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令和 4年10月31日

 

 第294号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 294号 目次

      新しい事務所です

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

      おやじの会 BBQ・木工教室・キッズルーム・クリスマス会 の 報告とお知らせ

     OHAの会・サッカー&ドッジスポーツクラブ ・水泳教室 の報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「特別な支援が必要な子たちの「自分研究」のススメ

      ぐんぐんだより 

     近隣の講演会等のご案内

秋本番を迎えて、紅葉の便りがあちこちから届いています。
評判のあまり良くなかったGo to キャンペーンに変わって、全国旅行支援というのが始まりましたね。
日本中がコロナ禍でどこへも行けなかったところを、ようやく広く観光地を旅できるように、また観光地の活性化のために・・そして経済を動かすために、という趣旨で様々な取り組みがなされているよう
です。
京都にでもこの機会に行ってみようかしら?? なんて考えてみた私でしたが、あっという間に京都は売り切れで、もう一杯で行けないそうです。
京都はゆったりと回りたいので、またの機会といたしましょう。他を当ってみましょうか。
さて、思い返すとコロナ禍で、いろいろな価値観の変革がなされた気がします。
まず、結婚式やお葬式。家族だけでというのが主流になったように思います。冠婚葬祭、昔のように大勢にお知らせをして、大掛かりに挙げる式は、もうしないでいいかなと思ったりします。
特にお葬式は、小さく家族でひっそりと故人を送るというのでいいように思います。
ただ、以前ならお葬式に呼ばれるはずの知り合いが亡くなっていました。夫の同級生が二人と、とてもお世話になった地区の知り合いの方でした。亡くなられたことを知らず、それを耳にしたのは、ずいぶん後からでした。今更お悔やみを言いに行くのも変だし、ましてやお香典を持って行くのも時期遅し・・と思えて、そのままにしているというようなこともありました。
いろいろな意味で世の中コロナの影響を受けているように思います。
育てる会も同じで、一番大きく変わったことは、講演会がほとんど会場では行われなくなったことでしょうか。
会場を借りるのは岡山では大変で、ある程度大きな会場で会場費が安いところ・・・というと、6か月前の月初めに会場へ行ってくじ引きで決定というのが通例でした。
それまでに講師の方の都合を聞いて、準備しなければなりませんし、くじ引きの結果会場取れなければ、また他を当らなければなりませんでした。どうしても取れないときには、講師の先生にご無理をお願いするか、その先生の講演をあきらめるか・・・。事務局としてはとっても大変だった訳です。
それがこう言っては何ですが、コロナ禍のおかげで、ほとんど講演会がZOOM開催となりました。
育てる会として、コロナでの一番の変化そして、助かっているのはこのことです。これからもずーっとZOOMでいいかなと思っているのですが、どうでしょう。
会員の方の中にはスマホ以外にはネット環境にないという方もおられます。それで正会員の方の中で希望される方に関しては、別日に事務局で見ていただくというような形で講演会に参加いただくことにしています。
コロナが収まって、インフルエンザ並みになったとしても、昔のように会場で大勢が集まるというようなことは、もうないかもしれません。
以前の講演会の前は、会場との連絡や手伝いスタッフの確保、持ち込む機材準備、参加者リスト、販売書籍準備など、諸々の準備で大わらわでした。
ところが、ZOOM開催になった途端、そういうこと一切の負担がなくなりました。
事務局スタッフNさんが、準備から当日のZOOM管理までをしっかりやってくれるので、私はのんびり気楽に当日を迎えるようになりました。
ただ一つ残念なのは、講師の先生との控室での楽しいお話ができなくなったことです。私個人としてはとても残念なことです。

さて、そんなこんなで、1月までまだ日にちはありますが、次の講演会の案内をさせていただきましょう。
次回の講演会は、何年か前にも来ていただいてご講演いただいた大阪の中谷正恵さんと、高知の上村和子さんにお越しいただいて、自閉症の人の余暇についての講演会を行います。
日時:令和5年1月14日(土) 13時〜16時
演題:「生きていくための大事な時間の使い方 〜余暇について〜」
自閉症の人たちにとってコミュニケーションの支援ははとても大切です。中谷さんと上村さんは、共にご家庭でPECSによる表出コミュニケーションに丁寧に取り組まれているお母さん方です。
私たちの「あかいわPECSサークル」でも、とてもお世話になっていて、毎回のPECSマニュアルの通読会では、いいアドバイスをいただいています。そんなご縁から今回おふたりのご家庭での取り組みの中から余暇支援についてお話しいただくことになりました。
大人になった自閉症の人にとっての大きな課題は何だと思いますか?
親元を離れて、グループホームで過ごすようになった大人の自閉症の人をお世話するようになって、特に感じることは、余暇についての取り組みの不足です。
日々の暮しだけで大変で、余暇のことまで手が回らない・・・。もっともなお話です。現在家庭では様々な問題行動だと思えるようなことへの対応をしていくので精一杯、将来の余暇についての考えなんて及ばない・・・そう言われる気持ちは、理解できます。
ただ、忘れないで欲しいのは、これからの彼らの長い人生を常に考えることではないかと思うんです。
楽しいことや興味が持てることをたくさんたくさん見つけてあげること、これからの人生ひとりで楽しめることを真剣に準備しよう、そう思えるのは親だけではないかと思うんです。
学校は、勉強や職業スキルを学ぶところでしょう。
頑張っても無事に就労できるところまでで、彼らの卒業後の人生の豊かさまでを考えてくれと言うのは、酷な話です。
我が子の将来を考えられるのは、親だけです・・・と私はそう思っています。親は本気さが違います。だって先に死んじゃうんですもの。彼らの人生が、充実したものになるなら苦労はいといません。どんなことでもやりますよ・・・・ね!
そういう意味で、まだ小さいお子さんをお持ちのお母さんたちにとっても有益なお話が伺えることと思います。どんな風に余暇を考えるか、そしてどんな風に余暇を教えていくのか、それが知りたくて、成人期になられたお子さんを育ててこられたお母さん二人にお話しいただくことになりました。
どんなことにも取り組み方があります。教えなければ学ばないといわれる自閉症の子供たちです。ある程度一人で過ごすことが出来なければ、自立を考えることは難しいといえます。
どんな風に教えていくかそのコツや取り組み方についてのお話は、まだ小さいお子さんをお持ちの方から、大人になってしまった方にも有効な方法をお聞きできると思います。
来年早々ですので、予定を空けてお待ちください。よろしくお願いします。

さて、今月号は事務局移転して最初の会報です。
どんなところか写真で見ていただきましょうね。
芝生張り
     (みんなで庭に芝張りをしました)
 
2階の事務室
      (まだ荷物も少なくゆったり過ごしています)
応接室 兼 相談室
     (窓の外は、隣のスーパー「ゆめタウン」、買い物にも便利になりました)
全体景観
      (芝張りも終わった事務局です)
いかがですか?  素敵な建物でしょう?
大きな庭に大きな石や植木がいっぱいありました。典型的な日本庭園でした。
ちょっともったいなかったけれど、将来、子どもたちが安全に遊べるようにと、それらをすべて撤去して庭には芝生を敷き詰めました。
実はこの建物の2階は事務局が入っていますが、1階は広いので何かできないかなと考えています。
1階には18畳の広間があります。会員さんの中でマッサージの仕事をされている方から、集まりを持ちたいという話があったり、お母さんの体操教室やヨガ教室など色々な楽しい企画を考えています。
いかがですか・・・あなたも何かアイデアを考えてみませんか?
私が個人的に考えているのは、春のフリーマーケットに出す鍋つかみやテーブルセンターなどの、手作りボランティアを募集して、ワイワイとお話をしながら作りあげる、そんな集まりができれば・・・なんて思っています。
マーケットで売れ残ったモノは、事務局で売っていきましょう。収益は、育てる会の運営資金にします。
実は私は以前パッチワークを趣味としてやっていました。息子の障害が解ってそれどころではなくなったので、その頃集めた布がたくさん残っています。
それを使って、何か作れないかな・・と考えた次第です。皆さん、一緒に作ってくれませんか?
さて、この広い空間を利用して、他にもビデオの上映会や、座談会などもできますので、ご意見をお寄せくださいね。
また、玄関を入って右側には、独立した形の場所があって、ここがちょうど子どもたちの療育の場にぴったりという感じの部屋になっています。
スタッフさえ集まればすぐにでも新しい療育を始められます。そこで、スタッフも募集中です。
色んな夢が実現するこの場所を多くの方が利用していただけることを願っています。

お話し変わって、秋の空の下、今年も木工教室を行いました。
寒くなり始める頃なので、風や寒さそして雨のことなど、心配でしたが、なんということでしょう。晴天に恵まれ、ほどよいポカポカ陽気の中で、楽しく木工教室を行うことが出来ました。
参加者の感想や報告が後のページにありますのでご覧ください。
川月清志先生に毎年お世話になって、今年で24年目です。
今まで作った作品もそれだけあるということです。
木製品はオイルで時々磨いてやると年々風合いをまして、いい色いい艶を出してくれます。
我が家は毎年参加してきたので、たくさんの木工製品があります。哲平のお気に入りは、何点かグループホームにも持って行って、飾っているようです。
それでは、今年の冬はコロナとインフルエンザの同時流行に要注意とのことです。
みなさま、どうぞご自愛いただいて、来月また元気でお会いしましょう。
(鳥羽 美千子)

令和4年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座 

梅永先生プロデュースによる即実践講座です。
今年度は第一線の現場で活動されているバリバリの研究者・実践家の若手のみなさんのお話を聴くことができ、自閉症支援の未来が明るくなっていくようで嬉しく思っています。
第6回は、加藤健生先生、宮野雄太先生に続く若手の研究者、縄岡好晴先生による就労支援のお話しです。
前回は加藤先生による「知的障害を伴う」方への支援のお話しでしたが、今回は「知的障害を伴わない」方への支援についてです。もちろん同じ自閉症ですので共通する部分は多いのですが、知的障害の有無によって支援の方法が違ってくる部分もまた多いですね。
第6回は、その中でも就労支援 「ESPID」について、みんなで学んでいきたいと思います。
後日配信も用意していますが、やはり生でお聴きする方がいいですね。お忙しいとは思いますが、みんなで一緒にお聴きしましょう。

  『 令和4年度 第6回 現場の先生のための 即実践講座 』

日 時:令和4年11月10日(木) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(ZOOM) 
テーマ:「知的障害を伴わない成人期自閉症者の就労支援 − ESPID」
講 師:縄岡 好晴 先生(大妻女子大学)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
     (途中参加の方には、見逃し配信をご案内します)  
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
それでは前々回の宮野先生と前回の加藤先生の講義に寄せられたアンケートの一部です。

  第4回 「学校現場におけるライフスキル指導」 宮野雄太先生の講義のアンケート

○ ライフスキル、本当に膨大で何から取り組めばよいか迷います。今日のお話にあった個人の状況に合わせたものであることはもちろんのこと、時代にあったということはほんとにそうだなあと思いました。
支援をしている方の中で、引きこもっている方もおられます。仕事や社会活動にすぐにむかえなくても、今の状況の中でできるその人にあったスキルアップがあるのではないかと考えさせられました。具体的支援内容ももっとお聞きしたかったです。ありがとうございました。
○ ライフスキルについて,定義や内容だけでなく指導の目標設定についても知ることができてよかったです。
自閉症情緒障害特別支援学級で,普段アカデミックスキルばかりになっているなと感じているので,もっと子どもと関わったり観察したりして,その子が成人期に入ったときに必要なライフスキルの指導目標を考えたいと思いました。
具体的な話題で共感しながらあっという間に時間が過ぎました。ありがとうございました。
○ 事例報告では、機能分析をしたり、コミック会話からロールプレイをしたり、また直接観察や介入をしたりと、知識、技術を用いて子供のライフスキルを教えたり、支援したりするのだと理解できました。
また、個別性が大切で、今子供の置かれている環境において何が必要か、また芽生えであるかどうか、本人、家族のニーズは・・・などおさえるポイントも示していただいて分かりやすかったです。
○ 学校で指導して下さっているスキルが、卒後の事業所利用に際してなかなか生かされないことが多々ありましたが、学生時代に求められるライフスキルと成人を迎えてから求められるライフスキルには違いがあり、その指導内容に乖離があることからズレが生じていることに納得が行きました。卒後に求められるスキルを考慮したうえで先々を見据えた計画的な指導が必要だと考えました。
また変化する時代の情勢や環境に合わせて支援の方向性や考え方をアップデートする必要があることを感じました。

第5回 「知的障害を伴う成人期自閉症者の構造化による支援」 加藤健生先生の講義へのアンケート
○ 知的障害のあるASDの青年の支援の様子を動画なども見せていただきながらお話していただき、「支援のスタートに遅いはない」という思いを改めて強くしました。
だからといって明日に来月に一年後に放置するのではなく、明日より早い今日から支援を始めていくこと。本当に一朝一夕にはいかず、毎日一歩進んで三歩ぐらい下がっている支援者の自分ですが、加藤先生のお話を通じて、また参加者の皆様のコメントなども読ませてもらいながら、こんな素敵な仕事をしておられる全国の同志たちに出会えてうれしいなと思います。
ASD支援って難しいけど、とても素敵で大切な仕事ですよね。これからも学び続け、自己研磨をしながらチームの皆と支援をし続けていきたいと思います。なんだか決意表明?のようになってしまった・・・。梅永先生のコメントも素敵でした ! ありがとうございました !
○ 貴重な実際の支援場面動画の提供、とてもありがたかったです。
かなりプライベートなシーンもあったのであのような記録を教材として提供することに理解して下さっている家族の方の思い(多くの人の支援の参考や支援者人材育成に生かして欲しい)、それを可能にしている支援スタッフとの信頼関係が築けているからこその今回の講座であったように思います。本当に貴重な映像や情報提供ありがとうございました。
最後の梅永先生のコメントで「本人を変えるのではなく、本人は本人のまま、環境にアプローチをする」「トレーニングしない、教育しない、変えようとしない」素晴らしいワードだと思いました。不適切な行動は適切な行動に修正し、理解を進めるように支援することは大切だと思いますが、支援を考える、実際に行う時に「自閉症を修正しようとしていないか」という自省を持ちながら支援者の在り方を考え続けていきたいですね。
○ 小児科看護師です。特に採血の実践がとても勉強になりました。医療従事者が自閉症を理解し構造化支援をできたらよいですが、実際に日々の忙しい業務の中で構造化を作成するのに限界を感じます。
でも今回の実践みたいに、「当事者の理解を待って進めてください」「看護師さんは怖がらせないように白衣を脱いで淡々とやる役割になってください」と具体的な進め方・役割を、施設の方から教えてもらえたらとても助かります。自閉症の有無にかかわらず、小児科の子ども達のプリパレーション実践にも生かせそうです。ありがとうございます。

令和4年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐市

児童精神科医の村松陽子先生を講師にお招きして、赤磐市と共同開催の夜間連続講座「発達障害支援 知っておきたい基礎知識 〜今、支援者の方に伝えておきたいこと〜」です。
大変好評をいただいている村松先生の夜間連続講座も折り返しを過ぎ、第6回に入ります。
これまで教えていただいた基礎知識を活かして、いよいよ問題行動と向き合いましょう。テーマはカギカッコ付きの「問題行動」と併存しやすい問題、となっていますので、これまで誤解されることの多かった彼らの行動についても、新しい視点からお話しが聴けるのでは・・・と楽しみにしています。

  『 第6回 支援者向け発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐市 』

日 時:令和4年11月22日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(ZOOM)
テーマ: 「発達障害の「問題行動」と併存しやすい問題」
講 師:村松 陽子 先生(児童精神科医:京都市発達障害者支援センター センター長)
主 催:赤磐市、岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料
一般 13,000円、賛助会員 10,000円(全10回分) 別途 資料代 各 7,000円 (10回分)
 (途中参加の方には、見逃し配信をご案内します)  
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
それでは、前回の第5回のアンケートと、先月号に間に合わなかった第4回のアンケートの一部をご紹介させていただきます。

第4回 コミュニケーションの支援(9月27日)のアンケートの一部です。
○ 言葉を理解されているように見えても、ルーティンで理解されているようなご利用者さまがいらっしゃり、どこまで理解されてるんだろうと思いました。ごはんやトイレなどよく使う言葉は分かっておられるようですが、キチンと評価をする必要性を感じました。私もご利用者にお伝えするときに、無意識に色々な手段を使っていると思いました。
○ 実際の療育現場で、うまく要求できずに不適切行動で示してしまう子どもたちにたくさん出会うので、今日のテーマは本当に興味深く聞かせていただきました。
評価、分析の大切さを学ばせていただきました。動画もすごくわかりやすかったので、今後もぜひ取り入れていただきたいです。本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します。
○ 先日、小学校低学年の児童の学習の際、経験値の少なさにより、物の名前を知らないことで問題が解けず、しかし職員に教えてもらうことには抵抗があり、本人は「いわんで」を繰り返し、わからないことにイライラし始める場面がありました。
「おしえて」が言えれば、スムーズに問題が解け、本人も楽だろうに、と感じました。こんな場面で「おしえて」のリマインダーを側に置いといていつでも活用できればと思いました。
○ 私は成人の就労支援分野の福祉サービス事業所に勤める支援員です。今自閉症の成人男性が2人利用されています。どちらの方も言葉を話すことができますが、言葉を話すからといって「相手に伝える」という機能として言葉を用いているとは限らない、であるとか、一見言葉を介してやり取りが成立していると思えても、実はこちらからの無意識の促しが多分に影響している可能性がある、というお話を聞いてなるほどと思いあたることが多々ありました。
我々事業所の中の特定の支援員と意思疎通が何となく結果として成立しているからといって、それがご本人のコミュニケーションスキルには必ずしも直結しないということは今回大変大事な気づきとなったと思います。さっそく、受信・発信の評価をやってみたいと思いました。

続いて、第5回 アセスメント(評価)について(10月18日)のアンケートです。
○ 今日は演習があり、実践の様子を動画で見られたので、講義で学んだことを現場の支援に実際にどのように落とし込んでいけばよいのかがとてもイメージしやすくわかりやすかったです。
インフォーマルな評価は実施者の力量や経験により差が出るというのはまさにその通りだと感じました。インフォーマルな評価ではありますが、実施者の主観に偏っては評価としての意義をなさないので、やはり理論に基づいた知識やスキルが必要であり、それは事業所の中である程度標準化されている必要があると感じました。この講義を受講して学んだことを事業所の他の職員にも伝えていけるようしっかり復習し、利用者さんにまず「やってみる」そして「検証する」ということが大事だと思いました。
○ 毎回、とても分かりやすい資料で講義が聞きやすく。福祉を学び始めた時にこのように教えてもらっていたらどんなに卒業後の仕事がし易かったのだろうかと思われます。
言われてみれば得意なところを生かす。興味を取り入れるは当然だが、達成感が得られて、本人にとって意味があるか、生活・自立に役立つかというポイントまで考えることを、今後力を入れていきたいと思いました。
○ 評価をするということが適切にできているのか不安で苦手な分野ですが、本人を中心に何ができるのか、どんなことが好きかなど行動観察をすることを意識して的確な評価できるようになれたらなと思いました。また、今回の講習では、評価の仕方を別紙プリントを用いての演習で、評価の仕方を具体的に知ることができました。

令和4年度 支援ツール勉強会

澤月子先生から支援ツールの作り方を学ぶ勉強会です。
参加者のみなさんで、作った支援ツールを見せ合ったり、先生から助言をいただいたりしています。
一月空きましたが、次回の支援ツール勉強会の案内です。
令和4年11月21日(月) 第4回目 10:00-12:00 (Zoom)
次回のテーマ「将来の仕事に繋がる or 余暇としての自立課題の作成」です。
途中から参加も可能です。興味がある方は、事務局まで! 正会員の方 無料です!!
※ 講義部分のみ後日配信あり、賛助会員の方もご参加いただけます。
今年度は、11月以後は、来年1月23日(月)・3月13日(月)を予定しています。

おやじの会 B・B・Q(バーベキュー) のお知らせ

暑かった夏も終わり、一気に秋が深まってきましたね。
コロナ禍でお待たせしていました、おやじの会主催のバーベキュー大会をいよいよ開催します。
もちろん、おやじさんだけでなく、お母さんとお子さんでの参加も歓迎いたします。
会場は、新しく移転した育てる会事務所の側(そば)ですので、時間がある方は帰りにでも寄ってください。自閉症関連の書籍なども、一緒に引っ越しています。
さて、バーベキューです。
メインの肉類はこちらで用意しますので、ご家族で食べられる主食(ご飯やおにぎり)と、お好きな野菜(キャベツ、カボチャ、ナス・・・etc.)だけは、カットして持ってきてください。 
飲み物もソフトドリンクとお茶などは準備しますが、それ以外は持込み or 隣の売店で買ってくださいね。 食器類もこちらで用意します。
日 時:令和4年11月20日(日) 11:00〜14:30 (15:30より水泳教室のため)
場 所:農マル園芸あかいわ農園 BBQ場(赤磐市上市175-1:タイム駐車場 北奥)
参加費:大人(中学生以上) 2000円、小学生 1000円、未就学児 無料
申込:事務局(086-955-6758)、LINE、QRコードなど
申込締切:11月15日(火)  (正会員・家族 限定)

木工教室の報告

10月29日(土)、秋晴れに恵まれたおひさまハウス中庭にて、毎年恒例の木工作家、川月清志先生に指導をしていただいての木工教室を開催いたしました。
今年は小物を入れる便利BOXの作成でしたが、みんなユニークなデザインを考えてきてくれていて、楽しく作っていきました。
例年は糸ノコなど、お父さんの腕のみせどころ・・・だったのですが、今年はどういうわけか、お母さん方の参加が多く、お子さんと一緒に手を添え合って糸ノコを操ったり、オイル塗装をしたりと和気藹々の優しい雰囲気でした。
10名の参加でしたが、糸ノコを4台用意して譲り合って作ったおかげで、時間通りに全員完成して、みんな自慢そうでしたね。
いい顔をして全員で写真撮影です。
それでは、参加したみなさんからの感想です。
○ 今年も秋空の下で、木工教室に参加できてとても良かったです。
年長の娘と3回目の参加でした。娘もすっかり恒例のお楽しみイベントと認識しています(^^)事前の制作過程の動画がわかりやすくて、親子で何の気負いもなく参加しています。簡単にしっかりしたものが出来るので楽しいです。
川月先生ご夫妻と鳥羽代表が親切丁寧に教えてくださり、子どもが決めたデザインで難しいところも先生が助けてくださって、とても素敵なものができました。
毎年思い出の作品ができていくんだなぁと子どもの成長記録にもなりそうです。また来年も楽しみにしています。ありがとうございました(o^^o)
○ 毎回、素敵な作品を用意していただきありがとうございます。今回の「便利BOX」みなさん個性あふれる作品ができあがっていました。
何度も参加している我が家は息子が描いた絵をモチーフにして、作品を作りました。また、いつもおとうさんと参加する木工教室ですが、初めてヘルパーさんと参加しました。そのせいか、息子はいつもよりもサンドペーパーで一生懸命磨き、ネジはほぼ一人で取り付けることができました。ネジで固定する時には目がきらっとしていたと、ヘルパーさんも思わず写真を撮ってしまった〜と教えてくれました。気づかない間にできるようになっていたんだと思い、うれしかったです。
また一つ思い出に残る素敵な作品が我が家にやってきました。来年もまた参加したいです。
○ 前回は糸ノコ盤で切るのに苦労しましたが、今回はゆっくり動かしながら前回よりも上手に切ることができました。親子で協力しながら世界に一つだけの便利BOXができ、とても楽しい時間が過ごせました。グループホームの自室に前回のダストBOXに加え、今回の便利BOX。どこに置いて使おうか話し合って使いたいと思います。川月先生ありがとうございました。
○ 僕は初めての参加でした。デザインを全然考えていませんでしたが、僕の好きなゲームのキャラクターで、簡単にできるラインの物を選んで作りました。難しいところは先生にやってもらいました。
僕の作品ははめ込み式です。電動ノコは難しかったですが、とても楽しく活動できました。また来年も参加したいと思います。ありがとうございました。
○ 昨年少し失敗したためか、今年は糸ノコは怖くて手が出せませんでしたが、サンドペーパーで磨いたり、ネジを止めたりできることを頑張って挑戦していました。
オイルを思い切り塗りすぎて少しムラになってしまいましたが、出来上がった作品は大満足で家族に自慢しています。
お天気も良くとても楽しかったようで、また来年も参加したいと言っています。 来年は糸ノコにも挑戦できたらいいな。

キッズルーム 報告

10月2日(日)岡大体育館で今年度2回目のキッズルームを開催しました。
10名のお子さんが参加してくれました。また、今回も20名以上の岡大児童文化部の学生ボランティアさんが来てくれました!!
トライアルでは、体をめいいっぱい動かして好きな遊びを楽しみました。
リトミックでは、【とんでったバナナ】の体操をみんなでしました。
学生ボランティアさんが考えてくれた振付をみんな真似していました。次回からも続けていこうと思っています♪
紙芝居とお菓子投げも楽しんでいました。 
次回はクリスマス会です。 ぜひ、ご参加くださいね。

クリスマス会のご案内

日  時:12月18日(日) 13時〜15時頃(12:45受付開始)
場  所:岡山大学 体育館
参 加 費:子ども一人につき 500円 
      (岡大に駐車する場合は、駐車場代が別途500円程度必要です。)
申込:事務局へ (正会員限定) 

OHAの会 報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
今年度は講師に高橋和子先生をお招きして、お話しをお聴きしています。
10月15日(土)にOHAの会をズームで行いました。
今回のテーマ
  『親・子で本人の「高機能ASD」をどのように受け止める?』
前半は、子どもがASDであることについてやASDのわが子にどのように生きてほしいかなど先生と参加者とで意見交換をしました。
後半は、告知についてのお話をしていただきました。 
告知をする前にASDであることやこの先の人生をどう生きていってほしいかなど、しっかり親が理解し、考えや方向性を定めておくことも準備の一つだということでした。
本人に伝えるタイミングや伝えるときの留意点なども丁寧に教えてくださいました。苦手なことは別の方向から見ると強みでもあること、ASDであることを否定的ではなく肯定的に親子で感じられるようになるタイミングが告知のタイミングだと話されました。
はじめは、“何でうちが!?”って思っていたところから、次第に障がいについて受け止め(障がい受容)、いいところを伸ばしてやりたいと思い、やりようはあると思えるようになっていく。そんなタイミングで告知ができればいいのかなと感じました。
ASDであることをどのように感じているかみんなで話をする時間が持てて、子供への理解が進んだと思います。
次回は、予定を少し変更して、座談会形式の 交流会 を開催することに決定いたしました。
11月12日(土) 10:00-12:00  ZOOMにて開催 (正会員限定)
      ※ 11月は交流会といたしますので、見逃し配信はありません。
先生にお聞きしたい(困っていること)や、事前アンケートでお答えできていなかったことなどをお伝えしたり、参加者同士の交流等もできるような時間にしたいと思っております。
当日は途中退出も可能です。
なお、11月は座談会の開催といたしましたので、12月以降の講義内容の変更をお伝えいたします。
当初予定していた、内容と日にちが変わりますのでご確認をお願いいたします。
12月10日(土)
 「本人に対するアプローチの実際」
     〜親子のよりよいコミュニケーション/大人のかかわり方〜
1月14日(土) (1月15日(日)より変更です)
「本人に対するアプローチの実際2」
     〜自発的に問題解決ができる力、考え方を培うコミュニケーション〜
2月19日(日)
「子どもの環境を整える」 〜機能ASD児者に程よい構造化とは〜
「誰もがなる可能性のある不安・強迫・うつ等の二次障害」
     〜日頃から心掛けるかかわり方、ストレスからの逃れ方〜
  ※ 当初1月と3月に行う予定でした内容を2月にまとめて行います!!
3月11日(土)
「学校や同級性の親、同級生、会社、同僚にどのように、何を伝え、伝えないか」

サッカー&ドッチ スポーツクラブ お知らせ

日 時:令和4年11月13日(日)10:00〜12:00
場 所:岡山大学 体育館
参加費:600円(3回分) (岡大の駐車場利用の場合、別途駐車場代500円程度必要)
申込:事務局へ (正会員限定)  
※ なお、当日は岡山マラソン開催のため、市内に交通規制がありますのでご注意ください。
今後の開催予定は、1月22日(日)、3月5日(日)となっています。

水泳教室のお知らせ

日 時:令和4年11月20日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです。(1回 1000円)プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は11月17日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

お母さんコラム

小6でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、5歳(年長)でASDの診断のある保育園に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日のこと。小6の息子は、小2の頃にASDについて本人に告知をしています。
本人告知は、本人に障害名を伝えて「はい、おしまい」ではなく、自分自身の特性やどんな工夫をしたらいいかを一つ一つ学んでいるところです。
そんな息子から、先日ふとこんな話をしてきました。
「〇ちゃんからさ、『なんで支援クラスなの?』て聞かれたんよ」
「ほう。どう答えたの?」
「『俺、ASDだから。人が多かったりしたらしんどくなったり、あとじっくりゆっくり少人数で教えてもらった方がよく勉強が頭に入るタイプじゃから』ってそのまんまのこと答えたよ」
「ほう。で、どう言われたん?」
「『へー。そんな風に見えんね』ってさ」
「そっかー。それっていつのこと?」
「んー。もう一か月ぐらい前かな」
「ふーん。その後〇ちゃんはどんな感じ?」
「なんも。普通に話するし別にいつも通りよ」
「そっかー。ま、〇ちゃんならいいけど、誰にでも話したらいけんよ」
「そりゃそうじゃろ。ペラペラ話すような話じゃないし、伝える相手は選ぶよ」
・・・立派になったもんだなぁとしみじみ。
先日ある勉強会で、こんなお話を聞きました。
「ASDの人は、生まれつきASDの脳を持って生まれてきています。でも、その人のASDからくる困難さが、顕在化する(目立って見えてくる)時期は、様々です」
「その人の周りの環境が、その人の発達段階を無視したことを求めてきたときに起きる環境とのギャップで、顕在化や行動問題は起きてきます」
「逆に言えば、環境が良ければ彼らはどうなのか。そこをしっかり考えてほしいと思います」
まさに息子との子育てで感じるところでもありました。
親から一切離れられず一瞬でも離れるとひきつけるほどに泣き続けるので、トイレにも行けないことに不安を感じたあの夜・・・
一度癇癪を起こすと延々と泣き続けるあの脱力感・園で友達を追いかけるけど輪に入れてもらえないでいる息子を見たあの瞬間・・・
皆が当たり前にできるようなことができていないと感じて悩んだあの日・・・
特別支援学級(自閉症・情緒障害児学級)に入ることを選んだ時の葛藤・・・。
何度も何度も悩んで泣いて、「でも!息子なりに精一杯頑張っているんだ」「私も、よそのお母さんや奥さんに比べられたらやってらんないもんね」と言い聞かせるように思い込むように過ごした日々。
今は、息子がちょっと何か頑張っている姿を見ただけで「すごい!」「昨日よりもできている!」と大いに褒められる親になったように思います。
でも、あの頃誰かに「無理強いしないであげなさいよ」「できそうなことを応援したらいいじゃない」「お母さんが悩んでいたら子どもが受け入れられていないと感じることになるわよ」なんて言われても、きっと反発したんじゃないかと思うんです。
周りからのアドバイスやサポートを受けながら、それでもいっぱい悩んで苦しんで傷ついて、一つ一つ乗り越えてきた今だから「今の息子が元気で笑っているなら、それが何より一番だわね!」と笑える肝っ玉母さんになれたんじゃないかなと思います。
二人のASDの子どもを持つ親として、二人目の娘については、「お兄ちゃんがいるから」で終わりづらい、色々な悩みや心配や葛藤もあります。
まだまだ口うるさい母さんです。毎日「もっとわかりやすく優しく言ってあげたかったな」「また喧嘩みたいになっちゃったな」と同性だからこその難しさも感じます。
子育てに正解なんてない。今やれることを精一杯やるのみ!!ですね。頑張ります!
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
さて、先日コンビニに行った時の話です。
私は実行機能の弱さがあるので、一度に一つのことしかできないタイプです。
レジで総菜パンやジュースを出し、「あと『からあげクン』一つ」と注文しました。
すると「お客様、申し訳ないのですが、ご自身で取っていただくセルフ式になっているんです」と言われました。当然テンパる私(後ろに並んでいる人もいたので)。
そこであわあわしながら、からあげクンを取ってきて、渡して、さぁ会計だ!と思い財布を出していると、店員さんから何かを言われました。
あわあわしていると聴覚情報処理が遅れる私。
「え?」と言っていると、店員さんが「これ、されますか?」とレジテーブルのところに置いてある何かの一番下を指さされました。
そこに書いてあったのは「温めますか?」の文字。
総菜パンだったので、温めるかどうかを聞いてくださったようです。
ふっと力が抜けた私は「お願いします」とうなずいたあと、「レジ袋購入します」のサインも指さして、「これもお願いします」と伝えることができました。
帰宅してすぐにあれが何だったのか調べた私。
全国のローソンで実施されている「聴覚障害のある方の伝達手段」としてのものだそうです。
私がぼーっと生きている間に、世の中はどんどん便利になっていくなぁとしみじみ。
そして、聴覚障害のある方用の支援が、私のようにAS傾向のある人たちやもしかしたら場面緘黙の人などにとっても、すごく助かることになっているんじゃないかな?とも思う出来事でした。
バリアフリーとかユニバーサルデザインってこういうことなんでしょうね。
そう言えば「レジ袋どうされますか?大丈夫ですか?」という聞かれ方って分かりにくくないですか?
「大丈夫」がどういう状況なのか分かりづらいし、こちらが「大丈夫」と答えた時も「いります」の時もあれば「いりません」の時もありますよね。
それよりは、「レジ袋、いりますか?」という聞き方の方が「はい」「いいえ」で答えられるのでいいなぁとも思います。
世の中分かりやすくなってきて生活しやすくなってきていることに嬉しく思うと共に、何歳になってもイレギュラーに弱いことよのう…としみじみ自分を振り返る昼下がりでした。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)  

朝晩に寒さを感じるようになりましたが、日中は秋晴れの日が多く、腕まくりに大きな水筒を引っ提げ、玉入れやリレー、転がしドッヂなどを楽しんでいるぴっぴの子どもたちです。
ぴっぴでは、9月〜10月上旬にかけて個別支援計画と評価シートを元に、個別面談をさせていただきました。評価シートは、担当の支援者がたたき台を作り、情報として足りない部分はミーティングに図ったり、児童発達管理責任者とやりとりをしたりして完成させました。
時間がかかる作業ですが、療育で見られた姿や、行動の背景として考えられる特性をまとめていきながら、改めて子どもたちの成長とやりとりの軌跡を振り返ることができました。そして、ご家族にも、たくさんのことにチャレンジしていただいたり、たくさん情報提供いただいたりしたことを、連絡帳を読み返しながら思い出していました。
日常を過ごしていると、今の課題にばかり目が向きがちですが、評価シートには昨年度末にご家族から聞き取ったお子さんの様子も記録されているので、
「これは出来るように(分かるように)なってきた」
「行動が明らかに変化してきた」
「落ち着いて臨めるようになってきた」
「支援者を信頼して頼ってくれるようになってきた」
「お母さんの対応にも余裕を感じられるようになってきた」
と手に取るように分かります。
ご家族ともその話に触れると「確かに・・・そんなこと言ってましたね(笑)」と笑って話してくださいます。
なかなか変わりにくい部分も、
『なぜなのか(診断基準ともなる特性が起因していることが多いから)』
『何に配慮していく(練習していく)といいのか』
『家庭でも取り組めないだろうか』
といった視点でお話をさせていただきました。
普段お子さんのいる中で話をすることになり、落ち着いてご家族と療育について振り返ることがなかなかできないこともあり、懇談では子どもたちの成長ぶりに「笑いあり」「涙あり」の時間となった方もおられました。
〜懇談、評価シートに対する温かい感想コメントを、たくさんありがとうございました〜
どうしても日常に巻き込まれて、今の子どもや自分のことに目を向ける時間もないご家族にとっても、こうした時間は定期的にあるといいのかなと思いました。(次回は2月下旬から3月に行います。)
また利用者アンケートにもご回答いただき、ありがとうございました。支援スタッフ全員で全ての項目に目を通しています。
また、支援者各々に、自己評価をしてこれからの改善策などについて話し合いの場を設けました。
コメントを読みながら、アンケートだからこそ目にすることができた厳しいご意見もありましたが、どうするとより良くなるのか考えるきっかけになりました。
対人援助サービスだからこそ、驕らず、一方的な関わりにならないように、コミュニケーションを大切にしながら、また『楽しい体験・活動』を主軸におきながら支援を組み立てたり、自己研鑽を重ねていきたいなと思いました。(利用者評価の結果につきましては、11月にはホームページに公開いたします。)
年度も折り返し地点です!まだまだ伸びていく子どもたち・・・伸びていくからこそぶち当たる新しい壁にも(個別支援計画を元に)ご家族と意見交換しながら、二人三脚で向き合っていきたいと思います。
(ぐんぐんぴっぴスタッフ:K)

赤磐ぐんぐん (就学前)

いつの間にか、季節はすっかり秋模様となってきました。
昼夜の気温差が大きい時期でもあるので、健康面には充分気を付けていきたいですね。
さて今回のテーマは「『ゾーン対応』、お試し中!」です。
赤磐ぐんぐんは「クラス担任制」スタイルで療育を行っています。
イメージ的には「さくら組にはA先生・B先生・C先生が担任だよ。どの先生もあなたの先生だからね」と言うような形です。
とはいえ、毎回毎回関わるスタッフが変わると、お子さんもご家族も混乱するだろう、ということで、半担当制というか、月ごとに担当を回していくような形で療育を実施していました。
また赤磐ぐんぐんは「家族同室型療育」です。
そのため、「本人支援」と「家族支援」は同時進行で行っていきます。
・お子さんと関わり、対人コミュニケーションの支援を行う
・その姿を見ていただきながら、今の支援のポイントや課題などをご家族に説明する
・それを見てのご家族の思いや考えなどお伺いし、言動の理由やASDの学習スタイルなどを一緒に考える
・連絡帳を通じて日常での様子を確認しアドバイスをする
・相談用紙を持ってこられていれば、それについて氷山モデル・ABC分析などを使って一緒に考える・・・
などなど、やることは無限大、時間は有限な中、スタッフ皆フル回転しながら動いています。
ですが、なかなか難しい!!!
その中でのエピソードを少し紹介します。

  〈エピソード@〉

Aちゃんは「見て!」と相手に注目を促す発言をしてその時の相手の反応を確認する、という課題に取り組んでいます。
お母さんとスタッフ(私)が遊びエリアでAちゃんの遊んでいる側で勉強場面での様子から、Aちゃんの特性についてのお話をしている時でした。「そうですねぇ、確かに園でもそういうことはよくあって・・・」とお母さんが話をし始めた際、Aちゃんが「見て!」とピンアートで手の形を作ったものを、スタッフに見せてくれました。
自分から伝える力が伸びてきているAちゃんの発信を、しっかり受け止めてあげたいので、お母さんとのお話しを中断して「わぁ、手の形ができているね」「『見て!』と言ってくれたからすぐに分かったよ」と伝えると、Aちゃんはにこにこです。コミュニケーションが伝わった!ということがAちゃんの中で喜びになっているようです。
その後も、お母さんとスタッフが話をしていると、何度もAちゃんが「先生見て!」「これな〜んだ!」と伝えてくれます。その都度対応していると、お母さんとのお話がとぎれとぎれに。
「・・・お母さん、今どこまでお話しましたっけ???」となってしまうことがありました。
お母さんも「なんでしたっけ?」となってしまい、その日は「Aちゃんの発信を受け止めることはしっかりできたけど、お母さんが言いかけていたお話にも、きっと普段の生活に活かせる情報や、特性理解に繋がる話ができたはずなのにー!」とちょっとしょんぼりになったスタッフでした。

  〈エピソードA〉

Bちゃんは、発信が弱く、相手に察してもらおうとチラチラ相手を見たり物を置いたりという行動だけになりやすいので、誰にでも気づいてもらえる自発的なコミュニケーションの方法を探っているお子さんです。
遊びエリアで、お母さんとスタッフ(私)が連絡帳についてのお話しをしていると、Bちゃんは「お母さんとこの人は忙しそうだ」と判断したのか、別のスタッフの膝の近くにままごとで作った料理をそっと置いています。でもそのスタッフは他のお子さんに対応していて気づいていません。
人への意識が伸びてきているBちゃんなので、お母さんとのお話しを一旦中断させてもらい、私はBちゃんの傍により「食べて」と本人の思いを代弁してみました。するとBちゃんは代弁を模倣してスタッフに「食べて」と伝えることができ、そのスタッフにも気づいてもらえ、そのスタッフが食べる真似をする様子をチラっと見て元の場所に戻っていきました。
もしかしたらまたこのやりとりがあるかもしれないことをお母さんと確認して、少し様子を見ることにしました。
するとまた作ったものをそのスタッフに渡そう近づいています。これはチャンス!と思い、先ほどと同じようにBちゃんの傍により代弁すると、上手に模倣して「食べて」と伝えることができました。
3回目もあるかも!と続けて様子を見ていると、今度は自分から近づいて自発的に「食べて」と伝えることができ、お母さんも「自分から言えましたね!」と喜ばれていました。
暖かい思いを感じながら時計を見ると、療育終了時間です!慌てて連絡帳の続きのお話しをし「お話しできなかったことは後からLINEします!宿題もLINEで伝えさせてもらいますね!!!」とバタバタと帰っていただくこととなりました。
「本人支援」と「家族支援」。その両方を丁寧に行ないたいのですが、あれもこれも大忙しでやっていても「二兎追うものは一兎も得ず」状態になることもしばしば・・・。そんな現状に自分の中でも、力不足と言うか、もやもやを感じていました。
そんな話をスタッフ間で色々相談している時、ちょうど「保護者の事業所評価」で、ご家族から様々なご意見をいただく機会がありました。
その中で「子どものことをもう少し見てやりたい」「LINEが頻繁にくるので、返事をするのがなかなか大変」「ちょっと遊びに人が集まりすぎていると、密になっているので狭い」などのご意見があったことから、スタッフ間でこの現状があることを共有し、どう改善できるかを考え合いました。
そこで、現在は「ゾーン対応」での療育を試して行ってみている単位があります。
「ゾーン対応」というのは、各エリアに担当スタッフがおり、お子さんがスケジュールを活用しながら次の活動エリアに移動して、そのエリアの担当スタッフと活動を行っていく形です。
バスケットボールの「ゾーン・ディフェンス」のイメージが近いかなと思います。
マンツーマン・ディフェンスは相手チーム1人に対してディンフェス1人がピッタリ貼り付くスタイルです。
ゾーン・ディフェンスとは、各選手に担当エリア(ゾーン)があり、その持ち場に入ってきた相手に対応していくというスタイルです。ディフェンスの対象が、人か場所かという点が大きな違いになります。
マンツーマン・ディフェンスのメリットは、「相手の体格や能力に合わせて、適材適所の選手の配置ができる」「選手それぞれの責任のエリアが分かりやすい」「難しい戦術はないので、急ごしらえのチームでも対応できる」・デメリットとしては「相手との能力差があるとマークに付ききれない」「マークを抜かれた場合、他の選手もそれぞれマークしている選手がいるのでフォローが遅れる」「全体の守備にズレが生じる」「ディフェンス側は相手選手に合わせて位置取りするので、誰もいないスペースができてしまう」などだそうです。
ゾーン・ディフェンスのメリットは、「全体をバランスよく守れ、相手に抜かれてもフォローしやすく味方同士で助けあえる」「守備の穴ができにくい」「守備能力が低くても失点を防げる」「攻守の切替えで速攻につなげやすい」など・デメリットとしては、「相手が自分の守っているエリアから出て他のエリアへ行こうとした場合の守備の受け渡しが曖昧になる」「自分のエリアに入って来た選手に対して守備をするので、相手選手との身長差や能力の差があった場合、不利になる」「素早いパスまわしに弱い」「フォーメーションを崩されやすい」などがあるそうです。
赤磐ぐんぐんは、法人内で新人育成部門を担当している事業所ということもあり、入職したばかりのスタッフ・まだ勤務して数年のスタッフが多くいます。
そのため、赤磐ぐんぐんでも、ゾーン対応での療育を採用しながら実施していき、全体でサポートしあいながら支援をしていってみることになりました。
「Aくん親子にはA先生が今日の療育中にはずっと対応する」というマンツーマン対応から、「先生と勉強エリアは、A先生・遊びエリアは、B先生」というようにゾーン対応をしていく形です。
ゾーン対応で、「先生と勉強」エリア担当になったスタッフは、「本人支援」に加えて、お子さんの取り組みの様子などについての説明や連絡帳のお話や相談対応などの「家族支援」を丁寧に行います。
ご家族にしっかりお子さんの様子を見ていただいた上で、じっくりお話する時間を持つことで、お子さんの課題を共有したり悩みや心配事のお話ができているように思います。
一方、「遊び」エリア担当になったスタッフは「本人支援」を中心に行います。
人への意識や伝えたい力が育ってきているお子さんには、子ども同士のコミュニケーションや対人やりとりのチャンスを逃がさず、拾い続ける関わりをすると共に、これまで大人(お母さんたちやスタッフたち)でぎゅうぎゅうで密になっていたことからも解放され、より子ども同士が意識しあう場面も増えてきているように思います。
先日あったエピソードをご紹介します。

  〈エピソードB〉

遊びエリアにスタッフとCちゃん、Cちゃんのお母さん、Dちゃんがいした(Dちゃんのお母さんは別のスタッフと連絡帳の話を別エリアでしていました)。
CちゃんとDちゃんは、それぞれに淡々と遊んでいたのですが、大人の数が少ないことによってお互いをチラチラ見ることがあり、でもチラッと見るだけでなかなかそこから始まりはしないような状況がありました。
Cちゃん・Dちゃんそれぞれのお母さんたちには、ゾーン対応することによって遊び場面でも大人が少ないからこそ、子ども同士が意識し合うようになるかもしれないということをお話していました。
すると、Cちゃんのお母さんが「Cちゃん、Dちゃんが〇〇作ってるよ」と、普段スタッフがしているような関わり方でDちゃんの様子を実況中継のように伝えてくださいました。
Cちゃんはその言葉を聞いてDちゃんをチラっと見て、Dちゃんと同じような玩具を手にして遊びはじめました。
その後もCちゃんのお母さんはCちゃんとDちゃんが相手を意識できるような繋ぎ役をしてくださったり、お子さん達の発信に穏やかに対応してくださっていました。
ゾーン対応の肝は、「スタッフ同士のコミュニケーション・チームワーク」です。
「今からそっちに〇ちゃんが行きます」「次、□ちゃんが勉強エリアに来る時間なので、切り替えのタイマーへの促しお願いします」「ありがとう」「助かる!」などなど、声掛けも以前よりも増えてきています。
また、今回のCちゃんのお母さんのように、積極的に能動的に参加してくださるご家族の姿を見て、ご家族とも一つのチームとなって療育ができているように思い、とても嬉しく思いました。
ゾーン対応はまだまだお試し中です。良い部分も、もっとこうしたらいいのにな、の部分もあると思います。ぜひご意見を教えてくださいね。
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:G)

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

強烈な台風の風にのって急にやってきた秋ですが、あっという間に木々の秋色が深くなってきました。
季節の流れが例年よりも早く感じるのは私だけでしょうか?
朝夕が冷え込むようになりましたので、皆様、体調管理にはくれぐれも気を付けてお過ごし下さいね。
さて今回は、「コミュニケーション」の取り組みについて、ご紹介したいと思います。
Aくんは、コミュニケーションの表出が少なく、自分の要求や拒否を相手に伝えることが難しいため、嫌なことがあると固まってしまう事が多いお子さんです。
「嫌なことがあった時、拒否を伝えることができる」という目標に向け、取り組んでいるところです。
最初に先生とワークで取り組んだのは、まず、コミック会話を使って状況を説明し、この状況の時にどのように相手に伝えたらいいか、拒否を伝える時のセリフを、付箋に書かれたセリフの選択肢から選ぶという、操作性のある課題でした。
そしてその後で、支援者がコミック会話と同じような状況を再現して、本人が選んだセリフをリマインダーにしながら、自発で拒否のセリフを言う練習をしました。
1回目は、彼があそびの時間によくやっている活動である「折り紙」をしている時に、誰かに邪魔されるという場面設定で練習してみました。
実際に折り紙を支援者が取ってしまった時には、少し時間はかかりましたが、拒否を伝えるセリフのリマインダーを近くに寄せると、それを頼りにしてセリフを確認してから「やめて」と言うことができました。
考えておいた拒否のセリフを言えた後は、同じ先生とワークの時間内で上手に拒否を伝えることができたことを ”ほめる” ことも行いました。
そして、2週間後に(隔週通所の為)再度 別の設定(彼の好きなカードゲーム)で挑戦したのですが・・・この時は、コミック会話でのセリフ選びは前回同様に正解できたものの、次の場面設定で固まってしまったのです。
前回うまくいっていたので、今回も何とかスムーズにセリフが出てくればいいなぁ・・・と、少し期待していたのですが、何だか身構えてしまい、表情もこわばっている様に見えました。
一体何が引っかかっていたのだろうと思い、後で先輩スタッフに相談したところ、「前回折り紙をしようとしたら、突然先生に折り紙を奪われた」という経験から、「また同じようなことをされるの?」という緊張感が高まって、固まってしまったのでは?とのことでした。
そこで次の回では、コミック会話でのセリフ選びをした後に、
「これから練習するからね。」「これから、先生がAくんのペンを横取りするよ。」「もし、Aくんがいやだったら何て言えばいいかな? 練習だから、安心して言ってみてね。」と 場面設定を具体的に説明してから試してみました。
すると、支援者の顔を見ながら、即座に「やめて」と自発で言うことができたのです。
「そうだよね。いやだったら、『やめて!』って言えばいいんだよね。」
「『やめて!』って 言えばいいってことに 気付くのもむずかしいよね。 先生といっぱい練習しようね」と 伝えました。
前回の経験では、「大好きな活動で想定外の嫌なことが突然起こって緊張した」という、支援者の意図とは異なる経験を本人にさせてしまい、Aくんにしんどい思いをさせてしまっていたのだと分かり、反省しました。
Aくんには、練習場面で成功体験を積んでもらいながら、今後は少しずつ遊びやグループ活動の場面への般化につなげていきたいと考えています。
今回のことで、この活動(練習)の目的を、本人に分かるようにしっかり伝えてから取り組んでいくことの大切さに、改めて気付くことができました。
これからも、スモールステップでの成功体験を確実に積み重ねながら、できることを一つずつ増やしていけるようなきめ細かい支援を心掛け、お子さんの成長の喜びを ご家族と共有していきたいと思っています。
私自身もスモールステップではありますが、一緒に成長させていただきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。
(ぐんぐんキッズ スタッフ:W)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
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