これからの支援に活かしていきたいと思います。
○ 目からウロコがたくさんありました。最近は誰のために支援をしているのかと働く中で悩むことがある中で、坂井先生の講座を受けることで、学びを得るだけでなく元気を貰えました。仕事を楽しく出来るようなモチベーションアップになり、月1回の栄養補給のようなものになりました。ありがとうございました。
令和4年度 支援者対象
現場の先生のための即実践講座
今年も5月から、育てる会の即実践講座が始まります。
今年度は、早稲田大学教授の梅永雄二先生にプロデュースをお願いして、これからの日本の自閉症支援を担っていく、若手の研究者・実践家の方を集めていただきました。
新進気鋭のチーム編成です。梅永先生にも講義や毎回のプロデュースをお願いしています。
令和4年度 現場の先生のための即実践講座:梅永雄二先生 他
【 大人になって幸せになるために 〜ここから始まる自閉症支援〜 】
第1回 5/12(木) 自閉症の特性理解と支援の基本 梅永雄ニ先生
第2回 6/16(木) TEACCH Autism Programによる自閉症支援 加藤健生先生
第3回 7/28(木) 学校現場における構造化による支援 宮野雄太先生
第4回 9/29(木) 学校現場におけるライフスキル指導 宮野雄太先生
第5回 10/20(木) 知的障害を伴う成人期自閉症者の構造化による支援 加藤健生先生
第6回 11/10(木) 知的障害を伴わない成人期自閉症者の就労支援 縄岡好晴先生
第7回 12/ 8(木) 知的障害を伴わない成人期自閉症者の就労支援 縄岡好晴先生
第8回 1/12(木) 発達障害者に対する自動車教習所における支援 高橋 幾先生
第9回 2/16(木) TTAP・BWAPを参考にしたアセスメントについて 高橋 幾先生
第10回 3/ 9(木) 大人になって幸せになるために 梅永雄ニ先生
※ テーマ・講師紹介等は一部省略しています。詳しくはコチラをご覧ください。
場所と時間:オンライン(Zoom使用)開催 19:00〜21:00
参加費:全10回 一般 23000円、賛助会員 20000円(保護者対象ではありません)
当日都合のつかなかった方には後日期間限定見逃し配信があります。
また、全回無欠席の方には梅永先生からの修了証の授与もあります。
(なお、資料については、案内のデータからダウンロードしていただくか、セブンイレブンでの印刷をお願いしています。)
令和 3 年度 支援者向け
発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和3年度の赤磐市と共同主催による、重松孝治先生による「発達障害夜間連続講座」も3月24日(木)で終了いたしました。
令和3年度は、重松先生には支援者対象講座と保護者対象講座の両方をお願いして、大変無理をおかけしました。ありがとうございました。
令和4年度も、引き続き保護者対象講座はよろしくお願いいたします。
地元赤磐市に、発達障害への理解と支援の輪を広げたいと願って始めた夜間連続講座です。
令和3年度も100名以上の赤磐市の在住・在勤の方が参加していただきました。重松先生の軽妙でわかりやすいお話で、初めて自閉症児の担任になった先生、放課後等デイや通所事業所で、発達障害児・者の支援を担当することになったみなさんには参考になることも多かったのではないでしょうか。
感想の中にもありましたが、同じ職場で一人だけで受講するだけでなく、複数の方が同じように障害の特性理解を深めることが、その現場にいる自閉症児・者が安定して暮らしていくことにつながると思います。その点で、重松先生のお話は、初心者の方からベテランの方まで、わかりやすくて、それでいて即実践につながるお話だったと思います。
重松先生、1年間ありがとうございました。
それでは、第10回「育ちに応じた支援の展開 〜豊かな育ちと一貫性を持った支援のために〜」に参加された方からの、1年間受講してのアンケートの一部を紹介します。
○ 今年度から発達障害を持った子どもたちがいるクラス担任になりました。支援をすることも初めてで、右も左も分からない中、手探り状態でした。何をしたら良いのか、何をすべきなのか、、悩むことも多かったですが、重松先生の研修を受けさせていただき、即!実践をすることができていきました。もちろん自分が完璧、もう理解したとは思いません。ですが、この10回講座を受け、少しずつ日々の保育で実践していくと、クラスの子どもたちが、私の話や、やり方についてきてくれているいことが身にしみて感じるようになってきたとき、本当に嬉しく、またもっと自分の知識として深めていきたいと感じました。
○ 申し込む前は,「仕事から戻れるかな。」と心配していましたが,Zoomがあることが張り合いになり特別な日のために,計画的に過ごせました。(前の数日ですが)本当に毎回とても楽しみで講座に申し込んでよかったと思いました。自閉症のことは学んで分かった気になっても,また,分からないことができてきて,いくら勉強しても足りないなあと思いました。今度は,このような講座を職場の方々一緒に聞いて共有することができたらと思いました。ありがとうございました。
○ 来所するこどもたちへの接し方、療育の方法、保護者の方との関わり方、同僚への声かけ、すべてにおいて意識が変わりました。同僚たちも、どう勉強したらよいのか知らないだけで、機会を持たなかっただけで、きっかけがあれば聞く耳のある人たちばかりでした。この講座で印象に残ったこと、現場で間違った対応をしていること、その都度伝えてきました。この1年学んだことを改めて確認して、来年度も現場での療育にいかしたいと思っています!ありがとうございました。
○ 毎月、楽しみに受講してきたので、昨日は大好きな連続ドラマが終わってしまうような寂しい気持ちになりました。でも、重松先生にも運営してくださったスタッフの方にも感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
令和4年度 支援者向け
発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和4年度も、赤磐市よりの共催をいただき、支援者向けの夜間連続講座が開催できることになりました。赤磐市の発達障害児・者への支援の熱意に感謝です。
今年度は、京都市発達障害者支援センター「かがやき」のセンター長を務められている、児童精神科医の村松陽子先生に講師をお願いいたしました。
4年度もコロナの影響を考えZOOMでの開催といたしましたので、全国からの受講者もお受けできます。村松先生の岡山での連続講座は初めてだと思いまので、この貴重な講座をお見逃しなく、大勢のみなさまの参加をお待ちしています。
令和4年度支援者向け 赤磐市 発達障害支援 夜間連続講座:村松 陽子 先生
【発達障害支援 知っておきたい基礎知識 〜今、支援者の方に伝えておきたいこと〜】
第1回 6月 2日(火) 発達障害の人への支援〜特性に気づき,理解し,支援する @
第2回 7月19日(火) 発達障害の人への支援〜特性に気づき,理解し,支援する A
第3回 8月23日(火) 構造化された環境づくり
第4回 9月27日(火) コミュニケーションの支援
第5回 10月18日(火) アセスメント(評価)について
第6回 11月22日(火) 発達障害の「問題行動」と併存しやすい問題
第7回 12月20日(火) TEACCHについて
第8回 1月17日(火) 診断の告知と自己認知
第9回 2月21日(火) 薬物療法,医療受診など医療での支援
第10回 3月21日(火祝) ライフステージに合わせた支援
※ 詳しくは同封のチラシをご覧ください。
場所と時間:オンライン(Zoom使用)開催 19:00〜21:00
参加費:赤磐市在住の方 7000円(全10回分 資料代)、
市外の方 一般 20000円、賛助会員17000円(全10回分 資料代含む)
当日都合のつかなかった方には後日期間限定見逃し配信があります。
また、全回無欠席の方には村松先生からの修了証の授与もあります。
こちらも支援者対象で、保護者対象ではないので、よろしくお願いします。
令和4年度 育てる会総会 のお知らせ
令和4年度の育てる会総会のご案内です。
【総会】 日 時:令和4年5月25日(水) 11:00〜12:00
場 所:オンライン開催(赤磐市和田194-1 育てる会 事務局)
正会員の方には、議事次第と出欠連絡票および委任状を同封していますので、返信をよろしくお願いします。
なお経費の面からは、メールでの返信が一番ありがたいので、よろしくお願いします!
令和4年度 育てる会 活動予定
今年度も、育てる会の活動についてアンケートを実施しましたが、現在行なっている活動については継続希望の方が多かったので、原則全て継続して実施することにいたしました。
代表の巻頭文にもありましたが、改めて列挙しておきます。
○ 育てる会 自閉症啓発セミナー 寺尾 孝士 先生 他(年5回)【新】
○ 保護者向け自閉症基礎講座「基本のき」 重松 孝治 先生
○ 保護者向け支援ツール勉強会 澤 月子 先生
○ OHAの会 高橋 和子 先生【新】
○ 支援者向け 即実践講座 梅永 雄二 先生 他【新】
○ 支援者向け 赤磐市夜間連続講座 村松 陽子 先生【新】
○ キッズルーム・クリスマス会・木工教室・水泳教室・AAO活動・はやぶさの会・サッカースポーツクラブ・山登りの会・さをり織り教室 など
○ アイリスの会は座談会から、事業所見学に内容が変更となる予定です
すてっぷ 1 開所式 の ご報告
代表の巻頭文にもある通り、3月30日(水)、赤磐市山陽総合福祉センターの会場をお借りして「すてっぷ 1」の開所式を行ないました。
式では、代表の挨拶のあと、祝辞や家族の方の謝辞、入所者の方から一言・・と滞りなく進行していきましたが、中でも入居者代表のNさんの話は、もう立派な社会人、“さすが”という印象でした。
その後、グループホームでの生活を知っていただきたいと、「ほっぷ 1」で撮影されたみんなの様子をビデオに編集して流しました。
グループホームといっても、運営する事業者の方針によって、生活の様子は千差万別だと思います。
育てる会のグループホームは、将来の街の中での一人暮らしを目指して、自立のスキルを学んでいくという方針なので、ビデオの内容も、手洗いやうがいなどのライフスキルから始まり、風呂掃除やトイレ掃除、洗濯などスモールステップの学習の映像となっています。
もちろん、それぞれ余暇を楽しんでいる様子も撮影しています。30分ほどに編集していますので、興味のある方は事務局に連絡してください。
式のあと、満開に近くなった桜並木の丘を下り、「すてっぷ 1」の内見会に向かいました。
各部屋に、バス・トイレ・IHコンロのミニキッチン、ロフトやウォークインクローゼットまでついているワンルーム型グループホームです。
指紋認証の玄関ドアを開け、さらに各部屋のドアを開けてもらって、部屋に入ったみなさんの感想、異口同音に「うわー、広いな」「いいなー」・・・ロフトがあるので、天井までが高くて開放感があります。
親を含めて、みんなが住みたくなるような部屋を目指して設計してもらいました。
すでに家具を運び込んでいる部屋もあり、いよいよ新生活が始まるという感じです。見て回っているうちに、同じ造作なのに、各部屋印象が変わっているということに気づかれた方が出始めました。
そうです、それぞれの部屋の壁紙やパネルなどは、入居される方が、親御さんと相談しながら、自分で決めたものです。
「自分の部屋」という思いを大切にしてほしいと願ったからです。
ワンルーム型にしたので、これからは風呂もトイレも順番を待たずに、自分の好きな時に使えます。食事は「ほっぷ 1」の頃から自分の都合の良い時間に、それぞれ食べています。
一人暮らしに一歩近づいたといえるでしょう。ただ、金銭管理や体調管理、訪問者との接し方など、学ぶことは多いです。
まだ、始まったばかりの「すてっぷ 1」の暮らし、みんな多いに楽しんでいます。
式や内見会の様子は、その日のRSKテレビのニュースで放映されました。
式の中での代表挨拶、「育てる会は“ないものは作っていけばいい”のモットーでやってきました」、力強く岡山県下に流れて、誇らしかった1日となりました。
キッズルーム の ご報告
令和4年3月26日(土)、今年最後のキッズルームを現地(岡山大学 体育館)で開催することができました。
思えば、2年前から新型コロナの何度も打ち寄せる波に襲われ、現地で集まることも叶わず・・・
オンラインでの開催も行なってきたのですが、やっぱりキッズルームは走り回って、リトミックをしたり、人形劇を観たり、スカイバルーンが醍醐味ですので、なんとか今年は開催したいと願い、最終月ですがすべりこみで開催できて良かったです。
集まった子ども達、“コロナなんて、知ぃ〜〜らない!”と元気いっぱい(マスクはつけてですが(^_^;)・・)楽しんでいました。
人形劇の代わる「読み聞かせ」の時には、真剣に聞き入っていましたし、
育てる会の行事では恒例(?)になった最後の「お菓子投げ」では、歓声を挙げて受け取っていました。
今年で卒業される、児童文化部の学生さんとは、最後のお別れもできて、本当に開催できて良かったキッズルームでした。
また、来年度も開催予定ですので(オミクロンに続く、第7波が来ないことを祈っています)、楽しみにお待ちください。
アイリス&おやじの会コラボ 報告
先輩のお母さん、お父さんの体験談をお聴きしながら、自閉症児の子育てについて、みんなが気軽に話し合える座談会、アイリスの会です。
3月19日(土)夜におやじの会コラボ企画でアイリスの会が開催されました。
今回は、知的障害の成人された男のお子さんと、高機能自閉症の男の中学生のお子さんをお持ちの先輩お父さんにお話しいただきました。
おやじの会コラボ企画ということで、ZOOM飲み会も兼ねて行いました。お父さんとしての視点でお話が聞けて、おやじの会メンバーにも響くものがあったと思います。
夫婦が同じ想いで、協力して育ててこられたんだなと感じました。
また、子育てを楽しんで、幸せに感じられているからこそ、立派に育っておられるんだなと感じました。成長を楽しんで育てることって大事だなって思いました。
3月24日(木)には、録画したものを、夜に参加できなかったお母さんたちで見てお母さんたちでZOOM座談会も開きました。
熊本にお引越しされてからも、ZOOMがあることでこうやって繋がれることをうれしく思います。コロナ禍にもよかった!と思えることがこうやってありますよね!
先輩お母さんお父さんのお話を聞くことができるアイリスの会、1年半にわたり18回お届けをしました。
子育てを頑張って来られた先輩から、たくさんのヒントがいただけました。お話しいただいた先輩方、ありがとうございました。
アイリスの会、しばらくの間お休みをいただきますが、また機会を作って、みなさんにお届けできたらいいなと思っています。それでは、また!
(事務局 K)
【令和4年度 (新)アイリスの会 について】
これまでの、「先輩のお母さんやお父さんを囲んで、子育て体験談をお聴きする」という座談会形式のアイリスの会は、ここで一旦中断して、令和4年度はその先輩のお子さん達が成人して、実際に働いておられる現場を見せていただこう! という計画を練っています。
視覚優位は、自閉症児たちの特性だけでなく、私たち親にとっても「百聞は一見にしかず」で、働く大人になるためには・・・という視点から見学会で学んでいこうと思っています。
ただ、コロナの推移がまだ見通せないため、職場見学はまだ難しいという現状です。予定が決まりましたら、改めて会報でご案内させていただきます。しばらくお待ちください。
水泳教室 の お知らせ
日 時:令和4年4月17日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は4月14日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当: I & S)
水泳教室 の お知らせ
OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
3月8日(火)に、今年度最終回のOHAの会をZoomで開催しました。
テーマは、『告知についてAと1年の総まとめ 』でした!!
告知がもたらす効果や副作用と、1年間の総まとめを丁寧にお話しいただきました。1年間で、こんなことも学んだなーとか、これやってみたなーとか思い返しながら、聞くことができたのかなと思います。
今年度最後ということで、参加していただいた方には、先生への想いや質問などもしていただけて、OHAの会らしいアットホームな時間を過ごすことができました。
先生のご都合等により、今回を持ちまして、利守先生のOHAの会は、一時休止に入ります。
利守先生との繋がりは、是非またみなさんにお届けできたらなという想いです。是非、いい形での再会ができたらいいなと願っております。
さて、育てる会は、来年度も高機能自閉症のお子さんをお持ちの親御さんのためにOHAの会を続けていこうと思っています。
新たなOHAの会にも是非新しい気持ちで参加してください。
勉強は続けていくことが大切です。1年勉強したからできるなんて甘い子育てじゃないんです(泣)
その時その時にできることって限られているし、その時その時に得ることも限られていると思います。だからこそ、その時その時の子どもの様子で参考になることを拾っていってほしいなって思います。
OHAの会が、親御さんたちの子育てのヒント、子育ての参考、子育ての心の支えになりますように。
(事務局 K)
来年度のOHAの会につきましては、詳しくは別紙のチラシでご案内します
※ 来年度の講師は、『高機能自閉症児を育てる』の著者の高橋和子先生で、土・日曜の開催となります。お仕事の関係でこれまで参加できなかったお母さん方も参加いただけるのでは、と思います。
大勢のみなさんの参加をお待ちしています(正会員限定)。
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
新年度ですね。皆さまは、自分用の「スケジュール帳」って持たれていますか?
私は毎年12月ごろに新しく自分用のスケジュール帳を買います。毎年色々書店や文房具屋巡りをして探すのですが、いつも同じ会社のものに落ち着きます。
私のスケジュール帳選びのポイントはいくつかあって、
@日曜始まりであること
Aマンスリーのみであること(週ごとの予定を書くものがないこと)
B次の3月までのページがあること
Cマンスリーページに余白スペースがあること
Dマンスリーページのあとに2〜4ページ雑多にメモを書けるスペースがあること
E分厚くなくてカバンにすっぽり収まるサイズであること
Fイラストやキャラクターものではないこと です。
特に「@日曜始まりであること」については本当に、絶対譲れないポイントです。
それには、私のAS特性が強く影響しています。
スケジュール帳がもしも月曜始まりだったとします(ほとんどのスケジュール帳がなぜか月曜始まりなんですよね)。そうすると、たとえば「左から三番目」が普通のカレンダーだと「火曜」なのに、スケジュール帳が月曜始まりのものだと「水曜」なんです。ページの真ん中に来る部分がどちらかなのか、頭が一旦混乱してしまいます。統一されている方が、混乱が少ない分、楽なんですよね。
ちなみに、「June」「Thursday」みたいにこじゃれているものも苦手です。「Juneってことはジューンブライドって言葉が雨の花嫁だから、ということは梅雨ってことだから、6月?あれ7月だっけ?それはJuly?」みたいになります。
略されるともっと訳わからなくなります。「Jul.」とか、そこまで書いたなら全部書いてよ!となります(単純に英語が苦手というのもありますが)。
頭がぱっとイメージでとらえるところがあるので、頭の中の映像やイメージの混乱で、本当に急いでメモをしないといけない時などに、時間がかかってしまう。そうすると忘れっぽい私は何をしていたか忘れてしまうんです。
また、実際にスケジュール帳に書き込むときにもこだわり満載です。
仕事関係は「青」・プライベートの遊びの予定は「赤」・子どもや家族の予定は「緑」・確定していないものは「鉛筆で書く」・時間や場所は「黒」と色分けしています。
こうすることで、「あ、今月は仕事をしすぎているから、ちょっと余暇を入れた方がストレス値が下がるぞ」とか「この日は家族サービスデイだから、次の日はちょっとゆとりをもって何もしない予定にしておかないと、月曜からの仕事に影響が出るぞ」とか、自分のメンタルやリズム作りに色分けが役立ちます。
そして、時間の流れもパッと見てイメージできるよう、午前の予定は上側に・午後の予定は真ん中に・夜の予定は下側に書くというように工夫しています。こうすることで、頭の中でイメージがスルスルっとできるんですよね。
なので、例えば「11時に面談」と午前の予定のところに書いていたところ、「9時に電話でアポ」が入ると、わざわざ(!)「11時」の予定を消して、「9時に電話でアポ」「11時に面談」と順番に並ぶように書き直しています。
「矢印でいいじゃん」と言われることもあるのですが、やってみたこともあるのです。うっかりミスが連発でした。あわあわしちゃう。
それでも自分を信用してない私は、家族用カレンダーに、仕事の予定以外の予定を書き、自分のスマホにもスケジュール機能でメモをしてアラームをセットし、職場のカレンダーには仕事の予定を書きます。
これだけアウトプットして、やっとその予定を頭の隅からよけることができて、本来するべきことに戻れるんです。
このコラム原稿も、毎月25日の予定表に書き込まれていることに加え、20日にもスケジュール機能で「原稿締め切りまもなく」としています。そうして「そうだった!」と自分で思い出せる。
それが自己肯定感を下げずにいられる自分の工夫なんですよね。他の人はそこまでしなくてもできるかもしれませんが、私の実行機能にはこれらの工夫が必須!なので、これからも忘れないよう、このルーティンは大事にしていきたいなと思っています。
ちなみに…1・2月ぐらいまでは元々のスケジュール帳と併用をしていき、3月から新しいものを使いだす形にしています(一応前のものも3・4月あたりまでは持ち歩きます)。
これも実は悩みで、どこから始めて・どこで終わったらいいか、誰も決めてくれない(どちらでもいいものだから)ので、「この日から」と決めてからスッキリしました。
本当に特性って、なかなか趣深いものだったりします。
(ちゃーちゃん)
お母さんコラム
小5でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年中)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、息子が学校で怪我をしました。頭を6センチほど切る結構な怪我(その時に合った出来事の色々については、育てる会のブログですでに書いたので、ここでは省略します)。
その時に感じたことは、「自分の状態やなぜそうなったのかを説明できることって、すごく大事だなぁ」ということです。
子どもが小さい時は、たとえば「頭が痛い」「お腹が痛い」とは言えても、どれだけ痛いか・いつから痛いか・どうなったら良いかなどは、本人に聞いてもうまく言えないので、親が代弁するのが当たり前のことでした。
それが今回の怪我の際には、どこであったのか・誰としていてこうなったのか・どうなりたいのか・髪を切るならどうしてほしいかなどを、冷静にお医者さんに伝えることができていました。
小5ならそれぐらいできて当たり前なのかもしれませんが、息子はASDです。しかも敬語をちゃんと使ってしゃべれていることにもこっそり感動していました。
息子は年長〜小学1・2年生の頃、頭で考えていてもなかなか言葉で上手に説明しきれず「えっとね」と繰り返していたり、頑張って話しても「何の話してるのか全然分からん」と周りの子どもに言われて落ち込んだり、「どうせ話しても分かってもらえんもん」「どうせ僕が悪いって言われるもん」と話すこと自体に自信をなくしていたりする時期がありました。
それらは、同時に二つ以上のことをするのが難しい特性から「話すこと」「考えること」「伝えること」「聞くこと」を求められて頭が混乱していたり、他者視点の難しさから「ここでどれぐらいの話を返せば伝わるか」が分かりづらく細かい細部から説明していて飽きられていたり、経験から学ぶことから少数の人に聞いてもらえなかったことで「またどうせ無理だ」と誤解していたりしたからでしょう。
そして、今小5の彼がこんなに上手に話せているのは、彼の人生において、たぶん私の知らないところで、周りの大人や子どもたちが息子の話を、焦らせずにじっくり聞いてくれた経験がたくさんあるからこそなんじゃないかなと思えるのです。
親がこんなでも、わが子は伸びる!ありがたい!!
息子の成長ぶりを心から嬉しく思うとともに、これから最高学年になり、もうすぐ中学生になる息子の将来を、たくさん期待していきたいなとも思います。
(cyacya)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
急に気温が上がり暖かい日が増えてきましたね。私もいよいよ花粉症の症状がひどくなってきました。皆さん体調管理には、くれぐれも気を付けてくださいね。
今年度ぴっぴを巣立つ子ども達は8名います。
はじめは不得意な部分に目が行きがちだった保護者も、療育に通う中で得意な部分も一緒に発見してくことができました。
『得意なことを使ってできることを増やす』ことが『不得意なことを得意に変えることよりも容易』ということが分かっているので、就学に向けての様々な準備も『得意』を使った方法で取り組んでいきました。
例えば文字を読むことは容易でない子どもたちも色マッチングは得意!それならと、本の背表紙に色テープを貼って『黄色の国語セット(教科書+ノート+漢字ドリル)』『青の算数セット(教科書+ノート+算数ドリル)』といった具合に分けてそれぞれの色のファイルにパッケージできるようにしていきました。
たくさんの指示がなくても、今まで培ったスキルを使用してどんどん自分でこなしていく様子をみて、保護者も「これなら準備しやすそうだし、自分でやれそうです」と言って帰って行かれました。
また筆箱の管理・・・よく道具をなくして帰ってくると聞くので、これもマッチングの力を利用して、下絵と同じところに収める練習からはじめました。
「ここを見て足りなかったら、机の下とか本の間とか探すんだよ」と「全部見つけてからしまうんだよ」と教えていきました。
この時も、「具体的にどうすればいいか教えておくと、できる子ですもんね」と、普段支援者がかけている言葉を上手く使って、保護者が子どもたちの良い所をしっかりと評価することができていました。
そして、体操服の袋詰めも体験。それには(保護者も)子どもも「(やらせたこと)やったことないです〜」といった反応でした。
でも療育の現場は、上手くいくコツを伝え、成功体験を積んできた場所です。
帽子のつばは折らないように畳むこと、畳んだ服は袋に入れてから手でならしていくと重ねても膨らまないことなどモデルを見て学習する力を利用して取り組みました。
手先が不器用な子どもには、「上手く入らない時は、全部をいったん出してからやり直すといいよ」とも事前に伝えておきました。
服を入れる作業のみならず、上手くいかないときの立て直し方を、様々なパターンで繰り返し学んできたことで、『モノにはやりようがある』と分かってきた子どもたち。
やり始めてからの修正はききにくいことが分かっている大人たち。
両者が互いのことを理解しあうことで、上手くやりきる方法を見つけることができるようになってきました。
他にも、『学校はどうやって行くの?』『トイレにはいつ行くの?』『忘れ物をしたときは?』など子どもたちが学校生活にあたって直面しそうなことをテーマに、〇×クイズをしたり、コミック会話を使用したりして語っていく時間を作りました。
子どもたちに語らせてみると「教えたことはないのに、意外に知っていて驚いた」という保護者の感想も聞かれました。
それを機に、通学路を歩いてみたと報告をして下さった方もおられました。
「子どもが(そのうち)親なしで通学することをひどく怖がっていたけれど、歩いてみて通学サポートの大人がいることを知り少し安心した様子。挨拶も済ませてきました。」
「一人でいけるかも・・・と言い出しました。」
「学校まで近いから大丈夫と思っていましたが、実際に歩いてみると体力的に厳しい様子でした。歩くことに慣れていかないとな・・・」など、経験の中から学習したり、新しい課題を見つけ出したりしていくプロセスを、家庭でも踏んでいかれている様子に、頼もしいなぁと感じました。
今日も約4年間通ってこられた親子が巣立っていきました。
「会えなくなるな」と思うとちょっぴりさみしい気持ち・・・
「泣いたり笑ったり怒らせたりしたな」という懐かしい気持ち・・・
「たくさん学んでくれたな」という誇らしく嬉しい気持ち・・・
「幸せな人生を歩んでほしい」と心から願う気持ち・・・
いろんな気持ちを抱えて送り出しました。
『得意な力を使い工夫しながら生活することを認め、子どもたちのできた経験に繋げていくこと』の大切さを改めて教えていただきました。
別れもあれば出会いあり!また新たにやってくるぴっぴ新メンバーと 『得意なことを見つける』 ことから、一歩一歩丁寧に歩み始めたいと思います。
ぐんぐんぴっぴスタッフ K
赤磐ぐんぐん (就学前)
2021年度も終わり、いよいよ年度替わり。お子さんたちも進学・進級の時期となりました。
今回のテーマは『療育の卒業』についてです。
赤磐ぐんぐんは、「児童発達支援事業所」のため、就学前のお子さんが対象の事業所です。そのため、年長さんは全員3月で卒業となります。
療育の開始時期はお子さんそれぞれで、短い方では1年ちょっと・長い方の中には1歳台から通ってきてくださっているので4年以上という方もおられます。
いつも通りの療育をしながらの最終回。一つの区切りとして卒業式を計画しました。
幼稚園や保育園で経験していることもあり「卒業式」についてはイメージもあるようです。
でも、赤磐ぐんぐんの卒業式は園歌もないし園長先生や来賓の方のお話もありません(コロナ禍での卒業式なので、私たちスタッフも皆がどんな卒業式をしているかは??でした)。
人生で初めて園で経験した卒業式との違いに混乱しないように、流れを用意するとともに、必要なお子さんには事前にご家族へLINEもしてお知らせしました。
すると「卒業式なら正装?」
「いつもの勉強や遊びとかはなくて、卒業式だけで終わるの?」
「席はどこ?」 などなど、ご家族からの質問に加え、ご家族経由でのお子さんたちから質問が色々ありました。
素晴らしいなと思います。
予告されたことで、自分にとっての不足している情報を考えることができて、お父さんお母さんに心配や不安なことを聞くことができていること。
また、それ等の質問に対して「行ったら分かるから」ではなく、「不安なら、先生に聞いてみよう」とすぐ動いてくださるお父さんお母さんたち。
小学校生活でも、何か心配なことや不安なことがあっても、こういう風にご家族がお子さんの疑問に向き合い一緒に考え、そして必要な人(たとえば学校の先生など)とも一緒に考えあっていけることができれば、これから先色々あってもきっと大丈夫!とも思えます。
卒業証書と共に、ご家族へも卒業証書をお渡ししました。
私たち赤磐ぐんぐんの週一回の短い療育ではお子さんの成長幅はそこまで大きくできません。私たちスタッフはそんなにスペシャルな魔法は唱えることができません。
お子さんの成長は、「家族同室型」をしてくださったご家族の頑張りと、「家庭での宿題」に取り組んでこられたご家族の努力の賜物だと心から思います。
卒業に向けての面談をする中で、ご家族の皆さんが色々お話してくださいました。
「診断が出て、療育に初めて来た時、『うちの子は、こういうところに来ないといけない子なんだな』と思えて、実はすごくショックだったんです。でも、今はあの時に診断を受けて赤磐ぐんぐんに通えたから、今のわが子があって、我が家があると思うんです」
「毎日のように『ぐんぐんにいつ行けるの?』と聞いていて、すごくここに通うのが楽しみみたいなんだって話をしたら、先生が『とっても嬉しいです。それって、いつなのか知りたいと思ってるってことかもしれないから、カレンダー活用してみませんか?』と言ってくれて、なんか『雑談からでも支援に繋げるぞ!』みたいな気迫っていうかすごいなぁと思いました。そのおかげで、園の行事とかお休みとかの混乱もなくなりました」
「以前は『自信がないことはやらない!』というタイプだったんですが、療育で『難しかったら手伝うよ!』と早めに教えてもらったり手伝ってもらったりすることが続いて、ちょっとずつ自分からも『ここやって』と頼んだりもできるようになってきて、『教えてもらってできたのも、できたに入れたらいいんだ』と思えるようになってきたみたいで、チャレンジできるようになってきたと園でも言ってもらえました。ぐんぐんで教えてもらえたおかげです」などなど、嬉しいお話をたくさん聞くことができました。
面談では、こっそりうるうるしながらお話を伺うことも多く、卒業式では証書を読んだら100%泣くのが分かっていたので、スタッフの皆にお願いしてしまいました(笑)。
子どもたちからも絵や手紙をもらうこともあり、「先生たちが大好きだよ」との手紙にうるうる。子どもたち同士でも「またどこかでね」「元気でね」とお別れをしている姿に、またしてもうるうる。毎年この時期はハンカチが手放せません。
お子さんたちの卒業、そして小学校入学、本当におめでとうございます。心から皆さんの門出を応援しています。
また、4月からは進級もする子どもたち。同室メンバーやぐんぐんの先生たちも少し入れ替わりがあります。それでもハートフルなぐんぐんスタイルは変わりません。
さらにパワーアップしたぐんぐんになるよう、スタッフ一同頑張っていきます。
今後もどうぞよろしくお願いします。
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:M
ぐんぐんキッズ (小1〜)
桜の花の便りとともに、ぐんぐんキッズに通って来られた三年生も卒業となり、いよいよ新年度がやってきますね。
私にとっては短期間のお付き合いでしたが、1.2年生の子どもたちも合わせて、みんなそれぞれが、かっこいいお兄さん、お姉さんの顔に見えてきました。
4月から新しく迎え入れる新1年生はもちろんのことですが、進級する子どもたちも、みんな新しい環境にきっと緊張のスタートだと思います。
ぐんぐんキッズでの療育の時間が、楽しくて貴重な学びの時間となり、お子さんとご家族の不安が少しでも軽減されますよう準備をさせていただきたいと思っています。
さて今回は、自己理解についてのお話です。
職員のふりかえりミーティングの場で、子どもたちの自己理解の重要性について、「なるほど!」と気付かされることも度々あります。
以前、切り替えのタイマーにさわってしまうB君の行動にについて、ふりかえる場面がありました。
こんな時、「目の前にあると、気になってさわっちゃうよね。
さわれないところに、置いておこうね。」と声をかけてから、タイマーの位置を移動させる方がよいということを教わりました。
そう伝えることで、目の前にあると気になってさわってしまうか
ら、集中しなければならない時には、まず、さわるものがない状態にしておこう。という自己理解と、こうすればうまくいく!ということへの気付きにつながっていくとのことでした。
また、お子さんのふりかえりの場面では、他のお子さんの遊びが気になって、それに手を出そうとしたお子さんの行動を止めて、次のあそびのスケジュールの時に遊ぼうと伝えてそれを受け入れることができたお子さんに対して、「おもしろそうなものが見えると、やりたくなるよね^^」と伝えたうえで、「でも、〇〇ちゃんが使っているから、今は使えないけど、あとで使えるってわかったら、今は使うのをがまんできたね^^えらいね!」とほめるチャンスに変えることも出来るのだということにも気付かされました。
自分はこういうところがあるから、こうしてもらえるといい!こうするといい!ということが自分でもわかっていくことが大事だということを確認した出来事でした。
普段、私たちの日常の場面では、よくない行動をした時、”ダメよ”と伝えるだけになりがちですが、本人の苦手なことや、ちょっと困ったなと思う行動や言動が見られたとき、「こうするとうまくいくかもね。」「こういう方法もあるね。」等の方略を教えるチャンスに結びつけることが出来るのだということを学びました。
「自分ってこういうステキなところがあるんだ!」「これって、得意かも!」という得意なことを知り自覚することが出来れば、ますます自信をもって今後の生活に、そして将来の自立に役立ていくことができるでしょう。
逆に「自分って、こういう事が苦手なんだよな。」という苦手なことを知っていれば、実際に問題に直面した時「これって、自分にはたぶん難しいことだから、誰かに助けてもらった方がよさそうかも・・・。」「自分が困っているって気持ちを伝えることはOKなことだよね!」と、解決のための方法を見つけだすことが出来るかもしれません。
ただし、ここまで到達するのは、決してたやすいことではないということは、言うまでもありません。
いろんな場面を想定しながら様々なシチュエーションで何度も何度も練習を重ねていく必要があります。
そして経験優位の人だからこそ、成功体験をたくさん積むことによって、スモールステップではあっても、そのスキルを確実に身に付けていくことが出来ること。
そしてまた、それが彼らのステキな特性でもあるのだということを、私自身日々の療育を通して学んでいるところです。課題を一つ一つ根気よく丁寧に取り組んでいくことによって、子どもたちに一つでも多くの自信を育てていって欲しいと願っています。
そして、お子さんの一番の理解者であるご家族と手を取り合って、失敗と成功の情報共有を大切にしていきながら、互いにお子さんの成長を喜び合える支援者になりたいと思っています。
まだまだ未熟で日々驚きと学びの連続ですが、一人ひとりの特性を発見しながら、興味関心に寄り添った、心のこもった支援を心掛けて取り組んでまいりたいと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。
ぐんぐんキッズ スタッフ:W
グループホーム寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、無事「すてっぷ 1」が完成いたしました。
ご支援、本当にありがとうございます。
【 「すてっぷ 1」へのご寄附をいただいたみなさま 】 (4.3.26〜4.4.3)
○ 赤磐ぐんぐんスタッフ 様(赤磐市)
○ ぐんぐんぴっぴスタッフ 様(赤磐市)
○ 太陽の家 ちゃれんじ 様(赤磐市)
○ M.H 様(赤磐市)
○ N.T 様(赤磐市)
○ M.T 様(岡山市)
○ N 様(赤磐市)
○ N 様(匿名希望)
〇 鳥羽代表
4月から、「すてっぷ 1」での新しい暮らしが始まりました。
「ほっぷ 1」にも、新しい入居者の方が入られ、グループホームがにぎやかになりました。
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。