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令和 5年3月31日

 

 第299号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 299号 目次

      桜並木の下で

      育てる会 自閉症啓発セミナーの報告
           「小田桐早苗先生 講演会」   

      即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

      育てる会総会、水泳教室、育てる会青年部、フリーマーケット の お知らせ

      OHAの会、キッズルーム、スポーツクラブ 、はやぶさの会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「おとなの自閉スペクトラム

      ぐんぐんだより 

     近隣の講演会等のご案内

     グループホーム寄付 お礼とお願い

3月下旬。東京の桜が満開を迎えてから、約2週間。岡山でも桜がようやく花を咲かせたようです。
それに少し遅れて、そろそろ赤磐の桜も満開の時を迎えようとしています。この会報が皆様のお手元に届く頃には、赤磐の桜も満開になっている頃でしょう。
桜の開花に合わせるように、空気も光もなにもかもが、春の訪れを喜んでいるようです。我が家の近くには桜のきれいなところが色々あって、小川のほとりにも桜並木がありますし、砂川の土手にも桜祭りのための提灯が据え付けられ、夜桜見物の方が訪れています。今日あたり、そぞろ歩いてみましょうか?
皆さん、お変わりありませんか? 新学期がいよいよ始まります。
子どもたちにとっては、新しい学校や園生活、新しい学年、新しいクラス、何もかもが変わるときです。
今度の担任の先生は、どんな人かしら? 自閉症のこと我子のこと解ってくださる方かしら? どんな子が同じクラスになるのかしら・・・、親としては、心配の種は尽きません。
でも、悩んでいても仕方ありません。一生懸命作ったサポートブックを、とにかく渡してみましょう。そして、折に触れ、家庭での様子についてお話したり、自分のやっている支援についてお便りしたりしましょう。
どうしてもこれだけはお願いしたいと思う内容があるのなら、信頼関係ができたころ、そう、家庭訪問の時に、我が家でやっているスケジュールや手順書などを先生に見てもらいましょう。そしてこうやればうまく行くと言うところを先生に見てもらう・・という形はどうでしょうか?
家で取り組んでいないような視覚支援や物理的構造化について、学校でやってほしいと先生にお願いするような人もいるようですが、それはだめですよ。先生は大抵一年だけの担任です。初めての子とどう付き合っていけばいいのか、アセスメントの時間もないし、特性もよくわからない状態なのに、あれをして欲しい、これをして欲しい・・・・、といきなり求めるのは無理ですよ〜・・・。
我が家のお話しとして、今でも良かったと思えることは、日々のお便りをしっかり書いたことでした。
書くにあたって、私が心掛けていたことは、「あれしてくれ、これしてくれ・・・」とは書かないことでした。家庭での息子の様子を、一生懸命に書きました。家での様子は、大変なことももちろんたくさんありましたが、できれば面白いエピソードをいっぱい盛り込んで書かせていただきました。
自閉症の子ですから、不思議なこと、面白いことをいっぱいやってくれました。読んでいて楽しいお便りにしたいと思いました。先生が読むのが嫌だなと思われるようでは、困りますものね。
できるだけ、おもしろくて、そして楽しいお便りをと心がけました。先生も思わずかわいいな〜と思っていただけたらこっちのもんです。
親だって大変で困っている子育てに、先生は協力していただけるのですもの、感謝を忘れてはいけません。教師はお仕事でしょう・・・それが仕事でしょう・・・。なんてこという人がいますが、お仕事だとしても、こんなしんどい子のお世話をしてくださるのですから、とにかく感謝です。毎日、午後の3時や4時まで見てくださって、ウィークデイだけでも私をこのしんどい子育てから解放してくださるのです。
感謝しかないじゃないですか。しかも学校教育は公立学校でしたら義務教育の間は無料ですよ。
なんてありがたい・・・、そんな風に思えば、いいお便りが書けました。
そして、お便り書くことが、哲平の生活記録となりました。今でも読み返していくと当時の出来事がまざまざと思い出されて、大笑いしたり、時には涙を流したり・・・このお便りが私の老後の楽しみにきっとなることでしょう。
そういうわけで、自分が後から読んでも楽しいものを心がけました。
たいていお便りは夜に書きますよね。私は夜に書いたモノは、朝もう一度読み返して、書きすぎていたり、ここは誤解を受けそうだなと思えるところは、書き直しておりました。そんな訳でお便りはボールペンではなく、消しゴムで消せる鉛筆で書きました。
そんなお便りは、何十冊にもなります。
大人になって就職してからも書き続けて、職場の支援員さんや所長さんなど上長の方も見てくださっていたようです。
お返事はなくてもいいのです。ただ書くことで少しでも息子のことを知っていただきたかったからでした。
楽しい楽しい思い出はつきません。
皆さんも、無理せず楽しんで子育ての様子を先生に伝えてみませんか??

さて、話は変わって、先日小田桐早苗先生の「ASD児・者の人間関係のつくりかた 2023」というセミナーがありました。
先生のお話の中で一番私が印象に残っていることは3人の賢者というたとえでした。
友達はたくさんの方がいいと思い込んでいる人もいると思いますが、大勢の人に解ってもらうことは、自閉症の障害のある人には難しいことでしょう。でも、家族以外の3人の理解者がいれば、なんとか生きていけるのではないか、というお話しでした。
振り返って、哲平に3人の賢者がいるだろうか? と考えて見たところ、「いるいる」と嬉しくなりました。
グループホームの支援員さんたちや育てる会のお母さんたち、市民クラブで一緒に走ってくれるランナーのみなさん、職場での支援員さんに、昔お世話になった学校の先生などなど、彼の周りにはいっぱいの支援者であふれているのです。ありがたいことです。
理解してくださる方がひとりもいなかった子どもの頃から数えて30年あまり・・・、彼を理解しようとしてくださる方に囲まれて、息子は幸せな暮しを送っているように思います。
今回は高機能の方のお話しが主でしたが、息子のことを思うとこのお話しに一番共感できた私でした。もっと詳しい内容については後のに報告がありますので、ご覧くださいね。

続いて令和5年度の最初の講演会が、5月20日(土)に行われます。
今年度の第1回のセミナーは、「発達障害児の自己肯定感を高める支援」のテーマで武藏博文先生にお願いして開催します。
武藏先生は、香川大学教育学部特別支援教育の教授を3月末で退官されて、今年度から育てる会のお仕事をしてくださることになりました。
昨年のいつだったでしょうか? 先生からお電話がありました。
「鳥羽さん、育てる会に私に出来るようなお仕事がありますか?」
そんな風にお電話いただいたのでした。びっくりするようなお話しでした。
まだまだお元気なので、これからも発達障害や自閉症児のために、せっかくの知識やノウハウを活かしていただけるとのことでした。
それも岡山で、です。
あまりにももったいないことで、申し訳なく思うと同時に、とてもありがたいお話しと思いました。
「ぜひ、私どもの会のお仕事をお願いいたします。一緒に働かせてください」
そういうわけで、先生はご家族とご一緒に、この赤磐に引っ越して来られることになりました。
先生にお願いするお仕事は、家庭と学校や園を繋ぎ、より子どもたちが安定して園生活や学校生活がうまく廻るようにするための「保育所等訪問事業」という事業で、4月から立ち上げることにいたしました。
先生の長年のキャリアと、暖かい子どもたちへのまなざしを知っている私にとっては、願ってもないことでした。
新しい事業が始まります。ご家族の方でぜひ学校へ先生にきていただきたい方は、お問い合わせください。チラシを同封いたしますので、ご覧くださいね。
今までもこの事業は、保育士の方や担任の先生方に専門的にアドバイスできるような人材がなかなか見つからず、やりたいけれど開始できなかったというモノでした。
保育所等訪問事業の名称は「ぐんぐんアシスト」と言います。
皆さんのお子さんが、保育園や幼稚園、小学校や中学校で困らないように、そして園や学校の先生にとっても、どうしていいか困られることがないようにする為の事業です。
〜やりたいと願っていれば、救いの手は必ずさしのべられる〜 これはいつも私が思っていることです。
そうやって“ないものは作って行こう”が実現して来れたのです。
育てる会の保育所等訪問事業、各園各学校のご協力よろしくお願いいたします。私個人といたしましては、先生と一緒にお仕事できることとても楽しみにしております。そんな武藏先生に、今年度初めての講演会をお願いしました。
皆さん、どうぞふるってご参加ください。お待ちいたしております。

続きまして、のお知らせは、即実践講座についてです。
今回はチラシがたくさん入っていて、何がなにやらという感じでしょうか?
坂井聡先生とその仲間の先生方による赤磐市主催の夜間講座の案内と、志賀利一先生の即実践講座と、連続講座の案内が二つ入っています。
支援者の方対象の講座ですので、こちらはぜひ担任の先生にお渡ください。
先生方も対応に困っておられるかもしれない我が子のために、ご無理のない範囲で、そっとお渡しください。各学校あてにも送っておりますが、担任の先生の手元には届いていないかもしれません。
そっと想いを込めて、指示的にならないように注意をしながら、連絡帳にすっと入れてお渡しください。
一年かけて学んでいただく講座です。先生や療育事業所の先生方、お医者さんなども参加いただいている講座です。一年経てば、かなりの自閉症理解が進んでいることと思います。
また、これを読まれている方で支援者の方は、この講座をひとりで聴くのではなく、同僚の方たちと一緒に受けていただけると、ありがたいです。共に学び共に仕事に活かせるというものです。詳しいことは、チラシをご覧ください。
盛りだくさんの講演会や講座、それと今回新たに始まる青年部の活動「わくわくHOLIDAY」、OHAの会の募集、それにフリーマーケットのことなどなど、たくさんたくさんこれでもかという企画が目白押しです。
それぞれに頑張ってスタッフたちが企画してくれています。
今年も忙しい毎日になりそうな育てる会の活動に皆さん、どうぞご期待ください。
あ、忘れてはいけませんね。正会員の方には、5月の総会案内と欠席の方への委任状も入っていますので、欠席される方は返信をよろしくお願いします。

さて、「ぐんぐんアシスト」と共に、もう一つ事業がスタートすることをお伝えしましょう。
実は、前々から考えていたことでした。小さなお子さんの中には、色んな子どもさんがおられます。
最近は、高機能(知的障害のない)自閉症のお子さんが多くなってきた中、それでも知的にも重いお子さんは依然としておられます。
高機能タイプの方には、ESDMのような社会性を伸ばすための療育がドンドン必要だと思います。
一方、知的障害の重いお子さんには、社会性よりも先にコミュニケーションへのアプローチが急がれるように思うのです。
最近二年ばかりPECSのマニュアル本の通読をお母さんたちとしております。
その中で、幼い頃からもっと丁寧にコミュニケーションに取り組んできていたら、もっともっと伸ばしてあげられたろうと思えるお子さんがおられます。もちろん息子も同じです。
自分で自分の要求が欲しいものがお母さんに伝えられたなら、困ったときに助けが求められたなら、どんなに彼らの暮しが楽になったろう? PECSの本を読めば読むほどに、コミュニケーションの表出に力をそそがなければ、と思うようになってきました。
この度、事務局移転に伴って、広い部屋が1階にできました。新たな事業を始められる場が出来たということです。
そこで、新しい療育の場として多機能型事業所(児童発達支援事業所と放課後等児童デイサービスの両方が出来る事業所)「ぐんぐんタッチ」を開設いたします。
皆さん、どうか小さいお子さんでコミュニケーションに課題がありそうなお子さんがおられましたら、ご紹介ください。
4月3日(月)、世界自閉症啓発デーの翌日から療育を始めます。
多くのお子さんとお母さんの助けになりますことを願ってのスタートです。
それに伴い職員の募集を行っておりますので、どうぞ、我こそはと思う方がいらっしゃいましたら、ご応募ください。
一から自閉症支援はご教授いたします。保育士、教員免許、社会福祉士、などの国家資格が必要です。詳しいことはお問い合わせください。チラシも入れておきましょう。

さて、色々書きましたが、ぐんぐんタッチと、ぐんぐんアシストの新規事業と新事務所のお披露目をかねて、5月10日(水)に開所式を行います。
会員の方や見学希望の方はいらしてください。お待ちいたしております。
新年度が始まり、お忙しい中、たくさんのご案内で頭の中がぐるぐるしそうなのは、私だけではないことでしょう。あわてないで、しっかり落ち着いて、頑張りたいと思います。
春は、大急ぎで通り過ぎていきそうですが、コロナも少しずつ終息の時を迎えつつあります。
代わって、今度は花粉症でお困りの方も多いことでしょう。そんな方にとっては(私も含めて)早くこの季節が通り過ぎることを祈りつつ、お別れいたします。
また、五月の若葉の頃お会いいたしましょう。では、ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和5年3月18日(土)、今年度最終、第5回目のセミナーとして、川崎医療福祉大学医療福祉学部医療福祉学科 講師の小田桐早苗先生をオンライン(Zoom)にお迎えして「第121回育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
テーマは昨年に引き続き「ASD児・者の人間関係の作り方」についてのお話で、今回は知的障害を伴わない自閉スペクトラム症の方の思春期へ向けた支援を中心にお話いただきました。
それでは参加したスタッフからの報告と、みなさんからのアンケートが届いていますので紹介します。

3月18日に開催された、川崎医療福祉大学の小田桐早苗先生によるオンライン講演会に参加しました。
「ASD児・者の人間関係の作り方 2023」という演目で、人間関係だけではなく、ASDの方が達成感・自己効力感を持つために、そして将来の目標に向かって歩んでいくために必要な支援やその理由についてお話しいただきました。
はじめに、ASDの方の学習の仕方の違いについて確認し、それを尊重することの重要性についてお話しくださいました。
はたから見える行動は結果であって、その背景に脳の働き方の違いによる学び方や感じ方があり、そこに目を向けること。困難な中で生活していることに思いを馳せること。
また、自分たちのやり方を押し付けるのではなく、学び方や感じ方に合わせて伝えること。
強みに価値を置き生かす視点を持ち、困難さはサポートすること。
これらのことを心に留めてASDの方と関わることが尊重することにつながるというお話を聞いて、いつも心に留めておきたいと思いました。
そして、他者とのやりとりの難しさをASDの視点から丁寧に説明してくださいました。
会話ひとつをとっても、「聞いたことを記憶する」「その意味を考える(単語一つ一つだけではなく、文の全体像を把握する。相手の視点や、相手が自分に向かってそのことを言う意味、言語として表出されていない「含み」の部分も捉える)」「その上でどう答えるかを判断する」
これらを瞬時に行う必要があるのです。細かく分析すると、いかに難しいことかがよく分かります。
さらに、他人の心情を瞬時に慮ることが求められます。これもたくさんの情報の中から瞬時に手がかりを選び、統合した上で推論していかなくてはならないのです。
ASDではない人は意識しなくても自然にできていることが多いだけに、会話をする=やりとりができると感じてしまいがちなのではないでしょうか。ASDの方にもついつい会話(口頭)で伝え、返事を求めてしまったりすることが多いことを反省しました。
また、整理して考えていくと相手の心を推論する力を持っている方でも、急に目の前で起きたことに対して瞬時に直感的に対処できるとは限らない、教えられてその時に理解したからすぐにいつでもできる訳ではないとお話しくださいました。
ASDの方と関わる際には、今回教えてくださったことを常に振り返らなくてはいけないと思いました。
しゃべる人に対してつい話し言葉で説明してしまい返事を聞くと分かっていると思ってしまっていないか、その結果何度も同じ失敗をさせてしまっていないだろうか、1回教えたらすぐできるようになることを期待してしまっていないだろうかと見つめ直しASDの方の理解の仕方や強みを生かして関わっていくことを再確認しました。
強みを生かすと良いことは分かっていても、場面によっては強みを見つけられなかったり生かしきれなかったりしたことがありました。
先生は強みを生かすことの大切さを何回もお話しされていて、様々な場面での強みを紹介してくださいました。
人間関係における強みは
・強い興味関心を共通点に他者とつながりを持つこと
・繰り返す経験の中で楽しみや意味に気がついていくこと
・明確なルールや役割を大切にできること
これらは先生が実際に開催されているASDの方の集まりの様子を見て感じられたことだそうです。
私が関わっているのは未就学児ですが、先生のお話を聞いて同じことが言えるなあと思いました。
そして、生活スキルが周囲の人からの評価と連動することが増え、社会の中で自分ができると実感するためには日々の生活スキルに関する支援も大事になってくるとのことでした。
しかし、社会的認知の弱さから、「持ち物」「清潔習慣」「時間」「金銭」「体調」などの自己管理に関することの必要性やその意味などに気づきにくいそうです。その一方でこれらのことは大きくなったらできるようになるだろう、言えばわかるだろうと思われがちで明確に教えられていないことも多いかなと思います。
できないことが人間関係にも生活全般にも、自己肯定感にも影響を及ぼすと考えると、そのうちできるようになると淡い期待を抱くのではなく、教えていくという意識を持ち、計画的に教えていき、少しでもできることを増やしていくことが必要だと思いました。
例えば持ち物の管理であれば、保護者と置き場所を決めたり把握したりするところから、スケジュール管理であれ保護者と日課表を一緒に見ながら取り組むところから、など小さいお子さんでも保護者と一緒に確認・練習していくことができます。
お話を聞いていて、どの年代の方もできるところから強みを生かしてやっていけばいいのだなと思いました。
また、周囲の人たちは苦手なことへの支援にフォーカスを当てがちだが、苦手より得意なことを伸ばす支援に多く取り組むべきだとおっしゃられていたことが印象的でした。
ASDの方が自ら取り組もうと思う背景にあるものとして、「できる可能性を自分で感じられて頑張ろうと思えること」「自分が納得する理由があること」「ゴールが分かり、必要に応じて“手伝って”が言えること」「認められる経験を重ねているからこそ報告・相談ができること」を挙げられていました。
このことは生活面だけではなく、療育場面やあらゆるところで言えることですね。私も療育場面で意識して活動を組み立てたいと思いましたし、まずは認められる経験や求めていること(ゴール)を明示的に伝えることなどが本当にできていたか、しているつもりだったけど一人ひとりに合った伝え方・認め方ができていたのかもう一度見直していくべきだと感じました。
生活スキル以外に、サポートを受ける意味を感じる経験を重ねておくことや、本人の意思や気づきを大切に一緒に考える姿勢を持つこと、相談できる人をもつことも大切にしたいポイントだとおっしゃられていました。
保護者と一緒に相談機関とつながりを持ち、繰り返し話を聞いてもらいアドバイスを受けることに肯定的な感情を持てるようにしておくことで、意味づけされ本人が実感しやすくなるとのことでした。
取り組む際には、強みを生かして視覚的に示すと理解しやすいだけでなく、確認やフィードバックもできて効果が高まるそうです。
また、目標としたことに向かう活動は具体的にイメージできるところまで提示することが実践につながりやすいとのことでした。
目標に到達するためのアクションプランや自己モニタリングのワークシートを紹介していただき、そこで、どのように使用し、どのようなことを記入しておくと良いかなどをお話しくださいました。
さいごに、先生が冒頭でお話された、とても心に残ったお話を紹介させてください。
ASDの方の人間関係の大前提として、無理にたくさんの友達を作らなくてもいい、ASDの方たちが「この人といて楽しいな」と感じられる関係の中にいてほしい。彼らがありのままで生活できるのであれば「直す」必要なんてない。
ただ、彼ら自身が他者と比較したり、他人に否定されたりして悩むかもしれない。そのような経験が少しでもなくなるように、人間関係や人とのやりとりのことを伝えていきたい。
全員に理解してもらう必要はなく、家族や家族以外の何人か(「3人の賢者」と表現された先生もおられたそうです。素敵なネーミングですね)に理解が得られたらいい。
ありのままの自分を認められている関係性の中にいれば、たとえ理解されないことがあっても頑張れるのではないか、それはASDの方もそうでない方も同じことが言えるかも。
先生のASDの方々を尊重し、大切に思われている気持ちがすごく伝わってきました。
私自身も支援者として療育に通って下さるお子さんの理解者(3人の賢者の一人)になれるように邁進していきたいと思いました。
とても素敵なお話を聴くことができ、多くのことを学ぶことができました。小田桐先生ありがとうございました。
(療育スタッフ:K)

○ 『人間関係の作り方』というタイトルで、そこに至る前の水面下の大切なポイントを具体的に丁寧に教えていただけたのが、深い学びとなりました。自分が今向き合い、取り組み、迷っていることにピッタリと合うことばかりでした。
「3人の賢者」「なんとなく気付くだろうと決め付けない」「生活の中での般化」「計画の立て直しに焦点」「一緒に考えてくれた」「やってみたいと思った親がまず支援者に相談」「繋がってほしいと思う支援者がどんな人か、まず本人にきちんと説明する」「本人がどう感じたか、まずそこに共感」「声だけでなく、書いて見せて落とし込んでいく」「本人がわかる+周りの人が理解できる言葉を使う」などなど。今日からすぐ見直し、取り入れながら落とし込んでいきたいことが山のようにありました。録画も可能な限り繰り返し拝見したいと思います。本当にありがとうございました。
○ 子供の今の時期に合うお話を聞かせて頂きました。本人に、何ができそうで、何をはじめようか、考えながら聞いていました。
一つひとつできそうなことを取り組んで行行けたらと思います。就職の事も本人と少しずつ話をしながらどんな事を感じているのか共感しながら利用機関、医療機関とも話ながら進めていきたいです。
なかなかじっくり関わることが最近できていなくて改めて、本人の感じ方に寄り添って共感し、伝えていくのは大事だなと思いました。
「仕事を選ぶ」という表で優先順位をつけていくものや、自己モニタリングもやってみたいなと思います。色々なことが見えてきそうです。またお話が聞けたらと思います。ありがとうございました。
○ 「SSTでやれていても、日常生活の中で瞬時にできることとはまた乖離がある」という話が印象的でした。
様々なことを一度に把握して瞬時にできるかどうかということは、かなり難しい作業であることを再確認しました。誰かに言われたからでなく、本人が相談等で意味を感じられるかどうか、次も来ようと思えるかどうか、そのためにも最初の関りが大切になってくると考えました。視覚的なツールを活用しながら一緒に考えていくこと、振り返りをしていくことを意識しながら、業務の中で活かしていきたいと思います。また、学齢期の時にできたらいいこと、思春期にできたらいいこと等、先のことをイメージしながら関われたらと思います。
○ 生活スキルの大切さと、夢に向かうプロセスのところが強く印象に残りました。人間関係のもとは生活スキル、そして生活スキルは放っておくと身につきにくい、本人が必要性を感じにくいということは首がもげそうなくらいうなずきながら拝聴しました。娘に、どう工夫しながら伝えていこうかな…と考えるきっかけになりました。
夢に向かうプロセスのことも、ちょうど進路のことを考え始めた時期だったので、娘にどう提示して一緒に考えていくか、考えてみようと思いました。

令和4年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座 

梅永雄二先生プロデュースによる、自閉症支援の若手の研究者や実践家の先生方の即実践講座も最終回「大人になって幸せになるために」を無事終えることができました。
育てる会としても、初めての試みでしたが、どの先生もとても話上手で、あっという間の1年間でした。
TEACCHプログラムで行なわれている最新の支援技術や自動車教習所での支援など、これまであまり触れる機会がなかったお話を聴くことができ、毎回楽しみでした。
加藤先生、宮野先生、縄岡先生、高橋先生、そして梅永先生、1年間ありがとうございました。
なお、1年間皆勤で受講されたみなさんには、先生方を代表して梅永先生からの講座の修了証をお送りさせていただきます。
それでは梅永先生の、第10回「大人になって幸せになるために」の講義や、1年間の即実践を振り返っての、参加者の方から寄せられた感想の一部です。

○ 今年度は梅永先生+梅永先生の教え子チームのお話を順に伺っていくという斬新なスタイルでとても興味深かったです。
諸先生方が現場でしておられる実践について詳しく伺うことができ、梅永先生に育てられた先生方が全国各地でそれぞれ活躍しておられ、そしてそれぞれの場所でどんどんその恩恵を受けられるASD児者や支援者の方々がおられることを考えると、梅永先生が蒔いた種が、こうして続いて花をつけていくことがまた素晴らしいことだなぁと心強く感じました。
○ TEACCHをしっかりと学んだことがなかったのですが、学校現場・就労支援・教習所における支援など、毎回、福祉や教育などいろいろな分野の支援をわかりやすく、丁寧に教えてくださりとても勉強になりました。
最後の梅永先生の講座では、支援が行き届かなくて起きてしまった事例紹介などもあり、今、学校で子どもたちと関わっている者として、すごく考えさせられ、適切な支援の必要性を改めて感じました。実践講座で学んだことを活かしながら、子どもたちと関わっていきたいと思います。ありがとうございました。
○ はじめは一年間いろいろな先生がお話されるので話題についていけるのか不安に思うこともありましたが,「大人になって幸せになるために」をキーワードに,いろいろな立場の先生方からのお話を聞くことができて勉強になりました。特に教習所の話題は興味深かったです。
今日の内容も,忘れないようにしたいと思いました。目の前のこどもの将来のことをイメージしながら「大人になって幸せに」生きられるようにできることをしていきたいと思います。ありがとうございました。
○ このような講座を開いていただき、ありがとうございました。同じ法人で、数名参加させてもらえたことで、講義のあと、数日この講義の話や、日々の反省など話し合うことができました。まだまだ、やらなければいけないことがたくさんあり、今後少しずつ整理していきたいと思います。

令和5年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

新年度の即実践講座が、講師に社会福祉法人横浜やまびこの里相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えして、5月より始まります。
詳しい講義の内容については、今月もチラシを同封しておりますのでここでは、日付とテーマだけをご紹介します。
今年は先生のご厚意で、意見交換の時間も設けていただけることになっています。普段の講演会ですと、遠く離れた壇上の先生に、マイクを持って質問するのはちょっと勇気がいるかもしれませんが、オンラインだと目の前(パソコンを通してですが)の先生に気楽にお話しできるのでは・・・・と、楽しみにしています。
志賀先生、1年間よろしくお願いします。
第1回  5/ 9(火)  オリエンテーション(自己紹介)/ 自閉スペクトラム症と二次障害
第2回  6/13(火)  自閉スペクトラム症の無理解の事例/乳幼児期の発達と自閉スペクトラム症の特徴
第3回  7/11(火)  乳幼児期の特徴的な行動とその理解/知的発達症(知的障害)について考えてみよう
第4回  9/12(火) 知的障害の程度と社会生活力/知的発達症の就労支援と障害者雇用の現状
第5回 10/10(火)  働くことの大切さをどう考えるか/中年期以降の知的発達症・自閉スペクトラム症
第6回 11/14(火)  障害のある人の権利とその方法/自閉症支援の長い歴史から学ぶ
第7回 12/12(火)  自閉スペクトラム症にとって理想的な社会とは/学校教育における自閉症支援
第8回  1/ 9(火) 行動障害・強度行動障害にとって必要なこと/強度行動障害者支援の経過と今
第9回  2/13(火) 支援現場における具体的な虐待事案から私たちはどう考えればいいのか
第10回 3/12(火) 連続講座の振り返り/私たちの国の発達障害者支援施策の概要
 時間19:00〜21:00

 

令和4年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐市

児童精神科医の村松陽子先生を講師にお招きして、赤磐市と共同開催の夜間連続講座「発達障害支援 知っておきたい基礎知識 〜今、支援者の方に伝えておきたいこと〜」も1年間の講義が修了しました。
毎回、リアルタイムで受講された方には、村松先生直筆の修了証をお送りさせていただきます。
これまでの講座では、講義内容の質問のメールに、毎回次の回の冒頭に先生が丁寧に答えて頂いていました。
これが連続講座のいいところですね。疑問に答えていただくことで、学びも深まっていくと思えます。
残念ながら、第10回「ライフステージに合わせた支援」については、最終講義でしたので講座内でお答えいただくことはできないため、質問に代えて、みなさんからの感謝の言葉をお伝えさせていただきます。
村松先生、1年間本当にありがとうございました。

○ 一年間ありがとうございました。講座を受けるたびに、日ごろ関わっているASDのお子さんを思い浮かべながら、もしかしたらこうなのかもしれない、もっとこうしてあげたらいいのかもしれないな、など考える機会をたくさん頂けました。
幼児期、学齢期、成人期と各ライフステージごとの支援について丁寧にお話しして下さり、豊かな将来のために、幼児期の支援を丁寧に積み上げていくことの必要性を感じました。一年間で学んだことをこれからの支援の場に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
○ 一年間ありがとうございました。自分の普段の支援を振り返って反省することが多くあると同時に、根拠として「こういう理由だから」と系統立ててお話してくださることで「なるほど」と知識が一つ一つ積みあがったように感じます。
毎月のこの2時間が自分にとっての支援の振り返りとなったように思います。本当にありがとうございました。
○ 毎回具体的な支援方法や事例を教えていただき、大変勉強になりました。施設にはASDの診断のある児童もおり、ケース会にて、色々な視点から子どもへの理解を深め対処法を考えています。しかし、1対1になった際の対応の難かしさを毎日感じています。まずは、子どもを主体に考え、子どもからの視点・考えを知り、困りごとに気付き、本人が生活しやすくするためにはどうしたらよいかを考えることが重要であると全回を通じて学びました。
また、10回目の思春期以降についての支援は、現在中高生の入所が増えており、入所に至るまで様々な環境に置かれ自分を出すことができない、逆に反発することで生きてきたことを考えると、いかに失敗体験を減らせるかとつい先に手をかけてしまうことがあります。そうではなく、自分でやってできるよう支援し、自分で成功したという体験を重ねることが大事であると気付かされました。一年間大変有意義な時間をありがとうございました。

令和5年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和5年度も、赤磐市よりの共催をいただき発達障害支援のための夜間連続講座を開催できることになりました。
赤磐市在住・在勤の支援者のみなさまは、資料代(7000円)のみで、連続10回の講座に参加できますので、この機会にぜひお申し込みください。
なお、保護者対象ではありませんので、ご諒解をお願いします。
令和5年度は、香川大学教育学部教授の坂井聡先生にプロデュースをお願いして、主に学校における合理的配慮について、実際の教育現場において実践を積まれておられる先生方にお話をいただきます。
一口に「合理的配慮」と言っても、普通学級、特別支援学級、特別支援学校、そして高校、大学と、それぞれの年代、場所、なにより子どもたちの状態によって配慮すべき内容は変わってくるはずです。
今年の連続講座は、特に学校の先生方や教育行政に関わるみなさまにぜひ聴いていただきたい内容となっています。赤磐市をはじめ、県内の先生がた、一人でも多くの参加をお待ちしています。
会員のみさんも、ぜひ担任の先生にお勧めください。よろしくお願いします。
詳しくは同封のチラシをご覧ください。
第1回  5/18(木) 合理的配慮とは                   坂井聡先生
第2回  6/15(木) 通常の学級におけるICT活用と合理的配慮   鈴木秀樹先生・佐藤牧子先生
第3回  7/13(木) 特別支援学校でのコミュニケーション支援    鈴木潜先生
第4回  9/14(木) 大学での合理的配慮                日高幸亮先生
第5回 10/19(木) 高等学校での合理的配慮              三好ひろみ先生
第6回 11/16(木) 小学校特別支援学級における合理的配慮   石川めぐみ先生
第7回 12/14(木) 特別支援学校での構造化と合理的配慮     三宅泰治先生
第8回  1/18(木) 通常の学級での合理的配慮と保健室      鈴木秀樹先生・佐藤牧子先生
第9回  2/15(木) 通常の学級における必要な支援とは       安岐美佐子先生
第10回 3/14(木) まとめにかえて                    坂井聡先生
時間 19:00〜21:00

令和4年度 支援ツール勉強会

澤月子先生から支援ツールの作り方や支援の方法を1年間学びました。
とても学びの多い1年で、支援ツールのみならず、表出コミュニケーションやアセスメントの大切さなども教えていただき、子どもたちの日々の暮らしが楽になってきました。澤先生、ありがとうございました。
参加されていたみなさんからも、感謝のメッセージが届いていますので紹介します。

○ 1年間ありがとうございました。とても分かりやすい内容だし、質問には的確に答えてくださるので、毎回楽しみでした。
皆さんが作られたツールを見せていただいたり、LINEのチャットにあげられたものを参考にさせていただくなど、幅広く勉強が出来ました。
4月からの新生活に不安がありましたが、先生のお話を聞いて、「頑張ろう」という気持ちが湧いてきました。
○ 澤先生、今日もありがとうございました。
本当にアセスメントは全ての土台なんだなと今までの勉強会の総まとめのような内容のお話が身に沁みました。ご本人と支援する側の両側からアセスメントが必要だということは実感するところです。そもそもの支援者の認識と対応の違いによって、ご本人の行動が変わることは、自分自身の反省も含めたくさん経験してきました。対応を統一することの難しさを改善するには、やはり記録することなんだなぁとおもいました。支援者が一人一人違う認識や感覚なんだと自覚すること、とても大事ですね。大事であり、なかなか難しいことですが、諦めずに自分も親として謙虚に周りの支援してくださる方々とやっていけたらと思います。
また、本人にとって塩辛い環境になっていないか、周囲の願いは本当に本人にとっての願いなのか?という視点を常に忘れないで、生理的なこと、感覚の過敏や鈍麻、固有覚を満たすこと等、本当に本人の生活への影響が大きいことを実感する日々です。体調が左右されれば誰だって辛いし休みたいこともある。彼らも同じだから、本人にしかわからない感覚のことを我慢させたりしないのは、基本的な人権だよなと思いました。本当に大事なことだと思いました。

令和5年度 育てる会総会 の お知らせ

令和5年度の育てる会総会のご案内です。
【総会】 日 時:令和5年5月24日(水) 11:00〜12:00
      場 所:オンライン開催(赤磐市上市355−2 育てる会 事務局)(正会員限定)
正会員の方には、議事次第と出欠連絡票および委任状を同封していますので、
出欠のお返事をよろしくお願いします。
欠席される方は、FAX、LINE、メールでの委任状の返信をよろしくお願いします!

水泳教室のお知らせ

日 時:令和5年4月16日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は4月13日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

第1回 育てる会青年部活動のお知らせ

  わいわい Holiday

毎年のアンケートでも希望の多かった育てる会 青年部の活動が始まります。
中学を卒業する頃になると、「本人が参加できる会の行事が少なくなった・・」という声を聞くこともあります。
本当は、親から離れて、これから生涯続けられる趣味や友人を見つけようとする年頃なのにですね。
・・・・と言っても、先日の小田桐先生のセミナーでもあったように、放っておいても勝手に友達を作ってくるというのはちょっと難しい我が子たちです。
そこで、最初は親たちでそんな場を設定してあげましょう。
ボウリングやカラオケ、食事会、旅行・・・etc.
第1回は、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にみんなでバスに乗って出かけようという企画です。
以前は育てる会でも観光バスを貸し切って出かけたこともあるのですが、青年部としては、将来も気軽に行けるようにと、ハードルを低くして、一緒に行きたい人(家族)で切符を用意して、乗るバスの時間だけ合わせて出発することにしました。
日 時:令和5年4月23日(日) バス 岡山駅西口 6:40、山陽インター 7:16 発です。(正会員限定)
着いたら家族だけで遊んでもいいし、気の合った人と一緒に回ってもいいし、帰りもパレードまで残ってもいいし、遊び疲れたたら先に帰ってもいいし・・・というような、自由でゆる〜い企画です。
詳しくは、同封のチラシをご覧下さい。 
一緒のバスに乗られる方、一応事務局に連絡だけはしてくださいね。(LINEまたは086-955-6758) 一緒に楽しみましょう!!
(担当:T & M)

第2回 育てる会 フリーマーケットのお知らせ

昨年の第1回が大好評だったフリーマーケットを今年も開催します!!
出展者の募集は締め切りましたが、来場者は一人でも多くご来場ください。お待ちしています。
詳しくは同封のチラシをご覧下さいネ。
日 時:令和5年4月8日(土) 10:00〜12:00頃
場 所:おひさまハウス 中庭(赤磐市和田194-1:赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズの中庭です)

OHAの会 報告とお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。

今年度は「高機能自閉症児を育てる 〜息子・Tの自立を育てた20年の記録〜」(小学館)の著者の高橋和子先生をお招きして、10回にわたりお話を伺いました。
                                   2023.3.12(日)
今年度 第10回目 今回のテーマ    「目指せ幸せな大人」
〜周囲の人にどのように合理的配慮を求め 自分らしい生き方・楽しみを大切にするのか〜
感 想
〇 言葉での表現の苦手には,様々な背景があるのだとわかりました。例えば,相手の質問の意図をつかみにくかったり,また正確に答えようとしすぎてしまったり,様々です。
実際の会話を記録して振り返ると,その背景がわかり,次からどういう風に会話を助けたらよいかがわかるのだなと思いました。息子で実践してみたいと思いました。
〇 今回は今までの総括と振り返りがメインの内容でした。子供を見ていると、楽しく集団生活を送るには学校や職場にどのような合理的配慮を求め、相手に受け入れられない場合はどこを落としどころにするかを考えるのが本当に大事だと思います。今は親の私がやっていることを、将来は自分でもできるようにならなければいけません。そのためには子供が自分自身を理解し、更に相手に説明し要求する能力が必要です。
その一方で相手に要求するばかりでは合理的支援とは言えず、自分や他人が失敗しても許したり、自分の思惑と違っても受け入れたりする情動コントロールの能力も必要です。これら全部の基礎となるのは自分への自信と相手への信頼です。高橋先生は子供の自信や信頼を、会話や視線、仕草を使ったコミュニケーションを通じて育てる方法を教えてくださいました。
最初は知らないことだらけでしたが、質問すれば先生に丁寧に教えていただけるので段々わかることが増えてきました。その日から早速試せるコツを小手先の技術ではなく根拠から体系立てて理解でき、実際に試してみると子供との会話が迷宮入りしにくくなりました。本当に楽しい1年間でした。どうもありがとうございました。
〇 我が子との会話の中で「お母さんにも苦手なこところが今もあるんだよ。それと一緒に共存しているんだよ。」というメッセージも伝えることの大切さを教えてもらえたことが良かったです。今の自分で良いんだよ、と言うメッセージを伝える方法をまた一つ学べてよかったです。
参加いただいた方からは、上記のような満足のお声をいただきました。
無事1年間、高橋先生の貴重な講義をみなさんにお届けすることができました。
高橋先生、1年間ありがとうございました。
ご参加いただいたみなさん、後日配信でご覧になられた方も1年間ありがとうございました。
来年度のOHAの会は、利守愛子先生(臨床心理士:三宅医院)により、開催予定です。
利守先生に紹介していただく本をみなさんで読みながら進めていく予定です。
詳細は別紙チラシをお読みになり、申し込みください。
第1回は 5月13日(土) 9:30〜11:30(Zoom開催)(正会員限定)
書籍は、本田秀夫先生の「子どもの発達障害」「学校の中の発達障害」を使用する予定です。

キッズルーム の お知らせ

日 時 : 4月30日(日)12時45分〜15時頃
場 所 : 岡山大学 体育館
持ち物 : うわぐつ、飲み物(必要な方)、マスク
参加費 : 400円(2歳児から・兄弟児も必要です。)
申込締切 : 4月21日(金)(正会員限定)
キッズルームでは、岡山大学児童文化部のボランティアさんが一緒に遊んでくれます。
もちろんお父さん、お母さんや兄弟と一緒に遊ぶこともできます! 
幼児〜大人まで 幅広く参加していただいています★
ご本人だけでなく、兄弟児さんでも参加しやすいイベントです。

サッカー&ドッチ スポーツクラブの報告とお知らせ

サッカー&ドッチスポーツクラブ 報告とお知らせ

3月5日の日曜日に今年度第5回目(最終回)のスポーツクラブを開催しました。
岡大の児童文化部の学生と一緒にのびのびと体育館で運動することができました!
サッカーチームは、最後に“追いかけ玉入れ”をして、盛り上がりました。
ドッジボールチームは、簡単な試合をして、こちらもおおいに盛り上がりました。
「ここに来ることが、楽しい!!と、感じて帰れています!!」 と、お声など満足の声をいただいています。
好評につき、来年度は6回開催予定です。(同封のチラシをご覧ください)
(令和5年度 第1回は、 5月27日(土)の予定です)(正会員限定)
参加者は、2歳児から高校生まで幅広くご参加いただいています。
なかなか運動する機会がない、集団行動は苦手だし、心配・不安、という方、そんな方の居場所になってほしいと思っています。運動が楽しい!! そう思える機会になってほしいと思っています
たくさんの方の参加、お待ちしています!
中高生のジュニアボランティアの2人も、2回目ということもあり、場の雰囲気に慣れて、小さい子に配慮して自分の役割をこなしてくれました。
ジュニアボランティアをしてくれている会員さんからの感想をいただきましたので、ご紹介します。

  サッカー&ドッヂボール教室へ参加して
ぐんぐん、ぐんぐんキッズを卒業し、早や6年が経ちました。
元々自己肯定感が高かった息子ですが、年齢が上がるにつれ周りと比較して出来ない自分に落胆したり、親や教師に度々怒られ、友人関係も上手くいかず、徐々に自己肯定感は下がっています。
そんな息子に今回、サッカー&ドッヂボール教室のボランティアの機会を頂きました。
事務局のスタッフさんと岡大の学生ボランティアさんが、息子向けのスケジュールを作成してくれました。
しかし、初回はボランティアの立場を忘れて楽しんでしまい、お兄さんの迫力を見た幼児さんに恐怖を与える始末でした。
そのことを踏まえ、2回目は「ボランティアとは」という意味をしっかり理解して再度参加。興奮しないような担当に変更したり、苦手な長い自由時間を減少する様に担当項目を増やす配慮をしてもらいました。
すると、見違えたように、ボランティアの一員として活動できていました。
スタッフさんからも、たびたびプラス評価の言葉かけを頂き、帰宅時の息子も「今日は落ち着いてできた」と満足気でした。
「人の役に立ちたい」という気持ちを常に持ちながら成長している息子ですが、それに反比例して他者からの評価は低い現状です。今回、「誰かの役に立つ・認められる」というプラスの経験をすることができました。本人もやる気ですし、親としても継続して活動できればよいな、と思っています。このような活動の機会を頂き、ありがとうございます。
前回会報でお知らせしていた日程とは参加者の都合で変更となり、先日3月26日(日)に、4家族7人の子どもたちで、ラウンドワン岡山妹尾店のスポッチャに遊びに行きました。
当日は雨模様だったため人も多かったのですが、ゲームし放題・トランポリン・卓球・ミニボウリング・バッティングと「やりたい」「遊びたい」が満載で、あっという間の3時間でした。
最初は親子で動いたり子ども一人で動いていたところから、少しずつくっついていき、2人〜3人ずつになったりメンバーをあれこれ変えたりしながら和気あいあいと関わっている姿にほっこりしました。
お母さんたちは子どもたちがそれぞれ遊びだしたら、ドリンクバー前の席で、新年度や就学などの色々情報交換。
サポートブックや個別指導計画などの話も出たり、普段のお母さんたちの生活の様子なども話ができて「あー、うちだけじゃないよなー」とホッとする時間になりました。
子どもたちの動きも見やすい席だったので、子どもたちから「お母さん、〇くん来た?」「次どこ行こうかな」と基地のような場所になっていました。
参加されたご家族からの感想の一部です。
○ 今日はありがとうございます!親子共に、はやぶさの皆さんと久しぶりにお話しできたり遊べてとても楽しかったです。企画や予約など、本当にありがとうございます!
また皆さんにお会いできるのを楽しみにしてます!
○ 皆さんありがとうございました。「人を否定する人いないし、何か考えてることとか似てるから、はやぶさの皆のこと、好きなんよ」と息子が言っています。親子ともどもはやぶさの皆さんと仲間になれて感謝感謝です。中学生組が増えてきて、予定があいにくくなりますが、将来的に子ども同士で連絡とりあったり、悩みを共感したりできるかなって期待してしまいます。
引き続きメンバー募集中!!です。(正会員限定)
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合のみ参加可能です)。
ぜひ事務局までお問合せください♪ 
(担当:M)

お母さんコラム

小6でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、6歳(年長)でASDの診断のある娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
この春、ダブルで卒業・入学を迎えるということで、母としては完璧にキャパオーバーになっています。
まぁそうはいっても季節は進む訳で、とにかく頑張る毎日です。
卒園・卒業では、入園・入学を振り返り、ハンカチがぐっしょりと涙に濡れました。
特にお兄ちゃんの小学校生活は、感無量。
じっとしていられるかヒヤヒヤした入学式。
同級生と一緒に活動する場が少ないことにモヤモヤしたり、変に先生から贔屓されそうになって抗議しに行ったりした一年生。
下級生に親切に世話を焼こうとして邪険にされて怒ったり、ふてくされたりした二年生。
支援クラスの他の子の声や、縦笛の不協和音が苦手で耳ふさぎが始まり、イヤーマフを活用しながら頑張った三年生。
クラスの中での落ち着きを取り戻すための落ち着き場所を自分なりに見つけて頑張った四年生。
コロナ禍での混乱の中、支援クラス在籍の上級生が他にいないことで最高学年として頑張った五年生。
六年生として時に楽しく時にまじめに支援クラスの子たちに優しくしてあげながら皆のお兄ちゃんとして頑張り、交流クラスのメンバーとも過去一良い関係が築けた六年生。
そして、運営委員として準備から頑張った卒業式。
立派な姿に涙涙でした。
息子はそんな母の涙にもドライな対応で「いや、別に俺がいなくなるわけじゃないんだし、母さんが泣く必要なくない?」と。
「大きくなったなぁって思ったのよ」と話すと、「急に大きくなるんじゃなくて少しずつ大きくなって来たでしょうが。何を今気づいたようなことを」なんて言います。
クラスメイトとの写真についても、「ほとんどの子は中学で一緒なんだし、そこまで必要じゃなくてね?」と言い、集合写真+先生たちとの写真+仲良しの数名との写真だけでさっさと帰りました。
ううううう、ドライすぎる!!終了後、本当にチュンで終わりました。
そういえば、卒園式でも写真はさっさと終わり「昼ご飯早く食べに行こうよ!!」でした。
でもそれもまた息子らしいなぁとも思います。
ちなみに、とても素敵な寄せ書きを支援学級の皆からもらっていたのに、それを見せてもらったのは随分後でした。これまた「俺がもらった寄せ書きは俺の宝ものにしたいんだけど。なんで母さんに見せる必要があったの?」と。むむむ!
息子の良いところや素敵なところをたくさん書いてくれていて、「〇〇(息子)くんがいたから、小学校楽しかったと言ってくれていました」とお母さんたちからもメッセージが。ありがたい!!
ちなみに娘(年長)の卒園式では、写真大会が30分近くかかりました。これは単に性別の差なのか?なんなんだろう?
入学式でもしっかり泣く予定なので、ハンカチはタオル地にしていこうと思います。笑
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先月のコラムで「多動の子には、重さもあるといいかも」的な話をしました。
私の膝の上には、わが子用に買って、サイズが大きくてわが子には合わず、結局私が使っている「重いひざかけ」が載っています。
仕事が溜まっている時は走り出したくなる気持ちになることがあるのですが、これがあるとほんといい。久々にヒットでした(人によって、合う合わないがあるのであしからず)。
さて、今回のテーマは、「顔と名前が一致しない」です。
先日わが子の保育所の卒園式がありました。
0歳から通っているので、約6年間通わせていただきました。
人数の少ない(20人弱)なのに、子どもたちの名前が全然分からない。子どもの名前はわが子から聞くのですが、それがどの子か分からない。当然、どの人がどの子の親なのかも全然分かりません。
お迎えの時間がよく同じになる4人ぐらいの親子の方はかろうじてですが、苗字はこれまた知らなかったりもします。
おかげで卒園式で隣に座ったお母さんと話していましたが、誰だったか最後の集合写真まで分からず・・・。こんなことが毎回冷や汗ものであります。
PTA活動なども、名前さえクリアできれば積極的に参加する気概はあるのですが・・・・難しいですね。
もちろん、担任の先生のお名前もうろ覚えです。あちゃー。
時々「ASの人って好きなことへの興味関心が強いんですよね。ということは、相手に興味がないから覚えられないんじゃないですか?」とも言われます。
これは「人にもよるかもしれんけど、違うと思うー!!」と言いたい。はじめましての時、二回目の時ぐらいは名前を相手の方も名乗ってくださるのですが、三回目ぐらいからは覚えていないと失礼でしょう?
それが分かっている分、覚えられない自分に落ち込んでいるんです。覚えたいとは心から思っているんです。でも覚えられない脳なんです!!泣
また、「AS傾向があるということは、記憶に強いんじゃないんですか?」と尋ねられることがあるのですが、不思議と難しいんですよね。
自分なりに考えてみたのですが、@表情などが動くから覚えにくい→相手の顔の特徴を覚えるにはじっと相手を見ないといけないけど、その「ほどほどに見る」ができにくい A髪型や服装などで覚えようとするため、髪型などが変わるともう無理 B相手の名前・相手の話す情報理解・やりとりなどを同時にやることが求められるので、同時に複数でギブアップ。
そしたらどうする?って話なんですけど。
名刺に顔写真がついていると、それをじっと見て覚えられるのでありがたい。
SNSなどで顔写真あげてくださっている方おられると、すごくほっとします。
最近は学校行事などでは防犯意識のため「保護者〇〇」と書かれた名札を付けることが義務化されていることは、私にとっては感謝です。
そしてもう一つ。ZOOMなどのオンライン会議では、名前が表示されるので、大いに助かっています!!笑
AS傾向に優しい時代になったもんだ。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 

ぐんぐんぴっぴ (就学前)  

「僕のランドセルは○色なんよ!」「私は○色よ!」と元気な声で教えてくれる子どもたち。
ランドセルだけでなく、制服や体操服、筆箱に下敷き、お道具箱と小学校の入学の準備が着々と進んでいっている様です。
療育で子どもたちが嬉しそうに報告してくれるのがとても楽しみです。
つい先日、ぐんぐんぴっぴを卒業されたお母さんにお会いしました。近況を色々お聞きし、最後に「先生、日々色々ありますが、何とか親子で頑張って乗り越えています」とお母さん。色々あるたびに親子で向き合われて頑張っておられる姿を想像し、なんとも嬉しい気持ちになりました。
今年度はぐんぐんぴっぴから13人の年長のお子さんがぐんぐんぴっぴを巣立っていきます。
ぐんぐんぴっぴは法人の中で、最も小さな年齢のお子さんの受け入れをしている事業所ということもあって、最初に療育の門を潜ったのがぐんぐんぴっぴという親子の方も大勢おられます。
そして長い人では、5年以上ぐんぐんぴっぴに通ってきてくださったという方もおられます。診断間もないわが子の子育てに不安な気持ちになられた方や、家庭や園の生活の中で起こる様々な困りごとに悩ましい思いをされた方もおられたはずです。それでも目を背けず、常にお子さんにとってベストな方法を考え、全力で取り組んで来られた親子の方ばかりです。
お子さんたちはぐんぐんぴっぴに通い始めたころから考えただけでも数えきれないほどたくさんの成長をされました。
年長13名の保護者の方はぐんぐんぴっぴの療育の集大成として「サポートブック(シート)」を作成されました。
新たなステージ(学校や放課後等デイサービス、学童など)でお子さんが安心して過ごせるようにと、どの保護者の方も一生懸命作られました。
あるお子さんのサポートブックの最初のページには「子育てにおいて愛情を持って育ててきまました。そのためか優しく愛があふれる子に育ったように思います。ですが、言葉や表情に出して表現する事が得意ではないため、誤解が生じて困りごとが出やすい面があるかと思います。本人にとって楽しく過ごしやすい学校生活になればと思いこのシートを作りました。」と、お家の方のわが子への溢れんばかりの思いが詰まっています。
就学を控えた年長さんの保護者の方は、小学校入学にあたり「楽しみ」もありながらそれ以上に「心配」「不安」な気持ちの方が少し大きいといった感じの様です。
そこで「グループ活動」や「先生とべんきょう」といった活動場面で小学校生活を想定した学習場面を作ることにしました。
実際に小学校で使用する学習机を並べ、支援者が小学校の先生役になり、模擬授業のような形でお子さんたちに体験してもらいました。先生からプリントを配られ、取り組んだ後はみんなができるまで待っているように伝えられると、子どもたちはさっそくプリントにとりかかりました。みんなができるまで待つということは、どのお子さんも分かっています。
隣の席の友達に話しかけたり、筆箱の中に入っていた鉛筆や消しゴムで遊び始めたり、お絵描きを始めるといった具合に、待ち方も色々です。
その姿を保護者の方と観察しながら、どのように待てばいいのか「具体的に」「明示的に」伝える必要があることを確認しました。
療育の中で何度も何度も保護者の方と確認してきたことです。暗黙的な理解より具体的で明示的な理解の方が得意なお子さんたちです。何をして待てばよいのかお子さんたちに伝えてみることにしました。
プリントの裏に絵をかいて待つ、ノートの裏表紙にある写真や字を読んで待つなど具体的に、明示的に伝えてみました。
すると子どもたちはその通りに、適切に待つことができました。
他にも、プリントに名前を書くこと、プリントの配り方集め方、筆箱や下敷きを使ってみること、手を挙げて当てられてから発表すること、配布物を連絡ケースに入れて持ち帰ること、持ち帰った配布物をお家の人に出すことなどなど、小学校でありそうなことを色々経験してもらいました。
保護者の方のお力を借りながら、うまくできない時にはできるための工夫を考えたり、子どもたちがピンとくるように教えていきながら、子どもたちはどんどん吸収していきました。一度教えられたこと、経験したことをきっちりと学習し身に付けることができる子どもたちの姿を何度となく保護者と確認することができました。
取り組みを通して、お子さんの小学校生活のイメージが少しだけでき、工夫したり、教えることで、お子さんのできることが増えていくことで「心配」「不安」な気持ちに「希望」が加わったように思います。もちろん、お子さんの有効な工夫はサポートブックへ記載されておられます。
4月から、ピカピカの小学生になる子どもたち。
初めて経験すること、学ぶこともたくさんです。時には分からないことやうまくいかないことに遭遇することもあるかもしれません。
だけど、教えられたことをしっかりと学ぶ力を持っている子どもたちと、お子さんにしっかりと向き合われる保護者の方がいてくれるからきっと大丈夫だなと思っています。ぐんぐんぴっぴを卒業する年長さん13人のこれからの活躍を応援しています。
そしてぐんぐんぴっぴは4月に新たなメンバーを迎えます。
保護者の方とのコミュニケーションを大切にしながら、喜び合い、考え合いながら療育を行っていけるようにスタッフ一同、力を合わせて頑張っていきたいと思います。
2023年度もぐんぐんぴっぴをどうぞよろしくお願い致します。
(ぐんぐんぴっぴ スタッフ:M)

赤磐ぐんぐん (就学前)

今年は例年より桜の開花が早かったですね。
赤磐ぐんぐんの近くにはローカルな桜の名所がいくつもあり、毎日そこを通りながら「あー、ずっとこのままだといいのになぁ」と散る花びらを惜しみます。
でも、また来年も必ず咲くという桜の気概が私はとても好きです。
今月のテーマは、「卒業おめでとう!」です。
年長のお子さんたちはいよいよ就学。
赤磐ぐんぐんは「就学前」の親子の療育機関なので、年長のお子さんは全員卒業となります。
3月は毎日「元気でね」「学校楽しんで!」「ほんとに大きくなったよね」と声をかけながらの送り出しの毎日。
子どもたちは「さようなら」「バイバイ」と普段通り帰っていく子もいれば、「もっとぐんぐんにいたい」「また来ていい?」と寂しがってくれる子もいます。スタッフに手紙を書いてきてくれたり、同じ単位のお子さんに手紙を書いてきてくれたりする子たちもいました。
松田は「児童発達管理責任者」ですので、ご家族と最後の面談をさせていただきました。
「療育を振り返ってみてどうでしたか?」「卒業に際してどうですか?」など尋ねると、それぞれのご家族の想いを語ってくださいました。少しだけ紹介したいと思います。
「ASDと診断される前は、園の他の子と比べるというか、園でも色々言われるし、わが子にも厳しく関わってしまっていたように思います。診断されてからも、『私がなんとかしてやらなくては』と気持ちが余計に焦って、診断が出る前よりもむしろ厳しくなってしまっていました。
赤磐ぐんぐんの療育に通う中で、なんでこんなことをするのか・どうしてこういうことを言うのかが少しずつ分かってきました。先生たちと一緒に氷山モデルとか特性の紙とか、そういうのを見ながら一緒に『なんでかな』と考えてきたおかげだと思います。園で何か言われても『そっか。どうやって教えていけばいいかな』と思えるようになってきました。小学校でも色々あるだろうなとは思いますが、なんとか頑張れそうです」
「ASDと診断された時は『家では全然困っていないのに、どうして?』と戸惑う気持ちが多かったです。療育に通うことになった時も、正直周りから『療育受けた方がいいよ』と言われて、自分としてはあまり必要と思っていない中で、スタートしていました。
でも、赤磐ぐんぐんで先生たちから、わが子の特性について一緒に様子を見ながら解説してもらったり、関わりのコツを教えてもらったりしていく中で、『お母さんがやっているナチュラルなサポートが本人に合っているからですね』『上手ですね』と言ってもらって、『あ、これって私は普通にやっていたけど、他の人はやっていないことなんだ』と気が付けて、それが小学校に書くサポートブックにも役に立ちました。ASDが障害なのかどうなのか、まだよく分かっていないかもしれませんが、『それがうちの子』『こうしたらうまくいく』ということをしっかり周りにも伝えていきながら、小学校生活送っていきたいです」
「赤磐ぐんぐんに通うことで、色々な人のつながりができました。同室のお子さんの名前を家でもよく話すようになりましたし、私も座談会とかで色々話ができて、園のお母さんたちとはできないような話も色々できて、すごくリフレッシュできたり分かり合えたりして、松田先生ともお話できて相談もできて。この個別支援計画の報告書もすごく丁寧で、『あー、本当に振り返るとわが子も成長したし、私も成長したな』と思うことができました。卒業はしますけど、育てる会とはつながっていたいですし、スタッフブログはこれからも楽しみにしていますね」
「赤磐ぐんぐんに通い始めた時、うまく本人を子育てしてあげられていないこと、仕事や家事や他の兄弟のこと、全部が中途半端なように思っていて、ちょっと療育に対しても後ろ向きのような気持ちもありました。
先生たちからアドバイスされても、なかなかうまく実践できないし、宿題を言われても取り組めない日もあって。でも、先生たちから『無理せず、できることからやりましょう』『お母さん、頑張っておられますよ』と言われて、途中からは園行事や体調不良で休んでいる場合じゃない!もっと通いたい!と思えたし、本人も『ぐんぐん行きたい!』と毎回言ってくれて、ここがあったかくて本人にとっても居場所になってくれているんだなと思えて、私もわが子もすごく頼りにさせてもらえる場所になりました。
卒業は寂しいですが、次の子たちにも、私たちのような居場所としてこれからもここで療育を続けていってあげてください。本当に感謝しかないです」
お子さんたちは、幼児期から学齢期・思春期・成人期とどんどん成長していきます。それは時期的なものもあるだろうなとも思います。
そして、大人になるとあまり成長を実感しづらくなると自分も実感しています。
だからこそ、ご家族が療育に通い続けてくださり、家庭でも支援に取り組まれ、ご自身でも成長を感じてくださっていることの、ものすごさを強く感じています。それは何よりもお子さんへの愛情からくるものだろうとも思うと、本当にご家族への尊敬の想いでいっぱいになります。
小学校は「学ぶ喜び」に溢れています。
知らないこと・新しいことをどんどん吸収してきっと大きく成長してくれるに違いないお子さんたち。そして、いつも真摯で時にクスッと笑えるしなやかさを持ちながらいつもお子さんの一番の味方であるご家族たち。素敵な皆さんに出会えて本当に楽しい時間でした。
皆さんのこれからのハッピーな毎日を心から願っています。
そして、私たち赤磐ぐんぐんは、皆さんの永遠の味方ですよ♪^^ノ
ご卒業、本当におめでとうございます!
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:松田)

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

早いもので今年度も終わりです。もうすぐみんな進級して一つ学年があがります。
ぐんぐんキッズは小学校3年生までのお子さんが通ってきてくれていますが、ここで卒業する人もいます。
一年間を振り返ると一人一人のお子さんといろんなエピソードがありました。
そんな中から成長されたな〜と感じたエピソードをご紹介します。
Aちゃんは小学校2年生。
「いいこと思いついちゃった」とAちゃんが笑顔で言ってくれる時、こちらはちょっとドキッとします。なぜなら、彼はどんどん発想が広がり、どんどん思いついて、なかなか今の活動にもどってこれなくなるからです。だから切り替えが難しく時間がかかります。
Aちゃんは工作が得意です。作っている工作に絵を描いていると、「いいことおもいついた!」とひらめいて、どんどんひろがっていって結局タイマーがなっても絵を描くことが終われません。工作は絵をかいてから、次の工程に進めていかなければなりません。事前に「あと何分です。」「タイマーがなったら終わりです。」と伝えていても実際工作中に「いいこと」を思いついてしまうとブレーキが利きませんでした。
Aちゃんは活動の中での目標が守れたら赤丸を1個もらい、赤丸が5個たまったら、大好きなキャラクターのカードが1枚もらえるというトークンシステムを取り入れていたので、そのシステムを使って時間内に終わる練習をしました。
まず、キッズタイムで工作をする前に、先生と勉強(1:1の学習)の時間に今日するキッズタイムの手順書を見せながら内容を伝えます。そのあと、キッズタイムの時間が全体で20分あり、その中で作る時間は15分間、そのあと作った工作で遊ぶ時間を5分間とることを伝えます。
作る15分間の中を細分化し、絵を描く時間は5分にしようと、時間配分を事前に決めてつたえました。そして作る時間は15分間なので、この時間に作り終わることができたら、赤丸を1個と紙に書いて視覚的につたえました。
それからキッズタイムに取り組んでもらい、紙コップに絵を描く場面で、先生が「お絵描きは5分間です、タイマーがなったら次の手順に進んでください」とつたえタイマーをセットしました。
そして、絵を描く時間のタイマーが鳴り、絵を描く時間の終わりがきました。
次に進まないといけない、とはわかっているけど、でも書きたいという気持ちで「うーん」と葛藤するAちゃんの姿がみられました。
そこで、「早く終わらないといけないよね」と声をかけるのではなく、赤丸1個と約束した紙をAちゃんの視界にはいるところにおきました。
するとAちゃんは「わかったよー」といいながら次の手順に進むことができました。キッズタイムがおわったらすぐにAちゃんに「よくがんばったね。タイマーがなったらおわれたね」といって赤丸をわたしました。
その日も赤丸を5枚あつめてだいすきなキャラクターのカードをもらい、うれしそうにしているAちゃんの姿をみることができました。
このような取り組みを4回とりくみましたが、4回ともタイマーがなったら次の活動にうつることができていました。
いろいろな事を思いつくAちゃんなので、絵をかいたり、シールを張ったりする活動は時間内に終わることがむずかしく、切り替えることがむずかしかったですが、事前にキッズタイムの内容を伝え手順書をみて見通しをもつことと、時間配分がどうなのかも事前に見通しとして伝え、赤丸がもらえることを目標に苦手な切り替えも頑張って切り替えることができるようになってきました。
これまでは、キッズタイムで一緒に活動しているお友達にAちゃんの工作が仕上がるまで、待ってもらうことも多かったのですが、いまではみんなとだいたい同じ時間に作り終えることができるようになりました。
Aちゃんは、自分の好きなことに熱中できるというとてもいい強みを持っていますが、その強みは終わるのがむずかしいという弱みにもなってしまうこともあります。
でも、Aちゃんに合った工夫をしていくことで弱みをカバーできる方法をどんどん身に着けていけたらなと思っています。
幸いAちゃんとは、もう一年一緒にかかわることができます。1年後にはどんなふうに成長しているのか楽しみに、毎回のお勉強の時間を大切にしていきたいと思います。
(ぐんぐんキッズ スタッフ:N)

グループホーム寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。

  【グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R5.2.25-R5.3.25)

〇 すてっぷ1 有志 様(赤磐市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 受付口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
              岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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