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ワクチン接種
 ワクチンの種類には様々なものがあります。病院に全てお任せでなく飼い主も知識を持って対応しましょう。

■ワクチンで感染を予防
細菌やウイルスなどの抗原が体に入ると、免疫システムによってこれを排除しようとします。
1度目の感染によって抗原が記憶されて抗体ができていると、2度目以降に細菌やウイルスが侵入した場合、早く強い対処できるのです。ワクチンはこの獲得免疫を利用した感染防護の方法です。
しかし、ワクチンで100%予防できるわけではありません。
その猫が持つ免疫力によって違いますが、ワクチン接種により症状が出るのを抑えるもので、
感染しても軽症ですみ、命を落とすことが防げるというものです。
■ワクチン接種は、なぜ必要か?
猫に多いのが伝染病です。 特に子猫や高齢猫は体力(抵抗力)がないため感染しやすく、また症状が重くなりやすく、命を落とすことも少なくありません。 この伝染病には現在のところ有効な治療薬はなく、ワクチンを接種する以外に有効な対策がありません。
ワクチンの目的は病気の予防です。健康で元気な猫が病気にならないために接種します。
また、感染すると自分の猫だけでなく、他の猫への感染源となってしまいます。ワクチンを接種しておけば、ウイルスを体外にまきちらしたり、自分で病気を繰り返したりすることが防げます。
■全ての猫にワクチン接種が必要か?
  • 元気で健康な猫にしか接種できません。(ワクチンには副作用があることも忘れてはいけない)
  • 全室内飼いでも接種が必要です。人間の衣服や靴などを介して室内に運ばれる場合もあるし、ベランダに出ることによりウイルスや細菌に接する可能性もあります。
  • 猫白血病の場合は、感染する危険性のある猫のみ接種すればよく、接種前に感染の有無を検査する。(外に出る猫、外から猫が入ってくる家の猫、感染猫が同居している場合など)

■ワクチン接種時期と効果
  • 成猫は、健康状態ならいつでも接種が行える。
  • より確実に免疫を作るために、初回の接種後、約1ヶ月後に2回目の追加接種が行われる。
  • 子猫は、生後2〜3ヶ月ぐらいに最初の接種を行う。
    初乳を介して親譲りの免疫(抗体)をもらいます。その後だんだん減っていって自分で抗体を作るのが生後4〜8週齢からです。ワクチン接種が無駄になる移行抗体がなくなって抗体を作れるようになった8〜14週齢に、初回ワクチンを接種するのが理想ですが、初乳を飲んでいない、親がわからなかったり、感染リスクが非常に高いなど状況によっては生後1ヶ月から接種を始めることもあります。
  • 年に1回の追加接種が推奨されている。
     ※ワクチンを接種してすぐ抗体ができるわけではありません。(少なくても2週間ぐらいかかる)
  ※日本で発売されている猫ワクチンは、全て1年に1回の接種を推奨しています。
これまで、複数回接種と、その後毎年1回の追加接種が勧められてきました。この接種間隔について、アメリカでは2〜3年に1回接種でよいとされています。
これについては、接種率と効果という2点について日本との違いによるものと思われます。
まず、日本では全体の10〜20%の猫しかワクチンを接種していないのに対し、アメリカでは50%以上の猫がワクチンを接種しているので、ウイルスの汚染状況が違うといえます。
日本では、他の猫あるいは他の猫と接触した飼主を介してウイルスに接触する可能性が高いのです。
そして、日本では2〜3年に1回の接種でワクチンの効果が十分に期待できるということが実際にはわかっていないからです。
■猫のワクチンの種類
猫で接種するワクチンは現在、5種類の病気に対するワクチンがあり、3〜5種類の病気を同時に防ぐことができる3種〜7種混合ワクチンまであります。ワクチンの種類には生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
一番一般的な3種混合ワクチンは、全ての猫に重要な必ず接種すべきコアワクチンとされています。
ワクチンの料金は病院によって違いますが大体6千円前後です。
予防できる病気 3種混合 猫白血病 4種混合 5種混合 7種混合
猫ウイルス性鼻気管炎  
猫カリシウイルス感染症  
猫汎白血球減少症  
猫白血病ウイルス感染症  
クラミジア感染症      

※7種混合ワクチン
猫カリシウイルスには多くのタイプがあり、3種・4種混合ワクチンでは1つのタイプのカリシウイルスの予防しかできませんでしたが、7種混合ワクチンでは3タイプのカリシウイルスを予防することができます。
■現在、日本で使用されている猫のワクチン
どのワクチンが適切なのかは、飼育状況や地域の感染事情などにより違います。また、獣医師の考えもあるでしょうし、病院によって使用しているワクチンの種類も違うので、獣医師さんにご相談下さい。
種類

製品名
販売元 剤型  承認年月日 副作用
3種 パナゲンFVR C−P 武田シェリング・プラウアニマルヘルス(株)

生・不
1985年8月21日 無し
3種 猫用ビルバゲンCRP 大日本製薬株式会社

1994年4月20日

無し

3種 フェリドバックPCR 明治製菓

1998年2月26日

有り

3種 “京都微研”フィライン−3 株式会社 微生物科学研究所

1998年12月24日

無し

3種 フェロセルCVR ファイザー株式会社

1999年6月3日

無し

3種 フェロバックス3 共立製薬株式会社

1999年9月30日

有り

3種 ノビバック TRICAT 株式会社インターベット

2001年3月28日

無し

白血 リュウコゲン 大日本製薬株式会社

1996年5月14日 有り
白血 フィバキシンFeLV 共立製薬株式会社

1997年12月18日 無し
4種 “京都微研”フィライン-4 株式会社 微生物化学研究所

2000年12月8日 有り
5種 フェロバックス5 共立製薬株式会社

2002年6月14日 有り
7種 “京都微研”フィライン-7 株式会社 微生物化学研究所

2003年3月11日 無し
 (フィバキシンFeLVは2003年9月を持って販売終了)
ワクチンを接種すると、証明書をもらえると思います。
その証明書に何のワクチンを使ったかシールなどが貼ってあったりしますので、確認してみるといいです。
(参考ページ 農林水産省動物医薬品検査所
※2002年3月22日にアメリカで猫免疫不全ウイルス(FIV)のワクチンの販売と使用が認可されました。
  このワクチンは不活化ワクチンだそうです。効果があれば日本への輸入もあるかもしれません。
伝染性腹膜炎(FIP)のワクチンは、1991年にアメリカでは既に開発され承認・販売されています。
  しかし、信頼度と安全性の面でまだ問題があるようで、日本では未だ市販されていません。
★ワクチンを打つ前に
免疫能が低下している時に接種した場合は発病する事もあるので、接種前の問診や健康診断は非常に重要。
しかし、それだけでは十分にわからない病気もあります。高齢猫や持病のある猫、妊娠中も注意が必要です。  下記のいずれかの場合は接種を避ける
最近気になる症状がある(食欲・便・元気など)、疾病にかかっている。
重篤な腎不全、心不全。
以前に、ワクチン接種により重篤な副反応がみられたことがある。
★ワクチンを打った後に
  病院でも「ワクチンを打ったあとは微熱が出たりするので様子見といてください」と言われます。
  以下の点に注意してください。
元気・食欲の低下、軟便・下痢・吐き気がないか
顔のむくみ・腫れ・痒み
呼吸の異常・体温低下・貧血・よだれ・ふるえなど
ぐったりする・倒れる
★ワクチン接種時の注意事項
 ●なるべく午前中にワクチン接種することをお勧めします。(異常があった場合に速やかに対処が行える)
 
過去にワクチンで異常があった場合は、あらかじめ申し出ておきましょう。
 
接種後しばらくはよく観察し、副反応がみられた場合は、直ちに病院に連絡する。
  ワクチンを接種した後、発熱や食欲や元気をなくす猫がいます。
  これらは注射の副作用で、1〜2日で治まりますが、必ず獣医さんの指示をあおいでください。
 ●2〜3日は、安静に努め、激しい運動、交配、シャンプーなどは避けるようにしてください。
 
接種後2〜3週間は、他の動物との接触を避けましょう。
  (免疫ができるまでに時間がかかり、免疫力がつくまでにおよそ2週間かかるからです)

★副反応について
ワクチン接種は、発病しないまでも一時的に軽くその伝染病にかかる状態になるので、
副作用が全くないワクチンというのはないでしょう。(健康な猫の場合はほとんど問題がないといわれている)
副作用やアレルギー反応(事前の検査では予測できません)は、その日のうちに起こり症状が激しくなければ特に治療の必要はありませんが、万が一このような症状が出たら接種した病院に連絡してください。
  • よくみられる副作用は、接種当日いつもより元気がなくなった、というものでしょう。
  • 一過性の元気食欲減退、疼痛、腫脹、発熱、嘔吐、下痢、注射部位の軽度の腫脹、硬結などが一般的な副作用です。
  • 接種後約15分〜1時間以内に突然のけいれん発作をおこすアナフィラキシーショク反応(虚脱、貧血、血圧低下、呼吸速拍、呼吸困難、体温低下、体温低下、流涎、震え、痙攣)があります。
  • 接種後2〜3時間以内には顔面が腫れたり蕁麻疹があらわれるアレルギー反応(顔面腫脹、掻痒、蕁麻疹)があります。顔面、特に瞼と吻口部の腫脹を特徴とする血管性水腫が1回でも起こると、同一アレルゲンに再びさらされるとアナフィラキシーショックを起こす可能性がある。
  • ワクチン誘発性の肉腫
    猫は特殊な動物で、ワクチン接種部位に線維肉腫を発症することがまれにあります(発生率0.01%程)が、ワクチンが原因なのかはまだ特定されていません。注射後しこりが発症する場合は外科手術を行う必要があります。この腫瘍は早期発見し完全に切除すればほとんど治癒するが、場合によっては悪性で致命的なこともある。(発生する時期は注射後3ヵ月〜3年)
     (副作用情報については、農林水産省動物医薬品検査所の動物用医薬品副作用をご参照ください)
★猫白血病ワクチンと副作用について
日本で発売されている猫白血病ワクチンは2種類。白血病ウイルスの一部分を抗原として用いるサブユニットワクチンといわれる「リュウコゲン」と、全ウイルス成分を不活化したいわゆる不活化ワクチンといわれる「フィバキシンFeLV」とがあります。(フィバキシンFeLVは2003年9月を持って販売終了)
(2000年以降は白血病も含めた混合ワクチンが販売されている)

猫の白血病のワクチンにおいて悪性線維肉腫の発生を誘発するという報告がアメリカで多く報告され発生頻度もかなりあるようです。(発生が850〜10000頭に1頭)
ワクチンの中に入っている免疫を高める成分が、何年(数年〜十数年)か経ってから腫瘍(ガン)を起こす可能性があるというものです。現在では白血病のワクチンだけでなく不活化ワクチンに使用する物質が誘発していると考えられています。これらはワクチン接種後、肉腫といわれ接種回数が増えることにより発生率が高くなるようです。

副作用を心配してワクチンを接種しない方もいるでしょうが、ワクチンを行っていれば死なずにすんだ猫が圧倒的に多いのが現状です。ワクチンによって白血病を80%という高い確率で防ぐことができます。

(2005年10月25日一部修正追記)


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