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令和 7年 3月 31日

 

 第323号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 323号 目次

     桜の便り

     育てる会 自閉症啓発セミナーの報告
           「門眞一郎先生・石井幸仁先生 講演会」 

     即実践講座、夜間連続講座 、フリーマーケットの 報告と予告

     育てる会総会、キッズルーム、水泳教室、おやじの会山のぼり の お知らせ

     クッキング座談会、青年の会、はやぶさ&クローバーの会、OHAの会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「自閉スペクトラム症 マイペースなきみに 家族はすったもんだ

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんぴっぴ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

寒かったり急に暑い日が続いたりと、今年の桜の便りは、いつになるのでしょう。
早いのか遅いのか、私が子供のころは、4月8日前後の入学式あたりが多かったように思うのですが、今年はどうでしょう。
最近は天候が不順で、いつ桜が咲くのかをニュースでいろいろな話をしております。どんな風に季節が移リ変わっていくのかわからない、予想がつかない…という感じです。
花の見ごろに合わせて、哲平と後楽園へ出かけようと思っていますが丁度お休みにいけるといいのですが・・・どうでしょう。
この会報がみなさまのお手元に届く頃には、岡山にも桜の開花日の報告が上がっていることでしょう。

さて、3月15日(土)には、門眞一郎先生と石井幸仁先生のお二人による「自閉症スペクトラム障害の人へのコミュニケーション支援〜絵カード交換式コミュニケーション・システム(PECS)を中心に〜という演題でお話しいただきました。
門先生のお話は解り易くて、改めてPECSを学びたいという方が増えたのではないかと思えました。また、石井先生のお話は、時間の関係でもっとお話伺いたいと思いましたので、急遽次のセミナーを企画してお話し聴かせていただくことになりました。5月11日(日)です。どうぞ皆さん申し込んでくださいね。
特に学校でコミュニケーションの取りづらいお子さんの支援をされている方や、デイサービスなどで、何を言いたいのかを聞いてあげたい方は、ぜひ参加ください。石井先生のアイデアいっぱいの授業を動画を交えてお話しいただく予定です。
3月15日の講演会についての詳しい報告は、後のページをご覧ください。

さて、「国連の定めた 世界自閉症啓発デー」のイベントが、4月の2日にあります。
育てる会では、毎年赤磐市桜ケ丘のスーパーマーケットのマックスバリューで啓発グッズを配っています。今年は赤磐市内に宿泊所のあるバレーボールチーム、岡山シーガルスズからも2名の選手の方が来てくださって、一緒に啓発をしてくださる予定です。
また赤磐市役所の社会福祉課の職員の方のご協力も毎年いただいていてありがたいことです。
息子は毎年参加しているので、会社の有給休暇をこの日に合わせて取ったそうです。それほど楽しみにしている理由がわかりませんが、終わったらどこかでご褒美の昼食にでも行きましょうか。
ところで、この啓発デーに毎年参加してくださる親子さんが何組かおられます。
中学のころは、上手に啓発グッズを手渡せないで、タイミングがつかめなかったA君でしたが、毎年参加するうちに少しずつ上手になって、今では歩いて来られる方にさっと渡すことができるようになりました。
もう一人参加してくださるBくんは、とても上手に手渡ししてくれます。彼がいる近くでは誰も彼には勝てないくらい素早く啓発グッズが渡せます。いらないよという人も中にはおられますが、そんな人にも物おじせず、お願いしていく彼は、なかなかな人なんです。
一年に一度、同じ場所で行っている自閉症啓発のための活動ですが、彼らの成長を見ることができる場でもあります。
多くの方に自閉症という障害を知っていただきたい。そして、その彼らが社会の一員として普通にこの地域で生きていけるような優しい社会となりますようにと、願いながらの啓発活動です。
また、この世界自閉症啓発デーに合わせて、育てる会では、フリーマーケットを行っています。
今年は4月2日が平日なので、翌週の4月12日(土)に開催いたします。そのおりに事務局の大広間にて、啓発のための上映会を行います。フリーマーケットだけでなく、この上映会もぜひ覗いていただいて、自閉症のことをご理解いただけたらと願います。
ただいまその準備に大わらわの事務局です。皆さんお忙しいとは思いますが、新事務所での自閉症啓発フリーマーケットにぜひおいでくださいますようご案内させていただきます。この日は臨時駐車場もお借りしてお待ちしています。
詳しいお知らせは、後ろのページにありますのでご覧ください。

さて3月には、ラジオ出演の機会とテレビの取材がありました。
ラジオは、FMくらしきというラジオ局で電話でのインタビューにて生出演という形でした。
なんだか緊張してしまって、いまだに何を話したのか・・・覚えていないという感じです。この日のために作っていたメモを本番でうっかり忘れてしまって、アタフタしているうちに番組が始まってしまい支離滅裂な放送になってしまったのではなかったでしょうか? 
どうか、お知り合いの方、どなたも聴いてませんように・・・。
次にRSK放送の取材は、4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて当日に流す予定だとかで、自閉症の人たちが住んでるグループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」の様子をカメラに収めて帰られました。
どんな映像にまとめていただけるのか分かりませんが、私たちの想いがちゃんと伝わっているか、番組を見るまでは不安です。
「ほっぷ1」は、今から9年前、2016年4月に岡山県下で初めての“自閉症の人のための”グループホームとして誕生しました。
続いて「すてっぷ1」は、それから6年後の2022年4月に開設いたしました。
私たちのグループホームは、自閉症に特化した自閉症の人だけが住んでいるグループホームです。
「ほっぷ1」では、丁寧な支援をして、一人で身辺自立や部屋の掃除、トイレやお風呂が掃除できるようサポートしていきます。
そしてそれらができるようにになった人から、次に建てた「すてっぷ1」に入居してもらっています。
そうして、金銭管理や食事作りなど、落ち着いた暮らしが出来ていけそうになれば、順番に「じゃんぷ1」ヘと住み替えていってほしいと願っています。
この「じゃんぷ」については、最初の頃の計画では、地域のアパートを想定していましたが、現在の日本ではまだ知的障害を伴う自閉症の彼らを、温かく隣人として受け入れていただけるだけの許容には至っていないように思えます。
自閉症という障害への理解は次第に進んできたように思えますが、いざ隣の部屋に一人で引っ越してこられたら・・・・苦情やクレームを言われてしまいそうですね。
それならば、“ええい、自分たちで建ててしまおう”と言うことでグループホームのすぐ前の土地を手に入れました。今のところは、2年後くらいを目標に、設計や建設を進めていきたいと考えています。土地は比較的広いので、3棟、4棟と建てられそうです。少しずつ建てていけばいいと考えています。もし空き部屋ができたら、今度は本当に自閉症に理解のある隣人(学生さんなど)を、こちらが選べばいい!! なんてことも考えています。
待っていても、本当に欲しいものは、手に入らない。
「ないものは、作っていこう」自分たちでぴったりのものを作っていこう・・・その精神で、このグループホームを作りました。
自閉症の彼らが、地域の中で幸せに生きていってほしいという私たち親の目的が、このグループホームで実現する最後の段階です。障害はあっても自立を目指す。
親亡き後がすぐそこに迫っています。彼らの人生を豊かで安心できるものとするために、今一歩頑張っていこうと思います。
そんな想いが伝わる番組になれば最高なのですが、どうでしょう。
番組は4月2日、夕方のRSKイブニングニュースの中で、という予定だそうですので、この会報の到着が後になってしまうかもしれませんが、もし間に合えばご覧になってください。
(じゃんぷ用地の前でRSKの方のインタビュー)

さて、そのグループホームでの支援をしてくださる方を募集しています。
女性の方で、夕方4時頃から9時頃まで、生活の支援をしてくださる方を探しています。
どなたか、いらっしゃいませんか? 毎日でなくてもいいので、お願いしたいです。子育てから手が離れたと言う方や、夜なら出来るというような方がいらっしゃったら、ぜひお願いします。仕事内容は、丁寧にお教えします。どうぞよろしくお願いします。
彼らの成長に関わる楽しくやりがいのある仕事です。
事務局の周りには、大きなお店がたくさん出店予定で、現在工事中です。
便利なところになりそうなので、療育の一環として、お買い物体験に行くようなことも出来そうです。また、療育に頑張ったご褒美に帰りにハンバーガー屋さんでお食事をするなんて言うことも出来そうですね。オープンしたら、PECSを使って注文できるようにお願いに行ってみましょうか。
私と哲平は、行ったことがない“朝マック”なんてものも食べてみたいね、なんて話しています。
春がもうすぐそこまでやってきています。学校や職場など、色んな変化の春ですが、上手に乗り切っていきましょうね。
ではまた来月号でお会いしましょうね。ごきげんよう、さようなら。
(鳥羽 美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和7年3月15日(土)、令和6年度第4回目のセミナーとして、フリーランスの児童精神科医の門 眞一郎 先生と三重県立特別支援学校伊賀つばさ学園教諭の石井 幸仁 先生をオンラインにお迎えして「第130回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
門先生は Dr.PECSと称されるように(最近ではユーモアを込めてペンショナー(年金生活)児童精神科医と自称されていらっしゃいますが・・・)、日本にPECSを紹介し広めていただいた先駆者ですし、石井先生はそのPECSを学校現場に取り入れ実践されている、こちらも教育界での先駆者といわれている方です。
そのお二人により、『自閉スペクトラム障害の人へのコミュニケーション支援 〜絵カード交換式コミュニケーション・システム(PECS)を中心に〜』と題して、その有効性や実践方法について丁寧にお話しいただきました。
また、講演後に、「石井先生の実践の動画をもっと見たかった」、「学校での取り組みをじっくり聴きたかった」という声がアンケートで多く寄せられました。
時間の関係で、今回は省略された動画も多かったので、急遽、「アンコール! アンコール!!」の声に応え、令和7年度の第1回目のセミナーとして、石井先生にお願いしてZoomでの講演会を開催することにいたしました。

 『 第131回 育てる会 自閉症啓発セミナー 』

日 時:令和 7年 5月11日(日) 9:30〜12:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「PECSは人生を変える!〜教育現場の実践からPECS の効果を考える〜」
講 師: 石井 幸仁 先生(三重県立特別支援学校伊賀つばさ学園)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:正会員 500円、賛助会員 1,000円、一般 2,000円、学生 1,000円
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
            E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp  
http://sodaterukai.org/policy1.html
なお、次回のセミナーには門先生は登壇されませんので、今回のコラボセミナーに参加された方は大丈夫なのですが、それ以外の方で、まだPECSをご存知ない方や、PECSの理論やフェイズについて事前に知りたい方へのご案内です。
本田秀夫先生(令和7年度には育てる会でも講演をお願いしています)がお勤めの信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部で、「令和6年度第2回 子どものこころ診療部セミナー」として行なわれた、門先生のPECSに関する講演を、期間限定でYouTube配信されています。
これを事前に視聴されてから石井先生の講演会に参加された方が、より石井先生の実践が分かっていただけると思います。   https://youtu.be/DhPIdf6AA3I (YouTube アドレス)
それでは、今回の門先生、石井先生のコラボセミナーに参加したスタッフからの報告や、参加者の方からのアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介させていただきます。

3月15日(土) 第130回目(令和6年 第4回)の自閉症啓発セミナーとして、開催された(Zoom開催)、門 眞一郎 先生と、石井 幸仁 先生の講演会に参加しました。門眞一郎先生のコミュニケーション支援のお話は、育てる会では2023年7月に育てる会でご講演いただいてから、約2年ぶりに拝聴しました。
門先生のお話は、自閉スペクトラム障害の人の暮らしを障害にわたって支えるには、“コミュニケーション支援が前提”にあり、これがないと“話にならない、、、”という切り口からスタートされました。
今回の講演は、表出のコミュニケーション支援としてPECS(Picture Exchange Communication System:絵カード交換式コミュニケーションシステム)に焦点を当てたお話が中心でした。
人とのコミュニケーションにメリ(弱み:メリハリのメリ)がある自閉スペクトラム症の方とコミュニケーションをするためには、その方法にも工夫が必要となってきます。
つまり、通常の“音声言語を使ったコミュニケーション”よりもコミュニケーションを取りやすい別の方法を考える必要があります。それを可能にするための方法のひとつがPECSになります。
PECSをはじめるにあたっての誤解として、“絵カードを見分けることができない人には使えない”などがありますが、PECSのフェイズ1とフェイズ2の段階は絵カードの弁別ができていなくてもはじめることができること、そしてフェイズ3の段階で“絵カードの弁別”を教える段階があるので、その時に教えることができるということを教えていただきました。
視覚的なコミュニケーションの方法としては、手話などもありますが、手話を教えるためには、“模倣”のスキルが必要になってくる、その点、PECSは模倣のスキルをまだ習得してなくても教えることができる方法であると考えると、PECSをはじめるのをためらう必要は全くないのではないかと思いました。
今回の講演会では、表出のコミュニケーションについてのお話がメインでしたが、コミュニケーションは“相互的”であるので、表出のコミュニケーションと、理解のコミュニケーションの両面での支援が必要です。
理解のコミュニケーションについてのお話の中で印象的だったのは、“理解コミュニケーションは、伝えたい内容を”具体的“で、”肯定的“にするということが大事だという説明でした。
自閉症の人の学習スタイルに合わせた伝え方を考えると、言葉で指示を出し続けるという方法は、自閉症の人に合っていない伝え方になります。自閉症の人に何かを教えるとき、この理解の面から教えることが多いのが現状ですが、やはり表出する手段を保証してこその理解コミュニケーションだということがよくわかりました。
今回は、理解コミュニケーションについてのお話は少なかったのですが、理解コミュニケーションについては書籍の紹介がありました。
今回の講演会のメインテーマである表出コミュニケーションの方法であるPECSについてですが、PECSがとても優れた支援方法であると門先生が紹介をされている理由が、PECSが登場してからはじめて自発が教えられるようになったことにあります。そしてexchange交換というところがポイントです。“相互的”なコミュニケーションを教えることができる方法がPECSです。
PECSは、フェイズ1から6までありますが、フェイズ4(文カードを使って、○○・ください、と伝えることを教える段階)まではすすめていくが、そこでやめてしまう人が多い。でも、それでは十分ではなく、フェイズ6の“コメント”がとても重要であるということを教えていただきました。
“体調を伝える”病院を受診した際に、“どこが痛いのか”を伝える、感情を伝えるなど。実際に、病院受診をされている方の動画を見せていただいたり、自発的要求と自発的コメントを組み合わせて、“てつだって”・“びょうき”・“せき”・“さむい“と伝えることができた方の事例を紹介していただきました。自分の今の状態を伝え、援助を求める、とても機能的なコミュニケーションスキルだと思いました。
教えることが難しいと感じてしまう、フェイズ6のコメントですが、”難しいだろう、、、“と勝手にこちらが決めつけて教える機会を作らないのは、”学ぶ機会を奪っている“ことになるのではないかと思います。
自閉症の人は、学び方に違いがある人たちだから、教え方にも工夫が必要ですが、より機能的なコミュニケーションスキルを身
に付けることを目指し、私が関わっている子どもたちにも、フェイズ6のコメント練習もどんどん取り組んでいきたいと思いました。
そして、フェイズを進めていくことだけではなく、それと同時進行で9つの重要なコミュニケーションスキルを教えていくことが大事であるということも教えていただきました。
はじめに、門先生が、“コミュニケーションは相互的なものである”とお話をしてくださっていましたが、まさにこの9つの重要なコミュニケーションスキルにある理解の面での、まつ、ダメに応じる、視覚的な指示に応じるなども教えていくことで、“相互的”なコミュニケーションが成立するのだから、どちらか一方だけを教えたらいいということは間違った考え方だということがよくわかりました。
後半は、石井幸仁先生のお話でした。
石井幸仁先生は三重県の支援学校の教員であり、三重PECSサークルの代表をされている方です。
今回は、「PECSは、人生を変える!〜教育現場の実践からPECSの効果を考える〜」というタイトルでのお話でした。
石井先生は、平成18年、今から19年前にPECSレベル1を受講し、すぐに学校の中でも実践をはじめたとのことでしたが、はじめはうまくいかないことも多かったとお話をされていました。
その後、“9つの重要なコミュニケーションスキル”のワークショップを受講されて、平成21年から、PECSのフェイズを進めていくことだけではなく、“9つの重要なコミュニケーションスキル”も取り入れて、表出と理解の両面でのコミュニケーションの支援を始めたと教えていただきました。
PECSのフェイズを進めていくだけでは、表出のコミュニケーションの支援だけになるので、“相互的”ではありません。私自身も、10年以上前にはじめてPECSのワークショップを受講した後は、PECSのフェイズを進めていくことだけを考えて取り組んでいましたが、子どもとのコミュニケーションが“やり取りになっていたか”と振り返ると、そうではなかったと反省する面も多々あります。
繰り返しになりますが、門先生のお話の中でも、9つの重要なコミュニケーションスキルについての説明がありましたが、やはり、表出の理解の両面でのコミュニケーションスキルを教えることが大事なのだということを石井先生のお話からも学ばせていただきました。
支援学校での実践として
[個別支援の紹介]
Lesson1 対人接近の増加
Lesson2 問題提起行動が減少
Lesson3 話し言葉が増え、社会性が向上
[集団学習の紹介]
Lesson4 あるクラスでの取り組み
Lesson5 授業でのコミュニケーション学習
と、テーマを分け、事例を交えてお話をしていただきました。
お時間の都合で、たくさん用意していただいていた動画をすべて見せていただくことができなかったのはとても残念でしたが、動画で紹介していただいた石井先生の実践はどれも、お子さんの強化的な活動の中でコミュニケーションを引き出す取り組みであり、表出を取り組んだうえで、“まつ”、今はダメ、無いに応じるなど、理解のコミュニケーションスキルを教える機会も取り入れながら丁寧にコミュニケーション支援をされていました。
表出のコミュニケーションとして、PECSを使って、自分のしたいこと、欲しいものを伝えることができるようになり、“拒否”例えば給食の場面では、“食べたくない”を伝える手段として、食べたくないものは専用の箱に入れるという方法を教えることで、食べ物を投げたり、食事中に席を立ったりする行動が減ってきた事例については、“Lesson2の問題提起行動が減少“のところの説明でした。
PECSの誤解として、絵カードを使うと喋らなくなるのではないか、、、ということがありますが、そういうことは全くなく、言葉が増えてやり取りが行えるようになってきているという実践の紹介もあり、PECSは自閉症の人本人にとってはメリットしかない手段なのではないかと思いました。
コミュニケーションは、特定の誰かとだけできるようになれば良いというものではなく、誰とでもできるようになることで生活の幅が広がっていきます。PECSのワークショップでも、”PECSは初めから般化を教える“となっていますが、石井先生は、まずは先生とのやり取りで教えたことを、子ども同士のやり取りにもつなげたり、他の先生とのやり取りに般化していくことも意識をして取り組まれているとのことでした。
最後のLesson5では、授業の中でも、コミュニケーションの機会を作り取り組んでいる様子の紹介でしたが、こちらも動画を見せていただく時間がなかったことが残念ではありましたが、ご準備していただいていた資料の中で、図工の時間や調理の時間、体育の時間を使っての取り組みを紹介していただいていたので、それを拝見させていただく中で、どの活動においても、まずは”強化子アセスメント“を行っていて、子どもの自発からコミュニケーションを教えることを大事にされていることがよくわかりました。
見せていただいた動画の中で、体育の場面でタオルを使った体操で、どのタオルが使いたいか、お子さんに選んでもらう設定の授業がありましたが、”ドラえもん“”タオル“”ください“と文章を構成して伝えに来ていました。
こんな風に、子どもの興味を取り入れる方法を教えていただいたので、おやつの場面で自分が使いたい食器を選んでもらう、シャボン玉あそびの時にお気に入りのキャラクターのついた道具などを選んでもらうなどの場面を設定することができそうだ! と、ヒントをいただきました。
石井先生が準備してくださっていた資料には、“コラム”が5つあり、PECSの誤解についてのお話や、学校現場で実践していくことの難しさについて、石井先生が思っていることを紹介してくださっていたのですが、その中の一つの、コラム5に、石井先生が記していただいていた文章を最後に紹介させていただきたいと思います。
学校で勤務していると、「何のために授業をしているのか。授業を行うことが目的になっていないか(教員の自己満足)。本来、授業は児童生徒が主体的に生きていくうえで必要な知識やスキルを学ぶためではないか」と思うことが多々あります。
「みんな一緒」の文化は、深く高い壁ですが・・・。
PECSの効果や、「自閉スペクトラム障害の人々に視覚的な支援を行わないことは倫理的に問題があり、合理的配慮を保証していくことが大切である」を言い続けていくしかないですよね。
一緒に頑張りましょう。
今回の講演会では、門眞一郎先生と、石井幸仁先生から、自閉スペクトラム症の人にとって、自発的に行える表出のコミュニケーションの支援をしていくことがどれほど大事なことなのかということを学ばせていただきました。
いま日本では、“強度行動障害”というキーワードはとてもよく耳にするようになっています。
強度行動障害を起こしているといわれている人は、表出のコミュニケーションの方法を学ぶ機会がなかった結果として、周囲からは“困った行動をする人”と捉えられているのではないかと思います。
どう伝えたらいいかの手段を知らないから、自分が考え付く方法でしかそれを示すことができない。誰よりも、本人が一番困っている、そういう視点でその人を見ることができたら、表出のコミュニケーションを教えないという選択肢はないのではないかと改めて思いました。
門先生が、PECSの有効性について普及活動を熱心に取り組んでいただていることで、PECSに興味を持つ方も増えてきていると感じています。しかし、どう取り組んだらいいんだろう、、、と、悩んでいる方もたくさんいらっしゃると思うので、石井先生からの支援学校での実践のお話を聞くことができる機会はとても貴重であり、明日からの支援につながる講演会だったと思います。
門眞一郎先生、石井幸仁先生、貴重なお話をありがとうございました。
(ぐんぐんタッチ スタッフ:K)

○ 門先生のご講演では、コミュニケーション支援についての考え方や、その重要性、そしてPECSの有効性をわかりやすく説明していただき、非常に勉強になりました。先生の仰る通り、理解コミュニケーションへのウエイトが大きく、表出コミュニケーションをどのように教えていくか、ということを学べていない支援者が多い現状があると感じます。支援学級や支援学校のカリキュラムに取り入れてもらえたら素晴らしいだろうな、と思いました。
そのような現状の中で、PECS指導の実践について具体的にご講演くださった石井先生の取り組み、本当に素晴らしいことだと感動いたしました。学校現場の中で、実践を導入することは重要でありながらも簡単でなかったと思いますが、お子さんにとって良い方法だからこそ、実際にお子さんが変化していき、そのことが、先生方、お子さん、ご家庭全体を動かしていくのだと感じました。講演資料からも、先生の愛のあふれる日々が伝わってきました。
私自身は直接的な支援とは少し異なる立場でお子さんと関わっておりますが、PECSをはじめとしたコミュニケーション支援について学び続け、日々の支援で、情報発信や知識の提供を行っていきたいと思いました。本日はありがとうございました。
○ お話ありがとうございました。 
わが子も成人で発語のない重度の知的障害を伴った自閉症です。
門先生のお話の中で、特に成人になられた方にPECSを取り入れられた動画で、指示待ちで周りの方のことを自信なげにおどおどして絵カードを渡していた方が穏やかな自信に満ちた表情で絵カードを渡されている姿がとても素敵で、この方は充実した暮らしが送られていくのだと思いました。
わが子にもまだまだこれからだと思うと希望が持てました。ひとつひとつ、取り組んで行こうと思います。
○ 門先生のお話しは何度かお聴きしたことがありますが、今回もとても良かったし、時を経てまた聴かせていただくことで、新たな視点での気づきもあり、大変勉強になりました。PECSを使うことでコミュニケーションを取れていく様子には、毎回感動で目頭が熱くなります。また、自分から発信でき、それに応えてもらえるという確信を持って自信や期待を込めた表情で伝えられている様子もとても微笑ましく感じました。
我が子が年長から小学校低学年の時にPECSに取り組んでおりましたが、フェイズXまでして言葉が増え満足してしまい、やめてしまいました。あんなにおしゃべりしていた子が成人を過ぎた今、単語で話す状態で、自分の要求をスムーズには言えていないし、自発的なコメントを言うこともありません。改めてまた取り組んでいきたいと、今日聴かせていただき決心を新たにしました。何歳からでもできるものなので俄然やる気が出てきました! 息子が自信を持って人とコミュニケーションを取ることができ、自発的にコメントを発信してくれる姿を楽しみにしながら、じっくり取り組んでいきたいと思います。
石井先生の学校での取り組みにとても感動しました。もし息子が小学生の頃に担任の先生として出会えていたら、一緒にPECSに取り組んで、出来たことや課題など情報交換しながら一喜一憂し、毎日楽しく先生とコミュニケーションを取れる日々を送れていたのだろうなと、当時先生方と共有出来なかったことを夢みて想像しました(笑)いろんな場所でたくさん発信していただきたいです。充実した時間を過ごせました。ありがとうございました☆
本日ご講演いただいた石井先生の学校での取り組みをじっくり聴きたいです。
○ 門先生の話を聞くことで、いつも今の息子との取り組みを見つめ直すきっかけになります。
小さい頃から始めた方がいいと言われているPECSですが、大人になってからの方の実践や理解が早いという言葉も、中ーで始めた息子の母としては励みになります。また、行動が落ち着いたあとでも、コメント自発に向けて働きかけていくことの大事さもまた感じたところです。
石井先生の実践の数々、たくさん響く言葉がありました。PECSでコミュニケーション能力があがると、それ以外の面での成長がたくさんあること。支援側のモチベーションのこと。実際の毎日は教科書通りには行かずいつも試行錯誤です。そのことも含め明るく前向きに発信されている姿、感謝でいっぱいです。先生方ありがとうございました。

令和6年度 現場の先生のための即実践講座

令和6年度の、今治のライフサポートここはうす所長の桑原綾子先生による「現場の先生のための即実践講座」も最終回を迎えました。
第10回は、以前にも即実践講座でお話しいただいた、当事者の窪田拓夢さんに再び登場していただき、一緒にこれからの20年を考えていただきました。
まだまだお聞きしたいこと、話してほしいことがたくさんあったのに、今回で令和6年度の即実践講座は終了となってしまいました。
・・・・なので、その続きを! という声に応えて、令和7年度にお二人に再び登壇していただいてのセミナーを企画いたしました!!
この小回りの良さが育てる会のいいところです!
お二人のエネルギッシュな掛け合いの中で、どんな着地点が見えてくるのか、今年度の即実践に参加された方はもちろん、初めての方も高機能な当事者の方の生の声をきける貴重な機会になると思いますので楽しみにお待ちください。

 『 第132回 育てる会 自閉症啓発セミナー』

日 時:令和 7年 6月14日(土) 13:00〜16:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
テーマ:「理解と差別 〜その心地いい着地点の見つけ方について語り合う〜」
講 師: 窪田 拓夢 氏(一般発達障害者:当時者)
     桑原 綾子 氏(ライフサポートここはうす 副理事長)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:正会員 500円、賛助会員 1,000円、一般 2,000円、学生 1,000円
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
            E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp
それでは、この1年間の桑原先生の即実践講座を終えての、みなさんからの感想の一部です。

○ 1年間本当に学びの多い時間を過ごすことができました。学校というところに身を置いて仕事をしている者としては、耳の痛いこともあったり、分かってくださっているとは思いながらも学校にもいろいろな面やいろいろな人もいますよと言いたくなるようなこともあったり、でもやっぱり仰っているような面も事実あるよなぁと感じることもあったりしましたが、とにもかくにも新たな学びのきっかけをいただくこともできました。
また、当事者の方々のお話を直接お聞きできたこともとても貴重な体験となりました。私が関わらせていただいている子どもさん達は、自分のことを言葉で伝えることが難しい人も多いので、それぞれに合ったコミュニケーション手段を見つけて使えるように支援を進める中でも、その人が何を考えたり思ったりしているのかその行動等から読み解くことになります。読み解く過程で、こうかもしれない、ああかもしれないと考える可能性の幅、見方考え方等の幅を広げていただく機会となったと感じています。ありがとうございました。
○ 桑原先生、ありがとうございました。
私達支援者は、「◯◯ができる」ことを優先してしまいがちです。「自己理解やセルフコントロールを学ぶ前に、自分が心地よくいられることが大切」、「福祉職の私達は自分自身が商品」教育職も一緒です。そういう原点に、気づかせていただけた研修でした。
マッチングアプリ対応研修会とか、ちょっと笑えましたが、コミュニケーションに悩む人にはいいですね〜これから20年を考えるのは私にも重いです。私の支援している彼の38歳からの20年も重いですよね。一緒に考えながら悩みながら、歩んでいきたいと思いました。
○ 桑原先生のお話はとても楽しく、一生懸命で、体当たりな全力な姿勢や、桑原先生の丸ごと包み込むような大きな愛や力を感じる研修になりました。完璧じゃなくてよい。悩み続け、考え続けることが大切と最後の話にあったように、私もそんな支援者でいたいと思いました。これからの20年が当事者と言われる方たちにとって、周りの人、地域の人、県、国、世界と理解され、拓夢さんの言葉にあった、メガネをかけている人と同じレベルでの認識になるといいなと思いました。
○ 学校で仕事をしている自分にとって、あまり関わりの少ない内容の話が多いかもしれないと、初めは受講を悩んでいましたが、一年間受講して本当に良かったと思います。
当事者の方の話を聞いたり、福祉の面や職場環境の話は、とても興味深かったです。
先生の話を聞いて、明るい気持ちで子どもたちに関わるエネルギーをいただきました。先生に教えていただいた「ほめあいっこ」を年度末にもう一度やってみようと思います。
これからも楽しみながら自閉症オタクをしていきたいと思います! 一年間ありがとうございました。
○ 1年間大変ありがとうございました。私にとってとても貴重な一年間であり、芽生えの年となりました。
春に保育園を退職し、念願であった療育の現場に入ることができたのに、分からないことだらけで、自分の経験を活かしきれないでいました。毎回の受講では、今までの自分の言動を振り返り「反省しました」の感想を入れざるを得なかったり、なやんでいたことの理由が分かり「そうか!」という発見と、桑原先生の「楽しいと思う」というポジティブな考え方に「私も頑張ろう」という意欲を貰ったりしました。毎月の1回2時間がとても楽しみで、身になる時間でした。
今日の拓夢さんのお話の「自閉症というものに対する考え方が、メガネくらい当然のことになればいい」は、分かりやすくとても良い表現だと思います。特別視しない世の中になっていくために、多様性を大切にしたいです。桑原先生からの学びを活かしながら、これからも利用者の方だけでなく、社会の中で必要な支援のできる存在になれるように頑張りたいと思います。
桑原先生、またどこかで先生のお話を聞かせていただけたら嬉しいです。育てる会の鳥羽先生を初め、事務局の皆様ありがとうございました。毎回感想を取り上げていただきありがとうございました。実りある一年でした。

令和7年度 現場の先生のための即実践講座

 予告 
新年度、令和7年度の即実践講座が、講師に鳥取大学大学院医学系研究科 臨床心理学専攻臨床心理学講座 教授の井上雅彦先生をオンラインにお迎えして、5月より始まります。
親支援やきょうだい支援、ペアレントメンターのお話しなど、これまでの即実践講座とはひと味違った切り口でのお話しをお聴きできるのを楽しみにしています。
詳しい先生の紹介や講義の内容については、チラシを同封しておりますので、ここでは日付とテーマだけをご紹介します。
なお原則水曜日の開催ですが、12月だけは火曜日となります。
第1回  5/21(水)  オリエンテーション 自閉症とはなにか?
第2回  6/25(水)  自閉症支援のエビデンスと早期療育
第3回  7/23(水)  親支援とペアレントメンター
第4回  9/24(水)  ペアレント・トレーニング
第5回 10/22(水) 不登校支援
第6回 11/26(水)  ゲーム障害
第7回 12/23(火)  問題行動と機能的アセスメント
第8回  1/21(水)  問題行動への具体的支援
第9回  2/18(水)  きょうだい支援
第10回 3/25(水)  大人になるまでの支援で大切なこと
時間 19:00〜21:00
参加費:一般 23000円、会員 20000円 (全10回分)【後日配信あり】
http://sodaterukai.org/policy1.html

令和6年度 発達障害支援 夜間連続講座 IN 赤磐

赤磐市の共催をいただいて開催している「発達障害支援夜間連続講座」です。
今年度はよこはま発達クリニック・相談室で、発達障害児・者の支援にあたられている佐々木康栄先生をお招きしての講座でした。
最終回の第10回は「支援のエッセンスをもう一度」のテーマで、この一年間の講座を振り返りながら改めて自分の支援を見直す機会になりました。
佐々木先生のあの優しい声を聞く講座は終わりになりましたが、先生のご厚意で、今回の講座を受講された方には令和7年度にも座談会・相談会を開いていただけることになりました。今年の参加者の方はラッキーでしたね。
この相談会を通して夜間連続講座で学んだことを、さらに実践に活かしていただけるようになることを願っています。
では、この1年間の佐々木先生の夜間連続講座を振り返っての参加者の方の感想の一部です。

○ あっという間の1年間でした。毎回、先生の穏やかな話し方、丁寧でわかりやすい説明を聴くことができ、学びと同時に、気持ちがあたたかくなり癒される時間でした。
小学校の現場では、今までに経験したことのない雰囲気の時もあったのですが、「先生から学んだことを活かしてみよう!」「わかる環境になってるのかなぁ」などと、気持ちを切り替えて子どもたちと関わることができました。 
まだまだチカラ不足ですが、今回学んだことを活かしながら、さらにこれからも学んでいけたらと思います。1年間、本当にありがとうございました。
○ 一年間ありがとうございました。私は、支援者になって一年が経ちました。何も知らない中で始まった夜間講座でしたが、沢山の学びをいただきました。
保育の現場と異なる支援の仕方に、戸惑いと焦りを感じていると、私の気持ちを察したような内容のお話があり、毎回「そうそう、あの時のあの場面は、そうすればよかったのか」と胸のつかえがとれるようでした。
学びが成長につながってはいないのですが、佐々木先生に教えていただいたことを支援に活かし、お子さんの今も将来もhappyであるように頑張りたいと思います。
○ 一年間ありがとうございました。分かりやすい言葉をつかって理解しやすい内容でお話いただけてよかったです。最後のセルフチェックや未来の自分へ、目に見えない考えや思いを言語化、可視化していくことの大切を改めて感じました。どうしても自分の評価は低くなりがちなのですが、自分にも利用者にも「できていること」に目を向けて活路を見いだせていけたらと思います。あまり天狗にならない程度に褒めてあげつつやっていけたらといいのかなと、利用者さんに向き合う前に自分と向き合うことも大切にしていきたいと思います
○ 佐々木先生が講座でお話されていらしたように、「支援には正解がない」中で、日々支援に携わっていると、無力感や不安感から、それでも何かないだろうか、と正解を求めて心が迷子になっていました。今回の連続講座を受講させていただき、迷子にならないためのサバイバル術のような、必須の知識や心構えを身につけることができたと思います。毎回丁寧に質問にご回答くださったり、具体的な先生のご経験をお話しくださり、非常にわかりやすかったです。
連続講座という形式で、コンスタントに同じ先生の講座を聞くという機会が普段あまりないため、表面的な理解ではなく、中身をしっかりと学ばせていただくことができたように感じます。先生も、スタッフの皆様も、ご多用の中毎回丁寧にご準備くださり、大変感謝しています。このようなご縁をいただくことができ、本当に嬉しいです。育てる会の皆様と佐々木先生の、心のこもった、愛のあるお言葉に、毎回自分自身も癒し、支えていただいていたように思います。この安心感を、自分の携わらせていただいている方々に伝えていけるように頑張りたいと思います。1年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。

令和7年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

 予告 
令和7年度も、赤磐市よりの共催をいただき発達障害支援のための夜間連続講座を開催できることになりました。
令和7年度の講師は、特に教職の先生方に人気のある教育実践研究家で、菊池道場の道場主として知られている菊池省三先生にお願いいたしました。
赤磐市との共催ですので、赤磐市在住・在勤の支援者のみなさまは、無料で連続10回の講座に参加できますので、この機会にぜひお申し込みください。
昨年までは資料代として、赤磐市の方には全10回分で7000円を頂戴して、資料を郵送しておりましたが、今回より資料はオンラインにて参照していただく方式(紙ベースが必要なら各自でプリントアウトしていただく形式)に変更いたしましたので、資料代も不要となります。
なお、保護者対象ではありませんので、ご諒解をお願いします。
詳しい先生の紹介や講義の内容については、チラシを同封しておりますので、ここでは日付とテーマだけをご紹介します。
なお第1回だけは、ゴールデンウィークの関係で、5月7日(水)の開催となりますが、第2回よりは火曜日の開催を予定しております。
                                                          
第1回  5/7(水)  ガイダンス〜私が歩んできたコミュニケーション指導の実際〜
第2回  6/3(火)  子どもの心に届く言葉かけのポイント
第3回  7/1(火)  子どもに自信を持たせること
第4回  9/2(火)  クラスづくりのゴールイメージと、はじめの一歩
第5回 10/7(火)  主体性を育てること
第6回 11/4(火)  学級づくりにおける「ほめ言葉のシャワー」と「価値語」
第7回 12/2(火)  言葉を超えたコミュニケーションの可能性(非言語コミュニケーション)
第8回  1/6(火)  学級運営とトラブル対応におけるコミュニケーション
第9回  2/3(火)  教員自身のコミュニケーションスキルを高める
第10回 3/3(火)  教師間で意見交換しやすい雰囲気づくりの方法
時間19:00〜21:00
参加費:一般 20000円、賛助会員 170000円、赤磐市在住・在勤者 無料(全10回分)【後日配信あり】
http://sodaterukai.org/policy1.html

フリーマーケットのお知らせ

日時:令和7年4月12日(土) 10:00〜12:00 (雨天の場合は、翌13日(日))
場所:育てる会事務局前庭にて(赤磐市上市355-2)
昨年までとは異なる会場です。  お間違えの無いように!
臨時駐車場あります!!
当日のご来場お待ちしています。
  (前回のフリーマーケット)

ここからは、下の行事は 正会員向けのご案内 です。
※ 正会員について
    資格:自閉症のお子さんのいるご家庭で、原則 岡山県在住の方
                     (会員向け行事は岡山県内にて開催のため)
    会費:入会金3,000円+月会費1,200円×3月末まで (年会費:14,400円)
    特典:正会員向け行事 
        【キッズルーム、サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室、木工教室、
        AAO活動(ガイドヘルプ活動)、木工教室、クリスマス会、OHAの会(高機能)、
        座談会(クッキング、マッサージ)、18歳の春を目指す会、さをり織り教室、
        はやぶさの会(男の子)、クローバーの会(女の子)、わいわいHoliday(青年の会)、
        おやじの会(山のぼり、BBQなど)】 等への参加、
       セミナー等 正会員料金、毎月会報郵送
※賛助会員について
    資格:どなたでも
    会費:入会金 不要、年会費 3,000円(入会された月から1年間)
    特典:セミナー等 賛助会員料金、毎月会報郵送
正会員・賛助会員・療育・セミナー・連続講座等 申込み
  http://sodaterukai.org/policy1.html

令和7年度 育てる会総会 の お知らせ

令和7年度の育てる会総会のご案内です。
【総会】 日 時:令和7年5月21日(水) 11:00〜12:00
      場 所:オンライン開催(赤磐市上市355−2 育てる会 事務局 より)
正会員の方には、議事次第と出欠連絡票および委任状を同封していますので、出欠のお返事をよろしくお願いします。
欠席される方は、FAX、LINE、メールでの委任状の返信をよろしくお願いします!

キッズルームのご案内

岡山大学児童文化部との合同企画です。
今年度第1回目の開催です。(クリスマス会を含め年4回予定)
日 時: 令和7年4月29日(火・祝)13時〜15時(12:45受付)
場 所: 岡山大学 体育館
持ち物: うわぐつ、飲み物(必要な方)
参加費: 500円 保険料込(2歳児から必要・兄弟児も同様)
申込締切: 4月21日(月)
申込は、正会員専用LINEまたはMAIL (正会員限定)
正会員の方にはチラシを同封していますのでご覧ください

水泳教室のお知らせ

日 時:令和7年4月20日(日) 15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
令和7年度 水泳教室 新規参加者 大募集!!
水泳教室では、今年度も新規参加者大募集中です。
なかなか水に入れない小さなお子さんや、学校のプールが苦手になった子どもたちも、育てる会の水泳教室なら、自閉症の特性をよく知っているコーチの方が優しく誘ってくれます。
無理のない範囲でお母さんやお父さんと一緒にプールを楽しみましょう。
一緒に入っているお友だちも、育てる会の会員だけなので遠慮はいらないし、保護者の方も特性を理解してしてくれているので安心です。
年長クラスでは、月に一度、水中で全身運動をするのは肥満防止にもなると思いますので、学校を卒業してから運動不足が気になる方もぜひご参加ください。
年会費は11000円、途中入会の方は、3月までの残りの回数×@1000円です。
詳しいことは同封のチラシをご覧ください
★水泳教室に新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は4月17日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)

おやじの会 山のぼりの会 の お知らせ

季節も春めいてき、暖かくなったのでおやじの会でも恒例の山のぼりを企画しました。
昨秋は、備前市の「夕立受山」を予定していたのですが、春なら通称:“和気アルプス”もいいのでは、と候補に挙げました。
こちらは秋の松茸シーズンには、私有地立入禁止となる箇所もあるため、秋には候補からはずしていた山です。
どちらに決定するかは、参加申込者のご家族の希望を聞いてからにしますが、今のところ私のお薦めは、和気アルプスの方かな・・・・というところです。
とりあえず(仮)で参加者を募集いたします!!
日 時:令和7年5月10日(土) 午前中〜お昼頃
場 所:和気アルプス(幼児向け)〜神ノ上山(青年向け)
             (集合場所:鵜飼谷温泉 駐車場):(仮)
持ち物:昼食、水筒〜ペットボトル、動きやすい服、滑りにくい靴(参加費無料)
申込み:育てる会事務局(LINEか086-955-6758) (正会員限定)
(担当:T)

保護者クッキング座談会の報告

  3月の座談会 クッキング座談会 〜あきよさんのホットサンド〜

3月13日(木)、今回は、みのる産業さんからいただいた『餅つき機』を使って、ミルクブレッド食パンを作りました。
そのミルクブレッドを材料にして、ホットサンドも作り、みんなで美味しくいただきました! 味はとてもおいしかったですよ!!
  
今回は参加人数はすこし少なかったものの、その分、和気あいあいとした雰囲気の中で、楽しい時間を過ごすことができました。
今回はいつものお母さんたちが多かったのですが、初めての方、若いお母さんたちもお待ちしています。
先輩達の楽しい(?)子育ての話、苦労話・・・なども聞けますよ、もちろん相談なども・・・・ (正会員限定)

青年部 わいわいHoliday の お知らせ

青年部 わいわいHoliday は知的障害を伴う青年たちの会です。
なかなか友人たちとお出かけができにくい彼らです。親たちでそんな彼らに休日を楽しむ機会を作りたいと企画しています。
次回は、4月13日(日) 13:00〜15:00
みんなでカラオケに行きます!!
高校生〜成人男子 で参加者を募集しています。現在の登録者は6名です。
興味のある方は事務局まで問合せくださいね。 (LINEか086-955-6758) (正会員限定)

   (前回のボウリングのスナップです)
(担当:M & T)

はやぶさの会 & クローバーの会 の お知らせ

「はやぶさの会」&「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員の子どもたちのための友達作りの会です。
4月12日(土)の育てる会フリーマーケットに「青年の部」のASDお兄さんたちと一緒に【くじ引き】を企画しました。
お楽しみ券一枚で一回できます。
子どもたちがお店屋さんを元気一杯やっておりますので、皆様ぜひお立ち寄りください
^^ノ
また、引き続き「お友達がほしい子たち」メンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子たちのための【はやぶさの会】 & 女の子たちのための【クローバーの会】です。
春にはピクニックなども計画中。
興味のある方は、事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

OHAの会 の 報告と予告

OHAの会は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを育てる保護者のための会です。
今年度は臨床心理士・公認心理師の利守愛子先生にアドバイスをいただきながら進めてきました。
最終回の第5回は、3月16日(日) Zoomにて開催されました。
今回のOHAの会は、参加者の皆さんから寄せられたお悩みや質問に利守先生が回答するという内容でした。それぞれの問題に対して、具体的な対処法を考えてくださったり、今までとは違う見方や考え方を提案してくださったりして、ほかの方の相談内容も自分にも役に立つお話がたくさんありました。
時間の最後には今年度のまとめとして、先生から参加者に応援のメッセージをいただきました。ASDの子供を一般的な価値観に当てはめるのではなく、独特の良さを味わいながら育てること。悩んだときは一人で抱え込まず、療育の先生などに相談すること。子供が成長してできることが増えれば悩みも変わってくるけれど、その都度子供を理解しようと考えれば親も成長していくとおっしゃっていました。
利守先生はいつも明るく柔らかい雰囲気で、親に寄り添いどうしたらいいか一緒に考えてくださるので、参加するととても前向きな気持ちになりました。1年間どうもありがとうございました。
(参加者N様よりご報告いただきました。)
利守先生には、お忙しい中、年間5回にわたる講義をしていただき、誠にありがとうございました。
利守先生のお話を通じて、みなさんの特性理解が深まり、「こう考えていけばいいのか!」と、今後の道筋が見えてきたことと思います。
また、この1年間を通じて、同じ悩みを抱えるお母さん同士のつながりが生まれたことも大変嬉しく思います。ご参加いただいた皆さまにも感謝申し上げます。

 来年度のOHAの会について

来年度のOHAの会は、川崎医療福祉大学医療福祉学科 講師の小田桐早苗先生をお迎えし、新たな講義が開催されることが決定しました!
また新しい知識や視点を得られることを楽しみにしています。
次回講義日程
初回講義は6月28日(土)AM 10:00-12:00です。(ZOOM開催)
詳しい年間計画等は来月号でお知らせしますが、第1回はカレンダーに予定を書いて、ぜひご参加ください。 (正会員限定)

お母さんコラム

中2でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小2でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日も息子の話。
卒業式も間近に近づいた3月中頃。中学校から、夕方に電話です。
前回の友達との部活中のトラブルもしかり、この時間帯の学校からの電話は「何かしらの『やらかし』」の確率が高い。
嫌だなぁと思いながら電話に出ると…。はい、やはり『やらかし』でした。
その日は卒業式予行演習だったそうで、ポカポカ陽気にうとうとしたのでしょうか。
予行演習中にうたた寝をしてしまい、そのことを支援クラスの先生から注意された息子。
担任(以下:担)「Kくん(息子)!寝てたらダメでしょう!」 →息子(以下:子)「はい。すみませんでした」
担「どうして寝てたの?」 →子「眠たかったからです」
担「どうして眠たくなるの?!」 →子「することがなかったからです」
担「卒業式の予行だよ?明日は卒業式だよ?!」 →子「はい。知ってます」
担「大丈夫なの?!」 →子「はい。大丈夫です」
担「そう、大丈夫なのね? 明日は最後まで寝ずに頑張れるのね?」 →子「それは、その時になってみないと分かりません」
担「どうして?!!」 →子「眠たかったら寝てしまうかもしれないからです」
担「どうして本番で眠たくなるの?!」 →子「え・・・だから・・・。することないですし」
担「卒業式は、3年生たちが主役だよ!」 →子「はい」
担「Kくんは、明日卒業するの?」 →子「え?しませんけど・・・。まだ2年生だし」
担「そうだよね、明日は3年生が卒業するんだよね?」 →子「はぁ」
担「3年生の先輩たちを送ってあげたいって気持ちはないの?!」 →子「あんまりかなぁ」
担「どうしてなの?!他の1・2年生の子たちは、皆『3年生の先輩たちへの送別の気持ち』でいっぱいだよ!?」 →子「え・・・」
担「どうしてないの?!」 →子「んー。部活の先輩の送別の会は別の日にあるから、そこで直接伝えますし、部活の先輩以外は名前もそこまで覚えている人っていないし・・・」
担「どうして覚えていないの!?」 →子「え?接点も、そんなにないし・・・」
担「送別したくないってこと? 卒業式に出たくないって思ってるの?! 感謝の気持ちとかはないってこと?!」 →子「いや・・・そこまで強く拒否する気持ちもないですけど・・・そんな出る意味あるのかなってのは、正直あるかなぁ・・・」
担「寝ている人がいたら、3年生の先輩たちがどう思うと思うの?!」 →子「え? 眠たいんかなあって思うんじゃないですかね」
担「息子くんが、逆に同じことをされたらどう思うの?!」 →子「別に。眠たいんだろうなあって思うだけですけど・・・」
担「3年生の先輩たちは、きっと嫌な気持ちになると思うよ!?」 →子「はぁ・・・。でも僕が寝ているかどうかなんて、先輩たちからは見えないと思いますけど・・・」→担「そうじゃなくて!!」・・・などのやりとりがあったそうで。
最終的に、眠ってしまっていたことについては、再度息子が謝罪していたそうですが、「かなり長時間指導させていただきましたが、本人はあまりピンときていなかったみたいです。困ってしまってのお電話です」とのことでした。
目に浮かぶようだ。さすがASD!!笑
でも、電話口の先生はかなりの勢いでの口調なわけで。
「それは大変申し訳ありませんでした」と伝えた上で「先生、熱心にご指導いただいてありがたいんですけど・・・うちの息子には、難しいと思います」とお話すると
先生は「どうしてですか!?お母さんも『卒業式や予行演習は、寝ていても仕方ない』『意味のない時間』ってお考えですか?!」と言われました。
「いやいや、卒業式や予行演習で寝ているのはあり得ませんよ? そこは指導していただいて大丈夫ですし、ありがとうございます」
「でも、『送別の気持ちを持ちなさい』とか『皆はこうしているんだから』とか『相手の気持ちを考えて』とかは、なかなかASDの息子には難しいんです。本人なりの物差しがあるし、本人なりの理解の仕方があるので・・・」とお話し、怒られたこと自体は悪かったと思いつつもピンと来ていないこと・情に訴えるやり方よりは、本人が「なるほど」と思える論法でないと理解できないこと、などをお伝えしました。
担任の先生は「お母さんが諦めちゃダメです!」「繰り返し言い聞かせて教えていかないと伝わりませんよ!!」「高校に行って困るのは、息子くんですよ!!」と、話がなかなかかみ合わず。
熱心なのは分かるしありがたいんですけど、1歳7か月でASD診断が出たような重度ASDの息子を舐めてもらっちゃあ困る。ていうか、こういうやりとり、繰り返し言い聞かせて教えてきたんです。何十回・何百回・何千回と息子とやりとりしてきて、毎回ノックアウトされてきたわけです。
「とりあえず、息子と話をします。大丈夫ですから、ちょっと任せてみてください」とお伝えして電話を切りました。
帰宅後、息子からも先生とのやりとりを詳しく聞かせてもらった上で、説明。
「卒業式予行演習も学校の行事も、学校の授業と同じです」
「国語の授業中に寝ていたら怒られるのと同じで、卒業式の予行演習も、もちろん卒業式本番も、寝てはいけません」
「ちなみに、学校行事は、卒業式だけでなく、始業式も入学式も参観日も運動会も球技大会も学活の時間も、基本寝てはいけません。家じゃないんだから。休み時間とかバスの移動中とかは寝てもいいけどね」
「体がしんどいなら保健室に行きなさい。夜遅くまで起きていたとかで眠たいなら、早く寝なさい」
と伝えると「なるほど!」とスンナリ理解。
「卒業式予行も、学校の授業と同じ扱いってこと、知らなかった?」と聞くと「うん。教えてもらったことないし」とのこと。
「こないだの立志式では寝てなかったじゃん」と言うと「そりゃそうよ。やることあったもん」。
そう言えば、昨夏に行った高校のオープンスクールでも堂々と爆睡していたことがありました。
その話をすると「そう。あの時もすることなかったから」と堂々と発言。
そうか・・・することなかったからか・・・。
「え。てことはさ、もしかして【オープンスクール用のワークシート】とかを母さんが作って、『これにメモ取りながら参加しなさい』って言ったら、寝ないの?」と聞くと「そうだね。やることあるからね」「なんかパンフレットとか渡されて話を聞けってだけだと、退屈で眠たくなるんだわ。メモしろって言われても何をどうメモしたらいいか分からんしさ」とのことです。
メモさせられること自体は別に嫌じゃないそうです。
本当にASDって独特!!大変!!面白すぎ!!笑
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は娘のことを踏まえつつの自分の話。
先日から娘は、兄と同じソフトテニスのクラブのジュニアコースに入ることになりました。
と言っても、体力面を考えて金・土・日の3日間だけです(息子は月曜以外の平日全日+部活のない土日参加)。
ついつい調子に乗ってしまいがちな娘。
これまで参加していた金曜のファミリーコースみたいな「楽しい」メインではなく、ちゃんと習い事として真面目に頑張ってほしい。
それなのに、その大事な初日に、母は仕事があって参加できない!!心配!!!!!
ということで、母として教えたのは以下のことでした。
「基本は、学校の授業と同じです」
・挨拶や返事は、大きな声で元気よく。
・最初からうまくいかなくても、何回も練習を続けていくことで少しずつ上達するので、諦めないことが大事。
・トイレに行きたくなったり、疲れたり、うまくいかなくて悔しい気持ちになったりした時には、必ず先生に手を挙げて伝えること(どうしたらいいか、先生が一緒に考えてくれる)。
・上手にできなくてもいいから、上のことを頑張ったら、帰りにジュースかアイスを買ってもらえる。
などを伝えました。
息子には「これまで、何回も母さんが言ってくれていることじゃん」と言われましたが、上記を伝えると「分かった!」と言い、しっかり(本当にびっくりするぐらい)頑張ることができたそうです。
改めて思ったのが「般化を分かりやすくするって大事だな」ってことでした。
ASの人たちによく言われる「般化の難しさ(場所や相手や場面が違うと、学んだスキルや行動が取れない・応用がしづらい)」っていうのは、個人的にですが、「何が同じなのか」「何が違うのか」が明確にされていないからじゃないかなと思うんです。
例えば、学校でクラス替えがあった時。バイト先の面接。合コンでの乾杯の時。結婚相手の家族と出会う時。近所の人の葬儀に参列した際に、待ち時間に隣に座った人と話す時。
初対面であれば、基本的に「丁寧に」「穏やかに」やりとりするということは【同じ】です。
でも、「その場にあった発言」「会話の内容」「相手の懐への踏み込み具合」は【違う】んですよね。
会話スキルはあっても、この般化の難しさから、変に近すぎる・遠すぎる感じになったり、何をどう喋ったらいいか迷っているうちに緊張から何もしゃべれなくなったり逆に過度にしゃべりすぎたりするのもASあるある。
多分スキルとして持っているもののうち、何をどんな風に使っていったらいいかが分かりづらいからだろうなと思うんです。
同じテニス教室でも、それまでのファミリーコースは体験的に楽しませてもらえる場でした。
でも、今回からのジュニアコースはテニスを上手になりたい人が通う場です。
「テニスをする」ということは同じですが、「参加する時の気分やノリ」は違います。
場所や場面は違いますが、学校と同じく「先生や指導者」がいて「クラスメイトやチームメイトがいる」ということは同じです。
「教えてもらう内容」は違いますが、「教えてもらう立場」「丁寧な物言いをする」「真面目にする」ことは同じです。
娘に【同じ】と【違う】を意識させることで「学校モード」がオンになったのか、きっちりしっかり頑張れたようです。
こんなに態度が違うとは・・・。まぁ初回だったので緊張していたこともあるでしょうが、この調子で頑張ってくれると嬉しいなと思う母でありつつ、「こういうことを小さい時に私も教えてもらいたかったなぁ」「教えてもらわなくても、普通の人ってなんとなくできるんだから、ほんとにすごすぎるわ・・・」としみじみ思ったりもしました(笑)。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」です。

ぐんぐんぴっぴ(児童発達支援)

療育室の扉を開けると、お子さんたちの元気いっぱいの声とともに入ってくる風に春らしさを感じられる季節になりました。
早いもので2024年度が終わろうとしています。4月から療育に通い始めてくださった方は(休まず通われた場合)45〜49回ほど療育の機会を重ねてこられたことになります!
もっと以前から利用されている方の中には150回を超える方もおられます!!
仕事や家族の事情、園行事などの調整をつけながら毎週通ってくださっていることに頭が下がります。
ぐんぐんぴっぴが目指す、社会性やコミュニケーションの基礎の部分を育てることは一朝一夕にできることではありません。だからこそ、家庭と療育で協力して取り組み続けていくことが大切だと考えています。
今回は1年前から通われている2歳児のAちゃんとそのお母さんのエピソードを紹介します。
Aちゃんが療育に慣れたころから、お子さんのアイコンタクトを伸ばす取り組みを始めました。まずは支援者とAちゃんの関わりを通して、お子さんがどんな時に相手にアイコンタクトをとるかお母さんに観察していただきました。
すると、
・おもちゃなどの要求時は欲しい物に注目しやすいが、大人が反応せずに待つと振り返ってアイコンタクトをとって要求を伝えようとする。
物を大人の目線上で提示するとアイコンタクトが比較的合いやすい。
おもちゃを使わない活動の方がアイコンタクトを取りやすい。お子さんの視界に入って音声をつけながらリアクションをするとよりアイコンタクトの頻度が増える。
大人にしてもらわないとできない活動(シャボン玉を吹いてもらう、タオルブランコなど)の繰り返し要求はアイコンタクトが伴いやすい。
といったことが分かりました。
青字の部分のような支援者の工夫をお母さんにも療育場面で練習していただき、家庭でも宿題として意識して取り組みを続けられた結果、Aちゃんが相手を見る(アイコンタクトをとる)ことが少しずつ増えていきました。
次のステップとして別の目標に関する宿題にしばらく取り組んでいた頃にふとAちゃんのアイコンタクトが減っていることに気がつきました。お母さんに確認すると、毎回出された宿題に関することはコツコツと取り組んだもののアイコンタクトのことまで意識できていなかったかも…とのことでした。私も、アイコンタクトのことも引き続き取り組んでいきましょうと声をかけただけでフォローが足りていなかったことを反省しました。
そこで、再度療育場面でアイコンタクトをとる工夫について確認しながら練習をして、家庭でも取り組んでいただくと、Aちゃんがアイコンタクトをとることが増えてきました。
お母さんと継続していくことの大切さを改めて確認し、これからも無理のない範囲で続けていこうと話し合いました。
人とのやりとりやコミュニケーションに関することはASDの診断基準にも挙がっていることなので、特に根気強く取り組んでいく必要があります。
目指していたことができるようになって安心! で済ますことなく、意識した関わりを続けることでさらに質が高まり定着につながります。だからこそ大人側が意識して関わり続けることが大切だと思っています。
療育でお子さんの様子を支援者と一緒に観察し、お子さんに合う関わり方を模索してやってみる。そこで見つけた関わり方を家庭でも継続して行うことでお子さんの成長につながったというケースがたくさんあります。
しかし、ご紹介したケースのように、順調にすすまないことも少なくありません。家庭で取り組んでみて難しかったことは療育場面で再度練習したり、環境やお子さんの変化に合わせて関わり方を再検討したりすることもあります。その積み重ねで、子どもたちだけではなくご家族も支援者も成長し、次のステップに取り組む時の力になっていると感じます。
来年度も一回一回の療育の時間を大切に、ご家族と一緒に子どもたちの成長をサポートし続けていきたいと思います。
(ぐんぐんぴっぴ療育スタッフ:K)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R7.2.26〜R7.3.25)

○  I.K 様(東京都国分寺市)
育てる会では、現在「ほっぷ」、「すてっぷ」に続く「じゃんぷ」のグループホームの建設を構想中です。
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
  岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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