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令和 6年4月30日
第312号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
312号 目次
「金婚夫婦お祝いの集い」、行ってきました
育てる会 自閉症啓発セミナー
「吉田友子先生講演会 U」 報告
令和6年度 即実践講座、夜間連続講座 の お知らせ
育てる会総会、フリーマーケット、世界自閉症啓発デー、AAO活動 の 報告とお知らせ
OHAの会、癒しのマッサージ、水泳教室、スポーツクラブ、さをり織り教室 の お知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「発達「障害」でなくなる日」
ぐんぐんだより
「ぐんぐんキッズ」
寄付のお礼とお願い
雨が降ったり、風が激しく吹いたりする4月でした。
桜の花はいつ咲けばいいのだろうと、咲こうか咲くまいかと花が考えこんでしまうような春の始まりでしたね。
そして一月の能登に続いて台湾、愛媛と地震が続きました。被災された方の一日も早い復興を願わずにいられません。そういえば、哲平が能登半島の地震の募金箱に自分のサイフから1000円入れているのを見ました。 素晴らしい!! 働く大人の哲平です。
それに比べて岡山は平和だな・・・・と思いつつ、今後のことが気になります。
南海トラフ地震って本当にあるのかしら?? 信じられない気持ちです。
岡山県人は何の準備もしていない人が大半ではないでしょうか?
以前、高橋みかわさんに 『大震災 その備えと生きのびるために 〜自閉っこ家族のサバイバルスキル〜』という講演をお願いしてから、私が心がけるようになったことは、我が愛車にガソリンを半分くらいになったら給油することと、車の中で眠るためのマットを買ったこと、そしてカセットコンロ用のボンベを10本以上は備蓄していることくらいです。
食料は、いつも2週間くらいは食べていけるストックは用意しているようにし、お米も保存しています。
また、我が家は砂川に近いので、浸水に備えて、ベランダから屋上へ逃げるためのはしごも買いました。 後は何が必要でしょうか?
でも、本音では、ぶっちゃけ南海トラフなんて来ないよな〜と思っている暢気な岡山県人の私です。
さて、先日4月の21日(日)には、第127回育てる会主催の講演会を行いました。
吉田友子先生による 『自閉スペクトラム 「その子らしさ」を生かす子育て』というお話しでした。
先生のお話は何度聞いても暖かく、ともすれば思うようにならない出来事や、辛い思いが胸の中を吹き荒れるときもある私ですが、先生の柔らかな思いのこもった優しいお声を聞いていると、「ああ〜、そうだった、忘れていたわ〜」と心の中まで優しい心持ちが染み渡ってくるのでした。
育てる会では、今回で13回目の講演会だとのことですが、どれほど多くのお話を聴いていても、ついつい出来ないことや、叶わない願いに悲しい思いを持ってしまうこともある私です。
息子はこんなに健気に一生懸命努力しているのに、切り替えの困難さや、こちらの言いたいことは、伝わるけれど、彼の言いたいことや思いは、私には伝わりにくい状態です。そんな息子に時には、ついついイライラしてしまう、そんな私なんです。
先生は講演の中で、「あの子達をよく理解して知っていると、私たちの対応が変わってくる。」
そう言われました。
私は息子が診断を受けて間のない3歳の頃、TEACCHプログラムに出会いました。自閉症についてもっと知りたいと思いました。
気が短くって、気分屋で場当たり的な対応をしてしまっていた私の性格を、少しずつ変えていけたのは、哲平の学ぼうとするまじめさと、TEACCHプログラムからの学びのお陰だったと思うのです。
また、つどつど素敵な方との出会いがあったからではないかと思うのです。必要なときに必要な人と出会え、必要な教えをいただける・・・。私はつくづく幸せな星の下に生まれたと思うのです。
吉田先生との出会いもその一つです。今があるのは、そのお陰です。
先生は、講演会の中で、哲平の就労についても映像で紹介してくださって、私の子どもに無理をさせない子育てを褒めてくださいました。どれほどありがたいお言葉だったか・・・、大勢の方の前で、私を褒め、育てる会の活動を評価してくださって、とても嬉しかったのです。
ここまで、育ってくれた哲平に感謝しつつ、育ててきてよかったと、つくづく思った日でした。
講演会の詳しい報告や感想は、後のページをご覧ください。
さて、話変わって、先日私の誕生日がありました。その時、何人もの育てる会スタッフがお祝いをしてくれました。
事務局スタッフたちのケーキでのお祝い。
大きな鯛をくれたYさんは釣りが好きな方です。せっかくの大きな鯛をいただいて、新鮮なお刺身にしたかったところでしたが腕に自信がなかったので、焼き物にしました。瀬戸内海の鯛は、とてもおいしかったです。
また、パンを焼いてくれたKさんは、パンつくりが趣味です。クロワッサンはきれいな層になっていて、絶品でした。
その日の夕方近くに家のチャイムが鳴りました。
何事かと思いドアを開けると、スタッフのMさんが、大きな荷物を下げて立ってます。
「代表といえば、これでしょう」と、焼き芋を作るための機械を袋の中から出してくれました。
私といえば、焼き芋ですかね??? 何時からそうなったのかしら??? と思いつつ、さっそく次の日サツマイモを購入して焼きました。
サツマイモとってもおいしく焼けましたよ。やっぱり私は焼き芋が大好きなようです。
夫は、例年は花束をくれていたのですが、花より団子がそろそろ嬉しい私です。
それで、今度京都への一人旅の代金を、自分の貯めている小遣いから出してくれることになりました。
たくさんのお祝いに囲まれて、私には幸せな一日となりました。
お祝いしてくださる方があることがこんなにうれしいとは、これまであまり思いませんでした。
これからは、お祝いくれた人にもそうでない人にも、心を込めて何かお祝いすることを忘れないようにしたいと思った一日でした。
少し報告が遅れましたが、先月26日には、絵カード作成ワークショップを育てる会の事務局1階大広間(オーバーですね)で行いました。
ぐんぐんタッチの児発管Kさんが、PECSを始めたお母さんたちのために、簡単な絵カードの作り方をレクチャーしてくれました。
キチンとレジュメも作ってくれていて、参加したお母さんたちは、すいすい作って行かれます。
私は例のごとくすぐには出来ていきません。
スマホを使って作るのは、私にはかえって面倒で、好きなように検索したのをパソコンで貼り付ける方が、簡単だなと思いながらも・・・・、でも頑張って皆さんと一緒になんとかついて行きました。
数ヶ月に1回はやってくださるそうですので、次回も必ず参加して、スマホからの絵カード作りもう一度挑戦したいと思います。70の手習いでございます。
それにしても、うちのスタッフはお母さんの為に何が出来るだろうと常に考えてくれる素晴らしいスタッフだと思っています。
先日、ぐんぐんの療育の応援に行ったときのことです。
あるお父さんが私に話しかけてこられます。
「代表、ぐんぐんは本当にいいです」「ありがとうございます」
その後も療育の場で隣り合うと、「ぐんぐんは、すごいですね」とまた言われるのです。
そのお父さんは、殆ど話したことがない方でした。少しシャイなところのある方だと思っていました。
だから、何度も都合3回もぐんぐんについて褒めていただくと、何でそこまでと思いましたら・・・、なんとその日が療育の最後の日で、それまでお二人のお嬢さんを育てる会のぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズと、ぐんぐんグループの3つに通わせてくださっていた方でした。
この日が最後だったそうで、ほめ言葉が見つからないのか、シャイなお父さんは、ただ「いい」とだけ言ってくださるのでした。
とっても心がこもっていて、言葉をたくさん連ねて褒められるよりも心に染みて嬉しく、頑張っているスタッフたちに伝えずにはいられませんでした。
私も感謝でいっぱいになりました。
いいスタッフたちに恵まれて、そんな中代表を72歳の今でもさせていただき、こんな暖かな言葉を通ってきてくださる方にいただき、ありがたいことです。私は幸せだとつくづく思います。
先日、個別支援計画の専門的な支援計画や、新しい5領域についての説明を、児発管を集めて、事務局のNさんが、説明をしてくれている写真です。
今年度は、また制度が変わって、一段と事務的な部分が大変になっています。その説明会です。
県民局での集団指導や矢継ぎ早の通達を受けて、具体的にどのように育てる会として取り組んでいくかを話し合いました。
幸い、母子同室をやってきている児童発達支援事業所のぐんぐんグループは、単価も変わることなく運営できそうです。
やっと家族同室で丁寧なサポートしている私たちのやり方が、評価されたように思えて、嬉しく思いました。
でも、支援計画などがとても難しそうで、今までの計画書に加えることも多いようです。
そして新しく放課後等デイサービスでも、母子同室の取り組みが推奨されるようになるそうです。
これからもみんなで頑張って、国が求めるより良い療育の事業所となるよう努めたいと思いました。
私の父母の法事がありました。
13回忌には、コロナ禍真っ最中で、行えなかった法事でしたが、やっと17回忌に集まれた親族一同でした。
両親の1周忌の頃には元気だったおじさんやおばさんたちも、もう何人も亡くなっていて、今生きているおばさんたちもホームに入っていたり、デイサービスに通っていたりしているとのことで、私たち子どもたちの家族だけで集まった法事でした。
何も変わっていないような毎日ですが、それでも日々状況は変化しています。
膝が痛くて正座ができなくなった私や、義弟(・・・実は、年上なんですが)などもいて、だんだん亡くなった親の年が近づいてきていることを感じます。
次の法事には、もうこんな風に大勢では、集まれないかもしれないな〜と思ったり、この実家の景色もこれで見納めかもしれないな、と思ったりします。
人生は、はかなく短い。精いっぱい今を生きていこうと思います。
いろんなことが起こった4月でした。
その、明日は法事だという日に、静岡に住む長男から電話が入りました。
「おや珍しい・・・」と思いながら電話に出ると、「お風呂で転んで、ろっ骨を折ったらしい」というのです。
「ええ〜!!」 と衝撃が私の脳裏を走りました。
お風呂で滑って背中から落ちたらしく、背中側の背骨のところが6本から7本折れたということだそうです。でもそれが分かったのは入院してからの話。
救急車を呼んだけれど、隊員の方が「ただの打撲でしょう。歩けるのなら、自分で病院に行って下さい」と帰られてしまったそうです。
仕方なく、タクシーを呼んで一人で病院まで・・・ 診察した医師の方が、折れた肋骨が内臓に刺さっていたら大変なので即入院と、すぐにICUに入れられたそうです。
しっかり診てくださいね、救急隊員さん!
電話を受けて、元に戻るのかとても心配しました。
もし元通りにならなかったら、仕事を諦めて岡山に帰っておいで、とまで言いました。でも、よくなりますように・・・・。
それから20日後のゴールデンウィークに帰ってきた息子は、案外元気そうで、出会った瞬間ほっとして、涙がじわり・・・。本当によかった。
でもレントゲンを見せてもらうと、骨がずれたままくっついているみたいです。
いいのかそれで! そう思いましたが、肋骨はいっぱいあるので、補いあって問題ないという息子。
本当にそうなのか、親が心配するからそう言っているのか、わからないけれど・・・、なにはともあれ命に別状がないなら、それでよしといたしましょう。
色んな方にご心配かけましたが、大丈夫そうです。ご心配かけました。お仕事にも行っているそうです。
まじめな性格の息子です。親孝行で帰ってくる度私にお小遣いをくれます。ありがたや〜。
“哲平を上手に育てた”と、生前の実母と義母にも褒めていただきましたが、長男も上手に育てた私です(エッヘン)
次に我が家としては大きな行事になりますが、山陽新聞社主催の金婚夫婦の集いというのに参加しました。
今年で26回目の行事だそうです。以前山陽新聞でその記事を見た私が、50年間無事に暮していけたら、この行事に夫婦で参加したい・・・と夫に言っていて、それで今回この企画に参加することとなりました。
夫婦そろってここまで来れたことに感謝しつつ、この日を迎えました。
その日はちょうど育てる会のフリーマーケットの日でした。うっかりダブルブッキングしちゃいましたが、一生に一度の金婚夫婦の集いですからこちらを優先させていただきました。
これが写真です。
新聞にもでかでか載っていましたが、私たちの席は後ろの方だったので、殆ど見えませんね。
弦楽四重奏の曲が心地よい調べで、私たちが結婚した昭和49年にヒットした「あなた」の曲を聴いた瞬間にあの新婚時代に住んだ2DKの小さなアパートを思い出しました。
大きな窓と、小さなドアと〜♪
でも、ちょっと抵抗ある歌や歌謡ショーもありました。
その極めつけは、民謡歌手の方が歌われた「こちらのおじいちゃん、そちらのおばあちゃん・・・・、よくぞ頑張ってこられましたね」というような歌詞でした。
私たちの世代、まだ大抵の夫婦が70代だと思います。赤の他人から、おじいちゃんおばあちゃんなどといわれる歳ではありません。
今や人生百年時代といわれる現代にあっては、70代は働き盛りです。
団塊の世代こそ、本気でまだまだ仕事も頑張らねばという時代です。
年金は少なく、子どもは少子化で働き手は今後増える見込みは少ない時代です。唯一の希望は昭和世代の働く70代でしょう。
「誰がおじいちゃん、おばあちゃんだよ〜」と鼻息荒く、道々帰った夫婦でした。
・・・・・・もっとも、おじいちゃんとおばあちゃんには違いないんですが・・・・(^^;)
式の帰りには二人でランチを食べに、小ぎれいなミシュランガイドにも載っているというお料理屋さんに寄りました。
お料理もお酒も接客も何もかも最高で、おいしく楽しく幸せでした。
金婚式は一生に一度だけれど、51周年も52周年もこんな風においしいお店に夫婦で出かけて行くのがあってもいいかしら…・と思っている次第です。
参加できなかったフリーマーケットについては、後ろに記事がありますのでご覧くださいね。
気づけば山々の新緑の美しい季節がやってきました。冬の衣類や寝具を洗濯しながら、いいお天気が嬉しい毎日です。
これからは、一年中で一番いい季節です。梅雨の雨が来る前に、色んなことをしたいですね。
それでは皆さん今日はこの辺で、ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)
育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告
令和6年4月21日(日)、令和6年度第1回目のセミナーとして、児童精神科医で iPEC(子どもとおとなの心理学的医学教育研究所)所長、千代田クリニック院長の吉田友子先生をオンラインにお迎えして「第127回 育てる会自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回は、吉田先生による連続セミナーの第2回で、前回の『自閉スペクトラム 「自分のこと」のおしえ方」に続いて、『自閉スペクトラム 「その子らしさ」を生かす子育て』と題して、初めて自閉症児の担任となった先生や、診断を受けて間のない保護者の方にも正しく理解していただけるよう、その特性や支援の方法などを丁寧にお話いただけました。
それではセミナーに参加したスタッフからの報告と、みなさんからのアンケートが届いていますので紹介します。
4月21日(日)第127回自閉症啓発セミナーとして、千代田クリニック院長の吉田友子先生の講演会に参加しました。
私が吉田先生の講演会に参加するのは5回目になりますが、今回もとても大切なお話をしていただきました。
お話の中で最初に吉田先生がお話されたのは、自閉スペクトラムの定義のお話でした。
「自閉スペクトラム」という概念は、イギリスのローナ・ウィング博士が提唱した自閉症の三つの主要な特徴を持つ人々を包括するためのもので、診断名がある人も無い人も含む広いグループを指します。
生まれつきの脳のタイプの異なりを示すものであり、子どもへの接し方や保護者の育児経験など、子育ての方法によって自閉スペクトラムになるというものではありません。
脳のタイプの特性によって日常生活の中で困難が生じる場合、「自閉スペクトラム症」という診断がつきます。
しかしながら、文化的な違いによって、ある行動が一つの文化圏では問題視されないものが、別の文化では問題となることもあるため、診断には文化的な背景も考慮される必要があるとのことでした。
困難があれば障害、なければ障害ではないという考え方は、障害を個人の問題として捉え、疾病や外傷などの健康問題が原因であると見なす医学モデルではなく、障害は個人の障害と社会的障壁との相互作用によって生じると考える社会モデルの発想に通ずるものがあり、徐々に社会の中で浸透しつつある視点でもあります。
この視点は自閉スペクトラムに限らず、身体の障害やそのほかの困難を抱えるすべての人にとって大切な視点ですので、もっと浸透していくように我々も活動をしていかなければなりません。
自閉スペクトラムの行動上の三つの主要な特徴(三つ組)がある中、定型発達の子どもたちが自然に社会的な場に溶け込むことができても、自閉スペクトラムの子どもたちは、暗黙の了解などの状況を理解することが一般的に困難であり、それに対処するために意識的に「知力」を使う必要があるということ。
経験や前回の反応から「社会に適応するための作戦」を練り、場の空気を読んで適切な行動をとることを学ぶが、これは社会に適応した行動や反応をするために非常にエネルギーを要するということでもあり、ストレスや不安、自信のなさを感じることもあるというお話を伺って、社会の中でどれだけ苦労や困難さを抱えながら生活しているのか考えさせられました。
また、思考・行動の柔軟性や極める力(社会的想像力)ついて、以前ご講演いただいた時にもお話いただきました、煮魚定食のお話を今回もしてくださいました。
昼食で煮魚定食を食べるのを楽しみにしていたが、売り切れて唐揚げ定食しかない場合、多くの人は「そんなこともあるか」と思考をしているつもりもなく柔軟に対応するが、自閉スペクトラムの人々はこういった事前の予想と異なる展開による変更を受け入れるのが非常に困難であるというお話から、公共交通機関や道路の渋滞による遅延から、季節によって普段利用している店などのレイアウト変更など、日常生活での予測の難しい変更の多さを思い浮かべました。
一方で、彼らのそういった特徴は、強みにもなります。
自身が理解して、納得して取り組んだ活動には抜群の集中力と努力を注ぎ込み、非常に責任感を持って行動でき、その結果として高い専門性や技術を獲得することがあります。
そういった力を伸ばすためには興味を引き出す工夫、つまり特性を理解し、彼らの興味に寄り添い、それを学習や生活スキルにつなげる支援が必要です。
彼らが自然と興味を持てる素材やテーマを使用するなどの取り組みによって、彼ら自身が学ぼうとする意欲を促進させることが可能です。
本当にたくさんの大切なお話をしていただきましたが、最後の先生のお話を紹介させていただいて、講演報告とさせていただきます。
私たちが子供たちを何のために支援するのかということを常に意識していなければならないと思います。
保護者や教師の皆さんにも、何を目指しているのか忘れないでいただきたいです。
子供たちが間違っているから直すわけではありません。
彼らは単に少数派であり、少数派としては正しいやり方や感じ方をしています。しかし、多数派の中で少数派であるために多くの不都合が生じています。
ですから、私たちが子供たちに教えるのは「正しいやり方」ではなく、「多数派のやり方」です。
子供たちには、場面に応じて多数派のやり方を使ったり、自分らしいやり方を使ったり、バイリンガルのように柔軟に胸を張って対応できるようになってほしいと思います。
そうでなければ、適応技術があっても自分が偽りの自己であると感じ、適応しているにも関わらず自己評価が非常に低くなる可能性があります。
教師の方々も教えるやり方は「正しいやり方」ではなく「多数派のやり方」であること、そしてこの子の考え方も間違っているわけではなく、その理屈には合っているが、少数派であるために問題が生じていることを、いつも意識していただきたいと思います。
今回、講演をお願いするにあたって、新たに教員になった方や、小さいお子さんの保護者に向けた分かりやすいお話をお願いしておりました。
今回の先生のお話からは、自閉スペクトラムの理解はもちろん、保護者や支援者にとって大切な考え方そのものを教えていただけたのではないかと思います。
(事務局:N)
○ 先生の講演を聞いて、本人は知力を使ってすごく努力しながら毎日過ごしているんだということが分かりました。大人が「ちょっとくらい」と思う変化でも、本人にとっては晴天の霹靂で、ちょっとした変化だと思えない、この先どうなるか分からない不安をすごく抱えながらも、必死で折り合いをつけてくれているのだということが分かりました。
自分がどれくらい毎日しんどいのか、どれほど頑張って周囲と折り合いをつけているのか本人は言わないけれど、こちらが自閉症の特性を理解して、どれほどの頑張りが必要なのか想像力を働かして、本人の生活の困難さやすばらしさを理解することが、本当に自閉症を理解することなのだと思いました。
○ ASD、ADHDの特性やその関わりのなかで大切にすべきことなど、丁寧にお話しいただき、自分自身の日々の子どもたちや保護者、幼稚園保育園学校の先生方たちとの関わりを見直す機会になりました。
子育てをしている保護者が「選び取った人生だ」と思えるように、お話の内容を自分で消化して、保護者との協働関係を作っていきたいと思います。ありがとうございました。
○ ケースの例を挙げての説明いただけたことで、より具体的に考えることができました。あ〜そうかと腑に落ちることも多く、学びの多い1日になったと感じています。
いつも先生の講演に参加させていただくと、保護者の方にはこう説明すればいいのだと新たな視点や考えを与えられ非常に勉強になります。素敵なお話をありがとうございました。
○ 本日も大変すばらしい講演会をありがとうございました。今から15年ほど前に初めて吉田友子先生のお話を伺って、それまで周囲に反対されて迷ったり苦しかったりしていた子育てに、大きな指針をいただいた日のことを思い出します。それからの日々を思い、終始頷きながら、感謝の涙を拭いながらの3時間でした。
そして何年前になるでしょうか、鳥羽さんの息子さんの立派に働く姿を拝見して勇気づけられ、諦めそうだった就職を果たした息子も勤続6年目になり、仕事も余暇も満喫しています。大変感謝しております。
全国にそんな人たちが大勢居ることを知るのは本当に嬉しいことです。当地は理解がまだまだで苦しいこともありますが、胸を張って生きていこうと改めて思いました。
自閉症の人たちの素敵な人生のために、「その子らしさ」を生かす子育ての大切さをこれからもしっかり伝えていきたいと思います。吉田先生、鳥羽さん、育てる会の皆様、素晴らしい時間をありがとうございました!
令和6年度 現場の先生のための即実践講座
今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生にお願いして開催する、令和6年度の「現場の先生のための即実践講座」、いよいよ始まります。
毎年、全国各地で自閉スペクトラム症児・者への支援を行なわれている先生方による「実践」の講義、平成18年からですから、もう18年目です。もっとも「即実践講座」と名づけてからの年数で、それ以前にも河島淳子先生や奥田健次先生の連続講座も開催していましたが・・・懐かしいですね。
さて、今年の桑原先生の即実践講座、「今いる場所で、今日からできることを、一緒に考えていく」という方向ですから、また新しい切り口で、一年間しっかり学ばさせていただきたいと思っています。
後日配信もありますが、桑原先生も「質問に答えながら、双方向で学びを深めていく機会に」とおっしゃってくださいますので、できればリアルタイムで参加いただければありがたいです。
みなさん、よろしくお願いします。 間もなく始まりますよ!!
『 第1回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和6年5月10日(金) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「自己紹介にかえて 〜ここはうす20年の実践報告〜
〜子どもたちが力を持つためのチャレンジ報告
地域づくりをしたい! ラジオチャレンジ報告〜」
講 師:桑原 綾子 先生(NPO法人ライフサポートここはうす 所長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐
赤磐市の共催をいただいて開催する「発達障害支援 夜間連続講座」がまもなく始まります。
今年度は、よこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木康栄先生をお招きしての、年10回の夜間連続講座です。
佐々木先生は、TEACCHプログラム研究会の東北支部を立ち上げ、代表を兼任するなど、理論と実践、両方のお話がお聴きできると楽しみにしています。
特に赤磐で支援にたずさわっておられる方にとっては、資料代(年間7000円)だけで参加できるという、またとない機会ですので大勢のみなさんの参加をお待ちしています。
詳しい年間予定や申込方法は、育てる会のHPに掲載しておりますのでご覧ください。
『 第1回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐』
日 時:令和6年5月15日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「そもそも支援ってなんだろう?」
講 師:佐々木 康栄 先生(よこはま発達クリニック・相談室)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、赤磐市在住・在勤者 7000円
(全10回分・各資料代含む)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
令和6年度 育てる会総会 の お知らせ
令和6年度の育てる会総会のご案内です。
【総会】 日 時:令和6年5月23日(木) 11:00〜12:00
場 所:オンライン開催(赤磐市上市355−2 育てる会 事務局)
正会員の方で、まだ出欠連絡票や欠席での委任状を出されていない方、LINE、メール、FAXどれでもいいので、5月20日をめどに必ず返信をお願いします。
第3回 春のフリーマーケット の 報告
4月13日(土)、赤磐市和田にあります “育てる会のおひさまハウス中庭”にて、第3回フリーマーケットを開催しました!
当日は晴天に恵まれ、とても良い気候で行うことができました!
今年度は、金魚すくい(玩具)やポテトやフランクフルトなどの飲食物のお店も出店して、賑やかなお祭りのような会となりました。
利用者さんや、会員の方、地元の人たち総勢100名ほどの方がご来場くださり、大盛況でした。
来場者には、チラシやパンフレットを配布したり、会員事業紹介パネルを設置したりして、育てる会の活動内容や目的を紹介、啓発も行いました。
↑ (みんな立派な店主です!)
お待ちかねのビンゴ大会では、みんな真剣な表情で、読み上げる番号を待っていました。
BINGOになると、「BINGO!!」と、元気に叫ぶお子さんもいました。
そして、育てる会の行事では恒例になりました「お菓子投げ」では、IPUの学生ボランティアさんが上手に取り仕切ってくれて、前に前に来るお子さんたちを、「いったん2歩下がろう」と、声かけをして、再スタートする場面も見られました。
大人も子供もひしめき合いながらも、怪我なく、無事にお菓子をGETして帰られました。
IPUの学生ボランティアさんには、ストラックアウトと輪投げのブースも担当してもらいました。
子どもたちに大人気のブースでした。終わった後には「貴重な体験をさせていただきました!」と言っていただき、学生ボランティアさんには改めて本当に感謝です!
来場者の皆さんに楽しんでいただけて、運営側も笑顔で終えることができました。
地元の人や利用者、会員の皆さんと交流する中で、育てる会についてもっと深く知ってもらえるといいなと思います。今後も、より多くの方々に育てる会の活動を知っていただくために、様々な取り組みを行っていく予定です。
今回参加できなかった方も、また機会がありましたら、育てる会のイベントにご参加いただけたらと思います。
世界自閉症啓発デー 街頭キャンペーンの報告
毎年、4月2日は国連の定めた「世界自閉症啓発デー」です。
今年も赤磐市のマックスバリュー桜が丘店に協力をいただいて4月2日(火)の朝から啓発チラシの配布を行ないました。
事務局のスタッフと、会員の方や子どもたち、赤磐市の職員の方に加えて、今年は平日だったので、春休みで託児中だったぐんぐんスタッフのお子さんたちも参加してくれて、賑やかなチラシ配りとなりました。
朝から買い物にたくさんのお客様が次々と来られ、みんな頑張って声かけをしてくれたので、用意した啓発グッズやチラシもすぐになくなってしまいました。
会に興味を持って下さる方や、「頑張ってね」と、声をかけていただく方もおられ、自閉症理解のための一助になったと思います。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
(スタッフ:K)
AAO活動 令和5年度報告と参加者募集のお知らせ
AAO活動とは、親が企画した内容に沿って、子ども1人に対してボランティアさん2人と街の中へ出掛け、いろいろなことを体験する活動です。
活動内容は親が企画するので、映画・カラオケ・ボウリング・公園・電車・レストラン・お買いものなど、子どもの喜びそうな楽しい計画を無理のない範囲で立てることができます。
どのように計画を立てればよいか悩まれたときは相談にのりますので、少しでも興味を持たれた方はご連絡ください。
令和和5年度活動報告
参加人数 3名
活動回数 3〜4回
活動内容 温泉・カラオケ・映画・買い物・食事・ボウリング等
感想・要望
保護者
・優しいボランティアさんで良かった
・ボランティアさんと出掛けられることを楽しみにしていた
・同年代の人と一緒に活動することが少ないので良い体験になった
・慣れてくると好きなようにアレンジしようとしていたので、対処法をボランティアさんと話し合う時間を作ればよかった
ボランティアさん
・近い距離で関わりを持てて楽しかった。
・回数を重ねるごとに成長が見られて良かった
・初めは意思疎通が難しく戸惑うこともあったが、気持ちが少しずつ分かるようになって嬉しかった
・ボランティアとしてどこまで支援すれば良いのかを考えながら活動した
・相手の心を理解しようとする姿勢が大切だと思った
活動報告や、チラシを見て 「チャレンジさせてみようかな」と思われた方は、5月31日(金)までに育てる会事務局へお申し込みください。(Tel.086-955-6758又はLINE) (正会員限定)
お申し込みくださった方には、担当者から個別に活動についての詳しい説明を行っています。
説明を聞いてから参加するかどうか決めたい場合も、ご連絡ください。
みなさまの参加をお待ちしております。
AAO活動についての詳しい内容は同封のチラシをご覧ください。
OHAの会 開催決定!!
先月号でお知らせした令和6年度の「OHAの会」、 多数の参加希望の方が応募してくださって、本年度の開催が決定しました!!
OHAの会は、正会員対象の知的障害のないタイプのASD(自閉スペクトラム症)の子を育てる親のための会です。5月末まで、追加申込を受け付けていますので、興味のある方はお問合せください。
詳しい日程や申込方法などは、同封のチラシをご覧ください。
【 令和6年度 第1回 OHAの会 】
日 時:令和6年7月21日(日) 10:00〜12:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
講 師:利守 愛子 先生(臨床心理士)
参加費:5000円(全5回分)(正会員限定)
癒しのマッサージ 座談会 ご案内
毎回好評の「癒しのマッサージと座談会」の次の日程が決まりました。
ご希望の方は、赤磐市内のご自宅サロンMOFを運営されている松嶋さんのワンコインマッサージを受けながら、みんなで美味しいケーキとお茶をいただき、楽しくおしゃべりする会です。
どうぞ、気軽にご参加ください。
『 第4回 癒しのマッサージと座談会 』
日 時:令和6年5月31日(金) 10:00〜12:30
場 所:育てる会 事務局 1F 大広間 (赤磐市上市355-2)
参加費:300円(お菓子・コーヒー付き)
マッサージ希望の方は+500円
申込み:事務局(Tel.086-955-6758、E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp)(正会員限定)
水泳教室のお知らせ
日 時:令和6年5月19日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は5月16日(木)までに事務局に連絡してください。
☆新年度からの水泳教室の新規会員の方、大募集中です!!(正会員限定)
詳しくは同封のチラシをご覧ください。
(担当:I & S)
サッカー&ドッジ スポーツクラブ参加者募集のお知らせ
令和6年度のサッカー&ドッジ スポーツクラブがいよいよ始まります。
今年も岡山大学の学生ボランティアさんと一緒に、広い体育館の中を思いっきり走りまわりましょう!!
詳しくは正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください。
『 令和6年度 第1回 サッカー&ドッジ スポーツクラブ 』
日 時:令和6年6月1日(土) 10:00〜12:00
場 所:岡山大学 体育館
参加費:1500円(年間 全5回予定)(正会員限定)
【 以下:予定】
第2回 7月6日(土)、第3回 9月14日(土)、第4回 11月23日(土)、第5回 1月25日(土)
(会場の都合で、日程が変更になる場合もあります)
さをり織り教室 参加者募集のお知らせ
みなさん、さをり織りに興味はありませんか?
慣れれば、子ども達でも楽しく織れるさをり織りです。
現在は、保護者のお母さん達同士で教えあいながらワイワイとおしゃべりを兼ねて楽しんでいます。
まだ、育てる会所有のさをり織り機に少し余裕がありますので、新しい仲間を募集中です。
詳しくは正会員の方に同封のチラシをご覧ください。 体験も大歓迎です。
【次回のさをり織り教室】
日 時:令和6年5月17日(金) 10:00〜12:00 (月1回:曜日は参加者で相談)
場 所:おひさまハウス和室(赤磐市和田194-1:赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズのある建物)
参加費:100円(+織った布の糸代)
問合せ:086-955-6758(事務局)かLINEで(正会員限定)
お母さんコラム
中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
4月ですね。わが子たちも無事進級し、新しいクラスの担任の先生やクラスメイトと関係を作っているところです。
進級に当たって、娘の学校では始業式の少し前に担任の先生たちとの顔合わせ&引継ぎを行いました。
「始業式まで担任の先生は秘密!」なので、娘には新しい担任の先生が誰か内緒です(これって私が子どもの頃からずっと変わらない。学校あるあるというか、伝統なんでしょうか?)。
娘の得意なこと・苦手なことなどを具体的に確認していきながら、席配置や授業の進め方なども、サポートシートを一緒に見ながら「ここはできるようになったね」「これは2年生になっても変わらずサポートがいるよね」と色々お話させていただきました。
そのおかげで、本人はスムーズな小2生活をスタートさせた…のですが。
始業式から3日ほどして「下敷き事件」を起こしました。
卒業するお兄ちゃんお姉ちゃんや、転任される先生たちから「色紙にメッセージ」を頼まれたり「サイン帳にサインを書いて」と言われたりすることの多かった3月。
4月に新しい下敷きを買ってやったところ「四角い綺麗なもの=色紙」とピコンとひらめいたようで、「サイン書いて!」と先生やクラスメイトに頼んでいたようです。
学童で宿題をしてくるため、家庭では本読みしかチェックをしないこと・時間割なども自分で確認できるようになったことで、下敷きの異変に気付くのが遅れてしまいました。
「面白い!」と皆乗り気で書いてくれたようでしたが・・・。
担任の先生から「お母さん、お家で話を聞いてみてください」と連絡帳にお手紙が。
娘に話を聞くと、何がいけないのか全く分からないようでキョトン顔。
「学校には、勉強に集中できないものは持って行かない約束であること」
「下敷きに色々な子から素敵なサインをもらっていること」
「学校で授業中に下敷きがチラッと見えた時、このサインのことを全く考えずにいられるタイプかどうか」を一つ一つ確認していくとサッと顔を青ざめて「私、それ無理なタイプ!」と慌てます。
どうするかを聞くとさめざめ泣きながら「もう、この下敷きは使えない」「捨てるしかない」とホロホロ。
再度本人に話をして、休み時間に自由帳に書いたりする時には使ってもよいこと・自由帳にサインを集めることはOKであることなどを伝えると「そうする」と言い、何とか泣き止むことができました。
娘の考えること・思いつくことの面白さに感心しながら、こういう一つ一つの小さな失敗からも色々な学びがあるものよなぁ、としみじみ。
一方で、担任の先生からの「お母さん、お家で話を聞いてみてください」と連絡帳にお手紙だけでは、指導が必要なので家でも指導してください!の意味なのか、面白いことしていますので見てあげて!という意味なのか、意図の取れない母である自分に「情けない!」とも思ったのでした(今回は、特に学校で叱られたりしていたわけではなかったのでより分からず・・・・。
前者の「指導してあげて」、の意味だったので良かったです^^;)。
(cyacya)
お母さんコラム
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今回は「社交的な会話」が苦手という話。
コロナ禍が少し落ち着いてきて、食事会や集まりなども増えてきました。
ここ数年こういう「付き合い」がなかったので、私としては楽に生きてこさせてもらっていたのですが、最近少しずつ参加する場面が増えてきました。
そうすると、必要となるのが「社交的な会話」です。私、本当にこれ苦手です。
たとえば、8人ぐらいで食事をしている時、別に「この3人で話をしましょう」「次はこの4人でこのテーマで」とは決まっていません。
なんとなく近くにいるAさんとBさんが話をしているのをフムフムと頷きながら「あるよねー」なんて聞いていると、「○さんは、どうですか?」「そういう時って○さんどうしていますか?」と話の流れがこちらに突然やってくることがあります。
「え」「振ってこられても面白いネタないですけど」「なんで急に話がこっちにきたんだろ?」という戸惑いがあります。
別に関西人ではないので、面白い返しはできなくていいんですが、こっちを数名がじっと返事をするのを待っている感じで見られると、「げげっ」と思いながらそつなく返そうとしてしまう。そこから別に話が盛り上がる訳でもなく、それなりの返ししかできない自分の面白みのなさに、少しがっかりもするんです。
前回の会報に「擬態する」話を書いたのですが、短い時間であれば疲れはするものの何とかやり過ごせるのですが、食事会などでずーっとその擬態を続けようとすると相当疲れる。
では、食事会が嫌いか・人の話を聞くのが嫌いかと言われると、そうではない。
むしろ人と会うのは好きですし、そういう場でのんびり話を聞くのは面白いし好きなんです。
先日友達とこの話をしていて「あなたは、聞いてほしくてリアクションしてないもんね。リアクションでかいから誤解されるけど」と言われました。それだ!と膝を打ちました。
私はテレビを見ていてもラジオを聞いていても、Zoomで講演会を聞いていても、一人でリアクションするタイプの人間です。
その延長線上で、人が話をしている際中にも、そばで聞いている時「うんうん」頷いたり「なるほどなあ」と呟いたりしていますが、どちらかというと独り言の域を脱していない。
どこか画面ごしというか、まさかこちらに話しかけてなんてこないと思っているんですが、相手からするとリアクションがある = 参加したいのだと思われてしまう。
仲間うちは、私のそういう独特さを知っていて「会話に入りたくなったら自分から入ってこれる子だ」という認識で、あえて話を振ったり聞いたりせずにいてくれています(ありがたいことです)。
学校のPTAなどで、天気のこと・クラスのこと・授業のことなどを近くにいるお母さんと話を色々することもあります。
他の方からすると「社交的な会話」なんだろうけど、私にとっては「聞きたいこと・話したいこと」だから「情報請求・情報提供」的な会話だったりするんです(笑)。
「聞いているだけで楽しめるタイプなので、話したくなったら勝手に入るから放っておいてください」は、あまりにも傲慢なようにも思います。
どうすればいいのか。興味を持つ・積極的に参加する・一緒に活動するなど色々方法はあるのでしょう。
これからもオロオロあわあわしながら、頑張るんだろうなと思います。
生活することって、本当に難しい!(笑)
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
今月の「ぐんぐん便り」は、「ぐんぐんキッズ」です。
ぐんぐんキッズ (放課後等デイサービス)
新年度が始まりましたね。入学! 進級! の忙しさから少しずつ落ち着いてきた頃でしょうか。
ぐんぐんキッズも他事業所から移動して来た職員もおり、新体制でのスタート。
今回原稿を担当している私は昨年度まで赤磐ぐんぐんで勤務していた職員です。
ピカピカの新一年生と一緒にドキドキしながらぐんぐんキッズに来ました。
赤磐ぐんぐんでは保護者同室での療育だったため、「子ども達だけでどうやって過ごしているんだろう」「お母さんが一緒に居なくて子どもは不安にならないのかな」と保護者が側に居ない環境に変わる不安を感じていました。
新一年生もきっと見通しやイメージが持てないことへの不安を感じているだろう、と予想して出迎えると
「ここ(ぐんぐんキッズ)はお母さん帰るんだよね」
「ぐんぐんで使ってたやつある!」
「ここはなにする部屋なの?」
と、どの子も初めて見るキッズの部屋をキラキラした目で見て、これからの活動に期待を膨らませています。
不安気にお母さんの姿を探す子はいませんでした。
落ち着いている理由を聞くと、事前にお母さん方が子ども達にも分かるように、保護者同室ではない事を説明をしてくださっており、子ども達は心の準備がしっかりできていたからでした。
どの子も「お母さんが教えてくれた。」「もう知っとるよ。」と自信満々に教えてくれました。
みんな頼もしい!
見通しがある! 知ってる! 分かる!
事前に教えてもらっていることが安心に繋がる経験をしっかりと積んで、新しい環境にも適応している子ども達の姿を見て、初週からじんわりと心が温かくなり感動しておりました。
・・・そして、保護者と離れることを体験した子どもたちでしたが・・・、
なんとなんと、その直後、この4月からは放課後等デイサービスでも「家族が支援場面等を通じて、子どもの特性や、特性を踏まえた子どもへの関わり方を学べるように」と国の方針が変わったことが伝えられ、ぐんぐんキッズでも「保護者同室」へと療育の方法も変わりました。
変化に変化が重なっております。
「お母さんと一緒! やったー!」と喜ぶ子も居れば、「なんで?」と疑問を抱いている子も居ます。
子ども達だけでなく保護者の方々も戸惑いがあったこととは思いますが、職員間でもベストな療育方法を探っている所です。
どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
そして、2年生と3年生の子達は、
「先生! 初めましてこんにちは!」と元気に挨拶をしてくれる子
「ここに玩具があってね」と物の場所を教えてくれる子
「先生初めてだから、一回練習しよう」とゲームの前に説明をしてくれる子
などしっかりした優しい子ばかり。
赤磐ぐんぐん時代に遊んだことのある子は、「〇〇先生! 覚えとるよ! 久しぶり」と名前と顔を覚えてくれていました。
先生もまたみんなと遊べるのが楽しみです!
小学校に入学してからの数年で、こんなにも大きく優しく頼もしく成長しているみんなの姿を見られて嬉しい気持ちでいっぱいの4月になりました。
今後ともよろしくお願い致します。
(ぐんぐんキッズ 療育スタッフ:S)
寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。
【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R6.3.26〜R6.4.25)
○ K.M 様(岡山市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。