Japanese version only

令和 7年 2月 28日

 

 第322号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 322号 目次

     地球の温暖化を憂いて

     即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

     フリーマーケット、世界自閉症啓発デー、水泳教室、保護者座談会、キッズルームの 報告とお知らせ

     はやぶさの会 、クローバーの会、OHAの会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「教室の中の視覚支援

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんタッチ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

寒い冬が続いていましたが、今日からやっと寒さが緩むそうです。
皆さんお元気でしょうか?
今年の夏は暑さがいつまでも続き、そして冬には寒くて寒くて・・日本海側や北海道では大雪が降り続く・・・という今までにない異常気象の毎日が続きました。
異常な気候は、地球温暖化のせいだろう・・・という憶測は、すでに絶対的な確信とまでなってきました。
それなのにアメリカの大統領は、そんなことは思い込みだと言っているようです。困ったことです。
地球の未来がかかっているこの時期に、私たちには何ができるのでしょう。
我が家なりに考えてみました。
・電気はこまめに消す、人のいない部屋には電気をつけない。
・洗濯は、お風呂の残り湯を使い、乾燥機は使わず天日に干す。
・野菜を多くとって、肉や乳製品の摂取を減らす。(食物性食品の生産による温暖効果ガスの排出はより少なく、必要なエネルギーや土地、水の量も少なくなります。牛のゲップに含まれるメタンガスは地球温暖化の一因とやら・・・)
・自家用車の使用を減らし、徒歩や自転車を利用する。出来るだけ公共交通機関を使うようにする。
・歯磨きや手洗いの時はコップや洗面器を使い、水道水の無駄使いをしない。
・マイバックを持ち歩く。
・省エネ家電の選択(照明をLEDにかえる)。こまめに電気を消す。エアコンの使用時間や設定温度を最低限にする。
・廃棄食品が出ないように、効率的に献立を考える。
・お風呂の設定温度を低くし、お風呂には家族が続いて入って追い焚きを抑える。
・エアコンのフィルターはこまめにそうじする。
・ごみを減らして、資源ゴミの分別をきちんとやる。
小さなことかもしれませんが、こういう事をみんなですぐにやることで、少しでも温暖化を緩やかなものにできたらと願います。加速度的な温暖化で、テレビのコメンテーターさんが、「今なら間に合う。最後のチャンス」なんて言っています。この地球を私たちが死んだ後にも、子供たちに残してやれるかどうか・・・今が正念場だそうです。
そんなことを言わなければならないほど、私たちの地球は危機に瀕しているそうです。
考えてみると、私が子供のころは、夏は扇風機すらなかったものでした。
うちわや手ぬぐいが夏の必須アイテムでした。夕方になると、外に床机(しょうぎ)を出してみんなで涼んでいましたね。
我が家に冷蔵庫が来たのは、小学校低学年のころだったように記憶しています。
その頃の冷蔵庫には鍵がついていましたっけ・・・。なぜかしら??
冬には櫓(やぐら)こたつに何人も足を突っ込んで寝たものでした。ご飯はかまどで炊いていましたっけ・・・。
ストーブが我が家に来たのも昭和30年代でした。
電気温水器なんてもちろんなくて、瞬間湯沸かし器が来たのは、中学生の頃でした。
水道はまだなくて、井戸にポンプをつけて汲み出していました。お風呂は山から切り出したまきでたいていましたし、お風呂をあがったら、すぐに布団にもぐりこんで寝なければ寒くてたまりませんでした。
私の住んでいたのは田舎でしたから、文明の恩恵が訪れるのは遅かったのでしょう。
近所に自動車のあるうちは、ほとんどなくて、父親はポンポンと呼ばれる自転車にエンジンがついたようなのに乗っていましたね。
我が家が貧乏だったというわけではなく、昭和30年代はどの家もそんな感じの暮らしでした。
それが今はどうでしょう。
炊飯器は、予約さえしておけばいつでも時間通りにご飯が炊きあがります。
温めたいものがあれば電子レンジ、ガスではなくIH調理器が安全で綺麗に料理を仕上げてくれます。
我が家に最近仲間入りした電気鍋はもっとすごくて、調味料と具材さえ入れれば、時間になれば勝手に調理をしてくれます。
なんと便利な暮らしでしょう。
そんな便利な暮らしを私たちが謳歌している結果で、地球が温暖化しているということでしょうかね。
でもこの暮らしを手放すことが私たちに出来るのか??
昭和の戦後生まれの私は、この激しく便利になって行く時代を、幼年期から今の老年期に向けて体験した世代です。
若い人たちには、想像もできないような、ものすごいスピードで移り変わるような時代でした。石器時代から、現代まで・・・といえば、少し大げさですが、それぐらい周りの文明が変わっていくような実感でした。
高度成長期と共に、色んなもの、すべてのものを欲しい欲しいと手に入れて、今は、充足の時です。
周りを見回してみて、これの全部のものを自分たちが働いて手に入れたんだと思うと、なんだか私たち頑張ったなーなんて思っていました。
でもその結果、やってきたのが地球の温暖化です。ああ〜、なんと私たちは愚かなんでしょう。
私に何が出来るのでしょう。この便利な暮らしが手放せるだろうか?
地球温暖化を防ぐために電気もガスも水道もない、夏の暑さや冬の寒さに耐えるしかなかったあの頃の暮らしに戻れるのだろうか・・・いいえ、私一人だけ覚悟して手放したとして、温暖化は止められるのでしょうか。
そんな無力な思いがこみ上げてきます。
私たちの子や孫の為に何が残せるのか・・・、考えなければと思いつつ、考えると夜も眠れなくなるかもしれないので、やめとこうと思います。
自己満足かもしれませんが、先に書いたような日々の節電、節水に努めながら、精一杯やっていると自分を納得させて暮らしていくのでしょうね。
私みたいに中途半端に今の便利さを手放せない人が殆どだったら、人類はやがて亡んでいく運命なのかもしれません。
まして、それを加速させようとする、どこかの大国の大統領もでてきたことですし・・・・人類が亡んで地球が救われる。絶滅危惧種の動物たちも生き延びることができる。
地球にとっては、それでいいのかもしれません。
・・・などと自分のふがいなさを感じる今日この頃です。後は、少々無責任ですが、若い人たちに託しましょう。頑張ってね!

さて気分を切り替えて、2月は大変忙しい月となりました。
2月8日〜9日には、自閉症協会の全国大会が鎌倉でありました。
英国自閉症協会のCEOであるキャロライン・スティーブンスさんが来日されて、英国の教育についてのお話しいただけるということで出かけました。
大会宣言は、明石徹之さんでした。久しぶりにお会いしましたが、元気で働く公務員を今でも続けていらっしゃる様子に、こちらも元気をいただきました。
主催者挨拶のあと、来賓挨拶の野田聖子さんの話が特に印象に残りました。
発達障害支援法が、施行されて20年とのことですが、生きる場や学ぶ場が、まだまだというお話しでした。
野田さん自身、中学2年生になる子の親として、思うことの多い現状を嘆きつつも、国が決めたことを行うのは地方行政なので、決めていくのはすべて地方なんだということを教えていただきました。
地方行政の方に話をもっていくと、「国が決めたことだから・・(私たちではどうしようもない)」とよく言われますが、そうではなく地方が決めていけばいいということだと理解した私です。国会議員しかも自民党の野田聖子さんが言われることです。確かなんだろうと思いました。これからは話のもっていき方を変えていかなくちゃ!
その後、行政説明があり、続けてキャロラインさんの話を聴きました。
「英国自閉症協会は、たゆまなく活動してきた。自閉症の人にとって何をするべきか常に考え活動してきた」と言われました。トレーニングプログラムに参加し、ケアしてくれる人たちと交流し、キャンペーンを支部ごとでやってきたこと、それが莫大な自閉症協会への献金に繋がり、自閉症の人たちの教育に暮らしに繋がっていることをお話しくださいました。
自閉症の人それぞれの人の自立へ向けての支援、サービスの、個別のニーズに合わせた暮らしを守るために、親たちは戦略を持たなければならないと言われました。「日本の皆さん、親が頑張りましょう」と言われました。
よっしゃ〜、がんばるぞ!! と握り拳を握りなおした私でした。
続いて、本田秀夫先生のお話がありました。本田先生のお話がとても良かったので、今度岡山でもお話しいただきたいとお願いしてきました。
偶然会場で先生とお会いできたので、それでずうずうしく「岡山で来年度、ぜひ」とお願いしてきた次第です。
その後、内山登紀夫先生の「ニューロダイバーシティ運動」についての講演がありました。このことばは、時々聞くけれど、どういう意味かよくわからなかったのですが、今回のお話しで意味を理解できました。
続いてのパネルディスカッションが面白かったですね。
文科省ではインクルーシブ教育を推進していこうという考えらしいのですが、これが出来るのは、相当力量のある教師でなければならないと思うのです。何しろ普通級には、知的障害はないかもしれないけれど自閉症としては重度の子が多数おります。
本田先生と内山先生に司会者の方が質問をされたときの答えが、面白かったです。
「もしも、お子さんが自閉症だったとして、普通級にいれますか?」と言う質問に対して、本田先生は、「行かせない」内山先生は「選ばない」と答えられました。
今のままでは選ばない・・、行かせられない・・ということです。
先生方のような障害に詳しい方がこう言われるのです。今のままの学校では、自閉スペクトラムの彼らが通うことは難しいということでしょう。
なんとしても普通学級の先生方に対する自閉症の教育が必修と思えます。
将来学校の先生になられる学生さんに対して、1単位の発達障害についての学びが、今年度から付いたというようなことを聞きましたが、その程度であの子達への教育が出来るとは思えません。
普通学級には定型の子とASD・LD・ADHDの子もいます。そういう発達障害をもつ子どもたちがクラスの中に少なくとも8.8パーセントいるということですから、先生方も大変です。
がんばってもっと大学で教えていっていただかないと、若い先生がつぶれてしまいます。どう教えればいいのかクラス運営はどうするのか・・・、何も教えられていない中、子どもや保護者と相対していく若き先生方に同情します。インクルーシブ教育のお先は真っ暗と言うしかない状況ではないでしょうか?

次の日に念願だった横浜のグリーンフォーレストで浮貝明典さんの運営されているグループホームに出かけて行きました。
イオプレイスUという自立支援型のグループホームは、閑静な住宅街の中にありました。
住人の方のプライバシーを守るため中の様子は見せてもらえなかったのですが、普通のアパートのような形態で、一人一人の部屋には、台所、風呂、トイレが完備されていて、基本、夜はスタッフはいないという形でした。
「 イオプレイスU」    「浮貝さんと」  
食事は自炊で、親はホームには行くことも入ることも出来ない決まりでした。
分からないことがあって、本人が親の方へ聞いてきたら、その時は、「スタッフに聞いてね」と答えて欲しいと言われていました。
親を頼るのではなく、スタッフに援助要請を出来るためにそのようなことを言われているようでした。困ったときに助けてくれるスタッフ、その関係が信頼関係になっていくのだろうと思いました。そして、それが彼らの自立にとって最も大切なことかもしれません。
親から離れて、親亡き後を彼ら自身で生きていくことがこれからは必要だろうと言うことでしょう。
ここは知的障害のない、働く自閉症者のためのホームでした。私たちが作っているホームは、知的障害のある人たちのグループホームですが、親を頼らないようになるということの大切さは同じで、将来のために本当にそうだなと改めて思いました。
そして、私たちスタッフの側も、親御さんに頼ることをやめなければならないだろうとも思いました。いつかはいなくなる親たちです。子の自立を願うのであれば、子に少し不親切になるべきなのでしょう。親でなく、スタッフを頼りにしてもらう、その方が親亡き後を考えた時にはいいでしょう。
浮貝さんのお話を聴きながら、高機能の方たちのことを改めて考えました。
知的障害のない自閉スペクトラム症の子達は、ドンドン増えてきていますが、彼らに対する支援が全く整っていきません。
子どもたちが小さい間は、教育のことが親御さんたちには急務でしょう。でも、やがて来る親亡き後に、彼らは一人で暮らせるでしょうか? もちろん一人で暮らせる人もいるでしょうけれども、そうでもない人が多数おられるように思います。
一人暮らしの練習をする場が、彼らには必要でしょう。そういったグループホームを作らなければならない時が、きっと来るだろうなと思いつつ、この先進的なグループホームを後にしました。

話は替わって、2月23日〜24日には京都でTEACCHコラボレーションセミナー2025がありました。
一日目はTEACCHプログラムのエグゼプティブディレクター ローラ・クリンガー先生のお話がありました。
幼児期から老年期までについて、一貫した支援の基本を今回もお話しくださいました。
また、TEACCHが何を大切に親へ、子へ、そして大人になった人たちへ支援を行っているかをつぶさにお話しくださいました。
親をパートナーと見るTEACCHの考え方は、親支援への力の入れ方で良く表れています。診断と介入には、親の理解や支援がなければうまくいくはずもありません。何より一番関わりが多いのは親です。
佐々木正美先生がご存命の折、川崎医療福祉大学で親のための講座を月1開いてくださっていたことを思い出しました。
そこでは、「親は、TEACCHでは、共同治療者と位置づけられています。」とおっしゃって、親の考えや親の視点を優しくお話しくださっていたことを思い出します。
なんと岡山の保護者は素晴らしい時間をいただいていたことでしょう。今から思い出しても、豊かな貴重な時間だったと思います。
さて、TEACCHの取り組みの中で力を入れられていることの一つは、小児科医への支援でした。
自閉症の専門医が多くない日本とアメリカも同じようで、診断にはずいぶん待ち時間がかかるそうです。
そこでTEACCH部は考えられました。地域の医療機関である小児科医への自閉症の理解を進めよう・・・。小児科医への研修を広いノースカロライナ州に向かって行われているそうです。
日本の岡山では保健師さんが、「この子気になるから」と専門医療機関への診察を勧めても、風邪かなにかで行った小児科で、「この子が自閉症なんて、あり得ません」などと言われて、「お医者さんがそう言われるなら」と、放置されるケースが多いと聞きます。
専門医での診断は、予約から実際の診察までが長くかかります。それで、余計小児科医に相談ということが日本の実情です。
TEACCHでは、そこを研修という形で行われているそうです。すごいことです。ノースカロライナは広いです。大変だなと思わずにはいられません。せめて岡山でそういうことが出来たなら、どれほど多くの親や子が恩恵を受けることが出来ることでしょう。小児科の先生を全員動かすことが出来るのは、いったい誰なんでしょう。どうすればそういうことが出来るのでしょう。経費は、ノースカロライナ州が持つということでした。岡山県が持つ。せめて、赤磐市だけでもそれが出来たら、モデルケースになれたら、そんなことを考えてしまうお話しでした。
今回わたしが特に興味をひかれたのは、自閉症の人の加齢についてでした。
アメリカでは、多くの研究者たちがそこに着目して研究がされているようでした。新しい情報をたくさんいただくことが出来ました。これについては、またの機会に改めて紹介したいと思います。
久しぶりのコラボレーションセミナー、有意義でTEACCHの日本での広がりと、進化し続ける若い人たちの力を感じました。
若いっていいですね。うらやましいです。頭の回転が速くて、うまくいかないときは、すぐ切り替えて次の手を打って行かれることで、支援されている人が変わって行かれる様子を感動と共に見せていただきました。どんなに困難な事例にも、やりようはあると学びました。
育てる会のこと、療育に通う子達や親御さんのこと、グループホームの子達についても色々やってみたいことが浮かびました。
今回のセミナーには育てる会のスタッフも何人か参加してくれていたので、同じ気持ちを持ってくれたことでしょう。やる気むくむくわいてくる今回のコラボレーションセミナーでした。
会場では、TEACCHの実践家の方たち、多くの知り合いたちと久しぶりに出会えました。
思えばコロナ前の5年前に参加したのが最後となっていました。コロナが蔓延する中、どこへも行かず、食料品の買い物だけで我慢に我慢を重ねた何年間がありました。
やっとやっと皆さんと京都で出会えた喜びに、幸せかみしめた二日間でした。
 「澤月子先生と」
研修に長らく行かなかった私でした。都会はコロナが怖くていけなかった時期が過ぎても、ZOOMで研修が出来たので、出かけることが億劫になっていました。
でも、公開講座はやっぱり刺激が違いますね。良かったです。人と会うことが大切だなと思えたものでした。
いつも思うことは、TEACCHの研修に集まる人たちは、暖かいと言うことです。
無理しない・・でも諦めない。うまくやれなければ、アセスメントを繰り返し、毎日その人のために、支援を考え続けると言うことです。
うまくいかないときに自閉症の人のせいにしない。その人の得意なところを活かすと言うことを考えて支援に活かしていくというところが、もっとも魅力のあるところです。
今後のTEACCHの最新情報に期待したいと思います。

そうそう、会場で3月にセミナーをお願いしている門眞一郎先生とも出会いました。
 「門先生と」
来月のセミナーは「自閉スペクトラム障害の人へのコミュニケーション支援 〜絵カード交換式コミュニケーション・システム(PECS)を中心に〜」という少々長いタイトル名になっています。
もちろん、もっと短くはできたのですが・・・「自閉症の人へのコミュニケーション支援 〜PECSを中心に〜」でも、PECSの良さを知っている方には充分に通じるのですが、今回は自分のクラス運営に迷っている担任の先生方、PECSをまだご存じない方たちにも聴いていただきたくて、この表題にしました。
セミナーについては、同封のチラシにある通り、3月15日(土) 9:30〜12:30、Zoomで開催予定です。
http://sodaterukai.org/policy1.html
門先生には、これまでもPECSについて、その理論やフェイズごとの取り組み方などについてお話しいただきましたが、今回は三重PECSサークル代表で、現役の特別支援学校の先生として学校現場にPECSを導入し、実践されている石井幸仁先生とのコラボセミナーをお願いしました。
実際の授業や生活の中で活かされているPECSの有効性を、一人でも多くの先生方、保護者の方、施設職員の方にも聴いていただきたいと願っています。どうぞお誘い合わせのうえ申込みくださいね。

さて、長くなりますがひとつ哲平君情報です。
2月16日赤磐市で「つちのこ駅伝」に出場しました。スペシャルオリンピックスの参加者3人とIコーチとM君のお父さんの5人でたすきリレーが出来ました。
 「スペシャルオリンピックス山陽陸上の仲間と」
チームは40組以上の中で10位に入るという快挙を成し遂げました!
哲平は第2走者で、13位で受けたたすきを3位で渡せました。10人抜きとはすごいですね。
ごぼう抜きしているところは見えなかったのですが、無事に第3走者に襷を繋ぐことが出来ました。
皆さん、ご想像ください。走っている哲平は、めちゃくちゃかっこいいのです。自慢が過ぎる母をお許しくださいね。

最後に、皆様に悲しいお知らせです。
愛媛の新居浜でトモニ療育センターを開かれていた河島淳子先生が亡くなられました。
哲平が中学3年生の頃、8ヶ月ほどお世話になりました。
それと共に、育てる会での連続講座を高橋知恵子先生と共に毎月赤磐まで来てくださって、あの和田の事務局だった2階で講義をしてくださったのを忘れることが出来ません。
多くの参加者が狭い部屋の中で、肩寄せ合って熱心に先生の講義に聞き入ったのを覚えています。
また、我が家を含め何人かの親御さんは瀬戸内海を渡り、トモニ療育センターにも通わせていただきました。
でも、哲平は療育の途中で、「哲平くんのためには育てる会の活動をセーブしてでも、哲平くんと向き合ったほうがいい」と言われ、でも私は育てる会を投げ出すことができず、「もう来なくていい」と言われ、落第生になってしまいました。
最後は残念な卒業でしたが、感謝しております。厳しくそして優しい方でした。たくさんのことを教えていただきました。
短い療育の期間でしたが、特別かわいがっていただきました。一途に子どもや親のために一生を捧げ続けられた方でした。年賀状でのやりとりは続けさせていただいていましたが、今年はなぜか届かず「どうされたのか?」と思っていたところでした。
つい先頃は、テレビで河島先生のお姿を見ることも出来て嬉しく思ったものでした。
自閉症画家の石村嘉成さんがテレビで紹介されたRSKの特集番組でした。
また、その「青いライオン」という映画も上映されて、先生の役をされたのは檀ふみさんでした。素敵でしたね。
先生の晩年に今回の映画や石村さんの活躍などでトモニ療育センターが脚光を浴びる時が来て、先生のお仕事が全国に紹介され、本当に良かったです。ご冥福をお祈りします。
今回は少し長くなりました。今日はこの辺で失礼しましょう。
皆さんお元気で、さようなら。
(鳥羽 美千子)

令和6年度 現場の先生のための即実践講座

令和6年度の、今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生による「現場の先生のための即実践講座」です。
今年度の即実践講座も、いよいよ次回が最終回、これまでの即実践講座とはひと味違い、支援にあたっての職員同士のコミュニケーションの大切さのお話しや、当事者の方から直接お話しをしていただけたり・・・とか、実りの多かった1年間でした。
最終回の第10回の講義は「まとめにかえて」ということで、これからの20年を見通しての話になるそうです。20年後の自分の歳を考え、支援している子どもたちや、グループホームで暮らしている青年たちの歳を考え・・・・そのとき、私たちが行なっているであろう支援を考えた時・・・どれだけ前に進めているのでしょうか。
最後も楽しく有意義な講座になりそうですね。

 『 第10回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和7年3月7日(金) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「まとめにかえて 〜これからの20年を考えてみようと思うとき〜」
講 師:桑原 綾子 先生(NPO法人ライフサポートここはうす 所長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htmll
第9回「対応の難しい行動に向き合う 〜氷山モデルの活用・期待される行動を見極める・実践報告〜」 に参加された皆さんからのアンケートの一部です。

○ 本日はありがとうございました。「対応の難しい行動にアプローチをする」ということは本当に難しいですね。昨日もある場所でトイレに物を流すという利用者さんがいらっしゃるという話を聞いたばかりでした。解決方法が見つからず困っておられました。難しい行動の見えている部分だけを見て、付け焼刃の対応をしても何も変わらないのだということは、支援をする中で感じてはいても、「じゃあ、何をどうすれば問題行動にならないのか」ということを掘り下げて考えてみていなかったのだなと反省しました。
氷山モデルに当てはめてみて状況を詳しく考える(複数人で)ことで、行動上の問題点が見えてくるということを学びました。行動上の問題に名付けすることで、付随している行動に惑わされることなくピンポイントで話し合いができるというのは、余談ごとが増えずスマートな話ができてとてもいいなと思いました。
最後に桑原先生がお話しされていた「行動に対する柔軟な考え方を持つ」「折り合いをつけるということは、折れることができる人から変わる」ということを身につけていきたいと思います。
○ 私たちは自閉症オタク、と言われてとても納得しました。関連する本はチェックしたくなるし、関わっていると楽しい気持ちになるのは、オタクだからかな、と話を聞きながらにやにやしてしまいました。
氷山モデルは、なんとなくしか知らず、今日具体的なアプローチの仕方を知れてよかったです。支援計画の目標や支援方法を考えるときに、今日教えていただいたことを生かしたいと思います。行動上の問題がある子どもたちを変えるのではなく、子どもの周りにアプローチすることを意識するだけでも、見え方がかわってくるよな、と思いました。
○ 行動上の問題に出会ったとき、まずは事実を把握することが大切と考えているつもりでしたが、特効薬を求めたり付け焼刃の対応を考えようとしてしまうことがあります。
まず特性理解に立ち戻り、彼らが抱えている問題を理解し整理するためにアセスメントをおこなう。
そのうえで環境を見直したり、具体的な自演の方略を考えていく、という支援の進め方が身につくように意識し、繰り返し進めていきたいと思います。
○ 今日も深くうなずきながら、楽しく学ばせていただきました。
私たちの思い込みや、死人ではできない目標設定(死人モデル)、少しずつ違って支援が本人のニーズにあわないこと、ASDのかたは、どこにヒットするか、ほんとにアセスメントが大事、そして思いもかけないところで納得がいくとおたがいがハッピー、それこそ(にやりほっと)かもですね。
二の腕のお話(注:女性の二の腕に興味があって、思わず触ってしまう)、すごく難しい事例だと思いました。それでも一つずつやってみることで、失敗があってもうまくいくことが見つかる、それもそこ〜〜〜〜?ってところ、その方をよく知るアセスメントから見つかったこと、最高ですね。
○ 目の前の子ども達が何に困っているのか、それぞれが示す行動の本当の意味は何なのか、不適切な行動でのコミュニケーションになってしまっている背景要因は何なのか、それぞれの子ども達ができる方法で適切に表出できるようにするためにはどのようなアプローチが必要かなど、丁寧に見て取り組んでいくことの大切さを改めて学ぶことができました。

令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐

赤磐市の共催をいただいて開催している「発達障害支援夜間連続講座」です。
今年度はよこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木康栄先生をお招きしての講座です。
佐々木先生の優しい声をお聴きできるのもいよいよ最終回となります。毎回、本テーマの講義の時間が少なくなるのを恐縮しながら、それでも前回に寄せられたアンケートの質問に丁寧に答えていただき・・・リアルタイムならではの、充実した連続講座でした。
第10回のテーマは、「支援のエッセンスをもう一度」ということですので、1年間に教えていただいた講義を振り返りながら、明日からの即実践に活かしていけるお話しになるのでしょう。
最終回ですので、これまでのように、講義の質問に答えていただける“次回”はありませんので、しっかり聞き逃しのないようご参加ください。

『 第10回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐 』

日 時:令和7年3月19日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「支援のエッセンスをもう一度」
講 師:佐々木 康栄 先生(よこはま発達クリニック・相談室)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、赤磐市在住・在勤者 7000円 (全10回分・各資料代含む)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.htm
それでは、第9回「いい支援って? 〜コンサルタントの視点から〜」に参加された皆さんからのアンケートの一部です。

○ 本日もありがとうございました。
いい支援を提供するためには、自分の思いや知識だけではなく、支援機関が良い状態で、長期的に成り立っていくことが必要であるということを実感いたしました。もちろん短期的な形での支援もありますが、支援は長期的に行なっていくもの、安定して供給されるもの、ということを忘れずにいたいと思います。
また、いつも質問にご丁寧に回答くださり、本当にありがとうございます。葛藤することについて真摯にお答えいただくことで、とても力をいただいています。
残り1回、楽しみにしております。どうぞ宜しくお願いいたします。
○ 先生のお話をお聴きしながら、改めて、支援とは誰のためにするのか?を考える機会となりました。今まで、自分なりにやっている、とか、こんなことを工夫してみた、ということが自己満足になっていたこともあったと思います。その中にどっぷり浸かって、いろいろやってみているつもりでも、実際は支援を必要とする子への本当に必要な支援になっていたのかなあと、振り返るきっかけとなりました。
また、「コンサルタントの役割と支援」の中での、「現場の視点以外の視点」で、現場でしていることについてダメ出しをするのではなく、次へのヒントとなるように、というお話が心に残りました。
自分で考えてみても、頑張って取り組んでいることに対して「それは違うでしょ」と言われると、次への意欲が削がれます。
そうではなく、次へつながるような意見をもらえると、違うことに挑戦してみようかと思えると思います。それは保育・教育現場でも同じことが言えるのではないかと思います。子どもも、頑張って取り組んでいることに対して先生から「そうじゃないよ」とダメ出しされるとやる気がなくなります。取り組んできた過程を認め、次もやってみたい、頑張ってみよう、と思えたり、試行錯誤しながら取り組んだりできるような声かけや援助をすることが大切だと思います。
○ 個別支援計画の作成、支援の実施。モニタリング。利用者さんが過ごす時間を意味あるもの、今後の人生に必要なスキルを学べるようにと思っていても、達成できない目標だったり、継続が続くこと方もチラホラ。しっかりじっくり支援計画を作るというより、作成に追われている感じがし、薄い内容になってしまっている事が申し訳なく感じています。
○ コンサルタントの役割と視点について、分かりやすく教えて頂きとても勉強になりました。各視点について、自分自身のことを振り返ると、まだまだできていないことが多く、意識して取り組んでいかないといけないと思いました。
そして、もっと佐々木先生から、具体的な事例もお聴きしたいなと思いました。ありがとうございました。

支援ツール勉強会の報告 と 次回のご案内

2月6日(木)に武藏博文先生による、今年度最終回の支援ツール勉強会が開催されました。
今回も前回に引き続き「感情レンジャー」に関する内容が取り上げられ、
感情レンジャーの本に付属しているゲームの操作方法を武藏先生に実演していただきました。
学校で実際に起こり得るシチュエーションを想定した内容が盛りだくさんで、どの対応カードを使うべきかを学び、家庭でも遊びながら子どもと一緒に取り組める内容でした。
また感情を教える際に「コミック会話」を併用して指導する方法も紹介していただきました。
コミック会話は、会話ややり取りの中で特に重要な部分を抜き出し、そのセリフや思ったことを視覚的に表現する方法です。セリフに色をつけることで、感情(例:イライラ=赤、嬉しい=青、悲しい=黄)を視覚的に理解しやすくなると教えていただき、非常に分かりやすいなと感じました。
お子さんに感情コントロールを教えていくときには、是非、感情レンジャーとコミック会話を使ってほしいなと思います。少しずつお子さんの気持ちをお母さんが知っていくことも大事だなと思いました。
もっと深く学びたいという方は、是非来年度支援ツール勉強会にご参加くださいね。
実際に先生とお話しできる機会は貴重ですよ☆彡
最後に、先生から「支援ツール勉強会に参加して、『今ならできそう』『これならできそう』と思えることに出会えたら嬉しい」との温かいお言葉をいただきました。
先生の優しいお話は、いつも参加者の皆さんを元気づけてくださいます。心より感謝申し上げます。
来年度の支援ツール勉強会は、武藏先生にお願いして、単発でも申込み可能な開催を予定しています。
詳細については、開催日が決定次第、会報でお知らせいたします。
来年度も、皆さんと一緒にお子さんたちに役立つ支援ツールを学んでいけたらと思っています。

フリーマーケットのお知らせ

第4回目となるフリーマーケットの開催が決定しました!!
日 時:令和7年4月12日(土) 10:00−12:00 (雨天の場合は、翌13日(日))
場 所:育てる会事務局 前庭にて(赤磐市上市355-2)
出店者も募集しています。1ブース100円 (1m×1m)
当日のご来店をお待ちしています。別紙チラシを同封しています。
臨時駐車場もあります(チラシ裏参照)

世界自閉症啓発デー チラシ配布協力 の お願い

今年も自閉症について、一般の方にも広く知って欲しいと願い、国連の定めた4月2日の「世界自閉症啓発デー」にあわせて、街頭でのチラシ配布を予定しています。
春休み中ですので、お子さんのボランティア体験としても思い出づくりになるのでは・・・ぜひ参加のご協力お願いします。
日 時:令和7年4月2日(水) 10:00 〜 1時間ぐらい
場 所:マックスバリュ桜ヶ丘店 入り口あたり(赤磐市桜が丘東5-5-279)

水泳教室のお知らせ

日 時:令和7年3月16日(日)15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)(正会員限定)

 水泳教室 ボランティアさん 大募集!!

水泳教室では、子どもたちと一緒にプールに入っていただけるボランティアさんを募集しています。
保護者同伴が原則ですが、都合でプールに入れないお母さんもいらっしゃるので、ぜひ月1回のお手伝いをお願いします。
詳しいことは事務局(086-955-6758)までお問い合わせください。
★水泳教室に新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は3月13日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

保護者クッキング座談会の報告とご案内

 2月の座談会報告 〜マッサージ座談会〜

令和7年2月13日(木)に事務局1F大広間にて行いました。
参加者からの感想をいただいていますので、ご紹介します。
〇 今日は代表合わせて5人という少人数でしたが食の話や小学校入学の話で盛り上がって楽しかったです。
また次回開催を楽しみにしています!
〇 こりがほぐれるマッサージと美味しいおやつに毎回癒されています。
子育ての悩み事を話して共感や体験談をいただけたり、何気ないお話で盛り上がったりと、楽しく実りある時間です。
〇 今日も楽しい時間をありがとうございます。息子の事で不安に思う事があっても同じ環境の中で子育てしているお母さんのお話しを聞いたり話すだけで毎回気が和らいでいきます。 次回も参加させていただきたいです!

 3月の座談会予告   クッキング座談会 〜あきよさんのホットサンド〜

今回は、みのる産業さんからいただいた『餅つき機』 を使って、 ミルクブレッド食パン を作ります!
さらに、その焼きたての食パンを ホットサンド にして、みんなで美味しく味わう企画です。
温かいパンの香りに包まれながら、ワイワイ楽しくおしゃべりしませんか?
初めての方も、ぜひお気軽にご参加ください!
日 時:令和7年3月13日(木) 10:00−12:00
場 所:おひさまハウス 食堂 (赤磐市和田194-1)
申込み・お問い合わせ:正会員限定LINEより「座談会希望」とメッセージください。(正会員限定)
参加費: 500円
持ち物::エプロン・飲み物

キッズルームの報告

2月8日(土)、岡大体育館にてキッズルームを開催しました!
寒い中でしたが、なんと 21名の学生ボランティアさん が参加してくださいました。
子どもたちは寒さに負けず、元気いっぱい走り回っていました。
トライアルの時間 では、大きなバランスボールやゆらゆらごまで、体を使って遊んだり、新しく追加した 皿回しに挑戦したりする姿も見られ、楽しい時間となりました。
 「皿回しに挑戦」   「紙芝居」
紙芝居の時間 になると、子どもたちはすっと座って集中し、リトミックの踊りも少しずつ馴染んできた様子で、楽しそうに踊る姿が印象的でした。
そんなお子さんの姿を見て、お母さんたちもほっこりとしたひとときを過ごせました。
寒い中ご参加いただいた皆さま、ボランティアの皆さま、本当にありがとうございました!
次回もたくさんのご参加をお待ちしております。
続けて楽しみにして来られている方が増えていて嬉しいです。
  次回の予定です↓
日時:令和7年4月29日(火・祝)13:00―15:00
場所:岡山大学体育館
参加費:500円(保険料込み)
申込は、正会員専用LINEまたは086-955-6758まで (正会員限定)

はやぶさの会 の お知らせ

「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
皆で集まって、ボウリングに行ったり、ご飯を食べに行ったり、ラウンドワンなどでにぎやかに遊んだりと楽しんでいます。
友達関係のことに始まり、部活や高校受験などについても色々子ども同士で情報交換したりもしています。
年齢層も高くなってきて、なかなか全員が集まる時間が取れなくなってきていますが、子どもたちにとっては「はやぶさ仲間」に会える時間は大切なようです。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟で参加したい場合、兄弟共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの友達作りの会です。
オシャレの話をしたり、カラオケに行ったり、水遊びに出かけたりと、こじんまりと楽しんでいます。
今後は女子ならではのお悩み(恋愛トークとかね)などもできるような仲間になっていけたら良いなと思っています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある女の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したい場合、姉妹共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

OHAの会 の 報告とお知らせ

OHAの会は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを育てる保護者のための会です。
今年度は臨床心理士・公認心理師の利守愛子先生にアドバイスをいただきながら進めてきました。
第4回は、2月2日(日) 10:00より、Zoomにて開催されました。
前半は『虹の架け橋 自閉症・アスペルガー症候群の心の世界を理解するために』を読み、後半は参加者の皆さんが、自分自身が成長したことやまだまだだと思うことについて利守先生とお話ししました。
今回の輪読では、本の題名にもなっている「虹の架け橋」がどういう意味なのかがわかってきました。ASDの子供たちはそれぞれ独自の素敵な世界を持っています。でも考え方や感じ方、コミュニケーションの取り方が周囲と違うせいで、その魅力を周囲に理解されないことも多いです。そこで、赤ちゃんのときから我が子を観察し言動の理由を考えてきたお父さんやお母さんが、子供と周りの人々との間の「虹の架け橋」となれば、子供は社会の中で幸せに生きれるのではないか、と利守先生はおっしゃっていました。
後半は、参加者の皆さんがお子さんとの関わりの中で感じたことや以前と変わってきたことなどをお話ししました。
「子供にイラっとしてしまう自分の気持ちを否定しなくていい」、「その後で気持ちを切り替えられているなら大丈夫」と先生がおっしゃっていて、ほっとしました。
(参加者N様よりご報告いただきました。)
次回は、利守先生による今年度最終回、3月16日(日)です。
来年度は、川崎医療福祉大学講師の小田桐早苗先生によるOHAの会を予定しています。 (正会員限定)

お母さんコラム

中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は息子の話。
ある日の夕方、中学校から「ちょっとトラブルがありまして・・・」とお電話がありました。
何をやらかしたの?!と、ドキドキしながら経緯を聞いていくと、部活の同級生と もみ合いの喧嘩になったとのことです。
隣の部屋では、息子が何やら気まずそうな空気を醸し出しています。
どちらかというと、口喧嘩でさえも弱々なので珍しいなと思いながら、息子に もう少し詳しく話を聞くことにしました。
いつ・何が・どこで・どのように起こったかについて聞いていく時には、いつだって視覚的な手法で伝えるのが一番。
試合形式の練習をしていたところ、〇くんと△くんがこんな感じで揉めていたそうです。
喧嘩がヒートアップしそうだったので、部長が止めて2人を引き離したと。
そこに試合を見ていた息子□が、〇くんに近づき「あれは色々言ってきた△くんが いけんわ」と、こそっと〇くんに言ったところ、△くんが急にラケットでパシンッと息子□の肩のあたりを叩いてきたから、息子がブチキレたというのです。
その後に、何があったか、どうやって収まったのかも聞いた後、なぜキレたのか、を聞くと「自分でも、何が原因であんなにキレたか分からんなと思う」と言っていました。
そこで、キレた理由も複数書き出していきながら「それはないかな」「これはちょっとある」など本人の言い分を整理して書いていきました。
直接的な理由としては、ラケットで叩かれるとは思っていなかったからということ、また、こそっと言ったつもりだったのを△くんに聞かれていたとは思っていなかったこと、〇くんとの会話なのに△くんがどうして怒ってきたのかが分からなかったこと・・・なども見えてきました。
そこで、「例えば、妹と喧嘩している時に、母さんが『もう喧嘩やめなさい』ってカットインしてきたら、母さんに腹たつ?」と聞くと「腹立たない」と言います。
「じゃあ、その時に母さんが『あれは、色々言ってきたお兄ちゃんがいけんよなー』って詳しい経緯とかも聞かずに、一方的に妹の味方したら、どう思う?」と尋ねると「それは、めっちゃ母さんに対して腹立つじゃろ!」と言います。
「妹に対してよりも?」と聞くと「うん!喧嘩していた妹により、理由も聞かずに入ってこられたら『うるさいな!!』てなるし、めっちゃむかつく」と言うのです。「今回の喧嘩、まさにそれやん」と言うと「あー・・・」と反省モード。つながったようです。
喧嘩をしたら、その後が大事。
大きな喧嘩の経験が少ないため、どのように仲直りしたらいいか分からないとのことだったので、ここでも視覚的に整理して伝えます。
「確かにとびかかったのはいけんかった」「今すぐLINEで謝るわ」と言い、△くんにLINEすると、「俺の方こそ、先に手を出しちゃってごめん」「怪我なかった?」と言ってもらえて、無事仲直り。
「△くん、大人だったわー」「俺はまだまだ子どもだ。ちょっと渋々、母さんに言われたからって感じで謝ったところあったから」と反省したようでした。
初動が大事であることも理解できたようです。
△くんのお母さんには私からも謝罪をお伝えし、無事に解決できました。
翌日の練習では、周りの心配をよそに二人ともケロリとして、一緒に話したり遊んだりしていたそうです。
それにしても、自分の体験に落としこむと、すぐに「そりゃこうなる!」とピンとくるのに、実際の事例と同じだということにはなかなか繋がらないのも、ASDあるあるで面白かったです(笑)。
一つ一つが学びであり、一つ一つが成長の糧ですね!!大変だわな!
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
先日(というか昨日)、京都にてTEACCHプログラム研究会主催で「TEACCHコラボレーションセミナー2025」を受講し、ローラ・クリンガー先生からのTEACCHの最新の研究のお話や、日本各地での支部からの実践発表を聞きました。
対面開催は5年前!(コロナ禍直前でした)だそうで、国を越えてのコラボレーション・パートナーシップの大切さを改めて感じる時間となりました。
詳しい内容は別でもSNSなどでも報告があがっていると思いますが、ASの私が思ったのは、『気の持ちようや考え方って大事』ということです。
色々なASDについての最新情報を伺っていると、時に「え?!今、そんな風になっているの?!」「大変じゃん!?」と驚くようなデータの紹介もありました。
するとすかさず、ローラ先生が「逆に言えば、残りの〇%の人は健やかということです」とのコメントがあり、「あ。確かにそうだな。そっちの方が多数派なのか」と冷静になる瞬間が何度もありました。
物の見え方が極端になりやすいASの白黒思考の私なので、少し「いかんいかん」「また偏って見ていたわ」「俯瞰大事。客観視大事!!」となりました。
また、人見知りの私としては、質疑応答や写真撮影などを自分からしていくことは、実はとてもハードルが高いのですが、「この機会を逃したら、もう聞けないかも!」「このタイミングを逃したら、この先生たちとは写真撮れないかも!」という勢い?というか、「行ける!私ならきっと大丈夫!」「懇親会の会場での『写真撮ってもらっていいですか?』を断る人なんていない!ハズ!!」と頑張ってチャレンジしました。
これは今回に限らずどんな研修会や座談会や講演会に行ってもそうなのですが、その結果として、あっという間に知り合いが増えてきている私です。考え方ひとつで世界って広がるんだなぁとしみじみ思っています。
勝手な持論ですが、ASDの『注意の固着』は、思い込みや暗示にかかりやすいこともある種強みになるんじゃないかな?なんて思っています(笑)。すっごく楽しい時間となりました♪出会った皆さん、ありがとうございました。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんタッチ」です。

ぐんぐんタッチ(児童発達支援・放課後等デイサービス)

徐々に日が長くなってきて、春が待ちどおしい時期になりました。
まだまだ寒さが厳しい日があります。手洗いをしっかり行って元気にこの季節を乗り越えたいですね。
ぐんぐんタッチではPECSを使用したコミュニケーション支援を行っています。
PECSを使用しながら要求(「○○ください」「○○したいです」など)や援助要求(「手伝って」)、などのやり取りを行っています。
PECSを使っての要求のコミュニケーション以外の、9つの重要なコミュニケーションスキルも教えていますが、その中の「肯定・拒否を伝える」、ことを教えた際の、療育中のエピソードを今回はお話ししたいと思います。

Aくんは遊びの時間に初めて見る玩具などが出てくると、ちらっと見て、自分がしている遊びに戻って遊んでいました。
強く拒否を示すわけではないのですが、興味が無さそうな様子でした。
そこで、拒否を伝える取り組みを、最初はジェスチャー(首振り)で教えることにしました。拒否の時にAくんの後ろから首を横に振る手伝いを行いました。Aくんは後ろから触られてお手伝いされることに少し抵抗がある様子でした。
そのため、言葉で「いらない」を伝えることに取り組みました。「〜いる?」と聞かれて拒否の時に先生が「いらない」を音声のモデルで言い、徐々にその手伝いを減らしていきました。(この時は、“いらない”と言うモデルのタイミングを少しずつ遅らせる方法を取りました)
すると、Aくんは自分から「いらない」を伝えることが増えていきました。Aくんが遊んでいる時に先生が目新しい玩具を出してきて、Aくんを遊びに誘おうとすると、今まではそれに気が付いても知らんぷりだったのですが、それを見たAくんは、「いらない」と伝えることができるようになりました。
それまでは、見せても自分から手は伸ばしてこないけど、近くで遊んでいたら興味を持ってくれるかもしれない、と思って、近くで遊んで見せたりしていたのですが、Aくんが、“いらない”と伝えてくれるようになったことで、良かれと思ってやっていたことがAくんにとってちょっと迷惑なことだったんだということが分かりました。
「いらない」(拒否)を伝えたいことが沢山あったのだと驚いたと同時に、拒否を伝えることの大切さを教えられました。
ご家族もご家庭でも拒否を伝える練習に取り組んでくださいました。
Aくんはされて欲しくないことをされた時に拒否を伝えることができるようになってきています。療育の時間は限られた短い時間のため、ご家族の協力、ご家庭での取り組みが大切であると改めて実感しました。

Bくんは気になる物を誰かが持っていたり、棚の上などにあったりすると手を伸ばしてきます。
「これ?」と聞きますが、答えることは難しく、欲しいものではなかった場合には、手を伸ばしたり棚に登ろうとしたりなんとか取ろうとする姿が見られていました。
そこで「これが欲しいの?と聞かれた時に、“そうだよ!”を適切に伝える方法として、「うん」と、言葉で伝える練習を行いました。
物を差し出されて「〜いる?」と聞かれたとき、最初は先生が「うん」と言う、モデルを示して徐々に手伝いを減らしていきました。(この時は、モデルの言葉を少しずつ減らしていき、タイミングも遅らせていく方法を取りました)
やがてBくんは「〜いる?」と聞かれると自分から「うん」と答えることができるようになってきました。
また肯定を適切に伝える練習と同時に、拒否を伝える練習にも取り組んでいます。
まずは「いらない」を言葉で伝える練習を行いました。
玩具で遊んでいるとき、いらない玩具が近くにあると玩具を投げるなどの行動が見られていました。最初は「〜いる?」と聞かれて拒否の時に先生が「いらない」と言うモデルを示して徐々に手伝いを減らしていきました。いらない物を、投げるのではなく、相手に手渡すことは、“Bくんの手を持って、そのものを持たせて相手に手渡す“という行動を、身体プロンプトの方法を使って教えていきました。
練習が進むと、Bくんは、「どうぞ」と渡されたものがいらない物だった場合や、遊んでいる物の中にいらない物があった時に、自分から「いらない」と言いながら、いらない物を大人に渡せるようになりました。
色々な場面で「いらない」を言えるようになり、物を投げることは無くなってきました。

PECSや言葉、ジェスチャーなどで肯定・拒否を伝えられるようになると、とても嫌いな物を差し出されたときや、嫌だなと思うことがあった時に、大声を出したり、叩いてくる、物を投げるなどの方法ではなく、穏やかに相手へ自分の気持ちを伝えられます。
子どもも大人も、誰でも様々な理由や条件によって、拒否したり肯定したりして暮らしています。
例えば、好きではない活動を始めなさいという指示が出たときに、「いいえ」と伝えることや、「もう十分です」と伝えて、活動をやめることなどもできます。
肯定・拒否の方法、学び方はお子さんによって変わってきます。お子さんの理解の仕方、特性などに合わせて、日々どのような方法が良いか試行錯誤しています。その際にご家族の気づきや日々のお子さんとの関わりのお話がより良い療育に繋がっていきますので、ご家族と連携しながらより良い支援を目指しています。
療育の中でだけでなくご家庭や園などに繋がる支援が行っていけるように、これからも日々奮闘していきたいと思います。
(ぐんぐんタッチ療育スタッフ: I )

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R7.1.26〜R7.2.25)

○  ABC研究所 様 (北九州市)
育てる会では、現在「ほっぷ」、「すてっぷ」に続く「じゃんぷ」のグループホームの建設を構想中です。
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
  岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

   会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ