問11. (正の)分数の掛け算の定義 とは?

『 [ 基準量 ] × [ 比率 ] = [ 総量 ] 』が正解。

--------------------------------------------

例題2. 重さ250gのりんごが3個あります。全部の重さは何gですか?

問7.で見たとおり、りんご1個当りの重さ=250 が[ 当量 ]であり、りんごの個数=3 が[ 個数 ]であるので

『250×3=750 答え. 750g』 が正解でしたね。

この例題は

重さ0.25kgのりんごが3個あります。全部の重さは何kgですか?

重さ1/4kgのりんごが3個あります。全部の重さは何kgですか?

と単位が異なるだけで同じ問題です。

つまり、 [ 当量 ] が端数(少数や分数)を持つ正数の場合の掛け算は単位変換によって自然数の掛け算にして考えることが出来ます。

しかし、 [ 個数 ] は端数(少数や分数)を持つことはありませんので、このままでは、分数の掛け算が出来ません。

そこで [ 当量 ] を [ 基準量 ] 、 [ 個数 ] を [ 比率 ] に拡張して考えます。

例題2. はりんご1個当りの重さ=250 が [ 基準量 ] であり、それを3倍 [ 比率 ] したものが [ 総量 ] であるので、250×3=750

この様に自然に拡張することが出来ます。

この拡張により、包含除は [ 総量 ] ÷ [ 基準量 ] = [ 比率 ] となり、
端数を持つことが許容され、『余り』 の概念が存在しなくなります。

そして、包含除と等分除を区別する必要がほとんど無くなります。

更に、分数の定義は 『 a÷bで求められる数 を a/b と表記する (但しa,bは自然数)』 と一般化されます。

例題8. 1mの重さが4.25kgのパイプがあります。このパイプ2.5mの重さは何kgですか?

この場合、1m当りの重さ=4.25 が[ 基準量 ]であり、パイプの長さ=2.5 が[ 比率 ]であるので
4.25×2.5=10.625 答え.10.625kg となります。

この例題は

1mの重さが4250gのパイプがあります。このパイプ5/2mの重さは何gですか?

1/2mの重さが2125gのパイプがあります。このパイプ5/2mの重さは何gですか?

と同じ問題であり、

4250×5/2=4250/2×5=2125×5=10625 答え 10625g=10.625kg

と計算されています。

更に この例題は

1mの重さが17/4kgのパイプがあります。このパイプ5/2mの重さは何kgですか?

1/2mの重さが17/8kgのパイプがあります。このパイプ5/2mの重さは何kgですか?

1/2mの重さが178'kgのパイプがあります。このパイプ5/2mの重さは何8'kgですか?

と同じ問題であり、

17/4×5/2=17/8×5=(17×5)/8=85/8 となります。

この様に[ 比率 ]が自然数になるように[ 基準量 ]を取り直すことが出来ます。

一般に a/b × c/d を計算する場合、

a/b × c/d= a/(b×d) ×c と変換し、 分数の成り立ちより

a/(b×d) ×c=(a×c)/(b×d) となります。

この様にして、(正の)分数の掛け算は

『分母は分母どうし、分子は分子どうし掛ける』 で計算することが出来ます。

--------------------------------------------

問題です。
問12. (正の)分数の割り算の定義 とは?

戻る

--------------------------------------------

前へ TOPへ 次へ