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令和 6年 5月31日

 

 第313号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 313号 目次

     雨の京都です

     令和6年度 即実践講座、夜間連続講座 の お知らせ

     育てる会総会、支援ツール勉強会、キッズルーム、絵カードワークショップ の 報告とお知らせ

      スポーツクラブ、きょうだい児座談会、ピザづくり座談会、水泳教室、わいわいHoliday の お知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「知的障害と発達障害の子どもたち」

      ぐんぐんだより
         「赤磐ぐんぐん」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

日に日に緑が増す五月の京都。
びっしり茂ったしだの葉と青紅葉が、雨の清水寺の境内に映えています。
若葉を求めて京都の散策をした私です。ホテルを早朝に出て、清水寺へと向かいました。午前7時台の清水の舞台は、静かで
人影もちらほらとしか見えません。清水の舞台を独り占めの私でした。
「目に青葉、山ホトトギス初鰹」とは誰の句でしょう? 確か、江戸時代の俳人だったような・・・ま、誰でもいいや、山にホトトギスが鳴いていて、青葉がきっと美しい季節に詠んだ句なのでしょうね。
最近は鰹のたたきを食べても、初鰹なのか、冷凍なのかわかりませんが、目に青葉だけは、季節通りにしか味わえません。
京都東山の裾野にある清水寺で、しばし時を忘れた時間を過ごしました。
産寧坂、二年坂にも人が少なく、高台寺でもゆっくり見学を、と思いましたが、9時からの受付でしばらく門前で時間をつぶしながら、鳥の声や、雨音を聞きながら、静かに過ごす時間となりました。
一人旅は、時間を自分で調整できることと、静かにゆっくり好きなところでたたずむもよし、座り込むもよしです。気が向いたら、どしどし歩き、疲れたらバスに乗るもよしです。
京都は、広いようで狭い町です。タクシーに乗ればすぐにそこまで連れて行ってくれます。
私は「てくてく京都」なんて本を買って、歩いてテクテクをこころざしたのですが、方向音痴なのに加えて、地図の見方がよくわかっていなくて(そういえば昔から地図を見るのは苦手でした)、道を間違え、間違え、右往左往しながら、一日2万歩以上も歩いて、疲れ切ってホテルへ帰るという毎日でした。
なんと4泊5日の旅をしたのですよ。
特によかったのは、誰もいない早朝の清水さん、河井寛次郎記念館、法然院、銀閣寺もよかった・・・。
こんな風に京都へのんびりと旅をさせてもらえることを幸せに思います。
夫が何でも許してくれること、育てる会の方も私がいなくてもまわること、そして何より哲平が育ってくれて特に世話がいらないこと・・、ああ〜ありがたや、ありがたや・・・というわけで、京都へ出かけていきました。
お寺巡り以外にも、京都旅行の目的の一つは、門塾の開講記念講演会で、本田秀夫先生のお話を聴くことと、門先生と本田先生の対談を聞くことでした。
そして、機会を見て本田先生に即実践講座の講義をお願いしようという魂胆で出かけて行きました。
   (京都にて:本田先生、門先生 と)
門先生に本田先生を紹介していただいて、お願いしてみました。
詳しい依頼は、講演担当の受付の方へとのことでしたので、そちらに連絡したところ、先生はお忙しいので年間3回までならとのお返事でした。                  
もう少し頑張って交渉を続けたいと考えております。
是非とも実現したい即実践講座の本田先生の年10回の講義です。
京都旅行のもう一つの目的は、短大時代の友人の見舞いに行くことでした。
彼女が脳梗塞で倒れて10年、何度目かの入院です。今は、栂尾にほど近い病院に入院して闘病中です。
奈良や隠岐の島、北海道へ2度も一緒に旅した友人でした。京都へ行けばいつも泊めてもらいました。町家を改装した不思議な面白いお家でしたっけ・・・。
手を握って話しかけても、口や舌が動くのに、声が出ません。
そんな彼女に何を話していいかわからず、ただただ手を握りながら、北海道での面白かったこと、神威岬で夕陽が沈むのを待ってからの帰り道のトンネルの怖かった話など、思い出が、次々蘇り、面会時間の間中、私は一人で話し続けておりました。
少しでもよくなることを願いながら、学生時代一番の友と対面してきました。活動的で活発な無二の友です。
元気になって、旅の話を共にしたいと願っています。

5月の始まりと共に、様々な行事も始まりました。
まずは、5月10日に始まった桑原綾子先生の即実践講座。
ざっくばらんでパンチのある先生のお話が楽しくて、あっという間に2時間が過ぎていました。
支援者としての目標は、目指すは堂々とした社会デビューといわれました。「あの子たちはこんな工夫があればやれます」と地域の方たちに、そして彼ら自身にも、こころに染みこむように伝えて行くことを丁寧に取り組んでいくことの大切さをお話しくださいました。元気をチャージしてもらったような第一回目の講義でした。
そして、次の週の15日には、佐々木康栄先生の夜間講座がありました。
自己紹介の中で、先生が初めてグループホームの支援員として働かれていたことを聞きました。
「一緒に暮すからこそ、解ることがある」とそう言われました。最初に心をつかまれた言葉でした。この先生いいって思いました。
先生のお話の中で、私がメモして心に刻んだ言葉は、以下の通りです。
・型にはめようとすることが自閉症支援だといっている人がいる。 怖いから従っているのではないか?
・スケジュールは自閉症の人を従わせるためではない。 見通しや安全のためのもの、変更やそれがわかるためのもの。
・原因不明は原因が見つけられていないこと、そのままではいけない。 本人がどう感じているのか・・を考える。 行動を変えようではなく、どうしてそうなっているかを考える。
・支援になっている? 支配になっていないか?
・配慮が、排除になっていないか?
・障害を見るのでなく、その人を見よ。 その人をサポートする。
柔らかな包み込むような声でゆっくりお話しくださいました。
佐々木先生の柔らかな声と、桑原先生の明るく勢いのある声のどちらにも支援者として、保護者としてたくさんの学びと元気をいただきました。
今までは夜間講座は支援者のみの講座にしておりましたが、今年度から、正会員のみ後日配信ではありますが、視聴していただけることとなりました。皆さんふるってご参加ください。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、正会員になるには以下の条件がございます。
    ・原則、岡山県在住で、(こちらは必須)自閉スペクトラム症のお子さんをお持ちの方
    ・入会金 3000円、年会費 14400円(月1200円)で、会の活動に賛同していただける方

さて、5月23日、事務局大広間にて、総会を行いました。
今年は、新入会員の方の参加もありZOOMでも参加できるような形で行いました。
すべての報告が満場一致で承認されたことをここにご報告いたします。
以下は総会での私の所信表明です。
自閉症児を育てる会は、平成9年9月1日設立の会ですから、現在27年9カ月になります。
もう少しで満28年となる会です。
最初は5人のお母さんたちで始めた会でしたが、現在、正会員数120人、賛助会員が280人という大きな会となりました。
保護者と子どもたちの為ということを最優先に、「ないものは作っていこう」と活動をしてまいりました。
昨年度の大きな変化は、新しい事業所の開設でした。
「赤磐ぐんぐん」と「ぐんぐんキッズ」、「ぐんぐんぴっぴ」というように療育の場を作ってまいりました。最近の自閉症診断される方の多くは高機能の方が多くて、昔ながらの知的障害を伴う自閉症のお子さんが、少なくなっているようです。
そのため、ぐんぐんやぴっぴで高機能のお子さんと一緒の療育では、うまくいかない方がいるようにように感じておりました。
言葉の遅れで自閉症に気づかれたようなお子さんの為の事業所がほとんどありませんでした。
「あかいわPECSサークル」というPECSのマニュアルを読んでいく会をスタッフや興味を待たれたお母さんたちと始めたのは、4年前のことでした。
その会でPECSについて勉強していると、コミュニケーションがとれなかった子が、自発的に親とのコミュニケーションを始めるようになれたり、言葉のなかった子が話し始めたりできたことが書いてありました。
子どもが小さかったころ、どう接すればよかったのか・・・、知識のなかった私たち世代の親は、我が子のパニックや、どうしてかわからないこだわりに戸惑うばかりでした。もっと早くこういった支援方法を知っていれば、我が子たちにもっと良い人生を提供できたのではないか・・・・そんなことを思いました。
そして「ないものを作っていけばいいじゃない」という私たちの会のありようを思いました。
これからでも遅くない、今戸惑っている若いお母さんのためにも、まさに今、作るべきではないのか・・・そう思いました。
そういう訳で、新しい事業所「ぐんぐんタッチ」が出来ました。
門眞一郎先生によると、どんな子でもひとしくPECSは有効だといわれますが、そうはいっても、まずは言葉のない自閉症の子専用の、そしてコミュニケーションが乏しい子のために、この事業所 「ぐんぐんタッチ」を作りました。
現在36家族の親子が、週に一回から二回通ってこられています。
言葉がなかったお子さんから発語がみられるようになった例が何例もあります。
今までコミュニケーションの手段を持たなかったお子さんが、親ごさんの方を見てカードを手渡しして要求を伝えられるようになったり、人を意識できるようになったり、また人を意識できることで模倣が出来るようになったりしています。
スタッフから話を聞くたびごとに、この事業所を作ったことが、よかったと思えるのです。
また、「ぐんぐんアシスト」という保育所等訪問事業を、香川大学を退職された武藏博文先生が来てくださったことで始めることが出来ました。
先生の柔らかい物腰で、やさしく具体的にお話しいただけることで、学校の先生や保育園の先生もお話を参考にされて、それぞれ現場での先生方の対応が、ぐんと変わってきていることを実感しています。保護者の方から、私の方にありがたいと何回も言われています。
毎年必要と思われる事業を加えたりしてきましたが、今年の新しい取り組みとしては、二つの即実践夜間講座を正会員の方には無料で公開することになったことです。
今までは、対象を支援者の方に限り、保護者は参加できなかったこれらの講座でしたが、せっかくのお話を子育てに活かしてほしいと、見逃し配信に限って、参加できるようにいたしました。
どうぞ、多くの方の参加をお待ちしています。
私たち育てる会は、自分の子どもの為だけではなく、これから自閉症の子を持つお母さん達の事をも考えている会です。
私たちができることは、自分が困った事を、同じ思いで次の世代が困らないように・・・できる手助けをすることです。
そして、これまでの27年と9カ月、順風満帆とまではいきませんが、常に困った時にはどこからか助けがありました。
みんなの想いさえあれば、どんなことも実現可能だということが、この年月で実証されたのを、私は知っています。
みなさん、どんなことでも、力を合わせて、想いを合わせて、実現していきましょう。
私たちの夢は、なんですか? みなさんの夢は? あなたの夢は?・・・  そうですね。
私の夢は、育てる会の子どもたちが、働いて、自立して暮らしていくこと。そして、いつか私たちが死んでしまっても、幸せで、いつまでもこの岡山で、多くの支援者に囲まれて、暮らして行ってくれること。
それを実現する為に、今私たちは、育てる会の様々な活動を行っています。
自閉症という障害があっても、大丈夫ちゃんと、暮らしていけるよ。ほら、育てる会の子どもたちを見てごらん。あんな風に育てていけばいいんだよ。
そんな風に思ってもらえるような、幸せな子どもたちに私たちの子どもをしていけばいいんです。
出来ることを、がむしゃらにやっていこうと思っています。
どうか、今年も頑張りますので、皆さんもご一緒に、全ては子どもたちの為です。どうぞ、よろしくお願いします。

さて、お楽しみ鳥羽哲平君の話題を一つしましょう。
5月12日、岡山県障害者スポーツ大会が陸上の部がシティライトスタジアムでありました。
36歳になった哲平は今年から壮年の部に出場です。といってもコロナのせいで、大会の出場資格が厳しくなったようで、決められた標準記録に満たない人は、参加できなくなったようでした。
そのため壮年の部では、哲平たった一人のエントリーです。
走る前から金メダルは確実でした(笑)
それでも一緒に走った少年の部や青年の部の年下のランナーを大きく引き離し、壮年の部の大会記録を大幅に塗り替えて、金メダルをゲットしました。
(金メダル、ゲットです)
走る息子はかっこよく、ほれぼれと見とれてしまう母と父でした。
私が京都旅行中も,父さんのご飯を作ったり、お掃除や洗濯をしっかりやってくれて、頼れる息子、哲平です。

さて、今年の春は、例年以上の異常気象で、30度近くの気温が連日続く猛暑となりました。
何を着ていいのやらと迷うような日もありました。一番いい季節の5月でしたのに、あせりました。
でもね、今の間にと連休明けから毛布や冬の寝具のお洗濯にいそしんだ我が家です。天気が良いのでよく乾き、悪いことはないのです。
さぁ〜、もうすぐやってくる梅雨に備えて、何をしましょうか
皆さん、それでは今日はここまで、次は6月末号でお会いいたしましょう。
(鳥羽 美千子)

令和6年度 現場の先生のための即実践講座

今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生による令和6年度の「現場の先生のための即実践講座」が始まりました。
第1回は、「自己紹介に変えて」ということで、桑原先生がここはうすで取り組んでこられたいろんなチャレンジについてお話いただきました。
「彼らの試行錯誤を応援する場でありたい」という目標の中で、「ここはうす」自体も試行錯誤を続けられてきた、その実践力、バイタリティーには教えられることが多かったです。
「目指すは堂々とした社会デビュー」という言葉、いいですね。これから1年間の講義が楽しみになるアッという間の2時間でした。
次が2回目です。途中参加の方には1回目の講義の視聴もご案内いたしますので、まだ申込をされていない方、一緒に1年間学んでいきましょう!

  『 第2回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐』

日 時:令和6年6月7日(金) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「合理的配慮とライフステージ @ 〜今足りてない支援について考える〜
            将来「社会的障壁の除去」を求めることができるようになるために?」
講 師:桑原 綾子 先生(NPO法人ライフサポートここはうす 所長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
     正会員(後日配信のみ) 無料
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第1回「自己紹介にかえて 〜ここはうす20年の実践報告〜子どもたちが力を持つためのチャレンジ報告」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。

○ ともに活動を作り、ともに楽しみながら生き生きと日々を過ごそうとしておられることがひしひしと伝わってくるお話でした。
私は成人期の方の支援に携わっています。以前は、いろいろあったけどけどもっと楽しんで仕事をしていたなあと考えさせられました。ほんとの意味で“貢献しあえる仲間”になりたいと考えること。その人たちの思いをもとに、いっしょに面白がって活動を作っていくこと。自分が立ち止まって振り返り、ちゃんと考えるだけで変えられることがあるのではないかと思わされました。この研修の中で、今をどう変えていくか一緒に考えながら進んでいきたいと思います。よろしくお願いします。
○ 楽しかったです。ワクワクして聞きました。本当に当たり前のことだけど、当たり前なんだけど、社会の中では本当に難しくて自閉症の方には、厳しいことがいっぱい。間違った合理的配慮ではなく、個々にあった本人の望む合理的配慮が必要、、、。でも自分から求めていける?そうかそれは、ほんとにSIBIRERU!!! 伝え方が分かれば、自閉症の本人が望むこと、自身のことを知ることができたら、当たり前にできる場がお話の中にはありました。素晴らしいです。
○ 自閉症をもっと多くの人に知ってもらうことの必要性を改めて感じました。ノースカロライナと日本の違いについてのお話しは、なるほどと思いました。知っている、ということが、どれほど大事なことか。
自閉症の名がつく講演会は、自閉症に興味があるかたは聞きにこられる。興味が無い人にももっともっと知ってもらうことがどれほど今必要なことなのか。ネットなどでいろんな情報が簡単に手に入るようになった世の中だからこそ、自閉症を知る場があり、そこで知ったことについて、みんなで語り合ってみる場がもっとあるといいのではないかと思いました。
○ ともに活動を作り、ともに楽しみながら生き生きと日々を過ごそうとしておられることがひしひしと伝わってくるお話でした。
私は成人期の方の支援に携わっています。以前は、いろいろあったけどけどもっと楽しんで仕事をしていたなあと考えさせられました。ほんとの意味で“貢献しあえる仲間”になりたいと考えること。その人たちの思いをもとに、いっしょに面白がって活動を作っていくこと。自分が立ち止まって振り返り、ちゃんと考えるだけで変えられることがあるのではないかと思わされました。この研修の中で、今をどう変えていくか一緒に考えながら進んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。

令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐

赤磐市の共催をいただいて開催する「発達障害支援 夜間連続講座」、今年度はよこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木 康栄先生をお招きして始まりました。
第1回は「そもそも支援ってなんだろう?」というテーマで、私たちが行なっている(行なっていると思っている)支援について、改めて振り返る機会を与えていただきました。
「その支援は、本当に本人が望んでいますか」、「何を目指すのか、大事にしたい理念はありますか」、「「親」は勉強して当たり前と思っていませんか」、なにより「ご本人のことを知ろうとしていますか」・・・・日々の支援の中で、ともすれば、問題行動をカテゴライズして、これまでの経験から解決策を導いて、それでよし、としてしまうこともあるのではないでしょうか。
レジメにあった 『ゴールは “それぞれのwell-being”』 忘れないようにして、1年間学んでいきたいと思っています。
赤磐市との共催事業ですので、赤磐市在住・在勤の方は、資料代7000円だけで受講できます。
途中参加の方には、第1回からの講義の視聴もできますし、欠席の場合は見逃し配信も用意いたしますので、一人でも多くの支援者の方の参加をお待ちしています。

  『 第2回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐』

日 時:令和6年6月19日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「発達障害という脳のタイプ」
講 師:佐々木 康栄 先生(よこはま発達クリニック・相談室)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、赤磐市在住・在勤者 7000円(全10回分・各資料代含む)
     正会員(後日配信のみ) 無料
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
第1回講座「そもそも支援ってなんだろう?」の参加者の方から寄せられた感想の一部です。

○ とても参考になりました。今でも時々、当事者に対して型にはめてしますような支援をしてしまう事があります。自閉症の勉強をすればするほど、自閉症とはこういうものという枠ができてしまい、その当事者の人を見るという事が薄れてしまった時期もあったなと感じました。とても参考になりましたし、普段、職場にいない心理士さんらしい意見が聞けてとても参考になりました。
○ 佐々木先生のvoicy (※) を毎日拝聴させていただいています。じっくりと連続講座でお話を伺える機会があると知り、とてもうれしく思っています。
今日の講義の中では支援とは何かという根本的な問いに対して考えることができました。ご本人や親御さんに対して、丁寧な対応ができているか、支援という意識の下でご本人や親御さんを苦しめていないか、いつも心にとめて仕事に取り組みたいと感じました。

(※「発達の多様性を聴くラジオ-悪くない暮らしをめざして」 https://voicy.jp/channel/4144 )
○ 本日は、受講させていただきありがとうございました。
「支援」ということを改めて考える良い機会となりました。この春に、保育現場からの転職で支援事業所に転職しましたが、先生のお話しされていたように、「支援」をするというより、いかに自分の話を聞いてもらえるかということばかりを考えていたことに
気づきました。知らない間に「支配」になってしまっていたのだと反省しました。親切が迷惑になるということも、頭でわかっていてもついやりすぎてしまうこともあります。ご本人がどう考えているかを「理解しているつもり」の怖さを痛感しました。
保育現場とは違い、わからないことも多い中で、目から鱗のようなお話で、明日からの支援に対する自分の姿勢を改めていきたいと思います。
○ 柔らかいお話の仕方でとても聞きやすく、拝聴致しました。
私もグループホーム、生活介護、就労の現場を経験して、佐々木先生の言われる「利用者を動かせる職員」「その職員がいれば利用者が落ち着いている」という人が良い職員で重宝されていて、そうなるべきだと思っていました。「一人でたくさんの利用者を見れる」「日課を滞りなく回せる」そのような方は経験のなせる技というのもありながら、振り返ると利用者支援が上手いというか高圧的な対応やパワーゲームをするような人が往々にしておられたかなと感じます。支援が上手いというより、怖がらせて落ち着いていたのだ。と言われると、なるほどそうだったのかと感じます。中には適切に信頼関係を気付いての落ち着きのある現場というものもあったと思いますが。

令和6年度 育てる会総会 の 報告

令和6年5月23日(木)、令和6年度の育てる会総会が開催されました。
審議の結果、全ての議案が提案通り承認されたことを報告いたします。
正会員の方には総会資料を同封していますので、ご確認ください。
本年度もよろしくお願いします。

第1回 支援ツール勉強会 の お知らせ

「18歳の春を目指すクラブ」で以前から取り組んでいる支援ツールの作成です。
令和6年度も武藏博文先生にお願いして、年7回の予定で開催できることになりました。
近年、市販のグッズも増えてきましたが、我が子にピッタリのツールは、やはりお母さんの手作り支援グッズではないでしょうか。
みんなで作ってみることで、ハードルも下がりますし、新しいアイデアもわいてきます。
なにより対面での勉強会ですので、交流や親睦も合わせて期待できますね。
今後の詳しい日程、テーマや申込方法は同封のチラシをご覧ください。
正会員の方は無料ですよ!!

  『令和6年度 第1回 支援ツール勉強会』

日 時:令和6年7月4日(木) 10:00〜12:00
場 所:事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
テーマ:「支援ツールを使おう・チャレンジ日記」
講 師:武藏 博文 先生(ぐんぐんアシスト相談員:前 香川大学教育学部 教授)
参加費:正会員 無料、 ぐんぐんグループ療育利用者・賛助会員 年間 3000円

第2回 キッズルームの報告とご案内

4月29日(月祝)に岡大の体育館で、今年度第1回目のキッズルームを開催いたしました。
今回は、2歳〜就学までのお子さんが、9名・小学生11名・中学生と青年が2名の計22名の方が参加してくれました!! 
20名を超える岡大児童文化部のボランティアさんも参加してくれて、大賑わいでした。
毎回楽しみに来てくれている子や今回初めて来られた子もおられましたが、それぞれに、楽しんでくれました。
参加されたお母さんからは、「大学生が遊んでくれるのをゆっくりと見られて、こういう時間がとても嬉しいです」と感想をいただきました。ご参加、ありがとうございました。

次回は、今年2回目のキッズルームです!
トライアルでは、体育館いっぱいに大型遊具を用意していますので、ボランティアのお兄さんやお姉さん達と一緒に走り回ってください。遠慮はいりませんよ。
リトミックやスカイバルーン、もちろん育てる会恒例のお菓子投げもあります。
育てる会でも人気の行事です。まだ参加したことのない方、ぜひ一度遊びに来てくださいね。
キッズルームの様子の動画や、申し込みは同封のチラシのQRコードからどうぞ。

  『令和6年度 第2回 キッズルーム』

日 時:令和6年6月29日(土) 13:00〜15:00
場 所:岡山大学 体育館
持ち物:うわぐつ、飲み物
参加費:一人 500円(きょうだい児の参加もOK)(正会員限定)
申込:086-955-6758かチラシのQRコードより  申込締切:6月21日(金)

絵カード作成 ワークショップ 開催します

子どもたちの視覚的支援に欠かせない絵カードです。
昔は、「私は絵を描くのは苦手だから・・・」と尻込みしていたお母さんたちもいらっしゃいましたが、今ではパソコンやスマホを使えば、だれでも簡単に、しかもきれいに作れるようになりました。
・・・とは言っても、最初はやはり作り方を教えてほしいですね。
そこで、育てる会でワークショップを開催することにいたしました。
我が子の好きな物、興味のある物を、一番良く知っているのはお母さんだと思いますので、この機会に、ぜひ作り方を覚えて、お子さんにぴったりの絵カードを作ってあげてください。

  『 絵カード作成 ワークショップ 』

日 時:令和6年6月17日(月) 10:30〜12:00
場 所:ぐんぐんタッチ(赤磐市上市355-2:赤磐市役所 近く)
対 象:育てる会正会員、ぐんぐんグループ療育利用者、あかいわPECSサークル会員
参加費:100円(材料費)
申込み:同封のチラシ QRコード

サッカー&ドッジ スポーツクラブのご案内

第1回目を6月1日(土)10:00〜12:00に開催します。
現在16名の参加申し込み
第2回目は、7月6日(土)に開催予定です
  第2回目からの参加も可能ですので、興味がある方は事務局までお問い合わせください。
場所:岡山大学 体育館  
参加費:年間1500円(保険代含む)
ボールあそびから はじめよう!
1回 体験できます。(正会員限定)

育てる会 テーマ別座談会 開催のお知らせ

今年度は、「料理座談会」「マッサージ座談会」に加えて「テーマ別座談会」を開催します。
その第一回目は「きょうだい児について思うこと」です。
ASD診断のあるお子さんの子育ての話は色々な講演会や勉強会で学ぶ機会も多いですが、ASDのきょうだいがいる場合、「きょうだい児の子育て」の話は、なかなか聞く機会も話す機会もありませんよね。
8月10日(土)には、育てる会では小田桐早苗先生(川崎医療福祉大学)&松田紗代さん(ASDの弟がいるお姉ちゃん)による「きょうだいからみた 自閉症と家族」のセミナー開催を予定しています。

            http://sodaterukai.org/policy1.html

セミナーに向けて、この座談会でも色々なお話ができたらと思います。
「診断のある子と兄弟とを育てる時、どんなことに気をつけたらいいの?」
「お兄ちゃんも診断はないけれど特性はありそう…」
「兄弟ってどんなことで悩むの?」 などなど、率直なお悩み・素朴な疑問を、皆でざっくばらんに話せたらと思います。
当日は講演会講師の松田紗代さんも「お姉ちゃん」という立場で参加してくださいます。
きょうだい児がいない方も歓迎です。
参加費や申込方法など、詳しいことは来月号でご案内の予定ですが、興味のある方はスケジュール帳に書いておいてくださいね。

  『 きょうだい児について思うこと 座談会 』

日 時:令和6年7月18日(木) 10:00〜12:00
場 所:事務局 大広間(赤磐市上市355-2)(正会員限定)

あきよさんのピザづくり&座談会 の お知らせ

おいしい物が食べれて、おしゃべりできて、しかも料理まで覚えられる・・・と、大好評の料理教室&座談会です。
今回は、自宅のパン工房で、日夜おいしいパンやピザの研究(?)に余念の無い「あきよさん」によるピザづくりと座談会です。
おいしい物を食べていると、気持ちまで明るくなってきますね。悩みやグチも、みんなで話していると、何分の一かになっていくように思えます。みんなが元気になれる座談会です。
初めての方も大歓迎です。気軽に申し込んでください。

  『 あきよさんのピザ座談会 』

日 時:令和6年6月20日(木) 10:00〜12:00
場 所:おひさまハウス 食堂(赤磐市和田194-1:「赤磐ぐんぐん」・「ぐんぐんキッズ」のある建物)
参加費:500円(材料費+飲み物代)(正会員限定)
申込み:同封のチラシ QRコード

水泳教室のお知らせ

日 時:令和6年6月16日(日)15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は6月13日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

青年部 わいわいHoliday 開催案内と参加者募集

今月号のお薦め本コーナーでトチタロさんも書かれていましたが、かなり以前に診断を受けたカナータイプと呼ばれる、知的障害を伴う“古典的自閉症(?)”の青年たちの会です。
青年になった今でも、支援は必要なんですが、そんな彼らも休日には大いに余暇を楽しんでほしいと、親たちでいろいろ企画している「わいわいHoliday」です。
今回は、カラオケを企画してみました。グループホームの食堂でも、毎月のようにカラオケ大会を開いているぐらい、みんな自分の好きな歌があり、カラオケも大好きなようですね。
詳しくは同封のチラシで。

  『 わいわいHoliday カラオケ大会 』

日 時:令和6年6月30日(日) 11:00〜
場 所:カラオケ パンプキン 山陽店(赤磐市下市130-1)
参加費:800円(フリータイム) 軽食などは実費 (正会員限定)
申込み:興味のある方は、LINEで問合せください。現在6家族参加中です。

お母さんコラム

中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日娘の小学校では運動会が行われました。
娘は、ASDの人には珍しく(?)「いつもと違うイレギュラーなことも楽しめる」タイプです。
本人曰く「特に体育は楽しいから好き」と運動音痴な母にはない視点で楽しんでいます(羨ましい)。
そんな娘は本番まで何度かあったリレーに、いつだって本気で取り組んでいたようで、「今日は勝ったよ」「今日は残念負けました!」など報告してくれました。
リレーや組み分けは子どもたちのバランスを見ながら分けてあるので、勝負はある意味「時の運」です。
ある日しょんぼりして帰ってきたので、何があったかを尋ねると「リレーで黄色組に負けたんよ・・・」とのこと。
これまでも負けて帰ってきていたことは何度もあったので「どうして今日はそんなに凹んでるの?」と尋ねると「めっちゃ惜しかったの。私たちのチームは『勝った!』と思ってたのに、ほんの一瞬だけ黄色が早かったんだって」「でも、私たちの方が早かったと思ったの。嘘じゃないのに、『決めるのは先生です』って言われた」とのこと。
「そしたら大差つけられてボロ負けだったら悔しくないってこと?」と尋ねると「それはそれで悔しいけど、がっかりさが違うんよ」
「勝った!やれた!と思っていたのに、『違った・・・』ってなると、そっちの方がショックも大きいの」とのことです。
期待とのギャップに気持ちが追い付かないようです。なるほどなぁ。こういうところもASDだなぁと思います。
さぁ、いざ本番!娘は1レース目の第二走者!頑張って走っている娘に大きな声援と拍手を送っていると、戻ってきた娘は、なぜか前の子たちとは全然違う列に並んで座っています。
「あー、気がそぞろだから間違えて空いているところに適当に座ったんだろうな」と思っていると、なんと休みの子の代わりに2レース目も走ることになっていたようで、「あれ?走ってる!?」と慌ててカメラを回した私です。
帰宅した娘に聞くと「〇ちゃんお休みだったから、朝先生に『走ってくれる?』って聞かれたんだ。『いいよ』って言った。2回も走るのは初めてだったしドキドキしたけど、頑張ったよ!」と報告してくれました。
イレギュラーへの対応をしっかりできていることに感心!でした。
これからもたくさんの変化や変更は起きていくことでしょう。
「思っていたことと違う」「準備していたことと違う」となった時も、「でも、こうすれば大丈夫!」をどうやって見つけていけばよいか、一つ一つ成功体験を積み重ねながら一緒に考えてやれたらと思いました。
「それにしてもコロナ禍からこっち、午前中で運動会が終わって弁当作りがないのは、本当にありがたいなー!学校側の英断だなー!」と運動会中に何度もしみじみ思っている私は、やっぱりちょっとズレているんですよね(笑)。
(cyacya)

お母さんコラム

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今回は「自己理解って大事」という話。
このたび「部活だけではソフトテニスが強くなれない!」「後輩の一年生たちが入ってくるのにレギュラ―を取れないままなのは悔しい!」「部活の練習日が減っているし、盆踊り復活プロジェクトや広島の平和学習実行委員会などに参加しているから、部活になかなか参加できない」ということで、以前から興味を持っていたクラブチームに、息子は4月中旬から入会することになりました。
このクラブチームは、同じ中学の部活仲間や先輩も何人か参加しているので、見知らぬ人の輪の中に飛び込むのがちょっとドキドキする息子にとっても良い環境のように思いました。
息子は自分の診断名を知っています(小2で本人への障害告知は済ませています)ので、自分の苦手なことやどうしたらうまくいくかも日々模索している我が家です。
クラブチームに入会するにあたって、クラブチームの先生に診断名を伝えるかどうかを尋ねてみました。
すると息子は「そりゃ伝えといた方が良かろう。それ一択じゃわ」と言うのです。
理由を聞くと「だって、一回聞いただけじゃ覚えられないこととか、疲れてきたらボーっとしちゃうこととか、一回お手本見た方がよく分かるタイプだってこととか、そういうのを知らないままだったら『聞いとるんか!?』『やる気あるんか!?』って誤解されて怒られるじゃん。俺怒られるの嫌いなんよね。怒られそうなことは避けておきたいんよな」とのことです。
また、一日目を終えた後に「このクラブチームには、俺が知らない・気づいていない暗黙のルールが山ほどある気がする・・・」「とりあえず、同じチームの子に聞いてはみるけど、母さんからも先生や先輩ママさんに色々聞いてみてほしい」と言うのです。
確かに、準備のやり方・挨拶のタイミングや言い方・誰かが途中で合流してきたときにどう振舞うか・先生が説明中にどんな風な姿勢で聞くと良いか・片付け方・立ち位置などなど、練習内容以外の部分で、暗黙のルールは山ほどあるでしょう。
その山ほどあるものに、「自分は気づいていないはずだ」ということに気づいているってことが、私からすると「すごいじゃん!」です。
一方で、ふと心配になり「そういうルールを聞くと『絶対守らないと!』ってなって、逆にしんどくなったりしないの?」と聞くと「ならんじゃろ」と言います。
「なんで?」と聞くと、「分かった上でそのルールを守るかどうかは、知っているかどうかとはまた別の話じゃん。今やりたいことと教えてもらったルールが違った時とか、比べてみて、やりたいことが教えてもらったルールよりも勝ってたら、やりたいことをやるってこともあると思うよ」「それで怒られたり失敗したりしたら『あー、このルールはやっぱ大事だったかー』ってなるだけじゃん」「次挽回のチャンスはまた来る」とのことです。
これってすごいことだなと思うんです。
振り返ってみると、自分が中学生の時にそういう暗黙のルールって本当によく分からなかったですし(明示的に示されているルールに比べると、曖昧でその時々で変化して正解かどうかもその人によって判断が違うから)、その都度選んだものも本当にあっているかどうか不安だったり判断基準が自分の中でないから合っていたか後からぐるぐる考えることも多かったです。
それらを一つ一つデータ化して、これまでの人生で嫌ってほど経験しながら学んできたように思います(たとえば、「『仲間に入れて』と言われたら、『いいよ』と言って、仲間に入れてあげましょう」という対人やりとりのルールは、実際の場面では仲間うちで集まっている時に、興味も服装も趣味も違うと、「え…」となりながら、「どうする?」とこそこそっと相談して、その場で一番無難な方法を取る/「やりたいことが違った時は、相手と相談して、時には譲ってあげるといいよね」という話は、あまりにも譲りすぎると、その相手との本当の友情関係が持てないかもしれない)。でも、聞けばいいんですよね。
素直に率直に聞いたら教えてくれる人がほとんどですし、聞いてみて参考にして、それで自分の中での答えを見つけていけばそれでいい。
もう一つ驚いたのは、息子にリカバリーの力というか、臨機応変・その場判断っていうのが、ついているようだってことです。
こういう『トライ & エラー & 再トライ』を、この中学生の時期に積んでおくことは、きっとこれからの本人の生活(進学とか就職とか恋愛とか)でも役に立ちそうだなと思うんです。
「月に何回通っても定額」という月謝のため、「元を取りたい」と息子は、ほぼ毎日練習に通っています。そういうある意味現金でちゃっかりしている息子の真面目さにもすっかり感心した母でした。ある意味うらやましいなーとも思いますし、青春楽しんでいる息子を見てほほえましくもなっています。さぁ、今日も頑張っていってこよう!
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐん便り」は、「赤磐ぐんぐん」です。

赤磐ぐんぐん(児童発達支援)

新年度が始まって約2か月が経ちました。
赤磐ぐんぐんは年中・年長の就学前のお子さんが通ってこられている療育の事業所です。
育てる会の療育は「岡山県自閉症児を育てる会」の法人が運営しているため、ASD診断がついているお子さん対象の事業所です。
お子さんによって性格や個性も様々で見せる姿も色々で、元気いっぱいな子・大人しい子・学者肌の子・思いついたら即行動の好奇心いっぱいな子・・・、十人十色・千差万別なお子さんたちです。
そして、どのお子さんにもASD診断がついています。
通ってこられる年齢層は同じでも、診断時期は様々で、1歳代に診断を受けた子はもう療育もすっかりベテラン勢!ですが、年少さんの最後に唐突に診断を受けることになって療育がスタートしたという場合も多く、ご家族も何が何やら・・・だと思います。
先日あるお母さんから「園やお医者さんや市役所から『とにかく早く動こう』と言われて、言われるがままに動いて診断がついて、ぐんぐんに通うことになった」「でも、全然ピンと来ていないし、療育の必要性も子育てで困っていることもそこまで強く感じていないから…」「私が動いたことで、この子に診断がついてしまったんだなと思うと後悔する気持ちも少しある」とお話いただきました。
このお母さんに限らず、ご家族がお子さんを子育てする中で何らかの違和感を感じて受診や療育に繋がったケースではない(園や健診で声をかけられて)場合、この「置いてけぼり感」がとても多いです。
そういう時に私が思うのは「心の準備が整う前に療育に繋がったご家族に対する家族支援として、私たちには何ができるだろう」ということです。
お子さんにASD診断が出るということは、きっと青天の霹靂のお気持ちでしたでしょう。信じたくない気持ちや、将来に対する不安な気持ちや、「あの時こうしていれば」というような後悔の気持ちもあるかもしれません。
もしかしたら園の先生や保健師さんへの怒りの気持ちもあるかもしれませんし、周りの悩みのなさそうな定型発達のお子さんを持つ家族に対する恨めしい気持ちもあるかもしれませんし、どこか「なるようになれ」というような諦めというか呆れというかそういうぼんやりとした気持ちもあるかもしれません(これらはASDの子どもが二人いる松田の体験してきた気持ちです)。
悩みや戸惑いや葛藤など複雑な思いの中で、赤磐ぐんぐんの療育に子育てや家事や仕事の都合をつけて時間を割いて来てくださるということは、何らかの期待をしてくださっているのだと思います。色々な葛藤や複雑な思いもありながら、来てくださっていること自体に感謝したい。そして、一緒に考えていかせてほしい、少しでもお力になれることがあればお手伝いさせてほしいということを伝えたいのです。
子どもたちとご家族のハッピーのために、専門家として何ができるかもいつも真剣に考えたいと思います。
一方で、気を付けたいなと思うこともあります。
赤磐ぐんぐんは「家族同室型療育」ですので、お子さんの遊んでいる様子や学んでいる様子や同室のお子さんとのやり取りを見ながら色々なお話を進めることができるのですが、そうしてお話する時に、こちらの価値観や思い込みでお話するのってすごく危険だなと思っています。
特に良かれと思って色々お話することが、どこか押しつけになったり支援者側の独りよがりだったりする危険性もあると思っています。
療育に通ってきてくださるからといって、ASD診断が出たことに納得している訳ではないこともあります。
元気いっぱいそうに見えるお母さんだからといって、子育てに色々悩んでいるということもあります。積極的にお子さんと遊ばないお父さんが、実はお子さんの行動をじっくり観察してタイミングを計っているということもあります。
お子さんへのアセスメント(情報収集)同様に、ご家族が何をどう感じておられるかもしっかりアセスメントすることが必要です。
お子さんたちの場合は直接観察になりやすいですが、お話ができる大人同士なので色々質問したり話を伺ったりしてコミュニケーションを取っていくことで、ご家族の思いをしっかりアセスメントすることが大事なんだなぁと思います(そのために、赤磐ぐんぐんは担当制ではなく全員でお子さんを見るスタイルを取っています)。
赤磐ぐんぐんのコンサルに来てくださっている川崎医療福祉大学の諏訪利明先生が「幼児期は家族支援がとても大事」「この時期、家族がどんな専門家に出会って、何を感じていくかが、その家族に大きく影響を及ぼす」とよくお話してくださいます。
邪魔にならない・悪い影響にならないような専門家でありたいと思いますし、可能であれば「悪くない影響を与えられる」専門家になりたいと思う松田です(「良い影響を与えられる」なんて…おこがましくて、まだまだ言えない!)。
そのためには、日々のトレーニングが必須な訳で。
今年も、赤磐ぐんぐん・ぐんぐんぴっぴ・ぐんぐんキッズで合同の「療育スタッフ勉強会」を隔週で実施しています。
今年度は「家族支援のためのロールプレイ」を繰り返し行っています。
「こんなお話をしてこられたとしたら、自分ならどう答えるかな」
「こういうお子さんの様子を目の前で見たとして、ご家族にどうフィードバックするかな」
「まずどこから情報収集したらいいかな」 などなど、色々なテーマで練習しています。
実際に松田がお母さん役・お父さん役・おじいちゃん役になってアドリブで色々やりとりをしていきます。実際にトライするスタッフも、周りで固唾を飲んで聞いているスタッフたちも「そういう話の持って行き方があるのか」「そうか、ここをもっと掘り下げて聞けばいいのか」「あー、そういう結論に繋がる!?想定外!」など、事業所を飛び越えて、色々な視点や考え方にも触れながら、皆で学びあっています。
家族支援にも本人支援にも「リスペクト(尊敬)」・「アサーティブ(尊重)」は必須です。
そのご家族が歩んでこられた家族としての歴史や考え方や思いをしっかり伺い、家族としての思いを尊重しながら、お子さんの今の現状や将来への見通しなどを踏まえて専門家としての思いも正直にお伝えしていきたいなと思っています。
一緒にたくさんお話していきましょうね。
今年度もどうぞよろしくお願いします。
(赤磐ぐんぐん児童発達支援管理責任者:松田紗代)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R6.4.26〜R6.5.25)

○ U.T 様(岡山市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座   中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
               岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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