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令和 7年 12月 31日

 

 第332号 

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

 332号 目次

     年の瀬も近く

     即実践講座、夜間連続講座、支援ツール勉強会 の 報告とお知らせ

     クリスマス会・スポーツクラブ ・絵カード作成ワークショップ の 報告とお知らせ

     水泳教室・OHAの会・ヨガ教室 のお知らせ

     はやぶさの会・クローバーの会・青年の会 の 報告とお知らせ

     お母さんコラム

     ちゃーちゃん日記

     私のお薦め本コーナー
         「私の歩んだ 児童精神医学の道」

      ぐんぐんだより
         「ぐんぐんぴっぴ」

     近隣の講演会等のご案内

    

ふと気づけば、もう年の瀬が近い。
いや〜、ほんとに一年が過ぎようとしている。この一年自分は何をしてきたろう??
考えてみても・・思い返してみても・・、何にも浮かばない、覚えていない・・・。
何もたいしたことをしてない証拠ではないだろうか???
歳を取ると残り少ないはずの人生が速く速く通り過ぎてゆくような・・そんな気がしてならない。なんともったいないことだろう。
色んな人に会い、色んな出来事もあったはず・・・。
しっかりとしなければ、なりませぬぞ!! と自分に言い聞かせつつ、今この会報を書いている私。
さて、今年最後の会報の巻頭文です。
育てる会の会報を褒めてくださる方が多くて、嬉しく思っています。毎月たくさんの記事と,盛りだくさんの内容を、担当してくれているスタッフたちの頑張りに支えられています。ただ、私の巻頭文は、日々劣化の一途をたどっております。申し訳ないことでございます。
昔は、皆さんにこんなことを伝えたい・・・、こんな役立つ情報をお教えしたい・・・というような使命感に燃えて会報を作っていたように思うのですが、今は自分のことばかり書いてしまう、ボケ老人一歩手前の私です。
「もうボケてんじゃない??」のお声がどこかから聞こえてきたような気がしましたが、空耳でしょうか?

さて、先日は青年の会が育てる会の事務局大広間(大広間というのはオーバーですが・・・)にて行われました。
その時の様子をお話ししましょう。
青年の会は、知的障害を伴う子と親の集まりです。
青年たちは、友人を上手に作れるスキルを持ちません。どこかへ友人と一緒に出かけたりも出来ません。いつも親とだけでのお出かけですから、つまらないことでしょう。
親にとっても、我が子のために楽しい場を作ってやりたいと願うのは、当然のことです。そういう親の願いと子の想い(言ってはくれませんが・・・)がピッタリ合って実現したのが、この青年の会 わいわいHolidayです。
今回は、参加者10家族、お父さんも参加された家族もありましたから、総勢21人の大盛況での忘年会+クリスマス会でした。
お昼ご飯は各自がそれぞれ買ってきて、ケーキやオードブル、飲み物などは、お世話をしてくださったMママさんが用意してくださり・・・というラフな感じの集まりでした。
たくさん食べて、ケーキの飾り付けは各自でして、カラオケなんかも楽しんだ、にぎやかな会となりました。
『次は何にしましょうか?』 と聞いてみても、誰も答えてはくれません。 でも、
『ボウリングがいい人?』 と問うと、さっと手が上がります。 そして、
『カラオケがいい人?』 と問うと、またそれぞれに手が上がります。
『お食事がいい人?』 の問いには、全員の手が上がりました。
それでは、2月頃にボウリングか、お食事・・・・
そしてなんと、4月12日(日)には、USJへみんなで行こうということになりました。
これは、間違いなく青年たち、本人たちの希望です。
もう青年になった我が子と一緒に、親子だけで行くにはちょっとしんどいなーとも思える大阪へのバス旅行です。
山陽インター近くのバス停から高速バスに乗れば、USJへは直通でいけます。
みんなで行けばなんだか楽しい・・・。しんどい気持ちが少し和らぐ気になりそうです。頑張って出かけたいと思いますので、みなさんどうぞご参加ください。初めての方も青年の会にどうぞご参加くださいね。みんなで行けば怖くない!
申込は、事務局までお願いします。詳しい内容は、追って申し込まれた方に送ります。

ところで、私。最近思うんですけれど、物の整理ってみなさんはどうされていますか?
例えば、書類。我が家には連日たくさんの書類が入ってきます。
セミナーや夜間講座のレジュメやチラシ造りのための資料や案内文。色んなところから来るメールやLINEを打ち出したもの、それから旅行社から来るパンフレット、一度注文しただけなのに、送られてくる通販会社からの洋服や花の種や苗の分厚いカタログ・・・。数え上げればきりがないくらいの大量の郵便物。もしかしたら、中に興味深いものが載っているかもしれないからと、積んでおくと、もう整理に大わらわです。
洋服は、今年はもう買わないと決めているので、カタログは見ないのですが、旅行社のパンフレットは、一応目を通さなくちゃなりません。息子と行く旅で、いいのがあったら見つけたいのです。
円安のため、息子が行きたかったドイツには、まだ渡航資金が貯まっていません。コロナ前に貯めていたお金では申し込めないほど旅行費用が高くなっていますね。
その為、今は国内旅行で我慢してもらっているというわけです。
こうなると、どこでもいいから連れてって欲しいらしい息子ですが、出来たら彼が喜び、私たち夫婦にも楽しめそうな旅行を見つけたいと思っているのです。
話がそれましたが、それらの紙類の始末を年末のこの慌ただしさの中、会報の文章も書かないで、片付けていた私です。たくさんたくさん廃品回収用の紙の束が出来ました。
整理しながら、これはいいと発見したのが、雑誌の切り取りです。たくさんの雑誌の中から、興味がひかれる、料理や園芸、暮らしのアイデアなどのページだけを切り取って、ファイルに整理してみました。ずーっとため込んでいた雑誌がなくなり、私の好きなものだけがファイルにすっきり収まり、とてもいい気分です。
今の時代、どんな情報もスマホ片手にすぐ見つけることが出来ますね。でも私は紙に書かれた情報の方が、頭にすっと入ってくる昭和生まれの人です。それで、このファイリングはこれからの私にとって、とても有益な情報源となりそうです。
哲平の子育て中に読んだ本は、自閉症に関する本ばかりでした。
でも今は、趣味の本や身体の健康について書かれた本など、自分の興味が優先されるようになりました。息子より自分に目が向くようになったということでしょう。これって、豊かな暮らしに近づいているようなそんな気がします。
自分の人生について考えるようになってきた・・・と、そんな感じです。
さて、紙類の整理は、まだまだです。でもね、今日は会報を書かなければなりません。
なぜか会報を書く時期になると急に家の片付けをしたくなったり、庭の草取りがしたくなったりする私です。面倒なことから逃げ出したくなるということでしょうか??
会報の期日も迫りましたから、しかたなくパソコンの前に座って、これを書いているというわけです。
無事に会報が出たら、今度こそ頑張って、紙の整理を完了させたいと思っています。

さて、お話し変わります。
郵便物の中に喪中で年賀の挨拶は出来ませんというはがきが多く送られてきます。また、今年限りで年賀状は終わりにしますという方もおられます。
我が家はどうするかと言うと、年賀状は出すということにしています。
一年に一度、永らくご無沙汰している方へ、年賀状を送ります。お返事が来たら、「ああ〜、ご無事なんだな」と思えて一安心するのです。
この歳になると、毎年多くの知り合いが、旅立たれます。主人の高校の時の同級生は何人も亡くなりました。ラグビー部で一緒だったIさんやSSさん、前に住んでいた地域の幼友達もあいついで二人亡くなりました。
そんな風なので、友人が無事かどうかはこの年賀状でしか、分かりません。年賀状を出せば返信が必ずあります。いわば、お互いの安否確認のようなものです。それで何かがあるというわけではないのですが、お互いの無事を確認すると、ほっとした正月が迎えられるという次第です。
そういう訳で、年賀状は出すこととしている我が家です。
我が家からの年賀状が途絶えたら、私たちに何かあったと思ってください・・・と、まぁ〜年賀状って便利ですよね。
さて、またまたお話は変わります。
私の読書感想文です。ついこの間読み終えた本についての感想を書きましょう。
「成瀬は都を駆け抜ける」宮島未奈:著(新潮社)という本です。
この本は、本屋大賞にもなった「成瀬は天下を取りに行く」や「成瀬は信じた道を行く」という本の続き、3冊目です。
この本を教えてくださったのは、吉田友子先生でした。
早速買って読みました。軽快なテンポで、読みやすく主人公の成瀬あかりは、とても解りやすいたぶんASの女の子です。
揺るぎのない発言力と発想力は、私たちのよく知るASの人そのものでした。
今回の3冊目を読んで私が、感動した部分について書き記したいと思います。
「あっ」
美貴子(成瀬あかりの母)の頭に嫌な記憶が蘇る。
二学期の終わりに行われた三者面談のことだ。
ストーブが入っていてもまだ寒い教室で、五十歳くらいの男性教師がにやにやしながら言葉を並べる。
「あかりさんは協調性がなさすぎます」
「夏休みの宿題、全部やることが目的になっていませんか」
「運動会で優勝しても一人だけ喜んでいませんでした」
あかりの言動に苦言を呈されることは過去にもあった。いつも美貴子は適当にかわしてきたが、その担任の指摘はあまりに陰湿だった。
「お母さんからもちゃんと言ってあげてくださいよ」
ひとつひとつに反論したいところだが、相手が考えを改めるとは思えない。
美貴子はただ一言、ぽつりと言った。
「そういう子なので」
教室に沈黙が流れる。担任は,美貴子の言葉の続きを待っているようだったが、これ以上何も言い様がない。隣に座るあかりも無表情のまま担任の顔を見ている。
「わかりました」
担任はわざとらしく息を吐き,面談を締めくくった。
思い出したらムカムカしてきた。あの時は諦めてしまったけれど、もっとあかりの味方をしてあげたらよかった。
別の時、成瀬のお母さんとして,テレビの取材を受けた美貴子さんは、こんな風にアナウンサーに聞かれたのでした。
「あかりさんは二百歳まで生きるって言ってますよね。これを知った時、どう思われました?」
テレビの中の美貴子は一瞬うつむいた後、顔を上げてまっすぐ答える。
「そういう子なので」
・・・・・(中略)・・・・・
「もしかしたら、叶うかもしれないって思っています」
美貴子の穏やかな笑顔を最後に画面はCMに切り替わった。我に返ってあかりを見ると、真剣な表情でこっちを見ている。
「母さんは小六のときにも『そういう子なので』と言ってくれた」
苦い記憶が思い出されて、のどの奥が苦しくなる。
「ごめんね。あの時はそう言うしかなかったから・・・」
「私は嬉しかったんだ」
思いがけない評価に「へっ?」と変な声が漏れた。
「そういう子だって認めてくれているんだとわかったから、卒業文集にも『二百歳まで生きる』と書けた」
あかりの喜びが伝わってきて、美貴子の胸にも熱いものがこみ上げてくる。あの一言が影響を与えていたなんて、思ってもみなかった。
成瀬あかりは、ASのかなりユニークな女の子です。
担任や周りの人たちから、無理解な対応を取られることも多いようです。
でも、この母の『そういう子なんです』という一言が、彼女に自信と前向きに生きていく勇気を与えていると言うことがわかります。いいなぁ〜って思いました。
私たちASDの子を持つ親にとって、非難する人に対してこんなふうに言えたら、どれほど子どもにとって嬉しいことでしょう。親自身が困った子だとおもっていない・・・、諦めているのとは違うお母さんの言葉です。
「そういう子なんです」たくさんの言葉を連ねても、わかってもらえないだろうな〜、でもそれ以外の言葉では表せない
『そういう子なんです。それで充分なんです。わかりませんよね。人と比べたりしてもらいたくない。この子はこのままでいいんです。なにか問題でしょうか?』とわが子を肯定的に伝える言葉が、『そういう子なんです』だったのですね。
素敵なお母さんのもとで大きくなった成瀬あかりは今日も都を駆け抜けて、信じた道を行く。そしていつか天下を取りに行くのかもしれません。
人は全面的に理解してくれる人がいれば、誰になんといわれようと、他人の評価なんてどうでもいいと思えるのではないでしょうか?
私にもそういう人がいます。だから元気で頑張れるんです。
子どもにとって母親の評価って、人生を左右するって思います。
私も美貴子さんのような母になりたいと、切に切に思いました。

いよいよ「もういくつ寝ると〜お正月♪』ですね。
そういえば哲平は、甥が高校生になったら5千円あげるつもりらしいです。
「○○(孫の名前)、高校生、5000円?」 と、聞いてきました。
「そうだね。でもまだ中学生だから、2000円でいいと思うよ」と答えると、そうなんだという顔をしていました。
私の子育ての目標は、兄弟の結婚式にでられる人になって欲しいことと、甥や姪が出来たら、おじちゃんとしてお年玉をあげられる人になって欲しいということでした。
二つとも叶えることが出来て、今私は幸せです。
さてこれからの目標は、何にしましょうか?
親がいなくなっても、地域である程度の支援を受けながら、自立して生きていって欲しいと言うことでしょうか?
またまた、大それた願いを・・・と言われそうですが、兀兀(コツコツ)頑張れば、きっと叶うはずと思っています。
何しろ私の願ったことは、今まですべて叶ってきたのですから、今度もきっと叶うはず・・・、叶うと信じて生きていこうと思います。
来年もきっとよい年になることでしょう。皆さんも、よいお年をお迎えくださいね。
それではまた来年お会いしましょうね。
(鳥羽 美千子)

支援者向け 発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐

令和7年度、赤磐市との共催による「発達障害支援 夜間連続講座 in 赤磐」です。
今年の講座は、全国の菊池道場の道場主として、子ども達のコミュニケーション力を伸ばすことに力を注がれている、教育実践研究家の菊池省三先生の講座です。

第7回は「言葉を超えたコミュニケーションの可能性」のテーマで、言葉だけではない非言語のコミュニケーションの大切さについて学びました。考えてみると、自閉スペクトラム症の子どもたちにとっては、言葉以上に難しい“非言語コミュニケーション”かもしれませんね。
教室内の空気感や相手の表情、しぐさに込められた意図などを読み取る力の弱い子どもたち、支援においてはより丁寧な配慮が求められるのでは・・・と考えさせられた講義でした。
次回はコミュニケーションの中でも、学級運営やトラブル対応など、より実践的な対応のお話です。おちおち正月ボケなどしておられませんね・・・1月6日(火)というと始業式の学校もあるのでは。菊池先生のお話も残すところあと3回、3学期に向けてがんばりましょう。

  『 第8回 発達障害支援夜間連続講座 in 赤磐』

日 時:令和8年1月6日(火) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「学級運営とトラブル対応におけるコミュニケーション」
講 師:菊池 省三 先生(教育実践研究科:菊池道場 道場主)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会、赤磐市
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円、
赤磐市在住・在勤者 無料(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
第7回「言葉を超えたコミュニケーションの可能性(非言語コミュニケーション)」に参加された方からの感想です。

○  今回もたくさん心に響く言葉、お話を伺うことができ本当によかったです。言葉を発しない子や言葉での発信が苦手な子も多い支援学校では地域の学校以上に非言語を使っているというか、使わないといけない場面が多いです。教師からの発信も教師が子どもを理解する(思いを受け止める)こともどちらもです。もっともっと自分自身を鍛えなくては=授業力を高めなくては と思いました。明日また子ども達に会うのがいつも以上に楽しみになりました。
○ 聞く力は非言語が93%ということに衝撃でした。大事なことをあえて大きな声をしたり間をとったりはしていましたが、あえて小さい声にしてひきつけるという方法を最近していなかったと反省しました。「心は皮膚にある。」にすごく納得しました。握手だけでなく表情・口元・体のこわばりなども確かに心を感じる非言語だと思いました。
○ どうしても言葉に注目して進めたいこともありますし、自分としても言葉に頼って伝えたいと思ってしまうこともありますが、非言語の部分に注目することの大切さを感じました。声量や間の取り方にも気をつけなければいけないと思えました。
○ 本日の講座でもたくさんの実践を見せていただきながら“非言語”の褒め方を見させていただきました。実践やお話から、言葉だけでなく全身で褒めるということは、つまり嘘のない、口先だけじゃない本心から褒めるということだなと感じました。
また、先生という立場だと、子どもの気になる言動をついつい指導しがちですが、敢えて違う部分を褒めることで、子どもとの信頼関係が生まれ、結果的に子どもの言動が変わるというのは新しい気づきで、子どもたちの良いところに目を向け子どもを信じることが大切なんだなと感じた。私自身も日々の子どもとの関わりの中で意識して実践していきたいなと思いました。

現場の先生のための即実践講座

令和7年度の即実践講座は、講師に鳥取大学大学院 教授の井上雅彦先生をオンラインにお迎えしての講座です。
今回のみなさんからの感想は、先月の「ゲーム障害」に参加された方からのものです。
一言でゲームといっても、障害のあるなしに関わらず、多くの子どもたちの日常に入り込んでいるもので、どこからが「ゲーム依存症」といえるのかは難しいですね。
ASの家庭でよくトラブルになるのは、“やめられない”という特性だと思います。
でも井上先生の解釈は新鮮でした。「そもそもゲームにはやめられるものと、やめられないもがもある」という視点でした。
たとえば、一人でコツコツやっている「マインクラフト」なら途中でもやめられるけど、仲間と一緒に敵と闘っている「フォートナイト」なんかの最中だったらやめられるわけがない。そんな時に「ご飯だからやめなさい!」なんて声をかける・・・それはそんな場面に声かけをしてしまったお母さんの方に無理がある、ん〜ん、納得です。
要は、子どもがどんなゲームをしているかを知り、事前に約束(契約)しておくことが肝要なんですね。
本人を中心においての支援の大切さを改めて感じさせられたお話しでした。

  『 第8回 現場の先生のための即実践講座 』

日 時:令和8年1月21日(水) 19:00〜21:00
場 所:オンライン開催(Zoom) 【後日配信あり】
テーマ:「問題行動への具体的支援」
講 師:井上 雅彦 先生(鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)
主 催:NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会
参加費:一般 23000円、賛助会員 20000円(全10回分)
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://sodaterukai.org/policy1.html
それでは11月26日(水)に第6回「ゲーム障害」のテーマで行なわれた、「自閉症・発達障害とネット・ゲーム依存〜その理解と支援〜」に参加された方からのアンケートです。
12月23日(火)の第7回「問題行動と機能的アセスメント」の感想は、締切の関係で来月号にて報告させていただきます。

○  発達障害の特性がゲーム依存に関係していることがわかりました。依存を改善するためには、親とのコミュニケーションやルール作りが大切であること、依存している理由を理解することが重要だと感じました。また、好きなことや楽しみなことを増やしてあげる必要や親へのアプローチの必要性もあると分かりました。
○ ゲーム障害とまでいかなくてもゲームがやめられないというお子さんは結構多いと思うので、今回どういう対応をしていけばいいのかを学ぶことができて良かったです。
行動契約を決めることが有効という話が印象に残っていて、関係性をつくったうえでルールをつくっていくことが大切なのだと学びました。いろいろな楽しみをつくるということも大事にしていきたいと思いました。
○ ゲームをしても学校に行けてるなら依存ではないというお話を聞いて依存の概念が変わりました。また、延長したいなら労働した対価として、というお話も印象的でした。
○ ネット、ゲーム依存への対応、興味深くお聞きしました。親や教師が勉強しておかなくてはいけないことがたくさんあるなと思いました。子ども達はどんどん吸収して大人を置いていってしまうと思うので‥。そうなる前、とても小さい頃から考えておかなくてはいけないことですね。動画を見せておけば大人しくしてくれているから‥などと大人が仕向けておいて、勉強してほしい年齢になったら取り上げるでは、子どももたまったものではありませんね。大人が学ぶ機会が大切と思いました。
○ ゲームに依存してる本人にだけ目を向けるのではなく、その背景に何があるかを考えることが大事であることを学びました。
行動契約法。このことを、親が知っていて、導入からしっかり考えることでうまく付き合えるようになるのかもしれない、と思いました。
環境因子を考えるとき、親が共働き、子どもと関わる時間が取れない。自分の時間も確保したい。そういうものもあり、ついスマホを子どもに与えてしまう、ということもあるのかと思います。では、どうしたらよいのか、、、。難しい問題だなと思いました。支援者としては、子どもにゲーム以外のたのしいこと、余暇スキルをみつけること、生活スキルをあげていくことを一緒にやっていきたいと思いました。

支援ツール勉強会の報告とお知らせ

18歳の春を目指すクラブによる支援ツール勉強会を開催しています。
今年も講師は武蔵博文先生にお願いしています。
12月1日(月)には、第4回支援ツール勉強会を開催しました。
今回のテーマは「手際よくスムーズに」― 工程や順序を見通して行うためのコツ ―
課題を小分けにする方法や、手順書の作成について教えていただきました。
勉強会では、先生のお話やサンプルを参考にして、課題の小分けシートを使いながら、それぞれのお子さんに合う手順書を考え、その内容を伝え合う時間を設けました。
「今、お子さんができていないこと」「少し頑張ればできそうなこと」をテーマに、個々に合った手順書を考える取り組みでした。
人前で話すことに少し緊張しながらも、「こうしたらどうかな?」「うちはこうしているよ!」と参加者同士で活発に意見や助言が飛び交い、「なるほど、そんなやり方があるんですね」と、たくさんの気づきと学びがありました。
勉強会を通して大切だと感じたのは、「Webに載っているからこの方法が正解」ではなく、“わが子に合ったやり方”を見つけていくことです。
例えば、
・手順書の中に好きなキャラクターを入れる
・分かりやすくする印を、好きなキャラクターにする
など、子どもが取り組みやすくなる工夫が紹介されました。
手順書は作って終わりではなく、使ってみてうまくいかなければ改善していくことが大切です。
最初は一緒に取り組み、少しずつ一人でできるようにしていきます。つまずいている部分は、子どものできるやり方に改善していくことが必要となります。
「ここは難しいから省く」「ここはもうできているから省く」など、柔軟に調整していきます。
手順書があることで、
・課題に集中し、安心して取り組める
・人に聞かずに自分でできたという達成感を感じられる
・一人でできることが増える
といった良い経験ができます。
頭の中で順序立てて考えることが苦手な子どもたちにとって、「見て確認しながら、一人でできた!」という経験を積むことはとても大切です。
手順書は、その安心と成功体験を支える大切な支援ツールだと改めて感じた勉強会となりました。
〜以下、参加者のみなさんの感想です〜
・勉強会に初めて参加し、とても和やかな雰囲気でした。今回は手順書という事で、これから小学校になら上でさらに視覚支援が、とても重要だと感じました。他の保護者の方のお話に、うなずくこともただあり、自分だけではない!頑張ろうと言う気持ちにもなりました!
完璧にしなくても できる所から たくさん褒めてあげる事、本人にあったやり方どういった事につまずくか、しっかり観察しメモをとる!そして習慣づけ、不安を少しでも回避できたらと思いました! 手順書のサンプルとてもわかりやすかっです!
ありがとうございました!
・今回も、とても分かりやすく教えていただき、すぐに作業に取りかかることが出来ました。
実際に作られた手順書もたくさん見せていただけて、参考になりました。冬休みに向けて取り組んでいきたいと思います。
・手順書とかで表したらやりやすいだろうな…と思いながらもついつい口頭で言いがちだったので、改めてまたやってみようと思いました!
また、いろんな手順書を見せていただき、すごいなーと思うものばかりでした。参考にして頑張ってみようと思います。ありがとうございました。

  第5回目 「何を言われても大丈夫」  トラブル場面での対処法と感情コントロール

周りからの圧力やからかい、ちょっとしたトラブルの時に、どう対処すればよいのか分からず戸惑ってしまう…そんな場面は、お子さんにとっても保護者の方にとっても、大きなストレスになりやすいですよね。
今回は、トラブルが起きたときの対処の仕方を学びます。武蔵先生の 『カンジョーレンジャー』 を参考図書として、分かりやすく解説していただきます。
また、書籍の中に出てくる「カイケツロボ」の説明と、すごろくゲームを交えながら、楽しく学べる内容です。
参加者みんなでワイワイと楽しみながら、感情コントロールを一緒に学んでいきましょう! ぜひご参加ください。
日時:1月7日(水)10:00〜12:00
場所:育てる会事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
参加費:正会員 無料、賛助会員・ぐんぐんグループ療育利用者 500円(各回)
申込:チラシのQRコード、LINE、メール、Fax.086-955-6748
正会員の方は無料です!

ここから下 ↓は 正会員向け行事のご案内 です。
※ 正会員について
    資格:自閉症のお子さんのいるご家庭で、原則 岡山県在住の方
              (会員向け行事は岡山県内にて開催のため)
    会費:入会金3,000円+月会費1,200円×3月末まで (次の年から年会費:14,400円)
    特典:正会員向け行事参加
【 キッズルーム、サッカー&ドッジスポーツクラブ、水泳教室、木工教室、AAO活動(ガイドヘルプ活動)、木工教室、クリスマス会、OHAの会(高機能)、座談会(クッキング、マッサージ)、18歳の春を目指す会、さをり織り教室、はやぶさの会(男の子)、クローバーの会(女の子)、わいわいHoliday(青年の会)、おやじの会(山のぼり、BBQなど)】  など
        セミナー等 正会員料金、毎月会報郵送
※賛助会員について
    資格:どなたでも
    会費:入会金 不要、年会費 3,000円(入会された月から1年間)
    特典:セミナー等 賛助会員料金、毎月会報郵送
正会員・賛助会員・療育・セミナー・連続講座等 申込み
  http://sodaterukai.org/policy1.html

クリスマス会の報告

12月20日(土)に岡山大学の体育館にてクリスマス会を開催しました。
当日は21名のお子さんとその保護者の方々、そして16名の岡大ボランティアの皆様、4名の高校生ボランティアの皆様が参加してくださり、大変にぎやかな会となりました。
岡大体育館でキッズルームやサッカー&ドッジスポーツクラブに来られているお子さんたちは慣れた様子で、ボランティアのお兄さん、お姉さんと遊んでいました。
その中でもビンゴは大盛り上がりでした。育てる会のビンゴは待つことが苦手なお子さんも楽しめるよう、通常より少ない数字で進行。ビンゴを待つ間もワクワクした表情が見られました。
サンタさんからビンゴの景品を受け取った子どもたちからは大喜びの笑顔が溢れていました!

サッカー&ドッジ スポーツクラブ の 報告とお知らせ

11月29日(土)に岡山大学の体育館にてサッカー&ドッジボールスポーツクラブを開催しました。
岡山大学のお兄さん、お姉さんと一緒に広い体育館で思いっきり体を動かしました。
新しいお友達も募集中です。体験・途中参加も可能です。
興味がある方は、育てる会事務局までお問い合わせください。
次回は本年度最後の活動で2月21日(土)です。
日にちが変更になっておりますので、お気を付けください。
※1/24(土)→2/21(土)に変更になります!
時間: 10:00〜12:00
場所: 岡山大学 体育館
参加費: 年1,500円(保険代含む)
※途中参加は300円×残りの回数分です。 (正会員限定)

絵カード作成 ワークショップのお知らせ

次回の絵カード作成ワークショップは、土曜の午後の開催です。
みなさんが参加するのは、どの曜日、どの時間がいいのか、いろいろ変えてみて模索中です。
PECSやスケジュールなどで使う絵カードは、お子さんが普段よく見ていて、理解できるものでなくては、伝わりませんね。
具体物であれば、写真に撮ってカードにすることが簡単で、しかもわかりやすいと思います。
そこで、スマホやパソコンで簡単にカードを作るやり方を紹介します。
くわしくは同封のチラシをご覧ください。

  次回 「絵カード作成 ワークショップ」

日 時 :令和8年1月24日(土) 14:00〜16:00
会 場 :ぐんぐんタッチ(赤磐市上市355-2) (事務局と同じ建物です)
参加費: 300円(材料費)
申 込 :チラシのQRコードより  (正会員・ぐんぐん利用者 限定)

水泳教室のお知らせ

日 時:令和8年1月18日(日) 15:30〜17:00
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
★水泳教室に新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
体験してみたい方は、2回までOKです(1回 1000円)。
プールは正会員限定で、育てる会の貸し切りで使っていますので、安心してお越しください。 (正会員限定)
★欠席される方は1月15日(木)までに事務局に連絡してください。
(担当: I & S)

OHAの会 お知らせ

OHA(Okayama High functioning Autism)の会は、知的障害を伴わない自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを育てる保護者のための、学びと交流の場です。
保護者が子育てのヒントを得て、悩みを共有し合えることが目的です。
今年度の講師は、川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科の小田桐早苗先生です。
吉田友子先生の著書『その子らしさをいかす子育て』をテキストに輪読会を行い、小田桐先生に丁寧に解説をいただいています。
後半は、参加者からの質問や相談に直接答えていただく時間も設けていただいています。
次回は、2月14日(土)です。 【当初の予定 2/7より変更になっています】   ※ ご注意ください
          10:00〜12:00 (Zoom開催) 
途中参加も可です☆ 希望の方は、事務局までお問い合わせください。 (正会員限定)

ヨガ教室 の お知らせ

日時:1月11日(日)9:00〜10:00
場所:育てる会 事務局 大広間(赤磐市上市355-2)
持ち物:バスタオル、飲み物、ヨガマット(お持ちの方は)
申し込み先:育てる会正会員LINE、 TEL086-955-6758
※育てる会正会員 先着3名様まで当日無料体験ができます。 (無料体験は正会員限定)
主催は、ヨガインストラクター 今井麻記子先生の教室です。
毎週日曜日9:00〜山陽ふれあい公園で「めぐりんヨガ」を行なわれています。
1/11 当日は山陽ふれあい公園が都合で使えないため、育てる会で場所提供です。
ヨガマットがない方はバスタオルを敷いて行います。トレーナーなどの動きやすい服装でお越しください。基本は裸足ですが、寒いときは靴下を履いたままでも構いません。

はやぶさの会 の お知らせ

「はやぶさの会」は、ASDの育てる会正会員メンズたちの友達作りの会です。
子ども達が小学生〜高校生と幅広くなってきていて、なかなか予定が合わなくなっています。
春休みあたりには子ども達の会も企画したいところですが、親たちは喋りたい!!
ということで、「はやぶさの会 親だけ飲み会」を開催します♪
思春期あるあるや学校や地域のこと、友達関係の悩み・高校入試や高校生活のことなど、色々話せたらいいなと思っています。
「はやぶさに子どもを参加させるか迷い中」「どんな雰囲気なのか知りたい」という方は、まずはお母さんだけで参加してみませんか?

  『 はやぶさの会 親だけ飲み会 』

日 時  2026年1月11日(日)夕方
場 所  岡山駅前付近
参加費  不要(自分の飲食代はご自身で) (正会員限定)
メンバー大募集中!!小学生以上のASD診断のある男の子・友達がほしいなと思っている子が対象です(兄弟で参加したいという場合、その兄弟にもASD診断が出ている場合には参加可能)。
ぜひ事務局(086-955-6758)までお問合せください♪
(担当:M)

クローバーの会 の お知らせ

「クローバーの会」は、ASDの育てる会正会員女子たちの会です。
学期に一回程度集まって、皆で一緒にご飯を食べたりアスレチックで遊んだりおしゃべりしたりを楽しんでいます。
12月14日(日)に、クローバーの会メンバーで集まりました。
今回は、クリスマス会inカラオケボックスということで、皆でお昼ごはんを持ち寄って、ご飯を食べたり、おやつをシェアしたり、ドリンクバーを一緒にくみに行ったり、カラオケで歌ったりしました。
久々のカラオケだったので、「上手になってるね!」「こんな歌知ってるんだ!」「〇ちゃんのママが得意な曲、入れてみてよ」など、お母さんたちも盛り上げながらお互いに意識しあいながら、楽しい時間を過ごしました。
次回もとても楽しみですね。
参加された方からの感想です。
2回目のカラオケ、盛り上がりましたね!
親子みんなで楽しめるようになったなーと成長を感じました。
今回もほどよい距離感で楽しく参加させていただきました♪次回も楽しみにしています。
今回はカラオケで、母も子も楽しくてリフレッシュできました♪ 
皆がそれぞれ歌いたい歌を歌って、プレゼント交換したらさあ帰ろうかな〜みたいな、気を使わない気ままな空気感がいつもこの子達の素敵なところだな〜っといつも思います。
大人は周りに合わせ過ぎて疲れる事もあるから。今回は体調不良で来れなかった子もいるので、また一緒に遊びましょ〜!
「クリスマス会したい」「カラオケがいいな」など自分たちからクローバーの会でしたいことを発言するようになっていて、学校や地域の友だちとは違うクローバーの仲間たちを意識し合っているのが良いなと思いました。
親としては「え、うちの子そんな曲歌えるんだ!?(HANAとか)」というびっくりもあり。面白かったです(笑)
次回はピクニックかな? バレンタインでチョコ作りなんかもいいかも? わくわくしますね。
メンバー大募集中!! ASDの診断のある女の子は、男の子に比べて少ないので、貴重な場になるのではと思っています。
小学生以上のASD診断のある女の子で、友達がほしいなと思っている子が対象です(姉妹で参加したいという場合、その姉妹もASD診断が出ている場合には参加可能)。 (正会員限定)
興味のある方は、事務局(086-955-6758)までお問合せください♪
(担当:M)

青年部 わいわいHoliday の 報告

青年部 わいわいHoliday は知的障害を伴う青年たちの会です。
なかなか友人たちとお出かけができにくい彼らです。
親たちでそんな彼らに休日を楽しむ機会を作りたいとカラオケやボウリング、会食、小旅行などを企画しています。
12月21日(日)には、事務局大広間にてクリスマス会&忘年会を行ないました。
詳しい報告は、代表の巻頭文をご覧ください。総勢21名の楽しい会でした。
初めて参加された方も多くにぎやかな会となりました。
これからの予定は、2月頃に食事かボウリング、そして4月12日(日)はみんなで大阪のUSJを予定しています。
青年部では、高校生〜成人男子 で参加者を募集しています。
現在の登録者は6名です。興味のある方は事務局まで問合せくださいね。 (正会員限定)
育てる会LINEか、Tel.086-955-6758、E-mail acz60070@syd.odn.ne.jp です。
(担当:M & T)

お母さんコラム

中3でASDの診断のある特別支援学級(自閉症・情緒学級)に通う息子と、小3でASDの診断のある通常学級+通級指導教室(自閉症・情緒)に通う娘を持つ母が、普段の我が子との日々をつれづれに書いているコーナーです。
どうぞ気軽な気持ちで読んでください。
今日は娘の話。
ある日の夕方、学校から電話がかかってきました。
内容は事務連絡だったんですが、「もう一ついいですか」・・・悪い予感しかしません。
「最近、宿題が出ていません」「ご家庭でよく見てあげてください」とのことです。
えええ!!!?
「宿題は?」「やったよー」「あと音読だけ?」「そうー」を信用してしまっていました。
学童から帰宅後、本人に確認しました。
母「宿題って毎日やっている?」
娘「やってるよ」
母「出してる?」
娘「んー、多分」
母「多分??」
娘「出していない日もあるかも」
母「今日は出した?」
娘「どうだったっけなー。忘れちゃった」
母「・・・ちょっと連絡帳見せて」
娘「えーっと・・・あー・・・明日じゃダメ?」
母「見せなさい」
確認すると、おそらく半月ほどがすっぽり抜けています。
慌てて同級生のお母さんに「今日の連絡帳を書き忘れたみたいで」と伝えて写真を送ってもらいました。
今日の宿題は「計算ドリル32 漢字ドリル練習29J〜S 音読」の文字。
本人の計算ドリルは・・・17で止まっています。
おいー!!!!!!
理由を聞くと
「朝学校に着いたら、友達と色々喋っちゃってて、朝の会前に連絡帳を書くのを忘れちゃう。その後の休み時間は遊ぶのに夢中で」
「宿題も朝の会までに出さないといけないんだけど、喋っていたら出し忘れる」
「学童でも、宿題タイムの時に友達と喋っているから、ちょっとしかできていな」
「終わってなくても、宿題は少しはやっているから、何となく宿題は終わっている気になっていた」とのこと。
イライラMAXの母ですが、時は戻りません。
ひとまず計算ドリルの問題をノートに写すところや筆算の式だけ書いてやり、付箋を貼りまくって「やりなさい」「この付箋のところを全部やり終わるまでは(今日明日)、YouTubeやテレビは禁止」と伝え、親子で取り組みました(漢字はほぼやっていたので、2日でなんとかなりました)。
そして、娘と対峙して話し合い。
「朝学校についたら『おはよう』以外は喋らずに、宿題を出して連絡帳を書く。それができたら、友達と喋ってもいい」
「学童での宿題は、時間内には終わっていない前提でいくから、帰宅したら必ず連絡帳と共に、父か母か兄に見せて『全部できている』とOKもらってから、YouTubeやテレビタイムに移ること」
との約束をしました。
初日は絶望の顔をしていましたが、3日後に聞くと「ママ、これめっちゃやりやすい方法だわ」とのこと。
「そうね、あなたは二つのこと同時にできないから、喋りながら書くとかはできないんよ」と言うと「いい気付きだった」「おかげで、朝テキパキ終わって、外遊びに出れる時間までできた」「給食も同じなの!喋っているから時間内に食べ終われていないんだってことに私気付いたんだよ! すごくない?」とコメントしていました。
うん・・・それ、これまでに何十回何百回と伝えてきたことなんだけどね・・・
「喋らずに手を動かせ」ってやつ・・・
百聞は一見にしかず、百閧ヘ一行にしかず。
やはり本人の実感が非常に大切であるということを確認した母でした。がっくし!!
(cyacya)

ちゃーちゃん日記 (あるASDの女の子のお話)

ASDの子ども二人を育てる母親であり、AS当事者でもある私のこれまでの日々や現在の様子を紹介するコラムです。脈絡ない話や時系列が昔だったり今だったりで、分かりづらいかもしれません。思い出したままをお伝えしていくので、整理されていませんが、お気軽な気持ちで読んでいただき、良ければ「おもろいな!」「不思議!」と皆様の身近にいるASDの人たちの感じ方や暮らし方を知ることに少しでも繋がればと思っています。
今日は、「ルールや決まりって難しいよね」という話。
先日、娘と話をしていて学校のルールや決まりの話になりました。
学校には事細かにルールや決まりがあるそうです。
例えば、
・廊下は走らない
・ブランコで靴飛ばしをしない
・教室移動の時は喋らない
・トイレは休み時間の時に行く
・図書室で本を読む時は、1冊出したら1冊戻す(キープしない/借りる時は別)
・お手紙交換はしない
・シールは持ってこない
・お金は持ってこない
・バトル鉛筆は持ってこない
・名札は学校にいる間だけつける(朝の会でつける/帰りの会で外す)
・給食は口をつける前に、一種類なら、減らしてもいい(0にするのはダメ)
・給食を減らした人は、お代わりはできない
・女子は、髪が肩にかかったらゴム(黒か紺色)でくくる
・制服の下に、体操ズボンは履いてはいけない
・朝学校に来る時にはジャンバーを着ていいが、教室に入ったら脱ぐ(帰りも同様)
・カイロは持ってきてもいいが、貼るカイロはダメ。名前を必ず書いておく
・体や心が疲れた人だけ保健室に行く。元気な人は保健室には行かない
・ジャングルジムやブランコの周りで鬼ごっこや追いかけっこはしない
・1年生が遊べる校庭の範囲はここまで、2年生はここまで・・・  などなど。
学校の基本的ルールだよなというものもあれば、きっと何かトラブルになったから増えたルールなんだろうな・・・というものもあります。
娘いわく「ルールを守っていない人もいる」「そのことを先生に指摘した時、『はいはい』って感じであまりちゃんと聞いてくれない時と、『そりゃいけんな!』と相手に注意する時と『それは、あなたが言うことじゃない』と私が注意される時がある」
「その違いが分からん。納得できん」と言うのです。
ルールや決まりについては学校の先生が指摘したり注意したりするのが基本です。「注意するのは先生です」というやつですね。でも危ない時や緊急の時には、先生に知らせるというのは大事なこと。そういう状況判断や場面理解が難しいなと思います。
そして、もう一つ本人が納得できないこと。
それは「私がしていたら注意されるけど、Aちゃんがしていても注意されないんだよ」という「相手によって許すか許されないかが変わる」というもの。
先生や大人が気付いていなかったから、現場で目視されたものではないからということであれば納得できるんでしょうが、目の前で二人がしていても、片方は指導されない・・・その理由は?
指摘しても言うことを聞かない子だからなのかもしれませんし、頻度や強度が違うからなのかもしれません。
こういう一つ一つに引っかかり、疑問に思う子だから、ASDって日々が生活しづらいんだよなあとしみじみ感じました。
ここから小学校高学年になるにつれ、もっと女子の世界はややこしくなります。
私自身もしんどかった小学校高学年〜中学生の時期に向けてが、心底心配にもなりました。
私もAS特性が強いので「女子は、髪が肩にかかったらゴム(黒か紺色)でくくる」という項目に「男子でも髪長い子もおるやん。こういうところに偏見があるよな」とか細部に注目してしまう私です。
(ちゃーちゃん)

 ぐんぐん だより 
今月の「ぐんぐんだより」、担当は「ぐんぐんぴっぴ」です。

ぐんぐんぴっぴ(児童発達支援)

寒い寒い冬がやってきました。世の中ではインフルエンザが大流行しているようです。
ぐんぐんぴっぴに通う子どもたちは、白い息を吐きながらお友だちと庭で元気に追いかけっこを楽しんだり、「ジングルベル、ジングルベル♪」とクリスマスソングを口ずさんだりしながら、寒い冬ならではの時間を楽しんでいます。
そんな可愛らしい子どもたちの姿に、日々たくさんの元気をもらっているぐんぐんぴっぴのスタッフです。
今回は、日々の取り組みを通して、改めて「親子療育ってやっぱりいいな」と感じた出来事をご紹介したいと思います。
育てる会の療育は、どの事業所も親子療育を大切にしています。もちろん、ぐんぐんぴっぴも親子療育です。
ぐんぐんぴっぴが初めて通う療育機関という方も多くおられます。
療育をスタートされる際に保護者の方からお話を伺うと、「我が子とどう関わっていいのか分からない」「将来が見通せず不安です」といった声を聞かせていただくことが少なくありません。そんな不安や戸惑いの中にあっても、「我が子のために、親としてできることをしたい」という思いを語ってくださる保護者の方が多く、その姿に私たちもいつも心を動かされています。
ぐんぐんぴっぴには、特に『自閉症』と診断されて間もないお子さんが多く通われています。そのため、親子療育を通して、お子さんを理解すること、お子さんの成長を感じていただくこと、そしてお子さんに合った関わり方を一緒に見つけていくことを大切にしています。
年少のAくんは、好奇心旺盛で意欲的、とても活動的なお子さんです。
園では「早くやりたい」という気持ちが強く、思わず前のお友だちを押してしまったり、順番を抜かしてしまったりすることがよくあると聞いていました。先生から注意されると「分かった!」と返事はするものの、同じ場面になるとまた押してしまう・・・・。その様子に、保護者の方も悩まれていました。
家庭でも似たようなことがあり、何度注意しても変わらないことに、つい怒ってしまう回数が増えていたそうです。お子さんを思うからこその葛藤が、痛いほど伝わってきました。
「何度伝えても変わらない」ということは、もしかするとAくんに合う伝え方が、まだ見つかっていないのかもしれません。
そうお伝えし、療育の中で一緒に考えていくことにしました。Aくんに「並んでいる時に前の人を押したり、割り込みをするのはどうかな?」と聞くと、得意そうに「それはしたらダメよ!」と答えてくれました。
そこで「じゃあ、どうやって並ぶのが〇か分かる?」と聞いてみると、「うーん……よく分からん」と首をかしげるAくん。
その姿を見て、保護者の方が「たくさん『ダメ』は伝えてきたから、押したり割り込みがダメなことは分かっていたんですね。でも、どう並べばいいかは伝えていませんでした」と気づきを話してくださいました。
そこで保護者の方と一緒に作戦会議をし、「どう並ぶとよいのか」をイラストで示し、実際にできている場面を見逃さずに褒めていくことにしました。すると、Aくんの姿は大きく変わり、前の人を押したり追い抜かしたりすることなく、楽しみに自分の番を待つことができるようになっていきました。
その様子をそばで見ていた保護者の方は、「並べたことも嬉しいですが、それ以上に、“分かるように伝えたら、ちゃんと応えてくれた”ことが嬉しかったです」と話してくださいました。「何度言ってもできない」と感じていたことが、「伝え方を変えると分かる」という体験に変わった瞬間でした。
親子療育では、このようにお子さんの姿を通して、保護者の方が“気づく”“確かめる”時間があります。支援者からの説明だけではなく、目の前でお子さんの変化を見ることで、「この子は分かっていないのではなく、分かりやすく伝えてもらっていなかったのかもしれない」という受け止めに変わっていきます。その変化は、自然と日々の関わりにも表れていきます。
後日、「つい怒ってしまっていたけれど、今はどう伝えようか考えるようになりました」
「できた時に、『できたね』『すごいよ』と意識して声を掛けるようになりました」
と、家庭での関わり方の変化についても教えてくださいました。
そして何よりAくん自身も、できて褒められる経験が増えたことで、「この前、〇〇してお父さん(お母さん)に褒められたんよ」「〇〇できるようになったんだよ」と、自分のことを嬉しそうに話してくれる姿が見られるようになりました。お子さんに合った関わりが、親子の間にあたたかな循環を生み出していることを感じた出来事でした。
親子療育の中で育っていくのは、お子さんの力だけではありません。お子さんを理解しようとするご家族の力、そして関わり方への手応えが、日々の関わりの中で少しずつ形になっていきます。
その積み重ねが、お子さんの安心につながり、次の成長へとつながっていくのだと、私たちは感じています。
親子療育は、保護者の方が「子どものために」と時間をやりくりし、時には仕事や家のことを調整しながら通っていただく時間でもあります。決して簡単なことではなく、続けること自体が大きな力のいることだと思います。
だからこそ、その一つひとつの時間に丁寧に向き合われている保護者の方に、私たちはいつも頭が下がる思いでいます。
ぐんぐんぴっぴが親子療育を大切にしているのは、この時間が、今この瞬間の、目の前の困りごとへの対応だけでなく、これから先、お子さんが安心して人と関わり、自分らしく育っていくための土台になると信じているからです。
「分からない」「不安」から始まった関わりが、「少し分かってきた」「こうしたら伝わる」という実感に変わっていく??その積み重ねは、きっとお子さんとご家族の豊かな将来へとつながっていくと信じています。
私たちはこれからも、お子さん一人ひとりの成長を見つめながら、ご家族と一緒に考え、一緒に方法を見つけていく伴走者でありたいと思っています。
(ぐんぐんぴっぴスタッフ:U)

以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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