夏合宿への想い K
私たち家族が夏合宿に初めて参加させていただいたのは二年前・・・。育てる会に入会して半年を過ぎた頃でした。
会報で参加者募集の案内を見て、楽しいことが盛りだくさんで、なんだか面白そうなので、思わず飛びつきました。申込日に電話をかけ続けて35分、なんとか間に合い、嬉しくて舞い上がっていました。
しかし、実際に参加してみて愕然としました。まわりでとても楽しそうにしている子どもさん達を横目に、
どうして我が子だけこんなに大変なの?
どうしてそんなにパニくるの?
どうしてボラさんやお母さんの言うことが聞けないの?
普段の生活の中では全く想像できなかった、予測もできなかった(今思えば経験不足だったのですが)、ただただ担当ボラさんに申し訳なくて、班のサポートボラさんも我が子の専属になってしまって・・・。それでも T が落ち着くまでにはかなりの時間を要し、活動のたびに大騒ぎで、暑さが身にこたえました。ボラさんにお任せの時間も気がきではありませんでした。(主人は心配で付いていってしまうし・・・)
こんなに大変な合宿だったけれど、「また来年も・・・」そう思えたのはやっぱりボラさんの笑顔かな・・・?
もし私がボラさんでこんなしんどい思いをしたら、最後にあの笑顔ができたであろうか・・・?
ボラさんから次へのパワーをいただきました。
今年の合宿を無駄にしたくない。
来年に向けてもっと指示が聞けるように、もっと我慢強く、ボラさんと共に集団行動ができるように・・・そんな思いで課題を立て、目標に向かって生活していくようにしました。
まさに生活そのものが訓練でした。
「そこまでしなくても・・・」というまわりの声や視線に針を刺される思いでしたが、このまま大人になっていくことに大きな不安を感じ、
「私がしなければ誰がする?」そんな思いで毎日を過ごしました。
あっという間に一年が経ち、昨年二回目の合宿に参加しました。T、小学一年生。
確かに一年前とはちがう、そう思っていましたが、やはり不安はありました。顔合わせをしているとはいっても出会ったばかりのボラさんと、下見はしたけれど新しい場所で一泊二日という長い時間を本当にうまく過ごせるか・・・
始まってみると、どうにか落ち着いて過ごすことができていました。
ボラさんの指示が通りにくい時もあったようですが、打ち合わせ通りにボラさんが対応してくださったこと、また母親以上にしっかり励まし、認めてくださったことにより、パニックを起こすこともなく、Tにしてはずいぶんがんばったようです。
去年の合宿は「Tちゃん、目立たなかったよねー。」というのが、正直な感想です。でも嬉しかったのは、その目立たなかったTをちゃんと他のボラさん達が見ていてくれたこと。
「今年はがんばっていますね」「去年は大変でしたよね」等声をかけていただき、また元気が出ました。
やっと落ち着きつつある Tですが、今年の合宿(これからの合宿?)の目標は「ボラさんとの付き合い方を学ぶ」というところでしょうか?
ボラさんと過ごす一泊二日の中でいろいろな問題が出てくると思います。
家族とは当たり前にできることでも、第三者と一緒の時にはできないようなこともあるのではないかと思います。本当の意味での課題探しができたらいいなと考えています。
だからボラさんには、子どもががんばったことやよかったことも、もちろん報告してほしいのですが、本当に困ったことや些細なことでも「あれ?」と思えることがあったら教えていただきたいと思っています。
どうしたらスムーズにいくのか、次回に向けてまた考えていきたいし、それを積み重ねていくことで、第三者との関わり方を学んでいけるように思います。
将来、どう考えても Tは家族以外の人と暮らさなければならない日がきます。
その時のためにも第三者と過ごす練習は必要だと思います。
でも、そうそう練習する場というのはなくて・・・。育てる会の行事くらいなのです。(家族が元気なのにわざわざ大変な子を他人に預けることはできないですから・・・)
これもボラさん達が熱心に協力してくださるおかげです。本当に感謝しています。
そして今、企画をしてくださっている世話人の方々、スタッフボラさん、今年は少しでもお手伝いしようと思っているので、よろしくお願いします。
「会報38号」(2001.6)