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令和 6年12月31日
第320号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
320号 目次
2024年の終わりに
自閉症啓発セミナーの報告
「平木真由美先生 講演会」
即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ
キッズルーム、クリスマス会、水泳教室、保護者座談会 の 報告とお知らせ
はやぶさの会 、クローバーの会、さをり織り教室 、OHAの会 の 報告とお知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「あなたがあなたであるために 【補注新装版】」
ぐんぐんだより
「ぐんぐんキッズ」
寄付のお礼とお願い
早いもので年内のお届けも今回が最後の会報となりました。
皆様にとって2024年はどんな年だったでしょうか?
育てる会にとっては、療育部門の定員不足が影響し、経営の少々厳しい年となりました。
良いことをしたい、お母さんやお子さんにとってよりよい学びをとの思いから、親子同室という形態をとりつづけてまいりましたが、昨今の若い親御さんは共稼ぎの方がほとんどで、お迎えに来てくれて送り届けてくれるような、親がノータッチの療育機関をご希望の方が多くなってきているように思います。
親の育ちが、子どもの育ちを支えると考える育てる会は、若い親御さんのニーズには添わないのでしょうか?
苦戦を強いられる一年となりました。
考えて見ると私たちの世代の親は、障害をもつ我が子をどこかに預けて、働きに出るということが出来ませんでした。少なくとも赤磐にはそんな社会資源はありませんでした。
我が家も例外ではなく、夫の給与だけでやりくりするしかなかった時代でした。周りの大抵の障害児を持つ家族がそのような状態でした。
現在は制度も整い、学童にもよほどのことがなければ入れてもらえる時代です。
放課後等デイサービスは、学校までお迎えに行ってくれて、そして療育が済めば家まで送り届けてくれる事業所が多いです。
近所の小学校でも、帰りの時間になると市内の事業所の車がズラリと並んで待っています。宿題も放課後等デイサービスでやらせてくれるため、親御さんにとっては、本当に至れり尽くせりです。
保護者が付き添って、指導員と一緒に将来の自立に向けての適切な対応を身につけていく・・・なんてやり方をとっているのは育てる会ぐらいでしょう。
いい時代になったことを喜びたいというところですが、そうとも言えません。
皆さんご存じなのでしょうか? 放課後等デイサービスというのは、学校の放課後を補償するという制度です。
18歳を過ぎて学校を卒業すると、この制度はもう使えません。他にどんなサービスがあるかというと、日中一時というのがありますが、単価が安く、これを行う事業所は多くありません。
卒業後の人生の長〜い長〜い放課後をどう過ごすか・・・、今から考えて計画的に子育てしていかないと、大変なことが起こります。就労継続支援の事業所などでは、3時過ぎには家に帰ってくる所も多いです。
長く他人にお任せだった子育ては、親の言うことを聞けない子に育ってしまっていないでしょうか?
私は、預けるところがどこにもなかった時代の親です。毎日学校から帰ったら、どう過ごすか、考え考え暮したものでした。
家で何を教えていくか、我が家は療育機関には入れていただけなかったものですから、親が元気出して色々取り組みを考えて行くことにしました。・・・と言うか、それしかできなかったものでした。
本を読み、やれそうなことを試しながら、あれやこれやと取り組んできました。
結果、親は子どもの障害を理解し、また子は親を信頼すると言う形で、生活を送ってこれたのかもしれません。
何にもない時代だったからこそ、工夫が必要でした。でも、それが今の息子を作って行ったのだと確信しているのです。
時にはプチパニックもありますが、殆どを穏やかに過ごしています。
楽しいこともいっぱいある彼の人生は、幸せそうです。
苦あれば楽ありです。楽あれば苦が待っていますよ。 ご用心!、ご用心!!
そういうわけで、私ども育てる会は、療育の中で親御さんも育てていくことを大切にして、親子療育を行っているのです。
療育の様子を見ていただき、その説明を丁寧にさせていただくことで、我が子への理解が進んでいくことを願っています。
だって、いつまでも、いつまでも、とは通っていただけない育てる会の事業所です。やがて事業所を卒業し、地域の中で保護者の方と暮らしていただくことになります。
その時、我が子の代弁者になっていただけるように、「この子はこういうところが苦手です。 それはどうしてかというと○○のようなことが、出来にくいからです。 そこで○○のようにしていただければ、理解しやすいので、やってみていただけませんか?」と言う風に、子どものことを先生に伝えられるようにならなければ、子どもはいつまでも先生に理解してはいただけないでしょう。
誰がやるの? 親しかいません。
この子のことを幼児期からしっかり分かっていなければ、園や学校やそして就労先に誰が伝えるのでしょう。親しかいません。
今の制度の中では、学校だけに頼ることは難しく、相談支援の事業所もそこまでのことは出来かねることでしょう。
誰がやるの? 親でしょう。
いつやるの? 幼児期からでしょう!
だから育てる会は、親子療育をずーっと続けてやっているのです。
経営が少々厳しくなっても、そこは譲らず、ずーっとやっていきたいと思っています。
皆さん、育てる会のぐんぐんグループの療育事業所をどうぞお薦めください。
いい仕事します。そして、一緒に子どもたちを育てていきましょう。
さて、12月7日には、今年最後の講演会が行われました。
講師は平木真由美先生、演題は「自閉スペクトラム症の人の性と生 〜幸せな人生を保障するために〜」というものでした。
性教育を親から教えてもらうなんてことは、大抵の定型発達の子どもは、必要としないのではないかと思います。
自然に何かのきっかけで学んで言ったように思いますが、発達障害を持つ子どもたちの場合は、自然に学ぶなんてことは難しいというのは、皆さん周知の通りでしょう。
我が家の場合は、教えないことは学べないという知的障害を伴うタイプである哲平です。教えるといっても何を教えていけばいいでしょう。どう教えていけばいいか迷うばかりです。
そんなわたしの迷いをあっさりと解決できた講演会だったように思います。
踏み込まなかった性への学びに勇気を出して踏み込んでいこうと思いました。
先生は性は権利と言われました。知ることは彼の権利なんだと思うと、教えないことは罪かとも思いました。
少しずつ、彼の様子を見ながら頑張ってみたいと思います。
そして、次の講演会が決まりました。
チラシはまだ出来ていませんが日程だけはお知らせしましょう。
2025年3月15日(土)、みなさんよくご存じの門眞一郎先生と、三重の松阪あゆみ特別支援学校の石井幸仁先生のお二人によるPECSの実践的講演会となります。
興味のある方は、カレンダーにチェックを入れてください。詳しい内容は来年の会報でお知らせしますのでお待ちくださいね。
さて、ここからは、育てる会の行事についてです。
育てる会では、会員向けの行事をたくさんたくさん行っております。
中でもお母さん方の要望の多かったのは、親の悩みや相談が出来る座談会です。
12月は、お餅つきをしたあとの座談会でした。なんやそれ?? けったいなことやっているなぁ〜と思われるかもしれませんが、これが結構好評なのです。
色んな料理を作って、それを食べつつ、和やかな中で話をする。
みんなで一緒になんやかやと作った後なので余計くつろいで話も弾みます。深刻な話も出来上がったモノを食べながらお茶を飲みながらだと、なんか大丈夫な気になるもんです。
おいしいものは心を温かくします。おなかが大きくなると、イライラも収まってきます。
それで何で餅つきかって?? だってお正月前だし、みのる産業さんからいただいた餅つき器を使いたかったし、皆にもついたおもちをたべて欲しかったからでした。
おぜんざいは前日から小豆を炊いて作っておいて、当日は、きなこ餅と、ぜんざいを来た人だけでなく、ぐんぐんタッチの親子さんにも振る舞いました。
初めて食べるものは、難しいお子さんもいました。
「いらん!」と言われたときは、少々焦りましたが、そんな見たこともないもん食べられんわな〜と思いました。
息子が偏食だった頃のことが思い出され、頑張って色々挑戦出来るときが来るよ〜と言ってあげたいおばちゃんでした。
“きなこ” と “ぜんざい”を両方見せてドッチにする? と聞いてみて、本人が選んだ方をその子にあげて、選ばなかった方はお母さんに食べてもらいました。
いつもと違うおやつの時間となりました。
残りのお餅は職員や参加者で分けて、なんだかお正月が近いことを感じる日となりました。
当日は「赤磐市民ライター」の方の取材もありました。みのる産業さんの方からも写真を撮りに来られたので社内報に載るかもしれません。とにかく賑やかなお餅つき座談会でした。
さて、色んな活動している育てる会の会員活動です。
以下のような会があります。
サッカードッジスポーツクラブ、クローバーの会、はやぶさの会、クリスマス会、OHAの会、あかいわPECSサークル、支援ツール勉強会、水泳教室、さおり織り教室・・・
以上は、今月〜来月に行われる会の行事です。
それぞれに活動報告や案内が後ろのページにありますので興味のある方はご覧ください。
・・・・その他にも、木工教室、山登りの会、AAO活動、マッサージ座談会、青年部のワイワイ Holiday などなど。
育てる会では、活動に参加される方を募集しています。
詳しいことが知りたい方は、お電話またはホームページをご覧ください。
さて、ここからは我が家の話です。
12月に2回旅行に出かけました。
11月30日から12月2日まで、京都の紅葉を見るために夫婦二人だけの旅行でした。
いつもは哲平と一緒なんですが、今回は金婚式の記念旅行です。哲平を長女に頼んで、安心して出かけることが出来ました。
哲平にとっては、初めての長女宅へのお泊まりでした。
長女の家では、哲平の部屋を用意してくれています。リフォームの時、哲平の部屋を作ってくれました。初めて使う部屋、初めて眠るベッドでしたが、落ち着いて過ごしていたそうです。
私たちがいなくなっても、グループホームから盆正月や土日に帰れる場所があるなら安心です。
そういうわけで、久しぶりの夫婦だけの旅行です。
お天気も良くて、例年より少し遅れているという紅葉が丁度見頃で、最高の紅葉でした。久しぶりに階段で手を引いてもらったり、腕組んで歩いたり・・・なんだか新婚旅行の再現みたいでした。
50年は嘘みたいです。いつの間にか50年。色々あったけれど、私たちは幸せとつくづく思った旅でした。
続いて12月22日から24日に富士山を巡る旅に、こちらは京都旅行では留守番だった哲平と共に3人で出かけました。
お天気が心配でしたが、3日間とも晴天で富士山は綺麗に見ることが出来ました。
特に感動したのは一日目の宿泊ホテルからの眺めでした。
朝起きると目の前にどーんと富士山が見えました。川口湖の向こうに大きく富士山が横たわっていました。
何にも遮られず、頂に雪をまとった富士でした。
「頭を雲の上に出し 四方の山を見下ろして かみなりさまを下に聞く 富士は日本一の山 ♪」
思わず、小学校時代に歌ったであろう歌が口をついて出てきました。
大きくてどこからでも見えて、まだ地上は雪もないのに白くて清らかで・・・富士は日本一の山でした。
哲平はと言うと、富士山になんの興味もありません。「わぁ〜綺麗!」と親が騒いでも、それがどうした・・と言う反応です。
それよりもスマホやiPadの画面の方が興味あるみたいで、景色は無視無視でした。
そんな哲平の旅先での一番の関心は、お土産を買うことです。
グループホームと会社へのお土産を買うことが彼の旅の最大の目的のようでした。
羽田からの最初のトイレ休憩地点の海老名サービスエリアで、もうお土産を買おうとする哲平を止めて、荷物になるので最終日の3日目に買いましょう、と提案しました。
それでも途中で、休憩場所に入る度に「お土産、買う!・・・買う!!」とのたまう彼を説得し続けました。
よっぽどお土産買うのが好きらしい彼です。
以前、倉敷に行ったときにもお土産を買うというので、OKしましたが、「それいる?」 という感じでした。
さすがに岡山マラソンの会場のテント村でまで、「お土産、買う!」・・・というのは止めましたが・・・・
哲平にとって、旅の目的は、食べることとお土産を買うことなのでしょう。
それでも飛行機にあれほど怖がっていた彼が、帰りの飛行機で平気になり羽田からの夜景を楽しんで見ていたのには、私も感動しました。
9.11の同時多発テロで飛行機がビルに突っ込んでいく映像をニュースで繰り返し見た哲平は、その時、“飛行機には乗らない”と決めたようでした。
それは一度でも事故を起こした航空会社の飛行機には乗らないと決めたレインマンの主人公のようでした。
でも、お土産を買いに行く旅に行きたくて、繰り返し練習する中で飛行機を怖がらなくなっていった彼です。
今は、離着陸の緊張感は私よりもないくらいです。
心配しなくてもいつかこんなになるんだなと、あの頃の私に教えたいと思った旅でもありました。
そういえば、36歳の哲平は、とてもその年齢には見えないようでまるで高校生のような風貌です。
それでか、一緒に旅した方たちから、「お孫さんですか?」なんて言われてしまいました。
私たち夫婦は、共に70代、髪も染めませんからおじいちゃんおばあちゃんに見えたのでしょうね。ちょっとショックでしたね。
写真は、富士山が見えるように撮った私たちの写真と、哲平にとってもらった写真です。
哲平は富士山を入れることに気づきませんから、いつもの二人が入っているだけです。富士山の見えるところで写真を撮ることの意味も気づきません。
かわいいな〜 おもしろいな〜、と思いませんか。
海外旅行が円高のためにお高くなって、とても簡単にはいけそうもない時代です。
しばらくはこうして国内旅行を楽しめたらと考えています。
でも、いつまでこんな旅が出来るでしょう。私たちがいなくなったら、誰とお土産買う旅に行けるのでしょう?
今からそういう旅が出来るための準備もしなければと思うのでした。
ヘルパーさん? 学生ボランティアさん? 理解ある人、優しい人と哲平が旅できるように、準備がいるだろうなと思いました。
さて、もうすぐお正月です。一年のたつのが早いです。
皆さん寒さが厳しくなりそうですので、暖かくしておすごしくださいね。来月号でまたお会いいたしましょう。
(鳥羽 美千子)
育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告
令和6年12月7日(土)、令和6年度第3回目のセミナーとして、NPO法人発達障害サポートセンター ピュアの 平木 真由美 先生をオンラインにお迎えして「第129回 育てる会自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回は、『自閉スペクトラム症の人の性と生』と題して、自閉症児のみならず保護者や支援者にとっても大切な、性教育の大切さ、人権との関連など丁寧にお話いただけました。
それでは、当日参加したスタッフからの報告や、参加者の方からのアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介させていただきます。
第129回自閉症啓発セミナーでは「自閉スペクトラム症の人の性と生 〜幸せな人生を保障するために〜」というテーマで平木真由美先生からお話を伺いました。
本講演を通じて、性教育の重要性とその具体的な取り組みについて学びましたので一部をご紹介します。
先生は、性教育は単に性知識を教えるだけではなく、「生きる力」を育むもので、人権教育の一部として捉えるべきだという点をお話されました。
特に、日本の性教育が抱える課題や現状について具体的に説明されたことで、現場での取り組みの重要性を改めて考えさせられました。
思い返してみれば私が学生だった頃の性教育といえば、講演内でも紹介されていたような女子生徒・男子生徒が分かれて女子生徒のみが性教育をされるような教え方だったと思います。ニュースなどで拝見するには、最近は高校生や大学生が中学生に対して性教育を実施するような取り組みを行う学校もあるそうですね。
より年齢が近い相手から学ぶことで、身近な話だと感じることができるのではないかと思います。
現状では、日本には未だに統一的な指導要領がなく、学校や教師の裁量に頼る部分が大きいことや、過去の性教育に対するバッシングが「自粛」の風潮を生んでいるといった課題があるそうです。
その中で、京都市の白川総合支援学校が30年以上続けてきた、月に一回行われる「生と性の学習」のカリキュラムは全国に広がっていけばいいなと思う取り組みです。
また、性教育の目的は「本人なりの性的自立」を実現することだと説明されました。
この自立には、「ノーと言える」「助けを求められる」「ノーと言われたときに適切に対応できる」といったスキルが含まれます。これらのスキルは、性教育によって育まれる自己肯定感と密接に関係しています。
具体例として、自閉スペクトラム症の人々に効果的な教育方法として、視覚的で具体的な教材や活動が紹介されました。
たとえば、解剖図やイラストを使った説明、サイコロゲームによる同意の練習、プライバシーゾーンを示した図解などです。
『サイコロゲーム』は、サイコロの目に応じて握手やハイタッチなどの行動を行い、必ず『してもいいですか?』と相手に同意を求める練習のことで、性的同意を学ぶ方法として印象的でした。
このように、相手の意思を尊重し、『ノー』という答えも受け入れるスキルを身につけることが重視されていました。これらの活動は、視覚的な情報に相対的な優位性を持つ人が多い自閉スペクトラム症の特性に配慮しており、対象者が理解しやすいような工夫がされています。
また、性教育は肯定的なメッセージに基づくべきだという考え方には「なるほど!」と思う部分がとても多かったです。
従来は「危険を避けるためにこうしなさい」といった否定的なアプローチが多かったですが、講演で紹介された肯定的な性教育では、「自分の体を大切にし、安全に過ごそう」といった前向きな表現を使い、自己肯定感高めることが重視されていました。
特にマスターベーションや性行動についての教育では、罪悪感を与えるのではなく、プライバシーを守りながら自然な行動として肯定する姿勢が印象的でした。
また、性教育の実践では、体験型学習の重要性もお話がありました。たとえば、コンドームや月経用品の実物を使った指導、妊婦体験エプロンや赤ちゃん人形を使った育児体験など、実生活に密接に関連した教育方法が紹介されました。これにより、子どもたちが具体的なイメージを持ちながら学ぶことができるのではないかと感じました。
特に妊娠・出産の体験学習では、命の大切さや妊娠・育児の大変さなどを実感することで、身近に感じられるのではないかと思います。
性教育は一度で終わるものではなく、成長に応じて段階的かつ継続的に行われるべきだという点もお話しをされていました。
特に自閉スペクトラム症の人々にとっては、繰り返し学ぶことで理解が深まり、学んだことを日常生活に活かせるようになることが大事だと感じました。
数年前、育てる会で平木先生に講演をお願いしたことがあり、さらに今回の講演を依頼した背景には、ライフステージごとに新しい課題や状況が生まれるだろうという考えがあったと聞いています。
それぞれの段階に応じた教え方をその都度学ぶことが重要だと改めて感じました。
先生の最も伝えたい考えとしてお話されていた「すべての人が性の主人公である」という考え方、つまり障害の有無に関わらず、すべての人は生まれながらにして性的存在であり、誰にも自分の性を侵害されることなく、また誰かの性を侵害することもなく、1人1人が自分の性を豊かに生きる権利を持っているという考え方を大切にしていくことは、支援者として以前に全ての人が大事にしなければならない考え方だと思います。
今回の講演を通じて、自閉スペクトラム症の人々に向けた性教育がどのように行われていくべきなのか、考え方の基盤となるものを教えていただいたように思います。
(事務局 N)
○ 25歳の息子の母親です。息子に夢精やマスターベーションについての話しはしていましたが、異性を好きになった場合や男女の体の仕組みなどの科学的な説明等、きちんと話しをしてきませんでした。特に問題と思うような出来事がなかったこともあり、性教育必要だよね・・・と漠然と思うだけで行動に移せていませんでした。
今日、先生のお話しを聴かせていただき、いざ性的なことに出会った時に修正しやすいというお話しから、やはり必要だ!寝た子を起こそう!と思うことができました。また、具体的にどう伝えていけばよいかがわかりました。肯定的に伝えることの大切さも学べました。きょうだい児にも肯定的に伝えていきたいと思います。たくさんの学びのある有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。
○ 知的障害のある息子で伝え方も難しく、ついつい性教育は後まわしにしてきましたが、先生のお話聞いて改めて大切さを感じ、頑張って勉強して伝えなきゃと思いました。
その子の人生に関わる権利であるのだ、と講演聞いて思いました。肯定的に楽しく伝えられるよう頑張ります。
○ 性の話はデリケートで、そろそろしっかり知らねばならない年齢だけど、どのように伝えたら良いか悩んでいたのでとても勉強になりました。
そして、セイバンのランドセルの動画で思わず泣いてしまいました。ASD、ADHD、軽度知的のある小学三年生の長男はいつも図書の本を借りてくるとき、「お母さんが好きそう」という基準で選んできます。自分が好きな物を選んだらいいよ、と声がけしてもいつもお母さん、あるいは弟が好きそうな本を選んできます。
長男は多弁で話があちこち飛ぶので、良くないと分かっていますがこちらも話を聞くのがおざなりになりがちです。もしかしたら、それで自分の発言や考え方に自信を無くしていることがあるのかもしれないと思いました。
何かあれば話してほしいと常日頃からコミュニケーションは取っているつもりですが、私の傾聴力が足りないと感じたので、もっと長男を尊重する姿勢を見せたいです。色々と考えるきっかけになりました。ありがとうございました。
○ 私の世代ではなかなか性に対して語るのはおこがましく、気恥ずかしい面もありましたが、今回のお話が聞けて、大変ためになり勉強になりました。特に、女性の性器プライベートゾーンのお話でやわらかくて傷つきやすいので大事だから触らないで下さいと自分で守れるようにおっしゃっておられた話が自分の中で腑に落ちました。
2ヶ月ほど前、中3の次女の性教育講演会で産婦人科の男性の先生のお話を親も聞くことができ、性的同意の大切さや、もし性行為することがあれば、ピルとコンドーム両方を用意してというような赤裸々な内容で、勉強になりましたが、女性のプライベートゾーンのお話をしっかり伝えた上でのこのことこそが、子供にとっても大事なことではないのかなと改めて思いました。
あと、CONSENT FOR KIDSの動画はわかりやすく子供にも見せたいと思います。
ランドセルの動画は心に残る内容で、ジェンダーバイアスといわれると聞き慣れない言葉でしたが、他の人とは違う、自分は何だろうとマイナスな言葉を浴びながら育つと、自殺念慮が6〜7倍になるデータがある、だからこそ本人のジェンダーを表面化し応援することが大事と言われて、動画とともに納得できました。
令和6年度 現場の先生のための即実践講座
令和6年度の、今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生による「現場の先生のための即実践講座」です。
今回は、職場内でのコミュニケーションの話でしたが、その中でも「ヒヤリハット」をたくさん出そう、という話が興味深かったです。
たとえば、事業所のエアコンを消し忘れていたとすると、ヒヤリハット
を書くのは、その日の当番、その日の最後にカギをかけて出た人、朝最初に出勤して消し忘れを見つけた人・・・それだけで3枚のヒヤリハットが集まってくるという訳です。そしてヒヤリハットがでてこない職場は、忙しすぎてヒヤリハットを書く余裕すらなくなっている事業所・・・つまり大きな問題が発生するかもしれない職場、ということになるのでしょうね。
目からウロコのお話しでした。
次回は、支援者アルアルの話だそうなので、支援者として怖いながらも楽しみにしています。
『 第8回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和7年1月24日(金) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「愛媛の明るい当事者会さんとコラボ
〜できるだけ前向きに支援者あるあるを語り合ってみたい〜」
講 師:桑原 綾子 先生(NPO法人ライフサポートここはうす 所長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第6回「職場内のコミュニケーションを考える A 〜チームで統一した支援をするために〜 職場内のコミュニケーションから考える」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。
○ 一次上司、一次部下(注:自分に一番近い直属の上司、部下)の話が興味深かったです。
自分の学校で考えたときに、私のふるまいは正しかったのか考えることができました。例えばクラスの子どものことで、一次上司当たると思われる「主任」に最初に報告できていないことがあるので、ホウレンソウのポイントを考えながらホウレンソウをしないといけないと思いました。相手に伝わらない、上手くいかないときには、自分の伝え方などを変えていかないといけないということを意識していきたいです。
ヒヤリハットの話は、職場で同じものを見てヒヤリハットできるようになることが大切だとわかりました。自分の職場では、まだそこのあたりが統一されていなくて、管理職の先生がいつもいろいろ言ってくださっているのを自分ごとに捉えられていない部分があります。どうしてかな、と思っていましたが、今日の話の中の、「関わった人みんなで報告する、犯人探しをしない」というところにヒントがある気がしました。
○ 本日はありがとうございました。管理者から見た自分、他者から見た管理者の立場で考えて、自分分析をする時間が持てました。かつてリーダーであったときに自分はこのようなことを意識していただろうか?今の状態はどのようであるかなど、「仕事面での成熟度」と「心理面での成熟度」「チームとしての成熟度」の項目に充てると、自分の足りていない部分が見えました。部署内での問題点や改善策も理解でき、とても勉強になりました。
業績も重視しなければ、事業の継続も必要な支援も途絶えてしまうということも、桑原先生の体験談を伺いながら納得できました。失礼な言い方かもしれませんが、桑原先生の飾らないトーク力がとても現実的でわかりやすくて好きです。今回もたくさんの気づきを下さりありがとうございました。明日からも参画意欲満々で頑張ります。
○ 一次上司に育てられて一次部下を育てる。部下をアセスメントしてどの型でリーダーを演じるか。そして部下を育てながらその型があってないときは、接し方を変えていくことを、理由を伝えて変える。演じる型は一つに決めてその時々で演じる型を変えるのはしない。奥が深い、そしてしっかりとその人の上司として責任もはたせるんだなぁと、衝撃で、感動でした!ありがとうございます。それは、自閉症のある方と接する時にも通じること、すごいです。それが、できる人になるのは、修行が入りそうですが、いま、自分がどこにいて、どの役割を果たすべきかも、しっかりと把握できる人にならなくてはですね。いらんでえーことはしない(方言ですが、余計なことはしない)つたえる、伝わる基本ですね
令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐
赤磐市の共催をいただいて開催している「発達障害支援夜間連続講座」です。
今年度はよこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木康栄先生をお招きしての講座です。
第7回は「支援に潜む誤解」のテーマで、私たちがともすれば陥りがちな“慣れ”による失敗について学ぶことも多かったです。
例えば、構造化を考えていく中で、作業中に余計な刺激により気が散ることを防ぐためにパーテーションなどを利用することも多いと思います。でも、安易にそれに頼ってしまって、本人の特性をアセスメントしないでいると、パーテーションを苦手とする人には苦痛を与えてしまうかもしれません。
そうですね、確かにASDの人のなかにも、閉所恐怖症の特性を持つ人もきっといるでしょうね。
佐々木先生の言われるように、いつも「それって本当に支援?」と常に自省することが求められていると思います。
次回は「失敗には原則がある」、さらに自らの支援を見返すような内容になるのでしょうか・・・
『 第8回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』
日 時:令和7年1月15日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「失敗には原則がある」
講 師:佐々木 康栄 先生(よこはま発達クリニック・相談室)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、赤磐市在住・在勤者 7000円(全10回分・各資料代含む)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
それでは、第7回「支援に潜む誤解 〜それって本当に支援? 」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。
○ 今日の講義では、「スケジュール、アセスメント、支援とは・・・」など、改めて今までの自分自身の関わりを振り返ったり、考えさせられたりすることがあり、とても勉強になりました。
今は小学校の支援員をしていますが、「この関わりは本当にこの児童ためになっているのか・・・」と思うことがあるので、「説得よりも納得を」「支援そのものを疑い、見直す」など、今回学んだことを活かしていきたいと思いました。ありがとうございました。
○ 基本の質が高いことがプロ、という感覚はとても大切だと感じました。
自分も含め、多くの人が、日々の困り感から、何か劇的な効果があるような方法を探して、中途半端な・効果のない・時に逆効果の関わりをしてしまっていると思います。そのことに警鐘をならし、本当に大切な支援とはなんなのか、ということを考える機会をいただけていること、非常に有難いなと思います。いつもありがとうございます。
○ 日々の療育の中で、「この子のために次は何をすればいいだろう」と考えることが多かったですが、その時に「それは何のために?どうやってやる?」を必ず振り返ろうと思いました。
療育に関わり始めてまだ日が浅いので、焦る気持ちもありますが、まずはしっかりと基礎固めをしていこうと思います。
○ 支援の基本は疑うこと、というお言葉を常に思いながら、何のためにそれを行うか意味を考えながら行うことの大切さを知れました。(難しそうですが、そういった視点を持ち続けたいと思います)
○ 根拠も示さず安易に寄り添うっていう言葉を多用しているなぁと思って耳が痛かったです。スケジュールは、自分で行動できる自立と、これならできるやってみようと思える自発の両輪が目的なんだという話、とてもわかりやすかったです。
支援ツール勉強会の報告 と 次回のご案内
12月5日(木)、今年度第5回目の武藏博文先生による「支援ツール勉強会」を開催しました。
今回も「ソーシャルストーリー」についての復習を行い、参加者が家で作成された作品を共有しつつ、新たにみんなで考えながら作る時間を設けました。
それぞれのお子さんの状況をしっかり考慮し、肯定的で分かりやすい文章が多く、意見交換も活発に行われました。
「こうするともっと良くなるかも!」といったアイデアが飛び交い、学びの多い時間となりました。
次回は、1月9日(木)に「お助けブック」について学ぶ予定です。
自己紹介カードやサポートブックの活用方法、さらには感情コントロールに関するお話も聞ける予定です。
講師の武藏先生の著書『カンジョーレンジャー&カイケツロボ』は、私自身も子育てで大変お世話になった本です。
先生の解説をお聞きできる貴重なお時間となると思います。楽しみですね。
残り2回となりましたが、引き続き楽しみながら学んでいきましょう!
『 令和6年度 第6回 支援ツール勉強会 』
日 時:令和7年1月9日(木) 10:00〜12:00
場 所:事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
テーマ:「お助けブックを工夫しよう @」
講 師:武藏 博文 先生(ぐんぐんアシスト相談員:元 香川大学教育学部 教授)
参加費:正会員 無料、 ぐんぐんグループ療育利用者・賛助会員 年間 3000円
キッズルームのお知らせ
今年度、最終のキッズルームです。
卒業されるボランティアさんとは、笑って最後のキッズルームを楽しみたいと思います。
日時 : 2月8日 土曜日 13:00〜15:00
場所 : 岡山大学 清水記念体育館
持ち物 : うわぐつ、飲み物(必要な方)
参加費 : 500円 保険料込(2歳児から必要・兄弟児も同様)
申込み方法など、詳細は同封のチラシをご覧ください ! (正会員限定)
クリスマス会報告
12月21日(土)、育てる会のクリスマス会が開催されました。
今年はいつもの体育館が使用できず、大学生の皆さんが急遽手配してくれた新しい会場で行われました。
事前に参加者へ動画で場所や部屋移動の案内をしたことで、当日はスムーズに進行。キッズルームの時と似た流れだったこともあり、皆さん混乱なく、楽しいひとときを過ごされました。
リトミックでは、ボランティアさんのお手本を見ながら元気に踊り、人形劇では静かに集中して鑑賞している姿が印象的でした。
ビンゴゲームでは、待つことが苦手なお子さんも楽しめるよう、通常より少ない数字で進行。ビンゴを待つ間もワクワクした表情が見られました。
育てる会のビンゴは、保護者が用意した自分のお子さんの好きなプレゼントが当たる仕組みにしているので、子どもたちの大喜びの笑顔が溢れていました。
初めて参加したお子さんも「ビンゴって楽しい!」と感じてくれたようです。
場所が変わっても無事成功したクリスマス会。
今年も喜びに満ちた一日となり、この伝統を来年以降も続けていきたいと感じました。メリークリスマス!!
(担当:育てる会 事務局 K)
今年も明治ホールディングの株主のみなさまからご寄付いただいたお菓子を、クリスマス会で参加者の子ども達に配ることができました。明治のお菓子のプレゼントで、クリスマス会をおおいに盛り立てていただきました。
明治ホールディングの株主様、ありがとうございました。
水泳教室のお知らせ
日 時:令和7年1月19日(日)15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。(正会員限定)
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は1月16日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当: I & S)
保護者座談会の報告とご案内
〜みちこさんとあきよさんのもちつき座談会〜
12月19日(木)、事務局1Fの大広間で「もちつき座談会」を開催しました!
先日みのる産業様からいただいた餅つき機と持切り機を2台ずつ活用し、参加者で楽しく餅を丸めた後、“ぜんざい・きなこ・醤油”の3種類の味でいただきました。
つきたてのお餅をおなかいっぱい食べながら、会話も弾み、思い思いの話に花が咲きました。
当日は療育に通っているお子さんにもお餅をふるまい、初めてお餅を口にする子も喜んでいました。
一緒に何かを作り、美味しいものを食べながら、子育ての悩みや雑談、日々の愚痴を話し合える時間は、保護者の方にとって貴重なリフレッシュの場になっています。また先輩お母さんから子育ての秘話や学校との関わり方など、普段得られにくい情報を聞けるのも育てる会ならではの魅力です。
以下、参加者からの感想です。
● みんなでお餅を丸めたり、いろいろなお話ができて楽しかったです。
お餅が、切る器具にくっついてしまうのでは? と思いましたが、きれいに切り分けられて、大きさも調整できてとっても便利でした。また、違うイベントでも活躍できそうですね。
代表の作ってくださったぜんざいは、何度もおかわりするくらい美味しかったです。
普段、子ども中心の生活をしているので、座談会は美味しいものを食べて、同じ悩みを持ったお母さん方とお話しできて、お腹も心も満たされるステキな時間になっています。まだ参加されたことのない方にもオススメの会だと思います。
● お餅とても美味しくいただきました。 皆さんともじっくり貴重なお話ができて、楽しくて時間が経つのがあっという間でした。楽しいひと時をありがとうございました。
● 人見知りで、緊張しましたが楽しかったです。いろいろ聞けて勉強になりました!
子供のことで頭が一杯になって、頭が痛いことも多いのですが・・・また息抜きに行かせていただきます。
ありがとうございました!
来月は「みちこさんの巻きずし座談会」を予定しています。
保護者の皆さんがほっとできる場所として、ぜひお気軽にご参加ください。お待ちしています!
1月の座談会 クッキング座談会
〜みちこさんの巻き寿司座談会〜
日時:令和7年1月16日(木) 10:00−12:00
場所:育てる会事務局 1F大広間(赤磐市上市355-2)
参加費:500円
持ち物:エプロン・参加費・飲み物 (正会員限定)
節分前に、美味しい、巻き寿司のつくり方を学びながら、おしゃべりしましょう!
(担当:育てる会 事務局 K)
はやぶさの会 の お知らせ
「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
皆で集まって、カラオケやボウリングをしたりゲームしたりおしゃべりしたりをしています。
だんだん年齢層も高くなってきて、受験やら部活やら塾やらで、なかなか集まる時間が取れなくなってきていますが、子どもたちにとっては「はやぶさ仲間」に会える時間は大切なようです。
年始の1月5日(日)に久々に集まりたいと思っています。
冬休みの話・年末年始の過ごし方など、色々子ども同士で話ができると良いなと思います。
日時 : 令和7年1月5日(日)午前中
内容 : はやぶさの会LINEグループで相談しています
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です。
(兄弟で参加したいという場合、その兄弟にもASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M )
クローバーの会 の お知らせ
「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの会です。
学期に一回程度集まって、皆で一緒にご飯を食べたりカラオケをしたり遊んだりおしゃべりしたりを楽しんでいます。
12月22日(日)に、クローバーの会メンバーで集まりました。
今回は皆でファミレスに集まって、一緒にご飯を食べて、クリスマスプレゼント交換会をしました。
久々に会うといつも最初は皆緊張ぎみ。一人一人持ってきた待ちグッズでお絵かきをしたり、お母さんとおしゃべりをしたりしていましたが、徐々にいつもの皆らしさが出てきて、食べる量の話から給食の話をしたり、お店のメニューを見て一緒にデザートを決め合ったり、番号表示を見て「あの机の番号は何でついているんだろう?」と話したり、「プレゼント交換では『ドキドキするー』とわいわい盛り上がったりと楽しそうでした。
最後には「次は○○に行きたいね」「もし雨が降ったらどうしようか」など次の計画について相談しあい、「早めに日程決めないと、ママたち別の予定入れちゃうからさぁ」とプチ怒られも(笑)。 本当に成長してきているなぁと思います。
参加された方からの感想です。
みんなと同じようにキッズパスタを頼んで、一緒にデザートも注文して、とても嬉しそうでした。偏食だった頃は、いつか友だちと食事を楽しめるようになるのかな・・・と不安でしたが、みんなと美味しそうに食べる我が子を見て、成長したなあと私も嬉しくなりました。
待ち時間の間もお絵描きをしたりテーブルの数字チェックをしたり、子どもたち同士で遊びを見つけて楽しんでおり、上手に待てていて良かったです。プレゼント交換でも大好きなシナモンやすみっコが当たり喜んでいました。今回も貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
ありがとうございました。クローバーの会のクリスマス会、今回も楽しい時間を過ごさせていただきました。
交換するプレゼントも自分で選び、当日までワクワクしていました♪
クローバーの会では、みんな近すぎず遠すぎずの絶妙な距離感で接してくれるため、人見知りな我が子も私も、安心して参加できています。皆さん、いつもありがとうございます。次回も楽しみにしています。
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹にASD診断が出ている場合には参加可能)。
興味のある方は、事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)
さをり織り教室のお知らせ
お母さんたちが、お互い教え合いながら楽しく機(はた)を織っているさをり織り教室です。
堅苦しい話は抜きにして、子育てのこと、学校のこと、そして将来の話などしながら、手や足を動かしていると、日常を離れて良い息抜きにもなっているようですね。
だいたい月に1回、みんなの都合で教室を開いています。
まだ若干、さをり織りの機が余っていますので、興味のある方は事務局までご連絡ください。
次回の開催は、1月24日(金)の予定です。(正会員限定)
OHAの会 の お知らせ
OHAの会は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを育てる保護者のための会です。
今年は臨床心理士の利守愛子先生に講師をお願いして、Zoomで開催しています。
次回のOHAの会
令和7年1月19日(日) 10:00〜12:00
また、順延になった11月17日分は
令和7年2月 2日(日) 10:00〜12:00 開催予定です(正会員限定)
お母さんコラム
中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
息子と娘の話を一つずつ。
息子は、クリスマスプレゼントに「ドラクエ3」をもらいました。
私が子どもの頃やっていて、「これ面白いと思うよ」とゲームの説明を色々したところ、「ほしい!」となり、サンタクロースに頼むことにしました。
早速、ゲームの序盤、酒場に行って仲間を見つけたそうです。
「仲間どういう職業にしたの?」と聞くと「え?普通に戦士と僧侶と魔法使いだよ」というので、「あら。オーソドックスの鉄板メンバーにしたんだね」と言うと「?」という表情。
話を聞くと、他にも仲間にできる職業があること自体を知らないようで。
「RPGゲームは、人の話を聞かないと解けないようになっているからね」「最近のゲームは親切に解説してくれるから、大事そうなところを飛ばさないこと」と言うと、「俺ってこういうところあるよなー」「大事かどうかをあまり考えずにやろうとしちゃうのが俺なんよ」と言い「テストとか学校の勉強で『よく見ろ』『よく読め』って言われるのだと『はいはい』ってなるけど、今回のことは自分のためになることだから、次からよく読むことにするわ」とコメント。
早速酒場に行き、じっくり仲間を吟味して育て直しているそうです。
本人にとっての意味付けや動機付けって、大事なんだなーと思った今日この頃です。
娘は、先日友達たちとクリスマスプレゼント交換をしました。
プレゼントは1000円分ってことで、色々迷いながら「自分でもほしいぐらいじゃわ」と言いながら選んでいました。
ラッピングが巾着風になっている袋にしていたため、あげる前から何度もそれを出してはじっと見ている娘。
こそっと私のところに来て「やっぱりこれ、あげるのやめたい」と言います。
「駄目よ。他に持ってきていないんだし、一度あげるって決めたんだから、もう変えられません」「てか、プレゼントするものを出したり入れたりしないの」というと「ぶーっ」と言いながら我慢我慢。
いよいよプレゼント交換タイム。他の子が「自分のが当たるといいな」と言うのを聞いて、「え!私もそうしたい!!」と言う娘。
じゃんけんで番号を選んだところ、残念、自分のではないプレゼントが当たりました。
その後、プレゼントしたものを「これはね」と解説するために奪い取るようにして説明を始めたりするので、「一度プレゼントしたものは、もう触りません」と言うと、また「ぶーっ!」と言い、ぷんぷんとトイレに行き、少しこもって気持ちを切り替えていました。
帰りの車で、何がいけなかったのか・次からどうするといいのか・母が何に対して怒っているのかなどを時系列と周りの人の気持ちとを一緒に説明すると、ほろほろと泣きながら「みっともない2年生でした」と涙。そこまで!?とびっくり。
が、「次から、家にあるいらない玩具をプレゼントすることにする」と言うので「あー・・・?」と脱力。
教えることが山盛りだなぁと思います。
日々事件と面白いことがありまくりで、あっという間の一年です。
来年もどうぞよろしくお願いします。
(cyacya)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先日、終業式の後、そのまま学校に迎えに行き、息子と娘と3人で昼食を一緒に食べることになりました。
その日は、娘の子ども会のクリスマス会もあり、療育もある日で、かなりスケジュールがややこしい。
本人たちに言葉で伝えたところ、息子は「うん」と納得していますが、娘の方は「え?」「どういうこと?」と再度聞いてきます。
「だーかーらー」と言葉で再度伝えてみましたが、少しすると、また「つまり?」「晩御飯食べに行くってこと?」と尋ねてきます。
イライラしながら伝え直しますが、そういう時はこちらも言い間違うこともあり、さらにイライラ。
ASDなんだし、聴覚よりは視覚に訴えろ、だ!と思い、「今から、ママが言うのを自分で文字でメモしてごらん」と伝えました。
すると娘は「いや、ママに聞いたら教えてくれるから、別にメモしなくてもいい」と言うのです。母のいる便利さに慣れておる。
これって、なんというか・・・。困った時に対応する方法を知っている。
誰かを頼ったり外注したりすることで楽になっている。それは大事なことなのでしょう。
でも、聞く相手がいない時には、何でどう判断したらいいのでしょう。
相手が忙しい時にいちいち聞いてこられたらその相手がどういう気持ちになるでしょう。
最初に聞かれた時と、3回目またしても聞かれた時だと、答え方の粗さが違うなんて、誰かに教えてもらったこと、多分ないよね・・・。
こんな風に思うのは、自分自身がそういう「なんで、今回は教えてくれないんだろう?」と思った経験があるからなんですよね。
例えばバイト先で、誰にどういう挨拶をして、どういう手順で準備したらいいのかとか、例えば印刷機の調子が悪い時の確認の仕方とか、例えばお客さんが来た時のお茶の出し方とか。
一回目は丁寧に教えてくれても、二回目は「メモしているのはいいけど、そのメモにちゃんと書けてる?」と言われて、三回目は「もういい」ってなっちゃう。
娘には解説。
「書くことで整理されるでしょう」
「ママがいない時でも、その紙を見たら『そうだった』って思い出せるよ」
「カレンダーに予定書いているのと同じで、いつもと違う時にはこういうのを使うと便利だよ」
「もう少し大きくなって、自分でスケジュール管理するようになる練習になるよ」
など本人にとってのメリットをいくつか伝えると、「なるほど」と言い自分でしっかりメモしていました。
当日は、一度メモをしたことで頭にもしっかり入ったようで、一回ごとに見ることはなく、テキパキと予定をこなしていました。
私自身は、様々なことで苦労してきたことがとても多いです。
だからこそ、それらの世の中の仕組みを、息子や娘に伝えていき、少しでも生きていきやすくなるのであればいいなあと思う今日この頃なのでした。
ちなみに、自分でいちいち聞かないでいいようにということで、今では色々な新しい知識を得る時には、相手に許可を取った上で、ビデオに撮らせてもらっています。あとで見直して確認できる、便利な方法ですよね(ライブのチケットの譲渡の仕方とかさ)。お薦めです。
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
今月の「ぐんぐん便り」、担当は「ぐんぐんキッズ」です。
ぐんぐんキッズ(放課後等デイサービス)
今年は例年よりも冬の訪れが遅かった分、年末が近づくにつれて急に冷え込みが厳しくなってきました。
コロナはもとより、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、ウイルス性胃腸炎など・・・様々な感染症が流行っているようです。
マスクや手洗いうがいなどの感染対策を引き続き丁寧に行い、規則正しい生活を心がけながら、元気に新しい年を迎えたいものですね。
ぐんぐんキッズは、放課後等デイサービスとして、小学校1年生から3年生までのお子さんを対象に療育を行っています。
療育の中で、支援者とマンツーマンで活動することもあれば、同室のお子さんと一緒に小集団でグループ活動として取り組むこともあります。
グループ活動を行う際、大切なポイントとして、
@本人が分かって参加できる(=構造化されている・見通しがある)
A本人が楽しめて参加できる(=興味関心が活かされている)
B本人が安心して他者と関われる(=社会性に合っている)などを意識することを、先日の勉強会で教えていただきました。
どんなメンバーで行うかも重要になります。
例えば4人のお子さんが同室で利用している際、そのおこさん全員で活動することもあれば、2人ずつのグループで行うこともありますし、1人ずつで支援者とマンツーマンで活動することもあります。
年齢だけでなく、興味関心・お子さんのスキルや社会性のレベルに合わせてグループメンバーを決めます。
次に目標やめあてを設定します。「〇〇を作ろう」はめあてではなく、活動内容に過ぎません。
お子さんそれぞれ個別支援計画やアセスメントした情報に合わせて、グループの活動のめあては様々です。
そして、メンバーとめあてが決まったら、それを達成するために必要な準備(材料や道具・ジグ・手順書など)をし、物の置き場所や席配置を決め、そしてさらにリハーサルもしてから活動していきます。
今回の会報では、そんなグループ活動で行なった「ミノムシ工作」の様子を、ご紹介したいと思います。
AちゃんとBちゃんは1年生。めあては「確認しよう」でした。
「材料の数を1つずつよく見るんだよ」「よく見て入れると、足りない時に何が足りないか気付けるよ」とポイントを伝えてから活動を行いました。
色んな色や素材の毛糸8種類を1種類につき2本ずつ取っていけるよう、4種類の見本の毛糸の下にマジックで2本の縦線を引いたジグを用意しました。
Aちゃんは、ゆっくりじっくり端から順番に一本ずつ毛糸を集めていきました。
Bちゃんは早く作ってみたい!と積極的に手を伸ばしあっという間に集めてきました。
支援者が「じゃあ、確認しようね」と一本ずつジグに合わせて確認するよう促すと「あ!」と2本足りないことに気付いたBちゃん。
「こうやって確認したら気付けたんだね」と声をかけると、苛立つこともなく修正することができていました。
その後は、紙コップに貼ってある両面テープに1本ずつ毛糸を貼り付けてそれぞれの「ミノムシ」が完成。
お母さんに「みてー!」と笑顔で見せていました。
小3男の子たち4人のグループでは、これまでも話し合いで遊びのルールを決めたこともあるため、「皆で役割分担して、ミノムシを4つ作ろう!」をめあてにしました。
材料を全て本人たちの前に置き、作り方の手順書だけ渡して「さあどうぞ」とお任せしてみました。
すると、手順書の工程を見ながらやることの流れの確認をし、「座った順に、こっちから1・2・3・4って役割分担すればいいよね」と意見を言うCくん。
それを聞いて自分で順番を見て「そうしたら、2かぁ・・・。俺はこれ苦手そうだな・・・」発言したDくん。
その発言を拾って「じゃあCくんは別のにしたらいいじゃん。どれならできそうなん?」と尋ねてあげたEくん。
「てか、それなら座る順番を変えれば? そうしたらわかりやすいよ」と提案するCくん。
「そしたらここかな」と安心した様子のDくん。
いざやりだすと「ちょっと待って。いいやり方思いついたかも」と言い、毛糸をぎっしり並べ、その上を紙コップを転がすことで一度に毛糸をくっつけるという技を考えて実行するFくんと、その新しい発想に「すっげ!」「賢いな」と関心する子どもたち。
お互いに意見を言ったり聞いたりしながら、4人の創意工夫で見事に4つのミノムシを完成させることができました。
大人に決められた役割ではなく、自分たちで意見を言い合い話し合っての役割分担と全員で協力しながらうまくできた!という成功体験は、にこにこの笑顔からも大きな成長として、ご家族とも共有することができました。
2年生女子4人のグループでは、彼女たちの興味関心を引けるよう、ピンクや水色や紫色などのカラフルなリボンやモールを用意して「世界で一つだけ!可愛いミノムシを作ろう」「どんなミノムシを作るか、計画してから作ってみよう」と、デザインを絵にしてから取り組みました。
事前に考えて計画しておくから取り組む=実行機能を意識しての活動です。
それぞれが自分の考える「可愛いミノムシ」のイメージで、毛糸やリボンなどの色選びをしたり配置の仕方を考えたりしながら絵に描き、自分のデザイン画を見ながら材料を集め、「ピンクの毛糸あった!」「ここにリボンつけよう」「わー!かわいい!」など、賑やかに作成することができていました。
自分の思う「可愛い」を実現させるために、計画しておいたものを頼りにしながら、少しずつ試行錯誤を繰り返して完成した「可愛いミノムシ」。それぞれ個性的でとても可愛いミノムシが出来上がりました。
グループ活動では、子ども同士の相性・理解度・興味関心を考慮しながらメンバーを考え、それによって、素材や活動選びをし、めあての設定を変える必要があります。悩みますし、時に難しく感じることもあります。
小学生のお子さんたちにとって、日常生活の場でもある学校では、様々な集団活動が多くあり、多くの課題もあり、色々と練習する必要もあるだろうと思います。
だからこそ、ぐんぐんキッズで、グループ活動を通して練習していくことは、きっと普段の日常生活でも活かせるヒントがたくさんあるのではないかなと思います。
子ども達が、楽しみながらそれぞれの課題を確認し、練習し、それらをゆっくりじっくり達成できるように、できるだけ実際の生活や日常に生かせる活動になるように心がけながら、有意義な活動となるよう、今後も支援者一同取り組んでいきたいと考えています。
そして、毎回の療育での活動後の振り返りの時間に、ご家族から様々なご意見やご感想や笑顔をいただくことで、たくさんの気付きをいただくことができています。いつもお忙しい中療育にご参加いただき、本当にありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
(ぐんぐんキッズ 療育スタッフ:W)
寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。
【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R6.11.26〜R6.12.25)
○ F.S 様 (西脇市)
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。