panese version only

令和 7年 9月 30日

 

 第329号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 329号 目次

     9月は大忙し・・・

     即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

     木工教室・資産運用セミナー・おやつ作り座談会・サッカー&ドッジスポーツクラブ の 報告とお知らせ

      元気を出すための座談会・おやじの会山のぼり・キッズルーム・水泳教室 の お知らせ

     青年部 わいわいHoliday・はやぶさの会・クローバーの会・OHAの会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「発達凸凹キッズの子育てナビ

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんぴっぴ」

     近隣の講演会等のご案内

     寄付のお礼とお願い

    

9月、毎日の暑さはあいかわらずだったけれど、ふと気づくとトンボが事務局の芝生の上を飛んでいたりしました。
空の雲も入道雲からすじ雲に変わって夏の終わりがやっと見えてきました。ようやく秋がやって来てくれましたね。
学校も新学期が始まり、いよいよ忙しい2学期が始まりました。

今月は療育の事業所のコンサルや事業所の見学が続き、忙しい毎日となりました。
まず、月の初めに「赤磐ぐんぐん」のコンサルに川崎医療福祉大学の諏訪利明先生が来てくださいました。
次にピラミッド教育コンサルタントオブジャパンのネグロン・ちひろ先生をお迎えして「ぐんぐんタッチ」と「グループホーム」を見ていただきました。
次に「ぐんぐんぴっぴ」に小田桐早苗先生をお迎えしてのコンサルティングでした。
どこの事業所も日頃の相談したかったことが解決の方法へ向かって動き出したようで、学びの大切さを実感できたことでしょう。
育てる会の事業所では、創設当時から外部の専門家の先生方にコンサルティングをお願いしています。
今月は偶然にも全事業所のコンサルの日が9月に重なったという次第です。

一方で見学の方は、地域の児童精神科のお医者さんと、そこへお勤めの心理士さん2名の方が、どんな療育をしているのかを見せて欲しいと言われ、見学に来られました。
支援者からの説明を受けて,熱心にお話しを聞いていただけました。通ってこられる利用児の方へのアセスメントのことや、保護者の方へのアドバイスについての質問もいただきながら、それに答えるスタッフを頼もしく見ている私です。
見学の際に、なぜこのような療育を行っているのか、を聞いていただけました。
育てる会の療育事業所は、母子療育を行っております。つまり保護者の方に一緒に部屋に入っていただいて、子どもたちの様子や支援者がどのように関わっているかを見ていただきます。
そうすることでお子さんにどのように家庭で関わっていけばいいかを知っていただきたいとの願いからです。
育てる会がこのような形の療育を行っているのは、保護者の方にしっかりお子さんのことを知っていただきたいこと、それから一人一人に合わせた支援方法を、支援者を通して学んでいただきたいからです。
もちろん支援者も万能ではないので、時にはうまくいかないこともあります。でも、そのようにぐんぐんの先生でもうまくいかないことがあるということを見ていただき、そしてどのように改善して対応していっているのかを見ていただくことこそ、大切と考えているからです。
最近は学校までお迎えに行ってくれて、療育の後は家までちゃんと送り届けてくれるようなそんな事業所がたくさんあります。特に働いておられる親御さんにとっては、とても魅力的な事業所だと思います。そういう事業所を選ばれる方も多いと思います。
でも、育てる会の事業所は、親の会がやっている事業所です。親御さんにこそ、我が子のことを誰よりも理解して上手に子育てしていって欲しいと願っているのです。
保護者の方には一時的にご負担をおかけしますが、幼少期の丁寧な関わりが将来の子ども達にとって、なにより大切だと実感しているからです。
ですから、あえてこのような親が子と一緒に入室して、支援者から支援の仕方を学んでいただくという形の事業所となっているのです。スタッフは保護者がいつも見ておられるので、緊張もするし、気も抜けません。なにしろ、毎日が参観日の中で、授業をしているようなものですから・・・・
でも、お子さんの話をするときの説明は、一緒にその場を見ていてくださるからこそ、解っていただきやすいのです。
お母さんが困っておられる行動に対して、スタッフとしては、このように対応します。するとこのような結果が見えます、という感じです。
また、ご家庭にすぐ般化できるという点も、親子療育の利点です。
うちの事業所を選んできてくださっている親御さんは、他とちょっと違うように思えます。子ども達の将来を見通して、熱心な熱意のある方々だと思うのです。
確かに、今だけを考えたら預けるだけの方が楽に違いないし、事業所の中にはビデオを見たり、宿題もさせてくれる、そんな方針の児童発達支援や放課後等デイの事業所も増えています。そういう、働いている親の生活の方を支援してくれるところの方が、親は時間的にも、金銭的にも助かりますね。
でもね、子どもは小さいときが肝心です。親との関係が出来ていくのは、小さいときです。
勉強がどれくらい出来ているのかいないのか、運動はどうなのか、つまずいているところはないのか、子どもたちの中での我が子の様子など、知らないままに大きくなってしまうと、いざという時どうやって子どもに教えていったらいいのでしょう。どうやって導いていけばいいのでしょう。子どもは親のことをどう思っているのでしょう。家事や家庭でのルールややり方をどのように教えていくのでしょう。
定型発達の子であれば自然に学んでいくことでも、彼らには丁寧な支援が必要です。教え方も一人一人に合わせなければなりません。そういったことを丁寧に学んできた親御さんと、そうでない親御さんでは、子どもたちの将来が違っていくように思えてしまいます。
親が変われば子が変わる。
療育の目的は何かと聞かれたなら、私は即座に「二次障害をつけないことです」と答えるでしょう。
「何でこんなことするの?」と怒る親ではなく、どうしてこんなことをしてしまったのか、を考えてその答えを考えることが出来る親になって欲しいのです。
療育に通っていただける時間は、時期は、短いのです。でも、その間に、お母さんがお子さんの専門家になっていていただけたなら、彼らの人生の水先案内人になっていただけたなら、安定した人生を彼らも送ることが出来ると信じています。
そんな想いで保護者同室の事業所をやっているぐんぐんグループです。
お電話で療育についてお問い合わせをいただいた時に「送迎はないのですか? それなら結構です」とよく言われます。私たちは、それを引き留めません。お仕事をされているお母さんが多くて、なかなか親子療育に参加出来にくい現実も有ると思います。
ぐんぐんグループに通われているお母さんたちも、ほとんどの方がお仕事をされています。でもこの時間だけは仕事を抜けてきたり、お父さんと有給を取り合って交代で来られたりされています。そういう暮らしがいつか花開くことを信じてぐんぐんグループの療育に通ってこられます。私たちもそれに答えたいと思います。
そういう療育の様子を見ていただきました。

また、25日には埼玉の国立障害者リハビリテーションセンターの秩父学園と発達障害情報・支援センターからお二人の方が見学に来られました。
この日は「赤磐ぐんぐん」とグループホームを見ていただくだけで、他の事業所を見ていただく時間の余裕はありませんでした。
「岡山へ行ったら、育てる会さんの事業所はぜひ見ておきたい」と言われて嬉しく思いました。
スタッフに感想を述べてくださるお二人を見ながら、私たちの方が元気をもらえた日となりました。岡山と言えば育てる会と言われる東京や埼玉の方たちからの評価がありがたいです。
頑張らねばと強く思えた一日でした。

さて、皆さん新しい事務局に看板ができあがりました。
事務局移転からすでに3年の年月が経ちましたが、資金繰りに余裕がなく、看板まではつけることが出来ないでおりました。
そんな折、「エール1」のスタッフのMさんの親御さんが亡くなられて、その香典返しを寄付する先を育てる会にしたいとの申し出をいただきました。しかも「看板を付け替えられたら」、というご希望までいただいたのです。そのお陰でやっとやっと、旧事務所の古くなった看板と、新事務所の看板を付け替えることが出来たという次第です。ありがたいことでした。
こんな風に支援していただける方がいらっしゃることが、私たちの励みになります。
毎年少しですがと言いながら、寄付とブドウを届けてくださる岡山市のUさん、ご自分の講演会の度ごとに、謝礼からの寄付をしてくださるY先生など。
いつも心を寄せていただいていることを感謝しています。これからも頑張らなくてはと勇気と希望をいただきます。

そして今月は、久しぶりに山陽新聞の取材を受けました。来年度から発達障害についての特集を受け持つことになったと、旧知の記者さんが訪ねてこられました。
聞かれたことは、どうやって子どもの障害に親は気づけるのかと言うことでした。
障害について書かれていた本を読んでみると、目が合わないとか、指さしをしないとか、おもちゃを本来の遊び方ではなく使うとか・・・色々書いてありますよね。
でも、なぜ目が合わないといけないのか、どういう意味が指さしにあるのか・・・そういうことをしっかり若いお母さん方は知らないことが多いのです。目が合う時間は、一瞬であっても、「目は合います」と答えるのではないでしょうか? 指さししますかと聞かれて、さてどうだったっけ?? 覚えている人はいるでしょうか?
その知りたい内容や意味をしっかり教えて欲しいと思います。なぜ子どもは親と目を合わせるのでしょう。それは、お母さんにお願いしたいことがあるとき、目を合わせてお願いすると叶いやすいことを赤ちゃんだって知っているからです。だから、目を見て泣いて、おなかが空いたことを伝えてくれます。おしめが濡れたことを教えてくれるのです。
「指さしをしますか?」という保健師さんの問いにはどういう意味があるのでしょう。
三項関係と言う言葉を学んだのは、私が息子を育てていく中では、ずーと大きくなってからでした。
指さしには、「お母さんあれ見て!」と子が親に伝えたいことがあるということなんですよね。
それにはただ「見て見て」というだけでなく、お母さんを振り返って自分が指さしたものを親が見ているかどうか確かめるんだそうです。親と子、そしてその対象物の三項を介してのやりとりで、目と目だけでもいいから相互のやりとりが発生していることが大切なんですよね。
普通、この三項関係は9ヶ月か10ヶ月で出来るようになるんだそうです。ところが自閉症の子にはそれが出来にくい。1歳6ヶ月健診で、これがまだできないというお子さんは、明らかに気になって、支援が必要ではないか、と注意してみていくことが必要なお子さんということになるんだそうです。
息子と猫の話を先月号でお話ししましたが、うちの猫は、おなかが空いたら私に声かけして鳴き声も変えておなかが空いたことを訴えます。そして指さしは猫なのでしませんが、えさを入れるお皿のところへ私を連れて行きます。私がぐずぐずしていると、戻ってきて早くはやくというように誘います。
息子は37歳ですが、指さしをして伝えることは・・・まだしませんよ。でもでも、猫とは違ってお仕事には行きます。どっちがすごいかというと、やっぱり息子でしょうかね。
何が言いたいかというと、自閉症でもいいじゃないですか、早く見つけて、早く支援を始めましょう。怒らない、何か問題と思える行動があれば、どうしてあげればいいかを考える親となりましょう。
自閉症について学びましょう。そうすることで子を理解することが出来やすくなります。二次障害を防ぐことが出来ます。不登校や、不安障害、自傷行為や他害などは、安定した子には表われにくいのではないでしょうか? 丁寧にそして優しく育てていってあげたいものです。そうすることで、自分を肯定的に見られるお子さんになるのではないかと思うのです。
まず親が子を認め障害があろうとなかろうと、唯一無二の存在の我が子です。上手に育てて、社会の中で何らかの役割を担って暮していく人となるように育てていきましょう。

さて、今月は久しぶりの青年の会がありました。うっかりと写真を撮るのを忘れたので、みんなの様子をお見せすることができませんが、合計6家族12名の参加でした。平島のジョイフルでお食事会と言うことになりました。
店内は混み合っていたけれど、12人が並んで座れる席がありました。
スマホで注文をみんながするということで私もはじめて挑戦してみました。
ところが、いくら待っても我が家の注文の品だけはやってきません。確認してみると確定ボタンを押し忘れていたらしく、そりゃーいくら待っても来ないはず・・・。初めての経験は失敗が多いのですが、挑戦して慣れていくことが大切ですよね。
みんなでワイワイ賑やかに久しぶりの集まりを楽しみました。
次は何にするかなということを話していると、「USJに行きたい」という人がいました。我が息子も行きたいといっていたので、みんなにも聞いてみることにしました。
「USJに行きたい人は手を上げて」というと、さっと全員の手が上がりました。
春になって少し暖かくなった頃に行きましょう、という話が、あっという間にまとまりました。
それまでの次の回は、お食事会か、ボウリングか、カラオケか・・・みんな他に何がしたいのでしょうね。
楽しいことを色々考えたいと思います。
子どもたちは再会を喜ぶというような感じではないのですが、とにかく集まりが好きという感じの子達です。子ども同士で話をすると言うことはないのですが、近況を聞きあったり、親同士が話をして楽しい会なんです。
皆さんも参加しませんか? 楽しいですよ。

さて、次はおやつ作りと座談会を一緒にしたという話をしましょう。
私がケーキを焼くのを見ていただいて、にんじんゼリー、そして水ようかんと、作ったものをいただきながら、色々話をしたのですが、他愛もない話ばかりだったのか、いざ会報に書こうとすると何を話したか私はすっかり忘れちゃいました。
でも楽しかったことだけは覚えています・・・
座談会は何かテーマを決めた方がいいのでしょうか? 
それとも悩み事を皆で考え合うのがいいのでしょうか? 
そんなことどうでもよくなって、おいしいものを食べたいだけの私たちなのかもしれません。
2〜3ヶ月に一度集まって、ゆっくり話をするというのが、この会に来るメンバーさんたちです。
次は、事務所近くのおしゃれな喫茶店でランチでも食べながら集まる予定です。後のページに案内がありますのでご覧ください。
あなたも一度のぞいてみませんか?
育てる会は、色んな行事を行います。親たちの望まれることを、希望があればすぐやります。ただお金がかかることや、人手がかかることは、簡単にはいきません。でも、希望はお寄せください。出来そうかどうかは、考えますよ。一緒に必要なことは作りましょう。本当に必要なら作って行けばいいのです。一緒に汗を流しましょう。
何しろうちの会のキャッチフレーズは、「ないものはつくっていこう!」ですからね。

さあ〜、暑かった夏が終わり、秋が始まりました。一年で一番いい季節ではないでしょうか? 
夏の服はそろそろしまって、秋の洋服に着替えて、どこへでかけましょうか?
私は、今年は奈良の正倉院展を見に行く予定です。また今年も紅葉を見に京都へも行くつもりです。夫とふたり、ゆっくり行かせていただきます。
哲平はお姉ちゃん一家のお宅へお泊まりに行く予定で、それはそれは楽しみにしているのです。楽しい楽しい秋の思い出が親子ともにたくさん出来ることでしょう。
それでは今日はこの辺で、お元気でごきげんよう。
(鳥羽 美千子)

令和7年度 支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和7年度、赤磐市との共催による「発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年の講座は、全国の菊池道場の道場主として、子ども達のコミュニケーション力を伸ばすことに力を注がれている、教育実践研究家の菊池省三先生の講座です。
9月2日には、夏休み明けの久しぶりの菊池先生の講座でした。
実践に裏打ちされた先生の言葉には、深くて熱い重みがあり、自らの支援のやり方を改めて振り返るよい機会となりました。先生の講義も次回で、もう折り返しですね。
見逃し配信もありますが、ぜひ生の講義を一緒に聴いていただきたいと願います。

 『 第5回 発達障害支援夜間連続講座in赤磐』

日 時:令和7年10月7日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「主体性を育てること」
講 師:菊池 省三 先生(教育実践研究科:菊池道場 道場主)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円、
赤磐市在住・在勤者 無料(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第4回「クラスづくりのゴールイメージと、はじめの一歩」に参加された方からの感想の一部です。

○ 心に残る言葉が今回もたくさんありました。助産師、書道家、ソプラノ歌手とそれぞれの専門家の方々の受けや返しの深さ豊かさ、子ども達の反応の違い‥‥。専門性の高さ、人間性の豊かさが成せる技なのでしょうね。教師が授業の中で取り上げる内容は多岐に渡りますが、その全ての専門性を高めることはできませんが、得意分野を生かせば良いとのお言葉に救われました。得意分野を生かしつつ人間性を磨いていけたら‥と思います。教師としての専門性とは‥と考えたとき、いろいろあると思いますが、今日のお話しをお聞きしながら、子ども達を信じる力もその一つだと思いました。子ども達の反応を変えられるように教師としての専門性を高めたいとも思いました。いろいろなことを考えることのできた貴重な時間をありがとうございました。
○ 褒めようと思ったら、しっかり観察して「この人はなぜこの行動をとっているか(とったのか)」をしっかり考えなくては褒めることはできないよな、と改めて思いました。そして、褒めてもらった側は「自分のことをよく見てくれているな」と実感でき、「じゃあ自分も相手のことをしっかり見よう、聞こう」と思えると思いました。自分のことを見てくれている、わかってくれていると感じるととても嬉しいものですよね。今日も素敵な学びをありがとうございました。
○ 教師は子どもと共に学ぶことが大切で、子ども自身も共に学ぶことを望んでいるだろうと言われたことが響きました。教育実習の時に共に学んでいきたいと感じた感覚は間違っていなかったと思えましたし、子どもたちのできる力が引き出せるのだと思いました。
○ 「ほめ言葉のシャワー」などの取組は、形だけを真似てやるだけでは意味はないのだと思いました。教員が想いをもってやることが大切なのだと思いました。菊池先生が子どもたちをよく観察し、スポットライトを当てる児童を見つける「目」のすばらしさにいつも驚いています。子どもたち一人一人をしっかり見取っておられるのだと思いました。
○ 私は幼児期の自閉症の支援を行っている支援者です。特性のある子どもたちにとって、園や学校が必ずしも安心できる環境でない場合もあります。みんなと同じようにできないことを指摘され、その度に傷つく親子も少なくありません。できないのは、子どもの問題なのか先生の問題なのか疑問に思うことも多々ありますが、本日の先生のお話しの中で、教師(保育士)の自己内責任が子どもと関わる上での初めの一歩という言葉に答えを頂けたかのように思います。
教師らしさはその人の生き方が出るという言葉にもハッとさせられました。教師の価値観が子どもの可能性を広げることにもつぶすことにもなるんだなとも感じました。そして支援者として、うまくいかない時に子どものせいにするのではなく自分自身の問題として受け止め対応を見直していきたいなと思いました。菊池先生の気になる子を決して置いてきぼりにするのではなく、どうやってその子を輝かせるかを考えながら接している授業の動画を見させていただき、気になる子自身だけではなく、その教室にいる子どもたちみんなが、菊池先生があなたたち一人ひとりを大切に思っていますよというメッセージを受け取っているだろうなと感じました。
現状に満足せず、子どもたちと一緒に教師や支援者も育っていくという意識を自分の中に持ち続けたいなと思いました。そして、ゴールを描いて、明日からも子どもたちの支援にあたりたいと思います。

令和7年度 現場の先生のための即実践講座

令和7年度の即実践講座は、講師に鳥取大学大学院 教授の井上雅彦先生をオンラインにお迎えしての講座です。
夏休み明けの今回は「ペアレント・トレーニング」についてお話しいただきました。
名前を聞いたことはあるけど、内容までは詳しく知らなかった、という感想もあり、貴重な講義になったと思います。

 『 第5回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和7年10月22日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「不登校支援」
講 師:井上 雅彦 先生(鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは、第4回「「ペアレント・トレーニング」の講義を受講された参加者の方からの感想です。

○ ペアレント・トレーニングは興味があり、担当していた児童の保護者にも紹介したことがあります。実際に、詳しい内容まではわからなかったので、今回はとても勉強になりました。また、親だけでなく、教員の研修にも使えるとのことで、実際に学校でも学ぶことができたら、児童への関わり方が変わるなぁと思いました。ありがとうございました。
○ ペアレント・トレーニングについて気になっていたため、実際にどのようなことをされているか知ることができてよかったです。保護者の方は、特にできていないことに注目が向いてしまうと思うので、できている部分や子どものいいところを探してほめることが大切であることを改めてお伝えできるといいなと思いました。また、ほめることが全て強化しになるとは限らないため、本人の視点に立って考えて取り組むことが大切だとわかりました。
○ ペアレント・トレーニングに取り組むことで保護者が変わり、それによって子どもが変わり、それがまた保護者の自己肯定感を高めさらに子どもへの対応が効果的なものとなっていき、それがまた子どもの行動の変化や自己肯定感を高めていくことへとつながっていく。上手に取り組み進めていくことができれば本当に良い好循環を生むのだなと思いました。そういったものにするには単にペアレント・トレーニングを実施するだけではなく、保護者の方への様々なフォロー体制も必要だなとも思いました。
○ ペアレント・トレーニングについて気になっていたため、実際にどのようなことをされているか知ることができてよかったです。保護者の方は、特にできていないことに注目が向いてしまうと思うので、できている部分や子どものいいところを探してほめることが大切であることを改めてお伝えできるといいなと思いました。また、ほめることが全て強化しになるとは限らないため、本人の視点に立って考えて取り組むことが大切だとわかりました。

令和7年度 支援ツール勉強会の報告とお知らせ

18歳の春を目指すクラブによる支援ツール勉強会が今年も始まりました!!
今年も講師は武蔵博文先生にお願いしています。
第2回目はサポートブックの作成です。
サポートブックは、お子さんの特性や困りごと、得意なこと・好きなことなどを、学校や園の先生方にわかりやすく伝えるための情報共有ツールです。
はじめて作成する人はもちろん、作成したものを先生に見てもらって改善するチャンス!
ぜひお気軽にご参加ください。

 第2回 テーマ「周りの理解を図ろう」

日時:令和7年10月6日(月)10:00〜12:00
場所:育てる会事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐんグループ療育利用者 500円(各回)
申込:チラシのQRコード、LINE、メール、Fax.086-955-6748
正会員の方は無料です!

  支援ツール2025 第1回報告

今年度も、元香川大学教授のぐんぐんアシスト武藏博文先生が担当してくださいました。
9月9日(火)、育てる会事務局1Fの大広間にて開催し、参加者7名で行いました。
今回は「前向きに自信を持とう!」をテーマに、前半は先生に講義をしていただきました。
後半は、サポートシートを使って、実際にチャレンジ日記の作成に取り組みました。
それぞれのお子さんに合うチャレンジ日記をつくるために、先生がサポートシートを準備してくださいました。
まだ幼児期のお母さんも参加されており、初めての挑戦に頭を悩ませていましたが、武藏先生や、先輩お母さんから「こういうのにしたら?」「まずは自信を持ってできることで褒めてあげられるといいね」などと助言をもらい、今困っていることではなく、今できていることをベースに本人の自己肯定感を高めていくチャレンジ日記を考えることができました。
困りごとについても、先輩お母さんたちから「それはうちも通った道です!」「少しずつできるようになるから大丈夫」などの励ましがあり、共感できる空間に涙されるお母さんもいらっしゃいました。お母さん同士の交流の場って少なくなってきているので、交流しながら学び合えるこの会がとてもいいなあと思っています。
私自身も、現在高校1年生の長男が小学校1年生の時、学校へチャレンジ日記を持って行き、担任の先生と私とで息子を褒める3者面談を週に1度していたことを思い出しました。できたことを二人で褒め、次の目標を一緒に考え、2週続けてできたことにはご褒美とは別に「卒業」として100円を渡すという仕組みでした。
うわぐつが履けなかったり、帽子を脱げなかったり、チャイムが鳴っても図書館から戻れなかった息子が、『できた!』『できた!』『できた!』と、少し頑張ったらできることを、一つずつ取り組んでいき、周りの大人から褒められた経験が、現在自信を持って生活できているということに繋がっているのかなと感じます。
まさに、「周りと認め合う関係づくりから、自分で自己肯定感を高める支援」だなと、先生のお話を聞きながら思いました。
小さい頃は、まず「できていること」から始めると良いですね。
困っていることをできるようにする支援ツールではなく、できていることや少し頑張ればできそうなことを、チャレンジ日記を使って褒め、自信につなげて自己肯定感を高めていくツールなのだと、改めて皆さんに伝えたいと思いました。
(スタッフ:K)
参加者からの声をたくさんいただいています。一部を紹介させていただきます。
○ 自己評価によって自己肯定感が高まるということがわかりました。
○ どうしても「できていないことをできるように」と無理をさせがちですが、できそうなことやできていることを好きなことと組み合わせてチャレンジすることが大切だと改めて感じました。
○ 勉強会の前に動画で予習できたのが良かったです。どんなチャレンジにするか考えることができ、当日はスムーズに作成シートに記入できました。
○ 事前にYouTubeで先生のお話を聞けたので、当日の話もより理解しやすく、案を考えるのに役立ちました。
○ チャレンジするには声かけや子どものやる気の問題もあり、なかなか続かないこともありますが、それでも続けた方が良いと思いました。
○ トークンは療育の中でも行っていますが、今回のお話は大人でも実践できそうだと感じました。今の年齢では「1週間後にご褒美」は難しいですが、記録が残り振り返りができるのは親子のコミュニケーションの時間にもなると思いました。
○ チャレンジ日記もどきは続けていましたが、久しぶりの支援ツール勉強会で、改めて基本に立ち返ることができました。ありがとうございました。

ここから下 ↓は 正会員向け行事のご案内 です。
※ 正会員について
    資格:自閉症のお子さんのいるご家庭で、原則 岡山県在住の方
                 (会員向け行事は岡山県内にて開催のため)
    会費:入会金3,000円+月会費1,200円×3月末まで (次の年から年会費:14,400円)
    特典:正会員向け行事参加
【 キッズルーム、サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室、木工教室、AAO活動(ガイドヘルプ活動)、木工教室、クリスマス会、OHAの会(高機能)、座談会(クッキング、マッサージ)、18歳の春を目指す会、さをり織り教室、はやぶさの会(男の子)、クローバーの会(女の子)、わいわいHoliday(青年の会)、おやじの会(山のぼり、BBQなど)】  など
        セミナー等 正会員料金、毎月会報郵送
※賛助会員について
    資格:どなたでも
    会費:入会金 不要、年会費 3,000円(入会された月から1年間)
    特典:セミナー等 賛助会員料金、毎月会報郵送
正会員・賛助会員・療育・セミナー・連続講座等 申込み
  http://sodaterukai.org/policy1.html

木工教室のお知らせ

いよいよ木工教室の開催日が近づいてきました!!
今年作るのはオリジナルの木製時計です。キットは木工作家の川月清志先生が用意してくださるので、初心者の方でも大丈夫です。糸ノコを使って、自由にくり抜いてみましょう。
うっかりと申し込みを忘れておられる方はお急ぎくださいね。
日 時:令和7年10月11日(土) 10:00〜12:00  (雨天の場合は、翌12日(日))
場 所:おひさまハウス(赤磐ぐんぐんの建物) 中庭 (赤磐市和田194-1)
指 導:川月 清志 先生(工房川月:高梁市)
参加費: 一人 1300円(材料費)  定員:12名
申 込:育てる会 LINE か E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp (正会員限定)

資産運用セミナーのお知らせ

「資産運用セミナー」とは、少し大げさですが、近頃はNISA(ニーサ)だとかiDeCo(イデコ)だとか、横文字の言葉もよく聞きますし、我が子の将来についても家族信託とか遺言型信託などの話しを耳にすることがありますね。
分かっているようで、あまり分かってない・・・そこで育てる会としても、この機会に改めて専門家の方をお呼びしてお話しを伺ってみようということにいたしました。お呼びするのは、育てる会のメインバンク(?)の中国銀行の行員の方です。
育てる会の会員の方には主に親なき後の信託関係のお話、職員(ぐんぐんグループの指導員)の方には主にこれからの資産運用についての話と、2部構成になると思います。
育てる会の主催ですから特定の商品を勧めるということはありませんので、安心してご参加ください。
会場とオンラインのハイブリッドで開催予定です。
日 時:令和7年11月15日(土) 10:00〜12:00
場 所:育てる会事務局 大広間(赤磐市上市355-2) & オンライン(Zoom)開催
参加費:無料
申 込:育てる会LINE、 Tel.086-955-6758、 E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp

みちこさんのおやつ作り座談会 報告

9月12日(金)みちこさんのおやつ作り座談会を開催しました。
当日は参加申込が3名と少なかったため、みちこさん(鳥羽代表)の自宅にて、リングケーキ、にんじんゼリー、水羊羹の3品を作っていただきました。
座談会ではできあがった手作りのおやつをいただきながら、皆さん和気あいあいとおしゃべりを楽しみました。
詳しくは代表の巻頭文にて・・・・

サッカー&ドッジ スポーツクラブ の お知らせ

今年度会員 14名
途中参加も可能です。(兄弟児の参加も可)
第3回 10/11(土)→11/8(土)に変更になります!
次回以降の予定
開催日: 11/29(土)、1/24(土)
時間:10:00〜12:00
場所:岡山大学 体育館
参加費:年1,500円(保険代含む) (正会員限定)
※途中参加は300円×残りの回数分です。

元気を出すための座談会のお知らせ

日時:11月10日(月)10:00〜12:00頃
会場:カフェドグラス(赤磐市下市92−1) (育てる会の川向こう、おしゃれな喫茶店です)
会費:実費
代表の巻頭文で紹介されたにあったように、今回も特にテーマを決めず、子育ての話、学校や職場での話・・・
元気になるためのおしゃべり座談会です。
おいしいランチと共に、ゆったりとした雰囲気の中でお話しませんか。
ほっと一息、お気軽にご参加ください。 (正会員限定)

おやじの会 山のぼりのお知らせ

2度にわたり延期しておりました、おやじの会 山のぼりを開催します!
場所は備前市の「夕立受山」で、瀬戸内海に面しているので天候さえ良ければ、秋の瀬戸内海やそれに浮かぶ島々が一望できる山です。
日時:10月18日(土) 10:00〜12:30頃
場所:夕立受山(瀬戸内海国立公園:備前市穂浪)
持ち物:昼食(弁当)、飲み物、動きやすい服装・靴
申込先:育てる会 正会員 LINE TEL.086-955-6758 (正会員限定)
集合時間等は、参加者の方にお知らせします。

キッズルームのお知らせ

皆さんお待ちかねのキッズルームの日程が決まりました!
涼しくなったので、思いっきり体育館の中で遊びましょう。
優しいお兄さん、お姉さんが待っていますよ!!
日時:10月25日(土) 13:00〜15:00頃 (受付12:45〜)
場所:岡山大学 体育館
持ち物:うわぐつ、飲み物(必要な方)
参加費:500円 保険料込(2歳児から必要・兄弟児も同様)
詳しくは同封のチラシをご覧ください。 (正会員限定)

水泳教室のお知らせ

次回は、11月16日(日)の予定です。 (正会員限定)
   水泳教室 10月中止のお知らせ
OSKスポーツクラブの25m大プールが 9月1日〜10月31日の間 改装工事に入るため、申し訳ないですが9月と10月の水泳教室は中止とさせていただいています。 
8月は元々お休みだったので、3ヶ月空きますが、11月より再開いたします。
ご了承のほどよろしくお願いいたします。

青年部 わいわいHoliday の 報告

青年部 わいわいHoliday は知的障害を伴う青年たちの会です。
なかなか友人たちとお出かけができにくい彼らです。 親たちでそんな彼らに休日を楽しむ機会を作りたいとカラオケやボウリング、会食、小旅行などを企画しています。
今回は、9月13日(土)のジョイフル 岡山平島店にて食事会を行ないました。
詳しい様子は代表の巻頭文にありますが、「来春には大阪のUSJにみんなで行きたい」という話がまとまりました。
青年部では、高校生〜成人男子 で参加者を募集しています。
現在の登録者は6名です。興味のある方は事務局まで問合せくださいね。
育てる会LINEか、Tel.086-955-6758、E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp です。(正会員限定) 
(担当:M & T)

はやぶさの会 の お知らせ

「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
皆で集まって、ボウリングに行ったり、ご飯を食べに行ったり、とにぎやかに楽しんでいます。
友達関係のこと、部活や高校受験などについても色々子ども同士で情報交換したりもしています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟で参加したい場合、兄弟共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの友達作りの会です。
オシャレの話をしたり、カラオケに行ったり、食事に出かけたりと楽しんでいます。
今後は女子ならではのお悩み(恋愛トークとかね)などもできるような仲間になっていけたら良いなと思っています。
引き続きメンバー募集中!!です。
小学生以上のASD診断のある女の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したい場合、姉妹共にASD診断が出ている場合には参加可能です)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪ (正会員限定)
(担当:M)

OHAの会 次回日程のお知らせ

OHAの会とは・・・OHA(Okayama High Functioning Autism)の会は、知的障害を伴わない自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを育てる保護者のための、学びと交流の場です。保護者が子育てのヒントを得て、悩みを共有し合えることを目的としています。
講師紹介・・・講師は、川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科の小田桐早苗先生です。
吉田友子先生の著書『その子らしさをいかす子育て』をテキストに輪読会を行い、小田桐先生に丁寧に解説をいただいています。後半は、参加者からの質問や相談に直接答えていただく時間も設けていただいています。
次回は、10月5日(日)です。 (正会員限定)
途中参加も可です☆希望の方は、事務局までお問い合わせください。

お母さんコラム

中3でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小3でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は小3の娘の話。
娘は誰に似たのか、惚れっぽい子です。
小2で初めての彼氏ができ、今は5人目。今の彼氏は3人目の彼氏。いわゆる元カレだった子で、復縁。
最初の彼氏は好き好き好き好きと押しまくって、相手が少し引き気味になり「なんか冷たいし、あまり好きじゃないかも」と娘が距離を取ろうとしたら、慌てて向こうから告白してこられたそうで、クラス中にお祝いされたようですが、数週間でお別れ。
「なんか付き合っても、全然仲良くしてくれないし、男子と遊ぶことを優先するし、これなら彼氏彼女の関係って言えない」とのことでした。
2人目の彼氏は優しい優しい子でした。給食で食べられないものがあったら「俺が食べてあげる!」と食べてくれたり、重たいものを持っていたら「持ってあげる!」と言ってくれたり。居心地は良かったようですが「誰にでも優しいからダメ」とのことでした。
3人目の彼氏はお互いに両想いで付き合いだしたようで、穏やかで優しくていい関係だったそうですが、別の女の子に猛アプローチされてしまい、なんと「取られた」とのこと。
4人目の彼氏はその寂しさを埋めてくれる相手だったそうで、「いい人」的な付き合い方をしていたのですが、略奪された3人目の彼氏と略奪愛の女の子はすぐにお別れしたそうで、「でも今はこの人がいるから」と復縁できず。もやもやするうちに、「やっぱり」とお別れしたそうです。
そして「よし!」とすぐさま復縁しようとする娘に、母としてはストップをかけました。
ASDの【他者視点の難しさ】【細部への注目】ここに極まれり。
自分の言動が相手や周りからどう見られているのか・恋愛とは何か・恋人とはどういう人なのか・付き合うとはどういうことかを丁寧に説明。
「他にも何人も好きな人がいるから無理でも大丈夫、というようなのは恋とは呼べない」
「会えない時間にも『○くん何しているかな』『明日会ったら何話そうかな』とか思う人じゃないと続かない」
「夏休みの一か月半、変わらず大好きな気持ち持ち続けていられるのであれば、告白してもいい」
「告白断られたらと考えたら不安になったり、もしお別れするとなったら涙が出るってぐらいじゃないと告白するべきじゃない」
など、母の思う「恋とは」を切々と説明しました。
本人は納得してくれて、その後始業式の日に告白し、無事にお付き合いが再開したそうです。良かった良かった・・・のかな?
思春期まっさかりの息子に言わせると「ありえん」らしいです。
「そんな次々好きな人が変わるとか、小学生らしいといえばらしいけど、俺にはない感覚だ」と言います。
息子に「じゃあ、恋とは何か・愛とは何か」と尋ねると、
「恋っていうのは基本一人を相手にしている。『こういうのしたい』とか『こうしてほしい』とか『相手にこうなってほしい』とか。なんか自分が中心みたいなイメージ」
「愛っていうのは、別に相手は一人じゃない。家族愛とかペット愛とか自然愛とか、いくつも相手があっていい。相手のために『何かしてあげたい』みたいな気持ちのことだと思う」
と真面目な顔をして伝えてきます。
なんか、すごいな。哲学というか自分なりの考えをちゃんと持っていることにびっくりしました。改めて「母さんは、息子のこと愛してるよ」と言うと「知っとるよ。ありがとう」と少し恥ずかしそうに笑っていました。
二人がこれからどんな人と出会ってどんな恋愛をしていくのか、心配なようで楽しみな母なのでした。
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。
脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は「スタート困難」の話。
私は自他ともに認める「猪突猛進型」の人間です。
やりだしたら、とことんどこまでも追求!!終わるまで止まらない!!
「エンジンが人より2つぐらい多い」と言われるほど、エネルギーが膨大・・・らしいです。
ですが、実は「スロースターター」タイプでして。
この育てる会の毎月のコラム原稿も書き始めるまでは全然ちっとも書けません。
「あーそろそろ締め切りだよなー」「今月何を書こうかなー」「あれとかこれとか?」「でもなー」とチマチマ考えて、全くパソコンを開けません。
やっとのことでパソコンを開いても、やれネットニュースがどうだこうだ、LINEやメールがどうだこうだ、ゲームがYouTubeがと他に気がそれてしまって、なかなか原稿を書くことにたどり着けません。
「やる気スイッチが入っていないんじゃない?」
「興味がないことには力を発揮できないんじゃない?」
確かにそういうところもあるでしょう。
ほんで、締め切りを「○日の○時までには必ず!」とリミットを決められて、初めて書き始めます。そして書き始めて書き終わるまでには一切休まず、あっという間に書き上げます(大体毎回30分ほどで書き終わります)。
こんなにあっさりとできるなら、さっさとやればいいのに、と思うし、逆になんでいざやりだしたらこんなにさっさとやれてしまうのか、とも思うのです。
なんか「作業興奮」って言うらしく、「やる気が出なくても、とにかく手を動かしてやり始めると、脳が刺激されて、だんだん集中状態に入っていく」んだそうです。つまり「やる気→行動」ではなく「行動→やる気」の順番でスイッチが入るそうです。ほほう。
また「人間は『終了したい』生き物なのだ」そうで、途中やめはなんだかモヤモヤ気持ち悪い。走り出したならば、ゴールが見えていれば結果はどうあれ走りきりたい生き物だそうです。
そしてもう一つ、「実行機能の課題があるから」というのはAS特性の強い自分の弱さでもあるなぁと思うのです。
「始めるのはいつでもいい・できる時でいい」と言われると、なかなか終われませんが「この日までに終わらせてください」とリミットを示されると「やらなきゃ!」と見通しを持って取り組める。
私生活では「風呂キャンセル界隈」に足を踏み入れそうになるぐらい「入らなきゃなー」「入るつもりはあるんよー」と言いながらグズグズするし(ちゃんと入りますよ?)、朝も「起きなきゃなー」「今起きた方が焦らなくていいのは分かってるんだけどなー」となりながらグダグダしてしまう(ちゃんと起きて仕事には間に合いますよ?)。
仕事の講演会の発表原稿などでも、本番二日前に重たい腰を上げる!なんてことも。
ああ、家族・子ども・仕事・趣味・休息などの予定を全てバランスよく配分してくれる、「しごでき」の秘書がほしい。
今日からはグズグズ言わずにグダグダせずに、お風呂に入ります。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」です。

ぐんぐんぴっぴ(児童発達支援)

秋風が心地よく感じられる季節になりましたね。朝夕の涼しさの中で元気いっぱいに遊ぶ子どもたちの姿に、私たちスタッフも元気をもらっています。
今回は、幼児期の支援において「日々の積み重ねの大切さ」を実感したAくんと、Bちゃんのエピソードをご紹介します。
Aくんは年中さんで、遊ぶことが大好きで元気いっぱいです。「自分でやりたい!」「手伝わないで!」という強い気持ちがあると、言葉ではうまく伝えられず、そのもどかしさから、叩いたり蹴ったりしてしまうことがありました。
最初は支援者が「こういう気持ちだったんだよね」と代弁するようにしていましたが、Aくんのモヤモヤはなかなか晴れず、同じ行動が繰り返されていました。
そこでお母さんと相談し、「代わりに伝える」から「こんな時はこう言えばいいよ」と具体的に声をかける方法に変えてみることにしました。
どう伝えたらよいか分かると、療育の場ではすぐに真似して伝えられることが増えていきましたが、場面が変わると難しく、すぐには定着が難しい様子でした。それでも、根気強くご家庭でも同じ声かけを意識して続けていただき、療育でも「○○って言ってくれて分かったよ!」と受け止めることで、少しずつ自分の気持ちを言葉で伝えられる場面が増えてきました。
そうなると、かつて見られていた叩いたり蹴ったりといった姿は見られなくなり、Aくんも伝わる喜びから笑顔も増えていきました。
お母さんもAくんの成長を目の当たりにし、経験を通して学んでいく姿に希望を感じられ、現在は「買い物の際のお約束を守る」ことに挑戦中です。Aくんは買い物に行くと、あれもこれも欲しくなり、一個しかダメと言われても、我慢できず大声で泣き喚くためお母さんも根負けしてしまうということでした。
自閉症のお子さんにとって、ルールや順序がはっきりしていない場面は不安になりやすく、大人がつい「今回は特別に」とその場しのぎで対応してしまうと、“約束を守ること”を経験できず将来的に困ることが予想されます。
そこで、お店に行く前に「今日は○○だけ買う」「おやつは一つだけ」とお母さんと約束を確認してから買い物に行くようにされ、どんなにごねられても鉄の心で一貫した対応をされました。時にはAくんが涙することもありましたが、お母さんの努力もあって、約束を守れた経験を重ねていくと、Aくん自身も約束を守れたことを誇らしそうにする様子が見られるようになったと伺いました。
その様子を見たお母さんから、「将来のことを考えて、今から一つひとつ丁寧な関わりを積み重ねることが大切ですね」と話してくださいました。
Bちゃん(2歳)は、入園を意識した時期に大きな課題が見えてきました。
お母さんより、Bちゃんは父母以外から水分を摂取できず、コップも使えないとのことで、今の状態では入園できないかもしれないと、心配を口にされました。
Bちゃんはもともと食への興味が薄く、人や環境の変化に敏感で、新しいことに挑戦することに不安を感じやすい様子でした。以前コップで飲む練習をしようとしたところ、泣いて嫌がったため、それ以来試していない状況とのことでした。
最近、Bちゃんは療育の中で経験を重ねてできることが増えた時期でもあったため、今が再チャレンジのチャンスなのではと思い、「入園をきっかけに、無理なく挑戦できる方法で、コップの練習を始めてみませんか?」とご提案しました。
Bちゃんがコップを使うことが嫌な経験にならないように、ご機嫌の良いタイミングで、Bちゃんの好きな飲み物を使いながら、少しずつ経験を積むといったやり方で進めていくことにお母さんも了承してくださり、療育と家庭の両方で実践していくことになりました。
最初はコップを使うことを嫌がることもありましたが、無理のない成功体験を積み重ねることで、「自分でできた!」という喜びが次の挑戦の意欲につながり、母や支援者の介助でコップから飲むことができるようになり、ついには一人でコップから飲めるようになりました。
さらに現在は、フォークやスプーンで食べることにも挑戦中です。少しずつ自分で食べられる経験を積むことで、Bちゃんの自信と意欲が育ってきています。お母さんも「一度ダメでも諦めずに経験させることの大切さを改めて実感しました」とお話ししてくださいました。
幼児期の自閉症支援では、安心できる環境の中で少しずつ成功体験を積み重ねることがとても重要です。「自分でできた!」という経験は自信となり、将来の学校生活や社会生活に必要な力の土台になります。そのためには、療育だけでなくご家庭での継続的な取り組みが欠かせません。今回のAくんとBちゃんの姿がその大切さを改めて教えてくれました。
これからも、ぴっぴに通うお子さんとご家族がたくさんの「できた!」を経験できるよう、スタッフ一同、温かく寄り添いながら支援を続けていきたいと思います。療育とご家庭での取り組みを通して、お子さんが自信を育み、次の挑戦へとつなげられるよう、一緒に安心して取り組める時間を作っていきたいと思います。そして、将来に向けた力を育むお手伝いを、これからも続けていきたいと思います。           
(ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ:N)

寄付のお礼とお願い

みなさま方から温かいご支援をいただき、グループホーム「ほっぷ1」と「すてっぷ1」で、
みんな楽しそうに暮らしています。ご支援、本当にありがとうございます。

  【育てる会・グループホームへご寄付をいただいた皆様】(R7.8.26〜R7.9.25)

      ○  Y.Y 様 (東京都)
      ○  T.U 様 (岡山市)
      ○  T.N 様 (赤磐市)

育てる会では、現在「ほっぷ」、「すてっぷ」に続く「じゃんぷ」のグループホームの建設を構想中です。
これからもよろしくお願いいたします。
寄付金 振込口座
  中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
  岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽 美智代

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

   会報一覧   育てる会HPへ   てっちゃん通信HPへ