Japanese version only

令和 7年 7月 31日

 

 第327号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 327号 目次

     グループホーム見学、ありがとうございます

     自閉症啓発セミナー
         「本田秀夫先生講演会」 の 報告

     即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

     サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室 の報告とお知らせ

     マッサージ座談会、おやつ作り座談会、OHAの会 の報告とお知らせ

     はやぶさの会、クローバーの会 、青年部 わいわいHoliday の お知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「自閉症スペクトラム クラスメートに話すとき

      ぐんぐんだより
         「赤磐ぐんぐん」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

    

うだるような暑さとは、今のような暑さを言うのでしょうか?
毎日よくもこんなに暑いものだと、汗をふきふき暮しておます。
こんなに暑いのに、岡山県地方は、熱中症警戒アラートの発令がないという、不思議な状況です。近県の兵庫県で23回、広島県に26回というように、同じような緯度にある隣の県から鳥取・島根・香川と中四国地方に全県真っ赤な熱中症警戒アラートの発令に染まった天気予報の地図の中で、岡山県だけがなぜだか熱中症アラートの発令を免れているのです。
四国も九州も近畿地方も全部熱中症に気をつけましょうと言われている中、気象庁は、岡山だけ手を抜いているのではないかしらと思えるくらい、警報が出ません。
聞けば岡山県は中国山地のお陰で、・・・・・四国山脈のお陰で南からの温かく湿った空気が入りにくく、湿度が高くないため、熱中症アラートの基準に達しないそうです。そういうわけですが、暑さは近県と少しも変わりません。
そんなことを会報を書いていた今日、岡山県地方にも初めて熱中症アラートの発令がありました。
全国で大阪と並んで最後の発令だとか・・・。地震や台風も少ない上に、熱中症まで少ない岡山県。
やっぱり暮しやすさは日本一と言うことが証明されたように感じる気楽な岡山県人の私です。
でも本当は、湿度はちょっと低いかも知れませんが、暑いんですよ、とっても。
日中は外へ出られません。部屋の中でクーラーをつけて、過ごしている毎日です。電気代の請求が怖いですけれど、命には代えられないというところです。
皆さんご無事でお過ごしでしょうか?

こんなに暑い毎日でも、息子は日課のジョギングを休まずに、黙々と走っています。
自閉スペクトラム症の人たちの良さというか、まじめさには本当に圧倒されてしまいます。
特に知的障害の重度の人たちは、やるべきことを怠けたり、いい加減にしたりはいたしません。今の若いもんに「見習えよ!」と言いたくなる律儀さです。
こういう彼らを世の中の企業の方たちに、「ぜひ雇ってください!」と声を大にして言いたいですね。
お仕事を覚えるまでは、確かにちょっと時間と労力がかかりますが、一度教えたことはきっちりやろうといたします。
素晴らしい能力だと思うのです。
我が息子は、就労して19年。コツコツまじめに働き続けて、あと半年で勤続満20年を迎えます。
自閉スペクトラム症で重度知的障害を伴うような息子をよくぞ雇ってくださったものよ、と会社には感謝の想いでいっぱいです。彼の仕事はベアリングを出荷するときの部品を入れるトレーの袋掛けや段ボールの組み立て作業などです。
トランプ関税のあおりで自動車産業が不況にならないかと心配でならない親をよそに、全く幸せそうに毎日仕事場へ向かう哲平です。
「ほんまに気楽なやっちゃ」でございます。
コミュニケーションにも社会性にも問題山積の息子を丁寧に指導してくださる支援員のTさんの支えがあるお陰で、今のお仕事が続けられていると思うのです。
また、そんな支援員さんをつけてくださり、彼らを雇い続けてくださる会社に恵まれて、幸せなことです。
哲平が働く会社は、NTN株式会社と言う自動車部品の会社です。
初めて彼が入社させていただいたときの上司に当たる所長さんや部長さんは、すでに退職されて、何人もの上司が替わられましたが、どなたも暖かく息子を見守ってくださいました。
支援員さんは変わりなく同じTさんです。
このTさんが、とても丁寧に一人一人に合う支援を考えてくださいます。よく人事異動で指導員の方が代わり、それをきっかけに就労継続ができなくなってしまったという障害者の方の話を聞くことがありますが、継続して視覚的な支援が行われていくありがたさ・・・。こんな会社は他にはないと思えるほどです。とにかく重度知的障害で自閉症がある息子を雇い続けて19年と半年・・・。辛抱強く教え導いてくださる会社に感謝しています。この会報は、所長さんも見てくださっているそうなので、折に触れ感謝の想いを伝えたいと思い、ここに書き残しますね。
皆さん、もし興味や関心がおありなら、見学の希望をお伝えください。喜んでご案内いたしますよ。本当に障害に理解のある良い会社です。もっと評価して欲しいと思う私です。

さて、7月に入ってからグループホームの見学にいらしてくださった方が何人もおられます。
はじめに東大阪のピュアから保護者の方と、ピュア代表のHさん、そして私どものグループホームで支援の相談もさせていただいているS先生が、来られました。
その後日には、岡山の保護者の方と、川崎医療福祉大学院生の方が見えました。
次に、東大阪のピュアから、今度はスタッフさんを伴って再びHさんが来られました。
大勢の方に見てもらいながら、わたしたちのグループホームの目指すことをお話しさせていただきました。来られた皆さんから、とても高く評価をいただいて、ありがたいやら、お恐れ多いやらで、みんな恐縮しております。
    
  (ピュアの保護者の方たちと事務所前で)      (ピュアのスタッフの方たちとGHの階段で)
丁寧な日々のアセスメントから、支援を考えて行く、そしてそれを試しながら、何度も何度もぴったりの支援を考えて行くと言う基本的な考え方で、長い間取り組み続けてきた私たちです。
出来なかったことが、少しずつ出来るようになっていき、支援者の手を離れて自立するところまで、支援は続きます。それを当たり前のようにやっていく・・・、そんな当たり前と思っていたことが、ここまで認められると言うことが、驚きでした。
子育てと同じなんですよね。出来ないと思っていたことでも、やりようで出来るようになって行く。諦めず投げ出さず、こつこつと取り組めるのは、支援員の方がお仕事としてやるからかもしれません。
これが我が子のことだったら、「何でできんのやろ〜、腹立つな〜!」となってしまうのではないでしょうか?
支援員は、冷静です。うまくいかないなら次の手を考える。それがアセスメントからの次の一手を考える
ことです。必ずやりようは有る・・・。それがこれまでの経験の中から、支援者として学んできたことです。
でも、うまくいかないことはやっぱり多くて、どうやって行けばいいか行き詰まることもあります。
そんなときは、保護者の方に聞いたり、S先生に相談したり、職員のM先生に聞いたりしながら、ぴったりを探し続けているスタッフたちです。
私たちは、親亡き後を考えて自立度を上げていこうと思っているのです。
福祉の制度は今まででもドンドン変わって行きました。そしてこの後、少子化で税金を納める人の数は減っていくでしょう。支援の単価アップもあまり多くは見込めないかもしれません。
そうすると、今のような丁寧な支援は続けられないかもしれません。今のうちに少しでも彼らの自立度を高くしていくことで、その福祉の変化に対応していかねばと考えている育てる会のグループホームです。今のところ、頑張りの成果がある程度あると言うことで、見学してくださった方からの評価が高いのでしょうか? 頑張りが認められる喜びを感じた3日間でした。
色んな方からの感想を届けていただいたので、いくつか紹介させていただきますね。

○ 昨日はご多忙の中、長時間にわたりご対応いただき、誠にありがとうございました。
お昼ごはんのご予約から、グループホーム立ち上げにまつわるお話、施設内のご案内まで、大変お世話になりました。
鳥羽様のお話を伺い、改めて子どもとの向き合い方を深く考える機会をいただきました。
自立に向けて「やっているつもり」になっていた自分に気づかされ、親としてまだまだ学ぶこと・できることがあると痛感いたしました。また、先輩方がいきいきと活躍されている姿を拝見し、大きな励みと力をいただきました。
このたびの貴重な機会に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
○ 昨日は貴重なお時間を私共の為にご提供頂き、本当にありがとうございました。
『素敵なグループホーム』が岡山にあるから、と、連れて行って頂きました。息子の終の住処を模索している日々、何箇所かグループホームも見学しましたが、お察しの通り、『ステキ?(素敵)』と思える所はありませんでした。
でも、昨日は『目』にも『耳』にも『肌』にも『鼻』にも、そして、一番あの子達の『心』に優しい空間を提供されていている理想のグループホームを見せて頂き、『すてき?(素敵)』と、心底、感動しました。
それは『建物』だけでも成り立たない空間、支援だけでも成り立たない空間でした。
人生の一瞬一瞬に強い緊張感を持って生きている息子の様な方々がゆったりとびのびと過ごされていること、得意なことを『生活の時間』の中で楽しまれていること、自分らしくお部屋をキープされていること、どれもこれも、余裕のある優しい空間と的確な支援、適度な『緊張と緩和』の提供があってのことだと。それは 『自閉症をもつ子どもの親』だから作り上げることができる空間だ、と、昨夜は感動が興奮になりなかなか寝付けませんでした。本当にありがとうございました。鳥羽さんのそばにおられる『神様』が私達の存在に気づき振り向いてくださるよう、前向きに、全力で、そして、鳥羽さんのように全身笑顔で頑張ります!
『目指す姿』が岡山にあること、心強く、どうぞ、これからも末永くご縁いただけますよう、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
○ 鳥羽さま、そしてスタッフの皆さま、昨日は貴重なお時間をありがとうございました。鳥羽さんのお話しがとてもわかりやすくて、楽しみながら勉強させていただきました。(時々脱線するお話しも・・・)
色々な支援のアイデアや工夫を見せていただき、思わず息子が小さい頃、必死で視覚支援グッズを作っていた時の、あの頃の気持ちを思い出しました。忘れかけていた初心にかえり、また色々とやってみようかという意欲が湧いてきました。
そして…ピュアのこのメンバーさん達がいたから頑張ってこれたんだ、と鳥羽さんのお話しを聞きあらためて実感しました。
今回の貴重なご縁を生かし、東大阪にも素敵なグループホームが建てられるよう、頑張って皆で協力していけたらと思います。本当にどうもありがとうございました。まだまだ暑い日が続きますが、お身体くれぐれもご自愛ください。
○ 昨日はありがとうございました。「東大阪にグループホームを!」という強い思いから、同じ気持ちを持つ保護者で今回の見学に参加させていただきました。
「ほっぷ」でのアセスメントを通じて、一人ひとりに合わせた身辺自立やライフスキルのための手順書やジグを作成し、できるようになるまで丁寧に、根気強く教えていくというお話を伺い、「工夫次第でできるようになるんだ!」という希望を強く感じました。
「ほっぷ」を経て「すてっぷ」へと進み、「自分のことは自分で」が徹底されていることや、余暇の過ごし方も工夫され、皆さんがいきいきと生活されている様子を実際に見させていただき、私たちの子どもにも同じように自分らしく、いきいきと、そしてハッピーな人生を送ってほしいと心から願いました。そのためにも、できることを奪わず、丁寧に、根気強く教えながら自立へとつなげていきたいと、改めて感じました。
「じゃんぷ」が完成しました際には、ぜひまた見学させていただきたいですその際は、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ここでお話は大きく変わって・・・我が家では子猫を飼い始めました。
前にいた猫さんは、15歳で亡くなってしまいました。この亡くなった子は賢くて、今まで飼った猫の中では一番頭のいい子でした。よく犬に「ハウス」と言うと、犬は犬小屋に入っていきますが、この猫は、「ホーム」というと、2階のリビングから、自分で階段を降り1階の夫の部屋へ入っていくのでした。お陰で私はゆっくり休めると言う訳でした。
今度の猫さんは、元は捨て猫だったらしいのですが、母猫と一緒に保護されて、兄弟と一緒に新聞にもらい手を探す広告を出しておられました。友人がこれを見て、私に教えてくれました。
我が家にやってきたこの子は、やんちゃで落ち着きがなくて、今まで猫をたくさん飼ってきた私にとっても、びっくりするくらい激しくにぎやかに家中を走り回ります。全くじっとしていることがありません。
猫のADHDってあるのでしょうか? 分かりませんが、そんな感じです。
ひとつ面白いところがあって、彼のお気に入りのおもちゃを投げてやると、取りに行って、私のところへくわえて持ってきます。
そうすると、また投げてやります。何度も何度も飽きることなく持ってきます。犬がボールなんかを取りに行くのはよくありますが、猫が持ってくるのは、これまで見たことないです。とても面白い子です。
名前は「銀次郎」と言います。ギンちゃん、ジロちゃんと呼ぶと振り向きます。
名前を呼びながら叱ってはいけないと子育てで習っているので、腕白で悪いことばっかりしている銀次郎さんにも、叱るときは名前を呼ばないで「コラッ!!」、褒めたり呼んだりするときだけ「ジロちゃん」と名前を呼ぶようにしております。
自閉症の支援を学ぶ私たちは,猫の飼い方も上手になるのです(笑)。
(鳥羽 美千子)

育てる会 自閉症啓発セミナー の 報告

令和7年7月2日(水)、令和7年度第3回目のセミナーとして、信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授の本田秀夫先生をオンラインにお迎えして「第133回 育てる会 自閉症啓発セミナー」を開催いたしました。
今回は「ASD診断はなぜ増えたのか 〜日本の現状と今後の課題〜」のテーマで、講義のタイトルは『「ASD診断大国ニッポン」における支援 〜何が達成され、何が課題なのか?』としてお話しいただきました。
今回は、初めての試みとして、平日の夜間にセミナーを企画いたしましたが、Zoomでの開催ということで全国各地から仕事終わりの支援者や保護者の方に参加いただきました。
本田先生には今年度3回の連続講座をお願いしていますので、次回からも同じ時間(19:00〜21:00)で開催の予定です。ご期待ください。(第4回は11月5日(水)、第5回は来年3月4日(水)の予定です)
それでは、今回のセミナーに参加したスタッフからの報告や、参加者の方からのアンケートが届いていますので、その一部ですが紹介させていただきます。

第133回自閉症啓発セミナーでは「ASD診断はなぜ増えたのか〜日本の現状と今後の課題〜」というテーマで本田秀夫先生からお話を伺いました。
当日の参加者は、医師、教師、支援者、行政の方、保護者など色々な立場の方がおり、私自身は幼児期の支援者として自分自身が関わるASDの子どもたちが将来豊かに暮らすために、支援者として大切にすべき視点や行動について学びたいという気持ちで参加させていただきました。
まず初めにレジメのタイトルの「ASD診断大国ニッポン」について触れられました。現在の日本では5歳までの子どもの3%、9歳までの子どもの5%がASDと診断されており、世界的に見ても日本はASDの有病率が高いとのことでした。その数字は1967年の初めて自閉症の疫学調査と比較すると約100倍にあたるそうです。
近年、日本だけでなく他の国でもASDの有病率が増えており、一見ASDの人が増えたように見えるがそうではなく、その背景には「自閉症という概念の拡大」が関係していると教えていただきました。
現在では多くの人に認知されている「受動型」「積極奇異型」「アスペルガー症候群」「スペクトラム」といった概念が世の中に浸透していったこと、知的障害のないASDの人の割合の方が多くなったことなど現在に至るASDの歴史について分かりやすく説明いただきました。また自閉症の概念の拡大にはローナ・ウィング先生の功績がとても大きいことにも触れられ、早期からの支援、義務教育までの支援、成人期の良好な社会参加、成人のASDの啓発など社会的に前進した点を挙げられました。
1歳半健診や3歳半健診により早期発見が可能になったことや母子保健法によって手厚い支援が保証されるなど制度が整ってきている一方で支援体制の質に地域差が出ている現状についてもお話しくださいました。
本田先生らが開発された地域診断ツール「Qサックス」を自治体が活用することで様々な自治体でさらなる支援体制の充実が期待できるのではと思いました。
本田先生らが行った早期療育、学齢期の特別支援、成人期の医療支援を受けてきた人たちが現在どのような生活を行っているかの追跡調査はとても興味深いものでした。
半数以上の方が何らかの形で就労したり学生として社会に属している中、4%の人が「引きこもり」状態にあり、そのうちの多くが幼児期にIQ85以上で義務教育中に特別支援を全く受けていないといった共通点があるという結果でした。
また他の調査においてもIQが高いから生活の質が高いとは限らないとことが明らかになり、知的障害のないASDの人に対して「勉強さえできていれば大丈夫」といった考えはASDの人を孤立させる可能性が高いこと、ASDの人が将来的にQOLが高く豊かな生活を送るには、生活スキルと余暇を丁寧に育てていくことが大切であること、早期からの支援によってストレスやトラウマを回避することで精神科いらずの生活を送ることが支援の到達目標であると教えていただきました。
早期からの支援が可能になった今、何に重きをおいて療育を行うべきか、改めて療育の意味について考える機会となりました。
次に、現在の日本の発達障害支援の課題についてお話され、支援体制整備の地域差、知的障害のないASD向けの特別支援教育が不十分である点、インクルーシブ教育の理念が根付いていない点、義務教育終了〜成人期までの法制度が不十分である点、ASDの診療ができる医療機関が少ない点、誤解や差別が払拭しきれない点などを挙げられました。
通常学級の中に支援が必要と思われる生徒の半数が特別支援教育を受けられていない現実や支援学級に在籍しても本人に合わない支援によって不登校になってしまうケースなど特別支援教育の体制そのものを見直す必要性について言及されました。
続けて、教育現場での「インクルーシブ教育」の理解のはき違えが起きていることについても触れられ、身体障害の子どもへは努力で克服できないことを求められることがないのに対し、ASDや発達障害の子どもたちには我慢や努力を強いられることが多くある現状や他の子どもたちに示しがつかないからといった理由で合理的配慮を断ったり先延ばしにするような事態はあってはならない、通常学級で過ごすことを目標とする価値観こそが子どもたちに我慢を強いる教育になる危険性があると語気を強められました。先生の厳しい言葉の背景には、適切な支援を受けられず我慢を強いられた結果、たくさん傷つき、心のバランスを崩すASDの子どもたちをこれ以上増やしてはいけないというメッセージが込められていると感じました。
インクルーシブ教育の実現には、ASDを能力の問題ではなく興味の問題として捉えることや社会モデルの考えを浸透させることが大切であると教えていただきました。
また、ASDの人がその人らしく過ごせる居場所(ネスティング )を早期から設ける必要があり、大きな社会の中に小さな安心できるコミュニティがあることが、自分の得意を活かし、自己肯定感を持って生活できることに繋がるとお話しされました。ASDの捉え方を今一度見直し、社会モデルやネスティング の視点を踏まえて支援にあたっていきたいと思いました。
最後に本田先生は「十羽ひとからげではなく、子ども一人ひとりが十人十色で、一人ひとりに合う育て方があるという発想を皆が持ち、学校にもその発想を浸透させ、個別多様な学びや環境調整が当たり前な文化が根付くことを願っています」といった言葉で締めくくられました。
日々の療育の中で、みんなと同じことができなかったり、先生の指示に従えないなどできないことに傷ついたり悩んだりするASDのお子さんやご家族に出会います。支援体制や制度は整ってきたにもかかわらず、まだまだ理解不足や誤解されることも多く、多数派に合わせるための涙ぐましい努力をたくさんしていると思うと胸が痛みます。
本田先生のお話を聞き、ASDの人が生涯を通じて豊かに暮らすためには早期から適切で継続的な支援が不可欠であり、その根底には一人ひとりの色を大切に活かす視点を持つことが大切だということを学びました。
本日の講演会に参加した様々な立場の一人ひとりが、本日の学びを意識し、日々のASDの子どもたちやASDの人との関わりに活かすことができたとしたら、少しずつかもしれませんが、ASDの人たちが安心して自分の色を大事にしながら自信を持って過ごせる環境が整うのではないかと思います。
私自身も支援者としてそのような文化が浸透するお手伝いができたらと心から思います。
本田先生、素敵なお話をありがとうございました。2回目、3回目の講演も楽しみにしております。
(ぐんぐんぴっぴ スタッフ:M)

【以下、参加者の方からの感想の一部です】
○ いろいろなデータから、過去から現在までの状況や今の子どもたちの状況などを考えながらとても興味深く聞かせていただきました。もっと、個人個人が尊重され、適切な環境のなかで育つことができるように、関係機関と一緒に考えていきたいと思いました。
○ 自閉症に関する診断、法律や学校の仕組み、統計分析と多岐にわたる項目を分かりやすく説明していただき、あっという間の二時間でした。
ネスティングという概念もとても興味深かったです。趣味でライブハウスでアマチュアバンドの演奏を聞いたりバンドメンバーのやり取りを見ているなかで「出演バンド」の中の「個性派バンド」には自然発生的な?ネストも含まれているように思います。偶然に、幸運に任せるのではなくお互い似たような個性が集まれること、それが発揮できる手段が保障される場を意図的に作っていくことが人生を楽しめることへの保障に繋がるのではと思いました。
○ とても面白く拝見させていただきました。困ってから医療機関に受診することなど、療育をしていても思うところと同じで、スムーズに子どもが育っているとき、困り感がないときは保護者の方も次の目標や気にかけてほしいところ、子どもにあまり求め過ぎない方がと思うことはあります。保護者の価値観で子どもを頑張らせていることなど先生の話を聞いて納得しました。
IQが高いから勉強ができるからと言うことで将来、社会に適応できるわけではないことも改めて教えてもらいありがたかったです。とても参考になりました。
○ 社会参加のグラそったくフや表は、とても参考になりました。子どもたちの早期療育・支援が、大人になった時に大きく影響することが分かりました。支援の重要性をヒシヒシと感じました。
○ 早期より診断が可能になり、早期支援や法制度の充実、ASDの社会認知が進んでいながらも、まだまだ無理解や誤解、制度上の問題などでASDの人たちがしんどい思いを強いられる現状についてのお話を聞き、改めて低年齢からの一人ひとりに合った環境の中でASDの人が生活できるように支援していくことの必要性について考えさせられました。
追跡調査の結果、ASDと診断されている人で、適切な支援を受け、良い環境で育った人たちが将来的に自分に合う環境下で仕事をしているということを知り、ASDの特性を無視して定型発達に合わせた環境で努力を強いることを求めることがいかにASDの人の人権を無視した乱暴な行為であるかを痛感しました。
私は日ごろ早期支援に携わる支援者です。本日の本田先生のお話を聞きながら、早期支援の意味を改めて考える機会を頂きました。自分が関わる子どもたちが将来自信を持って幸せに生きていくためのお手伝いができる支援を提供できるように努力を惜しまず学んでいきたいと思いました。
○ 先生の本音トークが、痛快でした。神奈川県は、進んでいるなあと思いました。岡山県では、IQが75以上(多分)あったら、療育手帳もらえず、療育手帳がないと支援学校の高等部には入れず、実力で入試に望まないといけません。療育手帳をもらうことに偏見を持っている親もいて、結果的に我が子の進路を阻んでいます。これって教育虐待?と思ってしまいます。
あるがままを受け入れてもらって、療育手帳をもらい、特別支援学級で過ごし、支援学校高等部に行けた生徒のほうが、安定した将来を送れている。支援学級卒にしても通常学級卒にしても、通常の高校に進学せざるを得なかった生徒は、ストレス原因で関連障害を起こし、前途多難な生徒が多いです。
療育手帳をもらうことにメリットがあることを、できるだけ早く若い世代に知ってもらう必要があるし、神奈川メソッドを全国に広めるべきだと思いました。

令和7年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和7年度、赤磐市との共催による「発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年の講座は、全国の菊池道場の道場主として、子ども達のコミュニケーション力を伸ばすことに力を注がれている、教育実践研究家の菊池省三先生の講座です。
7月1日(火)は第3回「子どもに自信を持たせること」の講座でした。
みなさんからの感想にあるとおり、菊池先生の授業の素晴らしさには感銘を受けることばかりなのですが、参加されていない方に向けて少し補足させていただきます。
感想に登場する「前田さん」は、場面緘黙のあった女の子でしたが、褒め言葉のシャワーを実践されている菊池先生の授業で、自ら発表できるまでになったエピソードでした。
また、菊池先生のおっしゃられた(そったくどうじ)とは、鳥の雛がふ化する時に、雛は中から卵の殻をつつくこと(ソツ)、それを聞きつけた親鳥が外からつつくこと(啄)、で、初めて殻が破れて雛が産まれることが出来るという意味です。
生徒と先生の呼吸がピタッと合うこと、そのタイミングを見逃さないことで、前田さんとも“対話”ができるようになったのですね。「見ること」の大切さを教わった講座でした。
次回の第4回は夏休み明けになりますが、またすばらしい実践を拝見できるのを楽しみにしています。

 『 第4回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』

日 時:令和7年9月2日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「クラスづくりのゴールイメージと、はじめの一歩」
講 師:菊池 省三 先生(教育実践研究科:菊池道場 道場主)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円、
赤磐市在住・在勤者 無料(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第3回「子どもに自信を持たせること」を受講された方からの感想の一部です。

○ 菊池先生のクラスの一人ひとりを大切に、クラスの中の誰一人取りこぼすことなく大切に考え、接する姿勢にただただ感激しました。手法や言葉かけ、パフォーマンスありきではだめ、子どもたちをよく観察しなければ、子どもたちに響く言葉かけはできないという菊池先生の言葉に自分自身の日ごろの至らなさを痛感しました。
また子ども同士の対話を大切にし、チームというのがどういうものかを実感しながら学び、子ども同士が思いやることが特別ではなく自然にできるようになる姿に驚かされました。子どもたちが置かれる環境によって、豊かな価値感や人間関係が作られたり、自分自身を肯定的に受け止めたり自信を持つことに繋がるんだと改めて感じました。支援者として子どもたちに良い影響を与えられるように、本日の学びを実際の支援の場面で生かしていきたいと思いました。しっかりと子どもたちを観察していきたいと思います。
○ 映像を交えて、わかりやすく説明していただきありがとうございました。「自分のことを、自分の言葉で、自分の必要なことだけを話しができる」と先生が言われていたことで、安心できていないから、必要でないことまでも言わないと安心できない子どもたちがたくさんいるのかもしれないと、改めて考えさせられました。
○ 前田さんの話す姿に感動しました。まるでドラマのようです。菊池先生のどの子も必ず成長すると信じる覚悟や機微を見逃さない見る目があったからこそ、「今が勝負」というソッタクの機を見極められるのだと感じました。そして、質問をさせていただき、周りの子どもたちとの関係性や関わり合いを信じておられたのだと分かりました。
ディレクターさんが「私の自信作です。これも対話ですよね。だから、白熱教室です」と言われたと伺い、鳥肌がたちました。聴き合う、考え合う・・・〇〇合う、が日常化している教室だからこそ、生まれる事実だと感じます。呼応関係を常に意識しながら、よく見、聞き、感じ、互いに関わり合いながら成長できる教室を、学校をめざしていきます。初めて見た映像に衝撃を受けた勉強会でした。新たな気づきや深い学びをありがとうございました。
○ 今日は、一番に「見る目」というお話からでした。まさに、子どもを見ていないと価値付けできないですし、少しの変化に気づかないのだと思います。少し前から「主体的・対話的」の的がついていることに意識がいっていたので、今日の菊池先生のご説明がありがたかったです。
「自己表現すること、そのものを学び合う」だからあたたかな学級が生まれるのだと感じました。何のための学校なのか、成長するための学校であるために、必須条件の考え方と思いました。

令和7年度 現場の先生のための即実践講座

令和7年度の即実践講座は、講師に鳥取大学大学院 教授の井上雅彦先生をオンラインにお迎えしての講座です。
第3回は予定を少し変更して、前回の続きで「知的発達症のある自閉症への応用行動分析の実際」のテーマで事例を交えて、応用行動分析(ABA)を療育場面や実際の生活場面の中でどのように活かしていくかについてお話しいただきました。
課題分析や系統的指導についても、実例を挙げ、例えば金銭管理で小遣い帳を付けさせようと指導する場合、まずは「財布の中の金額を記帳する」ことだけから始め、それが1〜3ヶ月かけてできるようになったら、次に買った物を左に書き(金額はなし)右には財布の金額、さらにそれができるようになってから、電卓で計算しながら確認をして、小遣い帳が付けられるようにする・・・とても参考になるお話しでした。
次回は夏休みを挟んで少し間隔があきますが、ペアレントメンターやペアレント・トレーニングについてもお話しいただく予定です。

 『 第4回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和7年9月24日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「親支援とペアレントメンター」「ペアレント・トレーニング」(予定)
講 師:井上 雅彦 先生(鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第3回「知的発達症のある自閉症への応用行動分析の実際」に参加されたみなさんからの感想の一部です。

○ こだわりや依存の解決のためにはこだわりをひろげること、ということが目から鱗でした。『こだわりを増やせばこだわりじゃなくなって依存が減る』、今のところ私の中の2025年の名言です。
強化子を増やすことがコミュニケーションを教える上で大事になる、相手が好きなものを使わないとコミュニケーションは持続しない、というときのお見合いの説明がとても分かりやすかったです。今まさに療育で会話練習をしている人がいるので、保護者への説明の際に使わせてもらおうと思いました。
教える内容を段階的に示していただけたのがとてもわかりやすく、日々の療育ですぐ使える内容でした。今日のレジメを机に常備して確認しながら療育進めていきたいと思います。
○ 具体的な指導の仕方をたくさん教えていただき、また、動画で見せていただき、とてもわかりやすくて、即実践してみたい
と思いました。
言葉が出にくいお子さんに、言葉を教えるための方法しか考えていないことに気づきました。言葉の基礎になる前言語行動をのばすために、遊びの中で育てていくことの大切さを教えていただきました。とても参考になりました。ありがとうございました。
○ 幼い頃から取り入れたい取り組みや経験がとてもたくさんあり、日常の生活場面や療育場面での細かい積み重ねが大切であること、その丁寧な積み重ねができるように環境を整えていかないといけない、と思いました。
「その子なりの幸せがゴール」だけれど、保護者がそう思えるようになるには、時間や将来への見通しや安心がないと難しいと日々感じています。それを意識しながら、対応していきたいと思います。
○ 動画を見せていただきながら実際の支援場面をご紹介下さり、とてもイメージしやすかったです。本人が好む人とのやりとりを取り入れながらコミュニケーションの力を伸ばす取り組みは明日からの療育に活かせるアイデアでした。興味関心や強化子が単調だと般化していかないといった点は日々の療育の中でも感じていた点だったので、興味関心を広げることを大切にしていきたいなと思いました。
また、余暇を教えることの意味についても改めて考える機会となりました。一つの楽しみが連鎖しながら様々な形での楽しみ方ができ、結果として本人のコミュニケーション力や社会生活スキルまでも拡大していくといったお話では、将来的なイメージを持って支援を組み立てる必要性も感じました。
感情理解のために日記を書く取り組みで、井上先生とお別れの日の日記に、普段は書かない感情の言葉が書かれていたというエピソードに先生との学びの時間がその方にとってどれほど大切な時間だったのか、繰り返しの丁寧な取り組みがしっかりと身を結ぶんだということを証明しているようで胸が熱くなりました。
療育が目指すゴールは『その子なりの幸せを目指す』ということ、それは決して定型発達に近づくとか定型発達を目指すということではないといったお話しは日々の療育の意味を改めて考えさせられました。早期療育に携わる支援者として、お子さんへの取り組みがお子さんの将来の幸せに繋がる様に支援していきたいなと心から思いました。
○ 実際に児童発達支援の現場で支援している中で、意識しながら支援していることが多く出てきたので、イメージを持ちながら聞くことができました。日常に般化していくためにも、強化子が増えるように変えながら取り組んでいくことが必要だと感じました。
また、周囲の理解・協力を得ることで余暇を楽しむことができる事例を知ることができてすごいなと感じました。未就学児への支援ですが、本人の興味関心を広げつつ、余暇を増やしてあげれる支援ができればと思いました。

令和7年度 支援ツール勉強会のお知らせ

18歳の春を目指すクラブによる支援ツール勉強会が今年も夏休み明けから始まります!!
幼い頃から、将来の自立に向けて、楽しく取り組んでいきましょう。全6回の予定です
今年も講師は武藏博文先生にお願いしています。
今年はツールの作成だけでなく、日々の生活を見直して気持ちを落ち着かせる方策などのテーマもありますので、初めての方も気軽にご参加ください。
詳しくは、同封のチラシをご覧ください。正会員の方は無料です!!

 『第1回 支援ツール 勉強会』

日 時:令和7年9月9日(火) 10:00〜12:00 
(昨年は曜日が固定されていて、療育と重なり参加できなかったという意見が寄せられましたので、今年はいろんな曜日で開催します)
場 所:育てる会事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
第1回 テーマ:「前向きに自信を持とう 〜チャレンジ日記の説明と作成〜」
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐんグループ療育利用者 500円(各回)
申 込:チラシのQRコード、LINE、メール、Fax.086-955-6748
【支援ツール勉強会 今後の予定】
第2回 10月6日(月) 「周りの理解を図ろう」
第3回 11月5日(水) 「毎日の生活に見通しを」
第4回 12月1日(月) 「手際よくスムーズに」
第5回  1月7日(水) 「何を言われても大丈夫」
第6回  2月3日(火) 「気持ちを落ち着けよう」

ここから下は 正会員向け行事のご案内 です。
※ 正会員について
    資格:自閉症のお子さんのいるご家庭で、原則 岡山県在住の方
                     (会員向け行事は岡山県内にて開催のため)
    会費:入会金3,000円+月会費1,200円×3月末まで (年会費:14,400円)
    特典:正会員向け行事参加
【 キッズルーム、サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室、木工教室、AAO活動(ガイドヘルプ活動)、木工教室、クリスマス会、OHAの会(高機能)、座談会(クッキング、マッサージ)、18歳の春を目指す会、さをり織り教室、はやぶさの会(男の子)、クローバーの会(女の子)、わいわいHoliday(青年の会)、おやじの会(山のぼり、BBQなど)】   等への参加、
        セミナー等 正会員料金、毎月会報郵送
※賛助会員について
    資格:どなたでも
    会費:入会金 不要、年会費 3,000円(入会された月から1年間)
    特典:セミナー等 賛助会員料金、毎月会報郵送
正会員・賛助会員・療育・セミナー・連続講座等 申込み
  http://sodaterukai.org/policy1.html

サッカー&ドッジ スポーツクラブ 報告とお知らせ

令和7年度の第2回サッカー&ドッジ スポーツクラブが7月5日(土)に岡山大学体育館で開催されました。
今年度の参加者は14名です。いつものようにラジオ体操からスタートし、ダッシュやリレーをしたあと、サッカーとドッジボールの好きな方に分かれ活動し、最後は「追いかけ玉入れ」、ラジオ体操第2と、流れが分かっているので、みんな安心して楽しめました。
途中参加もOKで、兄弟児の参加も可ですので、体を動かしてみたいお子さん、ぜひお気軽にご参加ください♪
今後の開催日程や詳細については、以下のとおりです。
今後の開催日:10/11(土)、11/29(土)、1/24(土)
時間:10:00〜12:00
場所:岡山大学 体育館
参加費:年1,500円(保険代含む)  ※途中参加は300円×残りの回数分です。

水泳教室のお知らせ

次回は、11月16日(日)の予定です。
間隔があきますが、海や川など水難事故にはくれぐれも注意してお過ごしください。

  水泳教室 中止のお知らせ

先月号でもお知らせした通りOSKスポーツクラブの25m大プールが 9月1日〜10月31日の間改装工事に入るため、申し訳ないですが9月と10月の水泳教室は中止とさせていただきます。
(年会費を払われている方には、2ヶ月分返金いたします)
8月は元々お休みなので、3ヶ月空きますが、11月より再開いたします。ご了承のほどよろしくお願いいたします。(正会員限定)

 

マッサージ座談会 報告

7月15日(月)、赤磐市上市にある育てる会事務局 1Fの 大広間にて、正会員限定の『マッサージ座談会』が開催されました。
赤磐市内で自宅サロン「MOF」を運営されているMさんのプロデュースにより、音楽の流れるリラックスした雰囲気の中で、参加者の皆さんがケーキとお茶を楽しみながら歓談しました。
ご希望の方には、Mさんが順番にマッサージの施術も行ってくださいました。
肩や首の凝りをほぐしながら、楽しくお話しもできる、心も体もリフレッシュできる時間となりました。
参加者の皆さんは、日頃の育児の疲れを労い合いながら、育児以外の話題にも触れて情報交換をし、笑いの絶えない楽しい時間を過ごされていました。和やかな雰囲気の中、共感し合えるあたたかな交流が広がっていたようです。
今後もこうした場を提供することで、正会員の皆さんの心と体がリフレッシュできる時間を作っていくことが、「育てる会」の大切な役割であると改めて感じました。
(事務局 K)

以下、参加者さんからの感想です。
○ 「ケーキと飲み物があり、とても嬉しい!リラックスした気持ちで、育児の疲れを一時的に忘れることができました。」
○ 「ハンドマッサージを受けながら、他のママたちとのおしゃべりがとても楽しく、リフレッシュできました。」
○ 「以前、少し元気がなさそうだった参加者が、みんなで元気を取り戻して笑顔になったのを見ることができて、嬉しく思いました。」
○ 「おもしろ話で爆笑し、肩や首がすっきりして、気持ちよく過ごせたことが良かったです。」
○ 「育児に関する悩みや日常の疲れを気軽にシェアでき、心温まる時間でした。」

みちこさんのおやつ作り座談会のお知らせ

日程:9月18日(木) 10:00?12:30頃
会場:未定(赤磐市内:決まり次第お知らせします)
会費:500円(おやつ材料代含む)
おいしいおやつと共に、ゆったりとした雰囲気の中で鳥羽代表とお話ししませんか?
お気軽にご参加ください。(正会員限定)

OHAの会 感想と今後の予定

OHAの会とは・・・OHA(Okayama High Functioning Autism)は、知的障害を伴わないタイプの自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを育てる保護者のための学びと交流の会です。
今年の講師には、川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科の小田桐早苗先生をお迎えし、吉田友子先生著『その子らしさをいかす子育て』をテキストに輪読会を行っています。
会では、先生による丁寧な解説のほか、参加者のご家庭や学校での子育ての質問や相談にもお答えいただいています。
第1回 OHAの会(6月28日開催)に参加された方の感想より
○ 本の内容を深く理解できた
「以前に読んだことのある本でしたが、小田桐先生に解説していただくことで、この本が伝えたいことがとても理解できたと感じました。障害は“本人の中にある”のではなく、“本人と環境との関係にある”という考え方が特に印象的でした。」
○ 大きいお子さんを持つ方のお話が参考に
「年齢が上の子どもを育てている方のお話は、自分の子にも今後起こるかもしれないこととして、とても参考になりました。」
○ 先生の温かい語りと学びの時間
「吉田先生の本は、何度読んでも先生の自閉症児への理解にあふれる優しさが伝わってきて、良かったです。小田桐先生が、『この本はバイブル』と言っておられたのが私も同じだったので嬉しかったです。小田桐先生の解説も、アカデミックでわかりやすく、質問にも丁寧に答えていただけてありがたかったです。」

OHAの会 今後の開催予定
第2回: 8月2日(土)
第3回:10月5日(日)
第4回:12月6日(土)
第5回: 2月14日(土)
Zoomで 10:00〜12:00  (後日配信なし)
参加費:5000円(全5回分:途中参加の方は残り回数分)(正会員限定)

はやぶさの会 の お知らせ

「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
皆で集まって、ボウリングに行ったり、ご飯を食べに行ったり、とにぎやかに楽しんでいます。
友達関係のこと、部活や高校受験などについても色々子ども同士で情報交換したりもしています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟で参加したい場合、兄弟共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの友達作りの会です。
オシャレの話をしたり、カラオケに行ったり、食事に出かけたりと楽しんでいます。
今後は女子ならではのお悩み(恋愛トークとかね)などもできるような仲間になっていけたら良いなと思っています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある女の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したい場合、姉妹共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪(正会員限定)
(担当:M)

青年部 わいわいHoliday の お知らせ

青年部 わいわいHoliday は知的障害を伴う青年たちの会です。
なかなか友人たちとお出かけができにくい彼らです。
親たちでそんな彼らに休日を楽しむ機会を作りたいとカラオケやボウリング、会食、小旅行などを企画しています。
次回は、9月13日(土)に食事会を計画しています。
現在候補のお店を絞っているところですので、詳しくは来月号でお知らせします。
青年部では、高校生〜成人男子 で参加者を募集しています。
現在の登録者は6名です。興味のある方は事務局まで問合せくださいね。(LINEか086-955-6758)(正会員限定)
(担当:M & T)

お母さんコラム

中3でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小3でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は娘の話。
小学校がエアコンの故障で急遽お休みになったため、在宅勤務の夫が本人を見てくれることになりました(私は仕事。夫に感謝!)。
夫が仕事をしている別室で、本人はのんびりとテレビを見たり余暇を楽しんだり、降ってわいたようなお休みを堪能していたそうです。
ところがそうも言っていられない事態が・・・。
そう、大量の宿題の連絡が、舞い込んできました!
夫に宿題リストを渡されて「げげげっ」となりながら、頑張って取り組んでいたそうです。
午後から夫はオンライン会議。本人は祖父が迎えに来てくれての療育です。
療育に行く時間までに宿題が終わりそうにない・・・でもパパは仕事の会議中で相談できない・・・(会議中は話しかけてはいけない、と言われている)となり、苦肉の策。
会議をしている夫の机に、娘がそっと置いたメモがこちらの上側。
そして、夫の回答が、付け加えの下側(ご丁寧に〇をつけてある)です。
普段から言葉だけじゃなく、メモでのやりとりをしてきたことで、ピンチの時に自分で方法を考えて伝えられることができたんだなぁと感心しました。
二択ではないところからの提案も受け入れて、できるところまで宿題を頑張って、祖父と療育に行き、帰宅後に宿題の続きをこれまた頑張ったそうです。
えらいぞ!!成長だねっ!!でした。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は「援助を求められる力って大切だよね」という話。
私は、小さい頃なかなか自分から「手伝って」「教えて」を言えないタイプの子どもでした。
うまくいかないことは色々あっても「何か困ってる?大丈夫?」と聞かれると、「んー、困ってはないかな」と答えていました。
それは援助を求めたくないとか、自分でできると思っているとか、ひねくれているからとか そういう訳ではなく、「いつ・誰に・どこで・どんな風に 手助けを求めたらいいかが分からない」からでした。
学生時代、何かできない・分からないことがあっても、学校の先生からも親からも「頑張りなさい」「自分で考えなさい」「調べてみたら」と言われることが、当たり前でした。
そうなると、「聞いてもどうせ自分で考えろとか頑張れとか言われるんだろうから」と自己解決したり、なんとか苦労しながらもやってみたりしながら生活するしかない。知らない情報は本やネットから引っ張ってきて、自分なりにやり過ごすしかないと思っていました。
大ピンチの時になってから、初めて人に伝えて「なんでこんなになるまで、言わなかったの!?」と言われたり怒られたりすることも しばしば(そのたびに「だってさぁ…」と口には出さずとも思っていたし、たぶん顔にも出ていた)。
そんな私が援助要請をすればいいのか、と気付いたのは、高校生の頃でした。
駅を歩いていると「すみません、〇〇改札はどこですか?」「△△に行きたいんですけど、分かりますか?」と尋ねられることが非常に多くありました。聞いてくる人は自分よりも年上や年配の人が多く、「大人でも分からないことがあるんだな」と不思議に思いました。
素朴な疑問として、友達に尋ねると「そりゃそうじゃろ。聞いた方が早く解決するし、特に場所とかは、自分で頑張ってもどうにもならん」とのことでした。びっくり!そんなラフに聞いていいのか!!
そして、もう一つ教えてもらったことが、「教えてとか手伝ってとか言われても、自分が忙しかったり気が乗らなかったりしたら、断ってもいいんだよ」ということ。
言われたからには答えねば!と思っていたので、ホッとした思いになったことを覚えています。
分からないこと・できないことは人に聞いたり手伝ったりしてもらうしかない。
それが自分を助けるし、周りも「それならこうしたらいいよ」と案外親切にしてくれる。
大人になった今は、「聞くは一時の恥・聞かぬは一生の恥」と思って、バシバシドンドン聞いています。そして、教えてくれたり手伝ってくれたりした時には「ありがとう!」ですし、自分から援助要請しなくても「知らないみたいだから、教えてあげるね」「こうしたらいいんだよ。手伝おうか?」と言ってもらえた時には「ありがとう!!」と伝えられるようになってきました。
とはいえ、色々な人に色々なことで助けてもらっていると、「私も何かお役に立たなくては!!」と思ってしまうのは、資本主義的(?)なASの考え方あるあるなのかもなと思います。「お互い様」の方がいい!なんなら対価を支払いたい!笑
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「赤磐ぐんぐん」です。

赤磐ぐんぐん(児童発達支援・放課後等デイサービス)

毎日暑い日が続いています。療育に到着と同時に、「暑かったー!!」と汗びっしょりで入室するお子さんも多く、エアコンのありがたみを感じます。
一昔前までは考えられない暑さ(6月から熱中症対策必要でした)なので、「これぐらい我慢しなさい」は危ない(×2)。
しっかり水分補給しながら、暑さ対策もしていきたいですね。
お子さんたちの中には、体調の変化を自覚しにくく「大丈夫」「暑くない」と言いながらも汗びっしょりだったり顔が真っ赤だったりする子もいます。普段の自分との違いの自覚がしづらいASDのお子さんたち。
スタッフ「お茶を飲もう」 
Aちゃん「いらない!」 
ス「顔赤いよ?」 
Aちゃん「大丈夫!いつもこんなんだから!」
Aちゃんママ「いつもお茶飲みたがらないんです。だから大丈夫なんだと思います」
ス「(そうかなあ?)まあ、ひとまず飲もう」 とロッカーに誘導して、Aちゃんの水筒を渡すと・・・
Aちゃんはさっと水筒を受け取って「(ごくごくごくごく・・・)おいしかった!」 
ス「そうかー。良かったね」
Aちゃん「喉、めっちゃかわいとったわ。暑かったし」
ス「良かったね」
Aちゃんママ「ほらー、やっぱりいるんじゃん。先生が言ってくれてよかったね」
その近くで、その様子を見ていたBくん。
Bくん「僕も、お茶飲みたい!」
ス「飲んでもいいよ」と言うと、なぜかAちゃんの水筒に手を伸ばします。
自分のもの・他人のものの区別がまだついていないのかな? 慌ててスタッフが
ス「あ、これはAちゃんの水筒だからね。Bくんの水筒のお茶を飲もうね」 と声をかけます。
Bくん「分かった!・・・ あれ? 先生、僕の水筒、ないよ?」
ス「え? あれ? お母さん、Bくんの水筒はどこですか?」
Bくんママ「あー。本人が『いらない』って言うので持ってきていなくて」
ス「そうなんですね。あ、お母さんは持ってきておられますか?」
Bくんママ「私も持ってきていないんですー。車にはあるかも」

Bくん「えー!飲みたい!僕だけないじゃん!!」となり、慌てて探しに行かれました。
他の子が飲んでいると飲みたくなるのも、他のお子さんもよくある現象!
水筒は「必要な場合持ってきてくださいね」と4月当初はお伝えしていましたが、何件か同じようなことがあったため、現在は「必ず水分持参してください」
「なんなら大人も水筒必須かもですよ」とお伝えしています。
園時代との違いもあり、新小1のお子さんたちにはお茶問題があれこれ出てきました。
園時代には「お茶タイム」が園の日課にハッキリ入っていたため、本人が必要かどうか判断が求められていなかったけれど、小学校や休日の家庭生活では「お茶タイム」がないことで、水分不足になる可能性があること。
園時代は、やかんやウォーターサーバーで自分のコップから飲む兼用スタイルだったかもしれないけれど、学校やぐんぐんは自分の水筒持参が必要なこと。
水分不足になりがちなお子さんの場合は、学校のスケジュールにも「お茶タイム」を入れておくと良いかもしれないこと(トイレタイムも同様に必要なことも)。
自分の好きなタイミングで水分補給して良い(例えば、算数のテスト中とかでも席を立ってロッカーにある水筒を取りに行っても良い)学校もあれば、授業中はお茶は飲まないという学校もあるので、そのあたりは学校と確認しておき、本人に伝えておくと良いこと。
夏休みにお子さんだけで留守番するご家庭は、「〇度になったらエアコンのスイッチを入れます」「この時間には、お茶を飲みます」など明示的に伝えていく必要性についてもご家族と確認しています。
健康に元気に夏を乗り切りたいですね。
ちなみに、イライラや興奮やテンションなどのコントロールについても、「おや、いつもと自分はちょっと違うぞ」は自覚しづらい=普段との違いが分かりづらいので、例えば「足をドン!と踏み鳴らしているのが、イライラのサインだから、そういう時はちょっと深呼吸してお茶を飲む」など、分かりやすく「こうなったら→こうする→すると、落ち着く」までセットで教えていくことも、ちょっとずつ自分の感情を自覚してコントロールする時には、よく使う手です。体調管理と同じですね!面白い。
さて話は変わって。
現在、赤磐ぐんぐんには、6月中旬から療育部門に新人スタッフが一人(3か月の実習期間を終えた後、配属先決定)、また7月頭から8月までの大学院の実習生さんが一人入っています。
私(松田)が療育スタッフ育成部門の担当であるため、新人や学生さんの指導もその流れで、今の私の配属先=赤磐ぐんぐんで受けるという流れに毎年なっています。
新人スタッフも実習生さんも療育の様子を見てもらって、分からないことや素朴な疑問・気付きを色々質問や感想として伝えてもらっています。
それらの問いに対して一人ひとりのスタッフが丁寧にアセスメントの結果なども交えて「どうしてこの子にこのスケジュールなのか」「どういう理由でこの関わりがスタートしたのか」「ご家族とどんな風に今後の方針を共有しているのか」などを答えていきます。
こうして人にアウトプットしていくことで、スタッフ自身も説明力がつき、根拠のある支援の力がついていくことも実感しています。新しい風が入ってくることで、ぐんぐん全体の良い循環になり、それがぐんぐんに通ってくれているご家族とお子さんたちの支援にも繋がっていくんだろうなと嬉しく思います。
皆さん、今後とも赤磐ぐんぐんをどうぞよろしくお願いします。
(赤磐ぐんぐん 児童発達支援管理責任者:松田紗代)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、みんな楽しそうに暮らしています。
ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R7.6.26〜R7.7.25)

      ○  T.H 様(笠岡市) 【香典返し】
      ○  NPO法人 発達障害サポートセンター ピュア 様(東大阪市)

育てる会では、現在「ほっぷ」、「すてっぷ」に続く「じゃんぷ」のグループホームの建設を構想中です。
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
  岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

   会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ