sorry,Japanese only

平成11年1月29日

第 9 号

岡山県自閉症児を育てる会


目次

新しい年に
総会報告
2月例会「先輩のお母さんを囲んで」ご案内
お母さんのための絵画教室
自閉症児のための水泳教室
自閉症児の親たちの勉強会
今月の電話相談
近隣の講演会等のご案内
「娘の自閉症がわかって」
「自閉と向き合う’99 1」

今年も一緒に頑張りましょう

 新しい年が始まりました。同じく育てる会の新年度も始まり、世話人一同新たな気持ちで張り切っています。
 今年は、ノストラダムスの予言した1999年。
「この子といっしょに世界中の人がみんな滅びるなら、それもいいかも・・」などと、恐ろしげなことを口走るお母さんもいましたが、つい弱気が言わせたことばでしょう。
人として生まれてきたからには、我が子に幸せな体験をいっぱいさせ、豊かな人生をおくらせてやりたいと思うのは、親の願いです。 我が子たちは、まだまだ自閉症独特の世界の中で苦労しながら暮らしています。
このいろんなの世の中の楽しさ、喜びはまだ学び始めたばかり。
もっともっと楽しいことがいっぱいあるよ、さあ、やってみてごらん、と教えてあげるには一年では、とてもとても短すぎます。
 予言の書など蹴っ飛ばして、子どもと一緒に歩いていきましょう。
 
 さて、育てる会では、昨年末には賛助会員を含めると93名の会にまでになりました。
でも、暮れの会報8号でお知らせしたように、今年はまた 0 からのスタートにすることにしました。
 
本当に思いを同じにする人たちの集まりとして、みんなで同じ方向を目指して進んで行きたいと思ったからです。
 その方向とは、
きちんと子どもを育て、“一人前”の人間にする。自閉症という障害は持ったままではあるけれど、
きちんとした“一人前”の大人として生活して行けるように育てる。
」というものです。
 そして、その為には、棚から落ちてくるボタモチを口を開けて待っているのではなく、
手を伸ばして、手を伸ばして届かなければ足台を探して来てでも取るという姿勢を求めています。
つまり他人に頼るのではなく、
自ら子どもの為に動いて行こうという思いを持った人の会にしたかったのです。
「子どものため」、を第一義に考え、全ての行事も子どものより良い明日の為になるものをと考えていく会です。
 もちろん、「自ら動く」と言っても、あくまで精神的な面での話です。
お勤めがあったり、まだ小さい弟妹の子育て中であったり、なにより本人が多動の真っ最中であったり・・
今、会の行事に参加しにくい、なんてのは気にしないで下さい。求めているのは意識の話。
ただし、『来たら、すぐ書くアンケート』これだけは守ってくださいネ。
  ま、そういう少々辛口の会員募集で、しかも会の活動のため、会費も一気に四倍の4,000円
(賛助会員の方は倍の2,000円)に上げた事もあり、どれだけの方がこの思いに応じてくださるか?
どきどきしながら申し込みを待ちました。
 「ひょっとすると、また世話人だけの会に逆戻りしちゃうかも・・・
 ところが、事務局のポストを開けるたびごとに、連日思いのいっぱい詰まったお便りとともに申込書が届けられました。
総会の開かれた1月19日までには正会員49名、賛助会員30名の計79名の方の申し込みがありました。
 今、その数の多さに少々とまどいながらも、嬉しい気持ちでいっぱいです。
岡山で本気な人たちが、思いを同じにする自閉症児の親たちが49人もいる。
そして私達を応援しようと賛助してくれる人が30人もいる。
そうなんですよね。皆、本気で子どもの将来のことが気がかりなんですよね。
いてもたってもおれない気分なんですよね。
そんなみんなの思いを集めて、今年もまた一緒に頑張って行きましょう
 子どもたちのために 今ならまだ間に合う事 を、
 
子どもたちのために 今だからできる事 を、
 子どもたちのために 今しかできない事 を。
  やって行きたい。
  勉強したい。
  やらせたい。
 育てる会です。私たち親も力を合わせて、たがいに育ちあいましょう。

総会報告

1月19日、桑野の岡山ふれあいセンタ―において、平成11年度の育てる会総会が行われました。
当日参加できなかった会員の方には総会資料をお送りいたしますので、一度目を通しておいてください。
では、当日の質問や補足説明の中から2点ほど・・
 まず、支出の項目にあるNPO研究費。これは非営利の市民団体でも法人格を取得できるというNPO法について、育てる会としてどうすべきか・・を検討していこうというためのものです。
法人格を持つことによるメリット、デメリット、いろいろあると思うので、まずそこから勉強していこうというものです。
 実は、私たちのような小さな会には無縁の話だと思っていたのですが、先日夏の研修旅行の助成をいただいたキリン財団の方が東京から監査に来られた時に、「できれば、法人格をとっておいた方が、“ちゃんとした団体とみなされる”ということがありますよ。」とのアドバイスをいただきました。逆にこのような法律ができたことで、その法人格を取ってない団体が、いいかげんな会とみなされるというデメリットもあるようです。
会としてはこれから1年間、真剣に検討していきたいと考えています。NPOについては、随時会報にて掲載いたします。
一緒に勉強して行きましょう。

 次に会員数の話。予算で正会員が46名となっているのは、予算を組んだのが1月15日だったので、その時点での会員数でした。
こちらは問題ないと思いますが、問題となるのは賛助会員の会員数。この時点では賛助会員30名、なのに予算では50名・・
実はこの数、目標人数です、
 前にも書いたように、育てる会は自主的に動こうという親たちの集まりです。従って会の活動内容の紹介は続けていきますが、勧誘活動は行いません。あくまで主旨に賛同される親御さんが入っていただければ・・というスタンスです。
 でも賛助会員は違います。自閉症のこと、我が子のことを理解してくださる方は、まわりにひとりでも多い方がありがたいからです。そこで目標50人です。
 担任の先生や近所の方、地域で生きていく我が子のまわりに、援助のネットワークを作っていきましょう。
その為の賛助会員であり、その為の会報になりたいと願っています。
 ・・・それに近所の方になら、会報も手渡し出来て、郵便代も助かり、会の台所も一息つけるし・・・
みなさん、ぜひ勇気をだして、まわりの方に声をかけてください。
もちろん、賛助会員は遠くにお住まいの親戚・知人の方でも結構です。

 さて、話は総会に戻って。
事業報告、会計報告、規約改正、世話人承認、活動計画、予算案、いずれも原案通り可決・承認されました。
 その後、座談会を、とも思ったのですが、時間が少し多めに残ったので、NHK福祉ライブラリーのビデオ『ようこそ私の世界へ “自閉症”ドナ・ウィリアムズ』を、みんなで観て、感想を話し合いました。
 ビデオは『自閉症だった私へ』の作者であるドナ・ウィリアムズさんの英国での生活を1ケ月にわたって取材し、ドナさん自身と「ドナの“感覚の世界”と私たちの“ことばの世界”の中間にいる」と言う夫ポールさんによって、その世界が自らの言葉(一部は文にして)で表現されているものでした。
 観終わってのみなさんの感想は
などなど、でした。
 エンディングの曲が流れた時の会場の雰囲気、始まるまえに比べて、心なしか柔らかくなったように感じられました。

2月例会のお知らせ

 『先輩のお母さんを囲んで』

日 時:平成11年2月23日(火) 10:00〜14:00
場 所:岡山ふれあいセンター(岡山市桑野) 第1研修室
講 師:田中涼子さん
参加費:会員800円、一般 1,000円
申込先:育てる会事務局 Tel.Fax(08695)5−3162
その他:弁当・お茶は各自ご持参下さい。託児が必要な方はお問い合わせ下さい。
兵庫県高砂市にお住まいの田中涼子さん。私たちの先輩で、成人された自閉症のお嬢さんをお持ちのお母さんです。
田中さんは、お子さんが4才の頃、「自分の子どもは、親が自分で育てよう。」と仲間の親御さんやボランティアの方たちと、自主訓練教室『高砂ことばの教室』を作られました。
以来19年、「自分の子ども」だけでなく、地域の子ども達みんなのために、その教室を今でもずっと運営されています。
そんな、田中さん。お子さんが大きくなるにつれ、年長のお母さんたちといろいろ施設見学にも回られたそうです。
そこで目にしたのが、問題行動を抑えるためという名目で、つながれたり、薬づけにされている自閉症児たちの姿だったそうです。
親として、求めるものがないなら、作っていかなければ・・と、自閉症協会加古川・高砂支部の会員の方とともに『ひまわり作業所』を設立されました。
一度見学に行かせていただきましたが、街の中で民家を借りて、本当に“普通の生活”がここにある、という感じで感激しました。それだけ自閉症児・者にとって普通に暮らすというのが大変なのかも知れません。
岡山にもこんな作業所があったらな、イヤ、ないのなら私たちも作って行かなければ・・そんな気持ちに駆られました。
今、田中さんは地域の他のお子さんのために、今度は『第二ひまわり作業所』を立ち上げようと、尽力されているそうです。
そのエネルギーの一部でももらって帰りたい・・・と、この座談会を企画しました。
また、田中さんは子どもさん4人にご主人やご両親という8人家族の中で、自閉症のお子さんを育ててこられました。
小さいお子さんのお母さんには、そちらの面からのアドバイスもいただけると思います。
いつお会いしても、いつまでもお若いほんとに素敵な先輩です。みなさん、ぜひ集まって来てください

「娘の自閉症がわかって」

                     K・K

 昨年の秋、言葉の遅れや新しい環境に慣れにくいことで心配していた4歳の娘が、「自閉症の疑いがある」と言われ、途方に暮れていた頃、偶然「育てる会」の存在を知り、入会させていただき早4ケ月になります。
 まだ、自閉症という障害についても理解が不十分で、我が子のこれからを考えては、不安な思いにかられ、まだまだ頼りない胸中にある私です。
そんな私にとって、会主催の講演や会報を通して、いろいろな方の取り組みや、親御さん達の苦労を知ることができ、本当にいい励みになっています。
 私自身は、11月に我が子が「自閉症」と正式に診断され、専門医療機関で訓練を開始していますが、ようやく、この障害はまず親自身の自覚を変えることから始めなければと、気付きはじめた段階です。 (会のみなさんにはごく当たり前のことと思われるかもしれませんが・・・)
 子供の発達を促すには、専門機関での指導や援助はもちろん必要なことですが、週に何回かの訓練だけでは決して十分なはずがありません。
家庭(特に親)を中心として、その子その子の障害やつまずきにあった働きかけを、意識的に日々の生活の中に組み込んでいったり、一人でも出来ることはできるように生活環境を整えていってあげることが大切なんだ、・・というようなことをようやく自覚しはじめたところです。
 本当に今までなんてわかってなかったんでしょう!
 なんてひとに依存していたことでしょう! ・・・と、反省しきりです。
反省したとは言え、まだまだ気持ちも整理できていないし、混乱している状態ですが、先日、そんな私にこんな言葉で励ましてくださった方がいて、気持ちが少し楽になりました。
1、まず、親自身が我が子をしっかり見つめよう。(我が子のどこにつまずきがあるのかは、親が一番知っているはずだから。)
2、あせらずに、腰を落ち着けて気長に取り組もうよ。
3、親自身が真剣に学び、できることから実践しよう。
  その姿は子供にもきっといい結果をもたらすし、周囲の人の理解にもつながるはず。(でもあせらずに)
4、時には肩の力を抜いて、息抜きも必要。お母さん自身のよき理解者(味方)をつくろう。
 昨年末の会報では、これからの会の方針を読ませていただき、少しずつですが、勇気が湧いてまいりました。
 会の世話人の方々の熱い思いと決意、協力者の方々のご厚意も伝わってきて、いつまでも他力本願でメソメソ、グジグジしていられないと思いました。
 育てる会の諸先輩の“元気”を見習わなくっちゃ!
 だって、なによりも、かけがえのない可愛い我が子を思えば、元気にならなくっちゃ!!

これまで「育てる会会報」はHPに全文をUPしていましたが、容量等の事情により、一部抜粋にさせていただいています。

今後は、会報は会員の方への郵送でお届いたしますので、ご希望の方は賛助会員に申し込みをお願いします。
詳細は「
育てる会 HP」に記載しています。

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