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令和 7年 6月 30日
第326号
NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
326号 目次
もう梅雨が明けてしまいました
自閉症啓発セミナー
「窪田拓夢氏・桑原綾子先生講演会」 の 報告
即実践講座、夜間連続講座 の 報告とお知らせ
水泳教室、サッカー&ドッジスポーツクラブ の報告とお知らせ
座談会、キッズルーム の報告とお知らせ
はやぶさの会、クローバーの会 、OHAの会の 報告とお知らせ
お母さんコラム
ちゃーちゃん日記
私のお薦め本コーナー
「記者が発達障害児の父となったら」
ぐんぐんだより
「ぐんぐんぴっぴ」
寄付のお礼とお願い
夏の日差しがキラキラとまぶしく地上を照らします。
なんとまだ6月だというのに、中国地方は昨日梅雨明けが発表されました。
今年は観測史上一番早い梅雨明けとのことです。今までの梅雨はジトジトと長く、いつやむともしれず降るというものでしたが、今年は違います。
稲光と雷鳴がとどろく集中的な雨が降ったかと思うと、ぱたりとやみカンカン照りが続くというような空模様でした。またしても異常気象です。
いったい今年の夏はどうなるのかと今から心配をしている私です。やっと高かった野菜の値段が落ち着いてきたなと思っていたら、もう雨はおしまいなのでしょうか?
今年の水不足が心配ですね。
さて、6月14日(土)には、「理解と差別 〜その心地いい着地点の見つけ方について〜」という演題で桑原綾子先生と窪田拓夢さんの講演会がありました。
桑原先生と窪田さんの対話という形でお話しは進んでいきました。
桑原先生は、相手の言うことを否定せず、しっかり聞く姿勢が大切と言われました。確かにそのような丁寧な関わりが、窪田さんが先生を信頼されている訳だと思いました。
窪田さんの、“働く”ということに意欲がわかず、その意味を考える・・・というような発言がありましたが、先生はそれに対して、「働きもせんとなに言いよるンよ、と思う人もいるよね。」でもいきなり否定するのではなく、そのままストレートに聞くということが大切だと話されました。
もちろん途中、「あんたねぇ〜」と思えるようなことがあれば、それは聞けばいい。変に遠慮したりはしなくていいとも言われました。
窪田さんはけんかしたって良い、色々ぶつけてきて欲しいと言われました。私たちは、ともすれば自閉症の人を相手に、喧嘩なんか出来ないと思っています。だって障害あるんですから・・・。
否定はしないが、遠慮もしない。しっかり話をすること、それを窪田さんは望まれていました。色んなタイプの人がいます。対応は一つではないけれど、どんな風に接して欲しいのかを本人に聞くことが大切かなと思えたことでした。
理解と差別。その心地いい着地点が、この対談の中だけで見つかった訳ではありませんが、これからも対話を続けていくことで、それぞれの着地点を見つけていくことに繋がっていくのかもしれません。なんだかどこかで聞いた、アメリカとの関税交渉みたいなまとめ方ですが、そんな風に思った講演会となりました。自閉症の人って不思議で、面白いな〜なんて気楽な私は思いました。
6月25日(水)、RSKテレビで特集番組がありました。
「追悼 河島淳子さん〜自閉症児の療育に捧げた人生〜」というものでした。
当日はあいにくと井上雅彦先生の即実践講座と重なったので、録画をして後で見させていただきました。
(RSKテレビ 「メッセージ」より 在りし日の河島淳子先生)
河島先生は、トモニ療育センターと言う独自の療育機関を立ち上げられて、およそ800人の子どもたちがここに通ったそうです。
画家の石村嘉成さんはトモニ療育センターで厳しく療育を受けられたそうです。
実は我が子哲平も中学3年生の一時期ここへ通わせていただきました。
その時、社会生活で最も大切なのは数の概念だと言われました。テレビでもそのことをお話しくださっていました。
数が解ればお金の計算が出来る。お金の計算が出来れば、買い物が出来る。
数字が解れば時計が読める。時計が読めれば予定が立てられる。
そうだった!
初めてトモニ療育センターへ行ったとき、お金を四角の大きさで教えてくださいました。一円の大きさの四角形、10円の大きさの四角形。それを次々と大きくしていって、やがて一万円の大きさまで示してくださったとき、なんと哲平はニヤリと笑ったのでした。
哲平が一万円という価値を初めて知った瞬間でした。
お金の価値の大きさをはっきりと知った哲平は、それまではお年玉にもらった一万円札を私が「預かっとこう」というと素直に手渡ししていたのに、あの日から、「ううん!!」と拒否をし始めたのでした。
お金の価値を知ってからは、“お金を貯めてほしいものを買う”と言う形で、予定を立ててお金を貯めるという暮らしに変わっていきました。
わずか8ヶ月だけのトモニ療育センターでの学びでしたが、その後の哲平の学びや目標の礎になったように思います。
色んなことを短い期間でしたが教えていただきました。
私は思い返すと大切な時期に素晴らしい方とご縁をいただき、その都度素直にその方たちから学んできたように思うのです。
必要な情報は必要なときに与えられたように思います。それをつかむことで、今まで子育てできてきたように思うのです。
私は運が良かった。今でも河島先生は尊敬してやまない方です。
追悼の番組があり、改めて河島淳子先生に感謝の思いを深くした日でもありました。今の哲平があるのは先生の厳しかった指導のお陰でもあります。
ご冥福をお祈りします。
先日、哲平を連れて岡山大学病院のスペシャルニーズ歯科を受診しました。
スケジュールも提示してくださって、解りやすく安心してのんびりと歯科治療が出来ている哲平です。
8月には、“親知らず”の残りを抜く予定です。こんな風に恐れることなく、歯科へ通わせていただけることを感謝しています。
怖い想いをしないことが何より大切と私は思っています。ですから歯を抜いたときの血は見せないと言うことを徹底しています。血イコール痛い怖いに繋がるように思うからです。
血さえ見せないと哲平は怖くないらしいので、単純な子です。
手術すると1万円がもらえるので、手術大好きな哲平です。
頑張って一万円のために、残り2本の“親知らず”も抜く哲平君です。
(写真は、待合室で刺し子をしながら落ち着いて診察を待っている哲平です)
さて、夏至も過ぎて一年で一番日中の時間が長い時期となりました。8時になってもまだ外が明るくて、ついつい夕食の時間まで遅くなりそうです。
この会報が届く頃には、7月が始まっていることでしょう。
一年の半分が過ぎようとしています。なんて時の流れは速いのでしょう。
ついこの間、お正月がきた時、今年はいよいよ昭和100年だな〜なんて話題になっていたように思います。
そう言えば、子どもの頃、明治100年と言っていたのは、何歳ごろだったのかしら?
「明治は遠くなりにけり」なんて大人の人が言ってましたっけ・・・。今は「昭和は遠くなりにけり」ですかね。テレビでは「それって昭和的発想だ」とか、「古さの象徴」のように言われる昭和。
でもね、またレトロブームでもてはやされるように、昭和は素敵な時代でしたよ。
私の子ども時代は今から考えると、親たちは貧しくても、一生懸命働いて、子どもたちを育ててくれました。
子どもたちは、宿題もほっちらかして、野山を駆けまわって暗くなるまで遊びほうけていましたっけ。自由で伸び伸びとした子供時代でした。大きい子から小さい子まで一緒になって遊んでいました。年かさの子が、小さい子を丁寧に導いて、思いやりが自然と身につくようなそんな関係が生まれていたように思います。
今は、子どもたちが外で遊ぶ光景をあまり見ません。子どもはどこへ消えたんでしょうね。
昭和という時代に育って、幸せだったと思う私です。年寄りの戯言でしょうか?
それではまた来月号でお会いいたしましょう。夏バテに気をつけて、お過ごしくださいね。
(鳥羽 美千子)
育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告
令和7年6月14日(土)、令和7年度第2回目のセミナーとして、発達障害当事者で現在は一人暮らしをされている窪田拓夢氏と、その窪田氏を愛媛の頃から支援をされているNPO法人ここハウス副理事長の桑原綾子先生をオンラインにお迎えして「第132回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
窪田氏と桑原先生には、本人と支援者としての立場から、これまで窪田氏が歩んできた波瀾万丈(?)の半生を幼い頃から振り返りながら、周囲との関わり方、感じてきたこと、これからのことなど、ざっくばらんに対談していただきました。質問にも丁寧に答えていただき、参加されたみなさんには飾らない生の声をお届けできたのでは、と思います。
それでは、今回お二人のセミナーに参加したスタッフからの報告や、参加者の方からのアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介させていただきます。
6月14日、「理解と差別 〜その心地いい着地点の見つけ方について語り合う〜」というテーマで講演会が開かれました。
自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害を持つ当事者と、支援者の立場から、日々感じる「理解」と「差別」について、当事者の窪田さんと長年支援に携わってこられた桑原先生が、対話形式で語り合っていただきました。
講演は、前半はこれまでのお二人の関わりや経験、後半は「理解と差別」というテーマを掘り下げる形で進められました。
冒頭で桑原先生は、「今回の講演は、答えを出す場ではありません」と話されました。事前の打ち合わせでも「正解はないよね」とお二人で確認していたそうです。正解を求めるのではなく、お互いが率直に思っていることを話し合い、参加者の皆さんと一緒に考える場にしたい、という趣旨の講演だということでした。
窪田さんは、これまでの経験を「たくむ史」として振り返られました。
幼い頃から周囲の子どもたちと同じように過ごすことが難しく、検査を受けた結果、同時にASD・ADHD・LDの診断を受けられたそうです。
当時お母様は大きなショックを受けられたそうですが、そのとき桑原先生が「三冠王だね!」と明るく声をかけてくれたことで、気持ちが少し軽くなったというエピソードが紹介されました。
診断の受け止め方や、周囲の反応が本人や家族に与える影響は大きいことが改めて感じられます。
小学校では通常学級に通いながら、ランドセルのカバー裏に時間割を貼ったり、五十音表を持ち歩いたりして工夫を重ねてこられました。こうした身近な工夫が、日々の安心につながっていたそうです。
また、小学生の頃、初めて友だちに障害のことを伝えた時も、特に大きな反応はなく、そのままの関係が続いたそうです。
「伝えること自体が、いつも特別なこととは限らない」と実感する経験となり、以降は相手やタイミングを見ながら自然に伝えていくようになったと語られました。
中学は私立の学校に進学し、個性的な生徒が多い中で、ある程度の居心地の良さを感じることもあったのですが、やはり孤独を感じることもあったそうです。高等専門学校では寮生活の厳しさに馴染めず、精神的に追い詰められていかれました。
家庭の事情も重なり、最終的に退学を決断。その後、生活保護の受給などを経て生活を立て直し、現在は「まだ生きる意味はわからないけれど、少なくとも今は死にたいとは思わなくなった」と前向きに語られていました。
今は「語ることができる当事者」として、自分の経験を発信することを通じて、社会に何を届けられるかを模索しながら日々を過ごされているそうです。
後半の対話では、当事者同士の間でも葛藤や嫉妬に似た感情が生まれることがあると窪田さんは率直に語られました。
「支援があまり必要ない人を見ると、羨ましく感じることもある」という窪田さんの言葉に、桑原先生は「どんな人でも誰かを羨むことはあります。その気持ちを否定せず、背景を丁寧に考えていくことが理解につながります」と応じられました。
参加者からも多くの質問が寄せられました。
「相手に理解されていると感じるのはどんなときか?」という問いに、窪田さんは次のように答えました。
「一瞬でわかるものではなく、日々のやりとりの中で少しずつ感じていくものだと思います。むしろ『あなたのことを理解しているよ』と強調されると、逆に違和感を覚えることもあります。たとえば、私が『困ってる』と言った時に、『そっか困ってるんだね。何か手伝おうか? それとも、そっとしておいた方がいいかな?』と聞いてもらえたら、『分かってくれてるな』と感じます。」
また、「もし社会の障害理解が進み、区別のない社会を目指すとしたら、支援制度はどう変わるべきか?」という問いには、桑原先生が「診断名にとらわれず、個々の困りごとに合わせた支援ができる制度が必要です」と述べられました。
窪田さんも「制度そのものがなくなることはないかもしれませんが、メガネのようにごく自然に社会に溶け込む存在になってほしい」と語られました。
最後に「明日から私たちにできることは何か?」という問いが投げかけられました。
窪田さんは「違和感を覚えたとき、それをそのまま飲み込まず、しっかり言葉にして話し合うことが大切です。時には意見がぶつかっても、それが理解につながる」と答えました。
桑原先生は「わからないことは『わからない』と正直に伝えてほしい。相手の話を否定せず、まず耳を傾けることを大切にしてほしい」と呼びかけられました。
当事者と周囲の人たち、それぞれが持つ小さな違和感や疑問に丁寧に向き合うこうした場が続いていくことで、「理解とは何か」を考え続ける機会になっていくのだと感じさせられる講演会だと感じました。
(事務局N)
【以下、参加者の方からの感想です】
○ 今日の「理解と支援」というテーマについて、はじめに言われていた、答えはないけど対話をしてみる、ということが最後まで一貫されていたな、と思いました。
否定せず拒否せずそのままきくという桑原先生の姿勢、喧嘩する気で本気で自分の気持ちを話される窪田さんから生まれる空気感をまだまだ感じていたいと思えるあっという間の3時間でした。 またいろいろなテーマでお話を聞いてみたいと思いました。
ありがとうございました。 (小学校支援級 担任)
○ お二人の関係性の良さや深さを終始感じながらのあっという間の3時間でした。当事者の方のお話を聞く機会が今まであまりなかったので、リアルな思いや生き方に、正直、衝撃を受けました。
私が今まで出会ってきた子どもたちのこと、本当に理解できていたのだろうか。私の勝手な解釈や想像で、理解したつもりになっていたのではないか…。そんな気持ちになりました。
わからないことをわかったことにせず、否定せず、拒否せず、まずはありのままを聞くところから丁寧に取り組んでいきたい。そう強く思いました。
まだまだお二人のお話を聞きたかったです。 (小学校 支援員)
○ 窪田さんの自己紹介の部分で、共感できる言葉がたくさんあって楽しかった。例えば本の紹介をされている中で、“定型のコミュニケーションについてはあまり書かれてない” ってのは私も思っていました!
比較して言ってくれんと何が違うんやって事とどうしらええねんって事がわからんし。カミングアウトの事を勉強した方がええって事も納得。
喧嘩覚悟で話し合っていく事って、勇気がいると思うけど人と関わるって、そういう事だよなぁ、って思いました。質問の全てに答えていく姿も人との関わりの丁寧さを感じました。先生との安定したコラボとっても良かったです。
最高でした。どうもありがとう。 (本人、医療関係者)
○ 自分の意見を穏やかに正直にお話される姿がすごいと思いました。
講演の中で障害のカミングアウトの仕方のお話をされた時に、「盾で相手を殴ることがあってはならない」ということをおっしゃっていた言葉が印象的でした。私も自閉症の診断を受けていますが、日々過ごしていると、仕事の業務や人との関わりの中でしんどいこともあるんですね。しんどい時を過ごしていると、「私障害もってるんだから!」と周りに言いたくなることもあります。でも、始終窪田先生のお話を聞いて、「私はしんどいことの理由を障害のせいにしていたけど、大事なのは相手と話し合って折り合いをつけることなんだな」と思いました。ホント、ケンカしてもいいから、自分の意見を伝えることって大事ですね。 (本人)
令和7年度 現場の先生のための即実践講座
令和7年度の即実践講座は、講師に鳥取大学大学院 教授の井上雅彦先生をオンラインにお迎えしての講座です。
第2回は「自閉症の早期支援と応用行動分析」というテーマでお話しいただきました。
とかく難しいと言われる「応用行動分析」ですが、その歴史から考え方、療育へのメリットなどをわかりやすく説明いただきました。
そして、誤解から攻撃されることも多い応用行動分析ですが、現在自閉症児の療育に有効とされている各種の療法、TEACCHやESDM、PECSなどの底流には応用行動分析の技法が流れており、支援者としては子どもに有効な方法を「幕の内弁当」のように詰め合わせてオーダーメイドで用意して、応用行動分析を調味料として使うのが良いのでは・・・というご指摘は、わかりやすいたとえで、ストンと腑に落ちました。
次回は、最近井上先生が力を入れられている「親支援とペアレントメンター」です。親にとって必要な支援と、その親がメンターとして他の親を支援していくこと、また楽しみなお話ですね。
『 第3回 現場の先生のための即実践講座 』
日 時:令和7年7月23日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「親支援とペアレントメンター」
講 師:井上 雅彦 先生(鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第2回「自閉症の早期支援と応用行動分析」に参加されたみなさんからの感想の一部です。
○ 今回の講義は少し難しい内容でしたが、応用行動分析学を通して、子供の特性に合わせていくアプローチをすることがこれからの指導で必要になってくるのだと考えることができました。
幕ノ内弁当のたとえの中であった、子供にあったおかずを弁当に詰め込むことが大切であるということ。この内容から、子供の特徴を考え、何があっているのかを考え、特性に合わせて子供の行動を考えていくことが大切であることを学ぶことができました。
○ 応用行動分析学がどのようなものか学ぶことができて良かったです。個人と環境の相互作用にアプローチをしていくことについては、例からイメージが持ちやすかったです。難しいことが多く理解が不十分ではありますが、学ぶメリットとして記載されていた“障害の有無や種類に関係なく、診断横断的なアプローチが可能”ということからも、支援者として必要なことだと思うので、しっかりと学んで理解し、支援に活かしていきたいと思いました。
また、年齢ごとに効果的アプローチは違うため、1人1人によってアプローチを変える必要があることは理解していましたが、多くのプログラムにABAの考え方が含まれていることも分かり、もっと知りたいと思いました。
○ 頭が整理できていませんが、ご本人がうまくいかなくて困っている状況を改善していくため、“行動”を環境との相互作用で考える。アセスメントをおこないその人の状況や年齢に応じた幕の内弁当を考える。その中身はABAの原理に基づいたその人に合った技法を組み合わせていく。
なかなかうまくいかない困難を抱えている方たちにとって、先の見えない暗闇に明かりを見つけられるように、この講座を学んでいくことで自分の頭を整理して支援に向き合えるようにしていきたいと思っています。次回以降が楽しみです。まずは復習を進めます。
○ 先生の軽快なお話に引き込まれあっという間の2時間でした。
ABAと聞くだけで難しいと思っていましたが受講前よりも理解が進んだように思います。色々な療法の中にはABAの考え方が必ず入っているということでしたので、自閉症支援に携わる者としてABAの学びを深めていく必要性を改めて感じました。
幕の内弁当の例えはイメージができやすく味付けはABAでというのもなるほどと思いました。
日ごろ早期支援に携わっており、遊びを通してコミュニケーションや社会性へのアプローチを行っています。週に1回1時間の療育で、未熟な支援ではありますが、お子さんの成長を目の当たりにすると早期からの介入がとても効果的だなと感じています。
追跡調査の結果で早期介入の効果が見られたという結果に希望を持つことができました。しっかりと学ぶことで、自分が携わっている自閉症のお子さんたちの支援に生かしていきたいと思います。先生の若かりし頃の介入動画大変興味深いです。次回視聴できることを楽しみしております。本日はありがとうございました。
令和7年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐
令和7年度、赤磐市との共催による「発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年の講座は、全国の菊池道場の道場主として、子ども達のコミュニケーション力を伸ばすことに力を注がれている、教育実践研究家の菊池省三先生の講座です。
第2回は「子どものこころに届く言葉かけのポイント」のテーマで、実際の教室での実践動画を拝見させていただきながらの講座でした。5歳児の授業の風景はまさに圧巻でした。指導者しだ
いで、これほど子ども達が自分の思いを発揮することができるのか・・・逆にいうと、先生が指摘されたように、今の日本の教室、子ども達が不安に感じている6つのプレッシャー、発表しないといけない、正解しないといけない、友達はフォローしてくれるか、友達に笑われないか、先生が褒めて認めてくれるか、先生に怒られないか・・・それを取り除いていくことが大切なのですね。
第3回は「子どもに自信を持たせること」、第4回は「クラスづくりのゴールイメージ」、岡山のすべての学級でも生き生きとした授業が展開できるようになって欲しいですね。
『 第3回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』
日 時:令和7年7月1日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「子どもに自信を持たせること」
『 第4回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』
日 時:令和7年9月2日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「クラスづくりのゴールイメージと、はじめの一歩」
講 師:菊池 省三 先生(教育実践研究科:菊池道場 道場主)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円、赤磐市在住・在勤者 無料(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第2回「子どものこころに届く言葉かけのポイント」を受講された方からの感想の一部です。
○ 授業の中で、個人を 集団を育てる。大変感銘いたしました。拝見した授業内の子どもたちは目がキラキラと輝いていました。年齢、地域に関係なくコミュニケーションを通して皆が参加しているとき、先生も子どもたちも同じ仲間になっている瞬間に見えました。このような集団をつくるにはどうしたら良いのか。どうしたら、先生方に伝えられるのかと考えています。どの教室でも、教室ごとに違いはあるけれど、先生と子供たちがなにかの話題でつながっている瞬間を作り続けていって、皆が幸せになるそんな授業をさせたいと思いました。ありがとうございました。
○ 「子どもの心に届ける言葉かけ」にとどまらず、「めざす社会に向かうための言葉かけ」であることが大切だというメッセージにはっとさせられました。教師としての自分が発する言葉が、子どもたちをどんな未来へ導こうとしているのか。もっと自覚的にならななければならないですし、もっと反省的にならなければならないと感じました。
公共の場である教室において、権力者である教師が使う言葉には意識せずとも「力」が伴うと思います。だからこそ、教師として教室の中に立つ限り、自分自身の言葉にもっと丁寧に、責任をもって向き合い、「めざす社会に向かうための力」として自分自身の言葉を子どもたちの心に届けたいです。
○ 実践動画をご紹介いただきながらご講義いただきとてもイメージがしやすかったです。
教師が子どもたちへどのような力を身につけさせたいかによって、子どもへの接し方、導き方が変わるのだと言うことを改めて感じました。学校という学びの場が、ただ単に学習する場ではなく、人が生きていくために必要な力、他者を思いやったり他者とやりとりを円滑に進めるための力などを身に着けることができる場であること、人間としての可能性が広がる学びができる場であるんだなと感じました。
菊池先生の授業によって子どもたちがどんどん成長していく姿にただただ感動しました。子どもたちに関わる支援者の立場である私自身が、幅広い視点を持ち子どもたちの良さをさらに引き出せるようになりたいなと心から感じました。本日の講座の中で菊池先生がされていた子どもへの声掛けなどの工夫を明日からさっそく試してみたいと思います。
○ 菊池先生の『多様な子供がいるメリットを使ったクラスづくり』が学校教育へもっともっと広まっていってほしいなと思いました。子供の心に届く声掛けは、私たちの日々の仕事の中でも実践していけるなと思いました。
特に「逆転の声掛け」の考え方が印象的で、子どもの個性や行動をプラスの視点で捉え、良い面を見つけて声掛けをする。子どもが一見マイナスの行動をしていたとしても、その行動の中でポジティブな側面を見つけて受け止め褒めることで、自己肯定感を伸ばしていく、成長を促すという点がとても大切だと感じました。
ここから下は 正会員向け行事のご案内 です。
※ 正会員について
資格:自閉症のお子さんのいるご家庭で、原則 岡山県在住の方
(会員向け行事は岡山県内にて開催のため)
会費:入会金3,000円+月会費1,200円×3月末まで (年会費:14,400円)
特典:正会員向け行事参加
【 キッズルーム、サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室、木工教室、
AAO活動(ガイドヘルプ活動)、木工教室、クリスマス会、OHAの会(高機能)、
座談会(クッキング、マッサージ)、18歳の春を目指す会、さをり織り教室、
はやぶさの会(男の子)、クローバーの会(女の子)、わいわいHoliday(青年の会)、
おやじの会(山のぼり、BBQなど)】 等への参加、
セミナー等 正会員料金、毎月会報郵送
※賛助会員について
資格:どなたでも
会費:入会金 不要、年会費 3,000円(入会された月から1年間)
特典:セミナー等 賛助会員料金、毎月会報郵送
正会員・賛助会員・療育・セミナー・連続講座等 申込み
http://sodaterukai.org/policy1.html
水泳教室のお知らせ
日 時:令和7年7月20日(日)15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758) (正会員限定)
水泳教室 一時中止のお知らせ
OSKスポーツクラブの25mプールが 9月1日〜10月31日の間 改装工事に入るため、申し訳ないですが9月と10月の水泳教室は中止とさせていただきます。 7月は予定通り開催いたします。
(年会費を払われている方には、2ヶ月分返金いたします)
8月は元々お休みなので、3ヶ月空きますが、11月より再開いたしますので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
★水泳教室に新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。
★欠席される方は7月17日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当:I & S)
令和7年度 スポーツクラブ 活動報告&お知らせ
6月7日(土)、岡山大学体育館にて、今年度第1回目の「サッカー&ドッジボール スポーツクラブ」を開催しました。
今年度の参加者は12名で、ほとんどが昨年度からの継続メンバーです。
活動は、みんなでのラジオ体操から始まり、ダッシュやリレーをしたあと、サッカーとドッジボールの好きな方に分かれてそれぞれ楽しみます。最後は「追いかけ玉入れ」で盛り上がり、ラジオ体操第2で締めくくりました。
今年度も、子どもたちが体を動かしながら楽しめるプログラムを用意しています。
**新規参加者も大歓迎!** スポーツが得意でなくても大丈夫です。
体を動かしてみたいお子さん、ぜひお気軽にご参加ください♪
今後の開催日程や詳細については、以下のとおりです。
開催日:7/5、10/11、11/29、1/24
時間:10:00〜12:00
場所:岡山大学 体育館
参加費:年1,500円(保険代含む)※途中参加OK(割引あり) (正会員限定)
(最後はみんなで、追いかけ玉入れを楽しんでいます)
座談会 報告と次回予告
先日、育てる会の事務局のすぐ隣に、待望のマクドナルドがオープン!
そんな話題もあり、6月の座談会は「マック座談会」として6月20日(金)に開催しました。
当日は5名の参加があり、マックをテイクアウトして大広間でゆったりとトークタイム。
久しぶりの座談会ということもあり、日々の出来事や思いを共有しながら、和やかな時間を過ごすことができました。
お母さん同士がホッとひと息つける場所として、今後も座談会を続けていけたらと思っています。
次回は **「マッサージ座談会」** を予定しています。リラックスできるひとときを、どうぞお楽しみに!
初めての方もお気軽にご参加ください!
マッサージ座談会 参加者募集
ケーキとお茶をいただきながら、リラックスタイム。おしゃべりも弾みます。
ご希望の方にマッサージを行うスタイルです。
日 時:7月15日(月) 10:00〜12:30
マッサージ:自宅サロンMOFを運営されているMさん
参加費 :300円(+500円でマッサージ)
赤磐市上市355-1 育てる会事務局 1F 大広間
※途中参加・退出OKです。
申込は、育てる会正会員LINEにて「●●座談会 参加希望」と送ってください
お待ちしていますー☆ (正会員限定)
キッズルーム 報告とお知らせ
6月21日(土)、岡山大学体育館にてキッズルームを開催しました。
暑い中、11名のお子さんとその保護者の方々、そして26名もの岡大ボランティアの皆さんが参加してくださいました。
リピーターのお子さんたちは、久しぶりに会うボランティアさんとの再会を喜び、楽しそうに活動する姿が印象的でした。
帰り際には離れがたく、ボランティアさんから離れられなくなるお子さんも見られました。
また、顔見知りになった保護者さん同士が雑談を楽しまれている様子もありました。
お子さんが場所に慣れ、お母さんとでなくても活動を楽しめるようになり、顔見知りになった保護者同士で何気ない会話を楽しむ時間を持つことができることで、この活動の意図を改めて感じる運営側でございます。
今回は、初めて司会を務めた2年生の学生ボランティアも参加し、緊張しながらも立派に進行役を担ってくれました。
学生たちが代々先輩から引継ぎ、回を重ねるごとに成長し、子どもとの関わり方が上達していく様子も頼もしく感じます。
(サヨナラ前の恒例のお菓子投げ、大きい子・小さい子に分かれてみんな楽しんでいます)
次回のキッズルームの開催は、 **10月11日(土)** を予定しています。 (正会員限定)
初めての方も見学からお気軽にご参加ください。ここでしか味わえない体験がたくさんあります!
(事務局 K)
はやぶさの会 の お知らせ
「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
皆で集まって、ボウリングに行ったり、ご飯を食べに行ったり、ラウンドワンなどでにぎやかに遊んだりと楽しんでいます。
友達関係のことに始まり、部活や高校受験などについても色々子ども同士で情報交換したりもしています。
年齢層も高くなってきて、なかなか全員が集まる時間が取れなくなってきていますが、子どもたちにとっては「はやぶさ仲間」に会える時間は大切なようです。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟で参加したい場合、兄弟共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)
クローバーの会 の お知らせ
「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの友達作りの会です。
オシャレの話をしたり、カラオケに行ったり、水遊びに出かけたりと、こじんまりと楽しんでいます。
今後は女子ならではのお悩み(恋愛トークとかね)などもできるような仲間になっていけたら良いなと思っています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある女の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したい場合、姉妹共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)
OHAの会 の 報告とお知らせ
OHAの会は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんを育てる保護者のための会です。
6月28日(土)に、今年度第1回のOHAの会が開かれました。
今年度の講師は、川崎医療福祉大学の小田桐先生です。
最初の1時間は吉田友子先生の「「その子らしさ」を生かす子育て(改訂版)」を輪読したあと、小田桐先生に補足の話をいただきました。
後半は、参加者のご家庭や学校での近況や困っていることなどを話して、小田桐先生からのアドバイスをいただきながら過ごしていきました。
全員が正会員なので、みなさん安心して相談でき、共感しあって良い時間となりました。
現在参加者は11名ですが、途中からの参加もできますので、一緒に語り合い方はどうぞ申し込んでください。
『 第2回 OHAの会 』
日 時:令和7年8月2日(土) 10:00〜12:00
場 所:オンライン開催(Zoom)
講 師:小田桐 早苗 先生(川崎医療福祉大学医療福祉学科講師)
参加費:5000円(全5回分) (正会員限定)
申込み:LINEかE-mail acz60070@syd.odn.ne.jp
お母さんコラム
中3でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小3でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
先日、家族で大阪のUSJに行きました。
大阪万博の影響で、USJが少しだけですが空いているとの情報を夫が聞きつけ、「皆でいってみようよ」「夏本番になったら皆それぞれ忙しいから、今でしょ」と誘ってくれました。
仕事やら部活やら踊りの練習やらの調整をしてなんとか一日フリーな日を作り、家族4人でレッツゴー!でした。
慣れない街中。慣れないテーマパーク。慣れない人込み。慣れない動き方。
「ブチ切れる未来しか見えない」と悲観する私と、見通しが必要なASDの子どもたちのために、夫が「簡単に、だけどね」と一日の予定を作ってくれました。
そして「絶対にここにだけは行こう、というものはないんだよ」「行けたらいいね」「今回できなかったことは、次へのお楽しみにってことで気楽に行こう」と声をかけてくれました。
おかげで「どれに乗るかな」「ここでお昼かな」「ここは少し待てば回れるけど、その時の体調次第かな」など、家族4人で相談しながらワクワク当日を待ちました。
夫にお礼を言うと「USJの年間パス持っている友達から色々聞いたからその受け売りだよ」と答えていました。それにしたって、下調べって大事ですね。
皆で元気いっぱい楽しむことができたのは、夫の下準備と心配りのおかげ。
暑すぎもせず寒すぎもせず 天候も味方してくれて、とても楽しい一日を過ごすことができました。
一方、息子は「お土産」について悩んでいました。
小学校からの付き合いである支援クラス仲間&部活の後輩の子にお土産を渡すのだけど、何がいいだろうかと悩んでいます。
母 「部活の皆に渡す時に、その子にも渡せばいいんじゃないの?」
息子「前に、AくんがUSJに行った時、俺にだけお土産買ってきてくれたんだよ」
母 「そりゃ買ってあげる方がいいね。何もらったん?」
息子「こんなやつ(マグカップ!大体3500円ぐらい)」
母 「ほぉ」
息子「これでいいか(600円ぐらいのお菓子)」
母 「まてーい!!」
ぴったり等価交換とはいかなくても、何となくほどほどに同じぐらいの金額のものにすることなどを教え直しました。
息子「こうやってお返しを色々考えないといけないから、あんまり人からお土産もらいたくないんよなー」とのことです。
独特!!!(笑)
ちなみに娘は、息子と同じクラブチームに入っているから「合同で渡せばいいじゃん」と言うと「お兄ちゃんが行く平日には、私は行かないから、『私から』って形でも渡したいの!!」と言い、なぜか2セット買わされた母でした。謎・・・
(cyacya)
ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)
ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は「スケジュールやTODOリストって難しい」という話。
私は仕事をするにあたって、忙しく走り回っています。体もですが脳内も常にフル稼働で「エンジンが、3つぐらい乗っているみたいだね」と言われたり「マグロ」や「コマネズミ」に例えられたりすることもあります。
それぐらい常に動き回っている分、スケジュールやTODOリストなどでの予定の把握は必須になるのですが、それが苦手なのも私の特徴。
即書いておかないと忘れてしまうので、新しく予定が入った時には、職場のカレンダー・その日のスケジュールボード・自分のスケジュール帳・付箋でのその日のタスク管理への記載・スマホでのカレンダー入力など、細々記録しておくことをルーティンにしています。
時々「どれか一つでいいじゃん」と言われることもあるのですが、どれか一つにしていると、それ以外を見た時に「予定がない日だな」と思い、次の他の予定を入れてしまうことがあること・うかつにうっかり忘れてしまうことがあっても、全てに書いてあれば、自分が気付きやすいし他の人も「あれ?今日〇〇だったんじゃなかったっけ?」と声をかけてもらえるからです。
タスク管理をするって、本当に難しい。
・優先順位を考えて常に再調整し続ける
・一つ一つのタスクにどれぐらい時間や準備がかかるのかを予測しておいた上で予定を組み込む
・動線や距離などを考えながら無駄のない動きにする
・どの店で何をいつ買うのか在庫などもチェックしておく必要があること(何ならポイントデイの把握も)
・忘れた時やうまくいかない時のリカバリー方法も考えておく
などなど・・・。実行機能がすごく必要になります。私にとってはすごく難しい!!
リストアップしながら調整していき、何とか何とか日々こなしている毎日です(子どもの予定が入る分、本当にイレギュラーな対応も増えています)。その分、複数のややこしい予定を全てうまくこなせた日は、花丸の気持ちになります。
こうして成功体験をして自己肯定感を気軽に上げていくってのも、ASの人にとっては生活上の知恵なのかも!?ですね(笑)
(ちゃーちゃん)
ぐんぐん だより |
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」です。
ぐんぐんぴっぴ(児童発達支援)
梅雨に入り、蒸し暑くすっきりしない日が続いていますね。
そんな日々ですが、来所時に振る雨さえも楽しんでいる子どもたちの姿に、思わず笑顔になります。子どもたちの前向きな姿勢を見習って、私たちも明るい気持ちでこの時期を過ごしていきたいと思っています。
今回はぐんぐんぴっぴのグループ活動についてご報告します。グループ活動といっても保育園・幼稚園のような大きな集団というわけではなく、お子さん2人(多くても3人)の活動です。
グループ活動に参加する子どもたちは、いきなり他児と活動を始めるわけではありません。支援者や保護者といった大人との1対1の関係の中で、人とやりとりする力を丁寧に積み上げてきたお子さんの次のステップとして、他児との関わりを学ぶための活動となります。
お子さんたちはぐんぐんぴっぴや園でも、少しずつ他児への興味を持ち始めており、他児と関わりたい気持ちが芽生え始めています。しかし、大人と関わる時のように上手くいかないことも・・・。
社会性の弱さはASDの特性なので、ただ他児との関わりの経験を重ねていくだけで、うまくいくわけではありません。
社会性を育てるには時間がかかりますし、どんな時にも忘れてはいけないのがお子さんにとっての“成功体験”です。
ですのでグループ活動の大前提として、お子さん一人ひとりが活動を通じて“あの子と活動して楽しかったな” “またあの子と一緒に活動したいな”といった気持ちを持ってることが大切だと思います。その気持ちこそが社会性の土台であり、その土台があるからこそ他者(他児)への関心や関わり方などを育むことができると考えます。
Aくんは同室児に興味があるものの、お母さんと離れて活動することがとても不安な様子でした。
今までに経験したことがある活動であっても緊張し、するべきことがはっきり示されていてもそれがプレッシャーに感じてしまうようでした。
同室児との活動がAくんにとって嫌な経験にならないようにお母さんと相談し、まずは、“お母さんと一緒に同室児の活動を見る”、
“できそうなところだけお母さんと一緒に活動する”ところから始めました。
しばらくは表情が硬かったAくんでしたが、回数を重ねていくと同室児と支援者が楽しそうに活動する様子を見たり、お母さんが楽しそうな声かけをすると笑い合ったりする姿が見られるようになりました。
次のステップとして、それぞれの居場所を明確に示し、安心しやすい状況を作ったうえで並行遊びを行い、活動に慣れたころにお母さんにエリアから離れてもらい、ひとりでも活動できた、○○して楽しかったという経験を積めるようにしました。また、簡単な順番交替のある活動に取り組み、相手に意識が向きやすくなるよう支援者が仲介するようにしました。
はじめは、活動することにいっぱいいっぱいだったAくんでしたが、お友達と○○できた、○○して楽しかったという経験を積むことで、少しずつ周りを見る余裕が生まれてきました。支援者の仲介で作ったものを見たり見せたりすることや、同室児の様子を笑顔で見ることができるようになりました。
Bくんは日によって参加の様子に一見ムラがあるように見えるお子さんでした。
お母さんに観察していただき、支援者も含めて思っていたメンバーと違うと混乱してしまうようだ、自分の順番でないときにどうするか具体的に伝えられてないと不安そうだなど参加しづらかった原因を一緒に確認していきました。
確認したことに基づいて、活動するメンバーをはじめに顔写真で伝える、順番交替での活動中に自分の番でない時は座って見ておくことをイラストで伝えるなど、Bくんに必要
な情報を事前に具体的に視覚的に伝えることで、落ち着いて活動に参加できることが増えました。そんな時は生き生きと話したり、相手の質問に答えたり、面白いことがあると同室児と顔を見合わせて笑ったりすることが増えていきました。
お子さんのタイプはそれぞれですが、共通して言えるのは、安心して活動できる状況があったからこそ、楽しんで活動し、お友達へ意識を向けやすくなったということです。
安心できる環境の中だと子どもたちは本来持っている力を発揮しやすくなることは、集団活動に限らず様々な場面で言えることだと思います。
ASDの子どもたちは、視覚的・具体的な情報を得ることや経験で学ぶことなどが得意です。社会性を育む場面でもお子さんの得意を生かして安心できる環境を作り、「分かる」「できる」「楽しい」などの成功体験をたくさん積んでいってほしいと考えています。
それと同時にそれぞれのお子さんがどんな環境・支援があれば安心して活動できるかを保護者と確認し、家庭や園での生活につなげていくお手伝いができたらいいなあと思っています。今後もお子さんたちの成功体験に繋がる支援が提供できるように、ぴっぴスタッフ皆で学びを深めていきたいと思います。
(ぐんぐんぴっぴスタッフ:K)
寄付のお礼とお願い
みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。
【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R7.5.26〜R7.6.25)
○ O.K 様(瀬戸内市)
○ M.T 様(赤磐市)
育てる会では、現在「ほっぷ」、「すてっぷ」に続く「じゃんぷ」のグループホームの建設を構想中です。
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。