真空管式ギターアンプ 修理記録 U

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表題6グリッド抵抗の断線
AMP形式/日時 : 不明
状況 : 音が小さい。又、音質コントロールが利かなくなった。
調査内容 :
とりあえず、目視点検。特に異常なし。球を差したまま、各部のB電源を測定する。あいも変わらず、アバウトな調べかた。テスターのピン先をいろいろな測定点に当てていると、出力段では、ガリィガリィとノイズ音が出る。(修理記録1−表題3:参照) 2段目のゲートピンでは音が出てたと思うが、初段のプレートピンをつついてても、ガリィガリィと音が出なかったと思う。とにかく、初段と、次段のつなぎが悪いと判断できた。(昔の事で記憶があやふや)。
改修履歴 :
カップリングコンデンサーが悪いのだろうと思い、取り替える。 直らない。こんな筈ではなかったのに!! もう少し調べてゆくと、次段の球のグリッド抵抗が、500KΩのところ、4MΩであった。 取り替えてOKになった。
考察 :
軽率な判断は、あやまちの元です。 すべては理論的に説明出来ます。今回の場合、音質コントロール用の増幅段にのみ、信号が入らなくなった為、音そのものは、ある程度出ていた。(信号が廻り込んで、出力段に入っていた)。


表題7スピーカーの断線
AMP形式/日時 : FENDER ”TWIN REVERB−AMP AB763” 1999年04月
状況 : 音が小さい。ボリーム(VR)を動かす時に雑音が出る。
調査内容 :
・しばらく音を出して見る。スピーカーも2個ついているが、片方から音が出ていないようだ。線を外して抵抗を測定すると、断線している。ためしに別のアンプの出力をそれぞれのスピーカーに接続してみる。やはり断線しているスピーカーから、音が出ない。
・現象からして、アンプ本体にも原因があると思われる為、次にアンプの内部を確認する。6L6の球も丸っこく、かなり古さを感じるアンプだ。BOXから、アンプ部を取り出すと、古道具特有の匂いがした。 ( 写真参照
・球を差したまま、各部の電源を測定する。ずいぶんと電圧値が低い。AC100V印加で、ヒーター電圧が5.3V。(USAは電源電圧がAC115Vらしい。日本は100Vであるから、約87%の低下になる。それなら、まあ少し低い程度だが)
・B電源については、回路図では460Vとなっているが、測定値は360Vしかない。バイアス電圧は−52Vのところ、−32Vである。しばらく電源をいれたままにして、再度、電圧測定を実施した。特に電圧降下は無い。 (電源Trは油が滲み出ており、劣化が進んでいると推測される)
・6L6の球を予備と取り替えてみる。少しパワーが上がったように感じるだけで、特に変化なし。
・再度、各部の電圧を測定する。初段/中段の供給電圧が約270Vと、それにしても低い。(回路図では410V) 電源部の確認をすると、電圧調整用の抵抗が10KΩであり、そこで70V近く降下している。(回路図では1KΩ
改修履歴 :
・電源部の降下用抵抗を1.2KΩに変更した。初段等への供給電圧は330Vとなった。
・各VRに接点洗浄剤を吹き付け、ガリガリを無くす。
・REVERBへのシールド線を取り替えする。
・基板の汚れを少しきれいにする。
考察 :
古いアンプで、現象が掴みどころの無いケースは難しい。全体的に絶縁劣化が進んでおり、清掃と手入れで少しは良くなるケースがある。今回は原因不明のまま、直ったようだ。 恥ずかしい。推定原因は回路図に記載


表題8 連続する異音
AMP形式/日時 : Marshall”JTM30” 2000年12月
状況 : 1秒周期ぐらいで、大きな異音が発生する。ボリュームを下げても止まらない。正常な時は、全然現象が発生しない。
調査内容 :
・楽器店で確認するも、異常発生しない。取り敢えず家に持ち帰り、CDを鳴らしていると、”ガリィ”と音がしたと同時に、定期的な異常音「ビィーン、ビィーン」が1秒間隔で鳴り出した。 (電源周波数のノイズ音では無い)
・電源を切り、内部を点検する。結構新しいギターアンプで、電源部やイコライザー部分は、トランジスタを使用してあり、きれいである。
・真空管ソケット・ケーブルコネクタの緩みやガタが無いか調べるも、問題無さそうである。(念の為に各接触部に接点洗浄剤をスプレーする)
・再度、電源を入れCDを鳴らしてみるが、現象が発生しない。しばらく様子見をするが、異常とならない。各電圧も正常値らしい値である。最後の手段で、色々な個所を叩いてみるが、特におかしくはならない。
・初心に帰り、真空管を予備の球に交換すべく、引き抜くと、球の内部で「チャリ」と小さな音がする。球を振ると内部でなにか小さな欠片が転がっている様だ。内部を見てもそれらしき物は、何も見え無い。
・これが原因と思われる為、再度CDを鳴らしたまま、かなり激しく真空管の球を叩くと、異常が再現した。 乱暴な調べ方だ。恥ずかしい。
改修履歴 :
・しばらく予備の球に交換して様子を見る事とした。
考察 :
やはり、真空管は消耗品だ。蛍光灯と同じで、劣化し掛かっていると、点滅するみたいに、変な現象を起こす。


表題9 叩くと断続的に異音
AMP形式/日時 : Marshall”MK−U” 100W用 6CA7が4本 2001年06月
状況: 本体を叩く、触ると、継続的な異音(ビ、ビ、ビ、ビ)が発生する。ボリュームを下げた状態にて。
調査内容:
・確かに、振動を与えると、異常現象が発生する。ボリューム関係の接触不良と思われた。
・取り敢えず内部点検する。
・ボリューム関係のあたりに振動を与えるも、明かな異常は発生しない。電源まわりに振動を与えると、異常が発生しやすい為、目視で注意深く点検する。
  アースに落している線が剥離していた。(写真参照
・修理後、振動を与えても、異常音は出なくなった。が
・電源コードを人体で握ると、ノイズを拾う。見ると被服はひび割れして、湿ると感電しそうなくらい痛んでいる。
・ボリュームを中簡まで上げると、断続的な異音(ビ、ビ、ビ−、ビーー)が徐々大きくなりながら、20秒程度発生する。その後、約1分程度は異常無し。ノイズ音はテレビからの電磁波ノイズよりは小さいくらい。
 前段の増幅用真空管を取り換えるが、同現象。前段部電源コンデンサーを取り返るも、少し症状改善あるが、同現象のまま。元に戻す。
 オシロスコープで波形観測するに、電源はリップスノイズのみ。信号ライン上に明かにノイズが乗っている。処々、点検するも原因不明。電源OFFするも、ノイズ波形の発生あり。外部ノイズと判断。
家のすぐ上の山に通っている高圧ケーブルが、電源リークして、「ビーン」と鳴っているタイミングと確かに一緒だった。やはり、マーシャルのアンプは増幅度が高いぜ。
改修履歴:
1.外れていた線の半田を付け直す。
2.電源コードを取替える。
考察 :
振動を与える事により発生する現象の原因は、やはり、接触不良状態ですね。振動を与えた個所で、 一番異常が出やすい所に、原因が潜んでいる。


表題10
AMP形式/日時不明
状況:
調査内容:
改修履歴:
考察 :


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