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令和 6年 9月30日

 

 第317号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 317号 目次

     彼岸花 〜 manjusaka(曼珠沙華)

     即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の お知らせ

     木工教室、キッズルーム、癒しのマッサージ、OHAの会 の 報告とお知らせ

     はやぶさの会、、クローバーの会、水泳教室、スポーツクラブ の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた

      ぐんぐんだより
         「赤磐ぐんぐん」「赤磐ぐんぐん:臨時版」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

暦の上ではずーっと前に秋を迎えたはずなのに、一向に去ってくれない猛烈な暑さの中、夏の終わりを待ちわびた日々でした。でもやっと、季節が移り替わったように思えるこの数日です。それでも揺り戻しの様に、暑い時間帯もあって、まだまだ油断はできそうにありません。
いつもなら彼岸には咲く彼岸花が、今年はまだちらほらとしか咲いていないのが、今年の暑さを表しているようです。
彼岸花は、耕地整理した田畑には咲きません。赤磐市和田は耕地整理されていないので、昔のままのあぜ道にたくさんの彼岸花が咲いてくれます。
この彼岸花は、その昔飢饉の時の食料としてあぜに植えられたと聞きました。元々アルカロイドという毒をもつ花ですが、飢饉の時には水にさらして毒を抜いて食べていたそうです。「痺れ花」とも呼ばれ、悲しい歴史の象徴である彼岸花です。
こんなに暑さが厳しくなっても、絶えてしまわないで咲き続けてほしいものです。
ちなみに、この花のもう一つの別名はサンスクリット語で「天界に咲く花」、私の好きな山口百恵さんの歌にも唄われています・・・。
      ♪ マンジューシャカ〜 恋する女は マンジューシャカ〜 罪作り ♪

グループホームの話題を二ついたしましょう。
まず一つ目は、防災週間にちなみ毎年行っている火事の時の避難訓練を9月14日に行いました。消防署の方に2名来ていただいて、見守りをいただきながら、行うことが出来ました。毎年やっているので、慣れてきたのかサッサと部屋から出てきます。前は一度外に出たのに再び玄関から入っていたK君もちゃんと外でスタッフの指示を聞いています。
回数を重ねることの大切さを改めて思いました。
つづいては、9月24日、グループホームで栄養教室を行いました。
土日に家に帰らないでグループホームで暮らす人がいます。そういう時には、どのような食品をとればいいのか、少し気になる人もいたので、この教室を行いました。
赤磐市の栄養士さんと保健師さんに来ていただいて、お話を伺いました。みんな神妙な顔をして熱心に聞き入りました。生活習慣病にならないためには、どんなことに注意しなければいけないか、改めてしっかり学ぶことが出来ました。
将来はアパートやグループホームでの自立を目指しているからこそ、彼らにとって、大切な学んでおかなければならないことだと考えています。
この度、赤磐市の健康増進課の栄養士さんと保健師さんが、快く彼らのための学びの場を作ってくださいました。ありがたいことです。
お話しの中でどんな栄養が大切で、バランスよく食べることの大切さや、おやつなどの食べ過ぎや、朝食を食べることの大切さ、そして夜9時を過ぎてからの食事やおやつを控えることなど、大切なことを学ばせていただきました。
血圧測定を保健師さんがしてくださり、今は皆元気であること、これからはもっと気をつけて、生活習慣病にならないようにと、気をつけることを皆で確認しました。お話しの途中で相づちを打ったり返事をしたりするものですから、栄養士さん、保健師さんとも、「まるで心洗われるようでした」と言っていただきました。あの子達の素直さやまじめさ知っていただけて、嬉しかったことでした。町の保健師さんや栄養士さんとのつながりが出来てありがたい時間となりました。
また次にお願いするときは、一人で食事を摂るときには、簡単ですぐに作れるものを教えていただけたらと願っています。
そうお話ししたときに「例えばラーメンにはこんな風に野菜を入れるといいですよ」とか、「お湯であったためるだけのカレーには、スーパーで買ったサラダを付け合わせにしたら、バランスが取れます」なんていう、そんな話をしましょうかといっていただけました。
彼らにも出来そうな、簡単なお料理のコツを教えていただけそうです。

さて話は変わります。
先日、短大時代の友人たちと大阪で会いました。
合計5人の私の同級生ですからもちろん70代です。そんなみんなとの出会いを50年以上続けているのは、奇跡に近いと思えます。
みんな若くて元気いっぱいなのには驚きます。それぞれに親を見送って、今が一番自由で幸せなときという女友達です。
会えばすぐに昔の学生時代の私たちに還れるのです。賑やかに楽しく話をしながら、「こんなにして出会えるのはあと何回かしら?」
そこで、これまでは4〜5年に1回くらいの出会いの日を、1年に1度くらいにしましょうということになりました。
身体が元気でも脳の方が老化したら、もう会いにも来れないと思うと、元気に大阪へ繰り出せる今の自分の健康をありがたく思うのでした。
その友人の一人に100歳体操なるものがあると教えてもらいました。
彼女は、地域でお年寄りのための体操教室のお手伝いをしているとのことでした。やっぱり元気なのには理由があると思えました。
帰って、主人に話しをすると「岡山でもやっているよ」とのこと、私も引退したらボランティアでやってみようかしら・・・。
また、もう一人の友人は太極拳をやっていて、ゆっくり動くのは体幹が大切だと言っていました。15年も続けているそうです。
すごいなぁ〜と思いつつ、自分も頑張らなければという刺激をいただきました。
やっぱり私の友人たちは、ちょっとそこら辺のばあさんたち(?)とは、違うなと思えたのでした。
みんなそれぞれの場で活躍している様子に刺激を受けて、私も頑張ろうと思います。

さあさあ、お待ちかね哲平君のお話をいたしましょう。
先日哲平の会社の1年に1度の面談がありました。夫と共に会社を訪ねました。
今回は、災害時にどうするかというようなお話しでした。
地震や水害など全国各地で様々な災害が起こっています。哲平の会社では、スマホで社員の安否確認をするようになっています。哲平は知的障害が重度の自閉症ですから、スマホでの安否確認に応じることは難しそうです。どうしたものかという相談です。
災害が会社の中なら会社の方でなんとかしてくださることでしょう。家にいるときやグループホームにいるときならそれぞれの場で対応が出来ることでしょう。
けれど通勤途中では、誰も対応のしようがありません。哲平は最寄りの駅までは自転車に乗って、それからJRで約40分途中乗り換えもある中、会社の最寄り駅まで通っているのです。その間は、哲平は誰にもフォローされることが出来ません。
会社はここを心配しておられました。携帯も通じないことでしょう。さて、どうしたものでしょう。
幸い同じ会社に一緒に通っている同じグループホームに入居しているM君がいるので、彼と一緒になんとか帰ってこられる道を探してくれたらと思う私です。会社からの安否確認はM君が出来るので、彼経由で哲平の安否も伝えられるであろうと答えました。
そんなたぶん起こらないであろう大災害。たぶん巻き込まれることはないだろうと思いつつ、そんなことまで考えると、心配で夜も眠れなくなりそうです。私は、大丈夫だろうと信じて、でも災害時には、何をすることが大事かを息子に教えていくことを考え中です。
まずは、LINEの使い方から教えたいと考えています。家族LINEを作ろうと思います。
色々考えなければならないことありますね。地図アプリから今いるところを送ってこれるようになったらと思いますが、他にどんな方法があるのでしょう・・・。詳しい方がいらっしゃったら教えていただけませんか。?
息子は重度の知的障害を併せ持つタイプの自閉症です。
そんな息子が電車に乗ってずいぶん離れたところへ通っているのです。南海トラフが近いと言われる中、私に何が出来るだろうと、今回の面談では考えさせられました。
面談のあとには、いつものように元気で働く哲平の姿を見ることが出来ました。
働く哲平はきびきびしていて、かっこいいんです。まるで障害なんてない人のように見えます。ここの仕事が彼には会っているのでしょう。
上司に恵まれ、仲間にも恵まれて、よい支援をいただきながら、18年間と6ヶ月働き続けている会社です。
幸い支援員のTさんも、入社以来変らず哲平の指導に当たってくださっているので、とてもいい理解者になってくださっています。
考えてみると、哲平の36年の人生、半分以上はTさんのサポートを受けて過ごしているのですね。
障害者雇用で崩れやすいのは、キーパーソンである支援者や上司が、人事異動で障害の理解のない方に変った時といわれる中、ありがたいことです。
願わくばこのまま長く働らかせていただけたらと願う私です。

今は窓から夕陽に照らされた雲がきれいに見えます。
太陽は雲の中に沈んでいるのに、残照が雲を照らして、朱色やオレンジに輝いています。
それが我が家の北側の窓いっぱいに広がり、雲の上の空は青いままです。きれいなのに何か不安なものを感じさせるほどの美しさ・・・。
元気にもう少し残る夏をやり過ごして、本格的な秋の到来を待ちましょう。皆さんお元気で。
(鳥羽 美千子)

令和6年度 現場の先生のための即実践講座

令和6年度の、今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生による「現場の先生のための即実践講座」です。
第4回は、当初の「家族との連携について 〜親御さんと きょうだいじさんとの連携・実践報告〜」の予定を少し変更して、家族(お母さん)とその息子(当事者)さんからお話しいただくことになりました。
まず、お母さんがこれまでの子育ての体験談を話された後、いよいよ当事者の青年の登場です。
これまで、人前で講演をしたことがないとのことでしたが、落ち着いた語り口で話される内容もしっかりされていました。
桑原先生との掛け合いもスムーズでしたし、チャットに寄せられた質問への答えもとても適切でした。参加された方にとっても、大変貴重な機会となったのではと思えます。
ただ、母にはあまり聞いてほしくない・・・、ということで、入れ替わりで退席されたお母さんにとっては、ちょっと残念で、できれば聞かせてあげたかったな、と思うようなお話しでした。
最後に、鳥羽代表から、続きはぜひ改めて育てる会のセミナーで話してほしいとの提案があり、その場で快諾いただけたので、みなさん楽しみにお待ちください。
それでは、次回の第5回の案内です。

  『 第5回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和6年10月11日(金) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「他機関との連携について 〜連携って何、何のため、今一度考えて見ませんか? 
        連携をより効果的なものにするためのコミュニケーションの方法について〜」
講 師:桑原 綾子 先生(NPO法人ライフサポートここはうす 所長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第4回「家族とご本人さんからの体験報告」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。

○ 貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございます。息子さんはお母さんや、第二の母とよべる桑原先生からの理解の元で成長されたんだと感じました。生きる意味がない、生きるのが面倒と話されていたことに衝撃を受けましたが、息子さんが発する言葉、表現、言い回しなどとても素敵でしたし、当事者の方がどのように感じているのかが分かりやすかったです。1時間があっという間でした。またお話を聞ける機会がある事を楽しみにしています。
○ 本日はありがとうございました。母親としての立場からと、ご本人からの立場からの両面でとても貴重なお話を聞かせていただくことができました。母親が子どもにわかりやすく自閉症についてのお話をされるときに、沢山本を読まれ、職場で学ばれて理解されていたからこそ、伝え方がとてもよかったように感じました。
ご本人は、イラストの多い本で自閉症のことを学ばれたというところも、子どもであったけれども自分の状態を客観的に捉えることができたということにとても感心しました。
現在も、おひとりで生活される中で、ご自身の困りごとを理解され、どのようにすれば解決できるかということを、経験の中から見つけられていることにも尊敬します。いろいろ悩みはあるかとは思いますが、今日のようなお話をより沢山の方々に教えていただけるといいなと思います。機会がありましたら、よろしくお願いします。
○ 普通の方と、どこが違うのかなというくらい、常識的で普通のお話をされていたのが、最後に、死にたいと思いながら生きておられると知り、衝撃的でした。
小さな苦労がたくさん押し寄せるように次々おありなのだろうと思いました、育てる会でのご講演を楽しみにしています。
○ これまでの桑原先生の講義の中で、子ども先生、当事者が講師になるというお話を聞いていて、とても関心があり、実際に聞いてみたいなと思っていました。それがこんなに早くかなうなんて感動しました。当事者の方、当事者の親御さんの生の声を聴かせていただけた、とても貴重な時間でした。講義内容のお知らせを見た時、後日配信はないかと思って心配でしたが、配信もしてくださりありがとうございます。
発達障害や自閉症について学んできて、実際に関わっていますが、当事者の視点で語られる世界の話は、とても興味深く、なるほど!と思うことが多かったです。ぜひ第2回を期待しています。
○ 当事者の方たちのリアルなお話を聞けて私もあっという間の時間でした。特に食事のこと、服装のこと、生活リズムのことについてのお話が興味深かったです。
ちょうどいい食事の量、ラフの中でもラフな格好、微妙な気温のときの服装、、、あまり人から教えてもらえないけど、生きていくのに知らないと困ることって、まだまだありそうだと思いました。また育てる会の講演会でお話が聞けるのを楽しみにしています。

令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐

赤磐市の共催をいただいて開催している「発達障害支援 夜間連続講座」です。
今年度はよこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木康栄先生をお招きしての講座です。
第4回では、前回の講義の内容への質問に丁寧にお答えいただいた後、耳からの情報だけで内容を読み取ることの難しさや、私たちにはちょっと読めない文字(ドイツ語?)の文章の中から、チャットで自分の次の行動を選択しなければならないテーマ・・・・みんな、あてずっぽうでチャットに回答していましたが、中には「Zoomから退席」なんて選択もあり、悪戦苦闘していましたね。
あとのアンケートにもありますが「やる気があっても分からないものは分からない」を実感させられた楽しい講義でした。「分かるように伝える」ことが、本当に私たちにできているか、改めて学ぶことができました。
次回は「意味のある視覚支援と意味の薄い視覚支援」、また日頃の支援を見直させられる講座になりそうですね。

  『 第5回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』

日 時:令和6年10月16日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「意味のある視覚支援と意味の薄い視覚支援」
講 師:佐々木 康栄 先生(よこはま発達クリニック・相談室)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、赤磐市在住・在勤者 7000円(全10回分・各資料代含む)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
それでは、第4回「環境を整えることの意味とエッセンス」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。

○ 「行動をどうするよりかよりも 情報をどうするか」
つい、気になる行動をどうしようかと考えてしまいますが,今すべきこと・今の状況を「根拠のあるわかりやすさ」として 示していくことの必要を再認識させていただきました。
職場でも気になる児童について行動をどうするかという視点で多く語られていて,どのように周りに伝えていけば分かってもらえるのか悩んでいました。お話を聞く度にこのことを職場のみんなと共有したいと思います。自分たちが環境を整えないで子どもを変えようとするのは,教師のよくないところだと思ってしまいます。
○ 毎回、先生が講義の初めに質問に対するお返事をしてくださいますが、いろいろな質問の答えが聞けて参考になります。
今日の先生のお話の中で、「やる気があっても分からないものは分からない」という件がありましたが、自分が与えている情報が、果たして相手にとって分かりやすい情報となっているのか振り返ってみるきっかけとなりました。
自分の自己満足でなく、相手にとってどうか、ということを考えて支援していけるようにしていきたいと思いました。
○ わからない情報で選択を迫られ、わからないことを伝えたくて黙っているのに、何回もいろいろ聞いてこられ、仕方なく答えたら、自分がやりたいことではないのにさせられた(するように迫られた)。自分も自分の周りでも「やってしまっているかもしれない」と思い当たります。「それが本人のやりたいこと」と勝手に決めつけていることも・・・。
仮説を立てて、手探りでやってみて、事実を集めて振り返って次につなげるところまでいかず、中途半端な取り組みになっていることもあります。
ご本人が好むことか、やりやすいことか、安心や過ごしやすさにつながることか?などなど意味や根拠を明瞭にせず、支援者の感覚で好ましくない行動と考え、行動を変えてもらうことを考えようとしてしまっていることもあります。
お話を聞きながら頭に浮かんだ利用者の方がいます。その方の状況、すすめてきた支援について、すすめてこれたことと修正(検討)しなければいけないこと、わからないことなどを具体的に整理してみたいと思います。
○ 何とかこの人の行動を変えようと関わりがちになりますが、情報を変えることが行動を変えることにつながるというお話しにとても納得できました。本人が大きなエネルギーを使わずにわかる環境を作ること、もっと安心できるように考えていきたいと思います。本人の納得ややりたい気持ちを大事にするようもっと気を付けていきたいと思います。
○ 分かりやすくすることは有効だけど万能ではないという言葉が心に残りました。
授業の最初の方にあった、口頭の説明だけで聞きとる時間や、分からない文字の選択肢から行動を選ぶというロールプレイングの時間は、やってみてとても苦痛でした。
いつも「疲れる疲れる」と言っているのが不思議に思えていたけど、情報を集中して読み取らないといけない時間が、とても疲れるというのがよく分かりました。

支援ツール勉強会の報告 と 次回のご案内

武藏博文先生にお願いしている、令和6年度の支援ツール勉強会です。
9月5日(木) 第2回 支援ツール勉強会 を開催しました。
今回は、「スケジュール・手順書を作ろう@」というテーマで、8名の方が参加されました。
前半は武藏先生の講義で、『手がかりを工夫する』というお話。
手がかりというのは、視覚的手段のことです。その中でも特にスケジュールと手順書について詳しくお話しいただきました。スケジュールや手順書を作るだけでなく、分かりやすい環境の中で(場所や活動)、実際に支援していく事(視覚的手段を使ってお母さんが実演をして見せる・かんたんな言葉で伝える・分かったか確かめる)が必要となってきます。
支援ツールを作ると、子どもが自然に動くようになるわけではありません。
実際に一緒に使ってみて、使える物なのか、もう一工夫必要なのか、見えてくることも様々ではあると思いますが、本人にとって使いやすい工夫がしていけるといいですよね。
支援ツール勉強会では、作ってやってみたことに武藏先生から助言をいただけたり、色々と試行錯誤されてきた先輩お母さんの経験からの工夫を教えていただけたりすることがとても参考になります。なんでうまくいかなかったのか、次はこうしてみよう!と考えることができて、よい刺激になっています。
もちろんその子その子で、できることもポイントも違いますが、自分ひとりで考えるよりたくさんの引き出しが出てきます。その1つでも取り入れて、うまくいくといいなぁって思っています。
まずは、やってみることから応援します!! 
(事務局 K
後半は、夏休み中頑張ってみたこと(作った支援ツール)などを、みんなで伝えあいました。
参加者の方からの声
● みなさんの取り組みやお子さんのこと、やってみたらこんな発見があった等リラックスして話ができて、お互いに頑張ったねーと励まし合う雰囲気で共有できるのが良かったです。
武藏先生の温かいアドバイスや受け止めて下さっている優しい雰囲気が、頑張って行って良かったなと次への励みになりました。
● 手順書のお話で、トライアンドエラーでフィットさせていくということがとてもいいなと感じ、実践したいと思いました。
次回、第3回目は、10月3日(木)「スケジュール・手順書を作ろうA」です。
途中からの参加も歓迎です。正会員無料ですので、是非興味がある方は事務局までお問い合わせください。お待ちしています。

  『令和6年度 第3回 支援ツール勉強会』

日 時:令和6年10月3日(木) 10:00〜12:00
場 所:事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
テーマ:「スケジュール・手順書を作ろう A」
講 師:武藏 博文 先生(ぐんぐんアシスト相談員:前 香川大学教育学部 教授)
参加費:正会員 無料、 ぐんぐんグループ療育利用者・賛助会員 年間 3000円

木工教室 の お知らせ

ようやく秋の気配も濃くなり、毎年好評の川月清志先生指導による木工教室が近づいてきました。
今年作るのは、小物入れです。中に部品を入れれば、ミニプランターにもできます。
初心者のお子さんでも、川月先生がキットを作ってくださっていますので、お母さんやお父さんと一緒に簡単に出来上がります。
参加される方は、後ろの飾りのデザインをそれぞれ考えておいてくださいね。糸ノコで切り出します。
11月の開催ですが、すでに半数が埋まっています。先着順ですのでお急ぎください。
日 時:令和6年11月9日(土) 10:00〜12:00
          (雨天の場合は、11月10日(日)に順延)
場 所:おひさまハウス 中庭(赤磐市和田194-1)
参加費:一人1500円(材料代:きょうだい児も参加OK) 
定 員:12名(先着順) (正会員限定)
申込・問合せ:正会員LINE or Tel.086-955-6758 まで

キッズルーム の お知らせ

日時:10月26日(土)13:00-15:00
場所:岡山大学 清水記念体育館
詳細は、別紙チラシに記載しています。 (正会員限定)
お申し込みは、正会員専用LINEからお願いします。

座談会の報告と予告

9月の座談会 報告   9月19日(木) マッサージ座談会
育てる会事務局の大広間にて開催しました!!
久しぶりのマッサージ座談会でしたが、7名の参加がありました。
バンブリーフさんのお菓子をいただきつつ、今回は首筋の10分間リフトアップマッサージを受けながら、みなさんで子育てや雑談、楽しくお話できました!
以下、今後の予定です。(詳細は別紙チラシをご覧ください)

  10月 あきよさんのクレープ会

日時:令和6年10月17日(木)10:00−12:00
参加費:500円(材料費) (正会員限定)
持ち物:クレープに入れたいもの・飲み物

  11月 テーマ別座談会

『家族間で意見が違った時の伝え方』
日時:令和6年11月21日(木)10:00−12:00
参加費:無料 (正会員限定)
場所はどちらも:事務局 1階大広間(赤磐市上市355−2) です
申込みは、正会員LINEか、メール(acz6007@syd.odn.ne.jp)でお知らせください。

OHAの会 の お知らせ

OHAの会は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを育てる保護者のための会です。
以前は、高機能自閉症やアスペルガー症候群などに分類され、ASDの中でも周囲の理解がとりわけ難しく、一人で悩み孤立することも多かったのではないでしょうか。
そんなお母さんのために、公認心理士、臨床心理士の利守愛子先生からアドバイスをいただき、みんなでフランクに話し合って、一人じゃない、同じ仲間がいるのを実感できる会になっています。
9月15日(日) 今年度 第2回目のOHAの会が開催されました。
前半は、『虹の架け橋 自閉症・アスペルガー症候群の心の世界を理解するために』を一段落ずつ読みながら、ASDの子供の遊びやコミュニケーションについて考えました。後半は、本の内容に絡めながら、参加者の皆さんがお子さんについて利守先生に質問や相談をしました。
 傍から見れば何が楽しいのかわからない単純な行動の繰り返しであっても、本人は楽しくて熱中していること。定型発達の人なら自然に身についているような、人間関係を築くときに必要なステップを、ASDの人には明示的に具体的に根気よく教えていく必要があることなどを学びました。でも悪い面ばかりではありません。同じことを繰り返すのは、飽きずに追究する才能があるからです。
相手の感情を察することができなくても、パターンを学習すれば優しい行動を取れるようになります。それに、相手の不機嫌に気付かなければ、それに振り回されることもありません。毎日子供と関わる中で辛くてしんどいことも多いけれど、ちょっと見方を変えたり、伝え方を工夫したりすれば、子供も親も楽になれることを教えていただきました。利守先生はいつも明るく朗らかに、親に寄り添って考えてくださるので、OHAの会に参加した後は心が軽くなります。
(会員Nさんよりのご報告)
次回のOHAの会は、11月17日(日)10:00-12:00 ZOOMにて (正会員限定)

はやぶさの会 の おしらせ

はやぶさの会は、ASDを持つ男の子たちの会です。
小学校のクラスで友人ができても、たまには同じような特性や感じ方をする「はやぶさの仲間たち」と、気兼ねなく遊んだり、話し合ったりするのも貴重なひと時になるのではと思っています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)

クローバーの会 の お知らせ

クローバーの会は、男の子たちの「はやぶさの会」に対抗(?)して活動しているASDのある女の子たちの会です。
こちらもメンバー大募集中!!
ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹もASD診断が出ている場合には参加可能)。
気になる方は、ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)

水泳教室のお知らせ

日 時:令和6年10月20日(日)15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は10月17日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

サッカー&ドッジ スポーツクラブ の 報告とお知らせ

9月14日(土)に岡山大学の体育館にて本年度第3回サッカー&ドッジボールスポーツクラブを開催しました。
残暑残る中、元気いっぱい活動しましたー!!
初参加の方が、またまた増えて、総勢20名のお子さんが参加のサッカースポーツクラブです!
2歳から青年の方まで参加されています!
次回は、11月23日(土)です。
途中参加可能です(月割りあり)ので、興味がある方は、事務局までお問い合わせください。(正会員限定) 

お母さんコラム

中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は息子の話。
先日、部活のソフトテニスで地区大会がありました。
ペアの子が体調不良でお休みしており、一週間ペア練習ができない&自分も不調な中での参加。試合は残念ながら二回戦敗退でした。(よく頑張った!粘った!)
しょんぼりはしているものの、そこまででもなかったのですが、少し目を離していたところ一気に落ち込んでいます。
理由を尋ねると、その時の試合の動画を見せてもらったそうで「思っていた感じとあまりにも違う・・」と。
フォームや足の動きなどが想像していたよりはるかにダメダメだったようで、イメージしていたことと自分のギャップに戸惑うというか、メタ認知の衝撃波というか。「これから練習していったらいいんじゃない?」と伝えても、しょんぼりしているので
「少し気持ち切り替えてこよう」と言い、お茶を飲み、甘い物を口に入れ、なんとか気持ちを切り替えて、同じ部活仲間の試合を応援に行きました。
すると、同じ部活仲間が、なんと県大会出場が決定!!
「おめでとう」と声をかけた後、「ちょっとトイレ」とコートからすっと離れていきます。
ん・・・? 表情が何だか・・・と思い、追いかけて母が声をかけると「大丈夫」「ちょっと疲れただけ」「なんでもない」と言いながらも、顔がこわばっています。
「ほんまにどうした?」「大丈夫って言っている時は、大体大丈夫じゃないんだよ」「話してみ」と促すと、崩れ落ちるようにその場に座り込み、服の裾で顔を覆いながらポロポロポロッと泣き出します。
あっちゃー。悔しかったんかー・・・。まあ、負けたのも悔しかったしねー。と思っていると「違う」と。
「試合で負けて悔しかったり、県大会出る人を良いなって思うのはもちろんあるけど、そうじゃないんだ」
「県大会に出るチームメイトに『おめでとう!』って心から言ってあげられない」
「そういう自分の気持ちや心の狭さがショックなんよ」
「県大会出られなくても、皆は笑顔で『おめでとう!!』って言ってて、『あー、皆すごいなー』『俺って駄目なやつだなー』って思って・・・」と。
どの子も、本音は「うらやましいな」「あんまり自慢すんなよ」と内心思っていたとしても、建前として「おめでとう」とニコニコして気持ちを隠せるんですよね。
ASDの息子にとっては、見えているもんがすべてだから、自分一人だけが駄目だと思ったのでしょう。
そうかー・・・と言いながら、隣でそっと見守っていました。
しばらく静かに涙を流した後、お茶を飲み、少し沈みつつも戻っていきました。
うーん。どうすれば気持ちが切り替わるかなぁ・・・と思いつつ、解散し、近所にあるたい焼き屋さんへ。ぱくり。食べた瞬間、ほろりと笑顔になりました。
「やっぱり気持ちが切り替わるのは、こういう甘い物とか食べ物なの?」と聞くと、少し考えた後に・・・・
「ちょっと違うかな」
「最大級に凹んでいる時に、たい焼き食べるように言われても、『いい(いらん)』『大丈夫』ってなると思う。
そういう時は、やっぱ今日母さんがしてくれたみたいに、ちょっとその場から離れさせてもらって、少し落ち着いてきたら話しを否定せずに聞いてほしい。
解決策とかなくていいから。そうしたら、何とか自分で気持ちを整えられる。で、最後においしい物があれば完全に回復するよ」
「だから、凹んでいる時に『どうした』『大丈夫?』と皆に声かけられたりすると、なかなか気持ちを戻すタイミングがつかめないんだ。そういう時は、皆にも悪いから、ちょっと離れるようにしとんだわ」と。
自己理解というか自己把握というか。感情コントロールの仕方を自分なりに持っているのがすごいなぁと感心しました。
気持ちを切り替えた翌日は、しっかりと試合で成果を出し、勝利に貢献した息子です。
メンタルの調子を整える。自分の機嫌は自分でとる。
中学生でこの力を育てられているのは、部活のおかげだなぁとしみじみ思っています。
今日も張り切ってテニスに行っている息子は、すでに次の大会に目を向けています。
いいぞ、いいぞ! がんばれ、がんばれ!!
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。
思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
9月中旬は私の1週間出張研修(県外)、9月後半は夫が2週間不在ということで、段取りをあれこれ考える必要がありました。
大人はもとより、子どもたちがそれぞれ用事や習い事や療育などもあり、誰がどこに付き添うのか(行き帰りで別の人が送迎することもあり)、頭の中が整理しきれなくなっていました。
そこで活躍するのが、やっぱり「視覚支援」。
横列にそれぞれの家族の名前、縦軸に各日にちを書いていき、誰がどこを担当するかを書いていきます。
自分の頭が整理されて、「あ!ここは祖父母にお願いしないと、だったわ」とわかり、オチなくやりくりすることができました。
これは、私の整理にもなりますし、コピーを他の家族にも渡していたことで「ここ、急遽変更します!」という時にも、「それなら、こっちの日を代わってくれれば、ここの日は送迎担当できるよ」と電話でも説明し合うことがしやすくなり、ストレスなく皆が無理なく過ごすことができました。
子どもたちにとっても分かりやすかったようで、学校の先生などに「○日は、パパがいないから、じいじが来てくれるんだよ」など説明することができていました。
我が家は子ども二人がASD&私もAS気質強めであるため、こういう視覚支援は本当に全員の実行機能を助けてくれます。
夫はまた別のタイプなのですが、夫が不在期間中の植物の世話について「分からんから、書いておいて」と冗談半分伝えておくと、こんな風に不在期間中の水やりの手順を教えてくれました。
毎日確認できて、失敗なく過ごせています。
やることがきっちり決まっていると、丁寧に取り組めるのって、本当にASの気質のある人の強みですよね!?
(とはいえ…水やりから家事からほぼ全部を夫任せであることについて、改めて反省した私でした。笑)
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐん便り」、担当は「赤磐ぐんぐん」です。
今月は臨時版として先日のTEACCH研修参加の報告もあります。

赤磐ぐんぐん(児童発達支援)

9月に入り、日中は残暑の厳しい日が続いていますが、朝夕は少し涼しくなり、秋の気配を感じさせる虫の声も耳に届き始めています。
赤磐ぐんぐんに、元気に通ってきてくれるお子さんたちと、そのあふれる笑顔を見守ってくださっているご家族の皆さんに、スタッフ一同パワーをいただいています。
赤磐ぐんぐんでは、毎年年長児対象に、就学に向けての「小学校・模擬練習」として、『友達と勉強』という活動を行っています。
小学校と同じような学習机と椅子を使いながら、『学校の先生役』のスタッフが授業のような形で進め、授業の前や最後の挨拶をしたり、プリントを配ったり回収したり、問題を解いていて分からない時に質問したり、手を挙げて発表したり、班活動をしたり、身体の動かし方の確認(着席動作・微細運動など)をしています。
・お子さんたちは、学校や授業についてイメージを持ち、自信をつける
・ご家族は、わが子が学校で困りそうなことや工夫として考えておくと良いことをイメージし、必要であれば就学時のサポートブックなどに記載する内容を検討する
・スタッフは、お子さんたちの小学校を想定した様子を観察することで、別途教えていくことを発見しご家族と共有する
などの効果を期待しています。
活動中のお子さんたちの姿は様々で、その一つ一つをご家族と共有することは、本人理解としても、とても役立つなと感じています。今回はその中で見たエピソードを二つ紹介します。
初めて経験することに緊張するAちゃん。
赤磐ぐんぐんの療育を今年度から開始しました。療育(場所)やスタッフや同室児(人)に慣れるまで、時間がかかっていました。
普段の様子を伺うと「慣れない場所や活動は、慣れるまで時間がかかる」「家ではリラックスして何でも話すけど、こういう場面では、『とにかく嫌!』となってしまう」「小学校では新しいこと・やったことがないことばかりだと思うから、大丈夫か心配」などのお話がありました。
そんなAちゃんが初めて経験する『友達と勉強』。
Aちゃんに伝える前に、まずお母さんと一緒にAちゃんがどんな風になるかを予想してみました。
お母さんは「きっと、すごく緊張すると思う」「緊張しすぎて固まってしまうかも…」と心配そう。
Aちゃんは、【視覚的に学ぶ】力が強みで、別の場面ではモデル(実際にやっている人を見る)とイメージしやすくなり、安心して取り組めることを療育の中で共有していました。
そこで、初めは『友達と勉強』の単元を見学してみて、何をするか・どんな場所なのか・どんな風な流れで進むのかを観察してもらい、Aちゃんに負荷がかかりすぎないようにしてから参加することを提案し、ご家族からも「それがいいと思う」とのコメントがありました。
本人にも尋ねたところ、「最初は見とく(見学しておく)」と答えたため、同室児がしている『友達と勉強』を見学することにしました。
初めは見学することにも少しドキドキしている様子でしたが、お母さんも近くで一緒に見学すること・今日は見学だけで、途中から「そろそろやってみない?」「行けるよ」などと大人側からは言わないことを約束していたため、じっと活動の様子を見学できていました。
終了後に感想を聞くと「なんか、楽しそうだった」「次はやってみてもいいかな」と前向きな発言がありました。
そして、翌回実際に参加して、少し緊張していた様子もありましたが、本人の名前がある机に着席し、プリント課題に取り組み、物の名称を尋ねる課題では手を挙げて発表することもできていました。
最初は見学→何をするかが見通しを持てると参加できたということについて、お母さんとお話し、初めての活動に参加することは見通しがないため、何をどんな風にしていいか分からずに不安になること・他の人がしていることをまずは安心できる場所から見学することで『この活動はこうすれば良いんだ』というイメージを持てることなどを共有しました。
お母さんからは、
「手を挙げて当てられてから答えるという流れも、2番目以降に当ててもらうことで、他の子のやり方をモデルにできていたと思う。
一番手でない方が安心ということは、小学校の先生に伝えていけるヒントとしてサポートブックに書けそう」
「緊張していたけど、頑張っていた。帰りの車で褒めてあげたい」
とコメントされていました。
もう一人のお子さんのエピソードを紹介します。
Bくんは、困った時や何か必要なものがある時に「○○、ないなあ」とコメント風・状況説明風な言い方になることが多くありました。
普段の様子を伺うと 「こういう言い方でも、大人は何か伝えたいんだろうということが分かるから、特に家族は『あ、○○がないんだね』とすぐに助けていました。なんなら『よく言えたね』ぐらいの気持ちでした」
「でも、今回ぐんぐんで確認して、この言い方だと小学校の授業中とかには『そうなんだね』『それで?』と言われてしまうかも」「練習しておいた方が、本人が困らないかも」とのお話がありました。
そこで、先生と勉強の場面で「ください」のひらがなとイラストが書いてあるメモを使用しながら、「こういう風に伝えたら、何がほしいのかがすぐに分かってもらえるよ」と教え、実際に取り組みました。
最初は「○○、ないなぁ」「あれー。変だぞ」など言っていたBくん。メモを軽く指差したり、少し待ったりすると「あ。○○ください」と言えることが増えてきました。
先生と勉強場面でできるようになってきたため、伝えられる場面を増やすために、『友達と勉強』場面でも取り組むことにしました。
場面の般化! 小学校でも使えるようになるかな? ということで、筆箱に鉛筆が入っていないなどの状況を作ったところ、最初は「あれ? 鉛筆どこだ」「鉛筆ないなぁ」「鉛筆がないとプリントができないんだけど」とコメント風・状況説明風になっていました。
そこで、『友達と勉強』を始める前に、メモを見せて「何か物が足りない時や困った時は、こういう風に伝えてね」と確認してから取り組んでいます。少しずつ「○○ください」「あと、△△もください!」と色々なスタッフにも伝えられるようになってきています。
うまく伝えられたと感じるのか、Bくんは嬉しそうににこにこしていました。
Bくんは、「どのように伝えるといいのか」「どうすれば自分の要望が叶うのか」を思い出せる視覚的なヒントメモがあることで、「そうだった!」と思い出せるため、小学校で使える形やサイズなどについて、ご家族と一緒に今後も検討していくことになっています。
ご家族も『友達と勉強』の活動を通し、それぞれのお子さんの学習スタイルや理解や表現の仕方を確認したり、クラスの人数などを想像しながら、
「今この人数でこれなら、30人クラスだったらどうなるだろう?」
「席配置はどこがいいんだろう」
「気が逸れている時、どうやったら戻れるかしら」
など、お子さんの立場や視点に立って、色々と考えておられるところです。
活動後の振り返りを一緒にしているため、「次回はこういう工夫をしてみてほしい」「あ、いいですね。うちもそうしたらできるかも」とアイデアを出し合ったりしながら進めることができています。
私たちスタッフも、ご家族からの率直なご意見をもとに、本人に合う支援を考えるお手伝いができていて、この活動は毎回とても楽しいです。
余談かもしれませんが…。
先日、川崎医療福祉大学の諏訪利明先生が赤磐ぐんぐんに定期コンサルに来てくださった際、『友達と勉強』の活動に、スタッフが子ども役になって参加している姿を見られて、「先生は友達なの?」「『友達』というより『みんなで』という方が場面には合っているかも?」とのコメントをいただきました。
そこで、早速『友達と勉強』から『みんなで勉強』に名前が変わっています!
子どもたちは「へー」とだけで新しい名前にも抵抗なく取り組んでくれています。
赤磐ぐんぐんは、年中・年長児クラスです。園生活や学校生活の予測が立ち、「できる!」「できた!」を増やしていけるよう、今後もご家族と一緒に色々と検討しながら取り組んでいきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
(赤磐ぐんぐん療育スタッフ:T)

赤磐ぐんぐん(臨時版:研修会報告)

先日、2024年9月14日〜19日まで、博多まで出張研修に行ってきました。
内容はTEACCHのFundamental Training(3日間)とBeyond the Basic(3日間)に参加するためです。
そこでの学びは、本当に楽しい!!! の一言でした。
様々な学びや発見の中で、改めて私が感じたことの一つは、本人に合わせた支援があること・そしてそれが個別化されると同時に、作って終わりではなく、本人の様子を丁寧に観察していきながら調整することが大事であるということです。
これ、何回も何十回も聞いた話なんですが、本当にそうなんですよね・・・。
よく聞くたとえとして「眼鏡」が出てくるのですが、今回自分に刺さった部分でした。
私の視力が人より悪いことは、自分のせいではありませんし、誰かのせいでもありませんし、努力ではどうにもなりません。どんな眼鏡がいいかは、しっかり視力検査をして見ないと分かりませんし、作って終わりではなく、繰り返し調整しながら使い心地を自分で感じながら考えていきたいです。
100均の眼鏡でも「ないよりはマシ」だけど、「これでいいよね」「皆もこれで我慢しているんだから」と言われるよりは、「できたら自分に合うものがほしいな」と思います。
支援も同じで、「皆、同じスケジュール」「皆、同じ説明の紙」でも、スケジュールがあるだけマシだけど、その人が過ごしやすくなり、生活しやすくなり、ハッピーに暮らしていくためには、もう一歩考えていくことは、ASD支援だけでなく、対人サービス業である以上絶対必要な視点だなと思いました。
そして、もう一つ今回良かったなと思ったことは、全国各地(海外からも!)の参加者たちとのグループワークができたことです。
初対面の人も多く、人見知りの私はドキドキしていたのですが、ASD支援をしているという共通の仕事であること・そしてTEACCHを学びたいという意欲がある人達だということだけで、もう何だか十年来の仲間のように意気投合できました(国境も飛び越えた)!
熱い思いを持った人たちとご一緒できて、そして素晴らしい実践をしておられるTEACCHの先生の方々からの学びをいただけたことは、かけがえのない夢のような幸福な時間でした。
帰岡して、そのままのテンションで、スタッフと仕事をし、ご家族とお話し、子どもたちと関わっている毎日です。
少しやばい熱量な私ですが「松田先生、本当にいつも前向きですよね」「エネルギーの塊で、元気もらっています!」と言ってくれるスタッフたちと仕事ができることはとても幸せなことだなとも思っています。
この熱量を、仕事にしっかり生かしながら、今日も明日も元気に頑張りたい松田なのでした。
6日間参加させてくれた自分の家族にも感謝! そしてフォローしてくれた祖父母にも感謝! ですね。
(赤磐ぐんぐん児童発達支援管理責任者:松田紗代)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、
みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R6.8.26〜R6.9.25)

○ N. K 様 (赤磐市)      ○ S.I 様(岡山市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
  岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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