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令和 5年 9月30日
第305号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
305号 目次
遅れて咲いた彼岸花
即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の お知らせ
木工教室、キッズルーム、おやじの会山登り、 ボランティア研修会 の 報告とお知らせ
水泳教室、スポーツクラブ、はやぶさの会、クローバーの会、 の 報告とお知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「「しなくてもいいこと」を決めると、人生が一気にラクになる」
ぐんぐんだより
「ぐんぐんぴっぴ」、「ぐんぐんタッチ」
寄付 の お礼とお願い
暦の上ではとっくに秋を迎えたものの残暑厳しい毎日を過ごしています。
でも、ふとした折りに吹く風が、秋を感じさせてくれる季節になってきました。
赤磐市和田のぐんぐんキッズのすぐ横を流れる小川沿いに毎年咲く彼岸花が、今年は遅れて咲きました。お彼岸はもうずいぶん前だったのに、猛暑の影響のせいか、今やっと咲きました。
少しずつ、でも着実に、季節が変わっていくことを感じます。
さて、今日は、講演会の報告から始めましょう。
詳しい報告は、来月号になりますが、たった今「知ると行動しやすくなる! 親なきあとのための準備と、子どもの金銭教育」と題した、鹿野佐代子先生のお話を聴かせていただいたばかりなので、その感想からお話ししましょう。
先生は、言われました。
「障害のある子は、福祉と繋がっていれば支援がある。なんとかなる」
子どものことは、いざとなれば福祉が助けてくれると言われるのです。
親亡き後、この子がどうやって生きていくだろうと、不安ばかりが先立って、お金を残さねばと考えたこともありました。でも、先生は、お金を残す必要はそれほどないと言われました。
それがなぜか、生涯にわたる収支の予想を年代別に実例をあげ、それをグラフの形にして丁寧にお話しくださいました。
そればかりか、「お金の使い方を子どもに教えましょう」といわれるのです。お金はそれほど彼らには、必要なくて(結婚して家族を養ったり、住宅ローンで家を建てたりしようとする人は別ですが・・・)、障害者基礎年金をもらいながら、親元で暮している人たちは、お金がドンドン貯まってしまうようです。
だから、お金の使い方を教えて、ドンドン使って、楽しいことをいっぱい経験させてあげましょう、と言われるのです。
実際息子も、年金をもらいながら働いているので、年金の入る偶数月には収支がかなり黒字となり、年間でみると毎年使い切れず、残ってしまっています。
将来に心配がないのなら、彼の楽しみにしていた海外旅行に行かせてあげたいものだと思います。
哲平が今のところ希望しているのはドイツ旅行です。何しろ、コロナのせいで、イタリアの次に楽しみにしていたドイツ旅行が、行けなくなっている状態です。
親も年を取り、飛行機のエコノミー席での旅行が辛くなってきています。親ではなく誰かサポートしてくださる人と一緒に、旅行ができたらどんなにいいでしょう。いつまでも親がついてはいけません。
二人分の旅費を払うので、同じ年ごろのボランティアさんと一緒に行ってもらえたら、なんて・・・、そんなことをお話し聞きながら思いました。
講演の最初に、いつまでも子どもと一緒にとか、子どもの為にというより、「子どもは福祉が助けてくれる」「それなら、親は親自身の人生を生きていくことを考えましょう。」と先生が言われました。
それを聞いて、ふと思いました。私自身の人生についてです。
哲平の障害が分かった時から、子どもの為に懸命に生きてきたように思いますが、私は自分の好きなことができているかしら??
京都や奈良への一人旅にずっとあこがれながら、でも忙しくて行けていません。もう何年も、「いつか暇になったら・・・」と思いながら、果たせていません。
どこかへ出かける時も、そのほとんどが、施設の見学とか、グループホームの見学とか自閉症の講演会やカンファレンスなどでした。
先生のお話しを聴いているうちに、自分の人生を生きているようで、生きていないようにも思えてきました。
やりたいことが、いっぱいあったのに・・・、諦めてきた・・・ように思います。自由気ままに色んなことできている人がうらやましくって、でも私には「ここでやるべきことがあるんだから・・・」と思ってきました。
でも、もしかしたら、もう私でなくてもいいかもしれない。
息子のことも私でなければと、思い続けてきたけれど、グループホームに入って、支援者に恵まれて、もう大丈夫かもしれない。
時々親としての出番があるときにだけ顔出しすればいいのかもしれません。
「私でなければ」と、思い過ぎでしょう。もういいんでないの?
そんな感じで自分を生きるというワードで、色々考えている私です。
引っ越してきた前の家に残してきた膨大な書籍や着物、家具から趣味のものなど、残したままでは、子どもたちが困るだろうと思い気に病んでおりましたが、片付けられないなら、片付け屋さんに頼むのもいいかなと思い始めました。
思い出の品もあるけれど、それは私の思い出。後に残すのは、片付け屋さんに渡すお金だけでいいのかも知れません。何から何まで、自分でと思うのは、やめましょう。
そんなことを思いながら、お話しを聴きました。
子どものことを考えるための講演会が、自分自身のこれからを考える時間にもなりました。
今回は見逃し配信がありませんので、聴かれていない方は、次回会報での詳しい報告を読んでくださいね。
さて、私は、4月から9月まで、ぐんぐんキッズという放課後等デイサービスの児童発達支援管理責任者という役職で、フルタイムで働いておりました。
次の児発管の候補者が見つかったので、そろそろゆっくりできそうです。何しろ71歳ですから、朝から晩までのフルタイム勤務と慣れない仕事は、半端なく疲れました。
休日は土・日とあるのですが、その間はグッタリとして休んでいるという状態でした。
私はこの会の代表でもありますので、そちらの仕事もあります。疲れが溜まって正直クタクタです。
この冬の児発管の実践研修が修了すれば、頼りにしている候補者さんに正式に交替してもらえるので、それからはまた頑張って代表業務に専念できそうです。
でもその前に少し休んで、京都や奈良へ一人旅を敢行しようかな〜なんて、ただいま計画中です。
やりたいことを我慢していたら、不満も出ます。
内舘牧子さんの本で『すぐ死ぬんだから』というのがありますが、すぐ死ぬなら、元気出してやりたいことをやっていこう・・・なんて思ってしまいます。
先日読んだ坂本龍一さんの「僕はあと何回満月を見るだろう」も同じように題名に惹かれて興味を持ちました。最近この手の本が目にとまって仕方ないのは、どうしたことでしょう。
私は悲観的にではなく、やり残していることがあるなら、やっておきたいものだと思う訳です。楽しいことや見たいもの、行きたい場所に出会いたい人・・・、思い返してみるとたくさんあるのですよ。
20歳の頃、友と行った北海道へもまた行きたいですね。神威岬から見たあの沈みゆく夕陽は、今でも鮮明に憶えています。
一人でゆっくり北海道も旅したい。リュックを背負ってキャラバンシューズを履いて、カニ族なんて呼ばれた若者だったあの頃のように、JRに乗って旅してみたい・・・。そんなことをふと考えている私です。
やろうと思えば、なんだってできる今のはずです。息子は、グループホームに入っているし、世話がそれほどいるわけではありません。夫が土日くらいなら面倒見てくれるはずです。
もしかしたら、夫の面倒を息子が見てくれるということもあるかもしれません。食事作りは、息子の方が上手です。掃除も洗濯もアイロン掛けだって息子が上手です。
色んなことを一生懸命教えたっけ・・・なんて、今更ながら自分も頑張ったもんだと思います。そんな自分へのご褒美に、のんびりと一人旅。実現させたいと思います。
いつかそんなことをと願いながら、何もできないでいた私です。
夢見ながら、どこへも行かずに、年月だけが流れて行きました。・・・そして71歳。 ヨシッ、今こそ跳ぼう!!
毎月、色々この会報に書くことで、私は自分の思いを整理したり、新しく思いついたりすることがあります。
書くことにより冷静になったり、また元気を、活力を自分自身に受け取ったりもしました。Facebookやブログに書くような感じで、気楽に想いを綴って来られたのは、ありがたいことでした。
多くの方に読んでいただき、感想を聞いたりすることも多くて、嬉しかったです。
最近は、自分のことばかりを書いているような感じで、育てる会の代表としては、問題かもしれませんね。
はい、71歳なので、色々と考えることも偏ってくるのかもしれません。そろそろ後進に譲るときが、来つつあるのでしょうね。
そう思うと、「あと何回この会報に書けるのかしら?」と思うのです。
昔の文章を読み返してみると、夢や希望にあふれていた、元気いっぱいな私がいるんです。
26年間のあいだに、2年間は他の人が代表をしてくださっていたので、私が巻頭文を書いていたのは、24年分です。
読み返してみると、その頃がまざまざと蘇ってくるのは不思議です。
子どもの連絡帳も同じで、ページを開くと書いたその日に帰れるくらい色々な出来事をよく憶えている自分に驚きます(今の私は、昨日の夕食のメニューですら忘れているのに・・・)。
それもこれも当時の自分が懸命に想いを先生に伝えたくて、書いていたからだと思うんです。
今、自分が書きたいことは、若いお母さんたちへの励ましや、時には苦言でしょうか?
でも苦言というのは、そもそも嫌われます。私も若い頃よく言われたものでした。
「最近の若い人は、・・・・・・・」、「あなたたちは知らないと思うけれど、こんな苦労したもんだ・・・・」、そんな言い方だけは、年をとっても、したくないな〜と思う私です。
これからは、昔の話やこれからの夢や、そして色んな育てる会の代表だからこそ知っている楽しいお話しを書いていきたい、残しておきたいと思います。
育てる会を作ったのは、自分自身が助けを求めていた時、誰も助けてくれる人が見つからなかったからでした。自分たちで助け合える仲間が欲しかったからこんな会を作りました。
やがて、親たちで色々話をする中で、あれが欲しい、これが欲しいという声が挙がれば、次々と「ないものは作ればいいじゃない」とばかりに、サッカークラブや水泳教室が出来ていきました。
療育の場が足りないということから、赤磐ぐんぐんを作りました。今合わせて4つの事業所ができました。
グループホームも2棟作りました。相談支援事業所もありますし、今年からは保育所等訪問事業にも参入しました。
ないものばかりだった、子どもの為の社会資源は、「作ればいいじゃない」という軽快なノリでドンドン出来ていきました。
講演会や連続講座もたくさん行ってきて、「勉強するなら育てる会」と自分で言っている私です。
さて、いつもながら、だらだらと書き続けるのは、ここまでにしましょうね。
インフルエンザやコロナが流行していて、放課後等デイサービスのお休みが多くて大変でした。
それも当たり前の話ですが、急なお休みばかりでした。朝LINEがはいってきて、「熱が出たので、今日はお休みさせてください」というような感じでした。
それが本人でなくても、お母さんやご兄弟でもやっぱりお休みしてもらわなければなりません。通所している子に感染しては大変ですから・・・。
最近は学校でも指導はやめたようなので、マスクをしない子が増えています。保護者の方もマスクなしが多いようです。やっぱりマスクはした方がいいのではないでしょうか・・・? と、高齢者となった私は思うのですが(苦言か?)。
若い方は、あまり重症化はしないと言われる最近のコロナですが、いつどんな風に変化して行くかわからないのがウイルスです。
くれぐれも注意して、元気でいてくださいね。
それでは今日はこの辺で、ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)
令和5年度 現場の先生のための即実践講座
講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
第4回のお話は自閉症の中でも、知的障害を伴う方についての講座でした。
知的障害のある方の平均寿命は、定型発達の方に比べて20年ほど短い(・・・これは、定期的な健康診断、人間ドックや、体調の変化に周りが気づいてあげることで防げるのかも知れませんが・・・)とか、社会適応力では知的障害の有無よりも、発達障害の有無の方が、関係してくるとか、いろいろ教えていただきました。
中でも、最後に紹介された事例、三田市で重度の知的障害のある息子を、他害から家族を守るため20年以上も座敷牢に閉じ込めてしまい、自らも監禁の罪で有罪となった父親の話・・・
行政にも相談したそうですが、何もしてもらえず、の結果です。
もし自分が支援者だったら何ができただろう・・・悩みながらみんなで考え合った事例でした。
『 第5回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和5年10月10日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「働くことの大切さをどう考えるか」・
「中年期以降の知的発達症 自閉スペクトラム症」
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)
対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
(途中参加の方には、1回目からの講義をご案内しますのでご安心ください)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第4回、「知的障害の程度と社会生活力」・「知的発達症の就労支援と障害者雇用の現状」の講座の参加者の方からの感想です。
○ 本人の思い、権利と保護者の思い、権利・・・。どちらも大切で、考えさせられる講座でした。
サービスを提供する支援者として、保護者の気持ちや権利を尊重しながら当事者の権利を守り、特性を伝え、有効であろう支援をいっしょに試していく・・・。時には、保護者にはかりしれない苦痛や我慢を強いることにもなりかねません。
大切なことですが、とても難しいことでもあると近頃改めて思っています。
そのためには自分が、もっといろんなアプローチやとらえ方ができるように日々研鑽、学習していくしかないな!とポジティブにとらえてまた明日からも精進していこうと思います。本日もありがとうございました。
○ 知的障害についてこれほど丁寧に説明を受けたことがなかったので、詳しく知れてよかったです。三田市の事件は胸が締め付けられる思いで聞いていましたが、もし自分自身が家庭訪問した担当者の立場だったらどうしていただろうか?と問われると・・・。自分自身が支援者としてこういったケースに対しどのように対応するか考える機会となりました。
○ 最後の事例、もし檻に入れられているようなケースと遭遇したらどうすればよいのか、とても悩ましいと感じました。また、そこに至らないために、だれが、何ができたのだろうかと考えさせられました。時代や文化、考え方の違いでどうとらえるかが大きく違うことを心に留めておきたいです。結論が出ない問題ですが、考え続けることが大事なのでしょうね。
○ 今日も色々な視点で考えさせられる時間でした。幼児期のASDの支援をしていると、知的障害が重たい方の率は少なくなってきたように感じます(診断技量が上がって知的障害がない子が多く見つかるようになったことも影響しているのでしょう)が、その分、知的障害が重たい場合はなかなか困難なケースも多い印象です。子育ては家族が担う部分が多くなり、そうなると家族の価値観や状況に任されているのも実態としてあるでしょう。そのあたりをどうサポートや支援を家庭に届けていけばよいか、悩ましいです。
個人的には境界域の知能の人も、知的に重たい人よりも学齢期しんどい面も多いとも感じています(情緒クラス適となるが学校での授業など理解できず学校がしんどくなる)。色々多角的に考えていかねばと思いました。ありがとうございました。
○ 最後に紹介された事件は、とても考えさせられるものでした。先生もおっしゃられていたように、社会の常識や福祉が大きく変わっている中で起きた事件だなと思います。
「虐待」と一言で表せられない、ご家族の苦悩と愛情を感じます。だからこそ第三者の支援である福祉が重要になるんだろうと思いました。事例がどんな教科書よりためになる、を実感しました。
令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
前回の第4回は、大学における合理的配慮ということで、普段あまり観ることのできなかった大学での支援の様子をお聴きできました。
第5回は、高等学校での合理的配慮ということで、元香川大附属特別支援学校の三好ひろみ先生にお話いただきます。
思春期を過ぎ、大人になる直前のティーンエンジャーたち、障害を持たない子どもたちにとっても揺れ動く年頃だと思いますが、発達障害のある子どもたちにとっては、大学等に進まない場合には社会に出るためのより適切な支援が求められる時期ではないでしょうか。
お話を楽しみにしています。
『 第5回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 』
日 時:令和5年10月19日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「高等学校での合理的配慮」
講 師: 三好 ひろみ 先生(元香川大学教育学部附属特別支援学校)総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、
賛助会員10,000円(全10回分)別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第4回の日高幸亮先生による「大学での合理的配慮」の講義に参加された方からの感想の一部です。
○ 大学でも、ここまで丁寧に支援されているのだと知ることができました。ありがとうございました。大学生になるまでに、もっと早く本人が困っていることを相談できる人、一緒に解決策を考えてくれる人が居たらよかったのにと考えてしまいました。
目の前の子どもたちが、SOSを発信できる環境、発信したことを受け止める環境をつくっていけるようにしたいと思いました。本当にありがとうございました。
○ 日高先生のようなカウンセラーさんがいたら、安心して大学に通えるだろうなと思いました。そしてまた、適切にサポートを受けるには、まずはやはり自己理解が必要だと感じました。
できないところは誰かに相談したり頼ればいいという認識を持てていることは強みにもなりますね。療育で、本人にも保護者の方にも改めて伝えていきたいと思いました。
とてもわかりやすく面白い講座でした。ありがとうございました。
○ 発達障害のある大学生への支援について、具体的なお話を今までに聞いたことがなかったため、大変学びの多い時間でした。
私自身も大学に通っていた中で、今日日先生がお話してくださったような配慮を行っていたのかどうか、気になりました。
また、大学の先生に会う機会があれば、聞いてみたいなと興味がわきました。多くの学びを得られる貴重な時間を作ってくださり、ありがとうございました。
○ こんな合理的配慮がある大学で学べるのはとても安心感があると思いました。
今指導している小学生が大学に行く頃,このような配慮がどこでもあると嬉しいなあと思います。でも,分かってくださる場合ばかりではないのですよね。ここまで作ってこられた先生のお話を聞けてとてもよかったです。
大学生でも困っていることは,小学生と同じようなので,成長しても安心感のある配慮をしてもらえる環境は大切だと思いました。
発達障害や自閉スペクトラム症についての研修が様々行われているにも関わらず,理解してもらえないことは,学校現場でもまだまだあります。これを嘆くだけでは無く,自分が,特別支援教育の担当としてどんな提案や取り組みをしていくかがこれからの私のなすべきことだと本日強く思いました。ありがとうございました。
○ 大学は自分で決める場面が多く、特性のある生徒には難しい場面がとても多いですが、このような支援で自分のことを知り、対処法も知ることができ、生きる力に繋がるのだなと思いました。全ての学校、先生がそのような支援をするには、時間はかかるかもしれませんが、今自分がいる場所で、できる支援をしていきます。ありがとうございました。
令和5年度 第1回 支援ツール勉強会
令和5年度の支援ツール勉強会が9月21日(木)に始まりました。
今年度の支援ツール勉強会は、9月から2月まで全6回の構成で行います。
講師は、今年の3月に香川大学の教授をご退官されたあと、育てる会の訪問支援事業所ぐんぐんアシストを担っていただいています、武藏博文先生です。
武藏先生には、以前にも何度も支援ツール勉強会をお願いしてきました。5年ぶりの武蔵先生の支援ツール勉強会です。
コロナウイルスが5類となり、規制も緩和されましたので、今年度は現地での開催となりました。(後日配信あり)
現地でできるからこそのお母さん同士の繋がりも大切にしながらやっていきたいなと思っています。
支援ツール勉強会では、支援ツールを使って、子供たちが自発的に物事に取り組む力を高め、充実した生活を送ることを目指しています。参加者は、本人の強みや関心を活かした工夫をしながら、支援ツールを作り試し、交流する機会を持ちます。
先生が講義の中で“支援ツールを使ってなぜ支援するのか?”というお話をされた一部をご紹介します。
「支援ツールを作ろうと思った時に、『できないことを何とかさせたい!』とか、『何年生になったんだからできるだろう!』とか、『あの子もできるのだからあなたもやりなさい!』ということで支援内容を決めてはいけない。
できることを最大限にできるように!今できることに注目すると、その先に支援すべきことが見えてくる。
伸ばしてやるべきことは何だろうと考えてほしい。」と、言われました。
支援は『できること探し』から始まるということです。
支援ツールを作ろう!という時に、どうしても、“みんなと同じように〇〇してほしい!”とか“こーなってほしい!”と、思いがちですが、そうではなくで、できていることがあるから、それを自立してできるようにしよう!とか、できる時もあるけど、いつも忘れずにできるようにする工夫は何だろう?とか、そういった視点が大事になってくるということです。
忘れてしまう大事なことを、教えていただいたな!と、思いました。
4つの支援ツール、場面や状況を整える、手がかりを工夫する、本人のやり方を考える、褒め方を工夫する、この要素を組み合わせて支援を行うことが大切であると先生は強調されています。
まず、第1回目の今回は、褒め方の工夫の項目の「チャレンジ日記」から始めてみよう!ということで、みんなで考えていきました。
このチャレンジ日記は、子供たちの成長をサポートするためのツールで、日々の活動の中で目標を立て、記録し、成功体験を実感するのに役立ちます。どんなものが我が子に合うかな?と、サンプルを見ながらみんなで考えていきました。
少しの時間でしたが考えたことを見せ合い、武蔵先生からも「いいね!」「もう少しこうしてみたら?」などとアドバイスいただけました。
やろうと思っても、一人ではなかなか何からやっていいのか分からなくて、進まないこともあると思います。
みんなで考えられる時間があって、次回までにみんなでやってみよう!作ってみよう!と、言われると、次回までに頑張ろう!と、思えていいですよね。
是非、できるだけ現地で次回も参加してくださいね!2回目からの参加も歓迎ですよ!!
事務局 K
次回は、 令和5年10月19日(木)10:00‐12:00
『みんなで取り組む支援ツール』
次回以降は具体的なツールを作成して試していく予定です。
1回目を見逃した方は、後日配信もございます。2回目からの参加も可能です。
正会員は無料です。是非、現地で一緒に勉強しましょう!
以下、参加者の方からの感想です。
○ 対面での支援ツール勉強会は久々なのでとても楽しみにしていました。何度聞いても勉強になりますし、何度も聞くからヤル気も出てきます。
早速宿題も出ましたので、次回までに出きることから取り組みたいと思います。
○ 初めて支援ツールの勉強会に参加させていただきました。「できることの中に次の目標がある」と先生がいわれたことが心に残りました。作成体験ではすぐに頭に浮かばず、他の方の話を聞いて勉強になりました。有難うございました。
○ ついつい自発を促す手がかりツールに注力しやすいとの事でしたが、図星でドキリとしました。 上手くいかないときは、その他の環境や技能、意欲が整っていないか無理をさせていると知り、ツールを作る、使う前の土台づくりが大事なのだと理解できました。
○ 『出来ることを伸ばす』ということを忘れていました…。どうしても、出来ないことを出来るようにするための支援と思ってしまいがちですが、出来ることをしっかり身に付くまでするのが大切なんだと思い出させてもらいました。『自らすすんで取り組む』ために、4つの支援ツールを上手く組み合わせて作っていこうと思いました。
もし、1回目で上手く出来たとしたら、宝くじが当たったくらいの確率。と言われて、失敗を恐れず何度でもチャレンジしていこうと思いました。
木工教室 の お知らせ
今年の木工教室で作る作品が決まりました!!
最近、100円ショップでも見かけるようになった、縦置きのボトル型ティッシュペーパー、場所をとらなくて便利なのですが、部屋に置くのならもう少しおしゃれな方がいいですね。
そこで、川月先生が考えてくださったのが、お部屋のインテリアにもなる、ティッシュボトルケースです。
これなら、部屋の隅でも、勉強机の上でも、食卓にあっても、便利でおしゃれです。
部品のキットは川月先生が作ってくれますので、参加者の人は側面のデザインを自分で考えて、糸ノコを使って作ってください。後はキットを組み合わせていけば完成です。
作り方は、同封のチラシに動画のQRコードを載せていますので参考にしてください。
日 時:10月28日(土)10:00〜12:00(雨天の場合は、10月29日(日)に順延)
場 所:「おひさまハウス」(赤磐市和田194-1:旧 事務所) 中庭
申込先:チラシのQRコード または 育てる会事務局(086-955-6758)
申込締切:10月20日(金)(正会員限定)
キッズルーム の お知らせ
お彼岸を過ぎ、厳しかった酷暑の夏から、ようやく秋風の吹くいい季節がやってきましたね。
暑くも寒くもなく快適になった体育館で、思いっきり身体を動かしましょう。
大型遊具もいっぱいあって、ボランティアの優しいお兄さん、お姉さんたちが待ってくれています。
初めてのお子さんでも、無理をしないで、楽しいところ・・・人形劇やスカイバルーン、今回は特別な
ハローウィンのお菓子投げ など・・・・から参加してもらっても、もちろんOKです。
詳しくは同封のチラシや、チラシの載っているQRコードからご覧ください。楽しい様子の動画が見られます。
日時:令和5年10月21日(土) 12:45〜15:00頃
場所:岡山大学 体育館
参加費:400円(一人・兄弟参加もOK) (岡大の駐車場をご利用の場合は、別途500円程度かかります)(正会員限定)
おやじの会 山のぼり の お誘い
だいぶ涼しくなり、熱中症の怖れも少なくなってきたようなので、おやじの会主催で今年も山登りを企画しました。
もちろん、お母さんとお子さんの参加でもOKです。
おやじの会での最初の熊山登山が結構きつかった・・・とのことだったので、その後は高倉山や龍ノ口山に登りましたが、もっと楽に、気軽にとの希望もあり、今回はハイキング〜散策ぐらいの気分で登れる「操山丘陵」にしました。
一番高い操山山頂でも169m(丸山 138m、笠井山 134m)ですので、景色や各所の古墳などを楽しみながら、ゆっくり歩けます。
今回は岡山市内で、登山口やモデルコースもたくさんあるので、時間と場所だけ決めて、どのコースで登るかは、申込みの方の希望を聞いて決めたいと思います。
日 時:令和5年11月5日(日) 10:00〜昼食〜13:00ぐらい
場 所:操山 集合場所(候補):護国神社 または 里山センター(沢田)あたり
持ち物:お弁当、飲み物、おやつなど
参加費:無料
申込先: チラシのQRコード または 育てる会事務局(086-955-6758)
申込締切:10月25日(水)(正会員限定)
ボランティア研修会 の 報告
9月22日(金)に岡山大学児童文化部の学生向けのボランティア研修会を開催しました。
講師は、岡山県自閉症児を育てる会の副代表でもある、ぐんぐんグループ統括アドバイザーの松田紗代先生です。
いつもサッカークラブやキッズルームでお世話になっている学生ボランティアのみなさんに、自閉症の理解を深めて欲しいという想いで、こうした場をセッティングさせていただきました。
コロナ前には、何回かこのような研修会をさせていただいてきました。
本年度は、コロナの規制が緩和され、また、こうして現地で学生向けの研修会を開くことができました。
将来、支援者となられる学生の方もいらっしゃると思います。自閉症のお子さんの理解を深めていただいた上で、また彼らと関わる機会を体験していただき、将来彼らの良き支援者となっていただきたいなという願いもあります。
松田先生は多くの経験や知識から、前半は、自閉症の特性理解、後半はボランティアとしての関わり方について関わるときのポイントや、ボランティアとしてできることを具体的にお話しされました。
“遠慮しすぎてずっと追いかけていた” とか
“諸突猛進型で子供に嫌がられる” とか
“どうか今日は関わりやすい子でありますように”とか・・・
あるあるだよね〜と自身もボランティアとして自閉症のお子さんに関わられていた経験談や当時の気持ちなども交えながらボランティアさんに寄り添って話され、とても分かりやすい内容でした。
ワガママなんじゃない、頑固なんじゃない、泣き虫なんじゃない、自閉症という障害があるということを知ってほしい。
だけど、自閉症としてだけ見るのではなく、この子は何が好きかな? とかどのように関わられるのがよさそうかな? とか、一番近くにいる保護者の方にお伺いしながら関わっていくこと。
ボランティアでなくても、自閉症の子供に関わる方みんなに聞いていただきたい内容でした。
夏休み中ということで、参加できなかった学生の方にも後日視聴していただく予定です。
(事務局 K)
水泳教室のお知らせ
日 時:令和5年10月15日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は10月12日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I &S)
サッカー&ドッジ スポーツクラブ の 報告
2023.9.23 (SAT) 開催
今年度第3回目のサッカー&ドッジボール スポーツクラブを開催しました。
今回は、大学がまだ夏休み中なので、ボランティアさんは少し人数が少なかったですが、Jrボランティアの2名も参加してくれ、大いに盛り上げてくれました。
今回が初めて参加のお子さんも3名おられましたが、帰りに、「初めてだったのにとっても楽しめましたー!」と、お母さんから感想をいただきました。
サッカー&ドッジボール スポーツクラブでは、タイプや好きなことに合わせて、サッカーとドッジボールを選んで参加することができます。
お母さんたちからの要望や感想も随時お聞きし、改善しています。今回から休憩時間が見て分かるように、休憩時間を貼り出すようにしてみました。
また大学生の方には、新しく全体のスケジュールを大きく作ってもらいました。
やるべきことが分かったり、見通しが持てたりすることで、途中で気が散ることもなくなり、活動から逸れることなく参加することができるようになりました。
保護者のみなさんの声も参考に、岡大の児童文化部の学生さんたちと反省会をしながら、次はこうやってみよう! と、考えながら進めています。
スポーツクラブ 次回は、11月12日(日)です。 体験1回300円 (正会員限定)
11月からの参加も可能です。興味のある方は、事務局までお問い合わせください。
Jr.ボランティアの2人も、自分たちのやるべきこと(スケジュール)を確認しながら、自発的に動けるようになっています。
必要とされ、やりがいを感じて来てくれています (^o^)
はやぶさの会 からの お知らせ
小学校低学年から高校生と幅広い年齢層になってきたはやぶさの会。
ついつい中高生の「お兄ちゃん」たちの頼もしさに甘えてしまいそうになりますが、はやぶさの会は「友達がほしいと思っている子が、友達探しをする場所」です。
お兄ちゃんたちがお世話役を引き受けてしまうと、彼らが友達を作るということができない。そうすると目的からブレてしまう危うさがありますね。
異なっている年頃の友達もあり!と思っているので、そのあたりを意識しながら企画を考えなければ!と気持ちを新たにしている担当です。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟がASDの診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)
クローバーの会 の お知らせ
ASD女子たちグループ「クローバーの会」では、10月22日(日)にカラオケに出かけることになりました。
歌うのはちょっと・・・初めての人達だと緊張する・・・という子も、ぜひ一緒に参加してみてください。
大きな音が苦手な子のために、音は小さめにするつもりですし、イヤーマフも持参OK!です。
日 時 令和5年10月22日(日) 昼
場 所 岡山県内 カラオケ店(参加者には集合場所などLINEで連絡します)
参加費 カラオケ代を家族分で割らせていただきます。
詳しい時間や場所などの内容は、LINEでやりとりさせていただいています。
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹にもASD診断が出ている場合は参加可能)。
興味のおありの方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)
お母さんコラム
中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は娘の話。
わが家は、小学校から遠い(3kmほどあり、約1時間徒歩通学です)ので、朝は7時には家を出なければなりません。
これまで4月から何度も何度も「7時だよ」「出発するよ」「急いでね」「早く行かないと通学班の皆、出発しちゃうよ」を、何十回も声掛けをしてきました。
ある日それなりに早めに準備ができたので、「なぁママ、ちょっと本読んでてもいい?」と聞いてきた娘。
「いいよ。その代わり時間になったら行くからね」と声をかけると「分かった」と良い返事です。
さあ、7時のチャイムが鳴りました。早速声をかける私。
「Rちゃん(娘)、7時になったよ」 「ふーん」
「(?)Rちゃん、7時だってば」 「そうなんだね」
「(イラッ)Rちゃん、7時になったよ!チャイム鳴ってるよ!?」 「分かってるけど、だから何?」
「(ぶち切れ)7時になったんだから、行く用意しなさいって何回も言ってるでしょ!!!」
すると 「言ってないでしょ?」 「ママは、ずっと 『7時だよ』 としか言ってないよ」
「『7時だから、行く準備しようね』って一回言ってくれたら、それで分かるんだよ」 とのこと。
あー・・・ 確かに・・・。
伝わっているつもりで分かっていないことの多さに改めて反省!です。
また、こんなこともありました。
小学校の娘のクラスに、教育実習生さんが来ていて、最後の日にお別れ会をしたそうです。
そのお別れ会の時の様子を娘が教えてくれました。
実習生さんとゲームをしたり歌を歌ったり遊んだりして、いよいよお別れという時にクラスメイトの女の子たちが「寂しい」と言って何人か泣いたそうで、それを見て娘も少し「確かに寂しいな」と思ったそうで。
そこまでは「うんうん、そうだね」だったのですが 「そしたらさ、○先生(実習生さん)も『先生もお別れしたくないよ』って泣いたの。意味分からんくない?」
「どういうこと?」
「いや、○ちゃんとか△ちゃんとか(クラスメイト)が泣くのはさ、分かるよ。お別れしたくないって思って涙が出る気持ちは分かるからさ。でも、○先生(実習生さん)が泣くのは、違うと思うわけ」
「どうして?」
「だって、そんな泣くほど寂しいし、お別れしたくないって思っているんだったら、明日もくればいいだけじゃん」と。
なるほど・・・? 確かに・・・?
教育実習の決まりとか、学校の基準とか、期限とかそういうことって、知らないもんね。
可愛すぎるなぁと笑ってしまった母でした。
毎日がネタだらけ。面白すぎます。
(cyacya)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「四者四様 ASDだらけ」です。
私にはASDの子どもの他に、ASD+知的障害の実弟がいます。
先日両親に用事がある & 旦那が不在だった日があり、実弟(ASD+知的障害重度)・息子(中1 ASD)・娘(小1 ASD)・私(AS特性濃いめ)の4人で出過ごしました。
最初はその日の夕方から我が家にお泊りをして、朝ごはんまで、と聞いていたのですが、当日の午前中に「いや、泊まらないよ。逆に昼からお願い」と両親から言われてしまい、大幅にスケジュールや予定を変更することになりました。
昼から夜まで約8時間をどうトラブルなく楽しませるかを悩んだ結果、スケジュールをきっちり決めることにしました。
息子がソフトテニス部で9〜11時練習→11時半に帰宅してすぐシャワーなので、その日は12時から活動開始できる!ということで予定を検討。
昼食を食べて、展示会を見に行き、そのあとカラオケをして、最後に晩ごはんを食べて・・・というスケジュールを子どもたちと意見を出し合いながら記入して、弟を11時に迎えに行き、息子の帰宅を待ちます。
なのに!
早速トラブル発生。部活が延長になったようで、息子が帰ってきたのは12時すぎです。
弟は早速不穏です。イライラしながら腕時計を何度も見て落ち着かない様子。
最初は昼を食べてそのまま展示会のつもりでしたが、どう考えてもそれだとカラオケの予約時間に間に合いません。
息子は「ごめんー俺のせいだよね」と困って謝っています。
娘は娘で「どうするの、どうするの」と聞いてきます。
カオスな車内。動揺する母(笑)。
イレギュラーに弱いのは全員です。
仕方ない!スケジュールは変更です。
順番を入れ替えて、ポジティブな顔をして3人にスケジュールを見せながら伝えます。
すると、とたんにご機嫌モードな弟。振り回される私。もー・・・。
そこからもあれこれ・・・ありまして。
「なんか足が痛くなってきた気がする」と急に言い出す息子。
「おじちゃんはどうしてずっと独り言を言うの?」と気になって繰り返し聞く娘。
答えない(答えられないし、そもそも話しかけられていることにも気づかない)弟。
カオスな店内。
本当の意味でストレス発散!!!!!!で歌いまくったカラオケでした。
すっきりしました。ガス抜きも大事。
診断が出ている3人を特性の濃い私が見るのは厳しかったですが、面白い部分も多くあり、色々気づいて反省したり「なるほど」と納得したりすることも多い一日でした。
一人ずつ連れているのは平気なのですが、やはり予定や計画が大事だし、何よりも自分のメンタルヘルスが健全でないと、大変なことになるなと実感もしたのでした。
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
溶けそうなほど暑かった夏の暑さも少しずつ弱まり、やっと朝晩は過ごしやすくなってきました。
日中の気温はまだまだ夏ですが、空を見上げるとすっかり秋の雲。季節の移り変わりを感じます。
今回はコミュニケーションの取り組みについて書いてみたいと思います。
年少のAくんはこの春からぐんぐんぴっぴの療育に通い始めたお子さんです。Aくんのお母さんより家や園で、自分の思いが伝わらなくて癇癪につながることがあるとお聞きしました。
そこでAくんのコミュニケーションについて療育の中で観察してみることにしました。
遊びたいおもちゃが棚にあるのを見つけたAくんは一生懸命手を伸ばします。
どんなに手を伸ばしてもおもちゃには届かず、おもちゃに向かって「〇〇!(おもちゃ名)!」と言いながら、おいでおいでするように手を動かします。
しばらく頑張っていましたが、諦めて手に届くところにあるおもちゃで遊び始めてしまいました。
この様子を見ていたお母さんは、Aくんが一度も支援者や母の方を振り返らずに、おもちゃに向かって話しかけていることに気が付かれました。お家でも同じような姿がありますが、お母さんが見ている時には、何を伝えているのか分かってしまうので、すぐに要求を叶えるようにしていた、とお話しくださいました。
そして、園や家庭で、お母さんや先生が見ていなくて察してもらえない時に、自分の思いが伝わらなくて癇癪を起してしまっているかもしれないということに気が付かれました。
コミュニケーションで大事にしたいことの一つに『自発性』があります。自分から人に働きかけて自分の要求を伝えることです。
彼を誰かが常に見守っていれば、要求を察することができるのでやってあげることができるかもしれませんが、それは現実的ではありません。
Aくんが自分から相手に伝えようと働きかける力を身につける必要があることを保護者の方とも確認し、取り組んでいくことにしました。
まずAくんが何か困ってそうな時に支援者の方から「〇〇しようか?」と手を差し伸べ、「人からやってもらえた」経験を積み重ねることで、Aくんが人に伝えようとする意欲を育てたいと思いました。
Aくんがおもちゃで遊びたくて棚に手を伸ばしています。
そこですぐさま「抱っこしようか?」と支援者の方から手を差し出しました。何度も何度も繰り返すうちに、だんだんとAくんから抱っこしてほしくて支援者の方へ近づいてくるようになりました。
最初はAくんのコミュニケーションの矢印は棚のおもちゃに向いていました。
しかし、支援者に抱っこしてもらっておもちゃを手にできた経験から、支援者に伝えると良いということを学び、コミュニケーションの矢印が支援者に向き始めました。
だんだんと他の場面でも、Aくんは近くにいる支援者や母親に向けて伝えようとすることが増えてきました。
Aくんは好きなキャラクターのこと、面白いと思ったことなどをお話ししてくれます。
しかし、いざ何かを伝えようとする時には言葉が思いつかない様子や要求のセリフが「ちょうだい」なのか「あけて」なのか混乱している様子もありました。お母さんからも、「この場面ではこう言うと決まっている言葉は自信を持って言えています」と教えていただいたので、
Aくんが何て言えばいいのかわかることで要求を伝えやすくなるのではないかと考えました。
そこで、「むずかしいときは『てつだって』って言ってね」と事前に伝え、「『てつだって』って言って手伝ってもらえた」経験を繰り返し練習しました。するとだんだん、Aくんは自信を持って伝えられる場面が増えてきました。
ご家庭でも療育同様の取り組みを続けて下さり、お家でも要求を言葉で伝えられることが増え、お母さんからは「本人も家族も笑顔で過ごせることが増え、お互いにストレスが減ったように感じます」と報告してくださいました。
ぴっぴに通うお子さんの中には、自分でできない時には大人に頼ればいいということに気づいていないお子さんもいます。
気づいてはいても、様々なコミュニケーションの問題から要求を伝えることをあきらめてしまったり自分で何とかしようとしてできなくて癇癪につながっているお子さんもいます。
本人が自分の気持ちをどのように表現しているのか? 人への意識はあるのか? 等、保護者の方とコミュニケーションをとりながら本人の様子を観察していき、その子にとってわかりやすい方法で学ぶ機会を用意し、丁寧に丁寧にコミュニケーションの力をつけられるように今後も保護者の方と一緒に取り組んでいきたいと思います。
(ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ: U)
ぐんぐんタッチ(児童発達支援・放課後等デイサービス)
夏休みも終わり9月になってもまだ暑い日が続いていますが、日々元気いっぱいのお子さんたちに力をいただきながら、楽しく療育を行っています。
ぐんぐんタッチでは、『PECS』と呼ばれる絵カード交換式コミュニケーションシステムを使ったコミュニケーション支援に取り組んでいます。
『PECS』は、6つの段階(フェイズ)から成り立っており、対象者が一枚の絵カードを“コミュニケーションパートナー”に渡すところ(フェイズT)から始まります。
絵カードを渡されたコミュニケーションパートナーはすぐにその交換を要求として受け取り、要求を叶えてあげます。
このシステムは、言語プロンプト(言葉)を使わないため、すぐに自発的なコミュニケーションを教えることができます。
※ PECSについての詳しい情報は、ピラミッド教育コンサルタントオブジャパンのHPをご覧ください。 https://pecs-japan.com/
ぐんぐんタッチが開所して半年、お子さんたちが変わっていく様子を何度も目の前で感じることができました。
今日は、その様子を少しだけお伝えしたいと思います。
はじめて療育に来た日には、お子さんの興味関心のあるもの、好きなものは何なのかを知るために、お子さんの様子をじっくりと見ていきます(強化子アセスメント)。
好きなものが分かることで、欲しいものの要求ができます。だから、好きなものがあることはとても大事なことなのです。
Aくんは、最初は玩具に興味を示さずにいました。室内をウロウロとしたり、玩具を出しては、あまり興味を示さず、すぐに次の玩具に移り、強化子がなかなか見つからずにいました。
そこで、玩具の遊び方を教える機会を作ってみることにしました。
遊び方をモデルで示す(先生がやって見せる)と、遊び方が分かり、その玩具を要求するしぐさ(欲しいものに手を伸ばす)が出てくるようになりました。
より分かりやすく教えるため、先生と1:1の机上でも教えていきました。
机上で教えると、集中して1つの遊びと向き合うことができ、より遊びに意識を向けることができます。遊びの中で、できたことがあると、Aくんは嬉しそうな顔で、お母さんお父さんの顔を見ます。
いくつかの玩具での遊び方を机上で教えると、遊びの部屋でも般化して遊べるようになり、カードでの要求もすぐにできるようになりました。
お母さんお父さんは、欲しいものをブックから自分で選び、コミュニケーションパートナー(先生)へ持ってくる様子を見たとき、「すごいねー!!」と、手を叩きながら、たくさん褒めてくれます。家でも、同じ玩具を購入し遊んでいることもお聞きし、遊びの幅が広がっていることも感じています。
また、「家でも同じようにやってみたい!」と言われ、家庭でできそうなおやつのカードをお渡しし、家庭でも練習をされています。日常の中で繰り返しやっていくと、どんどん伸びていきますよね。
PECSがあることでお母さんとお父さんと意思疎通ができるようになると、Aくんも、お母さんお父さんもとても嬉しそうです。
Nくんは、ままごとあそびをするのが大好きなお子さんです。
初めてタッチにやって来た頃には、ままごとの道具を先生が触るだけで、 癇癪を起し、他害の行動が出ていました。
“これが欲しい”ということをうまく伝えることができていませんでした。
そこでさっそくPECSを使ったコミュニケーションの方法を教えていくことにしました。
まずは、フェイズ1です。 2人態勢で教えていきます。強化子のカードを渡すと、すぐに欲しいものが手に入るように素早くプロンプトする(先生が手を添えて動作を促す)ことが重要となります。
Nくんが大好きなままごと(欲しいもの・強化子となるもの)をコミュニケーションパートナーが取り、Nくんが直接そのものに手を伸ばしてきたら、すかさず絵カードを取って、手渡すプロンプトをもう一人の先生が行います。カードをコミュニケーションパートナーに渡すと、すぐに欲しいもの(強化子)を渡すという計画でした。
しかし、初めてフェイズ1を教える日には、Nくんの欲しいままごとの道具を先生が手にした瞬間、大泣きパニック状態。
それでも、2回3回と繰り返していくうちに、カードを渡すと欲しいもの(強化子)がもらえるということをすぐに理解し、泣くことがなくなっていきました。
“こうすれば伝わる”が分かったNくんは、コミュニケーションしてくることが増えていきました。
おやつの場面でも、たくさん要求の練習を行っていき、家庭でもどんどんPECSを取り入れて、コミュニケーションしてくることが増えています。
その後のNくんのエピソードは、また先の会報で引き続きお伝えしたいと思います。
子どもたちが、できなかったことができるようになったり、切り替えが上手になったり、自発的にできることが増えていくことが、日々の療育の中でたくさん見られます。
その瞬間に立ち会えること、また、それをお母さんお父さんと共有できることは、私たち支援者にとっても大変嬉しいことです。
今日も、タッチには、キラキラした顔で子供たちがやってきます。
今日も●●くんの好きなことを見つけ、好きなことでコミュニケーションをとり、新たな表情を見ることを楽しみにしています。
(ぐんぐんタッチ 療育スタッフ: K)
寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。
【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】 (R5.8.26-R5.9.25)
○ Y.Y 様(東京都) ○ N.T 様(赤磐市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。