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令和 5年 6月30日

 

 第302号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 302号 目次

      「あなたは、幸せな人になれるんだよ」 ってね

      即実践講座・夜間連続講座 の 報告とお知らせ

      はやぶさの会、クローバーの会 の お知らせ

      スポーツクラブ、キッズルーム、水泳教室 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「自閉症が文化をつくる

      ぐんぐんだより
         「赤磐ぐんぐん」、「ぐんぐんキッズ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付 の お礼とお願い

田んぼに水が張られて、その水面が鏡のように両宮山古墳の緑を映しています。
私の働く赤磐市和田では、近くの田んぼからの、田植え機のカチャカチャという音が聞こえてきます。
今年は、蛍をまだ見ていません。昔はこのあたりは用水沿いに光の帯ができるほどの蛍がいたものでした。
会社帰りにこの用水沿いの道を通る夫は、ちょこんと蛍を肩に乗っけたまま帰ってきたこともありました。
暗い玄関を入った夫の肩にぼーっと光るものを見つけました。電気をつけるのをやめて、じっと見てみると源氏ボタルが小さな光をともしていました。今から20年くらいも前の話です。
めっきり減った蛍ですが、無事に世代をつないでくれているのでしょうか?
用水路の両岸も石垣からセメントに変わり、ちょっと心配な私です。
ゆっくりと季節は移ろい気が付けば初夏です。暑さも厳しい夏本番がすぐそこまで来ています。毎月この会報を書いていると、巻頭文の初めに季節のことを必ず書くので、季節の変化に敏感になってくるように思います。
皆さんいかがお過ごしですか? 今月も会報をお届けいたします。
先日亡くなった音楽家の坂本龍一さんが、今月遺作として出された本の題名が、「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」 というのですが、私も時々それを思うことがあります。
あと何回、桜が見られるのだろう。あと何回、このアジサイの咲くのをみられるのかしら?
そんなことを思いつつ暮らすようになった今日この頃です。坂本龍一さんは、私と同い年。自分の人生について考えるそんな年になりました。
しっかり生きていかねばと思いつつ、今日も励んでおります。
冒頭からなんていう話題を出すんだとお叱りをいただくようなことで申し訳ありません。いつも考えていることなもんで、ついついこんなことを書いています。
会員の皆さんは、まだお若くて、元気で、自分の“人生”についてそれほど考えたりなさらないかもしれませんね。
私のように少し年を重ねてくると、残りの日にちを考えてしまうのです。
夫と、あとどれくらい一緒に居れるだろう。障害のある息子はこの先私たちがいなくなったらどうやって暮らすだろう。
そんなことを考えると夜も眠れなくなるなんて言う感じ・・・・? かというと、そんなことはありません。
そういう方もおられるかもしれませんが、私の場合、息子については心配していません。息子は、たぶん飄々と生きていくだろうと思っています。
夫が私より長生きしたら、それはめでたいことだし、もし私の方が残されたとしても、それはそれでひとり暮らしも気楽でいいかも・・・・なんて、どっちでも楽しめそうです。
何とかなるさ〜なんて、能天気なままの私・・・、そんな私がこの育てる会の代表なんです。
私がいなくなったらどうなるだろうなんて、ちっとも思わないのです。次の人が、なんとかかんとか頑張ってくれるに違いない。
それが信じられるから、私は悩まないし、幸せ者だな〜と思うのです。
知能も、力も、才能も、体力も足りない私ですが、そんな私でも何とかここまで来れました。
何とかなるもんだな〜と言ったら、あるスタッフが言いました。
「何とかしてきたのは、私たちです」
確かにたしかにその通り!! 良いスタッフたちに恵まれて、私はここまで来れました。
児童発達支援が3つ、放課後等デイサービスが1つ、相談支援事業所が1つにグループホームが2つ。 そして、この春から保育所等訪問事業に参入です。なんて素敵なことでしょう。
私ね、この会報が絶筆になったりしても後悔しないかもしれない、なんて思いながら、今日はこれを書いています。
満足して、幸せな自分の今を書いています。
皆さんは、今幸せですか?
そんなことを聞きたくなる自分の今が信じられません。
息子が障害だと告げられたあの日、私は世界中で一番不幸な母親でした。
旭川の土手の道を車で走りながら、このまま死んでしまいたい・・・そんなことを思ったのは、まだ昨日のことのようです。あれから33年。今はこんなに幸せそうな私がいます。
皆さん、今はつらいこと悲しいこといっぱいあるかもしれません。でも、いつか私のように幸せな母親になれる日が来ると信じて、今を生きてください。
テレビの番組で、昔の自分にあてたビデオレターというのがありましたが、33年前の私に教えたい・・・「あなたは、幸せな人になれるんだよ」ってね、そう言ってあげたいと思う私です。
でも、考えて見るとあの告知を受けてからのしばらくの間以外は、結構楽しく幸せに生きてきたような気もする私です。
過ぎてしまえば、嫌な想いも上書きされて、辛い気持ちも忘れ去り、たいしたことなかったように思えてくるのです。
今私が思うことは、自閉症はたいした障害ではないのではないか? ということです。対応さえ間違わなければ、丁寧に教えていくことができれば、ちゃんと育ってくれる人たちではないかしら・・・。
そんな風に思っているのです。
強度行動障害なんて、対応間違いの結果でしょう。だからこそ早くに診断をしてもらっていい療育機関に繋がって、親も子も自閉症についての正しい取り組みを始めれば、持っている能力を活かして、必ず幸せに暮していけるって思うんです。
強度行動障害の人の様子をYouTubeで見たことがありますが、落ち着き始めると親があおるようなことをやるんですよね。
ワザとかどうかは分かりませんが、「こんなにこの子を育てるのは大変です」なんてアピールをしているように見えます。
画面に向かって「そうじゃ、ないだろう!」と叫びたくなります。明らかに間違った対応をされていて本人が可哀相になります。
でもたくさんの方がそれをフォローしていて、大勢のフォロワーがいると、それがお金になるらしいのです。嫌だなーって思いました。子どもの行動障害を金儲けに使う親。そんな風にしてしまったのは自分たちにも一因があるはずなのに・・・、もしワザとだとしたら許せませんし、もし知らなかったのなら少しでもいいから勉強してください!
我が子だと言っても、別人格です。あの子達にはあの子達の人生があります!! ・・・と、少々過激になってしまいました。
でも、適切な子育てを勉強していけば、自閉症の家族、本人も親も幸せに暮らしていけると信じています。
さあ、皆さん、育てる会は、勉強をたくさんしてもらうことが大切と思っている会です。 「勉強するなら育てる会」これは最近私がとなえている、育てる会の合い言葉のひとつです。 年間5回の講演会の2回目の日にちが近づいています。 7月15日(土)の門 眞一郎先生による、「自発的なコミュニケーション支援について 〜PECSを中心に〜」という講演会です。  http://sodaterukai.org/policy1.html 先生は退職されてから、より精力的にPECSの普及に力を注がれておられます。
昨年の7月にも「12年間の支援学校生活でしておくべきコミュニケーション支援」という講演会を育てる会でしていただきました。
YouTubeでも講演内容を公開したので、多くの方が参加してお話しを何度も聴いていただいたようでした。
無料での講演会は育てる会では初めての経験でした。先生のPECSへの想いに感動したことと、私たちも多くの方にPECSの有用性を知って欲しかったからでした。
有料にすると聴いてくださる方は限られてしまい、本当に聴いてほしい、PECSの良さを知ってほしい先生には、敷居が高くなってしまうのでは・・・との思いからです。お陰で日本中から多くの方が参加してくださって、ありがたかったですよ。
やって良かったと思いましたが、育てる会は親たちで作ったお金があまりない会です。講演会をして参加費をいただいてそれで運営をしている会なんです。
それで今回は残念ですが、有料となりました。皆さん、育てる会の講演会はいい講演会ばかりです。ぜひ参加いただき、保護者の方は、お子さんのことをよりよく知るために学んでいただきたいですし、支援者は、彼らの人生の大切な時期を丁寧に関わるために参加していただきたいのです。どうか、どうか有料ですがご参加ください。
賛助会員になっていただければ、お安く参加できますので、ぜひ賛助会員にもなってください。
よろしくお願いいたします。

哲平の話を一つしましょうね。
グループホームでは、援助要請の練習のために、色々世話人さんや支援スタッフが取り組みを考えてくれています。
これならヘルプを出すだろうと考えた世話人のNさんが、哲平の部屋のお風呂の電球をゆるめて点らなくしたそうです。
きっと “助けを求めて言いに来るぞ” と、待っても待っても何にも言ってきません。
翌朝お風呂の電気を確かめてみると、ちゃんとカバーを外して、電球をしっかり締め直して、点るようにしていたそうです。援助要請を出すまでには、なかなか至らない手強い哲平君でした。
次はどんな手を使うか考えてくれているそうです。
本人が一人でリカバリーできないようなやり方で援助要請が出るようになったら面白いのですが、どうでしょうね。
なにしろ生活力はある哲平です。
梅雨の晴れ間に輝くようにすっくと立つグラジオラスが、おひさまハウスの庭に咲いています。
球根を植えたままで、水もろくろくやらないのに、ちゃんと咲いてくれる強い花です。
同じように我が家の庭にも咲いていて、賑やかに我が家の庭を彩ってくれています。球根っていいですよね。ちゃんと自分で栄養を取って、ひとりでに太り、子どもの球根を増やしてくれて、どんどん増えてくれます。
強い球根もあるけれど、中には弱い球根もあって、一年しか咲かないようなのもあります。ここに植えたはずなのに、いつの間にかいなくなって・・・残念ながら、それは、我が家の庭には合わなかった花なんでしょうね。いつの間にか元気に生き延びる花しかいなくなるそんなお庭です。おひさまハウスの庭も、我が家の庭も。
それではまた次号で夏休み真っ只中の8月上旬にお会いしましょう。
ごきげんようさようなら。
(鳥羽 美千子)

令和5年度 支援者対象 現場の先生のための即実践講座

令和5年度の即実践講座は講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えして始まっています。
第2回目は、「自閉スペクトラム症の無理解の事例」ということでしたが、早期発見・早期療育が有効なのは間違いないが、現実にはその枠からもれてしまい、一定の年齢になって強度行動障害を引き起こしてから、発達障害と分かる・・・という不幸な例が、想像以上に多いのではないか、ということに気づかされました。
では、そんな対応が遅れてしまった人たちに私たちがどんな支援ができるのか、1年間の講義を通して学んでいきましょう。
途中参加の方には、これまでの講義の視聴をご案内いたしますので、まだ間に合います。
どうぞお申し込みください。

 『 第3回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和5年7月11日(火) 19:00〜21:00 
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「乳幼児期の特徴的な行動とその理解」
      「知的発達症(知的障害)について考えてみよう」
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)
対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分 
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第2回、「自閉スペクトラム症の無理解の事例」・「乳幼児期の発達と自閉スペクトラム症の特徴と二次障害」の講座の参加者の方からの感想です。

○ 今日もありがとうございました。お子様を支援していく中で、気にはなるけどまだ成長段階なのかな? 院を進めるまでには至らないのかな? と疑問に思いながら過ごすことがあります。
お話を聞いて、やはり早期に診断を受けれた方の方がその方にあった支援や療育を進めてもらうことで成長につれて穏やかに生活していけている方もおられるのだとわかり、やはり早期診断早期療育は大切だと思いました。
○ 講義ありがとうございました。前回に続き大人になってから障害に気付く診断に行く方の多さに驚いています。職場では小学生、中学生、高校生の方が利用されほとんどがASDのお子さんが多いです。それぞれに合った支援をしようと職員のみんなとも話をしています。
早期介入し、大人になったとき少しでも社会生活が送れるよう、先を見通した支援をしていきたいと思います。
○ 事例を紹介しながら細やかにASDの特性を持った人の小さい頃の話をしてくださったことで、今関わっている幼児期や学齢期のお子さんたちへの支援をもう一度考えることができました。
早期発見・早期支援の大切さが言われるようになって、1歳代からわかるようになったのはすごいなぁと思います。また、「生き方や感じ方が認められ、必要な支援を受けられるような人的・物的環境が可能な範囲内であり、失敗経験や辛い思いを強く感じすぎずに生活でき、幸せな大人になれるようにサポートしていくこと」は、ASDだけに関わらず、私たち支援者やご家族にとってだって、誰にとっても大切なことだなぁと漠然と感じました。ありがとうございました!
○ 早期診断により早期から適切な支援を受けられることで、生きやすくなるということは間違いないのだと思います。境界域にある人で幼少期に特性が見られていてもその後の成長発達、生活の中で診断を受ける範囲からはみ出す人があるというお話からもやはり早期に診断を受けて特性を踏まえた支援、介入がなされたためとも思いました。
次回の話になるのだと思いますが、早期に診断を受けても適切な対応を受けられなかったために二次障害を起こすケースもあり、支援者としての立場にいる者として考えさせられました。

令和5年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
第2回目は通常の学級でのICTを活用した合理的配慮について東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹先生と佐藤牧子先生にお話しいただきました。
   
デジタル教科書や、机のように平面に置かれたディスプレイを使い、目を輝かせて授業を受ける子どもたちの様子に感銘しました。
先日の新聞で特別支援学校などへの端末の支給が、予算の関係で後回しになっているという記事を読みましたが、行政の方にも是非聴いていただきたかった、今回の合理的配慮の話でした。

『 第3回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』

日 時:令和5年7月13日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「特別支援学校でのコミュニケーション支援」
講 師: 鈴木 潜 先生(埼玉県立所沢特別支援学校)
総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者
(保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、
賛助会員10,000円(全10回分)別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第2回の鈴木秀樹先生と佐藤牧子先生による「通常の学級におけるICT活用と合理的配慮」の講義に参加された方からの感想の一部です。

○ 実際の教育現場での合理的配慮の実践をご紹介いただきました。特別扱いを堂々と受けられる環境があることで、子どもたちが最大限に可能性を広げる事ができるのだなと感じました。
その子自身がとても素敵なところを持っていたとしても、学校教育の中で他の子がしていることが同じ方法でできないといっただけで“できない子”という烙印を押されてしまうというようなことは残念ながらあるのだと思います。
ICTの活用で、苦手とする部分へのサポートが得られることで、できない自分ではなく、できる自分でいられることも増えると思います。できた経験があるからこそ、新たなことを学ぶ意欲が湧いてくるんだなと実際のお子さんの例からも感じました。鈴木先生も佐藤先生も講座の中で常に子どもたちの目線で教育について考えられているところが伝わってきて、自分自身もそのような支援者でありたいと心から思いました。
○ 「合理的配慮は選べるようにすること」、本当に素晴らしい取り組みだと思いました。
型にはめようとするから、型にはまれない子はできないダメな奴と思われてしまうけど、最初から「いろんな型があるよ、好きなのを選んでいいよ、もちろん途中で変えていいんだよ」と提示されていると、自由に選んで本当の目的に向かえるのだと思います。
デジタル教科書、なんて楽に楽しく学べるんだ!と驚きました。時代とともに学校教育も変わっていくべきですよね。社会人になって求められるのは、デジタルなスキルだし。かつての学びと現代の学びの図が印象的でした。子供たちは自分たちで学んでいける。先生は寄り添って使い方を教えるだけでいい。教育現場、教師の柔軟性より、教育委員会の柔軟性が本当に必要だと思います。
○ 鈴木先生と佐藤先生の愛情深い実践を伺うことができ、元気をたくさんいただきました。ICTの活用はもちろんですが、その土台にある子どもの実態把握、自分も友達も大切にする学級経営があることを学びました。小金井小学校の「特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」の取組、今後楽しみになりました。
○ タブレット学習はよく耳にしますし、仕事で関わる子どもたちが持っているのを見たこともありますが、実際どのようなものかわからなかったのでとても勉強になりました。全員使うことによって特別な配慮が必要な子が気兼ねなく使うことができるという配慮も素晴らしいと思いましたし、特別に必要としていない子でもより勉強への取り組み意欲が上がるというメリットがとてもよいと思いました。使う先生方も必要な環境設定を考えていくところは大変かと思いますが、これからに期待がもてる教育法になりそうだなと感じました。

はやぶさの会 お知らせ

「夏休みに何かしたいね」「どこ行こうか」と計画中です。
いつの間にか、親は見守りぐらいで子ども同士での仲間意識が育ってきているのが嬉しいです。
部活やテストなど忙しくなってきてなかなか会えないけど、「はやぶさの皆も頑張っているんかな」と思いを馳せたりしている子も。仲間って大事ですね。そして、お母さん同士も繋がりあえることで元気になれている気がします。さぁ、いつにしようかな!
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っているお子さんが対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合のみ参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 お知らせ

先日の会報でお知らせした通り、女の子たちの仲間づくりの場「令和版:クローバーの会」がスタートします。
元々育てる会には「クローバーの会」がありました。
15年ほど前に、数名の女の子のお母さんたちで「仲間がほしいね」と集まってできた会だそうです。
今は「クローバーの会」に所属していた女の子のみなさんも県外に出られたり、20歳を超えて大人になってこられたりで、あまり定期的な集まりはしていないとのことでした。
クローバーの会の発足時の名前の由来などは、会報112号(平成19年8月)に載っていますが、“友達はほしいけれど、頑張ってもなかなか上手に付き合えず、ハートを繋ぐことが下手な子どもたちのために、少しでも心を通わせることができるように” との願いを込めて 『クローバーの会』と名づけて立ち上げられたそうです。
今回女の子の会を再開するにあたり、設立メンバーのお母さんにお話を伺いました。その名前に込められた思いに触れ、「私たちもわが子にとって、ほっと暖かく優しいハートいっぱいで包まれる場にしたいな」ということで、名前をそのまま引き継がさせていただきました。
そして「はやぶさの会」に続いて、令和版クローバーの会の発起人もさせていただくことになりました。
よろしくお願いします。
令和版クローバーの会:第1回は7月16日(日)の昼間に「スイーツを食べに行こう」の会を企画中です。
メンバー大募集中!!
ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っているお子さんが対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹にもASD診断が出ている場合のみ参加可能)。
参加をご希望の方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

サッカー&ドッジ スポーツクラブ の 報告とお知らせ

6月17日の土曜日に今年度第1回目のスポーツクラブを開催しました。
今年度は、数年ぶりに “リレー”と、“ラジオ体操”が復活しました!!
先日、ボランティアに参加してくれた中学生T君は、3歳から小学校3年生まで、サッカークラブに参加していました。
はじめはできないことも次第にできるようになり、協調性がここで少しずつ生まれてきたといいます。
そんなT君に、ボランティアをしてみて、感想をきいたところ、「自閉症の子たちが楽しいと思って帰ってくれたらええなあと思う。前に比べて、リレーとラジオ体操がなくなっているから、活気がなく感じた。楽しいー!って盛り上がるから、あれはやった方がいい!」 と、いう意見をくれました。
以前はお母さんたちが主となり運営していたサッカースポーツクラブですが、事務局が引き受けるようになり、またコロナも重なり、簡素化になっていたのかもしれません。
参加者(ボランティアさんも含め)に、以前のサッカー教室を知っている人はいなかったので、はじめてのことに不安があったと思います。
ボラさんとも打ち合わせを重ね、ボラさんが間で走ることで、帳尻を合わせ、準備をしました。
迎えた本番、ラジオ体操は、みんなモデルのボランティアさんの方をよく見て、音楽に合わせて踊ることができました。
リレーも、はじめは、「走りたくない!」と言っていた子も走りきることができ、2チームとも、ゴールテープを切ることができました。
嬉しそうに走りきる姿が見られて、前のような“活気”があったなー!と、感じました!!
高校生ボランティアのRくんも、今回は1人で参加してくれ、みんなの見本になってくれました。
いろんな方から意見をいただきながら、楽しく、また来たい! と思うクラブにしたいと思っている次第です。
また、次回から助成金でいただいた、マイク&スピーカーも連れて行こうと思っています!!
ますます、活気が出てくること間違いなしです!!
次回は、7/22土曜日 10:00-12:00です。
2回目からの参加も可能です。 体験も1回できます。(岡山大学 体育館)
興味のある方は、育てる会事務局までMAIL・LINEでもお気軽にお問い合わせください。 (正会員限定)
参加者の方からの声です。
〇 今回は、リレーの時間があり、とても興奮して頑張れていました。
ドッジボールの試合では、子どもの人数が少なく、しかも年齢差があったので難しいかと思いましたが、ボラさんが上手くルールを決めてくれたり、対応してくれたりして満足していました。次も楽しみにしています。
〇 慣れてきたこともあり、とても楽しそうに参加していました。ボランティアさんにも親切していただき、感謝しています。

キッズルーム の お知らせ

日時 : 7月9日(日)12時45分〜15時頃
場所 : 岡山大学 体育館
持ち物 : うわぐつ、飲み物(必要な方)
参加費 : ひとり 400円(2歳児から・兄弟児も必要です。) (正会員限定)
  
ご本人だけでなく、兄弟児さんでも参加しやすいイベントです。

水泳教室のお知らせ

日 時:令和5年7月16日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は7月13日(木)までに事務局に連絡してください。
★8月はお休みです。
(担当:I & S)

お母さんコラム

中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
兄(中1)の最近の様子。
息子の中学は生徒数が少ないこと・先生たちの負担軽減のため部活の所属は任意だそう
(帰宅部もOK)ということでしたが、運動の習慣や体力をつけていくこと・通常学級の子たちとのつながりを持てるようにと、息子と相談してソフトテニス部に所属することにしました。
一年生は息子を含めて5人。どうなるかなと思っていましたが、同じ小学校からの子が多いこともあり、楽しそうにちょっとは疲れた様子も見せながら楽しんで参加できているようです(最初のうちは帰宅して気づくと寝落ちもしょっちゅうでした)。
そんなソフトテニス部、先日地区総体なる大会がありました。
ここ最近はコロナ禍で出場する選手以外は学校での練習や休みという形だったようですが、久々に「出場する選手以外も参加して、応援してください」ということで、暑い中、出番はないけれど二日とも参加するということになりました。
持ち物などの連絡はありましたが、具体的にどんなものを求められているかが分からなかった息子。一緒に確認した方が良いことをメモにし、それを見ながら顧問の先生に教えてもらったそう。
小学校で教えてきたことが、中学でも部活でも般化できていることが嬉しいなと思いました。
私は仕事があり送迎を夫に頼んでいたため様子は見られなかったのですが、試合の様子を息子に聞いてみました。
【一日目】
・先輩たちも「出場しない場合の過ごし方」を体験していないから「これをして」という指示がなかった
・顧問の先生たちにはどうやらあるらしく、「ちゃんと応援しなさいね」と言われた
・他の一年生たちの様子を見ても、皆「分からん」と言う
・仕方がないからテントのところに皆で座っていたら怒られた
・「先輩が出番じゃない時は、他のチームの選手のやっている様子をしっかり見て勉強するんだよ」と言われたから近くで見ようとしたら怒られた
【二日目】
・団体戦だったから出場しない先輩たちが「普段の団体戦の時、自分の出番じゃなかったらこうしているよ」と教えてくれた
・先生や先輩たちが掛け声の出し方を教えてくれた
・役割をしっかり教えてもらえて、どういう時には声出ししたらダメかも教えてもらったから分かりやすかった
・応援も楽しかった
明示的に何をどのようにするか分かるとできるけど、それがない場面では何をどうしたらいいか分からないし、見本や手本がないと困っちゃうんだよな!と改めて「さすがASD。ブレないわ!」と感心しました。
まぁこの話にはオチはあって。
そのあと団体戦頑張って良い成績を収められたということで写真撮影するよー!と声を掛けられた子どもたち。
出てもいないのに中央に陣取り写真に写ろうとする息子。
「だって先生が『自分が出場しているぐらいの気持ちで本気で応援しなさい』『皆の応援の如何で勝てるかどうかが変わってくるんだよ』って言ってたんだよ」
「俺もしっかり勝利に貢献しとるじゃろ」とのことでした。
場所指定されたら我慢できたそうですが。字義通りだな!(笑)
その次の週末が期末テストということで、先輩たちに弁当を食べながら「テスト勉強ってどうやってやるのが正解なんですか?」と聞いたそう。
「とにかくワークはやれ」
「ワークで分からんかったところを赤ペンでチェックして、それをノートに書いていくといい」
「テスト後に出すと言われた提出物があると思うから、それを忘れずに出すこと」
「先生が『ここ大事』って言ったところは大体テストに出る」などなどアドバイスをもらい、それなりには勉強をしているようです。
でも、今朝も、いつものように30分間Switch&Youtube視聴をしている息子。
色々言いたい気持ちをぐぐぐっとこらえて、「ルーティン崩さずにいつも通りが安定するんよな」「それを咎められたらやる気をなくしたりイライラしたりして余計にテストで力発揮できんもんな」と話すと「母さん、分かってんじゃん」とのこと。
うううう。ブレんなぁ。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「見本があるって分かりやすい!」です。
娘はこの春小学校一年生になりました。ひらがなを書く場面も増えており、考えながら書く・枠に収まるように書く・正解を書くなど、求められることが日々どんどん高くなっています。
それに何とか頑張ってついていく娘の姿を見て、宿題をみながら「おー!大変だな!」「少しずつだけどできるようになってきたな」と子どもの成長力に驚きます。
自分の名前を書くことも増えていて、保育園時代は、たとえば友達に手紙を書く際にも、
便箋の線通りにまっすぐに書ききれなかったり、一行に収まらなかったら二行目になっても問題なかったところから、「この『なまえ』の枠に収まるように書く」ということが求められます。
お子さんによっては、5文字ぐらいで余裕を持って書ける子もいますが、フルネームで
7・8文字になる子もいます。でも同じ『なまえ』の枠。バランスを見ながら書くって難しいですよね。
どうやっているんだろう? と思うと、担任の先生がクラスの一人一人に名前のお手本を作ってラミネートしてくださっていて、いつも筆箱に入れてくださっているんです。
毎日宿題プリントには同じ『なまえ』の枠があるので、隣に並べながら書けば、まずまずのバランスで書ける訳です。
娘に尋ねると「これがあるから、上手に書ける」とのこと(上手かどうかは置いておいて)。
私はこれを見て、ふと小学校時代の習字のことを思い出しました。
習字の授業や宿題では、その年のテーマの習字の字(太い大筆で書く分)はお手本が配布されます。
それを横に置いて、バランスなどを見ながら書けば良いので、模写が得意な私は比較的得意でした。
でも、小筆で書く自分の名前は、お手本がありません。自分で考えながら書くので、最初の字に比べて最後が尻すぼみに小さくなったり大きく書きすぎて大筆に重なってしまったり全体がちぐはぐだったり。
「自分の名前がもう少し上手に書けたらいいのにね」
「何十回と書いてきているはずの自分の名前の方が難しいなんて変わっているわね」などよく先生に言われたものです。
でも、今回娘の宿題につけてある「名前のお手本」を見て、これだ!と思いました。
慣れている慣れていないじゃない。
見本やお手本があるって、分かりやすいし自信を持って書けるんです。
そして思い出してみると、祝儀袋などに名前を書く時にパソコンで作った分を隣に並べながら書いていたり、わが子の体操服の名前つけの時に表裏が同じような字になるようにパソコンで作った分をなぞって書いていたりしていたことにも気付きました。
苦労して編み出した自分なりの工夫。
わが子を含め今の小学生たちはナチュラルにしてもらえていることに少し羨ましさも感じつつ、「つまり、私以外にもこういうのが苦手な子が多数だってことに、先生たちが気づかれたってことだな!」「そのうちマイノリティはどっち!?って時代がくるな」とほくほくした私でした(笑)。
この年になっても、毎日が気づきと発見の連続です。頑張っている自分がえらいなと思うし、本当に面白い!です^^ノ
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 

   今月から「赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ」 と 「ぐんぐんぴっぴ・ぐんぐんタッチ」が交替で、療育の様子を説明します。

赤磐ぐんぐん (就学前)

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
ジメジメした暑さは身体に堪えます。ASDのお子さんたちの中には、暑さに弱い子・体調の悪さの自覚がないことからの熱中症になる子・暑さによってイライラしていつもよりしんどさを感じる子もおられるので、必要に応じて赤磐ぐんぐんでもエアコンをつけ始めました。
寒暖差も激しく体調を崩しやすい季節ですので、皆様ご自愛ください。
さて、今回のテーマは「『手伝って』の奥深さ」についてです。
現在赤磐ぐんぐんでは、新規で来られたお子さんを中心に、様々なアセスメント(評価・情報収集)を、ご家族と一緒に取り組んでいます。
例えば今回のテーマである「表出コミュニケーション」について。
コミュニケーションサンプル表と言うものを活用しながら、ご家族と確認しながら、「出来ていることは何か?」「出来そうなことは何か?」「今はちょっと難しいのは何か?」を確認していきます。
そして、療育中だけでなく、慣れている環境である家庭や園での様子もお聞きしながら現状を確認し、ご家族と一緒に目標設定をするようにしています。
ASDのお子さんは、どの子にも「社会的コミュニケーション・相互的な対人やりとりの難しさ」があり、その難しさはお子さん一人一人によって違います。自分の興味のあることはたくさんの語彙を使ってお話できるけど、相手の反応を見ていなくて一方的になる子・うまくいかずに困っている時に「○○ができないな」というような独り言コメントになっている子・慣れているお母さんやスタッフには発信しやすいけれど、慣れていない相手では発信が弱まる子・うまくできないと癇癪のように怒っている子などなど・・・様々です。
今回は、その中の「援助要請=困っていることや助けてほしいことを相手に伝えること」について、奥が深いなぁと自分にとって勉強になったエピソードをお話しします。
一つ目は、赤磐ぐんぐんのコンサルの際に、コンサルタントの川崎医療福祉大学の諏訪利明先生から教えていただいたことです。
「そもそもASDのある子どもたちは、コミュニケーションの苦手さがある。この子たちにとって、コミュニケーション練習すること自体、プレス(負荷)がすごくかかることを忘れないでね」
「子どもたちに何かを教えていくなら、まずは負荷が少ないところから始めてね。 『手伝って』を教えたいなら、最初は大人からどんどん手伝ってあげて。 ピンと来ていない子たちは、経験から学んでいくんだよ」
「負荷の少ないところから、スモールステップで進めて、課題も苦手なことばかりじゃなく、得意なところも入れてね。バランスも大事だよ」
と教えていただきました。
その話を聞いて自分の療育を振り返ってみると、ご家族とのアセスメントで目標が「手伝って」に決まった子に、いきなり固い容器に入った具材を出すなどして、唐突に困った場面を作っていたことに気が付きました。
子どもたちは「え、、、」と驚きながらも、じっと待って何もしてくれないスタッフや、台詞が示されたカード(リマインダー)を見たりして、困った様子を見せながら、「手伝って」を表出してくれました。思い返せばあの時この子たちは、不安の中、勇気を振り絞っていたのではないか、と気づかされました。
子どもたちの立場になってみると、あまり素性を知らない人に助けを求めようとはしませんし、ましてや困らせてくるばかりの人たちを信用しようとは思わないはずです。
まずは関係作りから !
早め早めに大人から手助けし、様々な場面で「この人にもこの人にも助けてもらえた!」という経験を積んでいく。その後、「助けを求めるときはこう言ったらいいんだよ」を教えていく。
明示的な学習が得意であり、見通しを持つことで安心できるのが、ASDの子どもたちの強みです。
実際に取り組む際には、「今から『手伝って』と相手に伝える練習をするよ」「上手く開かない時には、『手伝って』と言ってくれたら、すぐに先生開けてあげるからね」など事前に伝えて、ネタバレした上で取り組んでいく方が、なにが求められているか分かって安心して伝えることができます。
子どもたちのための療育にするために「手伝って」に限らず、安心を感じられる負荷の少ない場面からのスタートを続けていきたいと思いました。
二つ目は、赤磐ぐんぐんで療育後に行われるスタッフミーティングで話題に上がった疑問についてです。
「『手伝って』を覚えた子どもが何でもかんでも『手伝って』を言うようになった。どうしたらいい?」
とご家族からの相談があった件についてのお話です。
援助要請を相手に伝えることを練習して「手伝って」を上手に相手に伝えられるようになった。
だからといって、自分でできていたことまで人に頼りだすのは違いますよね。
では、本当に困っているときの「手伝って」と、自分でできるのに言っている「手伝って」をどう見極めればいいのでしょうか。
スタッフ間で話し合い、様々な意見が出ました。
・以前の情報と照らし合わせて、本人が自分でできる難易度かを判断する。
・初めての課題で何をどうしたらいいか分からないようであれば、やり方を見せてみる。
・普段の取り組みや設定と、何か違いがないかどうかを確認する。
・その日の他のスケジュールや活動での様子から負荷がかかっていないかどうか、他の理由がないかどうかを探る。
などなど、どれもその子の現状を把握する方法だなと思い、先輩スタッフたちの引き出しの多さに驚きました。
この話が出た際に、松田先生から、吉田友子先生の「高機能自閉症・アスペルガー症候群 『その子らしさ』を生かす子育て(改訂版)」という本を紹介していただきました。
【 『わかりません』『助けてください』『休みたいです』と言えることは心の安定にもつながります 】
困ったときに手助けがもらえる、手助けがあればできなかったことが自分でできる、できなかったことができるとうれしい。
こういう経験を積んでいない子は、できないかもと思ったとたんに投げ出してしまうことが多いです。あるいは逆に完成するまで自分を許せず、結局はパニックを起こしたり、たとえ完成しても披露とイライラをあとあとまで引きずったりしがちです。
自閉症スペクトラムでは自分の肉体的・身体的疲労の度合いに気づいて、ほどほどの所で引いて休んでまた取り組むということが苦手です。自分の能力でできそうな範囲のものかどうかを判断して、完成に向けたプランを立てることも苦手です。( 中略 )分からない、休みたいと言うな、と対応するのではなく、それを連発しなくても済む課題設定や環境整備を進めていくことが急務です。
そして、「『分からない』とか『手伝って』とかが言えるのは、普段から分かる環境にいて、安心できる状況にいる子だけなんだよ」
「どうすればいいのか・周りが何を求められているのかが見えていないと、不安になるし、助けを求めたらいいんだということにも気付けないぐらいイッパイイッパイになるでしょう? そういう心境・状況の時に、『手伝ってって言いなさい!』と言うのは、あまりにも酷な話なんだよ」とも教えていただきました。
「手伝って」って、「ASD支援」って、本当に奥が深い!
まるで「謎解きの探偵」のようです。「真実はいつも一つ」!?
でもその子にとっての真実は何か、私たちスタッフだけでは分かりません。
ご家族と「なんでかな?」「どうしてかな?」と子どもたちの行動の背景を一つ一つ深堀していきたいと思っています。一緒に見つけていきましょう!
今後ともよろしくお願いいたします。
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:S)

ぐんぐんキッズ (小1〜) 

異例の速さでやってきた台風が、梅雨前線と共に各地に大雨を降らせたり、常に異常気象の話題が上る今日この頃ですが、今年の夏は一体どんな夏になるのでしょうね。
ぐんぐんキッズでは、個別の目標に沿って課題に取り組む「勉強の時間」、社会性やコミュニケーションの練習の場である「グループ活動」や「遊びの時間」などがあります。
そして、「遊びの時間」には、個別に対応して、「ひとりで遊び」を設けています。
今回は、この「ひとりで遊び」の活動について、ご紹介したいと思います。
まず、先生と1対1の勉強の時間に、いろんな遊びの中から本人が興味関心のある遊びをリストアップすることから始めます。
そして、@自分でタイマーをセットする。Aやりたいものを選ぶ。B自分で活動の準備をする。C活動をする。Dタイマーで片付ける。E報告する。などの一連の流れを、それぞれの特性に合わせて用意された手順書に沿って自立して行えるよう、先生に教えてもらってから、スタートしています。
私の担当しているAちゃんは、2年生の女の子です。
同室児に対する積極的な表出はまだ少ないものの、慣れた先生には自分のやりたいことが、自分の言葉で表出できるようになってきています。
前回まで、「ダンボール編み」という手芸で、自分で好きな色を選んで毛糸のコースター製作に熱心に取り組んでいました。作品を家に持ち帰っては、ふわふわ触ったり、飾ったり、ごっこ遊びに使ったり、色んな使い方をして楽しんでいると話してくれていましたが、ある時先生と勉強の場面で自分から「今度はアイロンビーズのコースターを作りたい!」と伝えてきました。
お母さんに詳しく聞き取りしたところ、お友達の家で、その子のお母さんが作ったアイロンビーズのコースターを見たとき、「次に作るコースターは・・・!」とつながったのではないか、とのことでした。
アイロンビーズのデザインは、キャラクターがほとんどですし、どうせ作るなら、本人がデザインした世界に一つだけのオリジナルデザインで作れないかしら・・・と思い、さっそく、先生と勉強の時間に「コースターのデザイン(すきなもよう)をかいてみよう!」と提案し、私がモデルを見せながら、向き合って一緒にデザイン作りに取り組んでみました。
始めは、「どうかくの?」と言って、描き始められなかったAちゃんでしたが、私が色鉛筆で自由に描いていくのを見て、「マジックでかく!」と言ったかと思うと、「フリーハンドで、一発勝負で、よくぞこんなにもステキなデザインがかけましたね!」と声をあげたくなるほどの、10色の多彩な色使いの作品を描き上げたのでした。
       
    (支援者:私のモデル)       (Aちゃんのデザイン)
私は、「これは何としても、アイロンビーズのコースターという形にしなければ!」と思い、課題作成スタッフと相談しながら、型紙デザインを作って頂きました。
   (型紙デザイン)
「これ、このまえAちゃんがかいたデザインだよ!」と見せると、「あっ!」「やってもいいん?」と言って、本当に楽しそうに、たくさんの色のビーズを選んでいました。
そして、こちらを見ながら「先生!水色できたよ!」と言っては水色のビーズケースを片付け、次々とビーズを配置しながら、同時に片付けもこなしていったAちゃんでした。
出来上がると「先生、持って帰りたい!」とはずむような声で言い、出来上がりを渡したときには本当に嬉しそうで、「○○先生見て!」と色んな先生に見せてあげていました。もちろん、お母さんにもとびきりの笑顔で自慢していたAちゃんでした。
         (Aちゃんの完成作品)
それは、彼女なりの制作意欲の詰まった自信に満ちた作品に見えました。
余暇活動には色んなものがありますが、今回は、本人のやりたいことをタイミングを逃さずキャッチして、形にすることが出来たことが良かったと思っています。
「やりたいという気持ちを自分の言葉で伝えることはいいことだよね。」
「自分で考えて作品ができるって、楽しいし、嬉しいよね。」
ということを経験でき、それが自信に繋がっていくよう、次回フィードバックして、また次の活動につなげていきたいと考えています。
今後も本人の興味関心に寄り添いながら、余暇を広げる活動に取り組んでいきたいと思います。
気候の変動などで体調を崩すお子さんもおられますが、学校で緊張して疲れを感じながらも、通って来てくれる子どもたちが、「キッズに来て楽しかったな!」「今日、○○ができたよ!」「また来たいな!」と思ってもらえるような療育を目指して、スタッフ一同お待ちしております!
(ぐんぐんキッズ療育スタッフ:W)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R5.5.26-R5.6.25)

○ M.T 様(赤磐市)
〇 18歳の春をめざす会 保護者有志 様
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 受付口座  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
              岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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