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令和 5年 8月31日
第304号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
304号 目次
地球沸騰化、沸騰列島・・・
即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の お知らせ
木工教室、キッズルーム、わいわい Holiday、はやぶさの会 の 報告とお知らせ
クローバーの会、水泳教室、スポーツクラブ、癒しのマッサージ座談会 の お知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「自閉症 〜心理学理論と最近の研究成果〜」
ぐんぐんだより
「赤磐ぐんぐん」、「ぐんぐんキッズ」
空を見上げると、青い空と山並みを背景に入道雲が、数えてみると合計11個もモクモクと立ち上がっています。
子どもの頃は、入道雲が見えると夕立が来るかもなんて、急いで家に帰ったものでした。
でも今年の入道雲は、ちっとも雨を連れてきてくれません。ただただたくさんたくさん空に沸き上がって、大勢の入道さんたちが地上を見下ろすばかりです。
今年は、雲の形が面白くて、・・・、本当になんだか、例年にない空の景色です。
長かった梅雨がやっと明けたかと思うと、酷暑の夏がやってきて、毎日35度を優に超える暑さが朝から晩まで続きました。
国連の事務総長さんが「地球温暖化ではなく、地球沸騰化」という言葉を使い、日本でも天気予報のお兄さんが「沸騰列島」と紹介していましたが、まさにこれからもどんどん熱くなるという感じ・・・そんな感じです。
熱中症アラートが発令されて、「本日は、運動や外遊びは危ないから、ゆっくり屋内で過ごしましょう」なんて警報が出たりします。この暑さは、9月10月まで続くそうな・・・・。一体日本列島、いや地球は、どうなっていくのでしょうね。
こんなに暑い夏は、今までにないという・・天気予報でも観測史上初という言葉が、よく出てきます。
地球の沸騰化が、急速に進んでいるように思います。
海面温度も高くなって、台風の巨大化、そしていつまでも同じ海上から動かないとか、台風は遠いのに線状降水帯が、台風から離れた列島に発生してあちらこちらで豪雨を集中的に降らせています。
そして、やっと動きだした台風も予想とは全く違う動きをします。過去のデータが全然使えないという状態です。
台風情報では、「とても大きな台風なので、頑丈な建物に避難してください」と言われます。
近所の家が頑丈な建物だったとしても、そこに勝手に避難なんてできるものではありません。我が家は幸いにして、頑丈な家と思います。
なぜなら、こういう理由からです。
思い返すと、5年前、新しく我が家を建てると決めたとき、どこの住宅メーカーにお願いしようかと悩みました。
できたら、堅牢で気密性があって、暑くなく寒くない建物にしたいと思いました。それまで暮らしていた家が、冬には寒くてたまらない状態だったからです。寒さにはトコトン弱い私です。
そして哲平と二人、住宅展示場の見学に行きました(夫は、ほとんどこだわりのない人なので・・・)。
住宅展示場は初体験でしたので、その展示場の端から順々に見ていくつもりで最初の建物に、入りました。
最初の建物は、すばらしくおしゃれで素敵でそして頑丈だということでした。
そこがいいかとも思いましたが、他もたくさん並んでいて、全部の展示場を見て回りました。
それでも、やっぱり最初に見た建物が気になっていました。
今度はもう一度、一人でその展示場を訪ねてみました。
その時、住宅の中に展示してあった写真の中に、阪神淡路大震災の時の写真がありました。
それは地震の後の大火の後、焼け野原のようになった神戸の街に、たった一軒白い建物がすっくと立っている映像でした。
その建物のおかげで、そこで類焼がせき止められた、というようなことをニュースステーションで当時のキャスターだった久米宏さんが、言っていました。
その時、「どこの住宅メーカーなんでしょう?」と思いました。それがここの展示場のメーカーだったことを初めて知りました。
その写真が決め手となって、ここにお願いしようと決めました。
知りたかった住宅メーカーが、私の気に入ったおしゃれで頑丈な家が、昔気になっていた家と重なったことが、うれしくて、ここにしようと思ったわけです。
やっと行き会えた。なんだかうれしくなりました。もし、これからお家を建てられるような人があるようでしたら、ぜひここにとお勧めします。それほど、我が家は、快適な家です。
丈夫で長持ちする建物で60年もの保証があるそうです。・・・そんなに生きてないけれど、と思いつつこのメーカーに決めました。クーラーが今年は必要ですが、29度設定で充分涼しいのです。
断熱がしっかりしていて、外気温に影響されません。何しろ火事にも耐える家ですから・・・。とまあそんなことを考えながら、涼しい我が家から、暑い外に出るのがおっくうになっている私です。
ところで最近 『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』という本を読んでいます。
食費に1万円、というのを半信半疑で読みながら、将来の暮らしがなんだか心配ではなくなってきました。
この本には、色んな節約術も書いてあって、それに少々影響されております。おやつを買いすぎると、ついつい食費が高くなるという話とか、おなかをすかせると若返るらしいという話など、中々に面白いのです。安く上がるメニューのことなどいろいろ書いてあります。
私も71歳です。年金は、もう少しもらえていますが、若いころからは働いてはいないので、せいぜい
8万円くらいの年金です。71歳、年金月8万円で暮らすには・・・なんてことを考える今日この頃でございます。持ち家があればなんとか暮らせるそうですので、頑張って節約しているところです。
これで私が「楽しい節約生活」ができるのなら、30年後、息子が仕事を辞め年金生活にはいっても、哲平の好きな「おひとりさま天国」をなんかを歌いながら、楽しく暮らしていけそうですね。
さて、9月24日(日)、岡山県自閉症協会主催の講演会に、静岡県自閉症協会の会長をされている津田明雄さんが、来岡されます。
津田さんは、私たちが「ほっぷ 1」を建てる前に、静岡まで見学に行かせていただいたグループホームを運営されている方です。
まだ右も左もわからない状態で、グループホーム設立委員会の代表として、静岡の津田さんのところへ行かせていただいたのは、ついこの間というように思いますのに、もう8年も前だったんですね。
とてもよく考えられたグループホームでトイレも洗面台も各部屋にありました。
こんなのができたらいいなと、つくづく思えました。見せていただいたグループホームのほかに、「次は重度の人が暮らせるホームを作る」と言われ、すでに基礎工事もできていました。
そのすごさに圧倒されながら、作っていけばいいんだなと、本当に必要なら、親が作っていくしかないなと、そんな風に思いました。
お金は銀行から借りたら、何とかなることも教えてもらいました。ここを見ていなければ、私たちのグループホームは、まだまだ作れていなかったかもしれません。
津田さんのところを見せていただいたから、「ないものは、創っていこう」といつも言っている育てる会のスローガンが、実現するための道筋ができました。
そんな津田さんのお話、聞きに行きたいと思っています。皆さんもご一緒にいかがですか?
申込み方法は、「近隣の講演会等」に載っていますので、ご覧ください。
そして、その一週間後、9月30日(土)、こちらは育てる会主催の講演会が行なわれます。
津田さんのお話は「親亡き後の住まい 〜グループホームの現状と課題、そして今後〜」ということで、グループホームについてのお話ですが、育てる会では、ファイナンシャル・プランナーの鹿野 佐代子先生にお願いして、親亡き後の生活、相続、成年後見、そして金銭的なやりくりなど、暮らし全般について教えていただきます。
チラシも同封していますので、こちらもお忘れなく申し込んでくださいね。
なお、今回、後日配信はないので、Web環境に不安のある方に向けては、事務局での共同視聴も用意いたしますので、お問い合わせください。
話は変わって、私がお化粧をしなくなって久しいです。
マスクをすると、アイメイクをしない私は、ほとんど化粧の必要がなく、してもしなくても同じくらいの顔なんです。そこで、ついつい手を抜いてお化粧をしない日々です。
でもね、まったくのすっぴんかというと、そうでもなくて、眉毛だけは描いています。実は私、とっても眉毛が薄い人なんです。それで、どんなに忙しくても眉毛だけは必ず描くようにしています。
でも、たいていの場合、眉毛を描くのは、忙しい時ですのでパッパッで済ましてしまいます。
ですから、時にはイッテQでのイモトアヤコさんのようにくっきり太眉になる日もあり、アラッ 描きすぎたかしら?? と思うこともありますが、「ええいままよ」と出かけていきます。
すると、私の働く「ぐんぐんキッズ」の子供たちは厳しくて、「眉毛が変!」とか言ってきます。
先日は、描いた眉毛の一部が剥げていたらしく、「眉毛がとれてる」と大笑いされてしまいました。
「変だ、変だ」と言われて、ちょっと気になって鏡を見に行ってみると、確かに眉毛が少し消えている部分がありました。
先程の外あそびの際に、眉毛を手でひっかいてしまった結果でしょう。眉墨だけは、置いているので、それで書き足して、「変だ」と言った子に見せると、「やっぱり変 !」
でも、これが私の眉毛なの! 変ということは、私が変ということです。失礼なやっちゃな〜。
さて、10月28日(土)には、木工教室があります。
今年も川月先生が色々考えてくださっていますので、この日に予定を入れないようにしてお待ちくださいね。
いつものようにおひさまハウスの中庭でやりますので、雨が降れば次の29日(日)に順延となります。
それも含めて、予定しておいてください。
長い夏休みも終わり、やっとご家庭にも平和な日常の生活が戻ってきたのではないでしょうか?
育てる会では、これからも、木工教室、啓発セミナー、支援ツール勉強会、防災訓練、事業所コンサルティング、スポーツクラブ、キッズルーム、即実践講座や夜間連続講座、水泳教室の再開など次々と行事が控えています。
暑さは相変わらずですが、今年は9月10月どころか11月までも暑さが続くなんて言う話もあるそうな・・・・。
なんて夏だ!! と文句を言っても仕方ない。台風や線状降水帯の影響を受けて、土砂崩れや家屋、農業施設の片付けなど、今なお復旧作業に従事されている方も多いと聞きます。暑いくらいで文句を言ったら、罰が当たるやもしれませんね。
頑張って、この夏の暑さを乗り越えた先には、きっと気持ちのいい秋がやってくるのではないでしょうか? いやいやすぐに夏から冬ってことになるやもしれませんね。
冬の寒さが恋しい今日この頃でございます。皆さん、お元気でお過ごしください。
(鳥羽 美千子)
令和5年度 現場の先生のための即実践講座
講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
夏休み明けの第4回は、自閉症の中でも、知的障害を伴う方の生活支援・就労支援についてお話いただきます。
特に就労支援の分野においては、エキスパートの志賀先生のお話ですので学ぶことも多いと思います。障害者支援では、最も進んでいると言われる横浜と(昨年の浮貝先生のGH支援のお話でも、羨ましかったですね)、まだまだこれからという岡山の違い、進むべき方向性についても示唆をいただけるのでは、と期待しています。
『 第4回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和5年9月12日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「知的障害の程度と社会生活力」・
「知的発達症の就労支援と障害者雇用の現状」
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
(途中参加の方には、1回目からの講義をご案内しますのでご安心ください)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
学校の先生方、夏休みはいかがお過ごしでしたか?
夜間連続講座も一ヶ月空きましたが、しっかり充電できましたでしょうか。
酷暑の中、子どもたちは夏休みが終わって、また学校が始まるのを楽しみに待っていてくれたでしょうか。もしそうなら嬉しいですね。
気分を一新して、第4回の夜間講座の案内です。
今回は、大学での合理的配慮のテーマですので、主に高機能な方への支援のお話になると思います。
近年、各大学では、発達障害をもつ学生への支援が充実してきたようにも思いますが、その質はかなりバラバラのようにも感じられます。先駆的な支援が、全国どこでも、どの大学でも受けられるようになるのを期待しています。今回は日高先生による香川大学における、肢体不自由な方だけでなく、発達障害へのバリアフリーのお話、楽しみにしています。
『 第4回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 』
日 時:令和5年9月14日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「大学での合理的配慮」
講 師: 日高 幸亮 先生(香川大学バリアフリー支援室)総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者 (保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、
賛助会員10,000円(全10回分)別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
2023年度 支援ツール勉強会 開催迫る!!
いよいよ、「2023年度 支援ツール勉強会」が対面で始まります。
昨年は、澤 月子 先生がオンラインで講義していただき、自閉症児にとって、自分に合った支援ツールがいかに大切かを教えていただきました。
とても勉強になりましたが、やはり支援ツールの作成はオンラインでは限界があります。
そこで、今年は、みんなで支援ツールを実際に作ってみて、我が子に試して、もしうまくいかなかったら、みんなでアイデアを出し合って、ツールを改良して、本当に我が子に役立つ支援ツールに仕上げていく・・・そんな勉強会を企画しました。
講師は、で、支援ツールについては日本の第一人者である、武藏博文先生にお願いしました。
正会員の方は無料ですので、この貴重な機会を逃さずご参加ください。
ぐんぐんグループ利用者・賛助会員の方は、全6回 3000円です。
詳しくは、同封のチラシをご覧ください。
「2023年度 第1回 支援ツール勉強会」
日 時:令和5年9月21日(木) 10:00〜12:00
場 所:育てる会 事務局 1階広間(赤磐市上市355-2:ゆめタウン山陽店 東隣)
テーマ:「支援ツールによる支援の概要」
講 師:武藏 博文 先生(元 香川大学教育学部教授:現 保育所等訪問支援 ぐんぐんアシスト)主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐん利用者 3000円(全6回分)
定員:15名
木工教室 の お知らせ
代表の巻頭文にあった通り、毎年恒例の木工教室を今年も開催します!!
日時は、10月28日(土)午前、場所は「赤磐ぐんぐん」や「ぐんぐんキッズ」のある「おひさまハウス」(赤磐市和田194-1:旧 事務所) 中庭です。
講師は、いつもお願いしている木工作家の川月清志先生です。
コロナの規制はなくなりましたが、秋の青空の下での木工教室の評判が良かったので、今年も野外での開催です(雨天の場合は、翌10月29日(日)を予定しています)。
詳しい内容については、川月先生と打合せ中で、来月号の会報で、チラシにてのご案内になりますが、「何でもいいから、今年も作りたい!!」と決められている方は、どうぞ申し込んでください。
定員は、いつものように12名ぐらいになると思います。
申込先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
キッズルーム の お知らせ
今年度、第3回の「キッズルーム」の案内です。
幼児から青年まで、身体を思いっきり動かして、みんなで楽しめる会です。
ボランティアの学生さん達と、大きな歓声を挙げながら、体育館の中で遊んでいます。
最後にはいつも恒例の、おみやげの「お菓子投げ」も用意しています。
詳しくは、同封のチラシをご覧ください。きょうだい児の参加もOKですよ。
日時:令和5年10月21日(土) 12:45〜15:00頃
場所:岡山大学 体育館
参加費:400円(一人)(岡大の駐車場をご利用の場合は、別途500円程度かかります)(正会員限定)(担当:K)
第2回 わいわい Holiday の 報告
8月26日(土)、育てる会 青年部の会「わいわい Holiday」が開催されました。
今回は、長船のコーシンボウルを予約して、ボウリング大会を企画いたしました。
青年部ですから、本人たちだけでもいいかな、とも思いましたが、まだ2回目でお互い初対面の人もいますし、知的障害をもち、ボウリング場までの交通機関も必要なため、今回も家族同伴で4人の青年たちが集まりました。
参加された4人、青年部ということで、これまで育てる会やスペシャルオリンピックスの活動に何度も参加している人たちだったので、実際に会ってみると、お互い顔見知りの方も多かったです。
ボウリングが大好きという人たちだったので、ルールもちゃんと理解してアメリカン方式でのプレイでした。
合計3ゲームを1時間くらいですまし、まだまだやりたそうな人もいました。元気ですね。私などは、3ゲームもしたら体力限界になりますよ。
3ゲームの合計点数がトップだったM君に、トロフィーを差し上げました。
大喜びで高く掲げているのが優勝したM君です。
次は何をしましょうか? バイキングなんてどうかしら??
青年たちのお母さんは、いろいろな機会を彼らに提供するために頭をひねります。
お友達が少ない彼らに同年配の人と一緒に過ごす時間を作ってやりたいとの願いからできた青年の会です。
年齢は高校生から大人まで、知的障害がある自閉症の青年で構成したいと思います。皆さんよかったら、ご参加くださいね。
うちの子は知的障害がないからという方は、ぜひそんな会も作ってください。
育てる会の中では何でも始められますよ。
(担当:M & T)
はやぶさの会 報告
先日8月27日(日)に、7家族・9人の子どもたちで総勢16人!で、備前市総合運動公園の温水プールとファミレスでの晩御飯に行ってきました。
なかなか部活や学校で日程が合わなくなってきた中学生たちの久々参加や、初参加の高校生!のお兄さんもいて、小学生から高校生と幅広い参加メンバーでの開催でした。
最初は久々だったり初めましてだったりで、少しお互いに距離もありましたが、プールでわいわいしているうちに、声掛けあって遊んだり、スライダ―で楽しんだり、鬼ごっこをしたりと、夏休みの最後あたりの思い出として、皆大はしゃぎの時間でした。
プールに一緒に入ったお母さんたちは、子どもたちを見守りながら「楽しそうね」「成長してきたね」とニコニコ。
プールに入らず外で見ていたお母さんたちは、普段の悩みや高校以降の進路の相談なんかもしてそれぞれ盛り上がっていました。
ファミレスでは、子どもたちが「俺らだけで座りたい!」と主張したため、子どもは子どもたちだけでの着席(親は隣の席でした)。
タブレットでのオーダーで、「これ食べたい!」「これも!」と大盛り上がりで、なかなか決まらずに早くに決まった子が腹ペコになったり、AくんもBくんもポテトを頼んで山盛り届いたり・・・
全部食事を食べたあとになぜかサラダを単品で注文して食べ始めたり、タブレットやゲーム機は持ち込みダメ!としていたけど、スマホは禁止にしていなかったので、お兄ちゃんたちがスマホ触りだしてしまい、皆がそっちにロックオンになったり・・・と、こちらも想定できないようなこともあり「課題があれこれ見えたよね」と苦笑いしたり「ふむふむ」と新しい気づきもたくさんありました。
子ども同士が、本当に仲間になってきているのは、改めて言わないにしても、空気感や雰囲気で十分伝わってきて、それぞれのASDらしさを許容しあえるこの場が、親にとっても子どもたちにとってもかけがえのないものになってきたなぁと感じ、企画者として嬉しい気持ちになりました。
皆さん、今回もご参加ありがとうございました!
次は涼しい時期に、またどこかにお出かけしたいですね!
参加されたご家族からの感想の一部です。
★今日はありがとうございました。息子は、「プールで最後にみんなでスライダーできて楽しかった!ガストも美味しく食べれて、はやぶさの皆好き!」と言っていました。母も、プールに一緒に入って、皆の成長や、お兄さん達の姿を見せてもらえてわが子の先の不安が少し軽くなったような救われた気持ちになれました。本当にありがとう!
★今日もはやぶさの会、お世話になりました。日曜日の夜、明後日からは学校。まだできていない宿題。そして母が頑張らないといけない準備。大丈夫か?はやぶさへの参加。「はやぶさあるけど、、、」と話すと「絶対に宿題終わらせて行く」との返事。はやぶさは全部楽しいから行きたいそうです。そして本当に宿題を終わらせて参加できました。そして「行けてよかった」「たのしかった」と話していました。
息子は「お兄さんが最後まで俺たちのことずっと気にしてくれていて、『最後あと10分だから、スライダー2回できるから、それで終わり』とわかりやすい声かけしてくれたよなあ。優しいなあ」と話してました。初参加なのにお世話になりました。
皆さんも、いつも受け入れてくださりありがとうございます。
本当にこんなに活動にすんなりはいれることが少ないので、感謝しています。
★夏休み最終日。はやぶさの皆と会えて、子どもは楽しく、私にとっては心のよりどころとなっています。子どもにとっても、優しい空間のはやぶさは、素の自分で過ごせて、居心地最高のようです。
一年以上ぶりに会えた子たちは、お兄ちゃんになっていてビックリ! 今回初参加のお兄さんは、初対面の私や子ども達に気さくに話しかけてくれ、大人気でした!これからもよろしくお願いします。
将来的には我が子もお世話役になれたらなぁと、感じました。また、息子は「久しぶりに会えた友達や初めてのお兄ちゃんとも、仲良く一緒に遊べてよかった。全員と話ができて楽しかった。お兄ちゃんがプール鬼ごっこやろうと言ってくれて、一番楽しかった。皆とみろくの里や泊まりで遊びたい」とのことでした。
★息子は「ずっと楽しみにしていたはやぶさ。終わるのは、いつもあっと言う間すぎるわ」「そろそろコロナも収まってきたことだし、今後はお泊りとかもできたらいいな。夜通し皆で喋ったり遊んだりしていたい」と言っていました(笑)。
また、今回は息子なりに色々感じたこともあったようで、「もっと周りを見て動けるようになりたい」「思っていることを言葉にしてちゃんと伝えたい」と次への課題を語っていました。初参加の高校生のお兄さんの立派さに影響を受けたようです。今年の夏、息子は地域のボランティア活動を色々体験したこともあり、育てる会の行事でもお兄さんたちがボランティアをしていることを聞いて「お世話される側から、する側へ」という意識に芽生えてきたようです。嬉しい変化!です。ありがとうございました。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASD診断が出ている場合のみ参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪
(担当:M)
クローバーの会 の お知らせ
暑い忙しい夏休みがようやく終わり、やれやれ少しは涼しくなってきたのかな?
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
ASD女子たちグループ「クローバーの会」では、9月のどこかでカラオケに出かけようかなと企画中です。
歌うのはちょっと…初めての人達だと緊張する…という子も、ぜひ一緒に参加してみてください。
持ち込み可のお店にするつもりなので、おやつを食べながら、雰囲気を体験してもらえたらいいかなと思います。
ちなみにわが子も内弁慶タイプなので、すごく緊張しいです(笑)
カラオケしたことない子は、この機会にぜひ一度体験してもらったらと思いますし、お母さんが楽しそうに歌っているところを見てもらうだけでもいいかなと思います。
新しいことには、まず身近な大人が楽しんでいる姿を見せるのが有効だそうですよ♪
大きな音が苦手な子のために、音は小さめにするつもりですし、イヤーマフも持参OK!です。
詳しい時間や場所などの内容は、LINEでやりとりさせていただいています。
メンバー大募集中!!
ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹にもASD診断が出ている場合のみ参加可能)。
気になる方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)
水泳教室のお知らせ
日 時:令和5年9月17日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は9月14日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)
サッカー&ドッジ スポーツクラブ の お知らせ
夏の暑さもようやく一段落して、スポーツにちょうど良い季節になってきましたね。
令和5年度 第3回の「サッカー & ドッジボール スポーツクラブ」のお知らせです。
日時:令和5年9月23日(土・祝) 10:00〜12:00
場所:岡山大学 体育館
途中参加もできますし、体験も1回 OKです。(正会員限定)
参加希望の方は、事務局までお問い合わせください。LINEでもOKです。
(担当:K)
癒しのマッサージ 座談会 の お知らせ
先月号でもお知らせした「癒しのマッサージ 座談会」の第1回の日取りが近づいてきました。
自閉症児を育てている正会員同士ですので、グチでも自慢話でも、何でも遠慮なく話し合える座談会です。
園や学校でのママ友との間ではなかなか共感してもらえないエピソードでも、ここなら「ソウソウ、アルアル・・・」と話の輪が広がる集まりにしたいと思います。
心がのんびりしても、身体に疲れの残っている方には、癒しのマッサージも用意しています。
心も身体もリフレッシュしたら、いつもより子どもにも優しいお母さんになれること、間違いなし !!
詳しくは、正会員の方には今月もチラシをいれているのでご覧下さい。
日時:令和5年10月5日(木) 10:30〜12:30(予定) 出入り自由です。(正会員限定)
場所:育てる会 事務局 1階広間(赤磐市上市355-2:ゆめタウン山陽店 東隣)
(担当:M)
お母さんコラム
中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
まずは娘の話。
夏休み、私はトレーニング研修を受けるため、5日間(前泊も入れると6日間)、県外にいました。
娘は「私も行く!」「行かないでよ!」と繰り返し言い、かなりごねていましたが、書きながら説明をしていくことで、渋々我慢するかわりに、毎日電話をしたい!とのことだったので、毎晩決まった時間にテレビ電話で話をすることになりました。
「今日は何をしたの?」「楽しいことはあった?」「もうお風呂入ったの?早いね」などそんなに大きく盛り上がりはしませんが、子どもの顔を見ながらのテレビ電話は楽しい時間でした。
が!やはり娘のASDは全開!でした。こちらから、あれこれ質問したことには全部適切に答えてくれますが、「ママは?」的なお返し質問などは、ほとんどなし!(笑)
「ちょっとは聞いてよ」と要求すると、「あ、ママは今日どうだったの?」と聞いてくれますが、そういう風に具体的に言われないと気付かない。
また、「あ、そうだ」と言いスマホを置いてどこかに行ってしまい、しばらく放置されてしまい(自分が書いた絵を見せたかったらしく、それを取ってきてくれました)、私が「電話中にどこか行くときには、『〇〇するから、ちょっと待ってね』とか言ってほしいんだけど」とプチクレームを伝えると、「うんうん。それでさぁ」と全然分かっていなさそうなリアクション。
息子の夏休みは、ソフトテニス部の練習や試合に加え、福祉ボランティアでの保育園ボランティア、地元の盆踊り復活プロジェクト実行委員会での練習や盆踊り参加、小学生への夏休み宿題お手伝いボランティア、託児ボランティアなど大忙しの毎日でした。
中学生の夏休みの宿題は本当に量が多い! ドリル系の宿題は多い中でも着実に進められている息子でしたが、あまりの多忙な毎日で、「このままだとやばい」感を母は感じ、急遽息子とカレンダーを見せながら相談。
それまでは「宿題どう?」「やってる」だけだったのですが、実際にカレンダーで残りの日にち・部活やボランティア活動などの予定や家族の予定
を見える化しながら伝えていくと「やばいかも」「母さん、いつなら俺の宿題のチェックできそう?」(いつも作文などは、「こういう風に書こうと思うけど、どう思う?」など確認してから書き始める子なので)と聞いてくることができました。
「母さんは、〇日から〇日出張でいません」「この日は仕事の研修で不在」「この日は家族皆でキャンプでしょ?だから宿題はできんね」と取り組める日がどこにあるかを確認していくと、「そっか、『今日は部活だから』って午前練習した後は宿題やる気出なくてやってなかったけど、夕方とかからならやれるんだな」「この日は昼から夕方まで予定があるけど、夜は寝落ちしちゃいそうだから、朝いちばんの方が良さそう」など、一緒にいつやれそうかの確認もすることができました。
次は、全ての宿題の具体的な見える化です。持ち帰っているお便りやドリルなどを全部机の上に並べて、リストごとに確認していくと、「めっちゃあると思って見ていなかったけど、整理するとこんなもんなのか」「あ、でもこれは時間かかりそうかも」など、具体的にやれそうかどうかのイメージが湧いたようで、翌日からテキパキ取り組み、どんどん着実に進めていくことができました。
いつまでもこういうサポートをするつもりはないので、やり方として「締め切りから逆算」「取り組めそうな日や時間を確認」「作業の総量をリストと目視で確認」「できるところからやっていき、難しい時は周りに早めにヘルプを出す」は少しイメージが取れたようです。
さてさて冬休みの宿題はどうなるでしょう??少しは自力でやれるかな??
それにしても二人とも、可愛すぎるなぁ…と笑いが止まらない母でした。
(cyacya)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「具体的に考える」です。
ASDの人は「絵や写真などで考える」「具体的思考の持ち主」というお話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
私の場合は、厳密にいえば「絵」「写真」に限定はしておらず、「映像」や「文字」や「色」で物事を判断します。
たとえば、私は「国語と言えば、赤」「エネルギーと言えば、オレンジ」「平和と言えば、緑」というように、物や概念に色がついて見えます。
これだけ言うと「えー」「またまた…」と言われるかもしれませんが、「悲しい気持ちと言えば、青」「嬉しくて恥ずかしくてときめいている時は、ピンク」とかは結構共感を得られます。どちらも概念的な話なのですが、多分「ブルーな気持ち」とか「ハートがいっぱい」とか、そういう感情や概念とセットで色を表現することを耳にしたことがあるからかもしれませんね。
ですが、赤でもたくさんの種類があるので、イメージする赤は「これ!」となるものになかなか出会えません。もっと言えば、私の中では「朝」と「夕方5時間目」と「冬」の国語は、同じ赤でも微妙に違います。不思議でしょう?
また、例えば文章題を読んでいる時にも、目の前に登場人物がバーッと出てきて、目の前で寸劇を繰り広げます。
「たかしくんが2キロ先の学校まで時速〇キロで歩いて出発しました。5分後、たかしくんがランドセルを忘れていることに気づいたお兄ちゃんは、時速〇キロの自転車で追いかけました。どこで出会えるでしょう?」という問題があったとします。
すると、「お兄ちゃんは学校に行っていないのか?」とか「そもそもランドセルを忘れて学校に行くってどういう状況?」とか「途中でたかしくんが寄り道したら出会えないよね」とか、そういう他所事に気を取られてしまったり、文章の矛盾点や不思議なポイントに気がとられてしまって、そもそもの問題に答えられなくなったりします。
たいていの場合、「ここではそれはいいから」と言われるのですが、この独特な思考のおかげで、推理小説などを読むと、わりと序盤で犯人に気づきやすいので、以前は推理小説の犯人当ては特技の一つでした(最近はトリッキーすぎて「あ、逆にこれ全部どうでもいいことだったのか」となる小説が増えてきちゃって、セオリ―通りにいかないことに、むむむ、となる私です)。
いつだって具体的な思考な私。それに慣れていて、当たり前だと思って人生を生きてきたので、逆に定型発達の人たちの、会話の前後で矛盾していても平気なところとか、不思議すぎます。
たとえば、「今日はピザの気分だなー」と言われてイタリアンに入ったのに、平気でパスタを頼んじゃう人とか。「え!?ピザ食べたかったんじゃなかったの!?」となります。さすがに、今はもう、それを正面きって「どうして?」と尋ねはしませんが、若い頃は本当に不思議で聞いていました。
でも、「変えていいんだ」ということが明示的になったことで、「ピザの気分だったけど変えてみようかな」となり、人生の幅は広がりました。そして、今度は逆に決められない人になってしまった自分です。
うーん、こんなところも 0 or 100なんだよなー(笑)
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
赤磐ぐんぐん (就学前)
暦の上では秋となりましたが、まだまだ暑い日が続いております。
皆様、今年の夏休みはいかがお過ごしでしたか? 新型コロナウイルスによる行動制限も緩和され、遠方への外出もしやすくなり、ご家族からも「家族で旅行に出かけました」「久しぶりに帰省できました」と聞くことが多くなり、お子さんたちが楽しかった経験を生き生き話す姿に、スタッフたちもたくさんの元気をもらっています。
今月は赤磐ぐんぐんで実施している「友だちと勉強」の様子をご紹介したいと思います。
赤磐ぐんぐんは、年中・年長組のお子さんの療育をする事業所です。
あと半年で年長組は就学です。小学校に向けてどんなことが課題になるのか・どういう姿が見えるのか、入学前の練習として小学校の授業場面を想定して行っています。
少人数(2?4人)の子どもたちで、前後左右に机椅子を並べ、プリント学習や発表、休み時間や班活動などを体験しています。お子さんたちにとっては、先生と勉強で練習してきた「手伝って」「教えて」「〇〇ください」などを他の子たちもいる中で手を挙げるなどして大人に伝える練習をしながら、成功体験を積むことができます。またご家族にとっては、本人が送る小学校生活を想定しながら、就学時に必要な新しいスキルを教えたり、必要な環境を整えたり、学校にお渡しするサポートブックの情報を検討したりすることが可能になります。
成功体験になるように、色々準備やシミュレーションをしながら行っていますが、「えー?!」「まさかそんな風に捉えるなんて」「かわいすぎるけど…」「ごめん、説明不足だったね」など、様々な発見をご家族と共有しています。
それでは、ASDのお子さんの気持ちになって考えてみてください。
もしかしたら、お子さんはこんなことを考えているかもしれません。(名前は全て仮名です)
【後ろの人って誰ですか】
プリント学習が終わり、先生が「後ろの人は、前の人のプリントを集めてきてください」と言いました。僕は後ろから二番目の席です。
僕の列の一番後ろの席のシンゴくんは、今日は風邪でお休みです。だから、誰も僕の列のプリントを集めてくれません。 ん?先生はどうしてこっちをじっと見ているんだろう。
【自分の名前を書きましょう】
配られたプリントに「なまえ」と書いてありました。普段、僕は「ケンちゃん」と呼ばれているけど、ここではちゃんと「ケンタ」と書きました。でも、先生からは「ちゃんと名前を書こうね」と注意されました。
書いたよ? え? 「ケンちゃん」が正解だった?
【トイレに行きたい】
授業中、私はトイレに行きたくなりました。
でも、前に先生から「授業中は、席から立ち歩かず、座ったまま静かに取り組みましょう」と言われたことを思い出しました。
座ったままトイレに行くには、どうしたらいいんだろう。もじもじしていると、先生が私のところに来て「鈴木さん、どうしたの? もしかしてトイレに行きたいの?」と言ったので、「はい。でも座ったままじゃないといけないから…」と答えたら、「行ってきていいよ。ほら、早く立って!行っておいで!」と言われました。あれ?いつの間にルールって変わったんだろう。
【次は誰の番?】
「この問題が分かる人は、手を挙げてください」と先生が言いました。
手を挙げながら「知ってるよ!りんご!」と答えたら、「手を挙げて、先生に当てられたら答えを言ってね」と言われました。
一問目は僕の列の一番前に座っているシホちゃんが当てられて答えました。
二問目はその後ろに座っているトオルくんが当てられていました。
なるほど、順番だな。3問目は、僕が当たるぞ、と思っていたのに、先生は「じゃあ、次の問題は、皆で答えを言ってみよう」と言いました。
先生は、僕に当てたくなくて、いじわるをしたんだ!ひどいよ。
【プリント、まわしているよ】
席替えをして、今日から私は一番前。先生が「プリントを回してね」とプリントを渡してきた。回す?どうしてそんなことを言うんだろう。とりあえずプリントを机の上でくるくる回していたら、先生が「あー、そっか。『後ろに』回して」と言ってきた。
なるほど、向きがあったのか。今度は逆回転させてみることにしたよ。
皆さん、これらのエピソードを読んでみてどのように感じましたか?
「まさかそんな風に感じるなんて!」と驚いた方・「ASDあるあるだよね」と苦笑いされた方・「苦労するよなぁ」と心配になった方、様々だったと思います。
赤磐ぐんぐんのスタッフでよく話に挙がるのは「わざとじゃないんだよね」「本人たちの考え方や感じ方からすれば、そりゃそうなるよね」という部分です。そう、お子さんたちの「ASDの学習スタイル」が影響しているからこそ起きること、なんですよね。
エピソードに登場したお子さんたちでいうと、どのようなことが言えるでしょうか?
【後ろの人って誰ですか】
「後ろの人」は、言葉通り、その列の一番後ろを指しています。プリントを集めるということは、そこに今現在いるメンバーしかできない仕事です。ですから、一番後ろの人がお休みでいないのであれば、その前の人が代わりに「後ろの人」役割を担う必要があります。
【自分の名前を書きましょう】
学校のプリントで求められる「自分の名前」は、姓名=フルネームを示します。スーパーでお母さんの職場の人に偶然出会って「お名前は?」と尋ねられた時には、下の名前を言えばいいです。でも、学校のプリントやテスト・持ち物などに記入したり答えたりすることが期待されているのは、苗字も含めたフルネームです。
【トイレに行きたい】
授業中にトイレに行きたくなり授業が終わるまで我慢することが難しい場合には、先生に許可を得てトイレに行くことが許されます。
何故ならば、授業を中断させたり中抜けしてトイレに行くことと、我慢して座り続け失敗して漏らしてしまうことでは、後者の方が、圧倒的に大変だからです。休み時間の間にトイレに行っておいたとしても、急な体調不良などでトイレに行きたくなることは誰にでも(きっと先生ご自身にも)起こりうる生理現象です。健康にもよくないので、我慢しすぎはよくありません。
【次は誰の番?】
授業で、先生がどの子をどの順番に指名するかは決まっているわけではありません。最初の方は運でしょうし、「当てて!」と自信満々な子・自信はないけど恐る恐る挙げている子・いつもはあまり挙手しないのに「ここは分かるぞ!」という表情をしている子・もう今日の授業で3回当てられている子…それらの子どもたちの表情や雰囲気をじっ
くり見ながらバランスよく指名しています。
【プリント、まわしているよ】
「プリントを回す」というのは、「次の人に送る」という意味で何気なく使っている言葉です(回覧板とかも回すという字が入っていますよね)、子どもたちにとっては不親切ですよね。字義通り精一杯でやっていると思います。
先日、「この列の分のプリントも配るから、次の人に渡してね」と伝えると、自分の分を取らずに配ってくれた子もいました。いかに自分たちが省略して喋っているかを実感しますね。
これらの学校ルール、自分たちが子ども時代を思い返すと、あまり丁寧に教えてもらった記憶はないかもしれません。多分、なんとなく状況判断を適宜しつつ時に色々失敗もしながら学んできたことでしょう。
ですが、ASDのお子さんたちは、「なんとなく」「状況判断」「失敗しながら」はとてもしんどいです。暗黙的で抽象的なことは理解しづらい。しかも、たくさんの刺激の中から本当に必要な情報だけをピックアップして記憶していくには苦労が絶えません。
ASDのお子さんたちが「なんとなく」「状況判断」「失敗しながら」学ぶことが苦手なのは、本人のせいでしょうか?「ASDの学習スタイル」から来ているんだから、一般社会のやり方を学びなさい!頑張りなさい!と言うことは、ちょっと一方的だと感じます。
それならば、ASDのお子さんたちに分かるように、明示的に具体的に一つ一つを教えてあげたいと思います。
この「友だちと勉強」をご家族とも一緒に見て、本人の学習スタイルやできそうな工夫を考えることの大切さを感じています。
もう一つ、「障害」とは、本人に何かしらの問題があることをいうのではなく、本人にとって生きづらい世界に、その社会に課題があると言えます。ASDの人が生きる世界を知ろうとしてほしいですし、「本人にできること(頑張れること)」と「周りにできること(配慮や工夫)」のバランスが大事だと思います。
ASDに限らず、定型発達と言われる人たちも、誰一人として同じ人はいません。自分とその他の人では、違うところがあって当たり前なのです。その違いを認め、個々のニーズに合わせた環境が用意されることで誰もが自分の力を存分に発揮することができると思います。
赤磐ぐんぐんに通っているお子さんたちが、その子らしく認められ安心できる学校生活が送れることを願い、これからもご家族の皆さんと一緒に本人の世界を一緒に覗かせてもらえたら嬉しいです。
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:Y)
ぐんぐんキッズ (小1〜)
今回はぐんぐんキッズの夏休みの取り組みについて紹介したいと思います。
夏休みに入り、 ぐんぐんキッズの療育時間も、 夏休み時間に変更してスタートです。
今年もかき氷作り、 パンケーキ作り ホットサンド作り 、フルーツポンチ作りなどのクッキング活動。
暑中見舞いのはがき作り、シャボン玉遊び、水遊び 、ビデオ鑑賞会、洗濯物干し、バスに乗ってお弁当を買い出し、図書館の利用など活動を計画しました。
事前にお子さんの好みや活動への動機付けを、お子さんやご家族にお聞きして準備しています。
昨年も好評だったパンケーキ作りでは、経験のある子たちは作る気満々です! お子さんが理解しやすい手順書(一覧、めくり式またはモデル)を手がかりに、道具の準備から始める人、材料を混ぜるところから始める人 、焼くところから始める人など お子さんの課題に合わせて活動をスタートしています。
焼けたパンケーキをひっくり返す動作では、『パンケーキとホットプレートの間にフライ返しを@差し込む、A少し持ち上げる、Bひっくり返す』と動作を具体的に示しています。
事前に焼いておいたパンケーキや布巾でひっくり返す練習をすると、自信を持ってチャレンジしていました。ひっくり返せて、「できた!見て!」と笑顔で仲間と見せ合っていました。
今回は夏休みに入ってすぐにクッキング活動をしたので、「家でもやってみたいから手順書が欲しい」という声が多くあがりました。
これはチャンスです! 必要に応じて印や強調、変更して使って頂けるよう、パンケーキとホットサンドの手順書を通所されているご家族に配布したところ、次のような感想を頂いています。
「パンケーキを2回作りました!作り方もよく覚えていました!」「ホットサンドがとっても美味しかったらしく、お家でも家族みんなに作ってあげたいと みんなに作ってくれました。とっても美味しかったと喜んで貰えてうれしかったようです。」 とお家での様子を教えて頂いています。自分がわかる方法でやってみて、 誰かに喜んでもらう体験になりました。
毎回、クッキングでは身だしなみをチェックしています。
自分でエプロンや三角巾をつけられないお子さんも多いため、その様子をご家族に伝え、「自分で身に着けられるような工夫を取り入れてみませんか?」とお話しています。
あるグループのご家族の方々はお子さんのエプロンや三角巾を見せ合って、どんな工夫をしたらいいか話をしていました。そして、次の時には工夫したエプロン、ゴムをつけた三角巾を子どもたちが身に着けていました。一人では悩ましいことでも、一緒に考える、アイデアをくれる仲間がいるのは心強いですね。
これからもお子さんの様子に合わせて、ご家族のご協力を頂きながら、家庭へと繋がる活動を取り入れていきます。
まだまだ暑いですが、熱中症にはお気をつけて生活リズムを整えてくださいね。
(ぐんぐんキッズ スタッフ:T)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。