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令和 5年11月30日
第307号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
307号 目次
もう冬が目の前に
即実践講座・夜間連続講座・支援ツール勉強会 の お知らせ
クリスマス会、おやじの会山登り、サッカー&ドッジスポーツクラブ の 報告とお知らせ
水泳教室、マッサージ座談会、料理教室、はやぶさの会、クローバーの会、 の お知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「ビジュアル・シンカーの脳 〜「絵」で考える人々の世界〜」
ぐんぐんだより
「ぐんぐんぴっぴ」、「ぐんぐんタッチ」
山の木々もすっかり色づいてきた11月の赤磐市。落ち葉がキラキラ輝きながら、風に舞っています。
季節は、急ぎ足で短い秋を通り過ぎようとしているようです。
ついこの間まで半袖でもよかったのに、なんということでしょう…今は、暖房がいるようになりました。本格的な冬が目の前です。
今年は、暖冬になるという天気予報を見て、少し安堵しているところ・・・、寒いのは苦手な私です。
11月25日(土)に金本拓也さんをZOOMにお迎えして、講演を行いました。今年度4回目、育てる会の講演会としては125回目の自閉症啓発セミナーでした。
『家族や支援者に役立つ話〜支援の立案から実践まで〜「じらふ長居」の場合』と題して3時間の講演をお願いすることが出来ました。詳しい報告は、来月号に載る予定ですが、わたしの感想を少し書かせていただきます。
金本さんは、大阪の「じらふ長居」という事業所の支援者の方です。
以前は、成人施設でも勤務されていて、とても若くて勉強熱心なそしてとても明るい素敵な支援者です。
中谷さんの紹介で彼女と一緒にこの事業所を訪れたのは今年の2月28日のことでした。
ぐんぐんタッチの開所を4月に控えて、いろいろなことを学びたいとタッチの児発管のKさんと二人で大阪へ行ってきました。
その時に、感銘を受けてこの講演会を企画したというのは、前号でお話ししましたね。
今回、3時間という時間があっという間に経つくらい素晴らしい実践を聴かせていただきました。
お話しの中でいいな〜と思ったことを、印象が強烈なうちに書きますね。
「じらふノート」というのを保護者の方とのやりとりに使われているのですが、保護者の方が我が子を客観的に見れるような工夫があって、いいなと思いました。
どんなノートかというと、最初の課題は「お子さんのよい行動を3つ見つけましょう。」と書いてあります。
3つも見つけるのは、よっぽど子どもを肯定的に見ようと思わないと出来ないのではないかしら?? って思いました。
哲平を育てていて、幼児期というのは、ともすれば困った行動ばかりに目が行きがちな親だった私でしたから、こんな風に書けと言われたら、きっと困ったかもしれないな、と・・・けれど、繰り返し良いところを探していると、子どもに対する見方自体が変わってくるように思えました。
そして次の質問が、「なぜその行動になったかを書いてください」というものでした。
親が考えさせられる設問ですね。いいなぁ〜って思いながらお話しを聴いていきました。
レジメの中に、「じらふ長居」の特徴というのが書いてある中に、こんなのがありました。
『 親子が自立した生活を送れるようになることを目指します 』
親子と書いてあるということは、親も育てていくということなんだなと、思いました。
グーグルフォームの活用というのもすごく便利そうでした。
保護者さんの相談に素早く対応されていて、とても素晴らしいものでした。
また、NCプログラムやLCMプログラムについて興味を持ちました。アセスメントツールとしてもわかりやすくとても便利なものだなと思いましたね。
TEACCHプログラム・PECS・それに水野先生のフレームワークも参考にされていました。
金本さんのモットーは「すぐやる!」というものだそうです。
「いいと思ったことは、すぐにやってみる」 若いからこその機動力だなぁ〜なんて感心しました。
この講演会に申込はしたけれど、参加出来なかった方には、後日配信もありますので、どうぞ聞き逃さないようにしてくださいね。
ここに述べたこと以外にも講演の中では様々なヒントが語られていて、多くの支援者やお母さんにもぜひ聞いて欲しいと思いました。
講演の詳しい報告や感想などは来月の会報にまとめますので、どうぞご覧ください。
さて、次の講演会は年明けの2月25日(日)に、吉田友子先生にお願いすることになっています。
先生が、先日出版された「自分のことの教え方(増補版)」された本についてのお話しもしていただけたらと思っています。告知やその後の支援、増補版では小学生から大学生までの一貫したサポートまでわかりやすくかかれているので、より子育ての参考にしていただけると思います。
久しぶりの吉田先生のお話です。楽しみですね。
カレンダーに忘れず書いておいてくださいね。
「みちこさんのケーキ作り教室」というのを11月28日に行いました。
参加者は私を含めて、6名でした。ケーキの作り方を実演して、焼けているのを待っている間に座談会をしました。
「自己紹介」と「初めて障害を告げられたとき、どんな気持ちがしたか」という話から始めました。
悔しく情けなくって、何で私が・・・という思いを感じた、と皆口々にそれぞれの思いを話しました。
なんだか辛かった話をしているのに、涙ふきふきみんな元気なんです。
泣いてばかりはいられない。元気出して生きて育てていくしかない現実にしっかり向き合っている年かさの大きい子を持つ母もいるし、まだまだ小さい子を抱えて、今は悲しみのただ中に立たれている母もいる。
それでもこんな風に話が出来る場があることが、共感でき合う人がいることが、どれほど皆の救いになることでしょう。
涙しつつ、笑い合う・・・仲間といることを幸せに思えた時間でした。
前の日に焼いていたケーキを食べながら、お話しは弾みました。
今回のケーキの教室のために、以前にはよく焼いていたケーキを、改めて何度か焼いてみました。
子ども3人が幼かった頃にはパンを作ったり、おやつ作りをしたりしたものでした。やがて子どもたちも大きくなり、それぞれ結婚したり、県外へ出ていったりして、食べてくれる人も減りました。・・・まだ哲平は近くに残ってくれていますが・・・。
また、育てる会も忙しくなりケーキ作りからは遠ざかっておりました。
今回のこの企画のお陰で、久しぶりに昔焼いていたケーキを作ってみました。
ところがオーブンが前に使っていたものとは違う為か、あまりおいしく焼けません。それで何度も何度も焼いては、試作品で事務局のみんなに食べてもらったり、家族に感想を聞いたりしました。
家族といっても夫と哲平です。二人とも味音痴なので、何を食べても「すごくおいしいです」ばかりですから(今、哲平には「すごくおいしい」「おいしい」「まあまあ、おいしい」「おいしくない」などのカードを見せて、味の表現を教えているところです)、本当のところはわかりません。
ケーキの教室をやることで、久しぶりに昔のレシピをひっぱり出して作ってみました。いくつになっても腕を磨くことが出来るのは嬉しいことですね。
そうそう、アップルケーキを作るため、紅玉リンゴを通販で注文しました。
思いの外たくさんのリンゴが送られてきて、どうしようかと思いましたが、リンゴジャムを作ることにしました。たくさん作ってスタッフに買ってもらっています。
毎日毎日リンゴジャムを暇さえあれば作っていたので、我が家の台所は、甘いにおいが立ちこめます。外出先から玄関に入るとふわーっと甘いリンゴの香りが迎えてくれます。
なんだかほっとする暖かな香りです。いいな〜幸せだな〜なんて思いました。
次回は「あきよさんのパン作り」です。パンを焼きながら、みんなでまたお話ししましょうね。1月25日(木)を予定しております。
その次は、「みちこさんの山菜おこわを作る会」が2月26日(月)にあります。吉田先生のセミナーの次の日なので覚えやすいと思います。ぜひご参加ください。お待ちいたしております。(正会員限定)
詳しいことは、後のページに案内があるのでご覧ください。
さて、11月28日には、育てる会に韓国ののソウルで発達障害支援センター長をされている方々が見学に来られました。
川崎医療福祉大学の諏訪先生と、通訳として同じく医療福祉学科 准教授の李(リー)先生もご一緒に、ぐんぐんグループの各療育事業所とグループホームを見に来ていただきました。
「きめ細かな支援ですね」といっていただきました。スタッフに対しても、お褒めの言葉をたくさんいただいて、私も感激しました。
みんなに伝えなければと思いましたよ。頑張ってくれているスタッフに対してのお褒めの言葉でした。
色々なことを取り組んできて、よかったです。本当にわかってくださる方と会えたという喜びでいっぱいになりました。
最後は涙とともに抱き合ってしまいました。お互いに頑張りましょうとエールを贈りあい、さよならをしました。
お二人の韓国の方と、李先生、諏訪先生、私の5人で、グループホームの玄関で写真を撮りました。
内輪の話ですが、12月には、そんなお褒めにあずかった育てる会のスタッフで忘年会を行います。
どんな形にしようかと考えましたが、今年は経費節約のため、私が料理を作ることになりました。
料理自慢(?)の鳥羽が、家庭料理を色々つくり、足りないところは、スタッフが揚げ物をしたり、ケーキを焼いてきたりしての手作りの忘年会です。
去年は、少し豪勢な忘年会でしたが、今年は、家庭的にやりたいと思っています。そういうのもまた良いと思うのですよ。来月号で報告いたしましょうね。
育てる会、アットホームで働きやすい職場です・・・と自画自賛しています。
保育士や学校教諭の免許をお持ちの方で、子育てが一段落された方がおられたら、ぜひご一緒にぐんぐんでの療育にご協力ください。
特に、自閉症の我が子を育ててこられたお母さん方、歓迎です。
さて最後に、来年度の即実践講座の講師お二人が決定しました!
愛媛のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生と、よこはま発達クリニックの佐々木康栄先生にお願いすることができました。
素晴らしい講師の先生方に恵まれて、新しい年度も即実践講座を二つ開催できますこと、感謝いたします。
もう少ししたら、募集開始いたしますので、ご参加いただける支援者の方は、どうぞよろしくお願いいたしますね。
忙しかった11月も終わろうとしております。
そして、12月。残り一月で今年も終わります。あっという間に一年が過ぎていきますね。
気を引き締めて新しい年を迎えたいと思います。
では皆さん、今月はこの辺で失礼しましょう。お元気で、さようなら〜♪
(鳥羽 美千子)
令和5年度 現場の先生のための即実践講座
講師に社会福祉法人横浜やまびこの里 相談支援部部長の志賀利一先生をお迎えしての1年間の即実践講座です。
次回の第7回は、当初の予定では「自閉スペクトラム症にとって理想的な社会とは」・「学校教育における自閉症支援」ということでしたが、これまでの先生の事例でも取り上げられてきた、「強度行動障害について」のお話を、先にしていただくことになりました。
切実で、喫緊の課題だと思います。1回では終わらないテーマになるかも知れませんが、自閉症児者の支援にとっては、避けて通れない課題になると思います。
この機会に、その本質からしっかり学ばせていただきたいですね。
『 第7回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和5年12月12日(火) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ: 「強度行動障害について」
※ 当初は来年1月度のテーマでしたが、12月に繰り上げて取り上げます
講 師:志賀 利一 先生(社会福祉法人 横浜やまびこの里 相談支援部 部長)対 象:自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23,000円、賛助会員 20,000円 全10回分
(途中参加の方には、1回目からの講義をご案内しますのでご安心ください)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第6回、「障害のある人の権利とその方法」・「自閉症支援の長い歴史から学ぶ」の講座の参加者の方からの感想です。
○ 臨床を始めたころは、早くから親亡き後のことを心配して入所施設を探す親御さんたちを見て疑問に思ったりしましたが、最近は「親は老いるのだ」ということを実感しています。
しっかりとした見通しをもって人に託すこと、そのための準備をしていくことはとても大切だと思います。私個人の課題意識にぴったり合ったお話でした。ありがとうございます。
○ 前回の学ぶ場の選択肢の広がりに続き、働くことの選択肢も(まだまだですが)広がってきているのですね。障害を持つ人たちの働くことを支える考え方として、「その人の希望、興味関心を大切にし」、「その人の特性に配慮された働き方ができ」「能力が発揮でき、またその能力を磨き、伸ばしていける」。そして「社会の一員として社会に貢献しているという自信と誇りをもって生きていける」ことを目指し、“その人らしい働き方”を追求し続けることが大切であることを考えさせられました。
私も65歳を前に、能力や体力の衰えを日々感じているが、まだまだ
“発達“したいし、自分に合った働き方を追求し続けたい。
障害を持つ子の“親”の引退宣言。素敵です。安心して引退宣言できる社会にしていきたいですね。
○ 親を卒業するということについて、何をもって卒業と考えるかは意見の分かれるところだと思います。一生涯親は親ですが、子育てもひと区切りだな、あるいは後はほかの人や社会に任せておけば何とかなるだろうと思える安心感が、親にとっては何よりも幸せだと思います。
時々親を休憩したいな、という時に寄り添える関係、申し訳ないと思わずに頼めるような状況をどんなふうに作っていくことができるのかなと考えさせられました。
○ 先生が最後に言われた「地域での生活をめざすと支援をする期間が長期にわたってしまう。
親自身が介護をうける存在となったときにどのように継続をしていくか」大きな問題ですね。
○ 日常的に幼児期の支援に携わっております。成人期に社会に適応できない話を聞くと、やはり幼児期のうちから将来を見据えた支援が大切なのではないかと感じずにはいられません。本人にとっての幸せとは?について今日はたくさん考えさせられました。そして、幼児期の支援の中でしっかりと将来を見据えて子ども支援も保護者支援もできる支援者でありたいなと心新たにしました。
令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
香川大学教育学部教授の坂井聡先生プロデュースによる、赤磐市との共催による「令和5年度 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年度は、主に教育現場における合理的配慮という視点から、普通学級、支援学級、支援学校、そして高校、大学など、それぞれの現場で指導、支援に当たられている先生方からの問題提起や支援方法を話していただいています。
第6回は、小学校の特別支援学級における合理的配慮、次回は特別支援学校における合理的配慮についてのお話です。
子どもの状況、学ぶ環境により、具体的な配慮内容は違うかもしれませんが、一人の子どもを中心に、その子に必要な合理的配慮を考えるのが “特別支援” だと思いますので、目指すところは同じですね。その本質を学んでいきたいと思います。
『 第7回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 』
日 時:令和5年12月14日(木) 19:00〜21:00
場 所:WEB開催(Zoom)
テーマ:「特別支援学校での構造化と合理的配慮」
講 師: 三宅 泰治 先生(香川大学教育学部附属特別支援学校)総 括: 坂井 聡 先生(香川大学教育学部 教授)
対 象: 自閉症・発達障害に関わる支援者(保護者対象ではありません)
主 催:赤磐市、NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:赤磐市在住・在勤者 無料、一般 13,000円、賛助会員10,000円(全10回分)
別途 資料代 各7000円(10回分)
申込・問合せ:Tel.086-955-6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第6回の石川めぐみ先生による「小学校特別支援学級における合理的配慮」の講義に参加された方からの感想の一部です。
○ VOCAペンについて 興味はありましたが、使用には至っていませんでした。本日の講座で使い方の実際を教えていただき、利用できたら新たな学びができる子どもができるなあと思いました。石川先生がその子に合った学習を丁寧に考えられていてとても勉強になりました。ありがとうございました。
また、自分の得意や苦手について知り助けを求めることを教えていくことことの大切さを私も思っていたので、先生のお話で、これでいいのだなと、自信も持てました。大学の取り組みなども紹介していただいたので調べて見たいです。
○ 実際に特別支援学級で担任をしているので、共感する部分がたくさんありました。
子どものことや、学習の進め方について悩んでいるところは、他の先生も同じなのかな、と思って、仲間が増えたように思えました。
私も、子ども(と、自分)のためにできることや使えるものを考えて、知識を増やしていきたいです。
VOCAペンについては、名前だけ知っていましたが、使い方や実際に使っている様子を教えてくださり、より具体的なイメージがもてました。クラスに在籍している児童をイメージしながら、私の学校でも使ったらもっと児童の力が発揮できそうだな、と思いました。
○ 表面的には意欲が無いように見えても、児童はみんな分かりたい、できるようになりたいと思っているということを、先生の取り組みによって意欲的に学習している子どもさんの姿から改めて感じました。
体が3つくらいほしいと思っていたこともありましたが、工夫次第だなとも思いましたし、それこそ教師の腕の見せ所だなとも…。たくさんヒントをいただきました。ありがとうございました。
○ 便利な道具がたくさんできていて楽しくなります。どんなお子さんにどんな道具が合うのかを見立てていく力や、この道具はこう使えるという工夫、またいろんな道具を知っておくということが大事だなと思いました。
子ども自身が前向きになれる手助けができたら、支援者もうれしくなります。たくさんヒントをいただいてありがとうございました。
支援ツール勉強会の報告と次回のご案内
11月16日(木) 武藏博文先生による第3回目の支援ツール勉強会を開催しました。
今回は、前半に“ソーシャルストーリー”や“絵カード交換式コミュニケーション法 PECS”についての講義がありました。
後半は、それぞれの作りたい支援ツールを実際に作っていく作業を行いました。
お子さんが今必要としている支援ツールは何なのか、前回までに支援ツール作成シートで考えていった内容で、作られている方もいましたし、前回作ったトークンシステムを使ってみて、改善点が見つかった人は、武藏先生からアドバイスをいただいて、改良している人もいました。
それぞれに作った支援ツールを持ち帰り、ご家庭で使ってみる様子をLINEでやりとりすることもできました。
みんなが頑張っているな! と知ることで、私も頑張ろう! と思えるという声もあがっていて、良い雰囲気で進んできている支援ツール勉強会です。
興味がある方は、事務局までお問合せ下さいね、途中参加可能です!
以下、参加者さんからの感想です。
○ 耳からの情報だと聞き流しているなと思う事が時々あるので、ソーシャルストーリーは目から入って自分の頭で理解を深めていけるので作成したいと思いました。 客観的な事実と見解を入れ、提案は1つ位にとどめるという事なので、こちらのさせたい事が強く出過ぎないように気をつけて作成、使用したいと思います。
○ PECSは何となく難しい印象がありましたが、勉強会での説明を聞いて身近に感じました。わが子が園児の時にぐんぐんの療育での遊びスペースでおもちゃの写真カード群の中からやりたいものを選び、先生に渡すという行為を思い出しました。
絵カードコミュニケーションを、我が子も、すでに取組んでいたんだと気づき、振り返ると、そのおかげで本人の好みも確立してきたように思います。
次回は、
令和5年12月21日(木)10:00〜‐12:00
「実際に支援ツールを作っていこう !」
講師:武藏 博文 先生
育てる会 事務局 1F 大広間にて
クリスマス会のご案内
日 時 : 令和5年12月16日(土) 13時〜15時頃(12:45受付開始)
場 所 : 岡山大学 体育館
参 加 費 : 子ども一人につき 500円 (保険料込み)
兄弟児も参加可能(金額は同様)(正会員限定)
持 ち 物 : うわぐつ、各自のビンゴ用プレゼント(※)
※ ビンゴ用プレゼントについて
各自お子さん用に500円程度のプレゼントを用意していただきます。
名前を書いて、受付時にスタッフへこっそり渡してください。
ビンゴゲームの際に、サンタさんから本人へ渡してもらいます。
当日のスケジュール
トライアル(大型遊具で自由遊び)
リトミック
人形劇
ビンゴ大会
記念撮影
お菓子投げ(今年も明治HD株主様より、お菓子のプレゼントがあります)
さようなら
おやじの会 山のぼり の 報告
11月5日(日)、8家族 24名で操山へ登りました。
当日は11月初めなのに、夏日になるかと思われるくらい暑かったのですが、低山とはいえ頂上付近まで登ると、吹き渡る風も心地よく、尾根道は日陰もあって山登りを楽しめました。
朝、まだみんな元気なうちに・・・と、操山里山センターから一気に円山山頂まで、巨石のある古墳の丘で一休みしたあとは、三畳岩展望台で岡山市街を眺め、旗振台展望所で昼食です。
おいしい昼ご飯のあと、ふれあいの辻の別れ道までくだり、その後のコースをみんなで相談しました。
小さなお子さんのご家族は、そこから里山センターへそのまま下り、まだまだ元気な青年部隊は操山山頂を目指すことになりました。
丁度半分ずつ4家族に分かれ、大きく手をふりながら、さよならです。
その後、操山へ登った青年たち、展望所で鐘を鳴らしながら、何を願っていたんでしょうね。
天候にも恵まれ、秋の日を楽しく過ごせました。参加された方からの感想も届いていますので、いくつか紹介させていただきます。
○ 親子共に散策やお昼の時間を楽しむことができました。皆さんとても優しく接してくださり、ゆったりとした雰囲気がとても落ち着きました。親子共にとても良い経験をさせていただき、ありがとうございました! また参加したいです。
○ とても気持ちの良い森で登りやすい山でした。
ある程度予想はしていましたが未就学児には少し厳しい点もあったかなと思います。
○ 当日はお世話になりました。最初は山に入っていくのを娘が怖がっていましたが、同年代のお友達といつの間にか楽しく山道を歩くことができました。また歳上のお兄さんが楽しそうに歩いているね、とか娘と会話しながら歩きました。お兄さんににっこり微笑む娘を見て連れてきてよかった!と、思いました。
親は次の日はバテバテでした! 操山ナメていました! すみません!!!!
熊山、龍ノ口山、高倉山、操山(円山)・・・いろいろ登ってきましたが、あと低山というと・・・また考えておきます (^o^)
(おやじの会:T)
サッカー&ドッジボール スポーツクラブ の 報告
11月12日(日)に今年度4回目のサッカー&ドッジボールスポーツクラブが開催されました。
マルセンスポーツ財団より寄贈いただいたサッカーゴールを使用しました。
今までは、屋外用(ペグをさして使用するもの)に重しをして使用していましたが、室内用の自立式サッカーゴールはそのまま使用でき、子どもたちが重しにしていたペットボトルに気をとられることもなく、サッカーに集中して取り組むことができました!!
今回は、集合の目印として、赤と黄色の旗を作成しました。
大学生ボランティアさんと毎回打ち合わせをして、より良い環境を作っています。
旗があることで、指示も分かりやすくなり、子どもたちが動きやすい!!との、お声もいただきました。
今後も、大学生とお母さんたちの声もお聞きしながら、お子さんたちがスムーズに活動に参加できるよう工夫をしていきたいと思います。
(事務局 K)
水泳教室のお知らせ
日 時:令和5年12月17日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は12月14日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当: I & S)
マッサージ座談会 の お知らせ
第2回 癒しのマッサージ座談会を開催します
日 時:令和5年12月8日(金) 10:00 〜 12:30(ぐらい)
場 所:育てる会事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
参加費:300円(お茶・お菓子代)、マッサージ希望の方は、別途 500円(正会員限定)講 師:M.Mさん(自閉症児のお母さん:赤磐市内で 自宅サロンMOF運営)
あきよさんのパン作りお話交流会
日 時:令和6年1月25日(木) 10:00〜12:00
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194−1:赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズのある建物です)
参加費:500円(材料費+飲み物代込)(正会員限定)
パン作りをしながら、みんなでお話しましょう!!
メニュー:クリームパン・マヨネーズパン+ホットドリンク
講師紹介:あきよさん
高機能自閉症+ADHDの中2(男)・高機能自閉症+ADHD小6(男)・兄弟児高1(女)の3人の子育てママ
自宅のパン工房でパン作りの趣味
育てる会の正会員で理事(会員担当)、ぐんぐんタッチ スタッフ
みちこさんの美味しいおこわ作りとお話交流会
日 時:令和6年2月26日(月) 10:00〜12:00
場所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194−1)
参加費:500円(材料費+飲み物代込)(正会員限定)
おこわ作りをしながら、みんなでお話しましょう!!
メニュー:おこわとお汁もの + ホットドリンク
講師紹介:みちこさん
次男(35才) 重度知的障害を伴う自閉症
育てる会 代表理事、ぐんぐんキッズ 管理者
はやぶさの会 の お知らせ
はやぶさの会は小学生以上の男の子たちの「友達作りの会」です。
大体学期に一回ずつぐらいのペースで集まっています。
1月に新年会を企画しています。
中学生たちは部活や塾も忙しくなってきましたが、たまに集まるこの仲間たちと色々話をしてワイワイすることを楽しみにしています。
学校の友達とはまたちょっと違うASD仲間たちがいるってことで、この子たちが思春期になり成長していく中でも、お互いの支えになることができたらいいなと思います。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟もASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M.S)
クローバーの会 の お知らせ
今年は秋があまりなくて一気に冬! ってかんじですね。
クローバーの会では、クリスマス会をする予定です。
ちょうど育てる会のクリスマス会があるので、その日のお昼を皆で食べようということになりました。
日 時 : 令和5年12月16日(土)昼間
場 所 : 岡山大学付近のレストラン
内 容 : お昼ご飯&プレゼント交換
持参物 : 交換用のプレゼント(500円ほど)
詳しい内容はクローバーの会LINEで相談しながら決めています。
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹もASD診断が出ている場合には参加可能)。
興味のある方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)
お母さんコラム
中1でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小1でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は息子の話。
先日からスマホをゲットしている息子。と言っても、旦那が元々持っていた分にSIMカードを息子用に用意して、電話とかメールができるようになったレベルですが、校外試合の日などに「○時に終わったから迎えに来て」などの連絡がしやすくなり、親子ともに良かったなぁと思っていました。
ある日、先生から「学校にスマホ持ってきているかどうか聞くと、息子くん、『たまに』と答えていてびっくりしました」と教えてもらいました。
びっくりです。学校ではスマホ禁止だったはず・・・
そういうルールや決まりは人一倍守るタイプだと思っていたのでショックもあり、早速息子に確認です。
私 「息子、学校にスマホ持っていくことあるの!?」
息子「うん。『たまに』」
私 「だめじゃろ!持っていったら!」
息子「うん?『持っていっても良い』って言ってたじゃん。先生からも言われとるよ」
私 「え? どういうこと?」
・・・しばらく思考整理に時間がかかる母です・・・
母 「どういう日に、学校にスマホを持っていっているの?」
息子「練習のある日」
私 「ん?」
息子「だから。土日の練習とか試合のある日」
私 「あー・・・つまり、部活しかない日ってこと?」
息子「そう」
私 「平日じゃなくて土日ってことね?」
息子「いや。平日も『たまに』」
私 「いつよ」
息子「たとえば夏休みとか。そういう日は平日も持っていっとるじゃん」
・・・あー・・・
私 「じゃあ、もう一回確認。学校で授業がなくて制服でも行かない日で、部活の連絡するために『たまに』学校にスマホを持っていく日があるということね?」
息子「だから、最初からそう言ってるじゃん」
私 「いやいや。『たまに』学校にスマホを持っていっているって言うから、母さんは、授業のある日も『たまに』持っていってるんかと思ったよ。たぶん先生とかも、そう思ったと思うよ」
息子「えー!? まじか・・・。そう言えばちゃんと言ってなかったかも」
こういう字義通りに物事を捉えすぎているところで周りとの誤解というか軋轢というか、そういうのが多いなぁと息子を見ていると思います。
それでも息子の良いところとしては、「確かに」と反省もし「今回のリカバリーをどうするか」「次どうすればいいか」を考えるために、大人のアドバイスを受け入れられるところなのかもなとも思います。
一緒に話し合い、一緒に考え合いながら、これからも一つ一つ教えていかねばなと思う今日この頃でした。
(cyacya)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日のテーマは「マナーやエチケットは難しい」です。
最近、「実は私もAS特性が強いんですよー」というお話をさせていただくことがあります。
診断は、福祉サービスを受けたり何かのサポートをしていただいたりする際には必須ですが、私のように特に今現在そのような支援を受けていない場合(自分なりにそれなりに苦労しながらもやっている)、診断を受けることの直接的メリットがあまりないことで「未診断」という人も多いと思います。
「でも、診断されていない『自己診断』なんですよね?」と言われることもあります。
これは、当事者の方からというより、支援者側の人からよく言われます。
支援者の人からは、どちらかというと「『なんちゃってAS』なんでしょう?」というニュアンスで言われることが多く、子どもの頃のエピソードを色々語ってみると、皆さん「あー・・・」というリアクションになるので、分かっていただけるようです
(テンプル・グランディンさんや小道モコさんなど当事者の方の本を読んだりお話を聞いたりしても「あるあるでしょ?」とあまりびっくりしない私です)。
個人的には支援者の方の中にも、私たちと一緒で「白黒ハッキリ付けたい」人がいるんだなぁと面白く思います。
当事者の方からは、「どうやって今のようなマナーやエチケットを身に着けたんですか?」と聞かれることもあります。難しいですよね。
例えば
「パーソナルゾーン(水着で隠れる場所)は人に見せてはいけない」けれど、「内科検診では見せないといけない」。
「小学生の間は、登下校中に出会った人には挨拶をしましょう」なのに、「知らない人に話しかけられたら『いかのおすし』(行かない・乗らない・大声を出す・すぐ逃げる・知らせる)をする」など、場面や状況によって判断しないといけないことや決まりが変わる。
これが命や身体の安全安心のため、ということであればまだ分かりやすいのですが、場面や状況や関係性によっても、ルールやエチケットは色々変わります。
AS特性のない方は、周りを見てなんとなく学ぶのでしょうが、私のようなAS特性の強い人は、知識を具体的に理由と共に丁寧にインプットし、実践した方が早いんですよね。
私の場合、マナーやエチケットは、たくさんの本とネット情報からゲットしました。
育児本やビジネス書・初めての社会人や一人暮らしブックなど、なぜそうした方がいいかを丁寧に書いてあるものは山のようにあります。
先日あるタレントさんが
「目をじっと見てはいけないとよく言われるけど、『首元は年が出ているので、あまり見ないでほしい』と女性に言われてしまい、そうすると一体どこを見たらいいんだ?となる」
「唇や胸元はセクハラ的な目線と捉えられそうだし。難しいね」
と話しておられて、性別や年齢によっても難しいものだなぁと思いました。
そしてまた新しく知識を入れて自分の知識を修正してバージョンアップした次第です。
私が、特性はあるけれども、なんとなく社会の中でやれていると思ってもらえるのであれば、それは努力のたまもの!自分自身を褒めながら、今日も新しい「一般常識」「ルール」「エチケット」を仕入れる毎日です。大変だけど、面白いですよ^^
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
今月の「ぐんぐん便り」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」と「ぐんぐんタッチ」です。
ぐんぐんぴっぴ (就学前)
秋の初めは夏日が多く、そして急に冬の寒さが来たことで、体調管理の難しさを感じます。
いよいよ本格的な風邪のシーズン。美味しいものを食べながら元気に乗り越えたいものです。
今回は「お子さんに合わせた支援」についてのエピソードです。
ぴっぴの療育では一人ひとりのお子さんに合わせた関わりをすることを心がけています。
それは、自閉症支援においては行動特性や学習スタイルに合わせた関わりをすることが大切で、それぞれの行動特徴や学習スタイルに合わせた関わりの中でこそ、お子さんたちがよりよく学んでいけると考えているからです。
とはいえ、一人ひとりのお子さんに合わせたつもりであっても、気がつくとそうではないこともあり、日々振り返りをしたり、反省をしながら療育をしています。今回はそんなお子さんに合わせた支援が改めて大切だなと実感したエピソードを紹介させていただきます。
1歳児のAくんはぴっぴに通いはじめたばかりの笑顔が可愛いお子さんです。
「先生とあそび」でAくんと一緒に遊ぶ予定の玩具を並べていると、棚の上にあるおもちゃを見つけて指差しで教えてくれます。
ですが、玩具を手にしたAくんは遊び始めたかと思うとすぐに別の玩具を指さし、またすぐに終わって次の玩具を指さす・・・。
このようなやりとりが続き、棚にある玩具を一通り取ってもらうと、遊びを終えたがる様子が見られました。
もしかしたらAくんが興味のある玩具が用意できていないのかもしれないと思い、玩具をAくん好みのものに変えてみても結果は同じでした。
こちら(支援者側)としてはAくんのコミュニケーションの機会となると思って棚に玩具を並べていましたが、玩具の要求の際にはコミュニケーションが生まれるものの、玩具が並んでいることで、その玩具で遊ぶことよりも並んでいる玩具が気になり遊びに集中できない状態であるのではないかと保護者の方とお話をしました。
ご家庭での様子をお聞きしても、「見えるものが気になり、色々な玩具を引っ張りだしてはまた次の玩具へ目移りしてなかなか遊べないことが多いです・・・」とのことでした。
Aくんの行動を行動特性や学習スタイルに照らし合わせ考えてみると「棚の上の玩具が目に入るとそちらに注意が向きやすく、そこから注意を外せなくなっているのではないか」という見立てを立てました。
そこで次の療育の際に玩具を棚に置くのではなく、支援者が2個の玩具を左手と右手に持ってAくんの目の前に掲げ、遊びたい方を選択してもらうようにしました。
Aくんは今までの様に棚の上に玩具が置かれていないことに少し戸惑っている様子が見られましたが、支援者の掲げた玩具から遊びたい方を指さし選択することができました。
Aくんが選んだシャボン玉を支援者が次々と吹くとAくんは笑い声を上げながら追いかけます。そしてシャボン玉がなくなると支援者の方へ視線を向け期待して待つ様子もみられ、支援者とAくんの楽しいやりとりは何度も何度も続きました。
シャボン玉を追いかけるときに棚の方が目に入ることがありましたが、そこには玩具が置かれてないので遊びが中断することもありません。
この日はAくんの療育が始まって以来、一番笑顔が多く、支援者とのやりとりを楽しむことができる日になりました。
保護者とも「棚の上のおもちゃがないだけで、こんなにAくんの姿に差が出るんだ・・・」と驚きながら、環境を調節することが、Aくんがよりよく学ぶためには必須な支援であることを保護者と確認することができました。
後日、保護者から「寝る前の“高い高い”をする時に、お布団しかない部屋ですることで何度も何度もリクエストしてくれるようになりました」と嬉しい報告を受けました。「注意が移りやすく、また外しにくい」Aくんの立場で考えご家庭での関わりに活かして頂けたことをとても嬉しく思いました。
棚の上に玩具を置いているのは「おもちゃそのものが見える方が要求しやすいだろう」といった支援者の思いからでしたが、Aくんからすれば「いつでも触っていいよ」「違うおもちゃがたくさんあるから遊んでね」という棚上からの見える情報によって、集中を阻害されていたんだなと気付かされました。
今回、Aくんの行動特性や学習スタイルから支援の仕方を変えてみることで、Aくんに良い変化が見られ、やはり一人ひとりの行動特性や学習スタイルに合わせた支援が大切であることを実感しました。
療育の中で、お子さんが様々な姿(行動)を見せてくれます。お子さん一人ひとりの行動特性や学習スタイルをしっかりと見つめ、お子さんに合わせた支援(関わり)ができるように、勉強会や講演会などを通して、さらに自閉症理解を深めていきたいと心新たにしました。
(ぐんぐんぴっぴ療育スタッフ:M)
ぐんぐんタッチ(児童発達支援・放課後等デイサービス)
ぐんぐんタッチでは、コミュニケーションの支援としてPECSを取り入れています。
家族同室型の療育を行っているため、保護者の方に毎回療育の様子を見ていただいています。家でもPECSを使ってコミュニケーションの練習に取り組めるように、日々、試行錯誤しています。
今回は2歳の I くんのエピソードを紹介したいと思います。
Iくんは無言語のお子さんです。ぐんぐんぴっぴで療育を受けていて、途中からぐんぐんタッチでの療育がスタートしました。
Iくんのコミュニケーションの行動は、あそびの時間には、布ブランコをやってもらうことが好きで、布ブランコの布があると その上に寝ころんで布をひっぱって遊んでほしいことをアピールしていました。
布ブランコが大好きだったので、PECSを使って、“布ブランコがしたい!”を伝える練習を始めました。
はじめは、“布ブランコ”が書かれた絵カードを1枚、相手の人に手渡して要求を伝える練習から始めました。
練習を重ねて、カードを相手に手渡して 要求を伝えられる機会が除々に増えていきました。
療育中のPECSでのやり取りの様子を 保護者の方に見ていただき、やり取りも体験していただき、家庭でもPECSを使ったコミュニケーションの取り組みを行うようにしました。
あそびの時間だけではなく、おやつの時にも練習を始めました。
まずはフェイズ1の、1枚の絵カードで要求を伝える練習ですが、お母さんが、Iくんが好きそうなお菓子や、果物など、毎回いろいろ準備してくださって、いろんな種類の絵カード1枚での練習に取り組むことができました。
取り組みを進めていく中で、I くんは絵カードを見ずに、手さぐりで取る様子が見られました。
家庭での様子でも、“絵カードを見ずに手探りで取っていることがある!”ということを聞き、実際に療育の場面でもその様子を保護者の方と確認したので、Iくんが“絵カードをよく見てからカードを取る”、それから“相手に渡す”ということに気を付けて取り組みを進めていくことを確認し、療育の時間でも、家庭の中でも取り組んでいくようにしました。
どこがうまくいっていないかを、実際に保護者の方と同じ場面を見て情報共有し、“どう取り組んでいくか”を、実際に保護者の方とやり取りをしながら進めていけることが、家族の方と同室での療育の最大のメリットだと感じています。実際に、 Iくんが絵カードを見てから取る頻度が増えていきました。
そして、フェイズ2の“距離と持続性”の取り組みでは、2歩くらい先にいる相手のところに伝えに行くことができるようになってからは、距離も少しずつ伸びていき、おやつの部屋の外にいる相手の所にも伝えることができるようになってきました。
この、”離れたところにいる相手に伝えに行く“取り組みを進めていったことで、家庭での様子として、自宅で「I くんが テレビを見たい時にリモコンを持って部屋を出て私のところまで来るんです。」というお話がありました。
PECSのカードがない状況でも、相手へ伝えようとする強い力が感じられた エピソードだなと思いました。Iくんの相手へ伝えたい気持ちと成長を感じることができとても嬉しかったです。
その後は、フェイズ3の、絵カードの弁別の練習にも取り組んでいきました。
I くんは、ほしい物の絵カードと好みでない絵カードが目の前に2枚並べられていると、絵カードをよく見てほしい物の絵カードを伝えたい相手にわたせるようになりました。
絵カードをよく見ていなくて、間違った絵カードを渡してくることもまだありますが、自分が欲しい物じゃない物を渡された時には、“あれ?”という表情をしていて、PECSブックの方に戻っていき、絵カードを選びなおし、伝えることができるようになっています。
PECSブックにもしっかり意識を向けることができていると感じています。
療育を進める中でIくんは 表情が豊かになり、声を出して笑ったり、布ブランコをしてもらっているとき、顔を上にあげて、先生の方を見て笑ったり、人の顔や周りの様子をよく見たりするようになりました。
PECSを使って伝えることで、自分のやりたいこと、欲しいものを受け取ることができる。“こうしたら伝わる!”を実践する中で、相手への意識の向け方も変わってきたと感じています。
I くんは、遊びの興味の幅も広がってきています。保護者の方から、「好きなキャラクターの本を自分でめくって見ていました。」というお話がありました。
タッチの連絡帳には、ご家庭でのお子さんの様子と療育中のお子さんの様子について 保護者の方が記入する項目があります。その中で、“今週はこんなことをしていました”と書いていただく項目があるので、その中から、“Iくんが絵本に興味を持ち始めたんだ!”ということを事前に知ることができ、“これはコミュニケーションの機会にできるかもしれない”と考え、絵本と絵カードを準備し、本を見たいときに要求する練習にも取り組むことができました。
療育は限られた時間なので、お子さんを知るための情報を得るためには、このタッチの連絡帳での情報共有がとても大事になってきます。
保護者の方からの、「こんなことに気づきました。」や「これはこうだからかな?」 など、お子さんのことをそばでよく見ている保護者の方の言葉がより良い支援に繋がっています。 支援を考える上で保護者の方のお話から気づくこともたくさんあります。
これからも 保護者の方と連携して良い支援を考えていきたいと思います。
PECSを使ったコミュニケーションがとっても上手になってきたIくん。これからも、“自分の伝えたい”ことがしっかりと相手に伝わる経験をもっともっと増やしていき、Iくんの生活がもっと豊かになっていてほしいと思っています。
(ぐんぐんタッチ 療育スタッフ: I)
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
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申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。