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令和 4年 6月30日

 

 第290号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 290号 目次

     梅雨も楽しみ

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

      OHAの会・スポーツクラブ・キッズルーム の 報告とお知らせ

     はやぶさの会・水泳教室 の 報告とお知らせ

     ちゃーちゃん日記

     お母さんコラム

     私のお薦め本コーナー
         「発達支援と教材教具

     近隣の講演会等のご案内

      ぐんぐんだより 

しっとりとした梅雨の季節がやってきました。
岡山県地方は、日本の中でも瀬戸内海性気候といって、雨の降る量が極端に少ない地域です。
我が家の周りにもたくさんのため池があるくらいですから、昔から水のことでは苦労した地域なのでしょう。ですから、梅雨の時期には雨がたくさん降ってくれなければ、農作物の生長が、ままならないといえるでしょう。
昔は水の争いもたくさんあったと聞いたことがあります。「我田引水」我が田にたくさんの水を引き入れるという意味でしょうか? 水にまつわる話は、よく耳にしたものです。
そんな曰くのある梅雨時のひとときですが、梅雨はうっとうしいだの、せんたくものがかわきにくいだの、家の中が湿気るだの・・・色々不満を並べる前に、梅雨の時期の雨を楽しみませんか?
庭には初夏の花が咲きみだれています。紫陽花が、鮮やかに咲いていますよ。タチアオイが、立派な花をたくさん咲かせています。キキョウや百合も咲き始めました。ダリヤが少しずつ大きくなりはじめ、グラジオラスはつぼみを膨らませて花咲く時を待っています。
花たちは、今日のこの日を精一杯楽しんでいるではありませんか・・・。私もそれに習って、この湿度のおかげで、肌がピンと伸びて張りが出ているではないですか。
鏡を見ながら、10歳は若い!!などと独りごちている私です。
皆さんお元気ですか?
1ヶ月があっという間に経っていきます。289号の原稿をつい先頃書いたばかりと思えるのに、早や次の号の催促がきた次第。
時間があっという間に過ぎてゆくのです。
自分の中では、ついこの間20歳だったような感覚ですのに、いつの間にやら70歳。なんとも時間の流れというモノは残酷ですね。乙女が、いつの間にやら白髪のおばあさん。
でもね、見かけはどうあれ、心の中は、未だに乙女のような・・・そんな感性を持ち合わせていたいと願っているのです。
まだまだやらねばならぬことが多くあり、やりたいこともたくさんたくさんあるのですもの・・・。少々呆けつつある脳みそに檄を飛ばしつつ、頑張っている私です。
70歳で何をするかで、その後の人生が変わるというような本を見かけました。買わずにちょいとメモをしました。
「頭を使うこと」と書いてありました。
頭か〜、あんまり使ってないかもしれないなぁ〜、なんて思いながら。
でも、いまだ現役で世間の普通の70歳の人よりは、たくさんの仕事をしているし、少しは頭も使っているかもな〜〜、などといいわけがましく自分に弁解しつつ、頑張ろうと思う私です。

さて話は変わります。
前号でもご紹介した門眞一郎先生による講演会が、迫ってきました。もう申し込まれましたでしょうか?
参加申込が1000名を超えました。
Zoomに加えてYouTubeの同時配信が出来ることになりましたので、リアルタイムに講演会への参加が出来ることになりました。
急ぎ申し込んでください。申し込まれないと当日のYouTubeにはたどり着けませんよ。
チラシにも書いてあるように、無料ですのでどうぞご参加ください。
○ 言葉の後れが気になっている保護者の方
○ 学校で生徒の方の行動障害に悩んでおられる教師の方
○ 事業所での取り組みに苦慮しておられる方
○ コミュニケーションの支援に行き詰まっている方
そして何より、
○ PECSについて知りたい方
そんな方からの申込を待っています。
7月9日(土)13時〜16時30分
テーマ「12年間の支援学校生活でしておくべきコミュニケーション支援」
講師:門眞一郎先生(フリーランスの児童精神科医) です。

また、2つの夜の即実践講座が、始まっています。
まずは、梅永雄二先生プロデュースによる「大人になって幸せになるために〜ここから始まる自閉症支援〜」、申込は常時しておりますので、今からでも申し込んでいただければ、今までの内容はお見せできますので、どうぞ諦めないで一緒に学びましょう。
その即実践講座の第2回は、6月16日(木)、加藤健生先生による「TEACCH Autism Programによる自閉症支援 〜アセスメントとプログラム紹介」でした。
ノースカロライナで始まったTEACCHプログラムは今や日本中を席巻しています。
多かれ少なかれ日本中の療育現場では、TEACCHの構造化や視覚的支援の影響を受けているのではないでしょうか?
でも、果たして本当のTEACCHを知っていらっしゃる方が、どれほどおられるでしょう。ここは、はなはだ疑問です。
学校現場では、今でも“アンチTEACCH”を堂々と宣言される先生方もいらっしゃいます。
「衝立ばかり立てて、なんだか嫌な感じなんよ」
「何でもスケジュール作りゃいいってもんじゃないと思うんよ」
「ロボットじゃあるまいし、絵カードで思い通りに動かそうなんて、間違っている」
・・・などなど、批判的な意見を何度か聞いたことあります。
『本当のTEACCH』 なんて本を内山登喜夫先生が書かれたくらいに、TEACCHプログラムは、いまだに誤解を受けていることがあるようです。
そんな誤解を払拭する為にも今回の加藤先生の講座は、その全容を知るはじめの一歩にふさわしいお話でした。
受講された方は、TEACCHをじっくり勉強したいと思われたことと思います。
後のページに参加者の方の感想がありますのでご覧ください。
そして、6月21日(火)には「支援者向け発達障害夜間講座IN赤磐市」が始まりました。
「発達障害支援 知っておきたい基礎知識 〜今、支援者の方に伝えておきたいこと〜」のテーマで、児童精神科医で京都市発達障害者支援センター「かがやき」センター長の村松陽子先生による講座の開催です。
赤磐市の助成を受けて、赤磐市の在勤在住者は、資料代のみの参加費となっております。
第1回は「発達障害の人への支援〜特性に気づき、理解し、支援する(1)」と題してのお話しで、発達障害とはどのような障害であるのか、特性の理解や対応について詳しくお話しいただきました。
お話を聴きながら、ハタと思い当たる節がありました。「実行機能について」のお話しの部分です。
実行機能とは、目的を達成するために見通しを持って行動する能力のことだそうです。“抑制がうまく出来ない”、“計画が立てられない”、“段取りが苦手”などとありました。
そうなんです。私も、何でも昔からぎりぎりまでやらないで、学生時代でもレポート提出は、期限ぎりぎりで提出でした。
夏休みの宿題も8月30日・31日で必死に仕上げる始末でした。それでもなんとか間に合わせて、「セーフ」でした・・・
アスペルガー傾向の夫は、逆に最初の2〜3日で日記以外は片付けて、後は宿題のことなどすっかり忘れて遊び呆けていたそうです・・・どっちもどっちですね。
二人合わせて、半分に割ればちょうど良かったのかもしれません。
それはさておき、実行機能については、“だらしない”からではなく、抑制が効かないからなんですよ。
やってる途中で、つい他のことが気になって、他のことしちゃうんです。
大事な仕事があるのに、庭の草が気になってきたり、家の片付けを始めたり、もしかすると取りかかりたくないからかもしれません。
それでもなんとか間に合わせてここまで生きて来られたのは、運が良かったということでしょうか?
学生時代も単位を落とさずなんとか無事卒業できました。
育てる会の代表になってからも、周りの助けでなんとかなってきたように思います。私の周りには、いつもカバーして助けてくれる人がいました。ありがたいことです。
村松先生は、発達障害の人の中にある欠点を見るのではなく長所を活かしていくことを大切にするべき、とお話しくださいました。
私は、とってもうれしい気持ちで話を聞かせていただきました。確かに自分の中にある発達障害の特性を活かして、私はここに至っていると実感しています。
実行機能に問題はあるけれど、思いつきや発想力、それとADHDの特性でもあるところの衝動性があるので、突っ走るんですね〜。
だからこの会を作って、周りを巻き込みながら走り続けています。
こんな私です。たくさんの方に支えられ、たくさんのスタッフに支えられここまでやってこれました。
これでいいのかな? いいんじゃないの? そんな風に自分を肯定的に見ながら、これからも自閉症の子どもや大人の人たちの為の活動を頑張ってやっていきたいなと思います。
反省しないのはどういう特性からきているのでしょうね。治りませんね、こういう所・・・。

さて、続いて今年も支援ツールの講座が始まりました。
支援ツールの勉強会は、京都の澤月子先生によるZOOMでの講座です。
毎回、はじめの1時間は澤先生の講義を聴いて、その後はそれぞれ先生に質問したり、自分で作った支援ツールを見てもらうという形の講座です。
支援ツールを考えたら、先生に直接見てもらえて、そのうえにアドバイスも受けれるのでとても勉強になります。作ったけれどうまくいかなかった経験、みんなありますよね。
どうしても子どもが使えないとか、使ってくれないとか。
なぜなのか、自分では分からない時、実際に見てもらってアドバイスしてもらえるこの講座は、すごくいいと思います。
また、先生のお話が面白く、すぐに新しいモノを作ってみたくなるんです。我が子のために何かがしたくなるんです。いい母になるための講座かも・・・。少なくとも私には、とても刺激的な楽しい勉強の場です。気になる方は、お電話くださいね、待ってます。一緒に学んでいきましょう。
続いて、6月には今年度のサッカー&ドッジボールの会も始まりました。以前のサッカークラブの間口をもっと広くしたスポーツクラブです。小さい子から小学校高学年のお子さんまで、みんなが楽しめるよう、ドッジボールでも痛くないように柔らかいボールを使ってゲームをしているそうです。詳しいことは後のぺージの報告をご覧ください。
次々、楽しい新しい活動を作っている育てる会です。来月も乞うご期待でございます。

そうそう、最後に鳥羽哲平君の話を二つほどしましょう。
PECSで「コメントを自発的に出す」というレッスンをしています。でも、なかなか自分からは発信してくれません。
そこで、門先生から提案いただいた、コメントマラソンというのをやってみました。
マラソンが得意な鳥羽哲平です。1つコメントしたら、1キロ進むという双六のようなマス目を作って、「42個のマス」+「0.195キロ分の1マス」を加えて、合計43マスの双六を作りました。
1回コメントすれば、1マス進みます。そしてゴールしたら、大好きなイオンモール岡山へ行こうと約束して始めました。
“何にもなし”にはなかなかコメントは出ないので、PECSサークルの輪読会で教えてもらったピクチャーズという絵カードを使って、コメント練習をしました。
ピクチャーズはカードを見せながら、「この絵をよく見てね。後から聞くからね」と話しておきます。
絵を伏せて、「壁の色は何色ですか?」とか、「お魚は何匹いた?」とか聞いていくのです。「青色です」とか「3個です」とか答えてくれます。
応答でのコメントですが、一生懸命答えるのです。
勉強が嫌いなはずの息子が、じっと正解を思い出して話してくれます。そして分からない時には、「難しい、教えてください」という文を作って、私に教えを請うのです。
すると強化子が功を奏したのか、あっという間にすべてのマスが埋まりました。
すごいなーと思った次第です。強化子の大切さをつくづく感じさせられたコメントマラソンでした。
二つ目は、LaQ(ラキュー)という組み立てのおもちゃを哲平が夢中でやり始めたという話です。
今まで、平面のLaQは、作ってみたことがあります。でも、とても簡単だったので、こんなもんかしら??と思って、それ以上は取り組みませんでした。
ところが立体のモノを孫がドンドン作っているのを見て、哲平おじちゃんも出来るかもしれないなと思いました。
本屋さんでLaQの立体版を見つけて、やってみるかどうか聞いてみたところ、「やる!」というので買いました。
次の哲平のお休みの日までに、どれくらい難しいか私が試しにやってみました。結構難しくて、写真を見て隠れた部分は想像して作って行かなければいけません。
昔、ニキーチンの積み木なんかが得意だった哲平です。どうかなと思って作らせてみたところ、写真を一瞬見ただけですぐに作り上げていくんです。
なんと言うことでしょう私よりも上手に早く作って行くではないですか、、、負けた。 哲平に負けた!
空間認知に優れた所を持っているらしいことを発見した私です。
未知なる脳みそを持つ哲平君は、前途洋々です。彼の能力を知らず、開発してこなかった自分を反省しています。
でも、教えていないことは覚えないので、「お魚の数はいくつ?」の質問に、3個と答える哲平です。数の数え方も教えなければ・・・・。
お魚は、何匹。鳥は、何羽。ウサギは・・・正しくは何羽でしょうが、匹でもOK。
「鯨は魚」と思っている哲平ですので、鯨も頭ではなく匹でも・・・まあいいかと思う私です。
わざわざ混乱させなくてもいいでしょう。
夜も更けて参りました。今日はここまでで終わりましょう。
また来月お会いしましょうね。皆さんお元気で、さようなら、ごきげんよう
(鳥羽 美千子)

令和4年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座 

今年度即実践講座、第1回は梅永雄二先生の講義でしたが、いよいよ第2回からは、今年の目玉、若手の研究者、実践家のみなさんの講義です。
まずは、社会福祉法人はーとふる理事長補佐の加藤健生先生による、「TEACCH Autism Programによる自閉症支援 〜アセスメントとプログラム紹介〜」で、現在行われている、乳幼児から大人までのいろいろなTEACCHプログラムについて教えていただきました。
自閉スペクトラム症をもつ人の一生を、それぞれのライフステージにおいて一貫して支えていくという、TEACCHの幅の広さと奥の深さを知ることができ、本当にアッという間の2時間で、もっともっと時間が欲しかったという内容でした。
いただいたアンケートの中でも、特に少年少女向けのゴリラグループや、TTAP、T-STEP、BWAPなどについては「もっと知りたい」「実践してみたい」という感想が多く寄せられました。
加藤先生には、もう一度10月に「知的障害を伴う成人期自閉症者の構造化による支援」というテーマで講演をお願いしていますが、それとは別に今回紹介していただいたプログラムについても、もっとお話が聴きたいと思えた2時間でした。
即実践講座、第3回、第4回は宮野雄太先生による学校現場における支援のお話です。
学校の先生方には、ぜひ即実践に活かしてほしい内容になると思いますので、万障お繰り合わせの上(^^♪ ご参加ください。

  『 令和4年度 第3回 現場の先生のための 即実践講座 』

日 時:令和4年7月28日(木) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(ZOOM) 
テーマ:「学校現場における構造化による支援」
講 師:宮野 雄太 先生(横浜国立大学附属特別支援学校)
総 括:梅永 雄二 先生(早稲田大学 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分  (途中参加の方には、見逃し配信をご案内します)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
それでは、第2回、加藤健生先生の「TEACCH Autism Program による自閉症支援」にいただいたアンケートの一部です。

○ 乳幼児のための家族実施型TEACCHやTREEについては、今まで知らなかったので、とても興味深く、勉強になりました。また、幼児期から成人期 それぞれの年代別に説明をしてくださったので、とてもわかりやすく、イメージしやすかったです。動画があったので、とてもわかりやすかったです。
○ TEACCHが現在取り組んでいるプログラムのことがよくわかりました。
特に、ゴリラプログラムはとても気になっているプログラムです。ソーシャルシンキングも本を買ってはみたものの、まだ読めていないのですが、、、。いつか、このプログラムについても日本で詳しく学べる機会があるといいなと思っています。
○ 各年代の課題に対応したプログラムやアセスメントツールがこんなに色々とあるのだなと驚きでした。特に就労に向けた支援についての話は大変興味深い内容でした。T-STEPで、学んだスキルを守られた環境で練習できるというのが、なるほどという感じでした。仕事上での経験から、やはり知識としてスキルを知っているということと、実際の対人場面でそれを上手に使えることは別だなと感じる場面は多いので、非常に納得でした。
○ TEACCHが生涯に渡った支援にビジョンをおいて研究や普及に力を注いでいることがとてもよく分かるお話でした。普段は幼児期支援にあたっているため、成人期の職業や社会適正をはかる評価スケールやトレーニングプログラムは詳しくなかったので、大変興味深く聞かせていただきました。年齢が上がるにつれ『修正に応じる力』を問われる項目が評価に入っていたことが印象的でした。小さな頃から、変化に対しては、やりようがあることを伝えていき、修正されてうまくいった経験を重ねておく必要があるなと感じました。
年代ごとに、またASDの特性も細分化して研究がなされていることや、またエビデンスのとれた介入方法が数多くまとめられていることを知ることができ、TEACCHの自閉症支援、障害者支援の奥深さに感動しました。ありがとうございました。

令和4年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐市

赤磐市と共催による、村松陽子先生の「発達障害支援 知っておきたい基礎知識 〜今、支援者の方に伝えておきたいこと〜」の夜間講座も始まりました。
6月21日(火)の第1回では、主にその障害特性について、ASDだけでなくADHDやLDについても解説いただきました。
テーマには“基礎知識”とありますが、なんとなく理解していたようでも、具体的な実例やエピソードを聞いているうちに、自分の知識の薄さや足りない所が自覚され、支援のためのバージョンアップができていくようで心強く感じました。
発達障害の人への支援に必要なのは、安心、自信、意欲、自己肯定、そして「人を信頼できること」、信頼されるような支援者になれるよう、1年間、この講座で学んでいきたいと思いました。

  『 令和4年度 第2回 支援者向け発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐市 』
日 時:令和4年7月19日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(ZOOM)
テーマ:「発達障害の人への支援 〜特性に気づき、理解し、支援する (2)〜」 
講 師:村松 陽子 先生(児童精神科医:京都市発達障害者支援センター センター長)
主 催:赤磐市、岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、
賛助会員10,000円(全10回分)
別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
それでは、第1回に参加された方からのアンケートの一部です。

○ 資料も説明もとてもわかりやすかったです。これまで予定の変更が苦手という特性については見通しがつかないから不安という頭がありながらも、限定的な興味や固執と捉えていたところがありました。今回イマジネーションの弱さからきているものという説明になるほどと思いました。考えてみれば当然、変更となった先のイメージができないから不安になるのですが自分のやっていることがまだまだ感覚便りで、せっかく学んできたことがつながっていなかったと実感しました。
まとめにあったように、安心、自信、意欲、信頼、自己肯定感につながる支援を幼少期に携わる仕事の責任の大きさを感じました。
○ 自閉症、ADHD、LDそれぞれの特性や支援方法について丁寧に教えて頂きました。特性は苦手なことばかりではなく、得意なこともあるということ、その得意な力に注目し活用することが大切いうこと、しっかりと意識しながら支援していきたいと思います。日々関わっている発達障害の方が成功体験を積み、自信・安心・意欲・自己肯定感などをしっかりと育めるように支援者として理解を深めていきたいなと改めて感じました。残り9回の学びが今から楽しみです。本日はありがとうございました。
○ 具体的なエピソードを踏まえながら、発達障害の人の特性に合わせた工夫を丁寧にお話してくださって、とても分かりやすかったです。ASDだけでなくADHD・LDの人への関わり方なども教えていただけたことで、併せ持つ人への支援をする時のポイントとして、ぜひ明日からも参考にしていきたいと思いました。強みもあるのは、私たちも同じ。長所としてとらえられるよう、私たち支援者の捉え方を柔軟にしながら頑張りたいと思います!ありがとうございました!

令和4年度 支援ツール勉強会

今年度も引き続き、澤先生にお願いしています。今年度は、全6回の開催予定です。
そして第1回目を、5月30日(月)に開催しました。
毎年参加していただいている方の他にも、新たに参加される方や、遠方から参加される方などもお申込みいただいきました。
今回は、初回ということもあり、支援ツールについての基礎的なことをお話いただきました。
また、実際に今までに作られてきた支援ツール、支援ツールを使用して活動する様子の動画などをご紹介いただきました。
実物提示から、カード、マッチング式のもの、持ち運び外出用、動画式、チェック式のものなど多様なものがありました。その子の理解や特性に合わせて、探りながら合うものを見つけていきたいですよね。
まずは、作ってみることから!気負わず、簡単に作ってみることが大事!
あまり、無理して作ると、使ってくれなかった時に、なんで!?って、悲しくなったり怒ってしまったりしてしまいがちですからね!
“全ては、自立の為に。”  ”介入しすぎないように” そのために、なくてはならないもの、それが支援ツールだということをおっしゃられていました。目から鱗です。
参加された皆さんと一緒に、うなずくばかりです。今日から、さっそく作った支援ツールは、LINEで紹介し合いましょう!と、いうことで、第1回目の勉強会は終了いたしました。
今日から使える支援ツールをみんなで作っていきましょう!次回からと、LINEでのやり取りがとても楽しみな支援ツール勉強会です。先生、貴重なお時間ありがとうございました。
事務局 K

次回は、令和4年 7月11日(月)10:00‐12:00
1回目を見逃した方は、後日配信もございます。2回目からの参加も可能です。出遅れた方も、間に合います!ご連絡お待ちしております。

  『 令和4年度 第2回 支援ツール勉強会 』

日 時:令和4年7月11日(月)10:00〜12:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
講 師:澤 月子 先生(社福 南山城学園 スーパーバイザー)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者3,000円(全6回) 講義部分のみ、見逃し配信あり
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748

○ 新しい環境になり、ゆっくりですが色々と出来ることが増えています。人に何かを伝えることも消極的な子でしたが、視線を送ったり、手を握って注目をひいたりと「伝えよう」とする姿が見られるようになりました。
おうちでは、スケジュールを進化させるよりも、いま「知りたい情報」を詳細に伝えてあげられるように少し前段階に戻っています。
カードに対しても1対1の考えを少しずつ広げていけるように、1枚のカードの使い方も別のパターンでも使ってみるという取り組みをしていますが、本人の状態がいいときにのみ行っているので経験とは違うことも受け入れられるようにもなりました。
○ 何年か受講させていただいていますが、毎回新しい発見があり、継続的に受講できることに本当に感謝しています。
今までスケジュールを色々作ってきましたが、忘れ物が多いのでチェックシートを作成しようと思います。また、活動中の介入には気をつけようと反省しました。

OHAの会の報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
6/18(日) 本年度第2回 OHAの会をZOOMで開催いたしました。
今回のテーマ 『高機能ASD 成長に伴いどんな人になる? −高機能ASD児者の育てにくさ・生じる問題−』
高機能だからこその育てにくさや、特徴について詳しく話をしていただきました。
IQではなく、自閉症のタイプや自閉の度合いによって、その子に合う支援をしていくこと。自閉症のタイプ別の特徴についても、表を見ながら分かりやすくお話いただきました。確かに、こういうこと苦手だな、特性なんだな、と思いながら聞くことができました。
次回は、『何を大切に育てるか ―大人になったとき 幸せな人になれるように―』
7月23日(土)10:00-12:00  ZOOMにて開催 (正会員限定)
※ 途中申込もOKです。見逃し配信可能!事務局までお問い合わせください。
※ 寄せられた先生へのご質問のお返事は、個人情報の関係で、後日配信では流すことができません。みんなの困っていることは、聞いていて我が家でも当てはまることがたくさんあります。先生からのアドバイスをお聞きできるのは、当日参加された方のみです。
当日参加の特典ですので、是非、当日のご参加をお勧めいたします。

○ 相貌失認や場面・状況把握の弱さについて、ASDはそういうものだと受け入れて(諦めて)きました。でも、見るべきポイントや判断基準を教えればできるようになると先生がおっしゃっていたので、気長に少しずつやってみようと思います。
また、本人のパターンやこだわりに家族が無自覚のうちに一緒にハマってしまっているのも、言われてみればあります。本人のストレスにならない程度にパターンから外してみるのも必要なのですね。
今回も初めて聞くお話がたくさんあり、とても面白かったです。どうもありがとうございました。

サッカー&ドッチ スポーツクラブ 報告とお知らせ

サッカー&ドッジ スポーツクラブ 報告

6月12日の日曜日に今年度第1回目のスポーツクラブを開催しました。
岡大の児童文化部の学生と一緒にのびのびと体育館で運動することができました!
次回は、9月です。途中から参加も可能ですので、お問い合わせください。
   
以下参加者からの感想です。
○ 我が家は先日育てる会に入会したばかりで、今回のスポーツクラブが初めてのイベント参加でした。息子も私もドキドキしていましたが、皆様のあたたかさのおかげでとても楽しい時間を過ごすことができました!
○ ドッジボールを選択しました。練習→試合という流れで無理なく取り組めました。
試合も得点式のドッジボールだったので、あたってもショックを受けることもなくとても楽しめました(*^^*)
○ 試合も出来て、とても楽しかったようです。ボールが柔らかかったので、痛みも少なかったのが良かったようです。
すでに次回を楽しみにしています。

  【 次回の サッカー&ドッジ スポーツクラブ】

日 時:令和4年9月3日(土) 10:00〜12:00
場 所:岡山大学 体育館  以後の予定B 11/13(日)、C 1/22(日)、D 3/5(日)
参加費:1000円(年会費) 申込:Tel.086-955-6758(事務局)(正会員限定)

キッズルームのご案内

日 時:7月10日(日)12時45分〜15時頃
場 所:岡山大学 体育館
持ち物:うわぐつ、飲み物(必要な方)、マスク
参加費:400円(2歳時から必要・兄弟児も同額)
申 込:Tel.086-955-6758(事務局)(正会員限定)
2歳から大人まで参加してくれています。
小さいお子さんだけでなく、中学生・高校生・大人まで、楽しめるイベントになってます!
気兼ねなく遊びに来てください!お申込みお待ちしております☆彡

はやぶさの会 報告

自閉スペクトラム症の男の子たちの友達作りの会、「はやぶさの会」です。
小・中学生の男の子たちとその親たちで活動しています。
先日、6月12日(日)におもちゃ王国(玉野市)に、はやぶさの会メンバーで遊びに行ってきました。
新メンバーや前回からのメンバーや兄弟児も加わり、総勢6家族8人の参加でした。
低学年の子どもたちに上級生のはやぶさメンバーが
「これは乗れそう?」
「ゴーカート、身長足りないのかー。おれ、一緒に乗ってあげようか?」
「お茶とか飲まなくても大丈夫?」
「一緒に並ぶ?それともお母さんとがいい?」
と、しっかりコミュニケーションしている姿に、成長ぶりを感じました。
「友だち作り」をする はやぶさの会で、他の子への気遣いや優しさも育ってきているなぁと思い嬉しい時間でした。
今回残念ながら参加できなかった人からも「『今〇〇のところにいるから、次は△△で集合!』とかあれこれLINEが来てて、楽しい雰囲気伝わってきたよー」と言ってもらいました。笑
我が家の小6は「おもちゃ王国はちょっと小さい子向けかなと思ったけど、はやぶさメンバーで行けるなら、どこでも楽しいわ!」とニコニコでした。
参加してくださった方からの感想です。

○ 皆さまありがとうございます。わが子は、思春期に入り学校の友達関係に価値を置き始めています。それで放課後とかにお友達と遊びたくて誘うのですが、断られる連続で、最近も少し辛そうでした。でも、今日はやぶさで、お友達が沢山優しく声をかけてくれて、一緒に楽しい時間を過ごせたら、とても嬉しそうで安心した表情になり、兄弟二人ともが「居心地良い!楽しい!」と言っています。見守る親もとても嬉しかったです。
企画してくださったMさん、そしてみなさま、今日もありがとうございました。
○ 母子共に楽しかったです!ありがとうございました。何度も何度も息子は「楽しかったぁ」と言って夜を迎えました。私も幸せな気持ちになれました。
毎度の事ながらお兄さん方に優しくして貰って感謝の気持ちと、お兄さん方の優しく立派な立ち振舞いに感動させられます。
今は最年少ですが、いずれ息子にも弟分が出来るだろうと思うと、その時に見てきたお兄さん方の背中を追えると良いなぁと思います。
○ いつも段取りしてくださるM田さん。あたたかく迎えてくださるみなさんに感謝しています。
はやぶさの会にいくと、子どもたちはみんな可愛くて優しくて。お母さん方もなぜこんなに良い方ばかりがおられるんだろうかと感じています。
自由人の長男を、みなさんあたたかく迎えてくださりありがとうございます。
今回は初めて次男も参加させて頂きましたが、すごく楽しかったようです。
兄から「俺の友達がくるから弟は来るな」と言われ悩んでいましたが「行ってよかった」と話していました。
兄も仲間外れにしたいとかではなく、自分が居心地良く、ほっとできるはやぶさの会だからもしかしたら弟にも内緒の場所にしたいと思ったのかなと感じました。学校も学年もこえ仲良くできるお友達がいるのは素敵だなあと思いました。私も昨日でリフレッシュできたので今日からまた頑張れそうです。
○ 今回はじめましての子が多いので どうかな?と思っていましたが、おもちゃ王国でのはやぶさの会が二度目だったのと、はやぶさの会に慣れてきたからなのか、スムーズだったのにびっくりしました。一応一人で過ごすバージョンも一緒に考えて行ったけど 楽しく回れたみたいで 親も嬉しかったです。
○ 楽しい時間を過ごさせていただきました!ありがとうございました。
初めての参加で、まだまだ慣れるのに時間がかかりそうですが、昼食時やその後、楽しそうにしている姿が見られ、嬉しく思いました。参加できる活動・できない活動があるかもしれませんが、うちの子のペースで楽しんでくれたらと思っています。今後とも宜しくお願い致します。

引き続き新しいメンバー募集中です。
初参加やまだ回数重ねていない子たちも、徐々に、少しずつ本人なりのペースで、無理せずに、「次も参加できたらいいな」と思ってくれたら良いなと思います。
小学生以上のASDの診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟児の参加も可能ですが、その場合もASD診断が出ていることが前提となります)。(正会員限定)
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪
(担当:M)

水泳教室からのお知らせ

日 時:令和4年7月17日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は7月14日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のお話は、「イレギュラーなことには とことん弱い」という話です。
これもASの特性としてよく聞きますよね。
いつも通りを好む・パターンで繰り返しの作業は得意だし安定する。
余暇でもそうで、同じ音楽やアーディストを何回も聴く・繰り返し系パズルのようなゲームアプリにはドップリのめり込む・最近ヒットだったのは子どもたちが遊んで適当に片付けてあるLAQを、一つ一つ分解して小分けケースに分けること、でした。うっとり。
そんな私は、当然イレギュラーなことには弱いです。
そのため、いつもできるだけ「予想通り・予測範囲内」に収めるようにしています。
常に最悪を想定することで、心のショックや驚きを最小限に収めるためです。
「お出かけの予定だけど、雨が降るかもしれない」
「ほしい本を買いに行く予定だけど、売り切れているかもしれない」
「友だちと約束しているけれど、急に直前キャンセルになるかもしれない」
物事をなんでも悲観的・ネガティブにとらえていると思われがちですが、どちらかというと「リスク管理」というか、その状況になった時に、しばらく混乱が続くので、できるだけ早くリカバリーするために、心の準備をしておくのです。
「晴れていたら公園に行くけど、もし雨が降ったり天気が悪くなりそうだったりしたら、映画に行こう」
「本屋に行って、もし売り切れていたら、かわいい文房具を探そう」
「友だちとのお出かけが直前に相手都合でキャンセルになったら、あの憧れのカフェでお一人カフェをしよう」
など思っておくと、どちらになっても大丈夫、と思えるのです。
ところが、それでも発生するのがイレギュラー。
先日、平日の仕事を終え、保育園に迎えに行き、晩御飯の用意をしている時のこと。
「ピンポーン」と珍しくインターホンが鳴りました。「こんな時間に誰だろう?」と思ってインターホン電話に出ると、雨の中、傘をさしている女性がインターホンの画面に見えます。
顔がよく見えませんが「すみません、ちょっと松田さんとお話したいことがありまして」と言われたので、「近所の婦人会とかかな?」「そもそもあまり人の顔を覚えていないからなぁ」「どこかのお嫁さんかな」と思った私は「はーい」とあまり深く考えず、料理中の火を止めてパタパタと対応に出ました。
すると・・・。訪問販売系だったんです・・・。
そこからずっと商品について話を続けられ、私も「我が家にはあまり必要ないので」「うちの子どもには合わないと思いますし」「今忙しいので」「もうすぐ夫も帰ってきますし晩御飯の支度中なので」などなど、一生懸命断りをしました。
結果20分ぐらいで帰ってくれたのです(買わずに済みました!!)が、その対応が完全にイレギュラーだったため、私のライフはほぼゼロに(ただでさえ、仕事帰りで疲れているのに)。
ご飯の準備をよろよろとし、子どもたちに食べる支度をさせて、そこから寝込んでしまいました。
夫や子どもたちは「ママは急な予定とかイレギュラーにむちゃくちゃ弱いもんなぁ」としっかり理解してもらえていて、ありがたいことだなと思います。
私以上に特性理解してくれていることに感謝な時間でした。
というか、平日夕方から夜の訪問販売系、ほんまにやめていただきたい!!
興味があったら自分で連絡するから、チラシを入れておいてくれぇぇ。
(ちゃーちゃん)

お母さんコラム

小6でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年長)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は「暗黙のお約束って難しいよね」です。
息子は、地元の歯科での定期健診の際、「まだ乳歯が残っているうちに矯正した方がいいかも」「このままだと、大人の歯が生えてきたときに今以上に歯並びが崩れるよ」と言われ、新しく矯正歯科で受診することになりました。
紹介状を書いてもらい、いざ受診!
清潔感のある新しめの病院です。入口には、小さい子向けの玩具コーナーがありました。物珍しいんでしょうね。小6男子、夢中!!
いやいや、確かに年齢制限は書いていませんけども・・・。
夢中にはならんでいただきたい・・・。
また、受診中にお医者さんと三人(まぁ私が話していて、息子は同席しているだけ)の時に、丸椅子でくるくる静かに回っていたり、急に立ち上がって何も言わずにトイレに行ってしまったり。
あとから「ちょっとあれはないのでは? 初対面の先生に失礼だったと思うよ?」と指摘すると、「え。だって、俺別に話すことないし」「普段もトイレ行くときにわざわざトイレ行ってきます、とか言わないじゃん」「漏らせば良かったの?」と素で聞いてきます。
わざとそういう言い方をしているのではないのは分かるのですが、「ああ言えばこう言う」なので、なかなかに腹が立つことです(>△<)
次に行く時には、何らかのお約束が必要だなと気持ちを新たにしました(^^;)。
でも、こういうエピソードの一つ一つが中学に向けてのサポートブックのネタになるなぁと思う部分もあります。
ここから、兄は中学生に向けて、妹は小学生に向けて、まだまだ子育ては油断できません。
就学が同時に来るのはなかなかハード!
二人とも支援クラス目指して、手続きや教育委員会とのやりとり、頑張ります!
(cyacya)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)  

中国地方も梅雨入りしました。雨が降り、適度に日が差す日が巡ってくる・・・そのサイクルのおかげで、ぴっぴのお庭の雑草たちが一段と青々としてきました。
少しずつスタッフで手入れをしているのですが、なかなか追いつきません。
子どもにとって安全かつ、うまい対処法をご存じの方がおられましたら、ぜひともご教授いただきたいと思います。
さて今回は、子どもたちの嬉しい変化についてご報告したいと思います。
ぴっぴでは、利用開始当初から、つねに人に対する関心を広げることを目指して、様々な方略で関わります。自閉症の診断基準にもある『社会的コミュニケーション』『対人相互反応』へのアプローチを試みるためです。そのためにはまず、どんなあそびが好きなのか、どの距離感で関わることが快適なのか観察することから始めます。
そして子どものリードに合わせて一緒にあそび、一緒にいても邪魔にならない関係性を築いていき、子どもたちが見聞きしているものに共感的に関わりながら、子どもの注意の中に入っていくようにします。大人はつい、子どもの注意が他に向いているにもかかわらず、新しい遊び方を提案し、そこで交流を持とうとしてしまいがちですが、自閉症の子どもの狭い興味の中に入っていくには子どもの行為を模倣したり、それにナレーションや称賛コメントをつけたり、それを手助けしたりして、私たち大人の存在にスポットが当たるような関わりが必要です。
2〜3歳の頃からこうしたことを意識しながら大人との関わりを続けてきたぴっぴの子どもたちも、年齢があがり同年代の子どもとの関わりに般化していこうと、ここ2年ほど草の根的にグループでの活動を続けてきたクラスがあります。
◆まずは、保護者にも目的を伝え、好きな遊びや子どもとの距離の取り方など観察してもらうことから始めました。
保護者や支援者などがその場に同席すると、各々が大人に関わりを求めてきましたが、同室で活動する子どもに自然に目が向くことはありませんでした。
                   ↓
◆その状態から、人の刺激を減らしながら、大人のナレーション付きで並行遊びを体験する機会をたくさん経て、自ら相手の子どもに近づいたりコメントしたりするように変化してきました。
                   ↓
◆そして、いよいよ順交代などある簡単なゲームなどに取り組み始めます。
ところが、『どちらが先に活動開始するか』で毎回揉めるという事態に・・・。
そして、勝ち負けのない遊びにも自分なりの終わり方にこだわり、楽しく終結できないということも幾度かありました。
そうした中で気をつけていたことは、一緒にやることが“楽しくなかった”経験にならないこと。
そのために、子どもたちが確認しておきたいであろうことを(事前に図示したりモデルを見せたりしながら)最低限の物は確認しておいたり決めておいたりしました。
ただ、この段階では『知識』として有効的なふるまい方を頭で分かっていても、気持ちがついて来ず、それが子どもたちの言動に表れていました。
そんな姿をそばで見ている大人たちは『気持ち(マインド)から育てる』ことの重要性と難しさに直面していました。
                   ↓
◆それでも、相手への興味が育ち、この人ともっと上手くやりたいという気持ちが育つよう、遊ぶ機会を持つたびに、「〜が得意な〇〇くん」「〜が好きな△△ちゃん」と互いの興味関心を共有したり、「一緒にして楽しかった」「〇〇くんとやれて嬉しかった」など必ず振り返ったりすることを保護者も協力的におこなってきて下さいました。
すると今年に入って、ポンと一皮剥けたように「一緒にあそびたい」「子どもチームVS大人チームでやりたい」と子どもたちから言ってくるようになりました。
誘われると好きな活動を抜けて遊びに加わったり、「先やってええよ」と順番を譲ったり、勝っても負けても「楽しかった、またやろう」と言ったり「〇〇くんにも見せてあげたかったな」などと口にするようになってきました。
「一緒が良い」
「楽しいなら結果にこだわらなくてもいい」
「共感してほしい」
などルールとして教えていた時には、一部の大人の価値観を押し付けていたようになっていましたが、気持ちがどんどん膨らんできて自分たちでそれに折り合いをつけるようになってきました。結果的に私たち大人が望んでいた『なかよくあそぶ』土壌が整ってきたのです。
本当に長い時間がかかりましたが、保護者とも喜び合える変化でした。そして子どもたちの姿からも、人とうまくやりたい気持ちになるようたくさん機会を作って楽しい体験を共にすることがいかに大切で、(正しいルールをたくさん知っているよりも)自分の思いも受け止めてもらった経験が今後の成長にむけても不可欠であることを、教えてもらいました。
ちょっとした仲間意識が、今後も化学反応を続け、彼らの心理的成長に影響を与えていくかと思うと、これからも楽しみでなりません。
『人』は複雑な(思考)構造を持つが、興味の対象として面白くて、奥深いことを伝えていくために、これからも丁寧に機会をつくっていこう思いました。
ぐんぐんぴっぴ療育スタッフ:K

赤磐ぐんぐん (就学前)

雨が降る日が続き、梅雨時期らしい毎日ですね。
赤磐ぐんぐんの周りの田んぼでは、雨が降りそうになるとカエルの大合唱が響き渡ります。この時期ならではの季節感のある音だなぁと思います。
今回のぐんぐんだよりは「モチベーション」について、です。
私たちが何かの勉強や練習に取り組む際、「モチベーション」というのは大切な要素です。
「モチベーション(motivation)」について調べると、「やる気」「意欲」「動機」などの意味で用いられる表現で、主に「行動を起こす契機となる刺激や意欲」といったニュアンスで用いられることが多いようです。何かをする上での動機・やる気のことを「モチベーション」と定義されているようです。
先日YouTubeである動画を見ていた時のこと。
元日本代表の陸上競技のコーチが、ゲームのキャラクターの走りについて雑談を交え解説する動画の中で、「このキャラクターは『練習嫌い』という設定のようですが、実際に練習嫌いの子がいたとしたら、コーチならどのように『モチベーション』を持たせますか?」という質問がありました。
コーチの回答は
「目標設定が大切だと思います。本人は何を目指しているのか、次はどの大会で結果を狙っていて、どのくらいの記録を出したいと思っているのかを聞いて、練習内容とすり合わせることで『モチベーション』につながっていきます」
というものでした。
私はそれを聞いて、「療育に来ている子どもたちも、本人の中で『こうなりたい』『これができるようになりたい』というようなハッキリした目標があれば、それを活用することで学習に対する『モチベーション』につながるのでは」と考えました。
大人が「こうなってほしい」「これができるようになってほしい」というものは、例えば「自分で磨き残しなく、歯みがきをしてほしい」「持ち物の管理が一人でできるようになってほしい」「朝、自力で気持ちよく起きてほしい」「友だちと仲良く遊べるようになってほしい」など、今のその力を身につけておくと、将来大人になった時にも役立つというようなものが多いように思います。
では子どもが思う「僕、こうなりたい」「これができるようになりたい」はどういうものでしょう?
もしかしたら「自転車に乗れるようになりたい」「お風呂に入らず、ゲームをずっとしていたい」「好物以外は食べたくない」など、目の前の「今」に向いていて、大人が思う「こうなってほしい」というものとは、少し乖離しているかもしれません。
どちらの言い分が正しい・間違っているということではありません。
ですが、周りの大人が「こうすべき」ということだけでは、なかなかお子さんたちは「モチベーション(動機・やる気・意欲)」を持ちにくいと思います。
自分たちが子どもの頃も、「将来」「大人になったら」と親から言われたことで、「よし!やるぞ!」とモチベーションを持つことは、少なかったのではないでしょうか。
そういう年齢的なところに加え、ASDのお子さんたちには興味関心の狭さと深さがあります。自分の興味の持てそうにないことに対して、「皆がやっているから」「○歳になったんだから」「やったらかっこいいよ」といった世の中・社会一般的・常識というような話の持って来られ方をしても、それがモチベーションにはつながりにくいのです。
ですから、まずはその子の思い・見ている世界・今の興味関心を知り、それをうまく取り入れながら、大人の思う「将来」「大人になる時に必要な力」に繋げられるよう、すり合わせが大切になると思います。
モチベーションについて、私の体験でうまくいかなかった経験があります。
ある日の療育でのこと。
Aくんに対人コミュニケーションの練習として、Bくんを誘うという練習をしようと設定しました。
以前、BくんがAくんを誘ってくれて、ブロックで楽しく遊んだことが何度かありました。
「Bくんと遊ぶことは、経験したことがある」
「一緒に笑い合うなど楽しそうな姿があった」
「ブロックはAくんもBくんも好きな玩具」
「園で友達を誘うということを身につけてもらいたいというお母さんの希望にも沿う課題」
ということで、本人にとってもモチベーションが持てる場面だと考えての設定です。
「Bくんに『一緒にブロックをしよう』と誘いに行こう」と私が台詞などを視覚的に伝えて提案すると、Aくんは「いやだ」とはっきり拒否しました。
「え?なんでだろう?」と思って理由を聞くと、その日Aくんは「一人で」ブロックを作って遊ぶつもりで来ていたそうです。
ブロックは好きだからこそ、誰かと一緒にということは「モチベーション」を持ちづらいこと・以前誘われてブロックで楽しく遊べた時も、実はBくんを意識してというよりは、ブロックそのものをやりたいと思っていて、それを持っているのがBくんだったから、ということのようです。
このことから、いくらこちらで教えたいことがあっても、本人のモチベーションが持てていないと、意味を持って取り組みづらいということが分かりました。
逆に、本人のモチベーションに合わせたことで、うまくいったことがあります。
また別の日の療育でのこと。
Cちゃんは、「人に呼びかける」という注意喚起がコミュニケーションの課題です。
取り組んだプリントをお母さんに見てもらう、というような設定の時には、あまり「モチベーション」を持てずに「まあ、言われたからやるけど…」というような姿勢でした。
そこで、Cちゃんの大好きなキャラクターの塗り絵をして、それをお母さんに見てもらう、という課題にしたところ、「丁寧に塗りたい」と塗り絵そのものにもモチベーション高く取り組み、「お母さん、見て!」としっかりハッキリと呼びかけ、他のスタッフや別の場所にいた同室のお子さんにも「ねぇねぇ、これ○○なんだよ。見て!」と、こちらが意図していた以上にしっかり呼びかけることができていました。
方向性を持って相手に呼びかけるためには、「伝えたい」という思いが大事になります。
この場合は、本人の好きなもの・興味関心を活かしたことでモチベーションが高まったのだと思います。
また、ASDのお子さんは経験したことから学ぶ力が強いです。そのため、本人の中でのモチベーションや意味付けが、実際の体験の中から生まれることもあります。
「こんな時どうする?」をチャート形式で教えられていたDくん。
例えば「先生に用事があるんだけど、その先生がいない時」「声をかけても、相手に気付いてもらえない時」など、色々な状況で、どういう解決策があるかをチャートでまとめ、それをファイリングして保存して使っています。
最初のうちは、本人はそのチャートを使うことに対しての効果がよく分からないようで、「またこれかー」とコメントしていました。
ですが、実際に自分の困った状況が、そのチャートを使うことで解決したということを体験していくことで、同じような状況になった時に、自らそのファイルを見るようになったのです。
それはまさに体験的に、Dくんにそのファイルを使うモチベ―ションが生まれた姿でした。
ご家族にもその場面を一緒に見ていただき、「家でもこのファイルを見て『今のってこれを使ったらいい場面だよね』と本人からコメントしていました」とコメントしてくださったり、「宿題だったので、私(母)も早速書いてみました」と見せてくださる姿から、ご家族もこのような方法で取り組むモチベーションを感じてくださっていることを嬉しく思いました。
最初に紹介したYouTubeの陸上コーチの言葉にもあったように、本人にとっての「目標」をどこに置くか、本人が「モチベーション(動機・やる気・意欲)」を持てるようにどう仕掛けを作っていくか、そのあたりが療育の中でご家族と一緒に考えていけると良いなと思います。
そのためには、まずは「今」その子が何に興味があって、どうなりたいと思っているかが大切です。
ぜひご家族からも教えていただきたいと思います。教えてくださいね。
赤磐ぐんぐん療育スタッフ:I

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

今回は、療育の中でのエピソードをご紹介したいと思います。
ぐんぐんキッズに来ているAちゃんも見えたものに強く反応をします。
同じ時間に来ているBちゃんが、コミュニケーション支援として使っているリマインダーがとっても気になっていました。それが見えると触りに行ってしまいます。
Aちゃんが触りに行ってしまうその行動の理由を考えた時、“注意の問題” が関わっているのではないか、とまずは予測しました。
Bちゃんが使っているリマインダーはピンクの台紙に先生の顔写真と援助要求の時のセリフが書いてある紙が貼ってあるものでした。
先生とあそぶことも大好き、ピンクも大好きなAちゃんです。Bちゃんの持っているそのリマインダーはとても注意が引かれるものだったのだと思います。
まずは、Aちゃんがそのリマインダーについている、スタッフの顔写真に注目して触りたくなるのではないか?と考えました。 
そこでBちゃんのリマインダーに表紙をつけて、パッと見たら表紙だけが見えている状態になるようにしました。先生の顔写真は見えません。

              (表紙をつけたリマインダー)

しかし、Aちゃんはまた触りに行こうとしました。スタッフの顔写真は見えないのですが、Bちゃんのリマインダーはピンク色の台紙で作っていたので、ピンクが大好きなAちゃんはピンク色のそのかわいいリマインダーが気になっていたのです。
でも、Bちゃんもピンクが好きなので、この色を変えるわけにはいきません、、、。
スタッフで話し合う中で、Aちゃんに同じものをもたせてはどうか?という案もでましたが、それをしてしまうと、Aちゃんが気になったものは、全部Aちゃん用のものを作らなくてはいけなくなります。
同じものを持つことで、Bちゃんのものを触りに行くという行動は一時的に無くなるかもしれませんが、それでは解決方法にはなりません・・・。
そこで別の方法を考えました。
“状況理解の難しさもある”と考え、これが誰のものかをAちゃんにも分かりやすき示す方法を試してみることにしました。
それまでも、Aちゃんが触りに行こうとすると、「これはBちゃんのものだよ」と声をかけてその行動を止めていました。そうすると、Aちゃんは、「これはBちゃんのもの」と言っていて、その場では分かってはいるのですが、また場面が変わって、そのリマインダーが見えると、“これはBちゃんのものだよな・・・”と思い出す前に、“気になるので触りに行く!”という行動につながっているのではないかと予測しました。
なので、視覚的な手掛かりに強く注目できる、ということを、Aちゃんの強みとして活かすために、Bちゃんのリマインダーに一工夫することにしました。
そのリマインダーにBちゃんの顔写真をつけることにしました。

(Bちゃんの顔写真付きリマインダー:AちゃんからはBちゃんの顔が見えます)
次の療育の日、Bちゃんの様子を覗きに行ったAちゃんでしたが、「私もあれほしい」といいましたが、触りに行こうとはしませんでした。その次の療育の時も先生と勉強のエリアに行き、勉強をしているBちゃんを見ていましたが、もう何もいいませんでした。Aちゃんは、あのリマインダーはBちゃんの物だということがわかったのだと思います。
今後、このBちゃんの顔写真は少しずつ小さくしていけたらと考えています。
Aちゃんは字が少しずつ読めてきているので、名前が書いてあるとそれを見たら、これは自分の物じゃないな、ということが分かるようになったり、学校場面を考えると、自分の机と他の人の机の違いが分かれば、自分の机の上に無いものは自分の物ではないから勝手に触らない方がいい、そんなことも少しずつ教えていくことができたら、“他の人の物に触らない”ということが般化していけるかなと考えています。
Aちゃんのように見えたものに強く注意を引っ張られるお子さんはたくさんおられます。周りの環境を整えることも支援方法の1つです。今回はこのリマインダーはBちゃんのだよということをAちゃんにわかる形で伝えてみました。
一人一人のお子さんが違うので、一人一人に個別の対応が必要です。その子の行動から理由を考えて、お子さんの特性に配慮し関わりができるようにこれからもこころがけていきたいと思っています。
ぐんぐんキッズ療育スタッフ:N

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
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